(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-04
(45)【発行日】2023-08-15
(54)【発明の名称】ロック・キー機構を伴う再使用可能電池インジケータ
(51)【国際特許分類】
G01R 31/371 20190101AFI20230807BHJP
H01M 6/50 20060101ALI20230807BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20230807BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20230807BHJP
H01M 50/213 20210101ALI20230807BHJP
H01M 50/247 20210101ALI20230807BHJP
H01M 50/284 20210101ALI20230807BHJP
H01M 50/569 20210101ALI20230807BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20230807BHJP
【FI】
G01R31/371
H01M6/50
H01M10/48 P
H01M50/204 401D
H01M50/213
H01M50/247
H01M50/284
H01M50/569
H02J7/00 X
(21)【出願番号】P 2019522275
(86)(22)【出願日】2017-11-01
(86)【国際出願番号】 US2017059469
(87)【国際公開番号】W WO2018085347
(87)【国際公開日】2018-05-11
【審査請求日】2020-10-05
【審判番号】
【審判請求日】2022-05-31
(32)【優先日】2016-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】315014051
【氏名又は名称】デュラセル、ユーエス、オペレーションズ、インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【氏名又は名称】出口 智也
(72)【発明者】
【氏名】ジョルン、リーマー
(72)【発明者】
【氏名】ロバート、パブリンスキー
(72)【発明者】
【氏名】ジョーダン、ブーリルコフ
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン、ジェイ.スペクト
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ、タルコ
(72)【発明者】
【氏名】セルジオ、コロナド
【合議体】
【審判長】岡田 吉美
【審判官】波多江 進
【審判官】濱本 禎広
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0349391(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第1450174(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0069768(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0261045(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0277879(US,A1)
【文献】特許第7134954(JP,B2)
【文献】米国特許出願公開第2009/0179763(US,A1)
【文献】国際公開第2015/183609(WO,A1)
【文献】特開2001-93510(JP,A)
【文献】特開平9-45298(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/36 - 31/44
H01M 50/50 - 50/598
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池の感知されたアナログ特性をデジタル情報に変換するように構成される電圧センサと、前記電圧センサに通信可能に接続される通信回路と、前記通信回路に作用的に結合されるアンテナと、前記電圧センサに電気的に接続される第1のコネクタ及び第2のコネクタを有する接続機構であって、前記第1のコネクタ及び前記第2のコネクタが第1の電池端子及び第2の電池端子にそれぞれ取り外し可能に接続されるようになっており、それにより、前記電圧センサと前記第1及び第2の電池端子との間の電気的接続部がもたらされ、前記第1のコネクタ及び前記第2のコネクタのうちの少なくとも一方が、前記第1の電池端子及び前記第2の電池端子のうちの少なくとも一方を伴う機械的なロック・キーアセンブリの一部分を含む、接続機構と、を含む再使用可能電池インジケータと、
その外表面上に位置される機械的なロック・キーアセンブリの他の部分を含む電池セルと、
を備え、
前記第1のコネクタは、前記第1の電池端子を捕捉するためのバネワイヤとして形成された第1の可撓性ワイヤを備え、
前記第2のコネクタは、前記第2の電池端子を捕捉するためのバネワイヤとして形成された第2の可撓性ワイヤを備え、
前記電池セル上の前記機械的なロック・キーアセンブリの
前記他の部分は、凹部及び突起のうちの一方を含み、前記第1のコネクタの前記第1の可撓性ワイヤ及び前記第2のコネクタの前記第2の可撓性ワイヤのうちの少なくとも一方上の前記機械的なロック・キーアセンブリの
前記一部分は、前記凹部及び前記突起のうちの他方を含む、再使用可能電池インジケータと電池セルとの組合せ。
【請求項2】
前記第1のコネクタの前記第1の可撓性ワイヤが第1の機械的なロック・キーアセンブリを有し、前記第2のコネクタの前記第2の可撓性ワイヤが第2の機械的なロック・キーアセンブリを有する、請求項1に記載の組合せ。
【請求項3】
前記第1のコネクタの前記第1の可撓性ワイヤが前記機械的なロック・キーアセンブリの雄接続部を含み、前記第1の電池端子が前記機械的なロック・キーアセンブリの雌接続部を含む、請求項2に記載の組合せ。
【請求項4】
前記雄接続部が三角キーである、請求項3に記載の組合せ。
【請求項5】
前記雌接続部が三角凹部である、請求項3に記載の組合せ。
【請求項6】
前記電圧センサに電気的に接続される又は前記電圧センサに組み込まれる電圧ブースタを更に備える、請求項1に記載の組合せ。
【請求項7】
前記第1のコネクタ及び前記第2のコネクタのうちの少なくとも一方は、金属、金属合金、冷間圧延鋼、炭素、又は、これらの任意の組合せのうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載の組合せ。
【請求項8】
前記通信回路は、無線周波数識別回路、ブルートゥース(登録商標)回路、ブルートゥース低エネルギー回路、Wi-Fi(登録商標)回路、Zigbee(登録商標)回路、及び、LORA(登録商標)回路、のうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載の組合せ。
【請求項9】
前記電圧センサは、1.8ボルト未満の回路電圧を読み取ることができる、請求項1に記載の組合せ。
【請求項10】
前記電圧センサ及び前記通信回路は、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとの間に挿入されるようになっている両面プリント回路基板上に形成される、請求項1に記載の組合せ。
【請求項11】
ハウジングを更に備え、前記電圧センサ及び前記通信回路が前記ハウジング内に装着され、前記ハウジングは、並んで配置される2つの円筒状の電池の間に嵌合するように寸法付けられて形成される、請求項1に記載の組合せ。
【請求項12】
前記ハウジングが三角柱の形状を成す断面を有する、請求項11に記載の組合せ。
【請求項13】
前記ハウジングが凹状である1つの側面を有する、請求項11に記載の組合せ。
【請求項14】
前記再使用可能電池インジケータの前記機械的なロック・キーアセンブリが湾曲チャネルをさらに含み、該湾曲チャネルの一端に電気接点が形成される、請求項1に記載の組合せ。
【請求項15】
前記通信回路は、UHFモジュール、又は、RFモジュールのうちの1つである、請求項1に記載の組合せ。
【請求項16】
請求項1に記載の組合せを備える電子機器であって、前記再使用可能電池インジケータが前記電子機器の電池レセプタクル内に装着される、電子機器。
【請求項17】
遠隔電池表示システムであって、前記システムは、
コンピューティングデバイスと、
請求項1に記載の前記再使用可能電池インジケータと前記電池セルと
の組合せ、を備える、遠隔電池表示システム。
【請求項18】
前記コンピューティングデバイスがプロセッサとメモリとを含み、前記メモリがソフトウェアルーチンを記憶し、前記ソフトウェアルーチンにより、前記プロセッサは、前記再使用可能電池インジケータからの無線通信信号を検出する、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記プロセッサは、電池特性データをユーザインタフェースに送信するものであり、前記電池特性データは、電気容量、電圧、インピーダンス、温度、電流、劣化、充電/放電サイクル数、及び、クーロン数のうちの少なくとも1つを含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記ソフトウェアルーチンは、前記プロセッサにより実行されるときに、前記プロセッサに、前記再使用可能電池インジケータと通信させる、請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
前記電池上の前記機械的なロック・キーアセンブリの部分が凹部を含み、前記再使用可能電池インジケータ上の前記機械的なロック・キーアセンブリの部分が突起を含む、請求項1に記載の組合せ。
【請求項22】
前記凹部と前記突起とが形状及び大きさにおいて相補的である、請求項21に記載の組合せ。
【請求項23】
前記凹部が三角形状であり、前記突起が三角形状である、請求項22に記載の組合せ。
【請求項24】
前記凹部の形状が環状であり、前記突起の形状が環状である、請求項22に記載の組合せ。
【請求項25】
前記凹部が電池端子に位置される、請求項21に記載の
組合せ。
【請求項26】
前記凹部が三角形状である、請求項25に記載の
組合せ。
【請求項27】
前記凹部の形状が環状である、請求項25に記載の
組合せ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に電池インジケータに関し、より具体的には、機械的なロック・キー機構を伴う再使用可能電池特性インジケータに関する。
【背景技術】
【0002】
電気化学セル又は電池は、一般に、電気エネルギー源として使用される。電池は、一般に陰極と呼ばれる負電極と、一般に陽極と呼ばれる正電極とを含む。陰極は、酸化され得る電気化学的に活性な陰極材料を含む。陽極は、還元され得る電気化学的に活性な陽極材料を含む。電気化学的に活性な陰極材料は、電気化学的に活性な陽極材料を還元することができる。陰極と陽極との間にはセパレータが配置される。電池構成要素は、一般に金属から形成される缶又はハウジングの内部に配置される。
【0003】
電池が電子機器の電気エネルギー源として使用される場合には、電気的な接触が陰極と陽極との間でなされ、それにより、電子が機器を通じて流れることができるようにする回路が完成し、その結果、電子機器に対する電力を生み出すそれぞれの酸化反応及び還元反応がもたらされる。電解質が陰極、陽極、及び、セパレータと接触している。電解質は、放電中に電池の全体にわたって電荷平衡を維持するために陰極と陽極との間のセパレータを通じて流れるイオンを含む。
【0004】
玩具、リモコン装置、オーディオ機器、懐中電灯、デジタルカメラ及び周辺写真撮影機器、電子ゲーム、歯ブラシ、ラジオ、時計、並びに、他の携帯型電子機器などの電子機器のための携帯型電源の必要性が高まっている。消費者は、これらの電子機器に容易に利用できる電力を有する必要がある。電池はそれらが使用されるにつれて必然的に時間に伴って消耗されるようになるため、消費者は、予備の電池にアクセスできる(及び/又は完全に充電された充電式電池にアクセスできる)必要がある。消費者が必要な数の交換電池に迅速にアクセスできるように消費者が現在使用中の電池の電力状態を知ることは有用である。電池には、ANSI規格ごとに、所定の外形寸法及び制約された内容積を有する、単3形、単4形、単6形、単2形、単1形の電池サイズなどの一般的なサイズがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在、幾つかの電池は、電池がほぼ消耗して交換を要する時期を消費者が判断するのを助けるためにオンセル電池充電インジケータを含む。しかしながら、これらの現在のオンセル電池充電インジケータは、使い捨てである(すなわち、単一の電池セルに取り付けられる)とともに、扱いにくい(一般に、インジケータを作動させるために2つの接触ボタンを同時に押さなければならないからである)。更に、これらのオンセル電池インジケータは、インジケータを使用するために電子機器(又はパッケージ)から電池を取り外す必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
幾つかの態様によれば、再使用可能電池インジケータは、電池の感知されたアナログ特性をデジタル情報に変換するように構成される電圧センサと、電圧センサに通信可能に接続される通信回路と、通信回路に作用的に結合されるアンテナと、電圧センサに電気的に接続される少なくとも第1のコネクタ及び第2のコネクタを有する接続機構とを備える。第1のコネクタ及び第2のコネクタが第1の電池端子及び第2の電池端子にそれぞれ取り外し可能に接続されるようになっており、それにより、接続機構が第1の電池端子及び第2の電池端子に結合されるときに電圧センサと第1及び第2の電池端子との間の電気回路が完成される。第1のコネクタ及び第2のコネクタのうちの1つ以上は、機械的なロック・キーアセンブリの一部を含む。
【0007】
他の態様によれば、遠隔電池表示システムは、電池と、再使用可能電池インジケータとを備え、電池インジケータは、電圧センサと、電圧センサに通信可能に接続される通信回路と、通信回路に作用的に結合されるアンテナと、電圧センサに電気的に接続される少なくとも第1のコネクタ及び第2のコネクタを有する接続機構とを含む。第1のコネクタ及び第2のコネクタが第1の電池端子及び第2の電池端子にそれぞれ取り外し可能に接続されるようになっており、それにより、接続機構が第1の電池端子及び第2の電池端子に結合されるときに電圧センサと第1及び第2の電池端子との間の電気回路が完成される。第1のコネクタ及び第2のコネクタは、電圧センサが電池の特性を感知するように第1の電池端子及び第2の電池端子にそれぞれ電気的に取り付けられる。第1のコネクタ及び第2のコネクタのうちの1つ以上は、機械的なロック・キーアセンブリの一部を含む。
【0008】
本開示の教示によれば、再使用可能電池インジケータ又は遠隔電池表示システムの前述の態様のうちの任意の1つ以上は、以下の随意的な形態のうちの任意の1つ以上を更に含んでもよい。
【0009】
幾つかの随意的な形態では、電圧ブースタが電圧センサに電気的に接続される又は組み込まれてもよい。
【0010】
他の好ましい形態では、第1のコネクタが第1の機械的なロック・キーアセンブリを有し、第2のコネクタが第2の機械的なロック・キーアセンブリを有する。
【0011】
更に他の好ましい形態では、第1のコネクタが機械的なロック・キーアセンブリの雄接続部を含み、第1の電池端子が機械的なロック・キーアセンブリの雌接続部を含む。
【0012】
更に他の好ましい形態では、雄接続部が三角キーである。
【0013】
更に他の好ましい形態では、雌接続部が三角凹部である。
【0014】
他の好ましい形態において、第1のコネクタ及び第2のコネクタのうちの少なくとも一方は、磁石、カップ、スリーブ、タブ、ソケット、ピン、ワッシャ、バネコネクタ、又は、これらの任意の組合せのうちの少なくとも1つを備える。
【0015】
更に他の好ましい形態では、第1のコネクタ及び第2のコネクタのうちの少なくとも一方が少なくとも1つの金属と少なくとも1つの絶縁体とを備える。
【0016】
更に他の好ましい形態において、第1のコネクタ及び第2のコネクタのうちの少なくとも一方は、金属、金属合金、冷間圧延鋼、炭素、又は、これらの任意の組合せのうちの少なくとも1つを備える。
【0017】
更に他の好ましい形態において、通信回路は、無線周波数識別回路、ブルートゥース(登録商標)回路、ブルートゥース(登録商標)低エネルギー回路、Wi-Fi回路、Zigbee(登録商標)回路、LORA回路、及び、Z波回路のうちの少なくとも1つを備えてもよい。
【0018】
更に他の好ましい形態において、電圧センサは、1.8ボルト未満の開回路電圧を読み取ることができる。
【0019】
更に他の好ましい形態において、電圧センサ及び通信回路は、第1のコネクタと第2のコネクタとの間に挿入されるようになっているプリント回路基板上に形成される。
【0020】
更に他の好ましい形態では、第1のコネクタ及び第2のコネクタが導電性磁石を有する可撓性ワイヤを備えてもよい。
【0021】
更に他の好ましい形態では、電圧センサ及び通信回路がハウジング内に装着され、また、ハウジングは、長手方向に並んで配置される2つの円筒状の電池の間に嵌合するように寸法付けられて形成される。
【0022】
更に他の好ましい形態では、ハウジングが三角柱の形状を成す断面を有する。
【0023】
更に他の好ましい形態では、ハウジングが凹状である1つの側面又は凹状である2つの側面を有する。
【0024】
更に他の好ましい形態では、電圧センサがディスク形状を成し、また、電圧センサは、円筒状の電池セルの一端に適合するように配置される。
【0025】
更に他の好ましい形態において、電圧センサは、薄型ディスクBLE、UHF、又は、RFモジュールの1つである。
【0026】
更に他の好ましい形態では、再使用可能電池インジケータのハウジングが電子機器の電池レセプタクル内に装着される。
【0027】
更に他の好ましい形態では、コンピューティングデバイスが通信回路に通信可能に接続され、コンピューティングデバイスがアンテナを介して通信回路から情報を受信する。
【0028】
更に他の好ましい形態では、コンピューティングデバイスがプロセッサとメモリとを含み、メモリがソフトウェアルーチンを記憶し、該ソフトウェアルーチンにより、プロセッサは、再使用可能電池インジケータからの無線通信信号を検出し、再使用可能電池インジケータを介して電池回路を遠隔制御して電池特性データを決定するとともに、電池特性データをユーザインタフェースに送信する。
【0029】
更に他の好ましい形態において、電池特性データは、電気容量、電圧、インピーダンス、温度、電流、劣化、充電/放電サイクル数、及び、クーロン数のうちの少なくとも1つを含む。
【0030】
更に他の好ましい形態において、ソフトウェアルーチンは、プロセッサにより実行されるときに、プロセッサに、電池タイプ、電池の物理的位置、及び、電池が給電している電気機器のうちの少なくとも1つを決定させる。
【0031】
本明細書は、本発明を形成すると見なされる主題を特に指摘して明確に請求する特許請求の範囲で終わるが、本発明は、添付図面と併せて解釈される以下の説明からより良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本開示の教示にしたがって構成される電池セル及び再使用可能電池インジケータの上面図であり、電池セル及び再使用可能電池インジケータは互いに分離されている。
【
図2】電池セルに接続される
図1の再使用可能電池インジケータの上面図である。
【
図3】
図1の再使用可能電池インジケータのプリント回路基板の拡大平面図である。
【
図4】
図1の再使用可能電池インジケータの電子回路概略図である。
【
図5A】電池セルに接続される再使用可能電池インジケータの第2の実施形態の上面斜視図である。
【
図5B】電池セルに接続される再使用可能電池インジケータの第2の実施形態の下面斜視図である。
【
図6A】ロック解除位置にある機械的なロック・キーアセンブリを含む再使用可能電池インジケータの第3の実施形態の下面斜視図である。
【
図6B】機械的なロック・キーアセンブリがロック位置にある
図6Aの第3の実施形態の下面斜視図である。
【
図7】ロック位置にある機械的なロック・キーアセンブリを含む再使用可能電池インジケータの第4の実施形態の下面斜視図である。
【
図8】一対の電池セルのうちの一方のセルに取り付けられる再使用可能電池インジケータの第5の実施形態の端面図である。
【
図9】2つの隣接する電池セル間に位置される再使用可能電池インジケータの第6の実施形態の図である。
【
図10】
図1の再使用可能電池インジケータを含む電池表示システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
電気化学セル又は電池は、一次電池又は二次電池であってもよい。一次電池は、例えば完全に消耗するまで一回だけ放電されてその後に廃棄されるようになっている。一次電池(又は使い捨て電池)は、例えば、David LindenのHandbook of Batteries(第4版、2011)に記載されている。二次電池(又は充電式電池)は、何度も繰り返して再充電されて使用されるようになっている。二次電池は、何度も、例えば50回を超えて、100回を超えて、又は、それ以上にわたって放電及び再充電され得る。二次電池は、例えば、David LindenのHandbook of Batteries(第4版、2011)に記載されている。したがって、電池は、様々な電気化学的結合及び電解質の組合せを含んでもよい。本明細書中で与えられる説明及び例は一般に一次アルカリ電気化学セル又は電池を対象としているが、本発明が水性、非水性、イオン液体、及び、固体システムの一次電池及び二次電池の両方に適用されることが理解されるべきである。例えば、一次アルカリ電池などの一次電池であることに加えて、電池は一次リチウムイオン電池であってもよい。或いは、電池は、二次電池、例えば、ニッケル水素(NiMH)電池、ニッケルカドミウム(NiCad)電池、銀/亜鉛電池、ニッケル/亜鉛電池、又は、リチウム固体充電式電池などの二次電池であってもよい。したがって、前述のシステムの一次電池及び二次電池はこの出願の範囲内であり、また、本発明は任意の特定の実施形態に限定されない。
【0034】
図1及び
図2を参照すると、陽極12、陰極14、及び、ハウジング18を含む一次アルカリ電気化学セル又は電池セル10が示される。電池セル10はエンドキャップ24も含む。エンドキャップ24は、電池セル10のマイナス端子としての機能を果たす。エンドキャップ24とは反対側の電池セル10の端部にプラスピップ26が位置される。プラスピップ26は、電池セル10のプラス端子としての機能を果たす。電池セル10の全体にわたって電解液が分散される。電池セル10は、例えば、単3、単4、単6、単2、又は、単1アルカリ電池であってもよい。更に、他の実施形態において、電池セル10は、9V電池、カメラ電池、時計電池、又は、任意の他のタイプの一次電池或いは二次電池であってもよい。
【0035】
ハウジング18は、任意の適したタイプのハウジング基材、例えば冷間圧延鋼又はニッケルメッキ冷間圧延鋼から形成され得る。
図1に示される実施形態では、ハウジング18が円筒形状を有してもよい。他の実施形態では、ハウジング18が任意の他の適した非円筒形状を有してもよい。ハウジング18は、例えば、長方形、正方形、又は、角柱形状などの少なくとも2つの平行板を備える形状を有することができる。ハウジング18は、例えば、冷間圧延鋼又はニッケルメッキ鋼などの基材のシートから深絞り加工されてもよい。ハウジング18は、例えば、円筒形状へと絞り加工されてもよい。ハウジング18は側壁を有してもよい。ハウジング18の側壁の内面は、ハウジング18の側壁の内面と陽極12などの電極との間に低い電気接触抵抗をもたらす材料で処理されてもよい。ハウジング18の側壁の内面は、例えばハウジング18の側壁の内面と陽極12との間の接触抵抗を減少させるために、例えばニッケル、コバルトでメッキされてもよく、及び/又は、炭素充填塗料で塗装されてもよい。
【0036】
電池セル10の隣には、再使用可能電池インジケータ40などの通信機構の一実施形態がある。再使用可能電池インジケータ40は、プリント回路基板(PCB)42に組み込まれてもよい集積回路と、PCB42に電気的に接続される第1のコネクタ44と、PCB42に電気的に接続される第2のコネクタ46とを含む。
図2に示されるように、第1のコネクタ44は、プラスの電気的接続部を形成するためにプラスのピップ26に取り外し可能に且つ電気的に接続されてもよく、また、第2のコネクタ46は、マイナスの電気的接続部を形成するためにエンドキャップ24に取り外し可能に且つ電気的に接続されてもよい。第1のコネクタ44及び第2のコネクタ46は、第1のコネクタ44及び第2のコネクタ46が電池セル10及びPCB42と電気的接続部を形成できるようにする実質的に任意の物理的形態をとり得る。幾つかの実施形態において、第1のコネクタ44及び第2のコネクタ46は、以下の形態、すなわち、磁石、カップ、スリーブ、タブ、ソケット、ピン、ワッシャ、バネコネクタ、ワイヤループ、又は、これらの任意の組合せのうちの任意の1つ以上をとり得る。更に、第1のコネクタ44及び第2のコネクタ46は、電気情報などのアナログ情報を電池セルからPCB42に伝える実質的に任意の材料から形成されてもよい。例えば、幾つかの実施形態において、第1のコネクタ44及び第2のコネクタ46は、以下の材料、すなわち、金属、金属合金、冷間圧延鋼、硬質延伸鉄及び非鉄合金、高炭素鋼及び低炭素鋼合金、事後又は事前メッキされた鉄及び非鉄合金、或いは、これらの任意の組合せのうちの1つ以上から形成されてもよい。幾つかの実施形態において、第1のコネクタ44及び第2のコネクタ46のうちの少なくとも一方は、金属及び絶縁体を備えてもよい。例えば、幾つかの実施形態において、第1のコネクタ44及び/又は第2のコネクタ46の内面は、電池ハウジングに対する短絡又は圧着を防ぐために、非導電性コーティング(ポリマー層、エポキシ、又は、不動態化など)又は付加的な絶縁体リング(紙、フェノール、又は、ポリマー)を含んでもよい。
【0037】
一般に、集積回路は、第1のコネクタ44及び第2のコネクタ46からアンペア又はボルトなどの電気情報を受け、その電気情報は、電力又は充電レベルなどの電池特性情報を計算するために集積回路によって使用され、また、集積回路は、その後、消費者が使用するために、コンピュータ、スマートフォン、又は、携帯情報端末などの受信機に電池特性情報を伝える。このようにして、再使用可能電池インジケータ40は、消費者が電池セルを電子機器から(又はパッケージから)取り外すことなく電池特性情報を取得できるようにする。第1のコネクタ44及び第2のコネクタ46は、電池セルと電子機器との間の電気的接触を妨げることなく電気情報を集積回路に供給する。更に、再使用可能電池インジケータ40は、何度も繰り返して再使用され得るように1つの電池セルから他の電池セルへ移動可能であり、それにより、消費者に対する全体のコストを低減する。
【0038】
ここで
図3及び
図4を参照すると、PCB42上に集積回路48が形成され、この集積回路48は、第1のコネクタ44及び第2のコネクタ46に通信可能に接続される埋め込み電圧センサ50を集積回路48内に含む。埋め込み電圧センサ50は、アンペア及び電圧などの電池セルのアナログ特性を感知し、感知されたアナログ特性をデジタル情報に変換する。また、PCB42は通信回路52も含む。アンテナ54が通信回路52に作用的に結合される。通信回路52は、無線周波数識別回路、ブルートゥース(登録商標)回路、ブルートゥース(登録商標)低エネルギー回路、Wi-Fi回路、Zigbee(登録商標)回路、LORA回路、及び、Z波回路のうちの1つ以上を備えてもよい。一実施形態において、無線ブルートゥース低エネルギー電圧センサなどの集積回路は、アナログデジタル変換器、マイクロコントローラ、ブルートゥースラジオ、メモリデバイス、及び、DC/DC電圧変換器を組み込んでもよい。
【0039】
電圧ブースタ56が集積回路48及び埋め込み電圧センサ50に電気的に接続される。埋め込み電圧センサ50及び電圧ブースタ56は、例えば1.8ボルト未満であってもよい電池の開回路電圧を読み取ることができる。幾つかの実施形態において、通信回路52は、薄型ディスクBLEモジュール、UHFモジュール、又は、RFモジュールのうちの1つ以上を備えてもよい。
【0040】
図3及び
図4に示される実施形態において、集積回路48、電圧センサ50、及び、通信回路52は全て、第1のコネクタ44及び第2のコネクタ46に接続されるPCB42上に形成される。しかしながら、他の実施形態において、集積回路48、電圧センサ50、及び、通信回路52は、互いに通信可能に且つ作用的に接続される別個の構成要素として形成されてもよい。
【0041】
図5A及び
図5Bに示される実施形態において、同様の要素には、
図1~
図4で番号付けされる要素よりも正確に100大きい番号が付される。例えば、
図1~
図4では電池セルに10の番号が付され、
図5A及び
図5Bでは電池セルに110の番号が付される。別段に述べられなければ、任意の例示された実施形態からの任意の要素は、任意の他の例示された実施形態に組み込まれてもよい。
【0042】
ここで
図5A及び
図5Bを参照すると、第2の実施形態の再使用可能電池インジケータ140が電池セル110に取り付けられる。再使用可能電池インジケータ140は、PCB142、第1のコネクタ144、及び、第2のコネクタ146を含む。
図5A及び
図5Bの電池セル110は単3形電池として示されているが、この図は、再使用可能電池インジケータ140を図示の電池セル110に限定しようとするものではない。むしろ、再使用可能電池インジケータ140は、実質的に任意の電池セル、特に本明細書中の他の箇所に列挙される電池セルサイズに適合するように寸法付けられて形成されてもよい。
【0043】
図5A及び
図5Bに示される実施形態では、第1のコネクタ144及び第2のコネクタ146がそれぞれ可撓性ワイヤ160,162を備える。可撓性ワイヤ160,162は、プラス電池端子126及びマイナス電池端子124をそれぞれ捕捉して電圧及びアンペアなどの電気的特性をPCB142上に形成される集積回路に伝えるバネワイヤとして(硬質延伸鉄及び非鉄バネ合金から)形成されてもよい。一実施形態において、バネワイヤは、導電性を高めて接触抵抗を低減するとともに耐食性をもたらすために事前ニッケルメッキ又は事後ニッケルメッキを伴うASTM A228ピアノ線から形成されてもよい。
【0044】
図5A及び
図5Bに示される実施形態において、可撓性ワイヤ160は、PCB142上のプラス端子168に接続される第1の端部166と、同様にPCB142上のプラス端子168に接続される第2の端部170とを含む。他の実施形態はシングルエンドワイヤを含んでもよい。可撓性ワイヤ160は、第1の端部166から延びる第1の脚部172と、第2の端部170から延びる第2の脚部174とを含む。第1の脚部172及び第2の脚部174は、電池セル110の長手方向軸Aと略平行に向けられる。第1の脚部172及び第2の脚部174は端部ループ176で互いに接続される。端部ループ176は、電池セル110の長手方向軸に対して略垂直な平面内にある。端部ループ176は、電池セル110のプラス端子126の周囲に嵌合するように寸法付けられて形成される。結果として、可撓性ワイヤ160は、プラス電池端子126からPCB142上のプラス端子168へと至るプラス電気経路を形成する。更に、可撓性ワイヤ160は、可撓性ワイヤ160を使用者が一時的に変形させて再使用可能電池インジケータ140を必要に応じて電池セル110から取り外すことができるようにしつつ、可撓性ワイヤ160を
図5A及び
図5Bに示される取り付け位置へと付勢するバネ力をもたらすように形成されてもよい。
【0045】
可撓性ワイヤ160と同様に、可撓性ワイヤ162も、PCB142上のマイナス端子180に接続される第1の端部178と、同様にPCB142上のマイナス端子180に接続される第2の端部182とを含む。可撓性ワイヤ162は、第1の端部178から延びる第1の脚部184と、第2の端部182から延びる第2の脚部186とを含む。第1の脚部184及び第2の脚部186は、電池セル110の長手方向軸Aと略平行に向けられる。第1の脚部184及び第2の脚部186は端部ループ188で互いに接続される。端部ループ188は、電池セル110の長手方向軸に対して略垂直な平面内にある。端部ループ186は、電池セル110のマイナス端子124の周囲に嵌合するように寸法付けられて形成される。結果として、可撓性ワイヤ162は、マイナス電池端子124からPCB142上のマイナス端子180へと至るマイナス電気経路を形成する。更に、可撓性ワイヤ162は、可撓性ワイヤ162を使用者が一時的に変形させて再使用可能電池インジケータ140を必要に応じて電池セル110から取り外すことができるようにしつつ、可撓性ワイヤ162を
図5A及び
図5Bに示される取り付け位置へと付勢するバネ力をもたらすように形成されてもよい。
【0046】
第1の可撓性ワイヤ160の第1及び第2の脚部172,174と端部ループ176との間及び第2の可撓性ワイヤ162の第1及び第2の脚部184,186と端部ループ188との間の約90°の屈曲部(他の実施形態では、テーパ状のプラス端子と一致するように90°より大きくてもよい)は、再使用可能電池インジケータ140を電池セル110との電気的接続状態に維持する軸方向の力をもたらす。
【0047】
幾つかの実施形態では、第1の可撓性ワイヤ160とプラス端子126との間及び第2の可撓性ワイヤ162とマイナス端子124との間に更なる保持力をもたらすために、第1の可撓性ワイヤ160及び第2の可撓性ワイヤ162のうちの1つ以上が導電性磁石を含んでもよく、或いは、第1の可撓性ワイヤ160及び第2の可撓性ワイヤ162のうちの1つ以上が導電性の磁性材料から形成されてもよい。
【0048】
他の実施形態において、第1の可撓性ワイヤ160及び第2の可撓性ワイヤ162のうちの1つ以上は、インピーダンスを測定するために、別個の電力端子及び検知端子を含むケルビン接続部として形成されてもよい。更に、別の実施形態において、第1の可撓性ワイヤ160及び第2の可撓性ワイヤ162は、単一の連続ワイヤとして形成される必要はなく、複数のワイヤ片、例えば端部ループにおいて僅かな距離だけ離間される2つのワイヤ片として形成されてもよい。
【0049】
ここで
図6A及び
図6Bを参照すると、機械的なロック・キーアセンブリ290を含む再使用可能電池インジケータ240の第3の実施形態が示される。別段に述べられなければ、任意の例示された実施形態からの任意の要素は、任意の他の例示された実施形態に組み込まれてもよい。
【0050】
先の実施形態と同様に、
図6A及び
図6Bの再使用可能電池インジケータ240は、PCB242、第1のコネクタ(
図6A及び
図6Bには図示せず)、及び、第2のコネクタ246を含む。
図6A及び
図6Bの電池セル210は単3形電池として示されているが、この図は、再使用可能電池インジケータ240を図示の電池セル210に限定しようとするものではない。むしろ、再使用可能電池インジケータ240は、実質的に任意の電池セル、特に本明細書中の他の箇所に列挙される電池セルサイズに適合するように寸法付けられて形成されてもよい。
【0051】
図6A及び
図5Bに示される実施形態において、第1のコネクタ及び第2のコネクタ246は、可撓性ワイヤ262などの可撓性ワイヤを備える。可撓性ワイヤ262は、マイナス電池端子224を捕捉して電圧やアンペアなどの電気的特性をPCB242上に形成される集積回路に伝えるためのバネワイヤとして形成されてもよい。同様に、第1のコネクタを形成する可撓性ワイヤは、プラス端子を捕捉して電気的特性を集積回路に伝えるためのバネワイヤとして形成されてもよい。
【0052】
図6A及び
図6Bに示される実施形態において、可撓性ワイヤ262は、PCB242上のマイナス端子280に接続される第1の端部278と、同様にPCB242上のマイナス端子280に接続される第2の端部282とを含む。可撓性ワイヤ262は、第1の端部278から延びる第1の脚部284と、第2の端部282から延びる第2の脚部286とを含む。第1の脚部284及び第2の脚部286は、電池セル210の長手方向軸と略平行に向けられる。第1の脚部284及び第2の脚部286は端部ループ288で互いに接続される。端部ループ288は、電池セル210の長手方向軸に対して略垂直な平面内にある。端部ループ288は、マイナス電池端子224の周囲に嵌合するように寸法付けられて形成される。結果として、可撓性ワイヤ262は、マイナス電池端子224からPCB242上のマイナス端子280へと至るマイナス電気経路を形成する。第1のコネクタを形成する可撓性ワイヤは、類似の又は同一の特徴を含んでもよい。
【0053】
機械的なロック・キーアセンブリ290は、端部ループ288、マイナス端子224上の窪み292などのロック機能部、端部ループ288上の突起294などのキー機能部、及び、PCB242に形成される1つ以上のロックチャネル296を含む。
図6A及び
図6Bに示される実施形態では、ロック機能部が三角形状の窪み292であり、キー機能部が三角形状の突起294である。他の実施形態では、ロック機能部及びキー機能部が他の相補的な形状を有してもよい。更に他の実施形態では、雄-雌関係が逆にされてもよい。
【0054】
可撓性ワイヤ262の第1及び第2の端部278,282はロックチャネル296内で摺動可能である。
図6Aに示されるロック解除位置では、第1及び第2の端部278,282がマイナス端子280から離れて位置される。結果として、可撓性ワイヤ262はPCB242から離れるように延在される。より具体的には、端部ループ288は、電池セル210に対する再使用可能電池インジケータ240の取り付けを容易にするために、再使用可能電池インジケータ240の全長にわたって延在するPCB242から離れるように延在される。
【0055】
再使用可能電池インジケータ240が電池セル210上に位置されて、キー機能部294がロック機能部292と位置合わせされた時点で、端部ループ288がPCB242へ向けて押し付けられ、それにより、
図6Bに示されるように、キー機能部294がロック機能部292内に着座されるとともに、可撓性ワイヤ262の第1及び第2の端部278,282が移動してマイナス端子280と接触する。このように、機械的なロック・キーアセンブリ290は、可撓性ワイヤ262を介してPCBのマイナス端子280とマイナス電池端子224との間のマイナス電気回路を完成させつつ、再使用可能電池インジケータ240を一端で(すなわち、マイナス電池端子224で)電池セル210に機械的に固定する。機械的なロック・キーアセンブリ290は、再使用可能電池インジケータ240が誤った電池タイプ(すなわち、マイナス端子に機械的なロック機能部を欠く電池タイプ)で使用されるのを防ぐ。
【0056】
本明細書中では機械的なロック・キーアセンブリ290が再使用可能電池インジケータ240のマイナス側に位置されているように記載されるが、機械的なロック・キーアセンブリ290を再使用可能電池インジケータ240のプラス側に位置させることもでき、或いは、他の実施形態では、再使用可能電池インジケータ240のプラス側及びマイナス側の両方が機械的なロック・キーアセンブリ290を含むことができる。
【0057】
ここで
図7を参照すると、機械的なロック・キーアセンブリ290を含む第4の実施形態の再使用可能電池インジケータ240が示される。別段に述べられなければ、任意の例示された実施形態からの任意の要素は、任意の他の例示された実施形態に組み込まれてもよい。
図7の実施形態では、参照を容易にするために、同様の要素が
図6A及び
図6Bの実施形態と同じ参照番号を有し、2つの実施形態の間には僅かな違いしかない。
【0058】
先の実施形態と同様に、
図7の再使用可能電池インジケータ240は、PCB242、第1のコネクタ244、及び、第2のコネクタ246を含む。
図7の電池セル210は単3形電池として示されているが、この図は、再使用可能電池インジケータ240を図示の電池セル210に限定しようとするものではない。むしろ、再使用可能電池インジケータ240は、実質的に任意の電池セル、特に本明細書中の他の箇所に列挙される電池セルサイズに適合するように寸法付けられて形成されてもよい。
【0059】
図7に示される実施形態では、第1のコネクタ244及び第2のコネクタ246がそれぞれ可撓性ワイヤ260,262などの可撓性ワイヤを備える。可撓性ワイヤ260,262は、プラス電池端子226及びマイナス電池端子224をそれぞれ捕捉して電圧及びアンペアなどの電気的特性をPCB242上に形成される集積回路に伝えるバネワイヤとして形成されてもよい。
【0060】
図7に示される実施形態の更なる説明は、マイナス端子224及び第2のコネクタ246に向けられる。しかしながら、マイナス端子224及び第2のコネクタ246に関して説明した構造的特徴は、プラス端子226及び第1のコネクタ244にも同様に当てはまる。しかしながら、プラス端子226及び第1のコネクタ244に関するそのような構造的特徴の更なる説明は、簡潔にするために省かれる。
【0061】
可撓性ワイヤ262は、PCB242上のマイナス端子280に接続される第1の端部278を含む。可撓性ワイヤ262は、第1の端部278から延びる単一の脚部284を含む。単一の脚部284は、電池セル210の長手方向軸に対して略平行に向けられる。単一の脚部284は、第1の端部278の反対側に端部ループ288を形成する。端部ループ288は、電池セル210の長手方向軸に対して略垂直な平面内にある。端部ループ288は、マイナス電池端子224の凹部内に嵌合するように寸法付けられて形成される。結果として、可撓性ワイヤ262は、マイナス電池端子224からPCB242上のマイナス端子280へと至るマイナス電気経路を形成する。第1のコネクタを形成する可撓性ワイヤは、類似の又は同一の特徴を含んでもよい。
【0062】
機械的なロック・キーアセンブリ290は、キー機能部を形成する端部ループ288と、マイナス端子224上の凹部292などのロック機能部とを含む。
図7に示される実施形態では、ロック機能部が円形状の凹部292であり、キー機能部が円形状の端部ループ288である。他の実施形態では、ロック機能部及びキー機能部が他の相補的な形状を有してもよい。更に他の実施形態では、雄-雌関係が逆にされてもよい。
【0063】
再使用可能電池インジケータ240が電池セル210上に位置されて、端部ループ288が凹部292と位置合わせされた時点で、端部ループ288がPCB242へ向けて押し付けられ、それにより、端部ループ288が凹部292内に着座される。このように、機械的なロック・キーアセンブリ290は、他端で可撓性ワイヤ262を介してPCBのマイナス端子280とマイナス電池端子224との間のマイナス電気回路を完成させつつ、再使用可能電池インジケータ240を一端で(すなわち、マイナス電池端子224で)電池セル210に機械的に固定する。機械的なロック・キーアセンブリ290は、再使用可能電池インジケータ240が誤った電池タイプ(すなわち、マイナス端子に機械的なロック機能部を欠く電池タイプ)で使用されるのを防ぐ。
【0064】
本明細書中では機械的なロック・キーアセンブリ290が再使用可能電池インジケータ240のマイナス側に位置されているように記載されるが、機械的なロック・キーアセンブリ290を再使用可能電池インジケータ240のプラス側に位置させることもでき、或いは、他の実施形態では、再使用可能電池インジケータ240のプラス側及びマイナス側の両方が機械的なロック・キーアセンブリ290を含むことができる。
【0065】
本明細書中に記載される機械的なロック・キーアセンブリは、好適には、電池に設置されるときに再使用可能電池インジケータを安定させる。より具体的には、機械的なロック・キーアセンブリは、機器の使用中に再使用可能電池インジケータが移動するのを防ぎ、それにより、確実な電気的接触を維持するとともに、電池からの再使用可能電池インジケータの偶発的な外れを防ぐ。
【0066】
ここで
図8を参照すると、第5の実施形態の再使用可能電池インジケータ540が示されて2つの電池セル510間に位置される。
図8の実施形態では、再使用可能電池インジケータ540が単一の凹面のみを有するハウジング598を含む。
【0067】
図9は別のハウジング形状を示す。この実施形態において、ハウジング698は、2つの円筒状の電池セル610により形成される空隙内に嵌合するように配置され、これらの電池セル610は、並んで配置されるとともに、電池セル610のそれぞれの長手方向軸が互いに平行になるように向けられる。
図9に示される実施形態において、ハウジング698は、以下の方程式によって定義される断面形状を有する。
A
v=(D
B
2-Π/4xD
B
2)/2、ここで
A
vはハウジング698の断面積であり、
D
Bは、1つの電池セル610の直径である。
【0068】
先の方程式によって定義される断面形状を有するハウジングは、電池セル間の使用可能空間を最大にする。例えば、先に定義された断面形状を有するハウジングは、(ハウジングの長さが電池セルの長さに等しいと仮定して)所定の電池サイズに関して以下のハウジング容積をもたらす。単4電池の場合には、ハウジングが526mm3の容積を有し、単3電池の場合には、ハウジングが1140mm3の容積を有する。他の実施形態において、ハウジングは、他の断面形状(例えば、前述のように電池セル間の領域内に適合する長方形、台形、楕円形、半円形、及び、可変角柱)を有してもよい。
【0069】
ここで
図10を参照すると、コンピューティングデバイス800は、再使用可能電池インジケータ740内の通信回路に通信可能に接続される。コンピューティングデバイスは、再使用可能電池インジケータ740内のアンテナによって送信される無線信号を介して通信回路から情報を受信する。例えば、無線信号は、WiFi信号、ブルートゥース(登録商標)信号、RFID信号、又は、任意の他の無線信号のうちの1つ以上であってもよい。他の実施形態において、コンピューティングデバイス800及び再使用可能電池インジケータ740は、有線接続によって通信可能に接続されてもよい。
【0070】
コンピューティングデバイス800は、プロセッサ802及びメモリ804を含む。メモリ804は、プロセッサ802によって実行されると、プロセッサ802に再使用可能電池インジケータ740からの無線通信信号を検出させるプロセッサ実行可能命令を記憶してもよい。幾つかの実施形態において、メモリ804は、製品としてプロセッサ実行可能命令が組み込まれた非一時的コンピュータ可読媒体を備えてもよい。また、プロセッサ実行可能命令により、プロセッサ802は、再使用可能電池インジケータ740を介して電池回路を遠隔制御するために無線信号を再使用可能電池インジケータ740に送り返してもよい。このようにして、プロセッサ802により、再使用可能電池インジケータ740は、電池特性データを決定するとともに、電池特性データをコンピューティングデバイス800上のディスプレイ806などのユーザインタフェースに送信してもよい。
【0071】
幾つかの実施形態において、電池特性データは、電気容量、電圧、インピーダンス、温度、電流、劣化、充電/放電サイクル数、及び、クーロン数のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0072】
他の実施形態において、プロセッサ実行可能命令は、プロセッサ802によって実行されると、プロセッサ802に、再使用可能電池インジケータ740と通信することによって、電池タイプ、電池の物理的位置、及び、電池が給電している電気機器のうちの少なくとも1つを決定させる。
【0073】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されると理解されるべきではない。代わりに、別段に特定されなければ、そのような各寸法は、列挙された値とその値を囲む機能的に等価な範囲との両方を意味するように意図される。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味するように意図される。
【0074】
任意の相互参照又は関連する特許又は出願、及び、この出願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む本明細書中で引用される全ての文書は、明示的に排除され又は別段に制限されなければ、その全体が参照により本明細書中に組み入れられる。いかなる文書の引用も、それが本明細書中に開示又は請求された任意の発明に対する先行技術であること或いはそれが単独で又は任意の他の1つ以上の引用文献との組合せで任意のそのような発明を教示、示唆、又は、開示することの承認ではない。更に、この文書中の用語の任意の意味又は定義が参照により組み入れられる文書中の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する限りでは、この文書中のその用語に割り当てられた意味又は定義が支配するものとする。
【0075】
本発明の特定の実施形態を図示して説明してきたが、当業者であれば分かるように、本発明の思想及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行なうことができる。したがって、この発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で網羅することを意図している。