(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-04
(45)【発行日】2023-08-15
(54)【発明の名称】対話型イベントタイムラインのためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/339 20210101AFI20230807BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20230807BHJP
A61B 5/287 20210101ALI20230807BHJP
A61B 5/33 20210101ALI20230807BHJP
A61B 34/20 20160101ALI20230807BHJP
A61B 18/12 20060101ALN20230807BHJP
【FI】
A61B5/339
A61B5/00 D
A61B5/287 100
A61B5/33 100
A61B34/20
A61B18/12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018220047
(22)【出願日】2018-11-26
【審査請求日】2021-10-29
(32)【優先日】2017-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】モシェ・インゲル
(72)【発明者】
【氏名】オシュラト・ベン・ゼイケン
(72)【発明者】
【氏名】ベン・アミ・ノボグロッドスキー
(72)【発明者】
【氏名】トアム・シェメシュ
【審査官】磯野 光司
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-528683(JP,A)
【文献】特表2013-537448(JP,A)
【文献】特表2016-505997(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/24-5/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対話型イベントタイムライン処理のためのシステムであって、
少なくとも複数のセンサ及び電極を含むカテーテルであって、該カテーテルは、医療処置中に信号情報を捕捉するように構成されている、カテーテルと、
該医療処置中にイベントデータを捕捉し、かつ該捕捉された信号情報を受信するように構成された、イベントビューア装置であって、
該イベントビューア装置は、該捕捉されたイベントデータから、少なくとも対話型イベントタイムラインを生成するよう構成され、該対話型イベントタイムラインは、該捕捉されたイベントデータ間の時間的関係を提供する、イベントビューア装置と、
該イベントビューア装置に接続されたディスプレイであって、該ディスプレイは、少なくとも該対話型イベントタイムラインを表示するように構成されている、ディスプレイと、
該ディスプレイに接続されたユーザインタフェースであって、該ユーザインタフェースは、該対話型イベントタイムラインにおいて、関心時間又はイベントのうち少なくとも1つを選択するよう構成され、これによって、該対話型イベントタイムライン上においての、及び該選択された関心時間又はイベントに関連する該信号情報との前後関係においての、発生に関連する特定のイベントを強調表示させる、ユーザインタフェースであって、
該ユーザインタフェースは、該選択された関心時間又はイベントに注釈を付けるよう構成されている、ユーザインタフェースと、
を含み、
該システムは該対話型イベントタイムラインを受信し表示するよう構成された、対話型イベントタイムラインビューアを備え、
該対話型イベントタイムラインビューアは、該対話型イベントタイムラインの一部を表したタイムスケールを表示するためにズームイン及びズームアウトするように構成され、前記タイムスケールはユーザによって選択されたズームレベルに基づいて調整される、システム。
【請求項2】
前記ディスプレイが更に、イベントリスト及びイベントビューを表示するよう構成され、該対話型イベントタイムライン、該イベントリスト、及び該イベントビューアは、前記選択された関心時間又はイベントと、該選択された関心時間又はイベントに関連する前記信号情報とを、同時に描画する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記対話型イベントタイムラインが、少なくとも同時イベント、長い持続時間のイベント、短い持続時間のイベント、連続イベント、及び特定のイベントタイプを描画する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記関心時間が時間間隔である、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
選択された時間間隔が、該選択された時間間隔において発生したすべてのイベントを捕捉して表示する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記対話型イベントタイムラインの時間分解能を変更することによって、前記医療処置に対する異なる時間範囲が提供される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記対話型イベントタイムラインの時間分解能を変更することによって、前記選択された関心時間又はイベントに対する異なる時間範囲が提供される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
対話型イベントタイムライン処理のためのシステムであって、
医療処置中に信号情報を捕捉するよう構成されたカテーテルと、
該医療処置中にイベントデータを捕捉し、かつ該捕捉された信号情報を受信するように構成された、イベントビューア装置であって、
該イベントビューア装置は、該捕捉されたイベントデータから、少なくとも対話型イベントタイムラインを生成するよう構成され、該対話型イベントタイムラインは、該捕捉されたイベントデータ間の時間的関係を提供する、イベントビューア装置と、
該対話型イベントタイムラインを受信し表示するよう構成された、対話型イベントタイムラインビューアと、
該対話型イベントタイムラインビューアに接続されたユーザインタフェースであって、該ユーザインタフェースは、該対話型イベントタイムラインにおいて、関心時間又はイベントのうち少なくとも1つを選択するよう構成され、これによって、該対話型イベントタイムライン上においての、及び該選択された関心時間又はイベントに関連する該信号情報との前後関係においての、発生に関連する特定のイベントを強調表示させる、ユーザインタフェースと、
イベントのリストを受信し表示するよう構成された、イベントリストビューアと、
該選択された関心時間又はイベントに関連する該信号情報を表示するよう構成されたイベントビューアと、を含み、
該対話型イベントタイムラインビューア、該イベントリストビューア、及び該イベントビューアのそれぞれが、互いに関連付けられており、
該ユーザインタフェースは、該選択された関心時間又はイベントに注釈を付けるよう構成されており、
該対話型イベントタイムラインビューアは、該対話型イベントタイムラインの一部を表したタイムスケールを表示するためにズームイン及びズームアウトするように構成され、前記タイムスケールはユーザによって選択されたズームレベルに基づいて調整される、システム。
【請求項9】
前記対話型イベントタイムラインが、少なくとも同時イベント、長い持続時間のイベント、短い持続時間のイベント、連続イベント、及び特定のイベントタイプを描画する、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記対話型イベントタイムラインの時間分解能を変更することによって、少なくとも1つの前記医療処置に対する、又は前記選択された関心時間又はイベントに対する、異なる時間範囲が提供される、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
プロセッサを備える対話型イベントタイムライン処理のためのシステムの作動方法であって、
前記プロセッサが医療処置中に、イベントデータ及び信号情報を捕捉することと、
前記プロセッサが該捕捉されたイベントデータから、少なくとも対話型イベントタイムラインを生成することであって、該対話型イベントタイムラインは、該捕捉されたイベントデータ間の時間的関係を提供し、該対話型イベントタイムラインは、イベントリスト及びイベントビューに関連付けられている、ことと、
前記プロセッサが該対話型イベントタイムラインにおいて、関心時間又はイベントのうち少なくとも1つを選択することであって、これによって、該対話型イベントタイムライン上においての、及び該選択された関心時間又はイベントに関連する該信号情報との前後関係においての、発生に関連する特定のイベントを強調表示させる、ことと、
前記プロセッサが該選択された関心時間又はイベントに注釈を付けることと、
を含み、
該システムは該対話型イベントタイムラインを表示するイベントタイムラインビューアを備え、
該イベントタイムラインビューアは、該対話型イベントタイムラインの一部を表したタイムスケールを表示するためにズームイン及びズームアウトするように構成され、前記タイムスケールはユーザによって選択されたズームレベルに基づいて調整される、
方法。
【請求項12】
前記対話型イベントタイムライン、前記イベントリスト、及び前記イベントビューが、前記選択された関心時間又はイベントと、該選択された関心時間又はイベントに関連する前記信号情報とを、同時に描画する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記対話型イベントタイムラインが、少なくとも同時イベント、長い持続時間のイベント、短い持続時間のイベント、連続イベント、及び特定のイベントタイプを描画する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記関心時間が時間間隔である、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
選択された時間間隔が、該選択された時間間隔において発生したすべてのイベントを捕捉して表示する、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記プロセッサが前記対話型イベントタイムラインの時間分解能を変更することによって、前記プロセッサが前記医療処置に対する異なる時間範囲を提供することを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記プロセッサが前記対話型イベントタイムラインの時間分解能を変更することによって、前記プロセッサが前記選択された関心時間又はイベントに対する異なる時間範囲を提供することを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記捕捉されたイベントデータが、少なくともタグ、ユーザにより生成された点、ペーシングイベント、及びアブレーションイベントを含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
対話型イベントタイムラインのシステム及び方法が開示される。複数のイベント及び信号指標が、心臓手術などの医療処置中に捕捉される。心臓手術に関連するイベントデータは、タグ、ユーザにより生成された点、アブレーションイベント、ペーシングイベント、及びその他同様のイベントを含み得る。捕捉されたイベントから対話型イベントタイムラインが生成され、視覚表示装置に表示される。一実施形態において、この対話型イベントタイムラインは、水平イベントタイムラインである。この対話型イベントタイムラインは、イベントの垂直リストと、選択されたイベントビューアとに関連付けられる。3つのすべてのビューを同時に表示してもよい。対話型イベントタイムラインにより、医師又はユーザ(「ユーザ」と総称)が、捕捉されたイベント間の時間的関係を見ることが可能になる。ユーザは例えば、同時イベント、持続期間の長いイベント対短いイベント、連続イベント、及び特定のイベントタイプを見ることができる。イベントの選択により、その時点で取得された信号指標をユーザが見ることができる。
【0002】
対話型イベントタイムラインによってユーザは、医療処置の特定の部分からのイベントを確認することが可能になる。医師は、処置の中で発生する様々なタイプのイベントの間を容易にナビゲートし、分析し、それらにマークを付けて、それらを遡及的に画定することができる。これにより医師は、処置中に関心点に容易に到達してこれを画定し、信号指標に関して、特定のイベントの直前直後にどのような事態が発生しているのかといった、状況の即座の前後関係を理解することができる。すなわち、対話型タイムラインは、信号指標の分析に応じて機能する。例えば、対話型イベントタイムラインによって、医師は、時間及び心電図の前後関係における臨床的イベントを強調表示させることができ、更に、重要な関心点へ迅速にナビゲートし、理解し、マークを付け、遡及的にこれを画定することが可能になり、これによって精度を高め、患者の転帰を向上させることができる。対話型イベントタイムラインは、ズームイン及びズームアウトして、様々な時間範囲の分解能を実現することができ、更にこれによって医師が、処置イベントの高いレベルの視点を得ることと、細かく掘り下げて関心点を分析することの両方を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0003】
本特許又は出願書類は、カラーで作製された図面として少なくとも1枚のカラー図面又は写真を含む。カラー図面を備える、本特許又は特許出願公開の複製は、要請があれば、必要な手数料を支払うことにより、特許庁によって提供されるであろう。
【
図1】特定の実施形態による、例示的な心臓マッピング及びアブレーションシステムの概略図である。
【
図2】特定の実施形態による、
図1の例示的な心臓マッピング及びアブレーションシステムに含まれ得る、例示のカテーテルの概略図である。
【
図3】特定の実施形態による、イベントビューアの概略図である。
【
図4】特定の実施形態による、例示的なイベントビューアである。
【
図5】特定の実施形態による、別の例示的なイベントビューアである。
【
図6】特定の実施形態による、対話型イベントタイムラインを用いるためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0004】
心臓アブレーションは、心リズム欠陥の一因となる心臓内の組織を破壊する損傷部位を作ることによって、不整脈として知られる心臓リズムの欠陥を補正するために使用され得る、電気生理学者によって実施される医療処置である。心臓アブレーションを使用して治療され得る例示的不整脈には、心臓の心房で生じる異常な心臓リズムである、心房細動(AF)がある。
【0005】
心臓アブレーションは、鼠径部の小さい切開部及び血管を通して心臓に挿入され得る、長い可撓性カテーテルを用い得るが、心臓アブレーションを使用して、エネルギー(例えば、高周波(RF)エネルギー又は超低温)を組織に印加して、心臓リズム障害の原因であり得る不完全な電気インパルスを遮断するための、小さい傷又は変性部を生成し得る。リアルタイム3次元(3D)位置特定及びマッピングテクノロジーは、心臓内のカテーテルの正確な位置及び向きを可視化し、電気生理学者が、カテーテルを可視化して慎重に誘導し、適切な場所にRFエネルギーを適用することを可能にするための、高度なナビゲーションシステムとして機能するように用いられ得る。心臓アブレーションの目標は、不整脈を取り除いて、患者の心臓を正常な心臓リズムに戻すこと、又は不整脈の頻度及び患者の症状の重篤度を低減させることである。
【0006】
心臓アブレーション用のリアルタイム3D位置特定及びマッピングシステムの一例は、Johnson & Johnsonの子会社である、Biosense Webster(登録商標),Inc.製のCARTO(登録商標)3 Systemである。CARTO(登録商標)3 Systemは、患者の心構造の3Dマップを作成し、心臓内のカテーテル(又はその他の対象物)の正確な場所及び向きを表示するために電磁テクノロジーを使用している。CARTO(登録商標)3 Systemは、心構造の、正確かつリアルタイムでの可視化を確保するために、患者及び心臓の動きを補償する。
【0007】
図1は、本明細書の開示による、対話型イベントタイムラインを備えた例示的心臓マッピング及びアブレーションシステム100の概略図である。心臓マッピング及びアブレーションシステム100は、限定するものではないが、以下の構成要素のいずれかを含むことができる:コンソールシステム101、心臓外センサ114、基準装置群115、エネルギー源119、及び/又はカテーテル(複数可)120。コンソールシステム101は、限定するものではないが、以下の構成要素のいずれかを含むことができる:処理装置(複数可)102(プロセッサ(複数可))、ローカル記憶装置108、視覚表示装置116、及び/又は操作者インタフェース(複数可)118。心臓マッピング及びアブレーションシステム100の特定の要素は、視覚化及び診断に使用される情報を収集するため、及びアブレーション治療を実行するために、患者105の上で、中で、及び/又は患者に近接して、直接使用され得る。この情報は、処理、視覚化、並びに操作者による制御及び指示のために、コンソールシステム101に提供されることができ、その一部を以下で説明する。
【0008】
基準装置群115(例えば、位置特定パッドと呼び得る)は、患者105の下方に置かれる、コンピュータ制御の(例えば、処理装置(複数可)102によって制御される)磁石からなる環を含み得る。磁石は、周辺空間の磁場に対する原点基準点として使用され得る、既知かつ固定の強度及び位置の値を有し得、心臓の正確な3D画像を作成するのに使用される処理装置(複数可)102に基準情報を提供し得る。
【0009】
心臓外センサ(複数可)114は、例えば、患者105の皮膚上の電極であり得る。心臓外センサ(複数可)114は、心臓の電気生理学的パターンに因る皮膚上の電気的変化の検出を介して心臓の電気活動を検出し、不整脈の診断及び治療行動方針の決定に使用されるよう、電気活動に関する情報を処理装置(複数可)102に提供することができる。心臓外センサ(複数可)114によって検出された心臓外信号は、処理された形態で、例えばグラフィカルユーザインタフェース(GUI)の視覚表示装置216に表示することができる。
【0010】
治療及び診断の目的で、患者105に対して1つ又は2つ以上の装置が使用され得る。例示の心臓マッピング及びアブレーションシステム100では、これらの目的のためにカテーテル(複数可)120が図示及び記載されている。しかしながら、他の装置を診断及び/又は治療的処置に用いてもよい。
【0011】
1つ又は2つ以上のカテーテル120は、医師により、患者105の脈管系を通して患者105の心臓に経皮的に挿入され得る。カテーテル(複数可)120は、診断用マッピングのための情報を収集する及び/又は治療処置を施す(例えば、アブレーションを実施する)目的で、位置センサ、電気センサ、圧力センサ、画像センサ、及び/又は温度センサなどの様々なセンサを装備していてもよい。異なる種類のカテーテル(複数可)120を使用することができ、種類としては、限定するものではないが、以下の例示の種類が挙げられる:固定カテーテル、偏向可能なカテーテル、双方向カテーテル、単方向カテーテル、マッピングカテーテル、ハロー型の先端を有するカテーテル、バスケットカテーテル、及び/又はラッソ型カテーテル。カテーテル120(複数可)が目的の場所(例えば、経路に沿った1つ又は2つ以上の場所)で、例えばRFエネルギーを印加することによって、アブレーションを実施するのに使用される場合、カテーテル(複数可)120は、処理装置102(複数可)によって命令され得るように、エネルギー源119からRFエネルギーを受信し得る。一例では、カテーテル(複数可)120は、エネルギー源119から直接RFエネルギーを要求し得る。
【0012】
図2に例示的なカテーテル120がより詳細に示されており、図には、カテーテル120に含まれ得る要素のすべてではないがいくつかが示されている。カテーテル120は、限定するものではないが、次の構成要素のうちの任意の1つ又は2つ以上を含むことができる:電極(複数可)122、温度センサ(複数可)123、非接触型電極124、画像センサ(複数可)125、位置決めセンサ(複数可)126、遠位先端部128、遠位端130、ハンドル132、及び/又はケーブル140。
図2のカテーテル120の概略図は、カテーテル120の考えられ得る構成要素の高度な表現であり、カテーテル120内の構成要素の位置及び構成は、図示とは異なるものであってもよい。
【0013】
カテーテル120の遠位端130は、心組織の電気特性を測定するのに使用され得る電極(複数可)122を、遠位先端部128に含み得る。電極(複数可)122は、電気信号を診断目的で心臓に伝送するためにも使用され得る。電極(複数可)122は、所望されるアブレーションの位置で心組織に直接エネルギー(例えば、RFエネルギー)を印加することによって、欠陥のある心組織に対するアブレーションも実施し得る。
【0014】
カテーテル120の遠位端130は、遠位端130と接触する心組織の温度を測定し、かつ/又は遠位端130自体の温度を測定するための温度センサ(複数可)123を含んでもよい。例えば、温度測定用の熱電対又はサーミスタを、温度センサ(複数可)123としての機能を果たすように、遠位端130に沿ったいずれかの場所に配置することができる。
【0015】
遠位端130は、列状に配置される非接触型電極124を含むことができ、非接触電極は、患者105の心腔の壁から遠距離場電気信号を同時に受信して測定するのに使用され得る。電極(複数可)122及び非接触電極124は、心臓の電気特性に関する情報を、処理のために処理装置(複数可)102に提供する。
【0016】
カテーテル(複数可)120は、電荷結合素子(CCD)画像センサなどの1つ又は2つ以上の画像センサ(複数可)125、及び/又は体腔に挿入された際に内視鏡画像を捕捉するためのカメラを装備し得る。画像センサ(複数可)125は、遠位端130に位置決めされ得る。
【0017】
遠位端130は、カテーテル220の遠位先端128に位置決めセンサ(複数可)126(場所センサとも呼ばれる)を含み得、このセンサは、身体内のカテーテル120の位置及び向き(かつ/又は距離)を決定するのに使用される信号を生成し得る。一実施例では、遠位先端部128の位置決め情報を容易に正確にするため、位置決めセンサ(複数可)126、電極(複数可)122、及び遠位先端部128の相対的な位置及び向きは固定され、既知のものとなる。例えば、位置決めセンサ(複数可)126の位置は、心臓の外部の既知の位置に対する相対的位置に、部分的に基づいて(例えば、心臓外センサ114に基づいて)決定され得る。カテーテル120の位置情報が患者205の解剖学的構造に関連しているため、位置決めセンサ(複数可)126の使用により、周辺空間の磁場内の場所特定の正確さの改善がもたらされ得、患者の動きにも適応可能な場所情報が提供され得る。
【0018】
カテーテル120のハンドル132は、医師によって操作されることができ、医師が遠位先端128を所望の方向に効果的に誘導するのを可能にする制御装置134を含み得る。
【0019】
電極122、124、及びセンサ123、125、126は、位置情報、電気情報、画像情報、及び/又は温度情報などの情報をコンソールシステム101に提供するために、ハンドル132及びケーブル140を通過し得るワイヤを介して、処理装置(複数可)102に接続されてもよく、コンソールシステム101は、心臓内のカテーテル120をリアルタイムで操作し、その機能を表示するために使用され得る。
【0020】
更に
図1を参照すると、コンソールシステム101内において、処理装置(複数可)102(例えば、プロセッサ(複数可))は、例えば、コンピュータ内に収容され得る1つ又は2つ以上の信号処理回路を含み得る。処理装置(複数可)102は、心臓マッピング及びアブレーションシステム100の機能を実行するため、ハードウェアに実装され、かつ/又はソフトウェア内にプログラミングされ得る。このソフトウェアは、例えば、ネットワークを介して電子形態で処理装置(複数可)102にダウンロードされてもよく、かつ/又は磁気若しくは光学媒体若しくは他の不揮発性メモリなどの有形媒体に提供されてもよい。例えば、ソフトウェアモジュールを処理装置(複数可)102にダウンロードし、インストールすることによって、心臓マッピング及びアブレーションシステム100の心臓可視化及び診断能力の拡張を実現し得る。一例では、処理装置(複数可)102は、汎用コンピュータを含み得る。
【0021】
処理装置(複数可)102は、センサ123、125、及び126、並びに電極122及び124によって生成された信号を含む、カテーテル120からの(情報又はデータを伝達する)信号を受信、増幅、フィルタリング、及び/又はデジタル化することができる。信号は処理装置(複数可)102によって受信され、処理装置(複数可)は受信した信号を用いて、カテーテル120の位置及び向き、カテーテル120の温度、並びに心腔内組織の電気特性及び/又は温度などのデータを計算する。一例では、すでに増幅、フィルタリング、及び/又はデジタル化された信号を処理装置(複数可)102が受信するように、適切な回路機構がカテーテル120に関連付けられ得る。
【0022】
処理装置(複数可)102は、また、情報又は命令を含む信号を生成し、心臓マッピング及びアブレーションシステム100内の他の要素にそれらの信号を送信するのに使用され得る。例えば、処理装置(複数可)102は、視覚表示装置116上に対話型イベントタイムラインを表示するためのデータ及び命令を生成し、送信することができる。別の例では、処理装置(複数可)102は、ローカル記憶装置108との間で情報を送受信することができる。別の例では、処理装置(複数可)102は、カテーテル(複数可)120に信号を送信して、エネルギー源119によって提供されるRFエネルギーをアブレーション対象に印加することができる。
【0023】
上で説明したように、処理装置(複数可)102は、処理装置(複数可)202内の別個の装置として(例えば、説明上又は物理的に)表現され得る、特定の機能を実装し得る。例えば、処理装置(複数可)202は、カテーテル120内のセンサからの信号を受信するように構成され得るデコーダ装置104(例えば、ハードウェアに処理回路として及び/又はソフトウェアにソフトウェアモジュールとして実装される)を含むことができ、かつ、信号を使用して、カテーテル遠位先端128に関する位置、向き、距離、温度及び/又は心電図(ECG)の値を算出することができる。
【0024】
別の実施例では、処理装置(複数可)102は、心臓マッピング及びアブレーションシステム100内の他の装置に命令を送信するためのコントローラ装置107を含むことができる。例えば、コントローラ装置107は、アブレーション用のRFエネルギーをカテーテル(複数可)120に提供するよう、エネルギー源119に命令を送信することができ、RFエネルギーをアブレーション対象(例えば、経路に沿った1つ又は2つ以上の場所)に印加するよう、カテーテル(複数可)120に命令を送信することができる。
【0025】
別の例では、処理装置(複数可)102は、イベントビューア装置106(例えば、処理回路としてハードウェア内に実装、及び/又は、ソフトウェアモジュールとしてソフトウェアに実装)を含んでよく、これは例えば、イベントデータ、信号指標、画像データ、並びに、センサ123、125、126、及び電極122、124により生成されたその他のデータ、情報、及び信号を収集するよう構成され得る。例えば、イベントデータは、限定するものではないが、タグ、ユーザにより生成された点、アブレーションイベント、及び他の同様のイベントを含み得る。イベントビューア装置106は、収集されたイベントデータ及び信号指標を使用して、収集されたイベントデータ及び信号指標の複数の視覚的表現を生成することができ、この各視覚的表現は、他の視覚的表現に関連付けられる。
図3は、対話型イベントタイムラインビューア305、イベントリストビューア310、及び選択されたイベントビューア315を含む、3つの視覚的表現を有するイベントビューア300の概略図である。イベントビューア300は、例えば、視覚表示装置116上に表示させることができる。
図3に関する更なる詳細が本明細書に記述されている。
【0026】
処理ユニット104、106、及び107は、例であり、処理装置(複数可)102に実装され得る、可能な機能のすべてを含んでいるわけではない。他の機能及び/又は処理ユニットが処理装置(複数可)102に含まれ得るが、図示されていない。
【0027】
視覚表示装置116は、処理装置(複数可)102で実行された情報処理に基づいて、イベントデータ、信号指標、画像データ、情報及び信号、視覚的表現、並びに/又は心臓のマップを表示し、かつ、心臓内のカテーテル120の正確な場所及び向きを示すために、使用することができる。例えば、マップは、解剖学的マップ、心臓電気活動マップ、心臓電気伝播マップ、心臓電位マップ、インピーダンスマップ、心室腔形状、及びECG断片化マップとして、選択されたイベントビューア315に表示され得る。心臓の表現/マップ及びカテーテル(複数可)に加えて、視野にある他の物体、及び/又は、マッピング、診断、及び治療処置に関連する情報(例えば、ラベル、診断など)も、視覚表示装置116の対話型イベントタイムラインビューア305及びイベントリストビューア310に表示され得る。対話型イベントタイムラインビューア305により、操作者、医師又はユーザ(「ユーザ」と総称)が、捕捉されたイベント間の時間的関係を見ることが可能になる。ユーザは、例えば、本明細書に記述されるように、同時イベント、持続期間の長いイベント対短いイベント、連続イベント、及び特定のイベントタイプを見ることができる。
【0028】
ユーザインタフェース(複数可)118は、心臓マッピング及びアブレーションシステム100と相互作用し、それを制御するために、1人又は2人以上のユーザ又は操作者によって使用され得る。ユーザインタフェース(複数可)118は、限定するものではないが、以下の装置を含むことができる:キーボード、タッチセンシティブディスプレイ、及び/又はマウス。ユーザインタフェース(複数可)118により、操作者は視覚情報にアクセスしてそれを操作することができ、かつ、操作者は、視野を変更する、並びに、個々の患者に対する治療方針を追跡するために変性部にタグ及び/又はラベル付けすることができる。例えば、ユーザインタフェース(複数可)118によってユーザは、本明細書に記載のように、対話型イベントタイムラインビューア305、イベントリストビューア310、及び選択されたイベントビューア315を操作することができるようになる。
【0029】
心臓マッピング及びアブレーションシステム100のユーザとしては、限定されるものではないが、例えば、カテーテルを制御し、診断を収集して解釈し、アブレーション処置を実行し得る医師(例えば、電気生理学者)と、処置中に医師のアシスタントとして働く、臨床アプリケーションスペシャリスト(CAS)と、が挙げられ得る。
【0030】
心臓マッピング及びアブレーションシステム(例えば、
図1の心臓マッピング及びアブレーションシステム100)の動作中に、医療処置中に使用される電極及びセンサからのイベントデータ及び信号を含む膨大な量のデータが捕捉される。ユーザ(医師など)は、医療処置における特定の関心時間に焦点を合わせ、更に、その関心時間の前後で何が起きているかを分析することが可能でなければならない。特に、ユーザは、収集されたイベントデータから、複数のイベント間の時間的関係を容易に一目で識別することが可能でなければならず、この時間的関係には、どのイベントが同時に起こった可能性があるか、また、他のイベントと比較したイベントの持続時間、及びイベント間の時間差が挙げられるが、これらに限定されない。
【0031】
本明細書に記述されるのは、対話型イベントタイムラインを提供するためのシステム及び方法であって、これによりユーザは、例えば、時間、ECG前後関係、及びイベントタイプに関する重要なイベントを強調表示することが可能になる。ユーザは、重要な関心点へ容易かつ迅速にナビゲートし、理解し、マークを付け、遡及的にこれを画定することができ、これによって精度を高め、患者の転帰を向上させることができる。
【0032】
前述のように、
図3は、対話型イベントタイムラインビューア305、イベントリストビューア310、及び選択されたイベントビューア315を備えた、イベントビューア300を示す。イベントビューア300は、例えば、視覚表示装置116上に表示させることができる。
図4は、対話型イベントタイムラインビューア405、イベントリストビューア410、及び選択されたイベントビューア415を備えた、例示的なイベントビューア400の図を示す。
図5は、対話型イベントタイムラインビューア505及び選択されたイベントビューア515を備えた、例示的なイベントビューア500の図を示す。
【0033】
対話型イベントタイムラインビューア305、イベントリストビューア310、及び選択されたイベントビューア315はそれぞれ、互いに関連付けられている。すなわち、対話型イベントタイムラインビューア305、イベントリストビューア310、及び選択されたイベントビューア315のうち任意の1つにおいて選択を行うことによって、対話型イベントタイムラインビューア305、イベントリストビューア310、及び選択されたイベントビューア315のうち他のものにおいて、対応する選択がもたらされ得る。これは、例えばユーザインタフェース118を用いて行うことができる。各ビューアは、少なくとも選択された時間、又は選択されたイベントの時間を示す。
【0034】
対話型イベントタイムラインビューア305は、例えば、イベントビューア装置106によって捕捉されたイベントデータに基づき、かつこれから生成される、処置タイムライン(複数可)を表示するよう構成される。具体的には、対話型イベントタイムラインビューア305は、タグ、ユーザにより生成された点、アブレーションイベント(開始時点及び終了時点を含む)、ペーシングイベント(開始時点及び終了時点を含む)、連続イベント、離散イベント、及び他のイベントタイプを描画することができる。イベントは、複数の色及び/又はアイコンを使用して、重複して表示されてもよい。例えば、対話型イベントタイムラインビューア405は、連続処置タイムライン420及びユーザ点425を描画する。別の例では、対話型イベントタイムラインビューア505は、連続処置タイムライン520、ユーザ点525、タグ530、及びアブレーションイベント535を描画する。
【0035】
ユーザは、対話型イベントタイムラインビューア305において、表示されているタイムライン(複数可)上の時間を選択して、又は、任意の示されたイベント(複数可)を選択して、特定の時間にズームインし、その時間にどのようなイベントが起きているか、またその時点若しくはそのイベント中のECG信号が何であるかを見ることができる。次に、イベントリストビューア310と、選択されたイベントビューア315において、対応するイベントが強調表示される。例えば、
図4に示すように、対話型イベントタイムラインビューア405において選択された点425に関連して点450が強調表示され、選択されたイベントビューア415に、ECGの集合が表示される。次いで、ユーザは、選択された時間又はイベントに、更なる確認又は後で確認するために、注釈付けを行うことができる。一実施形態において、ユーザは、表示されたタイムライン(複数可)上の関心時間を中心として時間範囲を選択することができ、これにより、関心時間の前後に何が起きているかを見ることができる。時間範囲の選択によって、その選択された時間範囲中に捕捉されたすべてのイベントを強調表示させることができる。
【0036】
表示されたタイムライン(複数可)の時間尺度は、ズームのレベルに応じて変化し得る。一実施形態において、特定のイベントタイプの表示は、使用されているズーム率又は時間尺度に依存し得る。
【0037】
一実施形態において、ユーザは、表示されたタイムライン(複数可)に沿ってスクロールすることができる。表示されたタイムライン(複数可)に沿ってスクロールすることによって、選択されたイベントビューア315において対応する移動を引き起こすことができる。すなわち、ユーザがタイムラインに沿ってスクロールすると、例えばECG信号の強調表示又はマークされた部分が、同調して移動する。同様に、タイムラインに沿ってスクロールすると、イベントリストビューア310上で強調表示されているイベントも、これに伴って変更される。
【0038】
イベントリストビューア310は、処置中に起こったイベントの垂直リストを表示するよう構成されている。例えば、イベントリストビューア410は、ユーザ点440、超音波輪郭442、ペーシングセッション444、アブレーションイベント、キャリパ446、静止画像448、及びその他のイベントを示す。ユーザは、リストされたイベントを選択することができ、これによって、対話型イベントタイムラインビューア305と、選択されたイベントビューア315とに、対応するデータ又は情報を表示させる。
【0039】
選択されたイベントビューア315は、対話型イベントタイムラインビューア305又はイベントリストビューア310における時間又はイベントの選択に応答して、ECG、3D心臓マップ、及び他の電極又はセンサ信号データを表示するよう構成されている。
【0040】
対話型イベントタイムラインビューア305と、イベントリストビューア310と、選択されたイベントビューア315との間の物理的関係は、領域セパレータ(複数可)(例えば、領域セパレータ1及び領域セパレータ2)を選択して動かすことにより、制御することができる。すなわち、対話型イベントタイムラインビューア305、イベントリストビューア310、及び選択されたイベントビューア315それぞれの表示領域は、調節可能である。一実施形態において、ビューアコントローラが提供され、該ビューアコントローラは、対話型イベントタイムラインビューア305、イベントリストビューア310、及び選択されたイベントビューア315のうち任意の1つを展開又は折り畳むことができる。例えば、
図5は、イベントリストビューアが折り畳まれたイベントビューア500を示す。ビューアコントローラは、ボタン、アイコン、プルダウンメニュー、及び同等物であってよいが、これらに限定されない。
【0041】
図6は、特定の実施形態による、対話型イベントタイムラインを用いるためのフローチャート600である。処置が実行され、その処置からのイベントデータと信号が捕捉される(605)。捕捉されたイベント及びデータと信号情報を使用して、対話型イベントタイムラインとイベントリストが生成される(610)。対話型イベントタイムラインは、処置中に捕捉されたイベント間の時間的関係を示す。ユーザは、このイベントタイムライン上で時間点、時間間隔又はイベントを選択することができ、あるいは、対話型イベントタイムラインに沿ってスクロールし、タイムライン上においての、及び信号情報との前後関係においての、その発生に関連する特定のイベントを強調表示させることができる(615)。ユーザは、重要な関心点へナビゲートし、理解し、マークを付け、遡及的にこれを画定することができ、これによって精度を高め、患者の転帰を向上させることができる(620)。
【0042】
一般に、対話型イベントタイムライン処理のための方法は、医療処置中に、イベントデータ及び信号情報を捕捉することと、その捕捉されたイベントデータから、少なくとも対話型イベントタイムラインを生成することであって、この対話型イベントタイムラインは、捕捉されたイベントデータ間の時間的関係を提供し、この対話型イベントタイムラインは、イベントリスト及びイベントビューに関連付けられている、ことと、対話型イベントタイムラインにおいて、関心時間又はイベントのうち少なくとも1つを選択することであって、これによって、対話型イベントタイムライン上においての、及び選択された関心時間又はイベントに関連する信号情報との前後関係においての、発生に関連する特定のイベントを強調表示させる、ことと、選択された関心時間又はイベントに注釈を付けることと、を含む。一実施形態において、対話型イベントタイムライン、イベントリスト、及びイベントビューは、選択された関心時間又はイベントと、選択された関心時間又はイベントに関連する信号情報とを、ほぼ同時に描画する。一実施形態において、この対話型イベントタイムラインは、少なくとも同時イベント、長い持続時間のイベント、短い持続時間のイベント、連続イベント、及び特定のイベントタイプを描画する。一実施形態において、この関心時間は、時間間隔である。一実施形態において、選択された時間間隔は、選択された時間間隔において発生したすべてのイベントを捕捉して表示する。一実施形態において、この方法は、イベントビューア上に表示された信号情報からある信号を選択すると、対話型イベントタイムライン上に時間的指標を提供することを更に含む。一実施形態において、この方法は、対話型イベントタイムラインの時間分解能を変更することによって、医療処置に対する異なる時間範囲を提供することを更に含む。一実施形態において、この方法は、対話型イベントタイムラインの時間分解能を変更することによって、選択された関心時間又はイベントに対する異なる時間範囲を提供することを更に含む。一実施形態において、捕捉されたデータは、少なくともタグ、ユーザにより生成された点、ペーシングイベント、及びアブレーションイベントを含む。
【0043】
一般に、対話型イベントタイムライン処理のためのシステムは、少なくとも複数のセンサ及び電極を含むカテーテルを含み、このカテーテルは、医療処置中に信号情報を捕捉するように構成されている。このシステムは更に、医療処置中にイベントデータを捕捉し、かつ捕捉された信号情報を受信するように構成された、イベントビューア装置を含む。このイベントビューア装置は、捕捉されたイベントデータから、少なくとも対話型イベントタイムラインを生成するよう構成され、この対話型イベントタイムラインは、捕捉されたイベントデータ間の時間的関係を提供する。このシステムは、イベントビューア装置に接続されたディスプレイを更に含む。このディスプレイは、少なくとも対話型イベントタイムラインを表示するように構成されている。このシステムは、ディスプレイに接続されたユーザインタフェースを更に含む。このユーザインタフェースは、対話型イベントタイムラインにおいて、関心時間又はイベントのうち少なくとも1つを選択するよう構成され、これによって、対話型イベントタイムライン上においての、及び選択された関心時間又はイベントに関連する信号情報との前後関係においての、発生に関連する特定のイベントを強調表示させ、更にこのユーザインタフェースは、選択された関心時間又はイベントに注釈を付けるよう構成されている。一実施形態において、このディスプレイは更に、イベントリスト及びイベントビューを表示するよう構成され、対話型イベントタイムライン、イベントリスト、及びイベントビューアは、選択された関心時間又はイベントと、選択された関心時間又はイベントに関連する信号情報とを、ほぼ同時に描画する。一実施形態において、この対話型イベントタイムラインは、少なくとも同時イベント、長い持続時間のイベント、短い持続時間のイベント、連続イベント、及び特定のイベントタイプを描画する。一実施形態において、この関心時間は、時間間隔である。一実施形態において、選択された時間間隔は、選択された時間間隔において発生したすべてのイベントを捕捉して表示する。一実施形態において、イベントビューア上に表示された信号情報からある信号を選択すると、対話型イベントタイムライン上に時間的指標が描画される。一実施形態において、対話型イベントタイムラインの時間分解能を変更することによって、医療処置に対する異なる時間範囲が提供される。一実施形態において、対話型イベントタイムラインの時間分解能を変更することによって、選択された関心時間又はイベントに対する異なる時間範囲が提供される。
【0044】
一般に、対話型イベントタイムライン処理のためのシステムは、医療処置中に信号情報を捕捉するよう構成されたカテーテルと、医療処置中にイベントデータを捕捉し、かつ捕捉された信号情報を受信するように構成されたイベントビューア装置とを含む。このイベントビューア装置は、捕捉されたイベントデータから、少なくとも対話型イベントタイムラインを生成するよう構成され、この対話型イベントタイムラインは、捕捉されたイベントデータ間の時間的関係を提供する。このシステムは、対話型イベントタイムラインを受信し表示するよう構成された、対話型イベントタイムラインビューアと、対話型イベントタイムラインビューアに接続されたユーザインタフェースとを更に含む。このユーザインタフェースは、対話型イベントタイムラインにおいて、関心時間又はイベントのうち少なくとも1つを選択するよう構成され、これによって、対話型イベントタイムライン上においての、及び選択された関心時間に関連する信号情報との前後関係においての、発生に関連する特定のイベントを強調表示させる。このシステムは、イベントのリストを受信して表示させるよう構成されたイベントリストビューアと、選択された関心時間又はイベントに関連する信号情報を表示するよう構成されたイベントビューアとを更に含み、対話型イベントタイムラインビューア、イベントリストビューア、及びイベントビューアのそれぞれは、互いに関連付けられており、このユーザインタフェースは、選択された関心時間又はイベントに注釈を付けるよう構成されている。一実施形態において、この対話型イベントタイムラインは、少なくとも同時イベント、長い持続時間のイベント、短い持続時間のイベント、連続イベント、及び特定のイベントタイプを描画する。一実施形態において、対話型イベントタイムラインの時間分解能を変更することによって、少なくとも1つの医療処置に対する、又は選択された関心時間又はイベントに対する、異なる時間範囲が提供される。
【0045】
本開示は、心臓系の心臓マッピング及びアブレーション処置に関して本明細書において述べているが、当業者であれば、呼吸器/肺系統、呼吸器系及び肺系、消化器系、神経血管系、並びに/又は循環系などであるが、これらに限定されない、任意の体腔又は体組織において使用することができるシステム及び処置に本開示を適用することができることを理解する。
【0046】
本明細書に記載の実施形態及び処置は、ハードウェア及び/又はソフトウェアに実装され得る。アブレーションを実行するためのコンピュータシステムは、本明細書に記載の処置を含む、付加的な機能を導入するソフトウェアモジュールを実行することができ得る。本明細書に記載の処置は、高度な心臓可視化と、心臓リズム障害を診断し、治療する医師の能力を強化するための診断能力を有効にし得る。本明細書に開示される処置は、心臓系のアブレーション処置に関して述べられているが、本明細書に開示されるシステム及び処置は、身体の他の部分における治療及び診断手順にも同様に使用され得る。
【0047】
〔実施の態様〕
(1) 対話型イベントタイムライン処理のための方法であって、
医療処置中に、イベントデータ及び信号情報を捕捉することと、
該捕捉されたイベントデータから、少なくとも対話型イベントタイムラインを生成することであって、該対話型イベントタイムラインは、該捕捉されたイベントデータ間の時間的関係を提供し、該対話型イベントタイムラインは、イベントリスト及びイベントビューに関連付けられている、ことと、
該対話型イベントタイムラインにおいて、関心時間又はイベントのうち少なくとも1つを選択することであって、これによって、該対話型イベントタイムライン上においての、及び該選択された関心時間又はイベントに関連する該信号情報との前後関係においての、発生に関連する特定のイベントを強調表示させる、ことと、
該選択された関心時間又はイベントに注釈を付けることと、
を含む、方法。
(2) 前記対話型イベントタイムライン、前記イベントリスト、及び前記イベントビューが、前記選択された関心時間又はイベントと、該選択された関心時間又はイベントに関連する前記信号情報とを、ほぼ同時に描画する、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記対話型イベントタイムラインが、少なくとも同時イベント、長い持続時間のイベント、短い持続時間のイベント、連続イベント、及び特定のイベントタイプを描画する、実施態様2に記載の方法。
(4) 前記関心時間が時間間隔である、実施態様1に記載の方法。
(5) 選択された時間間隔が、該選択された時間間隔において発生したすべてのイベントを捕捉して表示する、実施態様1に記載の方法。
【0048】
(6) 前記イベントビューア上に表示された前記信号情報からある信号を選択すると、前記対話型イベントタイムライン上に時間的指標を提供することを更に含む、実施態様1に記載の方法。
(7) 前記対話型イベントタイムラインの時間分解能を変更することによって、前記医療処置に対する異なる時間範囲を提供することを更に含む、実施態様1に記載の方法。
(8) 前記対話型イベントタイムラインの時間分解能を変更することによって、前記選択された関心時間又はイベントに対する異なる時間範囲を提供することを更に含む、実施態様1に記載の方法。
(9) 前記捕捉されたデータが、少なくともタグ、ユーザにより生成された点、ペーシングイベント、及びアブレーションイベントを含む、実施態様1に記載の方法。
(10) 対話型イベントタイムライン処理のためのシステムであって、
少なくとも複数のセンサ及び電極を含むカテーテルであって、該カテーテルは、医療処置中に信号情報を捕捉するように構成されている、カテーテルと、
該医療処置中にイベントデータを捕捉し、かつ該捕捉された信号情報を受信するように構成された、イベントビューア装置であって、
該イベントビューア装置は、該捕捉されたイベントデータから、少なくとも対話型イベントタイムラインを生成するよう構成され、該対話型イベントタイムラインは、該捕捉されたイベントデータ間の時間的関係を提供する、イベントビューア装置と、
該イベントビューア装置に接続されたディスプレイであって、該ディスプレイは、少なくとも該対話型イベントタイムラインを表示するように構成されている、ディスプレイと、
該ディスプレイに接続されたユーザインタフェースであって、該ユーザインタフェースは、該対話型イベントタイムラインにおいて、関心時間又はイベントのうち少なくとも1つを選択するよう構成され、これによって、該対話型イベントタイムライン上においての、及び該選択された関心時間又はイベントに関連する該信号情報との前後関係においての、発生に関連する特定のイベントを強調表示させる、ユーザインタフェースであって、
該ユーザインタフェースは、該選択された関心時間又はイベントに注釈を付けるよう構成されている、ユーザインタフェースと、
を含む、システム。
【0049】
(11) 前記ディスプレイが更に、イベントリスト及びイベントビューを表示するよう構成され、該対話型イベントタイムライン、該イベントリスト、及び該イベントビューアは、前記選択された関心時間又はイベントと、該選択された関心時間又はイベントに関連する前記信号情報とを、ほぼ同時に描画する、実施態様10に記載のシステム。
(12) 前記対話型イベントタイムラインが、少なくとも同時イベント、長い持続時間のイベント、短い持続時間のイベント、連続イベント、及び特定のイベントタイプを描画する、実施態様11に記載のシステム。
(13) 前記関心時間が時間間隔である、実施態様10に記載のシステム。
(14) 選択された時間間隔が、該選択された時間間隔において発生したすべてのイベントを捕捉して表示する、実施態様10に記載のシステム。
(15) 前記イベントビューア上に表示された前記信号情報からある信号を選択すると、前記対話型イベントタイムライン上に時間的指標が描画される、実施態様10に記載のシステム。
【0050】
(16) 前記対話型イベントタイムラインの時間分解能を変更することによって、前記医療処置に対する異なる時間範囲が提供される、実施態様10に記載のシステム。
(17) 前記対話型イベントタイムラインの時間分解能を変更することによって、前記選択された関心時間又はイベントに対する異なる時間範囲が提供される、実施態様10に記載のシステム。
(18) 対話型イベントタイムライン処理のためのシステムであって、
医療処置中に信号情報を捕捉するよう構成されたカテーテルと、
該医療処置中にイベントデータを捕捉し、かつ該捕捉された信号情報を受信するように構成された、イベントビューア装置であって、
該イベントビューア装置は、該捕捉されたイベントデータから、少なくとも対話型イベントタイムラインを生成するよう構成され、該対話型イベントタイムラインは、該捕捉されたイベントデータ間の時間的関係を提供する、イベントビューア装置と、
該対話型イベントタイムラインを受信し表示するよう構成された、対話型イベントタイムラインビューアと、
該対話型イベントタイムラインビューアに接続されたユーザインタフェースであって、該ユーザインタフェースは、該対話型イベントタイムラインにおいて、関心時間又はイベントのうち少なくとも1つを選択するよう構成され、これによって、該対話型イベントタイムライン上においての、及び該選択された関心時間又はイベントに関連する該信号情報との前後関係においての、発生に関連する特定のイベントを強調表示させる、ユーザインタフェースと、
イベントのリストを受信し表示するよう構成された、イベントリストビューアと、
該選択された関心時間又はイベントに関連する該信号情報を表示するよう構成されたイベントビューアと、
を含み、該対話型イベントタイムラインビューア、該イベントリストビューア、及び該イベントビューアのそれぞれが、互いに関連付けられており、
該ユーザインタフェースは、該選択された関心時間又はイベントに注釈を付けるよう構成されている、システム。
(19) 前記対話型イベントタイムラインが、少なくとも同時イベント、長い持続時間のイベント、短い持続時間のイベント、連続イベント、及び特定のイベントタイプを描画する、実施態様18に記載のシステム。
(20) 前記対話型イベントタイムラインの時間分解能を変更することによって、少なくとも1つの前記医療処置に対する、又は前記選択された関心時間又はイベントに対する、異なる時間範囲が提供される、実施態様18に記載のシステム。