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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-04
(45)【発行日】2023-08-15
(54)【発明の名称】無菌サンプリングシステム
(51)【国際特許分類】
   G01N 1/10 20060101AFI20230807BHJP
【FI】
G01N1/10 N
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020535045
(86)(22)【出願日】2018-12-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-22
(86)【国際出願番号】 US2018067384
(87)【国際公開番号】W WO2019126801
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2021-12-21
(31)【優先権主張番号】62/609,200
(32)【優先日】2017-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518044332
【氏名又は名称】センチネル モニタリング システムズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ロング,テリー,ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ブロムクウィスト,スティーブン,ジェイ.
【審査官】前田 敏行
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04669321(US,A)
【文献】特開平03-212276(JP,A)
【文献】特表2003-505679(JP,A)
【文献】特表2009-544450(JP,A)
【文献】特表2015-506254(JP,A)
【文献】特表2005-522282(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプリングシステムであって、
針と、
流体を前記針に供給するように構成されたサンプル源と、
開口部を画定するシース組立体であって、前記針は前記シース組立体内に配置されて、前記針および前記シース組立体は、前記針と前記シース組立体との間に内部空洞を画定する、シース組立体と、
前記シース組立体の第1の端部に対して開位置と閉位置との間で移動可能なガスケットであって、前記ガスケットは、前記シース組立体の第1の端部を流体的に密閉するため前記閉位置で設置されて、前記流体が前記針の第1の端部から出て前記針と前記シース組立体との間の内部空洞に入り前記開口部を経て前記針と前記シース組立体との間の内部空洞から出るのを可能にするように構成される、ガスケットと、
前記シース組立体の第1の端部に近接して配置されたボトルであって、前記ボトルは、前記ボトルの内部空洞を流体的に密閉するように構成された隔壁を含む、ボトルと、
前記ボトル、前記シース組立体、前記ガスケット、および前記針の1つ以上に連結された移動システムであって、前記移動システムは、
前記ガスケットを前記開位置に移動させて流体が前記シース組立体の第1の端部を経て前記針と前記シース組立体との間の内部空洞から出るのを可能にすることと、
前記針を前記ボトルおよび前記シース組立体に対して開位置まで移動させるか、または前記ボトルおよび前記シース組立体を前記針に対して開位置まで移動させ、それにより前記針の第1の端部が前記シース組立体の第1の端部を超えて延出して前記隔壁を穿通し、前記針が前記ボトルの内部空洞内に配置されて、前記流体が前記針の第1の端部から出て前記ボトルの内部空洞内に入るのを可能にすることと
を行うように構成された、移動システムと
を備える、サンプリングシステム。
【請求項2】
前記針と前記シース組立体との間の内部空洞を画定する前記針および前記シース組立体の少なくとも1つの表面は、銀、銅、金、亜鉛、チタン、前述のいずれかの合金、オルガノシラン、四級アンモニウム化合物、フルオロカーボン、パリレン、および光触媒材料の少なくとも1つを含む、防汚材料でコーティングされる、請求項1に記載のサンプリングシステム。
【請求項3】
前記サンプリングシステムは、前記針および前記シース組立体の少なくとも1つに連結された1つ以上の熱源をさらに備え、前記熱源は、前記針および前記シース組立体の少なくとも1つを加熱するように構成される、請求項1に記載のサンプリングシステム。
【請求項4】
前記ガスケットは、銀、銅、金、亜鉛、チタン、前述のいずれかの合金、オルガノシラン、四級アンモニウム化合物、フルオロカーボン、パリレン、および光触媒材料の少なくとも1つを含む防汚材料を注入されるポリマーガスケットを含む、請求項1に記載のサンプリングシステム。
【請求項5】
前記隔壁の面法線は、重力の方向と平行ではなく、傾斜して配向される、請求項1に記載のサンプリングシステム。
【請求項6】
前記隔壁の面法線が配向される角度は、重力の方向に対して30~60度の間の範囲である、請求項5に記載のサンプリングシステム。
【請求項7】
前記開口部は、重力の方向に対して前記針の第1の端部の上側に配置される、請求項5に記載のサンプリングシステム。
【請求項8】
前記サンプリングシステムは、前記針と前記シース組立体との間の内部空洞内に光を放出するように位置付けられた光源をさらに備え、前記光は、前記針と前記シース組立体との間の内部空洞内で細菌の成長を阻止するように構成される、請求項1に記載のサンプリングシステム。
【請求項9】
前記光源は光パイプであり、前記光は紫外線(UV)光である、請求項8に記載のサンプリングシステム。
【請求項10】
前記サンプリングシステムは、前記シース組立体の第2の端部を流体的に密閉するように構成されたOリングをさらに備える、請求項1に記載のサンプリングシステム。
【請求項11】
前記移動システムは、前記ボトルが前記針から前記流体の一部を採取した後、以下、
前記針を前記ボトルおよび前記シース組立体に対して移動させるか、または前記ボトルおよび前記シース組立体を前記針に対して移動させ、それにより前記針の第1の端部が前記ボトルの外部に位置付けられることと、
前記針を前記シース組立体に対して移動させるか、または前記シース組立体を前記針に対して移動させ、それにより前記針の第1の端部が前記シース組立体内に配置されることと、
前記ガスケットを前記閉位置に移動させて前記シース組立体の第1の端部を流体的に密閉することと
を実行するようにさらに構成される、請求項1に記載のサンプリングシステム。
【請求項12】
前記移動システムは、前記ガスケットを前記開位置に移動させて流体が前記針と前記シース組立体との間の内部空洞から前記シース組立体の第1の端部を経て出るのを可能にするように構成されたコンタクタプレートを備える、請求項11に記載のサンプリングシステム。
【請求項13】
前記移動システムは、前記ボトルを前記コンタクタプレートに接触するように移動させて、前記コンタクタプレートが前記ガスケットを前記開位置に移動させるのを可能にするようにさらに構成される、請求項12に記載のサンプリングシステム。
【請求項14】
前記移動システムは、リターンプレートをおよびスプリングをさらに備え、前記リターンプレートおよび前記スプリングは前記ガスケットを前記閉位置に位置付けて、前記シース組立体の第1の端部を流体的に密閉するように構成される、請求項12に記載のサンプリングシステム。
【請求項15】
前記サンプリングシステムは、試験対象システムに流体連結され、前記試験対象システムは、ポンプと前記サンプリングシステムとの間に流体連結されている、請求項1に記載のサンプリングシステム。
【請求項16】
前記サンプリングシステムはポンプに流体連結され、前記ポンプは、前記サンプリングシステムと試験対象システムとの間に流体連結されている、請求項1に記載のサンプリングシステム。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか一項に記載のサンプリングシステムを使用してサンプル流体を採取するための方法であって、前記方法は、
前記ガスケットを前記閉位置に位置付けて前記シース組立体の第1の端部を流体的に密閉することと、
流体を前記針の第1の端部から、前記針前記シース組立体との間の内部空洞内に分注することと、
前記流体を前記針と前記シース組立体との間の内部空洞から、前記シース組立体によって画定された開口部を経て分注することであって、前記開口部は重力の方向に対して前記針の第1の端部の上側に配置されることと
を含む、方法。
【請求項18】
前記方法は、
前記ガスケットを前記開位置に移動させて流体が前記シース組立体の第1の端部を経て前記針と前記シース組立体との間の内部空洞から出るのを可能にすることと、
前記針を前記ボトルおよび前記シース組立体に対して前記開位置まで移動させるか、または前記ボトルおよび前記シース組立体を前記針に対して前記開位置まで移動させ、それにより前記針の第1の端部が前記シース組立体の第1の端部を超えて延出して前記隔壁を穿通し、前記針が前記ボトルの内部空洞内に配置されることと、
前記流体を前記ボトルの内部空洞内に採取することと
をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記方法は、
前記針を前記ボトルおよび前記シース組立体に対して移動させるか、または前記ボトルおよび前記シース組立体を前記針に対して移動させ、それにより前記針の第1の端部が前記ボトルの外部に位置付けられることと、
前記針を前記シース組立体に対して移動させるか、または前記シース組立体を前記針に対して移動させ、それにより前記針の第1の端部が前記シース組立体内に配置されることと、
前記ガスケットを前記閉位置に移動させて前記シース組立体の第1の端部を流体的に密閉することと
をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記方法は、
流体を前記針の第1の端部から、前記針前記シース組立体との間の内部空洞内に分注することと、
前記流体を前記針と前記シース組立体との間の内部空洞から前記開口部を経て分注することと
をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示で説明する実施形態は無菌サンプリングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
健康および/または安全基準に準拠している流体を製造する業界は、製造されている流体を細菌および/または他の汚染物質について監視し得る。流体の一部が、健康および/または安全基準に準拠しているレベルを上回っているように見える場合、サンプリングシステムは追加試験のために流体のサンプルを採取し得る。
【0003】
本開示でクレームされる主題は、不都合を解決するか、または前述したもののような環境においてのみ動作する実施形態に制限されない。むしろ、本背景は、本開示で説明するいくつかの実施形態が実施され得る1つの技術分野例を例示するためにのみ提供される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の1つ以上の実施形態は、システムを含み得る。本システムは針を含み得る。本システムは流体を針に供給するように構成されたサンプル源も含み得る。いくつかの実施形態では、サンプル源は、加圧流体システムである。追加として、本システムは、開口部を画定するシース組立体を含み得る。針はシース組立体内に配置され得る。針およびシース組立体は、針とシース組立体との間に内部空洞を画定し得る。さらに、本システムはガスケットを含み得る。ガスケットは、シース組立体の第1の端部に対して開位置と閉位置との間で移動可能であり得る。ガスケットは、シース組立体の第1の端部を流体的に密閉するための閉位置で設置されて、流体が針の第1の端部から出て内部空洞に入り開口部を経て内部空洞から出るのを可能にするように構成され得る。本システムはボトルを含み得る。ボトルはシース組立体の第1の端部に近接して配置され得る。ボトルは、ボトルの内部空洞を流体的に密閉するように構成された隔壁を含み得る。本システムは、移動システムも含み得る。移動システムは、ボトル、シース組立体、およびガスケットの1つ以上に連結され得る。移動システムは、ガスケットを開位置に移動させて流体がシース組立体の第1の端部を経て内部空洞から出るのを可能にするように構成され得る。移動システムは、針をボトルおよびシース組立体に対して開位置まで移動させるか、またはボトルおよびシース組立体を針に対して開位置まで移動させ、それにより針の第1の端部がシース組立体の第1の端部を越えて延出して隔壁を穿通し、針がボトルの内部空洞内に配置されて、流体が針の第1の端部から出てボトルの内部空洞内に入るのを可能にするようにも構成され得る。
【0005】
実施形態の目的および利点は、少なくともクレーム内で具体的に指摘される要素、特徴、および組合せによって実現および達成されるであろう。前述の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方は、例示的で説明のためであり、制限するものではない。
【0006】
実施形態例は添付の図面の使用を通してさらに具体的かつ詳細に記述および説明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】サンプリングシステム例の閉状態における側面の断面図であり、
図2】別のサンプリングシステム例の閉状態における側面の断面図であり、
図3】さらに別のサンプリングシステム例の閉状態における側面の断面図であり、
図4図4A図4C。それぞれ、開状態におけるサンプリングシステム例の側面斜視図、詳細な側面斜視図、および詳細な上面斜視図であり、
図5】サンプリングシステムを使用して流体サンプルを無菌的に採取する方法例の流れ図を例示し、
図6】コンピューティング装置例のブロック図を例示し、
図7】サンプリングシステムの動作環境例を例示するブロック図であり、
図8】サンプリングシステムの別の動作環境例のブロック図であり、全ては、本開示で説明する少なくとも1つの実施形態に従う。
【発明を実施するための形態】
【0008】
サンプリングシステムは、流体のサンプルの無菌採取を容易にするように構成され得る。サンプリングシステムは、サンプリングシステムの内部空洞および/または内部構成要素(例えば、針)を外部環境から分離し得る。いくつかの実施形態では、サンプリングシステムは、サンプリングシステム内に存在し得、かつ/またはサンプリングシステム内で成長し得る細菌および/もしくは他の汚染物質を低減または除去して、一旦、流体のサンプルが流体システムから出ると流体のサンプルをさらに汚染することなく流体のサンプルを採取するように構成され得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、サンプリングシステムは、サンプリングシステムの1つ以上の外表面(例えば、ボトルの外表面および/または隔壁の外表面)に接触する流体が外表面を流れ落ち得るように、重力の方向に対して傾斜して配置され得る。追加または代替として、サンプリングシステムを重力の方向に対して傾斜して配置すると、サンプリングシステムから出る流体をサンプリングシステムの外表面(例えば、ボトルの外表面および/または隔壁の外表面)から離れるように方向付け得る。さらに、流体のサンプルが採取される場合、針が隔壁を穿通して流体がボトル内に分注される前に、ボトルの外表面および/または隔壁の外表面は、サンプリングシステムの内部空洞および/または内部構成要素(例えば、針)から出る流体の一部によってすすがれ得、それは細菌および/または汚染物質がボトルの外表面を介して流体のサンプルに取り込まれるのを低減または排除し得る。
【0010】
代替または追加として、サンプリングシステムは、サンプリングシステムが閉状態の場合に、製造されている流体を使用して針の外表面を含む内部空洞の表面の少なくとも一部をすすぐように構成され得る。例えば、サンプリングシステムが閉状態にある場合、流体は針を介して内部空洞に入り、開口部を経て内部空洞から出る前に内部空洞の表面の一部をすすぎ得る。製造されている流体を使用して内部空洞の表面の一部をすすぐことにより、内部空洞の表面の一部上で成長し得る細菌および/または他の汚染物質は、流体によって内部空洞から除去され得る。同様に、製造されている流体を使用して内部空洞の表面の一部をすすぐと、サンプリングシステムが閉状態にある場合に、内部空洞の表面の一部が空気にさらされるのを阻止し得る。内部空洞の表面の一部が空気にさらされるのを阻止すると、細菌および/または他の汚染物質が内部空間の表面の一部上で成長するのを阻止し得る。すすぎは、サンプリングシステムが閉状態にある場合に、例えば、連続的に、継続的に、定期的に、断続的に、および/またはランダムに実行され得る。
【0011】
さらに、サンプリングシステムは、サンプリングシステムが閉状態にある場合に、内部空洞の少なくとも一部を通って流体を流すように構成され得る。例えば、サンプリングシステムが閉状態にある場合、流体は針を介して内部空洞に連続的に入り得、開口部に達した後、流体は開口部を経て内部空洞から連続的に出得る。内部空洞を通って流体を流すことにより、内部空洞に取り込まれ得、かつ/または内部空洞内で成長し得る細菌および/もしくは他の汚染物質は、内部空洞から除去され得る。追加として、内部空洞内での流体の連続的な移動は、サンプリングシステムが閉状態にある場合、移動している流体はよどんだ流体よりも細菌および/または汚染物質が成長する可能性が低いので、細菌および/または他の汚染物質が内部空洞内で成長するのを阻止し得る。
【0012】
代替または追加として、サンプリングシステムは、内部空洞に取り込まれ得、かつ/または内部空洞内で成長し得る細菌および/もしくは汚染物質を低減または除去するために1つ以上の防汚表面および/もしくは光源を含み得る。
【0013】
それに応じて、サンプリングシステムは、内部空洞内で細菌および/または汚染物質を抑制および/または低減するための1つ以上の特徴または態様を含み得る。かかる特徴または態様は、サンプリングシステムの1つ以上の表面の面法線が重力の方向からオフセットされるように重力の方向に対して傾斜して位置付けられていて、サンプリングシステムの1つ以上の構成要素は、例えば、サンプリングシステムが閉状態にある場合に、すすがれ、防汚材料が、サンプリングシステムの1つ以上の構成要素内もしくは構成要素上に含まれているサンプリングシステム、および/またはUV光を流体内に、もしくはサンプリングシステムの1つ以上の表面上に放出する1つ以上の光源を含み得る。かかる特徴または態様は、所与のサンプリングシステムにおいて個々に、または任意の組合せで実装され得る。
【0014】
本開示のこれらおよび他の実施形態は、添付の図面を参照して説明される。図面中、同様の番号をもつ特徴は、特に断りのない限り、同様の構造および機能を示す。図面は、かかる実施形態例の図表および図解表現であり、本発明を制限するものではなく、また必ずしも原寸に比例していない。
【0015】
図1は、本明細書で開示する少なくとも1つの実施形態に従った、サンプリングシステム例100(本明細書ではシステム100)の閉状態における側面の断面図である。システム100は、汚染物質に関して検査すべきサンプル流体を採取するために採用され得る。システム100は、針106、シース組立体110、およびガスケット114を含み得る。システム100は、ボトル102、スプリング118、およびOリング122も含み得る。
【0016】
システム100、またはシステム100の少なくともいくつかの構成要素は、サンプリングシステム100またはシステム100の少なくともいくつかの構成要素の1つ以上の表面の面法線が重力の方向からオフセットされ得るように傾斜して位置付けられ得る。より詳細には、システム100は、隔壁104の面法線が重力の方向と実質的に平行ではなく傾斜して配向され得る(例えば、隔壁104の面法線は重力の方向に対して非ゼロ角であり得る)。いくつかの実施形態では、システム100またはその1つ以上の構成要素は、隔壁104の面法線が重力の方向から実質的に45度オフセットされた角度で、またはより一般的には、重力の方向から実質的に30~実質的に60度オフセットされた範囲で配向されるように、位置付けられ得る。他の実施形態では、システム100は、隔壁104の面法線が重力の方向から45度を上回るかまたは45度未満オフセットされて配向されるように、位置付けられ得る。隔壁104の面法線が重力の方向と実質的に平行ではない角度で配向されるようにシステム100を位置付けると、システム100の内部空洞112から出る流体120が、ボトル102に達するか、または流体120がボトル102もしくは隔壁104にどうにか達した場合に隔壁104もしくはボトル102の他の外表面上に残るのを阻止し得る(例えば、内部空洞112から出る流体120が隔壁104またはボトル102の外表面上に溜まるのを阻止し得る)。
【0017】
他の実施形態では、システム100、本明細書で説明する他のシステム、および/またはその1つ以上の構成要素は、代替または追加として、内部空洞112内の細菌および/または汚染物質を抑制、除去、および/または低減するために、本明細書で説明する他の特徴または態様の1つ以上を実装し得る。
【0018】
システム100は、サンプル源(図示せず)から流体120を受け取るように構成され得る。サンプル源は針106に流体連結され得る。針106は、流体120をサンプル源から受け取り得、針空洞108をトラバースし得る。流体120は、針106の第1の端部101において針106によって画定された開口部を経て針空洞108から出得る。図1に例示するシステム100では、流体120は、針106の第2の端部(図示せず)において針106によって画定された開口部を通って針空洞108に入り得、流体120は、針106の第1の端部101において針によって画定された開口部を通って針空洞108から出得る。いくつかの実施形態では、針106はカニューレを含み得る。
【0019】
システム100の閉状態では、針106は、シース組立体110内に少なくとも部分的に配置され得る。針106の外表面およびシース組立体110の内側面は内部空洞112を画定し得る。追加として、シース組立体110は開口部116または出口を画定し得る。開口部116は、内部空洞112に流体連結され得る。システム100の閉状態では、ガスケット114は、シース組立体110の第1の端部105に近接して位置付けられ得る。ガスケット114は、シース組立体110の第1の端部105に対して開位置(例えば、システム100の開状態または採取状態)と閉位置(例えば、図1に例示するようなシステム100の閉状態)との間で移動可能であり得る。いくつかの実施形態では、ガスケット114は、ポリマーガスケットを含み得る。
【0020】
システム100の閉状態では、ガスケット114は、流体120がシース組立体110の第1の端部105を経て内部空洞112から出るのを阻止するために、シース組立体110の第1の端部105を流体的に密閉し得る。追加として、システム100の閉状態では、流体120は内部空洞112内に集まり得、そして開口部116を経て内部空洞112から出得る。例えば、流体120は、針106の第1の端部101から出て、流体120が開口部116に到達し、開口部116を経て内部空洞112から出るまで、内部空洞112内に集まり得る/内部空洞112を充填し得る。開口部116は、重力の方向に対して針106の第1の端部101の上側に配置され得る。
【0021】
スプリング118は、制御アーム442(以下でさらに詳細に説明される)によってガスケット114を閉位置に向けて付勢するように構成され得る。いくつかの実施形態では、スプリング118は、ボトル102、シース組立体110、およびガスケット114の1つ以上に連結された複数の構成要素を含む移動システム107の部分であり得る。移動システム107は、システム100の様々な構成要素を閉位置および開位置に位置付け、かつ/または閉位置と開位置との間で移動させるように構成され得る。移動システム107は以下でさらに詳細に説明される。
【0022】
Oリング122はシース組立体110の第2の端部109を流体的に密閉して、流体がシース組立体110の第2の端部109を経て内部空洞112から不注意に出ることなく、シース組立体110が、針106に対して移動できるようにし得る。
【0023】
システム100の閉状態では、ボトル102は、シース組立体110の第1の端部105に近接して配置され得る。ボトル102の隔壁104は、ボトル102の内部空洞を流体的に密閉し得る。いくつかの実施形態では、ボトル102および/または隔壁104は、流体120のサンプルを採取するために1回限りの使用のために構成され得る。いくつかの実施形態では、ボトル102および/または隔壁104は、流体120のサンプルを採取するために複数使用のために構成され得る。
【0024】
システム100の閉状態では、針106の第1の端部101は、ガスケット114に近接して配置され得る。例えば、針106の第1の端部101は、ガスケット114から15~25ミリメートル(mm)の間だけ離れて配置され得る。システム100の閉状態では、流体120は針106の第1の端部101を経て内部空洞112に入り得、そして内部空洞112内に集まり得る/内部空洞112を充填し得る。流体120は、内部空洞112内に集まり/内部空洞112を充填し、開口部116に向かって上昇し得る。流体120が開口部116に達すると、流体120は開口部116を経て内部空洞112から出得る。いくつかの実施形態では、流体120は、開口部116を経て内部空洞112から出た後、サンプル源に戻され得る。他の実施形態では、流体120は、開口部116を経て内部空洞112から出た後、廃棄され得る。
【0025】
図1および他の図面は本明細書では、サンプル流体を採取するためのボトル102を示す。他の実施形態は、ボトル102の代わりに、またはボトル102に追加して、他の流体採取手段を実装し得る。例えば、1つ以上の実施形態は、点滴静注(IV)バッグ、チューブ、または隔壁閉鎖を備えた何らかの他の容器をボトル102の代わりに実装し得る。
【0026】
図2は、本明細書で開示する少なくとも1つの実施形態に従った、別のサンプリングシステム例200(本明細書ではシステム200)の閉状態における側面の断面図である。システム200は、汚染物質に関して検査すべきサンプル流体の採取において採用され得る。システム200は、図1に関連して前述したシステム100と同じか、または類似し得、同じ構成要素および/または特徴の一部もしくは全部、例えば、針106、シース組立体110、ガスケット114、スプリング118、内部空洞112、および開口部116などを含み得る。システム200は、本明細書で説明する1つ以上の他のシステムの開状態と同じか、または類似した開状態(図2には示さず)を有し得る。従って、システム200は、閉位置と開位置との間で移動可能である、ガスケット114などの、1つ以上の構成要素を有し得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、システム200は、第1の防汚コーティング224aおよび第2の防汚コーティング224b(総称して「防汚コーティング224」)の少なくとも1つも含み得る。
【0028】
前述のとおり、流体120は、針106によって受け取られ得る。追加として、流体120は、針空洞108をトラバースし、針106から出て内部空洞112に入り得る。さらに、流体120は、流体120が開口部116に達するまで、内部空洞112内に集まり得る。流体120は開口部116を経て内部空洞112から出得る。
【0029】
追加として、システム200の1つ以上の表面は、防汚コーティング224を含み得、かつ/またはその上に防汚コーティング224を形成させ得る。いくつかの実施形態では、シース組立体110の内側面は第2の防汚コーティング224bを含み得る。追加または代替として、針106の外表面は、第1の防汚コーティング224aを含み得る。防汚コーティング224は、細菌および/または他の汚染物質が成長するのを阻止するように構成された任意の防汚材料または材料処理を含み得る。例えば、防汚材料は、銀、銅、金、亜鉛、チタン、前述のいずれかの合金、オルガノシラン、四級アンモニウム化合物、フルオロカーボン、パリレンおよび光触媒材料、または他の適切な防汚材料(複数可)の1つ以上を含み得る。いくつかの実施形態では、防汚コーティング224は、針空洞108の下流に配置され得る(例えば、防汚コーティング224は、流体120が針106から出て、内部空洞112またはボトル102のいずれか入った後、流体120と接触し得る)。追加または代替として、ガスケット114は防汚材料を注入され得る。例えば、ガスケット114はポリマーガスケットとして実装され得、銀、銅、金、亜鉛、チタン、前述のいずれかの合金、オルガノシラン、四級アンモニウム化合物、フルオロカーボン、パリレンおよび光触媒材料、または他の適切な防汚材料(複数可)の1つ以上を注入され得る。
【0030】
いくつかの実施形態では、針106および/またはシース組立体110は1つ以上の熱源(図示せず)に連結され得る。熱源は、針106および/またはシース組立体110を直接加熱するように構成され得る。針106および/またはシース組立体110を加熱すると、細菌および/または他の汚染物質が流体120内または内部空洞112の表面上で成長するのを阻止し得る。追加として、針106および/またはシース組立体110を加熱すると、針106および/またはシース組立体110の表面を衛生的にし得る。針106および/またはシース組立体110の加熱は、サンプリングシステム200が閉状態または開状態にある場合に、例えば、連続的に、継続的に、定期的に、断続的に、および/またはランダムに実行され得る。
【0031】
図3は、本明細書で開示する少なくとも1つの実施形態に従った、さらに別のサンプリングシステム例300(本明細書ではシステム300)の閉状態における側面の断面図である。システム300は、汚染物質に関して検査すべきサンプル流体の採取において採用され得る。システム300は、図1および図2に関連して前述したシステム100およびシステム200と同じか、または類似し得、同じ構成要素および/または特徴の一部もしくは全部、例えば、針106、シース組立体110、ガスケット114、スプリング118、内部空洞112、および開口部116などを含み得る。システム300は、本明細書で説明する1つ以上の他のシステムの開状態と同じか、または類似した開状態(図3には示さず)を有し得る。従って、システム300は、閉位置と開位置との間で移動可能である、ガスケット114などの、1つ以上の構成要素を有し得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、システム300は追加として、第1の光源326aおよび第2の光源326b(総称して「光源326」)の少なくとも1つを含み得る。
【0033】
流体120は、針106によって受け取られ得る。追加として、流体120は、針空洞108をトラバースし、針106から出て内部空洞112に入り得る。さらに、流体120は、流体120が開口部116に達するまで、内部空洞112内に集まり得る。流体120は開口部116を経て内部空洞112から出得る。
【0034】
光源326は、内部空洞112内で流体120の少なくとも一部に光を放出するような方法で配置され得る。追加または代替として、光源326は、針106の外表面の少なくとも一部上またはシース組立体110の内側面(例えば、内部空洞112の表面)上に光を放出するような方法で配置され得る。光は、細菌および/または他の汚染物質が流体120内もしくは内部空洞112の表面上で成長するのを阻止するために、流体120内および/または内部空洞112の表面上に放出され得る。
【0035】
光源326によって放出される光は、260~290ナノメートル(nm)の範囲内のUV光を含み得る。いくつかの実施形態では、第1の光源326aおよび第2の光源326bは、シース組立体110の内側面に沿って異なる位置に配置された異なる光パイプを含み得る。いくつかの実施形態では、光パイプは、高分子材料またはUV光を放出するために容認可能な任意の他の材料を含み得る。追加または代替として、光源326は、シース組立体110の内側面の一部または全部上に光を向かわせる単一の光源を含み得る。光源326は、光触媒表面処理の場合のように、表面コーティング224と組み合わせて機能し得る。例えば、図3のシステム300は、図2の防汚コーティング224ならびに/または針106および/もしくはシース組立体110を加熱するように構成された熱源を含むように修正され得、かつ/または図2のシステム200は、図3の光源326を含むように修正され得る。
【0036】
図4A図4B、および図4Cは、それぞれ、本明細書で開示する少なくとも1つの実施形態に従った、開状態(例えば、採取状態)におけるサンプリングシステム例400(本明細書ではシステム400)の側面斜視図、詳細な側面斜視図、および詳細な上面斜視図である。システム400は、図1図3に関連して前述したシステム100、200、および300と同じか、または類似し得、図1図3に例示する閉状態ではなく、開状態(例えば、開位置における1つ以上の構成要素)で例示される。システム400は、図1図3に例示されるシステム100、200、および300の閉状態と同じか、または類似した閉状態も有し得る。システム400の1つ以上の構成要素は、閉位置と開位置との間で移動可能であり得る。図4A図4Cをまとめて参照して、システム400は、汚染物質に関して検査すべきサンプル流体の採取において採用され得る。
【0037】
システム400は、システム100、200、および300と同じ構成要素および/または特徴の一部もしくは全部、例えば、ボトル102、隔壁104、針106、シース組立体110、スプリング118、ガスケット114、およびOリング122など、を含み得る。システム400は、ボトル保持装置428、コンタクタプレート434、リターンプレート436、ホイール438、リターンスプリング440、制御アーム442、ならびに第1のガイドレール444aおよび第2のガイドレール444b(総称して「ガイドレール444」)の少なくとも1つも含み得る。追加として、システム400は、システム100、200、および300と同じか、または類似して、重力の方向に対して傾斜して配置され得る。
【0038】
システム400は、システム400の様々な構成要素を開位置に位置付けるように構成され、かつ/またはシステム400の1つ以上の構成要素を閉位置と開位置との間で移動させるように構成された移動システム107を含み得る。移動システム107は、スプリング118、ボトル保持装置428、コンタクタプレート434、リターンプレート436、ホイール438、リターンスプリング440、および/または制御アーム442を含み得る。
【0039】
ボトル保持装置428は、サンプル流体の採取に適した配向および/または位置でボトル102を保持するように構成され得る。ボトル保持装置428は、ボトル保持装置428が移動されているとき、ボトル102も移動されるように、ボトル102と接触し得る。コンタクタプレート434は、コンタクタ部432(例えば、図4Aおよび図4Bに図示)を含み得、それが、ボトル102の外表面と接触し得る。ボトル102は、ボトル102が移動されているとき、コンタクタプレート434も移動されるように、コンタクタ部432と接触し得る。コンタクタプレート434を動かすと、リターンスプリング440に荷重をかけ得る。
【0040】
ホイール438(例えば、図4Cに示す)は、コンタクタプレート434の表面と接触し得る。ホイール438は、制御アーム442(例えば、図4A図4B、および図4Cに図示)上に配置され得る。ホイール438は、コンタクタプレート434の表面に沿って回転することにより、制御アーム442が回転する(例えば、閉位置(例えば、図1図3に図示)から開位置(例えば、図4A図4B、および図4Cに図示)に移行する)のを可能にし得る。制御アーム442は、スプリング118の中心軸に対して回転し得る。例えば、コンタクタプレート434は、開位置に移動されている場合にホイール438に接触し得、それは、ホイール438をコンタクタプレート434の表面に沿って回転させて、制御アーム442をスプリング118に対して回転させ得る。
【0041】
ガスケット114は、制御アーム442が回転するとガスケット114を開位置に位置付け得るような方法で、制御アーム442に機械的に連結され得る。内部空洞112は、ガスケット114が開位置にある場合、外部環境にさらされ得る。
【0042】
制御アーム442が回転すると、スプリング118に荷重をかけ得、それは制御アーム442を閉位置に向けて付勢し得る。コンタクタプレート434は、開位置にある場合、制御アーム442が閉位置に移行するのを阻止し得る。
【0043】
開位置では、シース組立体110の第1の端部105は、ガスケット114によって流体的に密閉され得ず、それは内部空洞112内の流体120の少なくとも一部がシース組立体110の第1の端部105を経て内部空洞112から出るのを可能にし得る。シース組立体110の第1の端部105を経て内部空洞112から出る流体120は、ボトル102の隔壁104をすすぎ得る。シース組立体110の第1の端部105を経て内部空洞112から出る流体120は、重力の方向に対して傾斜して配置されているボトル102および/または隔壁104のために、隔壁104上に溜まらない可能性がある。追加または代替として、内部空洞112内の流体120の一部は、ガスケット114が開位置にある(例えば、内部空洞112をもう流体的に密閉していない)場合、シース組立体110によって画定された開口部116を経て内部空洞112から出得る。
【0044】
制御アーム442が開位置にある場合、コンタクタプレート434は、コンタクタプレート434の位置決めがシース組立体110を開位置に位置付け得るように、シース組立体110の可動部446(例えば、図4Cに図示)に接触し得る。例えば、コンタクタプレート434が移動してシース組立体110の可動部446と接触すると、それはシース組立体110をコンタクタプレート434と共に動かし得る。ガイドレール444は、シース組立体110の位置決めを制御するように構成され得る。例えば、ガイドレール444は、可動部446と接触している間コンタクタプレート434の移動に応答して、シース組立体110が一次元において、例えば、針106の長さと平行な方向に、移動するのを可能にし得る。
【0045】
開位置では、針106は、シース組立体110の第1の端部105を越えて延出し得る。追加として、ボトル102は、少なくとも、針106がボトル102の隔壁104を穿通するまで移動され得る。針106によって隔壁104を穿通すると、針106上の細菌および/または汚染物質を除去し得る。例えば、隔壁104は、穿通中に針106を清浄にするために針106の外表面を削り落として、細菌および/または汚染物質がボトル102内の流体120に取り込まれるのを防ぎ得る。開位置では、針106の第1の端部101は、図4Cに例示されるように、ボトル102内に配置され得る。
【0046】
開位置では、流体120は、サンプル源から針106によって受け取られ得る。流体120は、針空洞108をトラバースし、針106の第1の端部から出得る。流体120はボトル102に入り得、そして所望の容積まで採取され得る。
【0047】
サンプル分を採取した後、移動システム107は、システム400の様々な構成要素を閉位置に移動させ得、それは、システム400を閉状態(図1~3に例示されるとおり)に移行させ得る。例えば、リターンスプリング440は、システム400が開状態にある場合に荷重をかけられ得、そしてリターンプレート436を閉位置に向けて付勢し得る。リターンプレート436を閉位置に移動させると、可動部446に力を印加することによりシース組立体110を閉位置に移動させ得る。追加として、リターンプレート436を閉位置に移動させると、コンタクタプレート434およびコンタクタ部432を閉位置に移動させ得る。コンタクタ部432を閉位置に移動させると、ボトル102の外表面上に力を印加することによりボトル102を閉位置に移動させ得る。さらに、リターンプレート436を閉位置に移動させると、コンタクタプレート434によってボトル保持装置428を閉位置に移動させ得る。
【0048】
ボトル102は、閉位置では、例えば、図1図3に例示されるとおり、針106の第1の端部101がボトル102の外部に位置付けられ得、もうボトル102内に配置され得ないように、位置付けられ得る。追加として、シース組立体110は、閉位置では、針106がシース組立体110内に配置され得るように、位置付けられ得る。
【0049】
追加として、リターンプレート436を閉位置に移動させると、スプリング118が制御アーム442およびガスケット114を解放して閉位置に移動させ得るように、コンタクタプレート434を移動させ得、それはシース組立体110の第1の端部105を流体的に密閉し得る。
【0050】
いくつかの実施形態では、ボトル102およびシース組立体110は、例えば、説明のとおり、開位置と閉位置との間で針106に対して移動される。いくつかの実施形態では、針106は、開位置と閉位置との間で、ボトル102および/またはシース組立体110に対して移動され得る。これらおよび他の実施形態では、ガスケット114は、針106が移動される前に、開位置に位置付けられ得る。
【0051】
図5は、本明細書で開示する少なくとも1つの実施形態に従って配置された、サンプリングシステムを使用して流体サンプルを無菌的に採取する方法例500の流れ図を例示する。サンプリングシステムは、本明細書の別の箇所で説明されるシステム100、200、300、および400などの、本明細書で説明するサンプリングシステムの1つ以上を含み得る。いくつかの実施形態では、かかるサンプリングシステムは、少なくとも1つの針、シース組立体、開位置と閉位置との間で移動可能なガスケット、ボトル、および本明細書の別の箇所で説明されるものなどの移動システムを含み得る。
【0052】
方法500は、全体または一部において、サンプリングシステム100、200、300、および400によって、ならびに/または他のサンプリングシステムによって、実行され得る。代替または追加として、方法500は、方法500の操作の1つ以上を実行するか、またはその実行を制御するプロセッサ装置によって実装され得る。例えば、コンピュータ(図6のコンピューティング装置600など)または他のプロセッサ装置は、サンプリングシステムに通信可能に結合され得、かつ/またはサンプリングシステムの制御/検知システムとして含まれ得、例えば、コンピュータがアクセス可能な持続性コンピュータ可読媒体上に格納された、コンピュータがアクセス可能なソフトウェアまたは他のコンピュータ可読命令を実行して、図5の方法500を実行するためにサンプリングシステムを実行または制御し得る。
【0053】
方法500は、ブロック502、504、506、508、510、512、514、および/または516の1つ以上を含み得る。別個のブロックとして例示されているが、様々なブロックは、特定の実施態様に応じて、追加のブロックに分割され、追加のブロックで補完され、もっと少ないブロックに結合され、または削除され得る。方法500は、ブロック502から開始し得る。
【0054】
ブロック502(「ガスケットを閉位置に位置付ける」)で、ガスケットは移動システムによって閉位置に位置付けられ得る。いくつかの実施形態では、ガスケットは、シース組立体の第1の端部を流体的に密閉するために閉位置に位置付けられ得る。ブロック502の後に、ブロック504が続き得る。
【0055】
ブロック504(「流体を針の第1の端部から内部空洞内に分注する」)で、流体が針の第1の端部から内部空洞内に分注され得る。いくつかの実施形態では、内部空洞は、針およびシース組立体によって画定され得る。ブロック504の後に、ブロック506が続き得る。
【0056】
ブロック506(「流体を内部空洞から開口部を経て分注する」)で、流体は、内部空洞から開口部を経て分注され得る。いくつかの実施形態では、開口部は、シース組立体によって画定され得る。これらおよび他の実施形態では、開口部は、重力の方向に対して針の第1の端部の上側に配置され得る。ブロック506の後に、ブロック508が続き得る。
【0057】
ブロック508(「ガスケットを開位置に移動させる」)で、ガスケットは、開位置に移動され得る。いくつかの実施形態では、ガスケットは、流体が、シース組立体の第1の端部を経て内部空洞から出るのを可能にするために、開位置に移動され得る。ブロック508の後に、ブロック510が続き得る。
【0058】
ブロック510(「針をボトルおよびシース組立体に対して開位置に移動させるか、またはボトルおよびシース組立体を針に対して開位置に移動させ、それにより針の第1の端部がシース組立体の第1の端部を越えて延出する」)で、針をボトルおよびシース組立体に対して開位置に移動させるか、またはボトルおよびシース組立体を針に対して開位置に移動させ、それにより針の第1の端部がシース組立体の第1の端部を越えて延出して隔壁を穿通し、針がボトルの内部空洞内に配置され得る。いくつかの実施形態では、シース組立体は、固定位置に留まり得、針はシース組立体の第1の端部を越えて延出するように移動され得る。これらおよび他の実施形態では、ボトルは固定位置に留まり得、針の移動は、針がボトルの隔壁を穿通する結果となり得、そのため針の第1の端部はボトルの内部空洞内に配置される。ロック510の後に、ブロック512が続き得る。
【0059】
ブロック512(「流体をボトルの内部空洞内に採取する」)で、流体はボトルの内部空洞内に採取され得る。
【0060】
当業者は、本明細書で開示するこれおよび他のプロセス、操作、および方法に関して、実行される機能および/または操作は異なる順序で実装され得ることを理解するであろう。その上、概説した機能および操作は例としてのみ提供され、機能および操作の一部は任意選択であり、開示する実施形態の本質を損なうことなく、もっと少ない機能および操作に結合されるか、または追加の機能および操作に拡張され得る。
【0061】
これらおよび他の実施形態では、方法500は、針の第1の端部がボトルの外部に位置付けられるようにボトルを位置付けること、針の第1の端部がシース組立体内に配置されるようにシース組立体を位置付けること、およびシース組立体の第1の端部を流体的に密閉するためにガスケットを閉位置に位置付けることをさらに含み得る。
【0062】
代替または追加として、方法500は、流体を針の第1の端部から、針およびシース組立体によって画定された内部空洞内に分注すること、ならびに流体を内部空洞から、シース組立体によって画定された開口部を経て分注することをさらに含み得る。
【0063】
図6は、本明細書で説明する少なくとも1つの実施形態に従って配置された、コンピューティング装置例600のブロック図を例示する。コンピューティング装置600は、本明細書で説明する方法および/または操作の1つ以上を実行するか、またはその実行を制御するためにいくつかの実施形態で使用され得る。例えば、コンピューティング装置600は、本明細書で説明するシステム100、200、300、および400に通信可能に結合され、かつ/またはそれに含まれて、図5の方法500を実行するか、またはその実行を制御し得る。基本構成602では、コンピューティング装置600は典型的には、1つ以上のプロセッサ604およびシステムメモリ606を含む。メモリバス608は、プロセッサ604とシステムメモリ606との間の通信のために使用され得る。
【0064】
所望の構成に応じて、プロセッサ604は、マイクロプロセッサ(μP)、マイクロコントローラ(μC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、またはそれらの任意の組合せなど、を含む任意のタイプであり得る。プロセッサ604は、1つ以上のレベルのキャッシング、例えば、レベル1キャッシュ610およびレベル2キャッシュ612など、プロセッサコア614、およびレジスタ616を含み得る。プロセッサコア614は、演算論理装置(ALU)、浮動小数点ユニット(FPU)、デジタル信号処理コア(DSPコア)、またはそれらの任意の組合せを含み得る。メモリコントローラ例618もプロセッサ604と共に使用され得るか、またはいくつかの実施態様では、メモリコントローラ618は、プロセッサ604の内部部品であり得る。
【0065】
所望の構成に応じて、システムメモリ606は、揮発性メモリ(RAMなど)、不揮発性メモリ(ROM、フラッシュメモリ、または同様のものなど)、またはそれらの任意の組合せなどの、任意のタイプであり得る。システムメモリ606は、オペレーティングシステム620、1つ以上のアプリケーション622、およびプログラムデータ624を含み得る。アプリケーション622は、本明細書で説明するサンプリングシステムの1つ以上と関連付けられた無菌サンプリング操作をスケジュールし、かつ/または実施するように配置される無菌サンプルアルゴリズム626を含み得る。プログラムデータ624は、サンプリング事象のスケジュール、閾値、ならびに/または本明細書で説明するサンプリング方法および/もしくは操作の態様を制御するために使用され得る他のデータなどの無菌サンプルデータ628を含み得る。いくつかの実施形態では、アプリケーション622は、図5に関して説明されるものを含む、本明細書で説明する方法および/または操作の1つ以上を実行するためにオペレーティングシステム620上でプログラムデータ624を用いて動作するように配置され得る。
【0066】
コンピューティング装置600は、追加の特徴または機能、ならびに基本構成602と任意の他の装置およびインタフェースとの間の通信を容易にするための追加のインタフェースを含み得る。例えば、バス/インタフェースコントローラ630は、基本構成602と1つ以上のデータ記憶装置632との間の記憶インタフェースバス634を介した通信を容易にするために使用され得る。データ記憶装置632は、取外し可能記憶装置636、固定型記憶装置638、またはそれらの組合せを含み得る。取外し可能記憶装置および固定型記憶装置の例は、2~3例を挙げると、フレキシブルディスクドライブおよびハードディスクドライブ(HDD)などの磁気ディスク装置、コンパクトディスク(CD)ドライブまたはデジタル多用途ディスク(DVD)ドライブなどの光ディスクドライブ、ソリッドステートドライブ(SSD)、およびテープドライブを含む。コンピュータ記憶媒体例は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータなどの、情報を格納するための任意の方法または技術で実装された揮発性および不揮発性の、取外し可能および固定型の媒体を含み得る。
【0067】
システムメモリ606、取外し可能記憶装置636、および固定型記憶装置638は、コンピュータ記憶媒体の例である。コンピュータ記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリもしくは他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)もしくは他の光学式記憶、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶もしくは他の磁気記憶装置、または所望の情報を格納するために使用され得、かつコンピューティング装置600によってアクセスされ得る任意の他の媒体を含むが、それらに制限されない。任意のかかるコンピュータ記憶媒体は、コンピューティング装置600の部分であり得る。
【0068】
コンピューティング装置600は、様々なインタフェース装置(例えば、出力装置642、周辺インタフェース644、および通信装置646)から基本構成602へのバス/インタフェースコントローラ630を介した通信を容易にするためのインタフェースバス640も含み得る。出力装置642は、グラフィック処理装置648および音声処理装置650を含み、それらは、1つ以上のA/Vポート652を介してディスプレイまたはスピーカーなどの様々な外部装置に伝達するように構成され得る。周辺インタフェース644は、シリアルインタフェースコントローラ654またはパラレルインタフェースコントローラ656を含み、それらは、1つ以上のI/Oポート658を介して入力装置(例えば、キーボード、マウス、ペン、音声入力装置、タッチ入力装置、および/またはその他)、センサー、または他の周辺装置(例えば、プリンタ、スキャナ、および/またはその他)などの外部装置と通信するように構成され得る。通信装置646はネットワークコントローラ660を含み、それは、1つ以上の通信ポート664を介して、1つ以上の他のコンピューティング装置662とのネットワーク通信リンクを通した通信を容易にするために配置され得る。
【0069】
ネットワーク通信リンクは、通信媒体の一例であり得る。通信媒体は典型的には、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または搬送波もしくは他の移送機構などの、変調されたデータ信号における他のデータによって具現化され得、任意の情報送達媒体を含み得る。「変調されたデータ信号」は、情報を信号内に符号化するような方法で設定または変更されたその特性の1つ以上を含む信号であり得る。制限ではなく、例として、通信媒体は、有線ネットワークまたは直接有線接続などの有線媒体、ならびに、音響、無線周波数(RF)、マイクロ波、赤外線(IR)、および他の無線媒体などの無線媒体を含み得る。用語「コンピュータ可読媒体」は本明細書での使用は、記憶媒体と通信媒体の両方を含み得る。
【0070】
コンピューティング装置600は、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、パーソナルメディアプレイヤー装置、無線ウェブウォッチ装置(wireless web-watch device)、パーソナルヘッドセット装置、特定用途向け装置、または前述の機能のいずれかを含むハイブリッド装置などの、小型ポータブル(モバイル)電子機器の部分として実装され得る。コンピューティング装置600は、ラップトップコンピュータおよび非ラップトップコンピュータ構成の両方を含む、パーソナルコンピュータとしても実装され得る。
【0071】
図7は、本明細書で説明する少なくとも1つの実施形態に従って配置された、サンプリングシステム705の動作環境例700を例示するブロック図である。動作環境700は、試験対象システム(SUT)701、サンプリングシステム705、およびポンプ703を含み得る。サンプリングシステム705は、図1図4Cに関連して前述したシステム100、200、300、および400と同じか、または類似し得る。ポンプ703は、サンプリングシステム705およびSUT701に流体連結され得る。追加として、いくつかの実施形態では、サンプリングシステム705は、サンプル採取されていない場合、汲み出された流体を戻すためにSUT701に流体連結され得る。
【0072】
SUT701は、そのプロセスにおいて流体を生成および/または取り込み、その流体を外部採取器(図示せず)に提供し得る。サンプリングシステム705は、流体を監視して、その流体が細菌および/または汚染物質を、健康および/または安全基準に準拠しているレベルで、もしくはそのレベルを下回って、含有するかどうかを判断するように構成され得る。追加または代替として、1つ以上のセンサーが流体を監視し得る。流体の一部が所望の制御ならびに/または健康および/もしくは安全基準に準拠したレベルを上回っているように見える場合、サンプリングシステム705は、追加の試験のために流体のサンプルを採取し得る。
【0073】
図8は、本明細書で説明する少なくとも1つの実施形態に従って配置された、サンプリングシステム803の別の動作環境例800のブロック図である。動作環境800は、SUT801、サンプリングシステム803、およびポンプ805を含み得る。サンプリングシステム803は、図1図4Cおよび図7に関連して前述したサンプリングシステム100、200、300、400、および703と同じか、または類似し得る。追加として、SUT801は、図7に関連して前述したSUT701であり得、SUT701と同じか、または同様に動作し得る。
【0074】
ポンプ805は、SUT801に流体連結され得る。ポンプ805は、SUT801および外部採取器(図示せず)と一列に流体連結され得る。例えば、ポンプ805は、圧力を流体に加えて、流体がSUT801をトラバースして外部採取器に到達するようにさせ得る。追加として、サンプリングシステム803は、SUT801および外部採取器と一列に流体連結されない可能性がある。さらに、SUT801は、SUT801をサンプリングシステム803から流体的に密閉するためのシールを含み得る。いくつかの実施形態では、サンプリングシステム803は、サンプル採取されていない場合、汲み出された流体を戻すためにポンプ805に流体連結され得る。
【0075】
いくつかの実施形態では、SUT801によって生成された流体が健康および/または安全基準に準拠しているレベルを上回っているように見える場合、SUT801はシールを除去し得、サンプリングシステム803に流体連結されるようになり得る。これらおよび他の実施形態では、ポンプ805は圧力を流体に加えて、流体がサンプリングシステム803に到達するようにさせ得る。サンプリングシステム803は、流体のサンプルを採取し得、SUT801は、SUT801をサンプリングシステム803から流体的に密閉するためにシールを戻し得る。
【0076】
本開示は、様々な態様の例証となることを目的とする、本明細書で説明する特定の実施形態に関して制限されない。当業者には明らかであるように、多くの修正および変形を、その精神および範囲から逸脱することなく、行うことができる。本明細書で列挙されるものに追加して、本開示の範囲内の機能的に同等な方法および装置は、前述の説明から当業者には明らかであろう。かかる修正および変形は、添付のクレームの範囲内に含まれることを意図する。本開示は、かかるクレームが権利を与えられる均等物の完全な範囲と共に、添付のクレームの条件によってのみ制限されるものとする。本開示は特定の方法、試薬、化合物、組成、または生物システムに制限されず、それらは、言うまでもなく、変動し得ることが理解される。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態だけを説明することを目的とし、制限することを意図していないことも理解される。
【0077】
本明細書では、実質的に任意の複数および/または単数の用語の使用に関して、当業者は、文脈および/または用途に応じて、複数から単数へ、および/または単数から複数へ変換できる。様々な単数/複数の置換は、分かりやすくするために、本明細書で明示的に記載され得る。
【0078】
本発明は、その精神または本質的特性から逸脱することなく、他の特定の形式で具現化され得る。説明する実施形態は、あらゆる点において、制限ではなく例示としてのみ考えられるべきである。本発明の範囲は、従って、前述の説明によってではなく、添付のクレームによって示される。クレームの等価の意味および範囲内の全ての変更は、それらの範囲内に包含されるものとする。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8