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特許7326077エッチングマスクの形成方法および半導体装置の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-04
(45)【発行日】2023-08-15
(54)【発明の名称】エッチングマスクの形成方法および半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20230807BHJP
【FI】
H01L21/302 105A
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019164956
(22)【出願日】2019-09-10
(65)【公開番号】P2021044364
(43)【公開日】2021-03-18
【審査請求日】2022-03-08
(73)【特許権者】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】弁理士法人サクラ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 寛暢
【審査官】加藤 芳健
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-022636(JP,A)
【文献】特開2018-147955(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0241411(US,A1)
【文献】特開2019-095794(JP,A)
【文献】特開2017-216448(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
G03F 7/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の有機材料を含むマスク層を加工対象物の上に形成する工程と、
前記マスク層を加工して開口を含むパターンを形成する工程と、
第1の金属材料を含む第1の気体に前記マスク層を曝露して前記マスク層の内部に前記第1の金属材料を浸透させる工程と、
過酸化水素またはオゾンを含む第1の酸化性ガスに前記マスク層を曝露して前記第1の金属材料を酸化させる工程と、
を具備し、
前記第1の金属材料と異なる第2の金属材料を含む第2の気体に前記マスク層を曝露して前記マスク層の内部に前記第2の金属材料を浸透させる工程をさらに具備し、
前記第1の酸化性ガスに前記マスク層を曝露することにより前記第1の金属材料とともに前記第2の金属材料を酸化させ、
前記第1の気体に前記マスク層を曝露した後に、前記第2の気体に前記マスク層を曝露して前記マスク層の内部に前記第2の金属材料を浸透させ、
前記第1の酸化性ガスは、前記オゾンを含み、
前記第1の酸化性ガスに前記マスク層を曝露することにより前記マスク層から前記第1の有機材料が除去される、
エッチングマスクの形成方法。
【請求項2】
前記第1の有機材料は、炭素系薄膜またはフォトレジストである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の金属材料は、アルミニウム、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、およびバナジウムからなる群より選ばれる少なくとも一つの金属元素を含む、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の金属材料は、アルミニウム、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、およびバナジウムからなる群より選ばれる少なくとも一つの金属元素を含む、請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の酸化性ガスに前記マスク層を曝露した後に、前記第1の金属材料と同じまたは異なる第3の金属材料を含む第3の気体に前記マスク層を曝露する工程と、水、過酸化水素、またはオゾンを含む第2の酸化性ガスに前記マスク層を曝露する工程と、を交互に切り替える工程をさらに具備する、請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第3の金属材料は、アルミニウム、タンタル、ニオブ、ハフニウム、ジルコニウム、バナジウム、チタン、ジスプロシウム、ランタン、プラセオジム、スカンジウム、イットリウム、イッテルビウム、ストロンチウム、ビスマス、ルテニウム、および亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも一つの金属元素を含む、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記パターンを形成した後に、前記第1の金属材料と反応しない第2の有機材料を含むバッファ層を前記開口に形成する工程をさらに具備する、請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の有機材料は、炭素系薄膜である、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の酸化性ガスに前記マスク層を曝露した後に、前記マスク層をアニールして前記第1の金属材料の酸化物の結晶化を促進させる工程をさらに具備する、請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
第1の有機材料を含むマスク層を加工対象物の上に形成する工程と、
前記マスク層を加工して開口を含むパターンを形成する工程と、
第1の金属材料を含む第1の気体に前記マスク層を曝露して前記マスク層の内部に前記第1の金属材料を浸透させる工程と、
過酸化水素またはオゾンを含む第1の酸化性ガスに前記マスク層を曝露して前記第1の金属材料を酸化させる工程と、
を具備し、
前記パターンを形成した後に、前記第1の金属材料と反応しない第2の有機材料を含むバッファ層を前記開口に形成する工程をさらに具備する、
エッチングマスクの形成方法。
【請求項11】
第1の有機材料を含むマスク層を加工対象物の上に形成する工程と、
前記マスク層を加工して開口を含むパターンを形成する工程と、
第1の金属材料を含む第1の気体に前記マスク層を曝露して前記マスク層の内部に前記第1の金属材料を浸透させる工程と、
過酸化水素またはオゾンを含む第1の酸化性ガスに前記マスク層を曝露して前記第1の金属材料を酸化させる工程と、
を具備し、
前記第1の金属材料と異なる第2の金属材料を含む第2の気体に前記マスク層を曝露して前記マスク層の内部に前記第2の金属材料を浸透させる工程をさらに具備し、
前記第1の酸化性ガスに前記マスク層を曝露することにより前記第1の金属材料とともに前記第2の金属材料を酸化させ、
前記第1の気体に前記マスク層を曝露した後に、前記第2の気体に前記マスク層を曝露して前記マスク層の内部に前記第2の金属材料を浸透させ、
前記第1の酸化性ガスに前記マスク層を曝露した後に、前記第1の金属材料と同じまたは異なる第3の金属材料を含む第3の気体に前記マスク層を曝露する工程と、水、過酸化水素、またはオゾンを含む第2の酸化性ガスに前記マスク層を曝露する工程と、を交互に切り替える工程をさらに具備する、
エッチングマスクの形成方法。
【請求項12】
第1の有機材料を含むマスク層を加工対象物の上に形成する工程と、
前記マスク層を加工して開口を含むパターンを形成する工程と、
第1の金属材料を含む第1の気体に前記マスク層を曝露して前記マスク層の内部に前記第1の金属材料を浸透させる工程と、
過酸化水素またはオゾンを含む第1の酸化性ガスに前記マスク層を曝露して前記第1の金属材料を酸化させる工程と、
を具備し、
前記第1の金属材料と異なる第2の金属材料を含む第2の気体に前記マスク層を曝露して前記マスク層の内部に前記第2の金属材料を浸透させる工程をさらに具備し、
前記第1の酸化性ガスに前記マスク層を曝露することにより前記第1の金属材料とともに前記第2の金属材料を酸化させ、
前記第1の気体に前記マスク層を曝露した後に、前記第2の気体に前記マスク層を曝露して前記マスク層の内部に前記第2の金属材料を浸透させ、
前記パターンを形成した後に、前記第1の金属材料と反応しない第2の有機材料を含むバッファ層を前記開口に形成する工程をさらに具備する、
エッチングマスクの形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、エッチングマスクの形成方法および半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
3次元メモリ等の半導体装置の製造方法において、エッチングマスクとして金属酸化物を含むハードマスクを用いて加工対象物をエッチングする技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願公開2012/0241411号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施形態の発明が解決しようとする課題は、パターンを有するハードマスクを容易に形成することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のエッチングマスクの形成方法は、第1の有機材料を含むマスク層を加工対象物の上に形成する工程と、マスク層を加工して開口を含むパターンを形成する工程と、第1の金属材料を含む第1の気体にマスク層を曝露してマスク層の内部に第1の金属材料を浸透させる工程と、過酸化水素またはオゾンを含む第1の酸化性ガスにマスク層を曝露して第1の金属材料を酸化させる工程と、を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】エッチングマスクの形成方法の例を説明するためのフローチャートである。
図2】マスク層形成工程の例を説明するための断面模式図である。
図3】パターン形成工程の例を説明するための断面模式図である。
図4】第1の金属導入工程の例を説明するための断面模式図である。
図5】第1の酸化工程の例を説明するための断面模式図である。
図6】マスク層を水に曝露する場合のXPS Depth Profileの例を示す図である。
図7】マスク層をオゾンに曝露する場合のXPS Depth Profileの例を示す図である。
図8】エッチングマスクの形成方法の他の例を説明するためのフローチャートである。
図9】第2の金属導入工程の例を説明するための断面模式図である。
図10】第1の酸化工程の他の例を説明するための断面模式図である。
図11】エッチングマスクの形成方法の他の例を説明するためのフローチャートである。
図12】バッファ層形成工程の例を説明するための断面模式図である。
図13】第1の金属導入工程の他の例を説明するための断面模式図である。
図14】第1の酸化工程の他の例を説明するための断面模式図である。
図15】エッチングマスクの形成方法の他の例を説明するためのフローチャートである。
図16】サイクル工程の例を説明するための断面模式図である。
図17】エッチングマスクの形成方法の他の例を説明するためのフローチャートである。
図18】半導体装置の製造方法の例を説明するためのフローチャートである。
図19】エッチングマスク形成工程の例を説明するための断面模式図である。
図20】エッチング工程の例を説明するための断面模式図である。
図21】メモリ層形成工程の例を説明するための断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。図面に記載された各構成要素の厚さと平面寸法との関係、各構成要素の厚さの比率等は現物と異なる場合がある。また、実施形態において、実質的に同一の構成要素には同一の符号を付し適宜説明を省略する。
【0008】
<第1の実施形態>
図1は、ハードマスクであるエッチングマスクの形成方法の例を説明するためのフローチャートである。エッチングマスクの形成方法例は、図1に示すように、マスク層形成工程(S1)と、パターン形成工程(S2)と、メタライゼーション工程(S3)と、具備する。
【0009】
[マスク層形成工程]
図2は、マスク層形成工程の例を説明するための断面模式図であり、加工対象物1のX軸と、X軸に直交するとともにX軸に直交するY軸に直交するZ軸と、を含むX-Z断面の一部を示す。マスク層形成工程により、図2に示すように、加工対象物1の上にマスク層2を形成する。
【0010】
加工対象物1は、基板10と、基板10の上に交互に積層された第1の層11と第2の層12とを有する積層と、を有する。基板10と第1の層11との間に下地層を有していてもよい。第1の層11および第2の層12は、基板10の上に設けられる被加工膜の一例であって、被加工膜の構成は図2に示す構成に限定されない。
【0011】
基板10としては、例えばシリコン基板、炭化ケイ素基板等の半導体基板、ガラス基板、石英基板、サファイア基板等の絶縁基板、またはGaAs基板等の化合物半導体基板を用いることができる。
【0012】
第1の層11は、犠牲層である。犠牲層は、後に導電層が形成される領域である。第1の層11は、例えば窒化シリコン膜を用いて形成される。
【0013】
第2の層12は、例えば酸化シリコン膜を用いて形成される。
【0014】
マスク層2は、メタライゼーション工程において導入される金属材料と反応可能な第1の有機材料20を含む。第1の有機材料20は、例えばSpin On Carbon(SOC)膜やフォトレジストである。SOC膜は、炭素を含む材料を塗布し、スピンコート法により形成される炭素系薄膜である。フォトレジストは、例えば樹脂材料を用いて形成される。
【0015】
[パターン形成工程]
図3は、パターン形成工程の例を説明するための断面模式図であり、加工対象物1のX-Z断面の一部を示す。パターン形成工程により、図3に示すように、マスク層2を加工して開口Hを含むマスクパターンを形成する。
【0016】
マスク層2は、例えばStacked Mask Process(SMAP)を用いて加工することができる。SMAPは、マスク層2の上に反射防止膜である中間膜3を形成し、中間膜3の上にフォトレジスト4を形成し、フォトリソグラフィ技術を用いてフォトレジスト4を加工して開口を含むパターンを形成し、フォトレジスト4を用いて中間膜3をエッチングすることにより中間膜3にパターンを転写し、中間膜3を用いてマスク層2をエッチングすることによりマスク層2を加工する工程を有する。
【0017】
中間膜3は、例えばSpin On Glass(SOG)膜を用いて形成される。SOG膜は、シロキサン等のシリコン酸化物またはシリコンを含む材料を塗布し、スピンコート法により形成されるシリコン系薄膜である。フォトレジスト4は、例えば樹脂材料を用いて形成される。中間膜3およびフォトレジスト4は、マスク層2の加工後に除去される。なお、SMAPに限定されず、他の方法を用いてマスク層2を加工してもよい。
【0018】
[メタライゼーション工程]
メタライゼーション工程は、マスク層2をメタライズする工程である。メタライゼーション工程の例は、図1に示すように、第1の金属導入工程(S3-1)と、第1の酸化工程(S3-2)と、を有する。
【0019】
(第1の金属導入工程)
図4は、第1の金属導入工程の例を説明するための断面模式図であり、加工対象物1のX-Z断面の一部を示す。第1の金属導入工程により、第1の金属材料21を含む第1の気体にマスク層2を曝露し、図4に示すように、マスク層2の内部に第1の金属材料21を浸透させる。マスク層2は、第1の金属材料21が浸透することにより膨張する。第1の気体は、曝露後に排気される。
【0020】
第1の金属材料21は、例えばアルミニウム、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、およびバナジウムからなる群より選ばれる少なくとも一つの金属元素を含む。第1の金属材料21は、例えば化学気相成長(CVD)法や原子層堆積(ALD)法で使用可能なプレカーサである。プレカーサは、例えば三塩化アルミニウム(AlCl)、四塩化チタン(TiCl)、六塩化タングステン(WCl)、四塩化バナジウム(VCl)、四塩化ハフニウム(HfO)、四塩化ジルコニウム(ZrCl)、およびトリメチルアルミニウム(TMA)からなる群より選ばれる少なくとも一つである。なお、後述するように複数のプレカーサでマスク層2を曝露してもよく、その場合、互いに反応しにくいまたは反応しないプレカーサを用いることが好ましい。
【0021】
(第1の酸化工程)
図5は、第1の酸化工程の例を説明するための断面模式図であり、加工対象物1のX-Z断面の一部を示す。第1の酸化工程により、第1の酸化性ガスにマスク層2を曝露する。第1の酸化性ガスは、曝露後に排気される。
【0022】
マスク層2中の第1の有機材料20は第1の金属材料21と反応する反応サイトを有する。第1の酸化性ガスにマスク層2を曝露することにより、第1の酸化性ガスが第1の金属材料21を酸化させて第1の金属材料21の酸化物を形成することができる。
【0023】
第1の酸化性ガスは、例えば過酸化水素またはオゾンを含む。例えばオゾンは酸化力が高いため、第1の酸化性ガスがオゾンを含む場合、図5に示すように、第1の酸化性ガスにマスク層2を曝露することにより第1の有機材料20が除去される。第1の有機材料20が除去された後に残る第1の金属材料21の酸化物は、例えば非晶質または結晶である。これにより、エッチングマスクのエッチング選択比、エッチング耐性、剥離性能等を改善することができる。
【0024】
ここで、酸化性ガスの違いによるマスク層中の各元素濃度の違いについて説明する。図6は、シリコン基板上に設けられ、SOCに、アルミニウムを含むプレカーサ、およびチタンを含むプレカーサを用いて金属を含浸させたマスク層を水に曝露する場合のX-ray Photoelectron Spectroscopy Depth Profile(XPS Depth Profile)の例を示す図である。図7は、シリコン基板上に設けられ、SOCに、アルミニウムを含むプレカーサ、およびチタンを含むプレカーサを用いて金属を含浸させたマスク層をオゾンに曝露する場合のXPS Depth Profileの例を示す図である。図6および図7は、試料の深さ(任意単位)と、酸素(O)、炭素(C)、シリコン(Si)、金属元素(Al+Ti)のそれぞれの濃度と、の関係を示す。
【0025】
試料の表面部から内部までの領域がマスク層に相当する。図7に示す上記領域の炭素濃度は、図6に示す上記領域の炭素濃度よりも低い。このことから、マスク層をオゾンに曝露することにより有機材料を除去できることがわかる。
【0026】
以上のように、本実施形態では有機材料を含むマスク層を加工してパターンを形成した後にマスク層を酸化力が強いガスを用いてメタライズすることにより、パターンを有し金属または金属酸化物を含むハードマスクを容易に形成することができる。金属または金属酸化物を含む膜を形成した後、フォトリソグラフィ等によりパターンを形成する場合、金属または金属酸化物を含む膜がエッチングされにくいためパターンの形成が困難である。
【0027】
<第2の実施形態>
図8は、エッチングマスクの形成方法の他の例を説明するためのフローチャートである。エッチングマスクの形成方法の他の例は、図8に示すように、マスク層形成工程(S1)と、パターン形成工程(S2)と、メタライゼーション工程(S3)と、を具備し、メタライゼーション工程が第1の金属導入工程(S3-1)と第1の酸化工程(S3-2)との間に第2の金属導入工程(S3-3)を有する。なお、マスク層形成工程、パターン形成工程、および第1の金属導入工程は、第1の実施形態と同じであるため、本実施形態では説明を省略する。
【0028】
(第2の金属導入工程)
図9は、第2の金属導入工程の例を説明するための断面模式図であり、加工対象物1のX-Z断面の一部を示す。第1の金属材料21を浸透させたマスク層2を、第2の金属導入工程により第2の金属材料22を含む第2の気体に曝露し、図9に示すように、マスク層2の内部に第2の金属材料22を浸透させる。マスク層2は、第2の金属材料22が浸透することにより膨張する。第2の気体は、曝露後に排気される。
【0029】
第2の金属材料22は、第1の金属材料21と異なる材料であり、第1の金属材料21と反応しにくいまたは反応しない材料であることが好ましい。第2の金属材料は、例えばアルミニウム、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、およびバナジウムからなる群より選ばれる少なくとも一つの金属元素を含む。第2の金属材料22は、例えばCVD法やALD法で使用可能なプレカーサである。プレカーサは、例えば三塩化アルミニウム、四塩化チタン、六塩化タングステン、四塩化バナジウム、四塩化ハフニウム、四塩化ジルコニウム、およびTMAからなる群より選ばれる少なくとも一つである。
【0030】
例えば、チタンとアルミニウムとをマスク層2に浸透させる場合、第1の金属導入工程によりアルミニウムをマスク層2に浸透させ、第2の金属導入工程によりチタンをマスク層2に浸透させることが好ましい。アルミニウムをマスク層2に浸透させるよりも前にチタンをマスク層2に浸透させると、マスク層2の内部に形成される障壁によりアルミニウムの浸透を妨げる場合がある。
【0031】
(第1の酸化工程)
図10は、第1の酸化工程の他の例を説明するための断面模式図であり、加工対象物1のX-Z断面の一部を示す。図10に示すように、第1の酸化工程により、第1の実施形態と同様に第1の酸化性ガスにマスク層2を曝露する。第1の酸化性ガスは、曝露後に排気される。
【0032】
マスク層2中の第1の有機材料20は第1の金属材料21および第2の金属材料22と反応する反応サイトを有する。第1の酸化性ガスにマスク層2を曝露することにより、第1の酸化性ガスが第1の金属材料21および第2の金属材料22を酸化させて第1の金属材料21の酸化物および第2の金属材料22の酸化物を形成することができる。
【0033】
第1の酸化性ガスがオゾンを含む場合、図10に示すように、第1の酸化性ガスにマスク層2を曝露することにより第1の有機材料20が除去される。これにより、エッチングマスクのエッチング選択比、エッチング耐性、剥離性能等を改善することができる。
【0034】
以上のように、本実施形態ではパターンを有するハードマスクを容易に形成できることに加え、マスク層中の各金属元素の組成比を制御することにより、エッチングマスクのエッチング選択比、エッチング耐性、剥離性能等を改善することができる。また、加工対象物をエッチングするときに金属材料の酸化物が飛散してエッチング面に再付着すること(Redeposition)を抑制できるため、エッチングの阻害を防止できる。
【0035】
<第3の実施形態>
図11は、エッチングマスクの形成方法の他の例を説明するためのフローチャートである。エッチングマスクの形成方法の他の例は、図11に示すように、マスク層形成工程(S1)と、パターン形成工程(S2)と、メタライゼーション工程(S3)と、を具備し、メタライゼーション工程が、第1の金属導入工程(S3-1)と、第1の酸化工程(S3-2)と、を有し、パターン形成工程と第1の金属導入工程との間にバッファ層形成工程(S3-4)をさらに有する。なお、マスク層形成工程、およびパターン形成工程は、第1の実施形態と同じであるため、本実施形態では説明を省略する。
【0036】
(バッファ層形成工程)
図12は、バッファ層形成工程の例を説明するための断面模式図であり、加工対象物1のX-Z断面の一部を示す。バッファ層形成工程により開口Hにバッファ層5を形成する。
【0037】
バッファ層5は、マスク層2よりも反応サイトが少ないまたは反応サイトを有しない層であり、例えば第1の金属材料21や第2の金属材料22と反応しない第2の有機材料50を含む。バッファ層5は、例えばSOC膜である。
【0038】
(第1の金属導入工程)
図13は、第1の金属導入工程の他の例を説明するための断面模式図であり、加工対象物1のX-Z断面の一部を示す。第1の金属導入工程により、第1の実施形態と同様に第1の気体にマスク層2を曝露することにより、図13に示すように、マスク層2の内部に第1の金属材料21を浸透させることができる。第1の気体は、曝露後に排気される。
【0039】
マスク層2は、第1の金属材料21が浸透することにより膨張する。しかしながら、バッファ層5は、反応サイトが少ないまたは反応サイトを有していないため、第1の気体がバッファ層5の内部に留まらずに通過する。よって、バッファ層5は膨張しないため、マスク層2の膨張によるパターンの変形を抑制することができる。
【0040】
(第1の酸化工程)
図14は、第1の酸化工程の他の例を説明するための断面模式図であり、加工対象物1のX-Z断面の一部を示す。第1の酸化工程により、第1の実施形態と同様に第1の酸化性ガスにマスク層2を曝露することにより、第1の金属材料21を酸化させて第1の金属材料21の酸化物を形成することができる。第1の金属材料21の酸化物は、非晶質または結晶である。第1の酸化性ガスは、曝露後に排気される。
【0041】
第1の酸化性ガスがオゾンを含む場合、図14に示すように、第1の酸化性ガスにマスク層2を曝露することにより第1の有機材料20が除去されるとともにバッファ層5が除去される。
【0042】
以上のように、本実施形態ではパターンを有するハードマスクを容易に形成できることに加え、バッファ層を形成することにより、マスク層の膨張によるパターンの変形を抑制することができる。よって、ハードマスクの寸法精度を高めることができる。
【0043】
本実施形態は、他の実施形態と適宜組み合わせることができる。例えば、第2の実施形態と同様に第2の金属導入工程を実施してもよい。
【0044】
<第4の実施形態>
図15は、エッチングマスクの形成方法の他の例を説明するためのフローチャートである。エッチングマスクの形成方法の他の例は、図15に示すように、マスク層形成工程(S1)と、パターン形成工程(S2)と、メタライゼーション工程(S3)と、を具備し、メタライゼーション工程が、第1の金属導入工程(S3-1)と、第1の酸化工程(S3-2)と、を有し、第1の酸化工程後のサイクル工程(S3-5)をさらに有する。なお、マスク層形成工程、パターン形成工程、第1の金属導入工程、および第1の酸化工程は、第1の実施形態と同じであるため、本実施形態では説明を省略する。
【0045】
(サイクル工程)
サイクル工程により、第3の金属導入工程(S3-5A)と、第2の酸化工程(S3-5B)とを、例えばサイクル数がN(Nは1以上の自然数)回に到達するまで、交互に切り替える。サイクル数は、エッチングマスクに要求されるパラメータに応じて適宜設定される。
【0046】
図16は、サイクル工程の例を説明するための断面模式図であり、加工対象物1のX-Z断面の一部を示す。第3の金属導入工程により第3の金属材料23を含む第3の気体にマスク層2を曝露してマスク層2に第3の金属材料23を導入し、第3の気体の排気後、第2の酸化工程により過酸化水素またはオゾンを含む第2の酸化性ガスにマスク層2を曝露する。第2の酸化性ガスは、曝露後に排気される。
【0047】
第3の金属材料23は、第2の酸化性ガスと反応して第3の金属材料23を酸化させて第3の金属材料23の酸化物を形成することができる。これにより、マスク層2の膜密度を高めることができる。
【0048】
第3の金属材料23は、第1の金属材料21と同じまたは異なる材料である。第1の有機材料20を含むマスク層2中に浸透可能な金属材料の種類は、反応サイトに応じて制限される。これに対し、第1の実施形態と同様に第1の酸化工程により第1の有機材料20を除去する場合、上記種類が制限されないため、第3の金属材料23として第1の金属材料21や第2の金属材料22と異なる材料を用いることができる。
【0049】
第3の金属材料23は、例えばアルミニウム、タンタル、ニオブ、ハフニウム、ジルコニウム、バナジウム、チタン、ジスプロシウム、ランタン、プラセオジム、スカンジウム、イットリウム、イッテルビウム、ストロンチウム、ビスマス、ルテニウム、および亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも一つの金属元素を含む。
【0050】
第3の金属材料23は、例えばCVD法やALD法で使用可能なプレカーサである。プレカーサは、例えばトリス(1-メチル-2-メチル-2-プロキシ)アルミニウム(Al(MMP))、トリメチルアルミニウム(TMA)、tert-ブチルイミド-トリス(ジエチルアミド)タンタル(t-BuN=Ta(NEt)、tert-ブチルイミド-トリス(エチルメチルアミド)タンタル(t-BuN=Ta(NEtMe))、tert-ブチルイミド-トリス(ジエチルアミド)ニオブ(t-BuN=Nb(NEt)、tert-ブチルイミド-トリス(エチルメチルアミド)ニオブ(t-BuN=Nb(NEtMe))、テトラキス(1-メチル-2-メチル-2-プロキシ)ハフニウム(Hf(MMP))、テトラキス(tert-ブトキシ)ハフニウム(Hf(OtBu))、テトラキス(ジメチルアミド)ハフニウム(Hf(NMe)、Zr(MMP)、テトラキス(tert-ブトキシ)ジルコニウム(Zr(OtBu))、テトラキスエチルメチルアミドジルコニウム(Zr(NEtMe))、テトラキス(1-メチル-2-メチル-2-プロキシ)チタン(Ti(MMP))、テトラキス(tert-ブトキシ)チタン(Ti(OtBu))、テトラキスエチルメチルアミドチタン(Ti(NEtMe))、トリス(6-エチル-2,2-ジメチル-3,5-デカンジオナート)ジスプロシウム(Dy(EDMDD))、トリス(s-ブチルシクロペンタジエニル)ジスプロシウム(Dy(s-BuCp))、トリス(6-エチル-2,2-ジメチル-3,5-デカンジオナート)ランタン(La(EDMDD))、トリス(s-ブチルシクロペンタジエニル)ランタン(La(s-BuCp))、トリス(6-エチル-2,2-ジメチル-3,5-デカンジオナート)プラセオジム(Pr(EDMDD))、トリス(s-ブチルシクロペンタジエニル)プラセオジム(Pr(s-BuCp))、トリス(6-エチル-2,2-ジメチル-3,5-デカンジオナート)スカンジウム(Sc(EDMDD))、トリス(s-ブチルシクロペンタジエニル)スカンジウム(Sc(s-BuCp))、トリス(6-エチル-2,2-ジメチル-3,5-デカンジオナート)イットリウム(Y(EDMDD))、トリス(s-ブチルシクロペンタジエニル)イットリウム(Y(s-BuCp))、トリス(6-エチル-2,2-ジメチル-3,5-デカンジオナート)イッテルビウム(Yb(EDMDD))、メチルエチルテトラメチル-3,5-ヘプタンジオナート)ストロンチウム(Sr(METHD))、2-メチル-2,4-ペンタンジオキシ-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタンジオナート)(Ti(MPD)(THD))、テトラキス(1-メチル-2-メチル-2-プロキシ)ビスマス(Bi(MMP)4)、四塩化タンタル(TiCl)、テトラキス(ジメチルアミド)チタン(Ti(NEtMe))、トリス(オクタンジオナート)ルテニウム(Ru(OD))、ビス(エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(Ru(EtCp))、ビス(6-エチル-2,2-ジメチル-3,5-デカンジオナート)亜鉛(Zn(EDMDD))、ビス(オクタンジオナート)亜鉛(Zn(OD))、三塩化アルミニウム、四塩化チタン、六塩化タングステン、四塩化バナジウム、四塩化ハフニウム、および四塩化ジルコニウムからなる群より選ばれる少なくとも一つである。なお、複数のプレカーサを用いる場合、互いに反応しにくいまたは反応しないプレカーサを用いることが好ましい。
【0051】
第1の有機材料20を含むマスク層2中に浸透可能な金属材料の量は、反応サイトに応じて制限される。これに対し、第1の実施形態と同様に第1の酸化工程により第1の有機材料20を除去する場合、上記量は制限されない。プレカーサとしてTMAをマスク層2に浸透させる場合、第1の酸化工程後はAlからなる非晶質の構造物が残る。Alの終端はAl-OHと考えられる。このため、第2の酸化工程により-OHを発端とするALD反応を開始させることができる。
【0052】
サイクル毎に第3の金属材料23の種類および第2の酸化性ガスの種類を変更してもよい。これにより、マスク層2中の各金属元素の組成比を制御でき、マスク層2のエッチング選択比、エッチング耐性、剥離性能等を調整することができる。また、加工対象物1をエッチングするときに金属材料の酸化物が飛散してエッチング面に再付着することを抑制できるため、エッチングの阻害を防止できる。また、サイクル数が2以上(N≧2)の場合、第2の酸化性ガスに過酸化水素またはオゾンを用いた第2の酸化工程を含んでいれば、第2の酸化性ガスに水を用いた第2の酸化工程を含んでいてもよい。
【0053】
以上のように、本実施形態では第3の金属導入工程と、第2の酸化工程と、を交互に切り替えることにより、マスク層2の膜密度を高めることができる。これにより、エッチング耐性、特に高い反応性イオンエッチング(RIE)耐性を高めることができる。例えば、高いアスペクト比を有するパターンを形成する場合、エッチングマスクは長時間エッチングガスに曝されるため、高いエッチング耐性が要求される。
【0054】
本実施形態は、他の実施形態と適宜組み合わせることができる。例えば、サイクル工程の前に、第2の実施形態と同様に第2の金属導入工程を実施してもよい。また、第3の実施形態と同様にパターン形成工程と第1の金属導入工程との間にバッファ層形成工程を実施してもよい。
【0055】
<第5の実施形態>
図17は、エッチングマスクの形成方法の他の例を説明するためのフローチャートである。エッチングマスクの形成方法の他の例は、図17に示すように、マスク層形成工程(S1)と、パターン形成工程(S2)と、メタライゼーション工程(S3)と、を具備し、メタライゼーション工程が、第1の金属導入工程(S3-1)と、第1の酸化工程(S3-2)と、サイクル工程(S3-5)と、を有し、サイクル工程後の熱アニール工程(S3-6)をさらに有する。なお、マスク層形成工程、パターン形成工程、第1の金属導入工程、および第1の酸化工程は、第1の実施形態と同じであり、サイクル工程は第4の実施形態と同じであるため、本実施形態では説明を省略する。
【0056】
(熱アニール工程)
熱アニール工程により、マスク層2をアニールしてマスク層2中の金属材料の酸化物の結晶化を促進させる。アニール温度は、例えばマスク層2に導入される金属材料の酸化物の結晶化温度以上であることが好ましい。よって、アニール温度は、使用される金属材料の種類に応じて適宜設定される。
【0057】
以上のように、本実施形態ではマスク層2中の金属材料の酸化物の結晶化を促進させることにより、エッチングマスクのエッチング耐性、特に高いRIE耐性を高めることができる。例えば、高いアスペクト比を有するパターンを形成する場合、エッチングマスクは長時間エッチングガスに曝されるため、高いエッチング耐性が要求される。
【0058】
本実施形態は、他の実施形態と適宜組み合わせることができる。例えば、サイクル工程および熱アニール工程を実施する前に、第2の実施形態と同様に第2の金属導入工程を実施してもよい。また、第3の実施形態と同様にパターン形成工程と第1の金属導入工程との間にバッファ層形成工程を実施してもよい。
【0059】
<第6の実施形態>
図18は、半導体装置の製造方法の例を説明するためのフローチャートである。半導体装置の製造方法例は、図18に示すように、エッチングマスク形成工程(S10)と、エッチング工程(S20)と、メモリ層形成工程(S30)と、を具備する。
【0060】
[エッチングマスク形成工程]
図19は、エッチングマスク形成工程の例を説明するための断面模式図であり、加工対象物1のX-Z断面の一部を示す。エッチングマスク形成工程により、加工対象物1の上にメタライズされたマスク層2からなるエッチングマスク2aを形成する。エッチングマスク2aは、ハードマスクであり、開口Hを含むパターンを有する。図19は第5の実施形態の方法により形成されたエッチングマスク2aを示すが、これに限定されず、エッチングマスク2aは、第1ないし第5の実施形態のエッチングマスクの形成方法例のいずれかを用いて形成することができる。
【0061】
[エッチング工程]
図20は、エッチング工程の例を説明するための断面模式図であり、加工対象物1のX-Z断面の一部を示す。エッチング工程により、エッチングマスク2aを用いて加工対象物1をエッチングする。加工対象物1は、例えばRIEによりエッチングすることができる。エッチングマスク2aは、エッチング後に除去される。
【0062】
[メモリ層形成工程]
図21はメモリ層形成工程の例を説明するための断面模式図であり、加工対象物1のX-Z断面の一部を示す。メモリ層形成工程では、ブロック絶縁膜193と、電荷蓄積層192と、トンネル絶縁膜191とを含むメモリ膜109と、半導体チャネル層108と、コア絶縁膜107とを開口Hにこの順に形成する。コア絶縁膜107、半導体チャネル層108、メモリ膜109は、メモリセルを構成するメモリ層として機能する。
【0063】
コア絶縁膜107としては、例えば酸化シリコン膜を用いることができる。半導体チャネル層108としては、例えばポリシリコン層を用いることができる。トンネル絶縁膜191としては、例えば酸化シリコン膜と酸窒化シリコン膜とを有する積層膜を用いることができる。電荷蓄積層192としては、例えば窒化シリコン膜を用いることができる。ブロック絶縁膜193としては、例えば酸化シリコン膜を用いることができる。
【0064】
メモリ膜109を形成した後に、第1の層11を除去し、第2の層12の間に空洞を形成し、空洞内に複数の導電膜を積層することにより導電層110を形成する。導電層110は例えばゲート電極(ワード線)としての機能を有する。さらに、基板10の上にコンタクトプラグや、配線、層間絶縁膜等を形成する。これにより半導体装置を製造することができる。
【0065】
以上のように、本実施形態では上記実施形態に記載の方法により開口を含むパターンを有するハードマスクを形成して、ハードマスクを用いて加工対象物をエッチングすることにより、高いアスペクト比を有するパターンであっても加工対象物を容易にエッチングすることができる。
【0066】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0067】
1…加工対象物、2…マスク層、2a…エッチングマスク、3…中間膜、4…フォトレジスト、5…バッファ層、10…基板、11…第1の層、12…第2の層、20…第1の有機材料、21…第1の金属材料、22…第2の金属材料、23…第3の金属材料、50…第2の有機材料、107…コア絶縁膜、108…半導体チャネル層、109…メモリ膜、110…導電層、191…トンネル絶縁膜、192…電荷蓄積層、193…ブロック絶縁膜。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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