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特許7325480自動取引装置及びそれを含んだサイネージシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-03
(45)【発行日】2023-08-14
(54)【発明の名称】自動取引装置及びそれを含んだサイネージシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0241 20230101AFI20230804BHJP
【FI】
G06Q30/0241
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021127672
(22)【出願日】2021-08-03
(62)【分割の表示】P 2018049954の分割
【原出願日】2018-03-16
(65)【公開番号】P2021170412
(43)【公開日】2021-10-28
【審査請求日】2021-08-03
(73)【特許権者】
【識別番号】504373093
【氏名又は名称】日立チャネルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】弁理士法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山崎 通弘
(72)【発明者】
【氏名】片山 善博
(72)【発明者】
【氏名】舩阪 真司
(72)【発明者】
【氏名】脇田 隆治
(72)【発明者】
【氏名】行本 裕
【審査官】池田 聡史
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-138640(JP,A)
【文献】特開2017-163486(JP,A)
【文献】特表2012-522314(JP,A)
【文献】特表2014-531616(JP,A)
【文献】特開2002-040974(JP,A)
【文献】特開2014-142896(JP,A)
【文献】特開2009-282846(JP,A)
【文献】特開2010-079770(JP,A)
【文献】特開2017-151767(JP,A)
【文献】特開2015-162162(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0125468(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サイネージ端末搭載部と、
利用者の操作を受け付けるタッチパネルディスプレイを有し当該タッチパネルディスプレイを介して受け付けた操作に従う取引処理を実行する自動取引装置本体と、
前記サイネージ端末搭載部へ搭載され前記自動取引装置本体と非接続であるデジタルサイネージ端末と
を有し、
前記デジタルサイネージ端末は、
コンテンツを表示するディスプレイと、
前記自動取引装置本体が使用する通信回線とは別の通信回線を介して、サイネージサーバアプリを備えるサイネージサーバとの通信を行う通信部と、
前記ディスプレイで表示するためのコンテンツデータセットと、前記コンテンツデータセットの切替え日時を示すファイル及び前記コンテンツデータセットのタイムテーブルを示すファイルを含むスケジュールデータとを予め格納する記憶部と、
前記スケジュールデータに従って前記コンテンツデータセットを前記ディスプレイに表示するようにサイネージアプリを実行する制御部と
を備え、
前記デジタルサイネージ端末の前記制御部は、
前記サイネージサーバアプリから前記別の通信回線を介して受信したコンテンツデータセットを、前記記憶部にあり現在時刻が表示期間に属しないコンテンツのコンテンツデータセットの集合である待機中コンテンツ集合に格納し、
所定の契機で、前記記憶部にあり現在時刻が表示期間に属するコンテンツのコンテンツデータセットの集合である放映中コンテンツ集合と前記待機中コンテンツ集合との間でのコンテンツの切替え日時に現在時刻がなったかどうかを確認し、
前記現在時刻が前記切替え日時に到達したときには、前記待機中コンテンツ集合における該当のコンテンツデータセットを前記放映中コンテンツ集合に移し、当該コンテンツデータセットが示すコンテンツを、前記ディスプレイに表示し、
前記コンテンツデータセットは、一式の複数のファイルとしてのインタラクティブコンテンツデータセットを含み、
前記ディスプレイに表示されたコンテンツは、前記インタラクティブコンテンツデータセットのファイル構成と前記スケジュールデータに従って表示されたインタラクティブコンテンツであり、
前記制御部が、前記サイネージアプリに設けられている操作ログ取得用のAPI(Application Programming Interface)をコールすることで、前記インタラクティブコンテンツを表示している前記デジタルサイネージ端末に対して前記利用者の操作が行われる都度に、当該行われた操作のログであり前記別の通信回線を介して前記サイネージサーバに送信される操作ログデータセットを前記記憶部に格納し、
前記デジタルサイネージ端末は、前記自動取引装置本体で行われている取引処理に応じて、複数の前記インタラクティブコンテンツデータセットのうち表示対象とする前記インタラクティブコンテンツのインタラクティブコンテンツデータセットを切替えるようになっており、
前記デジタルサイネージ端末のうち前記デジタルサイネージ端末のディスプレイが視認可能に組み込まれており、
前記制御部は、前記インタラクティブコンテンツデータセットの第1のタイムアウト時間を管理しており、前記ディスプレイに表示されているインタラクティブコンテンツに対して前記利用者により操作がされたが当該第1のタイムアウト時間を経過しても当該インタラクティブコンテンツデータセットが走らない場合に当該インタラクティブコンテンツデータセットの復旧を行うようになっており、
前記サイネージアプリが、前記第1のタイムアウト時間よりも長い第2のタイムアウト時間を管理しており、
前記サイネージアプリを実行する前記制御部が、前記ディスプレイに表示されているインタラクティブコンテンツに対して前記利用者により操作がされたが前記第2のタイムアウト時間を経過しても前記インタラクティブコンテンツデータセットが走らない場合に当該インタラクティブコンテンツデータセットの復旧を行う、
自動取引装置。
【請求項2】
請求項1に記載の自動取引装置であって、
前記所定の契機は、前記サイネージアプリの再起動時である
自動取引装置。
【請求項3】
請求項1に記載の自動取引装置であって、
前記デジタルサイネージ端末は、前記通信部を介して、前記サイネージサーバアプリから配信される前記コンテンツデータセットを受信し、前記ディスプレイで再生されたコンテンツの再生回数を送信する
自動取引装置。
【請求項4】
請求項1に記載の自動取引装置であって、
前記サイネージサーバは、許可された前記デジタルサイネージ端末とのみ通信を許可する端末登録機能と、許可された前記デジタルサイネージ端末に前記コンテンツデータセットを配信する前記サイネージサーバアプリと、前記デジタルサイネージ端末におけるコンテンツの再生回数及び操作履歴を採取するログ採取機能と、前記デジタルサイネージ端末の再起動を指示する端末再起動指示機能を有する
自動取引装置。
【請求項5】
請求項1に記載の自動取引装置であって、
前記現在時刻が前記切替え日時に到達したときには、前記デジタルサイネージ端末の前記制御部は、前記待機中コンテンツ集合における該当のコンテンツデータセットを前記放映中コンテンツ集合に移し、当該コンテンツデータセットが示すコンテンツを、前記通信部が前記サイネージサーバと無接続の状態で前記ディスプレイに表示する
自動取引装置。
【請求項6】
請求項に記載の自動取引装置であって、
前記デジタルサイネージ端末は、前記自動取引装置本体の利用状況に応じて、前記インタラクティブコンテンツの表示と非表示、又は、操作の許可と禁止を切替える、
自動取引装置。
【請求項7】
利用者の操作を受け付けるタッチパネルディスプレイを有し当該タッチパネルディスプレイを介して受け付けた操作に従う取引処理を実行する自動取引装置本体を有する自動取引装置のサイネージ端末搭載部へ搭載されるデジタルサイネージ端末を用いた自動取引方法であって、
前記自動取引装置本体と非接続である前記デジタルサイネージ端末のディスプレイにより、コンテンツを表示するステップと、
前記デジタルサイネージ端末の通信部により、前記自動取引装置本体が使用する通信回線とは別の通信回線を介して、サイネージサーバアプリを備えるサイネージサーバとの通信を行うステップと、
前記ディスプレイで表示するためのコンテンツデータセットの切替え日時を示すファイル及び前記コンテンツデータセットのタイムテーブルを示すファイルを含むスケジュールデータに従って前記コンテンツデータセットを前記ディスプレイに表示するようにサイネージアプリを実行するようになっている、前記デジタルサイネージ端末の制御部により、前記サイネージアプリから前記別の通信回線を介して受信したコンテンツデータセットを、前記デジタルサイネージ端末の記憶部にあり現在時刻が表示期間に属しないコンテンツのコンテンツデータセットの集合である待機中コンテンツ集合に格納するステップと、
前記サイネージアプリを実行する前記制御部により、前記サイネージアプリの再起動時で、前記記憶部にあり現在時刻が表示期間に属するコンテンツのコンテンツデータセットの集合である放映中コンテンツ集合と前記待機中コンテンツ集合との間でのコンテンツの切替え日時に現在時刻がなったかどうかを確認するステップと、
前記サイネージアプリを実行する前記制御部により、前記現在時刻が前記切替え日時に到達したときには、前記待機中コンテンツ集合における該当のコンテンツデータセットを前記放映中コンテンツ集合に移し、当該コンテンツデータセットが示すコンテンツを、前記ディスプレイに表示するステップと、
前記コンテンツデータセットは、一式の複数のファイルとしてのインタラクティブコンテンツデータセットを含み、
前記ディスプレイに表示されたコンテンツは、前記インタラクティブコンテンツデータセットのファイル構成と前記スケジュールデータに従って表示されたインタラクティブコンテンツであり、
前記制御部が、前記サイネージアプリに設けられている操作ログ取得用のAPI(Application Programming Interface)をコールすることで、前記インタラクティブコンテンツを表示している前記デジタルサイネージ端末に対して前記利用者の操作が行われる都度に、当該行われた操作のログであり前記別の通信回線を介して前記サイネージサーバに送信される操作ログデータセットを前記記憶部に格納するステップと、
前記デジタルサイネージ端末は、前記自動取引装置本体で行われている取引処理に応じて、複数の前記インタラクティブコンテンツデータセットのうち表示対象とする前記インタラクティブコンテンツのインタラクティブコンテンツデータセットを切替えるようになっており、
前記デジタルサイネージ端末のうち前記デジタルサイネージ端末のディスプレイが視認可能に組み込まれており、
前記制御部は、前記インタラクティブコンテンツデータセットの第1のタイムアウト時間を管理しており、前記インタラクティブコンテンツに対して前記利用者によりインタラクティブな操作がされたが当該第1のタイムアウト時間を経過しても当該インタラクティブコンテンツデータセットが走らない場合に当該インタラクティブコンテンツデータセットの復旧を行うようになっており、
前記サイネージアプリが、前記第1のタイムアウト時間よりも長い第2のタイムアウト時間を管理しており、
前記サイネージアプリを実行する前記制御部が、前記ディスプレイに表示されているインタラクティブコンテンツに対して前記利用者により操作がされたが前記第2のタイムアウト時間を経過しても前記インタラクティブコンテンツデータセットが走らない場合に当該インタラクティブコンテンツデータセットの復旧を行うステップと、を備える
自動取引方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、デジタルサイネージに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルサイネージに関する技術として、例えば、特許文献1に開示の技術が知られている。特許文献1は、例えば、「マスター装置と、デジタルサイネージ端末と、顧客端末、及び、前記マスター装置と前記デジタルサイネージ端末間の情報伝達手段と、前記マスター装置と前記顧客端末間の情報伝達手段を備えてなり、前記マスター装置は、スケジュールプログラム及び/又はサイネージスケジュール及び/又はユニークコードを記憶する手段と、スケジュールプログラム及びサイネージコンテンツを前記デジタルサイネージ端末に送信する手段と、配信コンテンツに紐づけるユニークコードを前記顧客端末に送信する手段を有する。」を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-033441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
デジタルサイネージ端末を搭載した自動取引装置も知られている。自動取引装置は、主に金融機関に設置されているが、コンビニエンスストア、駅、空港及び商業施設といった種々の場所にも設置されている。自動取引装置は、社会インフラの1つとしての役割を担っていると言うこともでき、故に、自動取引装置をデジタルサイネージとして利用することは有効である。
【0005】
自動取引装置のデジタルサイネージ端末が、動画や静止画といった単方向のコンテンツだけでなく、利用者との双方向のやりとりができるインタラクティブなコンテンツも表示できれば、コンテンツの提供元(例えば広告主)にとって一層有効であると考えられる。
【0006】
双方向のやりとりのためには、通常、インタラクティブなコンテンツを上位システム(例えばサーバ)から提供し、応答がデジタルサイネージ端末から上位システムに返される。このため、デジタルサイネージ端末が上位システムと常時接続されていること、及び、デジタルサイネージ端末と上位システムとの間に比較的広い通信帯域を確保することが望ましい。
【0007】
しかし、自動取引装置のデジタルサイネージ端末に関して言えば、運用負担の低減のため、デジタルサイネージ端末を上位システムと常時接続しないこと、及び、常時接続がされるにしても通信帯域が狭いことが望ましい環境であり得る。例えば、デジタルサイネージ端末が搭載された自動取引装置が複数台設置されている環境に関して、各自動取引装置のデジタルサイネージ端末に提供される通信帯域は128Kbpsから512Kbps程度が見込まれることがある。
【0008】
また、自動取引装置が行う取引処理に影響を与えないようにするために、デジタルサイネージ端末が自動取引装置本体(取引処理を行うメインの部分)と非接続であることや、デジタルサイネージ端末の通信回線が自動取引装置本体の通信回線(特に、取引データが送受信される勘定系の通信回線)と別とされることが望ましい。すなわち、デジタルサイネージ端末が自動取引装置本体の計算リソースを使用しない構成とされることが望ましい。
【0009】
自動取引装置に関するこのような特有の課題や、このような課題を解決するための手段は、特許文献1には開示も示唆も無い。
【課題を解決するための手段】
【0010】
自動取引装置に搭載されているデジタルサイネージ端末が、一式の複数のファイルとしてのインタラクティブコンテンツデータセットを格納する。デジタルサイネージ端末が、当該インタラクティブコンテンツデータセットのファイル構成に従いインタラクティブなコンテンツを表示する。
【発明の効果】
【0011】
デジタルサイネージ端末を上位システムと常時接続しないこと、及び、常時接続がされるにしても通信帯域が狭いことである環境と、デジタルサイネージ端末が自動取引装置本体と非接続でありデジタルサイネージ端末の通信回線が自動取引装置本体の通信回線と別である環境のいずれにおいても、自動取引装置に搭載されたデジタルサイネージ端末を介してインタラクティブなコンテンツを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施例における自動取引装置の外観図。
図2】本発明の実施例における自動取引装置の構成を示すブロック図。
図3】本発明の実施例におけるデジタルサイネージ端末の構成を示すブロック図。
図4】本発明の実施例におけるサイネージアプリの機能構成を示すブロック図。
図5】本発明の実施例において採用され得る幾つかのシステム構成の例を示す図。
図6】本発明の実施例におけるサイネージサーバアプリの機能構成を示すブロック図。
図7】本発明の実施例におけるコンテンツ配信に着目した機能ブロック図。
図8】本発明の実施例におけるログ取得に着目した機能ブロック図。
図9】本発明の実施例における操作ログデータセットの一例を示す図。
図10】本発明の実施例におけるインタラクティブコンテンツデータセットでエラーが発生したときの自動復旧の流れを示す図。
図11】本発明の実施例におけるインタラクティブコンテンツデータセットの構成の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施例について自動取引装置を具体例として説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
【0014】
以下の説明では、「通信部」は、一以上の通信インターフェースデバイスで良い。当該一以上の通信インターフェースデバイスは、一以上の同種の通信インターフェースデバイス(例えば一以上のNIC(Network Interface Card))であっても良いし2以上の異種の通信インターフェースデバイス(例えばNICとHBA(Host Bus Adapter))であっても良い。
【0015】
また、以下の説明では、「メモリ部」は、一以上のメモリであり、典型的には主記憶デバイスで良い。メモリ部における少なくとも一つのメモリは、揮発性メモリであっても良いし不揮発性メモリであっても良い。
【0016】
また、以下の説明では、「PDEV部」は、一以上のPDEVであり、典型的には補助記憶デバイスで良い。「PDEV」は、物理的な記憶デバイス(Physical storage DEVice)を意味し、典型的には、不揮発性の記憶デバイス、例えばHDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)である。
【0017】
また、以下の説明では、「記憶部」は、メモリ部およびPDEV部のうちの少なくとも一つ(典型的には少なくともメモリ部)である。
【0018】
また、以下の説明では、「制御部」は、一以上のプロセッサである。少なくとも一つのプロセッサは、典型的には、CPU(Central Processing Unit)のようなマイクロプロセッサであるが、GPU(Graphics Processing Unit)のような他種のプロセッサでも良い。少なくとも一つのプロセッサは、シングルコアでも良いしマルチコアでも良い。少なくとも一つのプロセッサは、処理の一部または全部を行うハードウェア回路(例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)またはASIC(Application Specific Integrated Circuit))といった広義のプロセッサでも良い。
【0019】
また、以下の説明では、「kkk機能」の表現にて機能を説明することがあるが、機能は、1以上のコンピュータプログラムが制御部によって実行されることで実現されても良いし、1以上のハードウェア回路(例えばFPGA又はASIC)によって実現されても良い。プログラムが制御部によって実行されることで機能が実現される場合、定められた処理が、適宜に記憶部及び/又は通信部等を用いながら行われるため、機能は制御部の少なくとも一部とされても良い。機能を主語として説明された処理は、制御部あるいはその制御部を有する装置が行う処理としても良い。プログラムは、プログラムソースからインストールされても良い。プログラムソースは、例えば、プログラム配布計算機又は計算機が読み取り可能な記録媒体(例えば非一時的な記録媒体)であっても良い。各機能の説明は一例であり、複数の機能が1つの機能にまとめられたり、1つの機能が複数の機能に分割されたりしても良い。
【0020】
また、以下の説明では、「データセット」とは、アプリケーションプログラム(アプリ)のようなプログラムから見た1つの論理的な電子データの塊であり、例えば、1以上のオブジェクトでよく、各オブジェクトは、レコード、ファイル、キーバリューペア及びタプルのうちのいずれでもよい。以下、1つのデータセットとして、1又は複数のファイルを例に取る。なお、2以上のデータセットが1つのデータセットとして集約されても良いし、1つのデータセットが2以上のデータセットに分けられても良い。
【0021】
図1は、本発明の実施例における自動取引装置100の外観図である。
【0022】
図中、符号120は、利用者が取引選択など自動取引装置100を操作する際に使用する利用者操作画面としてタッチパネルディスプレイを示す。符号130aは、カードユニット130(図2参照)の一部であるカードの出し入れを行うカード挿入口を示す。符号140aは、通帳ユニット140(図2参照)の一部である通帳の出し入れを行う通帳挿入口を示す。符号150aは、紙幣ユニット150(図2参照)の一部である紙幣の入出金を行う紙幣入出金口を示す。符号160aは、硬貨ユニット160(図2参照)の一部である硬貨の入出金を行う硬貨入出金口を示す。符号180は、デジタルサイネージ端末200(図2参照)を搭載する構造部品を含むタブレット搭載部を示す。符号170は、自動取引装置100の前扉を示す。符号200aは、デジタルサイネージ端末200の一部であるディスプレイを示す。
【0023】
図2は、本発明の実施例における自動取引装置100の構成を示すブロック図である。
【0024】
図中、符号105は、自動取引装置本体(言い換えれば、自動取引装置100のうちのデジタルサイネージ端末200以外の部分)を示す。符号110は、制御部を示す。符号120は、制御部110の指示に従って表示を行うとともに、利用者が取引種類の選択や操作を受け付ける利用者操作画面としてのタッチパネルディスプレイを示す。符号130は、制御部110の指示に従って取引で使用するカードの処理を行うカードユニットを示す。符号140は、制御部110の指示に従って取引で使用する通帳の処理を行う通帳ユニットを示す。符号150は、制御部110の指示に従って紙幣の入出金処理を行う紙幣ユニットを示す。符号160は、制御部110の指示に従って硬貨の入出金処理を行う硬貨ユニットを示す。符号170は、制御部110の記憶領域である記憶部を示す。符号200は、デジタルサイネージ端末を示す。符号171は、制御部110の指示に従って通信を行う通信部を示す。符号200aは、デジタルサイネージ端末200の一部であるディスプレイを示す。符号204は、デジタルサイネージ端末200の一部である通信部を示す。自動取引装置本体105の通信部171が行う通信の通信回線と、デジタルサイネージ端末200の通信部204が行う通信の通信回線は、別である。
【0025】
なお、デジタルサイネージ端末200は、例えば、タブレット型の情報処理端末であるタブレット端末である。
【0026】
また、デジタルサイネージ端末200は、デジタルコンテンツを表示するアプリケーションを含んでいる。ここで、デジタルサイネージ端末200と制御部110とは接続されていない。これにより、自動取引装置本体105とデジタルサイネージ端末200とで通信回線を分離することが出来、自動取引装置100にセキュリティ上の脆弱点が生じることを避けることが出来る。
【0027】
図3は、デジタルサイネージ端末200の構成を示すブロック図である。
【0028】
デジタルサイネージ端末200の記憶部207に格納され制御部203にて実行されるコンピュータプログラムの一例として、広告のようなサイネージコンテンツを表示するソフトウェアであるサイネージアプリ300と、デジタルサイネージ端末200の入出力や同時並行処理などを管理するプログラムであるOS(オペレーティングシステム)201、内蔵のデバイスや周辺機器を使用できるようにするソフトウェアであるドライバ202を格納する。
【0029】
また、記憶部207は、コンテンツデータセットとして少なくとも1つのインタラクティブコンテンツデータセット310を格納する。本実施例では、記憶部207は、1以上の単方向コンテンツデータセット225と、1以上のインタラクティブコンテンツデータセット310とを格納する。
【0030】
デジタルサイネージ端末200は、タブレット端末であるが、その物理構成は、汎用計算機と同等で良い。例えば、デジタルサイネージ端末200は、複数の物理的な計算リソースである物理計算リソース群319を有する。物理計算リソース群319は、デジタルサイネージ端末200の制御や演算や情報転送をつかさどる中央処理装置である制御部203、他の端末やネットワーク2105(図7及び図8参照)への接続を可能とする通信部204を含む。通信部204は、有線での接続を可能とする有線通信部205と無線での接続を可能とする無線通信部206を含む。
【0031】
物理計算リソース群319は、更に、ディスプレイ(典型的にはタッチパネルディスプレイ)120、記憶部207、及び、制御部203を含む。記憶部207は、上述のプログラムに加えて、サイネージアプリ300で利用する静止画や動画のような単方向コンテンツを示す単方向コンテンツデータセット225や、インタラクティブコンテンツデータセット310や、表示対象とするコンテンツデータセットの切り替え等のスケジュールを示すスケジュールデータセット226や、ログを示すログデータセット222も記録される。単方向コンテンツデータセット225は、1つのファイルである。インタラクティブコンテンツデータセット310は、複数のファイルと当該複数のファイルを格納したフォルダとで構成されている。スケジュールデータセット226は、例えば、コンテンツ切替え日時を示すファイル、コンテンツのタイムテーブルを示すファイル等を含んで良い。ログデータセット222として、動作ログを示す動作ログデータセット222Aと、稼働統計ログを示す稼働統計ログデータセット222Sと、インタラクティブコンテンツに対する利用者操作のログを示す操作ログデータセット222Tとがある。
【0032】
デジタルサイネージ端末200の電源を外部より調達する電源ユニット208が備えられる。電源は、自動取引装置100の内部コンセントと接続して自動取引装置100と電源運用を同一とする事も出来る。電源ユニット208は、バッテリーであっても良い。
【0033】
ディスプレイ120は、サイネージアプリ300で実行された動画や静止画などのコンテンツ(例えば広告)を表示したり、デジタルサイネージ端末200に対する利用者操作を受け付けたりする。なお、本実施例では、デジタルサイネージ端末200に対する操作は、ディスプレイ120が受け付けるが、電源の入切や、音量の操作、決定や取り消し、選択などの操作を受け付ける1以上の物理的なボタンが、ディスプレイ120に代えて又は加えて、利用者から視認可能に設けられても良い。
【0034】
図4は、サイネージアプリ300の機能構成を示すブロック図である。
【0035】
サイネージアプリ300は、表示機能301及び常時稼働機能304を有する。
【0036】
表示機能301は、デジタルサイネージ端末200のタッチパネルディスプレイ120への表示内容の制御を実行する機能である。表示機能301は、コンテンツ表示機能302及び保守機能303を含む。コンテンツ表示機能302は、動画や静止画、テロップや、インターネット上のウェブページの情報を画面上に表示するための閲覧ソフトであるブラウザやその他アプリケーションを表示する。保守機能303は、保守者の特定の操作により表示され、デジタルサイネージ端末200やサイネージアプリ300の操作を実行可能とする。
【0037】
常時稼動機能304は、常時稼働に関する機能である。常時稼動機能304は、スケジュール管理機能306、通信機能305、及び、生死監視機能307を含む。スケジュール管理機能306は、デジタルサイネージ端末200の記憶部207に記憶されたスケジュールデータセット226が示すスケジュール(例えば、コンテンツ表示の順序や日時による切替制御)に従って表示内容を切り替える。通信機能305は、通信部204を制御し上位システム(例えばサイネージサーバ2000(図5参照)とデジタルサイネージ端末200とを接続する。生死監視機能307は、スケジュール管理機能306の生死監視を実施する機能である。例えば、生死監視機能307は、サイネージアプリ300の内部で、起動元プロセスと起動先プロセスとの間で生死監視を行う。この生死監視で異常と検知した場合に、生死監視機能307は、起動先プロセスを再起動する。生死監視機能307は、操作によりサイネージアプリ300の起動を抑制する起動制御機能308を有する。
【0038】
サイネージアプリ300に関する起動は、例えば次のようにして行われて良い。すなわち、OS201により、起動制御機能308が起動され、起動制御機能308により、スケジュール管理機能306が起動され、スケジュール管理機能306により、コンテンツ表示機能302が起動されて良い。
【0039】
図5は、本実施例において採用され得る幾つかのシステム構成を示す図である。
【0040】
システム5100、5200及び5300のいずれが採用されても良い。すなわち、デジタルサイネージ端末200は、有線通信または、無線通信にて、イントラネット2100または、インターネット2200を経由して、サイネージサーバ2000上で動作しているサイネージサーバアプリ2400と接続される。サイネージサーバ2000が、いわゆるクラウドシステム2300上に構築されたソフトウェアディファインドのサーバであっても良い。
【0041】
図6は、サイネージサーバアプリ2400の機能構成を示すブロック図である。
【0042】
サイネージサーバアプリ2400は、サイネージサーバ2000で実行されるコンピュータプログラムの1つである。サイネージサーバアプリ2400は、許可されたデジタルサイネージ端末200とのみ通信を許可する端末登録機能2401、デジタルサイネージ端末200にコンテンツデータセットを配信するコンテンツ配信機能2402、デジタルサイネージ端末200におけるコンテンツの再生回数や操作履歴など採取するログ採取機能2403、及び、デジタルサイネージ端末200の再起動を指示する端末再起動指示機能2404を有する。
【0043】
図7は、コンテンツ配信に着目した機能ブロック図である。
【0044】
単方向コンテンツデータセット225及びインタラクティブコンテンツデータセット310のいずれも、サイネージサーバアプリ2400のコンテンツ配信機能2402により、ネットワーク2105(例えば、イントラネット2100又はインターネット2200)を介して、デジタルサイネージ端末200の常時稼動機能304に送信される。常時稼働機能304は、受信したコンテンツデータセットを、記憶部207にある待機中コンテンツ集合221に格納する。待機中コンテンツ集合221は、現在時刻が表示期間に属しないコンテンツのコンテンツデータセットの集合である。コンテンツ表示機能302は、記憶部207にある放映中コンテンツ集合220におけるコンテンツデータセットが示すコンテンツの表示を実行している。放映中コンテンツ集合220は、現在時刻が表示期間に属するコンテンツのコンテンツデータセットの集合である。
【0045】
放映中コンテンツ集合220と待機中コンテンツ集合221との間でのコンテンツデータセットの切替えは、サイネージアプリ300の再起動時などの決められた契機に(例えば定期的に)、コンテンツ表示機能302が、現在時刻がコンテンツ切替え日時になったかどうかを確認する。現在時刻が切替え日時に到達したときには、コンテンツ表示機能302が、待機中コンテンツの集合221における該当のコンテンツデータセットを放映中コンテンツ集合220に切り替え(移動し)、当該コンテンツデータセットが示すコンテンツの表示を実施する。
【0046】
このように、インタラクティブコンテンツデータセットが事前に(当該インタラクティブコンテンツデータセットが放映中コンテンツ集合220に属するコンテンツデータセットとなる前に)デジタルサイネージ端末200に配信されるため、サイネージサーバ2000とデジタルサイネージ端末200(サイネージアプリ300)の間のネットワーク2105が切断されても、コンテンツ表示を継続することができる。
【0047】
なお、インタラクティブコンテンツデータセットを構成する一式の複数のファイルが、図11に例示するように、コンテンツフォルダ319に格納される。つまり、デジタルサイネージ端末200では、インタラクティブコンテンツデータセット毎に、フォルダ(ディレクトリと呼ばれても良い)で仕切られる。コンテンツフォルダ319とコンテンツフォルダ319に属する一式の複数のファイルが1つのインタラクティブコンテンツデータセット310である。インタラクティブコンテンツデータセット310のファイル構成は、ツリー構造で良い。つまり、コンテンツフォルダ319をルートとし、一式の複数のファイルがルートに直接的に又は間接的に属して良い。各インタラクティブコンテンツデータセット310は、HTML(Hypertext Markup Language)の技術を利用して作成されたデータセットである。複数のファイルは、起動ファイル6110を含み、起動ファイル6110は、コンテンツフォルダ319の直下に属する。起動ファイル6110を通じて、コンテンツフォルダ319に属する他のファイルが呼び出される。起動ファイル6110の下位に、ファイル6121や、フォルダ6122が属する。例えば、フォルダ6122として、画像ファイル6131Gが属する画像フォルダ6122Gや、スクリプトファイル(例えば、JavaScript(登録商標)のファイル)6131Pが属するスクリプトファイル6122Pがある。
【0048】
図8は、ログ取得に着目した機能ブロック図である。
【0049】
本実施例では、サイネージサーバ2000とデジタルサイネージ端末200との間のネットワーク2105が常時接続でない環境や、通信帯域が狭い環境において、コンテンツ表示機能302が、HTML5などで作成されたデータセットに従うインタラクティブなコンテンツを表示しているときに、常時稼働機能304が、自動取引装置100の利用者によるインタラクティブな操作を、記憶部207の操作ログデータセット222Tに保存する。操作ログデータセット222T等のログデータセット222は、サイネージサーバ2000とデジタルサイネージ端末200のネットワーク2105が接続されたときなどに、ログ採取機能2403によって、常時稼働機能304から、ネットワーク2105を介して、サイネージサーバ2000に送信される。
【0050】
ログデータセット222として、上述したように、動作ログデータセット222A、稼働統計ログデータセット222S、及び、操作ログデータセット222Tとがある。動作ログデータセット222Aにはサイネージアプリ300の動作のログが蓄積されるが、動作ログは、例えば、サイネージアプリ300が起動した日毎に記録される。動作ログは、コンテンツの表示以外の動作に関するログを含む。一方、稼働統計ログデータセット222Sに記録される稼働統計ログ、及び、操作ログデータセット222Tに記録される操作ログは、コンテンツの表示に関するログである。例えば、稼働統計ログは、各コンテンツファイル(例えば、テキスト、音声、静止画、又は動画といったファイル)の時間帯毎の実施回数を示す。操作ログは、ページ遷移やタッチといった利用者操作のログである。
【0051】
図9は、操作ログデータセット222Tの一例を示す。
【0052】
インタラクティブなコンテンツの利用者の「関心度」「興味度」を測るため、インタラクティブコンテンツの一例としてのWebコンテンツに対するタッチといった操作のログを取得するAPI(Application Programming Interface)が、例えばサイネージアプリ300に設けられて良い。APIは、ページ開始、ページ終了、及び、タッチが記録できるようログ取得用に設けられたスクリプト(例えばJavaScript(登録商標))で良い。図9の記録例は、メニュー画面からアンケート画面(QUESTIONNARE)に遷移し、アンケート1番を回答したことを示す。
【0053】
Webコンテンツのようなインタラクティブコンテンツがログ取得用の上述のAPIをコールすることにより、ページ遷移とタッチといった操作ログを記録する。操作ログは、ログ取得日時、コンテンツ名、ページID及びタッチIDを含んで良い。例えば、ページ開始時の所定イベントのときにページIDが取得されそのページIDがページ開始として記録されて良い。また、ページ終了時の所定イベントのときにページIDが取得されそのページIDがページ終了として記録されて良い。ボタンやリンク等に対するタッチが行われたときにページID及びタッチIDが取得され当該ページID及びタッチIDがタッチ操作として記録されて良い。なお、インタラクティブな操作は、ディスプレイ200aにタッチすることに代えて又は加えて、デジタルサイネージ端末200が有する図示しないカメラに対するジェスチャー操作等でも良い。カメラの撮影画像を解析することにより当該操作が検出され操作ログに記録されても良い。
【0054】
図10は、インタラクティブコンテンツデータセットでエラーが発生したときの自動復旧の流れを示す図である。
【0055】
インタラクティブなコンテンツ表示時の動作は下記の通りである。コンテンツ表示機能302は、インタラクティブコンテンツデータセット310(起動ファイル6110)に表示指示を行い(S101)、生死監視機能307の無操作監視タイマを設定する(S102)。インタラクティブコンテンツに対して利用者がインタラクティブな操作を行うと(S103)、当該操作を受け付けたインタラクティブコンテンツデータセット310により無操作監視タイマは初期化される(S104)。なお、図10に破線で示すように、インタラクティブコンテンツデータセット310(例えば或るスクリプト)は、設定されている内部タイムアウト時間(第1のタイムアウト時間の一例)を経過したか否かを監視しており、内部タイムアウト時間を経過してもインタラクティブコンテンツデータセット310が走らない(動きが進まない)場合に当該インタラクティブコンテンツデータセット310の復旧を行うようになっている。
【0056】
インタラクティブコンテンツデータセット310の内部でエラーが発生したときの復旧動作は下記の通りである。
【0057】
利用者がインタラクティブな操作を行い(S105)、無操作監視タイマの初期化が行われた後に(S106)、インタラクティブコンテンツデータセット310の内部でエラーが発生したとする(S107)。生死監視機能307が、コンテンツタイムアウト時間(第2のタイムアウト時間の一例)を管理している。例えば、コンテンツタイムアウト時間は、内部タイムアウト時間よりも長い。無操作のままコンテンツタイムアウト時間が経過すると無操作監視タイマがタイムアウトを検知し(S108)、タイムアウトをコンテンツ表示機能302に通知する(S109)。この通知に応答して、コンテンツ表示機能302が、インタラクティブコンテンツデータ310に表示指示を行う(S110)。これにより、インタラクティブなコンテンツの表示が復旧される。
【0058】
以上が、本実施例の説明である。上述の説明を、例えば、下記のように総括することができる。なお、下記の総括は、上述の説明に無い事項を含んでいても良い。
【0059】
自動取引装置100が、利用者の操作を受け付けるタッチパネルディスプレイ120を有し当該タッチパネルディスプレイ120を介して受け付けた操作に従う取引処理を実行する自動取引装置本体105と、デジタルサイネージとして機能する情報処理端末であるデジタルサイネージ端末200とを備える。デジタルサイネージ端末200が、一式の複数のファイルとしてのインタラクティブコンテンツデータセットを格納する。デジタルサイネージ端末が、当該デジタルサイネージ端末に格納されているインタラクティブコンテンツデータセットのファイル構成に従いインタラクティブなコンテンツを表示する。
【0060】
これにより、デジタルサイネージ端末200を上位システム(例えばサイネージサーバ2000)と常時接続しないこと、及び、常時接続がされるにしても通信帯域が狭いことである環境と、デジタルサイネージ端末200が自動取引装置本体105と非接続でありデジタルサイネージ端末200の通信回線が自動取引装置本体105の通信回線と別である環境とのいずれにおいても、自動取引装置100に搭載されたデジタルサイネージ端末200を介してインタラクティブなコンテンツを提供できる。なお、インタラクティブなコンテンツの実現は、比較的安価で見栄えの良いデザインを実現し易いと言われているHTMLの技術を利用して実現することが望ましいと考えられるが、上記の実施例は、HTMLの技術を利用して実現されたインタラクティブなコンテンツを提供することに有用である。
【0061】
インタラクティブコンテンツデータセット310のファイル構成に従いインタラクティブなコンテンツを表示しているデジタルサイネージ端末200に対して利用者の操作が行われる都度に、当該行われた操作のログを、デジタルサイネージ端末200に格納されたログデータセット222Tに蓄積する。これは、例えば、インタラクティブコンテンツデータセット310から呼び出されるログ取得用のAPIを設けることにより実現される。デジタルサイネージ端末200は、ログデータセット222Tを、サイネージサーバ2000(デジタルサイネージ端末200の上位システムの一例)に送信する。
【0062】
これにより、インタラクティブコンテンツデータセット310がデジタルサイネージ端末200に格納されていても、インタラクティブな操作をサイネージサーバ2000に伝えることが実現できる。
【0063】
インタラクティブコンテンツデータセット310は、内部タイムアウト時間(第1のタイムアウト時間の一例)を管理しており、当該内部タイムアウト時間を経過しても当該インタラクティブコンテンツデータセット310が走らない場合に当該インタラクティブコンテンツデータセット310の復旧を行うようになっている。
【0064】
しかし、インタラクティブコンテンツデータセット310に設定されている内部タイムアウト時間やその管理にバグ等のエラーがあると、インタラクティブコンテンツデータセット310自身による復旧が期待できない。
【0065】
また、インタラクティブコンテンツデータセット310内でエラーが発生したときに、一般のブラウザ(例えばWebブラウザ)上でエンドユーザが復旧させるような操作を、自動取引装置の利用者に求めることはできない。
【0066】
また、デジタルサイネージ端末200のうちディスプレイ200aが視認可能に組み込まれている構成において、インタラクティブコンテンツデータセット310の表示の復旧がされないと、自動取引装置100自体に故障が発生したと利用者に誤解を与えるおそれがある。
【0067】
そこで、デジタルサイネージ端末200が、内部タイムアウト時間よりも長い無操作タイムアウト時間(第2のタイムアウト時間の一例)を管理する。デジタルサイネージ端末200が、無操作タイムアウト時間を経過してもインタラクティブコンテンツデータセット310が走らない場合に当該インタラクティブコンテンツデータセット310の復旧を行う。これにより、インタラクティブコンテンツデータセット310の内部エラーが生じてもコンテンツの表示を自動で復旧することができる。
【0068】
デジタルサイネージ端末200は、自動取引装置本体105の利用状況に応じて、インタラクティブなコンテンツの表示と非表示、又は、操作の許可と禁止を切替えても良い。これにより、自動取引装置本体105の利用状況に応じたコンテンツ提供が期待される。例えば、下記が行われて良い。
・デジタルサイネージ端末200の図示しないカメラの撮影画像から利用者が検出されない場合、デジタルサイネージ端末200は、インタラクティブなコンテンツを非表示とする。一方、当該カメラの撮影画像から利用者が検出されている場合、デジタルサイネージ端末200は、インタラクティブなコンテンツを表示する。
・デジタルサイネージ端末200の図示しないカメラの撮影画像から利用者が下を向いていることが検出された場合、デジタルサイネージ端末200は、利用者が取引のために自動取引装置本体105に対する操作中とみなし、インタラクティブなコンテンツの操作を禁止とする。一方、当該カメラの撮影画像から利用者が正面を向いている(ディスプレイ200aを見ている)ことが検出された場合、デジタルサイネージ端末200は、インタラクティブなコンテンツの操作を許可とする。
【0069】
デジタルサイネージ端末200は、自動取引装置本体105で行われている取引処理に応じて、複数のインタラクティブコンテンツデータセット310のうち表示対象とするインタラクティブなコンテンツのインタラクティブコンテンツデータセットを切替えて良い。これにより、取引処理に応じたコンテンツ提供が期待される。なお、どのような取引処理が行われているかは、デジタルサイネージ端末200のカメラの撮影画像から推定されても良いし、デジタルサイネージ端末200が自動取引装置本体105から直接(又はサーバ等を経由して)デジタルサイネージ端末200に通知されても良い。
【0070】
以上、一実施例を説明したが、これは本発明の説明のための例示であって、本発明の範囲をこの実施例にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、他の種々の形態でも実行することが可能である。例えば、実施例に係るデジタルサイネージ技術は、自動取引装置に関わる特有の環境においてもインタラクティブなコンテンツを提供することを実現する技術であるが、デジタルサイネージ端末200が、自動取引装置に搭載されることに代えて、自動取引装置に関わる特有の環境における通信環境と同等の通信環境に設置されても、インタラクティブなコンテンツを提供するということを実現することが期待できる。
【0071】
<表現1>
利用者の操作を受け付けるタッチパネルディスプレイを有し当該タッチパネルディスプレイを介して受け付けた操作に従う取引処理を実行する自動取引装置本体と、
デジタルサイネージとして機能する情報処理端末であるデジタルサイネージ端末と
を備え、
前記デジタルサイネージ端末が、一式の複数のファイルとしてのインタラクティブコンテンツデータセットを格納し、
前記デジタルサイネージ端末が、当該デジタルサイネージ端末に格納されている前記インタラクティブコンテンツデータセットのファイル構成に従いインタラクティブなコンテンツを表示する、
自動取引装置。
<表現2>
前記デジタルサイネージ端末が、
前記インタラクティブコンテンツデータセットのファイル構成に従いインタラクティブなコンテンツを表示している前記デジタルサイネージ端末に対して前記利用者の操作が行われる都度に、当該行われた操作のログを、前記デジタルサイネージ端末に格納されたログデータセットに蓄積し、
前記ログデータセットを、前記デジタルサイネージ端末の上位システムに送信する、
表現1に記載の自動取引装置。
<表現3>
前記デジタルサイネージ端末のうち前記デジタルサイネージ端末のディスプレイが視認可能に組み込まれており、
前記インタラクティブコンテンツデータセットは、第1のタイムアウト時間を管理しており、当該第1のタイムアウト時間を経過しても当該インタラクティブコンテンツデータセットが走らない場合に当該インタラクティブコンテンツデータセットの復旧を行うようになっており、
前記デジタルサイネージ端末が、前記第1のタイムアウト時間よりも長い第2のタイムアウト時間を管理しており、
前記デジタルサイネージ端末が、前記第2のタイムアウト時間を経過しても前記インタラクティブコンテンツデータセットが走らない場合に当該インタラクティブコンテンツデータセットの復旧を行う、
表現1に記載の自動取引装置。
<表現4>
前記デジタルサイネージ端末は、前記自動取引装置本体の利用状況に応じて、前記インタラクティブなコンテンツの表示と非表示、又は、操作の許可と禁止を切替える、
表現1に記載の自動取引装置。
<表現5>
前記デジタルサイネージ端末は、前記自動取引装置本体で行われている取引処理に応じて、複数のインタラクティブコンテンツデータセットのうち表示対象とするインタラクティブなコンテンツのインタラクティブコンテンツデータセットを切替える、
表現1に記載の自動取引装置。
<表現6>
利用者の操作を受け付けるタッチパネルディスプレイとデジタルサイネージとして機能する情報処理端末であるデジタルサイネージ端末とを有し前記タッチパネルディスプレイを介して受け付けた操作に従う取引処理を実行する自動取引装置と、
前記デジタルサイネージ端末の上位システムと
を備え、
前記デジタルサイネージ端末が、インタラクティブなコンテンツのための一式の複数のファイルを前記上位システムから受信し当該一式の複数のファイルをインタラクティブコンテンツデータセットとして格納し、
前記デジタルサイネージ端末が、当該デジタルサイネージ端末に格納された前記インタラクティブコンテンツデータセットのファイル構成に従いインタラクティブなコンテンツを表示する、
サイネージシステム。
【符号の説明】
【0072】
100…自動取引装置、105…自動取引装置本体、200…デジタルサイネージ端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11