(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-04
(45)【発行日】2023-08-15
(54)【発明の名称】配線基板及び半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 23/12 20060101AFI20230807BHJP
H01L 25/07 20060101ALI20230807BHJP
H01L 25/065 20230101ALI20230807BHJP
H01L 25/18 20230101ALI20230807BHJP
H05K 1/02 20060101ALI20230807BHJP
H10B 80/00 20230101ALI20230807BHJP
【FI】
H01L23/12 E
H01L25/08 E
H05K1/02 J
H05K1/02 P
H10B80/00
H01L23/12 301Z
(21)【出願番号】P 2020046216
(22)【出願日】2020-03-17
【審査請求日】2022-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】弁理士法人サクラ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】尾山 幸史
(72)【発明者】
【氏名】中村 三昌
(72)【発明者】
【氏名】佐野 雄一
【審査官】豊島 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-156549(JP,A)
【文献】特開2000-311964(JP,A)
【文献】特開2014-022652(JP,A)
【文献】特開2019-129181(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L23/12-23/15
25/00-25/07
25/10-25/11
25/16-25/18
H05K 1/00- 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高速配線が配置された第1配線層と、
前記高速配線よりも遅い信号を伝送する信号配線が配置された第2配線層と、
前記第1配線層と前記第2配線層との間に配置され、電源配線又は/及びグランド配線を含む第3配線層と、を有する配線基板であって、
前記第1配線層のランドと前記信号配線が重ならない部分の前記電源配線又は/及びグランド配線を除去し、
前記第1配線層のランドと前記信号配線が重なる部分の前記電源配線又は/及びグランド配線を、前記信号配線と重なるように配置した、配線基板。
【請求項2】
前記高速配線が、1GHz以上の周波数の信号を流す配線である
請求項1記載の配線基板。
【請求項3】
前記第1配線層のランドと前記信号配線が重なる部分の前記電源配線又は/及びグランド配線の線幅は、前記信号配線の線幅を10とした場合、5から15の幅である
請求項1又は2記載の配線基板。
【請求項4】
前記第1配線層と前記第2配線層との間のノイズシールドのために設けられた前記第3配線層の配線は、グランド配線である
請求項1乃至3の何れか1項記載の配線基板。
【請求項5】
絶縁層が、樹脂、セラミックス、ガラス、ポリイミド、シリコン酸化物、シリコン窒化物の何れか一つを少なくとも含む絶縁材料で形成され、
導体層が、銅、アルミニウム、タングステン、金、銀の何れか一つを少なくとも含む合金で形成された
請求項1乃至4の何れか1項記載の配線基板。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1項記載の配線基板に設けられた第1半導体チップと、
前記第1半導体チップの上に設けられた第1樹脂層と、
前記第1樹脂層の上に設けられた第2半導体チップと、をさらに備え、
前記高速配線は前記第1半導体チップと接続する半導体装置。
【請求項7】
前記第1半導体チップはコントローラチップであり、
前記第2半導体チップは半導体メモリチップである、
請求項6記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、配線基板及び半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の小型化、高速化、高機能化等を実現するために、1つのパッケージ内に複数の半導体チップを積層して封止した構造の半導体記憶装置等の半導体パッケージが実用化されている。半導体記憶装置は、例えば配線基板上にFOD(Film On Device)材によりコントローラチップを埋め込みつつ接着し、FOD材上にメモリチップを多段に積層した構造を備えている。
【0003】
上記のような半導体パッケージでは、配線基板として複数の配線層が形成された多層の配線基板が使用されているが、各層の配線間のノイズの影響を低減することが求められている。このような要求に答えるため、配線層と配線層との間にグランド配線等を介在させてノイズシールド配線とすることが行われている。
【0004】
しかしながら、PCIe(Peripheral Component Interconnect Express)などの高速配線が設けられた配線基板では、グランド配線等のノイズシールド配線と高速配線との容量結合が大きくなり、電気特性が悪化するという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第4919475号公報
【文献】特開2001-250825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、配線層間のノイズの影響を軽減しつつ、容量結合の抑制を図ることができる配線基板及び半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の配線基板は、高速配線が配置された第1配線層と、前記第1配線層に対して平行であり、前記高速配線よりも遅い信号を伝送する信号配線が配置された第2配線層と、前記第1配線層と前記第2配線層との間に配置され、前記第1配線層と前記第2配線層との間のノイズシールドのために設けられた電源配線又は/及びグランド配線からなる第3配線層とを有する配線基板であって、前記第1配線層のランドと前記信号配線が重ならない部分の前記電源配線又はグランド配線を除外し、前記第1配線層のランドと前記信号配線が重なる部分の前記電源配線又はグランド配線を、前記信号配線と重なるように配置した。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図。
【
図2】実施形態に係る配線基板の要部構成を示す断面図。
【
図3】実施形態に係る配線基板の要部構成を示す断面図。
【
図4】実施形態に係る配線基板の要部構成を示す平面図。
【
図5】実施形態に係る配線基板の第1配線層の配線パターンの平面模式図。
【
図6】実施形態に係る配線基板の第2配線層の配線パターンの平面模式図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態に係る図面を参照して説明する。なお、各図面において、実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、その説明を一部省略する場合がある。図面は模式的なものであり、厚さと平面寸法との関係、各部の厚さの比率等は現実のものとは異なる場合がある。説明中の上下等の方向を示す用語は、特に明記が無い場合には後述する基板の半導体チップ搭載面を上とした場合の相対的な方向を示し、重力加速度方向を基準とした現実の方向とは異なる場合がある。
【0010】
図1は、実施形態に係る半導体装置(半導体パッケージ)を示す断面図である。
図1に示す半導体パッケージ1は、配線基板2と、配線基板2上に搭載された第1の半導体チップ3と、第1の半導体チップ3を埋め込みつつ配線基板2に接着する第1の接着層(FOD)4と、第1の接着層4と接着している、電極を具備しない第2の半導体チップ5上に固着された複数の第3の半導体チップ6の積層体7と、第1の半導体チップ3や第3の半導体チップ6の積層体7等を封止するように配線基板2上に設けられた封止樹脂層8とを具備している第2の半導体チップ5はスペーサ基板でありシリコンウェハが用いられるが、他にポリイミド等の樹脂やガラス等の板をスペーサ基板として用いても良い。
【0011】
配線基板2は、例えば絶縁性樹脂基板や絶縁性セラミックス基板等の表面に設けられた配線層9や内部に設けられた配線層10等から構成された配線網を有するものである。絶縁性材料として具体的にはガラス-エポキシ樹脂複合材、ガラス、ポリイミド樹脂、シリコン酸化物、シリコン窒化物等のような絶縁材料がある。配線層9、10は、例えば銅や銅合金、金や金合金等、銀や銀合金、アルミニウム、タングステン、チタン、ニッケル等の金属材料により構成される。配線基板2は、外部端子の形成面等となる第1の面2aと、半導体チップ3、5、6の搭載面となる第2の面2bとを有している。
【0012】
配線基板2の第2の面2b上には、第1の半導体チップ3が搭載されており、第1の半導体チップ3は第1の接着層(FOD)4内に埋め込まれつつ配線基板2のチップ搭載領域に接着されている。第1の半導体チップ3としては、例えば第3の半導体チップ6として用いられる半導体メモリチップと外部機器との間でデジタル信号を送受信するコントローラチップやインターフェースチップ、ロジックチップ、RFチップ等のシステムLSIチップが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0013】
第1の半導体チップ3の電極(図示せず)は、ボンディングワイヤ11を介して配線基板2の配線層9と電気的に接続されている。コントローラチップ等の第1の半導体チップ3を配線基板2上に直接搭載することによって、第1の半導体チップ3と配線基板2との間の配線長を短縮することができる。これによって、第1の半導体チップ3と配線基板2との間の信号転送速度の向上等が図られ、半導体パッケージ1の高速化対応が可能になる。さらに、第1の半導体チップ3が第1の接着層4内に埋め込まれているため、配線基板2に対する第3の半導体チップ6の搭載性を低下させたり、またパッケージサイズの小型化等を妨げることもない。従って、小型で高速デバイスに対応させた半導体パッケージ1を提供することが可能になる。
【0014】
コントローラチップ等の第1の半導体チップ3の外形形状は、半導体メモリチップ等の第3の半導体チップ6のそれに比べて小さいことが一般的である。そこで、配線基板2上に搭載された第1の半導体チップ3を第1の接着層4内に埋め込んだ上で、第1の接着層4上に複数の第3の半導体チップ6を積層して搭載している。第3の半導体チップ6の具体例としては、NAND型フラッシュメモリのような半導体メモリチップが挙げられるが、これに限られるものではない。本実施形態においては、4個の半導体メモリチップが第3の半導体チップ6として積層して搭載されている。なお、第3の半導体チップ6の積層数は4段に限らない。
【0015】
第1の接着層4上に搭載された複数の第3の半導体チップ6のうち、1段目から4段目までの第3の半導体チップ6はそれぞれの電極が露出するように、第1の方向(図中、紙面右方向)に電極が配列された端部をずらして階段状に積層されている。
【0016】
複数の第3の半導体チップ6のうち、1段目の第3の半導体チップ6は電極を具備しない第2の半導体チップ5上に固着されている。第2の半導体チップ5は第1の接着層4を介して第1の半導体チップ3の上に固着されている。1の接着層4には、一般的なDAF(Die Attach Film)等の接着剤が用いられる。第3の半導体チップ6は、
図1では図示を省略したDAF等の接着剤によって、下側に位置する第2の半導体チップ5や第3の半導体チップ6に固着されている。第3の半導体チップ6の電極(図示せず)は、ボンディングワイヤ12を介して配線基板2の配線層9と電気的に接続されている。電気特性や信号特性が等しい電極パッドに関しては、配線基板2の配線層9と複数の第3の半導体チップ6の電極パッドとをボンディングワイヤ12で順に接続することができる。すなわち、1段目から4段目までの第3の半導体チップ6の電極は、ボンディングワイヤ12で順に接続し、1段目の第3の半導体チップ6の電極と配線基板2の配線層9とをボンディングワイヤ12で接続している。半導体チップの厚みは例えば30μm~100μmである。
【0017】
配線基板2の第2の面2b上には、第1の半導体チップ3や第3の半導体チップ6の積層体7をボンディングワイヤ11、12と共に封止するように、エポキシ樹脂等の絶縁樹脂を用いた封止樹脂層8が例えばモールド成形されている。これらの構成要素によって、実施形態の半導体パッケージ1が構成されている。
【0018】
次に、
図2~
図6を参照して半導体パッケージ1の配線基板2の構成について説明する。
図2、3に示すように、配線基板2は、第1配線層21と、第2配線層23と、第3配線層24とを有する。第1配線層21と、第2配線層23と、第3配線層24とはそれぞれ略平行である。
【0019】
図5は、第1配線層21における配線パターンの平面模式図である。第1配線層21には、高速配線ランド20aと、高速配線ランド20aに接続する第1層高速配線20と、信号配線ランド22aと、信号配線ランド22aに接続する第1層信号配線22bと、電源用ランドXとグランド用ランドYと、が設けられている。各配線はビア28を介して、第1配線層21、第2配線層23、及び、第3配線層24の間を接続する。I部分では高速配線ランド20aからビアを介して第2配線層23に高速配線が接続される。II部分では高速配線ランド20aから第1層高速配線20が延伸し、ビア28を介して第2配線層23に高速配線が接続される。高速配線ランド20a、信号配線ランド22a、電源用ランドXとグランド用ランドYとには、ハンダバンプ等が形成され図示しない外部機器と接続する。
【0020】
図6は第2配線層23における配線パターンの平面模式図である。第2配線層23には、第2層高速配線20cと第2層信号配線22とが設けられている。それぞれビアを介して第1配線層21から接続されている。また一点鎖線IIIで囲まれた場所を見ればわかるように、高速配線ランド20aと第2層信号配線22とが重なっている場所がある。
【0021】
図2、3に示すように、第3配線層24には、電源配線25とグランド配線26とが設けられている。電源配線25が第1配線層21側にあり、その上にグランド配線26が配置されている。電源配線25とグランド配線26とには電源用ランドXとグランド用ランドYとを介して給電される。第3配線層24に設けられた電源配線25とグランド配線26のうちの少なくとも一方は、高速配線ランド20aと第2層信号配線22との間に発生するノイズをシールドするノイズシールド配線として使用される。なお、第1配線層21、第2配線層23においては、配線やパッドが設けられていない部分は、ベタ状、またはメッシュ状の電源配線やグランド配線が配置されているが、
図5,6では省略している。本実施形態では、グランド配線26をノイズシールド配線として使用する場合について説明する。
【0022】
以下、高速配線について説明する。
高速配線20は、例えばPCIe(Peripheral Component Interconnect Express)などの高速配線であり、周波数が例えば1GHz以上の信号を流す配線であって、インピーダンスコントロールが必要とされる。信号配線では高速配線よりも遅い周波数の信号が流れる。高速配線ランド20aは、第1層高速配線20の線幅に比べて大きな径を有し、大きな面積を占める導体部となっている。また第1層高速配線20及び第2層高速配線20cは2本で一組のペア配線であり、その配線パターンは互いに似通っている。高速配線はペアで使用することが好ましい。例えば高速配線20は信号を高速でやりとりする必要がある第1の半導体チップ3にのみ接続される。例えば信号配線20は信号配線ランド22aから出て第1の半導体チップ3に接続されるものと、信号配線ランド22aから出て第3の半導体チップ6に接続されるものと、第1の半導体チップ3と第3の半導体チップ6とを接続するものとがある。
【0023】
上述のように、高速配線ランド20aは、大きな面積を占める導体部となっている。このため、高速配線ランド20aの部分とグランド配線26とが重なっていると、これらの間の容量結合が大きくなる。したがって、
図2に示すように、本実施形態では、上層の第2配線層23の第2層信号配線22と高速配線ランド20aとが重ならない部分においては、これらの間に、ノイズシールド配線として作用するグランド配線26を配置しない(除去する)。
【0024】
また、
図3に示すように、上層の第2配線層23の第2層信号配線22と高速配線ランド20aとが重なる部分においては、第2層信号配線22と重なるように、これらの間に、ノイズシールド配線として作用するグランド配線26を配置する。
【0025】
図4は、
図6の一点鎖線IIIで囲まれた部分を拡大し透視的に表した模式図である。第2配線層23の第2層信号配線22と、グランド配線26が設けられた部分を示している。高速配線ランド20aの外形は点線で示す。前述したとおり第1配線層21の高速配線ランド20aと、第2配線層23の第2層信号配線22との間には、ノイズシールド配線として作用するグランド配線26がこれらの間に介在するように配設されている。そして、
図4に示すように、高速配線ランド20aと重なる部分については、高速配線ランド20aの形状に対応してグランド配線26が設けられていない領域が形成されている。一方、高速配線ランド20aの上を横切るように、第2層信号配線22が形成されている部分、換言すれば高速配線ランド20aと第2層信号配線22が重なる部分については、第2層信号配線22と重なるようにグランド配線26が設けられている。
【0026】
グランド配線26は、高速配線ランド20aを通る第2層信号配線22の配線パターンと同様な配線パターンで形成されている。理解のため
図4においては、第2層信号配線22の線幅がグランド配線26の線幅よりも細いように描いているが、基本的には、第2層信号配線22の線幅と略同一が好ましい。しかし、グランド配線26の線幅は、必ずしも第2層信号配線22の線幅と略同一とする必要はなく、例えば、第2層信号配線22の線幅を10とした時に、グランド配線26の線幅を5~15増えた線幅としてもよい。なお、第2層信号配線22等の線幅は、例えば、30μm乃至35μm程度である。
【0027】
グランド配線26の線幅を広くすることによって、高速配線ランド20aと第2層信号配線22との間のノイズ低減効果が高くなるが、高速配線ランド20aとグランド配線26との容量結合が多くなる。一方、グランド配線26の線幅を狭くすることによって、高速配線ランド20aとグランド配線26との容量結合を低減することができるが、高速配線ランド20aと第2層信号配線22との間のノイズ低減効果が低くなる。
【0028】
このため、上記したとおり、グランド配線26の線幅は、第2層信号配線22の線幅を10とした時、5~15の間の線幅とする。これによって、高速配線ランド20aと第2層信号配線22との間のノイズの影響を軽減しつつ、高速配線ランド20aとグランド配線26との容量結合を抑制して電気特性の悪化を抑制することができる。
【0029】
配線基板2は、絶縁層とこの絶縁層に形成された導体層で構成されている。絶縁層は、樹脂、セラミックス、ガラス、ポリイミド、シリコンの何れかを少なくとも含む絶縁材料で形成することができる。また、導体層は、銅、アルミニウム、タングステン、金、銀の何れか又はこれらを含む合金で形成することができる。
【0030】
以上のように、本実施形態の配線基板2及び半導体パッケージ1では、配線層間のノイズの影響を軽減しつつ、容量結合の抑制を図ることができる。
【0031】
実際に、高速配線ランド20aと重なる部分については、高速配線ランド20aの形状に対応してグランド配線26が設けられていない領域が形成され、高速配線ランド20aと第2層信号配線22が重なる部分については、第2層信号配線22と重なるように第2層信号配線22と同じ線幅のグランド配線26が設けられている実施例の配線基板2を使用した半導体パッケージ1を作成した。一方、高速配線ランド20aと重なる部分についても一様に(ベタに)グランド配線26が設けられている比較例の配線基板2を使用した半導体パッケージ1を作成した。そして、これらの電気性能について比較した。
【0032】
上記の電気性能の比較では、リターンロス(Return Loss)について、ディファレンシャルモード(Differential mode)及びコモンモード(Common mode)のリファレンスクロック(REFCLK)について、周波数50MHz-2.5GHz、2.5GHz-8GHzにおいて測定し比較した。
【0033】
この結果、ディファレンシャルモードのリファレンスクロックでは、50MHz-2.5GHzにおいて-0.58dB、2.5GHz-8GHzにおいて-0.48dB比較例に比べて実施例の方が良い結果が得られた。また、コモンモードのリファレンスクロックでは、50MHz-2.5GHzにおいて-0.39dB、2.5GHz-8GHzにおいて-0.28dBと、比較例に比べて実施例の方が良い結果が得られた。
【0034】
他の実施形態。
(a)上記実施形態ではグランド配線26をシールドとして利用したが、電源配線25をシールドとして用いてもよい。または、電源配線25とグランド配線26との両方をシールドに用いても良い。
(b)上記実施形態では電源配線25の上にグランド配線26があるが、電源配線25が上側にあり、グランド配線26が下側にあってもよい。
(c)上記実施形態ではグランド配線26または電源配線25がシールドするのは高速配線ランド20aであるが、信号配線ランド22aをシールドしてもよい。
(d)上記実施形態では
図2、
図3に示すように電源配線25の上にグランド配線26があり、疑似的に二層になっているが、電源配線25とグランド配線26とが同一層に設けられていてもよい。
【0035】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0036】
1……半導体パッケージ、2……配線基板、3……第1の半導体チップ、4……第1の接着層(FOD)、5……第2の半導体チップ、6……第3の半導体チップ、7……積層体、8……封止樹脂層、9,10……配線層、11,12……ボンディングワイヤ、20……第1層高速配線、20a……高速配線ランド、20c……第2層高速配線、21……第1配線層、22……第2層信号配線、22a……信号配線ランド、22b……第1層信号配線、23……第2配線層、24……第3配線層、25……電源配線、26……グランド配線、28……ビア、X……電源用ランド、Y……グランド用ランド。