(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-03
(45)【発行日】2023-08-14
(54)【発明の名称】化粧料
(51)【国際特許分類】
A61K 8/891 20060101AFI20230804BHJP
A61Q 1/02 20060101ALI20230804BHJP
A61Q 1/04 20060101ALI20230804BHJP
A61Q 1/10 20060101ALI20230804BHJP
A61Q 1/12 20060101ALI20230804BHJP
A61Q 1/14 20060101ALI20230804BHJP
A61Q 5/12 20060101ALI20230804BHJP
A61Q 15/00 20060101ALI20230804BHJP
A61Q 17/04 20060101ALI20230804BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20230804BHJP
【FI】
A61K8/891
A61Q1/02
A61Q1/04
A61Q1/10
A61Q1/12
A61Q1/14
A61Q5/12
A61Q15/00
A61Q17/04
A61Q19/00
(21)【出願番号】P 2022527568
(86)(22)【出願日】2021-04-14
(86)【国際出願番号】 JP2021015476
(87)【国際公開番号】W WO2021241049
(87)【国際公開日】2021-12-02
【審査請求日】2022-11-15
(31)【優先権主張番号】P 2020091528
(32)【優先日】2020-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002060
【氏名又は名称】信越化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102532
【氏名又は名称】好宮 幹夫
(74)【代理人】
【識別番号】100194881
【氏名又は名称】小林 俊弘
(74)【代理人】
【識別番号】100215142
【氏名又は名称】大塚 徹
(72)【発明者】
【氏名】菊池 宏子
(72)【発明者】
【氏名】水野 亜紀子
(72)【発明者】
【氏名】柳田 祥江
(72)【発明者】
【氏名】金井 那矢
(72)【発明者】
【氏名】安部 拓矢
(72)【発明者】
【氏名】秦 龍ノ介
【審査官】田中 雅之
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-514259(JP,A)
【文献】特表2006-522066(JP,A)
【文献】特開2015-187158(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS/KOSMET(STN)
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧料であって、下記一般式(1)で表され、沸点が205~255℃の範囲にあり、且つ、粘度が5mm
2/s(25℃)未満であるオルガノシロキサンを1種以上含有するものであることを特徴とする化粧料。
【化1】
(式中、Rはそれぞれ独立して、同じでも異なっていてもよく、水素基、水酸基、または、炭素数1~3の一価の炭化水素基であり、aは1~5である。ただし、Rの少なくとも1つが炭素数2~3の一価の炭素水素基である。)
【請求項2】
前記オルガノシロキサンが、前記一般式(1)において、a=2のものであることを特徴とする請求項1に記載の化粧料。
【請求項3】
前記オルガノシロキサンが、3,5-ジエチル-1,1,1,3,5,7,7,7-オクタメチルテトラシロキサン、3,3-ジエチル-1,1,1,5,5,7,7,7-オクタメチルテトラシロキサン、1,3-ジエチル-1,1,3,5,5,7,7,7-オクタメチルテトラシロキサン、1,5-ジエチル-1,1,3,3,5,7,7,7-オクタメチルテトラシロキサン、1,7-ジエチル-1,1,3,3,5,5,7,7-オクタメチルテトラシロキサン、3,5-ジプロピル-1,1,1,3,5,7,7,7-オクタメチルテトラシロキサン、3,3-ジプロピル-1,1,1,5,5,7,7,7-オクタメチルテトラシロキサン、1,3-ジプロピル-1,1,3,5,5,7,7,7-オクタメチルテトラシロキサン、1,5-ジプロピル-1,1,3,3,5,7,7,7-オクタメチルテトラシロキサン、1,7-ジプロピル-1,1,3,3,5,5,7,7-オクタメチルテトラシロキサン、3-エチル-5-プロピル-1,1,1,3,5,7,7,7-オクタメチルテトラシロキサンからなる群より選択されるものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の化粧料。
【請求項4】
更に、有機紫外線吸収剤を含有するものであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の化粧料。
【請求項5】
前記有機紫外線吸収剤が、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、サリチル酸オクチル、ポリシリコーン-15、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン及びオクトクリレンから選択される1種以上のものであることを特徴とする請求項4に記載の化粧料。
【請求項6】
更に、25℃で固体状の油性成分を含有するものであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の化粧料。
【請求項7】
前記25℃で固体状の油性成分が、ポリエチレン、セレシン、オゾケライト、ビーズワックス、マイクロクリスタリンワックス、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール及びセタノールから選択される1種以上のものであることを特徴とする請求項6に記載の化粧料。
【請求項8】
更に、前記オルガノシロキサン以外の油剤を含み、前記油剤が、軽質イソパラフィン及びイソドデカンから選ばれる揮発性の炭化水素油、または、ジメチルポリシロキサン及びトリストリメチルシロキシメチルシランから選ばれるシリコーンオイルであることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、揮発性オルガノシロキサンを配合する化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
ジメチルポリシロキサンに代表されるシリコーンは、軽い感触、伸びの良さ、優れた撥水性、及び高い安全性等の特徴を持つために、近年、化粧料に用いる油剤として多用されている。
【0003】
例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5)、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン(D6)等の揮発性の環状シロキサン、25℃における粘度が0.65~6mm2/秒の直鎖状シロキサン、トリストリメチルシロキシメチルシラン(M3T)のようなシロキサン鎖が分岐した揮発性シロキサン等を含む化粧料は、皮膚に塗布した時の軽い感触、伸びの良さ、撥水性に優れている(特許文献1)。
【0004】
しかしながら、これらのシリコーン系では、極性油剤に対して相溶性が悪く、透明混合できないという問題があり、化粧料の使用感や安定性を損なう場合がある。特にこの傾向は、有機紫外線吸収剤を使用した場合に顕著に現れる。また、ワックス等、化粧料を固化する目的で配合される油性成分との親和性が低い場合、当該油性成分の結晶化を妨げ、期待する製剤の硬度を得ることができなくなる。
【0005】
一方、これらの問題を改良する目的、すなわち、極性油剤やワックス等に対して相溶性を高める目的で、フェニル変性シリコーンやエステル等を相溶化剤として使用することも知られているが、これらの場合、使用感が重くなり、シリコーンの軽い感触が失われてしまう場合があった。更に、これらフェニル変性シリコーンやエステル等の油剤の多くは、不揮発性、または、高い揮発性を有しない為に、化粧料の肌への塗布後、油性感を強く感じさせてしまう場合があった。
【0006】
一方、特許文献2では、揮発性オイル類を含む組成物の処方の為の代替物を提供する目的で、少なくとも1の非環状揮発性シリコーンオイルを含み、特定の蒸発特性を有する組成物の提案がある。しかしながら、当該公報では、デカメチルテトラシロキサン及びドデカメチルペンタシロキサン以外の配合実施に係る記述を見出すことができず、極性油剤やワックス等に対して相溶性の向上を達成するための非環状揮発性シリコーンオイルの使用の検討が開示されていない。
【0007】
また、特許文献3では、非環状ジメチルシロキサンのメチル基の一部をエチル基で置換した組成物の、使用感の検討が開示されている。しかしながら、当該特許文献では、化粧料に配合した際の、極性油剤やワックス等に対して相溶性の向上について何ら検討されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特許第3658561号公報
【文献】WO2004/087077号公報
【文献】US2010/0144897号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、軽い感触で、伸びが良く、撥水性に優れ、化粧膜が均一であり、更に、油性感を強く感じさせず、良好な使用感を達成することができ、シリコーン、炭化水素油、及びエステル等の各種油剤、有機紫外線吸収剤、あるいは、25℃で固体状の油性成分を配合した場合においても、優れた経時安定性、化粧持続性を有する化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明では、
化粧料であって、下記一般式(1)で表され、沸点が205~255℃の範囲にあり、且つ、粘度が5mm
2/s(25℃)未満であるオルガノシロキサンを1種以上含有するものである化粧料を提供する。
【化1】
(式中、Rはそれぞれ独立して、同じでも異なっていてもよく、水素基、水酸基、または、炭素数1~3の一価の炭化水素基であり、aは1~5である。ただし、Rの少なくとも1つが炭素数2~3の一価の炭素水素基である。)
【0011】
このような化粧料であれば、軽い感触で、伸びが良く、撥水性に優れ、化粧膜が均一であり、更に、油性感を強く感じさせず、良好な使用感を達成することができるものとなる。更に、シリコーン、炭化水素油、及びエステル等の各種油剤、有機紫外線吸収剤、あるいは、25℃で固体状の油性成分を配合した場合においても、優れた経時安定性、化粧持続性を有する化粧料となる。
【0012】
またこの場合、前記オルガノシロキサンが、前記一般式(1)において、a=2のものであることが好ましい。
【0013】
このようなオルガノシロキサンを含む化粧料であれば、油性感を強く感じさせず、良好な使用感を達成することができるものとなり、各種油剤、有機紫外線吸収剤、又は25℃で固体状の油性成分を配合した場合においても、優れた経時安定性、化粧持続性を有する化粧料となる。
【0014】
さらに、前記オルガノシロキサンが、3,5-ジエチル-1,1,1,3,5,7,7,7-オクタメチルテトラシロキサン、3,3-ジエチル-1,1,1,5,5,7,7,7-オクタメチルテトラシロキサン、1,3-ジエチル-1,1,3,5,5,7,7,7-オクタメチルテトラシロキサン、1,5-ジエチル-1,1,3,3,5,7,7,7-オクタメチルテトラシロキサン、1,7-ジエチル-1,1,3,3,5,5,7,7-オクタメチルテトラシロキサン、3,5-ジプロピル-1,1,1,3,5,7,7,7-オクタメチルテトラシロキサン、3,3-ジプロピル-1,1,1,5,5,7,7,7-オクタメチルテトラシロキサン、1,3-ジプロピル-1,1,3,5,5,7,7,7-オクタメチルテトラシロキサン、1,5-ジプロピル-1,1,3,3,5,7,7,7-オクタメチルテトラシロキサン、1,7-ジプロピル-1,1,3,3,5,5,7,7-オクタメチルテトラシロキサン、3-エチル-5-プロピル-1,1,1,3,5,7,7,7-オクタメチルテトラシロキサンからなる群より選択されるものであることがさらに好ましい。
【0015】
このようなオルガノシロキサンを含む化粧料であれば、より確実に、油性感を強く感じさせず、良好な使用感を達成することができるものとなり、各種油剤、有機紫外線吸収剤、又は25℃で固体状の油性成分を配合した場合においても、優れた経時安定性、化粧持続性を有する化粧料となる。
【0016】
また、本発明の化粧料は、更に、有機紫外線吸収剤を含有するものであることが好ましい。
【0017】
本発明におけるオルガノシロキサンは、有機紫外線吸収剤との相溶性に優れるため、このような有機紫外線吸収剤を含有する化粧料は、使用感が良好で、優れた経時安定性、化粧持続性を有する化粧料となる。
【0018】
この場合、前記有機紫外線吸収剤が、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、サリチル酸オクチル、ポリシリコーン-15、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン及びオクトクリレンから選択される1種以上のものであることが好ましい。
【0019】
このような有機紫外線吸収剤であれば、特に、紫外線吸収効果が高いとともに本発明におけるオルガノシロキサンとの相溶性に優れるために好ましい。
【0020】
また、本発明の化粧料は、更に、25℃で固体状の油性成分を含有するものであることが好ましい。
【0021】
本発明におけるオルガノシロキサンは、25℃で固体の油性成分を併用した場合においても、油性成分との親和性が高いため、当該油性成分の固化を妨げることなくスティック状の製剤などを容易に調製することができるために好ましい。
【0022】
この場合、前記25℃で固体状の油性成分が、ポリエチレン、セレシン、オゾケライト、ビーズワックス、マイクロクリスタリンワックス、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール及びセタノールから選択される1種以上のものであることが好ましい。
【0023】
このような油性成分であれば、特に、本発明におけるオルガノシロキサンとの親和性が高いために好ましい。
【発明の効果】
【0024】
本発明の化粧料は、上記一般式(1)で示されるオルガノシロキサンをベース組成に構成されるため、軽い感触で、伸びが良く、撥水性に優れ、化粧膜が均一であり、有機紫外線吸収剤との混合系でも経時安定性、化粧持続性に優れる化粧料となる。加えて、25℃で固体の油性成分との併用においては、当該油性成分の固化を妨げることなく、スティック状の製剤などを容易に調製し得る。また、本発明におけるオルガノシロキサンは、沸点が205~255℃の範囲にあり、揮発性、または、高い揮発性を発現する為、化粧料の肌への塗布後、油性感を強く感じさせない。また、本発明におけるオルガノシロキサンは、粘度5mm2/s(25℃)未満であるため著しいべたつき感を感じさせることがなく、使用感が良好である。さらに、本発明では、高い揮発性を有するオルガノシロキサンと穏やかな揮発性を有するオルガノシロキサンの組み合わせによる厳密な揮発速度の制御を必要としない。すなわち、本発明におけるオルガノシロキサン、すなわち、沸点が、205~255℃の範囲にある一般式(1)のオルガノシロキサンを単独で使用することによっても、上記目的は達成される。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、特定の構造を有し、所定の範囲内の沸点及び粘度を有するオルガノシロキサンを含有する化粧料であれば、軽い感触で、伸びが良く、撥水性に優れ、化粧膜が均一であり、更に、油性感を強く感じさせず、良好な使用感を達成することができ、シリコーン、炭化水素油、及びエステル等の各種油剤、有機紫外線吸収剤、あるいは、25℃で固体状の油性成分を配合した場合においても、優れた経時安定性、化粧持続性を有する化粧料となることを見出し、本発明を完成させた。
【0026】
すなわち、本発明は、
化粧料であって、下記一般式(1)で表され、沸点が205~255℃の範囲にあり、且つ、粘度が5mm
2/s(25℃)未満であるオルガノシロキサンを1種以上含有するものである。
【化2】
(式中、Rはそれぞれ独立して、同じでも異なっていてもよく、水素基、水酸基、または、炭素数1~3の一価の炭化水素基であり、aは1~5である。ただし、Rの少なくとも1つが炭素数2~3の一価の炭素水素基である。)
【0027】
以下、本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0028】
本発明の化粧料は、下記一般式(1)で表され、沸点が205~255℃の範囲にあり、且つ、粘度が5mm
2/s(25℃)未満であるオルガノシロキサンを1種以上含有するものである。粘度の下限は特に限定されないが、0mm
2/sより大きいものとすることができる。
【化3】
(式中、Rはそれぞれ独立して、同じでも異なっていてもよく、水素基、水酸基、または、炭素数1~3の一価の炭化水素基であり、aは1~5である。ただし、Rの少なくとも1つが炭素数2~3の一価の炭素水素基である。)
【0029】
上記一般式(1)中、各Rはそれぞれ独立して、同じでも異なっていてもよく、水素基、水酸基、または、炭素数1~3の一価の炭化水素基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基が挙げられる。ただし、Rの少なくとも1つが炭素数2~3の一価の炭素水素基であり、具体的には、エチル基、プロピル基が挙げられる。
【0030】
aは、好ましくは2である。
【0031】
本発明におけるオルガノシロキサンは、その沸点が、205~255℃の範囲にあるため、デカメチルシクロペンタシロキサン(沸点210℃)、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン(沸点245℃)等と同程度の揮発性を有する為、化粧料の肌への塗布後、油性感を強く感じさせない。沸点が205℃未満であると、化粧料を良好に塗り広げることが難しくなり、255℃より高いと、油性感を強く感じるものとなる。
【0032】
更に、本発明におけるオルガノシロキサンは、粘度が5mm2/s(25℃)未満であるため、粘度4mm2/s(25℃)のデカメチルシクロペンタシロキサン等を用いる場合と同様に良好な塗り広げ感を得ることができ、著しいべたつき感を感じさせることがなく、使用感が良好である。粘度が5mm2/s(25℃)以上であれば、伸びが悪く、べたつき感が生じ、使用感に劣るものとなる。なお、粘度(動粘度)はオストワルド粘度計を用いて測定した場合の値である。
【0033】
本発明におけるオルガノシロキサンとしては、3,5-ジエチル-1,1,1,3,5,7,7,7-オクタメチルテトラシロキサン、3,3-ジエチル-1,1,1,5,5,7,7,7-オクタメチルテトラシロキサン、1,3-ジエチル-1,1,3,5,5,7,7,7-オクタメチルテトラシロキサン、1,5-ジエチル-1,1,3,3,5,7,7,7-オクタメチルテトラシロキサン、1,7-ジエチル-1,1,3,3,5,5,7,7-オクタメチルテトラシロキサン、3,5-ジプロピル-1,1,1,3,5,7,7,7-オクタメチルテトラシロキサン、3,3-ジプロピル-1,1,1,5,5,7,7,7-オクタメチルテトラシロキサン、1,3-ジプロピル-1,1,3,5,5,7,7,7-オクタメチルテトラシロキサン、1,5-ジプロピル-1,1,3,3,5,7,7,7-オクタメチルテトラシロキサン、1,7-ジプロピル-1,1,3,3,5,5,7,7-オクタメチルテトラシロキサン、3-エチル-5-プロピル-1,1,1,3,5,7,7,7-オクタメチルテトラシロキサンからなる群より選択されるものであることが好ましい。
【0034】
また、本発明におけるオルガノシロキサンは、各種化粧料に配合される汎用成分との相溶性に優れる為、任意の成分と組み合わせて用いることができる。特に、メトキシケイヒ酸エチルヘキシルなどの有機紫外線吸収剤との相溶性に優れ、また、軽い使用感を発現させるために用いられるシリコーンが配合される製剤において、経時安定性、化粧持続性に優れる化粧料を与えることができる。
【0035】
さらに、ポリエチレン、セレシン、オゾケライト、ビーズワックス、マイクロクリスタリンワックス、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、セタノールなど25℃で固体の油性成分との併用においては、油性成分の固化を妨げる事なく、スティック状の製剤などを容易に調製することができる。
【0036】
従って、本発明におけるオルガノシロキサンを用いた場合、軽い感触で、伸びが良く、撥水性に優れ、化粧膜が均一であり、更に、油性感を強く感じさせず、良好な使用感を達成することができ、有機紫外線吸収剤、シリコーン、炭化水素油、及びエステル等の各種油剤、又は25℃で固体状の油性成分との混合系でも経時安定性、化粧持続性に優れる化粧料を与えることができ、且つ、スティック状の製剤なども容易に調製することができる。
【0037】
本発明におけるオルガノシロキサンは、異なる粘度の2種以上を組み合わせて、その使用感や揮発速度を調整することも可能であるが、緩和な揮発速度を達成させる目的においては、厳密な調整を必要とせず、単独で化粧料に用いることも可能である。
【0038】
本発明において、化粧料に紫外線遮蔽効果を所望する場合には、紫外線吸収剤を配合することが好ましい。
【0039】
本発明におけるオルガノシロキサンは、有機紫外線吸収剤との相溶性に優れるため、このような有機紫外線吸収剤を含有する化粧料は、使用感が良好で、優れた経時安定性、化粧持続性を有する化粧料となる。
【0040】
紫外線吸収剤としては、通常化粧料に配合できる原料であれば、特に限定されない。具体的には、サリチル酸ホモメンチル、オクトクリレン、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン、4-(2-β-グルコピラノシロキシ)プロポキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、サリチル酸オクチル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、オキシベンゾン-6、オキシベンゾン-9、オキシベンゾン-1、ポリシリコーン-15、1-(3,4-ジメトキシフェニル)-4,4-ジメチル-1,3-ペンタンジオン、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸オクチル、オキシベンゾン-2、テレフタリリデンジカンフルスルホン酸、2,4,6-トリス[4-(2-エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン、トリメトキシケイ皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルイソペンチル、ドロメトリゾールトリシロキサン、パラジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、オキシベンゾン-3、オキシベンゾン-4、オキシベンゾン-5、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール等が挙げられる。また、UVA吸収剤(例えば、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル等)と、UVB吸収剤(例えば、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル等)を併用することが可能であり、それぞれを任意に組み合わせることも可能である。
【0041】
この中でも、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、サリチル酸オクチル、ポリシリコーン-15、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン及びオクトクリレンから選択される1種以上の有機紫外線吸収剤であれば、特に、本発明におけるオルガノシロキサンとの相溶性に優れるために好ましい。
【0042】
本発明において、化粧料を固化させたい場合には、25℃で固体状のワックス、炭化水素、エステル、高級アルコール、高級脂肪酸を配合することが好ましい。
【0043】
本発明におけるオルガノシロキサンは、25℃で固体の油性成分を併用した場合においても、油性成分との親和性が高いため、当該油性成分の固化を妨げることなくスティック状の製剤などを容易に調製することができるために好ましい。
【0044】
25℃で固体状の油性成分としては、好ましくは40℃以上、より好ましくは60~110℃の融点を有するもので、ワックス、炭化水素、エステル、高級アルコール、高級脂肪酸を挙げることができ、通常化粧料に配合できる原料であれば、特に限定されない。具体的には、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ライスワックス、木ロウ等の植物性ワックス、ミツロウ、鯨ロウ等の動物性ワックス、固体パラフィン、ポリエチレン、セレシン、オゾケライト、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素系ワックス、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、セタノール等の高級アルコール、ステアリン酸、ベヘニン酸等の脂肪酸、及び、アクリル-シリコーングラフト又はブロック共重合体のアクリルシリコーン樹脂等のシリコーンワックス(信越化学工業(株)製:アクリル-シリコーングラフト共重合体:KP-561P,562P等)、あるいは、これらの誘導体が挙げられ、これらから選択される1種以上であることが好ましい。
【0045】
特には、ポリエチレン、セレシン、オゾケライト、ビーズワックス、マイクロクリスタリンワックス、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール及びセタノールから選択される25℃で固体状の油性成分は、本発明におけるオルガノシロキサンとの親和性が特に高いために好ましい。
【0046】
本発明の化粧料には、通常の化粧料に使用される種々の任意成分を配合することができる。
【0047】
<その他の任意成分>
その他の任意成分としては、例えば、(1)油剤、(2)アルコール性水酸基を有する化合物、(3)界面活性剤、(4)粉体、(5)架橋型オルガノポリシロキサンと室温で液状の油剤からなる組成物、(6)皮膜形成剤、(7)制汗剤、(8)抗菌剤、(9)その他の添加剤を含んでよい。これらは一種単独で又は二種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0048】
(1)油剤
油剤は、上記25℃で固体状の油性成分を除く、半固体、液状、いずれであってもよく、例えば、天然動植物油脂類及び半合成油脂、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル等、本発明の効果発現の為に必須成分となる上記オルガノシロキサン以外のシリコーンオイル、及びフッ素系油剤を使用することができる。
【0049】
・天然動植物油脂類及び半合成油脂
天然動植物油脂類及び半合成油脂としては、アボガド油、アマニ油、アーモンド油、イボタロウ、エノ油、オリーブ油、カカオ脂、カポックロウ、カヤ油、カルナウバロウ、肝油、キャンデリラロウ、精製キャンデリラロウ、牛脂、牛脚脂、牛骨脂、硬化牛脂、キョウニン油、鯨ロウ、硬化油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サトウキビロウ、サザンカ油、サフラワー油、シアバター、シナギリ油、シナモン油、ジョジョバロウ、スクワラン、スクワレン、セラックロウ、タートル油、大豆油、茶実油、ツバキ油、月見草油、トウモロコシ油、豚脂、ナタネ油、日本キリ油、ヌカロウ、胚芽油、馬脂、パーシック油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、ヒマワリ油、ブドウ油、ベイベリーロウ、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ミツロウ、ミンク油、メドウフォーム油、綿実油、綿ロウ、モクロウ、モクロウ核油、モンタンロウ、ヤシ油、硬化ヤシ油、トリヤシ油脂肪酸グリセライド、羊脂、落花生油、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、酢酸ラノリンアルコール、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ポリオキシエチレンラノリンアルコールエーテル、ポリオキシエチレンラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン水素添加ラノリンアルコールエーテル、卵黄油等が挙げられる。
【0050】
・炭化水素油
炭化水素油としては、直鎖状又は分岐状の炭化水素油が挙げられ、揮発性の炭化水素油であっても不揮発性の炭化水素油であってもよい。具体的には、α-オレフィンオリゴマー、軽質イソパラフィン、イソドデカン、イソヘキサデカン、軽質流動イソパラフィン、スクワラン、合成スクワラン、植物性スクワラン、スクワレン、流動パラフィン、流動イソパラフィン、ポリイソブチレン、水添ポリイソブテン、ワセリン等が挙げられる。
【0051】
・高級脂肪酸
高級脂肪酸としては、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、イソステアリン酸、12-ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。
【0052】
・高級アルコール
高級アルコールとしては、例えば、炭素原子数が好ましくは6以上のアルコールが挙げられる。高級アルコールの具体例としては、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、2-デシルテトラデシノール、コレステロール、フィトステロール、ポリオキシエチレンコレステロールエーテル、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、モノオレイルグリセリルエーテル(セラキルアルコール)等が挙げられる。
【0053】
・エステル
エステルとしては、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸N-アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ-2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、2-エチルヘキサン酸セチル、トリ-2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ-2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2-エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ-2-エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、12-ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-オクチルドデシルエステル、ラウロイルサルコシンイソプロピルエステル、リンゴ酸ジイソステアリル等;アセトグリセリル、トリイソオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリベヘン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ジ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセリル等のグリセライド油が挙げられる。
【0054】
・シリコーンオイル
シリコーンオイルとしては、本発明の効果発現の為に必須成分となるオルガノシロキサン以外のシリコーンオイルを配合できる。例えば、ジメチルポリシロキサン(信越化学工業(株)製:KF-96L-1cs、KF-96L-1.5cs、KF-96L-2cs等)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4),デカメチルシクロペンタシロキサン(信越化学工業(株)製:KF-995)、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン(D6)、トリストリメチルシロキシメチルシラン(信越化学工業(株)製:TMF-1.5)、カプリリルメチコン、フェニルトリメチコン、メチルフェニルポリシロキサン(信越化学工業(株)製:KF-54、KF-54HV)、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(信越化学工業(株)製:KF-56A)、メチルヘキシルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等の低粘度から高粘度の直鎖又は分岐状のオルガノポリシロキサン、アミノ変性オルガノポリシロキサン、ピロリドン変性オルガノポリシロキサン、ピロリドンカルボン酸変性オルガノポリシロキサン、高重合度のガム状ジメチルポリシロキサン、ガム状アミノ変性オルガノポリシロキサン、ガム状のジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等のシリコーンゴム、及びシリコーンガムやゴムの環状オルガノポリシロキサン溶液、アミノ酸変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、シリコーン樹脂及びシリコーンレジンの溶解物等が挙げられる。
【0055】
・フッ素系油剤
フッ素系油剤としては、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカリン、パーフルオロオクタン等が挙げられる。
【0056】
(2)アルコール性水酸基を有する化合物
アルコール性水酸基を有する化合物としては、エタノール、イソプロパノール等、炭素原子数が好ましくは2~5の低級アルコール、ソルビトール、マルトース等の糖アルコール等が挙げられる。また、コレステロール、シトステロール、フィトステロール、ラノステロール等のステロール等が挙げられる。
【0057】
(3)界面活性剤
界面活性剤としては、非イオン性、アニオン性、カチオン性及び両性の活性剤があるが、特に制限されるものではなく、通常の化粧料に使用されるものであれば、いずれのものも使用することができる。これらの界面活性剤の中でも、部分架橋型ポリエーテル変性シリコーン、部分架橋型ポリグリセリン変性シリコーン、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレン変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリグリセリン変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリグリセリン・アルキル共変性オルガノポリシロキサンであることが好ましい。これらの界面活性剤において、親水性のポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基又はポリグリセリン残基の含有量が、分子中の10~70質量%を占めることが好ましい。また、部分架橋型ポリエーテル変性シリコーン、部分架橋型ポリグリセリン変性シリコーンを用いる場合には、当該架橋型オルガノポリシロキサンと室温で液状の油剤からなる組成物において、架橋型オルガノポリシロキサンは、液状油に対し、自重以上の該液状油剤を含んで膨潤することが好ましい。当該液状油剤としては、本発明におけるオルガノシロキサンであっても良く、あるいは、任意成分の(1)油剤中の液状のシリコーン油、炭化水素油、エステル油、天然動植物油、半合成油等、フッ素系油を用いることができ、例えば、0.65~100mm2/s(25℃)の低粘度シリコーン油、流動パラフィン、スクワラン、イソドデカン、イソヘキサデカン等の炭化水素油やトリオクタノイン等のグリセライド油、イソノナン酸イソトリデシル、N-アシルグルタミン酸エステル、ラウロイルサルコシン酸エステル等のエステル油、マカデミアナッツ油等の天然動植物油が挙げられる。具体例としては、信越化学工業(株)製:KSG-210,240,310,320,330,340,320Z,350Z,710,810,820,830,840,820Z,850Z等が挙げられる。架橋型オルガノポリシロキサンではない界面活性剤の具体例としては、信越化学工業(株)製:KF-6011,6013,6043,6017,6028,6038,6048,6100,6104,6105,6106等が挙げられる。何れの場合においても界面活性剤の配合量としては、化粧料全体の0.1~20質量%が好ましい。0.1%以上であれば、分散や乳化の機能を十分に果たすことができ、20質量%以下であれば化粧料がべたついた使用感になる恐れがないために好ましい。界面活性剤のHLBは、限定されないが化粧料の耐水性を維持するという目的から2~14.5が好ましい。
【0058】
(4)粉体
粉体としては、着色顔料、無機粉体、金属粉体、有機粉体、無機・有機複合粉体等が挙げられる。具体的には次の通りである。
【0059】
・着色顔料
着色顔料としては、通常、化粧料の着色を目的に使用される顔料であれば、特に限定はなく、赤色酸化鉄、黄色酸化鉄、白色酸化チタン、黒色酸化鉄、ベンガラ、グンジョウ、コンジョウ、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト、酸化鉄ドープ酸化チタン、チタン酸鉄、(チタン/酸化チタン)焼成物、チタン酸(Li/コバルト)、チタン酸コバルト、窒化チタン、水酸化鉄、γ-酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄土等の無機黄色系顔料、タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの等の有色顔料等、いずれのものも使用することができる。また、顔料の形状としては、球状、略球状、棒状、紡錘状、花弁状、短冊状、不定形状等、何れの形状であっても良く、化粧料に色を付与することが可能であれば、その幾何学的態様には特に限定はない。
【0060】
・無機粉体
無機粉体としては、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、劈開タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、二酸化ケイ素、フュームドシリカ、含水二酸化ケイ素、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、セラミックス、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、チッ化ホウ素、チッ化ボロン、ガラス等からなる微粒子が挙げられる。また、無機着色パール顔料としては、酸化チタン被覆雲母、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等のパール顔料が挙げられる。
【0061】
・金属粉体
金属粉体としては、例えば、アルミニウム、銅、ステンレス、銀等からなる金属微粒子が挙げられる。
【0062】
・有機粉体
有機粉体としては、例えば、シリコーン、ポリアミド、ポリアクリル酸・アクリル酸エステル、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ポリウレタン、ビニル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン、ポリメチルベンゾグアナミン、テトラフルオロエチレン、ポリメチルメタクリレート(例えば、ポリメタクリル酸メチル等)、セルロース、シルク、ナイロン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート等からなる粉体が挙げられる。特に、シリコーンとしては、シリコーン樹脂粒子(具体例としては、信越化学工業(株)製:KMP-590,591,592等)やシリコーン樹脂被覆シリコーンゴム粉末(具体例としては、信越化学工業(株)製:KSP-100、101、102、105、300、411、441等)が挙げられる。また、金属石鹸等も挙げられ、具体例としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム等からなる粉体も挙げられる。さらに、有機系色素等も挙げられ、具体例としては、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等のタール色素、カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン等の天然色素が挙げられる。
【0063】
・無機・有機複合粉体
無機・有機複合粉体としては、例えば、無機粉体表面が、公知公用の方法により有機粉体で被覆された複合粉体が挙げられる。
【0064】
なお、上述の粉体は、粒子表面を処理したものも使用できる。また、その表面処理剤は、化粧料の耐水性の観点から疎水性を付与できるものが好ましく、この疎水性を付与する処理剤としては特に限定されず、シリコーン処理剤、ワックス類、パラフィン類、ペルフルオロアルキルとリン酸塩等の有機フッ素化合物、界面活性剤、N-アシルグルタミン酸等のアミノ酸、ステアリン酸アルミニウム、ミリスチン酸マグネシウム等の金属石鹸等の処理剤が挙げられる。より好ましくはシリコーン処理剤で、カプリルシラン(信越化学工業(株)製:AES-3083)、または、トリメトキシシリルジメチコン等のシラン類又はシリル化剤、ジメチルシリコーン(信越化学工業(株)製:KF-96Aシリーズ)、メチルハイドロジェン型ポリシロキサン(信越化学工業(株)製:KF-99P,KF-9901等)、シリコーン分岐型シリコーン処理剤(信越化学工業(株)製:KF-9908,KF-9909等)等のシリコーンオイル、アクリルシリコーン(信越化学工業(株)製:KP-574、KP-541)等が挙げられる。更に、上記の表面疎水化処理剤は、単独、あるいは、2種以上を組合せ使用しても良い。表面処理を施した着色顔料の具体例としては、信越化学工業(株)製:KTP-09シリーズ、特に、KTP-09W、09R、09Y、09B等が挙げられる。
【0065】
(5)架橋型オルガノポリシロキサンと室温で液状の油剤から成る組成物
架橋型オルガノポリシロキサンと室温で液状の油剤からなる組成物において、架橋型オルガノポリシロキサンは、液状油に対し、自重以上の該液状油剤を含んで膨潤することが好ましい。当該液状油剤としては、本発明におけるオルガノシロキサンであっても良く、あるいは、任意成分の(1)油剤中の液状のシリコーン油、炭化水素油、エステル油、天然動植物油、半合成油等、フッ素系油を用いることができ、例えば、0.65~100mm2/s(25℃)の本発明におけるオルガノシロキサンを除く低粘度シリコーン油、流動パラフィン、スクワラン、イソドデカン、イソヘキサデカン等の炭化水素油やトリオクタノイン等のグリセライド油、イソノナン酸イソトリデシル、N-アシルグルタミン酸エステル、ラウロイルサルコシン酸エステル等のエステル油、マカデミアナッツ油等の天然動植物油が挙げられる。(5)成分は、前述の(3)成分とは異なり、分子構造中、ポリエーテル又はポリグリセリン構造を有しない化合物であり、具体例としては、信越化学工業(株)製:KSGシリーズ(商品名)、特に、KSG-15,16,016F,19,41,42,43,44,042Z,045Z等が挙げられる。
【0066】
(6)皮膜形成剤
皮膜形成剤は、主に化粧料の効果持続性を更に維持させる目的で配合される。特に限定は無いが、撥水性付与の観点からシリコーン系組成物であることが好ましい。具体的には、トリメチルシロキシケイ酸、アクリル-シリコーン皮膜剤、シリコーン変性ノルボルネン、シリコーン変性プルラン等を使用することができる。当該皮膜形成剤は、事前に室温で液状の油剤で溶解させてから化粧料に配合されても良い。当該液状油剤としては、本発明におけるオルガノシロキサンであっても良く、あるいは、任意成分の(1)油剤中の液状のシリコーン油、炭化水素油、エステル油、天然動植物油、半合成油等、フッ素系油を用いることができ、例えば、0.65~100mm2/s(25℃)の低粘度シリコーン油、流動パラフィン、スクワラン、イソドデカン、イソヘキサデカン等の炭化水素油やトリオクタノイン等のグリセライド油、イソノナン酸イソトリデシル、N-アシルグルタミン酸エステル、ラウロイルサルコシン酸エステル等のエステル油、マカデミアナッツ油等の天然動植物油が挙げられる。また、それらの具体例としては、信越化学工業(株)製:トリメチルシロキシケイ酸のシリコーン溶解品であるKF-7312J、アクリル-シリコーン皮膜剤のシリコーン溶解品であるKP-545、KP-549、シリコーン変性ノルボルネンのイソドデカン溶解品であるNBN-30-ID、シリコーン変性プルランのイソドデカン溶解品であるTSPL-30-ID,シリコーン溶解品であるTSPL-30-D5等が挙げられる。
【0067】
(7)制汗剤
本発明に係る化粧料がデオドラント剤である場合には、制汗剤を任意に配合することができる。制汗剤は皮膚を収斂させることに依って、汗の発生を抑える成分であれば、特に限定はなく、汎用の成分を広く利用できる。例えば、クロルヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、アラントインアルミニウム塩、タンニン酸、硫酸アルミニウムカリウム、酸化亜鉛、パラフェノールスルホン酸亜鉛、焼きミョウバン、テトラクロロ(Al/ジルコニウム)水和物、トリクロロハイドレックスグリシン(Al/ジルコニウム)等が挙げられる。特に、高い効果を発現する成分として、好ましくは、ハロゲン化アルミニウム、ヒドロキシハロゲン化アルミニウム、ならびにそれらとオキシハロゲン化ジルコニルおよびヒドロキシハロゲン化ジルコニルとの錯体または混合物からなる群より選択される制汗活性分である。これらの制汗剤は、水に溶解して配合させたり、また、粉末をそのまま製剤に配合して使用することができる。制汗剤は、市販品を用いることもできる。用いる市販品は、他の成分との混合原料の形態であってもよい。制汗剤の含有量は特に限定されず、他の成分の配合量に応じて適宜変更することができる。制汗効果に優れたデオドラント剤を得る目的、並びに、肌への刺激が低減されたデオドラント剤を得る目的から、その含有量は、デオドラント剤全体に対して、好ましくは0.001~30質量%の範囲であり、より好ましくは0.01~20質量%の範囲である。
【0068】
(8)抗菌剤
抗菌剤は体臭の原因物質を作り出す皮膚の常在菌の増殖を抑制させることに依って、防臭効果が得られる成分であれば、特に限定はない。例えば、トリクロサン、塩化ベンザエルコニウム、塩化ベンゾトニウム、塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、ハロカルバン、イソメチルフェノール等の抗菌薬剤が一般に利用される。また、緑茶乾留エキス等、生薬由来の精油や抽出物などで抗菌性を有するものを配合しても良い。生薬由来の精油や抽出物などの防臭効果を有する抗菌剤としては、例えば、緑茶エキス、ラベンダーエキス、オウゴンエキス、オウレンエキス、オオバクエキス、カワラヨモギエキス、キダチアロエエキス、クララ根エキス、クマザサ葉エキス、ニンニクエキス、ハマメリスエキス、紅茶エキス、セージ葉エキス、サンショウエキス、ショウガ根エキス、ショウブ根エキス、セイヨウキズタエキス、ドクダミエキス、モモ果実エキス、モモ葉エキス、セイヨウハッカ葉エキス、センキュウエキス、ユーカリ葉エキス、ラッカセイ種皮エキス、レイシエキス、ワレモコウエキスなどを用いることができる。植物抽出物は、1種または、2種以上を混合しても良い。
【0069】
(9)その他の添加剤
その他の添加剤としては、油溶性ゲル化剤、紫外線吸収散乱剤、保湿剤、防腐剤、香料、塩類、酸化防止剤、pH調整剤、キレート剤、清涼剤、抗炎症剤、美肌用成分(美白剤、細胞賦活剤、肌荒れ改善剤、血行促進剤、皮膚収斂剤、抗脂漏剤等)、ビタミン類、アミノ酸類、核酸、ホルモン、包接化合物等が挙げられる。
【0070】
・油溶性ゲル化剤
油溶性ゲル化剤としては、アルミニウムステアレート、マグネシウムステアレート、ジンクミリステート等の金属セッケン、N-ラウロイル-L-グルタミン酸、α,γ-ジ-n-ブチルアミン等のアミノ酸誘導体、デキストリンパルミチン酸エステル、デキストリンステアリン酸エステル、デキストリン2-エチルヘキサン酸パルミチン酸エステル等のデキストリン脂肪酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル、フラクトオリゴ糖ステアリン酸エステル、フラクトオリゴ糖2-エチルヘキサン酸エステル等のフラクトオリゴ糖脂肪酸エステル、モノベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンソルビトール等のソルビトールのベンジリデン誘導体、ジメチルベンジルドデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー、ジメチルジオクタデシルアンモニウムモンモリナイトクレー、ジメチルジオクタデシルアンモニウムヘクトライトクレー等の有機変性粘土鉱物等が挙げられる。
【0071】
・紫外線吸収散乱剤
紫外線吸収散乱剤としては微粒子酸化チタン、微粒子鉄含有酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化セリウム及びそれらの複合体等、紫外線を吸収散乱する粒子が挙げられ、これらの紫外線を吸収散乱する粒子をあらかじめ油剤に分散させた分散物を用いることもできる。当該油剤としては、本発明におけるオルガノシロキサンであっても良く、あるいは、任意成分の(1)油剤中の液状のシリコーン油、炭化水素油、エステル油、天然動植物油、半合成油等、フッ素系油を用いることができ、例えば、0.65~100mm2/s(25℃)の低粘度シリコーン油、流動パラフィン、スクワラン、イソドデカン、イソヘキサデカン等の炭化水素油やトリオクタノイン等のグリセライド油、イソノナン酸イソトリデシル、N-アシルグルタミン酸エステル、ラウロイルサルコシン酸エステル等のエステル油、マカデミアナッツ油等の天然動植物油が挙げられる。紫外線を吸収散乱する粒子をあらかじめ油剤に分散させた分散物の具体例としては、信越化学工業(株)製:SPDシリーズ(商品名)、特に、SPD-T5,Z5,T6,Z6等が挙げられる。
【0072】
・保湿剤
保湿剤としては、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ペンチレングリコール、グルコース、キシリトール、マルチトール、ポリエチレングリコール、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ピロリドンカルボン酸塩、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド、卵黄レシチン、大豆レシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴリン脂質等が挙げられる。
【0073】
・防腐剤
防腐剤としては、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール等、抗菌剤としては、安息香酸、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、トリクロロカルバニリド、感光素、フェノキシエタノール等が挙げられる。
【0074】
・香料
香料としては、天然香料及び合成香料がある。天然香料としては花、葉、材、果皮、などから分離した植物性香料;ムスク、シベットなどの動物性香料がある。合成香料としてはモノテルペンなどの炭化水素類、脂肪族アルコール、芳香族アルコールなどのアルコール類;テルペンアルデヒド、芳香族アルデヒドなどのアルデヒド類;脂環式ケトンなどのケトン類;テルペン系エステルなどのエステル類;ラクトン類;フェノール類;オキサイド類;含チッソ化合物類;アセタール類などが挙げられる。
【0075】
・塩類
塩類としては無機塩、有機酸塩、アミン塩及びアミノ酸塩が挙げられる。無機塩としては、例えば、塩酸、硫酸、炭酸、硝酸等の無機酸のナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩、ジルコニウム塩、亜鉛塩等;有機酸塩としては、例えば、酢酸、デヒドロ酢酸、クエン酸、りんご酸、コハク酸、アスコルビン酸、ステアリン酸等の有機酸類の塩;アミン塩及びアミノ酸塩としては、例えば、トリエタノールアミン等のアミン類の塩、グルタミン酸等のアミノ酸類の塩等が挙げられる。また、その他、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸等の塩、アルミニウムジルコニウムグリシン錯体等や、さらには、化粧料処方の中で使用される酸-アルカリの中和塩等も使用することができる。
【0076】
・酸化防止剤
酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、カロチノイド、アスコルビン酸及びその塩、ステアリン酸アスコルビル、トコフェノール、酢酸トコフェノール、トコフェロール、p-t-ブチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、フィチン酸、フェルラ酸、チオタウリン、ヒポタウリン、亜硫酸塩、エリソルビン酸及びその塩、クロロゲン酸、エピカテキン、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレート、アピゲニン、カンフェロール、ミリセチン、ケルセチン等が挙げられる。酸化防止剤は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用しても良い。
【0077】
・pH調整剤
pH調整剤としては、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、dl-リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等が挙げられる。
【0078】
・キレート剤
キレート剤としては、アラニン、エデト酸ナトリウム塩、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸等挙げられる。
【0079】
・清涼剤
清涼剤としては、L-メントール、カンフル等が挙げられる。
【0080】
・抗炎症剤
抗炎症剤としては、アラントイン、グリチルリチン酸及びその塩、グリチルレチン酸及びグリチルレチン酸ステアリル、トラネキサム酸、アズレン等が挙げられる。
【0081】
・美肌用成分
美肌用成分としては、胎盤抽出液、アルブチン、グルタチオン、ユキノシタ抽出物等の美白剤、ロイヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体、幼牛血液抽出液等の細胞賦活剤;肌荒れ改善剤、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β-ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、カフェイン、タンニン酸、α-ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ-オリザノール等の血行促進剤、酸化亜鉛、タンニン酸等の皮膚収斂剤、イオウ、チアントロール等の抗脂漏剤等が挙げられる。
【0082】
・ビタミン類
ビタミン類としては、ビタミンA油、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール等のビタミンA類、リボフラビン、酪酸リボフラビン、フラビンアデニンヌクレオチド等のビタミンB2類、ピリドキシン塩酸塩、ピリドキシンジオクタノエート、ピリドキシントリパルミテート等のビタミンB6類、ビタミンB12及びその誘導体、ビタミンB15及びその誘導体等のビタミンB類、L-アスコルビン酸、L-アスコルビン酸ジパルミチン酸エステル、L-アスコルビン酸-2-硫酸ナトリウム、L-アスコルビン酸リン酸ジエステルジカリウム等のビタミンC類、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール等のビタミンD類、α-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、酢酸dl-α-トコフェロール、ニコチン酸dl-α-トコフェロール、コハク酸dl-α-トコフェロール等のビタミンE類;ニコチン酸、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド等のニコチン酸類、ビタミンH、ビタミンP、パントテン酸カルシウム、D-パントテニルアルコール、パントテニルエチルエーテル、アセチルパントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類、ビオチン等が挙げられる。
【0083】
・アミノ酸類
アミノ酸類としては、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、アルギニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、シスチン、システイン、メチオニン、トリプトファン等が挙げられる。
【0084】
・核酸
核酸としては、デオキシリボ核酸等が挙げられる。
【0085】
・ホルモン
ホルモンとしては、エストラジオール、エテニルエストラジオール等が挙げられる。
【0086】
・包接化合物
包接化合物としては、シクロデキストリン等が挙げられる。
【0087】
本発明に係る化粧料の形態としては、粉体、液体、固体等が挙げられる。主な製剤型では、液状、クリーム状、エアゾール、軟膏状、乳化固形状、スティック状、乳化スティック状のものがある。
【実施例】
【0088】
以下、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0089】
以下のようにして、本発明の化粧料に用いられるオルガノシロキサン(製造例1)を製造した。
【0090】
(製造例1)
3,5-ジエチル-1,1,1,3,5,7,7,7-オクタメチルテトラシロキサン
1Lの4つ口フラスコに1,1,1,3,5,7,7,7-オクタメチルテトラシロキサン282.6gと、塩化白金酸1.4mgを加えた。撹拌をしながら、そこへエチレンガスを吹き込み、60~70℃を保持しながら、ヒドロシリル化反応を行った。反応は、ガスクロマトグラフィーにて追跡し、目的物の割合が95%以上となったことを確認し、反応を終了した。減圧蒸留(120℃、10mmHg)を行い、目的物である、3,5-ジエチル-1,1,1,3,5,7,7,7-オクタメチルテトラシロキサンを得た。沸点は227℃、粘度は2.2mm2/sであった。
【0091】
メトキシケイヒ酸エチルヘキシルの溶解性試験
製造例1で得られたオルガノシロキサン及びその他のオルガノシロキサンの有機紫外線吸収剤との溶解性を下記に示す方法で評価した。評価結果を表1に示す。
【0092】
(評価方法)
メトキシケイヒ酸エチルヘキシル(OMCと示す場合がある)と各シリコーン(Sxと示す場合がある)を表1に示す質量比で採取し、室温で24時間振盪混合し、室温12日後の溶解状態を観察した。結果を表1に示す。
溶解状態を、溶解:○、分離:× で其々示す。
【表1】
【0093】
表1に示されるように、本発明における、製造例1で得られたオルガノシロキサンは、オクタメチルトリシロキサン(信越化学工業(株)製:KF-96L-1cs)、デカメチルテトラシロキサン(信越化学工業(株)製:KF-96L-1.5cs)、ウンデカメチルペンタシロキサン(信越化学工業(株)製:KF-96L-2cs)、トリストリメチルシロキシメチルシラン(信越化学工業(株)製:TMF-1.5)、デカメチルペンタシロキサン(信越化学工業(株)製:KF-995)、ドデカメチルヘキサシロキサン(D6)に比べ、メトキシケイヒ酸エチルヘキシルの溶解性が高いことが明らかになった。
【0094】
25℃で固体の油性成分の溶解性と結晶化試験
製造例1で得られたオルガノシロキサン及びその他のオルガノシロキサンの25℃で固体の油性成分の溶解性と結晶化に及ぼす影響を下記に示す方法で評価した。評価結果を表2に示す。
【0095】
(評価方法)
25℃で固体の各油性成分と各シリコーンを1:9の質量比で採取し、105℃/20分間加熱し、その溶解状態を観察した。その後、其々の加熱混合液をアルミカップに入れ、25℃で2日間静置して固化させ、固形物の針入度をレオメーターで測定した。加熱時の目視観察に依る溶解状態を次の様に示す。均一溶解:◎、分散:〇、分離:× で其々示す。
【0096】
また、レオメーターでの測定は、自動稠度測定試験機RPM-101(RIGOSHA製)を用い1/4コーンを落として、5秒後の針入度を各5回測定した。表2には、平均針入度を示す。値が高い方が軟らかいことを示す。
【0097】
【0098】
表2に示されるように、本発明におけるオルガノシロキサンは、何れの固体の油性成分も良好に溶解した。特に、ポリエチレンを用いた場合、直鎖状ジメチルポリシロキサンに比べて溶解性が良好であることが明らかになった。また、加熱された組成物を冷却する事に依って、混成組成物を固化させることが可能であることも分かった。一般的にワックス等の固体の油性成分と相溶性の高い油剤を用いて混成組成物を調製する際、加熱溶解後、冷却されて固化した組成物の硬度が低くなることが知られているが、本発明におけるオルガノシロキサンを用いた場合にも、何れの油性成分においても平均針入度は高く、固体の油性成分に対して高い溶解性を有することが明らかになった。
【0099】
以下、化粧料に係る実施例及び比較例の処方例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。配合量は特に指定のない限り%(質量%)で示す。
【0100】
(実施例1、2、比較例1~5)W/O型ファンデーション
実施例1、2については、製造例1で得られたオルガノシロキサンを使用して、比較例1~5については、これを使用しないで、下記の製造方法に従いW/O型ファンデーションを作製した。実施例1、2及び比較例1~5の組成を表3に示す。
【0101】
【0102】
(注1)信越化学工業(株)製:TMF-1.5
(注2)信越化学工業(株)製:KF-995
(注3)信越化学工業(株)製:KF-56A
(注4)信越化学工業(株)製:KSG-210
(ジメチルポリシロキサン70-80%+架橋型ポリエーテル変性シリコーン20-30%の混合物)
(注5)信越化学工業(株)製:KSG-15
(デカメチルシクロペンタシロキサン90-96%+架橋型ジメチルポリシロキサン4-10%の混合物)
(注6)信越化学工業(株)製:KF-6028P
(注7)信越化学工業(株)製:KP-578
(注8)信越化学工業(株)製:KTP-09W,R,Y,B(KF-9909処理着色無機顔料,W:白・R:赤・Y:黄・B:黒)
【0103】
(製造方法)
成分1~6の一部、及び7~10を攪拌し、均一になるよう混合した。これに、別途成分21に成分16~20を均一溶解させた16~21を穏やかに加え、撹拌して乳化物とした。別に、成分1~6の残部、成分11~15をローラー処理し、前述の乳化物に加えて混合した。これを所定の容器に充填し、ファンデーションを得た。
【0104】
得られたW/O型ファンデーションについて、(1)感触の良さ(軽い感触)、(2)伸びの良さ、(3)膜の均一性の良さ、(4)化粧持ちの良さについて、女性10名の専門パネルにより使用テストを行ない、下記の評価基準にて評価した。また、(5)化粧料を40℃で1ケ月間静置した際の状態についても観察した。実施例1、2及び比較例1~5の評価結果を表4にそれぞれ示す。
【0105】
(評価基準)
5点:非常に良好
4点:良好
3点:普通
2点:やや不良
1点:不良
とし、得られた平均点について、下記の基準に従って○×で判定した。
平均点の判定:
得られた平均点が4.5点以上 ◎
得られた平均点が3.5点以上4.5点未満 ○
得られた平均点が2.5点以上3.5点未満 △
得られた平均点が1.5点以上2.5点未満 ×
得られた平均点が1.5点未満 ××
【0106】
【0107】
表4から明らかなように、実施例1、2のファンデーションは比較例1~5と比べ、軽い感触で、均一な膜が得られ、化粧持ちの良いファンデーションであることが実証された。また、保存安定性に優れたファンデーションであることも明らかになった。
【0108】
(実施例3)日焼け止め乳液(シェイキング)
表5に示す処方で、日焼け止め乳液(シェイキング)を調製した。
【0109】
【0110】
(注1)信越化学工業(株)製:KSG-18A
(ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン80-85%+架橋型フェニル変性ジメチルポリシロキサン15-20%の混合物)
(注2)信越化学工業(株)製:KF-6038
(注3)信越化学工業(株)製:KP-545
(デカメチルシクロペンタシロキサン70%+アクリルシリコーン系グラフト共重合体30%の溶解品)
(注4)信越化学工業(株)製:KSP-105
(シリコーンゴムをシリコーンレジンで被覆した平均粒子径2μmの複合パウダー)
(注5)信越化学工業(株)製:SPD-T5
(微粒子酸化チタン40%のデカメチルシクロペンタシロキサン分散物)
(注6)信越化学工業(株)製:SPD-Z5
(微粒子酸化亜鉛60%のデカメチルシクロペンタシロキサン分散物)
【0111】
(製造方法)
A:成分1~9を均一に混合する。
B:Aに成分10を加え、均一に分散する。
C:成分17に成分13~16を加えて溶解する。
D:CをBに徐添して乳化した後、成分11、12を加えて日焼け止め乳液を得た。
【0112】
以上のようにして得られた日焼け止め乳液は、のび広がりも軽く、さらっとしてべたつきがなく、温度や経時による変化もなく、使用性も安定性にも非常に優れていることがわかった。
【0113】
(実施例4)日焼け止めクリーム
表6に示す処方で、日焼け止めクリームを調製した。
【0114】
【0115】
(注1)信越化学工業(株)製:KF―6105
【0116】
(製造方法)
A:成分1~8を均一混合する。
B:成分9~12を成分13に均一溶解する。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、日焼け止めクリームを得た。
【0117】
以上のようにして得られた日焼け止めクリームは、キメが細かく、のび広がりが軽く、しっとりとしてみずみずしく、更にべたつきがないため、砂が全くつかず、使用性が非常に良いことがわかった。また、温度や経時による変化もなく安定性にも優れていることがわかった。
【0118】
(実施例5)日焼け止めクリーム
表7に示す処方で、日焼け止めクリームを調製した。
【0119】
【0120】
(注1)信越化学工業(株)製:KSG-310
(ミネラルオイル65-75%+アルキル分岐・架橋型ポリエーテル変性シリコーン25-35%の混合物)
(注2)信越化学工業(株)製:KSG-18A
(ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン80-85%+架橋型フェニル変性ジメチルポリシロキサン15-20%の混合物)
(注3)信越化学工業(株)製:KF-6048
(注4)信越化学工業(株)製:KF-7312J
(デカメチルシクロペンタシロキサン50%+シリコーン樹脂50%の溶解品)
【0121】
(製造方法)
A:成分1~8を均一混合する。
B:成分9~12を成分13に均一溶解する。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、日焼け止めクリームを得た。
【0122】
以上のようにして得られた日焼け止めクリームは、のび広がりも軽く、みずみずしくべたつきがなく、化粧持ちもよいため、紫外線防御効果も持続する。また、温度や経時による変化がなく、使用性も安定性にも非常に優れていることがわかった。
【0123】
(実施例6)非水系ムース状ファンデーション
表8に示す処方で、非水系ムース状ファンデーションを調製した。
【0124】
【0125】
(注1)信越化学工業(株)製:KSG-240
(デカメチルシクロペンタシロキサン75-85%+架橋型ポリエーテル変性シリコーン15-25%の混合物)
(注2)日本アエロジル(株)製表面疎水化処理ヒュームドシリカ:アエロジルR-972
(注3)信越化学工業(株)製:KTP-09W,R,Y,B(KF-9909処理着色無機顔料,W:白・R:赤・Y:黄・B:黒)
(注4)信越化学工業(株)製:KF-9909処理
(注5)信越化学工業(株)製:KF-7312J
(デカメチルシクロペンタシロキサン50%+シリコーン樹脂50%の溶解品)
(注6)信越化学工業(株)製:KSP-411
(シリコーンゴムをシリコーンレジンで被覆した平均粒子径12μmの複合パウダー)
(注7)信越化学工業(株)製:KМP-590
【0126】
(製造方法)
成分1~10をローラー処理にて均一に混合した。この混合物に、成分11~17を加えて均一になるように混合し、非水系ムース状ファンデーションを得た。
【0127】
以上のようにして得られたファンデーションは、外観がムース状にしっかりと固まり、のび広がりが軽く、べたつきや油っぽさがない優れた使用感で、化粧持ちも非常に良いことが確認された。また、温度や経時による油のしみ出し等もなく、安定性にも優れていた。
【0128】
(実施例7)非水系アイリンクルクリーム
表9に示す処方で、非水系アイリンクルクリームを調製した。
【0129】
【0130】
(注1)信越化学工業(株)製:KSG-210
(ジメチルポリシロキサン70-80%+架橋型ポリエーテル変性シリコーン20-30%の混合物)
(注2)信越化学工業(株)製:KSG-41A
(ミネラルオイル70-80%+アルキル分岐・架橋型ジメチルポリシロキサン20-30%の混合物)
(注3)信越化学工業(株)製:KSG-15
(デカメチルシクロペンタシロキサン90-96%+架橋型ジメチルポリシロキサン4-10%の混合物)
(注4)信越化学工業(株)製:KSP-101
(シリコーンゴムをシリコーンレジンで被覆した平均粒子径12μmの複合パウダー)
(注5)信越化学工業(株)製:KF-9028
(デカメチルシクロペンタシロキサン80%+シリコーンガム20%の溶解品)
【0131】
(製造方法)
A:成分1~8を均一混合し、アイリンクルクリームを得た。
【0132】
以上のようにして得られたアイリンクルクリームは、のび広がりが軽く、べたつきや油っぽさがなく、しっとりとして肌なじみの良い使用感を与えると共に、温度や経時による変化がなく安定性にも優れていることがわかった。
【0133】
(実施例8)洗い流しタイプパック化粧料
表10に示す処方で、洗い流しタイプパック化粧料を調製した。
【0134】
【0135】
(注1)信越化学工業(株)製:KF-6100
【0136】
(製造方法)
A:成分1~3及び8を混合する。
B:成分5~7及び10を均一混合した後、成分4,9を混合攪拌する。
C:BにAを添加し乳化させ、ペースト状の洗い流しタイプのパック化粧料を得た。
【0137】
以上のようにして得られた洗い流しタイプのパック化粧料は、塗布中はのび広がりが軽く、洗浄効果に優れ、洗い流した後は、しっとりとしてべたつきのなく肌がつるつるした感触で、非常に優れている使用感を持ち、また、安定性にも優れていることがわかった。
【0138】
(実施例9)アイカラー
表11に示す処方で、アイカラーを調製した。
【0139】
【0140】
(注1) 信越化学工業(株)製:KP-550
(イソドデカン60%+アクリルシリコーン系グラフト共重合体40%の溶解品)
(注2)信越化学工業(株)製:KP-561P
(融点30℃のシリコーンワックス)
(注3)信越化学工業(株)製:KSP-441
(アルキル変性シリコーンゴムをシリコーンレジンで被覆した平均粒子径12μmの複合パウダー)
(注4)信越化学工業(株)製:TMF-1.5
(注5)信越化学工業(株)製:KSG-320
(イソドデカン70-80%+アルキル分岐・架橋型ポリエーテル変性シリコーン20-30%の混合物)
(注6)日本アエロジル(株)製表面疎水化処理ヒュームドシリカ:アエロジルR-972
(注7)信越化学工業(株)製:KTP-09W,Y(KF-9909処理着色無機顔料,W:白・Y:黄)
(注8)信越化学工業(株)製:KF-9909処理
【0141】
(製造方法)
A:成分1~9を混合し、均一に分散させた。
B:Aで得られた混合物に成分10~16を加え、均一に分散させて、アイカラーを得た。
【0142】
以上のようにして得られたアイカラーは、取れも良く、伸び広がりが軽い上、油っぽさ及び粉っぽさがない使用感のものであった。また、耐水性、撥水性、耐汗性が良好で持ちも良く、化粧崩れしにくい上、温度変化及び経時による変化がなく安定性にも優れていることが確認された。
【0143】
(実施例10)アイライナー
表12に示す処方で、アイライナーを調製した。
【0144】
【0145】
(注1)信越化学工業(株)製:KSG-42A
(イソドデカン75-85%+アルキル分岐・架橋型ジメチルポリシロキサン15-25%の混合物)
(注2)信越化学工業(株)製:KF-6038
(注3)信越化学工業(株)製:KF-9901処理
【0146】
(製造方法)
A:成分1~5を加温混合し、成分6を添加して均一に分散する。
B:成分7~9を加温溶解する。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、アイライナーを得た。
【0147】
以上のようにして得られたアイライナーは、のびが軽くて油っぽさや粉っぽさがなく、みずみずしく、さっぱりとした使用感を与えると共に、耐水性や撥水性、耐汗性が良好で持ちも良く、化粧崩れしにくく、温度や経時的に変化がなく安定性にも優れていることがわかった。
【0148】
(実施例11)W/Oクレンジングクリーム
表13に示す処方で、W/Oクレンジングクリームを調製した。
【0149】
【0150】
(注1)信越化学工業(株)製:KF-6017
【0151】
A:成分1~7を加熱混合する。
B:成分8~11及び13を加熱溶解する。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、冷却して成分12を添加しクレンジングクリームを得た。
【0152】
以上のようにして得られたクレンジングクリームは、キメが細かく、のび広がりが軽くてべたつきや油っぽさがなく、しっとりとしてみずみずしく、さっぱりとした使用感を与えると共に、クレンジング効果も高く、温度や経時による変化がなく安定性にも優れていることがわかった。
【0153】
(実施例12)クリーム状口紅
表14に示す処方で、クリーム状口紅を調製した。
【0154】
【0155】
(注1)千葉製粉(株)製:レオパールTT
(注2)信越化学工業(株)製:KP-545
(デカメチルシクロペンタシロキサン70%+アクリルシリコーン系グラフト共重合体30%の溶解品)
(注3)信越化学工業(株)製:KSG-43
(トリエチルヘキサノイン65-75%+アルキル分岐・架橋型ジメチルポリシロキサン25-35%の混合物)
(注4)信越化学工業(株)製:KF-6105
【0156】
(製造方法)
A:成分2の一部に、成分9を混合しローラーミルにて分散後、得られた分散物を成分1、成分2の残部及び成分3~6と共に加熱混合した。
B:成分7、8を加熱し、Aで得られた混合物に加えて乳化後冷却した。
C:成分10をBで得られた乳化物に添加し、クリーム状口紅を得た。
【0157】
得られたクリーム状口紅は、のびが軽く、べたつきや油っぽさが無く、持ちのよい膜を唇上に形成した。
【0158】
(実施例13)マスカラ
表15に示す処方で、マスカラを調製した。
【0159】
【0160】
(注1)信越化学工業(株)製:KF-6028P
(注2)信越化学工業(株)製:KP-550
(イソドデカン60%+アクリルシリコーン系グラフト共重合体40%の溶解品)
(注3)千葉製粉(株)製:レオパールTT
(注4)信越化学工業(株)製:KP-562P
(融点50℃のシリコーンワックス)
(注5)信越化学工業(株)製:KTP-09B(KF-9909処理着色無機顔料,B:黒)
【0161】
(製造方法)
A:成分1~3を均一に混合した。
B:成分4~10を、加熱及び攪拌して溶解し、Aで得た混合物及び粉砕した成分11、12、13を加えて均一になるよう混合した後冷却した。
【0162】
得られたマスカラは、べたつきがなく、のびが軽くて睫に塗り易く、化粧持ちも非常に良かった。
【0163】
(実施例14)オイルクレンジング
表16に示す処方で、オイルクレンジングを調製した。
【0164】
【0165】
(製造方法)
A:成分1~6を均一に混合した。
B:成分7、8を攪拌して溶解し、Aで得た混合物に加えて均一になるよう混合し、オイルクレンジングを得た。
【0166】
得られたオイルクレンジングは、べたつきがなく、均一な油膜を作り伸びやすく、洗浄効果も非常に高かった。
【0167】
(実施例15)デオドラントスティック
表17に示す処方で、デオドラントスティックを調製した。
【0168】
【0169】
(注1)信越化学工業(株)製:KF-6048
【0170】
(製造方法)
A:成分2、3、6~9を加熱溶解し、混合した。
B:成分1、4をAに均一に混合し、ミキサーを用いて均一に分散混合した。
C:成分5を加え均一に混合した。
D:型に流し込み冷却固化させた。
【0171】
上記実施例15のデオドラントスティックについて、使用感について評価した。結果を表18に示す。
【0172】
使用性評価方法
デオドラントスティックの使用感を専門パネラー10名の実使用によって評価した。
【0173】
評価基準
判定は以下の基準で行った。
◎:5名以上が良好と評価。
○:3名以上が良好と評価。
×:3名未満が良好と評価。
【0174】
【0175】
本発明のデオドラント剤である実施例15は、過度なドライ感やべたつき感が無く、防臭効果の持続性に優れることがわかる。
【0176】
(実施例16)デオドラントスプレー
表19に示す処方で、デオドラントスプレーを調製した。
【0177】
【0178】
(注1)信越化学工業(株)製:KF-9909処理
(注2)信越化学工業(株)製:KF-6105
【0179】
(製造方法)
A:成分2~4、6~10を均一混合した。
B:成分1をAに均一に混合し、ミキサーを用いて均一に分散混合した。
C:成分5を加え均一に混合した。
D:原液成分C10部とLPG90部をスプレー容器に充填した。
【0180】
上記実施例16のデオドラントスプレーについて、使用感について評価した。結果を表20に示す。
【0181】
使用性評価方法
デオドラントスプレーの使用感を専門パネラー10名の実使用によって評価した。
【0182】
評価基準
判定は以下の基準で行った。
◎:5名以上が良好と評価。
○:3名以上が良好と評価。
×:3名未満が良好と評価。
【0183】
【0184】
本発明のデオドラント剤である実施例16は、過度なドライ感やべたつき感が無く、防臭効果の持続性に優れることがわかる。
【0185】
(実施例17)非水系デオドラントクリーム
表21に示す処方で、非水系デオドラントクリームを調製した。
【0186】
【0187】
(注1)信越化学工業(株)製:KSG-15
(デカメチルシクロペンタシロキサン90-96%+架橋型ジメチルポリシロキサン4-10%の混合物)
(注2)信越化学工業(株)製:KSP-100
(シリコーンゴムをシリコーンレジンで被覆した平均粒子径5μmの複合パウダー)
【0188】
(製造方法)
A:成分2、3、5、7、9、11、12を加熱し、均一混合した。
B:成分10をAに均一に混合し、ミキサーを用いて均一に分散混合した。
C:成分1、4、8をBに加え、均一に混合した。
D:成分6をCに加え、均一に混合した後、容器に充填した。
【0189】
上記実施例17は、塗り広げが非常にスムーズで伸びが良く、過度なドライ感やべたつき感が無く、防臭効果の持続性に優れた非水系デオドラントクリームであった。
【0190】
(実施例18)W/Oデオドラントクリーム
表22に示す処方で、W/Oデオドラントクリームを調製した。
【0191】
【0192】
(注1)信越化学工業(株)製:KSG-210
(ジメチルポリシロキサン70-80%+架橋型ポリエーテル変性シリコーン20-30%の混合物)
(注2)信越化学工業(株)製:KSG-15
(デカメチルシクロペンタシロキサン90-96%+架橋型ジメチルポリシロキサン4-10%の混合物)
(注3)信越化学工業(株)製:KF-6028P
【0193】
(製造方法)
A:成分1~4、8を均一混合した。
B:成分5~7をAに均一に混合し、ミキサーを用いて均一に分散混合した。
C:成分9~13を溶解した。
D:BにCを加え、乳化した後、容器に充填した。
【0194】
上記実施例18は、瑞々しい使用感、且つ、塗り広げが非常にスムーズで伸びが良く、使用過度なドライ感やべたつき感が無く、防臭効果の持続性に優れたW/Oデオドラントクリームであった。
【0195】
(実施例19)ヘアオイル
表23に示す処方で、ヘアオイルを調製した。
【0196】
【0197】
(注1)信越化学工業(株)製:KF-7312J
(デカメチルシクロペンタシロキサン50%+シリコーン樹脂50%の溶解品)
(注2)信越化学工業(株)製:KF-9030
【0198】
(製造方法)
A:成分1~8を均一に混合し、ヘアオイルを得た。
【0199】
上記実施例19は、のび広がりが軽く、毛髪に光沢と滑らかさを与えるヘアオイルであった。
【0200】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。