(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-04
(45)【発行日】2023-08-15
(54)【発明の名称】長尺材の位置探索方法
(51)【国際特許分類】
G01V 1/00 20060101AFI20230807BHJP
E04G 23/02 20060101ALI20230807BHJP
G01H 11/02 20060101ALI20230807BHJP
【FI】
G01V1/00 A
E04G23/02 H
G01H11/02 A
(21)【出願番号】P 2020020835
(22)【出願日】2020-02-10
【審査請求日】2022-06-01
(73)【特許権者】
【識別番号】504093467
【氏名又は名称】トヨタホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【氏名又は名称】山田 強
(74)【代理人】
【識別番号】100161230
【氏名又は名称】加藤 雅博
(72)【発明者】
【氏名】君付 政春
【審査官】野田 華代
(56)【参考文献】
【文献】実開平01-067593(JP,U)
【文献】特開昭59-135328(JP,A)
【文献】特開2019-078093(JP,A)
【文献】特開2007-162263(JP,A)
【文献】特開平09-203153(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01V 1/00-15/00;99/00
E04G 23/02
G01H 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
面材の裏面側にその面材を支持する複数の長尺材が所定の間隔で並べて設けられている建物に適用され、前記面材の表面側から前記長尺材の位置を
第1探索具
及び第2探索具を用いて探索する長尺材の位置探索方法であって、
前記面材には、その厚み方向において前記長尺材と重なる重なり部分と、前記長尺材と重ならない非重なり部分とが存在しており、
前記
第1探索具は、予め求められた前記重なり部分の固有振動数と同じ振動数の振動が加えられると共振する
第1振動体を有しており、
前記第2探索具は、予め求められた前記非重なり部分の固有振動数と同じ振動数の振動が加えられると共振する第2振動体を有しており、
前記
第1探索具
と前記第2探索具とを前記各長尺材の並ぶ並び方向における同じ位置で前記面材の表面に接触させた状態で配置する配置工程と、
前記配置工程による前記
各探索具の配置状態で、前記面材に衝撃を加えることで当該面材に振動を生じさせる振動発生工程と、
前記振動発生工程により前記面材に生じた振動により前記面材に配置された前記
各探索具の前記
第1振動体
及び前記第2振動体が共振するか否かを確認する確認工程とを備え、
前記確認工程により前記
第1振動体の共振が確認され
かつ前記第2振動体の共振が確認されなかった場合に、前記面材における前記
各探索具の位置に基づき前記長尺材の位置を探索することを特徴とする長尺材の位置探索方法。
【請求項2】
前記
各探索具は、支持部と、その支持部に片持ち支持され
た振動板とを有し、
前記第1探索具の前記振動板が前記第1振動体に相当し、
前記第2探索具の前記振動板が前記第2振動体に相当し、
前記配置工程では、
前記第1探索具の前記支持部を前記面材の表面に接触させた状態で前記
第1探索具を配置
し、前記第2探索具の前記支持部を前記面材の表面に接触させた状態で前記第2探索具を配置することを特徴とする請求項
1に記載の長尺材の位置探索方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、面材の裏面側にその面材を支持する長尺材が並べて設けられている建物に適用され、面材の表面側から長尺材の位置を探索具を用いて探索する長尺材の位置探索方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
住宅等の建物には、床面材や天井面材、壁面材等の各種面材が設けられている。面材の裏面側には、その面材を支持する下地材が設けられている。下地材は所定の間隔で並べられた複数の長尺材を有している。
【0003】
建物では、リフォーム等により、面材に孔あけ加工等の加工を施すことがある。この場合、面材の加工は、面材の裏面側に配置された長尺材を回避した位置で行う必要がある。そのため、面材を加工する際には、予め長尺材が配置されている配置位置を確認しておく必要がある。
【0004】
長尺材は面材の裏面側に設けられているため、長尺材の位置を確認するには面材を取り外して確認する必要がある。ただ、面材を取り外す作業には多大な労力を要する。そこで、特許文献1には、電磁誘導方式の探査装置を用いて、面材の表面側から面材の裏面に配置された長尺の金属製ブレースを探査する方法が提案されている。この特許文献1の方法によれば、面材を取り外すことなく、長尺材の位置を確認することができるため、長尺材の位置の確認を比較的容易に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1の方法は、電磁誘導を利用したものであるため、探索対象である長尺材が磁気に反応する金属製のものでないと探索することができない。また、長尺材の周囲に磁気に反応する金属製の部材が存在する場合には、その部材を誤って長尺材と探索してしまうおそれがあり、その場合、長尺材の位置を探索することができない。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、面材の裏面側に並べられた長尺材の位置を好適に探索することができる長尺材の位置探索方法を提供することを主たる目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決すべく、第1の発明の長尺材の位置探索方法は、面材の裏面側にその面材を支持する複数の長尺材が所定の間隔で並べて設けられている建物に適用され、前記面材の表面側から前記長尺材の位置を探索具を用いて探索する長尺材の位置探索方法であって、前記面材には、その厚み方向において前記長尺材と重なる重なり部分と、前記長尺材と重ならない非重なり部分とが存在しており、前記探索具は、予め求められた前記重なり部分の固有振動数と同じ振動数の振動が加えられると共振する振動体を有しており、前記探索具を前記面材の表面に接触させた状態で配置する配置工程と、前記配置工程による前記探索具の配置状態で、前記面材に衝撃を加えることで当該面材に振動を生じさせる振動発生工程と、前記振動発生工程により前記面材に生じた振動により前記面材に配置された前記探索具の前記振動体が共振するか否かを確認する確認工程とを備え、前記確認工程により前記振動体の共振が確認された場合に、前記面材における前記探索具の位置に基づき前記長尺材の位置を探索することを特徴とする。
【0009】
面材の裏面側に複数の長尺材が並設されている構成では、面材において長尺材と重なる重なり部分と長尺材と重ならない非重なり部分とが存在する。かかる構成では、面材に振動が生じた際、重なり部分では長尺材と重なっている関係で非重なり部分よりも固有振動数が高くなると考えられる。
【0010】
また、面材と複数の長尺材とを有するパネルが予め規格化されたものである場合等には、そのパネルにおいて面材の重なり部分及び非重なり部分の固有振動数が明確となる。このため、かかる場合には、規格されたパネルを工場等で用意すれば、そのパネルを用いて振動試験等を行うことで予め重なり部分及び非重なり部分の固有振動数を求めておくことができる。
【0011】
そこで、第1の発明では、このような点に鑑み、探索対象の建物における面材の重なり部分の固有振動数を予め求めておき、そして、その求めた重なり部分の固有振動数と同じ振動数の振動が加えられると共振する振動体を有する探索具を用いて長尺材の位置を探索することとしている。
【0012】
探索具を用いて長尺材の位置を探索するに際してはまず、探索具を面材の表面に接触させた状態で配置し、その配置状態で面材に衝撃を加えることで面材に振動を生じさせる。この場合、面材に生じた振動により、面材に配置された探索具の振動体が振動する。ここで、探索具が面材において重なり部分に配置されている場合には、重なり部分の固有振動数で振動体に振動が加えられるため振動体が共振することになる。それに対し、探索具が面材において非重なり部分に配置されている場合には、非重なり部分の固有振動数で振動体に振動が加えられるため振動体が共振しないことになる。
【0013】
そこで、面材に振動を生じさせた後、面材に生じた振動により振動体が共振するか否かを確認するようにしている。この場合、この確認により、振動体の共振が確認された場合には、探索具が面材において重なり部分に配置されていることになる。そのため、この場合には、面材における探索具の位置が長尺材の位置と長尺材の並び方向において同じ位置になっていることになる。そのため、この場合、面材における探索具の位置に基づき、長尺材の位置を探索(特定)することが可能となる。
【0014】
上記の位置探索方法によれば、長尺材の材質にかかわらず長尺材の位置を探索することができる。したがって、長尺材が金属製でなくても長尺材の位置を探索することができる。また、長尺材の周囲に存在する部材の材質にかかわらず長尺材の位置を探索することができる。したがって、長尺材の周囲に金属製の部材が存在していても長尺材の位置を探索することができる。よって、以上より、面材の表面側から長尺材の位置を好適に探索することができる。
【0015】
第2の発明の長尺材の位置探索方法は、第1の発明において、前記探索具は、前記振動体としての第1振動体を有する第1探索具であり、その第1探索具と第2探索具とを用いて前記長尺材の位置を探索する長尺材の位置探索方法であって、前記第2探索具は、予め求められた前記非重なり部分の固有振動数と同じ振動数の振動が加えられると共振する第2振動体を有し、前記配置工程では、前記第1探索具と前記第2探索具とを前記各長尺材の並ぶ並び方向における同じ位置で前記面材の表面に接触させた状態で配置し、前記振動発生工程では、前記配置工程による前記各探索具の配置状態で、前記面材に振動を生じさせ、前記確認工程では、前記面材に生じた振動により前記面材に配置された前記各探索具の前記第1振動体及び前記第2振動体が共振するか否かを確認し、前記確認工程により前記第1振動体の共振が確認されかつ前記第2振動体の共振が確認されなかった場合に、前記面材における前記各探索具の位置に基づき、前記長尺材の位置を探索することを特徴とする。
【0016】
第2の発明では、探索具として、第1探索具に加え、第2探索具を用いることとしている。第2探索具は、予め求められた非重なり部分の固有振動数と同じ振動数で振動が加えられると共振する第2振動体を有して構成されている。第1探索具及び第2探索具を用いて長尺材の位置を探索する際には、それら各探索具を長尺材の並び方向における同じ位置で面材の表面に接触させた状態で配置し、その配置状態で面材に衝撃を加え面材に振動を生じさせる。この場合、面材に生じた振動により、面材に配置された各探索具の振動体がそれぞれ振動することになる。ここで、各探索具が面材において重なり部分に配置されている場合には、第1探索具の第1振動体が共振する一方、第2探索具の第2振動体は共振しないことになる。また、各探索具が面材において非重なり部分に配置されている場合には、第2探索具の第2振動体が共振する一方、第1探索具の第1振動体は共振しないことになる。
【0017】
そこで、面材に振動を生じさせた後、その振動により第1振動体及び第2振動体がそれぞれ共振するか否かを確認するようにしている。この確認によって、第1振動体が共振しかつ第2振動体が共振しなかった場合には、各探索具が面材において重なり部分に配置されていることになる。この場合、面材における各探索具の位置に基づいて、長尺材の位置を探索することが可能となる。かかる位置探索方法では、固有振動数の異なる2種類の振動体を利用して長尺材の位置の探索が行われるため、長尺材の位置をより確実に探索(特定)することが可能となる。
【0018】
第3の発明の長尺材の位置探索方法は、第1又は第2の発明において、前記探索具は、支持部と、その支持部に片持ち支持された前記振動体としての振動板とを有し、前記配置工程では、前記支持部を前記面材の表面に接触させた状態で前記探索具を配置することを特徴とする。
【0019】
第3の発明によれば、探索具が支持部と支持部に片持ち支持された振動板とを有して構成されている。この場合、支持部から張り出す振動板の張出寸法は振動板の固有振動数に依存する。そのため、その張出寸法を調整することで振動板の固有振動数を重なり部分の固有振動数と同じ振動数に設定することが可能となる。これにより、探索具を比較的容易に得ることができる。
【0020】
第4の発明の長尺材の位置探索方法は、面材の裏面側にその面材を支持する複数の長尺材が所定の間隔で並べて設けられている建物に適用され、前記面材の表面側から前記長尺材の位置を一対の探索具を用いて探索する長尺材の位置探索方法であって、前記各探索具は、所定方向に並べられ固有振動数が互いに相違する複数の振動体を有しており、前記各探索具を、各々の前記各振動体が前記長尺材の長手方向に並ぶ向きで、前記面材の表面に接触させた状態で配置する配置工程を備え、前記配置工程では、前記各長尺材の並ぶ並び方向において前記面材における前記各探索具の間隔が前記所定の間隔よりも小さい間隔となるように、前記各探索具を配置し、前記配置工程による前記各探索具の配置状態で、前記面材に衝撃を加えることで当該面材に振動を生じさせる振動発生工程と、前記振動発生工程により前記面材に生じた振動により前記面材に配置された前記各探索具において前記各振動体のうちいずれが共振するかその共振する振動体を共振振動体として特定するとともに、特定した前記各探索具の前記共振振動体が互いに異なる固有振動数を有するものであるか否かを確認する確認工程とを備え、前記確認工程により前記各探索具の前記共振振動体が異なる固有振動数を有するものであると確認された場合に、前記各共振振動体のうち固有振動数が高い側の共振振動体を有する前記探索具の前記面材における位置に基づき前記長尺材の位置を探索することを特徴とする。
【0021】
面材の裏面側に複数の長尺材が並設されている構成では、面材における重なり部分(及び非重なり部分)の固有振動数が不明である場合が想定される。その場合、重なり部分の固有振動数で共振する振動体を利用して長尺材の位置を探索する第1の発明の位置探索方法では、かかる振動体を有する探索具を構成することができないため、その結果、長尺材の位置を探索することができないことになる。そこで、第4の発明では、重なり部分の固有振動数が不明な場合でも長尺材の位置を探索できるよう、第1の発明とは異なる探索具を用いて長尺材の位置を探索するようにしている。
【0022】
第4の発明では、探索具として、一対の探索具を用いることとしている。これら各探索具は、固有振動数が互いに相違する複数の振動体を有して構成されている。この場合、各探索具において、振動体として、重なり部分の固有振動数と同じ固有振動数を有する振動体(換言すると重なり部分の固有振動数で共振する振動体)と、非重なり部分の固有振動数と同じ固有振動数を有する振動体(換言すると非重なり部分の固有振動数で共振する振動体)とをそれぞれ含めるようにすることが可能となる。
【0023】
上述した各探索具を用いて長尺材の位置を探索するに際してはまず、各探索具を各々の各振動体が長尺材の長手方向に並ぶ向きで、面材の表面に接触させた状態で配置する。また、この配置に際しては、長尺材の並び方向において、面材における各探索具の間隔が長尺材の間隔(所定の間隔)よりも小さい間隔となるように、各探索具を配置する。このように各探索具を面材に配置する場合、各探索具がいずれも面材において非重なり部分に配置されるか、又は、各探索具のうち一方が面材において重なり部分に配置され他方が非重なり部分に配置されることになる。以下、各探索具が前者のように配置されるパターンを第1の配置パターンといい、後者のように配置されるパターンを第2の配置パターンという。
【0024】
各探索具を面材に配置した後、その配置状態で面材に衝撃を加え面材に振動を生じさせる。これにより、面材に生じた振動により、面材に配置された各探索具の各々の振動体が振動する。ここで、各探索具が第1の配置パターンで面材に配置されている場合、つまり各探索具がいずれも非重なり部分に配置されている場合には、各探索具において非重なり部分の固有振動数と同じ固有振動数を有する振動体が共振することになる。そのため、この場合には、各探索具において同じ固有振動数を有する振動体が共振することになる。
【0025】
その一方で、各探索具が第2の配置パターンで面材に配置されている場合、つまり各探索具のうち一方が重なり部分に配置され他方が非重なり部分に配置されている場合には、各探索具のうち一方の探索具では重なり部分の固有振動数と同じ固有振動数を有する振動体が共振し、他方の探索具では非重なり部分の固有振動数と同じ固有振動数を有する振動体が共振することになる。そのため、この場合には、各探索具において異なる固有振動数を有する振動体が共振することになる。
【0026】
そこで、上記の点に鑑み、面材に振動を生じさせた後、その振動によって面材に配置された各探索具における複数の振動体のうち共振する共振振動体を特定し、特定した各探索具の共振振動体が互いに異なる固有振動数を有するものであるか否かを確認することとしている。この確認によって、各探索具の共振振動体が異なる固有振動数を有するものである場合には、各探索具が面材において第2の配置パターンで配置されていると把握することができる。つまり、この場合、各探索具のうちいずれか一方が面材において重なり部分に配置されていると把握することができる。
【0027】
ここで、面材において重なり部分の固有振動数は非重なり部分の固有振動数よりも高くなっている。そのため、各探索具が第2の配置パターンで配置されている場合、各探索具において共振する共振振動体のうち、固有振動数が高い側の共振振動体を有する探索具(以下、固有振動数が高い側の探索具という)が面材において重なり部分に配置され、固有振動数が低い側の共振振動体を有する探索具が面材において非重なり部分に配置されていることになる。したがって、この場合、面材における固有振動数が高い側の探索具の位置が長尺材の位置と長尺材の並び方向において同じ位置となる。そのため、この場合、当該探索具の位置に基づき、長尺材の位置を探索することが可能となる。
【0028】
上記の位置探索方法によれば、第1の発明の位置探索方法と同様、長尺材の材質にかかわらず、また長尺材の周囲に存在する部材の材質にかかわらず、長尺材の位置を探索することができる。そのため、面材の表面側から長尺材の位置を好適に探索することができる。また、上記の位置探索方法では、重なり部分及び非重なり部分の固有振動数が不明であっても、長尺材の位置を好適に探索することが可能となる。
【0029】
第5の発明の長尺材の位置探索方法は、第4の発明において、前記各探索具は、前記所定方向に延びている長尺状の支持体を有しているとともに、その支持体に片持ち支持された複数の振動板をそれぞれ前記振動体として有しており、前記配置工程では、前記各探索具を前記面材に配置する際、前記各探索具の前記支持体が前記長尺材の長手方向に延びる向きでそれら各支持体を前記面材の表面に接触させた状態で配置するとともに、前記各長尺材の前記並び方向において前記各探索具の前記支持体の間隔が前記所定の間隔とは異なる間隔となるように配置し、前記各探索具において、前記各振動板は前記支持体から張り出す張出寸法が互いに相違しており、その相違によって前記各振動板の固有振動数が互いに相違していることを特徴とする。
【0030】
第5の発明によれば、各探索具が、長尺状の支持体と、その支持体に片持ち支持された複数の振動板とを有して構成されている。各探索具が面材に配置される際には、各探索具の支持体が長尺材の長手方向に延びる向きで、それら各支持体が面材に接触された状態で配置される。また、各振動板は支持体に片持ち支持され、支持体からの張出寸法が互いに相違している。そして、その張出寸法の相違により、各振動板の固有振動数が互いに相違している。この場合、各振動板の張出寸法を調整することで、固有振動数の相違する各振動板を得ることができる。このため、第4の発明の探索具を比較的容易に得ることができる。
【0031】
また、各探索具において共振する振動板(共振振動体)が互いに異なる固有振動数を有するものであるか否かを確認する際には、共振振動体の張出寸法を比較することにより確認することができる。そのため、かかる確認をし易くすることができる利点も得られる。
【0032】
第6の発明の長尺材の位置探索方法は、第4又は第5の発明において、前記各探索具において、前記各振動体は前記所定方向における一方側のものから他方側のものに向かって順に固有振動数が高くなるよう並べられており、前記配置工程では、前記各探索具を前記面材に配置する際、前記各探索具において、前記長尺材の長手方向における一方側から他方側へ向けた前記各振動体の並び順が同じとなるよう配置することを特徴とする。
【0033】
第6の発明によれば、各探索具において、各々の各振動体が固有振動数の高さ順に並べられている。そして、各探索具が面材に配置される際には、各探索具において、長尺材の長手方向の一方側から他方側へ向けた各振動体の並び順が同じとなるように配置される。この場合、各探索具において、上記長手方向の一方側から他方側へ向けた各振動体の固有振動数の高さ順が同じとされるため、各探索具の共振振動体が互いに異なる固有振動数を有するものであるか否かを確認する際、その確認をし易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】ユニット式建物を構成する建物ユニットの構成を示す斜視図。
【
図3】第1の実施形態における各探索具の構成を示す斜視図。
【
図6】第2の実施形態における探索具の構成を示す斜視図。
【
図8】他の実施形態における探索具の構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0035】
〔第1の実施形態〕
以下に、本発明を具体化した一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、ユニット式の建物の床部において、床面材の裏面側に横並びで配置された床小梁の位置を探索する床小梁の位置探索方法として本発明を具体化している。以下においては、まず、ユニット式建物の床部の構成について
図1及び
図2に基づいて説明する。
図1は、ユニット式建物を構成する建物ユニットの構成を示す斜視図であり、
図2は建物ユニットの床部の構成を示す縦断面図である。また、図示は省略するが、ユニット式建物は、直方体状をなす複数の建物ユニットが互いに組み合わされることにより構成されている。
【0036】
図1に示すように、建物ユニット20は、その四隅に配設される4本の柱21と、各柱21の上端部及び下端部をそれぞれ連結する各4本の天井大梁22及び床大梁23とを備えている。建物ユニット20では、それら柱21、天井大梁22及び床大梁23により直方体状の骨格(フレーム)が形成されている。柱21は四角筒状の角形鋼よりなる。天井大梁22及び床大梁23は断面コ字状の溝形鋼よりなり、その開口部が向き合うようにして設置されている。
【0037】
互いに対向する長辺側の天井大梁22の間には所定の間隔(詳しくは等間隔)で複数の天井小梁25が架け渡されている。また、互いに対向する長辺側の床大梁23の間には、所定の間隔(詳しくは等間隔)で複数の床小梁26が架け渡されている。例えば、天井小梁25はリップ溝形鋼よりなり、床小梁26は角形鋼よりなる。天井小梁25によって天井面材27が上方から支持され、床小梁26によって床面材28が下方から支持されている。
【0038】
続いて、建物ユニット20の床部の構成について説明する。
【0039】
図2に示すように、建物ユニット20の床部においては、複数の床小梁26が互いに平行に横並びで配置されている。これら各床小梁26はいずれも上面が同じ高さ位置に設定されている。各床小梁26の上面には床面材28が設けられている。床面材28は、各床小梁26の上面に載置された状態で設けられている。床面材28は、パーティクルボードを有して構成され、床小梁26にビス等で固定されている。なお、床小梁26が長尺材に相当し、床面材28が面材に相当する。また、床面材28と各床小梁26とを有して床パネルが構成されている。
【0040】
床面材28の下面側(裏面側)には、床下断熱材29が設けられている。床下断熱材29は、グラスウール等の繊維系断熱材又はウレタンフォーム等の発泡系断熱材を有して構成され、そのいずれの断熱材の表面にはアルミシートからなる表皮材29aが貼り付けられている。床下断熱材29は、所定の厚みを有する板状に形成され、隣り合う床小梁26の間にそれぞれ配置されている。
【0041】
床面材28には、その厚み方向において床小梁26と重なる重なり部分28aと床小梁26と重ならない非重なり部分28bとが含まれている。重なり部分28aと非重なり部分28bとは、各床小梁26の並ぶ梁並び方向において交互に存在している。床面材28は、各重なり部分28aにおいてそれぞれ床小梁26に固定されている。
【0042】
ここで、床面材28では、衝撃が加えられる等して振動が生じた際、重なり部分28aと非重なり部分28bとで互いに異なる振動数(固有振動数)で振動が生じることが考えられる。具体的には、重なり部分28aでは床小梁26と重なっている関係で、非重なり部分28bよりも剛性が高くなっていると考えられ、そのため、重なり部分28aでは非重なり部分28bよりも高い振動数(固有振動数)で振動が生じると考えられる。つまり、重なり部分28aでは非重なり部分28bよりも振動時の固有振動数が高くなっていると考えられる。
【0043】
そこで、本実施形態では、このような重なり部分28aと非重なり部分28bとの間の固有振動数の相違に着目し、振動体を有してなる探索具を用いて床小梁26の位置を探索することとしている。そこで、以下では、かかる探索具を用いた床小梁26の位置探索方法について説明を行う。本実施形態では、探索具として2種類の探索具30,40を用いることとしており、以下ではまず、それら各探索具30,40の構成について
図3に基づき説明する。なお、
図3は各探索具30,40の構成を示す斜視図である。また、各探索具30,40は基本的に同様の構成を有しており、そのため、以下では、各探索具30,40の構成をまとめて説明する。
【0044】
図3に示すように、各探索具30,40は、支持部31,41と、その支持部31,41に片持ち支持された振動板32,42とを有している。支持部31,41は鋼製の角材により直方体状に形成され、本実施形態では各支持部31,41が同じ構成(大きさ及び形状)を有している。なお、支持部31,41は、木製や樹脂製等、他の材料により形成されていてもよい。
【0045】
振動板32,42は、厚みの小さい平板状の鋼板からなり、帯板状に形成されている。振動板32,42は、長手方向の一端部が支持部31,41にビス33,43により固定されている。振動板32,42は、その長手方向が支持部31,41の長手方向と直交する向きで支持部31,41に固定されている。なお、振動板32,42は、支持部31,41に対する固定強度を高めるため、ビス33,43に加え両面テープ又は接着剤を併用して支持部31,41に固定してもよい。
【0046】
振動板32,42は、長手方向の他端側が支持部31,41から張り出した状態で設けられている。この場合、振動板32,42は、支持部31,41に対して片持ち状態で設けられ、それにより、支持部31,41から張り出した他端側(自由端側)が厚み方向に振動可能(揺動可能)となっている。
【0047】
各振動板32,42は、その幅(詳しくは短手方向の長さ)が同じとなっている一方で、その長さ(詳しくは長手方向の長さ)が互いに相違している。振動板32の長さは振動板42の長さよりも短くなっており、それにより、振動板32における支持部31からの張出寸法H1が振動板42における支持部41からの張出寸法H2よりも短くなっている(H1<H2)。
【0048】
振動板32の張出寸法H1が振動板42の張出寸法H2よりも短くなっていることで、振動板32の固有振動数E1は振動板42の固有振動数E2よりも高くなっている(E1>E2)。詳しくは、振動板32の固有振動数E1は床面材28の重なり部分28aの固有振動数Eaと同じ値に設定され、振動板42の固有振動数E2は床面材28の非重なり部分28bの固有振動数Ebと同じ値に設定されている。
【0049】
ここで、本建物では、床面材28と各床小梁26とを有してなる床パネルが、予め一定サイズで規格化されたものとなっている。このような規格化された床パネルでは、重なり部分28aの固有振動数と非重なり部分28bの固有振動数とが明確となる。そこで、本実施形態では、この規格化された床パネルを工場において用意し、その床パネルで振動試験を行うことで、重なり部分28aの固有振動数Eaと非重なり部分28bの固有振動数Ebとを予め求めるようにしている。そして、そのように求めた重なり部分28aの固有振動数Eaと振動板32の固有振動数E1とが同じとなるように振動板32の張出寸法H1を調整して探索具30を構成している。また、これと同様に、求めた非重なり部分28bの固有振動数Ebと振動板42の固有振動数E2とが同じとなるように振動板42の張出寸法H2を調整して探索具40を構成している。
【0050】
なお、床パネルの振動試験により重なり部及び非重なり部の固有振動数を求めるにあたっては、例えば床面材の振動加速度を重なり部及び非重なり部のそれぞれにて加速度計により計測し、それら計測した振動加速度を周波数スペクトル分析することで重なり部及び非重なり部の固有振動数を求めることが考えられる。
【0051】
また、本実施形態では、振動板32が第1振動体に相当し、振動板42が第2振動体に相当する。また、探索具30が第1探索具に相当し、探索具40が第2探索具に相当する。
【0052】
次に、上述した各探索具30,40を用いて床面材28の表面側(上面側)から床小梁26の位置を探索する床小梁26の位置探索方法について
図4及び
図5に基づき説明する。
図4及び
図5は床小梁26の位置探索方法を説明するための図である。なお、
図4では、各探索具30,40が床面材28において非重なり部分28bに配置された状態を示しており、
図5では、各探索具30,40が床面材28において重なり部分28aに配置された状態を示している。また、床小梁26の位置を探索するに際しては、各床小梁26の並ぶ梁並び方向があらかじめわかっているものとする。したがって、梁並び方向と直交する各床小梁26の長手方向についても予め分かっているものとする。
【0053】
各探索具30,40を用いて床小梁26の位置を探索するに際しては、まず
図4(a)又は
図5(a)に示すように、各探索具30,40を床面材28に配置する配置工程を行う。この配置工程では、各探索具30,40の支持部31,41を床面材28の表面(上面)に載置することで(換言すると接触させた状態で)、各探索具30,40を床面材28上に配置する。また、この配置の際、各探索具30,40の支持部31,41を梁並び方向における同じ位置で床面材28に載置する。これにより、各支持部31,41は床小梁26の長手方向に並んで配置される。
【0054】
また、配置工程では、各探索具30,40の支持部31,41をその長手方向が床小梁26の長手方向と同じ方向となるように床面材28上に載置する。この場合、各支持部31,41は、かかる載置状態において、その幅が床小梁26の幅よりも小さくなっている。また、配置工程によって、各探索具30,40の振動板32,42は床面材28から上方に離間して配置され、それにより上下に振動可能な状態とされる。
【0055】
なお、配置工程の際、各支持部31,41を床面材28の表面に両面テープを用いて仮固定するようにしてもよい。
【0056】
配置工程の後、床面材28に各探索具30,40を配置した状態で、床面材28に衝撃を加えることで床面材28に振動を生じさせる振動発生工程を行う(
図4(b)等を参照)。振動発生工程では、床面材28の表面側から床面材28に手や足により衝撃力Fを加えることで振動を生じさせる。なお、
図4(b)及び
図4(c)にはいずれも衝撃力Fが図示されているが、実際には、床面材28における所定箇所(1箇所)に対して衝撃を加えることとしている(
図5(b)及び
図5(c)も同様)。また、床面材28に衝撃を加えるに際しては、プラスチックハンマー等の道具類を用いて衝撃を加えるようにしてもよい。
【0057】
振動発生工程により床面材28に振動を生じさせると、床面材28において重なり部分28aでは固有振動数Eaで振動が生じ、非重なり部分28bでは固有振動数Ebで振動が生じる。また、床面材28に生じた振動により、床面材28に配置された各探索具30,40の振動板32,42がそれぞれ振動する。
【0058】
ここで、
図4(a)に示すように、各探索具30,40が床面材28にて非重なり部分28bに配置されている場合には、非重なり部分28bの固有振動数Ebで各振動板32,42に振動が加えられることになる。この場合、非重なり部分28bの固有振動数Ebと同じ固有振動数E2を有する振動板42は共振し(
図4(c)参照)、非重なり部分28bの固有振動数Ebと異なる固有振動数E1を有する振動板32は共振しないことになる(
図4(b)参照)。
【0059】
一方、
図5(a)に示すように、各探索具30,40が床面材28にて重なり部分28aに配置されている場合には、重なり部分28aの固有振動数Eaで各振動板32,42に振動が加えられることになる。この場合、重なり部分28aの固有振動数Eaと同じ固有振動数E1を有する振動板32は共振し(
図5(b)参照)、重なり部分28aの固有振動数Eaと異なる固有振動数E2を有する振動板42は共振しないことになる(
図5(c)参照)。
【0060】
そこで、振動発生工程の後、その振動発生工程により床面材28に生じた振動により、各探索具30,40の振動板32,42がそれぞれ共振するか否かを確認する確認工程を行う。この確認工程により、振動板42の共振が確認され、かつ振動板32の共振が確認されなかった場合には、
図4(a)~(c)に示すように、各探索具30,40が床面材28において非重なり部分28bに配置されていると把握することができる。一方、確認工程により、振動板32の共振が確認され、かつ振動板42の共振が確認されなかった場合には、
図5(a)~(c)に示すように、各探索具30,40が床面材28において重なり部分28aに配置されていると把握することができる。そのため、この場合には、床面材28における各探索具30,40の位置(詳しくは各支持部31,41の位置)が床小梁26の位置と梁並び方向において同じ位置になっていることがわかる。したがって、この場合、床面材28における各探索具30,40の位置に基づいて、床小梁26の位置を探索(特定)することができる。
【0061】
上述した配置工程、振動発生工程及び確認工程からなる一連の工程は、床面材28における各探索具30,40の位置が、確認工程により振動板32の共振が確認され、かつ振動板42の共振が確認されない位置となるまで、各探索具30,40の位置を梁並び方向に変えながら繰り返し行う。そして、床面材28における各探索具30,40の位置が、振動板32の共振が確認され振動板42の共振が確認されない位置となったら、各探索具30,40の当該位置に基づいて床小梁26の位置を探索(特定)する。なお、各探索具30,40の位置を梁並び方向に変える際には、例えば各探索具30,40を床面材28に配置したまま梁並び方向にスライドさせることで位置を変えるようにする。
【0062】
なお、上述した配置工程、振動発生工程及び確認工程はそれぞれ請求項1に記載の「配置工程」「振動発生工程」及び「確認工程」に相当する。
【0063】
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0064】
上述した床小梁26の位置探索方法では、床面材28に生じた振動により、床面材28に配置した探索具30の振動板32が共振するか否かを確認し、その確認の結果に基づき床小梁26の位置を探索するようにした。かかる位置探索方法によれば、床小梁26の材質にかかわらず床小梁26の位置を探索することができる。また、床小梁26の周囲に存在する部材の材質にかかわらず床小梁26の位置を探索することができる。したがって、床小梁26の周囲に、アルミシートよりなる表皮材29a付きの床下断熱材29が設けられた構成であっても、床小梁26の位置を探索することができる。よって、以上より、床面材28の表面側から床小梁26の位置を好適に探索することができる。
【0065】
探索具30,40として、重なり部分28aの固有振動数Eaで共振する振動板32を有する探索具30と、非重なり部分28bの固有振動数Ebで共振する振動板42を有する探索具40とを用いた。そして、床面材28に生じた振動により、床面材28に配置したこれら各探索具30,40の振動板32,42がそれぞれ共振するか否かを確認し、その確認の結果に基づき床小梁26の位置を探索するようにした。この場合、固有振動数の異なる2種類の振動板32,42を用いて床小梁26の位置の探索が行われるため、床小梁26の位置をより確実に探索(特定)することが可能となる。
【0066】
探索具30,40を、支持部31,41と支持部31,41に片持ち支持された振動板32,42とを有して構成した。かかる構成では、支持部31,41から張り出す振動板32,42の張出寸法が振動板32,42の固有振動数に依存する。そのため、振動板32の張出寸法を調整することで、振動板32の固有振動数E1を重なり部分28aの固有振動数Eaと同じ振動数に設定することが可能となる。また、振動板42の張出寸法を調整することで、振動板42の固有振動数E2を非重なり部分28bの固有振動数Ebと同じ振動数に設定することが可能となる。これにより、各探索具30,40を比較的容易に得ることができる。
【0067】
〔第2の実施形態〕
上記第1の実施形態では、床面材28における重なり部分28aの固有振動数Eaと非重なり部分28bの固有振動数Ebとを予め求めておき、その求めた重なり部分28aの固有振動数Eaで共振する振動板32を含む探索具30を構成するとともに、求めた非重なり部分28bの固有振動数Ebで共振する振動板42を含む探索具40を構成した。しかしながら、重なり部分28aの固有振動数Eaと非重なり部分28bの固有振動数Ebとを予め求めておくことができない場合も想定され、その場合、重なり部分28aの固有振動数Eaと非重なり部分28bの固有振動数Ebとが不明となる。そのため、この場合には、上記第1の実施形態における探索具30,40を用いた位置探索方法では床小梁26の位置を探索することができないことになる。
【0068】
そこで、本実施形態では、重なり部分28aの固有振動数Eaと非重なり部分28bの固有振動数Ebとが不明な場合でも、床小梁26の位置を探索することができるよう、上記第1の実施形態における探索具30,40とは異なる探索具50を用いて床小梁26の位置を探索するようにしている。そこで、以下では、かかる本実施形態における床小梁26の位置探索方法について説明する。
【0069】
まず、本実施形態における探索具50の構成について
図6に基づいて説明する。
図6は、本実施形態における探索具50の構成を示す斜視図である。なお、本実施形態では、探索具50として、一対の探索具50を用いることとしているが、これら各探索具50はいずれも同じ構成となっている。
【0070】
図6に示すように、各探索具50は、支持体51と、その支持体51に片持ち支持された複数の振動板52とを有している。支持体51は、鋼製の角材により棒状(角棒状)に形成されている。なお、支持体51は、木製や樹脂製等、他の材料により形成されていてもよい。また、各探索具50が請求項4に記載の「一対の探索具」に相当し、各振動板52が請求項4に記載の「複数の振動体」に相当する。
【0071】
各振動板52は、厚みの小さい平板状の鋼板からなり、帯板状に形成されている。本実施形態では、振動板52として、10個の振動板52が用いられている。各振動板52は、その長手方向を支持体51の長手方向と直交する方向に向けて支持体51の長手方向に並べて配置され、その配置状態で長手方向の一端部が支持体51にビス53により固定されている。これにより、各振動板52は、支持体51に対して片持ち状態で固定されている。また、各振動板52はかかる片持ち状態で、支持体51に対していずれも同じ側に張り出している。なお、各振動板52は支持体51に対する固定強度を高めるため、ビス53に加え両面テープ又は接着剤を併用して支持体51に固定してもよい。
【0072】
各振動板52は、その幅(詳しくは短手方向の長さ)がいずれも同じとされている。その一方で、各振動板52は、その長さ(詳しくは長手方向の長さ)が互いに相違している。本実施形態では、これら長さの相違する各振動板52の符号52にそれぞれa~jを付しており、それにより各振動板52a~52jを区別することとしている。各振動板52a~52jは、振動板52a→振動板52b→…→振動板52i→振動板52jの順に長さが長くなっている。そのため、振動板52aの長さが最も短く、振動板52jの長さが最も長くなっている。
【0073】
各振動板52a~52jは、支持体51の長手方向における一方側のものから他方側のものに向けて順に長さが大きく(長く)なるよう並べて配置されている。かかる配置により、各振動板52a~52jは、支持体51からの張出寸法Hが、支持体51の長手方向における一方側のものから他方側のものに向けて順に大きくなっている。そして、これにより、各振動板52a~52jは、支持体51の長手方向における一方側のものから他方側のものに向けて順に固有振動数が低くなっている。この場合、各振動板52a~52jのうち、振動板52aの固有振動数が最も高く、振動板52jの固有振動数が最も低くなっている。
【0074】
各振動板52a~52jは、支持体51の長手方向における一方側のものから他方側のものに向けて固有振動数が所定値ずつ低くなるよう設定されている。本実施形態では、上記の所定値が固定値となっている。そのため、各振動板52a~52jでは、支持体51の長手方向における一方側のものから他方側のものに向けて固有振動数が等間隔で小さくなっている。
【0075】
このように、探索具50では、各振動板52a~52jの固有振動数が大小異なる固有振動数に設定されているため、それら各振動板52a~52jに、重なり部分28aの固有振動数と同じ固有振動数を有する振動板52と、非重なり部分28bの固有振動数と同じ固有振動数を有する振動板52とをそれぞれ含ませることが可能となる。
【0076】
次に、一対の探索具50を用いて床小梁26の位置を探索する位置探索方法について
図7に基づき説明する。
図7は、床小梁26の位置探索方法を説明するための図である。なお、
図7(a)では、各探索具50が床面材28において非重なり部分28bに配置された状態を示しており、
図7(b)では、各探索具50のうち一方が重なり部分28aに配置され、他方が非重なり部分28bに配置された状態を示している。
【0077】
また、本実施形態においても、床小梁26の位置を探索するに際し、各床小梁26の並ぶ梁並び方向が予め分かっているものとする。また、各床小梁26は梁並び方向に所定の間隔W(等間隔)で並んでおり、その床小梁26の間隔W(詳しくは隣り合う床小梁26の間隔W)についても予め分かっているものとする。
【0078】
一対の探索具50を用いて床小梁26の位置を探索する際にはまず、
図7(a)又は(b)に示すように、各探索具50を、各々の各振動板52が床小梁26の長手方向に並ぶ向きで床面材28に配置する配置工程を行う。この配置工程では、換言すると、各探索具50を、各々の支持体51が床小梁26の長手方向に互いに平行に延びる向きで床面材28に配置する。また、配置工程では、各探索具50を、各々の支持体51が上記長手方向にて同じ位置となるよう床面材28に配置する。
【0079】
配置工程では、各探索具50の支持体51を床面材28の表面に載置することで(換言すると接触させた状態で)、各探索具50を床面材28に配置する。この場合、各探索具50の支持体51は、かかる載置状態において、その幅が床小梁26の幅よりも小さくなっている。また、配置工程により、各探索具50における各振動板52a~52jは床面材28から上方に離間して配置され、それにより上下に振動可能な状態とされる。なお、配置工程の際、各支持体51を床面材28の表面に両面テープを用いて仮固定するようにしてもよい。
【0080】
配置工程では、各探索具50において、床小梁26の長手方向における一方側から他方側に向けた各振動板52a~52jの並び順が同じとなるよう、各探索具50を配置する。かかる各探索具50の配置により、これら各探索具50では、上記長手方向における一方側から他方側に向けた各振動板52a~52jの張出寸法Hの大きさ順が同じとされ、ひいては各振動板52a~52jの固有振動数の高さ順が同じとされる。
【0081】
また、配置工程では、梁並び方向において各探索具50の支持体51の間隔L(換言すると、床面材28における各探索具50の間隔L)が床小梁26の間隔Wよりも小さい間隔となるように、各探索具50を配置する。詳しくは、各探索具50の支持体51の間隔Lが床小梁26の間隔Wの半分(1/2)となるように、各探索具50を配置する。
【0082】
ここで、各探索具50の支持体51の間隔Lを上記のようにして各探索具50を床面材28に配置した場合、
図7(a)に示すように、各探索具50がいずれも床面材28にて非重なり部分28bに配置されるか、又は、
図7(b)に示すように、各探索具50のうち一方が床面材28にて重なり部分28aに配置され、他方が非重なり部分28bに配置されることになる。そこで、以下の説明においては、
図7(a)のように各探索具50が床面材28に配置される配置パターンを第1の配置パターンといい、
図7(b)のように各探索具50が床面材28に配置される配置パターンを第2の配置パターンという。
【0083】
配置工程の後、床面材28に各探索具50を配置した状態で、床面材28に衝撃を加えることで床面材28に振動を生じさせる振動発生工程を行う。この振動発生工程は、第1の実施形態における振動発生工程と同様の工程であるため、ここではその説明を割愛する。
【0084】
振動発生工程により床面材28に生じた振動により、床面材28に配置された各探索具50の各々の振動板52a~52jはそれぞれ振動する。ここで、各探索具50が上述した第1の配置パターン(
図7(a)参照)で床面材28に配置されている場合、つまり各探索具50がいずれも非重なり部分28bに配置されている場合には、各探索具50の各々の振動板52a~52jに非重なり部分28bの固有振動数Ebで振動が加えられることになる。この場合、各探索具50において非重なり部分28bの固有振動数Ebと同じ固有振動数を有する振動板52が共振することになる。そのため、この場合には、各探索具50において同じ固有振動数を有する振動板52が共振することになる。
図7(a)の例では、各探索具50において同じ振動板52iが共振しており、それら共振する各振動板52にドットハッチを付して示している。
【0085】
一方、各探索具50が第2の配置パターン(
図7(b)参照)で床面材28に配置されている場合、つまり各探索具50のうち一方の探索具50が重なり部分28aに配置され他方の探索具50が非重なり部分28bに配置されている場合には、各探索具50のうち一方の探索具50では各振動板52a~52jに重なり部分28aの固有振動数Eaで振動が加えられ、他方の探索具50では各振動板52a~52jに非重なり部分28bの固有振動数Ebで振動が加えられることになる。この場合、一方の探索具50においては重なり部分28aの固有振動数Eaと同じ固有振動数を有する振動板52が共振し、他方の探索具50では非重なり部分28bの固有振動数Ebと同じ固有振動数を有する振動板52が共振することになる。そのため、この場合には、各探索具50において異なる固有振動数を有する振動板52が共振することになる。
図7(b)の例では、各探索具50のうち一方の探索具50においては振動板52bが共振し、他方の探索具50においては振動板52iが共振している。また、
図7(b)では、これら共振する各振動板52b,52iにドットハッチを付して示している。
【0086】
上記のように、振動発生工程により各探索具50において共振する振動板52は、床面材28における各探索具50の配置パターンによって異なることとなる。そこで、このような点に鑑み、振動発生工程の後、その振動発生工程により床面材28に生じた振動により、床面材28に配置された各探索具50において各振動板52a~52jのうちいずれが共振するかその共振する振動板52(以下、共振振動板52Aという)を特定するとともに、特定した各探索具50の共振振動板52Aが互いに異なる固有振動数を有するものであるか否かを確認する確認工程を行う。
【0087】
確認工程により、各探索具50の共振振動板52Aが同じ固有振動数を有するものであると確認された場合には、各探索具50が床面材28において第1の配置パターンで配置されていると把握することができる。つまり、この場合、各探索具50がいずれも床面材28にて非重なり部分28bに配置されていると把握することができる。なお、
図7(a)の例では、各探索具50の共振振動板52Aがいずれも振動板52iとなっている。
【0088】
その一方で、確認工程により、各探索具50の共振振動板52Aが異なる固有振動数を有するものであると確認された場合には、各探索具50が床面材28において第2の配置パターンで配置されていると把握することができる。つまり、この場合、各探索具50のうちいずれか一方の探索具50が床面材28にて重なり部分28aに配置され、他方の探索具50が非重なり部分28bに配置されていると把握することができる。なお、
図7(b)の例では、各探索具50の共振振動板52Aのうち一方が振動板52bとなっており、他方が振動板52iとなっている。
【0089】
ここで、床面材28では、重なり部分28aの固有振動数Eaが非重なり部分28bの固有振動数Ebよりも高くなっている。そのため、各探索具50が第2の配置パターンで配置されている場合、各探索具50にて共振する共振振動板52Aのうち、固有振動数が高い側の共振振動板52A(
図7(b)の例では振動板52b)が重なり部分28aの固有振動数Eaで共振し、固有振動数が低い側の共振振動板52A(
図7(b)の例では振動板52i)が非重なり部分28bの固有振動数Ebで共振することになる。そのため、この場合、固有振動数が高い側の共振振動板52Aを有する探索具50(以下、固有振動数が高い側の探索具50という)が床面材28において重なり部分28aに配置され、固有振動数が低い側の共振振動板52Aを有する探索具50(以下、固有振動数が低い側の探索具50という)が床面材28において非重なり部分28bに配置されていることになる。したがって、この場合、床面材28における固有振動数が高い側の探索具50の位置が床小梁26の位置と梁並び方向において同じ位置となる。そのため、この場合、当該探索具50の位置に基づき、床小梁26の位置を探索(特定)することが可能となる。
【0090】
上述した配置工程、振動発生工程及び確認工程からなる一連の工程は、床面材28における各探索具50の位置が、確認工程により、各探索具50の共振振動板52Aが異なる固有振動数を有するものであると確認される位置となるまで、各探索具50の位置を梁並び方向に変えながら繰り返し行う。そして、床面材28における各探索具50の位置が、各探索具50の共振振動板52Aが異なる固有振動数を有すると確認される位置となったら、それら各探索具50のうち固有振動数が高い側の共振振動板52Aを有する探索具50の位置に基づいて床小梁26の位置を探索(特定)する。なお、各探索具50の位置を梁並び方向に変える際には、例えば各探索具50を床面材28に配置したまま梁並び方向にスライドさせることで位置を変えるようにする。
【0091】
なお、上述した配置工程、振動発生工程及び確認工程はそれぞれ請求項4に記載の「配置工程」「振動発生工程」及び「確認工程」に相当する。
【0092】
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0093】
上述した本実施形態における床小梁26の位置探索方法によれば、第1の実施形態における位置探索方法と同様、床小梁26の材質にかかわらず、また床小梁26の周囲に存在する部材の材質にかかわらず、床小梁26の位置を探索することができる。そのため、床小梁26の位置を好適に探索することができる。また、本実施形態の位置探索方法では、床面材28における重なり部分28a及び非重なり部分28bの固有振動数が不明であっても、床小梁26の位置を好適に探索することができる。
【0094】
各探索具50を、長尺状の支持体51と、その支持体51に片持ち支持された複数の振動板52a~52jとを有して構成した。また、各振動板52a~52jにおいて支持体51からの張出寸法を互いに異ならせることで、各振動板52a~52jの固有振動数を互いに異ならせるようにした。この場合、各振動板52a~52jの張出寸法を調整することで、固有振動数が互いに異なる各振動板52a~52jを得ることができる。このため、本実施形態における探索具50を比較的容易に得ることが可能となる。
【0095】
また、各探索具50において共振する振動板52(共振振動板52A)が互いに異なる固有振動数を有するものであるか否かを確認する際には、共振振動板52Aの張出寸法を比較することにより確認することができる。そのため、かかる確認をし易くすることができる利点も得られる。
【0096】
各探索具50において、各々の振動板52a~52jを固有振動数の高さ順に並べて配置した。そして、各探索具50を床面材28に配置する際には、各探索具50において、床小梁26の長手方向における一方側から他方側へ向けた各振動板52a~52jの並び順が同じとなるように配置した。この場合、各探索具50において、上記長手方向における一方側から他方側へ向けた各振動板52a~52jの固有振動数の高さ順が同じとされるため、各探索具50の共振振動板52Aが互いに異なる固有振動数を有するものであるか否かを確認する際、その確認をし易くすることができる。
【0097】
〔他の実施形態〕
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
【0098】
(1)上記第1の実施形態では、2種類の探索具30,40を用いて床小梁26の位置を探索したが、これら探索具30,40のうち探索具30(第1探索具に相当)のみを用いて床小梁26の位置を探索するようにしてもよい。この場合、配置工程では、探索具30(のみ)を床面材28に配置し、振動発生工程では、かかる探索具30の配置状態で床面材28に衝撃を加え床面材28に振動を生じさせる。そして、確認工程では、床面材28に生じた振動により、床面材28に配置された探索具30の振動板32が共振するか否かを確認し、その確認工程により振動板32の共振が確認された場合に床面材28における探索具30の位置(詳しくは支持部31の位置)に基づき、床小梁26の位置を探索するようにする。この場合にも、床面材28の表面側から床小梁26の位置を好適に探索することができる。
【0099】
(2)上記第1の実施形態では、探索具30,40(第1探索具及び第2探索具に相当)の振動体として振動板32,42を用いたが、探索具の振動体として振動板32,42以外のものを用いてもよい。例えば、振動板として音叉を用いることが考えられる。この場合、第1探索具については重なり部分28aの固有振動数で共鳴(共振)する第1音叉を用い、第2探索具については非重なり部分28bの固有振動数で共鳴(共振)する第2音叉を用いることが考えられる。
【0100】
(3)上記第2の実施形態では、探索具50の振動体として振動板52を用いたが、探索具の振動体として振動板以外のものを用いてもよい。例えば、振動体として、筒状容器に入れられた液体を用いることが考えられる。具体的には、この場合、
図8に示すように、一列に並べられ互いに連結された複数の筒状容器61と、各筒状容器61に入れられた液体63とを有した探索具60を構成することが考えられる。この場合、各筒状容器61内の液体63はその深さが互いに相違しており、その相違により各液体63の固有振動数が互いに相違している。このため、探索具60において、液体63として、重なり部分28aの固有振動数Eaと同じ固有振動数を有する液体63と、非重なり部分28bの固有振動数Ebと同じ固有振動数を有する液体63とを含めることが可能となる。これにより、かかる探索具60を用いても、重なり部分28aの固有振動数Eaが不明な場合に床小梁26の位置を探索することが可能となる。
【0101】
(4)上記各実施形態では、床面材28(面材に相当)の裏面側に並設された床小梁26(長尺材に相当)の位置を探索するに際し、本発明の位置探索方法を用いたが、本発明の位置探索方法は床小梁26以外の長尺材を探索する際にも適用が可能である。例えば、建物ユニット20の天井部では、天井面材27の裏面側(上面側)に複数の天井小梁25が並設されている。そこで、天井面材27(面材に相当)の表面側(下面側)から天井小梁25(長尺材に相当)の位置を探索するに際し、本発明の位置探索方法を用いてもよい。
【0102】
天井小梁25の位置を探索するに際し、例えば、上記第1の実施形態における探索具30,40を用いて探索することが考えられる。この場合、配置工程では、天井面材27の表面に探索具30,40を配置することになる。この配置に際しては、探索具30,40の支持部31,41を天井面材27の表面に(接触させた状態で)配置し、その配置状態で支持部31,41を天井面材27に仮固定する。この場合、支持部31,41を重量の小さい木製の角材により形成し、その支持部31,41を例えば両面テープ等を用いて仮固定することが考えられる。そして、振動発生工程では、かかる探索具30,40の配置状態で天井面材27に衝撃を加え天井面材27に振動を生じさせる。そして、天井面材27に生じた振動により、天井面材27に配置された各探索具30,40の振動板32,42が共振するか否かを確認し、その確認の結果に基づき天井小梁25の位置を探索するようにする。
【0103】
(5)また、建物ユニット20の側面部には、壁面材の裏面側に、その壁面材を支持する複数の縦材が並設されている場合がある。そこで、かかる場合に、壁面材(面材に相当)の表面側から縦材(長尺材に相当)の位置を探索するに際し、本発明の位置探索方法を用いてもよい。
【0104】
(6)上述した(4)では、天井小梁25の位置を探索するに際し、上記第1の実施形態における探索具30,40を用いて探索する場合について説明したが、天井小梁25の位置を探索するに際し、上記第2の実施形態における探索具50を用いて探索を行ってもよい。また、天井小梁25の位置を探索するに際し、上記第2の実施形態の位置探索方法を用いる場合、探索具50に代えて、振り子を振動体として有する振り子式の探索具を用いてもよい。
【0105】
振り子式の探索具を用いる場合、振り子式の探索具は、天井面材27に配置される長尺の支持体と、その支持体から吊り下げられ支持体の長手方向に並べられた複数の振り子とを有して構成される。複数の振り子は支持体からの吊り長さが互いに相違し、その相違により振動時の固有振動数が互いに相違するものとなっている。かかる振り子式の探索具を用いて天井小梁25の位置を探索する際には、各振り子式の探索具を、その支持体を天井面材27の表面に仮固定した状態で配置し、その配置状態で天井面材27に振動を生じさせる。そして、その振動により、各振り子式探索具において各振り子のうちいずれが共振するかその共振する振り子(以下、共振振り子という)を特定し、特定した各振り子式探索具の共振振り子が互いに異なる固有振動数を有するものか否かを確認するようにする。そして、その確認結果に基づき、天井小梁25の位置を探索するようにする。したがって、かかる構成によっても、天井小梁25の位置を好適に探索することができる。
【0106】
(7)上記第2の実施形態では、探索具50において、支持体51からの各振動板52の張出寸法Hを互いに異ならせることで、各振動板52の固有振動数を互いに異ならせたが、これを変更して、例えば各振動板52の幅寸法を互いに異ならせたり、各振動板52の厚みを互いに異ならせる等して、各振動板52の固有振動数を互いに異ならせてもよい。
【0107】
(8)上記各実施形態では、ユニット式の建物において本発明の位置探索方法を適用した場合について説明したが、本発明の位置探索方法は鉄骨軸組工法により構築された建物や、木造在来工法で構築された建物等、他の工法の建物にも適用が可能である。例えば、在来工法で構築された建物では、面材の裏面側に木製の長尺材が複数並設されていることがあるが、こうした木製の長尺材の位置を面材の表面側から探索するに際し、本発明の位置探索方法を用いてもよい。本発明の位置探索方法によれば、長尺材の材質にかかわらず、長尺材の位置を探索することができるため、木製の長尺材であってもその位置を好適に探索することができる。
【符号の説明】
【0108】
20…建物ユニット、26…長尺材としての床小梁、28…面材としての床面材、28a…重なり部分、28b…非重なり部分、30…第1探索具としての探索具、31…支持部、32…第1振動体としての振動板、40…第2探索具としての探索具、41…支持部、42…第2振動体としての振動板、50…探索具、51…支持体、52…振動体としての振動板。