(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-04
(45)【発行日】2023-08-15
(54)【発明の名称】毛髪用水中油型組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/891 20060101AFI20230807BHJP
A61K 8/41 20060101ALI20230807BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20230807BHJP
A61K 8/55 20060101ALI20230807BHJP
A61K 8/06 20060101ALI20230807BHJP
A61Q 5/12 20060101ALI20230807BHJP
【FI】
A61K8/891
A61K8/41
A61K8/34
A61K8/55
A61K8/06
A61Q5/12
(21)【出願番号】P 2019049024
(22)【出願日】2019-03-15
【審査請求日】2022-01-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000145862
【氏名又は名称】株式会社コーセー
(74)【代理人】
【識別番号】110000590
【氏名又は名称】弁理士法人 小野国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】白岩 由梨
(72)【発明者】
【氏名】山下 美年雄
【審査官】田中 雅之
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-305516(JP,A)
【文献】特開2006-117606(JP,A)
【文献】特開2007-161596(JP,A)
【文献】特開2013-014539(JP,A)
【文献】特開2006-225358(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分 (A)~(F);
(A)モノ長鎖型アルキル四級アンモニウム塩
(B)25℃における粘度が2~200mPa・sであるジメチルポリシロキサン
(C)25℃における粘度が1万~100万mPa・sであるジメチルポリシロキサン
(D)飽和高級アルコール
(E)炭素数3~6の多価アルコール
(F)リン脂質
を含有し、
前記成分(F)の含有量が0.1~1.0質量%であり、
前記成分(E)および前記成分(F)の含有質量割合(E)/(F)が、20~250であり、
前記成分(B)および前記成分(C)の含有質量割合(B)/(C)が、0.66~4.0であり、
前記成分(D)および前記成分(F)の含有質量割合(D)/(F)が、1.0~35である
毛髪用水中油型組成物。
【請求項2】
前記成分(A)の含有質量に対する前記成分(B)および前記成分(C)の合計含有質量の割合[(B)+(C)]/(A)が、2.0~20である請求項1記載の毛髪用水中油型組成物。
【請求項3】
更に、成分(G)として、イソプロパノールを含有する請求項1又は2に記載の毛髪用水中油型組成物。
【請求項4】
アウトバス用である請求項1~3のいずれか1項に記載の毛髪用水中油型組成物。
【請求項5】
次の成分(A)~(F);
(A)モノ長鎖型アルキル四級アンモニウム塩
(B)25℃における粘度が2~200mPa・sであるジメチルポリシロキサン
(C)25℃における粘度が1万~100万mPa・sであるジメチルポリシロキサン
(D)飽和高級アルコール
(E)炭素数3~6の多価アルコール
(F)リン脂質
を含有し、
前記成分(F)の含有量が0.1~1.0質量%であり、
前記成分(E)および前記成分(F)の含有質量割合(E)/(F)が、20~250であり、
前記成分(A)の含有質量に対する前記成分(B)および前記成分(C)の合計含有質量の割合[(B)+(C)]/(A)が、2.0~20であり、
前記成分(D)および前記成分(F)の含有質量割合(D)/(F)が、1.0~35である
毛髪用水中油型組成物。
【請求項6】
更に、成分(G)として、イソプロパノールを含有する請求項5に記載の毛髪用水中油型組成物。
【請求項7】
アウトバス用である請求項5
又は6のいずれか1項に記載の毛髪用水中油型組成物。
【請求項8】
次の成分 (A)~(G);
(A)モノ長鎖型アルキル四級アンモニウム塩
(B)25℃における粘度が2~200mPa・sであるジメチルポリシロキサン
(C)25℃における粘度が1万~100万mPa・sであるジメチルポリシロキサン
(D)飽和高級アルコール
(E)炭素数3~6の多価アルコール
(F)リン脂質
(G)イソプロパノール
を含有し、
前記成分(F)の含有量が0.1~1.0質量%であり、
前記成分(E)および前記成分(F)の含有質量割合(E)/(F)が、20~250である
毛髪用水中油型組成物。
【請求項9】
前記成分(B)および前記成分(C)の含有質量割合(B)/(C)が、0.66~4.0である請求項
8記載の毛髪用水中油型組成物。
【請求項10】
前記成分(A)の含有質量に対する前記成分(B)および前記成分(C)の合計含有質量の割合[(B)+(C)]/(A)が、2.0~20である請求項
8に記載の毛髪用水中油型組成物。
【請求項11】
前記成分(D)および前記成分(F)の含有質量割合(D)/(F)が、1.0~35である請求項
8に記載の毛髪用水中油型組成物。
【請求項12】
アウトバス用である請求項
8~
11のいずれか1項に記載の毛髪用水中油型組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪用水中油型組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、毛髪用化粧料には、スタイリング性、毛髪補修効果、経時安定性などの機能、効果に応じて様々な成分が配合されてきた(例えば、特許文献1~6参照)。
【0003】
特許文献1は、
次の(a)~(d);
(a)ガム状もしくは粘度100万cs以上である高分子シリコーン、両末端ヒドロキシ変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、アンモニウム変性シリコーンおよびポリアルキレングリコール変性シリコーンから選ばれた一種又は二種以上のシリコーン 0.1~10質量%
(b)粘度が100cs以下のジメチルポリシロキサン 0.5~79質量%
(c)多価アルコール 1~25質量%
(d)親水性界面活性剤 1~10質量%
を含み、(a)と(b)を含む油相の配合量と、(a)と(b)の配合比率(質量比)が、特定であることを特徴とする透明または半透明の水中油型乳化毛髪化粧料
に関する技術である。
【0004】
特許文献2は、
少なくとも1種の高級アルコール、カチオン性界面活性剤、及び水性担体を含むゲル中に、植物油及び揮発性シリコーンを含む油剤相(A)が油滴粒子として存在する毛髪化粧料に関する技術である。
【0005】
特許文献3は、
特定式で示される(A)25℃における動粘度が特定であるジメチコノールと(B)25℃における動粘度が特定であるジメチコノールと(C)グルタミン酸ナトリウムとを含有し、さらに(A)と(B)との質量比が特定であるヘアコンディショニング組成物に関する技術である。
【0006】
特許文献4は、次の成分(A)、(B)及び(C)
(A) クエン酸又はその塩
(B) 芳香族アルコール、N-アルキルピロリドン、アルキレンカーボネート、ポリプロピレングリコール、ラクトン及び環状ケトンからなる群より選ばれる、ClogPが-2~3である1種又は2種以上の有機溶剤
(C) エデト酸又はその塩
を含有し、水で20重量倍に希釈したときの25℃におけるpHが特定である洗い流さないタイプの毛髪化粧料に関する技術である。
【0007】
特許文献5は、
1種または2種以上のカチオン界面活性剤と、
1種または2種以上のシリコーン化合物と、
エタノールと、
水とを、それぞれ特定量で
含有することを特徴とする水性化粧料に関する技術である。
【0008】
特許文献6は、
以下の(A)及び(B);
(A)HLB値が15以上の界面活性剤
(B)レシチン及び/又はその誘導体
を油相に含む、O/W型エマルション毛髪用組成物に関する技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2010-254632号公報
【文献】特開2007-186464号公報
【文献】特開2007-320877号公報
【文献】特開2005-272390号公報
【文献】特開2005-330215号公報
【文献】国際公開2012/115053号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1の技術においては、リッチ感と高い補修効果を有する場合はあるものの、他成分の含有の場合等によっては、乳化安定性等の経時安定性に優れない場合があるという課題があった。
特許文献2の技術においては、乾燥後の髪に軽いしっとり感、さらさら感及びまとまりを与える場合はあるものの、高級アルコールによって粘度が増加し、塗布時の滑らかさに優れず、使用性に欠ける場合があるという課題があった。
特許文献3の技術においては、毛髪のキューティクル剥離を防止に優れる場合があるものの、濡れ髪へのなじみの良さに優れない場合があり、使用場所や使用方法が限定される場合があるという課題があった。また、濡れ髪へのなじみの良さに優れない場合としては、適用した組成物が水っぽくなってしまうために、毛髪に適切に塗布が行えない場合があった。
特許文献4の技術においては、毛髪のツヤやまとまり性に優れる場合があるものの、塗布時の滑らかさ、仕上がりの指通りに優れない場合があるという課題があった。
特許文献5の技術においては、揮発後においても手触りや指どおりが良い場合があるものの、特に高温安定性等の経時安定性に優れない場合があるという課題があった。
特許文献6の技術においては、毛髪に馴染みやすい場合があるものの、塗布時の滑らかさ、仕上がりの指通り、べたつきのなさに優れない場合があるという課題があった。
従って、従来の技術において、塗布時の滑らかさ、仕上がりの指通り、べたつきのなさに優れ、加えて、O/W型でありながら濡れ髪へのなじみの良さ、経時安定性にも優れた毛髪用水中油型組成物を具現化することは困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0011】
従来より、塗布時の滑らかさ、仕上がりの指通り、べたつきのなさ、濡れ髪へのなじみの良さ、経時安定性に優れた毛髪用水中油型組成物の開発が望まれていた。
上記実情に鑑み、本発明者らは、鋭意検討を行い、毛髪用水中油型組成物においてカチオン界面活性剤と飽和高級アルコール、更には油剤として特定のメチルポリシロキサンを含有することにより、仕上がりの指通りが大きく向上するという知見を得た。
しかしながら、これだけでは毛髪への塗布時の滑らかさが不足していたため、更なる検討をした結果、特定量のリン脂質を含有することで、塗布時の滑らかさが大きく向上することを見出した。これは、リン脂質が毛髪用水中油型組成物の乳化界面付近に存在し得るαゲルを予想外に軟化するためと考察する。
そして更に鋭意検討した結果、炭素数3~6の多価アルコールをさらに含有し、炭素数3~6の多価アルコールとリン脂質の含有質量割合が特定であるときに、濡れ髪への馴染みに優れつつ、塗布時の滑らかさ、仕上がりの指通り、べたつきのなさ、経時安定性に優れた毛髪用水中油型組成物となることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0012】
すなわち、本発明は、以下の[1]~[6]を提供する。
【0013】
[1]
次の成分(A)~(F);
(A)モノ長鎖型アルキル四級アンモニウム塩
(B)25℃における粘度が2~200mPa・sであるジメチルポリシロキサン
(C)25℃における粘度が1万~100万mPa・sであるジメチルポリシロキサン
(D)飽和高級アルコール
(E)炭素数3~6の多価アルコール
(F)リン脂質
を含有し、
前記成分(F)の含有量が0.1~1.0質量%であり、
前記成分(E)および前記成分(F)の含有質量割合(E)/(F)が、20~250である
毛髪用水中油型組成物。
【0014】
[2]
前記成分(B)および前記成分(C)の含有質量割合(B)/(C)が、0.66~4.0である前記[1]記載の毛髪用水中油型組成物。
【0015】
[3]
前記成分(A)の含有質量に対する前記成分(B)および前記成分(C)の合計含有質量の割合[(B)+(C)]/(A)が、2.0~20である前記[1]または[2]のいずれか1項に記載の毛髪用水中油型組成物。
【0016】
[4]
前記成分(D)および前記成分(F)の含有質量割合(D)/(F)が、1.0~35である前記[1]~[3]のいずれか1項に記載の毛髪用水中油型組成物。
【0017】
[5]
更に、成分(G)として、イソプロパノールを含有する前記[1]~[4]のいずれか1項に記載の毛髪用水中油型組成物。
【0018】
[6]
アウトバス用である前記[1]~[5]のいずれか1項に記載の毛髪用水中油型組成物。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、塗布時の滑らかさ、仕上がりの指通り、べたつきのなさ、濡れ髪へのなじみの良さ、経時安定性に優れた毛髪用水中油型組成物を提供することが出来る。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において、「~」はその前後の数値を含む範囲を意味するものとする。
【0021】
<成分(A)>
本発明における成分(A)はモノ長鎖型アルキル四級アンモニウム塩である。モノ長鎖型アルキル四級アンモニウム塩は、第四級アンモニウム型の界面活性剤である。成分(A)のモノ長鎖型アルキルのアルキル鎖の炭素数については、通常化粧料に使用できるものであれば、特に限定されるものではないが、経時安定性の点から、炭素数12~22が好ましく、炭素数18~22がより好ましい。
【0022】
本発明における成分(A)の市販例としては、特に限定されないが、例えば、炭素数12の塩化ラウリルトリメチルアンモニウムとして、カチナールLTC-35A(東邦化学工業社製)、コータミン 24P(花王社製)、炭素数16の塩化セチルトリメチルアンモニウムとして、カチナールCTC-70ET(東邦化学工業社製)、コータミン 86W(花王社製)、炭素数18の塩化ステアリルトリメチルアンモニウムである、カチナールSTC-25W、CATINAL STC―70ET(東邦化学工業社製)、炭素数22の塩化ベヘニルトリメチルアンモニウムとして、CATINAL DC-80(C)(東邦化学工業社製)、GENAMIN KDMP(クラリアント・ジャパン社製)等が挙げられ、これらから選ばれる1種または2種以上を用いることができる。
【0023】
本発明における成分(A)が含有されていない場合は、経時安定性に優れない場合がある。
【0024】
本発明における成分(A)の含有量は、特に限定されないが、経時安定性と仕上がりの指通りの点から、0.1~10.0質量%(以下、「質量%」を「%」と略す)が好ましく、0.2~1.0%がより好ましく、0.3~0.8%がさらにより好ましい。
【0025】
<成分(B)>
本発明における成分(B)は、25℃における粘度が2~200mPa・sであるジメチルポリシロキサンである。また、本発明における粘度は、ブルックフィールド型粘度計を用いた化粧品原料基準・粘度測定法第二法に従って測定することができる。
【0026】
本発明における成分(B)の市販例としては、特に限定されないが、例えば、SH200 C Fluid 5cs、SH200 C Fluid 6cs、SH200 C Fluid 10cs、SH200 C Fluid 20cs、SH200 C Fluid 30cs、SH200 C Fluid 50cs、SH200 C Fluid 100cs(以上、東レダウコーニング社製)、KF-96L-2cs、KF-96L-5cs、KF-96A-6cs、KF-96-10cs 、KF-96-20cs、KF-96-30cs、 KF-96-50cs、KF-96-100cs(以上、信越シリコーン社製)などが挙げられ、これらから選ばれる1種または2種以上を用いることができる。
【0027】
成分(B)の25℃における粘度は2~200mPa・sであれば特に限定されないが、塗布時の滑らかさ、べたつきのなさの点から、6~100mPa・sが好ましく、10~100mPa・sがより好ましい。
【0028】
本発明における成分(B)が含有されていない場合は、塗布時の滑らかさ、べたつきのなさに優れない場合がある。
【0029】
本発明における成分(B)の含有量は、特に限定されないが、塗布時の滑らかさ、べたつきのなさの点から、1.0~10.0%が好ましく、1.5~5%がより好ましい。
【0030】
<成分(C)>
本発明における成分(C)は、25℃における粘度が1万~100万mPa・sであるジメチルポリシロキサンである。
【0031】
本発明における成分(C)の市販例としては、特に限定されないが、例えば、BY11-040、BY11-003、FZ-3115、FZ-3132、BY11-007、BY11-014、BY11-026(以上、東レダウコーニング社製)、XF49-601、XF49-A3818、XF49-B7082、XF49-B7083、XF49-811、XF49-703、XF49-813、XF49-B1747、XF49-B8324(以上、モメンティブ社製)、シリコンKF-9012、KF-96H-1万cs、KF-96H-10万cs、KF-96H-100万cs(以上、信越化学工業社製)が挙げられ、これらから選ばれる1種または2種以上を用いることができる。
【0032】
成分(C)の25℃における粘度は1万~100万mPa・sであれば特に限定されないが、仕上がりの指通り、べたつきのなさの点から、1万~10万mPa・sが好ましい。
【0033】
本発明における成分(C)が含有されていない場合は、仕上がりの指通り、べたつきのなさに優れない場合がある。
【0034】
本発明における成分(C)の含有量は、特に限定されないが、仕上がりの指通り、べたつきのなさの点から、0.5~10.0%が好ましく、1.0~5.0%がより好ましく、1.25~2.5%がさらにより好ましい。
【0035】
<成分(D)>
本発明における成分(D)は、飽和高級アルコールである。通常、化粧料等に用いられるものであれば、特に制限なく、使用することができる。
【0036】
成分(D)の炭素数としては、特に限定されないが、経時安定性の点から、炭素数8~24が好ましく、炭素数16~22がより好ましい。また、成分(D)は、経時安定性の点から、直鎖飽和型であることが好ましい。
【0037】
成分(D)としては、特に限定されないが、具体的には、セチルアルコ-ル、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコ-ル、ベヘニルアルコール等が挙げられ、成分(D)はこれらから選ばれる1種または2種以上であることが、仕上がりの指通り、経時安定性の点から好ましい。これらの中でも、成分(D)が、セチルアルコ-ル、ステアリルアルコ-ル、ベヘニルアルコールから選ばれる2種以上であることが、仕上がりの指通り、経時安定性の点からより好ましい。
【0038】
本発明における成分(D)の市販例としては、特に限定されないが、炭素数16のセタノールとして、NAA-43(日油社製)、コノール1695(新日本理化社製)、炭素数18のステアリルアルコールとして、NAA―46(日油社製)、コノール30F(新日本理化社製)、炭素数22のベヘニルアルコールとして、NAA-422(日油社製)、カルコール 220-80(花王社製)、炭素数16のセチルアルコールと炭素数18のセトステアリルアルコール(高級アルコール工業社製)等が挙げられ、これらから選ばれる1種または2種以上を用いることができる。
【0039】
本発明における成分(D)が含有されていない場合は、塗布時の滑らかさ、経時安定性に優れない場合がある。
【0040】
本発明における成分(D)の含有量は、特に限定されないが、塗布時の滑らかさ、経時安定性の点から、1.0~6.0%が好ましく、1.5~5.0%がより好ましく、2.0~4.0%がさらにより好ましい。
【0041】
<成分(E)>
本発明における成分(E)は、炭素数3~6の多価アルコールである。成分(E)としては、特に限定されないが、具体的には、炭素数3の多価アルコールであるプロピレングリコール、炭素数4の多価アルコールである1,3-ブチレングリコール、炭素数6の多価アルコールであるジプロピレングリコール等が挙げられ、これらから選ばれる1種または2種以上を用いることができる。
【0042】
本発明における成分(E)が含有されていない場合は、濡れ髪へのなじみの良さ、経時安定性に優れない場合がある。
【0043】
本発明における成分(E)の含有量は、特に限定されないが、濡れ髪への馴染みの良さの点から、5~30%が好ましく、10~30%がより好ましい。
【0044】
<成分(F)>
本発明の毛髪用水中油型組成物における成分(F)はリン脂質である。本発明におけるリン脂質とは、特に記載した場合を除き、グリセリン又はスフィンゴシンを中心骨格として脂肪酸とリン酸が結合し、さらにリン酸にアルコールがエステル結合した構造をもつものをいう。
【0045】
リン脂質を構成する脂肪酸としては、特に限定されないが、炭素数7~22の飽和及び不飽和カルボン酸が挙げられる。リン脂質を構成するアルコールとしては、特に限定されないが、窒素が含まれることが多く、このような例としては、コリン、エタノールアミン、イノシトール、セリン等がある。
本発明には、天然の大豆や卵黄から抽出した大豆レシチン、卵黄レシチン及び/又はこれらを水素添加した水素添加レシチン、水素添加大豆レシチン、水素添加卵黄レシチンや合成リン脂質など、一般にリン脂質として知られるものが使用できる。
より詳細には、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジン酸、及びホスファチジルイノシトール等を好ましく用いることができる。これらの中から、1種または2種以上を用いることができる。
例えば水素添加大豆リン脂質、水素添加卵黄リン脂質、水素添加ホスファチジルコリン、水素添加ホスファチジルセリン等が挙げられ、リン脂質より脂肪酸基が一つ外れたリゾリン脂質でも良く、これを水素添加した水素添加リゾリン脂質であってもよい。
【0046】
本発明における成分(F)の市販例としては、特に限定されないが、レシノール S-10、レシノール S-10E、レシノール S-10EZ、レシノール S-10M、レシノール S-10EX、レシノール S-PIE(以上、日光ケミカルズ社製)、COATSOME NC-21、COATSOME NC-21E、COATSOME NC-50(以上、油化産業社製)、Phospholipon100H、Phospholipon90H、Phospholipon80H、Phospholipon90G(以上、Phospholipid社製)、HSL-70(ワイエムシイ社製)等があり、これらの中から、1種または2種以上を用いることができる。水素添加リゾリン脂質の例としては、LP70H(日本精化社製)、SLP-ホワイトリゾH、SLP-LPC 70H(以上、辻製油社製)等があり、これらの中から、1種または2種以上を用いることができる。
【0047】
本発明における成分(F)の含有量は、0.1~1.0%である。成分(F)の含有量が、0.1%未満であった場合、濡れ髪へのなじみの良さに優れない場合がある。成分(F)の含有量が、1.0%を超えた場合、塗布時の滑らかさ、濡れ髪へのなじみの良さに優れない場合がある。成分(F)の含有量は、0.1~1.0%であれば、特に限定されないが、塗布時の滑らかさ、濡れ髪へのなじみの良さの点から0.3~0.8%が好ましく、0.4~0.7%がより好ましい。
【0048】
本発明における成分(E)および成分(F)の含有質量割合(E)/(F)は、20~250である。含有質量割合(E)/(F)が、20未満であった場合、べたつきのなさ、濡れ髪へのなじみの良さに優れない場合がある。含有質量割合(E)/(F)が、250を超える場合、濡れ髪へのなじみの良さに優れない場合がある。
含有質量割合(E)/(F)は、20~250であれば、特に限定されないが、濡れ髪へのなじみの良さの点から、25~100が好ましく、40~70がより好ましい。
この詳細なメカニズムは現在検討中であり、明らかとはなっていないものの、本発明者らは以下のように考えている。
成分(E)は、特に限定されないが、含有量を増加させ過ぎると、外相の水の親油性が上昇し、水分子を吸着した濡れ髪に対しては、なじみが悪くなる、とも考えられた。
また、成分(F)は、特に限定されないが、含有量を増加させ過ぎると、乳化界面の親水性が上昇し、水分子を吸着した濡れ髪に対しては、なじみが悪くなる、とも考えられた。
しかしながら、含有質量割合(E)/(F)が特定の範囲である場合には、外相の水の親油性が、濡れ髪に対して好適でありながら、意外なことに、乳化界面の親水性も濡れ髪に対して好適であったために、結果として濡れ髪へのなじみの良さに優れたと考えられる。
【0049】
<成分(G)>
本発明の毛髪用水中油型組成物は、必須成分ではないものの、濡れ髪へのなじみの良さに優れる点で、成分(G)としてイソプロピルアルコールを含有することが好ましい。
【0050】
本発明における成分(G)の含有量は、特に限定されないが、濡れ髪へのなじみの良さの点から、0.05~0.8%が好ましく、0.1~0.5%がより好ましい。
【0051】
本発明における成分(B)および成分(C)の含有質量割合(B)/(C)は、特に限定されないが、仕上がりの指通り、べたつきのなさ、経時安定性の点から、0.66~4.0であることが好ましく、1.0~4.0であることがより好ましく、1.3~2.0であることがさらにより好ましい。
【0052】
本発明における成分(A)の含有質量に対する成分(B)および成分(C)の合計含有質量の割合[(B)+(C)]/(A)は、特に限定されないが、仕上がりの指通り、べたつきのなさ、経時安定性の点から、2.0~20であることが好ましく、5.0~17であることがより好ましく、5.0~6.0であることがさらにより好ましい。さらに、仕上がりの指通り、べたつきのなさ、経時安定性の点から、含有質量割合(B)/(C)が1.3~2.0であり、かつ、[(B)+(C)]/(A)が5.0~6.0であることが特に好ましい。
【0053】
本発明における成分(D)および成分(F)の含有質量割合(D)/(F)は、特に限定されないが、塗布時の滑らかさ、濡れ髪へのなじみの良さの観点から、1.0~35であることが好ましく、4.0~35であることがより好ましく、7.0~12であることがさらにより好ましい。
【0054】
本発明の毛髪用水中油型組成物には、更に目的に応じて本発明の効果を損なわない量的、質的範囲内において、上記した成分の他に、通常の化粧料や医薬部外品、外用医薬品等の製剤に使用される成分、例えば、皮膜形成剤、樹脂、抗菌・防腐剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、キレート剤、退色防止剤等を含有することができる。
【0055】
本発明の毛髪用水中油型組成物の製造方法は、特に限定されず、常法により調製されるが、一例としては、成分(A)、成分(D)、成分(E)、および、場合によっては成分(G)を含む水系成分と成分(B)、成分(C)、成分(F)を含む油系区分を加温し、その他必要な成分を加えて、室温まで冷却することなどが挙げられる。
【0056】
本発明の毛髪用水中油型組成物は、特に限定されないが、インバス用、アウトバス用として用いることができる。具体的には、インバス用としては、ヘアリンス、ヘアトリートメント、ヘアパックなどの洗い流して用いるヘアトリートメント、アウトバス用としては、ヘアトリートメント、ヘアエッセンス、ヘアクリーム、ヘアフォーム、ヘアスプレーなどが挙げられる。
【0057】
本発明の毛髪用水中油型組成物は、塗布時の滑らかさ、べたつきのなさ、濡れ髪へのなじみの良さの点から、アウトバス用の毛髪用水中油型組成物であることが好ましい。アウトバス用の毛髪用水中油型組成物としては、毛髪をタオルで水分を取り、更にドライヤーの温風で乾燥させた後に使用することができ、ドライヤーにおける温風乾燥が不十分で、毛髪が生乾きである場合にも使用することができる。毛髪が生乾きである場合にも使用することができる場合、塗布のタイミングを特に選ばない点で、利便性があると考えられる。
【0058】
本発明の毛髪用水中油型組成物の剤型は、特に限定されず、液状、クリーム状、ペースト状、泡状、霧状等が挙げられる。これらの中でも、経時安定性、塗布時の滑らかさの点から、クリーム状、ペースト状であることが好ましい。
【実施例】
【0059】
以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【0060】
実施例1~17、比較例1~8:アウトバス用ヘアトリートメント
表1~3に示すアウトバス用ヘアトリートメントを下記製造方法により調製し、(イ)塗布時の滑らかさ、(ロ)仕上がりの指通り、(ハ)べたつきのなさ、(ニ)濡れ髪へのなじみの良さ、(ホ)経時安定性の各項目について、以下に示す評価方法及び判定基準により評価判定し、結果を併せて表1~3に示した。
【0061】
(製造方法)
A.成分(15)を室温にて、成分(12)~(14)に分散させた後、成分(2)~(11)を加え、80℃まで加温し、均一に混合する。
B.成分(1)、(17)を75℃まで加温し、均一に溶解させる。
C.Bを攪拌しながら徐々にAを加えて75℃で乳化し、室温まで冷却した後、成分(16)を添加して撹拌し、アウトバス用ヘアトリートメントを得た。
【0062】
【0063】
【0064】
【表3】
(注1)レシノール S-10、日光ケミカルズ社製
【0065】
(評価方法)
<評価項目(イ)~(ニ):官能評価>
20代~40代の女性で官能評価の訓練を受け、一定の基準で評価が可能な専門パネルを10名選定した。パネル10名に、実施例1~17、比較例1~8のアウトバス用ヘアトリートメントを使用してもらい、評価項目、(イ)塗布時の滑らかさ、(ロ)仕上がりの指通り、(ハ)べたつきのなさ、(ニ)濡れ髪へのなじみの良さ、についてそれぞれの評価基準を用いて評価し、全パネルの平均点から判定を行った。
【0066】
(評価項目(イ)塗布時の滑らかさ)
パネル10名に、毛髪を洗浄後、タオルで水分を取り、ドライヤー(パナソニック社製、製品名:パナソニック ヘアドライヤー ナノケア)における温風乾燥を5分行い、ドライヤーの温風で乾燥させた後に、実施例1~17、比較例1~8のアウトバス用ヘアトリートメントを使用する際に感じた塗布時の滑らかさを以下の評価基準によって評価した。
[評価基準]:[評点]
非常に滑らかさを感じる :5点
滑らかさを感じる :4点
やや滑らかさを感じる :3点
やや滑らかさを感じにくい:2点
滑らかさを感じない :1点
(判定基準)
上記評価基準にて、評価した評点の平均値から、以下の4段階判定基準に基づいて判定した。
[判定]:[評点の平均点]
◎:4.0以上
○:3.0以上4.0未満
△:2.0以上3.0未満
×:2.0未満
【0067】
(評価項目(ロ)仕上がりの指通り)
パネル10名に、毛髪を洗浄後、タオルで水分を取り、ドライヤー(パナソニック社製、製品名:パナソニック ヘアドライヤー ナノケア)における温風乾燥を5分行い、ドライヤーの温風で乾燥させた後に、実施例1~17、比較例1~8のアウトバス用ヘアトリートメントを使用する際に感じた仕上がりの指通りを以下の評価基準によって評価した。
[評価基準]:[評点]
仕上がりの指通りの良さを非常に感じる :5点
仕上がりの指通りの良さを感じる :4点
仕上がりの指通りの良さをやや感じる :3点
仕上がりの指通りの良さをやや感じにくい :2点
仕上がりの指通りの良さを感じない :1点
(判定基準)
上記評価基準にて、評価した評点の平均値から、以下の4段階判定基準に基づいて判定した。
[判定]:[評点の平均点]
◎:4.0以上
○:3.0以上4.0未満
△:2.0以上3.0未満
×:2.0未満
【0068】
(評価項目(ハ)べたつきのなさ)
パネル10名に、毛髪を洗浄後、タオルで水分を取り、ドライヤー(パナソニック社製、製品名:パナソニック ヘアドライヤー ナノケア)における温風乾燥を5分行い、ドライヤーの温風で乾燥させた後に、実施例1~17、比較例1~8のアウトバス用ヘアトリートメントを使用する際に感じたべたつきのなさを以下の評価基準によって評価した。
[評価基準]:[評点]
塗布時にべたつきを全く感じない :5点
塗布時にべたつきをほとんど感じない :4点
塗布時にべたつきをやや感じる :3点
塗布時にべたつきを感じる :2点
塗布時に非常にべたつきを感じる :1点
(判定基準)
上記評価基準にて、評価した評点の平均値から、以下の4段階判定基準に基づいて判定した。
[判定]:[評点の平均点]
◎:4.0以上
○:3.0以上4.0未満
△:2.0以上3.0未満
×:2.0未満
【0069】
(評価項目(ニ)濡れ髪へのなじみの良さ)
パネル10名に、毛髪を洗浄後、タオルで水分を取り、ドライヤー(パナソニック社製、製品名:パナソニック ヘアドライヤー ナノケア)における温風乾燥を3分行い、ドライヤーにおける温風乾燥が不十分で、生乾きであると感じる状態において、実施例1~17、比較例1~8のアウトバス用ヘアトリートメントを使用する際に感じた濡れ髪へのなじみの良さを以下の評価基準によって評価した。
[評価基準]:[評点]
水っぽさを感じなく、毛先が非常にまとまる :6点
水っぽさをわずかに感じるが、毛先はややまとまる :5点
水っぽさを感じるが、毛先はややまとまる :4点
水っぽさを感じ、毛先がややまとらない :3点
非常に水っぽさを感じ、毛先がまとまらない :2点
非常に水っぽさを感じ、毛先が非常にまとまらない :1点
(判定基準)
上記評価基準にて、評価した評点の平均値から、以下の5段階判定基準に基づいて判定した。
[判定]:[評点の平均点]
◎◎:5.0以上
◎:4.0以上5.0未満
○:3.0以上4.0未満
△:2.0以上3.0未満
×:2.0未満
【0070】
<評価項目(ホ):経時安定性評価>
実施例1~17、比較例1~8のアウトバス用ヘアトリートメントに対し、50℃恒温下での2週間保管した後、室温環境下に戻し、目視測定にて製造後翌日の状態と比較して、以下に示す3段階判定基準に基づいて判定した。
(判定基準)
[判定]:[状態]
◎:キメが良く、油層分離が認められない
○:キメは悪いが、油層分離が認められない
×:油層分離が認められる
【0071】
表1~表3の結果から明らかなように、実施例1~17のヘアコンディショナーは、いずれも「塗布時の滑らかさ」、「仕上がりの指通り」、「べたつきのなさ」、「濡れ髪へのなじみの良さ」、「経時安定性」において優れた効果を示すものであることが実証された。
これに対して、成分(A)を含有せずに、代わりにジココイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェートを含有した比較例1は、経時安定性に優れなかった。
成分(B)を含有せずに、代わりに2-エチルヘキサン酸セチルを配合した比較例2においては、仕上がりの指通り、経時安定性に優れなかった。
成分(C)を含有せずに代わりに流動イソパラフィンを含有した比較例3においては、仕上がりの指通り、べたつきのなさに優れなかった。
成分(D)を含有せずに、代わりにオレイルアルコールを含有した比較例4においては、経時安定性に優れなかった。
成分(E)を含有せずに、代わりにエチレングリコールを含有した比較例5においては、濡れ髪へのなじみの良さに優れなかった。
含有質量割合(E)/(F)が、20未満である比較例6においては、濡れ髪へのなじみの良さに優れなかった。
成分(F)の含有量が0.1%未満であり、含有質量割合(E)/(F)が、250を超える比較例7においては、塗布時の滑らかさ、濡れ髪へのなじみの良さに優れなかった。
成分(F)の含有量が1.0%を超える比較例8においては、濡れ髪へのなじみの良さに優れなかった。
【0072】
実施例:18(インバス用ヘアトリートメント)
(組成) (%)
(1)ジメチルポリシロキサン
(25℃において6mPa・s) 3
(2)パルミチン酸エチルヘキシル 1
(3)乳酸ミリスチル 1
(4)コハク酸ジエチルヘキシル 1
(5)イソステアリン酸 1
(6)ミネラルオイル 1
(7)スクワラン 3
(8)ジメチルポリシロキサン
(25℃において100,000mPa・s) 1
(9)ジメチルポリシロキサン
(25℃において1000,000mPa・s) 1
(10)セトステアリルアルコール 0.5
(11)ベへニルアルコール 0.5
(12)水添レシチン(注2) 0.3
(13)精製水 残量
(14)ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド 0.8
(15)塩化ラウリルトリメチルアンモニウム(注3) 0.2
(16)1,3-ブチレングリコール 6
(17)トリプロピレングリコール 5
(18)エタノール 2
(注2)レシノール S-10EZ(日光ケミカルズ社製)
(注3)カチナールLTC-35A(東邦化学工業社製)
【0073】
A.成分(1)~(12)を70℃まで加温し、均一に分散する。
B.成分(13)~(17)を70℃まで加温し、均一に分散する。
C.Bを攪拌しながら徐々にAを加えて70℃で乳化し、室温まで冷却した後、成分(18)を加えて撹拌し、インバス用ヘアトリートメントを得た。
【0074】
以上のようにして得られた実施例18は、塗布時の滑らかさ、仕上がりの指通り、べたつきのなさ、濡れ髪へのなじみの良さ、経時安定性において優れているものであった。
【0075】
実施例:19(アウトバス用ヘアパック)
(組成) (%)
(1)ジメチルポリシロキサン
(25℃において20mPa・s) 1
(2)アスタキサンチン 0.001
(3)トコフェロール 0.01
(4)グリシン 0.1
(5)パラメトキシケイ皮酸2-エチルへキシル 1
(6)ミネラルオイル 1
(7)スクワラン 3
(8)ジメチルポリシロキサン
(25℃において10,000mPa・s) 1
(9)ジメチルポリシロキサン
(25℃において1,000,000mPa・s) 1
(10)セトステアリルアルコール 0.5
(11)ベへニルアルコール 0.5
(12)水添レシチン(注4) 0.1
(13)精製水 残量
(14)塩化セチルトリメチルアンモニウム(注5) 0.3
(15)ヒドロキシプロピルメチルセルロース(注6) 1
(16)1,3-ブチレングリコール 5
(17)グリセリン 10
(18)イソプロパノール 0.5
(注4)HSL-70(ワイエムシイ社製)
(注5)カチナールCTC-70ET(東邦化学工業社製)
(注6)メトローズ65SH-15000(信越化学社製)
【0076】
A.成分(1)~(12)を70℃まで加温し、均一に分散する。
B.成分(13)~(17)を70℃まで加温し、均一に分散する。
C.Bを攪拌しながら徐々にAを加えて70℃で乳化し、室温まで冷却した後、成分(18)を加えて撹拌し、インバス用ヘアトリートメントを得た。
【0077】
以上のようにして得られた実施例19は、塗布時の滑らかさ、仕上がりの指通り、べたつきのなさ、濡れ髪へのなじみの良さ、経時安定性において優れているものであった。