(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-04
(45)【発行日】2023-08-15
(54)【発明の名称】整形外科用手術器具システム及び整形外科用プロテーゼアセンブリを試験する方法
(51)【国際特許分類】
A61F 2/38 20060101AFI20230807BHJP
【FI】
A61F2/38
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019057844
(22)【出願日】2019-03-26
【審査請求日】2022-03-25
(32)【優先日】2018-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516312682
【氏名又は名称】デピュイ・アイルランド・アンリミテッド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】DEPUY IRELAND UNLIMITED COMPANY
【住所又は居所原語表記】Loughbeg Industrial Estate, Ringaskiddy, County Cork, Ireland
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】アダム・ディー・シュレーダー
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム・ムハマド
【審査官】中尾 麗
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0049582(US,A1)
【文献】特開2015-211834(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/38
A61B 17/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
整形外科用手術器具システムであって、
患者の脛骨の近位端に位置付けられるように構成されたプレート及び前記プレートの上面から外側に延在するポストを含む、脛骨基部トライアルと、
脛骨インサートトライアルであって、(i)前記プレートの前記上面と向かい合うように構成された下面、(ii)前記下面とは反対に位置付けられた一対の湾曲面、(iii)前記一対の湾曲面の間に位置付けられた突起、及び(iv)前記下面内に画定された開口、を含む、脛骨インサートトライアルと、
前記脛骨インサートトライアル内に画定された前記開口内に位置付けられるようにサイズ決定されたインサートアダプタであって、(i)前記脛骨基部トライアルの前記ポスト上に位置付けられるようにサイズ決定された基部、及び(ii)前記基部内に位置付けられた係止タブ、を含む、インサートアダプタと、を備え、
前記脛骨基部トライアルの前記ポストが、前記インサートアダプタの前記係止タブに係合して、前記脛骨基部トライアルに対する上下方向における前記インサートアダプタの移動を防止するように構成された、上フランジを含
み、
前記脛骨インサートトライアルが、前記開口内に開口する第1の後スロットを含み、
前記インサートアダプタが、前記係止タブの上に位置付けられた第2の後スロットを有し、
前記インサートアダプタが前記脛骨インサートトライアル内に画定された前記開口内に位置付けられるときに、前記第1の後スロット及び前記第2の後スロットが、整列されて、後通路を画定し、該後通路は、前記ポストの前記上フランジを受容して、前記インサートアダプタ及び前記脛骨インサートトライアルが、前記脛骨基部トライアルに対して前後方向に移動することを可能にするようにサイズ決定されており、
前記ポストが、前記プレートから前記上フランジまで外側に延在するステムを含み、
前記係止タブが、前記ポストの前記ステムに係合するように構成されたばねクリップを含み、
前記インサートアダプタが、開口の下セクションを画定する湾曲壁を含み、前記ばねクリップが、前記開口の前記下セクション内に位置付けられ、かつ前記湾曲壁から離間配置されている、整形外科用手術器具システム。
【請求項2】
前記上フランジと前記プレートの前記上面との間にチャネルが画定されており、
前記係止タブが、前記チャネル内に位置付けられるようにサイズ決定されている、請求項1に記載の整形外科用手術器具システム。
【請求項3】
前記ポストが、前記プレートから前記上フランジまで外側に延在するステムを含み、
前記係止タブが、前記ポストの前記ステムに係合するように構成された一対のアームを含む、請求項1に記載の整形外科用手術器具システム。
【請求項4】
前記一対のアームの各アームが、ばねクリップである、請求項3に記載の整形外科用手術器具システム。
【請求項5】
前記係止タブが、前記湾曲壁から前記ばねクリップまで内側に延在するトランクを更に含む、請求項
1に記載の整形外科用手術器具システム。
【請求項6】
前記インサートアダプタが、前記基部から外側に延在するプラグを含み、前記プラグが、前記インサートアダプタと前記脛骨インサートトライアルとの間の相対回転を防止するように構成されている、請求項1に記載の整形外科用手術器具システム。
【請求項7】
前記プラグが、前記脛骨インサートトライアルの平面状の内面に係合して、前記インサートアダプタと前記脛骨インサートトライアルとの間の相対回転を防止するように構成された、平面状の外面を含む、請求項
6に記載の整形外科用手術器具システム。
【請求項8】
大腿骨コンポーネントであって、(i)前記脛骨インサートトライアルの前記湾曲面と向かい合うように構成された一対の湾曲面、及び(ii)前記大腿骨コンポーネントを通っ
て内側-外側方向に延在する一対の横断ボア、を含む、大腿骨コンポーネントと、
前記横断ボア内に位置付けられるようにサイズ決定された細長いピンと、を更に備え、
前記脛骨インサートトライアルの前記突起が、前記細長いピンを受容して、前記大腿骨コンポーネントを前記脛骨インサートトライアルに連結するようにサイズ決定された、前記内側-外側方向に延在するボアを含む、請求項1に記載の整形外科用手術器具システム。
【請求項9】
前記大腿
骨コンポーネントが、延長及び屈曲を含む運動範囲にわたって、前記脛骨インサートトライアルに対して関節接合するように構成され、前記脛骨インサートトライアル及び前記インサートアダプタが、前記脛骨基部トライアルの前記ポストを通って延在する軸を中心に回転するように構成されている、請求項
8に記載の整形外科用手術器具システム。
【請求項10】
前記脛骨インサートトライアルが、前記脛骨インサートトライアル内に画定された前記開口の上端部壁から延在するピンを含み、
前記インサートアダプタが、前記基部から外側に延在するプラグを含み、前記プラグを通して開口が画定され、
前記インサートアダプタが前記脛骨インサートトライアル内に画定された前記開口内に位置付けられるときに、前記脛骨インサートトライアルの前記ピンが、前記プラグを通して画定された前記開口内に受容される、請求項1に記載の整形外科用手術器具システム。
【請求項11】
前記プラグを通して画定された前記開口の中へ前記プラグを通って延在する保持機構を更に備え、前記インサートアダプタが前記脛骨インサートトライアル内に画定された前記開口内に位置付けられるときに、前記保持機構が、前記ピンの外面に係合する、請求項
10に記載の整形外科用手術器具システム。
【請求項12】
整形外科用手術器具システムであって、
患者の脛骨の近位端に位置付けられるように構成されたプレート及び前記プレートの上面から外側に延在するポストを含む、脛骨基部トライアルと、
脛骨インサートトライアルであって、(i)前記プレートの前記上面と向かい合うように構成された下面、(ii)前記下面とは反対に位置付けられた一対の湾曲面、(iii)前記一対の湾曲面の間に位置付けられた突起、及び(iv)前記下面内に画定された開口、を含む、脛骨インサートトライアルと、
前記脛骨インサートトライアル内に画定された前記開口内に位置付けられるようにサイズ決定されたインサートアダプタであって、(i)前記脛骨基部トライアルの前記ポスト上に位置付けられるようにサイズ決定された基部、及び(ii)前記基部内に位置付けられた係止タブ、を含む、インサートアダプタと、を備え、
前記脛骨基部トライアルの前記ポストが、前記インサートアダプタの前記係止タブに係合して、前記脛骨基部トライアルに対する上下方向における前記インサートアダプタの移動を防止するように構成された、上フランジを含み、
前記インサートアダプタが、前記基部から外側に延在するプラグを含み、前記プラグが、前記インサートアダプタと前記脛骨インサートトライアルとの間の相対回転を防止するように構成されており、
前記プラグが、前記脛骨インサートトライアルの平面状の内面に係合して、前記インサートアダプタと前記脛骨インサートトライアルとの間の相対回転を防止するように構成された、平面状の外面を含む、整形外科用手術器具システム。
【請求項13】
整形外科用手術器具システムであって、
患者の脛骨の近位端に位置付けられるように構成されたプレート及び前記プレートの上面から外側に延在するポストを含む、脛骨基部トライアルと、
脛骨インサートトライアルであって、(i)前記プレートの前記上面と向かい合うように構成された下面、(ii)前記下面とは反対に位置付けられた一対の湾曲面、(iii)前記一対の湾曲面の間に位置付けられた突起、及び(iv)前記下面内に画定された開口、を含む、脛骨インサートトライアルと、
前記脛骨インサートトライアル内に画定された前記開口内に位置付けられるようにサイズ決定されたインサートアダプタであって、(i)前記脛骨基部トライアルの前記ポスト上に位置付けられるようにサイズ決定された基部、及び(ii)前記基部内に位置付けられた係止タブ、を含む、インサートアダプタと、を備え、
前記脛骨基部トライアルの前記ポストが、前記インサートアダプタの前記係止タブに係合して、前記脛骨基部トライアルに対する上下方向における前記インサートアダプタの移動を防止するように構成された、上フランジを含み、
前記脛骨インサートトライアルが、前記脛骨インサートトライアル内に画定された前記開口の上端部壁から延在するピンを含み、
前記インサートアダプタが、前記基部から外側に延在するプラグを含み、前記プラグを通して開口が画定され、
前記インサートアダプタが前記脛骨インサートトライアル内に画定された前記開口内に位置付けられるときに、前記脛骨インサートトライアルの前記ピンが、前記プラグを通して画定された前記開口内に受容される、整形外科用手術器具システム。
【請求項14】
前記プラグを通して画定された前記開口の中へ前記プラグを通って延在する保持機構を更に備え、前記インサートアダプタが前記脛骨インサートトライアル内に画定された前記開口内に位置付けられるときに、前記保持機構が、前記ピンの外面に係合する、請求項13に記載の整形外科用手術器具システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、整形外科用手術器具に関し、具体的には、整形外科用プロテーゼをトライアルする際に使用するための脛骨トライアルコンポーネントに関する。
【背景技術】
【0002】
関節形成術は、病変した生体関節及び/又は損傷した生体関節を人工関節に置換する、周知の外科的処置である。例えば、全膝関節形成術の外科的処置では、患者の生体膝関節を人工膝関節又は膝関節プロテーゼで部分的又は全体的に置換する。膝再置換手術では、「一次膝関節プロテーゼ」とも称されることがある、以前に埋め込まれた膝関節プロテーゼが外科的に除去され、置換用又は再置換用膝関節プロテーゼが埋め込まれる。通常の膝プロテーゼは、脛骨トレイ、大腿骨コンポーネント、及び脛骨トレイと大腿骨コンポーネントとの間に位置付けられるポリマーインサート又はベアリングを含む。脛骨トレイは、一般に、遠位に延在するステムを有するプレートを含み、大腿骨コンポーネントは、一般に、一対の離間配置された顆状要素を含み、顆状要素はポリマーベアリングの対応する表面と関節接合する表面を含む。脛骨トレイのステムは、患者の脛骨の外科的に準備された髄管に埋め込まれるように構成され、大腿骨コンポーネントは、患者の大腿骨の外科的に準備された遠位端に連結されるように構成される。
【0003】
関節形成術中に、トライアルコンポーネントは、患者の生体関節を置換する膝プロテーゼのコンポーネントをサイズ決定し、選択するために使用することができる。トライアルコンポーネントとしては、人工大腿骨コンポーネントをサイズ決め及び選択するために使用され得る大腿骨トライアル、人工脛骨トレイをサイズ決め及び選択するために使用され得る脛骨トレイトライアル、並びに人工ステムコンポーネントをサイズ決め及び選択するために使用され得るステムトライアルを挙げることができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の一態様によれば、整形外科用手術器具システムは、患者の脛骨の近位端に位置付けられるように構成されたプレート、及びプレートの上面から外側に延在するポストを含む、脛骨基部トライアルを含む。脛骨インサートトライアルは、プレートの上面と向かい合うように構成された下面を含む。脛骨インサートトライアルはまた、下面とは反対に位置付けられた一対の湾曲面も含む。脛骨インサートトライアルはまた、一対の湾曲面の間に位置付けられた突起も含む。脛骨インサートトライアルはまた、下面に画定された開口も含む。インサートアダプタは、脛骨インサートトライアル内に画定された開口内に位置付けられるようにサイズ決定される。インサートアダプタは、脛骨基部トライアルのポスト上に位置付けられるようにサイズ決定された基部と、基部内に位置付けられた係止タブと、を含む。脛骨基部トライアルのポストは、インサートアダプタの係止タブに係合して、脛骨基部トライアルに対する上下方向におけるインサートアダプタの移動を防止するように構成された、上フランジを含む。
【0005】
いくつかの実施形態では、チャネルは、上フランジとプレートの上面との間に画定することができる。係止タブは、チャネル内に位置付けられるようにサイズ決定することができる。ポストは、プレートから上フランジまで外側に延在するステムを含むことができる。係止タブは、ポストのステムに係合するように構成された一対のアームを含むことができる。一対のアームの各アームは、ばねクリップとすることができる。
【0006】
いくつかの実施形態では、脛骨インサートトライアルは、開口内に開口する第1の後スロットを含むことができる。インサートアダプタは、係止タブの上に位置付けられた第2の後スロットを有することができる。インサートアダプタは、脛骨インサートトライアル内に画定された開口内に位置付けることができる。第1の後スロット及び第2の後スロットは、整列させて後通路を画定することができ、後通路は、ポストの上フランジを受容してインサートアダプタ及び脛骨インサートトライアルが脛骨基部トライアルに対して前後方向に移動することを可能にするようにサイズ決定される。ポストは、プレートから上フランジまで外側に延在するステムを含むことができる。係止タブは、ポストのステムに係合するように構成されたばねクリップを含むことができる。インサートアダプタは、開口の下セクションを画定する湾曲壁を含むことができる。ばねクリップは、開口の下セクション内に位置付けることができ、また、湾曲壁から離間配置することができる。係止タブは、湾曲壁からばねクリップまで内側に延在するトランクを含むことができる。
【0007】
いくつかの実施形態では、インサートアダプタは、基部から外側に延在するプラグを含むことができる。プラグは、インサートアダプタと脛骨インサートトライアルとの間の相対回転を防止するように構成することができる。プラグは、脛骨インサートトライアルの平面状の内面に係合してインサートアダプタと脛骨インサートトライアルとの相対回転を防止するように構成された、平面状の外面を含むことができる。
【0008】
いくつかの実施形態では、大腿骨コンポーネントは、脛骨インサートトライアルの湾曲面と向かい合うように構成された一対の湾曲面を含むことができる。大腿骨コンポーネントはまた、大腿骨コンポーネントを通って内側内側-外側方向に延在する一対の横断ボアも含むことができる。細長いピンは、横断ボア内に位置付けられるようにサイズ決定することができる。脛骨インサートトライアルの突起は、細長いピンを受容して大腿骨コンポーネントを脛骨インサートトライアルに連結するようにサイズ決定された、内側-外側方向に延在するボアを含むことができる。大腿プロテーゼコンポーネントは、延長及び屈曲を含む運動範囲にわたって、脛骨インサートトライアルに対して関節接合するように構成することができる。脛骨インサートトライアル及びインサートアダプタは、脛骨基部トライアルのポストを通って延在する軸を中心に回転するように構成することができる。
【0009】
いくつかの実施形態では、脛骨インサートトライアルは、脛骨インサートトライアル内に画定された開口の上端部壁から延在するピンを有することができる。インサートアダプタは、基部から外側に延在するプラグを有することができる。このプラグを通して、開口を画定することができる。インサートアダプタが脛骨インサートトライアル内に画定された開口内に位置付けられたときに、脛骨インサートトライアルのピンは、プラグを通して画定された開口内に受容することができる。保持機構は、プラグを通して画定された開口の中へプラグを通って延在することができる。インサートアダプタが脛骨インサートトライアル内に画定された開口内に位置付けられたときに、保持機構は、ピンの外面に係合することができる。
【0010】
本開示の別の態様によれば、整形外科用手術器具システムは、患者の脛骨の近位端に位置付けられるように構成されたプレートと、プレートの上面から上フランジまで外側に延在するポストと、を含む、脛骨基部トライアルを含む。脛骨トライアルコンポーネントは、脛骨基部トライアルのポスト上に位置付けられるように構成される。脛骨トライアルコンポーネントは、プレートの上面と向かい合うように構成された下面と、下面とは反対に位置付けられた一対の湾曲面と、を含む。脛骨トライアルコンポーネントはまた、一対の湾曲面の間に位置付けられた突起も含む。脛骨トライアルコンポーネントは、ポストの上フランジを受容して、脛骨トライアルコンポーネントが脛骨基部トライアルに対して前後方向に移動することを可能にするようにサイズ決定された、後通路を含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、係止機構は、脛骨インサートトライアル及びポストの上フランジに連結された係止タブを含むことができる。脛骨トライアルコンポーネントは、第1のモジュラー構成要素と、第2のモジュラー構成要素と、を含むことができる。ポストの上フランジは、係止タブに係合して、脛骨基部トライアルに対する上下方向における第1のモジュラー構成要素の移動を防止するように構成することができる。係止タブは、ばねクリップを含むことができる。
【0012】
いくつかの実施形態では、第1のモジュラー構成要素は、インサートアダプタとすることができ、第2のモジュラー構成要素は、複数の脛骨インサートトライアルのうちの1つの脛骨インサートトライアルとすることができる。各脛骨インサートトライアルは、インサートアダプタに選択的に連結されるように構成することができる。
【0013】
いくつかの実施形態では、大腿骨コンポーネントは、脛骨インサートトライアルの湾曲面と向かい合うように構成された一対の湾曲面と、大腿骨コンポーネントを通って内側内側-外側方向に延在する一対の横断ボアと、を含むことができる。細長いピンは、横断ボア内に位置付けられるようにサイズ決定することができる。脛骨インサートトライアルの突起は、細長いピンを受容して、大腿骨コンポーネントを脛骨インサートトライアルに連結するようにサイズ決定された、内側-外側方向に延在するボアを含むことができる。
【0014】
本開示の更に別の態様によれば、整形外科用プロテーゼアセンブリをトライアルする方法は、脛骨トライアルコンポーネントを、患者の脛骨の近位端に位置付けられた脛骨基部トライアルと整列させることを含む。本方法はまた、脛骨トライアルコンポーネントを後方に進めて、脛骨基部トライアルコンポーネントのポストを脛骨トライアルコンポーネント内に画定された後通路の中へ移動させることも含む。本方法はまた、脛骨トライアルコンポーネントが脛骨基部トライアルに対して回転することを可能にするように、脛骨トライアルコンポーネントを脛骨基部トライアルコンポーネントに連結することも含む。本方法はまた、大腿骨コンポーネント内に画定された一対の横断ボアを、脛骨トライアルコンポーネントの突起内に画定されたボアと整列させることも含む。本方法はまた、細長いピンを、横断ボア及び脛骨トライアルコンポーネントの突起を通して進めて、大腿骨コンポーネントを脛骨トライアルコンポーネントに連結することも含む。本方法はまた、延長及び屈曲を含む運動範囲にわたって患者の関節を移動させて、脛骨基部トライアル及び脛骨トライアルコンポーネントに対応する整形外科用プロテーゼアセンブリの構成を評価することも含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、本方法は、脛骨トライアルコンポーネントの脛骨インサートトライアルを上方向に移動させて、脛骨トライアルコンポーネントのインサートアダプタ及び脛骨トライアルコンポーネントから脛骨インサートトライアルを取り外すことを必要とし得る。本方法はまた、脛骨インサートトライアルと異なるサイズを有する第2の脛骨インサートトライアルを選択することも必要とし得る。本方法はまた、第2の脛骨インサートトライアルを下方向に移動させて、第2の脛骨インサートトライアルを、脛骨トライアルコンポーネントのインサートアダプタ及び脛骨トライアルコンポーネントに取り付けることも必要とし得る。
【0016】
いくつかの実施形態では、本方法は、脛骨トライアルコンポーネントのインサートアダプタを、脛骨トライアルコンポーネントの脛骨インサートトライアルと整列させることを必要とし得る。本方法はまた、インサートアダプタを、脛骨インサートトライアル内に画定された開口の中へ進めて、脛骨トライアルコンポーネントを形成することも必要とし得る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
詳細な説明では、特に以下の図面を参照する。
【
図1】1つの実施形態による整形外科用手術器具システムの分解図である。
【
図2】
図1に示されるインサートアダプタの背立面図である。
【
図3】
図1に示されるインサートアダプタの底面図である。
【
図4】
図2の線4-4に沿って切断した断面図である。
【
図5】
図1に示される脛骨インサートトライアルの背立面図である。
【
図6】
図1に示される脛骨インサートトライアルの底面図である。
【
図7】
図1に示される脛骨インサートトライアルに挿入されたインサートアダプタの背立面図である。
【
図8】
図1に示される脛骨インサートトライアルに挿入されたインサートアダプタの底面図である。
【
図9】患者の脛骨の近位端に位置付けられた脛骨トライアルコンポーネントの斜視図である。
【
図10】患者の脛骨の近位端に組み立てられた、
図1に示される整形外科用手術器具システムの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示の概念は、様々な修正及び代替的形態の影響を受ける可能性があるが、その特定の例示的な実施形態を一例として図面に示し、本明細書で詳細に説明する。しかしながら、本開示の概念を開示される特定の形態に限定することを何ら意図するものではなく、その逆に、本発明は、添付の「特許請求の範囲」によって定義される発明の趣旨及び範囲の範囲内に包含される全ての修正物、均等物、並びに代替物を網羅することを意図するものであることを理解されたい。
【0019】
解剖学的参照を表す、前、後、内側、外側、上、下などの用語は、本明細書全体を通じて、本明細書において述べられる整形外科用インプラント又はプロテーゼ及び整形外科用手術器具に関して、並びに患者の生体解剖学的構造を参照して使用することができる。これらの用語は、解剖学の研究及び整形外科学の分野のいずれにおいても広く理解された意味を有するものである。記述された本明細書及び特許請求の範囲におけるこれらの解剖学的参照用語の使用は、特に断らない限り、それらの広く理解された意味と一貫性を有することが意図される。
【0020】
以下、
図1を参照すると、整形外科用手術器具システム10は、脛骨基部トライアルコンポーネント12と、脛骨基部トライアル12に選択的に連結されるように構成された脛骨トライアルコンポーネント370と、を含む。脛骨基部トライアルコンポーネント12及び脛骨トライアルコンポーネント370は、大腿骨コンポーネント18と共に利用して、患者の外科的に準備された脛骨の中へ埋め込むための人工脛骨をサイズ決定し、選択することができる。例示的な実施形態では、大腿骨コンポーネント18は、以前の関節形成術からの大腿トライアルコンポーネント又は一次大腿骨コンポーネントとすることができる。システム10は、患者の解剖学的構造の範囲に適合するように、異なるサイズのいくつかのトライアルコンポーネント12、370、及び大腿トライアルコンポーネントを含むことができることを認識されたい。
【0021】
下で更に詳細に説明されるように、脛骨トライアルコンポーネント370は、トライアル12を脛骨基部に取り外し可能に固定するように構成されたインサートアダプタ14と、インサートアダプタ14上に位置付けることができる脛骨インサートトライアル16と、を含む。外科的処置中に、外科医は、膝関節内に位置付けられたトライアルコンポーネント12、トライアルコンポーネント370、及び大腿骨コンポーネント18を有する患者の脚の運動範囲を評価し、とりわけ、膝の安定性及び関節の変位を査定することができる。脛骨インサートトライアル16は、外科的処置中にインサートアダプタ14から取り外し、異なるサイズの脛骨インサートトライアルに置換して、外科医が、可能な埋め込みサイズの範囲を評価し、最良の性能を提供するものを選択することを可能にするように構成される。
【0022】
脛骨基部トライアルコンポーネント12は、患者の脛骨の外科的に準備された近位端に位置付けられるように構成される。例示的な実施形態では、基部トライアル12は、患者の脛骨の近位端に位置付けられるように成形されたプレート30を含む。プレート30は、上面32と、下面34と、表面32、34の間に延在する外壁36と、を有する。外壁36は、切除された脛骨の近位端に合致するように成形された、前セクション40及び後セクション42を有する。例示的な実施形態では、側壁36の前セクション40は、凸状に湾曲し、後セクション42は、凹状に湾曲する。脛骨基部トライアル12は、様々なサイズの脛骨に適合するように、いくつかの異なるサイズで形成することができることを認識されたい。
【0023】
脛骨基部トライアル12は、プレート30の下面34から下方に延在する、ピン50を含む。ピン50は、患者の脛骨の近位端に挿入された手術器具のノッチ内に受容されるようにサイズ決定される。そのような器具は、例えば、患者の骨髄内管内に位置付けられるようにサイズ決定された細長いブローチ又はステムトライアルコンポーネントを含むことができる。プレート30はまた、いくつかの締結具ガイド52も含む。各締結具ガイド52は、固定ピン等の締結具を受容するように構成されたボア54を含み、これを利用して、脛骨基部トライアル12を患者の脛骨の近位端に固定することができる。
【0024】
脛骨基部トライアル12は、長手方向軸60に沿ってプレート30の上面32から外側に延在するポスト58を含む。ポスト58は、インサートアダプタ14に固定されるように構成される。ポスト58は、プレート30の上面32から延在するステム62を含む。ステム62は、ポスト58の長手方向軸60から半径66を有する外面64を含む。上フランジ70は、ポスト58の近位端から延在する。上フランジ70は、長手方向軸60から半径74を有する外面72を含み、半径74は、半径66よりも大きい。上フランジ70の下面76は、プレート30の上面32に面する。チャネル80は、上フランジ70とプレート30との間に画定される。チャネル80は、上フランジ70の下面76とプレート30の上面32との間に画定される。下で説明されるように、脛骨トライアルコンポーネント370のインサートアダプタ14の係止機構は、チャネル80内でポスト58のステム62に係合するように構成される。
【0025】
図1に示されるように、脛骨トライアルコンポーネント370のインサートアダプタ14は、基部102と、基部102から近位に延在するプラグ104と、を有する、本体100を含む。基部102は、脛骨基部トライアル12のポスト58上に位置付けられるようにサイズ決定される。基部102は、内側106から前側110を通ってインサートアダプタ14の外側110に湾曲する、外面120を含む。
図2に示されるように、開口部122は、インサートアダプタ14の後側112上の基部102の外面120に形成される。
【0026】
空洞170は、インサートアダプタ14の下面174の開口部172から延在する。湾曲内壁176は、開口部172から延在して空洞170を画定する。開口140は、プラグ104を通って空洞170の中へ延在する。係止タブ162は、空洞170の下セクション168内に位置付けられ、また、湾曲内壁176の前面180から延在するトランク178を含む。トランク178は、空洞170の中へ後方に延在する。係止タブ162はまた、トランク178から後方に延在する一対のアーム186も含む。一対のアーム186は、内側アーム188と、外側アーム190と、を含む。各アーム186は、ステム62の外面64に対応する湾曲内面190を含む。開口部192は、アーム186の間に画定される。間隙194は、各アーム186の外面196と湾曲内壁176との間に形成される。各アーム186は、それぞれの間隙194の中へ偏向して、係止タブ162を脛骨基部トライアル12のポスト58上に位置付けることができる、ばねクリップとして構成される。下で説明されるように、インサートアダプタ14が脛骨基部トライアル12に固定されたときに、係止タブ162のアーム186は、上フランジ70とプレート30との間に画定されたチャネル80内に位置付けるように構成される。空洞は、基部102の外面120に形成された開口部122から延在する後スロット160を含む。係止タブ162は、後スロット160内に位置付けられる。別の後スロット164は、開口部122から係止タブ162の上まで延在する。
図3に例示されるように、スロット160及び164は、基部102内の空洞170を少なくとも部分的に画定する。
【0027】
図2に戻ると、インサートアダプタ14のプラグ104は、外壁130と、近位面132と、を含む。外壁130は、基部102から近位面132まで延在する。外壁130は、内側106から後側112を通って外側108まで延在する湾曲面134を含む。外壁130はまた、平面状の前面136も含む。開口140は、プラグ104の近位面132に形成された開口部142からインサートアダプタ14を通って延在する。
【0028】
保持機構200は、プラグ104の外壁130を通って延在する。保持機構200は、インサートアダプタ14の後側112から前方に延在する。下でより詳細に説明されるように、保持機構200は、保持機構200をプラグ104内に固定する、ねじ202を含む。
図4に示されるように、保持機構200は、プラグ104の開口140の中へ前方に延在するボール204を含む。開口140は、内面210によって画定される。プラグ104は、プラグ104の外壁130の開口部206と、開口140の内面210の開口部208との間に延在するボア212を含む。ボア212は、前後方向に延在する。
【0029】
ボア212は、ねじ202のねじ付き本体216と嵌合して保持機構をボア212内に固定するように構成された、ねじ付き側壁214を含む。ボア220は、開口部222からねじ202のねじ付き本体216内に延在する。ばね240は、ボア220内で保持され、ボール204を前方向232に付勢するように構成される。ばね240は、ボール204を前方向232に付勢し、よって、ボール204は、開口部222の周囲に形成されたフランジ228に係合する。矢印250の方向の力がボール204に印加されると、ボール204は、ボア220の中へ後方向250に移動する。
【0030】
上で説明したように、脛骨トライアルコンポーネント370は、選択的かつ取り外し可能にインサートアダプタ14に連結されるように構成された、脛骨インサートトライアル16を含む。
図1に戻ると、脛骨インサートトライアル16は、下面262及び上面264を有する本体260を含む。脛骨トライアルインサート16の下面262は、プレート30の上面32と向かい合うように構成される。下で説明されるように、上面264は、下面262とは反対に位置付けられ、かつ大腿骨コンポーネント18の表面に対応するように構成された一対の湾曲面266を含む。突起270は、湾曲面266の間に位置付けられ、また、上面264から上方に延在する。ピン孔272は、突起270内に形成された開口部274の間で内側-外側に延在する。ピン孔272は、ピン(下で説明される)を受容して、脛骨インサートトライアル16を大腿骨コンポーネント18に固定するように構成されるために。ピン孔272はまた、各開口部274に位置付けられたブッシングも受容するように構成される。
【0031】
脛骨インサートトライアル16は、脛骨基部トライアル12の前セクション40に合致するように成形された前セクション292と、インサートアダプタ14の後セクション42に合致するように形成された後セクション294と、を有する、外壁290を含む。
図5を参照すると、スロット300は、外壁290の後セクション294の開口部302を通って延在する。スロット300は、一対のフランジ308の間に画定された幅306を有する、下スロットセクション304を含む。スロット300は、下スロットセクション304の上側に位置付けられ、かつその中に開口する上スロットセクション320も含む。上スロットセクション320は、下スロットセクション304の幅306よりも広い、幅322を有する。上で説明したように、上スロットセクション320は、ポスト58の上フランジ70を受容するように構成され、下スロットセクション304は、ポスト58のステム62を受容するように構成される。
【0032】
図6を参照すると、スロット300は、開口330の中へ延在する。開口330は、脛骨インサートトライアル16の下面262の開口部332から延在する。開口330は、下面262から上端部壁334まで延在する。開口330は、内壁338によって画定された下セクション336を含む。内壁338は、開口330の下セクション336がインサートアダプタ14の基部102を受容するように、インサートアダプタ14の基部102の外面120に対してサイズ決定され、成形される。開口の上セクション340は、下セクション336から上端部壁334まで延在する側壁342によって画定される。側壁342は、湾曲面344と、平面状の前面346とを含む。湾曲面344は、プラグ104の外壁130の湾曲面134に対応するようにサイズ決定され、成形される。平面状の前面146は、プラグ104の外壁130の平面状の前面136に対応するようにサイズ決定され、成形される。
【0033】
ピン350は、上端部壁334から下方に延在する。ピン350は、円筒形である外壁352を含む。ピン350の外壁352は、開口140を画定する内面210に対応するようにサイズ決定され、成形される。下でより詳細に説明されるように、挿入アダプタ14が脛骨インサートトライアル16に連結されたときに、ピン350は、インサートアダプタ14の開口140内に受容される。保持機構200のボール204は、ピン350の外壁352に係合して、ボール204とピン350との間に摩擦を提供するように構成される。
【0034】
一対の指溝360は、脛骨インサートトライアル16の下面262に形成される。1本の溝360は、開口330の外側362及び内側364のそれぞれに形成される。溝360は、ユーザの指を受容するようにサイズ決定された下面262の窪みとして形成される。インサートアダプタ14が脛骨インサートトライアル16に挿入されると、指溝360は、ユーザがインサートアダプタ14を把持して脛骨インサートトライアル16を除去することを可能にする。
【0035】
図1に戻ると、大腿骨コンポーネント18は、脛骨インサートトライアル16の湾曲面266に関節接合するように構成された一対の湾曲面382を有する、本体380を含む。ポスト384は、本体380から上方に延在し、また、患者の大腿骨の遠位端に形成された空洞に挿入されるように構成される。横断ボア390は、本体380を通って内側-外側方向に延在する。横断ボア390は、ピン(下で説明される)を受容するように構成される。ピンは、各ボア390を通過し、また、脛骨インサートトライアル16の突起270のピン孔272を通って、大腿骨コンポーネント18を脛骨インサートトライアル16に固定するように構成される。
【0036】
図7及び
図8を参照すると、インサートアダプタ14は、脛骨インサートトライアル16の開口330の中へ挿入され、脛骨インサートトライアル16内でインサートアダプタ14を固定して、脛骨トライアルコンポーネント370を形成するように構成される。
図7を参照すると、インサートアダプタ14のプラグ104は、脛骨インサートトライアル16の開口330内に位置付けられる。開口330の側壁342の湾曲面344は、プラグ104の外壁130の湾曲面134に対応し、嵌合する。また、開口330の側壁342の平面状の前セクション346は、プラグ104の外壁130の平面状の前面136に対応し、嵌合する。平面状の前セクション346及び平面状の前面136の係合は、インサートアダプタ14が脛骨インサートトライアル16に対して回転するのを妨げるのを促進する。
【0037】
脛骨インサートトライアル16のピン350は、インサートアダプタ14の開口140内に位置付けられる。保持機構200のボール204は、開口140の内面210から前方に延在してピン350の外壁352に係合する。ボール204は、ピン350の外側壁352に対する摩擦を提供して、インサートアダプタ14が脛骨インサートトライアル16から係合解除するのを防止する。脛骨インサートトライアル16からインサートアダプタ14を除去するために、ユーザは、自分の指を指溝360内に位置付けて、インサートアダプタ14を把持し、ボール204とピン350の外壁352との間に生じる摩擦に打ち勝つ力で脛骨インサートトライアル16から引き離すことができる。
【0038】
係止タブ162は、アーム186間の開口部192が後通路372に面するように位置付けられる。
図8を参照すると、後通路372は、インサートアダプタ14の後スロット160、164、及び脛骨インサートトライアル16の後スロット300によって画定される。通路372は、脛骨基部トライアル12のポスト58を受容するようにサイズ決定され、成形される。インサートアダプタ14のスロット164及び脛骨トライアルコンポーネント370の上スロットセクション320は、通路372の上通路セクション374を画定する。上通路セクション374は、ポスト58の上フランジ70を受容するようにサイズ決定及び成形される。インサートアダプタ14のスロット160、及び脛骨トライアルコンポーネント370の下スロットセクション304は、ポスト58のステム62を受容するようにサイズ決定及び成形された通路372の下通路セクション376を画定する。下通路セクション376は、脛骨インサートトライアル16のフランジ308の間に延在する。係止タブ162は、下通路セクション376内に位置付けられる。
【0039】
例示される脛骨インサートトライアル16は、外科医が脛骨トライアルコンポーネント370のサイズ及び構成を選択することを支援するように構成された多部品アセンブリをなす、複数の脛骨インサートトライアルのうちの1つである。インサートアダプタ14は、いくつかの脛骨インサートトライアル16のうちの1つと共に組み立てられて、脛骨トライアルコンポーネント370を形成することができる。一実施形態では、脛骨インサートトライアル16は、異なるサイズ及び/又は構成で提供することができる。インサートアダプタ14は、各脛骨インサートトライアル16に固定されるように構成されるので、外科医は、あるサイズ及び構成の脛骨トライアルコンポーネント370を組み立てて、その脛骨トライアルコンポーネント370の性能を評価し、次いで、必要に応じて脛骨トライアルコンポーネント370を修正して、埋め込まれる脛骨トライアルコンポーネント370のタイプ及び構成を手術中に決定することが可能である。
【0040】
以下、
図9~
図11を参照すると、システム10を利用する整形外科用外科的処置の一部分が示される。外科医は、最初に、患者の脛骨398の近位端の切除を行って、トライアル整復のための脛骨398を外科的に準備する。例えば、患者の脛骨398の外科的に準備された近位端は、脛骨基部トライアル12を受容するように構成された切除面を含む。大腿骨コンポーネント18がトライアルコンポーネントである一実施形態では、外科医はまた、患者の大腿骨の遠位端の切除を行って、トライアル整復のための大腿骨を外科的に準備することもできる。大腿骨コンポーネント18が手前の関節形成術からの一次大腿骨コンポーネントである一実施形態では、外科医は、トライアル一次大腿骨コンポーネントによって脛骨トライアルコンポーネント370をトライアルすること、又は二次大腿骨コンポーネントのための患者の大腿骨の遠位端を準備することができる。
【0041】
外科医は、器具システム10によって初期トライアル整復を行うことができる。その際に、外科医は、システム10を使用して、ヒンジ付膝プロテーゼを埋め込むための患者の大腿骨及び脛骨398の安定性及び運動学を評価及び検査する。外科医はまた、脛骨基部トライアル12を患者の脛骨398の切除面上に位置付ける。脛骨トライアルコンポーネント370は、脛骨基部トライアル12と整列され、外科医は、脛骨トライアルコンポーネント370を脛骨基部トライアル12と大腿骨コンポーネント18との間の間隙に進める。
図9に例示されるように、脛骨トライアルコンポーネント370は、ポスト58が脛骨トライアルコンポーネント370の後通路372内に受容されるように、矢印400によって示される方向に、脛骨基部トライアル12のポスト58上へ後方に進められる。ポスト58の上フランジ70は、上通路セクション374内に受容され、ポスト58のステム62は、下通路セクション376内に受容される。脛骨トライアルコンポーネント370が後方に進められるにつれて、ポスト58のステム62が係止タブ162のアーム186間の開口部192を通過する。係止タブ162のアーム186は、ポスト58の上フランジ70と脛骨基部トライアル12のプレート30との間に画定されたチャネル80内に受容される。係止タブ162のアーム186は、ポスト58のステム62が各アーム186の間に画定される開口部192内に受容されるように、外方へ偏向する。アーム186は、それらの元の位置に跳ね返って、ポスト58のステム62に係合して、係止タブ162をポスト58に固定し、それによって、脛骨基部トライアル12に対する上下方向におけるインサートアダプタ14の移動を防止する。係止タブ162をポスト58に固定することで、脛骨トライアルコンポーネント370を脛骨基部トライアル12に固定し、よって、脛骨トライアルコンポーネント370が、脛骨基部トライアル12に対して回転することを可能にする。
図10で分かるように、大腿骨コンポーネント18の横断ボア390は、脛骨トライアルコンポーネント370のピン孔272と整列され、細長いピン404は、横断ボア390及びピン孔272の中へ挿入されて、大腿骨コンポーネント18を脛骨トライアルコンポーネント370に固定する。大腿骨コンポーネント18が適所にあるときに、外科医は、患者の膝を慎重に伸ばして、前後の安定性、内側-外側安定性、並びに前後(「A/P」)平面、内側-外側(「M/L」)平面の全体的な位置合わせに注目する。
【0042】
運動範囲を評価するときには、膝を伸長と屈曲との間で移動させながら、大腿骨コンポーネント18への荷重を後方に平行移動させる。脛骨トライアルコンポーネント370はまた、脛骨基部トライアル12のポスト58の軸60を中心に回転させることもできる。性能を高めるために、外科医は、大腿骨コンポーネント18を脛骨トライアルコンポーネント370から連結解除して、脛骨インサートトライアル16を交換することができる。
図11に例示されるように、脛骨インサートトライアル16は、トライアル16を矢印402によって示される方向に移動させることによって、上方に取り外される。係止タブ162がポスト58に固定されるので、脛骨インサートトライアル16を上方に進めることで、ボール204とピン350の外側壁352との間に摩擦に打ち勝ち、よって、脛骨インサートトライアル16がインサートアダプタ14から取り外される。インサートアダプタ14は、トライアルのために別の脛骨インサートトライアル16をインサートアダプタ14に固定することができるように、脛骨基部トライアル12のポスト58に固定される。外科医は、次いで、第2の脛骨インサートトライアル16を選択して、インサートアダプタ14に取り付けることができる。外科医は、次いで、上で論じたように第2の脛骨インサートトライアル16を試験することができる。
【0043】
図面及び上記の説明において本開示を詳細に例証及び説明してきたが、このような例証及び説明は、その性質上、あくまで例示的なものであって限定的なものとは見なすべきではなく、あくまで例示的な実施形態を示しかつ説明してきたにすぎず、本開示の趣旨の範囲内に含まれる全ての変更及び改変は保護されることが望ましいことが理解される。
【0044】
本開示は、本明細書において述べた方法、装置、及びシステムの様々な特徴に基づく複数の利点を有するものである。本開示の方法、装置、及びシステムの代替的実施形態は、ここで述べた特徴の全てを含むわけではないが、こうした特徴の利点の少なくとも一部から利益を享受するものであることに留意されよう。当業者であれば、本発明の1つ以上の特徴を取り入れた、添付の特許請求の範囲において定義される本開示の趣旨及び範囲に包含される方法、装置、及びシステムを独自に容易に実施することが可能である。
【0045】
〔実施の態様〕
(1) 整形外科用手術器具システムであって、
患者の脛骨の近位端に位置付けられるように構成されたプレート及び前記プレートの上面から外側に延在するポストを含む、脛骨基部トライアルと、
脛骨インサートトライアルであって、(i)前記プレートの前記上面と向かい合うように構成された下面、(ii)前記下面とは反対に位置付けられた一対の湾曲面、(iii)前記一対の湾曲面の間に位置付けられた突起、及び(iv)前記下面内に画定された開口、を含む、脛骨インサートトライアルと、
前記脛骨インサートトライアル内に画定された前記開口内に位置付けられるようにサイズ決定されたインサートアダプタであって、(i)前記脛骨基部トライアルの前記ポスト上に位置付けられるようにサイズ決定された基部、及び(ii)前記基部内に位置付けられた係止タブ、を含む、インサートアダプタと、を備え、
前記脛骨基部トライアルの前記ポストが、前記インサートアダプタの前記係止タブに係合して、前記脛骨基部トライアルに対する上下方向における前記インサートアダプタの移動を防止するように構成された、上フランジを含む、整形外科用手術器具システム。
(2) 前記上フランジと前記プレートの前記上面との間にチャネルが画定されており、
前記係止タブが、前記チャネル内に位置付けられるようにサイズ決定されている、実施態様1に記載の整形外科用手術器具システム。
(3) 前記ポストが、前記プレートから前記上フランジまで外側に延在するステムを含み、
前記係止タブが、前記ポストの前記ステムに係合するように構成された一対のアームを含む、実施態様1に記載の整形外科用手術器具システム。
(4) 前記一対のアームの各アームが、ばねクリップである、実施態様3に記載の整形外科用手術器具システム。
(5) 前記脛骨インサートトライアルが、前記開口内に開口する第1の後スロットを含み、
前記インサートアダプタが、前記係止タブの上に位置付けられた第2の後スロットを有し、
前記インサートアダプタが前記脛骨インサートトライアル内に画定された前記開口内に位置付けられるときに、前記第1の後スロット及び前記第2の後スロットが、整列されて、後通路を画定し、該後通路は、前記ポストの前記上フランジを受容して、前記インサートアダプタ及び前記脛骨インサートトライアルが、前記脛骨基部トライアルに対して前後方向に移動することを可能にするようにサイズ決定されている、実施態様1に記載の整形外科用手術器具システム。
【0046】
(6) 前記ポストが、前記プレートから前記上フランジまで外側に延在するステムを含み、
前記係止タブが、前記ポストの前記ステムに係合するように構成されたばねクリップを含む、実施態様5に記載の整形外科用手術器具システム。
(7) 前記インサートアダプタが、開口の下セクションを画定する湾曲壁を含み、前記ばねクリップが、前記開口の前記下セクション内に位置付けられ、かつ前記湾曲壁から離間配置されている、実施態様6に記載の整形外科用手術器具システム。
(8) 前記係止タブが、前記湾曲壁から前記ばねクリップまで内側に延在するトランクを更に含む、実施態様7に記載の整形外科用手術器具システム。
(9) 前記インサートアダプタが、前記基部から外側に延在するプラグを含み、前記プラグが、前記インサートアダプタと前記脛骨インサートトライアルとの間の相対回転を防止するように構成されている、実施態様1に記載の整形外科用手術器具システム。
(10) 前記プラグが、前記脛骨インサートトライアルの平面状の内面に係合して、前記インサートアダプタと前記脛骨インサートトライアルとの間の相対回転を防止するように構成された、平面状の外面を含む、実施態様9に記載の整形外科用手術器具システム。
【0047】
(11) 大腿骨コンポーネントであって、(i)前記脛骨インサートトライアルの前記湾曲面と向かい合うように構成された一対の湾曲面、及び(ii)前記大腿骨コンポーネントを通って内側内側-外側方向に延在する一対の横断ボア、を含む、大腿骨コンポーネントと、
前記横断ボア内に位置付けられるようにサイズ決定された細長いピンと、を更に備え、
前記脛骨インサートトライアルの前記突起が、前記細長いピンを受容して、前記大腿骨コンポーネントを前記脛骨インサートトライアルに連結するようにサイズ決定された、前記内側-外側方向に延在するボアを含む、実施態様1に記載の整形外科用手術器具システム。
(12) 前記大腿プロテーゼコンポーネントが、延長及び屈曲を含む運動範囲にわたって、前記脛骨インサートトライアルに対して関節接合するように構成され、前記脛骨インサートトライアル及び前記インサートアダプタが、前記脛骨基部トライアルの前記ポストを通って延在する軸を中心に回転するように構成されている、実施態様11に記載の整形外科用手術器具システム。
(13) 前記脛骨インサートトライアルが、前記脛骨インサートトライアル内に画定された前記開口の上端部壁から延在するピンを含み、
前記インサートアダプタが、前記基部から外側に延在するプラグを含み、前記プラグを通して開口が画定され、
前記インサートアダプタが前記脛骨インサートトライアル内に画定された前記開口内に位置付けられるときに、前記脛骨インサートトライアルの前記ピンが、前記プラグを通して画定された前記開口内に受容される、実施態様1に記載の整形外科用手術器具システム。
(14) 前記プラグを通して画定された前記開口の中へ前記プラグを通って延在する保持機構を更に備え、前記インサートアダプタが前記脛骨インサートトライアル内に画定された前記開口内に位置付けられるときに、前記保持機構が、前記ピンの外面に係合する、実施態様13に記載の整形外科用手術器具システム。
(15) 整形外科用手術器具システムであって、
患者の脛骨の近位端に位置付けられるように構成されたプレート及び前記プレートの上面から上フランジまで外側に延在するポストを含む、脛骨基部トライアルと、
前記脛骨基部トライアルの前記ポスト上に位置付けられるように構成された脛骨トライアルコンポーネントであって、(i)前記プレートの前記上面と向かい合うように構成された下面、(ii)前記下面とは反対に位置付けられた一対の湾曲面、(iii)前記一対の湾曲面の間に位置付けられた突起、を含む、脛骨トライアルコンポーネントと、を備え、
前記脛骨トライアルコンポーネントは、前記ポストの前記上フランジを受容して、前記脛骨トライアルコンポーネントが、前記脛骨基部トライアルに対して前後方向に移動することを可能にするようにサイズ決定された、後通路を含む、整形外科用手術器具システム。
【0048】
(16) 前記脛骨インサートトライアル及び前記ポストの前記上フランジに連結された係止タブを含む係止機構を更に備え、
前記脛骨トライアルコンポーネントが、第1のモジュラー構成要素及び第2のモジュラー構成要素を含み、前記ポストの前記上フランジが、前記係止タブに係合して、前記脛骨基部トライアルに対する下上方向における前記第1のモジュラー構成要素の移動を防止するように構成されている、実施態様15に記載の整形外科用手術器具システム。
(17) 前記係止タブが、ばねクリップを含む、実施態様16に記載の整形外科用手術器具システム。
(18) 前記第1のモジュラー構成要素が、インサートアダプタであり、前記第2のモジュラー構成要素が、複数の脛骨インサートトライアルのうちの1つの脛骨インサートトライアルであり、各脛骨インサートトライアルが、前記インサートアダプタに選択的に連結されるように構成されている、実施態様16に記載の整形外科用手術器具システム。
(19) 大腿骨コンポーネントであって、(i)前記脛骨インサートトライアルの前記湾曲面と向かい合うように構成された一対の湾曲面、及び(ii)前記大腿骨コンポーネントを通って内側内側-外側方向に延在する一対の横断ボア、を含む、大腿骨コンポーネントと、
前記横断ボア内に位置付けられるようにサイズ決定された細長いピンと、を更に備え、
前記脛骨インサートトライアルの前記突起が、前記細長いピンを受容して、前記大腿骨コンポーネントを前記脛骨インサートトライアルに連結するようにサイズ決定された、前記内側-外側方向に延在するボアを含む、実施態様15に記載の整形外科用手術器具システム。
(20) 整形外科用プロテーゼアセンブリをトライアルする方法であって、
脛骨トライアルコンポーネントを、患者の脛骨の近位端に位置付けられた脛骨基部トライアルと整列させることと、
前記脛骨トライアルコンポーネントを後方に進めて、前記脛骨基部トライアルコンポーネントのポストを、前記脛骨トライアルコンポーネント内に画定された後通路の中へ移動させることと、
前記脛骨トライアルコンポーネントが前記脛骨基部トライアルに対して回転することを可能にするように、前記脛骨トライアルコンポーネントを前記脛骨基部トライアルコンポーネントに連結することと、
大腿骨コンポーネント内に画定された一対の横断ボアを、前記脛骨トライアルコンポーネントの突起内に画定されたボアと整列させることと、
細長いピンを、前記横断ボア及び前記脛骨トライアルコンポーネントの前記突起を通して進めて、前記大腿骨コンポーネントを前記脛骨トライアルコンポーネントに連結することと、
延長及び屈曲を含む運動範囲にわたって前記患者の関節を移動させて、前記脛骨基部トライアル及び前記脛骨トライアルコンポーネントに対応する前記整形外科用プロテーゼアセンブリの構成を評価することと、を含む、方法。
【0049】
(21) 前記脛骨トライアルコンポーネントの脛骨インサートトライアルを上方向に移動させて、前記脛骨トライアルコンポーネントのインサートアダプタ及び前記脛骨トライアルコンポーネントから前記脛骨インサートトライアルを取り外すことと、
前記脛骨インサートトライアルとは異なるサイズを有する第2の脛骨インサートトライアルを選択することと、
前記第2の脛骨インサートトライアルを下方向に移動させて、前記第2の脛骨インサートトライアルを、前記脛骨トライアルコンポーネントの前記インサートアダプタ及び前記脛骨トライアルコンポーネントに取り付けることと、を更に含む、実施態様20に記載の方法。
(22) 前記脛骨トライアルコンポーネントのインサートアダプタを、前記脛骨トライアルコンポーネントの脛骨インサートトライアルと整列させることと、
前記インサートアダプタを、前記脛骨インサートトライアル内に画定された開口の中へ進めて、前記脛骨トライアルコンポーネントを形成することと、を更に含む、実施態様20に記載の方法。