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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-04
(45)【発行日】2023-08-15
(54)【発明の名称】ブレース
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/58 20060101AFI20230807BHJP
【FI】
E04B1/58 D
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019176416
(22)【出願日】2019-09-27
(65)【公開番号】P2021055265
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-03-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000001317
【氏名又は名称】株式会社熊谷組
(73)【特許権者】
【識別番号】000183428
【氏名又は名称】住友林業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100070024
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 宣行
(72)【発明者】
【氏名】前川 利雄
(72)【発明者】
【氏名】野田 亜久里
(72)【発明者】
【氏名】服部 翼
(72)【発明者】
【氏名】石橋 久義
(72)【発明者】
【氏名】長島 泰介
(72)【発明者】
【氏名】立花 和樹
(72)【発明者】
【氏名】中島 裕貴
(72)【発明者】
【氏名】西濱 惇矢
(72)【発明者】
【氏名】南川 貴明
【審査官】齋藤 卓司
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-027783(JP,A)
【文献】特開2012-062692(JP,A)
【文献】特開2005-330802(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0198477(US,A1)
【文献】特開2008-174932(JP,A)
【文献】特開2013-011164(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/38-1/61
E04C 3/00-3/46
E04B 1/18
E04B 1/24
E04B 1/30
E04H 9/02
E04G 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端部を有する細長い鋼製の芯部材と、
前記芯部材をその両端部間において保持する、前記芯部材の長手方向へ伸びる木製の1の補剛部材と、
前記補剛部材に螺旋状に巻き付けられ前記補剛部材に該補剛部材の周囲から締め付け力を及ぼす1又は複数の結束部材とを含み、
前記芯部材は平板からなり、
前記1の補剛部材は、該補剛部材の周面に開放し前記芯部材の幅より大きい深さの溝を有し、前記溝の内部に前記芯部材をその両端部間において受け入れ、これを保持する、ブレース。
【請求項2】
両端部を有する細長い鋼製の芯部材と、
前記芯部材をその両端部間において保持する、前記芯部材の長手方向へ伸びる木製の2つの補剛部材と、
前記補剛部材に螺旋状に巻き付けられ前記補剛部材に該補剛部材の周囲から締め付け力を及ぼす1又は複数の結束部材とを含み
前記芯部材は、平板部と、前記平板部の両片面からそれぞれ伸びる2つの直立板部とからなり、十字形の横断面形状を有し、
前記2つの補剛部材は、前記芯部材の長手方向へ伸びる細長い平坦面、および前記平坦面に開放する溝をそれぞれ有し、
一方の前記補剛部材が前記平坦面において前記平板部の一方の片面に接するとともに前記溝に一方の前記直立板部を受け入れ、他方の前記補剛部材が前記平坦面において前記平板部の他方の片面に接するとともに前記溝に他方の前記直立板部を受け入れて、前記2つの補剛部材が互いに間隔を置いて前記平板部を挟むことで、前記芯部材をその両端部間において保持する、ブレース。
【請求項3】
両端部を有する細長い鋼製の芯部材と、
前記芯部材をその両端部間において保持する、前記芯部材の長手方向へ伸びる木製の4つの補剛部材と、
前記補剛部材に螺旋状に巻き付けられ前記補剛部材に該補剛部材の周囲から締め付け力を及ぼす1又は複数の結束部材とを含み、
前記芯部材は、平板部と、前記平板部の両片面からそれぞれ伸びる2つの直立板部とからなり、十字形の横断面形状を有し、
前記4つの補剛部材は、前記平板部及び前記2つの直立板部をそれぞれ挟むことで、前記芯部材をその両端部間において保持する、ブレース。
【請求項4】
前記複数の結束部材は、互いに間隔を置いて順巻きに巻かれている、請求項1~のいずれか1項に記載のブレース。
【請求項5】
前記複数の結束部材は、互いに交差するように順巻き及び逆巻きに巻かれている、請求項1~のいずれか1項に記載のブレース。
【請求項6】
前記補剛部材は、該補剛部材の周囲を螺旋に沿って伸びる、前記結束部材と同数の溝を有し、前記結束部材は前記溝内を伸びている、請求項1~のいずれか1項に記載のブレース。
【請求項7】
前記溝に充填され前記溝内に前記結束部材を埋める合成樹脂製の接着剤を含む、請求項に記載のブレース。
【請求項8】
前記芯部材と前記補剛部材とはアンボンド材を介して互いに接している、請求項1~のいずれか1項に記載のブレース。
【請求項9】
前記補剛部材は、円筒面の一部からなる周面を有する、請求項1~のいずれか1項に記載のブレース。
【請求項10】
前記結束部材は、撚り線又は単線からなる、請求項1~9のいずれか1項に記載のブレース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の補強に用いられるブレースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物を補強するブレースの一つとして、細長い鋼板のような芯部材と、芯部材の座屈を防止するための2つの木製の補剛部材とを備えるものが提案されている。芯部材は、その両端部間において、互いに接着された両補剛部材に挟まれ、両補剛部材間に保持されている。
【0003】
これによれば、建物が地震力のような外力を受けるとき、建物に取り付けられたブレースの芯部材にその軸線方向力である引張力又は圧縮力が作用する。軸線方向力を受ける芯部材は2つの補剛部材の間においてその軸線方向に変形し、地震力の一部を吸収する。両補剛部材は、芯部材が圧縮力を受けたときに座屈を起こさないように、これらの間に芯部材を拘束する。
【0004】
ところで、前記従来のブレースにあっては、芯部材に過大な圧縮力が作用すると、これによって芯部材に生じる変形(撓み)が、両補剛部材に対してこれらを互いに他の一方から引き剥がす力を及ぼし、芯部材に対する両補剛部材の拘束能力が消失するおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2008-174932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、芯部材に対する木製の補剛部材の拘束能力が消失しにくいブレースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明はブレースに係る。前記ブレースは、両端部を有する細長い鋼製の芯部材と、前記芯部材をその両端部間において保持する、前記芯部材の長手方向へ伸びる木製の1の補剛部材と、前記補剛部材に螺旋状に巻き付けられ前記補剛部材に該補剛部材の周囲から締め付け力を及ぼす1又は複数の結束部材とを含み、前記芯部材は平板からなり、前記1の補剛部材は、該補剛部材の周面に開放し前記芯部材の幅より大きい深さの溝を有し、前記溝の内部に前記芯部材をその両端部間において受け入れ、これを保持する。
また、前記ブレースは、両端部を有する細長い鋼製の芯部材と、前記芯部材をその両端部間において保持する、前記芯部材の長手方向へ伸びる木製の2つの補剛部材と、前記補剛部材に螺旋状に巻き付けられ前記補剛部材に該補剛部材の周囲から締め付け力を及ぼす1又は複数の結束部材とを含み、前記芯部材は、平板部と、前記平板部の両片面からそれぞれ伸びる2つの直立板部とからなり、十字形の横断面形状を有し、前記2つの補剛部材は、前記芯部材の長手方向へ伸びる細長い平坦面、および前記平坦面に開放する溝をそれぞれ有し、一方の前記補剛部材が前記平坦面において前記平板部の一方の片面に接するとともに前記溝に一方の前記直立板部を受け入れ、他方の前記補剛部材が前記平坦面において前記平板部の他方の片面に接するとともに前記溝に他方の前記直立板部を受け入れて、前記2つの補剛部材が互いに間隔を置いて前記平板部を挟むことで、前記芯部材をその両端部間において保持する。
また、前記ブレースは、両端部を有する細長い鋼製の芯部材と、前記芯部材をその両端部間において保持する、前記芯部材の長手方向へ伸びる木製の4つの補剛部材と、前記補剛部材に螺旋状に巻き付けられ前記補剛部材に該補剛部材の周囲から締め付け力を及ぼす1又は複数の結束部材とを含み、前記芯部材は、平板部と、前記平板部の両片面からそれぞれ伸びる2つの直立板部とからなり、十字形の横断面形状を有し、前記4つの補剛部材は、前記平板部及び前記2つの直立板部をそれぞれ挟むことで、前記芯部材をその両端部間において保持する。
【0008】
本発明に係るブレースあっては、前記芯部材と該芯部材をその両端部間で保持する1又は複数の木製の補剛部材とが前記補剛部材に螺旋状に巻き付けられた結束部材の締め付け力を受けて一体にされ、前記芯部材が前記補剛部材による拘束を受ける。前記ブレースはその芯部材の両端部において建物に取り付けられる。前記建物に地震力のような外力が作用したとき、前記ブレースの芯部材がその長手方向に引張力又は圧縮力を受け、両補剛部材との間の摩擦力に抗してその長手方向に伸縮し、前記外力の一部を吸収する働きをなす。他方、前記補剛部材は前記芯部材が圧縮力を受けたときに前記芯部材が座屈を起こさないようにこれを防止する働きをなす。
【0009】
本発明によれば、前記結束部材が前記補剛部材の周囲を螺旋状に伸びていることから、前記補剛部材は該補剛部材の周囲からまた該補剛部材の長手方向における全ての箇所においてほぼ均一の締め付力を受ける。これにより、前記芯部材及び前記補剛部材相互間に分離の生じにくい、したがって前記芯部材に対する拘束能力が消失しにくいブレースを提供することができる。
【0013】
前記結束部材の数量を複数とする例においては、複数の結束部材が互いに間隔を置いて順巻きに巻かれ、あるいは、互いに交差するように順巻き及び逆巻きに巻かれたものとすることができる。
【0014】
前記補剛部材が該補剛部材の周囲を螺旋に沿って伸びる、前記結束部材と同数の溝を有し、前記結束部材が前記溝内を伸びるものとすることができる。ここにおいて、前記溝に充填され前記溝内に前記結束部材を埋める合成樹脂製の接着剤を含むものとすることができる。
【0015】
また、好ましくは、前記芯部材と前記補剛部材とはアンボンド材を介して互いに接する。さらに、好ましくは、前記補剛部材は、円筒面の一部からなる周面を有する。さらに、好ましくは、前記結束部材は、撚り線又は単線からなる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】建物に取り付けられたブレースを示す概略図である。
図2図1に示すブレースの正面図である。
図3図1に示すブレースの平面図である。
図4図1に示すブレースの側面図である。
図5】ブレースの他の例の側面図である。
図6図5に示すブレースを構成する補剛部材の側面図である。
図7】ブレースのさらに他の例の側面図である。
図8】ブレースのさらに他の例の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1を参照すると、複数のブレース10と、該ブレースが適用された建物12の一部とが示されている。ブレース10の適用対象である建物12は、これが木造であるか、木造以外の例えば鉄筋コンクリート造であるかを問わない。
【0018】
図1に示すところでは、建物12を構成する2つの柱14及び両柱14に連結された上下2つの梁16が規定する矩形の各開口18に一対のブレース10が配置されている。両ブレース10は、これらの両端部(より詳細には、後述する芯部材24の両端部24A)において、また、複数のボルト及びナットの組立体(図示せず)を介して、両柱14及び下方の梁16に取り付けられた2つのブラケット20の一方及び他方と、上方の梁16に取り付けられた1つのブラケット22とに固定され、両柱14に対して斜めに伸びている。
【0019】
図2図4に示すブレース10は、両端部24Aを有する細長い鋼製の芯部材24と、芯部材24をその両端部24A間において挟む2つの木製の補剛部材26と、両補剛部材26にこれらの周囲から締め付け力を及ぼす1の結束部材28とを含む。両補剛部材26は芯部材24の長手方向へ伸び、両補剛部材26間に芯部材24を保持する。
【0020】
芯部材24及び両補剛部材26は結束部材28により結束され、これにより、一体にされている。一体にされた芯部材24及び両補剛部材26において、両補剛部材26は、芯部材24がその長手方向への引張力又は圧縮力を受けたとき、芯部材24が両補剛部材26との間に生じる摩擦力に抗してその長手方向へ変形することを許す。
【0021】
これによれば、建物12が地震力のような外力を受けるとき、ブレース10の芯部材24にその長手方向力である引張力又は圧縮力が作用する。前記長手方向力を受けた芯部材24はその長手方向に変形し、地震力の一部を吸収する。両補剛部材26は、芯部材24が圧縮力を受けるときに座屈しないように、両補剛部材26の間に芯部材24を拘束している。
【0022】
図示の例において、芯部材24は平板からなり、全体に帯状を呈する。芯部材24の各端部24Aには、前記ボルト及びナットの組立体が通される複数のボルト穴29が設けられている。
【0023】
補剛部材26は、好ましくは、円筒面の一部からなる周面26aを有する。図示の補剛部材26は円柱状を呈する木材の半割体である半円柱体からなり、半円形の横断面形状を有し、周面26aが半円筒面からなる(図4参照)。また、図示の補剛部材26は芯部材24の両端部24Aの相互間隔に相当する長さを有し、その横断面形状を規定する細長い矩形状の平坦面26bを有する。補剛部材26は、その平坦面26bにおいて、芯部材24の片面24aに接している。好ましくは、芯部材24の片面24aと、補剛部材26の平坦面26bとが、これらに塗布されたグリスのようなアンボンド材(図示せず)を介して互いに接する。前記アンボンド材は芯部材24の両補剛部材26に対する減摩材としての働きをなす。
【0024】
また、図示の例においては、補剛部材26の平坦面26bの幅寸法(前記円柱体の直径)が、芯部材24の幅寸法すなわち芯部材24の両側面24b相互間の間隔より大きい。図示の例に代えた他の例として、補剛部材26の平坦面26bの幅寸法と芯部材24の幅寸法とが等しいものとすることができる。いずれの例においても、両補剛部材26が芯部材24をこれらの両端部24A間において挟み、保持する。図示の例にあっては、さらに、両補剛部材26の平坦面26bが互いに正対するように配置されている。補剛部材26は、図示の例に代えて、例えば正六角形、正八角形のような角柱状の木材の半割体からなり、横断面形状が角形を呈する周面を有するものとすることができる。
【0025】
結束部材28は、例えば、鋼製、合成樹脂製等の細長いストリップや、鋼製、繊維強化プラスチック(FRP)製、ナイロン製等の撚り線又は単線からなる。結束部材28は、両補剛部材26に螺旋状に巻き付けられている。これによれば、両補剛部材26はこれらの周囲から、また、これらの長手方向における全ての箇所においてほぼ均一な締め付け力を受ける。これにより、両補剛部材26の相互間隔がこれらの全長にわたってほぼ一定に維持される。このため、芯部材24に対する両補剛部材26の拘束能力は消失しにくい。
【0026】
仮に、前記圧縮力を受けた芯部材24に撓みが生じ、このために結束部材28に伸びとこれに伴う両補剛部材26間の間隔の広がりとが生じた場合にあっても、結束部材28の伸び及び両補剛部材26間の広がりは比較的小さいものに止まり、両補剛部材26の拘束能力を維持することが可能である。さらに、芯部材24は、両補剛部材26によりこれらの長手方向における全ての箇所においてほぼ均一な締め付け力を受けることから、芯部材24に生じることがある前記撓みの大きさを芯部材24の長手方向における任意の箇所においてほぼ等しいものとすることができ、これにより、過度に大きい撓みの発生とこれに伴う座屈の発生とを防止することができる。
【0027】
両補剛部材26はこれらの周囲を螺旋に沿って伸びる溝30を有するものとすることができる。結束部材28は溝30内を該溝30に沿って伸びている。また、溝30の内部に合成樹脂製の接着剤(図示せず)を充填し、結束部材28を溝30内に埋めることができる。
【0028】
芯部材24は、これが平板からなる図4の例に代えて、例えば、図5に示すように、十字形の横断面形状を有するものとすることができる。十字形の横断面形状を有する芯部材24は、図4に示す平板に相当する平板部32と、平板部32の両片面32aからこれらに直交してそれぞれ伸びる2つの直立板部34とからなる。図示の両直立板部34は、それぞれ、平板部32と同じ厚さ寸法を有し、また、矩形の横断面形状を有する。両直立板部34は、平板部32を挟む両補剛部材26にそれぞれ設けられ両補剛部材26の平坦面26bに開放する2つの溝36(図6参照)に受け入れられている。溝36は直立板部34の横断面形状と同形の横断面形状を有し、直立板部34は溝36を規定する壁面に接している。
【0029】
また、図4に示す芯部材24の各端部24Aと該端部に連なる芯部材24の他の一部(両端部24A間の一部)とからなる部分のみを、図5に示すと同様の十字形の横断面形状を有するものとすることができる(図示せず)。この例において、芯部材24の前記他の一部のみを受け入れ可能の長さを有する、図6に示す溝36と同様の溝(図示せず)が各補剛部材26に設けられる。
【0030】
補剛部材26の数量は、これを2とする図2図4に示す例に代えて、3以上とすることができる。例えば、図4に示す半円柱状を呈する両補剛部材26の一方及び他方をそれぞれ等分割してなる全部で4つの四分円柱状の補剛部材26(図7)からなるものとすることができる。これらの四分円柱状の補剛部材26はそれぞれ四分円筒面からなる周面26aを有する。
【0031】
これらの4つの四分円柱状の補剛部材26は、図7に示すように、これらの4つの補剛部材26が前記十字形の横断面形状を有する芯部材24をその平板部32及び両直立板部34においてそれぞれ挟み、保持するものとして用いることができる。
【0032】
補剛部材26の数量については、これを複数とする前記した例に代えて、図8にその一例を示すように、1とすることができる。図示の1の補剛部材26は全体に円柱状を呈し、その周面26aに開放する溝38を有する。溝38は、補剛部材26の両端の一方から他方まで伸びている。また、図示の溝38は、前記帯状の平板からなる芯部材24の幅より大きい深さを有し、また、芯部材24の厚さよりわずかに大きい幅(溝幅)を有する。補剛部材26はその溝38の内部に芯部材24を受け入れ、これを保持する。したがって、この例における補剛部材26の周面26aは、溝38の幅(溝幅)に相当する円筒面の一部を除く該円筒面の残りの一部からなる。
【0033】
また、結束部材28の数量は、これを1とする図示の例に代えて、これを2以上である複数とする他の例(図示せず)とすることができる。前記他の例においては、複数の結束部材28が補剛部材26の長手方向に関して互いに間隔を置いて順巻き(すなわち、芯部材24の両端部24Aの一方から他方に向けて)に巻かれたものからなり、あるいは、前記順巻き及び逆巻き(すなわち、芯部材24の両端部24Aの前記他方から前記一方に向けて)に巻かれ、互いに交差するものからなる。また、前記他の例においては、複数の結束部材28と同数の溝30を有するものとし、かつ、各結束部材28が各溝30内を伸びるものとすることができる。さらに、各溝30の内部に前記合成樹脂製の接着剤を充填し、各結束部材28を各溝30内に埋めることができる。
【符号の説明】
【0034】
10 ブレース
12 建物
24 芯部材
24A 端部
26 補剛部材
28 結束部材
30 溝
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8