(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-04
(45)【発行日】2023-08-15
(54)【発明の名称】フリーハブトルク速度誘導装置
(51)【国際特許分類】
B62M 6/50 20100101AFI20230807BHJP
B62J 45/42 20200101ALI20230807BHJP
【FI】
B62M6/50
B62J45/42
(21)【出願番号】P 2021541082
(86)(22)【出願日】2019-10-30
(86)【国際出願番号】 CN2019114276
(87)【国際公開番号】W WO2020147370
(87)【国際公開日】2020-07-23
【審査請求日】2021-09-10
(31)【優先権主張番号】201910032502.5
(32)【優先日】2019-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521311687
【氏名又は名称】蘇州摩騰電子科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】KCLAMBER ELECTRIC TECHNOLOGY CORP
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】康 献兵
【審査官】西中村 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-047080(JP,A)
【文献】国際公開第2015/108152(WO,A1)
【文献】特開平11-354346(JP,A)
【文献】特開2002-139507(JP,A)
【文献】特開2018-203242(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62M 1/00-29/02
B62J 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フリーハブトルク速度誘導装置であって、
自転車または電動自転車の後輪の軸棒に取り付けられるように構成され、フリーハブボディおよびフリーハブ固定ジェルを含むフリーハブが含まれ、
前記フリーハブ固定ジェルは、前記フリーハブボディの外側に嵌設され、
前記フリーハブボディの一端に、自転車または電動自転車の後輪ハブまたはリアハブモーターに接続されるように構成された負荷接続部が設けられており、
前記フリーハブボディの前記負荷接続部に近い位置にトルク誘導歪みユニットが設けられ、前記トルク誘導歪みユニットは、前記トルク誘導歪みユニットの歪みの大きさを感知してトルク信号を形成するように構成された少なくとも1つのセンサーを含み、
動的コンポーネントおよび静的コンポーネントがさらに含まれ、
前記動的コンポーネントは、前記フリーハブボディに従って回動し、前記静的コンポーネントは外部固定構造体に固定接続されるように構成され、
前記静的コンポーネントは、一次制御ユニットを含み、前記動的コンポーネントは、二次制御ユニットを含み、
前記センサーが前記二次制御ユニットに電気的接続され、前記一次制御ユニットと二次制御ユニットとが無線方式で前記トルク信号を伝達し、前記一次制御ユニットが無線形式で前記二次制御ユニットに対して電気エネルギーを提供し、
前記静的コンポーネントには、一次信号プロセッサおよび一次誘導コイルが含まれ、前記一次信号プロセッサが前記一次誘導コイルに電気的に接続され、前記動的コンポーネントには、二次信号プロセッサおよび二次誘導コイルが含まれ、前記二次信号プロセッサが前記二次誘導コイルに電気的接続されており、
前記動的コンポーネントは、前記フリーハブボディの負荷接続部に接続されており、
前記フリーハブ固定ジェルの内周壁に速度誘導磁気リングが設けられ、
前記速度誘導磁気リングと前記フリーハブ固定ジェルとが相対的に静止しており、
前記フリーハブボディにおいて速度ホール固定溝が開設され、前記速度ホール固定溝内に速度誘導ホールが設けられ、前記速度誘導磁気リングと前記速度誘導ホールとが対応して設けられており、
前記フリーハブボディの内側壁にトルク信号レースウェイ、軟PCB貫通孔および速度誘導レースウェイが設けられており、
前記軟PCB貫通孔内に軟PCBが設けられ、前記軟PCBの一端が前記速度誘導ホールに接続され、他端が前記軟PCB貫通孔を通過して二次信号プロセッサに接続され、前記トルク信号レースウェイは、トルク誘導歪みゲージの接続線を配置するために用いられ、前記速度誘導レースウェイは、前記速度誘導ホールの接続線を配置するために用いられる、
フリーハブトルク速度誘導装置。
【請求項2】
前記一次誘導コイルと前記二次誘導コイルとが、無線方式で信号伝達を行い、前記一次信号プロセッサが前記一次誘導コイルおよび前記二次誘導コイルで前記二次信号プロセッサに対して電気エネルギーを提供する、或いは、
前記一次信号プロセッサと前記二次信号プロセッサとが赤外線素子で無線信号の伝達を行い、前記一次信号プロセッサが前記一次誘導コイルおよび前記二次誘導コイルで前記二次信号プロセッサに対して電気エネルギーを提供する、
請求項1に記載のフリーハブトルク速度誘導装置。
【請求項3】
前記フリーハブ固定ジェルは、前記フリーハブボディにローリング接続されている請求項1または2に記載のフリーハブトルク速度誘導装置。
【請求項4】
前記フリーハブボディの負荷接続部から離れる他端にフリーハブロックホルダ体接続部が設けられ、前記フリーハブロックホルダ体接続部がフリーハブロックホルダ体に接続されている請求項1または2に記載のフリーハブトルク速度誘導装置。
【請求項5】
前記フリーハブボディにおいてフリーハブロックホルダ体接続部に近い円周面にラチェット溝が設けられ、複数のラチェットがばね構造体によってラチェット溝内に固定されている請求項1または2に記載のフリーハブトルク速度誘導装置。
【請求項6】
前記動的コンポーネントには、動的コンポーネントハウジングがさらに含まれ、前記静的コンポーネントには、静的コンポーネントハウジングがさらに含まれ、
前記フリーハブボディの負荷接続部が前記動的コンポーネントハウジングの一端に接続され、前記動的コンポーネントハウジングの他端に前記静的コンポーネントハウジングが係着され、前記動的コンポーネントハウジングが前記二次信号プロセッサに接続されており、
前記二次信号プロセッサには、前記二次誘導コイルが接続され、前記静的コンポーネントハウジングには、前記一次信号プロセッサが接続され、前記一次信号プロセッサには、前記一次誘導コイルが接続され、前記一次誘導コイルと前記二次誘導コイルとが対応して設けられている、
請求項2に記載のフリーハブトルク速度誘導装置。
【請求項7】
前記一次誘導コイルの外側に一次電磁シールド体がさらに設けられ、前記二次誘導コイルの外側に二次電磁シールド体が設けられている請求項6に記載のフリーハブトルク速度誘導装置。
【請求項8】
前記静的コンポーネントハウジングに信号出力線が接続されている請求項6~7のいずれか一項に記載のフリーハブトルク速度誘導装置。
【請求項9】
前記フリーハブボディの負荷接続部が軸棒の一端にローリング接続され、前記フリーハブロックホルダ体の他端または前記フリーハブ固定ジェルが軸棒の他端にローリング接続されている請求項
4に記載のフリーハブトルク速度誘導装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年01月14日に中国特許庁へ提出された、出願番号201910032502.5の中国特許出願に基づく優先権を主張し、該出願のすべての内容は引用により本願に援用される。
【0002】
本願は、センサーの適用分野に関し、例えば、フリーハブトルク速度誘導装置に関する。
【背景技術】
【0003】
人々のスマートモビリティに対する要求が高まるにつれて、トルクセンサーは、ますます人気を集めている。現在、電動自転車トルクの構造には、主に中軸トルク、チェーンリングトルク、クラッチトルクが含まれる。上述した幾つかの電動車トルク構造に用いられているトルクセンサーはモータの外側に設けられているため、センサー回路を個別に配置する必要があり、完成車の組立が不便で、モーターの外に露出したセンサーが損壊して故障しやすい。
【発明の概要】
【0004】
本願は、構造が合理的なフリーハブトルク速度誘導装置を提供する。
【0005】
本願発明は、フリーハブトルク速度誘導装置であって、自転車または電動自転車後輪の軸棒に取り付けられるように構成され、フリーハブボディおよびフリーハブ固定ジェルを含むフリーハブが含まれ、フリーハブ固定ジェルは、フリーハブボディの外側に取り付けられ、フライホイールに接続されるように構成され、前記フリーハブボディの一端に、自転車または電動自転車の後輪ハブまたはリアハブモーターに接続されるように構成された負荷接続部が設けられており、前記フリーハブボディの負荷接続部に近い軸首にトルク誘導歪みユニットが設けられ、前記トルク誘導歪みユニットは、トルク誘導歪みユニットの歪みの大きさを感知してトルク信号を形成するように構成された少なくとも1つのセンサーを含む。
【0006】
動的コンポーネントおよび静的コンポーネントがさらに含まれ、動的コンポーネントは、フリーハブボディに従って回動し、静的コンポーネントは、外部固定構造体に固定接続されるように構成され、静的コンポーネントは一次制御ユニットを含み、動的コンポーネントは、二次制御ユニットを含み、センサーが前記二次制御ユニットに電気的に接続され、一次制御ユニットと二次制御ユニットとが無線方式で前記トルク信号を伝達し、前記一次制御ユニットが無線方式で前記二次制御ユニットに対して電気エネルギーを提供する。
【0007】
前記静的コンポーネントには、一次信号プロセッサおよび一次誘導コイルが含まれ、前記一次信号プロセッサが一次誘導コイルに電気的に接続され、前記動的コンポーネントには、二次信号プロセッサおよび二次誘導コイルが含まれ、前記二次信号プロセッサが二次誘導コイルに電気的に接続されており、
前記動的コンポーネントは、フリーハブボディの負荷接続部に接続されており、
前記一次誘導コイルと二次誘導コイルとが無線方式で信号伝達を行い、前記一次信号プロセッサが一次誘導コイルおよび二次誘導コイルによって前記二次信号プロセッサに対して電気エネルギーを提供する、或いは、
前記一次信号プロセッサと二次信号プロセッサとが赤外線素子によって無線信号伝達を行い、前記一次信号プロセッサが一次誘導コイルおよび二次誘導コイルによって前記二次信号プロセッサに対して電気エネルギーを提供する。
【0008】
前記フリーハブ固定ジェルは、フリーハブボディにローリング接続されている。
【0009】
前記フリーハブボディの負荷接続部から離れる他端にフリーハブロックホルダ体接続部が設けられており、
前記フリーハブロックホルダ体接続部にはフリーハブロックホルダ体が接続され、
前記フリーハブボディにおいてフリーハブロックホルダ体接続部に近い円周面にラチェット溝が設けられ、複数のラチェットは、ばね構造体によってラチェット溝内に固定されている。
【0010】
前記動的コンポーネントには、動的コンポーネントハウジングがさらに含まれ、前記静的コンポーネントには、静的コンポーネントハウジングがさらに含まれ、
前記フリーハブボディの負荷接続部が動的コンポーネントハウジングの一端に接続され、動的コンポーネントハウジングの他端に静的コンポーネントハウジングが係着されており、
前記動的コンポーネントハウジングには二次信号プロセッサが接続され、前記二次信号プロセッサには二次誘導コイルが接続され、前記静的コンポーネントハウジングには一次信号プロセッサが接続され、前記一次信号プロセッサには一次誘導コイルが接続され、前記一次誘導コイルと二次誘導コイルとが対応して設けられている。
【0011】
一次誘導コイルの外側に一次電磁シールド体がさらに設けられ、二次誘導コイルの外側に二次電磁シールド体がさらに設けられている。
【0012】
前記フリーハブ固定ジェルの内周壁に速度誘導磁気リングが設けられ、
速度誘導磁気リングとフリーハブ固定ジェルとが相対的に静止しており、
前記フリーハブボディにおいて速度ホール固定溝が開設され、速度ホール固定溝内に速度誘導ホールが設けられ、前記速度誘導磁気リングと前記速度誘導ホールとが対応して設けられている。
【0013】
前記静的コンポーネントハウジングには、信号出力線が接続されている。
【0014】
前記フリーハブボディの内側壁にトルク信号レースウェイ、軟PCB貫通孔および速度誘導レースウェイが設けられており、
前記軟PCB貫通孔内に軟PCBが設けられ、軟PCBの一端が速度誘導ホールに接続され、他端が軟PCB貫通孔を貫通して二次プロセッサに接続され、トルク信号レースウェイは、トルク誘導歪みゲージの接続線を配置するために用いられ、速度誘導レースウェイは、速度誘導ホールの接続線を配置するために用いられる。
【0015】
前記フリーハブボディの負荷接続部が、軸棒の一端にローリング接続され、前記フリーハブロックホルダ体の他端または前記フリーハブ固定ジェルが軸棒他端にローリング接続されている。
【0016】
本願に係るフリーハブトルク速度誘導装置は、トルクセンサーを電動自転車または自転車のフリーハブに集積することができ、完成車の組立がより便利で安全であり、スプリットトルクおよび速度に対する感知を実現し、構造が合理的な利点を有する。センサーの給電および信号の伝送は、無線電気エネルギー伝送技術または赤外線伝送技術により行われ、耐用年数が長く、製造・取付がシンプルであり、信号の安定性が高いという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、本願の実施例に係るフリーハブトルク速度誘導装置の構造模式図である。
【
図2】
図2は、本願の実施例に係るフリーハブトルク速度誘導装置の分解構造模式図である。
【
図3】
図3は、本願の実施例に係るフリーハブトルク速度誘導装置の断面図である。
【
図7】
図7は、本願の実施例に係るフリーハブトルク速度誘導装置の使用状態図である。
【符号の説明】
【0018】
1-フリーハブ固定ジェル
2-フリーハブボディ
3-フリーハブロックホルダ体
4a-ボール
4b-ボール
5-速度誘導磁気リング
6-ラチェット
7a-軸受け
7b-軸受け
8-ラチェット線ばね
9-速度誘導ホール
10-軟PCB
11-トルク誘導歪みゲージ
12-動的コンポーネントハウジング
13-二次信号プロセッサ
14-二次電磁シールド体
141-一次電磁シールド体
15-二次誘導コイル
16-一次誘導コイル
17-一次信号プロセッサ
18-静的コンポーネントハウジング
19-信号出力線
201-速度ホール固定溝
202-ラチェット溝
203-トルク誘導歪みユニット
204-負荷接続部
205-ボール溝
206-フリーハブロックホルダ体接続部
207-トルク信号レースウェイ
208-軟PCB貫通孔
209-速度誘導レースウェイ
21-赤外線素子
30-軸棒
40-後輪ハブまたはリアハブモーター
50-フライホイール。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面および具体的な実施例を結び付けて、本願における技術案について説明する。
【0020】
図1~
図9に示すように、本例示は、フリーハブトルク速度誘導装置を提供する。該フリーハブトルク速度誘導装置は、自転車または電動自転車後輪の軸棒30に取り付けられるように構成されたフリーハブを含む。前記フリーハブは、フリーハブボディ2およびフリーハブ固定ジェル1を含む。フリーハブ固定ジェル1は、フリーハブボディ2の外側に嵌設されている。前記フリーハブボディ2の一端に、自転車または電動自転車の後輪ハブまたはリアハブモーター40に接続されるように構成された負荷接続部204が設けられている。
【0021】
フリーハブボディ2の負荷接続部204に近い位置にトルク誘導歪みユニット203が設けられている。トルク誘導歪みユニット203は、トルク誘導歪みユニット203の歪みの大きさを感知してトルク信号を形成するように構成された少なくとも1つのセンサーを含む。
【0022】
該フリーハブトルク速度誘導装置は、動的コンポーネントおよび静的コンポーネントをさらに含む。動的コンポーネントは、フリーハブボディ2に従って回動し、静的コンポーネントは、外部固定構造体に固定接続されるように構成されている。静的コンポーネントは、一次制御ユニットを含み、動的コンポーネントは、二次制御ユニットを含む。前記センサーと前記二次制御ユニットとが電気的に接続され、前記一次制御ユニットと二次制御ユニットとが、無線方式で前記トルク信号を伝達し、前記一次制御ユニットが無線形式で前記二次制御ユニットに対して電気エネルギーを提供する。
【0023】
本実施例において、センサーがフリーハブに集積され、無線方式で信号を伝送することにより、フリーハブの製造・取付が簡単になり、信号の安定性が高い。一実施例において、フリーハブボディ2の負荷接続部204に近い位置にボール溝205が設けられている。ボール溝205内にボール4aが設けられ、フリーハブ固定ジェル1とフリーハブボディ2とがボール4aによってローリング接続されている。フリーハブボディ2の他端に、フリーハブロックホルダ体接続部206が設けられている。フリーハブロックホルダ体接続部206がフリーハブロックホルダ体3に接続され、フリーハブロックホルダ体接続部206とフリーハブロックホルダ体3とがねじによって接続されている。他の実施例において、必要に応じて他の接続方式を用いることができる。フリーハブロックホルダ体3とフリーハブ固定ジェル1とがボール4bによってローリング接続されている。ボールは、周方向に沿ってローリングする作用を果たすだけではなく、フリーハブ固定ジェル1のフリーハブボディ2に対する左右位置規制・固定の作用を果たす。他の実施例において、必要に応じて、軸受けで接続するなどの他の接続方式を用いることができ、フリーハブボディ2の他端は、直接的にフリーハブ固定ジェル1にローリング接続され、フリーハブロックホルダ体接続部206を用いて位置規制を行うこともできる。
【0024】
一実施例において、フリーハブボディ2においてフリーハブロックホルダ体接続部206に近い一方側にラチェット溝202が設けられている。フリーハブボディ2において負荷接続部に近い一方側にトルク誘導歪みユニット203が設けられている。複数のラチェット6は、ラチェット線ばね8によってラチェット溝202内に固定されている。ラチェット線ばね8は、ばね構造体として弾性固定の作用を果たす。フリーハブ固定ジェル1は、ラチェット6によってフリーハブボディ2へ一方向トルクを施し、トルクをトルク誘導歪みユニット203によってフリーハブボディ2の負荷接続部204に伝達する。トルク誘導歪みユニット203の内側壁にトルク誘導歪みゲージ11が設けられている。トルク誘導歪みゲージ11は、センサーとして、トルク誘導歪みユニット203の、外力を受けて歪んだ大きさを感知するように構成されている。
【0025】
一実施例において、フリーハブボディ2の負荷接続部204内に、軸棒30の一端に接続されるように構成された軸受け7aが設けられている。フリーハブロックホルダ体3内に軸棒30の他端に接続された軸受け7bが設けられる、或いは、フリーハブ固定ジェル1のフリーハブロックホルダ体3に近い一端が軸受けによって直接的に軸棒30に接続されてもよい。
【0026】
一実施例において、フリーハブ固定ジェル1の内周壁に速度誘導磁気リング5が設けられている。速度誘導磁気リング5とフリーハブ固定ジェル1とが相対的に静止している。フリーハブボディ2に速度ホール固定溝201が設けられている。速度ホール固定溝201内に、速度誘導ホール9が設けられ、速度誘導磁気リング5と速度誘導ホール9とが対応して設けられている。速度誘導ホール9によって速度誘導磁気リング5の回転速度を感知してフリーハブ固定ジェル1の回転速度を間接的に感知する。
【0027】
一実施例において、フリーハブトルク速度誘導装置は、動的コンポーネントおよび静的コンポーネントをさらに含む。動的コンポーネントは、フリーハブボディ2に従って回動する。静的コンポーネントは、一次制御ユニットを含み、動的コンポーネントは、二次制御ユニットを含む。以下の実施例において、具体的に例を挙げてフリーハブトルク速度誘導装置の動的コンポーネントおよび静的コンポーネントについて説明する。
【0028】
フリーハブボディ2の負荷接続部204は、信号プロセッサに接続されている。信号プロセッサは、一次信号プロセッサ17および二次信号プロセッサ13を含む。二次信号プロセッサ13は、フリーハブボディ2の一端における負荷接続部204に固定されている。一次信号プロセッサ17とフリーハブボディ2とは、相対的に回動する。
【0029】
静的コンポーネントは、一次信号プロセッサ17および一次誘導コイル16を含む。一次信号プロセッサ17は、一次誘導コイル16に電気的に接続されている。動的コンポーネントは、二次信号プロセッサ13および二次誘導コイル15を含む。二次信号プロセッサ13は、二次誘導コイル15に電気的に接続されている。動的コンポーネントは、フリーハブボディ2の負荷接続部204に接続され、フリーハブボディ2に従って回動する。静的コンポーネントとフリーハブボディ2とは、相対的に回動する。
【0030】
一次誘導コイル16と二次誘導コイル15とは、無線信号伝達を行い、一次信号プロセッサ17は、一次誘導コイル16および二次誘導コイル15によって二次信号プロセッサ13に対して電気エネルギーを提供する。或いは、一次信号プロセッサ17と二次信号プロセッサ13とは、赤外線素子21によって無線信号伝達を行い、一次信号プロセッサ17は、一次誘導コイル16および二次誘導コイル15によって二次信号プロセッサ13に対して電気エネルギーを提供する。
【0031】
本実施例において、動的コンポーネントは、動的コンポーネントハウジング12をさらに含み、静的コンポーネントは、静的コンポーネントハウジング18をさらに含む。フリーハブボディ2の負荷接続部204が動的コンポーネントハウジング12の一端に接続され、動的コンポーネントハウジング12の他端に静的コンポーネントハウジング18が係着されている。動的コンポーネントハウジング12には、二次信号プロセッサ13が接続され、二次信号プロセッサ13には、二次誘導コイル15が接続され、静的コンポーネントハウジング18には、一次信号プロセッサ17が接続され、一次信号プロセッサ17には、一次誘導コイル16が接続され、一次誘導コイル16と二次誘導コイル15とが対応して設けられている。二次誘導コイル15および一次誘導コイル16は、エネルギーを伝達するために用いられる。
【0032】
他の実施例において、コストを節約し、全体構造部材を簡素化にするために、動的コンポーネントハウジング12を配置しなくてもよい。負荷接続部204は、直接的に静的コンポーネントハウジング18に嵌着され、負荷接続部204には、二次信号プロセッサ13が接続され、二次信号プロセッサ13には二次誘導コイル15が接続されている。
【0033】
一次誘導コイル16の外側に、一次電磁シールド体141がさらに設けられ、二次誘導コイル15の外側に二次電磁シールド体14がさらに設けられている。一次電磁シールド体141および二次電磁シールド体14は、一次誘導コイル16および二次誘導コイル15と外界との電磁干渉を隔離し、コイルエネルギーの伝達を補強するために用いられる。
【0034】
静的コンポーネントハウジング18は、信号出力線19によって外界と情報を伝達する。静的コンポーネントハウジング18は、外部固定構造体に固定接続され、例えば、静的コンポーネントハウジング18は、後輪駆動モーターの固定子または後輪ハブに接続されている。
【0035】
速度誘導ホール9およびトルク誘導歪みゲージ11は、二次信号プロセッサ13に電気的に接続されている。二次信号プロセッサ13により処理された情報に対して、二次誘導コイル15および一次誘導コイル16の無線伝送方式でトルク信号および速度などの情報を一次信号プロセッサ17に伝送する。或いは、一次信号プロセッサ17と二次信号プロセッサ13との間の赤外線素子21の無線赤外線信号伝送方式でトルク信号および速度などの情報を一次信号プロセッサ17に伝送する。一次信号プロセッサ17は、トルク、速度などの情報を処理した後、信号出力線19または無線信号によって外界の信号プロセッサユニットに出力する。それと同時に、一次信号プロセッサ17は、一次誘導コイル16および二次誘導コイル15によって二次信号プロセッサ13に対して電気エネルギーを提供する。
【0036】
図2~
図6に示すように、フリーハブボディ2の内側壁にトルク信号レースウェイ207、軟PCB貫通孔208および速度誘導レースウェイ209が設けられている。軟PCB貫通孔208内に軟PCB10が設けられている。軟PCB10の一端が速度誘導ホール9に接続され、他端が軟PCB貫通孔208を通過して二次信号プロセッサ13に接続されている。トルク信号レースウェイ207は、トルク誘導歪みゲージ11の接続線を配置するために用いられる。速度誘導レースウェイ209は、速度誘導ホール9の接続線を配置するために用いられる。
【0037】
本実施例に係るフリーハブトルク速度誘導装置の動作原理は、以下の通りである。
【0038】
外力は、フライホイール50によってフリーハブ固定ジェル1へトルクを施す。フリーハブ固定ジェル1は、ラチェット6によってトルクをフリーハブボディ2のラチェット溝202部位に伝達して、トルク誘導歪みユニット203によってトルクを負荷接続部204に伝達する。この過程で、トルク誘導歪みユニット203は、トルクの大きさに対応する歪みを発生し、トルク誘導歪みゲージ11は、トルクの大きさを感知し、トルクの大きさに対応する抵抗値電気信号を二次信号プロセッサ13に伝送しながら、速度誘導ホール9は、速度誘導磁気リング5によってフリーハブ固定ジェル1の回転する速度および方向を感知して、二次信号プロセッサ13に伝送する。二次信号プロセッサ13は、受信したトルク信号および速度信号を誘導コイルまたは赤外線素子によって、相対的に静止している一次信号プロセッサ17に伝送し、一次信号プロセッサ17により伝達する。この過程で、一次信号プロセッサ17は、一次誘導コイル16および二次誘導コイル15によって二次信号プロセッサ13に対して電気エネルギーを提供する。
【0039】
本願は、トルクセンサーを電動自転車のフリーハブに集積することにより、スプリットトルクおよび速度に対する感知を実現することができ、完成車の組立がより便利で安全であり、且つ構造が合理的である。センサーの給電および信号の伝送は、無線電気エネルギー伝送技術または赤外線伝送技術によって行われ、耐用年数が長く、製造・取付が簡単であり、信号の安定性が高いという利点を有する。