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特許7325595コンテンツ提供システム、コンテンツ提供装置及び携帯端末
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-03
(45)【発行日】2023-08-14
(54)【発明の名称】コンテンツ提供システム、コンテンツ提供装置及び携帯端末
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20230804BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20230804BHJP
   H04L 67/52 20220101ALI20230804BHJP
   H04L 67/55 20220101ALI20230804BHJP
【FI】
G01C21/26 P
G06Q50/10
H04L67/52
H04L67/55
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022157879
(22)【出願日】2022-09-30
【審査請求日】2022-11-29
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】大野 勝弘
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 学
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 充治
【審査官】宮本 礼子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/092924(WO,A1)
【文献】特開2005-303723(JP,A)
【文献】特開2020-030717(JP,A)
【文献】特開2003-174399(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00-25/00
G06Q 50/10
H04L 67/52
H04L 67/55
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一のユーザが使用する第1携帯端末及び第2携帯端末と、コンテンツ提供装置とを有し、
前記第1携帯端末は、
前記第1携帯端末の第1位置を第1測位方法で測位する第1測位部と、
前記第1携帯端末を識別するための第1識別情報と前記第1位置を示す第1位置情報とを前記コンテンツ提供装置に送信する第1送信部と、
を有し、
前記コンテンツ提供装置は、
前記第1位置情報及び前記第1識別情報を前記第1携帯端末から取得する第1取得部と、
前記第1測位方法と異なる第2測位方法で測位された前記第2携帯端末の第2位置を示す第2位置情報及び前記第2携帯端末を識別するための第2識別情報を取得する第2取得部と、
前記第1識別情報と前記第2識別情報とが関連付けられていることを条件として、前記第1位置の測位精度及び前記第2位置の測位精度のうちの測位精度が高い位置に応じて選択されたコンテンツを、前記第1携帯端末及び前記第2携帯端末の少なくともいずれかに送信する送信制御部と、
を有する、
コンテンツ提供システム。
【請求項2】
前記第1取得部は、人工衛星から送信された電波に基づいて位置を測位する前記第1測位方法により測位された前記第1位置を示す前記第1位置情報を取得し、
前記第2取得部は、前記第2携帯端末から複数の測位デバイスに送信された電波又は前記複数の測位デバイスから前記第2携帯端末に送信された電波に基づいて位置を測位する前記第2測位方法により測位された前記第2位置を示す前記第2位置情報を取得する、
請求項に記載のコンテンツ提供システム。
【請求項3】
前記コンテンツ提供装置は、前記第1位置の測位精度及び前記第2位置の測位精度のうちの測位精度が高い位置が含まれている範囲に関連付けられたコンテンツを選択するコンテンツ選択部を有する、
請求項1又は2に記載のコンテンツ提供システム。
【請求項4】
前記第1測位部は、前記人工衛星から送信された電波の衛星電波強度を特定し、
前記第1送信部は、前記第1識別情報及び前記第1位置情報に、前記衛星電波強度を示す衛星強度情報を関連付けて前記コンテンツ提供装置に送信し、
前記送信制御部は、前記衛星強度情報が示す前記衛星電波強度が所定の衛星強度閾値未満である場合、前記第2位置に応じて選択されたコンテンツを送信する、
請求項に記載のコンテンツ提供システム。
【請求項5】
前記第2取得部は、前記第2測位方法において前記第2位置の測位に用いられた電波の通信電波強度を取得し、
前記送信制御部は、
前記通信電波強度が所定の通信電波強度閾値未満である場合、前記第1位置が含まれている範囲に関連付けられたコンテンツを送信し、
前記通信電波強度が前記通信電波強度閾値以上である場合、前記第2位置が含まれている範囲に関連付けられたコンテンツを送信する、
請求項に記載のコンテンツ提供システム。
【請求項6】
前記第1測位部は、前記人工衛星から送信された電波の衛星電波強度を特定し、
前記第1送信部は、前記第1識別情報及び前記第1位置情報に、前記衛星電波強度を示す衛星強度情報を関連付けて前記コンテンツ提供装置に送信し、
前記送信制御部は、
前記衛星強度情報が示す前記衛星電波強度が所定の衛星強度閾値以上であり、かつ前記通信電波強度が前記通信電波強度閾値以上である場合、前記第1位置及び前記第2位置のうちのいずれか一方の位置を用いて他方の位置を補正した補正後位置に応じて選択されたコンテンツを送信する、
請求項5に記載のコンテンツ提供システム。
【請求項7】
前記コンテンツ提供装置は、前記第1位置又は前記第2位置の選択を、前記第1携帯端末又は前記第2携帯端末から受け付ける選択受付部をさらに有し、
前記送信制御部は、選択された方の位置に応じて選択されたコンテンツを送信する、
請求項に記載のコンテンツ提供システム。
【請求項8】
前記第1取得部又は前記第2取得部は、特定された前記一のユーザの向きを示す方向情報を取得し、
前記送信制御部は、前記第1位置及び前記第2位置の少なくともいずれかと、前記方向情報が示す前記一のユーザの向きとに応じて選択されたコンテンツを送信する、
請求項に記載のコンテンツ提供システム。
【請求項9】
前記送信制御部は、前記コンテンツを出力できる携帯端末の種別と、前記第1携帯端末及び前記第2携帯端末のうちの種別が一致する携帯端末に前記コンテンツを送信する、
請求項に記載のコンテンツ提供システム。
【請求項10】
前記コンテンツ提供装置は、前記コンテンツを送信する送信先として前記第1携帯端末及び前記第2携帯端末のうちの少なくともいずれかの選択を受け付ける選択受付部をさらに有し、
前記送信制御部は、前記選択受付部が受け付けた送信先に前記コンテンツを送信する、
請求項に記載のコンテンツ提供システム。
【請求項11】
前記コンテンツ提供システムは、前記第1携帯端末と前記第2携帯端末とを関連付ける情報処理装置をさらに有し、
前記情報処理装置は、
前記第1識別情報及び前記第1携帯端末のユーザを識別するための第1ユーザ識別情報と、前記第2識別情報及び前記第2携帯端末のユーザを識別するための第2ユーザ識別情報とを取得する情報取得部と、
前記第1ユーザ識別情報と前記第2ユーザ識別情報とが一致していることを条件として、前記第1識別情報と前記第2識別情報とを関連付けて前記情報処理装置の記憶部に記憶させることにより、前記第1携帯端末と前記第2携帯端末とを関連付ける記憶制御部とを有する、
請求項に記載のコンテンツ提供システム。
【請求項12】
前記コンテンツ提供システムは、前記第1携帯端末と前記第2携帯端末とを関連付ける情報処理装置をさらに有し、
前記情報処理装置は、
互いに関連付けられた前記第1識別情報及び前記第2識別情報を、前記第1携帯端末又は前記第2携帯端末から取得する情報取得部と、
互いに関連付けられた前記第1識別情報及び前記第2識別情報が取得されたら、前記第1携帯端末と前記第2携帯端末とを関連付ける記憶制御部とを有する、
請求項に記載のコンテンツ提供システム。
【請求項13】
前記記憶制御部は、前記第1携帯端末と前記第2携帯端末とを関連付ける指示が前記第1携帯端末又は前記第2携帯端末から取得されたことを条件に、前記第1識別情報と前記第2識別情報とを関連付けて前記情報処理装置の記憶部に記憶させる、
請求項11又は12に記載のコンテンツ提供システム。
【請求項14】
一のユーザが使用する第1携帯端末が第1測位方法で測位した前記第1携帯端末の第1位置を示す第1位置情報と、前記第1携帯端末を識別するための第1識別情報とを前記第1携帯端末から取得する第1取得部と、
前記一のユーザが使用する第2携帯端末が前記第1測位方法と異なる第2測位方法で測位した第2位置を示す第2位置情報と、前記第2携帯端末を識別するための第2識別情報とを取得する第2取得部と、
前記第1識別情報と前記第2識別情報とが関連付けられていることを条件として、前記第1位置情報が示す前記第1位置の測位精度及び前記第2位置情報が示す前記第2位置の測位精度のうちの測位精度が高い位置に応じて選択されたコンテンツを、前記第1携帯端末及び前記第2携帯端末の少なくともいずれかに送信する送信制御部と、
を有するコンテンツ提供装置。
【請求項15】
自機の第1位置を第1測位方法で測位する測位部と、
前記自機を使用する一のユーザが使用する他携帯端末により測位された前記他携帯端末が前記第1測位方法と異なる第2測位方法で測位した第2位置を取得するコンテンツ提供装置に、前記第1位置を示す位置情報と、前記自機を識別するための第1識別情報とを送信する送信部と、
前記第1識別情報と前記他携帯端末を識別するための第2識別情報とが関連付けられていることを条件として前記コンテンツ提供装置が送信した、前記第1位置の測位精度及び前記第2位置の測位精度のうちの測位精度が高い位置に応じて選択されたコンテンツを取得する情報取得部と、
を有する携帯端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末の位置に応じたコンテンツを提供するためのコンテンツ提供システム、コンテンツ提供装置及び携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末の位置に応じたコンテンツを送信する技術が知られている。特許文献1には、携帯端末の位置に応じた広告コンテンツを、当該携帯端末に送信する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-46722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の技術は、一のユーザが複数の携帯端末を使用している場合でも各携帯端末の位置に応じた広告等のコンテンツを各携帯端末に送信するだけであって、複数の携帯端末の位置を統合して利用するものではなかった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、一のユーザが使用する複数の携帯端末の位置を統合して利用したサービスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様においては、一のユーザが使用する第1携帯端末及び第2携帯端末と、コンテンツ提供装置とを有し、前記第1携帯端末は、前記第1携帯端末の第1位置を測位する第1測位部と、前記第1携帯端末を識別するための第1識別情報と前記第1位置を示す第1位置情報とを前記コンテンツ提供装置に送信する第1送信部と、を有し、前記コンテンツ提供装置は、前記第1位置情報及び前記第1識別情報を前記第1携帯端末から取得する第1取得部と、前記第2携帯端末の第2位置を示す第2位置情報及び前記第2携帯端末を識別するための第2識別情報を取得する第2取得部と、前記第1識別情報と前記第2識別情報とが関連付けられていることを条件として、前記第1位置及び前記第2位置の少なくともいずれかに応じて選択されたコンテンツを、前記第1携帯端末及び前記第2携帯端末の少なくともいずれかに送信する送信制御部と、を有する、コンテンツ提供システムを提供する。
【0007】
前記第1取得部は、第1測位方法により測位された前記第1位置を示す前記第1位置情報を取得し、前記第2取得部は、前記第1測位方法と異なる第2測位方法により測位された前記第2位置を示す前記第2位置情報を取得してもよい。
【0008】
前記第1取得部は、人工衛星から送信された電波に基づいて位置を測位する前記第1測位方法により測位された前記第1位置を示す前記第1位置情報を取得し、前記第2取得部は、前記第2携帯端末から複数の測位デバイスに送信された電波又は前記複数の測位デバイスから前記第2携帯端末に送信された電波に基づいて位置を測位する前記第2測位方法により測位された前記第2位置を示す前記第2位置情報を取得してもよい。
【0009】
前記コンテンツ提供装置は、前記第1位置及び前記第2位置の少なくともいずれか含まれている範囲に関連付けられたコンテンツを選択するコンテンツ選択部を有してもよい。
【0010】
前記第1測位部は、前記人工衛星から送信された電波の衛星電波強度を特定し、前記第1送信部は、前記第1識別情報及び前記第1位置情報に、前記衛星電波強度を示す衛星強度情報を関連付けて前記コンテンツ提供装置に送信し、前記送信制御部は、前記衛星強度情報が示す前記衛星電波強度が所定の衛星強度閾値未満である場合、前記第2位置に応じて選択されたコンテンツを送信してもよい。
【0011】
前記第2取得部は、前記第2測位方法において前記第2位置の測位に用いられた電波の通信電波強度を取得し、前記送信制御部は、前記通信電波強度が所定の通信電波強度閾値未満である場合、前記第1位置が含まれている範囲に関連付けられたコンテンツを送信し、前記通信電波強度が前記通信電波強度閾値以上である場合、前記第2位置が含まれている範囲に関連付けられたコンテンツを送信してもよい。
【0012】
前記第1測位部は、前記人工衛星から送信された電波の衛星電波強度を特定し、前記第1送信部は、前記第1識別情報及び前記第1位置情報に、前記衛星電波強度を示す衛星強度情報を関連付けて前記コンテンツ提供装置に送信し、前記送信制御部は、前記衛星強度情報が示す前記衛星電波強度が所定の衛星強度閾値以上であり、かつ前記通信電波強度が前記通信電波強度閾値以上である場合、前記第1位置及び前記第2位置のうちのいずれか一方の位置を用いて他方の位置を補正した補正後位置に応じて選択されたコンテンツを送信してもよい。
【0013】
前記コンテンツ提供装置は、前記第1位置又は前記第2位置の選択を、前記第1携帯端末又は前記第2携帯端末から受け付ける選択受付部をさらに有し、前記送信制御部は、選択された方の位置に応じて選択されたコンテンツを送信してもよい。
【0014】
前記第1取得部又は前記第2取得部は、特定された前記一のユーザの向きを示す方向情報を取得し、前記送信制御部は、前記第1位置及び前記第2位置の少なくともいずれかと、前記方向情報が示す前記一のユーザの向きとに応じて選択されたコンテンツを送信してもよい。
【0015】
前記送信制御部は、前記コンテンツを出力できる携帯端末の種別と、前記第1携帯端末及び前記第2携帯端末のうちの種別が一致する携帯端末に前記コンテンツを送信してもよい。
【0016】
前記コンテンツ提供装置は、前記コンテンツを送信する送信先として前記第1携帯端末及び前記第2携帯端末のうちの少なくともいずれかの選択を受け付ける選択受付部をさらに有し、前記送信制御部は、前記選択受付部が受け付けた送信先に前記コンテンツを送信してもよい。
【0017】
前記コンテンツ提供システムは、前記第1携帯端末と前記第2携帯端末とを関連付ける情報処理装置をさらに有し、前記情報処理装置は、前記第1識別情報及び前記第1携帯端末のユーザを識別するための第1ユーザ識別情報と、前記第2識別情報及び前記第2携帯端末のユーザを識別するための第2ユーザ識別情報とを取得する情報取得部と、前記第1ユーザ識別情報と前記第2ユーザ識別情報とが一致していることを条件として、前記第1識別情報と前記第2識別情報とを関連付けて前記情報処理装置の記憶部に記憶させることにより、前記第1携帯端末と前記第2携帯端末とを関連付ける記憶制御部とを有してもよい。
【0018】
前記コンテンツ提供システムは、前記第1携帯端末と前記第2携帯端末とを関連付ける情報処理装置をさらに有し、前記情報処理装置は、互いに関連付けられた前記第1識別情報及び前記第2識別情報を、前記第1携帯端末又は前記第2携帯端末から取得する情報取得部と、互いに関連付けられた前記第1識別情報及び前記第2識別情報が取得されたら、前記第1携帯端末と前記第2携帯端末とを関連付ける記憶制御部とを有してもよい。
【0019】
前記記憶制御部は、前記第1携帯端末と前記第2携帯端末とを関連付ける指示が前記第1携帯端末又は前記第2携帯端末から取得されたことを条件に、前記第1識別情報と前記第2識別情報とを関連付けて前記情報処理装置の記憶部に記憶させてもよい。
【0020】
本発明の第2の態様においては、一のユーザが使用する第1携帯端末が測位した前記第1携帯端末の第1位置を示す第1位置情報と、前記第1携帯端末を識別するための第1識別情報とを前記第1携帯端末から取得する第1取得部と、前記一のユーザが使用する第2携帯端末の第2位置を示す第2位置情報と、前記第2携帯端末を識別するための第2識別情報とを取得する第2取得部と、前記第1識別情報と前記第2識別情報とが関連付けられていることを条件として、前記第1位置情報が示す前記第1位置及び前記第2位置情報が示す前記第2位置の少なくともいずれかに応じて選択されたコンテンツを、前記第1携帯端末及び前記第2携帯端末の少なくともいずれかに送信する送信制御部と、を有するコンテンツ提供装置を提供する。
【0021】
本発明の第3の態様においては、自機の第1位置を測位する測位部と、前記自機を使用する一のユーザが使用する他携帯端末により測位された前記他携帯端末の第2位置を取得するコンテンツ提供装置に、前記第1位置を示す位置情報と、前記自機を識別するための第1識別情報とを送信する送信部と、前記第1識別情報と前記他携帯端末を識別するための第2識別情報とが関連付けられていることを条件として前記コンテンツ提供装置が送信した、前記第1位置及び前記第2位置の少なくともいずれかに応じて選択されたコンテンツを取得する情報取得部と、を有する携帯端末を提供する。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、一のユーザが使用する複数の携帯端末の位置を統合して利用したサービスを提供できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】コンテンツ提供システムの概要を説明するための図である。
図2】第1携帯端末の構成を説明するための図である。
図3】第2携帯端末の構成を説明するための図である。
図4】第2測位方法を説明するための図である。
図5】情報処理装置の構成を説明するための図である。
図6】コンテンツ提供装置の構成を説明するための図である。
図7】コンテンツIDと送信条件を関連付けたデータテーブルの一例である。
図8】複数の測位デバイスが設置され、展示物が展示されている空間の模式図である。
図9】目的地に向かう向きをコンテンツとして送信する処理を説明するための図である。
図10】コンテンツ提供システムが実行する処理の流れの一例を示すシーケンスである。
図11】電波強度に応じてコンテンツを選択する処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[コンテンツ提供システムSの概要]
図1は、コンテンツ提供システムSの概要を説明するための図である。コンテンツ提供システムSは、第1携帯端末1と、第2携帯端末2と、情報処理装置3と、コンテンツ提供装置4とを含む。コンテンツ提供システムSは、一のユーザが使用する複数の携帯端末の位置を統合して利用したサービスを提供するシステムである。
【0025】
第1携帯端末1及び第2携帯端末2は、同一のユーザが使用する携帯端末である。第1携帯端末1の種別は、スマートフォン又はタブレットである。第2携帯端末2の種別は、第1携帯端末1と異なり、スマートウォッチである。また、第1携帯端末1又は第2携帯端末2は、スマートグラス、ネックスピーカー、及びイヤホンであってもよい。
【0026】
情報処理装置3は、同一のユーザが使用する複数の携帯端末を関連付けて記憶するサーバである。情報処理装置3は、第1携帯端末1を識別するための第1識別情報(以下「第1端末ID」という。)を第1携帯端末1から取得し(図1(1))、第2携帯端末2を識別するための第2識別情報(以下「第2端末ID」という。)を第2携帯端末2から取得する(図1(2))。情報処理装置3は、第1端末ID及び第2端末IDを取得すると、第1端末ID及び第2端末IDを関連付けて記憶することにより、第1携帯端末1と第2携帯端末を関連付ける(図1(3))。情報処理装置3は、第1携帯端末1と第2携帯端末2を関連付けたことを示す情報を、第1携帯端末1及び第2携帯端末2に送信する。
【0027】
第1携帯端末1は、第1携帯端末1と第2携帯端末2を関連付けたことを示す情報を受信した後、自機の位置を示す第1位置と第1端末IDをコンテンツ提供装置4に送信する(図1(4))。同様に、第2携帯端末2は、第1携帯端末1と第2携帯端末2を関連付けたことを示す情報を受信した後、自機の位置を示す第2位置と第2端末IDをコンテンツ提供装置4に送信する(図1(5))。
【0028】
コンテンツ提供装置4は、第1位置及び第2位置を取得すると、第1携帯端末1と第2携帯端末2が関連付けられているか否かを確認する。コンテンツ提供装置4は、第1携帯端末1の第1端末ID及び第2携帯端末2の第2端末IDを含む確認依頼を情報処理装置3に送信する(図1(6))。情報処理装置3は、第1端末ID及び第2端末IDが関連付けて記憶されていれば、第1携帯端末1及び第2携帯端末2が関連付けられていることを示す確認結果をコンテンツ提供装置4に送信する(図1(7))。
【0029】
コンテンツ提供装置4は、情報処理装置3から送信された確認結果に、第1携帯端末1及び第2携帯端末2が関連付けられていることが示されていれば、第1位置及び第2位置の少なくともいずれかの位置に応じて、送信するコンテンツを選択する(図1(8))。例えば、コンテンツ提供装置4は、第1位置及び第2位置のいずれかが含まれている範囲に関連付けられた複数のコンテンツから、各携帯端末の種別、第1位置又は第2位置の測位精度及びユーザの選択等に応じて送信するコンテンツを選択する。コンテンツ提供装置4は、コンテンツを選択したら、各携帯端末の種別及びユーザの選択等に応じてコンテンツの送信先を決定する。そして、コンテンツ提供装置4は、決定した送信先である第1携帯端末1に選択したコンテンツを送信する(図1(9))。
【0030】
コンテンツ提供システムSは、一のユーザが互いに関連付けられた複数の携帯端末を使用している場合に、複数の携帯端末の各々の位置を個別に管理するのではなく、互いに関連付けられた複数の携帯端末の位置を統合して管理できる。これにより、コンテンツ提供システムSは、統合して管理している携帯端末の位置に応じたコンテンツを、複数の携帯端末を使用している一のユーザに提供することができる。つまり、コンテンツ提供システムSは、複数の携帯端末を使用している一のユーザに対して、複数の携帯端末の位置を統合して利用するサービスを提供できる。
【0031】
[第1携帯端末1の構成]
図2は、第1携帯端末1の構成を説明するための図である。第1携帯端末1は、第1測位部11と、第1向き特定部12と、通信部13と、ディスプレイ14と、スピーカ15と、記憶部16と、制御部17とを備える。
【0032】
第1測位部11は、第1携帯端末1の第1位置を測位する。例えば、第1測位部11は、GPS(Global Positioning System)の人工衛星から送信された電波を受信し、受信した電波に基づいて第1携帯端末1の地表面上の位置を測位する第1測位方法を用いて第1携帯端末1の第1位置を測位する。この場合、第1測位部11は、GPS受信機を含む。第1測位部11は、第1位置として、第1携帯端末1の第1位置を示す座標を測位する。また、第1測位部11は、第1位置の測位に用いた電波の衛星電波強度を特定する。
【0033】
第1向き特定部12は、第1携帯端末1のユーザの第1向きを特定する。ユーザの第1向きは、ユーザの進行する向き又は視線の向きである。例えば、第1向き特定部12は、複数の第1位置に基づいて第1向きを特定する。具体的には、第1向き特定部12は、前回の第1位置に、前々回の第1位置から向かう向きをユーザの第1向きとして特定する。また、第1向き特定部12は、地球の磁気を検出する地磁気センサ(磁気コンパス)を含み、地球の磁気に基づいてユーザの進行する向き又は視線の向きを特定してもよい。
【0034】
通信部13は、無線通信回線を介して情報を送受信するための無線通信モジュールである。通信部13は、例えばインターネットを介して情報処理装置3及びコンテンツ提供装置4と通信することができる。また、通信部13は、近距離無線通信を介して第2携帯端末2と通信することができる。近距離無線通信は、例えばBluetooth(登録商標)やWi-Fi(登録商標)であるが、これに限定するものではない。
【0035】
ディスプレイ14は、情報を表示する液晶ディスプレイである。ディスプレイ14の解像度は、例えば2532×1170ピクセルであるが、これに限定するものではない。スピーカ15は、音声を出力するスピーカである。
【0036】
記憶部16は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を含む記憶媒体である。記憶部16は、制御部17が実行するプログラムを記憶する。
【0037】
制御部17は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを含む計算リソースである。制御部17は、記憶部16に記憶されたプログラムを実行することにより、第1送信部171、第1情報取得部172及び第1出力制御部173としての機能を実現する。
【0038】
第1送信部171は、第1位置を示す第1位置情報と第1端末IDを、第1携帯端末1の通信部13を介してコンテンツ提供装置4に送信する。例えば、第1送信部171は、第1端末ID及び第1位置情報に関連付けて、衛星電波強度を示す衛星強度情報をコンテンツ提供装置4に順次送信する。また、第1送信部171は、第1端末ID及び第1位置情報と共に、ユーザの第1向きを示す第1方向情報をコンテンツ提供装置4に送信してもよい。
【0039】
第1情報取得部172は、第1携帯端末1と第2携帯端末2が関連付けられていることを条件としてコンテンツ提供装置4が送信したコンテンツを取得する。例えば、第1情報取得部172は、第1位置及び第2位置の少なくともいずれかに応じてコンテンツ提供装置4が選択したコンテンツを取得する。コンテンツ提供装置4がコンテンツを選択する処理は後述する。
【0040】
第1出力制御部173は、取得したコンテンツを出力する。例えば、第1出力制御部173は、画像コンテンツ及び文字コンテンツをディスプレイ14に表示させ、音声コンテンツをスピーカ15に出力させる。
【0041】
[第2携帯端末2の構成]
図3は、第2携帯端末2の構成を説明するための図である。第2携帯端末2は、第2測位部21と、第2向き特定部22と、通信部23と、ディスプレイ24と、スピーカ25と、記憶部26と、制御部27とを備える。
【0042】
第2測位部21は、第2携帯端末2の第2位置を測位する。例えば、第2測位部21は、デバイス電波受信機を含み、複数の測位デバイスから送信された超広帯域無線通信(UWB;Ultra Wide Band)の電波に基づいて、複数の測位デバイスが設置された空間内の位置を測位する第2測位方法を用いて第2位置を測位する。具体的には、第2測位部21は、複数の測位デバイスから送信された電波に基づいて、各測位デバイスと第2携帯端末2との距離及び第2携帯端末2に対する各測位デバイスの角度の少なくともいずれかを特定する。具体的には、第2測位部21は、各測位デバイス5から送信された複数の電波の位相差に基づいて角度(Angle of Departure)を取得する。第2測位部21は、特定した距離及び角度の少なくともいずれかを用いて、複数の測位デバイスが設置された空間内における第2携帯端末2の第2位置を測位する。
【0043】
図4は、第2測位方法を説明するための図である。第2携帯端末2が存在する空間には、第1測位デバイス51、第2測位デバイス52及び第3測位デバイス53が設置されている。以下、第1測位デバイス51、第2測位デバイス52及び第3測位デバイス53を区別する必要がない場合、測位デバイス5という。測位デバイス5が設置されている空間における各測位デバイス5の位置は既知である。
【0044】
第2測位部21は、各測位デバイス5から送信された電波を受信すると、各測位デバイス5から送信された電波の通信電波強度を特定し、特定した通信電波強度に基づいて各測位デバイス5からの距離を特定する。具体的には、第2測位部21は、第1測位デバイス51から第2携帯端末2までの距離R1、第2測位デバイス52から第2携帯端末2までの距離R2及び第3測位デバイス53から第2携帯端末2までの距離R3に基づいて、空間内における第2携帯端末2の第2位置を特定する。第2測位部21は、通信電波強度だけでなく、測位デバイス5から送信された電波の到達時間、第2携帯端末2に対する各測位デバイスの角度及び受信時間差の少なくともいずれかを用いて第2位置を特定してもよい。なお、各測位デバイス5は、屋内に設置されているものとするが、屋外に設置されていてもよい。
【0045】
第2向き特定部22は、第2携帯端末2のユーザの第2向きを特定する。例えば、第2向き特定部22は、第1向き特定部12と同様の方法を用いてユーザの向きを特定する。
【0046】
通信部23は、無線通信回線を介して情報を送受信するための無線通信モジュールである。通信部23は、例えばインターネットを介して情報処理装置3及びコンテンツ提供装置4と通信することができる。また、通信部23は、近距離無線通信を介して第1携帯端末1と通信することができる。
【0047】
ディスプレイ24は、情報を表示するディスプレイである。ディスプレイ24は、例えば液晶ディスプレイである。第2携帯端末2のディスプレイ24の大きさは、第1携帯端末1のディスプレイ14よりも小さい。第2携帯端末2のディスプレイ24の解像度は、例えば396×484ピクセルである。スピーカ25は、音声を出力するスピーカである。
【0048】
記憶部26は、ROM及びRAM等を含む記憶媒体である。記憶部26は、制御部27が実行するプログラムを記憶する。
【0049】
制御部27は、例えばCPU等のプロセッサを含む計算リソースである。制御部27は、記憶部26に記憶されたプログラムを実行することにより、第2送信部271、第2情報取得部272及び第2出力制御部273としての機能を実現する。
【0050】
第2送信部271は、第2位置を示す第2位置情報と第2端末IDを、第2携帯端末2の通信部23を介してコンテンツ提供装置4に送信する。例えば、第2送信部271は、第2端末ID及び第2位置情報に関連付けて、通信電波強度を示すデバイス強度情報をコンテンツ提供装置4に順次送信する。また、第2送信部271は、第2端末ID及び第2位置情報と共に、ユーザの第2向きを示す第2方向情報をコンテンツ提供装置4に送信してもよい。
【0051】
第2情報取得部272は、第1情報取得部172と同様に、コンテンツ提供装置4が送信したコンテンツを取得する。第2出力制御部273は、取得したコンテンツを出力する。例えば、第2出力制御部273は、画像コンテンツ、文字コンテンツをディスプレイ24に表示させ、音声コンテンツをスピーカ25に出力させる。
【0052】
[情報処理装置3の構成]
図5は、情報処理装置3の構成を説明するための図である。情報処理装置3は、通信部31、記憶部32及び制御部33を備えるサーバである。通信部31は、通信回線を介して情報を送受信するための通信モジュールである。通信部31は、例えばインターネットを介して第1携帯端末1、第2携帯端末2及びコンテンツ提供装置4と通信することができる。
【0053】
記憶部32は、ROM、RAM及びハードディスク等を含む記憶媒体である。記憶部32は、制御部33が実行するプログラムを記憶する。また、記憶部32は、第1端末IDと第2端末IDを関連付けて記憶する。具体的には、記憶部32は、第1端末IDで示される第1携帯端末1と第2端末IDで示される第2携帯端末2とが関連付けられていることを示す情報に、第1端末IDと第2端末IDを関連付けて記憶する。なお、記憶部32は、2つの携帯端末の識別情報だけでなく、3以上の携帯端末の識別情報を関連付けて記憶してもよい。
【0054】
制御部33は、例えばCPU等のプロセッサを含む計算リソースである。制御部33は、記憶部32に記憶されたプログラムを実行することにより、情報取得部331、記憶制御部332及び判定部333としての機能を実現する。
【0055】
情報取得部331は、第1携帯端末1のユーザを識別するための第1ユーザ識別情報(以下「第1ユーザID」という。)及び第1端末IDを第1携帯端末1から取得する。この場合、第1携帯端末1は、第1携帯端末1と第2携帯端末2を関連付けるためのサイトにアクセスすることを契機として、第1端末ID及び第1ユーザIDを情報処理装置3にインターネットを介して送信する。また、第1携帯端末1は、サイトにアクセスすることを契機として、第2携帯端末2のユーザを識別するための第2ユーザ識別情報(以下「第2ユーザID」という。)及び第2端末IDを情報処理装置3に送信する指示を第2携帯端末2に近距離無線通信を介して送信する。第2携帯端末2は、IDを送信する指示を受信すると、第2ユーザID及び第2端末IDを情報処理装置3にインターネットを介して送信する。情報取得部331は、第2ユーザID及び第2端末IDを第2携帯端末2から取得する。
【0056】
情報取得部331は、第2携帯端末2がサイトにアクセスしたことを契機として各IDを取得してもよい。第2携帯端末2がサイトにアクセスした後の処理は、第1携帯端末1がサイトにアクセスした場合の処理と同様である。なお、第1携帯端末1及び第2携帯端末2の各々がサイトにアクセスして、各携帯端末の識別情報及び各端末のユーザIDを情報処理装置3に送信してもよい。
【0057】
記憶制御部332は、取得された第1ユーザIDと第2ユーザIDが一致していることを条件として、第1携帯端末1と第2携帯端末2を関連付けるか否かの選択を受け付ける関連付け選択画面を第1携帯端末1又は第2携帯端末2に表示させる。記憶制御部332は、第1ユーザIDと第2ユーザIDが一致していなければ、関連付け選択画面を表示させず、第1携帯端末1と第2携帯端末2を関連付けない。関連付け選択画面が表示された携帯端末は、第1携帯端末1と第2携帯端末2を関連付ける指示又は関連付けない指示を受け付けて、受け付けた指示を情報処理装置3に送信する。
【0058】
記憶制御部332は、関連付け選択画面を表示させた携帯端末から第1携帯端末1と第2携帯端末2を関連付ける指示を取得したら、第1携帯端末1及び第2携帯端末2を関連付ける。具体的には、記憶制御部332は、第1端末ID及び第2端末IDを互いに関連付けて情報処理装置3の記憶部32に記憶させることにより、第1携帯端末1と第2携帯端末2を関連付ける。記憶制御部332は、第1携帯端末1と第2携帯端末2を関連付ける指示が関連付け選択画面を表示させてから所定時間経過しても取得されない場合、又は第1携帯端末1と第2携帯端末2を関連付けない指示が取得された場合、第1携帯端末1と第2携帯端末2を関連付けない。所定時間は適宜定めればよく、例えば5分である。
【0059】
記憶制御部332は、互いに関連付けられた第1端末ID及び第2端末IDが、第1携帯端末1又は第2携帯端末2から取得されたら、第1携帯端末1と第2携帯端末2を関連付けてもよい。例えば、第1携帯端末1は、第2携帯端末2のディスプレイ24に表示された第2端末IDを示すコード画像を第1携帯端末1が読み取ることを契機として、第1端末ID及び第2端末IDを互いに関連付けて情報処理装置3に送信する。コード画像は、例えば2次元コード(QRコード(登録商標))又は1次元コード(バーコード)である。記憶制御部332は、互いに関連付けられた第1端末ID及び第2端末IDを情報取得部331が取得したら、第1端末ID及び第2端末IDを関連付けて情報処理装置3の記憶部32に記憶させることにより第1携帯端末1及び第2携帯端末2を関連付ける。
【0060】
情報取得部331は、第1携帯端末1から第1端末IDが第2携帯端末2に送信されたことを契機として第2携帯端末2が送信した第1端末ID及び第2端末IDを取得してもよい。例えば、第2携帯端末2は、近距離無線通信を介して第1携帯端末1から第1端末IDを取得したら、取得した第1端末IDと第2端末IDを互いに関連付けて情報処理装置3に送信する。そして、記憶制御部332は、互いに関連付けられた第1端末ID及び第2端末IDを第2携帯端末2から受信したら、第1携帯端末1と第2携帯端末を関連付ける。
【0061】
記憶制御部332は、第1携帯端末1と第2携帯端末2を関連付けたことを示す情報を、第1携帯端末1及び第2携帯端末2に送信する。第1携帯端末1及び第2携帯端末2は、第1携帯端末1と第2携帯端末2を関連付けたことを示す情報を受信したことを契機として、自機の位置のコンテンツ提供装置4への送信を開始する。
【0062】
判定部333は、第1端末ID及び第2端末IDを含む確認依頼をコンテンツ提供装置4から受信したら、第1端末IDで示される第1携帯端末1と、第2端末IDで示される第2携帯端末2とが関連付けられているか否かを判定する。具体的には、判定部333は、確認依頼に含まれている第1端末ID及び第2端末IDが情報処理装置3の記憶部32に関連付けて記憶されていれば、第1携帯端末1と第2携帯端末2が関連付けられていると判定する。判定部333は、確認依頼に含まれている第1端末ID及び第2端末IDが情報処理装置3の記憶部32に関連付けて記憶されていなければ、第1携帯端末1と第2携帯端末2が関連付けられていないと判定する。そして、判定部333は、判定結果をコンテンツ提供装置4に送信する。
【0063】
[コンテンツ提供装置4の構成]
図6は、コンテンツ提供装置4の構成を説明するための図である。コンテンツ提供装置4は、通信部41、記憶部42及び制御部43を備える。通信部41は、通信回線を介して情報を送受信するための無線通信モジュールである。通信部41は、例えばインターネットを介して第1携帯端末1、第2携帯端末2及び情報処理装置3と通信することができる。
【0064】
記憶部42は、ROM、RAM及びハードディスク等を含む記憶媒体である。記憶部42は、制御部43が実行するプログラムを記憶する。また、記憶部42は、第1携帯端末1及び第2携帯端末2の少なくともいずれかに送信するコンテンツを記憶する。記憶部42は、コンテンツを識別するためのコンテンツ識別情報(以下コンテンツIDという。)と、当該コンテンツIDで識別されるコンテンツの送信条件を関連付けて記憶する。
【0065】
図7は、コンテンツIDと送信条件を関連付けたデータテーブルの一例である。図7に示すとおり、コンテンツIDには、送信条件と、コンテンツの種別と、出力できる端末とが関連付けられている。コンテンツIDは、コンテンツを識別するための識別情報である。送信条件は、コンテンツを送信するか否かを判定するための条件である。コンテンツの種別は、コンテンツIDで示されるコンテンツの種別である。出力できる端末は、コンテンツIDで示されるコンテンツを再生できる端末の種別である。一例を挙げると、コンテンツ提供装置4は、第1位置又は第2位置の少なくともいずれかが送信条件[範囲A内]であれば、コンテンツID[cont1]で示され、コンテンツの種別が[展示物画像付解説]であるコンテンツを、端末の種別が[スマートフォン]である第1携帯端末1に送信する。
【0066】
制御部43は、例えばCPU等のプロセッサを含む計算リソースである。制御部43は、記憶部42に記憶されたプログラムを実行することにより、第1取得部431、第2取得部432、コンテンツ選択部433、選択受付部434及び送信制御部435としての機能を実現する。
【0067】
第1取得部431は、第1位置情報及び第1端末IDを第1携帯端末1から取得する。例えば、第1取得部431は、第1端末ID及び第1位置情報に関連付けられた衛星強度情報をさらに取得する。また、第1取得部431は、第1位置情報及び第1端末IDと共に第1方向情報を取得してもよく、第1位置情報に替えて第1方向情報を取得してもよい。
【0068】
第2取得部432は、第2位置情報及び第2端末IDを第2携帯端末2から取得する。第2取得部432は、第2端末ID及び第2位置情報に関連付けられたデバイス強度情報をさらに取得する。また、第2取得部432は、第2位置情報及び第2端末IDと共に第2方向情報を取得してもよく、第2位置情報に替えて第2方向情報を取得してもよい。
【0069】
選択受付部434は、コンテンツの送信先の選択を受け付ける。例えば、選択受付部434は、コンテンツを送信する送信先として第1携帯端末1及び第2携帯端末2のうちの少なくともいずれかの選択を受け付ける。この場合、選択受付部434は、第1携帯端末1又は第2携帯端末2のいずれかに、送信先を選択させるための送信先選択画面を表示させる。選択受付部434は、ユーザが選択した送信先を受け付ける。
【0070】
コンテンツ選択部433は、第1位置を送信した第1携帯端末1、及び第2位置を送信した第2携帯端末2の少なくともいずれかに送信するコンテンツを選択する。コンテンツ選択部433は、コンテンツを選択する前に、第1端末IDと第2端末IDが関連付けられているか否かを確認する。具体的には、コンテンツ選択部433は、第1携帯端末1及び第2携帯端末2が関連付けられているか否かを問い合わせる確認依頼を情報処理装置3に送信する。確認依頼には、第1取得部431が取得した第1端末IDと、第2取得部432が取得した第2端末IDとが含まれている。
【0071】
コンテンツ選択部433は、送信した確認依頼に対応する確認結果に第1携帯端末1及び第2携帯端末2が関連付けられていることが示されていれば、第1携帯端末1及び第2携帯端末2の少なくともいずれかに送信するコンテンツを選択する。コンテンツ選択部433は、確認結果に第1携帯端末1及び第2携帯端末2が関連付けられていないことが示されていれば、コンテンツを選択しない。
【0072】
コンテンツ選択部433は、第1位置情報が示す第1位置及び第2位置情報が示す第2位置の少なくともいずれかに応じて、送信するコンテンツを選択する。例えば、コンテンツ選択部433は、各位置の測位精度に応じてコンテンツを選択する際に使用する位置を変える。具体的には、コンテンツ選択部433は、第2位置の測位精度が所定の精度閾値以上であれば、第2位置に応じたコンテンツを選択する。精度閾値は、コンテンツの種別に応じた値である。例えば、展示物画像付解説や順路案内(音声)等の高い位置精度を要求されるコンテンツの種別に対する精度閾値は、関連URLや経路案内(地図)等の高い位置精度が要求されないコンテンツの種別に対する精度閾値よりも低い。
【0073】
コンテンツ選択部433は、通信電波強度が、第2位置の測位精度が精度閾値以上になる通信電波強度閾値以上である場合、第2位置に応じたコンテンツを選択する。具体的には、コンテンツ選択部433は、通信電波強度が通信電波強度閾値以上であれば、衛星強度情報が示す衛星電波強度に関わらず、第2位置に応じたコンテンツを選択する。これにより、コンテンツ選択部433は、測位精度の高い第2位置に応じたコンテンツを選択できるので、より適切なコンテンツを選択できる確率を高くできる。
【0074】
コンテンツ選択部433は、衛星強度情報が示す衛星電波強度が衛星強度閾値未満である場合、第2位置に応じたコンテンツを選択する。具体的には、コンテンツ選択部433は、衛星電波強度が衛星強度閾値未満であり、通信電波強度が通信電波強度閾値以上であれば、第2位置に応じたコンテンツを選択する。これにより、コンテンツ選択部433は、第1位置の測位精度よりも測位精度が高い第2位置に応じたコンテンツを選択できる。
【0075】
コンテンツ選択部433は、通信電波強度が通信電波強度閾値未満であれば、第1位置に応じてコンテンツを選択する。具体的には、コンテンツ選択部433は、通信電波強度が通信電波強度閾値未満であり、かつ第1位置の測位精度が精度閾値以上である場合に、第1位置に応じてコンテンツを選択する。より具体的には、コンテンツ選択部433は、衛星電波強度が、第1位置の測位精度が精度閾値以上になる衛星強度閾値以上である場合、第1位置に応じたコンテンツを選択する。これにより、コンテンツ選択部433は、第2位置の測位精度よりも測位精度が高い第1位置に応じたコンテンツを選択できる。
【0076】
コンテンツ選択部433は、第1位置の測位精度及び第2位置の測位精度が精度閾値以上であれば、一方の位置を他方の位置で補正してもよい。例えば、コンテンツ選択部433は、通信電波強度が通信電波強度閾値以上であり、衛星電波強度が衛星強度閾値以上である場合、一方の位置を他方の位置で補正する。具体的には、コンテンツ選択部433は、通信電波強度が衛星電波強度よりも大きい場合、第1位置の測位精度が高いほど第2位置を第1位置に近づける。コンテンツ選択部433は、衛星電波強度が通信電波強度よりも大きい場合、第2位置の測位精度が高いほど第1位置を第2位置に近づける。そして、コンテンツ選択部433は、第1位置及び第2位置のうちのいずれか一方の位置を用いて他方の位置を補正した補正後位置に応じたコンテンツを選択する。
【0077】
コンテンツ選択部433は、第1位置の測位精度と第2位置の測位精度が等しければ、第1位置と第2位置との間の位置に応じたコンテンツを選択する。第1位置と第2位置との間の補正後位置は、第1位置と第2位置を通る線分上の位置であり、一例を挙げると、第1位置と第2位置の中点である。
【0078】
コンテンツ選択部433は、第1位置の測位精度と第2位置の測位精度がともに精度閾値未満である場合、所定のコンテンツを選択する。具体的には、コンテンツ選択部433は、通信電波強度が通信電波強度閾値未満であり、衛星電波強度が衛星強度閾値未満である場合、所定のコンテンツを選択する。所定のコンテンツは、例えば第1携帯端末1及び第2携帯端末2の位置が測位できないことを示す画面、又は位置を測位中であることを示す画面である。これにより、例えば、VR(Virtual Reality)のコンテンツを配信する際に、屋外から屋内に移動するタイミングで位置が測位できなくなった場合に、位置が測位できないことや位置を測位中であることをユーザに報知できる。
【0079】
なお、コンテンツ選択部433は、第1位置の測位精度と第2位置の測位精度がともに精度閾値未満である場合に、コンテンツを選択しなくともよい。具体的には、コンテンツ選択部433は、通信電波強度が通信電波強度閾値未満であり、衛星電波強度が衛星強度閾値未満である場合、コンテンツを選択しない。これにより、コンテンツ選択部433は、2つの位置の測位精度の両方が精度閾値未満であり、実際の位置と測位した位置とのずれが大きくなるような場合に、実際の位置と異なる位置に応じたコンテンツを選択してしまうことを抑制できる。
【0080】
コンテンツ選択部433は、第1位置及び第2位置のうちの少なくともいずれかが満たす送信条件に関連付けられたコンテンツIDで示されるコンテンツを選択する。例えば、コンテンツ選択部433は、第1位置及び第2位置の少なくともいずれか含まれている範囲に関連付けられたコンテンツを選択する。一例を挙げると、コンテンツ選択部433は、第1位置及び第2位置の少なくともいずれかが、送信条件である[範囲A内]に含まれている場合、[範囲A内]に関連付けられたコンテンツID[cont1]で示されるコンテンツ[展示物画像付解説]を、送信するコンテンツとして選択する(図7を参照)。
【0081】
コンテンツ選択部433は、ユーザが選択した位置に応じてコンテンツを選択してもよい。この場合、選択受付部434は、コンテンツの選択に用いる位置として、第1位置又は第2位置の選択を第1携帯端末1又は第2携帯端末2から受け付ける。具体的には、選択受付部434は、コンテンツの選択に用いる位置の位置選択画面を第1携帯端末1又は第2携帯端末2に表示させ、第1位置と第2位置からコンテンツの選択に用いる位置の選択を受け付ける。コンテンツ選択部433は、選択受付部434が受け付けた位置に応じてコンテンツを選択する。一例を挙げると、コンテンツ選択部433は、コンテンツの選択に用いる位置として第1位置を受け付けていれば、第1位置が満たす送信条件に関連付けられたコンテンツIDで示されるコンテンツを送信するコンテンツとして選択する。
【0082】
送信制御部435は、コンテンツ選択部433が選択したコンテンツを第1携帯端末1及び第2携帯端末2の少なくともいずれかに送信する。例えば、送信制御部435は、選択されたコンテンツを出力できる携帯端末の種別と、第1携帯端末1及び第2携帯端末2のうちの種別が一致する携帯端末にコンテンツを送信する。具体的には、送信制御部435は、コンテンツID[cont1]で示されるコンテンツが選択されたら、当該コンテンツを送信できる端末[スマートフォン]である第1携帯端末1に、当該コンテンツを送信する(図7を参照)。これにより、送信制御部435は、コンテンツを出力可能な携帯端末に当該コンテンツを送信でき、コンテンツを出力できない携帯端末に当該コンテンツを送信することを抑制できる。
【0083】
(位置及び向きに応じて選択されたコンテンツを送信する処理)
送信制御部435は、コンテンツ選択部433が位置及び向きに応じて選択したコンテンツを送信してもよい。この場合、コンテンツ選択部433は、第1位置又は第2位置と、第1向き又は第2向きとが満たす送信条件に関連付けられたコンテンツIDで示されるコンテンツを選択する。
【0084】
図8は、複数の測位デバイス5が設置され、展示物6が展示されている空間Kの模式図である。空間Kには、ユーザU1、ユーザU2及びユーザU3が存在している。ユーザU1、ユーザU2及びユーザU3の各々は、第1携帯端末1及び第2携帯端末2を有している。各ユーザの第2携帯端末2は、第2測位方法を用いて第2位置を測位し、第1携帯端末1は、ユーザの第1向きを特定しているものとする。以下、各ユーザの第2携帯端末2が測位した第2位置を「ユーザの第2位置」という。また、各ユーザの第1携帯端末1が特定した第1向きを「ユーザの第1向き」という。
【0085】
コンテンツ選択部433は、ユーザU1の第2位置811が範囲7内であり、かつユーザU1の向きを示す第1向き812が展示物6を向く向きである場合、コンテンツID[cont4]で示されるコンテンツを選択する(図7を参照)。これにより、コンテンツ選択部433は、展示物6の近くにいて、展示物6を向く向きであるユーザU1に対して送信するコンテンツとして展示物6の画像付解説を選択できる。
【0086】
コンテンツ選択部433は、ユーザU2の第2位置821が範囲7内であっても、ユーザU2の第1向き822が展示物6を向く向きでなければ、コンテンツID[cont4]で示されるコンテンツを送信するコンテンツとして選択しない。これにより、コンテンツ選択部433は、展示物6の近くにいても展示物6を見ていない確率が高いユーザU2に対して提供するコンテンツとして、展示物6の画像付解説を選択してしまうことを低減できる。
【0087】
コンテンツ選択部433は、ユーザU3の第1向き832が展示物6を向く向きであっても、ユーザU3の第2位置831が範囲7内でなければ、コンテンツID[cont4]で示されるコンテンツを送信するコンテンツとして選択しない。これにより、コンテンツ選択部433は、展示物6から遠く、展示物6を視認できない確率が高いユーザU3に対して提供するコンテンツとして、展示物6の画像付解説を選択してしまうことを低減できる。
【0088】
送信制御部435は、コンテンツID[cont4]で示されるコンテンツが選択された場合、コンテンツを出力できる端末の種別[スマートフォン]である第1携帯端末1に選択されたコンテンツを送信する(図7を参照)。第1携帯端末1の第1情報取得部172は、コンテンツ提供装置4が送信したコンテンツ(展示物画像付解説)を取得し、第1携帯端末1の第1出力制御部173は、第1携帯端末1のディスプレイ14に画像付解説を表示させる。このようにすることで、コンテンツ提供システムSは、複数の携帯端末を使用しているユーザが展示物6に近づくと、複数の携帯端末のいずれかのディスプレイに展示物6の画像付解説を表示させることができる。
【0089】
(目的地に向かう向きをコンテンツとして送信する処理)
送信制御部435は、目的地への経路案内を行う際に、目的地に向かう向きをコンテンツとして送信してもよい。図9は、目的地91に向かう向きをコンテンツとして送信する処理を説明するための図である。目的地91に向かう向きをコンテンツとして送信する処理においては、ユーザの現在位置からユーザが入力した目的地91までの経路92が決定されており、コンテンツの送信先として種別がスマートウォッチである第2携帯端末2が選択されているものとする。また、コンテンツ提供装置4は、第1携帯端末1からユーザU4の第1位置841を取得し、第2携帯端末2からユーザU4の第2向き842を取得しているものとする。
【0090】
コンテンツ選択部433は、ユーザU4の第1位置841が目的地91から所定距離R内であり、かつユーザU4の第2向き842が、ユーザU4が存在する道路の向き又は経路92の向きに対して所定の角度範囲内であるか否かを判定する。所定距離Rは、適宜定めればよいが、例えば徒歩で5分間歩行する間に移動できる距離(300メートル)である。所定の角度範囲は、適宜設定すればよく、具体例を挙げると道路の向きに対してマイナス15度からプラス15度である。
【0091】
コンテンツ選択部433は、第1位置841が目的地91から所定距離R内であり、かつ第2向き842が所定の向きである場合、送信先であるスマートウォッチに応じたコンテンツを選択する。具体的には、コンテンツ選択部433は、第2携帯端末2の種別[スマートウォッチ]に関連付けられたコンテンツID[cont7]で示されるコンテンツ[経路案内(簡易)]を選択する。
【0092】
送信制御部435は、コンテンツID[cont7]で示されるコンテンツ[経路案内(簡易)]を第2携帯端末2に送信する。第2携帯端末2の第2情報取得部272は、コンテンツ提供装置4から送信されたコンテンツ[経路案内(簡易)]を取得し、第2携帯端末2の第2出力制御部273は、取得されたコンテンツ[経路案内(簡易)]を第2携帯端末2のディスプレイ24に表示させる(図9を参照)。図9には、コンテンツ[経路案内(簡易)]として、ユーザU4の進行方向前方にある交差点で曲がるべき方向が、右矢印で示されている。これにより、第2携帯端末2のユーザU4は、目的地91に向かうには、進行方向前方の交差点で右に曲がればよいことを把握できる。
【0093】
なお、第2出力制御部273は、ユーザU4の第1位置841が経路上の所定範囲内になったら、曲がるべき方向を示す矢印を表示させてもよい。所定範囲は、経路の向きが変化する位置を含む範囲であり、例えば右折又は左折する位置を含む範囲である。具体的には、第2出力制御部273は、第2向き842が道路の向きに対して所定の角度範囲内であるときに、第1位置841が範囲93に含まれたら、曲がるべき方向を示す矢印を表示させる。これにより、第2出力制御部273は、経路上で角を曲がるタイミングに来た時にダイレクトに方向を指示できる。また、これにかぎらず、送信制御部435は、第1位置841が範囲93に含まれたら曲がるべき方向を示す矢印を表示させる指示を、コンテンツ[経路案内(簡易)]と共に送信してもよく、第1位置841が範囲93に含まれたらコンテンツ[経路案内(簡易)]を送信してもよい。
【0094】
[コンテンツ提供システムSが実行する処理]
図10は、コンテンツ提供システムSが実行する処理の流れの一例を示すシーケンスである。第1携帯端末1は、第1位置を測位する毎に、測位した第1位置及び第1端末IDをコンテンツ提供装置4に送信する(ステップS1)。
【0095】
第2携帯端末2は、第2位置を測位できたか否かを順次判定する(ステップS2)。具体的には、第2携帯端末2は、複数の測位デバイス5の各々から送信された電波を受信することにより、第2位置を測位できたか否かを判定する。第2携帯端末2は、電波を受信できず、第2位置を測位できなければ(ステップS2でNo)、第2位置を測位できるまでステップS2を繰り返す。第2携帯端末2は、第2位置を測位できれば(ステップS2でYes)、測位した第2位置及び第2端末IDをコンテンツ提供装置4に送信する(ステップS3)。
【0096】
コンテンツ提供装置4は、第1位置及び第1端末IDと、第2位置及び第2端末IDを取得したら、第1携帯端末1と第2携帯端末2が関連付けられているか否かの確認依頼を情報処理装置3に送信する(ステップS4)。具体的には、コンテンツ提供装置4は、第1端末ID及び第2端末IDを含む確認依頼を情報処理装置3に送信する。
【0097】
情報処理装置3は、確認依頼を受信すると、確認依頼に含まれている第1端末IDと第2端末IDが関連付けられているか否を判定する。そして、情報処理装置3は、判定した結果を示す確認結果をコンテンツ提供装置4に送信する(ステップS5)。
【0098】
コンテンツ提供装置4は、確認結果に第1携帯端末1と第2携帯端末2が関連付けられていることが示されているか否かを判定する(ステップS6)。コンテンツ提供装置4は、第1携帯端末1と第2携帯端末2が関連付けられていれば(ステップS6でYes)、第1位置及び第2位置の少なくともいずれかに応じたコンテンツ選択する(ステップS7)。そして、コンテンツ提供装置4は、選択したコンテンツを第2携帯端末2に送信する(ステップS8)。なお、コンテンツ提供装置4は、選択したコンテンツを第1携帯端末1に送信してもよい。コンテンツ提供装置4は、第1携帯端末1と第2携帯端末2が関連付けられていなければ(ステップS6でNo)、送信するコンテンツを選択しない。
【0099】
[電波強度に応じてコンテンツを選択する処理]
図11は、電波強度に応じてコンテンツを選択する処理の一例を示すフローチャートである。図11のフローチャートにおいて、第1取得部431が衛星電波強度を取得し、第2取得部432が通信電波強度を特定しているものとする。
【0100】
コンテンツ選択部433は、通信電波強度が通信電波強度閾値よりも大きいか否かを判定する(ステップS11)。コンテンツ選択部433は、通信電波強度が通信電波強度閾値よりも大きい場合(ステップS11でYes)、第2位置が含まれている範囲を特定する(ステップS12)。
【0101】
コンテンツ選択部433は、通信電波強度が通信電波強度閾値以下である場合(ステップS11でNo)、衛星電波強度が衛星強度閾値よりも大きいか否かを判定する(ステップS13)。コンテンツ選択部433は、衛星電波強度が衛星強度閾値よりも大きい場合(ステップS13でYes)、第1位置が含まれている範囲を特定する(ステップS14)。コンテンツ選択部433は、衛星電波強度が衛星強度閾値以下である場合(ステップS13でNo)、コンテンツを選択しない(ステップS17)。
【0102】
コンテンツ選択部433は、ステップS12又はステップS14で特定した範囲が、直前の範囲と異なるか否かを判定する(ステップS15)。具体的には、コンテンツ選択部433は、特定した範囲が、直前にコンテンツの選択に用いた範囲と異なるか否かを判定する。コンテンツ選択部433は、特定した範囲と、直前の範囲が異なれば(ステップS15でYes)、特定した範囲に対応するコンテンツを選択する(ステップS16)。具体的には、コンテンツ選択部433は、特定した範囲に関連付けられたコンテンツIDで示されるコンテンツを選択する。コンテンツ選択部433は、特定した範囲と直前の範囲が同じであれば(ステップS15でNo)、コンテンツを選択しない(ステップS17)。
【0103】
このようにすることで、コンテンツ提供装置4は、第1携帯端末1及び第2携帯端末2のユーザが、直前にコンテンツを送信した位置から移動したら新しいコンテンツを送信し、直前にコンテンツを送信した位置から移動していなければコンテンツを送信しないようにできる。その結果、コンテンツ提供装置4は、同じコンテンツを何度も送信することを抑制できる。なお、コンテンツ提供装置4は、各携帯端末から取得された電波強度に替えて、第1位置の測位精度及び第2位置の測位精度を用いて判定してもよい。
【0104】
(変形例1)
上記の実施の形態においては、コンテンツ選択部433は、第1位置及び第2位置の少なくともいずれかを用いてコンテンツを選択した。これに限らず、コンテンツ選択部433は、第1位置及び第2向きを用いてコンテンツを選択してもよく、第1向き及び第2位置を用いてコンテンツを選択してもよい。言い換えると、コンテンツ選択部433は、一のユーザが使用する複数の携帯端末のうちのいずれかが測位した位置と、複数の携帯端末のうちのいずれかが特定した向きの両方に応じてコンテンツを選択する。これにより、コンテンツ提供装置4は、複数の携帯端末の位置だけでなく、複数の携帯端末の位置と向きを統合して利用したサービスを提供することが可能となる。
【0105】
(変形例2)
上記の実施の形態においては、第1測位部11は、第1測位方法を用いて第1位置を測位した。これに限らず、第1測位部11は、第2測位方法を用いて第1位置を測位してもよい。また、第2測位部21は、第2測位方法を用いて第2位置を測位したが、第1測位方法を用いて第2位置を測位してもよい。なお、第1測位部11及び第2測位部21は、第1測位方法及び第2測位方法だけでなく、他の測位方法を用いて自機の位置を測位してもよい。
【0106】
(変形例3)
第1携帯端末1又は第2携帯端末2が、音を出力するネックスピーカー及びイヤホンのいずれかである場合、ネックスピーカー及びイヤホンである携帯端末は、ディスプレイを有さなくてもよい。この場合、コンテンツ提供装置4は、ネックスピーカー及びイヤホンである携帯端末に、音声のみのコンテンツを送信する。
【0107】
(変形例4)
上記の実施の形態においては、第1携帯端末1及び第2携帯端末2の両方が、測位部及び向き測定部の両方を有していた。これに限らず、第1携帯端末1又は第2携帯端末2が測位部のみを有し、測位部を有する携帯端末と異なる携帯端末が、向き特定部のみを有していてもよい。一例を挙げると、第1携帯端末1は、第1測位部11のみを有し、第1向き特定部12を有さず、第2携帯端末2は、第2向き特定部22のみを有し、第2測位部21を有さない。そして、コンテンツ提供装置4は、第1携帯端末1が測位したユーザの位置と、第2携帯端末2が特定したユーザの向きとを関連付けることにより、各携帯端末が位置及び向きの両方を特定できない場合でも、ユーザの位置と向きに応じたコンテンツをユーザに対して配信する。その結果、コンテンツ提供装置4は、ユーザに対して適切なコンテンツを提供できる。
【0108】
(変形例5)
上記の実施の形態においては、第1携帯端末1及び第2携帯端末2がユーザの位置を特定した。これにかぎらず、コンテンツ提供装置4がユーザの位置を特定してもよい。この場合、第1携帯端末1及び第2携帯端末2の少なくともいずれか一方は、超広帯域無線通信の電波を送信する無線通信モジュールを有し、複数の測位デバイス5に対して超広帯域無線通信の電波を送信する。各測位デバイス5は、第1携帯端末1又は第2携帯端末2から送信された超広帯域無線通信の電波を受信し、受信した電波に関する情報をコンテンツ提供装置4に送信する。例えば、各測位デバイス5は、第2携帯端末2から送信された電波の強度を示す通信電波強度を示す情報をコンテンツ提供装置4に送信する。
【0109】
コンテンツ提供装置4は、各測位デバイス5が受信した複数の電波の位相差に基づいて、各測位デバイス5と第2携帯端末2の距離、及び各測位デバイス5に対する第2携帯端末2の角度(Angle of Arrival)を特定する。そして、コンテンツ提供装置4は、各測位デバイス5と第2携帯端末2の距離、及び各測位デバイス5に対する第2携帯端末2の角度に基づいて、第2携帯端末2の位置を測位する。
【0110】
なお、超広帯域無線通信の電波を用いてユーザの位置を測位する装置は、コンテンツ提供装置4に限らない。例えば、コンテンツ提供装置4と異なる外部の測位装置が、各測位デバイス5から受信した複数の超広帯域無線通信の電波に基づいて第2携帯端末2の位置を測位してもよい。このように、第1携帯端末1及び第2携帯端末2は、電波を送信するのみで自機の位置の測位を行わず、各携帯端末と通信可能なコンテンツ提供装置4又は外部の測位装置が、電波を送信した第1携帯端末1又は第2携帯端末2の位置を測位する。
【0111】
(変形例6)
第1向き特定部12又は第2向き特定部22は、自機がスマートグラスであれば、ユーザの顔に装着されるスマートグラスであれば、ユーザの視線の向きを特定する。この場合、第1向き特定部12又は第2向き特定部22は、加速度センサ、磁気センサ及びジャイロセンサの少なくともいずれかを含み、基準の向きに対する自機の傾きに基づいて、ユーザの視線の向きを特定する。これにより、コンテンツ提供装置4は、ユーザの視線の向きに応じたコンテンツを提供できる。
【0112】
[コンテンツ提供システムSの効果]
以上説明したとおり、コンテンツ提供システムSは、一のユーザが使用する互いに関連付けられた複数の携帯端末の各々が測位した位置を一括して取得する。そして、コンテンツ提供システムSは、複数の携帯端末の位置の少なくともいずれかに応じて選択されたコンテンツを、複数の携帯端末の少なくともいずれかに送信する。このようにすることで、コンテンツ提供システムSは、複数の携帯端末の各々の位置を個別に管理するのではなく、互いに関連付けられた複数の携帯端末の位置を統合して管理できる。これにより、コンテンツ提供システムSは、統合して管理している携帯端末の位置に応じたコンテンツを、複数の携帯端末を使用しているユーザに提供することができる。つまり、コンテンツ提供システムSは、複数の携帯端末を使用している一のユーザに対して、複数の携帯端末の位置を統合して利用するサービスを提供できる。
【0113】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0114】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0115】
S コンテンツ提供システム
1 第1携帯端末
11 第1測位部
12 特定部
13 通信部
14 ディスプレイ
15 スピーカ
16 記憶部
17 制御部
171 第1送信部
172 第1情報取得部
173 第1出力制御部
2 第2携帯端末
21 第2測位部
22 特定部
23 通信部
24 ディスプレイ
25 スピーカ
26 記憶部
27 制御部
271 第2送信部
272 第2情報取得部
273 第2出力制御部
3 情報処理装置
31 通信部
32 記憶部
33 制御部
331 情報取得部
332 記憶制御部
333 判定部
4 コンテンツ提供装置
41 通信部
42 記憶部
43 制御部
431 第1取得部
432 第2取得部
433 コンテンツ選択部
434 選択受付部
435 送信制御部
5 測位デバイス
51 第1測位デバイス
52 第2測位デバイス
53 第3測位デバイス
【要約】
【課題】一のユーザが使用する複数の携帯端末の位置を統合して利用したサービスを提供する。
【解決手段】コンテンツ提供システムSは、第1携帯端末1を識別するための第1識別情報及び第1携帯端末1の第1位置を示す第1位置情報をコンテンツ提供装置4に送信する第1携帯端末1と、第2携帯端末2を識別するための第2識別情報と第1識別情報とが関連付けられていることを条件として、第1位置及び第2携帯端末2の第2位置の少なくともいずれかに応じて選択されたコンテンツを、第1携帯端末1及び第2携帯端末2の少なくともいずれかに送信するコンテンツ提供装置4と、を有する。
【選択図】図1

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11