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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-04
(45)【発行日】2023-08-15
(54)【発明の名称】ゲーム装置、ゲームプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/80 20140101AFI20230807BHJP
   A63F 13/814 20140101ALI20230807BHJP
   A63F 13/44 20140101ALI20230807BHJP
   A63F 13/5375 20140101ALI20230807BHJP
【FI】
A63F13/80 E
A63F13/814
A63F13/44
A63F13/5375
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019053557
(22)【出願日】2019-03-20
(65)【公開番号】P2020151251
(43)【公開日】2020-09-24
【審査請求日】2022-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】310009993
【氏名又は名称】株式会社タイトー
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】澤田 智之
(72)【発明者】
【氏名】米陀 大気
【審査官】柳 重幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-189073(JP,A)
【文献】プリパラ プリパズ「ゲームレビュー」,Appliv Games,2016年09月13日,https://games.app-liv.jp/archives/177634,[online], 2023年3月23日検索
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面に表示される複数のオブジェクトを組み合わせるパズルゲームを実行する第1ゲーム処理手段と、
前記パズルゲームの実行に合わせて音楽データに応じて音楽を出力する音楽出力手段と、
複数の前記オブジェクトの組合せが予め設定された第1条件を満たす場合に、前記音楽を出力させたままで、前記音楽のリズムに合わせて操作タイミングを示す画像を前記表示画面に表示させる音楽ゲームを実行する第2ゲーム処理手段とを有するゲーム装置。
【請求項2】
前記第2ゲーム処理手段は、前記第1条件を満たす複数の前記オブジェクトを、前記音楽のリズムに合わせて変化させ、前記音楽ゲームを実行する請求項1記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記第2ゲーム処理手段は、前記第1条件を満たす複数の前記オブジェクトを、操作タイミングを示す画像に変化させる請求項2記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記音楽データと対応づけて、前記音楽データが示す前記音楽のリズムに合わせた操作タイミングを示すアクションデータが記憶され、
前記第2ゲーム処理手段は、前記オブジェクトの組合せが予め設定された前記第1条件を満たしたタイミング以降に出力される前記音楽のリズムに合わせた操作タイミングを示すアクションデータをもとに、前記操作タイミングを示す画像を表示させる請求項1~請求項3の何れかに記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記音楽データと対応づけた前記アクションデータには、前記音楽に対する第1リズムと対応する第1アクションデータと、前記第1リズムより速い第2リズムと対応する第2アクションデータを含み、
前記第2ゲーム処理手段は、前記第2アクションデータが対応づけられた範囲の音楽が前記音楽データに応じて出力される直前の範囲の音楽と共に特定の音を出力させる請求項4に記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記第1ゲーム処理手段は、前記パズルゲームにおいて予め設定された第2条件を満たす状態となった場合に、前記第2条件を満たす状態となる前より前記第1条件を満たし易くする複数のオブジェクトを表示画面に表示させる請求項1~請求項5の何れか記載のゲーム装置。
【請求項7】
コンピュータを、
表示画面に表示される複数のオブジェクトを組み合わせるパズルゲームを実行する第1ゲーム処理手段と、
前記パズルゲームの実行に合わせて音楽を出力する音楽出力手段と、
前記オブジェクトの組合せが予め設定された条件を満たす場合に、前記音楽を出力させたままで、前記音楽のリズムに合わせて操作タイミングを示す画像を前記表示画面に表示させる音楽ゲームを実行する第2ゲーム処理手段として機能させるためのゲームプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置、ゲームプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、ビデオゲームを実行するゲーム装置、あるいはビデオゲームを実行するためのゲームプログラムでは、ゲーム実行中にBGM(バックグランドミュージック)を出力させる。BGMは、ゲームの実行状況に関係なく出力されるだけでなく、ゲームのための操作タイミングを容易に把握できるようにするために出力される。例えば、複数のオブジェクトを入力操作によって組み合わせるパズルゲームでは、ゲームの実行状況に関係なく、入力操作がされる間において、継続してBGMが出力される。また、音楽ゲームやシューティングゲームでは、BGMに合わせて、入力操作の種類と適正な操作タイミングを示すマークなどを表示する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-205684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来では、パズルゲームと音楽ゲームはそれぞれ異なるゲームであり、個別に実行されるのみであった。
【0005】
本発明は前述した事情に考慮してなされたもので、その目的は、パズルゲームと音楽ゲームを組み合わせた、より興趣を向上させたゲームを実行することが可能なゲーム装置、ゲームプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明のゲーム装置は、表示画面に表示される複数のオブジェクトを組み合わせるパズルゲームを実行する第1ゲーム処理手段と、前記パズルゲームの実行に合わせて音楽データに応じて音楽を出力する音楽出力手段と、複数の前記オブジェクトの組合せが予め設定された条件を満たす場合に、前記音楽を出力させたままで、前記音楽のリズムに合わせて操作タイミングを示す画像を前記表示画面に表示させる音楽ゲームを実行する第2ゲーム処理手段とを有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、パズルゲームと音楽ゲームを組み合わせた、より興趣を向上させたゲームを実行することが可能なゲーム装置、ゲームプログラムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態におけるゲームシステムの概略構成を示す図。
図2】本実施形態におけるゲーム装置の外観構成の一例を示す図。
図3】本実施形態におけるゲーム装置の構成を示すブロック図。
図4】本実施形態におけるゲーム装置により実行されるゲーム処理を示すフローチャート。
図5】本実施形態におけるゲーム装置により実行されるゲーム処理を示すフローチャート。
図6】ゲーム処理中のリズムパート処理を示すフローチャート。
図7】本実施形態におけるディスプレイ27に表示されるパズルゲーム用のゲーム画面の一例を示す図。
図8】本実施形態におけるゲームフィールドに配置された複数の玉オブジェクトと手玉の打ち出しの例を示す図。
図9】連鎖された玉が消去される例を示す図。
図10】手玉が打ち出される前のゲームフィールドに配置された玉オブジェクトの配列の一例を示す図。
図11図10に示す玉オブジェクトに対して手玉が打ち出されたことで連鎖オブジェクトが発生した場合の表示例を示す図。
図12】本実施形態における消去玉、音楽データ、操作タイミングとの対応を説明するための図。
図13】本実施形態における操作タイミングのリズムイメージを示す図。
図14】本実施形態におけるタイミングリングの表示例を示す図。
図15】本実施形態における音楽ゲームにおける一連の表示例を示す図。
図16】本実施形態における掛け声表示の画像の一例を示す図。
図17】本実施形態における操作回数を示す数字の表示例を示す図。
図18】本実施形態における掛け声表示の画像の一例を示す図。
図19】本実施形態における掛け声表示の画像の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0010】
図1は、本実施形態におけるゲームシステムの概略構成を示す図である。図1に示すように、本実施形態におけるゲームシステムは、サーバ5、ネットワーク8、複数のゲーム装置10(10-1,10-2,…,10-n)が含まれている。
【0011】
サーバ5は、ネットワーク8を介して接続されたゲーム装置10に対してゲームサービスを提供する。サーバ5は、ゲーム装置10からの要求に応じてゲームプログラムを提供し、ゲームサービスを利用するプレーヤに関する情報や、各プレーヤが実行するゲームを制御するためのデータの管理等をする。サーバ5は、ゲーム装置10がゲームプログラムをもとにゲーム処理を実行する間に、必要に応じてゲーム装置10との通信を行う。
【0012】
ネットワーク8は、インターネット、公衆回線網(有線、無線)などの各種通信手段を含む。
【0013】
図2は、本実施形態におけるゲーム装置10の外観構成の一例を示す図である。図1に示すゲーム装置10は、例えばスマートフォンにより実現されている。なお、ゲーム装置10は、スマートフォンに限るものではなく、ユーザによって操作される入力デバイスとしてタッチスクリーン12が設けられた他の電子機器、例えばスレートPC、携帯電話機、携帯型ゲーム機などによって実現することが可能である。
【0014】
図2に示すように、ゲーム装置10の上面部にはタッチスクリーン12が設けられており、入力面に対するユーザのタッチ操作に応じて、タッチ位置に応じたデータを入力することができる。本実施形態におけるゲーム装置10は、ゲームプログラムを実行することにより、タッチスクリーン12から入力されるデータに応じて制御されるゲームを実行することができる。
【0015】
また、ゲーム装置10は、タッチスクリーン12による操作だけでなく、近距離無線通信(例えばBluetooth(登録商標)など)によって接続された外部のコントローラ14-1,14-2により操作できるようにしても良い。コントローラ14-1,14-2は、ユーザによって操作される入力デバイスとして、例えばタッチスクリーン、ボタン、スイッチ、ジョイスティック、キーなどが設けられていても良い。ゲーム装置10は、例えば2台のコントローラ14-1,14-2からユーザ操作に応じたデータを受信することで、2人のユーザが同時にゲームを実行する対戦ゲームなどを実施できるようにする。なお、図2では、2台のコントローラ14-1,14-2を示しているが3台以上のコントローラ14を同時に使用できるようにしても良い。
【0016】
また、図2では、1台のゲーム装置10において、2台のコントローラ14-1,14-2を用いて対戦ゲームを実行する形態を示しているが、2台のゲーム装置10が相互に近距離無線通信をすることで対戦ゲームを実行するようにしても良い。この場合、1台のゲーム装置10は、1台のコントローラ14-1を1人のプレーヤが操作してゲームを実行し、自プレーヤ用のゲームエリアと対戦相手用のゲームエリアとが設けられた対戦ゲーム用のインゲーム画面を表示する。2台のゲーム装置10は、相互にゲーム状況を示すデータ(コントローラ14による操作データなど)を送受信し、自プレーヤ用のゲームエリアにはコントローラ14の操作に応じて制御されるゲーム状況を表示し、他プレーヤ用のゲームエリアには他のゲーム装置10から受信したゲーム状況を示すデータに応じた他プレーヤによるゲーム状況を表示する。
【0017】
図3は、本実施形態におけるゲーム装置10の構成を示すブロック図である。図3に示すように、ゲーム装置10は、CPU20、記録部21(ゲームプログラム22)、表示制御部23、入力制御部24、音声制御部25、通信制御部26、ディスプレイ27、タッチパネル28、スピーカ29、マイク30、及び通信インタフェース31を有している。
【0018】
CPU20は、ゲーム装置10全体の制御を司るもので、記録部21に記録された基本プログラムや各種アプリケーションプログラム(ゲームプログラム22を含む)を実行することで各部を制御する。CPU20は、記録部21に記録されたゲームプログラム22を実行することで、タッチスクリーン12に対するタッチ操作により入力されたデータ、あるいはコントローラ14-1,14-2から入力されたデータに応じてゲーム処理を制御する。
【0019】
本実施形態におけるゲーム装置10は、サーバ5からダウンロードしたプログラム22をもとに、例えばパズルゲームを実行する。パズルゲームは、表示画面に表示される複数のオブジェクトを組み合わせるゲームである。ゲーム装置10は、パズルゲームの実行において、予め設定された条件が成立した場合に、パズルゲームで使用されるオブジェクトを利用した音楽ゲーム(リズムゲーム)に移行し、音楽ゲームが終了した後に、パズルゲームを再開する。ゲーム装置10は、パズルゲームの実行に合わせて音楽を出力させ、予め設定された条件が成立した場合に、パズルゲーム中の音楽を継続して出力させたままでパズルゲームの実行を停止し、音楽のリズムに合わせた操作タイミングを示す画像を表示画面に表示させる音楽ゲームを実行する。ゲーム装置10は、音楽ゲームが終了した後、音楽を出力させたままでパズルゲームを再開させる。
【0020】
CPU20は、ゲームを実現するため、ゲームプログラム22によって、ゲーム実行中に音楽データに応じて音楽(BGM)を出力させる音楽出力機能、ゲーム用画像をディスプレイ27に表示させる表示機能、プレーヤによるタッチスクリーン12(タッチパネル28)に対する入力操作に応じてパズルゲームを実行する第1ゲーム処理機能、パズルゲームにおいてゲーム状況が予め設定された条件を満たす場合に、タッチスクリーン12(タッチパネル28)に対する入力操作に応じた音楽ゲームを実行する第2ゲーム処理機能を実現する。パズルゲームは、例えば、複数種類のオブジェクトを連続的に密着させて積層させて、予め決められた数以上の同種のオブジェクトが連続して配置されている場合(以下、この状態を連鎖と称する)に消去させるゲームである(詳細については後述する)。音楽ゲームに移行する条件としては、消去されるオブジェクトの数(連鎖数)が、音楽ゲームへの移行の条件として予め設定された数以上である場合とする。音楽ゲームでは、消去される複数のオブジェクトを利用して、音楽のリズムに合わせた操作タイミングが表示される(図11参照)。
【0021】
記録部21は、基本プログラムやゲームプログラム22を含む各種アプリケーションプログラム、各種データが記録される。ゲームプログラム22には、ゲーム用画像を表示するためのパズルゲームの各種オブジェクトやキャラクタなどの画像、ゲームの実施状況に応じた演出用画像を表示するための画像(静止画、動画を含む)、各種アイコンやグラフ等の画像、ゲーム中に出力する音楽(BGM)や演出用の効果音、ゲーム制御用のデータなどの各種データが含まれる。本実施形態のゲーム装置10は、パズルゲームにおいて出力される音楽が音楽ゲームに移行する際に引き続いて出力され、この音楽の音楽データと対応づけて、音楽データが示す音楽のリズムに合わせた操作タイミングを示すアクションデータが設定される。アクションデータは、操作タイミングを示す画像を表示させるために用いられ、また入力操作に対する操作タイミングの判定に用いられる。また、ゲーム制御用のデータとして、例えばゲーム実行中に変化する、ゲーム残り時間、フィーバーゲージ値、雑音玉生成数、ノックダウン数、雑音玉ストック数などのデータが、CPU20により記録部21に対して記録される。ゲーム制御用のデータは、後述するゲーム画面SCの表示制御、ゲーム処理における各種の判定に用いられる。
【0022】
表示制御部23は、CPU20の制御のもとで、ディスプレイ27における表示を制御する。
【0023】
入力制御部24は、CPU20の制御のもとで、タッチパネル28に対するタッチ操作に応じたデータ入力を制御する。入力制御部24は、ユーザによるタッチパネル28へのタッチ操作に応じて、タッチ位置を示すデータを生成してCPU20に出力する。
【0024】
音声制御部25は、CPU20の制御のもとで、スピーカ29からの音声出力、及びマイク30からの音声入力を制御する。
【0025】
通信制御部26は、通信インタフェース31を通じてネットワーク8に接続し、他の電子機器との通信を制御する。
【0026】
ディスプレイ27は、その表示面にタッチパネル28が重ね合わされている。これにより、タッチスクリーン12が構成される。
【0027】
通信インタフェース31は、ネットワーク8を介して、サーバ5や他のゲーム装置10等との通信を行う。
【0028】
次に、本実施形態におけるゲーム装置10の動作について説明する。
【0029】
図4及び図5は、本実施形態におけるゲーム装置10により実行されるゲーム処理を示すフローチャートである。図6は、ゲーム処理中のリズムパート処理を示すフローチャートである。
【0030】
CPU20は、例えばタッチパネル28に対する操作によりゲーム処理の実行が指示されると、ゲームプログラム22に基づくゲーム処理を開始する。
【0031】
CPU20は、ディスプレイ27において、ゲームを実行するためのインゲーム画面(メインのゲーム画面)を表示させると共に、音楽データに応じてゲーム用の音楽(BGM)を音声制御部25によりスピーカ29から出力させる(ステップA1)。初期状態のインゲーム画面では、予め設定された最低限のライン分(例えば、3ライン分)の玉オブジェクトをゲームフィールドP11の上部に表示させる。ゲームフィールドP11には、複数種類の玉オブジェクトがランダムに配置される。
【0032】
図7は、本実施形態におけるディスプレイ27に表示されるパズルゲーム用のゲーム画面SCの一例を示す図である。図7に示すゲーム画面SCは、2人のプレーヤにより対戦ゲームを実施する場合のゲーム画面の例を示している。ゲーム画面SCの左側のゲームエリアP1は、ゲーム装置10を操作するプレーヤ(自プレーヤ)のゲーム状況を示すエリアであり、ゲーム画面SCの右側のゲームエリアP2は、対戦相手のプレーヤ(他プレーヤ)のゲーム状況を示すエリアである。ゲームエリアP2は、対戦相手とするプレーヤが使用するゲーム装置10から受信されるゲーム状況を示すデータをもとに、対戦相手とするプレーヤによるゲーム状況が表示される。
【0033】
本実施形態におけるゲーム装置10により実行されるパズルゲームは、ゲームフィールド(パズルエリア)の上部から順次追加される複数の玉オブジェクトに対し、下部から手玉を打ち出して同じ種類の玉を予め決められた数以上連鎖させる(隣接するように配置する)ことで連鎖された玉オブジェクトを消去して、玉オブジェクトがゲームフィールドの下部に配置されたダウンラインDLに到達しないようにするゲームである。玉オブジェクトがダウンラインDLに到達した場合には、ノックダウンとしてカウントされ、ゲームフィールドの玉オブジェクトがリセットされてゲームが再開される。
【0034】
図8は、本実施形態におけるゲームフィールドに配置された複数の玉オブジェクトと、手玉MBの打ち出しの例を示している。ゲームフィールドには、複数種類(例えば5種類)の玉オブジェクトがランダムに配置される。複数種類の玉オブジェクトは、例えば種類毎の異なる色によってゲームフィールド内で表示される。また、手玉MBは、ランダムに種類が決定され、打ち出しの方向をプレーヤの操作によって任意に指定することができる。
【0035】
図9(A)(B)は、連鎖された玉が消去される例を示している。図9(A)(B)では、玉を消去する条件として「3つ以上の連鎖」が設定されているものとする。ここで、図9(A)に示すように、手玉MBが打ち出されて、ゲームフィールドに配置された、手玉MBと同じ種類の玉オブジェクトに密着(隣接するように配置)されたものとする。この結果、図9(B)に示すように、手玉MBとゲームフィールドに配置された同じ種類の玉オブジェクトが3連鎖したことにより、3つの玉オブジェクトが消去される。
【0036】
ここで、図7に示すゲームエリアP1について説明する。ゲームエリアP1には、上部にゲームフィールドP11が設けられ、複数種類の玉オブジェクトがランダムに配置されて表示される。また、ゲームエリアP11には、下部に手玉エリアP12、方向ガイドP13、控え玉エリアP14、フィーバーゲージP15が設けられる。
【0037】
手玉表示エリアP12は、次に打ち出される手玉が表示される。方向ガイドP13は、手玉表示エリアP12に表示された手玉が打ち出される方向を示すもので、プレーヤによるジョイスティックなどの操作によって任意に変更することができる。控え玉エリアP14は、手玉表示エリアP12に表示された手玉が打ち出された後、次に手玉表示エリアP12に手玉として表示される玉オブジェクトが表示される。
【0038】
フィーバーゲージP15は、パズルゲームにおいて予め設定された条件を満たす状態となったことを判別するためのもので、例えば玉オブジェクトを連鎖させることにより消去した数に応じて加算されるゲージである。フィーバーゲージP15が最大値に到達した場合に、通常モードとは異なるフィーバーモードによるパズルゲーム移行される。フィーバーモードは、ゲームフィールドP11において同じ種類の玉オブジェクトによる長い連鎖を発生させやすくするゲームモードである。通常モードからフィーバーモードに移行する際に、それまでにゲームフィールドP11に配置された全ての玉オブジェクトを消去し(リセット)し、長い連鎖を発生させやすくしたパターンにより玉オブジェクトを再配置させる。フィーバーモード中では、長い連鎖を発生させ易くしたパターンが順次追加される。長い連鎖を多くすることで、後述する音楽ゲーム(リズムパート処理)に移行し易くすることができ、また長い音楽ゲームを実施させやすくすることができる。フィーバーモードは、予め設定された時間(フィーバー時間)が終了されるまで、あるいは玉オブジェクトがダウンラインDLに到達した(ノックダウン)時に終了される。
【0039】
また、ゲーム画面SCには、スキル表示エリアP16、雑音玉生成数エリアP17,P27、ノックダウン数エリアP18,P28、雑音玉ストック数エリアP19,P29が設けられる。
【0040】
スキル表示エリアP16は、例えばパズルゲームを実行する際にキャラクタを選択することで、キャラクタに応じたスキルの種類を示すスキルアイコンが表示されるエリアである。スキルは、プレーヤの操作に応じて使用され、スキルの種類に応じた効果がパズルゲームに適用される。スキルの効果としては、例えばゲームフィールドP11に表示された玉オブジェクトの消去などがある。
【0041】
雑音玉生成数エリアP17は、自プレーヤによるゲーム中の直近の1アクション(手玉を打ち出す操作、音楽ゲームにおける操作)により予め設定された条件を達成した場合に獲得した雑音玉オブジェクトの獲得数が表示される。雑音玉生成数エリアP27は、同様にして、対戦相手の他プレーヤにより獲得された雑音玉オブジェクトの獲得数が表示される。
【0042】
雑音玉オブジェクトは、対戦相手のゲームフィールドに配置され、玉オブジェクトの連鎖を阻害するために使用される。雑音玉オブジェクトを獲得する条件には、例えば、音楽ゲーム(リズムパート処理)において操作に成功した場合(操作回数が多いほど獲得数が増大する)、4連鎖以上による消去に成功した場合(連鎖数が多いほど獲得数が増大する)などがある。雑音玉オブジェクトは、他の獲得条件によって取得できるようにしても良い。
【0043】
ノックダウン数エリアP18,P28は、パズルゲームにおいて対戦相手がノックダウンした(玉オブジェクトがダウンラインDLに到達した)回数が表示される。対戦ゲームでは、例えば、ゲーム時間内(音楽の出力時間)において、ノックダウン数が少ない方が勝利と判定されるものとする。
【0044】
雑音玉ストック数エリアP19,P29は、対戦相手から送られてきた雑音玉の数が表示される。図7に示す例では、例えば3種類の大きさが異なる複数種類の玉により雑音玉ストック数の総数を表している。例えば、小玉は雑音玉1個、中玉は雑音玉5個、大玉は雑音玉25以上を表す。雑音玉は、雑音玉ストック数エリアP19,P29においてストック数が表示され、手玉を放出して一定時間経過した後、ゲームフィールドP11に放出されて、例えばランダムに表示済みの玉オブジェクトに密着するように配置される。なお、図7に示す雑音玉ストック数エリアP19,P29では、複数種類の玉の組合せにより雑音玉ストック数の総数を表しているが、正確な総数を表現しない場合には、単純に1種類の玉(例えば大玉)のみによって雑音玉ストック数の総数(概数)を表しても良い。
【0045】
また、ゲーム画面SCには、ゲームの進行状況をプレーヤに通知するための、ゲーム残り時間S10、進行メーターS11、現在地バーS12が表示される。ゲーム残り時間S10は、1ゲーム分のゲーム時間を初期値として、ゲーム開始からカウントダウン表示される。ゲーム時間は、ゲーム中に出力される音楽(BGM)の時間に相当する。図7では、ゲームの残り時間が「180秒」であることを示している。進行メーターS11は、ゲーム時間をグラフ化(例えば波形線)して示すもので、横方向が時間、縦方向が曲の盛り上がりを表している。波形が高い位置が例えば音楽のサビの部分に相当する。音楽のサビの部分には、音楽ゲームにおいて、入力操作の操作回数が比較的に多くなるように操作タイミングを示すデータが設定されている。音楽ゲームでは、正しいタイミングでより多くの操作をすることで、対戦で優位となる、あるいは高得点を得ることができる。このため、サビの部分で音楽ゲームへ移行するために進行メーターS11を参考にすることができる。進行メーターS11には、現在地バーS12が付加され、ゲーム開始時には左端に表示され、時間の経過に応じて音楽終了時(ゲーム終了時)に右端に到達するように右方向に表示位置が移動される。従って、プレーヤは、現在地バーS12の表示位置により、音楽が何れの再生位置(時間)となっているか、またサビの部分であるかなどを容易に把握することができる。
【0046】
本実施形態のゲーム装置10では、パズルゲームの実行中に、複数の玉オブジェクトの組合せが予め設定された条件を満たす場合に、BGMとして出力している音楽を中断することなく、出力させたままでパズルゲームの実行を停止し、音楽ゲームに移行する。音楽ゲームは、パズルゲームにおいて条件を満たした複数の玉オブジェクトの組合せを利用して、音楽のリズムに合わせた操作タイミングを示す画像を表示させて、プレーヤによる操作タイミング(アクション)を判定する。操作タイミングが正しいと判定される場合、例えば、対戦相手のパズルゲームにおいて妨害できる雑音玉オブジェクトが生成され、対戦を優位にすることができる。
【0047】
なお、図7では、ゲームエリアP2は、対戦相手とする他プレーヤが使用するゲーム装置10から受信されるゲーム状況を示すデータをもとに、対戦相手とするプレーヤによるゲーム状況が表示される。このため、他プレーヤが操作するための方向ガイド、控え玉エリアが表示されていない。1台のゲーム装置10において、2人のプレーヤがコントローラ14-1,14-2をそれぞれ操作して対戦ゲームを実行する場合には、ゲームエリアP2においても、ゲームエリアP1と同様にして、方向ガイド、控え玉エリアが表示され、コントローラ14-2に対するプレーヤの操作に応じた制御がされるものとする。
【0048】
また、本実施形態におけるゲーム装置10は、対戦ゲームだけでなく、1人のプレーヤが単独でパズルゲームを実行することも可能である。この場合、図7に示すゲームエリアP1に対応する範囲のみがディスプレイ27に表示され、対戦ゲームとは異なるクリア条件等が表示されるものとする。
【0049】
また、前述した説明では、コントローラ14の操作によってゲーム装置10において実行されるゲームを制御するとしているが、コントローラ14を使用しないで、タッチパネル28に対する操作によりゲームを制御することも可能である。例えば、ゲーム装置10は、図7に示すゲーム画面SCにおいて、方向ガイドP13の方向を指定する場合に、ゲームフィールドP11の何れかにタッチさせる。ゲーム装置10は、タッチ位置と手玉エリアP12の中心とを結ぶ直線を生成して、手玉が打ち出される方向を示し、タッチが離されたタイミングで手玉を打ち出す。なお、ゲーム装置10においてゲームを制御するための操作方法については、前述した方法に限るものではない。
【0050】
以下の説明では、コントローラ14の操作により対戦ゲームを実行する場合について説明する。
【0051】
ゲーム装置10は、インゲーム画面を表示させると(ステップA1)、コントローラ14のジョイスティック、メインボタン、サブボタン、ポーズボタン、サードボタンの何れかの操作による操作データの入力待ちとなる(ステップA2)。
【0052】
ここで、ジョイスティックが操作された場合(ステップA2、ジョイスティック)、CPU20は、コントローラ14から入力されるジョイスティックの操作データが示す操作方向と操作量に応じて、方向ガイドP13の向き(手玉の打ち出し方向)を変更する。
【0053】
また、サブボタンが操作された場合(ステップA2、サブボタン)、CPU20は、コントローラ14から入力されるサブボタンの操作データに応じて、手玉エリアP12に表示された手玉と、控え玉エリアP14に表示された玉オブジェクトとを交換する。
【0054】
また、ポーズボタンが操作された場合(ステップA2、ポーズボタン)、CPU20は、コントローラ14から入力されるポーズボタンの操作データに応じて、ゲームの進行を一時停止させ(ステップA5)、ポーズ画面をディスプレイ27に表示させる(ステップA6)。一時停止状態では、音楽の出力も停止され、ゲームの制限時間が進行しない。CPU20は、再度、ポーズボタンの操作データが入力されると(ステップA7)、ゲームを再開して入力待ち状態となる。
【0055】
また、サードボタンが操作された場合(ステップA2、サードボタン)、CPU20は、コントローラ14から入力されるサードボタンの操作データに応じて、スキル表示エリアP16に表示されたスキルアイコンに応じたスキルを使用し(ステップA8)、スキル表示エリアP16に表示されたスキルアイコンが示すスキルを、ゲームフィールドP11に表示された玉オブジェクトに対して適用する(ステップA9)。スキルの効果によりゲームフィールドP11に表示された玉オブジェクトが消去された場合(ステップA10、Yes)、CPU20は、フィーバーゲージP15を増加させる(ステップA11)。ここで、フィーバーゲージP15が最大値に到達した場合には(ステップA12、Yes)、CPU20は、フィーバーモードに移行する(ステップA13)。フィーバーゲージP15が最大値に到達していない場合には(ステップA12、No)、CPU20は、入力待ちの状態に戻り、通常モードのパズルゲームを実行する。
【0056】
入力待ち状態において、メインボタンが操作された場合(ステップA2、メインボタン)、CPU20は、コントローラ14から入力されるメインボタンの操作データに応じて、手玉エリアP12に表示された手玉(玉オブジェクト)を、方向ガイドP13が示す方向に打ち出す画像を表示させる(ステップA21)。CPU20は、手玉エリアP12から打ち出された手玉(玉オブジェクト)がゲームフィールドP11に配置された玉オブジェクトに到達すると、到達した位置に配置された玉オブジェクトと手玉とを密着させて表示する(ステップA22)。
【0057】
CPU20は、手玉が密着されることで連鎖した同じ種類の玉オブジェクトの数について、予め設定された何れの条件を満たすかに応じた処理を実行する。CPU20は、例えば同じ種類の玉オブジェクトの連鎖数が3連鎖未満である場合には(ステップA23、No)、ゲームフィールドP11に表示された玉オブジェクトを消去せず、手玉を追加した状態でゲームを継続する。
【0058】
また、CPU20は、例えば連鎖数が4連鎖以上である場合(ステップA23,A24、Yes)、連鎖評価に応じた数の雑音玉を生成する。連鎖評価では、例えば、連鎖数が多いほど雑音玉の獲得(生成)数が増大するように決定されるものとする。
【0059】
また、CPU20は、連鎖数が3連鎖以上であり、かつ5連鎖以上でない場合(ステップA26、No)、連鎖した玉オブジェクトをゲームフィールドP11から消去し(ステップA31)、連鎖した玉オブジェクトを消去した状態でゲームを継続する。5連鎖以上の場合にはリズムパート処理(音楽ゲーム)を実行する場合があるが、リズムパート処理の詳細については後述する。
【0060】
CPU20は、フィーバーモード中でなければ(ステップA32、No)、消去した玉オブジェクトの数に応じてフィーバーゲージP15を増加させる(ステップA33)。この結果、フィーバーゲージP15が最大値に到達した場合には(ステップA34、Yes)、CPU20は、フィーバーモードに移行する(ステップA35)。また、CPU20は、対戦相手によるパズルゲームにおいて雑音玉オブジェクトが生成されているかを判別する。すなわち、雑音玉ストック数エリアP19に対戦相手から送られてきた雑音玉の数(雑音玉ストック数)が表示されているかを判別する。
【0061】
雑音玉がある場合(ステップA36、Yes)、CPU20は、連鎖した玉オブジェクトを消去することにより生成した雑音玉と、対戦相手から送られてきた雑音玉との相殺を行う(ステップA37)。
【0062】
この結果、対戦相手に送る雑音玉がある場合(ステップA40、Yes)、CPU20は、対戦相手に雑音玉を送る(ステップA41)。すなわち、CPU20は、対戦相手から送られてきた雑音玉の数より連鎖した玉オブジェクトを消去することにより生成した雑音玉の数が多い場合には、対戦相手に送る雑音玉があると判別し、対戦相手の他プレーヤの雑音玉ストック数に加算して記録部21に記憶させる。
【0063】
一方、相殺した結果、雑音玉が残っている場合(ステップA42、Yes)、CPU20は、フィーバーモード中でなければ(ステップA44、No)、雑音玉をゲームフィールドP11に放出する(ステップA45)。すなわち、対戦相手から送られてきた雑音玉の数が、連鎖した玉オブジェクトを消去することにより生成した雑音玉の数より多い場合には、雑音玉が残っていると判別し、対戦相手から送られた雑音玉をゲームフィールドP11に放出する。雑音玉を放出した後、CPU20は、雑音玉ストック数から放出分を減算して記録部21に記憶させる。なお、フィーバーモード中には(ステップA44、Yes)、雑音玉の放出はしないものとする。
【0064】
ここで、玉オブジェクトの追加条件を満たす場合、CPU20は、先にゲームフィールドP11に表示された各玉オブジェクトを下方向に1行分移動させ、ゲームフィールドP11の最上部に玉オブジェクトを1行分追加する(ステップA52)。玉オブジェクトの追加条件は、例えば、発射した手玉の累積数が5の倍数の場合とする。発射した手玉の累積数が5の倍数ではない場合(ステップA51、No)、玉オブジェクトの追加はしない。
【0065】
また、CPU20は、ゲームフィールドP11に玉オブジェクトが表示された行数が予め設定された最低表示行を下回っている場合(ステップA53。Yes)、前述と同様にして、1行分の玉オブジェクトをゲームフィールドP11に追加する(ステップA54)。例えば、最低表示行を3行とする。従って、ゲームフィールドP11に表示された玉オブジェクトが2行以下となった場合には、玉オブジェクトの追加条件とは関係なく玉オブジェクトを補充する。
【0066】
ここで、CPU20は、玉オブジェクトの追加条件に基づいて、玉オブジェクトを1行分追加した結果、玉オブジェクトがダウンラインDLに到達したか判別する。玉オブジェクトがダウンラインDLに到達したと判別される場合(ステップA55、Yes)、CPU20は、フィーバーモード中である場合(ステップA56、Yes)、フィーバーモードを終了させて、通常モードのパズルゲームに戻る(ステップA57)。一方、CPU20は、フィーバーモード中でない場合(ステップA56、No)、ノックダウン数をカウントアップする(ステップA59)。また、CPU20は、雑音玉の残りを「0」にして(ステップA60)、入力待ち状態に戻り(ステップA2)、通常モードのパズルゲームを実行する。
【0067】
一方、玉オブジェクトを1行分追加した結果、玉オブジェクトがダウンラインDLに到達しないと判別される場合(ステップA55、No)、CPU20は、フィーバーモード中であれば(ステップA61、Yes)、フィーバー時間が残っている間、フィーバーモードを継続し(ステップA63、Yes)、入力待ちの状態に戻ってパズルゲームを実行する。フィーバー時間が残っていない場合には(ステップA63、No)、CPU20は、フィーバーモードを終了させて(ステップA64)、入力待ちの状態に戻り、通常モードのパズルゲームに戻る。また、フィーバーモード中でなければ(ステップA61、No)、CPU20は、入力待ち状態に戻り(ステップA2)、通常モードのパズルゲームを実行する。
【0068】
なお、フィーバーモード中では、通常モードのパズルゲーム実行時よりも、長い連鎖を発生させやすくしたパターンによる玉オブジェクトをゲームフィールドP11に配置させる。すなわち、同じ種類のオブジェクトが、通常ゲーム時より多く連鎖した状態のパターンを配置させる。リズムパート処理(音楽ゲーム)は、手玉を打ち出して、予め設定された連鎖数以上(例えば5連鎖)となった場合に移行する。従って、フィーバーモードでは、通常モードのパズルゲーム時より容易に音楽ゲームに移行させることができる。また、音楽ゲームでは、連鎖によって消去される複数のオブジェクト(消去玉)を利用して実行されるので、長い連鎖を発生させて音楽ゲームに移行することで、長い音楽ゲームを実施させることができる。すなわち、長い音楽ゲームを実行することで、正しいタイミングで多くの操作をする機会が増えるので、対戦で優位となる、あるいは高得点を得ることができる。
【0069】
次に、パズルゲームから移行される音楽ゲームについて説明する。
【0070】
CPU20は、手玉の打ち出しによって5連鎖以上が発生した場合には(ステップA26、Yes)、5連鎖以上の消去対象とする玉オブジェクト(消去玉)をもとに、音楽ゲームを実施するためのリズムパート処理に移行するか判別する。
【0071】
例えば、CPU20は、連鎖している消去玉の玉数を判別し、全ての消去玉をリズムに合わせて消去する間の音楽データと対応づけてアクションデータが設定されているかを判別する。すなわち、音楽ゲームに移行した場合に、全ての消去玉を音楽のリズムに合わせて消去する間に、何れかの玉オブジェクトを消去するタイミングに合わせて操作することを示すアクションデータが設定されているかを判別する。前述したように、例えば音楽のサビの範囲には、音楽ゲームにおいて、入力操作の操作回数が比較的に多くなるようにアクションデータが設定されているが、盛り上がりのない範囲では、アクションデータが設定されていない可能性がある。特に、連鎖数が少ない場合(最低限の5連鎖の場合)には、音楽ゲームが実施される音楽の範囲によっては、アクションデータが設定されていない可能性がある。
【0072】
CPU20は、消去玉に対応するアクションデータが設定されていない場合には(ステップA27、No)、5連鎖以上が発生したとしてもリズムパート処理(音楽ゲーム)に移行しない。CPU20は、連鎖した玉オブジェクトをゲームフィールドP11から消去し(ステップA31)、連鎖した玉オブジェクトを消去した状態でゲームを継続する。
【0073】
一方、CPU20は、5連鎖以上の消去対象とする玉オブジェクト(消去玉)をもとにリズムパート処理に移行すると判別した場合(ステップA27,Yes)、すなわち消去玉の何れかに対応するアクションデータが設定されている場合には、リズムパート処理(音楽ゲーム)を開始する(ステップA28)。
【0074】
なお、前述した説明では、5連鎖以上が発生した場合に、消去玉に対応するアクションデータが設定されているか否かに基づいてリズムパート処理に移行するか判別しているが、その他の条件に基づいて判別するようにしても良い。
【0075】
例えば、ハンディキャップとして、通常では5連鎖以上が発生した場合にリズムパート処理に移行するが、ランダムあるいは予め設定された条件に従って、より多くの連鎖が発生しなければ(例えば9連鎖)リズムパート処理に移行しないようにする。また、リズムパート処理に移行するための連鎖数を予め設定された範囲内(例えば5~9連鎖の範囲)で変化させるようにしても良い。
【0076】
特に、対戦ゲームを実行している場合には、プレーヤのゲーム履歴などを記録できる場合には、ゲーム履歴に基づいて、プレーヤ毎にリズムパート処理に移行する条件を設定しても良い。さらに、パズルゲームの状況に応じて、リズムパート処理に移行する条件を変更させるようにしても良い。例えば、ゲーム序盤より終盤の方でリズムパート処理を発生させやすくする、対戦ゲームにおいて不利なプレーヤの方でリズムパート処理を発生させやすくするなどの制御をすることも可能である。
【0077】
図6には、リズムパート処理のフローチャートを示している。
【0078】
まず、リズムパート処理を開始すると、CPU20は、5連鎖以上の消去対象とする玉オブジェクト(消去玉)以外のゲームフィールドP11に表示された玉オブジェクトを隠す表示をする(ステップB1)。すなわち、音楽ゲームでは、パズルゲームにおいて音楽ゲームへの切り替えを発生させた、5連鎖以上の消去対象とする玉オブジェクト(消去玉)を用いた音楽ゲーム用の画面に切り替える。以下、音楽ゲームで用いられる複数の消去玉を連鎖オブジェクトと称する場合がある。消去対象とする玉オブジェクト(連鎖オブジェクト)の表示位置は、パズルゲーム時のままとする(図11参照)。
【0079】
音楽ゲームに使用する消去玉以外の玉オブジェクトを隠すことで、プレーヤに対してパズルゲームから音楽ゲームに移行したことを認識させると共に、音楽ゲームに使用する玉オブジェクトを明確に把握できるようにして入力操作を容易にさせることができる。
【0080】
CPU20は、パズルゲームの実行時に出力させていた音楽を出力させたままで、パズルゲームを停止し、音楽ゲームに移行する。音楽ゲームでは、パズルゲームから継続して出力されている音楽のリズムに合わせた操作タイミングを示す画像を表示させる。
【0081】
CPU20は、連鎖オブジェクトから操作タイミングを示すための特殊玉を、アクションデータが設定された音楽データをもとに設定し(ステップB2)、特殊玉を表すように表示形態を変更すると共に(ステップB3)、連鎖オブジェクトに含まれる消去玉の数を表す数字を連鎖オブジェクトの近傍に表示させる。また、CPU20は、特殊玉に対してタイミングリングを表示させる(ステップB5)。タイミングリングはランダムに配置された連鎖オブジェクト中の特殊玉の位置を分かり易くすると共に、操作タイミングを把握し易くするためのものである。
【0082】
図10は、手玉が打ち出される前のゲームフィールドP11に配置された玉オブジェクトの配列の一例を示している。図11は、図10に示す玉オブジェクトに対して手玉が打ち出されたことで連鎖オブジェクトが発生し、連鎖オブジェクトに対して特殊玉C1,C2,C3が設定され、それぞれの特殊玉C1,C2,C3にタイミングリングR1,R2,R3が表示された状態の一例を示している。図11に示すように、パズルゲームから音楽ゲームに移行したタイミングで、パズルゲームで用いられていた複数の玉オブジェクトが一括して音楽ゲーム用の連鎖オブジェクトに変換される。連鎖オブジェクトは、音楽ゲームにおいて、操作タイミングを表すオブジェクトとして、1つのオブジェクト毎に順番に変化していく。
【0083】
図12は、本実施形態における消去玉、音楽データ、操作タイミング(アクション発生)との対応を説明するための図である。図12に示す例では、音楽(BGM)の1小節を8分とする例を示している。すなわち、消去玉は、8分のリズムに合わせて、1つずつ消去されることを示している。図12(A)には、連鎖オブジェクトとして24個の玉オブジェクトを示している。図12(B)は、音楽データ(譜面)が示すリズム、例えば四分音符を1リズムとしたアクションデータが設定されたタイミングを示している。図12(B)では、リズム5,9,11,13,17,19,21,23,25,29…のタイミングに対して、操作タイミングを示すアクションデータが設定されていることを示す。
【0084】
図12(B)に示す、連鎖オブジェクトの先頭の玉オブジェクト1に対応する先頭のリズム1は、例えば手玉の打ち出しによって5連鎖以上の連鎖オブジェクトが生成されたタイミング、すなわちパズルゲームから音楽ゲームに移行されたタイミングから、継続して出力されている音楽の最初の小節の先頭のリズム(四分音符)に相当する。
【0085】
図12(B)では、音楽ゲームに移行されたタイミングと音楽の最初の小節の先頭のリズムとが一致する例を示しているが、音楽ゲームに移行されたタイミングが小節の途中の場合もあり得る。この場合、音楽ゲームに移行されたタイミングからの音楽データに設定されたアクションデータを利用して音楽ゲームを制御する。従って、5連鎖以上を発生させた時に出力されている音楽が何れの再生位置であるかに応じて、音楽ゲームが開始されてから操作タイミングまでのリズム数が異なる。
【0086】
しかし、図12(B)(C)に示すように、アクション発生(タイミングデータ)が、音楽データに対応づけて小節の2分あるいは4分のタイミング似合わせて設定され、また特殊玉に対してタイミングリングを表示させるため、プレーヤは、パズルゲームから音楽ゲームに移行された際に、スムーズに正しいタイミングでの操作を開始させることができる。
【0087】
音楽ゲームでは、例えば、音楽のサビの範囲にアクションデータを多く設定する。この場合、音楽のサビの部分が出力されているタイミングを狙って5連鎖以上を発生させることで、操作回数が多い音楽ゲームを実行させることができる。操作回数が多い音楽ゲームにおいて操作に成功することで、より多くの雑音玉を発生させて、対戦ゲームを優位にすることができる。
【0088】
図13は、本実施形態における操作タイミングのリズムイメージを示す図である。
【0089】
図13に示すように、本実施形態の音楽ゲームでは、基本的な操作タイミング(2分)と、基本的な操作タイミング(2分)より速い操作タイミング(4分)がある。2分の操作タイミングと4分の操作タイミングは混在して設定される。例えば、前述したように、音楽のサビの範囲では4分の操作タイミングが多く設定される。4分の操作タイミングは、例えば2回(2連)以上続けて発生させるものとする。なお、4分の操作タイミングは、3回(3連)以上の任意の回数で設定されるようにしても良い。また、音楽ゲームに移行されたタイミングからの消去玉の1~4番目に対応するリズムに対しては、音楽データにアクションデータが設定されていたとしても無効とする(リズムアクションを不要とする)。すなわち、音楽ゲームに移行されたタイミングの直後に入力操作を要求しても、プレーヤによる音楽ゲームのための操作の準備が間に合わない可能性があるので、音楽ゲームに移行されたタイミングの直後のアクションデータを無効とする。従って、例えば、図12(B)において、リズム1,3にアクションデータが設定されていたとしても、リズム1,3に対応するアクションを不要とし、リズムアクションが発生するのは、音楽ゲームに移行されたタイミングから最速で5番目の消去玉に対応する操作タイミングとなる。
【0090】
また、本実施形態における音楽ゲームでは、速い操作タイミング(4分)については、プレーヤが操作タイミングを把握することが困難であるため、操作タイミングを容易に把握できるように、4分の操作タイミングを示すアクションデータが対応づけられた範囲の音楽が出力される直前の範囲(消去玉4個分)の音楽と共に、速い操作タイミングが始まることを予告する特定の音(掛け声)を出力させる。
【0091】
例えば、本実施形態では、4分の操作タイミングが連続する回数をプレーヤに通知するための掛け声(音声)を出力するものとし、4分の操作タイミングが2回続く場合には(2連)、掛け声「ふたつ」の音を出力させる。同様にして、4分の操作タイミングが4回続く場合には(4連)、掛け声「よっつ」の音を出力させる。消去玉に対応する最初の操作タイミングが4分のタイミングである場合には、音楽ゲームに移行されたタイミングの直後のアクションデータを無効とする先頭から消去玉4個分(1~4番目)の範囲で掛け声を出力する。
【0092】
また、掛け声を4分の操作タイミングが続く回数に応じて、例えば「ふたつ」「みっつ」「よっつ」…のように、事前に連続する4分の操作タイミングの回数を音により通知することでプレーヤにとって操作を容易にすることができる。
【0093】
さらに、後述するように、4分の操作タイミングの掛け声の出力と共に、連続回数を示す表示、例えば「2連」「3連」「4連」の文字を表示させる。これにより、速い4分の操作タイミングが何回続くかを把握できるので、よりプレーヤにとって操作を容易にすることができる。
【0094】
図12(B)では、リズム9,11,13により3連の4分のアクションデータが設定され、リズム17,19,21,23において、4連の4分のアクションデータが設定されている。このため、図12(C)に示すように、リズム9の直前の消去玉4個分(リズム5~8)の範囲と、リズム17の直前の消去玉4個分(リズム13~16)の範囲が掛け声タイミングとなる(図16にリズム9の直前の表示例を示す)。
【0095】
図12(B)に示す音楽データの場合、アクションデータが設定されたリズム5,9,11,13,17,19,21,23にそれぞれ対応する消去玉(5,9,11,13,17,19,21,23)を特殊玉として設定する。
【0096】
図14は、本実施形態におけるタイミングリングの表示例を示している。図14では、5番目と9番目が特殊玉として設定されている。CPU20は、特殊玉を中心として最初は大きな直径のタイミングリングを表示させ、矢印に示すように、時間経過に伴って縮小させて、特殊玉に対する操作タイミング時に、タイミングリングの直径が特殊玉と一致するように表示させる。従って、プレーヤは、大きなタイミングリングが特殊玉に向けて収縮して特殊玉と一致するタイミングで操作をすることで、正しいタイミングにより操作することが可能となる。なお、最初に操作が必要な特殊玉(図14では5番目の特殊玉)に対して、操作タイミングを把握するために注目すべきことを明示するために特殊な修飾表示(ターゲットマーク)を付加するようにしても良い。これにより、プレーヤがより正確にタイミングを取りやすくなる。
【0097】
CPU20は、連鎖オブジェクトの1番目の消去玉から、音楽のリズム(2分あるいは4分)に合わせて消去する(ステップB5)。また、CPU20は、4分の操作タイミングを通知するための掛け声を出力させる掛け声タイミングであるかを、消去対象とする消去玉が前述した掛け声タイミング(図12(C)参照)に相当する先頭の消去玉であるかに応じて判別する。
【0098】
掛け声タイミングでない場合には(ステップB7、No)、CPU20は、プレーヤにより入力操作がなければ(ステップB9、No)、特殊玉に付したタイミングリングを縮小させて表示しつつ、次の消去玉を消去させて音楽ゲームを進行させる(ステップB5~B7)。
【0099】
CPU20は、プレーヤによるコントローラ14のボタンに対する操作(あるいはタッチパネル28に対する操作)が検出されると(ステップB9、Yes)、入力操作のタイミングと、音楽データと対応づけられたアクションデータをもとにタイミング判定を実行する(ステップB10)。例えば、CPU20は、アクションデータが示す音楽の再生時刻前後の予め決められた範囲の時間内で入力操作がされている場合に、アクションデータが示すタイミングと一致する正しい操作タイミングであると判定する。
【0100】
CPU20は、操作タイミングとアクションデータが示すタイミングとが一致すると判定されない場合(ステップB11、No)、入力操作に対する特別な処理をせずに、前述と同様にして引き続き音楽ゲームを進行させる(ステップB5~B11)。
【0101】
一方、CPU20は、操作タイミングとアクションデータが示すタイミングとが一致すると判定された場合(ステップB11、Yes)、入力操作に成功したことを表す演出表示(及び効果音などの出力)をさせ(ステップB12)、また正しい入力操作に対する特別な処理として、ボムオブジェクトをゲームフィールドP11に配置させる(ステップB13)。ボムオブジェクトは、例えば手玉を当てることで周囲に配置された複数の玉オブジェクトを一括して消去できるもので、音楽ゲームが終了した後のパズルゲームを優位にすることができる。
【0102】
図15には、音楽ゲームにおける一連の表示例を示している。
【0103】
例えば、図15(A)に示す同じ種類の8個の玉オブジェクトが配置されたゲームフィールドP11に対して、図15(B)に示すように、同じ種類の手玉B1が打ち出されて密着されたものとする。この場合、図15(C)に示すように、例えば5番目の玉オブジェクトB5と9番目の玉オブジェクトB9が特殊玉C1,C2に設定され表示形態が変更される。また、特殊玉C1,C2のそれぞれにタイミングリングR1,R2が付されて、ゲームの進行に合わせて玉オブジェクトB1,B2が消去されるのに合わせて、図中の矢印に示すように縮小される。
【0104】
図15(E)に示すように、タイミングリングR1のサイズが特殊玉C1と一致するタイミングで入力操作T1がされると、演出表示として、図15(F)に示すように、例えば特殊玉C1が表示されていた位置を中心として周囲に複数のコインオブジェクトC3が弾けたように表示される。また、ゲームフィールドP11にボムオブジェクトBM1が配置される。
【0105】
同様にして、図15(G)に示すように、タイミングリングR2のサイズが特殊玉C2と一致するタイミングで入力操作T2がされると、演出表示として、特殊玉C2が表示されていた位置を中心として周囲に複数のコインオブジェクトC4が弾けたように表示される。また、ゲームフィールドP11にボムオブジェクトBM2が配置される。
【0106】
なお、図15(E)(G)では、特殊玉C1,C2の表示位置において、タッチ操作(タッチパネル28に対する操作)をするものとしているが、タッチパネル28の任意の位置でタッチしても良いし、コントローラ14の任意のボタン操作が行われるようにしても良い。
【0107】
なお、音楽ゲームにおける演出表示や入力操作の成功時(あるいは失敗時)における処理内容は、前述したものに限るものではない。例えば、入力操作に対する判定結果に応じて得点表示して、得点を加算するなどしても良い。
【0108】
次に、ゲームの進行により掛け声タイミングに到達した場合の表示例について説明する。
【0109】
CPU20は、掛け声タイミングであると判別した場合(ステップB7、Yes)、4分の操作タイミングが始まることを予告する掛け声の音声と表示を出力する(ステップB8)。例えば、CPU20は、4分の操作タイミングが始まることを予告する画像をディスプレイ27に表示させると共に、4分の操作タイミングが連続する回数を通知する掛け声の音声をスピーカ29から出力させる。
【0110】
図16は、タッチスクリーン12(ゲームフィールドP11)に表示された掛け声表示「3連」の画像の一例を示している。なお、図16では、説明のために音楽ゲームで使用する連鎖オブジェクトの全てに順番を表す数字を付して示している。実際の音楽ゲーム中では、数字が示す順番で、オブジェクトが順次消去されていく。
【0111】
例えば、図12(B)に示すように、音楽データにおいて、リズム9,11,13において、4分のアクションデータが設定されている場合には、リズム9の直前の消去玉4個分(リズム5~8)がゲーム進行に合わせて順番に消去される間に、連続する操作タイミングの回数を予告する「3連」の画像を表示すると共に、掛け声「みっつ」の音声が出力される。
【0112】
従って、プレーヤは、掛け声「みっつ」が終了したタイミングで、速い操作タイミング(4分)により3回連続して入力操作をすることで、リズム9,11,13に対応するアクションデータに応じた正しいタイミングで操作をし易くなる。
【0113】
さらに、CPU20は、図17に示すように、「3連」の画像を表示させた後、操作タイミング(リズム9)に合わせて、操作回数を示す数字「1」を表示させると共に、掛け声「いち」の音声を出力させる。同様にして、操作タイミング(リズム11)に合わせて、操作回数を示す数字「2」を表示させると共に掛け声「に」の音声を出力させ、操作タイミング(リズム13)に合わせて、操作回数を示す数字「3」を表示させると共に掛け声「さん」の音声を出力させる。
【0114】
同様にして、図12(B)に示すリズム17,19,21,23の直前の消去玉4個分(リズム13~16)の範囲において、「4連」の画像が表示され、掛け声「よっつ」の音声が出力される。同じく、操作タイミング(リズム17,19,21)のそれぞれに合わせて、操作回数を示す数字「1」「2」「3」「4」を表示させると共に、掛け声「いち」「に」「さん」「よん」の音声を出力させる。これにより、プレーヤは、操作回数を示す数字の表示と数字を表す掛け声をもとに操作回数を把握しながら、より適切に速い操作タイミングに対して、正しいタイミングで操作することができる。
【0115】
なお、前述した説明では、4分のアクションデータが設定されている場合について、連続する操作タイミングの回数を予告する画像(例えば「3連」)を表示すると共に、回数を表す掛け声(例えば「みっつ」)の音声を出力させるとしているが(図16)、別の表示形態を用いることも可能である。
【0116】
例えば、4分のアクションデータが設定される連続回数が予め決められている場合、4分の操作タイミングの予告として、同じ画像を表示させると共に同じ掛け声の音声を出力させるようにしても良い。4分のアクションデータが設定される連続回数が3回で固定されている場合、図18に示すように、4分の操作タイミングが開始される直前の掛け声タイミングにおいて、「せーのっ!」の画像をディスプレイ27に表示させると共に、掛け声「せーのっ!」の音声をスピーカ29から出力させる。
【0117】
すなわち、4分の操作タイミングの連続回数が固定されている場合には、4分の操作タイミングが発生する度に操作回数について意識する必要がないため、プレーヤは、単純な表示と掛け声の出力をもとに、操作開始のタイミングを容易に把握することができる。
【0118】
また、前述した説明では、操作タイミングに合わせて、操作回数を示す数字を順次表示させているが(図17)、操作タイミングのそれぞれについて同じ画像を表示させると共に同じ掛け声を出力させるようにしても良い。例えば、図19に示すように、4分の操作タイミングのそれぞれについて「はいっ!」の画像を表示させると共に、掛け声「はいっ!」の音声を出力させる。4分の操作タイミングの連続回数が固定されている場合には、複数回のゲームの実施により操作回数については容易に覚えることができる。このため、プレーヤは、操作回数について意識する必要がなく、それぞれの操作タイミングについてのみ注意すればよい。従って、単純な表示と掛け声の出力によって、プレーヤは、正しい操作タイミングを容易に把握することができる。こうして、音楽ゲームの操作を単純にすることで、パズルゲームから音楽ゲームに移行することで操作が変化しても、軽快な操作により音楽ゲームを楽しむことが可能となる。
【0119】
CPU20は、ゲームの進行により連鎖オブジェクトの全ての玉オブジェクトが消去されると(ステップB14、Yes)、リズムパート処理(音楽ゲーム)を終了する。
【0120】
CPU20は、リズムパート(音楽ゲーム)において正しい操作がされた場合(リズムパート成功)(ステップA29、Yes)、操作に対する評価に応じた雑音玉を生成する(ステップA30)。例えば、CPU20は、音楽ゲームで使用した連鎖オブジェクトに設定された特殊玉(操作タイミング)のそれぞれについて、正しい操作がされた場合には、予め設定された数の雑音玉を生成する。また、連鎖オブジェクトにおいて設定された特殊玉(操作タイミング)の順番が後になるほど、生成される雑音玉の数が多くなるようにする。例えば、1番目の操作タイミングに対して雑音玉を5つ生成し、3番目の操作タイミングに対して雑音玉を7つ生成する。すなわち、入力操作をすべき回数が増えた場合に、後に現れる操作タイミングほど正しく操作することが困難となるため、入力操作に成功した場合には、より多くの雑音玉を生成してプレーヤが優位となるようにする。
【0121】
リズムパート処理(音楽ゲーム)が終了した後、ゲームフィールドP11には、音楽ゲームで使用された連鎖オブジェクトが消去された後の玉オブジェクトが配置された状態からパズルゲームが再開される。また、ゲーム中に出力される音楽についても、音楽ゲーム中に出力していた音楽(BGM)を中断することなく出力させたままでパズルゲームを再開する。
【0122】
これにより、パズルゲームと音楽ゲームを単純に順番に切り替えて実行するのではなく、パズルゲームで使用されている玉オブジェクト(連鎖オブジェクト)とパズルゲームにおいて出力されている音楽(BGM)を利用した音楽ゲームを実行することで、パズルゲームと音楽ゲームとを組み合わせた、より興趣を向上させたゲームを実行することが可能となる。
【0123】
なお、前述した説明では、リズムパート処理(音楽ゲーム)が終了した後、パズルゲームを再開させるとしているが、音楽ゲームの終了後にパズルゲームを再開させないようにしても良い。例えば、音楽ゲームにおいて、予め設定された条件を満たす結果(対戦勝利など)が得られた場合に、パズルゲームを再開させないでゲーム終了とする。
【0124】
また、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0125】
また、実施形態に記載した手法は、コンピュータに実行させることができるプログラム(ソフトウエア手段)として、例えば磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD-ROM、DVD、MO、Blu-ray(登録商標)等)、半導体メモリ(ROM、RAM、フラッシュメモリ等)等の記録媒体に格納し、また通信媒体により伝送して頒布することもできる。なお、媒体側に格納されるプログラムには、コンピュータに実行させるソフトウエア手段(実行プログラムのみならずテーブルやデータ構造も含む)をコンピュータ内に構成させる設定プログラムをも含む。本装置を実現するコンピュータは、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、また場合により設定プログラムによりソフトウエア手段を構築し、このソフトウエア手段によって動作が制御されることにより上述した処理を実行する。なお、本明細書でいう記録媒体は、頒布用に限らず、コンピュータ内部あるいはネットワークを介して接続される機器に設けられた磁気ディスクや半導体メモリ等の記憶媒体を含むものである。
【符号の説明】
【0126】
10…ゲーム装置、12…タッチスクリーン、20…CPU、21…記録部、22…ゲームプログラム、23…表示制御部、24…入力制御部、25…音声制御部、26…通信制御部、27…ディスプレイ、28…タッチパネル、29…スピーカ、30…マイク、31…通信インタフェース。
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