(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-04
(45)【発行日】2023-08-15
(54)【発明の名称】連結されたアダプタの構成要素を位置決めするための改善されたモータ制御装置を有する手持ち式電気機械的外科用器具
(51)【国際特許分類】
A61B 17/072 20060101AFI20230807BHJP
【FI】
A61B17/072
(21)【出願番号】P 2020532746
(86)(22)【出願日】2018-12-13
(86)【国際出願番号】 IB2018060053
(87)【国際公開番号】W WO2019116316
(87)【国際公開日】2019-06-20
【審査請求日】2021-11-11
(32)【優先日】2017-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517076008
【氏名又は名称】エシコン エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Ethicon LLC
【住所又は居所原語表記】#475 Street C, Suite 401, Los Frailes Industrial Park, Guaynabo, Puerto Rico 00969, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】シェルトン・ザ・フォース・フレデリック・イー
(72)【発明者】
【氏名】モルガン・ジェローム・アール
(72)【発明者】
【氏名】ハリス・ジェイソン・エル
(72)【発明者】
【氏名】ベンデリー・マイケル・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】イェイツ・デビッド・シー
【審査官】宮崎 敏長
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0296176(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0303895(US,A1)
【文献】特開昭51-023762(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00
A61B 17/03
A61B 17/068
A61B 17/072
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用アクセサリに動作可能に連結されるように構成された手持ち式電気機械的外科用デバイスであって、
ハンドルアセンブリであって、
前記ハンドルアセンブリ内に支持された複数の電動モータであって、各前記電動モータは回転可能なモータ駆動シャフトを含む、複数の電動モータと、
各前記電動モータに連結され、かつ前記電動モータを制御するように構成されたプロセッサと、を含む、ハンドルアセンブリを含み、前記電気機械的外科用デバイスは、
前記ハンドルアセンブリを中に選択的に収容するように構成された外部シェルハウジングと、
前記ハンドルアセンブリと前記外部シェルハウジングとの間に挿入されたバリヤプレートアセンブリであって、前記バリヤプレートアセンブリは、各前記回転可能なモータ駆動シャフトと駆動係合するために、各前記回転可能なモータ駆動シャフトに対応する回転可能な連結シャフトアセンブリを含み、各前記回転可能な連結シャフトアセンブリは、前記ハンドルアセンブリと動作可能に連結した前記外科用アクセサリの対応するアクセサリ駆動シャフトと選択的に駆動係合するために前記外部シェルハウジングを通って突出する、バリヤプレートアセンブリと、
前記ハンドルアセンブリ内で支持され、各前記回転可能なモータ駆動シャフトの回転を監視し、前記プロセッサと通信して、前記電動モータのそれぞれに制御信号を適用するために、前記バリヤプレートアセンブリ内の前記回転可能な連結シャフトアセンブリと協働する手段と、を更に含
み、
前記電動モータは、それぞれ前記ハンドルアセンブリ内に支持されたモータブラケットによって支持され、その結果、各前記電動モータの前記回転可能なモータ駆動シャフトが、前記対応する回転可能な連結シャフトアセンブリと駆動係合するために前記モータブラケットから突出
し、
各前記回転可能なモータ駆動シャフトの回転を監視するための前記手段が、
各前記回転可能なモータ駆動シャフトに対応し、前記プロセッサと通信する、前記モータブラケット上のセンサと、
各前記回転可能な連結シャフトアセンブリに対応し、前記回転可能な連結シャフトアセンブリが取り付けられる前記回転可能なモータ駆動シャフトに対応する前記センサによって感知されるように構成されたセンサアクチュエータと、を含
み、
各前記センサは、前記プロセッサと通信するホール効果センサを含み、各前記センサアクチュエータは、各前記回転可能な連結シャフトアセンブリに対応する磁石を含
み、
各前記回転可能な連結シャフトアセンブリは、
前記バリヤプレートアセンブリ内に回転可能に支持されたカプラブッシュと、
前記カプラブッシュに付随して、これと共に回転移動し、且つこれを通って延在するカプラシャフトであって、その結果、前記カプラシャフトの遠位端は、前記外部シェル
ハウジングを通って延在して、前記ハンドルアセンブリと動作可能に連結した前記外科用アクセサリの対応するアクセサリ駆動シャフトと選択的に駆動係合するように構成され、その近位端は、カプラスリーブによって対応する
前記回転可能なモータ駆動シャフトに連結するように構成されている、カプラシャフトと、を含む
、手持ち式電気機械的外科用デバイス。
【請求項2】
各前記磁石は対応する前記カプラブッシュによって支持されている、請求項
1に記載の手持ち式電気機械的外科用デバイス。
【請求項3】
各前記磁石は対応する前記カプラスリーブによって支持されている、請求項
1に記載の手持ち式電気機械的外科用デバイス。
【請求項4】
各前記回転可能なモータ駆動シャフトの回転を監視するための前記手段は、
各前記回転可能なモータ駆動シャフトに対応し、前記プロセッサと通信する、前記モータブラケット上の少なくとも1つのスイッチと、
各前記回転可能なモータ駆動シャフト及び前記対応する回転可能な連結シャフトアセンブリに対応し、これらに取り付けられて、前記回転可能なモータ駆動シャフト及び前記対応する回転可能な連結シャフトアセンブリを共に駆動係合してユニットとして回転するように構成されたカプラスリーブと、を含み、各前記カプラスリーブは、前記回転可能なモータ駆動シャフトが回転すると、前記
カプラシャフトが取り付けられた前記回転可能なモータ駆動シャフトに対応する前記少なくとも1つのスイッチを作動させるように構成された少なくとも1つのアクチュエータを含む、請求項
1に記載の手持ち式電気機械的外科用デバイス。
【請求項5】
前記少なくとも1つのスイッチは、各前記回転可能なモータ駆動シャフトに対応し、その周りの前記モータブラケット上で円周方向に離間した配置で配置され、前記プロセッサと通信する、複数のスイッチを含み、前記少なくとも1つのアクチュエータは、各前記カプラスリーブ上に複数の円周方向に離間されたアクチュエータを含み、前記複数の円周方向に離間されたアクチュエータは、前記カプラスリーブが取り付けられた前記回転可能なモータ駆動シャフトに対応する前記複数のスイッチを作動させるように構成されている、請求項
4に記載の手持ち式電気機械的外科用デバイス。
【請求項6】
各前記カプラスリーブ上の各前記複数の円周方向に離間されたアクチュエータは、前記カプラスリーブが取り付けられた前記回転可能なモータ駆動シャフトに対応する前記複数のスイッチを機械的に作動させるように構成されている、請求項
5に記載の手持ち式電気機械的外科用デバイス。
【請求項7】
各前記回転可能な連結シャフトアセンブリは、前記バリヤプレートアセンブリ内に回転可能に支持され、各前記回転可能なモータ駆動シャフトに対応するカプラシャフトを含み、前記カプラスリーブが、前記対応するカプラシャフト及び前記回転可能なモータ駆動シャフトを回転不能に係合するように構成されている、請求項
4に記載の手持ち式電気機械的外科用デバイス。
【請求項8】
外科用アクセサリに動作可能に連結されるように構成された手持ち式電気機械的外科用デバイスであって、
ハンドルハウジングと、
前記ハンドルハウジング内に支持された複数の電動モータであって、各前記電動モータは回転可能なモータ駆動シャフトを含む、複数の電動モータと、
前記ハンドルハウジングを選択的に収容するように構成された外部シェルハウジングと、
前記ハンドルハウジングと前記外部シェルハウジングとの間に挿入されたバリヤプレートアセンブリであって、前記バリヤプレートアセンブリは、各前記回転可能なモータ駆動シャフトと駆動係合するために、各前記回転可能なモータ駆動シャフトに対応する回転可能な連結シャフトを含み、各前記回転可能な連結シャフトは、前記外科用デバイスと動作可能に連結した前記外科用アクセサリの対応するアクセサリ駆動シャフトと選択的に駆動係合するために前記外部シェルハウジングを通って突出する、バリヤプレートアセンブリと、
モータ制御システムであって、
各前記電動モータを制御するように構成されたプロセッサと、
前記ハンドルハウジング内で支持され、各前記回転可能なモータ駆動シャフトに対応するモータコントローラ装置であって、各前記モータコントローラ装置は、対応する
前記回転可能なモータ駆動シャフトの回転位置に関する信号を前記プロセッサに送信するように構成されている、モータコントローラ装置と、を含む、モータ制御システムと、を含
み、
前記モータコントローラ装置は、
前記ハンドルハウジング内で支持され、各前記回転可能なモータ駆動シャフトに対応し、前記プロセッサと通信する、固定センサと、
各前記回転可能な連結シャフトに対応し、前記回転可能な連結シャフトが取り付けられた前記回転可能なモータ駆動シャフトに対応する前記固定センサによって感知されるように構成されたセンサアクチュエータと、を含
み、
各前記
固定センサは、前記プロセッサと通信するホール効果センサを含み、各前記センサアクチュエータは、各前記回転可能な連結シャフトに対応する磁石を含
み、
各前記回転可能な連結シャフトは、
前記バリヤプレートアセンブリ内に回転可能に支持されたカプラブッシュと、
前記カプラブッシュに付随して、これと共に回転移動し、且つこれを通って延在するカプラシャフトであって、その結果、前記カプラシャフトの遠位端は、前記外部シェルハウジングを通って延在して、前記ハンドルハウジングと動作可能に連結した前記外科用アクセサリの対応するアクセサリ駆動シャフトと選択的に駆動係合するように構成され、その近位端は、カプラスリーブによって対応する
前記回転可能なモータ駆動シャフトに連結するように構成されている、カプラシャフトと、を含む
、記載の手持ち式電気機械的外科用デバイス。
【請求項9】
各前記磁石は対応する前記カプラブッシュによって支持されている、請求項
8に記載の手持ち式電気機械的外科用デバイス。
【請求項10】
各前記磁石は対応するカプラスリーブによって支持されている、請求項
8に記載の手持ち式電気機械的外科用デバイス。
【請求項11】
前記モータコントローラ装置は、
各前記回転可能なモータ駆動シャフトに対応し、前記プロセッサと通信する少なくとも1つの固定スイッチと、
各前記回転可能なモータ駆動シャフト及び前記対応する回転可能な連結シャフトに対応し、これらに取り付けられて、前記回転可能なモータ駆動シャフト及び前記対応する回転可能な連結シャフトを共に駆動係合してユニットとして回転するように構成されたカプラスリーブと、を含み、各前記カプラスリーブは、対応する
前記回転可能なモータ駆動シャフトが回転すると、前記
カプラシャフトが取り付けられた前記回転可能なモータ駆動シャフトに対応する前記少なくとも1つの固定スイッチを作動させるように構成された少なくとも1つのアクチュエータを含む、請求項
8に記載の手持ち式電気機械的外科用デバイス。
【請求項12】
前記少なくとも1つの固定スイッチは、各前記回転可能なモータ駆動シャフトに対応し、その周り
のモータブラケット上で円周方向に離間した配置で配置され、前記プロセッサと通信する、複数の固定スイッチを含み、前記少なくとも1つのアクチュエータは、各前記カプラスリーブ上に複数の円周方向に離間されたアクチュエータを含み、前記複数の円周方向に離間されたアクチュエータは、前記カプラスリーブが取り付けられた前記回転可能なモータ駆動シャフトに対応する前記複数の固定スイッチを作動させるように構成されている、請求項
11に記載の手持ち式電気機械的外科用デバイス。
【請求項13】
前記プロセッサは、各前記モータコントローラ装置によって前記プロセッサに送信された前記信号に応答して、前記電動モータの各前記回転可能なモータ駆動シャフトの回転速度及び回転方向を調節するように構成されている、請求項
8に記載の手持ち式電気機械的外科用デバイス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、外科用器具に関し、また、様々な状況において組織をステープル留めし、切断するために設計された、外科用ステープル留め及び切断器具並びにそれらと共に使用するためのステープルカートリッジに関する。
【図面の簡単な説明】
【0002】
本明細書に記載する実施形態の様々な特徴は、それらの利点と共に、以下の添付図面と併せて以下の説明によって理解することができる。
【
図2】
図1の外科用システムの電気機械的外科用器具部分の遠位端の斜視図である。
【
図3】
図2の外部シェル機構及び電気機械的外科用器具の分解組立図である。
【
図4】
図2の電気機械的外科用器具の一部の背面斜視図である。
【
図5】
図1の外科用システムのアダプタ及び電気機械的外科用器具の一部の部分分解組立図である。
【
図7】アダプタの関節運動アセンブリの一部分の断面斜視図である。
【
図9】
図8の関節運動アセンブリの別の斜視図である。
【
図10】
図1の電気機械的外科用システムに採用された装填ユニットの分解組立図である。
【
図11】代替的なアダプタの実施形態の斜視図である。
【
図12】その顎部が開放位置にある、
図11のアダプタの装填ユニットの一部分の側面図である。
【
図13】その一部が断面図で示され、その顎部が閉鎖位置にある、
図11の装填ユニットの一部分の別の側面図である。
【
図14】その一部が断面図で示される、
図13の装填ユニットの一部分の底面図である。
【
図15】外側管の一部分が破線で示される、
図14の装填ユニットの一部分の斜視図である。
【
図16】その内部に様々な封止装置を採用する別のアダプタの近位部分の断面図である。
【
図20】別のアダプタの一部分の背面斜視図である。
【
図22】そのモータを制御するための電気機械的外科用デバイスのモータ制御システムの分解組立斜視図である。
【
図23】そのモータを制御するための電気機械的外科用デバイスの別のモータ制御システムの斜視図である。
【
図25】電気機械的外科用器具のモータのうちの1つに付随するモータ制御システムの一部分の部分端面図である。
【0003】
複数の図面を通して、対応する参照符号は対応する部分を示す。本明細書に記載される例示は、本発明の様々な実施形態を1つの形態で例示するものであり、このような例示は、いかようにも本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本願の出願人は、2017年12月15日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらはそれぞれの全内容が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第15/843,485号、発明の名称「SEALED ADAPTERS FOR USE WITH ELECTROMECHANICAL SURGICAL INSTRUMENTS」、
-米国特許出願第15/843,518号、発明の名称「END EFFECTORS WITH POSITIVE JAW OPENING FEATURES FOR USE WITH ADAPTERS FOR ELECTROMECHANICAL SURGICAL INSTRUMENTS」、
-米国特許出願第15/843,535号、発明の名称「SURGICAL END EFFECTORS WITH CLAMPING ASSEMBLIES CONFIGURED TO INCREASE JAW APERTURE RANGES」、
-米国特許出願第15/843,558号、発明の名称「SURGICAL END EFFECTORS WITH PIVOTAL JAWS CONFIGURED TO TOUCH AT THEIR RESPECTIVE DISTAL ENDS WHEN FULLY CLOSED」、
-米国特許出願第15/843,528号、発明の名称「SURGICAL END EFFECTORS WITH JAW STIFFENER ARRANGEMENTS CONFIGURED TO PERMIT MONITORING OF FIRING MEMBER」、
-米国特許出願第15/843,567号、発明の名称「ADAPTERS WITH END EFFECTOR POSITION SENSING AND CONTROL ARRANGEMENTS FOR USE IN CONNECTION WITH ELECTROMECHANICAL SURGICAL INSTRUMENTS」、
-米国特許出願第15/843,556号、発明の名称「DYNAMIC CLAMPING ASSEMBLIES WITH IMPROVED WEAR CHARACTERISTICS FOR USE IN CONNECTION WITH ELECTROMECHANICAL SURGICAL INSTRUMENTS」、
-米国特許出願15/843,514号、発明の名称「ADAPTERS WITH FIRING STROKE SENSING ARRANGEMENTS FOR USE IN CONNECTION WITH ELECTROMECHANICAL SURGICAL INSTRUMENTS」、
-米国特許出願第15/843,501号、発明の名称「ADAPTERS WITH CONTROL SYSTEMS FOR CONTROLLING MULTIPLE MOTORS OF AN ELECTROMECHANICAL SURGICAL INSTRUMENT」、
-米国特許出願第15/843,682号、発明の名称「SYSTEMS AND METHODS OF CONTROLLING A CLAMPING MEMBER FIRING RATE OF A SURGICAL INSTRUMENT」、代理人整理番号END8280USNP/170226、
-米国特許出願第15/843,689号、発明の名称「SYSTEMS AND METHODS OF CONTROLLING A CLAMPING MEMBER」、
-米国特許出願第15/843,704号、発明の名称「METHODS OF OPERATING SURGICAL END EFFECTORS」。
【0005】
明細書に記載され、添付の図面に示されるように、実施形態の全体的な構造、機能、製造、及び使用の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が説明される。周知の動作、構成要素、及び要素は、本明細書に記載される実施形態を不明瞭にしないようにするため、詳細に記載されていない。読者は、本明細書に記載され図示された実施形態は、非限定的な例であり、したがって本明細書に開示された特定の構造的及び機能的詳細は、代表的及び例示的であり得ることを、理解するであろう。特許請求の範囲から逸脱することなく、それに対する変形及び変更を行うことができる。
【0006】
用語「含む(comprise)」(「comprises」及び「comprising」など、compriseの任意の語形)、「有する(have)」(「has」及び「having」など、haveの任意の語形)、「含む(include)」(「includes」及び「including」など、includeの任意の語形)、及び「含有する(contain)」(「contains」及び「containing」など、containの任意の語形)は、オープンエンドの連結動詞である。結果として、1つ以上の要素を「含む(comprise)」、「有する」、「含む(include)」、若しくは「含有する」外科用システム、デバイス、又は装置は、それらの1つ以上の要素を有するが、それらの1つ以上のみを有することに限定されない。同様に、1つ以上の特徴を「含む(comprise)」、「有する」、「含む(include)」、若しくは「含有する」、システム、デバイス、又は装置の要素は、それら1つ以上の特徴を有するが、それら1つ以上の特徴のみを有することに限定されない。
【0007】
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書では、外科用器具のハンドル部分を操作する臨床医を基準として使用される。「近位」という用語は、臨床医に最も近い部分を指し、「遠位」という用語は、臨床医から離れた位置にある部分を指す。便宜上及び明確性のために、「垂直」、「水平」、「上」、及び「下」などの空間的用語が、本明細書において図面に対して使用され得ることが更に理解されよう。しかしながら、外科用器具は、多くの向き及び位置で使用されるものであり、これらの用語は限定的及び/又は絶対的であることを意図したものではない。
【0008】
腹腔鏡下及び低侵襲性の外科手術を行うための、様々な例示的なデバイス及び方法が提供される。しかしながら、本明細書に開示される様々な方法及びデバイスが、例えば開腹外科手術と関連するものを含む、多くの外科手術及び用途で使用され得ることが、読者には容易に理解されよう。本明細書の「発明を実施するための形態」を読み進めることで、読者は、本明細書に開示される様々な器具が、例えば、もとからある開口部を通じて、組織に形成された切開又は穿刺穴を通じてなど、任意の方法で体内に挿入され得ることを更に理解するであろう。これらの器具の作用部分すなわちエンドエフェクタ部分は、患者の体内に直接に挿入することもでき、又は、外科用器具のエンドエフェクタ及び細長いシャフトを進めることが可能な作用通路を有するアクセスデバイスを通じて挿入することもできる。
【0009】
外科用ステープル留めシステムは、シャフトと、シャフトから延在するエンドエフェクタと、を含むことができる。エンドエフェクタは第1の顎部及び第2の顎部を含む。第1の顎部は、ステープルカートリッジを含む。ステープルカートリッジは、第1の顎部へと挿入可能であり、且つ第1の顎部から取り外し可能であるが、ステープルカートリッジが第1の顎部から取り外し可能でない、又は第1の顎部から少なくとも容易に交換可能ではない、その他の実施形態が想到される。第2の顎部は、ステープルカートリッジから排出されたステープルを変形させるように構成されたアンビルを含む。第2の顎部は、閉鎖軸の周囲にて、第1の顎部に対して枢動可能であるが、第1の顎部が第2の顎部に対して枢動可能である、その他の実施形態が想定される。外科用ステープル留めシステムは、エンドエフェクタをシャフトに対して回転させる、すなわち関節運動させることができるように構成された関節運動接合部を更に含む。エンドエフェクタは、関節運動接合部を通って延在する関節運動軸を中心にして回転可能である。関節運動接合部を含まない他の実施形態も想到される。
【0010】
ステープルカートリッジは、カートリッジ本体を含む。カートリッジ本体は、近位端と、遠位端と、近位端と遠位端との間に延在するデッキ部と、を含む。使用中、ステープルカートリッジは、ステープル留めされる組織の第1の側に位置付けられ、アンビルは、組織の第2の側に位置付けられる。アンビルは、ステープルカートリッジに向かって移動させられて、デッキ部に対して組織を圧縮及びクランプする。続いて、カートリッジ本体内に取り外し可能に格納されたステープルを、組織内に配備することができる。カートリッジ本体は、その内部に画定されたステープルキャビティを含み、ステープルは、ステープルキャビティ内に取り外し可能に格納される。ステープルキャビティは、6つの長手方向列に配置されている。3列のステープルキャビティが長手方向スロットの第1の側に位置付けられ、3列のステープルキャビティが長手方向スロットの第2の側に位置付けられている。ステープルキャビティ及びステープルの他の配置も可能であり得る。
【0011】
ステープルは、カートリッジ本体内のステープル駆動部によって支持されている。駆動部は、第1の、すなわち未発射位置と、ステープルキャビティからステープルを排出する、第2の、すなわち発射位置と、の間で移動可能である。駆動部は、カートリッジ本体の底部周辺に延在する保持具によってカートリッジ本体内に保持され、また、カートリッジ本体を把持し、保持具をカートリッジ本体に対して保持するように構成された、弾性部材を含む。駆動部は、スレッドによってそれらの未発射位置とそれらの発射位置との間で移動可能である。スレッドは、近位端に隣接した近位位置と、遠位端に隣接した遠位位置と、の間で移動可能である。スレッドは、駆動部の下を摺動し、駆動部を持ち上げるように構成された複数の傾斜面を含み、ステープルがその上に支持され、アンビルに向かう。
【0012】
上記に加えて、スレッドは発射部材によって遠位に移動される。発射部材は、スレッドに接触し、スレッドを遠位端に向かって押し出すように構成されている。カートリッジ本体内に画定された長手方向スロットは、発射部材を受け入れるように構成されている。アンビルは、発射部材を受け入れるように構成されたスロットも含む。発射部材は、第1の顎部に係合する第1のカムと、第2の顎部に係合する第2のカムと、を更に含む。発射部材を遠位に前進させる際、第1のカム及び第2のカムは、ステープルカートリッジのデッキ部とアンビルとの間の距離、すなわち組織隙間を制御することができる。発射部材はまた、ステープルカートリッジとアンビルとの中間に捕捉された組織を切除するように構成されたナイフも含む。ステープルがナイフよりも前方に排出されるように、ナイフが傾斜面に対して少なくとも部分的に近位側に位置付けられることが望ましい。
【0013】
図1は、種々の異なる外科手術を実施するために使用され得る、モータ駆動式(電気機械的)外科用システム1を示す。その図に見られるように、外科用システム1の一実施例は、電動手持ち式電気機械的外科用ツールによって作動及び操作されるようにそれぞれ構成された複数の異なる外科用ツール器具(本明細書では「アダプタ」と呼ぶ)が選択的に取り付けられるように構成された、電動手持ち式電気機械的外科用器具100を含む。
図1に示されるように、手持ち式外科用器具100は、アダプタ200と選択的に接続するように構成され、続いてアダプタ200は、単回使用装填ユニット(「SULU」)又は使い捨て装填ユニット(「DLU」)又は複数使用装填ユニット(「MULU」)を含むエンドエフェクタと選択的に接続するように構成されている。別の外科用システムの実施形態では、更に様々な形態のアダプタ200がロボット制御又は自動外科用システムのツール駆動アセンブリと共に効果的に採用され得る。例えば、本明細書で開示する外科用ツールアセンブリは、種々のロボットシステム、器具、構成要素及び方法、例えば、限定されないが、参照によって全体内容が本明細書に組み込まれる米国特許第9,072,535号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」に開示されるものと共に使用されてもよい。
【0014】
図1及び
図2に示されるように、外科用器具100は、電源パック101と、電源パック101を選択的に受容し、実質的に収容するように構成された外部シェルハウジング10と、を含む。電源パック101は、本明細書ではハンドルアセンブリ101とも称され得る。例えば、外科用器具100の一形態は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる国際公開第WO2016/057225A1号、国際出願第PCT/US2015/051837号、発明の名称「HANDHELD ELECTROMECHANICAL SURGICAL SYSTEM」に開示されている。外科用器具100の様々な特徴は、本明細書で開示される本発明の様々な特徴を理解するのに必要なものを超えて開示されず、更なる詳細は、参照により本明細書に組み込まれる国際公開第WO2016/057225A1及びその他の参考文献から得ることができることが理解されよう。
【0015】
図3に示されるように、外部シェルハウジング10は、遠位半部10aと、近位半部10bと、を含み、近位半部10bは、遠位半部10a及び近位半部10bの上縁部に沿って位置するヒンジ16によって、遠位半部10aに枢動可能に接続されている。接合されると、遠位半部10a及び近位半部10bは、電源パック101が選択的に配置されるシェルキャビティ10cをその中に画定する。遠位半部10a及び近位半部10bのそれぞれは、対応する上部シェル部分12a、12b、及び対応する下部シェル部分14a、14bを含む。下部シェル部分14a、14bは、下部シェル部分14a、14bを互いに選択的に固定し、シェルハウジング10を閉鎖状態に維持するためのスナップ閉鎖機構18を画定する。シェルハウジング10の遠位半部10aは、アダプタ200の対応する駆動連結アセンブリ210を受け入れるように構成された接続部分20を画定する(
図5を参照)。具体的には、シェルハウジング10の遠位半部10aは、アダプタ200が外科用器具100に嵌合されるとアダプタ200の駆動連結アセンブリ210の一部分を受容する凹部を有する。
【0016】
図5に示されるように、遠位半部10aの接続部分20は、その内側表面から半径方向内向きに突出する一対の軸方向に延在するガイドレール21a、21bを画定する。ガイドレール21a、21bは、アダプタ200が外科用器具100に嵌合されると、アダプタ200を外科用器具100に対して回転方向に配向することを支援する。遠位半部10aの接続部分20は、その遠位側に面する表面に形成され、互いに共通する平面又は線上に配置される3つの開口部22a、22b、22cを画定する。遠位半部10aの接続部分20はまた、その遠位側に面する表面に形成された細長いスロット24を画定する。遠位半部10aの接続部分20は更に、その表面に形成された雌型接続機構26(
図2を参照)を画定する。雌型接続機構26は、アダプタ200の雄型接続機構と選択的に係合する。
【0017】
シェルハウジング10の遠位半部10aは、遠位側に面するトグル制御ボタン30を支持する。トグル制御ボタン30は、対応する力、又は押下力がそれに加えられると左、右、上、及び下方向に作動することができる。シェルハウジング10の遠位半部10aは、右側の対の制御ボタン32a、32b(
図3を参照)、及び左側の対の制御ボタン34a、34b(
図2を参照)を支持する。右側制御ボタン32a、32b及び左側制御ボタン34a、34bは、対応する力又は押下力がそれに加えられると作動することができる。シェルハウジング10の近位半部10bは、右側制御ボタン36a(
図3参照)及び左側制御ボタン36b(
図2を参照)を支持する。右側制御ボタン36a及び左側制御ボタン36bは、対応する力又は押下力がそれに加えられると作動することができる。
【0018】
シェルハウジング10は、遠位半部10a内で選択的に支持されている無菌バリヤプレートアセンブリ60を含む。具体的には、無菌バリヤプレートアセンブリ60は、遠位半部10aの接続部分20の後方、かつシェルハウジング10のシェルキャビティ10cの内部に配設される。プレートアセンブリ60は、3つの連結シャフト64a、64b、64cを回転可能に支持するプレート62を含む(
図3及び
図5を参照)。各連結シャフト64a、64b、64cは、プレート62の対向する側面から延在し、3つの突出する(tri-lobe)横断面プロファイルを有する。各連結シャフト64a、64b、64cは、無菌バリヤプレートアセンブリ60がシェルハウジング10のシェルキャビティ10c内に配設されたときに、遠位半部10aの接続部分20のそれぞれの開口部22a、22b、22cを通って延在する。プレートアセンブリ60は、プレート62上に支持された電気パススルーコネクタ66を更に含む。パススルーコネクタ66は、プレート62の対向する側面から延在する。パススルーコネクタ66は、プレート62全体に電気接続を延在させるための電気導管をそれぞれ含む複数の接触経路を画定する。プレートアセンブリ60が、シェルハウジング10のシェルキャビティ10c内に配設されているとき、連結シャフト64a、64b、64cの遠位端及びパススルーコネクタ66の遠位端は、シェルハウジング10の遠位半部10aの接続部分20内に配設されるか、又は位置し、アダプタ200のそれぞれの対応する機構と電気的及び/又は機械的に係合するように構成されている。
【0019】
図3及び
図4を参照すると、電源パック又はハンドルアセンブリ101は、下側ハウジング部分104と、下側ハウジング部分104から延在する及び/又は下側ハウジング部分104上に支持されている上側ハウジング部分108と、を有する内側ハンドルハウジング110を含む。下側ハウジング部分104及び上側ハウジング部分108は、遠位半部110aと、複数の締結具によって遠位半部110aに接続可能な近位半部110bと、に分離される。接合されると、遠位半部110a及び近位半部110bは、その内部に電源パックコアアセンブリ106が位置する内側ハウジングキャビティ110cをその中に有する内側ハンドルハウジング110を画定する。電源パックコアアセンブリ106は、外科用器具100の種々の動作を制御するように構成されている。
【0020】
内側ハンドルハウジング110の遠位半部110aは、シェルハウジング10の遠位トグル制御ボタン30と動作可能に位置合わせされた遠位トグル制御インターフェース130を支持する。使用中、電源パック101がシェルハウジング10内に配設されると、トグル制御ボタン30が作動することによってトグル制御インターフェース130に力が加えられる。内側ハンドルハウジング110の遠位半部110aはまた、右側対の制御インターフェース(図示せず)、及び左側対の制御インターフェース132a、132bも支持する。使用中、電源パック101がシェルハウジング10内に配設されているときは、シェルハウジング10の遠位半部10aの右側対の制御ボタン又は左側対の制御ボタンのうちの一方が作動することによって、内側ハンドルハウジング110の遠位半部110aの右側対の制御インターフェース132a、132b又は左側対の制御インターフェース132a、132bの対応する一方に力が加えられる。
【0021】
図1~5を参照すると、内側ハンドルハウジング110は、その内部に電源パックコアアセンブリ106が位置するハウジングを提供する。電源パックコアアセンブリ106は、電池回路140、コントローラ回路基板142、及び外科用器具100の電気部品のいずれかに電力を供給するように構成された充電式電池144を含む。コントローラ回路基板142は、モータコントローラ回路基板142a、主コントローラ回路基板142b、及びモータコントローラ回路基板142aと主コントローラ回路基板142bとを相互接続する第1のリボンケーブル142cを含む。電源パックコアアセンブリ106は、主コントローラ回路基板142b上に支持されたディスプレイスクリーン146を更に含む。ディスプレイスクリーン146は、内側ハンドルハウジング110の近位半部110b内に設けられた透明又は透過性窓110d(
図3を参照)を通して視認可能である。内側ハンドルハウジング110の少なくとも一部分は、透過性の硬質プラスチックなどから製作され得ることが企図される。更に、シェルハウジング10は、その中に形成された窓(ディスプレイスクリーン146及び内側ハンドルハウジング110の近位半部110bの窓110dと視覚的に位置合わせされた)を含んでもよいか、かつ/又はシェルハウジング10は、透過性の硬質プラスチックなどから製造されてもよいか、のいずれかであることが企図される。
【0022】
電源パックコアアセンブリ106は、モータブラケット148によって支持され、それぞれコントローラ回路基板142及び電池144に電気接続された、第1のモータ152、第2のモータ154、及び第3のモータ156を更に含む。モータ152、154、156は、モータコントローラ回路基板142aと主コントローラ回路基板142bとの間に配置される。各モータ152、154、156は、それから延在する対応するモータシャフト152a、154a、156aを含む。各モータシャフト152a、154a、156aは、回転力又はトルクを送信するための3つの突出する横断面プロファイルを有する。各モータ152、154、156は、それぞれのモータコントローラによって制御される。外科用器具100の様々な動作を実行するために、それぞれのモータ152、154、156によるモータシャフト152a、154a、156aの回転は、アダプタ200の駆動シャフト及び/又はギア構成要素を駆動するように働く。具体的には、電源パックコアアセンブリ106のモータ152、154、156は、アダプタ200の駆動シャフト及び/又はギア構成要素を駆動するように構成されている。
【0023】
図1及び
図5に示されるように、外科用器具100はアダプタ200と選択的に接続するように構成され、ひいては、アダプタ200はエンドエフェクタ500と選択的に接続するように構成されている。アダプタ200は、外側ノブハウジング202と、ノブハウジング202の遠位端から延在する外側管206と、を含む。ノブハウジング202及び外側管206は、アダプタアセンブリ200の構成要素を収容するように構成及び寸法決めされる。外側管206は内視鏡を挿入するために寸法決めされており、具体的には、外側管は、典型的なトロカールポート、カニューレなどを通過することが可能である。ノブハウジング202は、トロカールポート、カニューレなどに入らないように寸法決めされる。ノブハウジング202は、外科用器具100の外部シェルハウジング10の接続部分20に接続するように構成及び適合されている。
【0024】
図10に示され、また下記でより詳細に説明されるとおり、アダプタ200は、外科用器具100の第1の連結シャフト64a又は第2の連結シャフト64bのいずれかの回転を、エンドエフェクタ500の駆動アセンブリ540及び関節運動リンク560を動作させるのに有用な軸方向の並進に変換するように構成されている。
図6に示されるように、アダプタ200は、その内部で第1の回転可能な近位駆動シャフト212、第2の回転可能な近位駆動シャフト214、及び第3の回転可能な近位駆動シャフト216を回転可能に支持する近位内側ハウジングアセンブリ204を含む。各近位駆動シャフト212、214、216は、外科用器具100のそれぞれの連結シャフト64a、64b、及び64cから回転力を受ける回転受容部材として機能する。加えて、アダプタ200の駆動連結アセンブリ210は、互いに共通する平面又は線上に配置された第1のコネクタスリーブ218、第2のコネクタスリーブ220、及び第3のコネクタスリーブ222をそれぞれ回転可能に支持するようにも構成されている。各コネクタスリーブ218、220、222は、上述した外科用器具100のそれぞれの第1の連結シャフト64a、第2の連結シャフト64b、及び第3の連結シャフト64cと嵌合するように構成されている。各コネクタスリーブ218、222、220は、アダプタ200のそれぞれの第1の近位駆動シャフト212、第2の近位駆動シャフト214、及び第3の近位駆動シャフト216の近位端と嵌合するように更に構成されている。
【0025】
アダプタ200の駆動連結アセンブリ210はまた、対応する第1のコネクタスリーブ218、第2のコネクタスリーブ220、及び第3のコネクタスリーブ222の遠位に配設された第1の付勢部材224、第2の付勢部材226、及び第3の付勢部材228を含む。各付勢部材224、226、及び228は、対応する第1の回転可能な近位駆動シャフト212、第2の回転可能な近位駆動シャフト214、及び第3の回転可能な近位駆動シャフト216の周りに配設される。アダプタ200が外科用器具100と接続されると、付勢部材224、226、及び228は、コネクタスリーブ218、222、及び220が外科用器具100の対応する連結シャフト64a、64b、及び64cの遠位端と係合した状態を維持するのを助けるように、対応するコネクタスリーブ218、222、及び220に対して作用する。
【0026】
また、図示される構成では、アダプタ200は、それぞれ内側ハウジングアセンブリ204及び外側管206の内部に配設される、第1の駆動変換アセンブリ240、第2の駆動変換アセンブリ250、及び第3の駆動変換アセンブリ260をそれぞれ含む。各駆動変換アセンブリ240、250、260は、外科用器具100の第1の連結シャフト64a、第2の連結シャフト64b、及び第3の連結シャフト64cの回転を、エンドエフェクタ500の関節運動を達成するためにアダプタ200の関節運動駆動部又はバー258の軸方向の並進へと、アダプタ200の回転を達成するためにアダプタ200のリングギア266の回転へと、又はエンドエフェクタ500の閉鎖、開放、及び発射を達成するためにアダプタ200の遠位駆動部材248の軸方向並進へと、送信又は変換するように構成及び適合される。
【0027】
更に
図6を参照すると、第1の力/回転送信/変換アセンブリ240は、上述したように、内側ハウジングアセンブリ204内で回転可能に支持されている、第1の回転可能な近位駆動シャフト212を含む。第1の回転可能な近位駆動シャフト212は、外科用器具100の対応する第1の連結シャフト64aに接続された第1のコネクタスリーブ218と接続するように構成された非円形の又は形状付けされた近位端部分を含む。第1の回転可能な近位駆動シャフト212は、ねじ付き遠位端部分212bを含む。第1の力/回転送信/変換アセンブリ240は、第1の回転可能な近位駆動シャフト212のねじ付き遠位端部分212bと螺合し、外側管206内に摺動可能に配設される駆動連結ナット244を更に含む。駆動連結ナット244は、第1の回転可能な近位駆動シャフト212が回転される際に回転するのを防止されるように、外側管206の近位コア管部分内に摺動可能にキー止めされる。このように、第1の回転可能な近位駆動シャフト212が回転すると、駆動連結ナット244は、第1の回転可能な近位駆動シャフト212のねじ付き遠位端部分212bに沿って、ひいては外側管206を通って、かつ/又は外側管206に沿って並進される。
【0028】
第1の力/回転送信/変換アセンブリ240は、駆動連結ナット244と機械的に係合した遠位駆動部材248を更に含み、駆動連結ナット244の軸方向移動によって対応する量の遠位駆動部材248の軸方向移動がもたらされる。遠位駆動部材248の遠位端部分は、エンドエフェクタ500の駆動アセンブリ540の係合部材546(
図10)と選択的に係合するように構成及び寸法決めされた接続部材247を支持する。駆動連結ナット244及び/又は遠位駆動部材248は、エンドエフェクタ500の構成要素への力送信部材として機能する。動作中、外科用器具100の第1の連結シャフト64aが回転した結果として、第1の回転可能な近位駆動シャフト212が回転されると、駆動連結ナット244が、第1の回転可能な近位駆動シャフト212に沿って軸方向に並進される。駆動連結ナット244が第1の回転可能な近位駆動シャフト212に沿って軸方向に並進されると、遠位駆動部材248は、外側管206に対して軸方向に並進される。接続部材247が遠位駆動部材248に接続され、かつエンドエフェクタ500の駆動アセンブリ540に取り付けられた中空の駆動部材548(
図10)と係合した状態で、遠位駆動部材248が軸方向に並進されると、それに伴って遠位駆動部材248がエンドエフェクタ500の駆動アセンブリ540の軸方向並進を引き起こし、エンドエフェクタ500のツールアセンブリ部分600の閉鎖、及びツールアセンブリ内の様々な構成要素の発射を達成する。
【0029】
更に
図6を参照すると、アダプタ200の第2の駆動変換アセンブリ250は、内側ハウジングアセンブリ204内に回転可能に支持されている第2の近位駆動シャフト214を含む。第2の回転可能な近位駆動シャフト214は、外科用器具100の第2の連結シャフト64cと接続するように構成された非円形の又は形状付けされた近位端部分を含む。第2の回転可能な近位駆動シャフト214は、関節運動ベアリングアセンブリ252の関節運動ベアリングハウジング253と螺合するように構成されたねじ付き遠位端部分214aを更に含む。
図6~
図9を参照すると、関節運動ベアリングハウジング253は、外側レース259に対して独立して回転可能な内側レース257を有する関節運動ベアリング255を支持する。関節運動ベアリングハウジング253は、内側ハウジングハブ204aの相補的な穴(図示せず)内に摺動可能かつ回転不能に配設された、例えばティアドロップ形状などの非円形の外側輪郭を有する。アダプタ200の第2の駆動変換アセンブリ250は、関節運動ベアリング255の内側レース257に固定された近位部分を有する関節運動バー258を更に含む。関節運動バー258の遠位部分は、エンドエフェクタ500のフック562関節運動リンク560(
図10)を受け入れるように構成されたスロット258aを内部に含む。関節運動バー258は、エンドエフェクタ500の構成要素への力送信部材として機能する。図示される構成では、また、更に国際公開第2016/057225A1号に記載されるとおり、関節運動ベアリングアセンブリ252は、その第1の顎部部材610及び第2700が接近位置にあるとき、かつ/又は顎部部材610、700が関節運動しているとき、回転可能かつ長手方向に並進可能であり、また、エンドエフェクタ500の自由かつスムーズな回転運動を可能にするように構成されている。
【0030】
動作中、第2の近位駆動シャフト214が回転されると、関節運動ベアリングアセンブリ252は、第2の近位駆動シャフト214のねじ付き遠位端部分214aに沿って軸方向に並進され、それによって関節運動バー258が外側管206に対して軸方向に並進される。関節運動バー258が軸方向に並進されると、エンドエフェクタ500の関節運動リンク560に連結された関節運動バー258によって、それに伴うエンドエフェクタ500の関節運動リンク560の軸方向の並進が生じ、ツールアセンブリ600の関節運動が達成される。関節運動バー258は、関節運動ベアリング253の内側レース257に固定され、そのため、長手方向軸を中心に関節運動ベアリング253の外側レース259に対して自由に回転する。
【0031】
図6に示すように、アダプタ200は、内側ハウジングアセンブリ204内に支持されている第3の駆動変換アセンブリ260を含む。第3の駆動変換アセンブリ260は、外側ノブハウジング202内に固定して支持され、かつ外側ノブハウジング202に接続された回転リングギア266を含む。リングギア266は、ギア歯266aの内部アレイを画定し、一対の正反対に対向して半径方向に延在する突出部266bを含む。リングギア266の回転が外側ノブハウジング202の回転をもたらし、逆もまた同様となるように、突出部266bは、外側ノブハウジング202内に画定された凹部内に配設されるように構成されている。第3の駆動変換アセンブリ260は、上述したように、内側ハウジングアセンブリ204内に回転可能に支持されている第3の回転可能な近位駆動シャフト216を更に含む。第3の回転可能な近位駆動シャフト216は、第3のコネクタ220と接続するように構成された非円形の又は形状付けされた近位端部分を含む。第3の回転可能な近位駆動シャフト216は、その遠位端にキー止めされたスパーギア216を含む。逆転スパーギア264は、第3の回転可能な近位駆動シャフト216のスパーギア216aをリングギア266のギア歯266aと相互係合させる。動作中、第3の回転可能な近位駆動シャフト216が回転されると、外科用器具100の第3の連結シャフト64bが回転することにより、第3の回転可能な近位駆動シャフト216のスパーギア216aが逆転ギア264と係合して、逆転ギア264を回転させる。逆転ギア264が回転すると、リングギア266も回転し、それによって外側ノブハウジング202が回転する。外側ノブハウジング202の回転によって、外側管206がアダプタ200の長手方向軸を中心に回転する。外側管206が回転すると、アダプタ200の遠位端部分に接続されたエンドエフェクタ500も、アダプタ200の長手方向軸を中心に回転する。
【0032】
アダプタ200は、アダプタ200の駆動連結アセンブリ210から突出するステム273(
図6)上に支持されている取り付け/取り外しボタン272(
図5)を更に含む。取り付け/取り外しボタン272は、ステム273内又はその周囲に配置された付勢部材(図示せず)によって、非作動状態へと付勢される。ボタン272は、外科用器具100の接続部分20の対応するリップ又はレッジの背後にスナップ嵌めするように構成されたリップ又はレッジを含む。これも国際公開第WO2016/057225A1号に記載されるように、アダプタ200は、遠位駆動部材248の軸方向位置を固定するためのロック機構280を更に含んでもよい。
図21で見られるように、例えば、ロック機構280は、外側ノブハウジング202上に摺動可能に支持されているボタン282を含む。ロックボタン282は、外側管206を通って長手方向に延在する作動バー(図示せず)に接続される。作動バーは、ロックボタン282の移動に応じて移動する。動作中、遠位駆動部材248の位置及び/又は向きをロックするために、ユーザーは、ロックボタン282を遠位位置から近位位置へと移動させて、それによってロックアウト(図示せず)を近位方向に移動させ、その結果、ロックアウトの遠位面が移動してカム部材288との接触から外れ、そのためカム部材288が遠位駆動部材248の凹部249内にカム作用する。このようにして、遠位駆動部材248は、遠位及び/又は近位方向に移動することを防止される。ロックボタン282が近位位置から遠位位置に移動されると、作動バーの遠位端は、付勢部材(図示せず)の付勢に逆らってロックアウト(図示せず)内へと遠位方向に移動して、カム部材288を凹部249から押し出し、それによって遠位駆動部材248の軸方向の並進及び半径方向の移動を可能にする。
【0033】
再び
図6を参照すると、アダプタ200は、外側ノブハウジング202及び内側ハウジングアセンブリ204上に、かつ外側ノブハウジング202及び内側ハウジングアセンブリ204内に支持された電気アセンブリ290を含む。電気アセンブリ290は、外科用器具100のシェルハウジング10のプレートアセンブリのパススルーコネクタに電気的に接続するために、回路基板294上に支持された複数の電気接触ブレード292を含む。電気アセンブリ290は、較正及び通信情報(すなわち、ライフサイクル情報、システム情報、力情報)が、外科用器具100の電源パックコアアセンブリ106の電気レセプタクル部分を介して外科用器具100の回路基板まで通ることを可能にする役割を果たす。電気アセンブリ290は、回路基板294に電気接続されたひずみゲージ296を更に含む。ひずみゲージ296は、内側ハウジングアセンブリ204に対するひずみゲージ296の回転を制限するために、内側ハウジングアセンブリ204内に取り付けられる。第1の回転可能な近位駆動シャフト212は、ひずみゲージ296を通って延在し、それにより、第1の回転可能な近位駆動シャフト212によって示される発射/クランプ負荷に対する閉ループフィードバックをひずみゲージ296が提供することが可能となる。電気アセンブリ290はまた、外側管206の駆動連結ナット244に沿って回転不能かつ摺動可能に配設されたスリップリング298を含む。スリップリング298は、回路基板294と電気接続され、第1の回転可能な近位駆動シャフト212の回転、及び駆動連結ナット244の軸方向並進を可能にし、その一方で、スリップリング298とアダプタ200内の少なくとも別の電気部品との電気的接触を依然として維持し、また、他の電気部品が第1の回転可能な近位駆動シャフト212及び駆動連結ナット244を中心に回転することを可能にする役割を果たす。
【0034】
更に
図6を参照すると、内側ハウジングアセンブリ204は、実質的に円形の外側輪郭を画定する遠位に配向された環状壁部207を有するハブ205を含む。ハブ205は、その内部に関節運動ベアリングアセンブリ252を摺動可能に受容するように形状及び寸法決めされた、実質的にティアドロップ形の内側凹部又はボアを含む。内側ハウジングアセンブリ204は、ハブ204aの遠位に配向された環状壁部207の遠位面に固定されるリングプレート254を更に含む。リングプレート254は、第2の近位駆動シャフト214と位置合わせされ、かつその遠位先端部を回転可能に受容するように、その内部で寸法決め及び成形された開口部254aを、その中を通して画定する。このようにして、第2の近位駆動シャフト214の遠位先端部は支持され、かつ、第2の近位駆動シャフト214が回転されて関節運動ベアリングアセンブリ252を軸方向に並進させるときに、第2の近位駆動シャフト214の長手方向回転軸から遠ざかるように半径方向に移動することが防がれる。
【0035】
次に
図10を参照すると、一実施例では、エンドエフェクタ500は、単回使用のために構成されてもよく(「使い捨て装填ユニット-DLU」)、また、米国特許出願公開第2010/0301097号、発明の名称「LOADING UNIT HAVING DRIVE ASSEMBLY LOCKING MECHANISM」(現在は米国特許第9,795,384号)、米国特許出願公開第2012/0217284号、発明の名称「LOCKING MECHANISM FOR USE WITH LOADING UNITS」(現在は米国特許第8,292,158号)、及び米国特許出願公開第2015/0374371号、発明の名称「ADAPTER ASSEMBLIES FOR INTERCONNECTING SURGICAL LOADING UNITS AND HANDLE ASSEMBLIES」に開示されるDLUと同様であってもよい(かかる各引用文献の開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる)。エンドエフェクタ500は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2017/0095250号、発明の名称「MULTI-USE LOADING UNIT」に開示されるエンドエフェクタなどの複数使用のために構成されてもよい(MULU)こともまた企図される。
【0036】
示される外科用器具100はステープルを発射するが、クリップ及び二部分締結具(two-part fasteners)などの任意の他の好適な締結具を発射するように適合されてもよい。図示された構成では、エンドエフェクタ500は装填ユニット510を含む。装填ユニット510は、近位本体部分520及びツールアセンブリ600を含む。ツールアセンブリ600は、アンビルアセンブリ612を含む第1の顎部部材610と、カートリッジアセンブリ701を含む第2の顎部部材700と、を含む一対の顎部部材を含む。一方の顎部部材は、顎部部材間で組織をクランプすることを可能にするために、他方に対して枢動可能である。カートリッジアセンブリ701は、アンビルアセンブリ612に対して移動可能であり、かつ開放位置又は非クランプ位置と閉鎖位置又は接近位置との間で移動可能である。しかしながら、アンビルアセンブリ612、又はカートリッジアセンブリ701及びアンビルアセンブリ612の両方は移動可能であり得る。
【0037】
カートリッジアセンブリ701は、カートリッジ本体702、及び場合によっては支持プレート710を有し、これらはスナップ嵌め接続、戻り止め、ラッチ、又は別の種類の接続によってチャネル720に取り付けられる。カートリッジアセンブリ701は、組織接触面708内の開口部として構成された複数の横方向に離間したステープル保持スロット706内で移動可能に支持されている締結具又はステープル704を含む。各スロット706は、その内部に締結具又はステープルを受容するように構成されている。カートリッジ本体702はまた、ステープルプッシャ709を収容し、また底部が(すなわち組織接触面から離れて)開放されて作動スレッド712がそれを貫いて長手方向に通ることを可能にする、複数のカムウェッジスロットを画定する。カートリッジアセンブリ701は、ステープルがカートリッジ本体702から発射された後でチャネル720から取り外し可能である。別の取り外し可能なカートリッジアセンブリは、外科用器具100を再び作動させて、追加の締結具又はステープルを発射することができるように、チャネル720上に装填可能である。カートリッジアセンブリに関する更なる詳細は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2017/0095250号及び様々な他の引用文献に見出すことができる。
【0038】
カートリッジアセンブリ701は、アンビルアセンブリ612に対して枢動可能であり、またトロカールのカニューレを通して挿入するために開放位置又は非クランプ位置と閉鎖位置又はクランプ位置との間で移動可能である。近位本体部分520は、少なくとも1つの駆動アセンブリ540及び関節運動リンク560を含む。1つの構成では、駆動アセンブリ540は、遠位端544と近位係合部546とを有する可撓性の駆動ビーム542を含む。係合部546の近位端は、中空の駆動部材548と係合して、駆動部材548をビーム542の近位端にしっかりと固定する、正反対に対向する内向きに延在するフィンガー547を含む。駆動部材548は、エンドエフェクタ500がアダプタ200の遠位端に取り付けられたときに、アダプタ200の第1の駆動変換アセンブリ240の駆動管246の接続部材247を受容する近位ポートホールを画定する。
【0039】
エンドエフェクタ500は、外側ハウジング532と、外側ハウジング532内に配設された内側ハウジング534と、を含むハウジングアセンブリ530を更に含む。国際公開第2016/057225A1号で更に詳細に説明されるように、第1及び第2のラグ536はそれぞれ外側ハウジング532の近位端533の外面上に配設され、アダプタ200の遠位端と動作可能に係合するように構成されている。
【0040】
例えば
図10を参照すると、アンビルアセンブリ612は、アンビルカバー630と、複数のステープル成形凹部を含むアンビルプレート620と、を含む。アンビルプレート620は、アンビルカバー630の下面に固定されている。ツールアセンブリ600が接近位置にあるとき、ステープル成形凹部は、カートリッジアセンブリ701のステープル受容スロットと並列して位置合わせされて配置される。
【0041】
ツールアセンブリ600は、上側取り付け部分810及び下側取り付け部分812を含む取り付けアセンブリ800を含む。取り付けテール部632は、アンビルカバー630の近位端631から近位方向に突出する。中央に配置された枢動部材814は、各上側取り付け部分810及び下側取り付け部分812から連結部材820内に形成された開口部822を通って延在する。少なくとも1つの構成では、上側取り付け部分810の枢動部材814はまた、取り付けテール部632内の開口部634も通って延在する。連結部材820はそれぞれ、外側ハウジング532及び内側ハウジング534の遠位端に形成された対応する溝内に受容されるように構成されたインターロック式近位部分824を含む。エンドエフェクタ500の近位本体部分520は、フック付き近位端562を有する関節運動リンク560を含む。関節運動リンク560は、内側ハウジングのスロット内に摺動可能に位置決めされるように寸法決めされる。一対のHブロックアセンブリ830は、外側ハウジング532の遠位端に隣接し、かつ軸方向駆動アセンブリ540の遠位端544に隣接して配置され、外科用ステープル留め装置10の関節運動及び発射中に可撓性駆動ビーム542が外向きに座屈及び膨張するのを防止する。各Hブロックアセンブリ830は、外側ハウジング532の遠位端にしっかりと固定された近位端と、取り付けアセンブリ800にしっかりと固定された遠位端と、を含む可撓性本体832を含む。1つの構成では、関節運動リンクの遠位端564は、右Hブロックアセンブリ830に枢動可能にピン留めされる。関節運動リンク560の軸方向移動によって、ツールアセンブリは本体部分520に対して関節運動することになる。
【0042】
図11~15は、以下に述べる相違を除いて上記のアダプタ200と実質的に同一のアダプタ200’を示す。
図11に見られるように、アダプタ200’は、第1の直径「FD」を有し、外側ノブハウジング202内に取り付けられた近位端部分910を有する外側管206を含む。近位端部分910は内側ハウジングアセンブリ204に連結されてもよく、又はさもなければ、例えば国際公開第WO2016/057225A1号で更に詳細に説明されている方法で内部に支持されてもよい。近位端部分910は、第2の直径「SD」を有する中央管部分912から近位に延在する。図示される実施形態では、エンドエフェクタ500は、シャフトアセンブリ203又は外側管206の遠位端914に連結されている。外側管206は、
図11に見られるように、近位端部分910と遠位端914との間に延在する長手方向軸LAを画定する。
図10及び
図11に見られるように、エンドエフェクタ500の近位本体部分520の外側スリーブ570は、遠位端部分572及び近位端部分574を有する。近位端部分574は、中央管部分912の第2の直径SDにほぼ等しい直径SD’を有する。遠位端部分572は、第3の直径「TD」を有する。1つの構成では、FD及びTDはほぼ等しく、かつSDよりも大きい。FD及びTDは等しくないが、それぞれSDよりも大きい他の構成も企図される。しかしながら、ほとんどの場合、FD及びTDは、典型的なトロカールポート、カニューレなどを通して内視鏡的に挿入されるように寸法決めされることが好ましい。少なくとも1つの構成(
図11)では、アダプタ200’の様々な駆動及び関節運動構成要素を効果的に収容しながらも、改善された患者内のアクセスを容易にするために、外側スリーブ570は、平坦又は波形状の側部576を含んで形成される。加えて、直径が減少した中央管部分912を提供することにより、肋骨間の胸部アクセス(thoracic in-between rib access)が改善されたアダプタ200’がもたらされ得る。
【0043】
少なくとも1つの構成では、機械加工されるか又は板金から作製され得るチャネル720は、対応するピン又はボス638(
図12)を受容してアンビルアセンブリ612とカートリッジアセンブリ701との間の枢動関係を促進するためにアンビルカバー630内の一対の対応する孔636と整列するように構成された一対の近位孔722(
図10)を含む。図示される例では、動的クランプアセンブリ550は、可撓性駆動ビーム542の遠位端544に取り付けられるか、又はそこで形成される。動的クランプアセンブリ550は、その上に形成されるか、又はそれに取り付けられた組織切断表面554を有する、垂直本体部分552を含む。例えば
図10を参照されたい。アンビル係合機構556は、本体部分552の一方の端部に形成され、本体部分552の各側面から突出するアンビル係合タブ557を含む。同様に、チャネル係合機構558は、本体部分552のもう一方の端部に形成され、本体部分552の各側面から突出するチャネル係合タブ559を含む。
図15を参照されたい。
【0044】
上記で示されたように、アンビルアセンブリ612はアンビルプレート620を含む。アンビルプレート620は、動的クランプアセンブリ550が発射プロセス中に軸方向に前進されたときに、動的クランプアセンブリ550の本体部分552を収容するように構成された細長いスロット622を含む。細長いスロット622は、細長いスロット622の各側面に沿って延在する2つのアンビルプレート棚部624の間に画定される。
図10を参照されたい。動的クランプアセンブリ550が遠位に前進すると、アンビル係合タブ557はアンビルプレート棚部624と摺動可能に係合して、アンビルアセンブリ612を標的組織上にクランプした状態に保持する。同様に、発射動作中、動的クランプアセンブリ550の本体部分552は、チャネル720内の中央スロットを通って延在し、チャネル係合タブ559は、中央チャネルスロットの各側面に沿って延在するチャネル棚部725と摺動可能に係合して、カートリッジアセンブリ701を標的組織上にクランプした状態に保持する。
【0045】
図13及び
図15を参照すると、チャネル720は、一般に730と指定される、本明細書では未発射位置又は開始位置と称されるその最近位位置にあるときに動的クランプアセンブリ550を収容するように構成されたドッキング領域を画定する。具体的には、ドッキング領域730は、動的クランプアセンブリ550上のチャネル係合タブ559間に隙間を提供して、カートリッジアセンブリ701が完全に開放された位置まで枢動することを可能にする、平面状のドッキング面732によって部分的に画定される。傾斜又はカム面726は、ドッキング面732のそれぞれの遠位端から延在する。傾斜面726は、アンビルアセンブリ612及びカートリッジアセンブリ701を互いに対して移動させるために、動的クランプアセンブリ550によって係合される。他の実施形態では、同様のカム面がアンビルアセンブリ612上に提供され得る。傾斜面726はまた、チャネル720と支持プレート620及び/又はカートリッジ本体702との間の整列及び/又は係合を容易にし得ることが想定される。駆動アセンブリ540が遠位に前進(発射)されると、動的クランプアセンブリ550上のチャネル係合タブ559は、対応する傾斜面726と係合して、カートリッジアセンブリ701に閉鎖運動を加えてカートリッジアセンブリ701及びアンビルアセンブリ612を閉鎖する。動的クランプアセンブリ550の更なる遠位並進によって、作動スレッド712がカートリッジ本体702を通って遠位方向に移動し、これによって作動スレッド712のカムウェッジ713がステープルプッシャ709と順次係合して、ステープルプッシャ709をステープル保持スロット706内で垂直方向に移動させ、ステープル704をアンビルプレート620のステープル成形凹部内へと射出する。ステープル704が保持スロット706から(組織内に)排出された後は、動的クランプアセンブリ550の垂直本体部分552上の組織切断縁部554がカートリッジ本体702の中央スロット703を通って遠位方向に移動すると、動的クランプアセンブリ550の切断縁部554がステープル留めされた組織を切断する。ステープル704がカートリッジ本体702から排出され、ユーザーが同じ器具10を使用して追加のステープル704(又は別のタイプの締結具又はナイフ)を発射することを望んだ後に、ユーザーは、アダプタ200’から装填ユニット510を取り外し、それを別の新しい又は未使用の装填ユニットと交換することができる。代替的な構成では、ユーザーは、単に使用済みカートリッジ本体702を取り外し、新しい未使用の又は未発射のカートリッジ本体702と交換するだけでよい。
【0046】
従来のアダプタの使用中、デブリ及び体液がアダプタの外側管に移動して、アダプタの関節運動及び発射駆動システムの動作を妨害する場合がある。悪質なケースでは、こうしたデブリ及び流体がアダプタの内側ハウジングアセンブリ内に浸入して、そのため、その内部に支持された電気部品が短絡して誤動作する場合がある。更に、アダプタの外側管内部へのアクセスが制限されるため、そこからこのようなデブリ及び流体を除去することが困難となり、そのためにアダプタを再使用する能力が阻まれるか又は低下する場合がある。
【0047】
図16及び
図17を参照すると、1つの構成では、近位内側ハウジングアセンブリ204と第1の回転可能な近位駆動シャフト212との間に少なくとも1つの第1の封止部230が設けられて、近位内側ハウジングアセンブリ204内及びその近位への流体/デブリの浸入を防止する。加えて、少なくとも1つの第2の封止部232が、関節運動バー258と外側管206との間に設けられて、流体/デブリがこれらの間を通過して近位内側ハウジングアセンブリ204に侵入することを防ぐ。少なくとも1つの第3のハウジング封止部233が、ハブ205と外側ノブハウジング202との間に封止を確立するために、近位内側ハウジング204のハブ205の周囲に提供されてもよい。第1の封止部230、第2の封止部232、及び第3の封止部233は、例えば、ゴム又はその他の好適な材料から製造された可撓性Oリングを含んでもよい。
【0048】
他の構成では、第1の封止部230及び第2の封止部232が、アダプタ200内で、外側ノブハウジング202内に収容された電子部品に対して遠位に位置することが望ましい場合がある。例えば、流体/デブリがスリップリングアセンブリ298を汚損/短絡させること防ぐために、例えばスリップリングアセンブリ298に対してそれぞれ遠位にある1つの位置又は複数の位置において、外側管206内で動作可能に支持されているアダプタ200の様々な移動部品間の封止を確立することが望ましい。封止部230、232は、外側管の壁部及び/又は取り付け部材234、若しくは外側管206内で支持されているその他の別個の取り付け部材/ブッシング/ハウジング内で支持されて、ブッシング及び/又は外側管と遠位駆動部材248と関節運動バー258との間に液密封止部を確立しながら遠位駆動部材248及び関節運動バー258の軸方向移動を促進するように構成されてもよい。
図18及び
図20を参照されたい。
図19に例示される実施形態では、例えば、第1の封止部230は、遠位駆動部材248とも摺動可能に係合して、流体/デブリDが近位内側ハウジングアセンブリ204内へと近位方向PDに浸入することを防ぐワイパー機構231を更に有してもよい。外側管206内に回収されたデブリ及び流体が第1の封止部230及び第2の封止部232内の遠位にあることを可能にする少なくとも1つの構成では、外側管206内に少なくとも2つのフラッシングポート236、238が設けられる。例えば、
図18及び
図20を参照されたい。軸方向に離間したフラッシングポート236、238は、第1の封止部230及び第2の封止部232の遠位に位置する。フラッシング溶液(例えば、洗浄液、生理食塩水、空気など)は、1つ又は複数のポートに入って、逸脱したデブリ及び流体を1つ又は複数のその他のポートから押し出すことができる。
【0049】
上述したように、電気機械的外科用器具100は、電源パック又はハンドルアセンブリ101と、ハンドルアセンブリ101を選択的に受容し、実質的に収容するように構成され外部シェルハウジング10と、を含む。無菌バリヤプレート60は、ハンドルアセンブリ101と外部シェルハウジングとの間に挿入されて、モータの回転可能なモータ駆動シャフトが、無菌バリヤを介して、それに連結されたアダプタの対応する駆動シャフトに動作可能に連結することを容易にする。続いて、外科用器具100の様々な動作を実行するために、モータ駆動シャフトの回転が、アダプタ200のシャフト及び/又はギア構成要素を駆動するように働く。動作中、アダプタ200に連結されたアダプタ200の様々な構成要素の位置に基づいてシャフト回転速度及び/又はシャフトの回転方向を調節するために、モータを制御することが望ましい場合がある。例えば、エンドエフェクタ内の動的クランプアセンブリ550の位置に応じて、モータ152及び回転可能な駆動シャフト152aの回転速度(及び方向)を制御することが望ましい場合がある。例えば、動的クランプアセンブリ550がその発射ストロークの終わりに近づいているとき、発射ストロークの最後に動的クランプアセンブリ及び/又は関連する構成要素がカートリッジ本体に激突するのを避けるために、その遠位前進を減速させることが有用であり得る。更に、発射ストローク中に、動的クランプアセンブリ550の前進を減速させるか、又は加速させることが有用であり得る場合が存在し得る。モータ154及び156の動作に関連した同様の状態も発生し得る。
【0050】
図22は、モータ152、154、156の動作を制御するために使用することができ、かつ全体が無菌バリヤ又は外部シェルハウジング10内に位置する、電源パックコアアセンブリ9106及びモータ制御システム9180の一部分を示す。電源パックコアアセンブリ9106は、後述する相違点を除いて、上記の電源パックコアアセンブリ106と実質的に同一である。
図22に見られるように、各モータ152、154、156は、上述したモータブラケット148と同様のモータブラケット9148上に支持されている。モータブラケット9148は、モータ152、154、156の対応するモータシャフト152a、154a、156aにキー止めされた3つの回転可能な駆動コネクタスリーブ152b、154b、156bを回転可能に支持する。駆動コネクタスリーブ152b、154b、156bは、プレートアセンブリ9160の対応する回転可能な連結シャフトアセンブリ9152a、9154a、9156aの近位端を回転不能に受容する。
【0051】
プレートアセンブリ9160は、以下で述べる相違を除いて、プレートアセンブリ60と同一である。例えば、回転可能な連結シャフトアセンブリ9152aは、プレートアセンブリ9160のプレート9162内に回転可能に支持されているカプラブッシュ9152bを含む。カプラシャフト9152cは、上記のカプラブッシュ9152bに回転不能に連結される。カプラシャフト9152cの近位端は、プレート9162から近位方向に延在して、駆動コネクタスリーブ152bと駆動係合される。カプラシャフト9152cの遠位端は、無菌バリヤプレートアセンブリ9160がシェルハウジング10のシェルキャビティ10c内に配設されているとき、遠位半部10aの接続部分20内の対応する開口部22b(
図3)を通って延在するように構成されている。回転可能な連結シャフトアセンブリ9154aは、プレート9162内に回転可能に支持されているカプラブッシュ9154bを含む。カプラシャフト9154cは、上記のカプラブッシュ9154bに回転不能に連結される。カプラシャフト9154cの近位端は、プレート9162から近位方向に延在して、駆動コネクタスリーブ154bと駆動係合される。カプラシャフト9154cの遠位端は、無菌バリヤプレートアセンブリ9160がシェルハウジング10のシェルキャビティ10c内に配設されているとき、遠位半部10aの接続部分20内の対応する開口部22c(
図5を参照)を通って延在するように構成されている。回転可能な連結シャフトアセンブリ9156aは、プレート9162内に回転可能に支持されているカプラブッシュ9156bを含む。カプラシャフト9156cは、上記のカプラブッシュ9156bに回転不能に連結される。カプラシャフト9156cの近位端は、プレート9162から近位方向に延在して、駆動コネクタスリーブ156bと駆動係合される。カプラシャフト9156cの遠位端は、無菌バリヤプレートアセンブリ9160がシェルハウジング10のシェルキャビティ10c内に配設されているとき、遠位半部10aの接続部分20内の対応する開口部22a(
図3)を通って延在するように構成されている。
【0052】
更に
図22を参照すると、駆動コネクタスリーブ152b、154b、156bはそれぞれ、対応するバネ9158及びワッシャ9159によってそれぞれのモータ152、154、156から離れるようにバネ付勢される。駆動コネクタスリーブ152bは、回転可能なモータ駆動シャフト152aをカプラシャフト9152cに駆動的に連結する役割を果たす。
駆動コネクタスリーブ154bは、回転可能なモータ駆動シャフト154aをカプラシャフト9154cに駆動的に連結する役割を果たす。駆動コネクタスリーブ156bは、回転可能なモータ駆動シャフト156aをカプラシャフト9156cに駆動的に連結する役割を果たす。
【0053】
モータ制御システム9180は、各モータ152、154、156に連結されたコントローラ回路基板142a及び電池144(
図4)を含む。各モータ152、154、156は、それぞれのモータコントローラによって制御される。モータコントローラは、モータコントローラ回路基板142a上に配設される。一例では、モータコントローラは、Allegro Microsystems,IncのA3930/31Kモータ駆動部を含む。A3930/31Kモータ駆動部は、モータ152、154、156などのNチャネル外部電力MOSFETを有する3相ブラシレスDC(BLDC)モータを制御するように設計されている。モータコントローラはそれぞれ、主コントローラ回路基板142b上に配置された主コントローラに連結されている。主コントローラはまた、同じく主コントローラ回路基板142b上に配設されたメモリにも連結される。一実施例では、主コントローラは、1024キロバイトの内部フラッシュメモリを含むFreescale Semiconductor,Inc製ARM Cortex M4プロセッサを含む。主コントローラは、制御論理信号を提供するFPGAを介してモータコントローラと通信する。続いて、モータコントローラの制御論理が、固定周波数パルス幅変調(PWM)を用いて、対応する通電信号をそれぞれのモータ152、154、156に出力する。
【0054】
図示される構成では、モータ制御システム9180は、主コントローラ回路基板142b及び/又はモータコントローラと有線接続されるか又はその他の方法で通信する固定センサ9182、9184、9186を更に含む。例えば、固定センサ9182は、モータ152に関連付けられ、主コントローラ回路基板142b及び/又はモータ152用のモータコントローラと有線接続されるか又はその他の方法で通信する。固定センサ9184は、モータ154に関連付けられ、主コントローラ回路基板142b及び/又はモータ154用のモータコントローラと有線接続されるか又はその他の方法で通信する。固定センサ9186は、モータ156に関連付けられ、主コントローラ回路基板142b及び/又はモータ156用のモータコントローラと有線接続されるか又はその他の方法で通信する。一実施例では、センサ9182、9184、9186は、カプラシャフト9152c、9154c、9156cに関連付けられたセンサアクチュエータを検出するように配置されたホール効果センサを含む。例えば、カプラブッシュ9152bは帯磁してもよく、又は内部で磁石9152dを支持してもよい。カプラブッシュ9154bは帯磁してもよく、又は内部で磁石9154dを支持してもよい。カプラブッシュ9156bは帯磁してもよく、又は内部で磁石9156dを支持してもよい。
【0055】
モータ152が作動すると、その結果、駆動カプラシャフト9152c及び付属磁石9152dが回転することになる。センサ9182は、磁石9152dの回転移動を検出し、モータ152を制御するモータコントローラ又はプロセッサにこうした位置を示す信号を伝達するように構成されている。これらの信号は、信号に応じて回転可能なモータ駆動シャフト152aの回転速度を維持、増加、又は低減させるためにコントローラ/プロセッサによって用いられてもよい。プロセッサはまた、回転可能な駆動シャフト152aの回転方向を変更することもできる。モータ154が作動すると、その結果、駆動カプラシャフト9154c及び付属磁石9154dが回転することになる。センサ9184は、磁石9154dの回転移動を検出し、モータ154を制御するモータコントローラ又はプロセッサにこうした位置を示す信号を伝達するように構成されている。これらの信号は、信号に応じて回転可能なモータ駆動シャフト154aの回転速度を維持、増加、又は低減させるためにコントローラ/プロセッサによって用いられてもよい。プロセッサはまた、回転可能な駆動シャフト154aの回転方向を変更することもできる。モータ156が作動すると、その結果、駆動カプラシャフト9156c及び付属磁石9156dが回転することになる。センサ9186は、磁石9156dの回転移動を検出し、モータ156を制御するモータコントローラ又はプロセッサにこうした位置を示す信号を伝達するように構成されている。これらの信号は、信号に応じて回転可能なモータ駆動シャフト156aの回転速度を維持、増加、又は低減させるためにコントローラ/プロセッサによって用いられてもよい。プロセッサはまた、回転可能な駆動シャフト156aの回転方向を変更することもできる。
【0056】
図23~25は、モータ152、154、156の動作を制御するための代替的なモータ制御システム9200を示す。この例では、少なくとも1つのスイッチ9210が、回転可能なモータ駆動シャフト152a、154a、156aのそれぞれと関連付けられ、モータ152、154、156を支持するモータブラケット9248内に取り付けられている。図示される例では、4つのスイッチ9210が、回転可能な駆動シャフト152a、154a、156aのそれぞれの周りで円周方向に離間されている。
図25は、回転可能なモータ駆動シャフト152aのためのこうしたスイッチ構成を示す。各スイッチ9210は、主コントローラ回路基板142b及び/又は対応するモータ152、154、156用のモータコントローラに有線接続されるか又はその他の方法で通信する。1つの構成では、各駆動コネクタスリーブは、その上に少なくとも1つのスイッチアクチュエータを有する。
図23~
図25は、対応するスイッチ9210と動作可能に相互作用するために、その上に形成された4つの円周方向に離間されているスイッチアクチュエータ小片9222を有する駆動コネクタスリーブ9220を示す。駆動コネクタスリーブ9220は、回転可能なモータ駆動シャフト152a、154a、156aをそれらの対応するカプラシャフト9152c、9154c、9156cに動作可能に連結する役割を果たす。回転可能なモータ駆動シャフト152a、154a、156aが回転すると、これらに回転不能に接続された駆動コネクタスリーブ9220も回転して、それにより対応するスイッチアクチュエータ9222が回転させられて対応するスイッチ9210と作動可能に接触し、またこの作動可能な接触から解除されて、対応する駆動シャフト152a、154a、156aの回転位置を示す信号をその特定のモータを制御するモータコントローラ又はプロセッサへと伝達する。これらの信号は、信号に応じて回転可能なモータ駆動シャフトの回転速度を維持、増加、又は低減させるためにコントローラ/プロセッサによって用いられてもよい。プロセッサはまた、回転可能な駆動シャフトの回転方向を変更することもできる。
【実施例】
【0057】
実施例1-外科用アクセサリに動作可能に連結されるように構成された手持ち式電気機械的外科用デバイス。少なくとも1つの例では、電気機械的外科用デバイスは、ハンドルアセンブリ内に支持された複数の電動モータを含むハンドルアセンブリを含む。電動モータはそれぞれ、回転可能なモータ駆動シャフトを含む。プロセッサは、各電動モータに連結され、これらを制御するように構成されている。電気機械的外科用デバイスは、中にハンドルアセンブリを選択的に収容するように構成された外部シェルハウジングを更に含む。バリヤプレートアセンブリは、ハンドルアセンブリと外部シェルハウジングとの間に挿入される。バリヤプレートアセンブリは、各回転可能なモータ駆動シャフトと駆動係合するために、各回転可能なモータ駆動シャフトに対応する回転可能な連結シャフトアセンブリを含む。各回転可能な連結シャフトアセンブリは、ハンドルアセンブリと動作可能に連結した外科用アクセサリの対応するアクセサリ駆動シャフトと選択的に駆動係合するために外部シェルハウジングを通って突出する。外科用デバイスは、ハンドルアセンブリ内で支持され、各回転可能なモータ駆動シャフトの回転を監視し、プロセッサと通信して、各電動モータに制御信号を適用するためにバリヤプレートアセンブリ内の回転可能な連結シャフトアセンブリと協働する手段を更に含む。
【0058】
実施例2-電動モータは、それぞれハンドルアセンブリ内に支持されたモータブラケットによって支持され、その結果、各電動モータの回転可能なモータ駆動シャフトが、対応する回転可能な連結シャフトアセンブリと駆動係合するためにモータブラケットから突出する、実施例1に記載の手持ち式電気機械的外科用デバイス。
【0059】
実施例3-各回転可能なモータ駆動シャフトの回転を監視するための手段が、各回転可能なモータ駆動シャフトに対応し、プロセッサと通信する、モータブラケット上のセンサを含む、実施例2に記載の手持ち式電気機械的外科用デバイス。センサアクチュエータは、各回転可能な連結シャフトアセンブリに対応し、回転可能な連結シャフトアセンブリが取り付けられる回転可能なモータ駆動シャフトに対応するセンサによって感知されるように構成されている。
【0060】
実施例4-各センサは、プロセッサと通信するホール効果センサを含み、各センサアクチュエータは、各回転可能な連結シャフトアセンブリに対応する磁石を含む、実施例3に記載の手持ち式電気機械的外科用デバイス。
【0061】
実施例5-各回転可能な連結シャフトアセンブリは、バリヤプレートアセンブリ内に回転可能に支持されたカプラブッシュと、カプラブッシュと共に回転移動するためにカプラブッシュに付随するカプラシャフトと、を含む、実施例1、2、3、又は4に記載の手持ち式電気機械的外科用デバイス。カプラシャフトはバリヤプレートアセンブリを通って延在し、その結果、カプラシャフトの遠位端は、外部シェルを通って延在して、ハンドルアセンブリと動作可能に連結した外科用アクセサリの対応するアクセサリ駆動シャフトと選択的に駆動係合するように構成されている。カプラシャフトの近位端は、カプラスリーブによって対応する回転可能なモータ駆動シャフトに連結されるように構成されている。
【0062】
実施例6-各磁石は対応するカプラブッシュによって支持されている、実施例5に記載の手持ち式電気機械的外科用デバイス。
【0063】
実施例7-各磁石は対応するカプラスリーブによって支持されている、実施例5に記載の手持ち式電気機械的外科用デバイス。
【0064】
実施例8-各回転可能なモータ駆動シャフトの回転を監視するための手段は、各回転可能なモータ駆動シャフトに対応し、プロセッサと通信する、モータブラケット上の少なくとも1つのスイッチを含む、実施例2、3、4、5、6、又は7に記載の手持ち式電気機械的外科用デバイス。カプラスリーブは、各回転可能なモータ駆動シャフト及び対応する回転可能な連結シャフトアセンブリに対応し、これらに取り付けられて、回転可能なモータ駆動シャフト及び対応する回転可能な連結シャフトアセンブリを共に駆動係合してユニットとして回転するように構成されている。各カプラスリーブは、上記の回転可能なモータ駆動シャフトが回転すると、シャフトカプラが取り付けられた回転可能なモータ駆動シャフトに対応する少なくとも1つのスイッチを作動させるように構成された少なくとも1つのアクチュエータを含む。
【0065】
実施例9-少なくとも1つのスイッチは複数のスイッチを含み、各スイッチは1つの回転可能なモータ駆動シャフトに対応する、実施例8に記載の手持ち式電気機械的外科用デバイス。スイッチは、その周りのモータブラケット上で円周方向に離間した配置で配置され、プロセッサと通信する。少なくとも1つのアクチュエータは、各カプラスリーブ上に複数の円周方向に離間されたアクチュエータを含み、複数の円周方向に離間されたアクチュエータは、カプラスリーブが取り付けられた回転可能なモータ駆動シャフトに対応する複数のスイッチを作動させるように構成されている。
【0066】
実施例10-各カプラスリーブ上の複数の円周方向に離間されたアクチュエータのうちのそれぞれは、カプラスリーブが取り付けられた回転可能なモータ駆動シャフトに対応する複数のスイッチを機械的に作動させるように構成されている、実施例9に記載の手持ち式電気機械的外科用デバイス。
【0067】
実施例11-各回転可能な連結シャフトアセンブリは、バリヤプレートアセンブリ内に回転可能に支持され、各回転可能なモータ駆動シャフトに対応するカプラシャフトを含み、カプラスリーブが、対応するカプラシャフト及び回転可能なモータ駆動シャフトを回転不能に係合するように構成されている、実施例8に記載の手持ち式電気機械的外科用デバイス。
【0068】
実施例12-外科用アクセサリに動作可能に連結されるように構成された手持ち式電気機械的外科用デバイス。少なくとも1つの例では、電気機械的外科用デバイスは、ハンドルハウジング内に支持された複数の電動モータを有するハンドルハウジングを含む。各電動モータは、回転可能なモータ駆動シャフトを含む。外科用デバイスは、ハンドルハウジングを選択的に収容するように構成された外部シェルハウジングを更に含む。バリヤプレートアセンブリは、ハンドルハウジングと外部シェルハウジングとの間に挿入される。バリヤプレートアセンブリは、各回転可能なモータ駆動シャフトと駆動係合するために、各回転可能なモータ駆動シャフトに対応する回転可能な連結シャフトを含む。各回転可能な連結シャフトは、外科用デバイスと動作可能に連結した外科用アクセサリの対応するアクセサリ駆動シャフトと選択的に駆動係合するために外部シェルハウジングを通って突出する。デバイスは、各電動モータを制御するように構成されたプロセッサを含むモータ制御システムを更に含む。モータコントローラ装置は、ハンドルハウジング内で支持され、各回転可能なモータ駆動シャフトに対応する。各モータコントローラ装置は、対応する回転可能なモータ駆動シャフトの回転位置に関する信号をプロセッサに送信するように構成されている。
【0069】
実施例13-モータコントローラ装置は、ハンドルハウジング内で支持され、各回転可能なモータ駆動シャフトに対応し、プロセッサと通信する、固定センサを含む、実施例12に記載の手持ち式電気機械的外科用デバイス。センサアクチュエータは、各回転可能な連結シャフトに対応し、回転可能な連結シャフトが取り付けられた回転可能なモータ駆動シャフトに対応する固定センサによって感知されるように構成されている。
【0070】
実施例14-各センサは、プロセッサと通信するホール効果センサを含み、各センサアクチュエータは、各回転可能な連結シャフトに対応する磁石を含む、実施例13に記載の手持ち式電気機械的外科用デバイス。
【0071】
実施例15-各回転可能な連結シャフトは、バリヤプレートアセンブリ内で回転可能に支持されたカプラブッシュと、カプラブッシュと共に回転移動するためにカプラブッシュに付随するカプラシャフトと、を含む、実施例14に記載の手持ち式電気機械的外科用デバイス。カプラシャフトはバリヤプレートアセンブリを通って延在し、その結果、カプラシャフトの遠位端は、外部シェルハウジングを通って延在して、ハンドルハウジングと動作可能に連結した外科用アクセサリの対応するアクセサリ駆動シャフトと選択的に駆動係合するように構成され、その近位端は、カプラスリーブによって対応する回転可能なモータ駆動シャフトに連結するように構成されている。
【0072】
実施例16-各磁石は対応するカプラブッシュによって支持されている、実施例15に記載の手持ち式電気機械的外科用デバイス。
【0073】
実施例17-各磁石は対応するカプラスリーブによって支持されている、実施例15に記載の手持ち式電気機械的外科用デバイス。
【0074】
実施例18-モータコントローラ装置は、各回転可能なモータ駆動シャフトに対応し、プロセッサと通信する少なくとも1つの固定スイッチを含む、実施例12に記載の手持ち式電気機械的外科用デバイス。カプラスリーブは、各回転可能なモータ駆動シャフト及び対応する回転可能な連結シャフトに対応し、これらに取り付けられて、回転可能なモータ駆動シャフト及び対応する回転可能な連結シャフトを共に駆動係合してユニットとして回転するように構成され、各カプラスリーブは、対応する回転可能なモータ駆動シャフトが回転すると、シャフトカプラが取り付けられた回転可能なモータ駆動シャフトに対応する少なくとも1つの固定スイッチを作動させるように構成された少なくとも1つのアクチュエータを含む。
【0075】
実施例19-少なくとも1つの固定スイッチは、各回転可能なモータ駆動シャフトに対応し、その周りのモータブラケット上で円周方向に離間した配置で配置され、プロセッサと通信する、複数の固定スイッチを含み、少なくとも1つのアクチュエータは、各カプラスリーブ上に複数の円周方向に離間されたアクチュエータを含み、複数の円周方向に離間されたアクチュエータは、カプラスリーブが取り付けられた回転可能なモータ駆動シャフトに対応する複数の固定スイッチを作動させるように構成されている、実施例18に記載の手持ち式電気機械的外科用デバイス。
【0076】
実施例20-プロセッサは、各モータコントローラ装置によってプロセッサに送信された信号に応答して、各回転可能なモータ駆動シャフトの回転速度及び回転方向を調節するように構成されている、実施例12、13、14、15、16、17、18、又は19に記載の手持ち式電気機械的外科用デバイス。
【0077】
本明細書に記載される外科用器具システムは、ステープルの展開及び変形に関連して説明されてきた。しかしながら、本明細書に記載された実施形態は、これに限定されない。例えば、クランプ又はタックなど、ステープル以外の締結具を展開する様々な実施形態が想定される。更に、組織を封止するための任意の好適な手段を利用する、様々な実施形態も想到される。例えば、様々な実施形態によるエンドエフェクタは、組織を加熱して封止するように構成された電極を含み得る。また、例えば、特定の実施形態によるエンドエフェクタは、組織を封止するために振動エネルギーを印加することができる。
【0078】
特定の実施形態に関連して本明細書で様々なデバイスについて説明したが、それらの実施形態に対して修正及び変更が実施されてもよい。特定の特徴、構造又は特性を、1つ以上の実施形態で、任意の適切な様式で組み合わせてもよい。したがって、一実施形態に関して図示又は説明される特定の特徴、構造、又は特性は、無制限に、1つ以上の他の実施形態の特徴、構造、又は特性と全て、あるいは、部分的に組み合わされてよい。また、材料が特定の構成要素に関して開示されているが、他の材料が使用されてもよい。更に、様々な実施形態に従って、所与の機能(複数可)を実行するために、単一の構成要素を複数の構成要素に置き換えてもよく、また複数の構成要素を単一の構成要素に置き換えてもよい。以上の説明及び以下の特許請求の範囲は、このような修正及び変形形態を全て包含することが意図される。
【0079】
本明細書に開示される装置は、1回の使用後に廃棄されるように設計することができ、又は複数回使用されるように設計することができる。しかしながら、いずれの場合も、デバイスは少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整され得る。再調整には、デバイスの分解工程、それに続くデバイスの特定の部品の洗浄工程又は交換工程、及びその後のデバイスの再組み立て工程の任意の組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。具体的には、再調整の施設及び/又は外科チームは、デバイスを分解することができ、デバイスの特定の部品を洗浄及び/又は交換した後、デバイスをその後の使用のために再組み立てすることができる。当業者であれば、デバイスの再調整が、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのための様々な技術を利用することができることを理解するであろう。このような技術の使用、及び結果として得られる再調整されたデバイスは、全て本出願の範囲内にある。
【0080】
本明細書に開示のデバイスは、手術前に処理され得る。最初に、新品又は使用済みの器具が入手され、必要に応じて洗浄されてもよい。次いで器具を滅菌することができる。1つの滅菌技術では、器具は、プラスチックバッグ又はTYVEKバッグなど、閉鎖され密封された容器に入れられる。次いで、容器及び器具を、γ線、X線、及び/又は高エネルギー電子などの、容器を透過し得る放射線野に置くことができる。放射線は、器具上及び容器内の細菌を死滅させることができる。この後、滅菌済みの器具を滅菌容器内で保管することができる。密封容器は、医療施設で開けられるまで、器具を滅菌状態に保つことができる。デバイスはまた、β線、γ線、エチレンオキシド、過酸化水素プラズマ、及び/又は水蒸気が挙げられるが、これらに限定されない、当該技術分野で既知の任意の他の技術を用いて滅菌され得る。
【0081】
例示的な設計を有するものとして本発明について記載してきたが、本発明は、本開示の趣旨及び範囲内で更に修正されてもよい。したがって、本出願は、その一般的原理を使用する本発明のあらゆる変形、使用、又は適合を包含するものとする。
【0082】
〔実施の態様〕
(1) 外科用アクセサリに動作可能に連結されるように構成された手持ち式電気機械的外科用デバイスであって、
ハンドルアセンブリであって、
前記ハンドルアセンブリ内に支持された複数の電動モータであって、各前記電動モータは回転可能なモータ駆動シャフトを含む、複数の電動モータと、
各前記電動モータに連結され、かつ前記電動モータを制御するように構成されたプロセッサと、を含む、ハンドルアセンブリを含み、前記電気機械的外科用デバイスは、
前記ハンドルアセンブリを中に選択的に収容するように構成された外部シェルハウジングと、
前記ハンドルアセンブリと前記外部シェルハウジングとの間に挿入されたバリヤプレートアセンブリであって、前記バリヤプレートアセンブリは、各前記回転可能なモータ駆動シャフトと駆動係合するために、各前記回転可能なモータ駆動シャフトに対応する回転可能な連結シャフトアセンブリを含み、各前記回転可能な連結シャフトアセンブリは、前記ハンドルアセンブリと動作可能に連結した前記外科用アクセサリの対応するアクセサリ駆動シャフトと選択的に駆動係合するために前記外部シェルハウジングを通って突出する、バリヤプレートアセンブリと、
前記ハンドルアセンブリ内で支持され、各前記回転可能なモータ駆動シャフトの回転を監視し、前記プロセッサと通信して、前記電動モータのそれぞれに制御信号を適用するために、前記バリヤプレートアセンブリ内の前記回転可能な連結シャフトアセンブリと協働する手段と、を更に含む、手持ち式電気機械的外科用デバイス。
(2) 前記電動モータは、それぞれ前記ハンドルアセンブリ内に支持されたモータブラケットによって支持され、その結果、各前記電動モータの前記回転可能なモータ駆動シャフトが、前記対応する回転可能な連結シャフトアセンブリと駆動係合するために前記モータブラケットから突出する、実施態様1に記載の手持ち式電気機械的外科用デバイス。
(3) 各前記回転可能なモータ駆動シャフトの回転を監視するための前記手段が、
各前記回転可能なモータ駆動シャフトに対応し、前記プロセッサと通信する、前記モータブラケット上のセンサと、
各前記回転可能な連結シャフトアセンブリに対応し、前記回転可能な連結シャフトアセンブリが取り付けられる前記回転可能なモータ駆動シャフトに対応する前記センサによって感知されるように構成されたセンサアクチュエータと、を含む、実施態様2に記載の手持ち式電気機械的外科用デバイス。
(4) 各前記センサは、前記プロセッサと通信するホール効果センサを含み、各前記センサアクチュエータは、各前記回転可能な連結シャフトアセンブリに対応する磁石を含む、実施態様3に記載の手持ち式電気機械的外科用デバイス。
(5) 各前記回転可能な連結シャフトアセンブリは、
前記バリヤプレートアセンブリ内に回転可能に支持されたカプラブッシュと、
前記カプラブッシュに付随して、これと共に回転移動し、且つこれを通って延在するカプラシャフトであって、その結果、前記カプラシャフトの遠位端は、前記外部シェルを通って延在して、前記ハンドルアセンブリと動作可能に連結した前記外科用アクセサリの対応するアクセサリ駆動シャフトと選択的に駆動係合するように構成され、その近位端は、カプラスリーブによって前記対応する回転可能なモータ駆動シャフトに連結するように構成されている、カプラシャフトと、を含む、実施態様4に記載の手持ち式電気機械的外科用デバイス。
【0083】
(6) 各前記磁石は対応する前記カプラブッシュによって支持されている、実施態様5に記載の手持ち式電気機械的外科用デバイス。
(7) 各前記磁石は対応する前記カプラスリーブによって支持されている、実施態様5に記載の手持ち式電気機械的外科用デバイス。
(8) 各前記回転可能なモータ駆動シャフトの回転を監視するための前記手段は、
各前記回転可能なモータ駆動シャフトに対応し、前記プロセッサと通信する、前記モータブラケット上の少なくとも1つのスイッチと、
各前記回転可能なモータ駆動シャフト及び前記対応する回転可能な連結シャフトアセンブリに対応し、これらに取り付けられて、前記回転可能なモータ駆動シャフト及び前記対応する回転可能な連結シャフトアセンブリを共に駆動係合してユニットとして回転するように構成されたカプラスリーブと、を含み、各前記カプラスリーブは、前記回転可能なモータ駆動シャフトが回転すると、前記シャフトカプラが取り付けられた前記回転可能なモータ駆動シャフトに対応する前記少なくとも1つのスイッチを作動させるように構成された少なくとも1つのアクチュエータを含む、実施態様2に記載の手持ち式電気機械的外科用デバイス。
(9) 前記少なくとも1つのスイッチは、各前記回転可能なモータ駆動シャフトに対応し、その周りの前記モータブラケット上で円周方向に離間した配置で配置され、前記プロセッサと通信する、複数のスイッチを含み、前記少なくとも1つのアクチュエータは、各前記カプラスリーブ上に複数の円周方向に離間されたアクチュエータを含み、前記複数の円周方向に離間されたアクチュエータは、前記カプラスリーブが取り付けられた前記回転可能なモータ駆動シャフトに対応する前記複数のスイッチを作動させるように構成されている、実施態様8に記載の手持ち式電気機械的外科用デバイス。
(10) 各前記カプラスリーブ上の各前記複数の円周方向に離間されたアクチュエータは、前記カプラスリーブが取り付けられた前記回転可能なモータ駆動シャフトに対応する前記複数のスイッチを機械的に作動させるように構成されている、実施態様9に記載の手持ち式電気機械的外科用デバイス。
【0084】
(11) 各前記回転可能な連結シャフトアセンブリは、前記バリヤプレートアセンブリ内に回転可能に支持され、各前記回転可能なモータ駆動シャフトに対応するカプラシャフトを含み、前記カプラスリーブが、前記対応するカプラシャフト及び前記回転可能なモータ駆動シャフトを回転不能に係合するように構成されている、実施態様8に記載の手持ち式電気機械的外科用デバイス。
(12) 外科用アクセサリに動作可能に連結されるように構成された手持ち式電気機械的外科用デバイスであって、
ハンドルハウジングと、
前記ハンドルハウジング内に支持された複数の電動モータであって、各前記電動モータは回転可能なモータ駆動シャフトを含む、複数の電動モータと、
前記ハンドルハウジングを選択的に収容するように構成された外部シェルハウジングと、
前記ハンドルハウジングと前記外部シェルハウジングとの間に挿入されたバリヤプレートアセンブリであって、前記バリヤプレートアセンブリは、各前記回転可能なモータ駆動シャフトと駆動係合するために、各前記回転可能なモータ駆動シャフトに対応する回転可能な連結シャフトを含み、各前記回転可能な連結シャフトは、前記外科用デバイスと動作可能に連結した前記外科用アクセサリの対応するアクセサリ駆動シャフトと選択的に駆動係合するために前記外部シェルハウジングを通って突出する、バリヤプレートアセンブリと、
モータ制御システムであって、
各前記電動モータを制御するように構成されたプロセッサと、
前記ハンドルハウジング内で支持され、各前記回転可能なモータ駆動シャフトに対応するモータコントローラ装置であって、各前記モータコントローラ装置は、前記対応する回転可能なモータ駆動シャフトの回転位置に関する信号を前記プロセッサに送信するように構成されている、モータコントローラ装置と、を含む、モータ制御システムと、を含む、手持ち式電気機械的外科用デバイス。
(13) 前記モータコントローラ装置は、
前記ハンドルハウジング内で支持され、各前記回転可能なモータ駆動シャフトに対応し、前記プロセッサと通信する、固定センサと、
各前記回転可能な連結シャフトに対応し、前記回転可能な連結シャフトが取り付けられた前記回転可能なモータ駆動シャフトに対応する前記固定センサによって感知されるように構成されたセンサアクチュエータと、を含む、実施態様12に記載の手持ち式電気機械的外科用デバイス。
(14) 各前記センサは、前記プロセッサと通信するホール効果センサを含み、各前記センサアクチュエータは、各前記回転可能な連結シャフトに対応する磁石を含む、実施態様13に記載の手持ち式電気機械的外科用デバイス。
(15) 各前記回転可能な連結シャフトは、
前記バリヤプレートアセンブリ内に回転可能に支持されたカプラブッシュと、
前記カプラブッシュに付随して、これと共に回転移動し、且つこれを通って延在するカプラシャフトであって、その結果、前記カプラシャフトの遠位端は、前記外部シェルハウジングを通って延在して、前記ハンドルハウジングと動作可能に連結した前記外科用アクセサリの対応するアクセサリ駆動シャフトと選択的に駆動係合するように構成され、その近位端は、カプラスリーブによって前記対応する回転可能なモータ駆動シャフトに連結するように構成されている、カプラシャフトと、を含む、実施態様14に記載の手持ち式電気機械的外科用デバイス。
【0085】
(16) 各前記磁石は対応する前記カプラブッシュによって支持されている、実施態様15に記載の手持ち式電気機械的外科用デバイス。
(17) 各前記磁石は対応するカプラスリーブによって支持されている、実施態様15に記載の手持ち式電気機械的外科用デバイス。
(18) 前記モータコントローラ装置は、
各前記回転可能なモータ駆動シャフトに対応し、前記プロセッサと通信する少なくとも1つの固定スイッチと、
各前記回転可能なモータ駆動シャフト及び前記対応する回転可能な連結シャフトに対応し、これらに取り付けられて、前記回転可能なモータ駆動シャフト及び前記対応する回転可能な連結シャフトを共に駆動係合してユニットとして回転するように構成されたカプラスリーブと、を含み、各前記カプラスリーブは、前記対応する回転可能なモータ駆動シャフトが回転すると、前記シャフトカプラが取り付けられた前記回転可能なモータ駆動シャフトに対応する前記少なくとも1つの固定スイッチを作動させるように構成された少なくとも1つのアクチュエータを含む、実施態様12に記載の手持ち式電気機械的外科用デバイス。
(19) 前記少なくとも1つの固定スイッチは、各前記回転可能なモータ駆動シャフトに対応し、その周りの前記モータブラケット上で円周方向に離間した配置で配置され、前記プロセッサと通信する、複数の固定スイッチを含み、前記少なくとも1つのアクチュエータは、各前記カプラスリーブ上に複数の円周方向に離間されたアクチュエータを含み、前記複数の円周方向に離間されたアクチュエータは、前記カプラスリーブが取り付けられた前記回転可能なモータ駆動シャフトに対応する前記複数の固定スイッチを作動させるように構成されている、実施態様18に記載の手持ち式電気機械的外科用デバイス。
(20) 前記プロセッサは、各前記モータコントローラ装置によって前記プロセッサに送信された前記信号に応答して、前記電動モータの各前記回転可能なモータ駆動シャフトの回転速度及び回転方向を調節するように構成されている、実施態様12に記載の手持ち式電気機械的外科用デバイス。