IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 未来工業株式会社の特許一覧

特許7326184屈曲流路形成部材、屈曲流路形成体、屈曲流路形成装置、排水装置、および排水構造
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-04
(45)【発行日】2023-08-15
(54)【発明の名称】屈曲流路形成部材、屈曲流路形成体、屈曲流路形成装置、排水装置、および排水構造
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/12 20060101AFI20230807BHJP
   F16L 57/00 20060101ALI20230807BHJP
   F16L 3/24 20060101ALI20230807BHJP
   F16L 41/08 20060101ALI20230807BHJP
   F16L 43/00 20060101ALI20230807BHJP
【FI】
E03C1/12 E
F16L57/00 A
F16L3/24 C
F16L41/08
F16L43/00
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020024753
(22)【出願日】2020-02-17
(65)【公開番号】P2021127671
(43)【公開日】2021-09-02
【審査請求日】2022-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000243803
【氏名又は名称】未来工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079968
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 光司
(72)【発明者】
【氏名】加納 一啓
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-203521(JP,A)
【文献】特開2012-233675(JP,A)
【文献】登録実用新案第3150922(JP,U)
【文献】特開2011-106604(JP,A)
【文献】特開2007-240111(JP,A)
【文献】実開昭61-161494(JP,U)
【文献】特開2011-163540(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03C 1/12
F16L 57/00
F16L 3/24
F16L 41/08
F16L 43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調機の排水口と、その排水口よりも上方に位置する排水管端部との間の、排水経路の、頂点部分を構成し、内部が屈曲排水流路となる、屈曲流路形成部材であって、
前記排水口に繋がる第1管体が、その内部と前記屈曲排水流路とが連通するように接続される、第1管体側接続口と、前記排水管端部に繋がる第2管体が、その内部と前記屈曲排水流路とが連通するように接続される、第2管体側接続口とを、有し、
前記第1管体側接続口と前記第2管体側接続口とは、前記第1管体側接続口の向きを鉛直下方向とした状態で、前記第2管体側接続口の向きが水平方向またはそれよりも下方を向くように設けられ、また、
前記屈曲流路形成部材は、前記第1管体側接続口と前記第2管体側接続口と前記屈曲排水流路とを有する屈曲流路形成部材本体に加えて、構造物その他の支持体に固定可能な固定部を備える、屈曲流路形成部材。
【請求項2】
前記固定部は、前記屈曲流路形成部材の、前記第2管体側接続口とは反対側に設けられる、請求項1に記載の屈曲流路形成部材。
【請求項3】
前記固定部は、前記支持体に取り付けられる取付部を有して前記屈曲流路形成部材本体とは別体の取付体と、前記屈曲流路形成部材本体に設けられて前記取付体に組付け可能な組付け部とを備える、請求項1または2に記載の屈曲流路形成部材。
【請求項4】
内部に、常時は前記屈曲排水流路を閉鎖し、前記第1管体からの排水が流入する際にはその屈曲排水流路を開放する、弁体が設けられている、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の屈曲流路形成部材。
【請求項5】
蓋体を備え、
前記屈曲流路形成部材本体は、外部から前記屈曲排水流路を視認可能な開口を有し、前記蓋体は、前記開口を閉鎖するよう、前記屈曲流路形成部材本体に着脱可能に取り付けられる、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の屈曲流路形成部材。
【請求項6】
請求項5に記載の屈曲流路形成部材と、その屈曲流路形成部材を内部に収容するように覆う屈曲流路形成部材用覆い部材とを備える、屈曲流路形成体であって、
前記屈曲流路形成部材用覆い部材は、前記屈曲流路形成部材本体を覆う本体覆い部と、前記蓋体を覆う蓋体覆い部とに、分割されており、前記蓋体覆い部を前記本体覆い部から取り外すことで、前記蓋体を前記屈曲流路形成部材本体から取り外し可能となる、屈曲流路形成体。
【請求項7】
請求項1ないし5に記載の屈曲流路形成部材と、前記第1管体および/または前記第2管体とを備える、屈曲流路形成装置であって、
前記第1管体が、前記第1管体側接続口に、その軸心回りに回転不能に接続され、および/または、前記第2管体が、前記第2管体側接続口に、その軸心回りに回転不能に接続されている、屈曲流路形成装置。
【請求項8】
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の屈曲流路形成部材と、前記第1管体と、その第1管体と前記空調機の排水口とを繋ぐ屈曲した第1継ぎ手とを、備える、排水装置であって、
前記第1継ぎ手は、前記排水口に接続される排水口側接続口を有する筒状の排水口側部材と、前記第1管体が接続される管体側接続口を有する筒状の管体側部材とが、連結されて構成され、
前記第1管体は、前記第1管体側接続口に、その軸心回りに回転不能に接続され、かつ、前記管体側接続口に、その軸心回りに回転不能に接続されており、
前記管体側部材は、その軸心が直状に形成され、
前記排水口側部材は、その軸心が略L字状に屈曲して形成され、その排水口側部材を、前記管体側部材の軸心を軸に回動した任意の回動位置で、前記管体側部材に連結可能であって、その回動により、前記排水口側接続口の向きを、前記管体側部材の軸心を軸に回動した任意の向きに向けることが可能である、排水装置。
【請求項9】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の屈曲流路形成部材の固定部が、前記支持体に固定されて、前記屈曲流路形成部材の、下方に向いた第1管体側接続口に、前記第1管体が接続され、側方に向いた第2管体側接続口に、前記第2管体が接続されており、
前記排水口に前記第1管体が繋がっており、前記排水口よりも上方に位置する前記排水管端部に前記第2管体が繋がっている、排水構造。
【請求項10】
前記第1管体および前記第2管体は、可撓性を有し、前記第1管体よりも前記第2管体が、軸長が短く形成されている、請求項9に記載の排水構造。
【請求項11】
前記第1管体と前記排水口とは、第1継ぎ手を介して繋がっており、
前記第1継ぎ手は、第1覆い部材で覆われており、その第1覆い部材は、その軸心方向に沿って延びる分割部を有し、
前記第2管体と前記排水管端部とは、第2継ぎ手を介して繋がっており、
前記第2継ぎ手は、第2覆い部材で覆われており、その第2覆い部材は、その軸心方向に沿って延びる分割部を有し、
前記各覆い部材には、前記分割部が開かないように粘着テープ等の接合部材が巻き付けられており、
前記屈曲流路形成部材は、蓋体を備え、
前記屈曲流路形成部材本体は、外部から前記屈曲排水流路を視認可能な開口を有し、前記蓋体は、前記開口を閉鎖するよう、前記屈曲流路形成部材本体に着脱可能に取り付けられ、
前記屈曲流路形成部材は、屈曲流路形成部材用覆い部材で覆われており、
前記屈曲流路形成部材用覆い部材は、前記屈曲流路形成部材本体を覆う本体覆い部と、前記蓋体を覆う蓋体覆い部とに、分割されており、
前記本体覆い部は、前記第1管体側接続口と前記第2管体側接続口と固定部とを挟むように分割された2つの分割体を備え、前記本体覆い部には、前記分割体が分離しないように粘着テープ等の接合部材が巻き付けられており、
前記蓋体覆い部を前記本体覆い部から取り外すことで、前記蓋体を前記屈曲流路形成部材本体から取り外し可能となる、請求項9または10に記載の排水構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、空調機の排水口と排水管との間に設けられる、屈曲流路形成部材、屈曲流路形成体、屈曲流路形成装置、排水装置、および排水構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、空調機のドレン排出口と、そのドレン排出口よりも上方に位置するドレン配管端部とを繋ぐドレンホース継手があった(例えば、特許文献1参照)。このドレンホース継手は、ホースと、そのホースの両端開口部に取り付けられたL字状の接続部材とで構成されていた。そして、空調機のドレン排出口とドレン配管端部との間に配置されたドレンホース継手は、その頂点部分が、天井面等から垂れ下がる吊支金具によって支持された。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-106604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記従来のドレンホース継手においては、その頂点側でホース(管体)を屈曲させたり、吊支金具で支持したりする必要があり、面倒であった。
【0005】
この発明は、上記した従来の欠点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、管体の屈曲を抑えることができ、かつ、容易に支持することができる、屈曲流路形成部材、屈曲流路形成体、屈曲流路形成装置、排水装置、および排水構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る屈曲流路形成部材、屈曲流路形成体、屈曲流路形成装置、排水装置、および排水構造は、前記目的を達成するために、次の構成からなる。すなわち、
請求項1に記載の発明に係る屈曲流路形成部材は、空調機の排水口と、その排水口よりも上方に位置する排水管端部との間の、排水経路の、頂点部分を構成し、内部が屈曲排水流路となる、屈曲流路形成部材である。この屈曲流路形成部材は、前記排水口に繋がる第1管体が、その内部と前記屈曲排水流路とが連通するように接続される、第1管体側接続口と、前記排水管端部に繋がる第2管体が、その内部と前記屈曲排水流路とが連通するように接続される、第2管体側接続口とを、有する。ここで、前記第1管体側接続口と前記第2管体側接続口とは、前記第1管体側接続口の向きを鉛直下方向とした状態で、前記第2管体側接続口の向きが水平方向またはそれよりも下方を向くように設けられる。そして、屈曲流路形成部材は、前記第1管体側接続口と前記第2管体側接続口と前記屈曲排水流路とを有する屈曲流路形成部材本体に加えて、構造物その他の支持体に固定可能な固定部を備える。
【0007】
この屈曲流路形成部材は、排水経路の頂点部分を構成するものであって、空調機の排水口に繋がる第1管体が接続される第1管体側接続口と、排水口よりも上方に位置する排水管端部に繋がる第2管体が接続される第2管体側接続口とを有している。そして、第1管体側接続口の向きを鉛直下方向としたとき、前記第2管体側接続口の向きが水平方向またはそれよりも下方を向く。排水経路の頂点部分において、屈曲流路形成部材を用いることで、第1管体に対する第2管体の向きを変えることができ、管体そのものの屈曲を抑えることができる。また、屈曲流路形成部材は、支持体に固定可能な固定部を備えており、その固定部を支持体に固定することで、自身が支持される。なお、第1管体は、排水口に、直接繋がっても、他の部材を介すことで間接的に繋がってもよい。同様に、第2管体は、排水管端部に、直接繋がっても、他の部材を介すことで間接的に繋がってもよい。
【0008】
また、請求項2に記載の発明に係る屈曲流路形成部材は、請求項1に記載の屈曲流路形成部材において、前記固定部は、前記屈曲流路形成部材の、前記第2管体側接続口とは反対側に設けられる。これにより、支持体が、第2管体側接続口に接続される第2管体とか、第2管体が繋がる排水管とかの配設の邪魔になることがない。
【0009】
また、請求項3に記載の発明に係る屈曲流路形成部材は、請求項1または2に記載の屈曲流路形成部材において、前記固定部は、前記支持体に取り付けられる取付部を有して前記屈曲流路形成部材本体とは別体の取付体と、前記屈曲流路形成部材本体に設けられて前記取付体に組付け可能な組付け部とを備える。これにより、固定部を支持体に固定するにあたって、最初に取付部(取付体)を支持体に取り付け、その後に、屈曲流路形成部材本体に設けられた組付け部を取付体に組付けることもできる。
【0010】
また、請求項4に記載の発明に係る屈曲流路形成部材は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の屈曲流路形成部材において、内部に、常時は前記屈曲排水流路を閉鎖し、前記第1管体からの排水が流入する際にはその屈曲排水流路を開放する、弁体が設けられている。
【0011】
また、請求項5に記載の発明に係る屈曲流路形成部材は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の屈曲流路形成部材において、蓋体を備える。前記屈曲流路形成部材本体は、外部から前記屈曲排水流路を視認可能な開口を有し、前記蓋体は、前記開口を閉鎖するよう、前記屈曲流路形成部材本体に着脱可能に取り付けられる。排水経路の途中位置にある屈曲流路形成部材に、開口と蓋体とを設けることで、内部の屈曲排水流路を点検することができる。
【0012】
また、請求項6に記載の発明に係る屈曲流路形成体は、請求項5に記載の屈曲流路形成部材と、その屈曲流路形成部材を内部に収容するように覆う屈曲流路形成部材用覆い部材とを備える。この屈曲流路形成部材用覆い部材は、前記屈曲流路形成部材本体を覆う本体覆い部と、前記蓋体を覆う蓋体覆い部とに、分割されており、前記蓋体覆い部を前記本体覆い部から取り外すことで、前記蓋体を前記屈曲流路形成部材本体から取り外し可能となる。
【0013】
また、請求項7に記載の発明に係る屈曲流路形成装置は、請求項1ないし5に記載の屈曲流路形成部材と、前記第1管体および/または前記第2管体とを備える。ここで、前記第1管体が、前記第1管体側接続口に、その軸心回りに回転不能に接続され、および/または、前記第2管体が、前記第2管体側接続口に、その軸心回りに回転不能に接続されている。
【0014】
また、請求項8に記載の発明に係る排水装置は、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の屈曲流路形成部材と、前記第1管体と、その第1管体と前記空調機の排水口とを繋ぐ屈曲した第1継ぎ手とを、備える。ここで、前記第1継ぎ手は、前記排水口に接続される排水口側接続口を有する筒状の排水口側部材と、前記第1管体が接続される管体側接続口を有する筒状の管体側部材とが、連結されて構成される。そして、前記第1管体は、前記第1管体側接続口に、その軸心回りに回転不能に接続され、かつ、前記管体側接続口に、その軸心回りに回転不能に接続されている。また、前記管体側部材は、その軸心が直状に形成され、前記排水口側部材は、その軸心が略L字状に屈曲して形成されている。そこで、前記排水口側部材を、前記管体側部材の軸心を軸に回動した任意の回動位置で、前記管体側部材に連結可能であって、その回動により、前記排水口側接続口の向きを、前記管体側部材の軸心を軸に回動した任意の向きに向けることが可能である。排水口側部材を回動して、排水口側接続口の向きを変更することで、その排水溝側接続口を、容易に、空調機の排出口の側に向けることができる。
【0015】
また、請求項9に記載の発明に係る排水構造は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の屈曲流路形成部材の固定部が、前記支持体に固定されて、前記屈曲流路形成部材の、下方に向いた第1管体側接続口に、前記第1管体が接続され、側方に向いた第2管体側接続口に、前記第2管体が接続されている。そして、前記排水口に前記第1管体が繋がっており、前記排水口よりも上方に位置する前記排水管端部に前記第2管体が繋がっている。
【0016】
また、請求項10に記載の発明に係る排水構造は、請求項9に記載の排水構造において、前記第1管体および前記第2管体は、可撓性を有し、前記第1管体よりも前記第2管体が、軸長が短く形成されている。第2管体が短く形成されることで、波打ちしにくい。
【0017】
また、請求項11に記載の発明に排水構造は、請求項9または10に記載の排水構造において、前記第1管体と前記排水口とは、第1継ぎ手を介して繋がっている。そして、前記第1継ぎ手は、第1覆い部材で覆われており、その第1覆い部材は、その軸心方向に沿って延びる分割部を有する。同様に、前記第2管体と前記排水管端部とは、第2継ぎ手を介して繋がっている。そして、前記第2継ぎ手は、第2覆い部材で覆われており、その第2覆い部材は、その軸心方向に沿って延びる分割部を有する。そこで、前記各覆い部材には、前記分割部が開かないように粘着テープ等の接合部材が巻き付けられている。また、前記屈曲流路形成部材は、蓋体を備える。前記屈曲流路形成部材本体は、外部から前記屈曲排水流路を視認可能な開口を有し、前記蓋体は、前記開口を閉鎖するよう、前記屈曲流路形成部材本体に着脱可能に取り付けられる。また、前記屈曲流路形成部材は、屈曲流路形成部材用覆い部材で覆われている。この屈曲流路形成部材用覆い部材は、前記屈曲流路形成部材本体を覆う本体覆い部と、前記蓋体を覆う蓋体覆い部とに、分割されている。前記本体覆い部は、前記第1管体側接続口と前記第2管体側接続口と固定部とを挟むように分割された2つの分割体を備える。そこで、前記本体覆い部には、前記分割体が分離しないように粘着テープ等の接合部材が巻き付けられている。そして、前記蓋体覆い部を前記本体覆い部から取り外すことで、前記蓋体を前記屈曲流路形成部材本体から取り外し可能となる。
【発明の効果】
【0018】
この発明に係る屈曲流路形成部材、屈曲流路形成装置、排水装置、および排水構造によれば、排水経路の頂点部分に屈曲流路形成部材を用いることで、管体そのものの屈曲を抑えることができ、また、屈曲流路形成部材に固定部を設けることで、屈曲流路形成部材、つまりは排水経路の頂点部分を容易に支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】この発明の一実施の形態の排水構造であって、第2継ぎ手が平行姿勢にある斜視図である。
図2】同じく、第2継ぎ手が平行姿勢にある正面図である。
図3】同じく、第2継ぎ手が直交姿勢にある正面図である。
図4図2に示す排水構造において、第1および第2覆い部材と屈曲流路形成部材用覆い部材を除いたときの正面図である。
図5図3に示す排水構造において、第1および第2覆い部材と屈曲流路形成部材用覆い部材を除いたときの正面図である。
図6】同じく、排水経路構成部材において、第2継ぎ手が平行姿勢にあり、第1および第2覆い部材と屈曲流路形成部材用覆い部材を除いたときの断面図である。
図7】同じく、排水経路構成部材において、第2継ぎ手が直交姿勢にあり、第1および第2覆い部材と屈曲流路形成部材用覆い部材を除いたときの断面図である。
図8】同じく、第1継ぎ手に第1覆い部材を組付け、第1覆い部材を破断した正面図である。
図9】同じく、図8におけるA-A線による断面図である。
図10】同じく、第1継ぎ手の断面図である。
図11】同じく、第1継ぎ手の斜視図である。
図12】同じく、排水口側部材の斜視図である。
図13】同じく、第1本体側部材の斜視図である。
図14】同じく、第1連結ナットの斜視図であって、(a)は、表側から見た斜視図、(b)は、裏側から見た斜視図である。
図15】同じく、第1覆い部材における一方の分割体の斜視図である。
図16】同じく、第1覆い部材における他方の分割体の斜視図である。
図17】同じく、平行姿勢にある第2継ぎ手に第2覆い部材を組付け、第2覆い部材を破断した正面図である。
図18】同じく、直交姿勢にある第2継ぎ手に第2覆い部材を組付け、第2覆い部材を破断した正面図である。
図19】同じく、平行姿勢にある第2継ぎ手の断面図である。
図20】同じく、直交姿勢にある第2継ぎ手の断面図である。
図21】同じく、第2本体側部材の正面図である。
図22】同じく、排水管側部材の正面図である。
図23】同じく、止め輪の斜視図である。
図24】同じく、第2連結ナットの斜視図であって、(a)は、表側から見た斜視図、(b)は、裏側から見た斜視図である。
図25】同じく、第2覆い部材の第2本体側部材用覆い部材における一方の分割体の斜視図である。
図26】同じく、第2覆い部材の第2本体側部材用覆い部材における他方の分割体の斜視図である。
図27】同じく、第2覆い部材の排水管側部材用覆い部材における一方の分割体の斜視図である。
図28】同じく、第2覆い部材の排水管側部材用覆い部材における他方の分割体の斜視図である。
図29】同じく、屈曲流路形成部材に屈曲流路形成部材用覆い部材を組付けた断面図である。
図30】同じく、屈曲流路形成部材における本体部に組付け部を設けた斜視図である。
図31】同じく、屈曲流路形成部材における本体部に組付け部を設けた平面図である。
図32】同じく、屈曲流路形成部材における接続体の斜視図である。
図33】同じく、屈曲流路形成部材における蓋体の斜視図である。
図34】同じく、屈曲流路形成部材における取付体の斜視図であって、(a)は、表側から見た斜視図、(b)は、裏側から見た斜視図である。
図35】同じく、屈曲流路形成部材における弁体の斜視図である。
図36】同じく、屈曲流路形成部材用覆い部材における一方の分割体の斜視図である。
図37】同じく、屈曲流路形成部材用覆い部材における他方の分割体の斜視図である。
図38】この発明の他の実施の形態の、図6相当図である。
図39】同じく、図7相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、この発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
図1図37は、本発明の一実施の形態を示す。図中符号1は、空調機を示す。1aは、前記空調機1の排水口を示す。2は、前記空調機1を吊り下げる吊り具としての吊りボルトを示す。3は、構造物その他の支持体を示す。4は、排水管を示す。4aは、前記排水管4の端部である排水管端部を示す。5は、排水経路構成部材を示す。6は、排水構造を示す。
【0022】
排水経路構成部材5は、空調機1の排水口1aと、その排水口1aよりも上方に位置する排水管端部4aとの間の、排水経路を構成するものである。つまり、空調機1は、排水を圧送するポンプを備えており、排水は、一旦、そのポンプにより排水経路の頂点部分まで持ち上げられて、その後に降下する。
【0023】
この排水経路構成部材5は、内部が排水流路となる筒状の本体7と、第1継ぎ手8と、第2継ぎ手9とを備える。第1継ぎ手8は、排水口1aに接続される排水口側接続口8aと、本体7の一端側が接続される本体一端側接続口8bとを有し、その軸心が略L字状に(図示実施の形態においては、その排水口側接続口8aの向き8xと本体一端側接続口8bの向き8yとが直交方向となるように)屈曲形成されている。第2継ぎ手9は、本体7の他端側が接続される本体他端側接続口9aと、排水管端部4aに接続される排水管側接続口9bとを有し、その本体他端側接続口9aの向き9xと排水管側接続口9bの向き9yとが平行方向となる平行姿勢と、それらの向き9x、9yが交差方向となる屈曲姿勢(図示実施の形態においては、直交方向となる直交姿勢)とに、選択的に変更可能に形成されている。そこで、排水経路構成部材5は、本体7の一端側が第1継ぎ手8の本体一端側接続口8bに接続され、本体7の他端側が第2継ぎ手9の本体他端側接続口9aに接続されて、本体7と第1継ぎ手8と第2継ぎ手9とが一体となっている。
【0024】
詳細には、本体7は、第1管体10と、第2管体11と、第1継ぎ手8よりも上方に配置されて第1管体10と第2管体11とを繋ぐ屈曲流路形成部材12とを備える。より詳細には、この屈曲流路形成部材12は、空調機1の排水口1aと、その排水口1aよりも上方に位置する排水管端部4aとの間の、排水経路の、頂点部分を構成し、内部が屈曲排水流路12aとなる。そして、第1管体10の屈曲流路形成部材12とは反対側が、前記本体7の一端側となり、第2管体11の屈曲流路形成部材12とは反対側が、前記本体7の他端側となる。
【0025】
第1継ぎ手8は、前記排水口側接続口8aを有する筒状の排水口側部材801と、前記本体一端側接続口8bを有する筒状の第1本体側部材802とが、分離可能に連結されて構成される。ここで、第1本体側部材802は、その軸心が直状に形成される。排水口側部材801は、その軸心が略L字状に屈曲して形成され、その排水口側部材801を、第1本体側部材802の軸心を軸に回動した任意の回動位置で、第1本体側部材802に連結可能であって、その回動により、排水口側接続口8aの向き8xを、第1本体側部材802の軸心を軸に回動した任意の向きに向けることが可能となっている。
【0026】
また、第1継ぎ手8における、排水口側部材801と第1本体側部材802とは、互いの連結側において、いずれか一側の部材(図示実施の形態においては、排水口側部材801)に、その外周面に、第1雄ネジ部8cが形成され、他側の部材(図示実施の形態においては、第1本体側部材802)に、その外周回りに第1連結ナット8dが空転可能に装着されて、第1雄ネジ部8cと第1連結ナット8dとの螺合により、排水口側部材801と第1本体側部材802とが連結される。ここで、第1連結ナット8dの、排水口側部材801と第1本体側部材802のうち前記一側の部材(排水口側部材801)を向く端面には、周方向に沿って第1凹凸8eが形成され、排水口側部材801と第1本体側部材802のうち前記一側の部材(排水口側部材801)には、第1連結ナット8dを第1雄ネジ部8cにねじ込んだとき第1凹凸8eと係合する第1係合部8fが設けられている。そこで、第1凹凸8eは、その第1凹凸8eと係合する第1係合部8fが第1連結ナット8dの緩み方向への回転を阻止するように、鋸刃状に(好ましくは、鋸刃状の凹凸を形成する個々の歯部において、緩み方向にある被係合面が起立面もしくは急傾斜面となり、その反対方向である締まり方向にある被係合面が緩傾斜面となるように)形成されている。
【0027】
また、排水口側部材801と第1本体側部材802のうち前記他側の部材(第1本体側部材802)には、第1連結ナット8dが、第1雄ネジ部8cに対して緩められてその第1雄ネジ部8cとの螺合解除後にその緩み側への1リード以内の移動(つまり、第1雄ネジ部8cの軸心方向における緩み側への1リード以内の移動)で当接することで、第1連結ナット8dのそれ以上の緩み側への移動(つまり、第1雄ネジ部8cの軸心方向における緩み側への移動)を規制する、第1規制凸部8gが設けられている。そして、第1連結ナット8dには、その第1連結ナット8dの所定の回転位置にて第1規制凸部8gが通過可能な第1凹部8hが設けられている。なお、1リードとは、ネジの螺合において、一方のネジ部材(図示実施の形態においては、第1連結ナット8d)を1回転したときの、その一方のネジ部材がネジの軸心方向に進む距離を言う。
【0028】
第2継ぎ手9は、前記平行姿勢と前記屈曲姿勢(図示実施の形態においては、直交姿勢)との各姿勢で、その姿勢を位置決めする位置決め手段9cを有する。また、第2継ぎ手9は、前記本体他端側接続口9aを有する筒状の第2本体側部材901と、前記排水管側接続口9bを有する筒状の排水管側部材902とが、分離可能に連結されて構成される。ここで、第2本体側部材901と排水管側部材902とは、ともに軸心が屈曲して形成されて、それら第2本体側部材901と排水管側部材902とを、それらの連結側の軸心を軸に相対的に回動した回動位置で連結することで、前記平行姿勢と前記屈曲姿勢(直交姿勢)とが形成される。そこで、第2本体側部材901と排水管側部材902とは、前記平行姿勢と前記屈曲姿勢(直交姿勢)とで位置決めされるように、第2本体側部材901と排水管側部材902のいずれか一方の部材(図示実施の形態においては、排水管側部材902)に、突出部9dが設けられ、他方の部材(図示実施の形態においては、第2本体側部材901)に、その突出部9dと係合する窪み部9eが設けられる。すなわち、前記位置決め手段9cは、これら突出部9dと窪み部9eとからなる。
【0029】
また、第2継ぎ手9における、第2本体側部材901と排水管側部材902とは、互いの連結側において、いずれか一方側(図示実施の形態においては、排水管側部材902)に、外筒部9fが設けられ、他方側(図示実施の形態においては、第2本体側部材901)に、その外筒部9fに挿入される内筒部9gが設けられる。そして、内筒部9gの外周部には、リング状の止水部材9hが嵌められて、その止水部材9hが外筒部9fの内周面に密接する。そこで、この止水部材9hは、突出部9dと窪み部9eとの係合が外れてしまうまで排水管側部材902が自重により第2本体側部材901から外れる側に移動するのを阻止する。
【0030】
また、第2本体側部材901と排水管側部材902とは、互いの連結側において、いずれか一側の部材(図示実施の形態においては、排水管側部材902)に、その外周面に、第2雄ネジ部9iが形成され、他側の部材(図示実施の形態においては、第2本体側部材901)に、その外周回りに第2連結ナット9jが空転可能に装着されて、第2雄ネジ部9iと第2連結ナット9jとの螺合により、第2本体側部材901と排水管側部材902とが連結される。ここで、第2連結ナット9jの、第2本体側部材901と排水管側部材902のうち前記一側の部材(排水管側部材902)を向く端面には、周方向に沿って第2凹凸9kが形成され、第2本体側部材901と排水管側部材902のうち前記一側の部材(排水管側部材902)には、第2連結ナット9jを第2雄ネジ部9iにねじ込んだとき第2凹凸9kと係合する第2係合部9mが設けられている。そこで、第2凹凸9kは、その第2凹凸9kと係合する第2係合部9mが第2連結ナット9jの緩み方向への回転を阻止するように、鋸刃状に(好ましくは、鋸刃状の凹凸を形成する個々の歯部において、緩み方向にある被係合面が起立面もしくは急傾斜面となり、その反対方向である締まり方向にある被係合面が緩傾斜面となるように)形成されている。
【0031】
また、第2本体側部材901と排水管側部材902のうち前記他側の部材(第2本体側部材901)には、第2連結ナット9jが、第2雄ネジ部9iに対して緩められてその第2雄ネジ部9iとの螺合解除後にその緩み側への1リード以内の移動(つまり、第2雄ネジ部9iの軸心方向における緩み側への1リード以内の移動)で当接することで、第2連結ナット9jのそれ以上の緩み側への移動(つまり、第2雄ネジ部9iの軸心方向における緩み側への移動)を規制する、第2規制凸部9nが設けられている。そして、第2連結ナット9jには、その第2連結ナット9jの所定の回転位置にて第2規制凸部9nが通過可能な第2凹部9pが設けられている。
【0032】
屈曲流路形成部材12は、第1管体10が接続される第1管体側接続口12bと、第2管体11が接続される第2管体側接続口12cとを有して、内部が、前記排水流路の一部である屈曲排水流路12aとなる。つまり、第1管体側接続口12bには、排水口1aに繋がる(詳しくは、第1継ぎ手8を介して繋がる)第1管体10が、その内部と前記屈曲排水流路12aとが連通するように接続される。そして、第2管体側接続口12cには、排水管端部4aに繋がる(詳しくは、第2継ぎ手9を介して繋がる)第2管体11が、その内部と前記屈曲排水流路12aとが連通するように接続される。
【0033】
そして、屈曲流路形成部材12は、第1管体側接続口12bの向き12xと、第2管体側接続口12cの向き12yとの角度が、直角またはそれよりも小さい角度となるように(図示実施の形態においては、直角となるように)形成される。つまり、第1管体側接続口12bと第2管体側接続口12cとは、第1管体側接続口12bの向き12xを鉛直下方向とした状態で、第2管体側接続口12cの向き12yが水平方向またはそれよりも下方(図示実施の形態においては、水平方向)を向くように設けられる。
【0034】
また、屈曲流路形成部材12は、前記屈曲排水流路12aと前記第1管体側接続口12bと前記第2管体側接続口12cとを有する屈曲流路形成部材本体12dに加えて、支持体3に固定可能な固定部12eを備える。ここで、固定部12eは、前記支持体3に取り付けられる取付部12fを有して屈曲流路形成部材本体12dとは別体の取付体12gと、屈曲流路形成部材本体12dに設けられて取付体12gに組付け可能な組付け部12hとを備える。図示実施の形態においては、固定部12eは、屈曲流路形成部材12の、第2管体側接続口12cとは反対側に設けられる。そして、固定部12eは、空調機1の近傍に配置された支持体3となるボルト部材(図示実施の形態においては、空調機1を吊り下げる吊りボルト2)に固定可能であり、その固定された状態で、第1管体10が屈曲流路形成部材12から下方に延びるように配置される。
【0035】
また、屈曲流路形成部材12は、蓋体12iを備える。ここで、屈曲流路形成部材本体12dは、外部から屈曲排水流路12aを視認可能な開口12jを有する。そして、蓋体12iは、前記開口12jを閉鎖するよう、屈曲流路形成部材本体12dに着脱可能に取り付けられる。
【0036】
また、屈曲流路形成部材12(詳しくは、屈曲流路形成部材本体12d)の内部には弁体13が設けられており、その弁体13は、常時は屈曲排水流路12aを閉鎖し、第1管体10からの排水が流入する際にはその屈曲排水流路12aを開放する。そして、弁体13は、前記開口12jから出し入れ可能となっている。詳細には、屈曲流路形成部材12(詳しくは、屈曲流路形成部材本体12d)は、底板12kと、その底板12kから上方に筒状に突出する突出筒部12mとを備えて、その突出筒部12m内が、前記第1管体10からの排水が流入する流入部12nと通じている。そこで、突出筒部12mの突出端に、前記弁体13が設けられる。
【0037】
また、排水経路構成部材5は、第1継ぎ手8と第2継ぎ手9とにおける一方の継ぎ手を内部に収容するように覆う覆い部材を備えている。図示実施の形態においては、第1継ぎ手8と第2継ぎ手9のそれぞれが、一方の継ぎ手となり、覆い部材として、第1継ぎ手8を内部に収容するように覆う第1覆い部材14と、第2継ぎ手9を内部に収容するように覆う第2覆い部材15とが設けられる。ここで、第1継ぎ手8には、その外面に、被結合部としての第1被結合部8iが形成され、第1覆い部材14には、その内面に、第1被結合部8iと結合する結合部としての第1結合部14aが形成され、第1被結合部8iと第1結合部14aとの結合により、第1覆い部材14が、自重により落下することがないように第1継ぎ手8に仮保持される。同様に、第2継ぎ手9には、その外面に、被結合部としての第2被結合部9qが形成され、第2覆い部材15には、その内面に、第2被結合部9qと結合する結合部としての第2結合部15aが形成され、第2被結合部9qと第2結合部15aとの結合により、第2覆い部材15が、自重により落下することがないように第2継ぎ手9に仮保持される。なお、図示実施の形態においては、第1および第2被結合部8i、9qは、凸部からなり、第1および第2結合部14a、15aは、その凸部に嵌まりその凸部に摩擦によって結合する凹部からなっている。
【0038】
詳細には、第1覆い部材14は、第1継ぎ手8を内部に収容するように覆う、軸心が略L字状に屈曲する筒状形状をしている。この第1覆い部材14は、その軸心方向に沿って延びる1または複数の(図示実施の形態においては、2つの)分割部14bを有し、その分割部14bを閉じることで、第1継ぎ手8を内部に収容するように覆うことが可能となっている。
【0039】
ここで、第1継ぎ手8には、その第1継ぎ手8の屈曲箇所の外面であって、その第1継ぎ手8の軸心を含む平面で切断した断面から遠ざかった側(図示実施の形態においては、両側)に、前記第1被結合部8iが形成される。そして、第1覆い部材14には、その第1覆い部材14の屈曲箇所の内面であって、その第1覆い部材14の軸心を含む平面で切断した断面から遠ざかった側(図示実施の形態においては、両側)に、前記第1結合部14aが形成される。
【0040】
第2覆い部材15は、第2本体側部材901を内部に収容するように覆う、軸心が屈曲する筒状の第2本体側部材用覆い部材151と、排水管側部材902を内部に収容するように覆う、軸心が屈曲する筒状の排水管側部材用覆い部材152とを備える。これら第2本体側部材用覆い部材151と排水管側部材用覆い部材152とは、その軸心方向に沿って延びる1または複数の(図示実施の形態においては、2つの)分割部15bを有し、その分割部15bを閉じることで、第2本体側部材901と排水管側部材902とを内部に収容するように覆うことが可能となっている。
【0041】
ここで、第2本体側部材901と排水管側部材902とにおける一方の部材には、その一方の部材の屈曲箇所の外面であって、その一方の部材の軸心を含む平面で切断した断面から遠ざかった側(図示実施の形態においては、両側)に、前記第2被結合9qが形成されている。そして、第2本体側部材用覆い部材151と排水管側部材用覆い部材152とにおける、前記一方の部材を覆う覆い部材には、その内面に(詳しくは、その覆い部材の屈曲箇所の内面であって、その覆い部材の軸心を含む平面で切断した断面から遠ざかった側(図示実施の形態においては、両側)に)、第2被結合部9qと結合する前記第2結合部15aが形成され、第2被結合部9qと第2結合部15aとの結合により、前記一方の部材を覆う覆い部材が、自重により落下することがないように前記一方の部材に仮保持される。図示実施の形態においては、第2本体側部材901と排水管側部材902のそれぞれが、一方の部材となり、第2本体側部材901と排水管側部材902の両方に、第2被結合部9qが設けられ、第2本体側部材用覆い部材151と排水管側部材用覆い部材152の両方に、第2結合部15aが設けられる。
【0042】
また、排水経路構成部材5は、第1覆い部材14とか第2覆い部材15の他に、屈曲流路形成部材用覆い部材16を備えている。そこで、屈曲流路形成部材12に屈曲流路形成部材用覆い部材16を含めて、屈曲流路形成体17が構成される。すなわち、屈曲流路形成体17は、屈曲流路形成部材12と、その屈曲流路形成部材12を内部に収容するように覆う屈曲流路形成部材用覆い部材16とを備える。この屈曲流路形成部材用覆い部材16は、屈曲流路形成部材本体12dを覆う本体覆い部16aと、蓋体12iを覆う蓋体覆い部16bとに、分割されており、蓋体覆い部16bを本体覆い部16aから取り外すことで、蓋体12iを屈曲流路形成部材本体12dから取り外し可能となる。
【0043】
また、屈曲流路形成部材12に、第1管体10および/または第2管体11を含めて、屈曲流路形成装置18が構成される。すなわち、屈曲流路形成装置18は、屈曲流路形成部材12と、その屈曲流路形成部材12の第1管体側接続口12bに接続された第1管体10、および/または、第2管体側接続口12cに接続された第2管体11とを、備える。ここで、第1管体10は、屈曲流路形成部材12の第1管体側接続口12bに、その軸心回りに回転不能に接続されており、同様に、第2管体11は、屈曲流路形成部材12の第2管体側接続口12cに、その軸心回りに回転不能に接続されている。
【0044】
また、屈曲流路形成部材12に、第1管体10と第1継ぎ手8を含めて、排水装置19が構成される。すなわち、排水装置19は、屈曲流路形成部材12と、その屈曲流路形成部材12の第1管体側接続口12bに接続された第1管体10と、その第1管体10と空調機1の排水口1aとを繋ぐ屈曲した第1継ぎ手8とを、備える。ここで、前述したように、第1継ぎ手8は、排水口1aに接続される排水口側接続口8aを有する筒状の排水口側部材801と、第1管体10が接続される管体側接続口(つまり、本体一端側接続口8b)を有する筒状の管体側部材(つまり、第1本体側部材802)とが、連結されて(詳しくは、分離可能に連結されて)構成される。そして、第1管体10は、屈曲流路形成部材12の第1管体側接続口12bに、その軸心回りに回転不能に接続され、かつ、第1継ぎ手8(詳しくは、第1本体側部材802)の管体側接続口(つまり、本体一端側接続口8b)に、その軸心回りに回転不能に接続されている。
【0045】
排水構造6は、屈曲流路形成部材12の固定部12eが、支持体3に固定されて、屈曲流路形成部材12の、下方に向いた第1管体側接続口12bに、第1管体10が接続され、側方に向いた第2管体側接続口12cに、第2管体11が接続されている。そして、この排水構造6は、空調機1の排水口1aに第1管体10が繋がっており、排水口1aよりも上方に位置する排水管端部4aに第2管体11が繋がっている。
【0046】
また、この排水構造6においては、第1管体10と排水口1aとは、第1継ぎ手8を介して繋がっている。そして、第1継ぎ手8は、第1覆い部材14で覆われており、その第1覆い部材14は、その軸心方向に沿って延びる分割部14bを有している。同様に、第2管体11と排水管端部4aとは、第2継ぎ手9を介して繋がっている。そして、第2継ぎ手9は、第2覆い部材15(つまり、前述の第2本体側部材用覆い部材151および排水管側部材用覆い部材152)で覆われており、その第2覆い部材15は、その軸心方向に沿って延びる分割部15bを有している。そこで、各覆い部材(つまり、第1覆い部材14と第2覆い部材15)には、分割部14b、15bが開かないように粘着テープ等の接合部材20が巻き付けられている。
【0047】
また、この排水構造6においては、屈曲流路形成部材12は、屈曲流路形成部材用覆い部材16で覆われている。前述したように、屈曲流路形成部材12は、開口12jを有する屈曲流路形成部材本体12dと、開口12jを閉鎖する蓋体12iとを備える。そこで、これに対応して、屈曲流路形成部材用覆い部材16は、屈曲流路形成部材本体12dを覆う本体覆い部16aと、蓋体12iを覆う蓋体覆い部16bとに、分割されている。ここで、本体覆い部16aは、第1管体側接続口12bと第2管体側接続口12cと固定部12eとを挟むように(図示実施の形態においては、加えて、開口12jを挟むように)分割された2つの分割体16c、16cを備え、本体覆い部16aには、分割体16c、16cが分離しないように粘着テープ等の接合部材20が巻き付けられている。
【0048】
ところで、第1継ぎ手8は、空調機1の排水経路に用いられるものに限らず、両端に管体(排水口1a、第1管体10)との接続口(排水口側接続口8a、本体一端側接続口8b)を有する管継ぎ手としても把握できる。同様に、第2継ぎ手9は、両端に管体(第2管体11、排水管4)との接続口(本体他端側接続口9a、排水管側接続口9b)を有する管継ぎ手としても把握できる。そこで、この管継ぎ手(第1管継ぎ手8とか第2管継ぎ手9)は、一端に接続口(排水口側接続口8aとか本体他端側接続口9a)を有する筒状の第1連結体(排水口側部材801とか第2本体側部材901)と、一端に接続口(本体一端側接続口8bとか排水管側接続口9b)を有する筒状の第2連結体(第1本体側部材802とか排水管側部材902)とを備える。
【0049】
そして、第1連結体と第2連結体とは、互いの連結側において、いずれか一側の連結体(図示実施の形態においては、排水口側部材801とか排水管側部材902)に、その外周面に、雄ネジ部(第1雄ネジ部8cとか第2雄ネジ部9i)が形成され、他側の連結体(図示実施の形態においては、第1本体側部材802とか第2本体側部材901)に、その外周回りに連結ナット(第1連結ナット8dとか第2連結ナット9j)が空転可能に装着されて、雄ネジ部(第1雄ネジ部8cとか第2雄ネジ部9i)と連結ナット(第1連結ナット8dとか第2連結ナット9j)との螺合により、第1連結体と第2連結体とが連結される。
【0050】
ここで、連結ナット(第1連結ナット8dとか第2連結ナット9j)の前記一側の連結体(排水口側部材801とか排水管側部材902)を向く端面には、周方向に沿って凹凸(第1凹凸8eとか第2凹凸9k)が形成され、一側の連結体(排水口側部材801とか排水管側部材902)には、連結ナット(第1連結ナット8dとか第2連結ナット9j)を雄ネジ部(第1雄ネジ部8cとか第2雄ネジ部9i)にねじ込んだとき前記凹凸(第1凹凸8eとか第2凹凸9k)と係合する係合部(第1係合部8fとか第2係合部9m)が設けられる。そこで、前記凹凸(第1凹凸8eとか第2凹凸9k)は、その凹凸(第1凹凸8eとか第2凹凸9k)と係合する係合部(第1係合部8fとか第2係合部9m)が連結ナット(第1連結ナット8dとか第2連結ナット9j)の緩み方向への回転を阻止するように、鋸刃状に形成される。
【0051】
そして、他側の連結体(第1本体側部材802とか第2本体側部材901)には、連結ナット(第1連結ナット8dとか第2連結ナット9j)が、雄ネジ部(第1雄ネジ部8cとか第2雄ネジ部9i)に対して緩められてその雄ネジ部(第1雄ネジ部8cとか第2雄ネジ部9i)との螺合解除後にその緩み側への1リード以内の移動(つまり、雄ネジ部の軸心方向における緩み側への1リード以内の移動)で当接することで、連結ナット(第1連結ナット8dとか第2連結ナット9j)のそれ以上の緩み側への移動(つまり、雄ネジ部の軸心方向における緩み側への移動)を規制する、規制凸部(第1規制凸部8gとか第2規制凸部9n)が設けられる。さらに、連結ナット(第1連結ナット8dとか第2連結ナット9j)には、その連結ナット(第1連結ナット8dとか第2連結ナット9j)の所定の回転位置にて規制凸部(第1規制凸部8gとか第2規制凸部9n)が通過可能な凹部(第1凹部8hとか第2凹部9p)が設けられる。
【0052】
また、前述のように、第2継ぎ手9は、両端に管体(第2管体11、排水管4)との接続口(本体他端側接続口9a、排水管側接続口9b)を有する管継ぎ手として把握できるが、この管継ぎ手(第2管継ぎ手9)と、この管継ぎ手(第2管継ぎ手9)を内部に収容するように覆う覆い部材(第2覆い部材15)とで、管継ぎ手装置が構成される。すなわち、管継ぎ手装置は、前記管継ぎ手(第2管継ぎ手9)と前記覆い部材(第2覆い部材15)とを備える。詳細には、管継ぎ手(第2管継ぎ手9)は、一端に接続口(本体他端側接続口9a)を有する筒状の第1連結体(第2本体側部材901)と、一端に接続口(排水管側接続口9b)を有する筒状の第2連結体(排水管側部材902)とを備え、それら第1連結体(第2本体側部材901)と第2連結体(排水管側部材902)との他端どうしが連結される。第1連結体(第2本体側部材901)と第2連結体(排水管側部材902)とは、ともに軸心が屈曲して形成されて、それら第1連結体(第2本体側部材901)と第2連結体(排水管側部材902)とを、それらの連結側の軸心を軸に相対的に回動した回動位置で連結することで、両接続口(本体他端側接続口9aと排水管側接続口9b)の相対的な向きを変更可能となっている。
【0053】
一方、覆い部材(第2覆い部材15)は、第1連結体(第2本体側部材901)を内部に収容するように覆う、軸心が屈曲する筒状の第1覆い体(第2本体側部材用覆い部材151)と、第2連結体(排水管側部材902)を内部に収容するように覆う、軸心が屈曲する筒状の第2覆い体(排水管側部材用覆い部材152)とからなり、各覆い体は、その軸心方向に沿って延びる1または複数の分割部(分割部15b)を有し、その分割部(分割部15b)を閉じることで、第1連結体(第2本体側部材901)と第2連結体(排水管側部材902)とを内部に収容するように覆うことが可能となっている。
【0054】
ここで、第1連結体(第2本体側部材901)と第2連結体(排水管側部材902)とにおける一方の連結体(図示実施の形態においては、それぞれの連結体)には、その外面に、被結合部(第2被結合部9q)が形成される。そして、第1覆い体(第2本体側部材用覆い部材151)と第2覆い体(排水管側部材用覆い部材152)とにおける、前記一方の連結体(第2本体側部材901、排水管側部材902)を覆う覆い体(第2本体側部材用覆い部材151、排水管側部材用覆い部材152)には、その内面に、被結合部(第2被結合部9q)と結合する結合部(第2結合部15a)が形成され、被結合部(第2被結合部9q)と結合部(第2結合部15a)との結合により、前記一方の連結体(第2本体側部材901、排水管側部材902)を覆う覆い体(第2本体側部材用覆い部材151、排水管側部材用覆い部材152)が、自重により落下することがないように前記一方の連結体(第2本体側部材901、排水管側部材902)に仮保持される
【0055】
具体的には、第1管体10は、管本体10aと、その管本体10aを覆う筒状の覆い材10bとで構成され、同様に、第2管体11は、管本体11aと、その管本体11aを覆う筒状の覆い材11bとで構成されている。ここで、管本体10a、11aは、例えば合成樹脂製であって、覆い材10b、11bは、断熱材からなる。そして、少なくとも第2管体11は、可撓性を有する。図示実施の形態においては、第1管体10および第2管体11は、可撓性を有し、第1管体10よりも第2管体11が、軸長が短く形成されている。
【0056】
第1継ぎ手8は、前述したように、排水口側部材801と第1本体側部材802とが、第1連結ナット8dを介して連結される。詳細には、第1本体側部材802の外周部には、U字状の止め輪8j(後述する止め輪9rと同一形状)が取り付けられている。そして、第1連結ナット8dは、水まわり用の袋ナットからなり、その第1連結ナット8dが、前記止め輪8jによって、第1本体側部材802の外周面から抜け止めされて、第1雄ネジ部8cに締め付けられる。このとき、第1本体側部材802の先端部分は、排水口側部材801に挿入されて、その挿入された先端部分の外周部に嵌められたリング状の止水部材8kが、排水口側部材801の内周面に密接する。
【0057】
また、この第1継ぎ手8においては、排水口側接続口8aは、排水口1aの異なる径に対応するように、大径部8mと小径部8nとを有している。図示実施の形態においては、排水口1aの径は大径であって、その排水口1aが、排水口側接続口8aの大径部8mと嵌合する。そして、本体一端側接続口8bは、同心状に並ぶ、内側筒部8pと中間筒部8qと外側筒部8rとで構成される。そこで、第1管体10の管本体10aは、内側筒部8pと中間筒部8qとの間に差し入れられ、第1管体10の覆い材10bは、中間筒部8qと外側筒部8rとの間に差し入れられて、例えば接着等により、この本体一端側接続口8bに固定される。
【0058】
第2継ぎ手9は、前述したように、第2本体側部材901と排水管側部材902とが、第2連結ナット9jを介して連結される。詳細には、第2本体側部材901の外周部には、U字状の止め輪9rが取り付けられている。そして、第2連結ナット9jは、水まわり用の袋ナットからなり、その第2連結ナット9jが、前記止め輪9rによって、第2本体側部材901の外周面から抜け止めされて、第2雄ネジ部9iに締め付けられる。このとき、第2本体側部材901の先端部分(つまり、前述の内筒部9g)は、排水管側部材902(詳しくは、前述の外筒部9f)に挿入されて、その挿入された先端部分の外周部に嵌められたリング状の止水部材9hが、排水管側部材902(詳しくは、前述の外筒部9f)の内周面に密接する。
【0059】
また、第2本体側部材901と排水管側部材902とは、前述したように、どちらも軸心が屈曲して形成されるが、この屈曲は、図示実施の形態においては、直状の状態から45°曲がったものとなっている。そこで、第2本体側部材901と排水管側部材902とを、それらの軸心が同一平面上に位置して、それらの連結側の軸心を軸に相対的に180°回動した回動位置で連結することで、前述の平行姿勢と直交姿勢とが形成される。
【0060】
また、第2継ぎ手9における、前述した突出部9dと窪み部9eに関しては、突出部9dは、排水管側部材902の、第2本体側部材901の側を向く先端面から、突出するように形成される。そして、窪み部9eは、第2本体側部材901に設けられる止め輪9rの、排水管側部材902の側を向く面から、窪むように形成される。
【0061】
また、この第2継ぎ手9においては、本体他端側接続口9aは、同心状に並ぶ、内側筒部9sと中間筒部9tと外側筒部9uとで構成される。そこで、第2管体11の管本体11aは、内側筒部9sと中間筒部9tとの間に差し入れられ、第2管体11の覆い材11bは、中間筒部9tと外側筒部9uとの間に差し入れられて、例えば接着等により、この本体他端側接続口9aに固定される。そして、排水管側接続口9bは、排水管4の異なる径に対応するように、大径部9vと小径部9wとを有している。図示実施の形態においては、排水管4の径は大径であって、その排水管4(詳しくは、排水管端部4a)が、排水管側接続口9bの大径部9vと嵌合する。
【0062】
屈曲流路形成部材12は、前記屈曲流路形成部材本体12dと、前記固定部12eと、前記蓋体12iとを備えている。屈曲流路形成部材本体12dは、第2管体側接続口12cを有する筒状の接続体12pが別体となっており、その接続体12pを除いた本体部12qに、接続体12pが連結ナット12r(前述の第1連結ナット8dと同一形状)を介して連結される。詳細には、本体部12qは、本体筒部12sと、その本体筒部12sから側方に延びる延設筒部12tとを有し、その延設筒部12tの外周面に、雄ネジ部12uが形成されている。そして、接続体12pに、その外周回りに連結ナット12rが空転可能に装着されて、雄ネジ部12uと連結ナット12rとの螺合により、本体部12qに接続体12pが連結される。より詳細には、接続体12pの外周部には、U字状の止め輪12v(前述の止め輪9rと同一形状)が取り付けられている。そして、連結ナット12rは、水まわり用の袋ナットからなり、その連結ナット12rが、前記止め輪12vによって、接続体12pの外周面から抜け止めされて、雄ネジ部12uに締め付けられる。このとき、接続体12pの先端部分は、延設筒部12tに挿入され、その挿入された先端部分の外周部に嵌められたリング状の止水部材12wが、延設筒部12tの内周面に密接する。
【0063】
また、屈曲流路形成部材本体12d(詳しくは、本体筒部12s)には、第1管体側接続口12bが、底板12kから下方に突出するようにして形成されている。この第1管体側接続口12bは、同心状に並ぶ、内側筒部120aと中間筒部120bと外側筒部120cとで構成される。そこで、第1管体10の管本体10aは、内側筒部120aと中間筒部120bとの間に差し入れられ、第1管体10の覆い材10bは、中間筒部120bと外側筒部120cとの間に差し入れられて、例えば接着等により、この第1管体側接続口12bに固定される。そして、内側筒部120aの内部が、第1管体10からの排水が流入する前記流入部12nとなる。同様に、第2管体側接続口12cは、同心状に並ぶ、内側筒部120dと中間筒部120eと外側筒部120fとで構成される。そこで、第2管体11の管本体11aは、内側筒部120dと中間筒部120eとの間に差し入れられ、第2管体11の覆い材11bは、中間筒部120eと外側筒部120fとの間に差し入れられて、例えば接着等により、この第2管体側接続口12cに固定される。
【0064】
また、屈曲流路形成部材本体12d(詳しくは、本体筒部12s)に設けられた前記突出筒部12mには、その突出端と中心部とを繋ぐように複数のリブ120g、120gが放射状に設けられ、それらリブ120g、120gが集まる中心部には、通孔120hがあけられている。そこで、排水は、これらリブ120g、120g間を通って内側へと進入する。そして、通孔120hに、前記弁体13が取り付けられる。詳細には、弁体13は、円板状の弁本体13aと、その弁本体13aの中心部分から突出する取付突部13bとからなる。そこで、弁本体13aが、前記突出筒部12mの突出端に載せられ、取付突部13bが、前記通孔120hに挿入されて係止される。
【0065】
また、屈曲流路形成部材本体12d(詳しくは、本体筒部12s)の前記開口12jは、前記底板12kの上方にあって、上方に開口するように設けられる。この開口12jを閉鎖する蓋体12iは、屈曲流路形成部材本体12d(詳しくは、本体筒部12s)の内側に嵌まるようにして取り付けられる。この蓋体12iは、弁体13と対向位置する。そして、蓋体12iには、その外周部にリング状の止水部材120iが嵌められて、その止水部材120iが、開口12jの周面に密接する。
【0066】
屈曲流路形成部材12の固定部12eは、前述したように、取付部12fを有する取付体12gと、組付け部12hとを備える。取付体12gにあっては、取付部12fは、支持体3を受け止める受け部120jと、その受け部120jの前面から延出して支持体3を抱えるように湾曲した抱持部120k、120kとから構成される。そして、取付体12gは、取付部12fの他に、受け部120jの後面から突出して形成され被組付け部120mを有する。一方、組付け部12hは、屈曲流路形成部材本体12d(詳しくは、本体筒部12s)から側方に突出する脚部120nと、その脚部120nの先端から上下に延びる腕部120pとを有する。そして、腕部120pには、取付孔120qがあけられている。そこで、被組付け部120mが、取付孔120qに挿入されて係止されることで、組付け部12hは、取付体12gに組付けられる。
【0067】
第1覆い部材14は、断熱材からなる。この第1覆い部材14は、屈曲する内屈曲側と外屈曲側とに前述の分割部14bを有しており、それら分割部14b、14bによって分割された2つの分割体14c、14cを備える。そして、第1覆い部材14は、各分割体14cに、前述の第1結合部14aが形成される。また、第1覆い部材14には、各端部に、一周する溝14dが設けられており、この溝14dの部分に、前述の接合部材20が巻き付けられる。
【0068】
第2覆い部材15は、断熱材からなる。この第2覆い部材15においては、第2本体側部材用覆い部材151と排水管側部材用覆い部材152とは、屈曲する内屈曲側と外屈曲側とに前述の分割部15bを有しており、それら分割部15b、15bによって分割された2つの分割体15c、15cを備える。そして、第2覆い部材15は、第2本体側部材用覆い部材151と排水管側部材用覆い部材152における、各分割体15cに、前述の第2結合部15aが形成される。また、第2本体側部材用覆い部材151と排水管側部材用覆い部材152には、端部に、一周する溝15dが設けられており、この溝15dの部分に、前述の接合部材20が巻き付けられる。
【0069】
屈曲流路形成部材用覆い部材16は、断熱材からなる。この屈曲流路形成部材用覆い部材16は、前述したように、本体覆い部16aと蓋体覆い部16bとに分割されているが、これら本体覆い部16aと蓋体覆い部16bとは、互いの嵌め合わせによって組付けられる。そして、本体覆い部16aは、前述の分割体16c、16cを備えるが、この本体覆い部16aには、第1管体側接続口12bを挟む側の端部と、第2管体側接続口12cを挟む側の端部に、一周する溝16dが設けられており、この溝16dの部分に、前述の接合部材20が巻き付けられる。
【0070】
次に、以上の構成からなる排水経路構成部材5とか排水構造6等の作用効果について説明する。排水経路構成部材5は、空調機1の排水口1aから、その排水口1aよりも上方に位置する排水管端部4aまでの排水経路を構成するものであって、筒状の本体7と、その本体7の一端側が接続された第1継ぎ手8と、本体7の他端側が接続された第2継ぎ手9とを備えている。ここで、第1継ぎ手8は、その軸心が略L字状に(図示実施の形態においては、排水口1aに接続される排水口側接続口8aの向き8xと、本体7の一端側が接続される本体一端側接口8bの向き8yとが、直交方向なるように)屈曲している。そして、第2継ぎ手9は、本体7の他端側が接続される本体他端側接続口9aの向き9xと、排水管端部4aに接続される排水管側接続口9bの向き9yとが、平行方向となる平行姿勢と、それらの向き9x、9yが交差方向となる屈曲姿勢(図示実施の形態においては、直交方向となる直交姿勢)とに、選択的に変更可能となっている。このように、第2継ぎ手9が、平行姿勢と屈曲姿勢(直交姿勢)とに変更可能となることで、この第2継ぎ手9における接続方向を簡単に変更することができ、また、平行姿勢と屈曲姿勢(直交姿勢)とのいずれかを選択することで、排水経路構成部材5を配置する場所の状況に、容易に対応することができる。
【0071】
第1継ぎ手8は、軸心が略L字状に形成された排水口側部材801と、軸心が直状に形成された第1本体側部材802とが、連結されて構成されている。そして、排水口側部材801は、その排水口側部材801を、第1本体側部材802の軸心を軸に回動した任意の位置で、第1本体側部材802に連結可能となっている。このため、排水口側部材801を回動して、その排水口側部材801における排水口側接続口8aの向き8xを変更することで、その排水口側接続口8aを、容易に、空調機1の排水口1aの側に向けることができる。
【0072】
第2継ぎ手9は、第2本体側部材901と排水管側部材902とが、連結されて構成されており、それら第2本体側部材901と排水管側部材902とは、突出部9dと窪み部9eとの係合により、前記平行姿勢と前記屈曲姿勢(図示実施の形態においては、直交姿勢)とで位置決めされる。そして、第2本体側部材901と排水管側部材902との間には、止水部材9hが介在し、その止水部材9hは、突出部9dと窪み部9eとの係合が外れてしまうまで排水管側部材902が自重により第2本体側部材901から外れる側に移動するのを阻止する。こうして、止水部材9hにより突出部9dと窪み部9eとの係合を維持することで、第2継ぎ手9における平行姿勢あるいは屈曲姿勢(直交姿勢)が保たれ、その第2継ぎ手9の組付け作業(第2本体側部材901と排水管側部材902との組付け作業、詳しくは、第2雄ネジ部9iへの第2連結ナット9jのねじ込みを含む組付け作業)が容易となる。
【0073】
本体7は、第1管体10と、第2管体11と、それら第1管体10と第2管体11とを繋ぐ屈曲流路形成部材12とを備えている。そこで、本体7の途中位置にある(ひいては、排水経路の途中位置にある)屈曲流路形成部材12に、開口12jと蓋体12iとを設けることで、内部の屈曲排水流路12aを点検することができる。
【0074】
そして、屈曲流路形成部材12の内部には弁体13が設けられ、その弁体13を開口12jから出し入れすることで、弁体13を交換することができる。また、弁体13を、底板12kから上方に突出する突出筒部12mの突出端に設けることで、排水中に含まれる埃等の不純物が底板12k上に沈むことから、その不純物が弁体13に固着するのを防ぐことができ、弁体13の動きを長く維持することができる。
【0075】
また、屈曲流路形成部材12は、排水経路の頂点部分を構成するものであって、空調機1の排水口1aに繋がる第1管体10が接続される第1管体側接続口12bと、排水口1aよりも上方に位置する排水管端部4aに繋がる第2管体11が接続される第2管体側接続口12cとを有している。そして、第1管体側接続口12bの向き12xを鉛直下方向としたとき、前記第2管体側接続口12cの向き12yが水平方向またはそれよりも下方(図示実施の形態においては、水平方向)を向く。排水経路の頂点部分において、屈曲流路形成部材12を用いることで、第1管体10に対する第2管体11の向きを変えることができ、管体そのものの屈曲を抑えることができる。また、屈曲流路形成部材12は、支持体3に固定可能な固定部12eを備えており、その固定部12eを支持体3に固定することで、屈曲流路形成部材12自身が支持される。すなわち、排水経路の頂点部分に屈曲流路形成部材12を用いることで、管体そのものの屈曲を抑えることができ、また、屈曲流路形成部材12に固定部12eを設けることで、屈曲流路形成部材12、つまりは排水経路の頂点部分を容易に支持することができる。
【0076】
固定部12eは、屈曲流路形成部材12の、第2管体側接続口12cとは反対側に設けられる。これにより、支持体3が、第2管体側接続口12cに接続される第2管体11とか、第2管体11が繋がる排水管4とかの配設の邪魔になることがない。
【0077】
また、固定部12eは、支持体3に取り付けられる取付部12fを有する取付体12gと、屈曲流路形成部材本体12dに設けられて取付体12gに組付け可能な組付け部12hとを備えている。これにより、固定部12eを支持体3に固定するにあたって、最初に取付部12f(取付体12g)を支持体3に取り付け、その後に、屈曲流路形成部材本体12dに設けられた組付け部12hを取付体12gに組付けることもできる。特に、図示実施の形態においては、組付け部12h(詳しくは、腕部120p)を取付体12g(詳しくは、被組付け部120m)に押し付けることで、被組付け部120mが、腕部120pに設けられた取付孔120qに進入して、組付け部12hが取付体12gに組付けられることから、その組付けが容易となる。
【0078】
また、第1管体10および第2管体11は、可撓性を有し、第1管体10よりも第2管体11が、軸長が短く形成されている。第2管体11が短く形成されることで、その第2管体11は、波打ちしにくい。
【0079】
また、管継ぎ手(例えば、第1継ぎ手8とか第2継ぎ手9)は、第1連結体(排水口側部材801とか第2本体側部材901)と第2連結体(第1本体側部材802とか排水管側部材902)とを備え、それら連結体は、一側の連結体(図示実施の形態においては、排水口側部材801とか排水管側部材902)に形成された雄ネジ部(第1雄ネジ部8cとか第2雄ネジ部9i)に、他側の連結体(図示実施の形態においては、第1本体側部材802とか第2本体側部材901)に空転可能に装着された連結ナット(第1連結ナット8dとか第2連結ナット9j)が螺合することで連結される。そこで、雄ネジ部(第1雄ネジ部8cとか第2雄ネジ部9i)に連結ナット(第1連結ナット8dとか第2連結ナット9j)を螺合させるにあたって、第1連結体と第2連結体とを、それらの連結側の軸心を軸に相対的に回動することで、両接続口(排水口側接続口8aと本体一端側接続口8b、とか、本体他端側接続口9aと排水管側接続口9b)の相対的な向きを変更可能とすることができ、これによって、この管継ぎ手における接続方向を簡単に変更することができる。
【0080】
また、他側の連結体(第1本体側部材802とか第2本体側部材901)には、連結ナット(第1連結ナット8dとか第2連結ナット9j)の緩み側への移動を規制する規制凸部(第1規制凸部8gとか第2規制凸部9n)が設けられており、連結ナット(第1連結ナット8dとか第2連結ナット9j)の不必要な後退を避けて、連結ナットの雄ネジ部(第1雄ネジ部8cとか第2雄ネジ部9i)へのねじ込みを迅速に行うことができる。そして、連結ナット(第1連結ナット8dとか第2連結ナット9j)には、その連結ナットの所定の回転位置にて規制凸部(第1規制凸部8gとか第2規制凸部9n)が通過可能な凹部(第1凹部8hとか第2凹部9p)が設けられており、規制凸部が凹部を通過するようにして、連結ナットを後退させることで、止め輪(止め輪8jとか止め輪9r)の着脱を行うことができる。また、第2連結ナット9jにおいては、規制凸部9nが凹部9pを通過するようにして、連結ナット9jを後退させることで、位置決め手段9cである突出部9dと窪み部9eとの位置関係を視認することもできる。
【0081】
また、管継ぎ手(例えば、第2継ぎ手9)は、第1連結体(第2本体側部材901)と第2連結体(排水管側部材902)とを備え、それら連結体は、軸心が屈曲して形成されて、それら連結体を、それらの連結側の軸心を軸に相対的に回動することで、両接続口(本体他端側接続口9aと排水管側接続口9b)の相対的な向きを変更することができ、これによって、この管継ぎ手における接続方向を簡単に変更することができる。
【0082】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。例えば、排水経路構成部材5において、本体7は、第1管体10と第2管体11と屈曲流路形成部材12とを備えなくても、図38および図39に示すように、一本の管体7a(詳しくは、可撓性を有する管体)からなっていてもよい。
【0083】
また、屈曲流路形成部材12における第1管体側接続口12bに接続される第1管体10は、排水口1aに、第1継ぎ手8を介して繋がっているが、第1継ぎ手8を介すことなく直接繋がってもよい。同様に、屈曲流路形成部材12における第2管体側接続口12cに接続される第2管体11は、排水管端部4aに、第2継ぎ手9を介して繋がっているが、第2継ぎ手9を介すことなく直接繋がってもよい。
【0084】
また、固定部12eは、支持体3に取り付けられる取付部12fを有する取付体12gと、その取付体12gに組付け可能な組付け部12hとを備えるが、組付け部12hを備えることなく、取付体12gが直接、屈曲流路形成部材本体12dに設けられてもよい。
【0085】
また、支持体3として、空調機1を吊り下げる吊りボルト2を用いなくても、屈曲流路形成部材12を吊り下げる専用のボルト部材(吊りボルト)を用いてもよい。また、支持体3は、ボルト部材に限るものではなく、空調機1に設けられた支持体であったり、その他構造物等であってもよい。
【0086】
また、第1管体10と第2管体11とは、第1管体10よりも第2管体11が、軸長が短く形成されているが、これに限るものではなく、同じ長さであったり、第1管体10の方が短く形成されてもよい。
【0087】
また、第1継ぎ手8とか第2継ぎ手9は、第1覆い部材14とか第2覆い部材15によって覆われているが、これら第1覆い部材14と第2覆い部材15のうちの一方あるいは両方は、無くてもよい。同様に、屈曲流路形成部材12は、屈曲流路形成部材用覆い部材16によって覆われているが、この屈曲流路形成部材用覆い部材16は、無くてもよい。
【0088】
また、第1継ぎ手8には、第1被結合部8iが設けられ、第1覆い部材14には、第1結合部14aが設けられているが、これら第1被結合部8iと第1結合部14aは、無くてもよい。同様に、第2継ぎ手9(第2本体側部材901および排水管側部材902)には、第2被結合部9qが設けられ、第2覆い部材15(第2本体側部材用覆い部材151および排水管側部材用覆い部材152)には、第2結合部15aが設けられているが、これら第2被結合部9qと第2結合部15aは、無くてもよく、また、第2本体側部材901と第2本体側部材用覆い部材151、あるいは、排水管側部材902と排水管側部材用覆い部材152の、いずれか一方のみに、第2被結合部9qと第2結合部15aが設けられてもよい。
【0089】
また、第1覆い部材14とか第2覆い部材15には、溝14d、15dの部分に、接合部材20が巻き付けられるが、この接合部材20は、溝14d、15dに限らず、例えば、全体に巻き付けられてもよい。また、屈曲流路形成部材用覆い部材16においても、同様であって、接合部材20は、溝16dに限らず、例えば、全体に巻き付けられてもよい。
【符号の説明】
【0090】
1 空調機
1a 排水口
3 支持体
4a 排水管端部
6 排水構造
8 第1継ぎ手
801 排水口側部材
802 第1本体側部材(管体側部材)
8a 排水口側接続口
8b 本体一端側接続口(管体側接続口)
8x 排水口側接続口の向き
9 第2継ぎ手
10 第1管体
11 第2管体
12 屈曲流路形成部材
12a 屈曲排水流路
12b 第1管体側接続口
12c 第2管体側接続口
12d 屈曲流路形成部材本体
12e 固定部
12f 取付部
12g 取付体
12h 組付け部
12i 蓋体
12j 開口
12x 第1管体側接続口の向き
12y 第2管体側接続口の向き
13 弁体
14 第1覆い部材
14b 分割部
15 第2覆い部材
15b 分割部
16 屈曲流路形成部材用覆い部材
16a 本体覆い部
16b 蓋体覆い部
16c 分割体
17 屈曲流路形成体
18 屈曲流路形成装置
19 排水装置
20接合部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39