(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-04
(45)【発行日】2023-08-15
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 23/04 20060101AFI20230807BHJP
【FI】
F25D23/04 K
(21)【出願番号】P 2019207219
(22)【出願日】2019-11-15
【審査請求日】2022-06-10
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】中谷 遼
【審査官】庭月野 恭
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2005/003660(WO,A1)
【文献】特開2001-343186(JP,A)
【文献】特開2010-185628(JP,A)
【文献】特開昭63-290385(JP,A)
【文献】特開昭58-124186(JP,A)
【文献】特開2002-243357(JP,A)
【文献】特表2009-526195(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 1/00-31/00
A47B 51/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵室を含む筐体と、
前記貯蔵室を開閉可能に閉じる扉と、
扉容器と、
前記扉に設けられ、前記扉容器を昇降させる昇降機構と、
を備え、
前記昇降機構は、
第一ローラーと第二ローラーとを有する回転機構と、
前記第一ローラーと前記第二ローラーとに掛け渡されたベルトと、
を備え、
前記扉容器は前記ベルトに取り付けられている、
冷蔵庫。
【請求項2】
前記第一ローラーの第一回転軸と前記第二ローラーの第二回転軸は、前記扉の左右方向に沿って配置され、前記扉に設けられた支持軸受に回転自在に支持されている、
請求項
1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記第一回転軸と前記第二回転軸の少なくとも一方は、前記支持軸受に対して回転不能となるロック機構を有する、
請求項
2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記回転機構は電動モータにより駆動される、
請求項
1から請求項
3のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記扉容器と前記ベルトとの間にプレートを備えた、
請求項
1から請求項
4のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記昇降機構は、前記扉の左右方向において二つ並んで設けられている、
請求項
1から請求項
5にいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記昇降機構は、前記扉の左右方向において二つ並んで設けられ、
左右方向において並ぶ二つの前記昇降機構は、前記第一ローラーの前記第一回転軸同士が連結されている、
請求項
2に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
扉ポケットの取り付け位置を変更することができる冷蔵庫が用いられている。ところで、冷蔵庫は、より容易に扉ポケットの取り付け位置を変更することができると好ましい場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、扉ポケットの取り付け位置を容易に変更できる冷蔵庫を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の冷蔵庫は、貯蔵室を含む筐体と、前記貯蔵室を開閉可能に閉じる扉と、扉容器と、前記扉に設けられ、前記扉容器を昇降させる昇降機構と、を持つ。前記昇降機構は、第一ローラーと第二ローラーとを有する回転機構と、前記第一ローラーと前記第二ローラーとに掛け渡されたベルトと、を備え、前記扉容器は前記ベルトに取り付けられている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図4】
図2中に示された同右冷蔵室扉のA-A線に沿う断面図。
【
図5】
図3中に示された同右冷蔵室扉のC-C線に沿う断面図。
【
図6】第2実施形態に係る冷蔵庫の右冷蔵室扉の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の冷蔵庫を、図面を参照して説明する。以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。
【0008】
本明細書では、冷蔵庫の正面に立つユーザから冷蔵庫を見た方向を基準に、左右を定義している。また、冷蔵庫から見て冷蔵庫の正面に立つユーザに近い側を「前」、遠い側を「後ろ」と定義している。本明細書において「横幅方向」とは、上記定義における左右方向を意味する。本明細書において「奥行方向」とは、上記定義における前後方向を意味する。図中において、+X方向が右方向、-X方向が左方向、+Y方向が後方向、-Y方向が前方向、+Z方向が上方向、-Z方向が下方向である。
【0009】
(第1実施形態)
[1.冷蔵庫の全体構成]
図1から
図5を参照し、第1実施形態の冷蔵庫1について説明する。まず、冷蔵庫1の全体構成について説明する。ただし、冷蔵庫1は、以下に説明する構成の全てを有する必要はなく、いくつかの構成が適宜省略されてもよい。
【0010】
図1は、冷蔵庫1を示す斜視図である。
図1に示すように、冷蔵庫1は、例えば、筐体10、複数の扉11、複数の棚(不図示)、複数の容器(不図示)、流路形成部品(不図示)、冷却ユニット(不図示)、および制御基板(不図示)を有する。本実施形態では、複数の扉11以外の上記構成によって冷蔵庫本体5が形成されている。
【0011】
図1に示すように、筐体10は、上壁21、下壁22、左右の側壁23,24、および後壁25を有する。上壁21および下壁22は、略水平に広がっている。左右の側壁23,24は、下壁22の左右の端部から上方に起立し、上壁21の左右の端部に繋がる。後壁25は、下壁22の後端部から上方に起立し、上壁21の後端部に繋がる。
【0012】
筐体10の内部には、複数の貯蔵室27が設けられている。複数の貯蔵室27は、例えば、冷蔵室27A、野菜室27B、製氷室27C、小冷凍室27D、および主冷凍室27Eを含む。本実施形態では、最上部に冷蔵室27Aが配置され、冷蔵室27Aの下方に野菜室27Bが配置され、野菜室27Bの下方に製氷室27Cおよび小冷凍室27Dが配置され、製氷室27Cおよび小冷凍室27Dの下方に主冷凍室27Eが配置されている。ただし、貯蔵室27の配置は、上記例に限定されず、例えば、冷蔵室27Aの下方に製氷室27Cおよび小冷凍室27Dが配置され、製氷室27Cおよび小冷凍室27Dの下方に主冷凍室27Eが配置され、主冷凍室27Eの下方に野菜室27Bが配置されてもよい。筐体10は、各貯蔵室27の前面側に、各貯蔵室27に対して食材の出し入れを可能にする開口を有する。
【0013】
複数の貯蔵室27の開口は、複数の扉11によって開閉可能に閉じられる。複数の扉11は、例えば、冷蔵室27Aの開口を閉じる左右の冷蔵室扉11Aa,11Ab、野菜室27Bの開口を閉じる野菜室扉11B、製氷室27Cの開口を閉じる製氷室扉11C、小冷凍室27Dの開口を閉じる小冷凍室扉11D、および主冷凍室27Eの開口を閉じる主冷凍室扉11Eを含む。
【0014】
左右の冷蔵室扉11Aa,11Abは、例えば、観音開き式の扉である。左右の冷蔵室扉11Aa,11Abは、ヒンジ30によって筐体10に回動可能に支持されている。本実施形態では、右冷蔵室扉11Abの横幅方向の幅は、左冷蔵室扉11Aaの横幅方向の幅よりも大きい。
【0015】
一方で、野菜室扉11B、製氷室扉11C、小冷凍室扉11D、および主冷凍室扉11Eは、例えば、引き出し式の扉である。野菜室扉11B、製氷室扉11C、小冷凍室扉11D、および主冷凍室扉11Eは、レール35(野菜室27Bおよび主冷凍室27Eにおいて左方のレール35のみ図示)によって筐体10に対して引き出し可能に支持されている。
【0016】
[2.右冷蔵室扉11Abの構成]
図2は、右冷蔵室扉11Abを示す斜視図である。
図3は、右冷蔵室扉11Abを冷蔵室27Aから見た正面図である。
図4は、
図2中に示された右冷蔵室扉11AbのA-A線に沿う断面図である。
図5は、
図3中に示された右冷蔵室扉11AbのC-C線に沿う断面図である。
【0017】
右冷蔵室扉11Abは、外郭部材50と、ガスケット55とを備えている。外郭部材50は、箱状に形成されている。本明細書でいう「箱状」とは、扁平な箱状も含む。外郭部材50は、
図2から
図5に示すように、枠体51、前面板52、および後面部材53を有する。
【0018】
枠体51は、矩形の枠状に形成されている。枠体51は、
図2および
図3に示すように、上辺部材51a、下辺部材51b、左辺部材51c、および右辺部材51dを含む。上辺部材51aは、横幅方向および奥行方向に沿う板状であり、右冷蔵室扉11Abの上面を形成している。下辺部材51bは、横幅方向および奥行方向に沿う板状であり、右冷蔵室扉11Abの下面を形成している。左辺部材51cは、鉛直方向および奥行方向に沿う板状であり、右冷蔵室扉11Abの左側面を形成している。右辺部材51dは、鉛直方向および奥行方向に沿う板状であり、右冷蔵室扉11Abの右側面を形成している。これら上辺部材51a、下辺部材51b、左辺部材51c、および右辺部材51dが互いに組み合わされることで、枠体51が形成されている。枠体51は、例えば合成樹脂製である。
【0019】
前面板52は、
図4および
図5に示すように、枠体51に取り付けられ、右冷蔵室扉11Abの前端部に位置する。前面板52は、鉛直方向および横幅方向に沿う板部材であり、右冷蔵室扉11Abの前面を形成している。前面板52は、例えば、合成樹脂やガラス板や他の素材で形成されている。
【0020】
後面部材53は、
図4および
図5に示すように、前面板52とは反対側から枠体51に取り付けられ、右冷蔵室扉11Abの後端部に位置する。後面部材53は、右冷蔵室扉11Abの後面を形成している。後面部材53は、例えば合成樹脂製である。
【0021】
後面部材53は、
図2に示すように、後方に突出したリブ61を有する。リブ61は、右冷蔵室扉11Abが筐体10に対して閉じられた状態で後面部材53から冷蔵室(貯蔵室)27Aに向けて突出している。
【0022】
リブ61は、
図2に示すように、枠体51の外形よりも一回り小さな環状に形成されている。本明細書でいう「環状」とは、全周が完全に連続している場合に限定されず、切欠きなどが設けられて一部が途切れている場合も含む。
【0023】
ガスケット55は、後面部材53に取り付けられている。具体的には、ガスケット55は、リブ61の外周側を取り囲む環状に形成されている。
【0024】
ここで、左冷蔵室扉11Aa、野菜室扉11B、製氷室扉11C、小冷凍室扉11D、および主冷凍室扉11Eの構成は、上述した右冷蔵室扉11Abの構成と同様である。すなわち、左冷蔵室扉11Aa、野菜室扉11B、製氷室扉11C、小冷凍室扉11D、および主冷凍室扉11Eの構成は、上述した右冷蔵室扉11Abに関する説明において、「右冷蔵室扉11Ab」を「左冷蔵室扉11Aa」、「野菜室扉11B」、「製氷室扉11C」、「小冷凍室扉11D」、または「主冷凍室扉11E」と読み替えればよい。
【0025】
[3.昇降機構]
本実施形態では、
図2から
図5が示すように、右冷蔵室扉11Abには、昇降機構7が内蔵されている。また、昇降機構7には扉ポケット(扉容器)8が取り付けられている。
【0026】
昇降機構7は、扉ポケット8を昇降させる機構であり、右冷蔵室扉11Abにおいて、外郭部材50の前面板52の後面に沿って配置される。昇降機構7は、プレート70と、第一昇降機構7Aと、第二昇降機構7Bと、を備えている。第一昇降機構7Aと第二昇降機構7Bとは、
図2および
図3が示すように、右冷蔵室扉11Abの左右方向において二つ並んで設けられている。なお、昇降機構7は、例えば第一昇降機構7Aのみにより構成されていてもよい。
【0027】
第一昇降機構7Aは、回転機構73と、ベルト74と、扉容器取付部75と、を備えている。第二昇降機構7Bは、第一昇降機構7Aと同様、回転機構73と、ベルト74と、扉容器取付部75と、を備えている。以降、第一昇降機構7Aを説明し、第二昇降機構7Bの主な説明を省略する。
【0028】
プレート70は、金属等で形成された平板であり、扉ポケット8とベルト74との間に配置される。プレート70は、後面部材53に後側から取り付けられている。プレート70は、後面部材53に接着材等により取り付けられている。なお、プレート70は、後面部材53に形成された溝に嵌合する態様にて後面部材53に取り付けられてもよい。
【0029】
プレート70は、上下方向に延びる溝70aと、前面から前方に突出する板状の一対の突出部70bと、を有する。溝70aは、プレート70を前後方向に貫通している。溝70aおよび一対の突出部70bは、第一昇降機構7Aと第二昇降機構7Bごとに別々に設けられている。
【0030】
回転機構73は、上下方向に配列する第一ローラー71と第二ローラー72とを有する。第一ローラー71は第二ローラー72より上側に配置される。
図4および
図5が示すように、第一ローラー71の第一回転軸71aと第二ローラー72の第二回転軸72aは、右冷蔵室扉11Abの左右方向に沿って配置され、プレート70の一対の突出部70bに設けられた支持軸受53bに回転自在に支持されている。
【0031】
回転機構73は、電動モータにより駆動されてもよい。具体的には、第一回転軸71aまたは第二回転軸72aが電動モータによって駆動されてもよい。この場合、第一回転軸71aまたは第二回転軸72aは、電動モータと減速機構を介して接続されてもよい。
【0032】
本実施形態においては、
図5に示すように、第一昇降機構7Aの第一回転軸71aと、第二昇降機構7Bの第一回転軸71aと、は連結されている。そのため、第一昇降機構7Aの第一ローラー71と、第二昇降機構7Bの第一ローラー71とは連動して動作する。なお、第一昇降機構7Aの第一回転軸71aと第二昇降機構7Bの第二回転軸72aとは連結されていなくてもよい。
【0033】
第一ローラー71および第二ローラー72は、表面が弾性を有するゴム等により形成されたローラーである。第一ローラー71には不図示のロック機構が取り付けられている。回転ロック機構のロック機構を有効にすることで、ロック機構は第一ローラー71の支持軸受53bに対する回転をロックすることができる。
【0034】
ベルト74は、弾性を有するゴム等により形成されており、第一ローラー71と第二ローラー72とに弛みなく掛け渡されている。ベルト74は、表面が弾性を有するゴム等により形成された第一ローラー71および第二ローラー72と接触することで摩擦力が発生するため、上下移動の際に摩擦抗力を受ける。
【0035】
扉容器取付部75は、ベルト74に付けられており、第一ローラー71および第二ローラー72の回転に伴ってベルト74が上下することで昇降する。扉容器取付部75には凹部が形成されおり、凹部には扉ポケット8のフック81が着脱される。扉容器取付部75の凹部は溝70aに沿って上下方向に移動する。第一昇降機構7Aの扉容器取付部75と第二昇降機構7Bの扉容器取付部75とは、上下方向において同じ高さに配置されている。
【0036】
扉ポケット(扉容器)8は、上方に開口するポケット状の容器であり、透明または半透明のプラスチックで形成されている。扉ポケット8には、前方(―Y方向)に扉容器取付部75の凹部と嵌合する二個のフック81が左右方向に並んで設けられている。一方のフック81は、第一昇降機構7Aの扉容器取付部75の凹部に着脱可能である。他方のフック81は、第二昇降機構7Bの扉容器取付部75の凹部に着脱可能である。なお、扉ポケット8はベルト74に着脱不能に取り付けられていてもよい。
【0037】
以上のような構成によれば、使用者が扉ポケット8を上下させることで、昇降機構7が扉ポケット8の取り付け位置を昇降させる。そのため、冷蔵庫1は扉ポケット8の取り付け位置を容易に変更できる。また、冷蔵庫1は扉ポケット8の取り付け位置を無段階に昇降可能である。使用者は、予め決められた扉ポケット8の配置位置ではなく、扉ポケット8の可動範囲Rにおいて好みの位置に扉ポケット8を配置することができる。
【0038】
以上のような構成によれば、第一ローラー71はロック機構を有しているため、扉ポケット8を配置位置に固定することができる。
【0039】
以上のような構成によれば、プレート70が扉ポケット8とベルト74との間に配置される。そのため、使用者の指が、第一ローラー71または第二ローラー72に巻き込まれてしまうことを好適に防止できる。
【0040】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、第一ローラーおよび第二ローラーの位置が第1実施形態とは異なる。なお以下に説明する以外の構成は、第1実施形態と同じである。以降の説明において、既に説明したものと共通する構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0041】
図6は第2実施形態に係る冷蔵庫1Bの右冷蔵室扉11AbBの断面図である。
冷蔵庫1Bは、第1実施形態の冷蔵庫1の右冷蔵室扉11Abの代わりに右冷蔵室扉11AbBを備える。
【0042】
右冷蔵室扉11AbBは、外郭部材50と、ガスケット55とを備えている。外郭部材50は、箱状に形成されている。
【0043】
右冷蔵室扉11AbBには、昇降機構9が内蔵されている。また、昇降機構9には扉ポケット(扉容器)8が取り付けられている。
【0044】
昇降機構9は、扉ポケット8を昇降させる機構であり、右冷蔵室扉11AbBにおいて、外郭部材50の前面板52の後面に沿って配置される。昇降機構9は、プレート70と、第一昇降機構9Aと、第二昇降機構9Bと、を備えている。第一昇降機構9Aと第二昇降機構9Bとは、第1実施形態の第一昇降機構7Aと第二昇降機構7Bと同様、右冷蔵室扉11AbBの左右方向において二つ並んで設けられている。
【0045】
第一昇降機構9Aは、回転機構73Bと、ベルト74と、扉容器取付部75と、を備えている。第二昇降機構9Bは、第一昇降機構9Aと同様、回転機構73Bと、ベルト74と、扉容器取付部75と、を備えている。以降、第一昇降機構9Aを説明し、第二昇降機構9Bの主な説明を省略する。
【0046】
回転機構73Bは、上下方向に配列する第一ローラー71と第二ローラー72とを有する。第一ローラー71は第二ローラー72より上側に配置される。
図6が示すように、第一ローラー71の第一回転軸71aと第二ローラー72の第二回転軸72aは、右冷蔵室扉11AbBの左右方向に沿って配置され、後面部材53に設けられた支持軸受53bに回転自在に支持されている。
【0047】
回転機構73Bは、電動モータにより駆動されてもよい。具体的には、第一回転軸71aまたは第二回転軸72aが電動モータによって駆動されてもよい。この場合、第一回転軸71aまたは第二回転軸72aは、電動モータと減速機構を介して接続されてもよい。
【0048】
第一ローラー71は、後面部材53の上端部に設けられており、扉ポケット8の可動範囲Rより上側に配置されている。第二ローラー72は、後面部材53の下端部に設けられており、扉ポケット8の可動範囲Rより下側に配置されている。
【0049】
本実施形態に係る冷蔵庫1Bによれば、冷蔵庫1は扉ポケット8の取り付け位置を容易に変更でき、また扉ポケット8の取り付け位置を無段階に昇降可能である。使用者は、予め決められた扉ポケット8の配置位置ではなく、扉ポケット8の可動範囲Rにおいて好みの位置に扉ポケット8を配置することができる。本実施形態に係る冷蔵庫1Bによれば、第一ローラー71および第二ローラー72の設置場所の自由度が高く、設計自由度が高い。
【0050】
(変形例1)
上記実施形態において、昇降機構7,9はベルト74、第一ローラー71および第二ローラー72によって構成されていたが、昇降機構の態様はこれに限定されない。昇降機構は、例えば、電動モータやボールスプライン昇降機構等により扉容器取付部75を昇降させるものであってもよい。
【0051】
(変形例2)
上記実施形態において、昇降機構7,9は右冷蔵室扉11Abに収容されていたが、昇降機構7,9の設置態様はこれに限定されない。昇降機構7,9は、左冷蔵室扉11Aaに収容されていてもよい。さらに、昇降機構7,9は、野菜室扉11B、製氷室扉11C、小冷凍室扉11D、または主冷凍室扉11Eに格納されていてもよい。
【0052】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、扉ポケットの取り付け位置を容易に変更できる冷蔵庫を提供することができる。
【0053】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0054】
1,1B…冷蔵庫、5…冷蔵庫本体、10…筐体、11…扉、11Aa…左冷蔵室扉、11Ab,11AbB…右冷蔵室扉、27…貯蔵室、27A…冷蔵室、52…前面板、7,9…昇降機構、7A,9A…第一昇降機構、7B,9B…第二昇降機構、8…扉ポケット(扉容器)、70…プレート、71…第一ローラー、71a…第一回転軸、72…第二ローラー、72a…第二回転軸、73,73B…回転機構、74…ベルト、75…扉容器取付部、81…フック