IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ゼネラル・エレクトリック・カンパニイの特許一覧

<>
  • 特許-タービンエーロフォイル多層外壁 図1
  • 特許-タービンエーロフォイル多層外壁 図2
  • 特許-タービンエーロフォイル多層外壁 図3
  • 特許-タービンエーロフォイル多層外壁 図4
  • 特許-タービンエーロフォイル多層外壁 図5
  • 特許-タービンエーロフォイル多層外壁 図6
  • 特許-タービンエーロフォイル多層外壁 図7
  • 特許-タービンエーロフォイル多層外壁 図8
  • 特許-タービンエーロフォイル多層外壁 図9
  • 特許-タービンエーロフォイル多層外壁 図10
  • 特許-タービンエーロフォイル多層外壁 図11
  • 特許-タービンエーロフォイル多層外壁 図12
  • 特許-タービンエーロフォイル多層外壁 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-04
(45)【発行日】2023-08-15
(54)【発明の名称】タービンエーロフォイル多層外壁
(51)【国際特許分類】
   F01D 5/18 20060101AFI20230807BHJP
【FI】
F01D5/18
【請求項の数】 13
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019073236
(22)【出願日】2019-04-08
(65)【公開番号】P2019183841
(43)【公開日】2019-10-24
【審査請求日】2022-03-31
(31)【優先権主張番号】15/948,207
(32)【優先日】2018-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】ガリー・マイケル・イッツェル
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー・クラレンス・ジョーンズ
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ・ウィリアム・ヴェーア
【審査官】高吉 統久
(56)【参考文献】
【文献】実開昭50-098105(JP,U)
【文献】特開2004-257389(JP,A)
【文献】特開2014-163330(JP,A)
【文献】特開2014-080973(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0079540(US,A1)
【文献】米国特許第5027604(US,A)
【文献】特開2017-031973(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 5/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外壁(120)を備えるタービンエーロフォイル(00)であって、前記外壁(120)が、
外層(126)、中間層(128)及び内層(130)を含む複数の離間層(122)であって、前記複数の離間層(122)の各々が、複数の分離部材(140)によって隣り合う離間層(122)から離された、複数の離間層(122)と、
第1の冷却室(152a)を画定する、前記外層(126)と前記中間層(128)との間の第1の間隔(150a)と、
第2の冷却室(152b)を画定する、前記中間層(128)と前記内層(130)との間の第2の間隔(150b)と、
前記第1の冷却室(152a)を軸方向に複数の第1の冷却室(152a)に仕切る第1の仕切壁と、
前記第2の冷却室(152b)を軸方向に複数の第2の冷却室(152b)に仕切る第2の仕切壁と、
前記外層(126)の外面(168)に配置された遮熱コーティング(TBC)(166)であって、高温の作動流体(116)に曝されるように構成された外面(170)を有する遮熱コーティング(TBC)(166)と、
前記内層(130)内の第1の複数のインピンジメント開口(186)であって、前記タービンエーロフォイル(00)の中央冷却室(152)から前記複数の第2の冷却室(152b)のうちの少なくとも1つまで冷却媒体(24)のための通路を提供する第1の複数のインピンジメント開口(186)と、
前記中間層(128)内の第2の複数のインピンジメント開口(186)であって、前記複数の第2の冷却室(152b)のうちの少なくとも1つから前記複数の第1の冷却室(152a)のうちの少なくとも1つまで前記冷却媒体(24)のための通路を提供する第2の複数のインピンジメント開口(186)と、
前記外層(126)内の複数の冷却通路(174)であって、前記複数の第1の冷却室(152a)のうちの少なくとも1つから前記TBC(166)の前記外面(170)まで前記冷却媒体(24)のための通路を提供する複数の冷却通路(174)と
を含んでおり、かつ
前記外壁(120)が、前記TBC(166)の割れ起因の開口(210)に応じて、前記冷却媒体(124)が、前記割れ起因の開口(210)によって曝された前記外壁(120)の部分(202)にわたってスロット冷却フィルム(214)を形成することができるように構成されている、タービンエーロフォイル(00)。
【請求項2】
前記第1の仕切壁が、前記タービンエーロフォイル(00)の半径方向の長さに沿って、前記中間層(128)の外面(146)から前記外層(126)の内面(148)まで延在する、請求項1記載のタービンエーロフォイル(00)。
【請求項3】
前記第2の仕切壁が、前記タービンエーロフォイル(00)の半径方向の長さに沿って、前記内層(130)の外面(142)から前記中間層(128)の内面(144)まで延在する、請求項1記載のタービンエーロフォイル(00)。
【請求項4】
前記外層(126)の前記外面(168)に配置された複数の高台(178)をさらに備え、
前記複数の冷却通路(174)の各冷却通路が、前記複数の高台(178)のうちの1つの高台(178)を通過するように配置され、
前記複数の高台(178)の各高台(178)の最も上面には前記TBC(166)がない、請求項1記載のタービンエーロフォイル(00)。
【請求項5】
前記外層(126)の厚さが、前記中間層(128)及び前記内層(130)のうちの少なくとも1つの厚さに実質的に等しい、請求項1記載のタービンエーロフォイル(00)。
【請求項6】
前記外層(126)の前記厚さがmmmmである、請求項5記載のタービンエーロフォイル(00)。
【請求項7】
前記中間層(128)が、前記中間層(128)の外面(146)と前記第2の複数のインピンジメント開口(186)のインピンジメント開口(186)の側壁(191)との間の境界(192)に面取り(190)を含む、請求項1記載のタービンエーロフォイル(00)。
【請求項8】
前記第1の複数のインピンジメント開口(186)が前記第2の複数のインピンジメント開口(186)と位置合わせされていない、請求項1記載のタービンエーロフォイル(00)。
【請求項9】
外壁(120)を備える高温ガス通路(HGP)構成部品(30)であって、前記外壁(120)が、
外層(126)、中間層(128)及び内層(130)を含む複数の離間層(122)であって、前記複数の離間層(122)の各々が、複数の分離部材(140)によって隣り合う離間層(122)から離された、複数の離間層(122)と、
第1の冷却室(152a)を画定する、前記外層(126)と前記中間層(128)との間の第1の間隔(150a)と、
第2の冷却室(152b)を画定する、前記中間層(128)と前記内層(130)との間の第2の間隔(150b)と、
前記第1の冷却室(152a)を軸方向に複数の第1の冷却室(152a)に仕切る第1の仕切壁と、
前記第2の冷却室(152b)を軸方向に複数の第2の冷却室(152b)に仕切る第2の仕切壁と、
前記外層(126)の外面(168)に配置された遮熱コーティング(TBC)(166)であって、高温の作動流体(116)に曝されるように構成された外面(170)を有する遮熱コーティング(TBC)(166)と、
前記内層(130)内の第1の複数のインピンジメント開口(186)であって、前記高温ガス通路(HGP)構成部品(30)の中央冷却室(152)から前記複数の第2の冷却室(152b)のうちの少なくとも1つまで冷却媒体(24)のための通路を提供する第1の複数のインピンジメント開口(186)と、
前記中間層(128)内の第2の複数のインピンジメント開口(186)であって、前記複数の第2の冷却室(152b)のうちの少なくとも1つから前記複数の第1の冷却室(152a)のうちの少なくとも1つまで前記冷却媒体(24)のための通路を提供する第2の複数のインピンジメント開口(186)と、
前記外層(126)の前記外面(168)に配置された複数の高台(178)であって、前記複数の高台(178)の各高台(178)の最も上面には前記TBC(166)がない、複数の高台(178)と、
前記外層(126)内の複数の冷却通路(174)であって、前記複数の冷却通路(174)の各冷却通路が、前記複数の高台(178)のうちの1つの高台(178)を通過するように配置され、前記複数の冷却通路(174)が、前記複数の第1の冷却室(152a)のうちの少なくとも1つから前記TBC(166)の前記外面(170)まで前記冷却媒体(24)のための通路を提供する複数の冷却通路(174)と
を含んでおり、かつ
前記外壁(120)が、前記TBC(166)の割れ起因の開口(210)に応じて、前記冷却媒体(124)が、前記割れ起因の開口(210)によって曝された前記外壁(120)の部分(202)にわたってスロット冷却フィルム(214)を形成することができるように構成されている、高温ガス通路(HGP)構成部品(30)。
【請求項10】
タービンエーロフォイル(00)を付加製造するステップであって、前記タービンエーロフォイル(00)が外壁(20)を含み、前記外壁(20)が、
外層(126)、中間層(128)及び内層(130)を含む複数の離間層(122)であって、前記複数の離間層(122)の各々が、複数の分離部材(140)によって隣り合う離間層(122)から離された、複数の離間層(122)と、
第1の冷却室を画定する、前記外層(126)と前記中間層(128)との間の第1の間隔(150a)と、
第2の冷却室(152b)を画定する、前記中間層(128)と前記内層(130)との間の第2の間隔(150b)と、
前記第1の冷却室(152a)を軸方向に複数の第1の冷却室(152a)に仕切る第1の仕切壁と、
前記第2の冷却室(152b)を軸方向に複数の第2の冷却室(152b)に仕切る第2の仕切壁と、
前記内層(130)内の第1の複数のインピンジメント開口(186)であって、前記タービンエーロフォイル(00)の中央冷却室(152)から前記複数の第2の冷却室(152b)のうちの少なくとも1つまで冷却媒体(24)のための通路を提供する第1の複数のインピンジメント開口(186)と、
前記中間層(128)内の第2の複数のインピンジメント開口(186)であって、前記複数の第2の冷却室(152b)のうちの少なくとも1つから前記複数の第1の冷却室(152a)のうちの少なくとも1つまで前記冷却媒体(24)のための通路を提供する第2の複数のインピンジメント開口(186)と、
前記外層(126)内の複数の冷却通路(174)であって、前記複数の第1の冷却室(152a)のうちの少なくとも1つから前記外層の外面(168)まで前記冷却媒体(24)のための通路を提供する複数の冷却通路(174)と
を有する、ステップと、
前記外層(126)の前記外面(168)に遮熱コーティング(TBC)(166)を施工するステップであって、前記TBC(166)が、高温の作動流体(116)に曝されるように構成された外面(170)を有する、ステップと
前記TBC(166)の割れ起因の開口(210)に応じて、前記冷却媒体(124)が、前記割れ起因の開口(210)によって曝された前記外壁(120)の部分(202)にわたってスロット冷却フィルム(214)を形成することができるステップと
を含む方法。
【請求項11】
前記スロット冷却フィルム(214)が、前記割れ(200)起因の開口(210)によって曝された前記第2の複数のインピンジメント開口(186)の第1の部分(202)を出る第1の適応性冷却媒体(216)と、前記第2の複数のインピンジメント開口(186)の第2の部分(202)を出る第2の適応性流体流とによって形成され、前記第2の複数のインピンジメント開口(186)の前記第2の部分が、前記第1の部分(202)に隣り合って、その上流にあり、前記第2の適応性流体流が、前記第1の適応性流体流に接触して、前記第1の適応性流体流を前記外層の内面(148)に平行な方向に向ける、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の仕切壁が、前記割れ(200)起因の開口(210)に前記作動流体(116)が入ることを防ぎ、前記第1の仕切壁が、前記割れ(200)起因の開口(210)に前記スロット冷却フィルム(214)が再び入ることを防ぐ、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記中間層(128)が、前記中間層(128)の外面(146)と前記第2の複数のインピンジメント開口(186)のインピンジメント開口の側壁(191)との間の境界(192)に面取り(190)を含み、前記面取り(190)が、前記中間層(128)の前記外面(146)と実質的に平行に前記冷却媒体(24)を向けることができるステップをさらに含む、請求項10記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に、構成部品の冷却に関し、より詳細には、付加製造によって作られる高温ガス通路構成部品の多層壁に関する。
【背景技術】
【0002】
高温の作動流体に曝される高温ガス通路構成部品は、産業機械で広く使用されている。例えば、ガスタービンシステムは、支持ロータディスクから外向きに延在するブレードを有するいくつかの段を有するタービンを含む。各ブレードは、高温燃焼ガスの流れに曝されるエーロフォイルを含む。エーロフォイルは、燃焼ガスによって生じる高温に耐えるように冷却しなければならない。冷却が不十分であるとエーロフォイルに過度の応力および酸化が生じ、それは、疲労および/または損傷をもたらすことがある。したがって、エーロフォイルは一般的には中空で、1つまたは複数の内部冷却流回路がいくつかの冷却孔などにつながっている。冷却空気は冷却孔を通って排出されて、エーロフォイルの外面をフィルム冷却する。他のタイプの高温ガス通路構成部品および他のタイプのタービン構成部品も、同様な仕方で冷却することができる。
【0003】
所与の構成部品が現地で作動する前に、多くのモデルおよびシミュレーションが実施されることがあるが、構成部品またはその任意の領域が達し得る正確な温度は、構成部品特有の高温箇所および低温箇所によって大きく変わる。詳細には、構成部品は、過熱によって悪影響を受けることがある温度依存の特性を有することがある。その結果、多くの高温ガス通路構成部品は、構成部品に生じ得る局所的な高温箇所を補償するために冷却し過ぎることがある。しかしながら、そのような過度な過冷却は、産業機械全体の出力および効率に悪影響を与えることがある。
【0004】
冷却通路があるにもかかわらず、多くの構成部品はまた、構成部品を保護するためにその外面に施工された遮熱コーティング(TBC:thermal barrier coating)に依存する。割れと呼ばれる切れ目、亀裂、または減損が、高温ガス通路構成部品のTBCに生じた場合、割れでの構成部品の局所的な温度は有害な温度に上昇することがある。例えば、割れによって高温ガス通路構成部品の外壁が高温流体に曝されると、外面が酸化され、高温ガス通路構成部品の寿命が短くなる。TBC割れに対する1つの手法では、TBCの下の冷却孔にプラグが設けられる。割れが生じると、プラグは、典型的には、プラグを溶かすのに十分な熱に曝されることによって除去され、冷却孔が開き、冷却媒体が、冷却孔に流体結合した内部冷却回路から流れることができる。プラグは、除去されやすいように多孔質とすることができる。このような方法で過冷却を少なくする。しかしながら、プラグを形成することは複雑であり、材料を精密に機械加工して、かつ/または精密に熱処理または化学処理をしてプラグを生成する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許出願公開第20170328212号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様は、タービンエーロフォイルを提供する。本エーロフォイルは外壁を含み、外壁は、外層、中間層、および内層を含む複数の離間層であって、複数の離間層のそれぞれが、複数の分離部材によって隣り合う離間層から離された、複数の離間層と、第1の冷却室を画定する、外層と中間層との間の第1の間隔と、第2の冷却室を画定する、中間層と内層との間の第2の間隔と、第1の冷却室を軸方向に複数の第1の冷却室に仕切る第1の仕切壁と、第2の冷却室を軸方向に複数の第2の冷却室に仕切る第2の仕切壁と、外層の外面に配置された遮熱コーティング(TBC)であって、高温の作動流体に曝されるように構成された外面を有するTBCと、内層内の第1の複数のインピンジメント開口であって、タービンエーロフォイルの中央冷却室から複数の第2の冷却室のうちの少なくとも1つまで冷却媒体のための通路を提供する第1の複数のインピンジメント開口と、中間層内の第2の複数のインピンジメント開口であって、複数の第2の冷却室のうちの少なくとも1つから複数の第1の冷却室のうちの少なくとも1つまで冷却媒体のための通路を提供する第2の複数のインピンジメント開口と、外層内の複数の冷却通路であって、複数の第1の冷却室のうちの少なくとも1つからTBCの外面まで冷却媒体のための通路を提供する複数の冷却通路とを含む。
【0007】
本開示の第2の態様は、高温ガス通路(HGP:hot gas path)構成部品を提供する。本高温ガス通路(HGP)構成部品は外壁を含み、外壁は、外層、中間層、および内層を含む複数の離間層であって、複数の離間層のそれぞれが、複数の分離部材によって隣り合う離間層から離された、複数の離間層と、第1の冷却室を画定する、外層と中間層との間の第1の間隔と、第2の冷却室を画定する、中間層と内層との間の第2の間隔と、第1の冷却室を軸方向に複数の第1の冷却室に仕切る第1の仕切壁と、第2の冷却室を軸方向に複数の第2の冷却室に仕切る第2の仕切壁と、外層の外面に配置された遮熱コーティング(TBC)であって、高温の作動流体に曝されるように構成された外面を有するTBCと、内層内の第1の複数のインピンジメント開口であって、高温ガス通路(HGP)構成部品の中央冷却室から複数の第2の冷却室のうちの少なくとも1つまで冷却媒体のための通路を提供する第1の複数のインピンジメント開口と、中間層内の第2の複数のインピンジメント開口であって、複数の第2の冷却室のうちの少なくとも1つから複数の第1の冷却室のうちの少なくとも1つまで冷却媒体のための通路を提供する第2の複数のインピンジメント開口と、外層の外面に配置された複数の高台であって、複数の高台の各高台の最も上面にはTBCがない、複数の高台と、外層内の複数の冷却通路であって、複数の冷却通路の各冷却通路が、複数の高台のうちの1つの高台を通過するように配置され、複数の冷却通路が、複数の第1の冷却室のうちの少なくとも1つからTBCの外面まで冷却媒体のための通路を提供する複数の冷却通路とを含む。
【0008】
本開示の第3の態様は方法を提供する。本方法は、タービンエーロフォイルを付加製造するステップであって、タービンエーロフォイルが外壁を含み、外壁が、外層、中間層、および内層を含む複数の離間層であって、複数の離間層のそれぞれが、複数の分離部材によって隣り合う離間層から離された、複数の離間層と、第1の冷却室を画定する、外層と中間層との間の第1の間隔と、第2の冷却室を画定する、中間層と内層との間の第2の間隔と、第1の冷却室を軸方向に複数の第1の冷却室に仕切る第1の仕切壁と、第2の冷却室を軸方向に複数の第2の冷却室に仕切る第2の仕切壁と、内層内の第1の複数のインピンジメント開口であって、タービンエーロフォイルの中央冷却室から複数の第2の冷却室のうちの少なくとも1つまで冷却媒体のための通路を提供する第1の複数のインピンジメント開口と、中間層内の第2の複数のインピンジメント開口であって、複数の第2の冷却室のうちの少なくとも1つから複数の第1の冷却室のうちの少なくとも1つまで冷却媒体のための通路を提供する第2の複数のインピンジメント開口と、外層内の複数の冷却通路であって、複数の第1の冷却室のうちの少なくとも1つから外層の外面まで冷却媒体のための通路を提供する複数の冷却通路とを有する、ステップと、外層の外面に遮熱コーティング(TBC)を施工するステップであって、TBCが、高温の作動流体に曝されるように構成された外面を有する、ステップとを含む。
【0009】
本開示の例示的な態様は、本明細書で説明する問題および/または説明しない他の問題を解決するように設計される。
【0010】
この開示のこれらのおよび他の特徴は、本開示の様々な実施形態を示す添付の図面と併せて、本開示の様々な態様の以下の詳細な説明から、より容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】ガスタービンシステムの形態の、高温ガス通路構成部品を有する例示的な産業機械の概略図である。
図2】タービンエーロフォイルの形態の、知られている高温ガス通路構成部品の斜視図である。
図3】本開示の実施形態による、タービンエーロフォイルの形態の高温ガス通路構成部品の斜視図である。
図4】本開示の実施形態による、タービンエーロフォイルの多層外壁の一部分の断面図である。
図5】本開示の実施形態による、タービンエーロフォイルの多層外壁の分離部材の様々な形状の断面図である。
図6】本開示の実施形態による、タービンエーロフォイルの多層外壁の分離部材の様々な形状の断面図である。
図7】本開示の実施形態による、タービンエーロフォイルの多層外壁の分離部材の様々な形状の断面図である。
図8】本開示の実施形態による、タービンエーロフォイルの多層外壁の分離部材の様々な形状の断面図である。
図9】本開示の実施形態による、タービンエーロフォイルの多層外壁の分離部材の様々な形状の断面図である。
図10】本開示の実施形態による、タービンエーロフォイルの多層外壁の分離部材の様々な形状の断面図である。
図11】本開示の実施形態による、壁の外層にわたるTBCの割れを含むタービンエーロフォイルの多層外壁の一部分の断面図である。
図12】本開示の実施形態による、壁の外層の割れ起因の開口を含むタービンエーロフォイルの多層外壁の一部分の断面図である。
図13】本開示の実施形態による、タービンエーロフォイルの形態の高温ガス通路構成部品を表すコードを記憶する非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含む付加製造プロセスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の図面は原寸に比例したものではないことに留意されたい。図面は、本開示の単なる典型的な態様を示すことを意図しており、したがって、本開示の範囲を限定するものと見なすべきではない。図面においては、図面間で同様の番号は同様の要素を表す。
【0013】
初期事項として、本開示を明確に説明するために、ガスタービンシステムなどの産業機械内の関連する機械構成部品に言及し説明するときに特定の専門用語を選択することが必要になる。これを行うときに、可能ならば、共通の工業用語をその受け入れられている意味と矛盾しないように使用し利用する。特に明記しない限り、そのような用語には、本願の文脈および添付の特許請求の範囲と矛盾しない広義の解釈を与えるべきである。当業者は、特定の構成部品がしばしば、いくつかの異なる用語または重複する用語を使用して言及される場合があることを認識するであろう。本明細書で単一の部品として記述されるものが、別の文脈では複数の構成部品を含み、また、複数の構成部品から構成されると言及されることがある。あるいは、本明細書で複数の構成部品を含むと記述されるものが、別のところでは単一の部品として言及されることがある。
【0014】
さらに、本明細書ではいくつかの説明的な用語を定常的に使用することがあり、この項の始めにこれらの用語を定義することは役立つとわかるはずである。これらの用語およびそれらの定義は、特に明記しない限り、以下の通りである。用語「半径方向(radial)」は、軸に垂直な動きまたは位置を指す。このような場合、第1の構成部品が第2の構成部品よりも軸の近くにあれば、本明細書では、第1の構成部品は第2の構成部品の「半径方向内側(radially inward)」または「内周側(inboard)」にあると記述される。一方、第1の構成部品が第2の構成部品よりも軸から遠くにあれば、本明細書では、第1の構成部品は第2の構成部品の「半径方向外側(radially outward)」または「外周側(outboard)」にあると記述することができる。このような用語は、タービンの中心軸に関して適用することができることは認識されよう。
【0015】
上記のように、本開示は、多層を有する外壁を含むタービンエーロフォイルの形態の高温ガス通路(HGP)構成部品を提供する。タービンエーロフォイルの外壁の層は、それらの間に冷却室を形成するように間隔を空けて配置することができる。層と層との間を延在する仕切壁によって冷却室をそれぞれ、軸方向に多数の冷却室に仕切ることができる。タービンエーロフォイルの外壁の外層は多数の冷却通路を含むことができ、それらの冷却通路によって、冷却流体は冷却室の少なくとも1つからタービンエーロフォイルの外面に流れることができる。外層はまた、その外面に遮熱コーティング(TBC)を含むことができる。外層以外の外壁の層はそれぞれ、多数のインピンジメント開口を含むことができ、それらのインピンジメント開口によって、冷却流体はタービンエーロフォイルの中央室と冷却室のうちの少なくとも1つとの間に流れることができる。
【0016】
タービンエーロフォイルの外壁およびその構造は付加製造によって形成することができる。遮熱コーティング(TBC)の割れによって多層外壁の外層が高温環境に曝されると、壁の構造によって、冷却流体流はタービンエーロフォイルの中央室から冷却室を通って外層の内面に流れて、曝された外層の酸化を遅らせることができる。外層が酸化されて壁の他の層のうちの少なくとも1つが曝されると、冷却室およびインピンジメント開口によって、冷却流体流は、曝された外層の開口にわたってスロットフィルムを形成することができる。割れが形成される前には、冷却室およびインピンジメント開口によって、冷却流体流は、外層の内面に接触して外層を冷却することができる。本明細書で説明するようなタービンエーロフォイル外壁およびその構造は、TBCに割れが形成されている状態のエーロフォイルの寿命を延ばすことができる。
【0017】
次に図を参照するが、これらの図では、いくつかの図を通して、類似の数字が類似の要素を指している。図1は、ガスタービンシステム2の形態の例示的な産業機械の概略図である。本開示はガスタービンシステム2に関して説明するが、本開示の教示は、冷却を必要とする高温ガス通路構成部品を有する任意の産業機械に適用可能であることを強調しておく。ガスタービンシステム2は圧縮機4を含むことがある。圧縮機4は流入する空気8の流れを圧縮し、圧縮された空気8の流れを燃焼器10に送出する。燃焼器10は、圧縮された空気8の流れを、加圧された燃料12の流れと混合し、その混合物を点火して燃焼ガス16の流れを生成する。単一の燃焼器10のみを示しているが、ガスタービンシステム2は、任意の数の燃焼器10を含むことができる。燃焼ガス16の流れは、続いてタービン18に送出される。燃焼ガス16の流れは、機械仕事を生じるようにタービン18を駆動する。タービン18で生じた機械仕事は、シャフト20を介して圧縮機4を駆動し、かつ発電機などの外部負荷24を駆動する。
【0018】
ガスタービンシステム2は、天然ガス、液体燃料、様々なタイプの合成ガス、および/または他のタイプの燃料、ならびにこれらの混合物を使用することができる。ガスタービンシステム2は、例えば、New York州SchenectadyのGeneral Electric Companyによって提供されるいくつかの異なるガスタービンエンジンのうちのいずれか1つとすることができる。ガスタービンシステム2は様々な構成を有することができ、他のタイプの構成部品を使用することができる。本開示の教示は、他のタイプのガスタービンシステムおよび/または高温ガス通路を用いる産業機械に適用可能とすることができる。複数のガスタービンシステム、または複数のタイプのタービン、および/または複数のタイプの発電装置もまた本明細書で一緒に使用することができる。
【0019】
図2は、タービン18(図1)などの高温ガス通路(HGP)に使用することができるタービンエーロフォイル32を有する高温ガス通路(HGP)構成部品30の例を示す。本開示は、タービンエーロフォイル32に関して、より詳細には、その外壁34に関して説明するが、本開示の教示は、冷却を必要とする任意の高温ガス通路(HGP)構成部品に適用可能であることを強調しておく。大まかに説明すると、HGP構成部品30は、エーロフォイル32と、シャンク部36と、エーロフォイル32とシャンク部36との間に配置されたプラットフォーム40とを含むことができる。エーロフォイル32は概ね、プラットフォーム40から半径方向外向きに延在し、前縁42および後縁44を含む。エーロフォイル32はまた、圧力側48を画定する凹面、および負圧側46を画定する反対側の凸面を含むことができる。プラットフォーム40は、概ね水平で平面状とすることができる。シャンク部36は、プラットフォーム40から半径方向下向きに延在することができ、その結果、プラットフォーム40は概ね、エーロフォイル32とシャンク部36との間の境界を画定する。シャンク部36はシャンクキャビティ52を含むことができる。シャンク部36はまた、1つまたは複数のエンゼルウイング54と、ダブテールなどの翼根構造体56とを含むことができる。翼根構造体56は、他の構造体と共にHGP構成部品30をシャフト20(図1)に固定するように構成することができる。任意の数のHGP構成部品30をシャフト20(図1)の周りに周方向に配置することができる。 他の構成部品および/または構成もまた本明細書で使用することができる。
【0020】
タービンエーロフォイル32は、その中を延在する1つまたは複数の冷却回路60を含んで、空気などの冷却媒体62を圧縮機4(図1)または別の供給源から流すことができる。蒸気および他のタイプの冷却媒体62もまた本明細書で使用することができる。冷却回路60および冷却媒体62は、少なくとも、エーロフォイル32、シャンク部36、およびプラットフォーム40の部分を通って、任意の順序、方向、経路で循環することができる。本明細書では、多くの異なるタイプの冷却回路および冷却媒体を任意の向きに使用することができる。冷却回路60は、エーロフォイル32の周りまたはその他の場所をフィルム冷却するためのいくつかの冷却通路66または他のタイプの冷却通路につながることができる。他のタイプの冷却方法を使用することができる。他の構成部品および/または構成もまた本明細書で使用することができる。
【0021】
図3~4は、本明細書で説明することができるようなタービンエーロフォイル100(以降、エーロフォイル100)の形態のHGP構成部品の例を示す。図3は、エーロフォイル100の斜視図、図4は、エーロフォイル100の外壁120の一部分の断面図である。エーロフォイル100の一部分を図4に示しているが、外壁120およびその構造体は、エーロフォイル100の周囲の一部分または全部に沿って延在することができることは理解される。
【0022】
本明細書で説明するような外壁120およびその構造体は、エーロフォイル100に限定されるわけではない。上記のように、本明細書ではエーロフォイル100に関して説明しているが、本開示の構造体はブレード、ベーン、あるいは、シャンク、プラットフォーム、または任意のタイプの高温ガス通路構成部品を含む任意のタイプの空冷構成部品の一部分とすることができる。他のタイプのHGP構成部品および他の構成を本明細書で使用することができる。本開示の構造はまた、ノズル(例えば、ステータノズル、ノズル側壁など)、シュラウド、ヒートシールド、および/または燃焼構成部品に適用可能となる場合がある。
【0023】
上記のものと同様に、エーロフォイル100は、前縁108および後縁110を含むことができる。同様に、エーロフォイル100は、圧力側112および負圧側114を含むことができる。作動流体116は、エーロフォイル100の曝されている遮熱コーティング(TBC)166に沿って前縁から後縁まで流れることができる。作動流体116は高温を含むことがある。「高温」は、本明細書で使用するとき、産業機械の形態によるが、例えば、ガスタービンシステム2に対しては、高温は摂氏100度(℃)より高い任意の温度とすることができる。
【0024】
図3および4に示すように、エーロフォイル100は、本開示の実施形態による外壁120を含むことができる。図4に最も良く示されているように、外壁120は複数の離間層122を含む。本明細書でさらに詳細に説明するように、複数の離間層122は、エーロフォイル100の中を通って流れる冷却媒体124によって外壁120および/またはエーロフォイル100の冷却を改善することができる。エーロフォイル100の外壁120は、外層126、中間層128、および内層130を含むことができる。離間層122はそれぞれ、ほぼ0.020インチ~ほぼ0.100インチの厚さを含むことができる。2つ以上の離間層122は、同じおよび/または異なる厚さを含むように形成することができる。図4の例では、外層126は、中間層128の厚さT2および/または内層130の厚さT3に実質的に等しい厚さT1を含むことができる。3つの層が示されているが、外壁120が、任意の所望の数の離間層122(例えば、5層、10層、20層など)を含むことができる、すなわち2つ以上の中間層128を有することができることは理解される。
【0025】
外壁120は、各離間層を、隣り合う離間層122から離す多数の分離部材140を含むことができる。各分離部材140は、1つまたは複数の金属などの熱伝導性材料から形成することができる。分離部材140は、作動中、外壁120中に熱を伝導し、冷却媒体124の流れを外壁120中に導く助けとなることができる。図4に示すように、分離部材140aは、内層130の外面142から中間層128の内面144まで延在することができる。分離部材140bは、中間層128の外面146から外層126の内面148まで延在することができる。分離部材140は、例えば、エーロフォイル100を使用している特定のターボ機械の特性、および/またはそのターボ機械が使用されている流路に基づいて、任意の距離だけ離間層122を離すことができる。例えば、分離部材140は、各離間層122を、後程、本明細書で説明する、1つまたは複数の離間層内に形成されるインピンジメント開口の直径のほぼ半分~5倍に等しい距離だけ離すことができる。この距離で離間層122を形成すると、作動中、外壁120の層間で淀むことがある冷却媒体124の量を減らすことができる。
【0026】
図5~10を簡単に参照すると、分離部材140の様々な幾何形状の断面図が示されている。分離部材140は、作動中、外壁120中に熱を伝導し、冷却媒体124の流れを導くために任意の望ましい断面形状を含むことができる。断面形状はまた、例えば、エーロフォイル100を使用することができる特定のターボ機械の特性、および/またはそのターボ機械が使用されている流路に基づいて選択することができる。例えば、図5および6に示すように、分離部材140は、円形または楕円形の断面形状を含むことができる。図7および8に示すように、分離部材140は、方形または矩形の断面形状を含むことができる。図9に示すように、分離部材140は、湾曲した側面を有する、方形などの多角形の断面形状を含むことができる。図10に示すように、分離部材140は、曲線からなる、および/または混合した(すなわち、レーストラック形の)断面形状を含むことができる。図5~10には特定の形状および向きを含むように示されているが、分離部材は、任意の望ましい断面形状および/または向きを含むことができることは理解される。図4には、分離部材140の特定の配置および数が示されているが、本開示の範囲を超えることなく、分離部材の任意の望ましい数および/または配置を使用して離間層122を離すことができることは理解される。さらに、任意の数の分離部材140は、同じおよび/または異なる断面形状を含むことができることは理解される。
【0027】
外壁120の複数の離間層122によって、エーロフォイル100の外壁120内に複数の冷却室152を形成することができる。本明細書で説明するように、複数の室152は、作動中、外壁120および/またはエーロフォイル100の冷却を改善することができる。図4に示すように、離間層122の間の間隔150は冷却室152を画定することができる。例えば、外層126と中間層128との間の第1の間隔150aは第1の冷却室152aを画定することができる。中間層128と内層130との間の第2の間隔150bは第2の冷却室152bを画定することができる。上記のように、外壁120には任意の数の離間層122を含むことができ、したがって、外壁120には、層間の間隔150によって画定された任意の数の冷却室152を含むことができる。
【0028】
外壁120はまた、一組の離間層122間の各冷却室152を軸方向にいくつかの冷却室154に分ける少なくとも1つの仕切壁156を含むことができる。仕切壁156は、分離部材140とは対照的に、図4の紙面の奥および手前に延在することができる。本明細書でさらに説明するように、割れ起因の開口(例えば、図12の割れ起因の開口210)が外壁120の外層126に形成された状態において、仕切壁156は、エーロフォイル100に冷却媒体124が再び入ること、および作動流体116が入ることを防ぐことができる。 図4に示すように、第1の組の仕切壁156aは、第1の冷却室152aを軸方向に複数の第1の室154aに分けることができる。第1の組の仕切壁156aの各仕切壁156は、中間層128の外面146から外層126の内面148まで延在することができる。また図4に示すように、第2の組の仕切壁156bは、第2の冷却室152bを軸方向に複数の第2の室154bに分けることができる。第2の組の仕切壁156bの各仕切壁156は、内層130の外面142から中間層128の内面144まで延在することができる。
【0029】
各仕切壁156は、実質的に、エーロフォイル100の半径方向長さL(図3)全体に沿って延在することができる。例えば、各仕切壁156は、エーロフォイル100の全長に対して図4の紙面の奥および手前に延在することができる。別の非限定的な例では、各仕切壁156は、エーロフォイル100の半径方向長さL(図3)の異なる部分に沿って延在することができる。図4にさらに示すように、隣り合う第1および第2の仕切壁156a、156b、例えば、隣り合う組158(仮想線で示す)は、実質的に、互いに位置合わせしてもよい。あるいは、隣り合う第1および第2の仕切壁156a、156b、例えば、隣り合う組160(仮想線で示す)は、実質的に、互いに位置合わせしなくてもよい。4つの仕切壁156が図4の例に示されているが、エーロフォイル100の外壁120の圧力側112および/または負圧側114に沿って、任意の望ましい数の仕切壁を含むことができることは理解される。
【0030】
上記のように、エーロフォイル100は、作動流体116に曝されるように外壁120に配置されたTBC166を含むことができる。TBC166は、構成部品が高温の作動流体116に曝されている間、エーロフォイル100を保護することができる。例えば、TBC166の外面170は、作動流体116に曝されても耐えるように構成することができる。図3および4に示すように、TBC166は、エーロフォイル100の外壁120の外層126の外面168に配置することができる。TBC166は、外壁120の外面168を熱損傷(例えば、クリープ、熱疲労、亀裂、および/または酸化)から保護するように構成された、現在知られている、または将来開発されるいかなる層または材料をも含むことができる。TBC166は、例えば、セラミック層、ジルコニア、イットリア安定化ジルコニア、白金アルミナイドなどの貴金属アルミナイド、Mがコバルト、ニッケル、またはコバルト-ニッケル合金とすることができ、Yがイットリアまたは別の希土類元素であるMCrAlY合金、ならびに/あるいは現在知られている、または将来開発されるいかなる他のTBC材料をも含むことができる。
【0031】
TBC166は、1つまたは複数の材料成分の1つまたは複数の層を含むことができる。例えば、TBC166は、遮熱層の下にボンドコートを含むことができる。図示していない別の非限定的な例では、TBC166は、ボンドコート層と、ボンドコート層上に配置された中間層と、中間層上に配置された外層または断熱層とを含むことができる。TBC166がボンドコート層(図示せず)を含む例では、ボンドコート層は、拡散アルミナイドを含むアルミニウム含有量の多い材料、Mが鉄、コバルト、またはニッケル、Yがイットリアまたは別の希土類元素であるMCrAlY、あるいは任意の他の適切なボンドコート材料を含むことができる。TBCが中間層を含む例では、中間層は、イットリア安定化ジルコニアまたは任意の他のTBC中間層材料を含むことができる。TBC166が外層または断熱層を含む例では、断熱層は、例えば、ジルコニウム基またはハフニウム基酸化物格子構造(ZrO2またはHfO2)、ならびに酸化イッテルビウム(Yb2O3)、酸化イットリア(Y2O3)、酸化ハフニウム(HfO2)、酸化ランタン(La2O3)、酸化タンタル(Ta2O5)、および酸化ジルコニウム(ZrO2)のうちの1つまたは複数を含む酸化物安定剤化合物(酸化物「ドーパント」とも呼ばれる)、あるいは任意の他の望ましいTBC断熱材料を含む超低熱伝導率のセラミック材料を含むことができる。
【0032】
TBC166は、外面168に、堆積、ならびに/あるいは表面にTBCを形成するための、現在知られている、または将来開発される任意の他のプロセスによって形成することができる。TBC166は、エーロフォイル100を完成させた後に、外層126の外面168に形成することができる。別の非限定的な例では、TBC166は、外層126内に冷却通路174を形成する前に、外面168に形成することができる。
【0033】
図4で最も良く示され、本明細書でより詳細に説明されるように、外壁120の離間層122はそれぞれ、複数の開口を含んで、冷却媒体124を、エーロフォイル100の中央室172から外壁120を通ってTBC166の外面170に流れるように向けることができる。例えば、作動中、冷却媒体124は、中央室172から通路A、B、および/またはCに沿って流れるように向けられることができる。高温の作動流体116に曝されている間、冷却媒体124はエーロフォイル100を冷却することができる。例えば、外壁120を通って流れる冷却媒体124は、外壁120、TBC166、および/またはエーロフォイル100の他の部分からの熱を吸収することができる。
【0034】
まず、外層126を見ると、その中に複数の冷却通路174を含むことができる。TBC166が高温の作動流体116に曝されているとき、冷却通路174によって、冷却媒体124は、外壁120を出てTBC166を冷却することができる。例えば、冷却媒体124は、通路Cに沿って、複数の第1の冷却室154aのうちの1つまたは複数からTBC166の外面170に流れることができる。冷却通路174は、例えば、特定のターボ機械の特性、および/またはそのターボ機械が使用されている流路に基づいて選択された任意の大きさ、形状、または構成を有することができる。ここでは、任意の数の冷却通路174を使用することができる。冷却通路174は、直交して、または直交しないで、外層126の外面168に、および/またはTBC166の外面170に延在することができる。
【0035】
図3および4に示すように、外層126は、任意選択的に、外層126の外面168に配置された複数の高台178または隆起形状部を含むことができる。高台178は、外層126の部分に厚みを追加することができる。高台178の存在によって、冷却通路174の長さは長くなり、したがって、冷却通路174を通る冷却媒体124の流れを改善することができる。1つまたは複数の冷却通路174は、高台178を通って、その最も上面180に延在することができる。様々な実施形態において、図4に示す設定では、各高台178は、ほぼ0.1インチ~1.5インチの幅W、およびほぼ0.04インチ~ほぼ0.15インチの高さHを有することができる。図3および4の例では、特定の数の高台178が示されているが、外層126の外面168には任意の数の高台を含むことができることは理解される。図4にさらに示すように、外層126がその上に配置された高台178を含む例では、TBC166は、高台178の高さ以下の厚さを含むことができる。例えば、図3および4の両方に示すように、高台178の最も上面180は、TBC166がないままとすることができる。表面180は、図3には、方形を含むように示されているが、表面180は、例えば、円形、ひし形、矩形、卵形など、任意の望ましい形状を含むことができることは理解される。
【0036】
次に、離間層122のうちの中間層128および内層130を見ると、各層は、複数のインピンジメント開口186を含むことができる。インピンジメント開口186は、エーロフォイル100の中央室172から外壁120の冷却室152に入って通過するように、冷却媒体124の流れを向けることができる。例えば、図4に示すように、中間層128は、その中に形成された第1の複数のインピンジメント開口186aを含むことができる。作動中、冷却媒体124は、通路Aに沿って、中央室172から第2の複数のインピンジメント開口186bを通って複数の第2の冷却室154bのうちの1つまたは複数の冷却室内に流れるように向けられることができる。内層130は、その中に形成された第2の複数のインピンジメント開口186bを含むことができる。作動中、冷却媒体124はまた、通路Bに沿って、複数の第2の冷却室154bのうちの1つまたは複数から第1の複数のインピンジメント開口186aを通って複数の第1の冷却室154aのうちの1つまたは複数の冷却室に流れるように向けられることができる。図4に示すように、通路Bに沿って流れる冷却媒体124は、内面148に接触して、それから熱を吸収して外層126を冷却することができる。
【0037】
インピンジメント開口186は、例えば、エーロフォイル100を使用することができる特定のターボ機械の特性、および/またはそのターボ機械が使用されている流路に基づいて選択された任意の大きさ、形状、または構成を有することができる。例えば、各インピンジメント開口186は、ほぼ0.012インチ~ほぼ0.10インチの直径を含むことができ、開口の直径のほぼ3倍~ほぼ12倍に相当する距離だけ互いから間隔を空けて配置することができる。上記のように、一例では、分離部材140に関しては、各離間層122を、インピンジメント開口の直径のほぼ半分~5倍の距離だけ離すことができ、それは、作動中、冷却室内で淀むことがある、インピンジメント開口を出た冷却媒体124の量を低減することができる。本明細書では、任意の数のインピンジメント開口186を使用することができる。インピンジメント開口186は、直交して、または直交しないで、内層130の外面142に、および/または中間層128の外面146に延在することができる。第1の複数のインピンジメント開口186aの隣り合う組のインピンジメント開口(例えば、第2の複数のインピンジメント開口186a)に対する位置は、外壁120を通る冷却媒体124の所望の流れに基づいて変えることができる。例えば、隣り合う離間層122のインピンジメント開口の相対位置は、外壁120内の冷却媒体124の流れ形状、乱流などを変化させるように調節することができる。図4の例で示すように、第1の複数のインピンジメント開口186aは、第2の複数のインピンジメント開口186bと位置合わせされていなくてもよい。隣り合う離間層122のインピンジメント開口を位置合わせしないで形成すると、例えば、冷却媒体が外壁120からより多くの熱を吸収することができるより長い通路に沿うように冷却媒体124を向けることができる。図示はしていないが、別の非限定的な例では、第1の複数のインピンジメント開口186aのうちのいくつかまたは全部は、第2の複数のインピンジメント開口186bと実質的に位置合わせすることができる。
【0038】
図4にさらに示すように、中間層128および/または内層130は、インピンジメント開口186とその層の面との間の境界192に、任意選択的に、面取りまたは拡散部190(以降、面取り190と呼ぶ)を含むことができる。例えば、中間層128は、中間層のインピンジメント開口186aの側壁191と外面146との間の境界192に面取り190を含むことができる。面取り190は、冷却室152a、152bと中央室172との間をより自由に流れるように冷却媒体124を向けることができる。例えば、壁の層、およびその中のインピンジメント開口186(例えば、図12に示すような、中間壁122および曝されたインピンジメント開口220)を曝している外壁120の部分に裂け目が生じている状態では、ガス通路流れ方向(例えば、作動流体116)に対して、曝されたインピンジメント開口の下流側の面取りは、冷却媒体124が、外壁120の曝された層の曝された表面から吹き出るのではなく、その表面に沿って流れさせることができる。面取りは、例えば、冷却媒体124の流れを改善することができる。2つの面取り190が示されているが、中間層128および/または内層130は、任意の数、形状、および/または構成の面取り190を含むことができることは理解される。面取り190は、例えば、中間層128および内層130それぞれのインピンジメント開口186a、186bを形成するときに形成することができる。例えば、外壁120を付加製造する場合、面取り190は、付加製造プロセス中に所望の面取り位置で材料を堆積および焼結させないことによって形成することができる。別の非限定的な例では、面取り190は、TBCの割れが生じたときに外壁120が作動流体116に曝されている間に形成することができる。例えば、図示されていないが、中間層128および/または内層130は、境界192において、冷却媒体124をおよび/または作動流体116に曝されている間に破損して面取り190を形成するように構成された材料を含むように形成することができる。例えば、この材料は、冷却媒体124および作動流体116の一方または両方に曝された結果、物理的に破損する(例えば、溶融する)ように設計することができる。この材料は、曝されるとすぐに破損する、またはある時間にわたって連続して曝されると破損することができる。さらに、この材料は、部分的に、または完全に破損するように構成することができる。作動流体116に曝されているときに面取り190が形成される例では、面取り190は、インピンジメント開口186と共に形成することができ、その後、付加製造プロセス中に、所定の温度(例えば、ほぼ華氏1800度(°F)~ほぼ2100°F)で面取りを破損して曝すように設計された熱特性を有する材料で満たすことができる。例えば、面取りを満たすために使用される材料は、中間層128および/または内層130の残りの部分を形成するために使用される材料より低い融点を有することができる。この材料は、例えば、当該技術で知られているように、ニッケル、コバルト、またはクロム基合金を含むことができる。
【0039】
本明細書で説明する外壁120の構造によって、従来のエーロフォイルの設計に比べて、外壁120を含むエーロフォイル100の冷却を改善することができる。図4に示すように、作動中、冷却媒体124は通路A、B、およびCに沿って移動して、TBC166を外面に有する外層126を冷却する。外壁120の複数の離間層122は、壁の表面積を増大させ、通路A、B、およびCに沿って冷却室152を通って流れる冷却媒体124と接触する表面積を増大させることができる。外壁120のこの構造はまた、壁の構造的一体性を保ちながら、各離間層122の厚さを薄くすることを可能にする。層122の厚さを薄くして、冷却媒体124と接触する外壁120の表面積を増大させると、外壁120の温度勾配が小さくなり、冷却媒体124がエーロフォイル100から吸収することができる熱量を増やすことができる。外壁120の離間層122を離す分離部材140はまた、外壁120中に熱を伝導し、冷却媒体124の望ましい流れを外壁中120に導く助けとなることができる。
【0040】
外壁120の構造、およびそれによって改善された冷却は、TBC(例えば、TBC166)を上に含むエーロフォイル(例えば、エーロフォイル100)の寿命を延ばすことができる。例えば、図11に関して本明細書でさらに説明するように、外壁120の構造は、TBC166に割れが生じて外層の一部分が曝された状態で、壁の外層126の酸化を軽減することができる。さらに、図12に関して本明細書でさらに説明するように、外壁120の構造は、延長された時間にわたって作動した後では、1つまたは複数の割れ、および/または割れ起因の開口を含むことができる。外壁120は、冷却媒体124が割れ起因の開口を通って冷却スロットフィルム214として経路を変えて流れるように、割れおよび/または割れ起因の開口が最終的に形成されるように考慮されている。経路が変わった冷却媒体124はまた、作動流体116に接触して、作動流体116が、割れ起因の開口を通ってエーロフォイル100に入るのを防ぐ、および/またはその量を低減することができる。
【0041】
図11は、TBC166の割れ200を含むエーロフォイル100の外壁120の一部分の断面図である。割れ200としては、それまで存在しなかった、作動流体116に対する外壁120の外面168への熱通路を生成する、TBC166のいかなる変化も含むことができる。例えば、割れ200は、裂け目または亀裂、あるいは外壁120の外面168への熱通路を生成するTBC166の変位を含むことができる。割れ200が生じると、エーロフォイル100(図3)の外壁120の外面168の一部分202は、作動流体116の高温および他の過酷な環境に曝される。外面168の部分202は、割れ200が生じる前はTBC166によって保護されていた。作動中に割れ200が生じた後、通路A、B、およびCに沿って外壁120を通って流れる冷却媒体124は、外層126の内面148を含め、外壁120の離間層122のそれぞれに接触し続ける。上記のように、複数の離間層122を有する外壁120によって、層の厚さを薄くし、冷却媒体124が接触することができる表面積を増大させることができる。したがって、冷却媒体124は、離間層122のそれぞれと接触して熱を吸収することができ、作動流体116に曝されている部分202より下の部分を含め、外壁120の温度を下げることができる。さらに、外層126の内面148に接触する冷却流体は、作動流体116に直接曝される外面168まで、薄い外層の厚さ全体T1を実質的に冷却することができる。
【0042】
次に、図12を参照すると、外壁120の外層126に割れ起因の開口210a、bを含むエーロフォイル100の一部分の断面図が示されている。図11に示すような割れ200などのTBC166の割れは、外壁120の外層126に割れ起因の開口210aまたは210bを生じさせることがある。例えば、図11に示すような外面168の部分202は、高温の作動流体116に曝されていると、最終的に酸化し、割れ起因の開口210aまたは210bを形成することがある。作動中に割れ起因の開口210a、bが生じると、通常、冷却媒体124は、TBC166の外面170に垂直の方向に開口を通ってエーロフォイル100を出る。対照的に、図12に示すように、外壁120のこの構造によって、冷却スロットフィルム214を割れ起因の開口210によって曝された表面にわたって、例えば、外層126および中間層128の部分にわたって形成することができる。したがって、外壁120のこの構造は、TBC166などのTBCを有するエーロフォイルの寿命を延ばすことができる。例えば、冷却スロットフィルム214は、外壁120の曝された部分を作動流体116の高温から保護し、曝された層の酸化を軽減することができる。
【0043】
図12に示すように、外壁120は、割れ起因の開口210a、bに応じて適応性冷却流216および218を形成するように構成することができる。適応性冷却流216と218は、互いに接触して冷却スロットフィルム214を形成することができる。図12に示すように、インピンジメント開口186aを含む中間層128が曝されると、増大した出口面積が外壁120内の圧力勾配を変化させ、それによって、第1の適応性冷却流216を、割れ起因の開口のインピンジメント開口186aの曝された部分220に引き寄せる。例えば、複数の離間層122の開口210における表面積は、中央室172からの冷却媒体124の増大した裏側の流れを、インピンジメント開口186aの曝された部分220の方に向けて、第1の適応性冷却流216を形成することができる。第1の適応性冷却流は、中間層128の外面146に垂直な方向に、中間層128のインピンジメント開口186aの曝された部分を出ることができる。また図12に示すように、割れ起因の開口210に応じて、第2の適応性冷却流218が、割れ起因の開口のインピンジメント開口186aの曝された部分220に隣り合うインピンジメント開口186aの上流部分222を出ることができる。割れ起因の開口ができる前の冷却媒体124の流れと同様に、第2の適応性冷却流218は、第1の冷却室152aを通って、外層126の内面148に接触することができる。したがって、冷却流体流は、割れ起因の開口210a、bにおいて、外層126の内面148に平行な方向に冷却室を出ることができる。図12にさらに示すように、第2の適応性冷却流218は、割れ起因の開口内で第1の適応性冷却流216に接触して、第1の適応性冷却流216を内面148に平行な方向に向けることができる。第1の適応性冷却流216に接触する第2の適応性冷却流218は、割れ起因の開口210によって曝された外壁120の部分にわたって冷却スロットフィルム214を形成することができる。第2の適応性冷却流218および/または第1の適応性冷却流216はまた、開口210で作動流体116に接触して、曝された中間層128から離れるように作動流体を向け、作動流体が開口210を通ってエーロフォイル100に入るのを防ぐ、および/またはその作動流体の量を低減することができる。
【0044】
割れ起因の開口210は、外壁120の特定の箇所に示されているが、外壁120内のいかなる箇所にも生じることがあり、それでも、本明細書で開示する外壁120の構造によって軽減することができることは理解される。さらに、割れ起因の開口210は、外壁120の外層126だけを通って延在しているように示されているが、割れ起因の開口210は、さらに中間層128および/または内層130を通って延在することがあり、外壁120のこの構造によって同様に軽減することができることは理解される。
【0045】
図12にさらに示すように、仕切壁156は、割れ起因の開口210によって曝された外壁120の部分を通ってエーロフォイル100に作動流体116が入ること、および/または冷却媒体124が再び入ることを防ぐことができる。例えば、仕切壁156は差圧を形成して、第1および/または第2の冷却室154の下流部分226に作動流体116が入ること、および/または冷却媒体124が再び入ることを妨げることができる。仕切壁156はまた、割れ起因の開口210aから出る冷却媒体124の部分が、隣接する下流の割れ起因の開口210bおよび/または冷却通路174で第1および/または第2の冷却室154に再び入ることを妨げることができる。
【0046】
図13を参照すると、本開示の実施形態によれば、外壁120の構造体が一体的に形成された外壁120となるように、エーロフォイル100の形態のHGP構成部品およびその外壁120を付加製造することができる。付加製造はまた、本明細書で説明した構造体の多くを容易に形成することを可能にする、すなわち、非常に複雑な機械加工なしに形成することを可能にする。付加製造(AM:additive manufacturing)は、本明細書で使用するとき、従来のプロセスの場合では、材料を除去するが、そうではなく、材料を連続的に積層することによって対象物を生成する任意のプロセスを含むことができる。付加製造は、いかなる種類の工具、型、または冶具も使用することなく、材料をほとんど、または全く無駄にすることなく、複雑な形状を生成することができる。プラスチックまたは金属の中実のビレットから構成部品を機械加工して、その多くが切り取られ、捨てられる代わりに、付加製造では、その部品を形作るのに必要な材料だけが使用される。付加製造プロセスは、限定するものではないが、3Dプリント、ラピッドプロトタイピング(RP:rapid prototyping)、ダイレクトデジタル製造(DDM:direct digital manufacturing)、結合剤噴射、選択的レーザ溶融(SLM:selective laser melting)、および直接金属レーザ溶解(DMLM:direct metal laser melting)を含むことができる。
【0047】
付加製造プロセスの例を示すために、図13は、対象物302、すなわちエーロフォイル100を生成するための例示的なコンピュータ化された付加製造システム300の概略図/ブロック図である。この例では、システム300はDMLMに対して構成されている。本開示の全体的な教示は、他の形態の付加製造に同様に適用可能であることは理解される。AMシステム300は大まかに、コンピュータ化された付加製造(AM)制御システム304およびAMプリンタ306を含む。AMシステム300は、説明するように、外壁120(図4)の構造体(例えば、複数の離間層122、分離部材140a、140b、インピンジメント開口186a、180bなど)を含む外壁120を画定する一組のコンピュータ実行可能な命令を含むコード320を実行して、AMプリンタ306を使って構成部品を物理的に生成する。それぞれのAMプロセスは、例えば、微粒子粉末、液体(例えば、ポリマー)、シートなどの形態の様々な原材料を使用することができ、その貯蔵物はAMプリンタ306のチャンバ310内に保持することができる。この例の場合、エーロフォイル100(図3および4)は、金属粉末または同様な材料で作ることができる。図示のように、アプリケータ312は、空白のキャンバスとして広げられた原材料314の薄い層を生成することができ、それから最終的な対象物の連続した各スライス片が生成される。他の場合、アプリケータ312は、例えば、材料がポリマーの場合、または、金属結合剤噴射プロセスを使用する場合には、前の層の上に、次の層をコード320によって画定されるように直接塗布またはプリントすることができる。図示の例では、コード320によって画定されるように、レーザまたは電子ビーム316は各スライス片に対して粒子を融着するが、急結性の液体プラスチック/ポリマーを使用する場合は、これを不要とすることにできる。AMプリンタ306の様々な部分は、新しいそれぞれの層を付加するのに適応するように移動することができる、例えば、それぞれの層の後に、製作台318は下降することができ、かつ/あるいは、チャンバ310および/またはアプリケータ312は上昇することができる。
【0048】
AM制御システム304は、コンピュータプログラムコードとしてコンピュータ330に実装されて示されている。この場合、コンピュータ330は、メモリ332、プロセッサ334、入力/出力(I/O:input/output)インターフェース336、およびバス338を含んで示されている。さらに、コンピュータ330は、外部I/O装置340および記憶システム342と通信するように示されている。概して、プロセッサ334は、本明細書で説明したエーロフォイル100(図3および4)を表すコード320からの命令の下で、メモリ332および/または記憶システム342に記憶された、AM制御システム304などのコンピュータプログラムコードを実行する。コンピュータプログラムコードを実行する間、プロセッサ334は、メモリ332、記憶システム342、I/O装置340、および/またはAMプリンタ306の間で、データの読み取り、および/またはデータの書き込みを行うことができる。バス338は、コンピュータ330内の構成要素それぞれの間の通信リンクを提供し、I/O装置340は、ユーザがコンピュータ330と対話することを可能にする任意の装置(例えば、キーボード、ポインティングデバイス、ディスプレイなど)を備えることができる。コンピュータ330は、ハードウェアおよびソフトウェアの可能な様々な組合せを代表しているに過ぎない。例えば、プロセッサ334は、単一の処理ユニットを備えてもよいし、あるいは、1つまたは複数の場所、例えば、クライアントおよびサーバ上の1つまたは複数の処理ユニットにわたって分散していてもよい。同様に、メモリ332および/または記憶システム342は、1つまたは複数の物理的な場所に存在していてもよい。メモリ332および/または記憶システム342は、磁気媒体、光媒体、ランダムアクセスメモリ(RAM:random access memory)、読み出し専用メモリ(ROM:read only memory)などを含む、様々なタイプの非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体の任意の組合せを備えることができる。コンピュータ330は、ネットワークサーバ、デスクトップコンピュータ、ラップトップ、携帯用デバイス、携帯電話、ページャ、パーソナルデータアシスタントなどの任意のタイプのコンピューティング装置を備えることができる。
【0049】
付加製造プロセスは、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体(例えば、メモリ332、記憶システム342など)がエーロフォイル100(図3および4)を表すコード320を記憶することから始まる。留意されるように、コード320は、対象物302を画定する一組のコンピュータ実行可能な命令を含み、システム300がそのコードを実行すると、それらの命令を使用して対象物を物理的に生成することができる。例えば、コード320は、エーロフォイル100(図3および4)を精密に規定した3Dモデルを含むことができ、AutoCAD(登録商標)、TurboCAD(登録商標)、DesignCAD 3D Maxなどの広範な様々なよく知られている任意のコンピュータ支援設計(CAD:computer aided design)ソフトウェアシステムから生成することができる。これに関して、コード320は、現在知られている、または今後開発される任意のファイルフォーマットを採ることができる。例えば、コード320は、3D Systems社のステレオリソグラフィCADプログラム用に作成された標準テッセレーション言語(STL:Standard Tessellation Language)でもよく、または、付加製造ファイル(AMF:additive manufacturing file)でもよい。この付加製造ファイルは、米国機械学会(ASME:American Society of Mechanical Engineers)の規格であり、任意のCADソフトウェアが、任意のAMプリンタで成形する任意の3次元物体の形状および構成を記述することができるように設計された拡張可能なマーク付け言語(XML:extensible markup-language)に基づくフォーマットである。コード320は、必要に応じて、異なるフォーマット間で変換され、一組のデータ信号に変換されて送信され、一組のデータ信号として受信されてコードに変換され、記憶されるなどを行うことができる。コード320は、システム300への入力とすることができ、部品設計者、知的財産(IP:intellectual property)提供者、設計会社、システム300の運用者または所有者、あるいは他の供給源から得ることができる。いずれにしても、AM制御システム304はコード320を実行して、エーロフォイル100(図3および4)を一連の薄いスライス片に分割して、AMプリンタ306を用いて液体、粉末、シート、または他の材料の連続した層に組み立てる。DMLMの例では、それぞれの層はコード320によって規定された正確な形状に溶融され、前の層に融着される。
【0050】
付加製造の後、エーロフォイル100(図3および4)に、例えば、軽微な機械加工、封止、研磨、別の部品への組み付けなど、任意の様々な仕上げのプロセスを行うことができる。本開示に関して、TBC166をエーロフォイル100の外壁120の外面168に施工することができる。TBC166は、現在知られている、または今後開発される任意のコーティング技法を用いて施工することができ、また、任意の数の層に施工することができる。
【0051】
作動時、図11に示すように、外層126にわたってTBC166に割れ200が生じた後、外壁120の構造によって、冷却媒体124がその中を通過して外壁およびエーロフォイルの寿命を延ばすことができる。また、作動時、図12に示すように、外層126にわたってTBC166に割れ起因の開口210が生じた後、外壁120の構造によって、割れ起因の開口によって曝された外壁120の部分にわたって、冷却媒体124からスロット冷却フィルム214を形成することができる。
【0052】
本開示の実施形態によるエーロフォイル100は、割れ200に応じてエーロフォイル100を冷却してその寿命を延ばす外壁120を提供する。外壁120の構造は、名目の冷却流を著しく削減することができる。エーロフォイル100に付加製造を使用することによって、エーロフォイル100の外壁120は、多層、多材料(例えば、面取りまたは拡散部190の場合)、および/または多冷却室構造を含むように形成することができる。
【0053】
本明細書で使用する用語は、特定の実施形態を説明するためだけのものであり、本開示を限定することを意図したものではない。単数形「1つ(a)」、「1つ(an)」、および「その(the)」は、本明細書で使用するとき、文脈においてそうでないこと明示しない限り、複数形も含むことが意図される。用語「備える、含む(comprises)」および/または「備えている、含んでいる(comprising)」は、本明細書で使用するとき、述べられた特徴、完全体、ステップ、動作、要素、および/または構成部品が存在することを特定するが、1つまたは複数の他の特徴、完全体、ステップ、動作、要素、構成部品、および/またはそれらのグループが存在すること、あるいはそれらが付加されることを排除しないことはさらに理解される。「任意の(optional)」または「任意に(optionally)」は、それに続いて記述される事象または状況が生じる場合も生じない場合もあるが、この記述は、この事象が生じる場合と生じない場合とを含むことを意味する。
【0054】
本明細書および特許請求の範囲を通じてここで用いる近似語は、関連する基本的機能に変化を生じさせることなく変化することが許容される任意の量的表示を修飾するために適用することができる。したがって、「約(about)」、「ほぼ(approximately)」、および「実質的に(substantially)」などの用語で修飾された値は、その特定された正確な値には限定されない。少なくともいくつかの場合には、近似語はその値を測定するための機器の精度に対応することがある。ここで、ならびに本明細書および特許請求の範囲を通して、範囲の限定は、組み合わせることができ、かつ/または交換することができ、このような範囲は、文脈または語がそうでないことを示さない限り、そこに含まれるすべての部分範囲として特定され、かつすべての部分範囲を含む。「ほぼ(approximately)」は、ある範囲の特定の値に適用されるとき、両方の値に適用され、その値を測定する機器の精度に依存しない限り、述べられた値の±10%を示すことができる。
【0055】
以下の特許請求の範囲のすべてのミーンズまたはステッププラスファンクション要素の対応する構造、材料、行為、および均等物は、具体的に特許請求する他の特許請求された要素と組み合わせて機能を実行するための任意の構造、材料、または行為を含むことが意図されている。本開示の説明は、例示および説明のために提示したが、網羅的であることを意図せず、または開示した形態に本開示を限定することは意図していない。当業者には、本開示の範囲および趣旨から逸脱することなく多くの修正および変更を行えることは明らかであろう。実施形態は、本開示の原理および実際的な用途を最もよく説明するため、また想定される具体的な用途に適した様々な修正と共に様々な実施形態に対して当業者が本開示を理解することを可能とするために、選択され、説明された。
【0056】
最後に、代表的な実施態様を以下に示す。
[実施態様1]
タービン(18)エーロフォイル(32、100)であって、
外層(126)、中間層(128)、および内層(130)を含む複数の離間層(122)であって、前記複数の離間層(122)のそれぞれが、複数の分離部材(140)によって隣り合う離間層(122)から離された、複数の離間層(122)と、
第1の冷却室(152a)を画定する、前記外層(126)と前記中間層(128)との間の第1の間隔(150a)と、
第2の冷却室(152b)を画定する、前記中間層(128)と前記内層(130)との間の第2の間隔(150b)と、
前記第1の冷却室(152a)を軸方向に複数の第1の冷却室(152a)に仕切る第1の仕切壁と、
前記第2の冷却室(152b)を軸方向に複数の第2の冷却室(152b)に仕切る第2の仕切壁と、
前記外層(126)の外面(168)に配置された遮熱コーティング(TBC)(166)であって、高温の作動流体(116)に曝されるように構成された外面(170)を有する遮熱コーティング(TBC)(166)と、
前記内層(130)内の第1の複数のインピンジメント開口(186)であって、前記タービン(18)エーロフォイル(32、100)の中央冷却室(152)から前記複数の第2の冷却室(152b)のうちの少なくとも1つまで冷却媒体(62、124)のための通路を提供する第1の複数のインピンジメント開口(186)と、
前記中間層(128)内の第2の複数のインピンジメント開口(186)であって、前記複数の第2の冷却室(152b)のうちの少なくとも1つから前記複数の第1の冷却室(152a)のうちの少なくとも1つまで前記冷却媒体(62、124)のための通路を提供する第2の複数のインピンジメント開口(186)と、
前記外層(126)内の複数の冷却通路(174)であって、前記複数の第1の冷却室(152a)のうちの少なくとも1つから前記TBC(166)の前記外面(170)まで前記冷却媒体(62、124)のための通路を提供する複数の冷却通路(174)と
を含む外壁(34、120)を備えるタービン(18)エーロフォイル(32、100)。
[実施態様2]
前記第1の仕切壁が、前記タービン(18)エーロフォイル(32、100)の半径方向の長さに沿って、前記中間層(128)の外面(146)から前記外層(126)の内面(148)まで延在する、実施態様1に記載のタービン(18)エーロフォイル(32、100)。
[実施態様3]
前記第2の仕切壁が、前記タービン(18)エーロフォイル(32、100)の半径方向の長さに沿って、前記内層(130)の外面(142)から前記中間層(128)の内面(144)まで延在する、実施態様1に記載のタービン(18)エーロフォイル(32、100)。
[実施態様4]
前記第1の仕切壁および前記第2の仕切壁が同一直線状にある、実施態様1に記載のタービン(18)エーロフォイル(32、100)。
[実施態様5]
前記外層(126)の前記外面(168)に配置された複数の高台(178)をさらに備え、
前記複数の冷却通路(174)の各冷却通路が、前記複数の高台(178)のうちの1つの高台(178)を通過するように配置され、
前記複数の高台(178)の各高台(178)の最も上面には前記TBC(166)がない、実施態様1に記載のタービン(18)エーロフォイル(32、100)。
[実施態様6]
前記外層(126)の厚さが、前記中間層(128)および前記内層(130)のうちの少なくとも1つの厚さに実質的に等しい、実施態様1に記載のタービン(18)エーロフォイル(32、100)。
[実施態様7]
前記外層(126)の前記厚さがほぼ20ミリメートル~ほぼ80ミリメートルである、実施態様6に記載のタービン(18)エーロフォイル(32、100)。
[実施態様8]
前記中間層(128)が、前記中間層(128)の外面(146)と前記第2の複数のインピンジメント開口(186)のインピンジメント開口(186)の側壁(191)との間の境界(192)に面取り(190)を含む、実施態様1に記載のタービン(18)エーロフォイル(32、100)。
[実施態様9]
前記第1の複数のインピンジメント開口(186)が前記第2の複数のインピンジメント開口(186)と位置合わせされていない、実施態様1に記載のタービン(18)エーロフォイル(32、100)。
[実施態様10]
前記複数の分離部材(140)の各分離部材の断面形状が、円形、楕円形、レーストラック形、方形、湾曲した側面を有する方形、矩形のうちの1つを含む、実施態様1に記載のタービン(18)エーロフォイル(32、100)。
[実施態様11]
高温ガス通路(HGP)構成部品(30)であって、
外層(126)、中間層(128)、および内層(130)を含む複数の離間層(122)であって、前記複数の離間層(122)のそれぞれが、複数の分離部材(140)によって隣り合う離間層(122)から離された、複数の離間層(122)と、
第1の冷却室(152a)を画定する、前記外層(126)と前記中間層(128)との間の第1の間隔(150a)と、
第2の冷却室(152b)を画定する、前記中間層(128)と前記内層(130)との間の第2の間隔(150b)と、
前記第1の冷却室(152a)を軸方向に複数の第1の冷却室(152a)に仕切る第1の仕切壁と、
前記第2の冷却室(152b)を軸方向に複数の第2の冷却室(152b)に仕切る第2の仕切壁と、
前記外層(126)の外面(168)に配置された遮熱コーティング(TBC)(166)であって、高温の作動流体(116)に曝されるように構成された外面(170)を有する遮熱コーティング(TBC)(166)と、
前記内層(130)内の第1の複数のインピンジメント開口(186)であって、前記高温ガス通路(HGP)構成部品(30)の中央冷却室(152)から前記複数の第2の冷却室(152b)のうちの少なくとも1つまで冷却媒体(62、124)のための通路を提供する第1の複数のインピンジメント開口(186)と、
前記中間層(128)内の第2の複数のインピンジメント開口(186)であって、前記複数の第2の冷却室(152b)のうちの少なくとも1つから前記複数の第1の冷却室(152a)のうちの少なくとも1つまで前記冷却媒体(62、124)のための通路を提供する第2の複数のインピンジメント開口(186)と、
前記外層(126)の前記外面(168)に配置された複数の高台(178)であって、前記複数の高台(178)の各高台(178)の最も上面には前記TBC(166)がない、複数の高台(178)と、
前記外層(126)内の複数の冷却通路(174)であって、前記複数の冷却通路(174)の各冷却通路が、前記複数の高台(178)のうちの1つの高台(178)を通過するように配置され、前記複数の冷却通路(174)が、前記複数の第1の冷却室(152a)のうちの少なくとも1つから前記TBC(166)の前記外面(170)まで前記冷却媒体(62、124)のための通路を提供する複数の冷却通路(174)と
を含む外壁(34、120)を備える高温ガス通路(HGP)構成部品(30)。
[実施態様12]
前記外層(126)の厚さが、前記中間層(128)および前記内層(130)のうちの1つの厚さに実質的に等しい、実施態様11に記載のHGP構成部品(30)。
[実施態様13]
前記外層(126)の前記厚さが、ほぼ20ミリメートル~ほぼ80ミリメートルである、実施態様12に記載のHGP構成部品(30)。
[実施態様14]
前記TBC(166)および外層(126)の割れ(200)起因の開口(210)が前記第2の複数のインピンジメント開口(186)の第1の部分(202)を曝している状態で、前記外壁(120)の前記冷却媒体(62、124)が、前記割れ(200)起因の開口(210)によって曝された前記外壁(120)の部分にわたってスロット冷却フィルム(214)を形成するように構成された、実施態様11に記載のHGP構成部品(30)。
[実施態様15]
タービン(18)エーロフォイル(32、100)を付加製造するステップであって、前記タービン(18)エーロフォイル(32、100)が外壁(34、120)を含み、前記外壁(34、120)が、
外層(126)、中間層(128)、および内層(130)を含む複数の離間層(122)であって、前記複数の離間層(122)のそれぞれが、複数の分離部材(140)によって隣り合う離間層(122)から離された、複数の離間層(122)と、
第1の冷却室を画定する、前記外層(126)と前記中間層(128)との間の第1の間隔(150a)と、
第2の冷却室(152b)を画定する、前記中間層(128)と前記内層(130)との間の第2の間隔(150b)と、
前記第1の冷却室(152a)を軸方向に複数の第1の冷却室(152a)に仕切る第1の仕切壁と、
前記第2の冷却室(152b)を軸方向に複数の第2の冷却室(152b)に仕切る第2の仕切壁と、
前記内層(130)内の第1の複数のインピンジメント開口(186)であって、前記タービン(18)エーロフォイル(32、100)の中央冷却室(152)から前記複数の第2の冷却室(152b)のうちの少なくとも1つまで冷却媒体(62、124)のための通路を提供する第1の複数のインピンジメント開口(186)と、
前記中間層(128)内の第2の複数のインピンジメント開口(186)であって、前記複数の第2の冷却室(152b)のうちの少なくとも1つから前記複数の第1の冷却室(152a)のうちの少なくとも1つまで前記冷却媒体(62、124)のための通路を提供する第2の複数のインピンジメント開口(186)と、
前記外層(126)内の複数の冷却通路(174)であって、前記複数の第1の冷却室(152a)のうちの少なくとも1つから前記外層の外面(168)まで前記冷却媒体(62、124)のための通路を提供する複数の冷却通路(174)と
を有する、ステップと、
前記外層(126)の前記外面(168)に遮熱コーティング(TBC)(166)を施工するステップであって、前記TBC(166)が、高温の作動流体(116)に曝されるように構成された外面(170)を有する、ステップと
を含む方法。
[実施態様16]
前記タービン(18)エーロフォイル(32、100)の前記外層(126)の割れ(200)起因の開口(210)に応じて、前記冷却媒体(62、124)が、前記割れ(200)起因の開口(210)によって曝された前記外壁(34、120)の部分(202)にわたってスロット冷却フィルム(214)を形成することができるステップをさらに含む、実施態様15に記載の方法。
[実施態様17]
前記スロット冷却フィルム(214)が、前記割れ(200)起因の開口(210)によって曝された前記第2の複数のインピンジメント開口(186)の第1の部分(202)を出る第1の適応性冷却媒体(216)と、前記第2の複数のインピンジメント開口(186)の第2の部分(202)を出る第2の適応性流体流とによって形成され、前記第2の複数のインピンジメント開口(186)の前記第2の部分が、前記第1の部分(202)に隣り合って、その上流にあり、前記第2の適応性流体流が、前記第1の適応性流体流に接触して、前記第1の適応性流体流を前記外層の内面(148)に平行な方向に向ける、実施態様16に記載の方法。
[実施態様18]
前記第1の仕切壁が、前記割れ(200)起因の開口(210)に前記作動流体(116)が入ることを防ぎ、前記第1の仕切壁が、前記割れ(200)起因の開口(210)に前記スロット冷却フィルム(214)が再び入ることを防ぐ、実施態様16に記載の方法。
[実施態様19]
前記TBC(166)の割れ(200)に応じて、前記外層(126)の前記外面(168)の部分(202)を曝すステップであって、適応性冷却流が、前記冷却室(152)から前記外層(126)の内面(148)に流れて、前記外層(126)の酸化を実質的に軽減する、ステップをさらに含む、実施態様15に記載の方法。
[実施態様20]
前記中間層(128)が、前記中間層(128)の外面(146)と前記第2の複数のインピンジメント開口(186)のインピンジメント開口の側壁(191)との間の境界(192)に面取り(190)を含み、前記面取り(190)が、前記中間層(128)の前記外面(146)と実質的に平行に前記冷却媒体(62、124)を向けることができるステップをさらに含む、実施態様15に記載の方法。
【符号の説明】
【0057】
18 タービン
30 HGP構成部品
32、100 エーロフォイル
34、120 外壁
62、124 冷却媒体
116 作動流体
122 離間層
126 外層
128 中間層
130 内層
140 分離部材
144、148 内面
142、146、168、170 外面
150 間隔
152 冷却室
156 仕切壁
166 TBC
172 中央室
174 冷却通路
178 高台
186 インピンジメント開口
190 面取り
191 側壁
192 境界
200 割れ
202 部分
210 開口
214 スロット冷却フィルム
310 チャンバ
150a 第1の間隔
150b 第2の間隔
152a 第1の冷却室
152b 第2の冷却室
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13