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  • 特許-車両用シート 図1
  • 特許-車両用シート 図2
  • 特許-車両用シート 図3
  • 特許-車両用シート 図4A
  • 特許-車両用シート 図4B
  • 特許-車両用シート 図5
  • 特許-車両用シート 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-04
(45)【発行日】2023-08-15
(54)【発明の名称】車両用シート
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/68 20060101AFI20230807BHJP
   B60N 2/16 20060101ALI20230807BHJP
   A47C 7/02 20060101ALI20230807BHJP
【FI】
B60N2/68
B60N2/16
A47C7/02 A
A47C7/02 D
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020002484
(22)【出願日】2020-01-09
(65)【公開番号】P2021109533
(43)【公開日】2021-08-02
【審査請求日】2022-07-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000133098
【氏名又は名称】株式会社タチエス
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】山元 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】丸川 一行
【審査官】齊藤 公志郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2001/0035673(US,A1)
【文献】特開2019-156389(JP,A)
【文献】特開2011-178367(JP,A)
【文献】特開2008-87558(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00-90
A47C 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートクッションとシートバックとヘッドレストと前記シートクッションを前後にスライドさせるスライド機構部とを備えた車両用シートであって、
前記シートクッションは左右のサイドフレームと前記左右のサイドフレームを前方で接続する接続プレートと前記左右のサイドフレームを後方で接続する接続パイプとを含むシートクッション側フレーム部を有し、
前記スライド機構部は左右一対の固定レールと前記左右一対の固定レールと組み合わされる左右一対の可動レールと、前記接続パイプと前記左右一対の可動レールとを連結する左右一対の板状のリンクプレートを前記左右一対の可動レールの側で支持する左右一対の取り付け部とを有し、
前記左右一対の板状のリンクプレートは、前記左右一対の取付け部に取り付けた状態で前記左右一対の板状のリンクプレートがそれぞれまっすぐに伸びた位置に対応して前記接続パイプに形成されたそれぞれ一対の突起部に挟まれて前記接続パイプに支持されており、
前記左右のサイドフレームは、前記左右一対の板状のリンクプレートの外側で前記接続パイプの端部のフレア状に広げられた部分と、前記接続パイプに形成された前記一対の突起部との間に平坦部を挟んで形成された突起部とに挟まれて前記接続パイプに固定されている
ことを特徴とする車両用シート。
【請求項2】
請求項1記載の車両用シートであって、前記接続パイプにおける前記左右一対の板状のリンクプレートを挟んで支持する前記接続パイプに形成された前記それぞれ一対の突起部は、バルジ加工により形成された突起部であることを特徴とする車両用シート。
【請求項3】
請求項1記載の車両用シートであって、前記左右一対の板状のリンクプレートは、前記接続パイプには固定され、前記左右一対の取り付け部には回動自在に支持されていることを特徴とする車両用シート。
【請求項4】
請求項1記載の車両用シートであって、前記左右一対の板状のリンクプレートには、夫々に前記接続パイプを挿入するための穴部が形成されており、前記穴部は、波打った輪郭の形状を有していることを特徴とする車両用シート。
【請求項5】
請求項4記載の車両用シートであって、前記接続パイプは、前記左右一対の板状のリンクプレートの前記穴部に挿入した部分において、前記穴部の前記波打った輪郭の形状に沿って変形していることを特徴とする車両用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用シートに関し、特に、組み立てが容易な構成を有するシートフレームを備えた車両用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
車両用シートのシートクッションは、着座する搭乗所の好みに合わせて高さを調整できる構成を有している。この高さを調整するための構成として、特許文献1には、リンク機構を用いた構成が開示されている。
【0003】
特許文献1においては、シートクッション側フレーム1の左側板1aと右側板1bとの間をクロスバー2で接続し、このクロスバー2の端部付近にバルジ加工を施し端部をフレア加工することにより、リンクを構成する後リンク3と右側板1bとを隣接して固定し、リンクプレート4と左側板1aとを隣接して固定する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】中国実用新案 第204488581号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では明記されていないが、クロスバー2の端部付近でバルジ加工を施して右または左の側板と隣接して固定された後リンク3とリンクプレート4の先端部分付近は、例えばクッションシートの前後方向への動きをガイドするガイドレールに設けられた取り付け部に回動自在に取り付けられている。
【0006】
このガイドレールに設けられた取り付け部の位置とクロスバー2の端部付近にバルジ加工を施した位置がクロスバー2の軸に対して直角な方向において同一面にある場合は、後リンク3とリンクプレート4とを平坦な板で形成することができる。しかし、同一面にない場合には後リンク3とリンクプレート4とを折り曲げて、それぞれの取り付け面に合わせるようにしなければならない。
【0007】
そのような状態を、図6を用いて説明する。図6の構成において、特許文献1のクロスバー2に相当する部品が接続パイプ624で、特許文献1のシートクッション側フレーム1の左側板1aと右側板1bとに相当する部品が左側板621と右側板622、特許文献1の後リンク3とリンクプレート4に相当する部品が左リンク626と右リンク627である。
【0008】
左リンク626は、接続パイプ624をバルジ加工して形成された突起部62411と62412とに挟まれて接続パイプ624に固定されている。バルジ加工して形成された突起部62412の外側(接続パイプ624の左側端部側)には左側板621が挿入され、接続パイプ624の左側の端部がフレア加工されて左側板621が接続パイプ624に固定されている。すなわち、突起部62412は、左リンク626の固定と左側板621の固定に兼用されている。
【0009】
右リンク627も同様に、接続パイプ624をバルジ加工して形成された突起部62421と62422とに挟まれて接続パイプ624に固定されている。さらに、バルジ加工して形成された突起部62422の外側(接続パイプ624の右側の端部側)には右側板622が挿入され、接続パイプ624の右側の端部がフレア加工されて右側板622が接続パイプ624に固定されている。すなわち、突起部62422は、右リンク627の固定と右側板622の固定に兼用されている。
【0010】
図6に示した構成において、644と645は、クッションシートの前後方向への動きをガイドする図示していないガイドレールに設けられた取り付け部であり、644は左側のガイドレールに設けられた取り付け部、645は右側のガイドレールに設けられた取り付け部である。左側の取り付け部644には、左リンク626が軸6441で回動自在に取り付けられており、右側の取り付け部645には、右リンク627が軸6451で回動自在に取り付けられている。
【0011】
図6に示したように、正面から見たときに、接続パイプ624に対して左リンク626と右リンク627とが取付けられる位置に対してガイドレールに設けられた取り付け部644と645に取り付ける位置がずれている場合、取り付ける位置のずれに応じて左リンク626と右リンク627とをそれぞれ6261,6271の個所で、取り付け面をそれぞれa1,a2折り曲げて、折り曲げた先の部分6262と6272との間隔bがガイドレールに設けられた取り付け部644と645との間隔と一致させなければならない。
【0012】
しかし、折り曲げ加工において高い曲げ加工精度を維持するのは難しく、折り曲げ加工寸法にばらつきが生じやすい。
【0013】
このような寸法のばらつきが生じている左リンク626と右リンク627とを用いて接続パイプ624とガイドレールに設けられた取り付け部644,645とを接続しようとすると、位置合わせが難しく、作業性が低下してしまい恐れがある。
【0014】
本発明は、上記した従来技術の課題を解決して、クッションシートの前後方向への動きをガイドするガイドレールに設けられた取り付け部の位置にかかわらず、左右のリンクを平坦な板で形成することを可能にして、作業性を低下させること無く接続パイプとガイドレールに設けられた取り付け部とを接続することを可能にするシートフレームを備えた車両用シートを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記した従来技術の課題を解決するために、本発明では、シートクッションとシートバックとヘッドレストとシートクッションを前後にスライドさせるスライド機構部とを備えた車両用シートにおいて、シートクッションは、左右のサイドフレームとこの左右のサイドフレームを前方で接続する接続プレートと左右のサイドフレームを後方で接続する接続パイプとを含むシートクッション側フレーム部を有し、スライド機構部は、左右一対の固定レールとこの左右一対の固定レールと組み合わされる左右一対の可動レールと、接続パイプと左右一対の可動レールとを連結する左右一対の板状のリンクプレートを左右一対の可動レールの側で支持する左右一対の取り付け部とを有し、左右一対の板状のリンクプレートは、左右一対の取付け部に取り付けた状態で左右一対の板状のリンクプレートがそれぞれまっすぐに伸びた位置に対応して接続パイプに形成されたそれぞれ一対の突起部に挟まれて前記接続パイプに支持されており、左右のサイドフレームは、左右一対の板状のリンクプレートの外側で接続パイプの端部のフレア状に広げられた部分と、接続パイプに形成された一対の突起部との間に平坦部を挟んで形成された突起部とに挟まれて接続パイプに固定されている構成とした。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、クッションシートの前後方向への動きをガイドするガイドレールに設けられた取り付け部の位置にかかわらず、接続パイプとガイドレールに設けられた取り付け部とを接続する左右のリンクプレートを平坦な板で形成することを可能にして、作業性を低下させること無く接続パイプとガイドレールに設けられた取り付け部とを接続することを可能にするシートフレームを備えた車両用シートを提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施例に係る車両用シートの外観を示す斜視図である。
図2】本発明の実施例に係る車両用シートのフレームの外観を示す斜視図である。
図3】本発明の実施例に係る車両用シートの接続パイプと左右のサイドフレーム及びリンクプレートとの接続状態を示す斜視図である。
図4A図3の丸で囲んだA部を拡大した状態を示す斜視図である。
図4B図3に示したリンクプレートの平面図である。
図5】本発明の実施例に係る車両用シートの接続パイプと左右のサイドフレーム及びリンクプレートとの接続状態を示す正面図である。
図6】従来技術の一例における車両用シートの接続パイプと左右のサイドフレーム及びリンクプレートとの接続状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、車両用シートに係り、特に、組み立て性が良いシートクッション側フレーム構造を有する車両用シートに関するものである。
【0020】
本発明においては、シートクッション側フレーム構造を構成する左右の側枠材であるサイドフレームと可動側ガイドレールとの組み立てにおいて、左右のサイドフレームと可動側ガイドレールに設けられた取り付け部とを接続するリンクプレートを平坦な形状とすることにより、従来技術と比べて左右のサイドフレームと可動側ガイドレールとの組み立て性を向上させたものである。
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。本実施の形態を説明するための全図において同一機能を有するものは同一の符号を付すようにし、その繰り返しの説明は原則として省略する。
【0022】
ただし、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。本発明の思想ないし趣旨から逸脱しない範囲で、その具体的構成を変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。
【実施例
【0023】
本実施例に係る車両用シート1の外観を図1に示す。
車両用シート1は、搭乗者が着座するシートクッション2と、着座した搭乗者の背を支持するシートバック3と、着座した搭乗者の頭部を支えるヘッドレスト4を備えて構成される。
【0024】
図2には、車両用シート1を構成する金属製のフレーム100の構成を示す。図1に示した車両用シート1は、この図2に示した金属性のフレーム100に、表面を表皮部材で覆ったウレタンなどで構成されるクッション材を装着したものである。
【0025】
図2に示した金属製のフレーム100は、シートクッション側フレーム20と、シートバック側フレーム30、スライドレール部40とを備えて構成されている。
【0026】
シートクッション側フレーム20は、着座した搭乗者から見たときに左側の左側サイドフレーム21と、着座した搭乗者から見たときに右側の右側サイドフレーム22、左側サイドフレーム21と右側サイドフレーム22とを前方で接続する接続プレート23、左側サイドフレーム21と右側サイドフレーム22とを後方で接続する接続パイプ24を備えている。
【0027】
シートバック側フレーム30は、左側バックサイドフレーム31と、右側バックサイドフレーム32、左側バックサイドフレーム31と右側バックサイドフレーム32とを上部で接続するアッパーパネル33、左側バックサイドフレーム31と右側バックサイドフレーム32とを下部で接続するローアーパネル34、シートクッション側フレーム20に対するシートバック側フレーム30の角度を調整するための角度調整部37、角度調整部37から延びて左側バックサイドフレーム31と右側バックサイドフレーム32との間を接続する接続パイプ38を備えている。
【0028】
スライドレール部40は、シートクッション側フレーム20を載せて前後にスライドするもので、図示していない車両の床面に固定される左右一対の固定レール41と、左右一対の固定レール41に沿って前後にスライドする左右一対のスライドレール42、左右一対のスライドレール42とシートクッション側フレーム20側の左側サイドフレーム21又は右側サイドフレーム22と前方で接続する左右一対の前側リンク機構部43、左右一対のスライドレール42とシートクッション側フレーム20側の左側サイドフレーム21と後方で接続する左側取り付け部44と、右側サイドフレーム22と後方で接続する右側取り付け部45、左右一対のスライドレール42を連結する連結パイプ46を備えている。
【0029】
シートクッション側フレーム20の接続パイプ24と左右一対のスライドレール42のうちの右側のスライドレールの右側取り付け部45とは、右側取り付け部45に固定された接続ピン451(図5参照、図2では、接続ピン451の先端部分452が見えている)に対して回動自在に支持されている右側リンクプレート27で接続されている。
【0030】
図3には、接続パイプ24にシートクッション側フレーム20側の左側サイドフレーム21と右側サイドフレーム22とを取付け、さらに、接続パイプ24の右側サイドフレーム22の側に右側リンクプレート27が取り付けられた状態を示している。接続パイプ24の左側サイドフレーム21の側にも左側リンクプレート26が取り付けられているが、図3の状態では、左側サイドフレーム21の陰になって、見えていない。
【0031】
図4Aに、図3において円で囲んだA部の詳細を示す。接続パイプ24は左側サイドフレーム21に形成した孔部211に挿入されている。接続パイプ24の端部2416がフレア状に拡げられていて、左側サイドフレーム21に形成した孔部211から接続パイプ24が抜けないようになっている。接続パイプ24と右側サイドフレーム22との関係も、同様で、接続パイプ24は右側サイドフレーム22に形成した孔部に挿入されて、右側サイドフレーム22に形成した、左側サイドフレーム21の孔部211と同様な孔部から接続パイプ24が抜けないようになっている。
【0032】
図4Bに、左側リンクプレート26の拡大した正面図を示す。左側リンクプレート26には、接続パイプ24と勘合する穴261と、左右一対のスライドレール42のうちの左側のスライドレールの左側取り付け部44に回動自在に支持される接続ピン441(図5参照)を通す穴262が形成されている。右側リンクプレート27にも、左側リンクプレート26の穴261と穴262とに対応する穴が形成されている。
【0033】
接続パイプ24と勘合する穴261は、接続パイプ24を左側リンクプレート26の穴261の内部に挿入した状態でバルジ加工したときに、膨張した接続パイプ24が左側リンクプレート26の穴261に固定されて、接続パイプ24の軸方向に接続パイプ24と左側リンクプレート26とが確実に一体化させるようにするために、左側リンクプレート26の穴261は、円形ではなく、穴261の輪郭が波打った形状になっている。
【0034】
図5に、本実施例に係る車両用シートの接続パイプ24と左側サイドフレーム21,右側サイドフレーム22及び左側リンクプレート26,右側リンクプレート27、左右一対の固定レール41の左側取り付け部44と右側取り付け部45の接続状態を示す。
【0035】
左側サイドフレーム21は、接続パイプ24の左側の端部付近にバルジ加工により形成された突起部2414と接続パイプ24の左側の端部をフレア加工により広げた端部2416とに挟まれて固定されている。右側サイドフレーム22も同様に、接続パイプ24の右側の端部付近にバルジ加工により形成された突起部2424と接続パイプ24の右側の端部をフレア加工により広げた端部2426とに挟まれて固定されている。
【0036】
これに対して左側リンクプレート26は、接続パイプ24の端部付近にバルジ加工により形成された突起部2414よりも内側に、突起部2414との間に平坦部2415を挟んでバルジ加工により形成された突起部2412と2411とに挟まれた状態で接続パイプ24に固定されている。
【0037】
この状態で、図4Bで説明した左側リンクプレート26に形成された穴261は、接続パイプ24に形成された突起部2412と2411との間の部分2413で接続パイプ24と接触しているが、突起部2412と2411とを形成するときにその間の部分2413が左側リンクプレート26に形成された穴261の内面に押し当てられて膨張するために、間の部分2413は、図4Bに示したような左側リンクプレート26の穴261の凹凸形状に倣って変形する。これにより接続パイプ24の突起部2412と2411との間の部分2413は、左側リンクプレート26に形成された穴261の凹凸形状とかみ合った状態になり、接続パイプ24の軸周りの方向に対して接続パイプ24と左側リンクプレート26とが一体化した状態になる。
【0038】
右側リンクプレート27も左側リンクプレート26と同様に、接続パイプ24の突起部2422と2421との間の部分2423で右側リンクプレート27に形成された穴の凹凸形状とかみ合った状態になり、接続パイプ24の軸周りの方向に対して接続パイプ24と右側リンクプレート27とが一体化した状態になる。
【0039】
ここで、左側リンクプレート26を固定する突起部2412と2411とを形成する位置を、左側リンクプレート26の内側の側面(左側サイドフレーム21と反対側の面)が左右一対のスライドレール42のうちの左側のスライドレールの左側取り付け部44の側面からまっすぐに伸びた位置に合わせるようにして形成することにより、突起部2412と2411との間に挟んで接続パイプ24に固定した左側リンクプレート26を、折り曲げることなく平板の状態で左右一対のスライドレール42のうちの左側のスライドレールの左側取り付け部44に接続ピン441で回動自在に取り付けることができる。
【0040】
同様に、右側リンクプレート27を固定する突起部2422と2421とを形成する位置を、右側リンクプレート27の内側の側面(右側サイドフレーム22と反対側の面)が左右一対のスライドレール42のうちの右側のスライドレールの右側取り付け部45の側面からまっすぐに伸びた位置に合わせるようにして形成することにより、突起部2422と2421との間に挟んで接続パイプ24に固定した右側リンクプレート27を、折り曲げることなく平板の状態で左右一対のスライドレール42のうちの左側のスライドレールの右側取り付け部45に接続ピン451で回動自在に取り付けることができる。
【0041】
接続ピン441は、先端部分442の付近がスリーブ443で左側取り付け部44に固定されており、接続ピン451は、先端部分452の付近がスリーブ453で右側取り付け部45に固定されている。
【0042】
ここで、突起部2412と2411とは、治具を用いてバルジ加工による形成されるので、比較的高い位置精度で接続パイプ24に形成することができる。同様に、突起部2422と2421とも比較的高い位置精度で接続パイプ24に形成することができる。
【0043】
従って、突起部2412と2411とを形成する位置を、この突起部2412と2411とで挟んで固定する左側リンクプレート26の内側の面が左右一対のスライドレール42のうちの左側のスライドレールの左側取り付け部44の側面と一致するように形成し、突起部2422と2421とを形成する位置を、この突起部2422と2421とで挟んで固定する右側リンクプレート27の内側の面が左右一対のスライドレール42のうちの右側のスライドレールの右側取り付け部45の側面と一致するように、それぞれ高い位置精度で形成することが可能になる。
【0044】
その結果、左側リンクプレート26と右側リンクプレート27との間隔Dを左側取り付け部44と右側取り付け部45との間隔に精度よく合わせることができ、突起部2412と2411とで挟んで固定した左側リンクプレート26の左側リンクプレート26への取付けと、突起部2422と2421とで挟んで固定した右側リンクプレート27の右側リンクプレート27への取付けとを容易に行うことができるようになる。
【0045】
本実施例によれば、左側リンクプレート26を接続パイプ24に固定するためにバルジ加工する位置と右側リンクプレート27接続パイプ24に固定するためにバルジ加工する位置に対して、左側サイドフレーム21を接続パイプ24に固定するためにバルジ加工する位置及び右側サイドフレーム22を接続パイプ24に固定するためにバルジ加工する位置に対して独立に形成するようにした。これにより、左側リンクプレート26及び右側リンクプレート27をそれぞれ接続パイプに固定するためのバルジ加工を施す位置を、左側取り付け部44及び右側取り付け部45の位置に合わせて形成することができる。
【0046】
これにより、左側サイドフレーム21と右側サイドフレーム22との間隔と左側リンクプレート26と右側リンクプレート27との間隔との違いに関係なく、左側リンクプレート26と右側リンクプレート27とを平板で形成することが可能になる。
【0047】
以上、本発明者によってなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0048】
1 車両用シート
2 シートクッション
3 シートバック
4 ヘッドレスト
20 シートクッション側フレーム
21 左側サイドフレーム
22 右側サイドフレーム
24 接続パイプ
26 左側リンクプレート
27 右側リンクプレート
40 スライドレール部
41 左右一対の固定レール
42 左右一対のスライドレール
44 左側取り付け部
45 右側取り付け部
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6