(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-03
(45)【発行日】2023-08-14
(54)【発明の名称】玩具
(51)【国際特許分類】
A63H 33/00 20060101AFI20230804BHJP
【FI】
A63H33/00 301Z
(21)【出願番号】P 2021130672
(22)【出願日】2021-08-10
【審査請求日】2022-04-04
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)ウェブサイトの掲載日及びウェブサイトの掲載アドレス (ア)・掲載日:令和3年5月1日 ・掲載アドレス:https://www.bandai.co.jp/catalog/item.php?jan_cd=4549660608691000 (イ)・掲載日:令和3年5月1日 ・掲載アドレス:https://gashapon.jp/products/detail.html?jan_code=4549660608691000 (ウ)・掲載日:令和3年5月21日 ・掲載アドレス: https://twitter.com/gashapon_bandai/status/1395680773294891013?form=MY01SV&OCID=MY01SV (エ)・掲載日:令和3年5月21日 ・掲載アドレス:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000047.000038376.html?form=MY01SV&OCID=MY01SV (オ)・掲載日:令和3年5月23日 ・掲載アドレス:https://www.kitatamaomikuji.jp/ (2)公開日及び販売場所 (ア)・公開日:令和3年5月23日 ・販売場所:全国に設置されているガシャポン筐体 (イ)・公開日:令和3年5月23日 ・販売場所:ガシャポンオンライン(https://p-bandai.jp/gashapon-online/)
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】小林 倭月
【審査官】井上 香緒梨
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3076648(JP,U)
【文献】特開2021-083962(JP,A)
【文献】「ミニチュアルーレット式おみくじ器」を開封レビュー[ガチャガチャ],2021年07月13日,https://sacy.work/review/capsule-toy/roulette-fortune
【文献】うたかたの日々 バンダイ ミニチュア ルーレット式おみくじ器,2021年05月28日,https://auraclover.hatenablog.com/entry/2021/05/28/174232
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 33/00-33/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品供給装置から供給可能な第1形態と、遊戯可能な第2形態と、をとり得る玩具であって、
物品を供給可能に操作する操作部を含んでいる玩具本体部と、
前記玩具本体部に装着可能であって、外殻を構成する主部品と、
を備え、
前記主部品は、前記玩具本体部に装着されている状態において、その一方部に第1開口、その他方部に第2開口が形成され
、
前記操作部は、前記第1形態において、前記主部品に係止可能に構成されている、
玩具。
【請求項2】
請求項1に記載の玩具であって、
前記第1開口は、その開口サイズが前記第2開口よりも大きく形成されている、
玩具。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の玩具であって、
前記第1開口は、非円形型の形状を成し、前記第2開口は、円形型の形状を成している、
玩具。
【請求項4】
請求項1~3の何れか一項に記載の玩具であって、
前記第1開口の縁部は、第1水平縁部と、第2水平縁部と、第1傾斜縁部と、第2傾斜縁部とを含み、
前記第1傾斜縁部、及び前記第2傾斜縁部は、各々の一方端部が前記第1水平縁部に接続され、各々の他方端部が前記第2水平縁部に接続されている、
玩具。
【請求項5】
請求項4に記載の玩具であって、
前記第1開口に対して前記第2開口が下方に位置する状態において、前記第2水平縁部は、前記第1水平縁部よりも高い位置に位置している、
玩具。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の玩具であって、
前記第1水平縁部は、前記第2水平縁部よりも長い長さに形成されている、
玩具。
【請求項7】
請求項4~6の何れか一項に記載の玩具であって、
前記第1傾斜縁部、及び前記第2傾斜縁部は、傾斜角度が同一に形成されている、
玩具。
【請求項8】
請求項1~7の何れか一項に記載の玩具であって、
前記第2開口の縁部は、第3水平縁部と、第4水平縁部を含み、
前記主部品が前記玩具本体部に装着されている状態において、前記第3水平縁部、及び前記第4水平縁部は、連続する前記第2開口の縁部を形成している、
玩具。
【請求項9】
請求項1~8の何れか一項に記載の玩具であって、
前記主部品は、第1主部品と、前記第1主部品に連結可能な第2主部品を含み、
前記第1主部品は、その他方部に第1他方部が形成され、前記第2主部品は、その他方部に第2他方部が形成され、
前記第1他方部、及び前記第2他方部は、前記第1主部品と前記第2主部品が連結されている状態において、同一平面を構成している、
玩具。
【請求項10】
請求項9に記載の玩具であって、
前記第1主部品は、その一方部に第1切欠部が形成され、その他方部に前記第1切欠部よりもサイズの小さい第2切欠部が形成され、
前記第2主部品は、その一方部に第3切欠部が形成され、その他方部に前記第3切欠部よりもサイズの小さい第4切欠部が形成され、
前記第1切欠部、及び前記第3切欠部は、前記第1主部品と前記第2主部品が連結されている状態において、前記第1開口を形成し、
前記第2切欠部、及び前記第4切欠部は、前記第1主部品と前記第2主部品が連結されている状態において、前記第2開口を形成している、
玩具。
【請求項11】
請求項10に記載の玩具であって、
前記第1切欠部は、そのサイズが前記第3切欠部よりも大きく、
前記第2切欠部は、そのサイズが前記第4切欠部よりも大きい、
玩具。
【請求項12】
請求項9~11の何れか一項に記載の玩具であって、
前記第1主部品と前記第2主部品とが連結されている状態において、前記主部品に装着可能な副部品をさらに備え、
前記副部品は、第1面部、及び第2面部を含み、前記第1形態において、前記第1面部が前記玩具本体部に面した状態で、前記主部品に装着可能である、
玩具。
【請求項13】
請求項12に記載の玩具であって、
前記副部品は、前記第1形態において、前記外殻の一部を成している、
玩具。
【請求項14】
請求項12又は13に記載の玩具であって、
前記副部品は、前記第2形態において、前記第2面部が前記玩具本体部に面した状態で、前記玩具本体部に連結可能であり、台座部を成している、
玩具。
【請求項15】
請求項12~14の何れか一項に記載の玩具であって、
前記主部品は、光透過部材により構成され、
前記副部品は、光透過部材により構成されていない、
玩具。
【請求項16】
請求項1~15の何れか一項に記載の玩具であって、
前記玩具本体部は、前記第1形態において、前記第1開口から露出している部分が前記外殻の一部を成している、
玩具。
【請求項17】
請求項
1~16の何れか一項に記載の玩具であって、
前記玩具本体部は、前記操作部の操作に応じて前記物品を供給可能な供給部をさらに備え、
前記供給部は、供給路と、前記供給路内において前記物品の落下を阻止する第1阻止部及び第2阻止部とを含み、
前記第1阻止部は、前記操作部の操作前の状態において、前記供給路内に飛び出し、前記操作部の操作後の状態において、前記供給路内から引っ込む、
玩具。
【請求項18】
請求項
17に記載の玩具であって、
前記第2阻止部は、前記第1阻止部よりも前記供給路の上流側に設けられ、前記操作部の操作前の状態において、前記供給路内から引っ込み、前記操作部の操作後の状態において、前記供給路内に飛び出す、
玩具。
【請求項19】
請求項
1~18の何れか一項に記載の玩具であって、
前記玩具本体部は、前記操作部の操作に応じて回転可能な回転盤と、前記回転盤を覆うカバーとをさらに備え、
前記カバーは、前記第1形態において、前記外殻の一部を成している、
玩具。
【請求項20】
請求項
19に記載の玩具であって、
前記カバーは、前記第1形態において、前記玩具本体部から分離不可能に構成され、前記第2形態において、前記玩具本体部から分離可能に構成されている、
玩具。
【請求項21】
請求項
1~20の何れか一項に記載の玩具であって、
前記玩具本体部の外面には、前記操作部の移動を可能にするスリットが設けられ、
前記主部品は、前記第1形態において、前記スリットに嵌入する突起部が設けられている、
玩具。
【請求項22】
請求項
1~21の何れか一項に記載の玩具であって、
前記第1形態において、前記玩具本体部と前記主部品との間には、前記玩具本体部の説明書と前記玩具本体部で使用される部品の少なくとも一方が保持可能に構成される、
玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カプセル内部に人形などを収納して自動販売機で販売されるカプセル玩具がある。例えば特許文献1においては、カプセル構成部材で構成されるカプセル内部には、物品と、物品を収納するカプセルと、このカプセルは、下部カプセルと上部カプセルとを有し、嵌合部で一体化できるものであり、下部カプセルが立設するように下部カプセル内におきあがりこぼし用のおもしを設けているものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1においては、組み立てたカプセルを、展示したり、おきあがりこぼしとして遊ぶものであり、遊戯玩具として遊び方の変化が無く、興趣性が乏しい、という問題がある。
【0005】
本発明は、興趣性の高い玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、物品供給装置から供給可能な第1形態と、遊戯可能な第2形態と、をとり得る玩具であって、玩具本体部と、前記玩具本体部に装着可能であって、外殻を構成する主部品と、を備え、前記主部品は、前記玩具本体部に装着されている状態において、その一方部に第1開口、その他方部に第2開口が形成されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、興趣性の高い玩具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の玩具の第1形態を示す側面図である。
【
図2】玩具の第1形態を正面側の斜め上方から見た斜視図である。
【
図6】第1形態において、玩具を下側から見た斜視図である。
【
図7】
図6における副部品の装着された部位のA-A断面矢視図である。
【
図9】玩具本体部の本体上部の表裏面を示す斜視図である。
【
図11】第1形態における主部品と玩具本体部との係合状態を示す部分破断斜視図である。
【
図13】操作部の操作により動作する部分の動作原理を示す概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態である玩具1について、
図1~
図14を参照して説明する。
なお、以下の図面を参照した説明における向きの記載については、玩具本体部の遊戯状態或いは載置状態を基準として、その上下方向(上方側、下方側、及び垂直方向)、及び水平方向(左右方向)等の記載をし、合わせて、
図3に主部品の向きを確定して示し、これを基準として左右、前後等を記載する。
【0010】
図1は、玩具1の第1形態1Fを示す側面図である。
図1に示すように、物品供給装置から供給可能な球形状の第1形態1F(カプセル形態)の玩具1は、略球形の玩具本体部20と、この玩具本体部20に装着可能であって外殻1sを構成する主部品10と、副部品40と、を備えている。そして、玩具1は、第1形態1Fにおいては透明なラッピングフィルム80により包まれている。この玩具1は、第1形態1Fを分解して組み立てることで遊戯可能な状態の第2形態2F(
図12参照)をとり得る。ここで、主部品10は、光透過部材により構成されているが、玩具本体部20及び副部品40は、光透過部材により構成されていない。したがって、玩具本体部20及び副部品40は、第1形態1Fにおいて外部から目視することができる。
【0011】
図2は、玩具1の第1形態1Fを正面側の斜め上方から見た斜視図である。
図2に示すように、主部品10は、玩具本体部20との間に少し隙間を形成するように後述するリブ構造等を有して肉厚に構成されている。また、主部品10は、玩具本体部20に装着されている状態において、大きく開口した第1開口31から玩具本体部20が大きく露出する構成となっている。すなわち、玩具本体部20は、第1形態1Fにおいて、主部品10に覆われて入るものの、第1開口31から露出し、その露出した部分が外殻1s(
図1参照)の一部を成している。なお、玩具本体部20は、後述するように、第2形態2Fにおいて、所定の操作によっておみくじ物品P(
図8参照)が排出され、また、コインを模したコイン部材C(
図3参照)も有したルーレット型のおみくじ占い器を模した玩具である。また、主部品10と玩具本体部20との間に形成された隙間には、例えば、取り扱い説明書70が収容されている。
【0012】
図3は、主部品10を示す斜視図である。
図3に示すように、主部品10は、一方側(図において上方側)に第1開口31が大きく形成され、他方部(図中において下方側)に第2開口32が第1開口31よりも小さく形成されている。第2開口32は、略円形型の形状を成しているが、第1開口31は、非円形型の形状を成している。非円形の第1開口31は、その縁部31eが、下側(低い位置)の第1水平縁部311と、上側(高い位置)の第2水平縁部312と、両水平縁部311,312を左右両側において接続する上下方向に傾斜する第1傾斜縁部316と、第2傾斜縁部317と、の4つの縁部にて構成されている。
【0013】
また、下側の第1水平縁部311は、その長さが第2水平縁部312よりも長い長さに形成されている。また、第1傾斜縁部316、及び第2傾斜縁部317は、傾斜角度が同一に形成されている。なお、主部品10は、後述する第1主部品11と、第2主部品と、が垂直な分割ライン10cにて連結されている。
【0014】
図4は、第1主部品11を内面側から見た斜視図である。
図5は、第2主部品12を内面側から見た斜視図である。
主部品10の、
図4に示す第1主部品11と、
図5に示す第2主部品と、は、分割ライン10cを構成する第1連結端面11t、及び第2連結端面12tを有している。
第1主部品11は、
図4に示すように、第1連結端面11t側の左右両側の側壁内面11iに、第2主部品12側の係合突起12jと嵌合する係合凹部11jが設けられ、側壁内面12iの左右中央には垂直方向に延びるリブ11vが設けられている。また、第1主部品11は、一方部(図中上側)には、第1開口31の第1水平縁部311、第1傾斜縁部316、及び第2傾斜縁部317を構成する第1切欠部111kが形成され、他方部(図中下側)には、第1切欠部111kよりもサイズの小さい第2開口32の水平な縁部32eの第3水平縁部323を構成する第2切欠部112kが形成されている。この第2切欠部112kは、平坦な同一平面の底面部10b(
図3参照)の略半分側を構成する第1他方部の第1底面部11bに形成されている。
【0015】
第2主部品12は、
図5に示すように、第1主部品11の係合凹部11jに嵌入可能に突出した一対の係合突起12jが側壁内面12iの左右両側から突設されている。また、その一方部(図中上側)には、第1開口31の第2水平縁部312を構成する第3切欠部123kが形成され、その他方部(図中下側)には、第3切欠部123kよりもサイズの小さい第2開口32の水平な縁部32eの第4水平縁部324を構成する第4切欠部124kが形成されている。この第3切欠部123kは、平坦な底面部10b(
図3参照)の略半分側を構成する第2他方部の第2底面部12bに形成されている。
第1主部品11と第2主部品12は、
図3に示すように連結された状態において、第1切欠部111kと第3切欠部123kとが組み合わされて前記第1開口31を形成し、更に、第2切欠部112kと第4切欠部124kとが組み合わされて平坦な底面部10bに第2開口32を形成する。
【0016】
第2主部品12の側壁内面12iには、その左右方向の中央に垂直方向に延出されたリブ12vが設けられ、このリブ12vと交差するように水平方向に突出した突起部16が設けられている。この突起部16は、後述するように、第1形態1Fにおいて、玩具本体部20のスリット25に嵌入する。また、突起部16に隣接して矩形の矩形開口17が形成されている。
更に、リブ12vを挟んで矩形開口17とは反対側には、矩形の隔壁18bと隔壁18b内に突出した突出壁18a(
図3参照)とを備える小収容部18が形成されている。この小収容部18は、ランナーで接続されて環状に形成された複数のコイン部材C(
図3参照)を収容する部分である。
【0017】
ここで、第1切欠部111kのサイズは、第3切欠部123kよりも大きく、第2切欠部112kのサイズは、第4切欠部124kよりも大きく構成されている。
【0018】
図6は、第1形態1Fにおいて、玩具1を下側から見た斜視図である。
図7は、副部品40の装着された部位のA-A断面矢視図である。
図6に示すように、第1主部品11と第2主部品12とが連結された第1形態1Fにおいて、主部品10に対してその外側から副部品40が装着されている。この副部品40は、玩具本体部20の第2形態2F(遊戯状態)において取付けられて台座部を構成する部品であるが、第1形態1Fにおいては、図示の如く、裏面側である第1面部41(
図7参照)が玩具本体部20に面した状態で、主部品10に装着されている。副部品40は、中央に取付け凸部43を備えて第2面部42側が外側に膨らむような形状に構成されている。
【0019】
図7に示すように、副部品40は、外周縁44が主部品10の底部外面に接するように被さり、更に第1面部41には、外周縁44の内側に円周方向に所定間隔に設けられた複数の突起45(例えば4個の突起45)が設けられている。一方、主部品10の底部外面には、環状突起10dが設けられている。そして、副部品40は、装着状態において、外周縁44と突起45と間に、環状突起10dを挟むようにして位置決めされる。したがって、第1形態1Fにおいて、副部品40は、主部品10の平坦な底部を少し膨らましてより球形にするように外殻1sの一部を成している。なお、副部品40は、第2形態2F(
図12参照)においては、第2面部42の取付け凸部43が玩具本体部20の底部に形成された底部連結穴20hに嵌入して取付けられる。
【0020】
図8は、玩具本体部20の分解状態を示す概略図である。
図8に示すように、球形の玩具本体部20は、本体上部20aと本体下部20bとに分離可能に構成されている。本体上部20aは、ルーレットの回転盤22と、回転盤22を回転可能に支持するベース部24と、ベース部24の外周縁に係合保持された透明なカバー23とを有する。
【0021】
本体下部20bは、その本体外面20sに水平方向に延びるスリット25が設けられ、このスリット25から突出しスリット25に沿って水平方向に移動操作可能な操作部21が設けられている。また、スリット25の一端側には、操作部21を指で操作するときに指の引っ掛け部分として機能する把持突起21bが設けられている。また、本体下部20bの上端面20uの外周縁には、上面突起20dが一定間隔で設けられている。この上面突起20dは、本体上部20aが装着された状態で、コイン投入口20cを構成する。また、各コイン投入口20cの下側には、例えば、占い用の12星座が描かれている。
【0022】
図9は玩具本体部20の本体上部20aの表裏面を示す斜視図である。
本体上部20aは、
図9(a)に示すように、回転盤22には、最外周側に数字表示部22mが設けられ、その内側にボールBが入るボックス部22bが配置され、球形の一部を構成する透明なカバー23により覆われている。
ベース部24の裏面側には、
図9(b)に示すように、回転盤22の回転軸22aがベース部24の中央を貫通して、本体下部20bに係合可能に突出している。すなわち、回転軸22aは、その先端部22tが例えば六角形に構成されており、本体下部20b側に設けられた回転駆動部28(
図10参照)に接続される。また、ベース部24の裏面には、例えば3個の連結軸24aが設けられており、本体下部20bに設けられた連結孔20f(
図10参照)に嵌入して、本体上部20aと本体下部20bとが連結される。
【0023】
カバー23を含む本体上部20aは、第2形態2Fにおいては、上記の如く本体下部20bから分離可能に構成されているが、第1形態1Fにおいては、カバー23は外殻1sの一部を成すように第1開口31から露出した状態において、カバー23の外側に第2主部品12の上縁12e(
図1参照)が覆い被さるように位置している。これにより、カバー23が押えられて該カバー23と共に本体上部20aは本体下部20bからは分離できない。
【0024】
図10は、玩具本体部20の本体下部20bの斜視図である。
本体下部20bの上端面20uは、
図10に示すように、外周縁部に上面突起20dが設けられており、その内側に3個の連結孔20fが設けられている。また、上端面20uは、中央の回転駆動部28に向かって球面状に凹んだ形状(
図8参照)となっている。したがって、本体下部20bに本体上部20aを取付けた状態では、コイン部材Cを投入可能なコイン投入口20cが形成されると共に、コイン投入口20cの内部に所定の空間が形成される。また、上端面20uには、物品Pが入る供給路27を備えた供給部26が設けられている。供給路27は、本体下部20bを上下方向に貫通して、本体外面20sに排出口27dが開口している。供給部26は、操作部21と連動する後述の機構を備えており、供給路27に入った物品Pを下方の排出口27dから排出させることができる。
【0025】
図11は、第1形態1Fにおける主部品10と玩具本体部20との係合状態を示す部分破断斜視図である。
図11に示すように、玩具本体部20に設けられた操作部21は、本体外面20sから大きく張り出しており、第1形態1Fにおいては、先端部21tが第2主部品12の矩形開口17に嵌るように係合している。また、第2主部品12に設けられた突起部16は、玩具本体部20に設けられたスリット25に先端16tが嵌入するように係合している。
【0026】
図12は、玩具1の第2形態2Fを示す側面図である。
図12に示すように、第1形態1Fから取外した副部品40の第2面部42を、玩具本体部20の底面に対面するようにして底部連結穴20hに取付ける。このように組み立てることで、副部品40を台座部として載置部60上に展示することができ、また、遊戯可能な状態となる。なお、物品Pは、本体下部20bの上端面20uの上方空間に複数個セットしておく。
【0027】
このように遊戯可能な状態において、占いルーレットの遊戯を開始する。例えば、コイン部材Cを、自分の星座の所のコイン投入口20cに投入する。その後、操作部21を回動するように操作(矢印X方向に操作)する。このとき、把持突起21bに指を掛けるようにし摘まむようにして行なう。この摘まむ動作又は摘まんだ後に操作部21を離して弾く。この弾く動作によって、操作部21が勢い良く戻る動きを利用して回転盤22を回転させる。また、操作部21の操作によって、物品Pは排出口27dから排出される。排出された物品Pは、占いの内容が記載された巻物が筒状部材の中に入れられている。すなわち、巻物には、占い内容や、それに類する情報が記載されており、開くことでそれを見ることができ、これにより、実際の占い遊戯を楽しむことができる。
【0028】
図13は、操作部21の操作により動作する部分の動作原理を示す概略構造図である。
図13に示すように、供給部26は、操作部21の操作に応じて物品Pを1つずつ供給可能な構成を備えている。例えば、供給路27の途中に、物品Pの落下を阻止する第2阻止部29a及び第1阻止部29bが設けられており、この両阻止部29a,29bが供給路27内に水平方向に交互に突出する構造となっている。より詳細には、例えば、上側(供給路27の上流側)で図中右上側の側面に配置された第2阻止部29aは、操作部21の操作前の状態(図示の状態)において、供給路27から引っ込んだ状態となっている。一方、第1阻止部29bは、第2阻止部29aよりも下側(供給路27の下流側)で図中左下側の側面に配置されており、操作部21の操作前の状態(図示の状態)において、供給路27内に飛び出しており、物品Pの落下を阻止する。そして、操作部21を操作(矢印X方向)すると、第2阻止部29aは、供給路27内に飛び出すように移動(図中左斜め下方向に移動)し、このとき、第1阻止部29bも、第2阻止部29aと同じ方向に移動して供給路27から引っ込む。
【0029】
ここで、操作部21は、回動支点21cを中心にして回転動作可能に支持されている。また、操作部21は、バネ部材21dによって所定方向(矢印X方向とは反対方向)に引っ張られている。また、操作部21には、例えば、その先端部21t側に、第1阻止部29a、及び第2阻止部29bが適宜連結されており、第1阻止部29a、及び第2阻止部29bは、操作部21の動きに連動するように構成されている。
【0030】
回転盤22の回転軸22aを回転させる回転駆動部28は、
図13に示すように、例えば、操作部21の先端部21tに連結された駆動ラック28aによって回転駆動される、例えばピニオン28bを備えており、このピニオン28bが先端部22tに連結可能な接続部28cに接続されている。ここで、ピニオン28bによって接続部28cが回転されるのであるが、ピニオン28bは、操作部21の往復移動によって正逆両方に回転する。しかし、接続部28cの回転方向は一方方向のみ回転するように構成されている。すなわち、ピニオン28bと接続部28cとの間には一方方向にだけ動力伝達が可能な機構が内装されている。
【0031】
したがって、回転盤22の回転は、操作部21を摘まむように操作(矢印X方向に動作)したときと、この逆の戻し操作(矢印Y方向の動作)をしたときとの何れの操作で回転しても良いが、例えば、戻し操作(矢印Y方向の動作)にて回転させるようにした場合、操作部21を摘まんでいた指を弾くように離すことで、バネ部材21dの付勢力を利用した操作部21の戻り力によって回転盤22は、勢い良く回転する。
【0032】
図14は、物品Pの供給動作(排出動作)を説明する説明図である。
上述の第1阻止部29aと第2阻止部29bの供給路27内への交互の突出動作によって物品Pは、1つずつ排出される。この1つずつの切り出し動作について、
図14を参照して説明する。
先ず、
図14(a)に示すように、操作部21を操作する前の状態において、物品Pは、供給路27内を落下しないように第1阻止部29bによって保持されている。
【0033】
次に、操作部21が操作(
図13の矢印X方向の操作)されると、
図14(b)に示すように、第1阻止部29bが供給路27から引っ込み、これと同時に第2阻止部29aが供給路27内に進入する。この動作により、
図14(c)に示すように、最下端の物品Pは、第1阻止部29bの保持が解除されて落下し、排出口27dから排出され、遊戯者に供給される。
【0034】
以上述べたように、本実施形態の玩具1は、外殻1sを構成する主部品10において、第1開口31、及び第2開口32が形成されているので、主部品10の使用材料を少なくでき、コストの低減に寄与できる。
【0035】
また、本実施形態の玩具1では、第1開口31は、その開口サイズが第2開口32よりも大きく形成され、その形も第2開口32の円形型とは異なる非円形型の形状を成しているので、玩具本体部20と主部品10とを組み合わせるときの向きが判り易く、組み立て性に優れている。
【0036】
本実施形態の玩具1では、第1開口31の縁部31eは、第1水平縁部311及び第2水平縁部312が玩具本体部20の上下向きと合わせて水平に形成され、且つ第1傾斜縁部316及び第2傾斜縁部317が左右対称に傾斜して形成されているので、第1開口31から露出する玩具本体部20と縁部31eの線分の向きを合わせることができ、第1形態1Fを均整の取れた包装形態にできる。また、このように主部品10の開口形状が左右対称の形状であることで、主部品を10成形する金型の構造の複雑化を回避できる。
【0037】
また、本実施形態の玩具1では、第1開口31に対して第2開口32が下方に位置する状態において、第2水平縁部312を、第1水平縁部311よりも高い位置にすることで、第2主部品12の上縁12eが玩具本体部20の上部側に配置されるカバー23を含む本体上部20aを押さえる構成が可能になる。この結果、第2形態2Fにおいては、本体下部20bから分離可能な本体上部20aを、第1形態1Fにおいて分離できないようにすることができる。
また、カバー23を含む本体上部20aは、第2形態2Fにおいて本体下部20bから分離可能に構成されているので、本体下部20bの内部へのアプローチが容易になり、物品Pの装着等が容易になる。
【0038】
本実施形態の玩具1では、第1主部品11と第2主部品12とを組み上げた状態(第1形態1F)において、第3水平縁部323、及び第4水平縁部324は、第2開口32の連続する略円形状の縁部32eを同一平坦面上に形成するので、玩具本体部20に装着されている状態において玩具本体部20の外面形状に密着させやすく、位置決めがし易い。
【0039】
また、本実施形態の玩具1の第1形態1Fにおいては、第1主部品11と第2主部品12とを組み上げられているが、その組み上げに際して、両主部品11,12共に大きい方の切欠き(第1切欠部111kと第3切欠部123k)と小さい方の切欠き(第2切欠部112kと第4切欠部124k)とを対応させるようにすれば良く、その組み合わせ向きの判別がし易く組み立て性に優れている。
【0040】
本実施形態の玩具1では、第1形態1Fにおいて、副部品40は、主部品10に第1面部41を対面させるように装着されることで、第1形態1Fにおける外殻1sを構成することができる一方、反対側の面の第2面部42を玩具本体部20に面するように取付けることができ玩具本体部20の台座を構成するので、一部材で2つの機能を備えている。
【0041】
本実施形態の玩具1では、主部品10は、光透過部材により構成されている一方で、副部品40は、光透過部材により構成されていないので、玩具本体部20と同じ種類の部材と認識させ易くでき、組み立てる部品である方向性を示唆することができ、例えば、遊戯状態にて不使用な主部品10と区別することができ、玩具本体部20と組み合わせて使用し易い状態(廃棄ミスを回避)とすることができる。
【0042】
本実施形態の玩具1によれば、玩具本体部20は、その本体外面20sが球形を成しているので、第1形態1Fにおいて、第1開口31から露出している部分が外殻1sの一部を成すことができる。また、カバー23も球形を成しているので、第1形態において、外殻1sの一部を成すことができる。
【0043】
本実施形態の玩具1によれば、玩具本体部20は、物品Pを供給可能に操作する操作部21は、第1形態1Fにおいて、主部品10に形成された矩形開口17に係止可能に構成されているので、操作部21は、その動きを係止され、また、主部品10と玩具本体部20との位置決めが可能である。
【0044】
本実施形態の玩具1においては、操作部21によって物品Pの供給路27に交互に出没動作する第1阻止部29a及び第2阻止部29bを備えているので、物品Pの排出が可能なだけでなく、複数個の物品Pを1つずつ確実に供給することが可能である。
【0045】
本実施形態の玩具1においては、主部品10には、第1形態1Fにおいて、玩具本体部20に形成されたスリット25に嵌入する突起部16が設けられているので、主部品10と玩具本体部20との位置決め係止がより確実になる。また、スリット25に嵌ることで操作部21の動きをより確実に阻止することができる。
【0046】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はその技術思想の範囲で適宜変更することができる。例えば、上記第1実施形態においては、主部品10を光透過性の部材にて構成したが、これに限るものではない。
また、上記実施形態においては、回転盤22の駆動機構並びに第1、第2阻止部29a,29bの駆動機構について、
図13に示すような構成に限るものではなく、適宜変更できるものである。
【符号の説明】
【0047】
1 玩具
1F 第1形態
1s 外殻
2F 第2形態
10 主部品
11 第1主部品
12 第2主部品
16 突起部
20 玩具本体部
21 操作部
22 回転盤
23 カバー
25 スリット
26 供給部
27 供給路
29a 第2阻止部
29b 第1阻止部
31 第1開口
32 第2開口
31e、32e 縁部
40 副部品
41 第1面部
42 第2面部
111k 第1切欠部
112k 第2切欠部
123k 第3切欠部
124k 第4切欠部
311 第1水平縁部
312 第2水平縁部
316 第1傾斜縁部
317 第2傾斜縁部
323 第3水平縁部
324 第4水平縁部
P 物品