(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-04
(45)【発行日】2023-08-15
(54)【発明の名称】脳波フィードバックシステム及びその操作方法
(51)【国際特許分類】
A61M 21/02 20060101AFI20230807BHJP
A61B 5/16 20060101ALI20230807BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20230807BHJP
【FI】
A61M21/02 G
A61B5/16 130
G06F3/01 515
(21)【出願番号】P 2020110504
(22)【出願日】2020-06-26
【審査請求日】2020-06-26
【審判番号】
【審判請求日】2022-03-25
(32)【優先日】2020-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】502250743
【氏名又は名称】國立成功大學
【氏名又は名称原語表記】NATIONAL CHENG KUNG UNIVERSITY
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】リャン シェンフー
(72)【発明者】
【氏名】シャウ フーゼン
(72)【発明者】
【氏名】クオ チーエン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ヤンハン
(72)【発明者】
【氏名】ルー ツオンハー
(72)【発明者】
【氏名】シエ ツオンハオ
(72)【発明者】
【氏名】ユン タイジー
(72)【発明者】
【氏名】シエ イェンユイ
(72)【発明者】
【氏名】チェン イユ
【合議体】
【審判長】内藤 真徳
【審判官】佐々木 正章
【審判官】井上 哲男
(56)【参考文献】
【文献】特開昭58-177670(JP,A)
【文献】実開昭59-138(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 21/02
A61B 5/16
G06F 3/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの脳波に基づいてフィードバックを生成するように適合された脳波フィードバックシステムであって、
前記ユーザの第1の脳波信号を取得するように構成された脳波感知デバイスと、
複数のソートされたキーワードを含むキーワードストリングプールを記憶し、第1の生理学的パラメータが所定のパラメータ範囲外にある場合にフィードバック手順を実行するサーバと、
前記サーバと通信可能に接続され、前記第1の生理学的パラメータの脳波スコアに対応する解析結果を提示する出力コンポーネントと、を含み、
前記第1の生理学的パラメータは前記第1の脳波信号に関連付けられ、
前記フィードバック手順は前記サーバによってフィードバックキーワードとして前記キーワードストリングプールからキーワードを選択し、前記フィードバックキーワードを出力することを含み、
前記キーワードストリングプールは、前記サーバが前記キーワードをソートすることによって生成され、
前記サーバは前記フィードバックキーワードを前記出力コンポーネントに出力し、
前記出力コンポーネントは前記フィードバックキーワードをさらに提示し、
前記キーワードのソートは、下記に示すユーザーキーワードランキング(UKR)の方程式を使用して行われ、
【数1】
UKR(i)は、前記キーワードのキーワードiのランキングスコアであり、
d
iは、ユーザから提供された回答の肯定的なスコアであり、
SKRは、意味ネットワーク内における前記キーワードの他のキーワードのランキングスコアであり、前記意味ネットワーク内において前記他のキーワードは前記キーワードiにリンクされ、前記意味ネットワークは前記他のキーワードと前記キーワードiの複数のカテゴリから構成され、
WKRは、前記キーワードiと前記他のキーワードの間の複数の接続の重みの合計であり、
U
recordは、ユーザの最近の睡眠品質の最近のパフォーマンススコアであり、最近の睡眠品質はユーザの睡眠中の脳波信号の周波数に基づいて決定さ
れる、脳波フィードバックシステム。
【請求項2】
前記出力コンポーネントは前記フィードバックキーワードをさらに提示し、
前記脳波感知デバイスは前記出力コンポーネントが前記フィードバックキーワードを提示した後に、第2の脳波信号を取得し、
前記サーバは前記第1の生理学的パラメータと
前記第2の脳波信号に関連付けられる第2の生理学的パラメータとを比較して比較結果を生成し、前記比較結果に基づいて、前記出力コンポーネントの前記フィードバックキーワードを提示する強度を増加させるか否かを決定し、
前記出力コンポーネントはヘッドセットまたは画面を含み、
前記フィードバックキーワードを提示する強度を増加させることは、前記画面に表示される前記フィードバックキーワードの明瞭さを増加させること、前記画面に表示される前記フィードバックキーワードの時間を増加させること、またはオーディオ信号において前記フィードバックキーワードを提示する頻度を増加させることを含む、請求項1に記載の脳波フィードバックシステム。
【請求項3】
前記出力コンポーネントは前記フィードバックキーワードをさらに提示し、
前記脳波感知デバイスは前記出力コンポーネントが前記フィードバックキーワードを提示した後に、第2の脳波信号を取得し、
前記サーバは前記第1の生理学的パラメータと
前記第2の脳波信号に関連付けられる第2の生理学的パラメータとを比較して比較結果を生成し、前記比較結果に基づいて、前記キーワードストリングプールから別のキーワードを前記フィードバックキーワードとして選択的に選択し、前記フィードバックキーワードを出力する、請求項1に記載の脳波フィードバックシステム。
【請求項4】
前記サーバは回答に対して自然言語処理手順を実行し、前記回答に対して前記自然言語処理手順を実行した結果に従って前記キーワードをソートすることによって、前記キーワードを取得してソートし、
前記回答はアンケートに対応し、前記出力コンポーネントが前記アンケートを提示した後にモバイルデバイスから前記サーバによって取得される、
請求項1に記載の脳波フィードバックシステム。
【請求項5】
前記サーバが前記フィードバック手順を実行した後、前記サーバはフィードバック回答に対して前記自然言語処理手順をさらに実行し、前記フィードバック回答に対して前記自然言語処理手順を実行した結果がネガティブである場合、前記キーワードストリングプール内の前記キーワードの順序を下げ、
前記フィードバック回答はフィードバックアンケートに対応し、前記モバイルデバイスが前記フィードバックアンケートを提示した後に前記モバイルデバイスから前記サーバによって取得される、請求項4に記載の脳波フィードバックシステム。
【請求項6】
前記キーワードストリングプールは、前記サーバのユーザログに記憶される、請求項1に記載の脳波フィードバックシステム。
【請求項7】
前記ユーザログはさらに利用履歴を記憶し、
前記サーバは前記利用履歴に応じた前記脳波スコアを前記解析結果として取得し、
前記サーバは前記利用履歴における利用回数が閾値より低い場合には前記脳波スコアを所定の増分だけ増やし、前記利用履歴における前記利用回数が前記閾値に到達した場合には前記脳波スコアを調整しないことにより、前記利用履歴に応じて前記脳波スコアを取得する、請求項6に記載の脳波フィードバックシステム。
【請求項8】
前記出力コンポーネントを有するモバイルデバイスをさらに備え、
前記モバイルデバイスは前記第1の脳波信号を受信するために、前記脳波感知デバイスと通信可能に接続され、
前記モバイルデバイスは前記第1の生理学的パラメータを分析して前記解析結果を生成する、請求項1に記載の脳波フィードバックシステム。
【請求項9】
前記脳波感知デバイスは前記出力コンポーネントが前記フィードバックキーワードを提示した後に第2の脳波信号を取得し、
前記モバイルデバイスは前記第1の生理学的パラメータと
前記第2の脳波信号に関連付けられる第2の生理学的パラメータとを比較して比較結果を生成し、前記比較結果に基づいて、前記出力コンポーネントの前記フィードバックキーワードを提示する強度を増加させるかどうかを決定し、
前記出力コンポーネントはヘッドセットまたは画面を含み、
前記フィードバックキーワードを提示する強度を増加させることは、前記画面に表示される前記フィードバックキーワードの明瞭さを増加させること、前記画面に表示される前記フィードバックキーワードの時間を増加させること、またはオーディオ信号において前記フィードバックキーワードを提示する頻度を増加させることを含む、請求項8に記載の脳波フィードバックシステム。
【請求項10】
前記脳波感知デバイスは前記出力コンポーネントが前記フィードバックキーワードを提示した後に第2の脳波信号を取得し、
前記モバイルデバイスは前記第1の生理学的パラメータと
前記第2の脳波信号に関連付けられる第2の生理学的パラメータとを比較して比較結果を生成し、前記比較結果に基づいて前記フィードバックキーワードとして前記キーワードストリングプールから別のキーワードを選択的に選択し、前記フィードバックキーワードを出力する、請求項8に記載の脳波フィードバックシステム。
【請求項11】
前記ユーザログは使用履歴をさらに記憶し、
モバイルデバイスは前記解析結果として前記使用履歴に応じて前記脳波スコアを取得し、
前記モバイルデバイスは前記使用履歴における使用回数が閾値回数未満である場合には前記脳波スコアを所定の増分だけ増加させ、前記使用履歴における前記使用回数が前記閾値回数に達した場合には、前記脳波スコアを調整しないことにより、前記使用履歴に応じて前記脳波スコアを取得する、請求項6に記載の脳波フィードバックシステム。
【請求項12】
脳波フィードバックシステムに適合された脳波フィードバックシステムの操作方法であって、前記脳波フィードバックシステムはユーザの脳波に基づいてフィードバックを生成するように構成され、前記脳波フィードバックシステムはモバイルデバイスと、サーバと、脳波感知デバイスとを備え、
モバイルデバイスはアンケートの提示、および前記アンケートを提示した後にアンケートに対応する回答の取得をし、
前記回答から複数のキーワードを捕捉するために、サーバは前記回答に対して自然言語処理手順を実行し、
キーワードストリングプールを取得するために、サーバは前記自然言語処理手順の結果に応じてキーワードをソートし、前記キーワードのソートは、ユーザーキーワードランキング(UKR)の方程式を使用して行われ、
脳波感知デバイスは前記ユーザの第1の脳波信号を取得し、前記第1の脳波信号を前記モバイルデバイスに出力し、
前記モバイルデバイスは前記第1の脳波信号に基づいて前記第1の脳波信号に対応する第1の生理学的パラメータを取得し、
前記モバイルデバイスは前記第1の生理学的パラメータが所定のパラメータ範囲外にあるかどうかを判定し、
前記モバイルデバイスは前記第1の生理学的パラメータが所定のパラメータ範囲外にあるかどうかを判定するときにフィードバック手順を実行すること、を含み、
前記フィードバック手順は、フィードバックキーワードとして前記キーワードストリングプールからキーワードを選択し、前記モバイルデバイスが前記フィードバックキーワードを提示するために前記フィードバックキーワードを前記モバイルデバイスに出力するように、前記モバイルデバイスが前記サーバを制御すること、を含み、
ユーザーキーワードランキング(UKR)の方程式は、
【数2】
であり、
UKR(i)は、前記キーワードのキーワードiのランキングスコアであり、
d
iは、ユーザから提供された回答の肯定的なスコアであり、
SKRは、意味ネットワーク内における前記キーワードの他のキーワードのランキングスコアであり、前記意味ネットワーク内において前記他のキーワードは前記キーワードiにリンクされ、前記意味ネットワークは前記他のキーワードと前記キーワードiの複数のカテゴリから構成され、
WKRは、前記キーワードiと前記他のキーワードの間の複数の接続の重みの合計であり、
U
recordは、ユーザの最近の睡眠品質の最近のパフォーマンススコアであり、最近の睡眠品質はユーザの睡眠中の脳波信号の周波数に基づいて決定さ
れる、脳波フィードバックシステムの操作方法。
【請求項13】
前記モバイルデバイスは前記フィードバックキーワードを提示した後に、
前記脳波感知デバイスは第2の脳波信号の取得し、
前記モバイルデバイスは前記第1の生理学的パラメータと
前記第2の脳波信号に関連付けられる第2の生理学的パラメータとを比較して比較結果を生成し、
前記モバイルデバイスは前記比較結果に基づいて、出力コンポーネントの前記フィードバックキーワードを提示する強度を増加させるかどうかを決定することをさらに含む、請求項12に記載の操作方法。
【請求項14】
前記モバイルデバイスは、前記比較結果が、第2の生理学的パラメータが第1の生理学的パラメータよりも低い場合、前記第2の生理学的パラメータを下げることをさらに含む、請求項13に記載の操作方法。
【請求項15】
前記モバイルデバイスは前記フィードバック手順を実行した後に、
前記脳波感知デバイスは第2の脳波信号を取得し、
前記モバイルデバイスは前記第1の生理学的パラメータと
前記第2の脳波信号に関連付けられる第2の生理学的パラメータとを比較して比較結果を生成し、
前記モバイルデバイスは前記サーバによって前記キーワードストリングプールから別のキーワードを前記フィードバックキーワードとして選択するかどうかを決定し、前記フィードバックキーワードを出力することをさらに含む、請求項12に記載の操作方法。
【請求項16】
前記モバイルデバイスは前記フィードバック手順を実行した後に、
前記モバイルデバイスはフィードバックアンケートを提示し、前記モバイルデバイスが前記フィードバックアンケートを提示した後に前記フィードバックアンケートに対応するフィードバック回答を取得し、
前記サーバは前記フィードバック回答に対して前記自然言語処理手順を実行し、前記フィードバック回答に対して前記自然言語処理手順を実行した結果がネガティブな結果である場合、前記キーワードストリングプール内の前記キーワードの順序を下げることをさらに含む、請求項12に記載の操作方法。
【請求項17】
前記脳波感知デバイスは前記第1の脳波信号を取得する前に、前記モバイルデバイスは前記フィードバックキーワードを提示することをさらに含む、請求項12に記載の操作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は脳波フィードバックシステムおよびその操作方法に関し、特に、フィードバック手順を実行するフィードバックシステムおよびその操作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、人々はしばしば不眠のような睡眠の問題を抱えている。不眠症には、眠りにつくのが困難であること、眠りが浅いこと、および眠り続けることが困難であること、が含まれる。不眠は日常生活や業務効率に影響を及ぼすだけでなく、うつ病や不安神経症などの精神障害を引き起こす。薬物療法は現在、慢性不眠症を治療する主なアプローチである。ほとんどの睡眠補助薬(睡眠薬など)は不眠症患者がより簡単に眠りにつくのに役立つが、不眠症患者が睡眠補助薬を服用するだけで深い睡眠に入るのは依然として困難である。睡眠補助薬では、睡眠の質を改善することはできず、深い睡眠を十分に持続させることもできない。さらに、睡眠補助薬の長期使用は、生物蓄積を引き起こす可能性がより高い。
【0003】
睡眠薬は、不眠症を効率的かつ根本的に改善することができないことから、多くの睡眠補助デバイスが使用されるようになった。ほとんどの睡眠補助デバイスは、例えば、音または光の刺激、または脳への電気刺激を使用して、ユーザが眠りにつくのを助ける。しかしながら、ユーザが不眠症を患っている場合、外界に対してより敏感であり得る。したがって、これらの睡眠補助デバイスによって提供される刺激は、ユーザが眠りにつく、または眠りにつくことを試みているときに、余分な妨害となり得る。ユーザが浅い睡眠段階にあるとき、これらの刺激によって目覚めてしまうことさえあり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本開示は、上述の問題を解決するための脳波フィードバックシステムおよびその操作方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態によれば、ユーザの脳波に基づいてフィードバックを生成するように適合された脳波フィードバックシステムであって、脳波フィードバックシステムは、ユーザの第1の脳波信号を取得するように構成された脳波感知デバイスと、複数のソートされたキーワードを含むキーワードストリングプールを記憶し、第1の生理学的パラメータが所定のパラメータ範囲外にある場合にフィードバック手順を実行するサーバであって、第1の生理学的パラメータは第1の脳波信号に関連付けられ、フィードバック手順はサーバによってフィードバックキーワードとしてキーワードストリングプールからキーワードを選択し、フィードバックキーワードを出力し、サーバと通信可能に接続され、第1の生理学的パラメータに対応する解析結果を提示する出力コンポーネントとを含む。
【0006】
本開示の一実施形態によれば、脳波フィードバックシステムに適合された脳波フィードバックシステムの操作方法であって、脳波フィードバックシステムはユーザの脳波に基づいてフィードバックを生成するように構成され、脳波フィードバックシステムはモバイルデバイスと、サーバと、脳波感知デバイスとを備え、モバイルデバイスはアンケートの提示およびアンケートに対応する回答の取得をし、回答から複数のキーワードを捕捉するためにサーバは回答に対して言語処理手順を実行し、キーワードストリングプールを取得するためにサーバは言語処理手順の結果に応じてキーワードをソートし、脳波感知デバイスはユーザの第1の脳波信号を取得し、第1の脳波信号をモバイルデバイスに出力し、モバイルデバイスは第1の脳波信号に基づいて第1の脳波信号に対応する第1の生理学的パラメータを取得し、モバイルデバイスは第1の生理学的パラメータが所定のパラメータ範囲外にあるかどうかを判定するときにフィードバック手順を実行することを含み、フィードバック手順はモバイルデバイスがフィードバックキーワードとしてキーワードストリングプールからキーワードを選択し、モバイルデバイスがフィードバックキーワードを提示するために、フィードバックキーワードをモバイルデバイスに出力するように、モバイルデバイスがサーバを制御することを含む脳波フィードバックシステムの操作方法。
【発明の効果】
【0007】
上記の説明に鑑みて、本開示の一実施形態に係る脳波フィードバックシステムおよび操作方法は、ユーザが薬物によって引き起こされる依存および生物蓄積などの問題を回避するために、上記の症候群の睡眠薬または他の薬物を服用する頻度を低減するのを助けることができる。加えて、本開示の一実施形態に係る脳波フィードバックシステムおよび操作方法は、ユーザが眠りにつくまたは眠りにつくことを試みているときに睡眠障害を引き起こす睡眠補助デバイスによって提示される刺激をさらに回避することができる。本開示の脳波フィードバックシステムは、家庭環境において適用されてもよく、脳波フィードバックシステムを使用するタイミングを制限しない。したがって、ユーザは、脳波フィードバックシステムを使用するために病院などの特定の研究機関を訪れる必要がないだけでなく、ユーザの日常的なルーチン中に意識的に脳波フィードバックシステムを使用することもできる。したがって、ユーザは眠りにつくときに訓練から得られた経験を適用して、迅速に眠りにつく効果を達成することができ、それによって、ユーザが眠りにつくのを助けるために外部支援を使用する状況を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の一実施形態に係る脳波フィードバックシステムのブロック図である。
【
図2】本開示の一実施形態に係る脳波フィードバックシステムの操作方法のフローチャートである。
【
図3】本開示の一実施形態に係るフィードバック手順のフローチャートである。
【
図4】本開示の他の実施形態に係る脳波フィードバックシステムの操作方法のフローチャートである。
【
図5A】本開示の一実施形態に係る、脳波フィードバックシステムを使用する状況を示す図である。
【
図5B】本開示の一実施形態に係る脳波フィードバックシステムを使用する状況を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示は以下に与えられる詳細な説明および添付の図面からより完全に理解され、これらは、単に例示として与えられるものであり、したがって、本開示を限定するものではない。
【0010】
図1に、本開示の一実施形態に係る脳波フィードバックシステムのブロック図を示す。本開示の脳波フィードバックシステムは、少なくとも脳波感知デバイス10およびサーバ20を含む。脳波感知デバイス10は信号を取得するように構成され、サーバ20は脳波感知デバイス10によって取得された信号を処理および分析するために使用され得る。本開示の脳波フィードバックシステムは、モバイルデバイス30をさらに含むことができる。モバイルデバイス30は脳波感知デバイス10によって取得された信号を処理および分析するためにサーバ20と置き換えることができ、サーバ20は関連するデータおよび信号処理の結果を格納するように構成されるが、本開示はそれに限定されない。
【0011】
本開示は脳波フィードバックシステムを実際に使用するタイミングを制限せず、ユーザは脳波フィードバックシステムを使用するためにある時間まで待つ必要がない。具体的には、ユーザが自分の脳波を所望の状態に迅速にシフトさせる方法について自分自身を訓練するために、自分の日常的なルーチンとして意識的に脳波フィードバックシステムを使用することができる。脳波のこれらの所望の状態は、リラックス状態または眠りに落ちる状態の脳波に限定されず、所望の状態は集中または熱中しているときなどの潜在的な精神状態中の脳波も含む。したがって、訓練中に得られる経験は、ユーザが脳波の所望の状態に入ること、脳波を所望の状態へより速くシフトさせることを達成すること、および外部支援(例えば、投薬、電波治療など)を使用することによって脳波を所望の状態へシフトさせることを回避すること、を望むときに適用することができる。
【0012】
本開示の脳波感知デバイス10は、好ましくは第1の脳波信号を得るために乾燥電極(dry electrodes)を含む。サーバ20は好ましくはクラウドサーバである。サーバ20は、複数のソートされたキーワードを含むキーワードストリングプールを記憶し、キーワードストリングプールは、好ましくはサーバ20のユーザログに記憶される。キーワードストリングプールは複数のキーワードを含み、これらのキーワードは、好ましくは順番にまたは優先度順に配置される。サーバ20は、第1の生理学的パラメータが所定のパラメータ範囲外にあるときに、フィードバック手順を実行し、第1の生理学的パラメータは第1の脳波信号に関連付けられ、第1の生理学的パラメータは第1の脳波信号に基づいて脳波感知デバイス10によって計算することができる。
【0013】
フィードバック手順は、サーバ20が、フィードバックキーワードとしてキーワードストリングプールからキーワードを選択することを含む。すなわち、サーバ20は、キーワードストリングプールにおいて最初に順序付けられたキーワードをフィードバックキーワードとして使用する。サーバ20は、フィードバックキーワードを出力した後に、キーワードストリングプールからこのキーワードを削除することも、このキーワードをキーワードストリングプールの最後に移動することもできる。サーバ20は、出力コンポーネント301がフィードバックキーワードを提示するために、フィードバックキーワードをモバイルデバイス30に出力することが好ましい。モバイルデバイス30は例えば、携帯電話、タブレットなどであり、出力コンポーネント301は例えば、ディスプレイスクリーン、モバイルデバイス30のスピーカ、またはモバイルデバイス30に接続されたヘッドセットである。本開示は、出力コンポーネント301の種類を限定しない。
【0014】
図2に、本開示の一実施形態に係る脳波フィードバックシステムの操作方法のフローチャートを示す。本開示の脳波フィードバックシステムがユーザのプライバシーをより良く保護するために、
図2のステップS11およびS13は、好ましくはモバイルデバイス30によって実行されることに留意されたい。しかし、ステップS11およびS13はサーバ20によって実行することもでき、本開示はステップS11およびS13を実行するデバイスを限定するものではない。
【0015】
ステップS01:アンケートの提示。
【0016】
サーバ20はアンケートを事前に格納することができ、モバイルデバイス30が出力コンポーネント301によってアンケートを提示することができるように、アンケートをモバイルデバイス30に出力することができる。アンケートの内容は、好ましくは、様々なシナリオ/状況に関する質問に関連付けられる。例えば、本開示の脳波フィードバックシステムが不眠症を治療するために適用される場合、アンケートの質問は質問1:「あなたが一人でいるとき、あなたは通常何をするか?」、質問2:「旅行について記憶に残る経験はあるか?」質問3:「不眠症になったときに一番考えることは何であるか?」、質問4:「最近購入したいものはあるか?」等を含んでもよい。出力コンポーネント301がモバイルデバイス30の表示画面である場合、出力コンポーネント301は表示画面に表示することによってアンケートを提示することができ、出力コンポーネント301がモバイルデバイス30に接続されるスピーカまたはヘッドセットである場合、出力コンポーネント301は、音声の形態で出力することによってアンケートを提示することができる。
【0017】
ステップS03:アンケートに対応する回答の取得。
【0018】
出力コンポーネント301がアンケートを提示した後、モバイルデバイス30は、ユーザによって入力された前述のアンケートに対応する回答を取得し、その回答をサーバ20に出力することができる。例えば、質問1に対応する回答は「私は一人でテレビ番組を見ながらケーキを食べることをが一番好き」、質問2に対応する回答は「最も記憶に残っている旅行経験は、日本に旅行をしたとき」、質問3に対応する回答は「不眠になったときは、一番に仕事のことを考える」、質問4に対応する回答は「最近、新しい携帯電話を購入したい」とすることができる。
【0019】
ステップS01およびS03を参照すると、モバイルデバイス30によって提示されるアンケートは、提供された回答が好ましくは過去3ヶ月間の生活体験であることをユーザに思い出させ、各回答についてユーザが有する肯定をさらに提供させるために、タイミングおよび肯定的なリマインダを含むことが好ましい。例えば、「私は一人でテレビ番組を見ながらケーキを食べることをが一番好き」との回答を例に取ると、ユーザによって提供される回答は好ましくは過去3ヶ月以内にユーザが経験した生活体験であり、ユーザはこの回答に対して肯定的スコアを提供する。最高の肯定的スコアが「10」であると仮定し、ユーザによって提供される肯定的スコアが「2」である場合、この回答は脳波フィードバックトレーニングに対して有益な回答ではない可能性があることを示す。一方で、ユーザによって提供される肯定的スコアが「9」である場合、この回答は、後の脳波フィードバックトレーニング中に非常に役に立つ可能性があることを意味する。
【0020】
ステップS05:回答から複数のキーワードを導出。
【0021】
回答を取得した後、サーバ20は回答に対して言語処理手順を実行して、ワードセグメンテーションおよびワード解析を実行し、キーワードを導出する。サーバ20は、好ましくは回答に対して自然言語処理(NLP)を実行する。サーバ20は、グーグルが開発した自然言語フレームセマンティクスパーサー(Natural Language Frame Semantics Parser)と、台湾のアカデミア・シニカが開発したChinese Knowledge and Information Processing(CKIP)技術とを用いて、自然言語処理を行うことができる。
【0022】
サーバ20が回答からキーワードを導出する方法は、例えば、トークン化することであり、感情、タイミング、目標、程度、テーマ、所有者などの単語の特性に従って回答を複数の単語に切り捨てることである。それぞれの単語は特性に基づいて互いに関連付けることができ、サーバ20は、1つ以上の単語をキーワードとして使用することができる。
【0023】
例えば、上記質問1の回答を例に取ると、感情に基づく派生キーワードは「好き」であり、タイミングに基づく派生キーワードは「いつ」であり、目標に基づく派生キーワードは「食べる」であり、程度に基づく派生キーワードは「一番」であり、テーマに基づく派生キーワードは「ケーキ」及び「テレビ番組」であり、所有者に基づく派生キーワードは「私」であり、同様に、質問2の回答からの派生キーワードは例えば、「記憶に残っている旅行経験」及び「日本」であり、質問3の回答からの派生キーワードは例えば、「不眠」及び「仕事」であり、質問4の回答からの派生キーワードは例えば、「購入したい」及び「携帯電話」である。
【0024】
これらのキーワードは互いに関連付けられているので、サーバ20は、質問1の「一人」に「ケーキ」を、質問2の「記憶に残っている旅行体験」に「日本」を、質問3の「不眠」に「仕事」を、質問4の「購入したい」に「携帯電話」を対応させることができる。
【0025】
さらに、サーバ20はデータベースを有することができ、キーワードはそれらの個々のカテゴリに基づいてデータベースに記憶することができ、これらのカテゴリは好ましくは「食事」、「衣服」、「家」、「移動」、「教育」、「エンターテイメント」を含み、カテゴリは意味ネットワークとして一緒に構築される。例えば、質問1の回答を例に取ると、言語処理手順を実行することによって得られるキーワードは「ケーキ」および「テレビ番組」を含み、サーバ20は次に、データベース内のキーワード「ケーキ」に対応するキーワードカテゴリを作成することができる。具体的には、キーワードカテゴリには、カテゴリ、インスタンス、アソシエーションなどのキーワードを含めることができ、「ケーキ」のカテゴリは「食事」、「ケーキ」のインスタンスは「一人」、「ケーキ」のアソシエーションはキーワード「テレビ番組」が属する「エンタテインメント」とすることができ、各キーワードカテゴリの数は1つ以上とすることができる。したがって、サーバ20は、キーワードカテゴリに基づいて適切なキーワードを見つけることができる。
【0026】
ステップS07:キーワードストリングプールを取得するためのキーワードのソート。
【0027】
サーバ20は、キーワードを受信した後、言語処理手順の結果に応じて、対応するキーワードスコアを各キーワードに割り当てることができる。例えば、1人の時にやること(質問1)はリラックスでき、「ケーキ」というキーワードのキーワードスコアは「5」になる可能性がある。記憶に残る旅行体験(質問2)は安心をもたらすので、「日本」というキーワードのキーワードスコアは「3」になる可能性がある。不眠症を抱えているときに考えること(質問3)は不眠症を強める可能性があるため、「仕事」というキーワードのキーワードスコアは「-1」となる可能性がある。また、購入したいもの(質問4)はワクワクするかもしれないので、「携帯電話」というキーワードのキーワードスコアは「1」となる可能性がある。サーバ20は、キーワードスコアに基づいて「ケーキ」、「日本」、「仕事」、「携帯電話」というキーワードをソートしてキーワードストリングプールを取得し、ユーザーログにキーワードストリングプールを記録することができる。キーワードストリングプールは、例えば、「ケーキ-日本-携帯電話」などである
【0028】
さらに、キーワードのソートは、ユーザキーワードランキング(UKR)方程式を使用することによって達成することができる。具体的には、UKR方程式は以下のようになる:
【数1】
ここで、UKR(i)はキーワードiのランキング(順序)スコアである。d
iはユーザによって提供される回答の肯定的スコアである。SKRはキーワードiにリンク可能な意味ネットワーク内の他のキーワードのランキングスコアである(例えば、キーワードiが「ケーキ」であれば、キーワード「テレビ番組」はキーワード「ケーキ」にリンクでき、SKRがキーワード「テレビ番組」のランキングスコアなり得る。)。WKRはキーワードiと他のキーワードとの間の関連の重みの合計である(例えば、キーワード「ケーキ」はキーワード「テレビ番組」と「一人」の両方に強く関連している。したがって、キーワード「ケーキ」のWKRは高い。キーワード「仕事」とキーワード「テレビ番組」の間の関連、およびキーワード「仕事」とキーワード「一人」の間の関連は両方とも弱いので、キーワード「仕事」のWKRは低い。)。U
recordは、所望の状態に入るためのユーザの最近のパフォーマンススコア(例えば、ユーザが脳波フィードバックシステムを介して不快感を緩和しようとする場合、所望の状態に入るための最近のパフォーマンススコアは、例えば、ユーザの最近の睡眠の質のスコアである。)。ここで、U
recordは、脳波トレーニングの結果に対するユーザの満足度も含めることができる。
【0029】
なお、WKRが高い場合には、キーワードiと他のキーワードとの関連が分散していることを意味することに留意されたい(SKRも高い場合を除く、これはキーワードiと関連する他のキーワードがより高いランキングスコアを有することを意味する)。一方で、WKRが低ければ、キーワードiと他のキーワードとの関連が、少数のキーワードに集中していることを意味する。したがって、WKRが低い場合、SKRが高い(つまり、ユーザは、キーワードiにリンクできる意味ネットワーク内の他のキーワードを使用している他のユーザと同様の見解を持っている)と、UKR(i)は高い(キーワードiの順位が速くなる)ことになり、逆にSKRも低いと、UKR(i)は低い(キーワードiの順位が遅くなる)ことになる。
【0030】
引き続き、上記UKR方程式を参照する。キーワードiのUKR(i)が高い場合、キーワードiはキーワードストリングプール内で上位にランク付けされる。トレーニングのためにキーワードiを使用した後にユーザから受け取ったフィードバックが理想的でない(UKR(i)が低い)か、または理想的である(UKR(i)が高い)場合、キーワードのランキングスコアはUKR方程式を使用して更新することができ、ユーザは適切な脳波トレーニングを受けることができる。
【0031】
上記のSKRは、サーバのキーワードランキングである。すなわち、SKRは、意味ネットワークiにおけるキーワードにリンク可能な他のキーワードのランキングスコアである。SKR(i)は以下の式を用いて取得することができる:
【数2】
ここで、SKR(i)を取得する方程式はユーザキーワードランキング方程式に類似しており、相違点はSKR(i)の方程式がU
recordを考慮に入れないことにあり、d
iは、訓練のためにキーワードiを使用した後の脳波パフォーマンススコアである。
【0032】
また、上記のデータベースに複数のデフォルトキーワードが格納されている場合、サーバ20はキーワード「仕事」のキーワードスコアに基づいて、データベースから「仕事」に関するデフォルトキーワードを削除することもできる。例えば、サーバ20はキーワード「仕事」のネガティブキーワードスコアに基づいて、キーワード「仕事」との関連性が高いデフォルトキーワードを削除することができる。例えば、キーワード「仕事」に関連するデフォルトキーワードには「達成」、「給料引き上げ」、「昇進」などがある。したがって、サーバ20が他のユーザの回答からキーワード「仕事」を捕捉し、「仕事」のキーワードスコアが「3」であり、他のユーザに対応するキーワードストリングプール内のキーワードがすべて使い切られている場合、サーバ20は「達成」、「給料引き上げ」、「昇進」などのデフォルトキーワードを出力することができる。逆に、「仕事」のキーワードスコアがマイナスの数である場合、サーバ20はデフォルトキーワードの少なくとも1つを削除することができる。例えば、「仕事」のキーワードスコアが「-1」の場合、サーバ20はデータベースから「仕事」を削除することができ、「仕事」のキーワードスコアが「-5」の場合、サーバ20はデータベースから「仕事」だけでなく、「達成」、「給与引き上げ」、「昇格」などのデフォルトキーワードも削除することができる。
【0033】
ステップS09:第1の脳波信号の取得。
【0034】
脳波感知デバイス10はユーザの脳波を感知して、第1の脳波信号を取得し、第1の脳波信号をモバイルデバイス30に出力することができる。
【0035】
ステップS11:第1の生理学的パラメータの取得。
【0036】
モバイルデバイス30は、第1の脳波信号を取得した後に、第1の脳波信号に対応する第1の生理学的パラメータを取得することができる。モバイルデバイス30は、第1の生理学的パラメータの解析結果をさらに取得することができ、第1の生理学的パラメータに基づいて対応する脳波スコアを取得するモバイルデバイス30の詳細な説明は、
図5Aにおいて以下でさらに説明される。本実施形態では、解析結果が脳波スコアであり、解析結果が第1の生理学的パラメータがデフォルト基準に適合するか否かの判定結果であってもよい。また、脳波感知デバイス10は第1の脳波信号をサーバ20に出力することもできるので、サーバ20は第1の生理学的パラメータに基づいて、対応する第1の生理学的パラメータの解析結果を取得することができる。
【0037】
例えば、ユーザログに脳波フィードバックシステムを使用した記録がない場合、これは、ユーザが初めて脳波フィードバックシステムを使用していることを意味する。モバイルデバイス30は、ユーザログに格納された使用履歴に基づいて、脳波スコアを調整することができる。すなわち、モバイルデバイス30は、使用履歴における脳波フィードバックシステムの使用回数が閾値回数よりも少ない場合には、所定の増分だけ脳波スコアを増加させる。所定の増分は使用履歴における使用回数に反比例し、閾値回数は例えば、3回である。使用履歴における脳波フィードバックシステムの使用回数が閾値回数に達した場合、モバイルデバイス30は、脳波スコアを調整しない。すなわち、モバイルデバイス30は、ユーザログに格納された使用履歴に応じて、異なる重み値を付与することができる。例えば、使用回数が閾値回数未満である場合、モバイルデバイス30は元の脳波スコアに1よりも高い重み値を乗算し、使用回数が閾値回数に達する場合、モバイルデバイス30は、元の脳波スコアを調整せず、または元の脳波スコアに1よりも低い重み値を乗算して、その後に出力される脳波スコアを計算する。
【0038】
さらに、モバイルデバイス30は、第1の生理学的パラメータとして第1の脳波信号の振幅、周波数などの物理的特性を使用し、第1の生理学的パラメータを脳波スコアに変換することもできる。
【0039】
ステップS13:第1の生理学的パラメータが所定のパラメータ範囲外にあるかどうかの判定。
【0040】
モバイルデバイス30は、第1の生理学的パラメータを取得した後に、第1の生理学的パラメータが所定のパラメータ範囲外にあるかどうかを判定し、所定のパラメータ範囲は、例えば、リラックス状態にある脳波の生理学的パラメータから構成される範囲である。すなわち、所定のパラメータ範囲は例えば、理想的な状態における脳波の物性(振幅、周波数など)から構成される範囲であり、所定のパラメータが周波数である場合、緩和状態における脳波の所定のパラメータ範囲は、8Hz~13Hzであることが好ましい。本開示は、所定のパラメータ範囲を限定しない。
【0041】
さらに、モバイルデバイス30は、脳波スコアに基づいて、第1の生理学的パラメータが所定のパラメータ範囲外にあるかどうかを判定することもできる。言い換えれば、所定のパラメータ範囲は対応する所定のスコアを有することができ、モバイルデバイス30は、脳波スコアと所定のスコアとを比較して、第1の生理学的パラメータが所定のパラメータ範囲外にあるかどうかを判定することができる。
【0042】
モバイルデバイス30が、第1の生理的パラメータが所定のパラメータ範囲外ではない、および/または脳波スコアが所定のスコアに達していないと判断すると、脳波感知デバイス10はステップS09を実行して脳波信号の取得を継続し、時間が経過するにつれて、ユーザの脳波信号が理想的な脳波信号により近づくか、または遠ざかるかどうかを観察する。逆に、モバイルデバイス30が、第1の生理学的パラメータが所定のパラメータ範囲外であると判定した場合、モバイルデバイス30は、フィードバック手順を実行するステップS15を実行する。
【0043】
図3は、本開示の一実施形態に係るフィードバック手順のフローチャートを示す。
【0044】
図2のステップS15に示されるフィードバック手順は、以下のサブステップを含むことができる。
【0045】
ステップS151:サーバ20によって、フィードバックキーワードとしてキーワードストリングプールからキーワードの1つを選択。
【0046】
上記の「ケーキ・日本・携帯電話」のキーワードストリングプールを例にとると、第1の生理学的パラメータが所定のパラメータ範囲外にある場合(S15)、ユーザの脳波が理想状態に達していない(不眠症を緩和するために脳波フィードバックシステムを使用する場合、理想状態は例えば、リラックス状態の脳波である)ことを意味する。サーバ20は、キーワードストリングプールから第1のランクのキーワード「ケーキ」をフィードバックキーワードとして選択することができる。
【0047】
さらに、サーバ20は、フィードバックキーワードとして、別のキーワードストリングプールからキーワードを選択することもできる。例えば、別のキーワードストリングプールは、以前のアンケート、または別のユーザログに記憶されたキーワードストリングプールから得ることができる。しかしながら本開示は、これに限定されない。
【0048】
具体的には、サーバ20が別のキーワードストリングプールからフィードバックキーワードを選択すると、サーバ20はキーワードスコアに従って回避するキーワードを決定することができる。例えば、キーワード「仕事」は、キーワードスコアが比較的低いので、サーバ20は別のキーワードストリングプールからフィードバックキーワードを選択する際に、「仕事」に関連するキーワードを選択することを回避することができる。
【0049】
ステップS153:フィードバックキーワードをモバイルデバイス30に出力。
【0050】
サーバ20は、フィードバックキーワードを選択した後、フィードバックキーワードをモバイルデバイス30に出力する。
【0051】
ステップS155:モバイルデバイス30にフィードバックキーワードを提示。
【0052】
上述の「ケーキ」を例に取ると、モバイルデバイス30は出力コンポーネント301によってフィードバックキーワードを提示することができ、出力コンポーネント301がモバイルデバイス30の画面である場合、モバイルデバイス30はその画面上に「ケーキ」という語を表示することができ、出力コンポーネント301がモバイルデバイス30のスピーカまたはヘッドセットである場合、モバイルデバイス30は、音声形式で出力コンポーネント301を介して「ケーキ」という語を出力することができる。
【0053】
さらに、
図2のステップS09に戻って参照すると、脳波感知デバイス10が第1の脳波信号を取得する前に、モバイルデバイス30はサーバ20からフィードバックキーワードを取得し、提示して、ユーザが自分の脳波をリラックスした状態に移行させるのを助けることができる。これにより、ユーザは第1脳波信号とリラックス状態の脳波信号とに差がある場合に、フィードバックキーワードをリマインダとしてフィードバックキーワードを想像することができ、フィードバックキーワードを画像化することにより、リラックス状態の脳波信号に近づくように脳波信号を移動させるように訓練することができる。
【0054】
図4は、本開示の他の実施形態に係る脳波フィードバックシステムの操作方法のフローチャートを示す。
図1および
図4を参照されたい。
【0055】
モバイルデバイス30がフィードバックキーワードを提示した後(
図3のステップS155)、本開示の操作方法は、以下のステップにさらに続くことができる。
【0056】
ステップS17:第2の脳波信号の取得。
【0057】
ステップS19:第1の脳波信号を取得してから現時刻までの所要時間が、予め設定された持続所要時間に達するか否かの判定。
【0058】
ステップS17およびS19を参照されたい。第2の脳波信号を取得するモバイルデバイス30はフィードバック手順の後、ユーザの脳波信号がリラックス状態により近いかどうかを判定するためのものであり、ステップS19は、脳波感知デバイス10が第1の脳波信号を取得してから(
図2のステップS09)、現時刻までの時間が予め設定された持続時間を超えるかどうかを判定するためのものである。脳波感知デバイス10が第1の脳波信号を取得してから現在の時間までの時間が予め設定された持続時間を超えると、トレーニング時間が長引くことを回避するように、方法を終了する(ステップS21)。例えば、予め設定された持続時間は6分であるが、本開示は、これに限定されない。
【0059】
ステップS19において、脳波感知デバイス10が第1の脳波信号を取得してから現在の時間までの時間が予め設定された持続時間を超えていないと判定された場合、ステップS23に進み、第2の生理学的パラメータが第1の生理学的パラメータよりも低いかどうかを判定する。
【0060】
同様に、モバイルデバイス30は第2の脳波信号に基づいて第2の生理学的パラメータを取得し、第1の生理学的パラメータと第2の生理学的パラメータとを比較して比較結果を生成する。第2の脳波信号に基づいて第2の生理学的パラメータを取得し、第1の生理学的パラメータと第2の生理学的パラメータとを比較して比較結果を生成することも、サーバ20によって実行することができるが、本開示はこれに限定されない。例えば、モバイルデバイス30は、第1および第2の生理学的パラメータを比較し、第1および第2の生理学的パラメータの脳波スコアを比較して、フィードバック手順が実行された後、第1の脳波信号と比較して、第2の脳波信号がリラックス状態の脳波信号により近いかどうかを判定することができる。
【0061】
さらに、モバイルデバイス30は、第2の生理学的パラメータの脳波スコアを更新することもできる。すなわち、第2の生理学的パラメータが第1の生理学的パラメータよりも低い場合、脳波信号のパフォーマンスが低下したことを意味する。したがって、モバイルデバイス30は、第2の生理学的パラメータの脳波スコアを下げて、第1の脳波信号と比較する第2の脳波信号がリラックス状態の脳波信号からさらに離れていることをユーザに知らせることができる。
【0062】
モバイルデバイス30が、第2の生理学的パラメータが第1の生理学的パラメータよりも高いと判定した場合、第1の脳波信号と比較する第2の脳波信号がリラックス状態の脳波信号により近いことを意味する。したがって、次にステップS17は、予め設定された持続時間が達成されるまで、脳波信号を取得し続ける。
【0063】
一方、モバイルデバイス30が、第2の生理的パラメータが第1の生理的パラメータ以上であると判定した場合、ステップS25またはステップS27が実行される。
【0064】
ステップS25:モバイルデバイスによって提示されるフィードバックキーワードの強度を増加。
【0065】
比較結果において、第2の生理学的パラメータが第1の生理学的パラメータよりも低い場合、第1の脳波信号と比較して、第2の脳波信号はリラックス状態の脳波信号により遠いことを意味する。このため、サーバ20は比較結果に基づいてモバイルデバイス30を制御し、フィードバックキーワードの提示の強度を高めることができる。例えば、モバイルデバイス30は、その画面上に表示されるフィードバックキーワードの明瞭さを増加したり、その画面上に表示されるフィードバックキーワードの時間を増加したりすることができる。また、モバイルデバイス30は、オーディオ信号においてフィードバックキーワードを提示する頻度を増加させることによって、フィードバックキーワードを提示する強度を増加させることができる。しかしながら本開示は、これに限定されない。
【0066】
さらに、ユーザログにおける脳波フィードバックシステムの使用時間が閾値数に達し、第2の生理学的パラメータが第1の生理学的パラメータより低くない場合、サーバ20は、フィードバックキーワードを提示する強度を増加させるようにモバイルデバイス30を制御することもできる。
【0067】
ステップS27:フィードバックキーワードとして、キーワードストリングプールから別のキーワードを選択。
【0068】
同様に、サーバ20は、フィードバックキーワードとして、キーワードストリングプールから別のキーワードを選択することができる。例えば、「ケーキ-日本-携帯電話」のキーワードストリングプールを例にとると、元のフィードバックキーワードは「ケーキ」である。しかしながら、モバイルデバイス30がキーワード「ケーキ」を提示した後、第2の生理学的パラメータが第1の生理学的パラメータよりも低い場合、キーワード「ケーキ」はユーザをよりリラックスした状態にすることに寄与しないことを意味する。したがって、サーバ20は「日本」をフィードバックキーワードとして選択することができる。
【0069】
また、サーバ20がすでにモバイルデバイス30を制御してフィードバックキーワードの提示の強度を高め、かつ、第2の生理学的パラメータの後に得られる他の3つの生理学的パラメータが依然として所定のパラメータ範囲外にある場合には、サーバ20はフィードバックキーワードとしてキーワードストリングプールから別のキーワードを選択することもできる。
【0070】
あるいは、ユーザは例えば、不眠を軽減することを期待し、モバイルデバイス30は睡眠センサによって取得されたユーザの睡眠品質パラメータ(例えば、ユーザの睡眠中の脳波信号の周波数)を既に格納している。次に、ユーザが1週間、脳波フィードバックシステムを使用した後、ユーザの睡眠品質が3回以上または連続する2日間にわたって、睡眠品質パラメータに基づいて理想的でないと判断された場合(例えば、Urecordは1から100の範囲にあり、睡眠品質が理想的でないと判断されたときにUrecordは70よりも低い場合がある)、サーバ20は、フィードバックキーワードとして、キーワードストリングプールから別のキーワードを選択することもできる。
【0071】
引き続きS27を参照すると、さらに、サーバ20はキーワード「ケーキ」のキーワードスコアを減少させ、及び/又はキーワード「日本」のキーワードスコア(キーワードのランキングスコア、UKR)を増加させることができる。キーワードストリングプール内のキーワードのランキングを更新することができる。
【0072】
ステップS25またはS27の後、モバイルデバイス30は、ステップS155において、更新された強度を有するフィードバックキーワードまたは別のフィードバックキーワードを提示することができる。
【0073】
さらに、フィードバック手順を実行した後、モバイルデバイス30は、対応するフィードバック回答を取得するためにフィードバックアンケートを提示することもできる。フィードバックアンケートには、「脳波のトレーニング後、どのように感じているか」などの質問が含まれており、ユーザーが入力したフィードバック回答は、例えば、「よりリラックスしている」「より不安に感じる」などがある。
【0074】
また、サーバ20は上記アンケートと同様に、フィードバックアンケートにも言語処理手順を実行して、キーワードを捕捉し、それに応じてキーワードの順序をキーワードストリングプールに調整するか否かを判断することができる。
【0075】
例えば、フィードバック回答が「よりリラックスしている」である場合、言語処理手順を実行した後にサーバ20によって導出されるキーワードは「よりリラックス」である可能性がある。サーバ20は、キーワードストリングプール内のキーワードの順序を調整しないことができる。フィードバック回答が「より不安を感じている」である場合、言語処理手順を実行した後にサーバ20によって導出されるキーワードは「より不安」である可能性がある。次いで、サーバ20はキーワードストリングプール内のキーワードの順序を調整して、キーワードストリングプールを更新し、次回のフィードバック手順においてユーザをより不安にさせるキーワードの使用を回避することができる。すなわち、サーバ20は、フィードバック回答に従ってキーワードiのUKR(i)を更新することができる。また、サーバ20は、利用者の睡眠の質に応じて、キーワードストリングプール内のキーワードの順序を調整するか否かを判断することもできる。例えば、サーバ20は、睡眠センサから睡眠品質パラメータを受信して、ユーザの睡眠品質が訓練後に改善したかどうかを判定することができる。サーバ20は、睡眠品質が改善されたと判断した場合、サーバ20はキーワードストリングプール内のキーワードの順序を調整しないことを選択することができる。サーバ20が睡眠品質が改善されていないか低下していると判断した場合、サーバ20は、キーワードストリングプール内のキーワードの順序を調整して、次のフィードバック手順でユーザをより不安定にするキーワードの使用を回避することができる。
【0076】
モバイルデバイス30はまた、ユーザの睡眠品質に従って所定のパラメータ範囲を調整するかどうかを決定することができる。例えば、モバイルデバイス30が、ユーザの最近の睡眠の質が理想的ではないことを知った場合、脳波フィードバックシステムを使用すると、ユーザの脳波信号がリラックスした状態の脳波信号に近くない可能性がより高くなることを意味する。したがって、モバイルデバイス30は所定のパラメータ範囲を拡大させることができ、または上述したように、より高い重み値を提供することができる。したがって、第1の生理学的パラメータを所定のパラメータ範囲と比較するとき、脳波信号が理想的でないという情報によってユーザが影響を受けることを防止するためにより高い許容度が生成される。
【0077】
あるいは、ユーザログが脳波フィードバックシステムを使用した複数の記録を格納する場合、モバイルデバイス30は所定のパラメータ範囲を狭めることもでき、その結果、脳波信号は複数の体験の後に、よりリラックス状態に近づくことができる。
【0078】
図5A及び
図5B、を参照されたい。
図5Aおよび
図5Bは、本開示の実施形態に係る脳波フィードバックシステムを使用する状況を示す。
【0079】
図5Aに示すように、脳波感知デバイス10は脳波信号を取得するように構成された乾燥電極101を含み、乾燥電極101は好ましくは前頭葉の脳波信号を取得するために、ユーザの前頭部に接触する。サーバ20は、第1の生理学的パラメータが所定のパラメータ範囲外にあるときにフィードバック手順を実行するように構成され、ワイヤレス送信機103は好ましくはサーバ20に接続するインターネット送信機であり、サーバ20はワイヤレス送信機103(インターネット送信機)を使用してフィードバックキーワードを出力コンポーネント301に出力することができる。したがって、フィードバック手順は、出力コンポーネント301としてヘッドセット301aを使用することによって、フィードバックキーワードをオーディオ形式で出力することを含むことができる。また、ヘッドセット301aを脳波感知デバイス10に直接接続して、第1の脳波信号に対応する解析結果を音声で出力することもできる。オーディオ形式で出力される解析結果は異なる音量、明瞭度、単位時間当たりの提示時間を使用することによって異なるレベルで提示することができる。解析結果は例えば、第1の脳波信号に対応する脳波スコア、または第1の脳波信号が所定の基準に適合するかどうかの判定結果である。
【0080】
引き続き
図5Aを参照すると、前頭葉で得られた脳波信号を使用することによって、生理学的パラメータが所定のパラメータ範囲内にあるかどうかを判定する方法が、以下でさらに説明される。具体的には、人間の脳波信号が目を開けている、目を閉じている、目を覚ましている、睡眠中である、または昏睡状態であるなど、様々な状態の間で非常に異なる。国際電気生理学技術協会によって確立された規格によれば、異なる周波数を有する脳波信号は、α波(8~12Hz)、β波(12~40Hz)、δ波(0.5~4Hz)、およびθ波(4~7Hz)に区別することができる。
【0081】
前頭葉で脳波信号を得た後、時間領域解析および周波数領域解析を行うことができる。具体的には、ある期間の脳波信号に対して、バンドパスフィルタを介して時間領域解析を行い、指定された脳波周波数帯に対応する脳波信号を保存し、その周波数帯での脳波信号の強さと持続時間を解析する。周波数領域解析はフーリエ変換とウェーブレット変換を用いて行い、その期間の脳波信号を解析する。解析された脳波信号の各々は、指定周波数領域における脳波信号の強度と、1Hz~40Hz領域における指定周波数領域を持つ脳波信号の割合を推定するために少なくとも1Hzの分解能を持つ。すなわち、モバイルデバイス30は1Hz~40Hz領域における第1の生理学的パラメータの指定周波数領域の割合を比率に変換し、その比率を脳波スコアとして用いることができる。
【0082】
従って、サーバ20は、前頭葉で得られた脳波信号を用いて、生理学的パラメータが所定のパラメータ範囲内にあるか否かを判定することができる。
【0083】
脳波フィードバックシステムを使用する状況は、
図5Bに示すようにすることもできる。脳波感知デバイス10によって第1の脳波信号を取得した後、脳波感知デバイス10は、ワイヤレス送信機103を介して第1の脳波信号をモバイルデバイス30に出力することができる。次いで、モバイルデバイス30は第1の脳波信号に基づいて第1の生理学的パラメータを取得することができ、ワイヤレス送信機103は上述のようにインターネット送信機とすることができ、ワイヤレス送信機103はブルートゥース(登録商標)送信機とすることもできるが、本開示は、それに限定されない。モバイルデバイス30は、第1の生理学的パラメータが所定のパラメータ範囲外にある場合、出力コンポーネント301の画面301bを使用して、図に示されるようなフィードバックキーワード「ケーキ」をさらに表示することができる。
【0084】
さらに、画面301bは棒グラフS1をさらに表示することができ、棒グラフは、第1の生理学的パラメータ(脳波スコア)を表すように構成される。例えば、第1の生理学的パラメータが所定のパラメータ範囲内にあるか、または所定のパラメータ範囲の中央値に近い場合、棒グラフS1の左のカラムはより大きな面積を占め、第1の生理学的パラメータが所定のパラメータ範囲外にあるか、または所定のパラメータ範囲の上限/下限に近い場合、棒グラフS1の左のカラムの面積は減少する。棒グラフS1によって表される第1の生理学的パラメータと所定のパラメータ範囲との間の相対的な関係は棒グラフS1の右のカラムによって表すこともでき、本開示はこれに限定されない。
【0085】
出力コンポーネント301はまた、第1の生理学的パラメータの変化を時間的に表すために、脳波スコア-時間グラフS2を表示することができる。すなわち、横軸に示す時間は、各生理学的パラメータを取得した時間を示す。生理学的パラメータが所定のパラメータ範囲内にあるか、または所定のパラメータ範囲の中央値に近い場合、脳波スコア-時間グラフS2によって提示される脳波スコアはより高くなる。逆に、生理学的パラメータが所定のパラメータ範囲外にあるか、または所定のパラメータ範囲の上限/下限に近い場合、脳波スコア-時間グラフS2によって提示される脳波スコアはより低くなる。脳波スコア-時間グラフS2の「時間」は秒単位で示されるが、本開示は脳波スコア-時間グラフS2に示される時間の単位をとくに限定しない。
【0086】
棒グラフS1および脳波スコア-時間グラフS2を使用することによって、ユーザは、ユーザの脳波信号がリラックス状態の脳波信号に近いかどうかを知ることができる。そして、ユーザは、脳波信号がリラックス状態の脳波信号に近くない場合には、上記フィードバックキーワードの画像化を試みて、脳波信号の調整を補助することができる。なお、本明細書に開示する棒グラフS1および脳波スコア-時間グラフS2は例示的な表現であり、生理学的パラメータとデフォルトのパラメータ範囲との間の相対関係は、棒グラフの色変化、円グラフなどの形式で示すこともでき、本開示はこれに限定されないことに留意されたい。
【0087】
本開示の脳波フィードバックシステムおよびその操作方法の1つ以上の実施形態は、不眠症を軽減するためだけでなく、うつ病、てんかん、薬物乱用、強迫性障害、学習障害、怒り、不安、偏頭痛、外傷後ストレス障害(PTSD)および注意欠陥/多動性障害(ADHD)を改善するためにも使用され得る。
【0088】
上記の説明に鑑みて、本開示の1つ以上の実施形態による脳波フィードバックシステムおよび操作方法は、ユーザが薬物によって引き起こされる依存および生物蓄積などの問題を回避するために、上記の症候群の睡眠薬または他の薬物を服用する頻度を低減するのを助けることができる。加えて、本開示の一実施形態に係る脳波フィードバックシステムおよび操作方法は、ユーザが眠りにつくまたは眠りにつくことを試みているときに睡眠障害を引き起こす睡眠補助デバイスによって提示される刺激をさらに回避することができる。本発明の脳波フィードバックシステムは家庭環境において適用することができ、脳波フィードバックシステムを使用するタイミング及び場所が限定されないことを意味する。したがって、ユーザは脳波フィードバックシステムを使用するために、病院などの特定の研究機関を訪れる必要がない。ユーザは、日常生活のルーチンの中で、意識的に脳波フィードバックシステムを使用することができる。したがって、ユーザは眠りにつくときに訓練から得られた経験を適用して、迅速に眠りにつく効果を達成することができ、それによって、ユーザが眠りにつくのを助けるために外部支援を使用する状況を回避することができる。
【0089】
以上、本開示は上述した実施形態において開示されたが、本開示を限定することを意図するものではない。本開示の本質および範囲から逸脱することなく修正されることは、本開示の範囲内である。本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲およびそれらと同等な物によって定義されることが意図される。