(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-04
(45)【発行日】2023-08-15
(54)【発明の名称】車両用ヒートポンプシステム
(51)【国際特許分類】
B60H 1/22 20060101AFI20230807BHJP
【FI】
B60H1/22 651A
B60H1/22 651C
(21)【出願番号】P 2019162070
(22)【出願日】2019-09-05
【審査請求日】2022-03-30
(31)【優先権主張番号】10-2019-0047152
(32)【優先日】2019-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(73)【特許権者】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA CORPORATION
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100202304
【氏名又は名称】塙 和也
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジェ-ヨン
【審査官】嶋田 研司
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2016-0110719(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0017089(KR,A)
【文献】特表2019-501068(JP,A)
【文献】特開2018-043741(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60H 1/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1冷却水ラインに連結される第1ラジエータと第1ウォータポンプとを含み、少なくとも1つの電装品と少なくとも1つのモータを冷却するように前記第1冷却水ラインに冷却水を循環させる第1冷却装置と、
第2冷却水ラインに連結される第2ラジエータと第2ウォータポンプとを含み、前記第2冷却水ラインに冷却水を循環させる第2冷却装置と、
前記第2冷却水ラインと第1バルブを介して選択的に連結されるバッテリー冷却水ラインに備えられるバッテリモジュールと、
前記バッテリー冷却水ラインに備えられて内部に冷却水が通過し、エアコン装置の冷媒ラインと冷媒連結ラインを介して連結され、選択的に流入する冷却水を前記エアコン装置から供給された冷媒と熱交換させて冷却水の温度を調節するチラーと、を含み、
前記エアコン装置に備えられたメイン熱交換器は、前記第1、および第2冷却装置を循環する冷却水がそれぞれ通過するように前記第1、および第2冷却水ラインとそれぞれ連結され、
前記メイン熱交換器を通過する冷媒は、前記メイン熱交換器の内部で前記第1冷却水ラインを介して供給された冷却水と一次熱交換され、前記第2冷却水ラインを介して供給された冷却水と二次熱交換され、
前記メイン熱交換器から排出された冷媒は、車両のモードに応じて、作動する第3バルブを介して選択的にアキュムレータ、または前記チラー、または前記エアコン装置に備えられた蒸発器に供給され
、
前記エアコン装置は、
前記冷媒ラインを介して連結され、車両の冷房、暖房、および除湿モードに応じて、前記蒸発器を通過した外気が内部コンデンサに選択的に流入するように調節する開閉ドアが内部に備えられたHVACモジュールと、
前記蒸発器と前記内部コンデンサの間で前記冷媒ラインを介して連結される圧縮機と、
前記メイン熱交換器と前記蒸発器を連結する前記冷媒ラインに備えられる第1膨張バルブと、
前記冷媒連結ラインに備えられる第2膨張バルブと、
前記メイン熱交換器を通過した冷媒が、前記アキュムレータを通過して前記圧縮機に選択的に流入するように前記第3バルブを介して前記メイン熱交換器と前記アキュムレータを連結する第1バイパスラインと、
前記内部コンデンサと前記メイン熱交換器の間で前記冷媒ラインに備えられる第3膨張バルブと、
前記内部コンデンサを通過した冷媒が、前記蒸発器に選択的に流入するように前記メイン熱交換器と前記第3膨張バルブの間の前記冷媒ラインと、前記第1膨張バルブと前記蒸発器の間の前記冷媒ラインを連結する第2バイパスラインと、を含み、
前記第1バルブは、前記第2ラジエータと前記チラーの間で前記第2冷却水ラインと前記バッテリー冷却水ラインを選択的に連結し、
前記第1冷却装置には、前記第1ラジエータと前記第1ウォータポンプの間で前記第1冷却水ラインに備えられる第2バルブを介して前記第1ラジエータと前記第1ウォータポンプの間の前記第1冷却水ラインと連結される第1分岐ラインが備えられ、
前記バッテリー冷却水ラインには、前記第1バルブを介して前記チラーと前記バッテリモジュールを連結する第2分岐ラインと、第3ウォータポンプとが備えられ、
前記第2冷却水ラインには、前記バッテリー冷却水ラインと前記第2冷却水ラインを分離する第3分岐ラインが備えられ、
前記第2バイパスラインには第4バルブが備えられることを特徴とする、車両用ヒートポンプシステム。
【請求項2】
前記メイン熱交換器と前記蒸発器の間で前記冷媒ラインにはサブコンデンサが備えられることを特徴とする、請求項
1に記載の車両用ヒートポンプシステム。
【請求項3】
前記サブコンデンサは、
前記メイン熱交換器が冷媒を凝縮する場合、前記メイン熱交換器で凝縮した冷媒を外気と熱交換によりさらに凝縮させることを特徴とする、請求項
2に記載の車両用ヒートポンプシステム。
【請求項4】
前記第2膨張バルブは、
冷媒で前記バッテリモジュールを冷却する場合に作動し、前記冷媒連結ラインを介して流入する冷媒を膨張させて前記チラーに流入させることを特徴とする、請求項
1に記載の車両用ヒートポンプシステム。
【請求項5】
前記第3膨張バルブは、
車両の暖房および除湿モードで、前記メイン熱交換器と前記第2バイパスラインに流入する冷媒を選択的に膨張させることを特徴とする、請求項
1に記載の車両用ヒートポンプシステム。
【請求項6】
前記第2ラジエータで冷却された冷却水を用いて前記バッテリモジュールを冷却する場合、
前記第1バルブは、前記第2冷却水ラインと前記バッテリー冷却水ラインを連結し、前記第2分岐ラインを閉鎖し、
前記第2バルブは前記第1分岐ラインを閉鎖することを特徴とする、請求項
1に記載の車両用ヒートポンプシステム。
【請求項7】
車両の冷房モードで前記バッテリモジュールを冷却する場合、
前記第1冷却装置では、前記第2バルブの作動により前記第1分岐ラインが閉鎖され、前記第1ラジエータで冷却された冷却水が、前記第1ウォータポンプの作動により前記電装品、および前記モータに循環し、
前記第2分岐ラインは、前記第1バルブの作動により開放され、前記第3分岐ラインが開放され、開放された前記第2、および第3分岐ラインによって前記第2冷却水ラインと前記バッテリー冷却水ラインの連結が閉鎖され、
前記エアコン装置では、前記第3、および第4バルブの作動により前記第1、および第2バイパスラインが閉鎖された状態で前記冷媒ラインに沿って冷媒が循環し、膨張した冷媒が前記冷媒連結ラインを介して前記チラーに流入するように前記第2膨張バルブが作動し、
前記第3膨張バルブは前記メイン熱交換器に冷媒を通過させることを特徴とする、請求項
1に記載の車両用ヒートポンプシステム。
【請求項8】
前記第1冷却装置では、前記第1ラジエータで冷却された冷却水が、前記第1ウォータポンプの作動により前記メイン熱交換器に供給され、
前記第2冷却装置では、開放された前記第3分岐ラインが、前記第2冷却水ラインと連結されて独立した密閉回路を形成し、前記第2ラジエータで冷却された冷却水が、前記第2ウォータポンプの作動により前記メイン熱交換器に供給され、
前記メイン熱交換器は、冷却水との熱交換により冷媒を凝縮させることを特徴とする、請求項
7に記載の車両用ヒートポンプシステム。
【請求項9】
車両の暖房モードで外気熱源を回収する場合、
前記第2冷却装置では、前記第2ウォータポンプの作動により前記第2冷却水ラインに冷却水が循環し、
前記第2分岐ラインは前記第1バルブの作動により閉鎖され、前記第3分岐ラインが閉鎖され、前記第2冷却水ラインと前記バッテリー冷却水ラインは閉鎖された前記第2、および第3分岐ラインによって相互連結され、
前記第2ラジエータを通過した冷却水は、前記第2ウォータポンプの作動により前記メイン熱交換器に供給され、
前記エアコン装置では、前記第1、および第2膨張バルブの作動により前記メイン熱交換器と前記蒸発器を連結する前記冷媒ラインと、前記冷媒連結ラインが閉鎖され、
前記第3バルブの作動により前記蒸発器と連結される前記冷媒ラインが閉鎖され、前記第1バイパスラインが開放され、
前記第4バルブの作動により前記第2バイパスラインが閉鎖され、
前記第3膨張バルブは、前記内部コンデンサを通過した冷媒を膨張させて、前記メイン熱交換器に供給することを特徴とする、請求項
1に記載の車両用ヒートポンプシステム。
【請求項10】
車両の暖房モードで外気熱源と電装品およびモータの廃熱を回収する場合、
前記第1冷却装置では、前記第1ウォータポンプの作動により前記電装品に冷却水が循環し、
前記第2バルブの作動により前記第1分岐ラインが開放された状態で、前記電装品、および前記モータと前記第1ラジエータを連結する前記第1冷却水ラインが閉鎖され、
前記第2冷却装置では、前記第2ウォータポンプの作動により前記第2冷却水ラインに冷却水が循環し、
前記第2分岐ラインは前記第1バルブの作動により閉鎖され、前記第3分岐ラインは開放され、開放された前記第3分岐ラインによって前記第2冷却水ラインと前記バッテリー冷却水ラインの連結が閉鎖され、
前記エアコン装置では、前記第1、および第2膨張バルブの作動により前記メイン熱交換器と前記蒸発器を連結する前記冷媒ラインと、前記冷媒連結ラインが閉鎖され、
前記第3バルブの作動により前記第1バイパスラインが開放され、
前記第4バルブの作動により前記第2バイパスラインが閉鎖され、
前記第3膨張バルブは冷媒を膨張させて前記メイン熱交換器に供給することを特徴とする、請求項
1に記載の車両用ヒートポンプシステム。
【請求項11】
車両の暖房モードで電装品およびモータの廃熱を回収する場合、
前記第1冷却装置では、前記第1ウォータポンプの作動により前記電装品に冷却水が循環し、
前記第2バルブの作動により前記第1分岐ラインが開放された状態で、前記電装品、および前記モータと前記第1ラジエータを連結する前記第1冷却水ラインが閉鎖され、
前記第2冷却装置では、前記第2ウォータポンプの作動が停止し、
前記第3ウォータポンプの作動が停止し、
前記第2分岐ラインは前記第1バルブの作動により閉鎖され、前記第3分岐ラインが閉鎖され、
前記エアコン装置では、前記第1膨張バルブの作動により前記メイン熱交換器と前記蒸発器を連結する前記冷媒ラインが閉鎖され、
前記第3バルブの作動により前記第1バイパスラインが開放され、
前記第4バルブの作動により前記第2バイパスラインが閉鎖され、
前記第3膨張バルブは冷媒を膨張させて前記メイン熱交換器に供給することを特徴とする、請求項
1に記載の車両用ヒートポンプシステム。
【請求項12】
車両の暖房モードで充電時に前記バッテリモジュールの廃熱を回収する場合、
前記第1冷却装置では、前記第1ウォータポンプの作動により前記電装品に冷却水が循環し、
前記第2バルブの作動により前記第1分岐ラインが開放された状態で、前記電装品、および前記モータと前記第1ラジエータを連結する前記第1冷却水ラインが閉鎖され、
前記第2冷却装置では前記第2ウォータポンプの作動が停止し、
前記第2分岐ラインは前記第1バルブの作動により開放され、前記第3分岐ラインが閉鎖され、
前記第3ウォータポンプの作動により前記バッテリー冷却水ラインと前記第2分岐ラインに沿って前記チラーおよび前記バッテリモジュールに冷却水が循環し、
前記エアコン装置では前記第1膨張バルブの作動が停止し、膨張した冷媒が前記冷媒連結ラインを介して前記チラーに流入するように前記第2膨張バルブが作動し、
前記第3バルブの作動により前記第1バイパスラインが開放され、
前記第4バルブの作動により前記第2バイパスラインが閉鎖され、
前記第3膨張バルブは冷媒を膨張させて前記メイン熱交換器に供給することを特徴とする、請求項
1に記載の車両用ヒートポンプシステム。
【請求項13】
前記第3バルブは、前記アキュムレータに供給された冷媒中、気体冷媒が前記圧縮機に供給されるように開放された前記第1バイパスラインを介して前記アキュムレータに冷媒を供給し、
前記チラーに冷媒が供給されるように前記冷媒連結ラインと連結された前記冷媒ラインを開放することを特徴とする、請求項
12に記載の車両用ヒートポンプシステム。
【請求項14】
車両の暖房および除湿モードで、
前記第1冷却装置では、前記第1ウォータポンプの作動により前記電装品に冷却水が循環し、
前記第2バルブの作動により前記第1分岐ラインが開放された状態で、前記電装品、および前記モータと前記第1ラジエータを連結する前記第1冷却水ラインが閉鎖され、
前記第2ウォータポンプと前記第3ウォータポンプの作動がそれぞれ停止し、
前記エアコン装置では、前記第1、および第2膨張バルブの作動により前記メイン熱交換器と前記蒸発器を連結する前記冷媒ラインと、前記冷媒連結ラインが閉鎖され、
前記第3バルブの作動により前記第1バイパスラインが開放され、
前記第4バルブの作動により前記第2バイパスラインが開放され、
前記第3膨張バルブは冷媒を膨張させて前記メイン熱交換器と前記第2バイパスラインを介して前記蒸発器にそれぞれ供給することを特徴とする、請求項
1に記載の車両用ヒートポンプシステム。
【請求項15】
前記第2、および第3膨張バルブは、
冷媒の流動流れを制御しながら、冷媒を選択的に膨張させる電子式膨張バルブであることを特徴とする、請求項
1に記載の車両用ヒートポンプシステム。
【請求項16】
前記メイン熱交換器は、
前記第1冷却水ラインと連結される第1放熱部と、
前記第2冷却水ラインと連結される第2放熱部と、
前記第1冷却装置と前記第2冷却装置からそれぞれ供給される冷却水が混合されることを防止するように前記メイン熱交換器の内部で前記第1放熱部と前記第2放熱部とを区画し、冷媒は通過させる隔壁と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の車両用ヒートポンプシステム。
【請求項17】
前記メイン熱交換器は、
車両のモードに応じて冷媒を凝縮または蒸発させることを特徴とする、請求項1に記載の車両用ヒートポンプシステム。
【請求項18】
前記アキュムレータは、
前記圧縮機と前記蒸発器の間で前記冷媒ラインに配置されることを特徴とする、請求項
1に記載の車両用ヒートポンプシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用ヒートポンプシステムに関し、より詳しくは、冷媒と冷却水が熱交換される1つのチラーを用いてバッテリモジュールを昇温または冷却させ、モータ、電装品、およびバッテリモジュールの廃熱を利用して暖房効率を向上させる車両用ヒートポンプシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動車用空気調和システムは、自動車の室内を暖房または冷房するために冷媒を循環させるエアコン装置を含む。
【0003】
このようなエアコン装置は、外部温度の変化に関係なく自動車の室内温度を適正な温度に維持して快適な室内環境を保つためのものであって、圧縮機の駆動によって吐出される冷媒が凝縮器、レシーバードライヤー、膨張バルブおよび蒸発器を経て再び圧縮機に循環する過程で蒸発器による熱交換によって自動車の室内を暖房または冷房するように構成される。
【0004】
つまり、エアコン装置は、夏季の冷房モード時には圧縮機から圧縮された高温、高圧の気相冷媒が凝縮器を通して凝縮した後、レシーバードライヤーおよび膨張バルブを経て蒸発器での蒸発により室内の温度および湿度を低くする。
【0005】
一方、最近、エネルギー効率と環境汚染問題などに対する関心が日増しに高まるにつれ、内燃機関自動車を実質的に代替可能な環境に優しい自動車の開発が求められており、このような環境に優しい自動車は、通常、燃料電池や電気を動力源として駆動される電気自動車と、エンジンとバッテリーを用いて駆動されるハイブリッド自動車とに区分される。
【0006】
このような環境に優しい車両のうち、電気自動車またはハイブリッド車両には、一般車両の空気調和装置とは異なり、別途のヒーターを使わず、環境に優しい車両に適用される空気調和装置は、通常、ヒートポンプシステムという。
【0007】
また、電気自動車の場合、酸素と水素との化学的反応エネルギーを電気エネルギーに転換して駆動力を発生させ、この過程で燃料電池内の化学的反応によって熱エネルギーが発生するため、発生した熱を効果的に除去することは燃料電池の性能の確保において必須である。
【0008】
そして、ハイブリッド自動車においても、一般的な燃料で作動するエンジンと共に、前記燃料電池や電気バッテリーから供給される電気を用いてモータを駆動させて駆動力を発生させるため、燃料電池やバッテリー、およびモータから発生する熱を効果的に除去しなければモータの性能が確保しにくくなる。
【0009】
そのため、従来技術によるハイブリッド車両や電気自動車においてはモータ、電装品、および燃料電池を含むバッテリーの発熱を防止するため、冷却手段、およびヒートポンプシステムと共に、バッテリー冷却システムをそれぞれ別途の密閉回路で構成しなければならない。
【0010】
したがって、車両の前方に配置されるクーリングモジュールの大きさおよび重量が増加し、エンジンルームの内部でそれぞれのヒートポンプシステムと冷却手段およびバッテリー冷却システムに冷媒または冷却水を供給する連結配管のレイアウトが複雑になる短所がある。
【0011】
また、バッテリーが最適な性能を発揮できるよう、車両の状態によりバッテリーを昇温または冷却させるためのバッテリー冷却システムを別途に備えているため、各連結配管と連結するための複数のバルブが適用され、該バルブの頻繁な開閉作動による騒音および振動が車両室内に伝達されて乗車感が低下する短所もある。
【0012】
この背景技術部分に記載された事項は、発明の背景に対する理解を増進させるために作成されたものであり、該技術の属する分野における通常の知識を有する者に一般的に知られている従来技術でない事項を含むことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、冷却水と冷媒が熱交換される1つのチラーを用いてバッテリモジュールを昇温または冷却させることによって、システムの単純化が可能な車両用ヒートポンプシステムを提供することである。
【0014】
また、本発明の他の目的は、車両の暖房モードにおいて外気熱源、モータ、電装品、およびバッテリモジュールの廃熱を選択的に利用することによって、暖房効率を向上させることができる車両用ヒートポンプシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するための本発明の実施形態に係る車両用ヒートポンプシステムは、第1冷却水ラインに連結される第1ラジエータと第1ウォータポンプとを含み、少なくとも1つの電装品と少なくとも1つのモータを冷却するように前記第1冷却水ラインに冷却水を循環させる第1冷却装置と第2冷却水ラインに連結される第2ラジエータと第2ウォータポンプとを含み、前記第2冷却水ラインに冷却水を循環させる第2冷却装置と、前記第2冷却水ラインと第1バルブを介して選択的に連結されるバッテリー冷却水ラインに備えられるバッテリモジュールと、前記バッテリー冷却水ラインに備えられて内部に冷却水が通過し、エアコン装置の冷媒ラインと冷媒連結ラインを介して連結され、選択的に流入する冷却水を前記エアコン装置から供給された冷媒と熱交換させて冷却水の温度を調節するチラーと、を含み、前記エアコン装置に備えられたメイン熱交換器は、前記第1、および第2冷却装置を循環する冷却水がそれぞれ通過するように前記第1、および第2冷却水ラインとそれぞれ連結され、前記メイン熱交換器を通過する冷媒は、前記メイン熱交換器の内部で前記第1冷却水ラインを介して供給された冷却水と一次熱交換され、前記第2冷却水ラインを介して供給された冷却水と二次熱交換され、前記メイン熱交換器から排出される冷媒は車両のモードに応じて、作動する第3バルブを介して選択的にアキュムレータ、または前記チラー、または前記エアコン装置に備えられた蒸発器に供給される。
【0016】
前記エアコン装置は、前記冷媒ラインを介して連結され、車両の冷房、暖房、および除湿モードに応じて、前記蒸発器を通過した外気が内部コンデンサに選択的に流入するように調節する開閉ドアが内部に備えられたHVACモジュールと、前記蒸発器と前記内部コンデンサとの間で前記冷媒ラインを介して連結される圧縮機と、前記メイン熱交換器と前記蒸発器とを連結する前記冷媒ラインに備えられる第1膨張バルブと、前記冷媒連結ラインに備えられる第2膨張バルブと、前記メイン熱交換器を通過した冷媒が前記アキュムレータを通過して前記圧縮機に選択的に流入するように前記第3バルブを介して前記メイン熱交換器と前記アキュムレータを連結する第1バイパスラインと、前記内部コンデンサと前記メイン熱交換器との間で前記冷媒ラインに備えられる第3膨張バルブと、前記内部コンデンサを通過した冷媒が前記蒸発器に選択的に流入するように前記メイン熱交換器と前記第3膨張バルブとの間の前記冷媒ラインと、前記第1膨張バルブと前記蒸発器との間の前記冷媒ラインを連結する第2バイパスラインと、を含むことができる。
【0017】
前記メイン熱交換器と前記蒸発器の間で前記冷媒ラインにはサブコンデンサが備えられ得る。
【0018】
前記サブコンデンサは、前記メイン熱交換器が冷媒を凝縮すると、前記メイン熱交換器で凝縮した冷媒を外気と熱交換によりさらに凝縮させることができる。
【0019】
前記第2膨張バルブは、冷媒で前記バッテリモジュールを冷却する場合に作動し、前記冷媒連結ラインを介して流入する冷媒を膨張させて前記チラーに流入させることができる。
【0020】
前記第3膨張バルブは、車両の暖房および除湿モードで前記メイン熱交換器と前記第2バイパスラインに流入する冷媒を選択的に膨張させることができる。
【0021】
前記第1バルブは、前記第2ラジエータと前記チラーとの間で前記第2冷却水ラインと前記バッテリー冷却水ラインを選択的に連結し、前記第1冷却装置には、前記第1ラジエータと前記第1ウォータポンプとの間で前記第1冷却水ラインに備えられる第2バルブを介して、前記第1ラジエータと前記第1ウォータポンプとの間の前記第1冷却水ラインと連結される第1分岐ラインが備えられ、前記バッテリー冷却水ラインには、前記第1バルブを介して前記チラーと前記バッテリモジュールを連結する第2分岐ラインが備えられ、前記第2冷却水ラインには、前記バッテリー冷却水ラインと前記第2冷却水ラインとを分離する第3分岐ラインが備えられ、前記第2バイパスラインには第4バルブが備えられる。
【0022】
前記第2ラジエータで冷却された冷却水を用いて前記バッテリモジュールを冷却する場合、前記第1バルブは、前記第2冷却水ラインと前記バッテリー冷却水ラインを連結し、前記第2分岐ラインを閉鎖し、前記第2バルブは、前記第1分岐ラインを閉鎖することができる。
【0023】
車両の冷房モードで前記バッテリモジュールを冷却する場合、前記第1冷却装置では前記第2バルブの作動により前記第1分岐ラインが閉鎖され、前記第1ラジエータで冷却された冷却水が前記第1ウォータポンプの作動により前記電装品、および前記モータに循環し、前記第2分岐ラインは、前記第1バルブの作動により開放され、前記第3分岐ラインが開放され、開放された前記第2、および第3分岐ラインによって前記第2冷却水ラインと前記バッテリー冷却水ラインとの連結が閉鎖され、前記エアコン装置では前記第3、および第4バルブの作動により前記第1、および第2バイパスラインが閉鎖された状態で前記冷媒ラインに沿って冷媒が循環し、膨張した冷媒が前記冷媒連結ラインを介して前記チラーに流入するように前記第2膨張バルブが作動し、前記第3膨張バルブは、前記メイン熱交換器に冷媒を通過させることができる。
【0024】
前記第1冷却装置では、前記第1ラジエータで冷却された冷却水は前記第1ウォータポンプの作動により前記メイン熱交換器に供給され、前記第2冷却装置では開放された前記第3分岐ラインが前記第2冷却水ラインと連結されて独立した密閉回路を形成し、前記第2ラジエータで冷却された冷却水は前記第2ウォータポンプの作動により前記メイン熱交換器に供給され、前記メイン熱交換器は冷却水との熱交換により冷媒を凝縮させることができる。
【0025】
車両の暖房モードで外気熱源を回収する場合、前記第2冷却装置では前記第2ウォータポンプの作動により前記第2冷却水ラインに冷却水が循環し、前記第2分岐ラインは前記第1バルブの作動により閉鎖され、前記第3分岐ラインが閉鎖され、前記第2冷却水ラインと前記バッテリー冷却水ラインは閉鎖された前記第2、および第3分岐ラインによって相互連結され、前記第2ラジエータを通過した冷却水は、前記第2ウォータポンプの作動により前記メイン熱交換器に供給され、前記エアコン装置では、前記第1、および第2膨張バルブの作動により前記メイン熱交換器と前記蒸発器とを連結する前記冷媒ラインと、前記冷媒連結ラインが閉鎖され、前記第3バルブの作動により前記蒸発器と連結される前記冷媒ラインが閉鎖され、前記第1バイパスラインが開放され、前記第4バルブの作動により前記第2バイパスラインが閉鎖され、前記第3膨張バルブは、前記内部コンデンサを通過した冷媒を膨張させて前記メイン熱交換器に供給することができる。
【0026】
車両の暖房モードで外気熱源、電装品およびモータの廃熱を回収する場合、前記第1冷却装置では前記第1ウォータポンプの作動により前記電装品に冷却水が循環し、前記第2バルブの作動により前記第1分岐ラインが開放された状態で、前記電装品、および前記モータと前記第1ラジエータとを連結する前記第1冷却水ラインが閉鎖され、前記第2冷却装置では前記第2ウォータポンプの作動により前記第2冷却水ラインに冷却水が循環し、前記第2分岐ラインは前記第1バルブの作動により閉鎖され、前記第3分岐ラインは開放され、開放された前記第3分岐ラインによって前記第2冷却水ラインと前記バッテリー冷却水ラインとの連結が閉鎖され、前記エアコン装置では、前記第1、および第2膨張バルブの作動により前記メイン熱交換器と前記蒸発器とを連結する前記冷媒ラインと、前記冷媒連結ラインが閉鎖され、前記第3バルブの作動により前記第1バイパスラインが開放され、前記第4バルブの作動により前記第2バイパスラインが閉鎖され、前記第3膨張バルブは冷媒を膨張させて前記メイン熱交換器に供給することができる。
【0027】
車両の暖房モードで電装品およびモータの廃熱を回収する場合、前記第1冷却装置では、前記第1ウォータポンプの作動により前記電装品に冷却水が循環し、前記第2バルブの作動により前記第1分岐ラインが開放された状態で、前記電装品、および前記モータと前記第1ラジエータとを連結する前記第1冷却水ラインが閉鎖され、前記第2冷却装置では前記第2ウォータポンプの作動が停止し、前記第3ウォータポンプの作動が停止し、前記第2分岐ラインは前記第1バルブの作動により閉鎖され、前記第3分岐ラインが閉鎖され、前記エアコン装置では、前記第1膨張バルブの作動により前記メイン熱交換器と前記蒸発器とを連結する前記冷媒ラインが閉鎖され、前記第3バルブの作動により前記第1バイパスラインが開放され、前記第4バルブの作動により前記第2バイパスラインが閉鎖され、前記第3膨張バルブは冷媒を膨張させて前記メイン熱交換器に供給することができる。
【0028】
車両の暖房モードで充電時に前記バッテリモジュールの廃熱を回収する場合、前記第1冷却装置では、前記第1ウォータポンプの作動により前記電装品に冷却水が循環し、前記第2バルブの作動により前記第1分岐ラインが開放された状態で、前記電装品、および前記モータと前記第1ラジエータとを連結する前記第1冷却水ラインが閉鎖され、前記第2冷却装置では前記第2ウォータポンプの作動が停止し、前記第2分岐ラインは前記第1バルブの作動により開放され、前記第3分岐ラインが閉鎖され、前記第3ウォータポンプの作動により前記バッテリー冷却水ラインと前記第2分岐ラインに沿って前記チラーおよび前記バッテリモジュールに冷却水が循環し、前記エアコン装置では前記第1膨張バルブの作動が停止し、膨張した冷媒が前記冷媒連結ラインを介して前記チラーに流入するように前記第2膨張バルブが作動し、前記第3バルブの作動により前記第1バイパスラインが開放され、前記第4バルブの作動により前記第2バイパスラインが閉鎖され、前記第3膨張バルブは、冷媒を膨張させて前記メイン熱交換器に供給することができる。
【0029】
前記第3バルブは、前記アキュムレータに供給された冷媒中、気体冷媒が前記圧縮機に供給されるように開放された前記第1バイパスラインを介して前記アキュムレータに冷媒を供給し、前記チラーに冷媒が供給されるように前記冷媒連結ラインと連結された前記冷媒ラインを開放することができる。
【0030】
車両の暖房および除湿モードで、前記第1冷却装置では、前記第1ウォータポンプの作動により前記電装品に冷却水が循環し、前記第2バルブの作動により前記第1分岐ラインが開放された状態で、前記電装品、および前記モータと前記第1ラジエータとを連結する前記第1冷却水ラインが閉鎖され、前記第2ウォータポンプと前記第3ウォータポンプの作動がそれぞれ停止し、前記エアコン装置では、前記第1、および第2膨張バルブの作動により前記メイン熱交換器と前記蒸発器とを連結する前記冷媒ラインと、前記冷媒連結ラインが閉鎖され、前記第3バルブの作動により前記第1バイパスラインが開放され、前記第4バルブの作動により前記第2バイパスラインが開放され、前記第3膨張バルブは冷媒を膨張させて前記メイン熱交換器と前記第2バイパスラインを介して前記蒸発器にそれぞれ供給することができる。
【0031】
前記第2、および第3膨張バルブは、冷媒の流動流れを制御しながら、冷媒を選択的に膨張させる電子式膨張バルブであり得る。
【0032】
前記メイン熱交換器は、前記第1冷却水ラインと連結される第1放熱部と、前記第2冷却水ラインと連結される第2放熱部と、前記第1冷却装置と前記第2冷却装置からそれぞれ供給される冷却水が混合されることを防止するため、前記コンデンサの内部で前記第1放熱部と前記第2放熱部とを区画し、冷媒は通過させる隔壁と、を含むことができる。
【0033】
前記メイン熱交換器は、車両のモードに応じて冷媒を凝縮または蒸発させることができる。
【0034】
前記アキュムレータは、前記圧縮機と前記蒸発器との間で前記冷媒ラインに配置され得る。
【0035】
上述したように、本発明に係る車両用ヒートポンプシステムによれば、電気自動車で冷却水と冷媒が熱交換される1つのチラーを用いて車両のモードに応じてバッテリモジュールを昇温または冷却させることによって、システムを単純化することができる。
【0036】
また、本発明は、バッテリモジュールを車両のモードに合わせて効率的に昇温および冷却させることによって、バッテリモジュールの最適な性能を発揮することができ、効率的なバッテリモジュールの管理を通して車両の全体的な走行距離を増加させることができる。
【0037】
また、本発明は、車両の暖房モードで、外気熱源、モータ、電装品、およびバッテリモジュールの廃熱を選択的に利用することによって、暖房効率を向上させることができる。
【0038】
また、本発明は、第1、および第2冷却装置から供給されるそれぞれの冷却水を用いて冷媒を二重に凝縮または蒸発させるメイン熱交換器により冷媒の凝縮または蒸発性能を増大させることによって、冷房性能を向上させ、圧縮機の消耗動力を減らすことができる。
【0039】
さらに、本発明は、全体システムの簡素化により製作コストの節減および重量縮小が可能で、空間活用性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】本発明の実施形態による車両用ヒートポンプシステムのブロック構成図である。
【
図2】本発明の実施形態による車両用ヒートポンプシステムで冷却水を利用したバッテリモジュール冷却時の作動状態図である。
【
図3】本発明の実施形態による車両用ヒートポンプシステムで冷房モードによる電装品とバッテリモジュールの冷却に対する作動状態図である。
【
図4】本発明の実施形態による車両用ヒートポンプシステムで暖房モードによる外気熱源の回収に対する作動状態図である。
【
図5】本発明の実施形態による車両用ヒートポンプシステムで暖房モードによる外気熱源、モータおよび電装品の廃熱回収に対する作動状態図である。
【
図6】本発明の実施形態による車両用ヒートポンプシステムで暖房モードによるモータおよび電装品の廃熱回収に対する作動状態図である。
【
図7】本発明の実施形態による車両用ヒートポンプシステムで暖房モードによるバッテリモジュールの充電時、バッテリモジュールの廃熱回収に対する作動状態図である。
【
図8】本発明の実施形態による車両用ヒートポンプシステムで暖房および除湿モードによる作動状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明の好ましい実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0042】
これに先立ち、本明細書に記載された実施形態および図面に示された構成は、本発明の最も好ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想を全て代弁するものではないので、本出願時点においてこれらを代替できる多様な均等物と変形例があることを理解しなければならない。
【0043】
本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付す。
【0044】
図面に示された各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜のために任意に示したので、本発明が必ずしも図面に示されたところに限定されず、様々な部分および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。
【0045】
そして、明細書全体において、ある部分がある構成要素を“含む”とする時、これは特に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに包含できることを意味する。
【0046】
また、明細書に記載された“...ユニット”、“...手段”、“...部”、“...部材”などの用語は、少なくとも1つの機能や動作をする包括的な構成の単位を意味する。
【0047】
図1は、本発明の実施形態による車両用ヒートポンプシステムのブロック構成図である。
【0048】
本発明の実施形態による車両用ヒートポンプシステムは、冷媒と冷却水が熱交換される1つのチラー70を用いてバッテリモジュール30を昇温または冷却させ、モータ16および電装品15と前記バッテリモジュール30の廃熱を利用して暖房効率を向上させる。
【0049】
ここで、前記ヒートポンプシステムは、電気自動車で前記電装品15と前記モータ16を冷却するための第1冷却装置10と、前記バッテリモジュール30を冷却するための第2冷却装置20と、室内を冷房または暖房するための空調装置であるエアコン装置50とが相互連動され得る。
【0050】
つまり、
図1を参照すれば、前記ヒートポンプシステムは、前記第1、および第2冷却装置10、20と、前記バッテリモジュール30と、チラー70とを含む。
【0051】
まず、前記第1冷却装置10は、第1冷却水ライン11に連結される第1ラジエータ12と第1ウォータポンプ14とを含む。前記第1冷却装置10は、前記電装品15と前記モータ16とを冷却するように前記第1ウォータポンプ14の作動により前記第1冷却水ライン11に冷却水を循環させる。
【0052】
前記第1ラジエータ12は、車両の前方に配置され、後方にはクーリングファン13が備えられ、前記クーリングファン13の作動と外気との熱交換により冷却水を冷却させる。
【0053】
ここで、前記電装品15は、電力制御装置、またはインバータ15a、または充電器15b(On Board Charger、OBC)を含むことができる。前記電力制御装置または前記インバータ15aは走行中に発熱され、前記充電器15bは、前記バッテリモジュール30を充電するときに発熱される。
【0054】
前記電装品15と前記モータ16は、前記第1冷却水ライン11に直列配置される。
【0055】
また、前記第1ラジエータ12と前記第1ウォータポンプ14の間において前記第1冷却水ライン11には第1リザーバタンク19が備えられる。前記第1リザーバタンク19には前記第1ラジエータ12で冷却された冷却水が貯蔵される。
【0056】
このように構成される前記第1冷却装置10は、前記第1ウォータポンプ14の作動により前記第1ラジエータ12で冷却された冷却水を前記第1冷却水ライン11に沿って循環させることによって、前記電装品15および前記モータ16が過熱されないように冷却させる。
【0057】
本実施形態で、前記第2冷却装置20は、第2冷却水ライン21に連結される第2ラジエータ22と第2ウォータポンプ26とを含み、第2冷却水ライン21に冷却水を循環させる。
【0058】
前記第2冷却装置20は、前記第2ラジエータ22で冷却された冷却水を前記バッテリモジュール30に選択的に供給することができる。
【0059】
前記第2ラジエータ22は、前記第1ラジエータ12の前方に配置され、前記クーリングファン13の作動と外気との熱交換により冷却水を冷却させる。
【0060】
また、前記第2ラジエータ22と前記第2ウォータポンプ26との間で前記第2冷却水ライン21には第2リザーバタンク27が備えられる。前記第2リザーバタンク27には、前記第2ラジエータ22で冷却された冷却水が貯蔵され得る。
【0061】
このように構成される前記第2冷却装置20は、前記第2ウォータポンプ26の作動により前記第2ラジエータ22で冷却された冷却水を前記第2冷却水ライン21に沿って循環させる。
【0062】
本実施形態で、前記バッテリモジュール30は、前記第2冷却水ライン21と第1バルブV1を通じて選択的に連結されるバッテリー冷却水ライン31に備えられる。
【0063】
ここで、前記第1バルブV1は、前記第2ラジエータ22と前記バッテリモジュール30の間で前記第2冷却水ライン21と前記バッテリー冷却水ライン31を選択的に連結することができる。
【0064】
より詳しくは、前記第1バルブV1は、前記バッテリー冷却水ライン31に備えられた前記チラー70と前記第2ラジエータ22の間で前記第2冷却水ライン21と前記バッテリー冷却水ライン31を選択的に連結する。
【0065】
ここで、前記バッテリモジュール30は、前記電装品15および前記モータ16に電源を供給し、前記バッテリー冷却水ライン31に沿って流動される冷却水で冷却される水冷式で形成される。
【0066】
つまり、前記バッテリモジュール30は、前記第1バルブV1の作動により前記第2冷却装置20と前記バッテリー冷却水ライン31を通じて選択的に連結される。また、前記バッテリモジュール30は、前記バッテリー冷却水ライン31に備えられる第3ウォータポンプ33の作動により内部に冷却水が循環することができる。
【0067】
前記第3ウォータポンプ33は、前記チラー70と前記バッテリモジュール30の間で前記バッテリー冷却水ライン31に備えられる。前記第3ウォータポンプ33は、前記バッテリー冷却水ライン31を通じて冷却水を循環させるように作動する。
【0068】
ここで、前記第1、第2、および第3ウォータポンプ14、26、33は、電動式ウォータポンプであり得る。
【0069】
また、前記第1冷却装置10には、前記第1ラジエータ12と前記第1ウォータポンプ14の間で前記第1冷却水ライン11に備えられる第2バルブV2を通じて前記第1ラジエータ12と前記第1ウォータポンプ14の間の前記第1冷却水ライン11と連結される第1分岐ライン18が備えられる。
【0070】
より詳しくは、前記第2バルブV2は、前記電装品15、および前記モータ16と前記第1ラジエータ12の間で前記第1冷却水ライン11に備えられる。
【0071】
前記第1分岐ライン18の一端は、前記第2バルブV2を通じて前記第1冷却水ライン11と連結され、前記第1分岐ライン18の他端は、前記第1ラジエータ12と前記第1ウォータポンプ18の間の前記第1冷却水ライン11と連結される。
【0072】
前記第1分岐ライン18は、前記電装品15と前記モータ16で発生した廃熱を吸収して冷却水の温度が上昇すれば、前記第2バルブV2の作動により選択的に開放される。この時、前記第1ラジエータ12と連結される前記第1冷却水ライン11は、前記第2バルブV2の作動により閉鎖される。
【0073】
本実施形態で、前記チラー70は、前記バッテリー冷却水ライン31に備えられて内部に冷却水が通過し、前記エアコン装置50の冷媒ライン51と冷媒連結ライン72を通じて連結される。
【0074】
前記チラー70は、内部に選択的に流入される冷却水を前記エアコン装置50から供給された冷媒と熱交換させて冷却水の温度を調節することができる。ここで、前記チラー70は、内部に冷却水が流入される水冷式熱交換器であり得る。
【0075】
前記バッテリモジュール30と前記チラー70の間で前記バッテリー冷却水ライン31には加熱器35が備えられる。
【0076】
前記加熱器35は、前記バッテリモジュール30の昇温が要求されると、ON作動して前記バッテリー冷却水ライン31で循環する冷却水を加熱することによって、温度が上昇した冷却水を前記バッテリモジュール30に流入させる。
【0077】
前記加熱器35は、電源供給により作動する電気式ヒーターであり得る。
【0078】
また、前記バッテリー冷却水ライン31には、前記第1バルブV1を通じて前記チラー70と前記バッテリモジュール30の間で各バッテリー冷却水ライン31を連結する第2分岐ライン80が備えられる。
【0079】
そして、前記第2冷却水ライン21には、前記バッテリー冷却水ライン31と前記第2冷却水ライン21を分離する第3分岐ライン90が備えられる。
【0080】
前記第3分岐ライン90は、前記第2冷却装置20が前記第2冷却水ライン21を通じて独立した密閉回路を形成するように、前記第2冷却水ライン21に選択的に連結される。
【0081】
また、前記第3分岐ライン90が前記第2冷却水ライン21、および前記バッテリー冷却水ライン31と交差する地点、または前記第3分岐ライン90上には別途のバルブが備えられる。前記バルブは、3-Wayまたは2-Wayバルブであり得る。
【0082】
そのため、前記第1バルブV1は、前記第2冷却水ライン21と前記バッテリー冷却水ライン35を選択的に連結するか、または前記バッテリー冷却水ライン31と前記第2分岐ライン80を選択的に連結して冷却水の流動流れを制御する。
【0083】
つまり、前記第1バルブV1は、前記第2ラジエータ21で冷却された冷却水を用いて前記バッテリモジュール30を冷却する場合、前記第2ラジエータ21と連結される前記第2冷却水ライン21と前記バッテリー冷却水ライン31を連結し、前記第2分岐ライン80は閉鎖することができる。
【0084】
それによって、前記第2ラジエータ22で冷却された冷却水は、前記第1バルブV1の作動により連結された前記第2冷却水ライン11と前記バッテリー冷却ライン31に沿って流動しながら、前記バッテリモジュール30が冷却される。
【0085】
また、前記第1バルブV1は、冷媒と熱交換された冷却水を用いて前記バッテリモジュール30を冷却する場合、前記第2分岐ライン80を開放し、前記第2冷却水ライン21と前記バッテリー冷却水ライン31の連結を閉鎖することができる。
【0086】
そのため、前記チラー70で冷媒と熱交換が完了した低温の冷却水は、前記第1バルブV1によって開放された前記第2分岐ライン80を通じて前記バッテリモジュール30に流入することによって、効率的に前記バッテリモジュール30を冷却させる。
【0087】
反面、前記バッテリモジュール30を昇温する場合には、前記第1バルブV1の作動により前記バッテリー冷却水ライン31に沿って循環する冷却水が前記第2ラジエータ22に流入することを防止することによって、前記加熱器35の作動により加熱された冷却水を前記バッテリモジュール30に流入させて迅速にバッテリモジュール30を昇温させることができる。
【0088】
また、本実施形態では、前記第3分岐ライン90にバルブが構成されていないことを一実施形態として説明しているが、これに限定されるものではなく、前記第3分岐ライン90の選択的な開放のため、必要に応じてバルブの適用が可能である。
【0089】
つまり、前記第3分岐ライン90は、車両の各モード(暖房、冷房、除湿)により選択的に連結される前記第2冷却水ライン21、前記バッテリー冷却水ライン31、および第2分岐ライン80と、前記第2、および第3ウォータポンプ26、33の作動により循環する冷却水の流量制御を可能にすることで、前記第3分岐ライン90の開閉制御が可能である。
【0090】
一方、本実施形態で、前記エアコン装置50は、前記冷媒ライン51を通じて連結されるHVACモジュール(Heating、Ventilation、and Air Conditioning)52、メイン熱交換器54、アキュムレータ55、第1膨張バルブ57、蒸発器58、および圧縮機59を含む。
【0091】
まず、前記HVACモジュール52は、前記冷媒ライン51を通じて連結され、車両の冷房、暖房、および暖房/除湿モードに応じて、前記蒸発器58を通過した外気が内部コンデンサ52aと内部ヒーター52bに選択的に流入するように調節する開閉ドア52cが内部に備えられる。
【0092】
つまり、前記開閉ドア52cは、車両の暖房モードで前記蒸発器58を通過した外気が前記内部コンデンサ52aと内部ヒーター52bに流入するように開放される。反対に、車両の冷房モードで前記開閉ドア52cは、前記蒸発器58を通過しながら冷却された外気が車両内部に直ちに流入するように前記内部コンデンサ52aと前記内部ヒーター52b側を閉鎖することになる。
【0093】
前記メイン熱交換器54は、前記冷媒ライン51と連結されて冷媒が通過し、前記第1、および第2冷却装置10、20を循環する冷却水がそれぞれ通過するように前記第1、および第2冷却水ライン11、21とそれぞれ連結される。
【0094】
前記メイン熱交換器54は、車両のモードに応じて前記第1、および第2冷却水ライン11、21を通じて供給された冷却水と熱交換により冷媒を凝縮または蒸発させる。つまり、前記メイン熱交換器54は、内部に冷却水が流入する水冷式熱交換器であり得る。
【0095】
ここで、前記メイン熱交換器54は、第1放熱部54a、第2放熱部54b、および隔壁54cを含むことができる。
【0096】
まず、前記第1放熱部54aは、第1冷却水ライン11と連結される。そのため、前記第1放熱部54aは、前記圧縮機59から供給された冷媒を前記第1冷却装置10で供給された冷却水と一次熱交換させる。
【0097】
前記第2放熱部54bは、前記第2冷却水ライン21と連結される。そのため、前記第2放熱部54bは、前記第1放熱部54aを通過した冷媒を前記第2冷却装置20で供給された冷却水と二次熱交換させる。
【0098】
そして、前記隔壁54cは、前記第1冷却装置10と前記第2冷却装置20からそれぞれ供給される冷却水が混合されることを防止するように前記メイン熱交換器54の内部で前記第1放熱部54aと前記第2放熱部54bとを区画することができる。前記隔壁54cは、前記第1放熱部54aから前記第2放熱部54bに冷媒が流入するように冷媒を通過させる。
【0099】
したがって、前記メイン熱交換器54を通過した冷媒は、前記第1冷却水ライン11を通じて供給された冷却水と一次熱交換され、前記第2冷却水ライン21を通じて供給された冷却水と二次熱交換される。
【0100】
このように構成される、前記メイン熱交換器54は、前記圧縮機59から前記内部コンデンサ52aを経て供給された冷媒を前記第1放熱部54aで前記第1冷却装置10から供給される冷却水と一次熱交換させる。
【0101】
その後、前記メイン熱交換器54は、前記第2放熱部54bで前記第2冷却装置20から供給される冷却水と冷媒を二次熱交換させる。このような作動により、前記メイン熱交換器54は、冷媒の温度をさらに低くし、凝縮量または蒸発量を増加させる。
【0102】
本実施形態で、前記アキュムレータ55は、前記メイン熱交換器54から排出する冷媒を車両のモードに応じて作動する第3バルブV3を通じて選択的に供給を受けることになる。
【0103】
前記アキュムレータ55は、前記圧縮機59に気体状態の冷媒のみを供給することによって、前記圧縮機59の効率および耐久性を向上させる。
【0104】
また、前記メイン熱交換器54と前記蒸発器58の間で、前記冷媒ライン51には、前記メイン熱交換器54を通過した冷媒をさらに凝縮させるためのサブコンデンサ56が備えられる。
【0105】
前記サブコンデンサ56には、前記第3バルブV3の作動により前記メイン熱交換器54を通過した冷媒が選択的に流入される。
【0106】
つまり、前記サブコンデンサ56は、前記第2ラジエータ22の前方に配置されて内部に流入した冷媒を外気と相互熱交換させる。
【0107】
このように、前記サブコンデンサ56は、前記メイン熱交換器54が冷媒を凝縮すれば、前記メイン熱交換器54で凝縮した冷媒をさらに凝縮させることによって、冷媒のサブクールを増大させることができ、これによって、圧縮機の所要動力対比冷房能力の係数COP(Coefficient Of Performance)を向上させることができる。
【0108】
本実施形態で、前記第1膨張バルブ57は、前記サブコンデンサ56と前記蒸発器58を連結する前記冷媒ライン51に備えられる。前記第1膨張バルブ57は、前記サブコンデンサ56を通過した冷媒の供給を受けて膨張する。前記第1膨張バルブ57は、機械式膨張バルブであり得る。
【0109】
前記圧縮機59は、前記蒸発器58と前記メイン熱交換器54の間で前記冷媒ライン51を通じて連結される。前記圧縮機59は、気体状態の冷媒を圧縮させ、圧縮された冷媒を前記内部コンデンサ52aに供給する。
【0110】
このように構成される前記エアコン装置50は、第2膨張バルブ74、第1バイパスライン62、第3膨張バルブ66、および第2バイパスライン64をさらに含むことができる。
【0111】
まず、前記第2膨張バルブ74は、前記サブコンデンサ56と前記チラー70の間で前記冷媒連結ライン72に備えられる。
【0112】
ここで、前記第2膨張バルブ74は、車両の冷房モードで冷媒で前記バッテリモジュール30を冷却する場合に作動する。前記第2膨張バルブ72は、前記冷媒連結ライン72を通じて流入する冷媒を膨張させて前記チラー70に流入させる。
【0113】
つまり、前記第2膨張バルブ74は、前記サブコンデンサ56から排出した凝縮した冷媒を膨張させてその温度を下げた状態で前記チラー70に流入させることによって、前記チラー70の内部を通過する冷却水の水温をもっと下げることができる。
【0114】
そのため、前記バッテリモジュール30には、前記チラー70を通過しながら水温が低くなった冷却水が流入して、より効率的に冷却され得る。
【0115】
本実施形態で、前記第1バイパスライン62は、前記メイン熱交換器54を通過した冷媒が前記アキュムレータ55を経て前記圧縮機59に選択的に流入するように前記第3バルブV3を通じて前記メイン熱交換器54と前記アキュムレータ55を連結することができる。
【0116】
つまり、前記第3バルブV3は、車両のモードに応じて、前記第1バイパスライン62を選択的に開放することができる。
【0117】
ここで、前記アキュムレータ55は、前記第3バルブV3の作動により開放された前記第1バイパスライン62を通じて供給された冷媒中、気体冷媒を前記圧縮機59に供給することができる。
【0118】
本実施形態で、前記第3膨張バルブ66は、前記内部コンデンサ52aと前記メイン熱交換器54の間で前記冷媒ライン51に備えられる。
【0119】
前記第3膨張バルブ66は、車両の暖房および除湿モードで前記メイン熱交換器54と前記第2バイパスライン64に流入する冷媒を選択的に膨張させる。
【0120】
そして、前記第2バイパスライン64は、前記内部コンデンサ52aを通過した冷媒中、一部の冷媒を前記蒸発器58に選択的に流入するように前記メイン熱交換器54と前記第3膨張バルブ66の間の前記冷媒ライン51と、前記第1膨張バルブ57と前記蒸発器58の間の前記冷媒ライン51を連結する。
【0121】
ここで、前記第2バイパスライン64には、第4バルブV4が備えられる。前記第4バルブV4は、車両のモードに応じて、前記第2バイパスライン64を選択的に開放することができる。
【0122】
つまり、前記第2膨張バルブ74と前記第3膨張バルブ66は冷媒の流動流れを制御しながら、冷媒を選択的に膨張させる電子式膨張バルブであり得る。
【0123】
また、前記第1、第2、および第3バルブV1、V2、V3は、流量の分配が可能な3-Wayバルブであり、前記第4バルブV4は2-Wayバルブであり得る。
【0124】
以下、前記のように構成される本発明の実施形態による車両用ヒートポンプシステムの作動および作用について、
図2~
図8を参照して詳しく説明する。
【0125】
まず、本発明の実施形態による車両用ヒートポンプシステムで冷却水を利用したバッテリモジュール冷却時の作動を
図2を参照して説明する。
【0126】
図2は、本発明の実施形態による車両用ヒートポンプシステムで冷却水を利用したバッテリモジュール冷却時の作動状態図である。
【0127】
図2を参照すれば、前記第1冷却装置10では、前記電装品15と前記モータ16の冷却のために前記第1ウォータポンプ14が作動する。そのため、前記電装品15と前記モータ16には前記第1ラジエータ12で冷却された冷却水が循環する。
【0128】
ここで、前記第2バルブV2は、前記第1分岐ライン18を閉鎖する。
【0129】
前記第2冷却装置20では、前記バッテリモジュール30を冷却するために前記第2ウォータポンプ26が作動する。
【0130】
この時、前記第1バルブV1は、前記第2ラジエータ22で冷却された冷却水が前記バッテリモジュール30に供給されるよう、前記第2冷却水ライン21と前記バッテリー冷却水ライン31を連結する。
【0131】
これと同時に、前記第2分岐ライン80は、前記第1バルブV1の作動により閉鎖される。また、前記第3分岐ライン90が閉鎖される。そのため、前記第2冷却水ライン21と前記バッテリー冷却水ライン31は、閉鎖した前記第2、および第3分岐ライン80、90によって連結される。
【0132】
つまり、前記第2冷却水ライン21と前記バッテリー冷却水ライン31は、前記第1バルブV1の選択的な作動によって連結され、冷却水が循環する1つの密閉回路を形成することができる。
【0133】
そのため、前記第2ラジエータ22で冷却された冷却水は、前記第2ウォータポンプ26と前記第3ウォータポンプ33の作動により、前記第2冷却水ライン21と前記バッテリー冷却水ライン31に沿って循環する。
【0134】
つまり、前記第2ラジエータ22から排出した冷却された冷却水は、バッテリー冷却水ライン31を通じて前記バッテリモジュール30に流入し、前記バッテリモジュール30を冷却する。
【0135】
前記バッテリモジュール30を冷却した冷却水は、前記バッテリー冷却水ライン31に沿って作動をOFFにした前記加熱器35と前記チラー70を通過した後、前記第2冷却水ライン21を通じて再び前記第2ラジエータ22に流入する。
【0136】
つまり、第2ラジエータ22で冷却された低温の冷却水は、前記バッテリモジュール30のみを冷却させるので、前記バッテリモジュール30を効率的に冷却させる。
【0137】
一方、前記エアコン装置50は、車両の冷房モードが作動しないため、作動しない。
【0138】
車両の冷房モードによる前記電装品15、前記モータ16、および前記バッテリモジュール30の冷却時の作動を
図3を参照して説明する。
【0139】
図3は、本発明の実施形態による車両用ヒートポンプシステムで冷房モードによる電装品とバッテリモジュールの冷却に対する作動状態図である。
【0140】
図3を参照すれば、前記第1冷却装置10では、前記電装品15と前記モータ16、および前記メイン熱交換器54の冷却のため、前記第1ウォータポンプ14が作動する。そのため、前記電装品15、前記モータ16、および前記メイン熱交換器54には、前記第1ラジエータ12で冷却された冷却水が循環する。
【0141】
ここで、前記第2バルブV2は、前記第1分岐ライン18を閉鎖する。
【0142】
つまり、前記第1冷却装置10では、前記第1ラジエータ12で冷却された冷却水が前記第1ウォータポンプ14の作動により前記メイン熱交換器54に供給される。
【0143】
前記第2冷却装置20では、前記メイン熱交換器54に冷却水を供給するため、前記第2ウォータポンプ26が作動する。
【0144】
一方、前記第2分岐ライン80は、前記第1バルブV1の作動により開放される。また、前記第3分岐ライン90が開放される。
【0145】
そのため、前記第2冷却水ライン21は、開放された前記第2、および第3分岐ライン80、90と前記第1バルブV1の作動により前記バッテリー冷却水ライン31との連結が閉鎖される。
【0146】
つまり、前記第2冷却装置20では、開放された前記第3分岐ライン90が前記第2冷却水ライン21と連結されて独立して冷却水が循環する密閉回路を形成することができる。
【0147】
また、前記バッテリー冷却水ライン31は、開放された前記第2分岐ライン80を通じて独立して冷却水が循環する密閉回路を形成することができる。
【0148】
したがって、前記第2ラジエータ22で冷却された冷却水は、前記第2ウォータポンプ26の作動により前記メイン熱交換器54を冷却させるよう、前記第2冷却水ライン21と前記第3分岐ライン90を循環する。
【0149】
前記エアコン装置50は、車両室内を冷房するために各構成要素が作動して、冷媒ライン51に沿って冷媒が循環する。
【0150】
ここで、前記第1、および第2バイパスライン62、64は、前記第3、および第4バルブV3、V4の作動により閉鎖される。
【0151】
そのため、前記メイン熱交換器54は、前記第1、および第2冷却水ライン11、21に沿って流動する冷却水を用いて前記冷媒を凝縮させる。
【0152】
つまり、前記第1冷却水ライン11を通じて前記メイン熱交換器54に供給された冷却水は、前記メイン熱交換器54の第1放熱部54aを通過する冷媒を一次凝縮させる。前記第2冷却水ライン21を通じて前記メイン熱交換器54に供給された冷却水は、前記メイン熱交換器54の第2放熱部54bを通過する冷媒を二次凝縮させる。
【0153】
そのため、前記メイン熱交換器54は、冷媒の凝縮量を増大させることができる。
【0154】
前記メイン熱交換器54を通過した冷媒は、前記第3バルブV3の作動により開放された前記冷媒ライン51に沿って前記サブコンデンサ56に流入する。前記サブコンデンサ56に流入した冷媒は、外気と熱交換によって凝縮することができる。
【0155】
一方、前記チラー70を通過した冷却水は、前記第3ウォータポンプ33の作動により前記バッテリモジュール30を冷却させるよう、前記バッテリー冷却水ライン31と前記第2分岐ライン80を循環する。
【0156】
前記バッテリー冷却水ライン31を循環する冷却水は、前記チラー70に供給された冷媒と熱交換により冷却される。前記チラー70で冷却された冷却水は、前記バッテリモジュール30に供給される。そのため、前記バッテリモジュール30は、冷却された冷却水によって冷却される。
【0157】
ここで、前記第2膨張バルブ74は、膨張した冷媒を前記チラー70に供給するように、前記サブコンデンサ56を通過した冷媒中の一部の冷媒を膨張させ、前記冷媒連結ライン72を開放する。
【0158】
そして、前記第3膨張バルブ66は冷媒を膨張させず、前記メイン熱交換器54に流入させる。
【0159】
したがって、前記サブコンデンサ56から排出した一部の冷媒は、前記第2膨張バルブ74の作動により膨張して低温低圧の状態となり、前記冷媒連結ライン72と連結される前記チラー70に流入する。
【0160】
その後、前記チラー70に流入した冷媒は冷却水と熱交換され、前記冷媒連結ライン72を通じて前記圧縮機59に流入する。
【0161】
つまり、前記バッテリモジュール30を冷却しながら温度が上昇した冷却水は、低温低圧の冷媒と前記チラー70の内部で熱交換により冷却される。冷却された冷却水は、前記バッテリー冷却ライン31を通じて再びバッテリモジュール30に供給される。
【0162】
つまり、冷却水は、上述した動作を繰り返し行いながら、前記バッテリモジュール30を効率的に冷却させることができる。
【0163】
一方、前記サブコンデンサ56から排出した残りの冷媒は、車両の室内を冷房するように前記冷媒ライン51を通じて流動され、前記第1膨張バルブ57、前記蒸発器58、前記アキュムレータ55、前記圧縮機59、前記内部コンデンサ52a、前記メイン熱交換器54、およびサブコンデンサ56を順次に通過する。
【0164】
ここで、前記HVACモジュール52に流入する外気は、前記蒸発器58に流入した低温状態の冷媒によって前記蒸発器58を通過しながら冷却される。
【0165】
この時、前記開閉ドア52cは、冷却された外気が前記内部コンデンサ52aと前記内部ヒーター52bを通過しないように前記内部コンデンサ52aを通過する部分を閉鎖する。したがって、冷却された外気は車両の内部に直接流入することによって、車両室内を冷房することができる。
【0166】
一方、前記蒸発器58には前記メイン熱交換器54と、前記サブコンデンサ56を順次通過しながら凝縮量が増加された冷媒が膨張して供給されることによって、冷媒をより低い温度で蒸発させることができる。
【0167】
つまり、本実施形態では、前記メイン熱交換器54の第1、および第2放熱部54a、54bが冷媒を一次、および二次凝縮し、前記サブコンデンサ56がさらに冷媒を凝縮させることによって、冷媒のサブクール形成が有利になる。
【0168】
そして、サブクールが形成された冷媒が、前記蒸発器58でより低い温度で蒸発することによって、前記蒸発器58で熱交換される冷却水の温度をさらに低くすることができ、冷房性能および効率を向上させることができる。
【0169】
つまり、前記過程を繰り返し行いながら、冷媒は車両の冷房モードで室内を冷房すると同時に、前記チラー70を通過しながら熱交換によって冷却水を冷却させることができる。
【0170】
前記チラー70で冷却された冷却水は、前記第1バルブV1の作動により連結された前記バッテリー冷却水ライン31に沿って流動しながら前記バッテリモジュール30に流入する。そのため、バッテリモジュール30は、前記バッテリー冷却水ライン31に供給された低温の冷却水によって効率的に冷却される。
【0171】
本実施形態で、車両の暖房モードで外気熱源を回収する場合に対する作動を
図4を参照して説明する。
【0172】
図4は、本発明の実施形態による車両用ヒートポンプシステムで暖房モードによる外気熱源の回収に対する作動状態図である。
【0173】
図4を参照すれば、前記ヒートポンプシステムは、前記電装品15、前記モータ16、前記バッテリモジュール30の廃熱が不足した車両のアイドル(IDLE)状態で外気から外気熱源を吸収することができる。
【0174】
まず、前記第1冷却装置10では前記第1ウォータポンプ14が作動する。ここで、前記第2バルブV2は、前記第1分岐ライン18を閉鎖する。
【0175】
つまり、前記第1冷却装置10では、前記第1ラジエータ12を通過した冷却水が第1ウォータポンプ14の作動により、前記電装品15、前記モータ16、および前記メイン熱交換器54に供給される。
【0176】
前記第2冷却装置20では、前記メイン熱交換器54に冷却水を供給するために前記第2ウォータポンプ26が作動する。
【0177】
この時、前記第1バルブV1は、前記第2ラジエータ22を通過した冷却水が前記バッテリモジュール30に供給されるように前記第2冷却水ライン21と前記バッテリー冷却水ライン31を連結する。
【0178】
これと同時に、前記第2分岐ライン80は、前記第1バルブV1の作動により閉鎖される。また、前記第2分岐ライン90が閉鎖される。そのため、前記第2冷却水ライン21と前記バッテリー冷却水ライン31は、閉鎖された前記第2、および第3分岐ライン80、90によって連結される。
【0179】
つまり、前記第2冷却水ライン21と前記バッテリー冷却水ライン31は、前記第1バルブV1の選択的な作動によって連結され、冷却水が循環する1つの密閉回路を形成することができる。
【0180】
それによって、前記第2ラジエータ22を通過した冷却水は、前記第2ウォータポンプ26と前記第3ウォータポンプ33の作動により前記第2冷却水ライン21と前記バッテリー冷却水ライン31に沿って循環することができる。
【0181】
そのため、前記第1、および第2冷却水ライン11、21をそれぞれ通過する冷却水は、前記第1、および第2ラジエータ12、22をそれぞれ通過しながら外気熱源を吸収して温度が上昇する。温度が上昇した冷却水は、前記メイン熱交換器54に供給される。
【0182】
一方、前記エアコン装置50では、車両室内を暖房するために各構成要素が作動して冷媒ライン51に沿って冷媒が循環する。
【0183】
ここで、前記メイン熱交換器54と前記蒸発器58を連結する前記冷媒ライン51と、前記チラー70と連結される前記冷媒連結ライン72は、前記第1、および第2膨張バルブ57、74の作動により閉鎖される。
【0184】
また、前記第1バイパスライン62は前記第3バルブV3の作動により開放され、前記第2バイパスライン64は前記第4バルブV4の作動により閉鎖される。
【0185】
ここで、前記第3バルブV3は、前記メイン熱交換器54と前記サブコンデンサ56を連結する前記冷媒ライン51を閉鎖する。
【0186】
そして、前記第3膨張バルブ66は冷媒を膨張させて、前記メイン熱交換器54に供給することができる。
【0187】
そのため、前記メイン熱交換器54は、前記第1、および第2冷却水ライン11、21に沿ってそれぞれ流動し、回収された外気熱源で温度が上昇した冷却水を用いて冷媒を蒸発させる。
【0188】
つまり、前記第1冷却水ライン11を通じて前記メイン熱交換器54に供給された冷却水は、前記メイン熱交換器54の第1放熱部54aを通過する冷媒を一次蒸発させる。前記第2冷却水ライン21を通じて前記メイン熱交換器54に供給された冷却水は、前記メイン熱交換器54の第2放熱部54bを通過する冷媒を二次蒸発させる。
【0189】
そのため、前記メイン熱交換器54は、冷媒の蒸発量を増大させることができる。
【0190】
その後、前記メイン熱交換器54を通過した冷媒は、開放された前記第1バイパスライン62に沿って前記アキュムレータ55に供給される。
【0191】
前記アキュムレータ55に供給された冷媒は、気体と液体とに分離される。気体と液体に分離された冷媒中、気体冷媒は前記圧縮機59に供給される。
【0192】
前記圧縮機59から高温高圧の状態で圧縮された冷媒は、前記内部コンデンサ52aに流入する。
【0193】
ここで、前記開閉ドア52cは、前記HVACモジュール52に流入して前記蒸発器58を通過した外気が前記内部コンデンサ52aを通過するように開放される。
【0194】
そのため、外部から流入した外気は、冷媒が供給されない前記蒸発器58の通過時、冷却されない室温状態で流入する。流入した外気は、前記内部コンデンサ52aを通過しながら高温状態に変換され、選択的に作動する前記内部ヒーター52bを通過して車両室内に流入することによって、車両室内の暖房が具現され得る。
【0195】
つまり、本実施形態によるヒートポンプシステムは、車両のアイドル(IDLE)状態で暖房が要求される場合、外気熱源を吸収して冷媒の温度を上昇させるのに利用することによって、前記圧縮機59の動力消耗を減らし、暖房効率を向上させることができる。
【0196】
本実施形態で、車両の暖房モードで外気熱源と前記電装品15、および前記モータ16の廃熱を回収する場合に対する作動を
図5を参照して説明する。
【0197】
図5は、本発明の実施形態による車両用ヒートポンプシステムで暖房モードによる外気熱源、モータおよび電装品の廃熱回収に対する作動状態図である。
【0198】
図5を参照すれば、前記ヒートポンプシステムは、前記電装品15と、前記モータ16の廃熱が十分でない車両の初期走行時に外気から外気熱源を吸収することができる。
【0199】
まず、前記第1冷却装置10は、前記第1ウォータポンプ14の作動により前記電装品15と前記モータ16に冷却水を循環させる。ここで、前記第2バルブV2は、前記第1分岐ライン18を開放し、前記電装品15、および前記モータ16と前記第1ラジエータ12を連結する前記第1冷却水ライン11を閉鎖する。
【0200】
そのため、前記電装品15と前記モータ16を通過した冷却水は、前記第1ラジエータ12を通過せず、前記第1冷却水ライン11に沿って継続して循環し、前記電装品15と前記モータ16から廃熱を吸収して温度が上昇する。
【0201】
温度が上昇した冷却水は、前記メイン熱交換器54に供給される。
【0202】
つまり、前記電装品15と前記モータ16で発生した廃熱は、前記第1冷却水ライン11を循環する冷却水の温度を上昇させる。
【0203】
前記第2冷却装置20では、前記メイン熱交換器54に冷却水を供給するために前記第2ウォータポンプ26が作動する。
【0204】
ここで、前記第2分岐ライン80は、前記第1バルブV1の作動により閉鎖される。これと同時に、前記第3分岐ライン90は開放される。
【0205】
したがって、前記第2冷却水ライン21は、閉鎖された前記第2分岐ライン80と、開放された前記第3分岐ライン90を通じて前記バッテリー冷却水ライン31との連結が閉鎖される。
【0206】
つまり、前記第2冷却装置20では開放された前記第3分岐ライン90が、前記第2冷却水ライン21と連結されて独立して冷却水が循環する密閉回路を形成することができる。
【0207】
一方、前記バッテリー冷却水ライン31には作動が停止した前記第3ウォータポンプ33によって冷却水が循環しない。
【0208】
そのため、前記第2ラジエータ22を通過した冷却水は、前記第2ウォータポンプ26の作動により前記第2冷却水ライン21と前記第3分岐ライン90に沿って循環することができる。
【0209】
ここで、第2冷却水ライン21をそれぞれ通過する冷却水は、前記第2ラジエータ22を通過しながら外気熱源を吸収して温度が上昇する。温度が上昇した冷却水は、前記メイン熱交換器54に供給される。
【0210】
つまり、前記第1、および第2冷却装置10、20で温度が上昇した冷却水は、前記第1、および第2ウォータポンプ14、26の作動により前記メイン熱交換器54を通過しながら、前記メイン熱交換器54から排出する冷媒の温度を上昇させながら回収される。
【0211】
一方、前記エアコン装置50では車両室内を暖房するために、各構成要素が作動して冷媒ライン51に沿って冷媒が循環する。
【0212】
ここで、前記メイン熱交換器54と前記蒸発器58を連結する前記冷媒ライン51と、前記チラー70と連結される前記冷媒連結ライン72は、前記第1、および第2膨張バルブ57、74の作動により閉鎖される。
【0213】
また、前記第1バイパスライン62は前記第3バルブV3の作動により開放され、前記第2バイパスライン64は前記第4バルブV4の作動により閉鎖される。
【0214】
ここで、前記第3バルブV3は、前記メイン熱交換器54と前記サブコンデンサ56を連結する前記冷媒ライン51を閉鎖する。
【0215】
そして、前記第3膨張バルブ66は冷媒を膨張させて、前記メイン熱交換器54に供給することができる。
【0216】
そのため、前記メイン熱交換器54は、前記第1、および第2冷却水ライン11、21に沿ってそれぞれ流動し、前記電装品15、および前記モータ16の廃熱と、外気熱源を回収しながら温度が上昇した冷却水を用いて冷媒を蒸発させる。
【0217】
つまり、前記第1冷却水ライン11を通じて前記メイン熱交換器54に供給された冷却水は、前記メイン熱交換器54の第1放熱部54aを通過する冷媒を一次蒸発させる。前記第2冷却水ライン21を通じて前記メイン熱交換器54に供給された冷却水は、前記メイン熱交換器54の第2放熱部54bを通過する冷媒を二次蒸発させることができる。
【0218】
そのため、前記メイン熱交換器54は、冷媒の蒸発量を増大させることができる。
【0219】
その後、前記メイン熱交換器54を通過した冷媒は、開放された前記第1バイパスライン62に沿って前記アキュムレータ55に供給される。
【0220】
前記アキュムレータ55に供給された冷媒は気体と液体とに分離される。気体と液体に分離された冷媒中、気体冷媒は前記圧縮機59に供給される。
【0221】
前記圧縮機59から高温高圧の状態で圧縮された冷媒は、前記内部コンデンサ52aに流入する。
【0222】
ここで、前記開閉ドア52cは、前記HVACモジュール52に流入して前記蒸発器58を通過した外気が前記内部コンデンサ52aを通過するように開放される。
【0223】
そのため、外部から流入した外気は、冷媒が供給されない前記蒸発器58の通過時、冷却されない室温状態で流入する。流入した外気は、前記内部コンデンサ52aを通過しながら高温状態に変換され、選択的に作動する前記内部ヒーター52bを通過して車両室内に流入することによって、車両室内の暖房が具現される。
【0224】
つまり、本実施形態によるヒートポンプシステムは、前記電装品15と、前記モータ16の廃熱が十分でない車両の初期走行時に暖房が要求される場合、前記電装品15と、前記モータ16の廃熱と共に外気熱源を吸収して冷媒の温度を上昇させるのに利用することによって、前記圧縮機59の動力消耗を減らし、暖房効率を向上させることができる。
【0225】
本実施形態で、車両の暖房モード時に前記電装品15、および前記モータ16の廃熱を回収する場合に対する作動を、
図6を参照して説明する。
【0226】
図6は、本発明の実施形態による車両用ヒートポンプシステムで暖房モードによるモータおよび電装品の廃熱回収に対する作動状態図である。
【0227】
図6を参照すれば、前記ヒートポンプシステムは、前記電装品15と、前記モータ16の廃熱が十分である場合、前記電装品15と、前記モータ16の廃熱を回収して室内暖房に利用することができる。
【0228】
まず、前記第1冷却装置10は、前記第1ウォータポンプ14の作動により前記電装品15と前記モータ16に冷却水を循環させる。ここで、前記第2バルブV2は、前記第1分岐ライン18を開放し、前記電装品15、および前記モータ16と前記第1ラジエータ12を連結する前記第1冷却水ライン11を閉鎖する。
【0229】
そのため、前記電装品15と前記モータ16を通過した冷却水は、前記第1ラジエータ12を通過せず、前記第1冷却水ライン11に沿って継続して循環し、前記電装品15と前記モータ16から廃熱を吸収して温度が上昇する。
【0230】
温度が上昇した冷却水は、前記メイン熱交換器54に供給される。
【0231】
つまり、前記電装品15と前記モータ16で発生した廃熱は、前記第1冷却水ライン11を循環する冷却水の温度を上昇させる。
【0232】
前記第2冷却装置20では、前記第2ウォータポンプ26の作動が停止することによって、冷却水の循環が停止する。また、前記バッテリー冷却水ライン31には作動が停止した前記第3ウォータポンプ33によって冷却水が循環しない。
【0233】
つまり、前記第1冷却装置10で温度が上昇した冷却水は、前記第1ウォータポンプ14の作動により前記メイン熱交換器54を通過しながら、前記メイン熱交換器54から排出する冷媒の温度を上昇させながら回収される。
【0234】
一方、前記エアコン装置50では車両室内を暖房するために、各構成要素が作動して冷媒ライン51に沿って冷媒が循環する。
【0235】
ここで、前記メイン熱交換器54と前記蒸発器58を連結する前記冷媒ライン51と、前記チラー70と連結される前記冷媒連結ライン72は、前記第1、および第2膨張バルブ57、74の作動により閉鎖される。
【0236】
また、前記第1バイパスライン62は前記第3バルブV3の作動により開放され、前記第2バイパスライン64は前記第4バルブV4の作動により閉鎖される。
【0237】
ここで、前記第3バルブV3は、前記メイン熱交換器54と前記サブコンデンサ56を連結する前記冷媒ライン51を閉鎖する。
【0238】
そして、前記第3膨張バルブ66は冷媒を膨張させて、前記メイン熱交換器54に供給することができる。
【0239】
そのため、前記メイン熱交換器54は前記第1冷却水ライン11に沿って流動し、前記電装品15、および前記モータ16の廃熱を回収しながら温度が上昇した冷却水を用いて冷媒を蒸発させる。
【0240】
つまり、前記第1冷却水ライン11を通じて前記メイン熱交換器54に供給された冷却水は、前記メイン熱交換器54の第1放熱部54aを通過する冷媒を蒸発させる。
【0241】
一方、前記第2放熱部54bは、前記第2冷却水ライン21を通じて冷却水の供給が中断されることによって、冷媒を二次蒸発させなくなる。
【0242】
しかし、前記第1放熱部54aに流入した冷却水が、前記モータ15、および前記電装品16から十分に廃熱を吸収して高温状態に流入することによって、前記メイン熱交換器54は冷媒の蒸発量を増大させることができる。
【0243】
その後、前記メイン熱交換器54を通過した冷媒は、開放された前記第1バイパスライン62に沿って前記アキュムレータ55に供給される。
【0244】
前記アキュムレータ55に供給された冷媒は、気体と液体とに分離される。気体と液体とに分離された冷媒中、気体冷媒は前記圧縮機59に供給される。
【0245】
前記圧縮機59から高温高圧状態で圧縮された冷媒は、前記内部コンデンサ52aに流入する。
【0246】
ここで、前記開閉ドア52cは前記HVACモジュール52に流入して、前記蒸発器58を通過した外気が前記内部コンデンサ52aを通過するように開放される。
【0247】
そのため、外部から流入した外気は、冷媒が供給されない前記蒸発器58の通過時、冷却されない室温状態で流入する。流入した外気は、前記内部コンデンサ52aを通過しながら高温状態に変換され、選択的に作動する前記内部ヒーター52bを通過して車両室内に流入することによって、車両室内の暖房が具現される。
【0248】
つまり、本実施形態によるヒートポンプシステムは、前記電装品15と、前記モータ16の廃熱が十分な状態で、暖房が要求される場合、前記電装品15と、前記モータ16の廃熱を吸収して冷媒の温度を上昇させるのに利用することによって、前記圧縮機59の動力消耗を減らし、暖房効率を向上させることができる。
【0249】
本実施形態で、前記バッテリモジュール30を充電した状態で、暖房モード時に前記電装品15、および前記バッテリモジュール30の廃熱を回収する場合に対する作動を
図7を参照して説明する。
【0250】
図7は、本発明の実施形態による車両用ヒートポンプシステムで暖房モードによるバッテリモジュールの充電時にバッテリモジュールの廃熱回収に対する作動状態図である。
【0251】
図7を参照すれば、前記ヒートポンプシステムは、車両の充電時に前記充電器15bと前記バッテリモジュール30の廃熱を回収して室内暖房に利用することができる。
【0252】
まず、前記第1冷却装置10は、前記第1ウォータポンプ14の作動により前記電装品15と前記モータ16に冷却水を循環させる。この時、前記充電器15bは作動し、前記インバータ15aと前記モータ16は作動が停止する。そのため、前記充電器15bから廃熱を吸収することができる。
【0253】
ここで、前記第2バルブV2は、前記第1分岐ライン18を開放し、前記電装品15、および前記モータ16と前記第1ラジエータ12を連結する前記第1冷却水ライン11を閉鎖する。
【0254】
そのため、前記電装品15と前記モータ16を通過した冷却水は、前記第1ラジエータ12を通過せず、前記第1冷却水ライン11に沿って継続して循環し、前記充電器15bから廃熱を吸収して温度が上昇する。
【0255】
温度が上昇した冷却水は、前記メイン熱交換器54に供給される。
【0256】
つまり、前記充電器15bで発生した廃熱は、前記第1冷却水ライン11を循環する冷却水の温度を上昇させる。
【0257】
前記第2冷却装置20では、前記第2ウォータポンプ26の作動が停止することによって、冷却水の循環が停止する。
【0258】
前記第2分岐ライン80は前記第1バルブV1の作動により開放され、前記第3分岐ライン90が閉鎖される。
【0259】
そのため、前記バッテリモジュール30と連結された前記バッテリー冷却水ライン31は、開放された前記第2分岐ライン80を通じて独立して冷却水が循環する密閉回路を形成することができる。
【0260】
それによって、前記第3ウォータポンプ33の作動により前記バッテリー冷却水ライン31と前記第2分岐ライン80に沿って前記チラー70および前記バッテリモジュール30に冷却水が循環することができる。
【0261】
つまり、前記第1冷却装置10で温度が上昇した冷却水は、前記第1ウォータポンプ14の作動により前記メイン熱交換器54を通過しながら、前記メイン熱交換器54から排出する冷媒の温度を上昇させながら回収される。
【0262】
そして、前記バッテリー冷却水ライン31と前記第2分岐ライン80を循環する冷却水は、充電時に前記バッテリモジュール30で発生した廃熱を吸収して温度が上昇する。
【0263】
一方、前記エアコン装置50では車両室内を暖房するために、各構成要素が作動して冷媒ライン51に沿って冷媒が循環する。
【0264】
ここで、前記メイン熱交換器54と前記蒸発器58を連結する前記冷媒ライン51は、前記第1膨張バルブ57の作動が停止することによって閉鎖される。
【0265】
そして、前記冷媒連結ライン72は、前記第2膨張バルブ74の作動により開放される。
【0266】
ここで、前記第2膨張バルブ74は冷媒を膨張させて、前記チラー70に供給することができる。
【0267】
また、前記第1バイパスライン62は前記第3バルブV3の作動により開放され、前記第2バイパスライン64は前記第4バルブV4の作動により閉鎖される。
【0268】
ここで、前記第3バルブV3は、前記メイン熱交換器54と前記サブコンデンサ56を連結する前記冷媒ライン51を開放する。
【0269】
そして、前記第3膨張バルブ66は冷媒を膨張させて、前記メイン熱交換器54に供給することができる。
【0270】
そのため、前記メイン熱交換器54は、前記第1冷却水ライン11に沿って流動し、前記充電器15bの廃熱を回収しながら温度が上昇した冷却水を用いて冷媒を蒸発させる。
【0271】
つまり、前記第1冷却水ライン11を通じて前記メイン熱交換器54に供給された冷却水は、前記メイン熱交換器54の第1放熱部54aを通過する冷媒を蒸発させる。
【0272】
一方、前記第2放熱部54bは、前記第2冷却水ライン21を通じて冷却水の供給が中断されることによって、冷媒を二次蒸発させなくなる。
【0273】
その後、前記メイン熱交換器54を通過した冷媒は、開放された前記第1バイパスライン62に沿って前記アキュムレータ55に供給される。
【0274】
前記アキュムレータ55に供給された冷媒は気体と液体とに分離される。気体と液体とに分離された冷媒中、気体冷媒は前記圧縮機59に供給される。
【0275】
これと同時に、前記第3バルブV3は、前記メイン熱交換器54から排出する一部の冷媒を前記サブコンデンサ56に供給することができる。ここで、車両は充電のために停車、または駐車中であるため、前記サブコンデンサ56に供給された冷媒は、外気との熱交換なしに通過できる。
【0276】
前記サブコンデンサ56を通過した冷媒は、前記第2膨張バルブ76を通過しながら膨張し、前記冷媒連結ライン72を通じて前記チラー70に流入され得る。
【0277】
つまり、前記第3バルブV3は、前記アキュムレータ55に供給された冷媒中、気体冷媒が前記圧縮機59に供給されるように開放された前記第1バイパスライン62を通じて前記アキュムレータ55に冷媒を供給することができる。
【0278】
また、前記第3バルブV3は、前記チラー70に冷媒が供給されるように前記冷媒連結ライン72と連結された前記冷媒ライン51を開放することができる。
【0279】
前記チラー70に流入した冷媒は、前記チラー70に流入した高温の冷却水と熱交換により蒸発された後、前記アキュムレータ55を経て前記圧縮機59に供給される。
【0280】
つまり、前記圧縮機59には前記メイン熱交換器54から蒸発された冷媒、および前記チラー70から蒸発された冷媒が流入され得る。
【0281】
その後、前記圧縮機59から高温高圧状態で圧縮された冷媒は、前記内部コンデンサ52aに流入する。
【0282】
ここで、前記開閉ドア52cは、前記HVACモジュール52に流入して前記蒸発器58を通過した外気が、前記内部コンデンサ52aを通過するように開放される。
【0283】
そのため、外部から流入した外気は、冷媒が供給されない前記蒸発器58の通過時、冷却されない室温状態で流入する。流入した外気は、前記内部コンデンサ52aを通過しながら高温状態に変換され、選択的に作動する前記内部ヒーター52bを通過して車両室内に流入することによって、車両室内の暖房が具現される。
【0284】
つまり、本実施形態によるヒートポンプシステムは、前記バッテリモジュール30の充電時に暖房が要求される場合、前記充電器15bと、前記バッテリモジュール30の廃熱を吸収して冷媒の温度を上昇させるのに利用することによって、前記圧縮機59の動力消耗を減らし、暖房効率を向上させることができる。
【0285】
本実施形態で、車両の暖房および除湿モードによる前記電装品15、およびモータ16の廃熱を回収する場合に対する作動を
図8を参照して説明する。
【0286】
図8は、本発明の実施形態による車両用ヒートポンプシステムで暖房および除湿モードによる作動状態図である。
【0287】
図8を参照すれば、前記ヒートポンプシステムは、車両の暖房および除湿モードで前記電装品15と、前記モータ16の廃熱を回収して室内暖房に利用することができる。
【0288】
まず、前記第1冷却装置10は、前記第1ウォータポンプ14の作動により前記電装品15および前記モータ16に冷却水を循環させる。ここで、前記第2バルブV2は、前記第1分岐ライン18を開放し、前記電装品15、および前記モータ16と前記第1ラジエータ12を連結する前記第1冷却水ライン11を閉鎖する。
【0289】
そのため、前記電装品15と前記モータ16を通過した冷却水は、前記第1ラジエータ12を通過せず、前記第1冷却水ライン11に沿って継続して循環し、前記電装品15と前記モータ16から廃熱を吸収して温度が上昇する。
【0290】
温度が上昇した冷却水は、前記メイン熱交換器54に供給される。
【0291】
つまり、前記電装品15と前記モータ16で発生した廃熱は、前記第1冷却水ライン11を循環する冷却水の温度を上昇させる。
【0292】
前記第2冷却装置20では、前記第2ウォータポンプ26の作動が停止することによって、冷却水の循環が停止する。また、前記バッテリー冷却水ライン31には、作動が停止した前記第3ウォータポンプ33によって冷却水が循環しない。
【0293】
つまり、前記第1冷却装置10で温度が上昇した冷却水は、前記第1ウォータポンプ14の作動により前記メイン熱交換器54を通過しながら、前記メイン熱交換器54から排出する冷媒の温度を上昇させながら回収される。
【0294】
一方、前記エアコン装置50では車両室内を暖房するために、各構成要素が作動して冷媒ライン51に沿って冷媒が循環する。
【0295】
ここで、前記メイン熱交換器54と前記蒸発器58を連結する前記冷媒ライン51と、前記チラー70と連結される前記冷媒連結ライン72は、前記第1、および第2膨張バルブ57、74の作動により閉鎖される。
【0296】
また、前記第1バイパスライン62は前記第3バルブV3の作動により開放され、前記第2バイパスライン64は前記第4バルブV4の作動により開放される。
【0297】
ここで、前記第3バルブV3は、前記メイン熱交換器54と前記サブコンデンサ56を連結する前記冷媒ライン51を閉鎖する。
【0298】
そして、前記第3膨張バルブ66は冷媒を膨張させて、前記メイン熱交換器54と、開放された前記第2バイパスライン64を通じて前記蒸発器58にそれぞれ供給することができる。
【0299】
そのため、前記メイン熱交換器54は、前記第1冷却水ライン11に沿って流動し、前記電装品15、および前記モータ16の廃熱を回収しながら温度が上昇した冷却水を用いて冷媒を蒸発させる。
【0300】
つまり、前記第1冷却水ライン11を通じて前記メイン熱交換器54に供給された冷却水は、前記メイン熱交換器54の第1放熱部54aを通過する冷媒を蒸発させる。
【0301】
一方、前記第2放熱部54bは、前記第2冷却水ライン21を通じて冷却水の供給が中断されることによって、冷媒を二次蒸発させなくなる。
【0302】
しかし、前記第1放熱部54aに流入した冷却水が、前記モータ15、および前記電装品16から十分に廃熱を吸収して高温状態に流入することによって、前記メイン熱交換器54は冷媒の蒸発量を増大させることができる。
【0303】
その後、前記メイン熱交換器54を通過した冷媒は、開放された前記第1バイパスライン62に沿って前記アキュムレータ55に供給される。
【0304】
前記アキュムレータ55に供給された冷媒は、気体と液体とに分離される。気体と液体とに分離された冷媒中、気体冷媒は前記圧縮機59に供給される。
【0305】
一方、前記第2バイパスライン64を通じて前記蒸発器58に供給された膨張した冷媒は、前記蒸発器58を通過する外気と熱交換された後、前記冷媒ライン51に沿って前記アキュムレータ55を経て前記圧縮機59に供給される。
【0306】
つまり、前記蒸発器58を通過した冷媒は、前記第1バイパスライン62を通じて前記アキュムレータ55に流入した冷媒と共に前記圧縮機59に供給される。
【0307】
そして、前記圧縮機59から高温高圧状態で圧縮された冷媒は、前記内部コンデンサ52aに流入する。
【0308】
ここで、前記開閉ドア52cは前記HVACモジュール52に流入して、前記蒸発器58を通過した外気が、前記内部コンデンサ52aを通過するように開放される。
【0309】
つまり、前記HVACモジュール52に流入する外気は、前記蒸発器58に流入した低温状態の冷媒によって前記蒸発器58を通過しながら除湿される。その後、前記内部コンデンサ52aを通過しながら高温状態に変換され、選択的に作動する前記内部ヒーター52bを通過して車両室内に流入することによって、車両の室内を暖房および除湿することになる。
【0310】
つまり、本実施形態によるヒートポンプシステムは、車両の暖房および除湿モードで前記電装品15、および前記モータ16で発生する廃熱を冷媒の温度を上昇させるのに用いることで、前記圧縮機59の動力消耗を減らし、暖房効率を向上させることができる。
【0311】
また、前記第3膨張バルブ66の作動により膨張した冷媒中の一部を前記第2バイパスライン64を通じて前記蒸発器58に流入させて、前記第1膨張バルブ57の作動なしに室内除湿を行うことができる。
【0312】
したがって、上述のように本発明の実施形態による車両用ヒートポンプシステムを適用すれば、電気自動車で冷却水と冷媒が熱交換される1つの前記チラー70を用いて車両のモードに応じて、前記バッテリモジュール30を昇温または冷却させることによって、システムを単純化することができる。
【0313】
また、本発明は、前記バッテリモジュール30を車両のモードに合わせて効率的に昇温および冷却させることによって、前記バッテリモジュール30の最適な性能発揮が可能になり、効率的な前記バッテリモジュール30の管理により車両の全体的な走行距離を増加させることができる。
【0314】
また、本発明は、車両の暖房モードで外気熱源と、前記電装品15、前記モータ16、および前記バッテリモジュール30の廃熱を選択的に利用することによって、暖房効率を向上させることができる。
【0315】
また、本発明は、前記第1、および第2冷却装置10、20から供給されるそれぞれの冷却水を用いて冷媒を二重に凝縮または蒸発させる前記メイン熱交換器54を通じて冷媒の凝縮または蒸発性能を増大させることによって、冷房性能を向上させ、前記圧縮機59の消耗動力を減らすことができる。
【0316】
さらに、本発明は、全体システムの簡素化によって製作コストの節減および重量縮小が可能で、空間活用性を向上させることができる。
【0317】
以上、本発明は限定された実施形態および図面によって説明されたが、本発明はこれによって限定されず、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって本発明の技術思想と以下に記載される特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正および変形が可能であることはもちろんである。
【符号の説明】
【0318】
10、20:第1、第2冷却装置
11、21:第1、第2冷却水ライン
12、22:第1、第2ラジエータ
13:クーリングファン
14、26:第1、第2ウォータポンプ
15:電装品
16:モータ
18:第1分岐ライン
19、27:第1、第2リザーバタンク
30:バッテリモジュール
31:バッテリー冷却水ライン
33:第3ウォータポンプ
35:加熱器
50:エアコン装置
51:冷媒ライン
52:HVACモジュール
54:メイン熱交換器
55:アキュムレータ
56:サブコンデンサ
57:第1膨張バルブ
58:蒸発器
59:圧縮機
62、64:第1、第2バイパスライン
70:チラー
72:冷媒連結ライン
80:第2分岐ライン
90:第3分岐ライン
V1、V2、V3、V4:第1、第2、第3、第4バルブ