(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-04
(45)【発行日】2023-08-15
(54)【発明の名称】モータ
(51)【国際特許分類】
H02K 1/18 20060101AFI20230807BHJP
H02K 15/02 20060101ALI20230807BHJP
H02K 15/095 20060101ALI20230807BHJP
【FI】
H02K1/18 C
H02K15/02 D
H02K15/095
(21)【出願番号】P 2020538183
(86)(22)【出願日】2019-05-31
(86)【国際出願番号】 JP2019021748
(87)【国際公開番号】W WO2020039682
(87)【国際公開日】2020-02-27
【審査請求日】2022-04-15
(31)【優先権主張番号】P 2018157659
(32)【優先日】2018-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2018157660
(32)【優先日】2018-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2018157661
(32)【優先日】2018-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】鴨木 豊
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 友久
(72)【発明者】
【氏名】加川 正樹
【審査官】若林 治男
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-094059(JP,A)
【文献】特開2005-245138(JP,A)
【文献】特開2014-183631(JP,A)
【文献】特開2007-282498(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 1/18
H02K 15/02
H02K 15/095
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータを備え、
前記ステータは、複数の連結コアを備え、
前記連結コアは、連結部を介して連結された複数のピースを備え、
前記連結部の側部は、凹部を備え、
前記複数の連結コアは環状に配置され、
前記凹部には弾性部材が配置され
、
前記弾性部材は、前記複数の連結コアの凹部のうち一部に配置される、
モータ。
【請求項2】
ハウジングを備え、
前記複数のピースの外周部は前記ハウジングの内面に接触する、
請求項1に記載のモータ。
【請求項3】
前記複数のピースのうち、前記連結コアの両端にある2つのピースの外周部には、突出
部が設けられている、
請求項
1又は2に記載のモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ステータを3個のセグメントにより形成し、各セグメントの巻線総数と突極数とを調整することで、振動に伴う騒音を防止するモータが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の複数のセグメントから形成されるステータでは、当該セグメントが円弧状の形状で形成されているため、たとえばティースの周囲の空間が狭いため、コイルの巻回が難しく、生産性が高められない。
【0005】
本発明は、上記課題を一例とするものであり、ステータの振動を低下させるとともに生産性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るモータは、ステータを備える。前記ステータは、複数の連結コアを備える。前記連結コアは、連結部を介して連結された複数のピースを備える。前記連結部の側部は、凹部を備える。前記複数の連結コアは環状に配置される。前記凹部には弾性部材が配置される。前記弾性部材は、前記複数の連結コアの凹部のうち一部に配置される。
【0007】
本発明の一態様によれば、ステータの振動を低下させるとともに生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係るステータの構成例を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、連結コアを構成する磁性体としての鋼板の形状の例を示す平面図である。
【
図4A】
図4Aは、複数の連結コアを環状に形成する例を示す図(1)である。
【
図4B】
図4Bは、複数の連結コアを環状に形成する例を示す図(2)である。
【
図5】
図5は、連結コアに対する上側インシュレータ、下側インシュレータおよび端子の適用の例を示す図である。
【
図7】
図7は、3個のセグメントの各コイルに割り当てられた相の例を示す図である。
【
図8】
図8は、コイルの巻回の他の例を示す図である。
【
図9A】
図9Aは、モータの構成例を示す斜視図(1)である。
【
図9B】
図9Bは、モータの構成例を示す斜視図(2)である。
【
図10】
図10は、第2の実施形態に係る連結コアの構成例を示す図(1)である。
【
図11】
図11は、第2の実施形態に係る連結コアの構成例を示す図(2)である。
【
図12】
図12は、第3の実施形態に係る方向性電磁鋼板の例を示す図である。
【
図13】
図13は、第3の実施形態に係る連結コアの例を示す図である。
【
図14A】
図14Aは、第4の実施形態に係るステータの圧入の例を示す図(1)である。
【
図14B】
図14Bは、第4の実施形態に係るステータの圧入の例を示す図(2)である。
【
図14C】
図14Cは、第4の実施形態に係るステータの圧入の例を示す図(3)である。
【
図15】
図15は、第5の実施形態に係る連結コアの形状の例を示す平面図である。
【
図16A】
図16Aは、第6の実施形態に係る弾性部材の挿入の例を示す図(1)である。
【
図16B】
図16Bは、第6の実施形態に係る弾性部材の挿入の例を示す図(2)である。
【
図18】
図18は、第8の実施形態に係るせり出し部の例を示す図である。
【
図19】
図19は、第9の実施形態に係る連結コアが環状に組み立てられた状態の例を示す図である。
【
図20】
図20は、複数の連結コアを環状に組み立てる様子を示す図である。
【
図21A】
図21Aは、第10の実施形態に係るステータの仮組の例を示す図(1)である。
【
図21B】
図21Bは、第10の実施形態に係るステータの仮組の例を示す図(2)である。
【
図22A】
図22Aは、第11の実施形態に係るステータの仮組の例を示す図(1)である。
【
図22B】
図22Bは、第11の実施形態に係るステータの仮組の例を示す図(2)である。
【
図23】
図23は、第12の実施形態に係る端子の例を示す斜視図である。
【
図24】
図24は、比較例に係る一般的な端子の例を示す斜視図である。
【
図25】
図25は、第13の実施形態に係る端子の例を示す斜視図である。
【
図26】
図26は、第14の実施形態に係る端子の例を示す斜視図である。
【
図27】
図27は、第15の実施形態に係る上側インシュレータの例を示す斜視図である。
【
図28A】
図28Aは、第16の実施形態に係る仕切り板の挿入の例を示す図(1)である。
【
図28B】
図28Bは、第16の実施形態に係る仕切り板の挿入の例を示す図(2)である。
【
図29】
図29は、第17の実施形態に係る温度上昇への対策の例を示す図である。
【
図30】
図30は、隣接するコイル間にシート状の樹脂部材が挿入された状態を示す上面図である。
【
図31】
図31は、シート状の樹脂部材が挿入された状態で連結コアの折り曲げが行われた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態に係るモータおよびモータの製造方法について図面を参照して説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面における各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、1つの実施形態や変形例に記載された内容は、原則として他の実施形態や変形例にも同様に適用される。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るステータ2の構成例を示す斜視図である。
図1において、ステータ21と、ステータ21に設けられた環状の基板(以下、接続板と呼称する)28とが示されている。ステータ21は、複数(たとえば4個)のピースが折り曲げ可能な連結部を介して連結された連結コア23の各ピースに上側インシュレータ24および下側インシュレータ25が装着された上でコイル26が巻回された後に、連結部が折り曲げられて、複数(たとえば3個)の連結コア23により環状に形成されている。ここで、インシュレータは、上側インシュレータ24および下側インシュレータ25で構成されている。各連結コア23は、それぞれがセグメントとして、ステータ全体としてのコアを形成する。3個の連結コア23が用いられる場合、セグメントの数は3となる。セグメントの数は、2次・4次の円環振動モードに対する剛性を高める上で、3が好ましいが、3以上の奇数でもよい。また、複数の連結コア23が有するピースの数が偶数であり、複数の連結コア23の数が奇数または素数であってもよい。ピースの数が偶数であっても、連結コア23の数を3以上の奇数または素数にすることで、モータの振動や振動に伴う騒音を抑制することができる。
【0011】
接続板28は、連結コア23のピースごと(スロットごと)に上側インシュレータ24の上部に設けられた端子27を一括して配線するものであり、プリント基板または所定の基板にプリント基板やフレキシブル基板を設けたもの等により形成されている。なお、接続板28は、コイル26が巻回され環状に仮組された連結コア23がモータのハウジングに挿入された後に端子27と接続される場合もある。各スロットのコイル26の電気接続が端子27を介し接続板28により一括に行われることで、渡り線が交差しないようにすることができる。また、インシュレータに渡り線をガイドするガイド部が不要となり、回転軸方向におけるステータの寸法を短縮し、モータのデッドスペースを縮小することができる。図示の例では、接続板28に形成された複数の孔部28aそれぞれに、端子27の端部27-aが挿入され、端子27の端部27-aの一部が接続板28の面から外側に突出している。端子27の端部27-aは、接続板28に形成された配線の一部と電気接続されている。端部27-aには、インシュレータに固定される突出部27-b、27-cが連なっている。
【0012】
図2は、連結コア23を構成する磁性体としての鋼板22の形状の例を示す平面図である。
図2において、鋼板22は、電磁鋼板から金型等により打ち抜かれて形成される。また、鋼板22が複数枚積み重ねられて連結コア23が形成される。
【0013】
図3Aは、連結コア23の形状の例を示す斜視図であり、
図3Bは、連結コア23の形状の例を示す平面図である。
図3Bでは、連結コア23の両端部の拡大図が付加されている。連結コア23は、
図2に示された磁性体としての鋼板22が複数枚積み重ねられて形成される。なお、
図3Aにおいては、電磁鋼板の積み重ねにより表れる端面の横方向のスジは図示が省略されている。図示の例では、4つの略T字状の平面形状を有するピース23aが連結部23bを介して連結されている。各ピース23aにはティース23eが形成されている。このティース23eの一方の端部23e1(径方向においてロータ3に対向する端部)が磁極部となる。連結部23bは、外周側に位置する平面状のエッジ23b-aと内周側に位置する曲面状の凹部23b-bとの間に細く形成されており、曲面状の凹部23b-bが閉じる方向に容易に折り曲げ可能とされている。言い換えれば、連結部23bの側部には凹部23b-bが設けられている。曲面状の凹部23b-bには平面状の接触部23b-cが繋がり、連結コア23が折り曲げられた際に隣接するピース23aの接触部23b-cと接触する。連結コア23の左右の端部は接触部23c、23dとされており、環状に折り曲げられた状態で隣の連結コア23の接触部23d、23cと接触し、嵌合し合うようになっている。
【0014】
接触部23cの面は、ティース23eの側面23e2に沿う方向に延在する第1面23c1と、第1面23c1に対して傾斜した第2面23c2とを有する。径方向において、第1面23c1は第2面23c2に対して外側(筒部11側)に配置されている。この第1面23c1は、各ピース23aが開かれ、連結コア23が直線的な状態において、各ピース23aが並ぶ方向に対して垂直な方向に延在している。また、第1面23c1および第2面23c2のそれぞれは、連結コア23を環状に折り曲げた際には、接触部23cから径方向に延在してシャフトの中心(モータの中心位置)を通過する面に交差する面となる。一方、接触部23dは、他の連結コア23の接触部23cに対応する面を備え、ティース23eの側面23e3に沿う方向に延在する第2面23d2と、第2面23d2に対して傾斜した第1面23d1とを有する。第1面23d1は接触部23cの第1面23c1に対向し、第2面23d2は第2面23c2に対向する。径方向において、第1面23d1は第2面23d2に対して外側(筒部11側)に配置されている。この第2面23d2は、各ピース23aが開かれ、連結コア23が直線的な状態において、各ピース23aが並ぶ方向に対して垂直な方向に延在している。また、第1面23d1および第2面23d2は、連結コア23を環状に折り曲げた際には、接触部23dから径方向に延在してシャフトの中心(モータの中心位置)を通過する径方向に沿った面に交差する面となる。このように複数の連結コア23のうち、互いに接触する2つの連結コア23はそれぞれ接触部23c、23dを備え、2つの連結コア23が有する接触部23c、23dには、径方向に延在してシャフトの中心を通過する面に交差する面が設けられることで(
図14C参照)、接触部23cどうしが噛み合い、径方向にずれるのを防いで、ステータの真円度を高めることができる。なお、接触部23c、23dは、上述したような構造の面により、一方が周方向に対して凸、他方が周方向に対して凹の形状とされる場合に限られず、フラットな端面としてもよい。また、第1面23c1、23d1は、ティースの側面23e4に対して垂直な方向に延在していても構わない。
【0015】
図4Aおよび
図4Bは、複数の連結コア23を環状に形成する例を示す図である。なお、環状のコアの形成を概念的に示すものであり、実際には前述したように連結コア23の各ピースに上側インシュレータ24および下側インシュレータ25が装着され、コイルが巻回された後に折り曲げが行われる。
図4Aにおいて、3つの連結コア23がそれぞれ円弧状に曲げられた後に合体されることにより、
図4Bに示されるような環状のコアが形成される。
【0016】
従来の一続きの帯状のコアが環状に曲げられるタイプのステータでは、1周360°の範囲に対して1回の作業で環状に曲げが行われるため、一部の連結部に過剰な力が働いて真円度が悪化し、マグネットの磁極数に応じた半径方向への加振力による振動が発生する場合があった。これに対し、本実施形態では、複数(たとえば3個)の連結コア23がそれぞれにおいて円弧状に曲げられた後に、複数の連結コア23の合体が行われるため、真円度が向上する。その結果、マグネットの磁極数に応じた半径方向への加振力による振動や騒音の低下が期待できる。
【0017】
また、従来の一続きの帯状のコアが環状に曲げられるタイプのステータでは、1周の中の1箇所で端部の接続が行われるため、2次および4次の円環振動モードに対して剛性が低く、この点からも振動や騒音が発生する場合があった。これに対し、本実施形態では、たとえば3個といった、セグメントの数が奇数となっているため、セグメントの接続部が円の中心を介して対向することがなく、2次および4次の円環振動モードに対して剛性が高い。その結果、振動や騒音の低下が期待できる。
【0018】
次に、
図5は、連結コア23に対する上側インシュレータ24、下側インシュレータ25および端子27の適用の例を示す図である。
図5において、上側インシュレータ24および下側インシュレータ25は縦長(鋼板を積み重ねる方向に長い)のコイルボビンが中央付近で上下に分割可能な形状となっており、連結コア23が開いた状態(折り曲げが行われていない状態)でティース23eを収容するように上側インシュレータ24と下側インシュレータ25が装着される。また、上側インシュレータ24の上部(後述する蓋部12側の端部)には端子27用の孔部24-aが設けられており、端子27が挿入される。具体的には、端子27には上側インシュレータ24に向かって延在する2つの突出部27-b、27-cが設けられており、これら2つの突出部27-b、27-cが上側インシュレータ24の孔部24-aに挿入され、端子27は上側インシュレータ24に固定されている。また、端子27には、接続板28に接続される端部27-aと、導線が接続されるフック27nとが設けられている。
【0019】
図6は、連結コア23におけるコイル26の巻回の例を示す図であり、上段は平面図を、下段は正面図を示している。
図6において、たとえば、点P1が導線Wの巻き始めとされて、ピース23a-1の端子27-1のフック27n-1に導線Wが通されてから左回り(CCW)に導線Wが巻回されてコイル26-1が形成される。続いて、コイル26-1の巻き終わりから続けてピース23a-2に導線Wが右回り(CW)に巻回されてコイル26-2が形成され、コイル26-2の巻き終わりから端子27-2のフック27n-2に導線Wが通される。続いて、導線Wがピース23a-3の端子27-3のフック27n-3に通されてから右回り(CW)に巻回されてコイル26-3が形成される。続いて、コイル26-3の巻き終わりから続けてピース23a-4に導線Wが左回り(CCW)に巻回されてコイル26-4が形成され、導線Wは端子27-4のフック27n-4を通して巻き終わりの点P2に到達する。そして、端子27-1~27-4のフック27n-1~27n-4における導線Wの固定(カシメや溶接等)の後、点P1と端子27-1のフック27n-1との間、端子27-2のフック27n-2と端子27-3のフック27n-3との間、端子27-4のフック27n-4と点P2との間の導線Wが切断される。
【0020】
なお、巻き始めの点P1と巻き終わりの点P2とは、逆にしてもよい。また、巻回の右回り(CW)と左回り(CCW)は逆にしてもよいが、1個目のコイル26-1と2個目のコイル26-2とが逆向きになり、2個目のコイル26-2と3個目のコイル26-3とが同じ向きになり、3個目のコイル26-3と4個目のコイル26-4とが逆向きになる必要があり、いわゆる一筆書きのように巻回が行われる。別言すれば、連結コア23が4個のピース23a-1~23a-4を備える場合、周方向において、複数のピースのうち、両端に位置する2つのピース23a-1、23a-4のコイル26-1、26-4巻回の方向は一の方向となり、両端に位置する2つのピース23a-1、23a-4の間に位置する2つのピース23a-2、23a-3のコイル26-2、26-3の巻回の方向は一の方向と反対の方向となる。
【0021】
また、
図6では1個目のコイル26-1がU反転相、2個目のコイル26-2がU相、3個目のコイル26-3がV相、4個目のコイル26-4がV反転相とされているが、各セグメントを構成する連結コア23の巻回は同じであり、他の相についてもそのまま用いられる。
図7は、3個のセグメントの各コイルに割り当てられた相の例を示す図であり、1個目のセグメントがU反転相、U相、V相、V反転相に割り当てられ、2個目のセグメントがW反転相、W相、U相、U反転相に割り当てられ、3個目のセグメントがV反転相、V相、W相、W反転相に割り当てられている。
【0022】
なお、連結コア23の両側にある2つのピースの接触部23c、23dそれぞれが有する面23c1、23d2を、複数のピースが並んだ方向に対して垂直な方向に配置し、連結コア23が有するピースそれぞれにコイルを巻き回しても構わない。各ピース23aが開かれ、連結コア23が直線的な状態において、接触部23c、23dに面23c1、23d2を設けることで、巻線機の治具に対して保持力を高めることができ、巻線機による導線を巻き回している間、連結コアに外力(テンション)が作用し続けても、連結コア23が直線的な状態であることを維持することができる。これにより、所定のテンションで連結コア23の各ピースにコイルを巻き回すことができ、コイルの占有率を高めることができる。
【0023】
本実施形態では、連結コア23が
図6に示されるような、各ピース23aが開かれ、連結コア23が直線的な状態においてコイル26の巻回が行われるため、小型のモータのようにティースの周囲の空間が小さい場合であっても、導線Wの巻回が容易に行えるものである。また、複数の連結コア23についてのコイル26の巻回が並行して行えるため、生産性の大幅な向上に寄与する。
【0024】
図8は、コイル26の巻回の他の例を示す図である。
図8において、治具に設けられた第1のポスト(以下、巻き始めポストと呼称する)401に導線Wが絡げられ、ピース23a-1のコイル26-1、ピース23a-2のコイル26-2、ピース23a-3のコイル26-3、ピース23a-4のコイル26-4が順に巻回され、治具に設けられた第2のポスト(以下、巻き終わりポストと呼称する)402に到達する。
【0025】
図8では、更に、端子27-1のフック27n-1が巻き始めポスト401側を向き、端子27-2のフック27n-2と端子27-3のフック27n-3とが向き合い、端子27-4のフック27n-4が巻き終わりポスト402側を向いている。また、複数のピースが並ぶ方向において、ピース23a-1とピース23a-2とが対面する部分の上面にはインシュレータに突起24a-1、24a-2が設けられ、同様に、複数のピースが並ぶ方向において、ピース23a-3とピース23a-4とが端面する部分の上面にはインシュレータに突起24a-3、24a-4が設けられている。これらの構成により、導線Wの自然な配置が可能になるとともに、ピースの先端側やピースの後端側(ステータ21の外周側)や端子側において、導線Wがたるんではみ出したりすることが防止される。なお、端子27-1~27-4のフック27n-1~27n-4における導線Wの固定の後、巻き始めポスト401と端子27-1のフック27n-1との間、端子27-2のフック27n-2と端子27-3のフック27n-3との間、端子27-4のフック27n-4と巻き終わりポスト402との間の導線Wが切断される。なお、巻き始め・巻き終わりの関係と、巻回の方向とについては、
図6に示されたものと同様である。
【0026】
図9Aおよび
図9Bは、上述したステータ2を適用したモータ1の構成例を示す斜視図であり、
図9Aは外観を示し、
図9Bは主要な構成要素を示している。
図9Aにおいて、モータ1は、筒部11と、蓋部12、13と、シャフト32とを備えている。筒部11、蓋部12、13はハウジングを形成する。
図9Bにおいて、円筒状の筒部11には、ステータ2が挿入(圧入)され、ステータ2内の空間にロータ3が配置され、ベアリングを保持する上下の蓋部12、13によりロータ3のシャフト32が回動可能に支持される。ロータ3の長手方向において、ステータ2に対向する蓋部12の面12aには複数の孔部12bが設けられ、蓋部12の外周部12cには複数の孔部12dが設けられている。同様に、ロータ3の長手方向において、ステータ2に対向する蓋部13の面13aには複数の孔部13bが設けられ、蓋部13の外周部13cには複数の孔部13dが設けられている。蓋部12、13の外周部12c、13cに設けられた孔部12d、13dと、筒部11の外周部に設けられた孔部11a、11bにネジ等の部材を挿入して固定しても良い。(ロータ3について、図示の例では、シャフト32に磁性体としてのロータヨーク3aが設けられ、ロータヨーク3aの外周面に環状のマグネット3bが設けられている。
【0027】
なお、ロータ3は、磁性部材としての電磁鋼板が積層されて環状に形成されたロータヨーク3aを備え、ロータヨーク3aの中央部にはロータヨーク3aを貫通して設けられたシャフト32が設けられていても構わない。例えば、ロータヨーク3aは、連結部により連結された4個の略扇形のピースが棒状のシャフト32を挟み込むように折り曲げられて環状に形成され、連結コアの端部の接続部は、軸方向に沿ったレーザ溶接等により接続されている。また、ロータヨーク3aには、リラクタンストルクを生じさせる孔部が設けられ、その孔部には必要に応じてマグネットが配置される。なお、ステータ2の端子27および接続板28は図示が省略されている。
【0028】
(第2の実施形態)
図10および
図11は、第2の実施形態に係る連結コア23の構成例を示す図であり、アウターロータ型のモータ1に適用される連結コア23の例を示している。
図10においては、6個(6セグメント)の連結コア23が環状に結合されてステータ2が形成されている。
図11は、1個の連結コア23を示しており、6個のピースが設けられ、円弧状に曲げられている。なお、各ピースの間の連結部における厚みは均一となっているが、
図3Aに示されたような細い連結部にしてもよい。
【0029】
(第3の実施形態)
図3Aで説明されたような構成の連結コア23では、連結コア23が環状に曲げられた際に、鋼板の一部である連結部23bと、2つの接触部23b-cが接触した部分(接触部)とにより磁路が形成される。連結部23bは透磁率が大きいのに対し、接触部にはミクロ的には空隙が生じているため空気と同等の透磁率となっており、連結部23bに対する接触部の磁気抵抗の差が大きい。そのため、連結部23bに磁束が集中して磁気飽和を起こし、不要な熱の発生等の弊害が生ずる場合がある。本実施形態では、連結コア23の製造に方向性電磁鋼板を用いることにより、連結部23bと接触部との磁気抵抗の差を小さくし、磁気飽和を起こしにくくして、不要な熱の発生等の弊害を防止するようにしている。
【0030】
図12は、第3の実施形態に係る方向性電磁鋼板9の例を示す図である。方向性電磁鋼板は、鋼板を圧延する際に結晶軸の方向を揃える等によって、特定の方向に磁化するよう、磁気特性を偏らせた電磁鋼板であり、一般に磁化容易軸方向と左右方向の磁化困難とが直交するようになっている。
図12においては、図の上下方向が磁化容易軸方向、図の左右方向が磁化困難方向にされている。
【0031】
図13は、第3の実施形態に係る連結コア23の例を示す図であり、
図12の方向性電磁鋼板9から打ち抜かれて形成された鋼板が積み重ねられて形成された連結コア23の例である。すなわち、連結コア23は、方向性電磁鋼板で形成されており、方向性電磁鋼板の磁化困難軸方向は、連結コア23が有する複数の連結部のうち、一方の連結部から他方の連結部に向かう方向である。よって、連結部23bを磁束が流れる方向(図の左右方向)が磁化困難軸方向となっている。
【0032】
方向性電磁鋼板においては、磁化容易軸と磁化困難軸方向の透磁率は、たとえば、100倍以上の差がある。磁化容易軸方向の透磁率は、たとえば10000~100000であるが、磁化困難軸方向は、たとえば100~1000ほどしかない。よって、磁化困難軸方向を連結部23bにおける磁束の流れる方向に設定すると、接触部の透磁率は空気の透磁率と同じ1であり、連結部23bの透磁率をたとえば「100」として、連結部23bの磁路の断面積が接触部の断面積の10分の1と仮定すると、磁化容易軸を連結部23bにおける磁束の流れる方向に設定した場合に比べ、磁気抵抗の差は小さくなる。その結果、磁束は、連結部23bだけでなく、接触部にも流れにくくなり、連結部23bにおいて磁気飽和することを抑止でき、磁気損失が少なくなって不要な発熱が抑制される。
【0033】
(第4の実施形態)
図9Aおよび
図9Bではモータ1におけるステータ2の配置を説明した。3つの連結コア23を環状に配置したステータ2をハウジングに圧入する手法で組み立てることができると、短時間に高精度のステータ2を製作することができる。よって、3つの連結コア23を環状に配置した状態を維持したままでハウジングに圧入することにより簡易に組み立てることができる。そこで、第4の実施形態では、治具を用いたステータ2の圧入の手法について説明する。
【0034】
図14A~
図14Cは、第4の実施形態に係るステータ2の圧入の例を示す図である。先ず、
図14Aにおいて、下側治具41にハウジングの筒部11が嵌合される。下側治具41は、底部41aと、筒部11の外周面と密着する内面と、ステータ2の中央の空洞部41b(ロータ3の空間に相当)に嵌合する凸部41cとを有している。
【0035】
一方、コイルが巻回され円弧状に折り曲げられた、たとえば3個の連結コア23を含むステータ2は、ステータ用保持治具42の中に挿入される。ステータ用保持治具42は、3個の連結コア23の接触部に対応した位置に、中心側に所定の距離だけ突出した所定幅の接触部43を有している。また、
図14Bに示されるように、ステータ用保持治具42の下端部において、接触部43から端部(以下、ガイド片と呼称する)43aが下方に延在されており、筒部11の内周に接触部43のガイド片43aが差し込まれるようになっている。
図14Cはステータ用保持治具42に3個の連結コア23が挿入された状態を示しており、連結コア23の接触部23d、23cはステータ用保持治具42の接触部43により中心方向に押し付けられて環状を維持する。この際、隣接する連結コア23の接触部23c、23dの噛み合う2つの面は、拡大して示されるように、接触部23c、23dから径方向に延在してロータヨーク3aおよびマグネット3bの中心となるシャフト32の中心を通過する面に交差する面となる。そのため、接触部23cどうしが噛み合い、径方向にずれるのを防いで、ステータの真円度を高めることができる。
【0036】
図14Aに戻り、ステータ2が挿入されたステータ用保持治具42が筒部11の上に配置され、筒部11の内面に接触部43の下端側のガイド片43aが差し込まれた状態で、ステータ2の上部から上側治具44が押し当てられる。上側治具44は、ステータ2の外周面と密着する内面44aと、ステータ2の内側にある空洞部(ロータ3の空間に相当)に嵌合する凸部44bと、ステータ2の上面に接する天井部44cとを有している。そして、ステータ2の各連結コア23の接触部23c、23dがステータ用保持治具42の接触部43によって保持された状態で、上側治具44によって下方に押されることで、ステータ2は高い真円度を保った状態で筒部11に圧入される。このようにして、短時間に高精度のステータ2を製作することができる。
【0037】
(第5の実施形態)
図3A、
図3B等に示された連結コア23に対して
図6のようなコイル26(コイル26-1~26-4)の巻回が行われる工程において、環状にされる前の個々の直線状の連結コア23では、治具による連結コア23の強固な固定は困難である。しかし、直線状の連結コア23は、オープンスロットが広い長所を生かして太い線径の導線の巻回が要求されることが多く、太い線径の導線の巻回では非常に高いテンションが導線に加わることから、連結コア23の固定はより困難となる。そこで、第5の実施形態は、連結コア23の固定を強固に行える変形例について提示する。
【0038】
図15は、第5の実施形態に係る連結コア23の形状の例を示す平面図である。
図15において、連結コア23を構成する個々のピース23aの磁極背部(連結コア23が円弧状に折り曲げられた際に外周側になる部分)には、図の紙面に垂直な方向(連結コア23が鋼板の積層により形成される場合には鋼板の積層方向)に沿った溝23iが設けられている。溝23iは、鋼板の積層により形成される場合、鋼板に溝23iに対応する切欠きが設けられることで、鋼板が積層されることで形成される。溝23iは、内側に略矩形の開口した形状を有し、磁極背部側の狭い開口に連なっている。なお、図示の連結コア23は3個のピース23aで構成される場合としているが、
図3A等のように4個やその他の数のピース23aにより構成されるものとしてもよい。また、連結コア23の両端部についても、
図3A等において示される形状の接触部23c、23dが設けられるようにしてもよい。
【0039】
図15の構成の連結コア23について、コイルの巻回が行われる工程においては、治具の一部が連結コア23の溝23iに噛むことで、連結コア23は強固に固定され、太い線径の導線の巻回において非常に高いテンションが導線に加わっても、安定した固定が行われ、巻回の信頼性が増す。
【0040】
(第6の実施形態)
図3Aで説明されたような構成の連結コア23では、個々の連結コア23が複数のピース23aに分割されているとともに、複数の連結コア23から環状のステータ2が構成されることとなるため、環状に組み立てが行われる際に真円度を良好に保つことが難しい場合があった。また、複数の連結コア23それぞれが分割された状態で組み立てが行われるため、連結部23bが振動による応力を受けやすく、連結部23bが意図せずに変形してしまう場合があった。そこで、第6の実施形態では、かかる点を改善する手法を提示する。
【0041】
図16Aおよび
図16Bは、第6の実施形態に係る弾性部材291の挿入の例を示す図であり、
図16Aは連結コア23の連結部23bが折り曲げられる前の状態、
図16Bは連結部23bが折り曲げられた後の状態を示している。
【0042】
先ず、
図16Aにおいて、連結コア23の各連結部23bには曲面状の凹部23b-bが設けられている。この凹部23b-bは、連結部23bにおいて、連結部23bを折り曲げて連結部23bの内側にある空間が狭められる側に設けられている。この曲面状の凹部23b-bには、棒状のゴム等の弾性部材291が挿入される。なお、弾性部材291の外形の大きさ(以下、直径と呼称する)は、凹部23b-bが折り曲げられた際にできる空隙の大きさ(以下、内径と呼称する)よりも大きめに設定されている。このため、弾性部材291は凹部23b-bの内面に対して内側から外側に向かう方向により反発力を発生するようにする。また、弾性部材291を挿入するタイミングは、弾性部材291の脱落を防止する点から、連結コア23へのコイルの巻回の後が好ましい。なお、すべての凹部23b-bに弾性部材291が挿入されてもよいし、ステータ2の対称性を保てる範囲内で凹部23b-b数個あたり1個の割合で挿入されるものでもよい。
【0043】
図16Bは連結コア23の連結部23bが折り曲げられ、連結コア23が円弧状に形成された後の状態を示している。弾性部材291の直径は連結部23bの曲面状の凹部23b-bが折り曲げられた際の内径よりも大きく設定されており、弾性部材291の圧縮により内側から反発力が働くため、連結部23bは完全には折り曲げきれていない状態になる。この状態で、たとえば、3個の連結コア23を組み合わせ、環状に仮組された状態で、ハウジング(筒部11)に圧入が行われる。圧入は、特殊な治具を用いることなく行われるものでもよいし、
図14Aおよび
図14Bで説明されたような治具により行われるものでもよい。
【0044】
環状に仮組された状態にある複数の連結コア23(以下、仮組ステータと呼称する場合がある)がハウジング内に圧入された際、仮組ステータとハウジングの内面との接触により、仮組ステータには内側に向けた力が働くが、弾性部材291による反発力がハウジングの内面から受ける力と相殺し合う。その相殺し合った状態における仮組ステータの外周面が、ハウジングの内面の真円度に近づくことになる。したがって、この相殺し合った状態で接着剤等により仮組ステータの固定が行われることにより、良好な真円度を保つことが可能である。
【0045】
このように、弾性部材291により連結コア23自身がハウジングに押し付けられる力が発生するため、ハウジングの内面の真円度に準じた真円度が得られやすい。また、弾性部材291により振動が減衰されるため、連結部23bの意図しない変形が防止されるとともに、振動の減衰により騒音の発生が抑制される。
【0046】
(第7の実施形態)
第7の実施形態では、上記の実施形態とは別の手法により、複数の連結コア23を環状に組み立てる際に真円度を良好に保つ手法を提示する。
【0047】
図17A~
図17Cは、第7の実施形態に係る突起部23gの例を示す図である。
図17Aは、複数の連結コア23が折り曲げられる前の帯状の連結コア23を示している。帯状の連結コア23における、左右の端部としてのピース23aには突起部23gが設けられている。このピース23aの外周部を形成する湾曲部に突起部23gが設けられている。ピース23aの湾曲部は図示の例では円弧部23fとなっており、円弧部23fの一方の端部に突起部23gが設けられている。突起部23gは、複数の連結コア23が環状に折り曲げられた際に、複数の連結コア23における最も外側に位置しており、環状に折り曲げられた複数の連結コア23の最外周部を形成している。よって、少なくとも、突起部23gと、複数の連結コア23の一部とがハウジングの筒部11の内面に接触している。
【0048】
図17Bは、筒部11に3個の連結コア23が圧入された状態を示しており、突起部23gが筒部11の内面に接した状態になる。突起部23gがない場合、複数(たとえば3個)の連結コア23を仮組した後、ハウジングに圧入する際、連結コア23の外周の全面、または、寸法公差上、連結コア23の外周の予期せぬ数か所のみが、圧入による反力を受け、仮組されたステータ2は、圧入の際に連結コア23の端部の接触部23c、23dが離れ、連結コア23がバラバラになってしまうことがある。
【0049】
この点、突起部23gがある場合、
図17Cに示されるように、突起部23gがハウジング側から矢印で示されるような反力を受け、これにより接触部23cと接触部23dとを周方向に押し付ける力が作用するため、各連結コア23がより強固に連結されることになる。また、連結コア23の端部の接触部23c、23dはそれぞれ周方向に凸凹の形状を有し、互いに嵌合し合うことで、周方向への押し付け力を強固にしている。ただし、接触部23c、23dがフラットな端面であっても、摩擦力が作用するため、充分な押し付け力を確保することはできる。なお、圧入は、特殊な治具を用いることなく行われるものでもよいし、
図14Aおよび
図14Bで説明されたような治具により行われるものでもよい。更に、
図16Aおよび
図16Bに示された弾性部材291を併用してもよい。
【0050】
このように、突起部23gにより連結コア23自身がハウジングに押し付けられる力が発生するため、ハウジングの内面の真円度に準じた真円度が得られやすい。
【0051】
(第8の実施形態)
第8の実施形態では、上記の実施形態とは別の手法により、複数の連結コア23を環状に組み立てる際に真円度を良好に保つ手法を提示する。すなわち、上述の第7の実施形態では突起部23gにより連結コア23が円弧状に折り曲げられた際の最外周面の径を大きくしていたが、第8の実施形態では、ピース23aの外周面の曲率を小さくすることで、他の部分よりも最外周部が有する外形を大きくしている。
【0052】
図18は、第8の実施形態に係るせり出し部23hの例を示す図であり、折り曲げられる前の帯状の連結コア23を示している。
図18において、連結コア23の左右の端部となるピース23aの上部には湾曲部としての円弧部23fが形成されており、円弧部23fはハウジングの筒部に向かってせり出すせり出し部23hとなっている。このせり出し部23hの曲率は小さく変えられている。破線は、曲率が変えられていない場合の円弧部23fを示している。せり出し部23hによるメリットは、
図17A~
図17Cにおける突起部23gと同様である。また、複数の連結コア23が、円弧部を有するピース23aと、円弧部の曲率と異なる曲率を有するせり出し部を有するピース23aとを備えていても構わない。
【0053】
(第9の実施形態)
第9の実施形態では、上記の実施形態とは別の手法により、複数の連結コア23を環状に組み立てる際に真円度を良好に保つ手法を提示する。
【0054】
図19は、第9の実施形態に係る連結コア23が環状に組み立てられた状態の例を示す図である。なお、図示の連結コア23は3個のピース23aで構成される場合を例としているが、
図3A等のように4個やその他の数のピース23aにより構成されるものとしてもよい。また、環状への組立はコイルの巻回が行われた後に行われるものであるが、簡略のため、コイルの図示は省略されている。
【0055】
図19において、連結コア23を構成する個々のピース23aのティース23eの端部23e1の両端には、組立時に治具の楔形の突起と接する平坦部23e5が設けられている。また、隣接するピース23aの平坦部23e5同士のなす角は中心軸側に対して開いており、その角度を磁極端角度θと呼ぶこととすると、磁極端角度θは、30度以上120度以下が望ましく、さらに限定すれば、60度以上100度以下が望ましい。
【0056】
図20は、複数の連結コア23を環状に組み立てる様子を示す図である。
図20において、外周に等間隔に複数の楔形の突起7aが設けられた軸棒7を中心にして、軸棒7の外周に複数の連結コア23が、組み合わされている。軸棒7の突起7aの楔形の頂角は前述の磁極端角度θに合わせられており、各ピース23aの平坦部23e5が、軸棒7の突起7aの楔形の斜面に接するように配置される。そして、図示しない金型により連結コア23の外周面に矢印Fのような径方向の締付力が加えられることで、各ピース23aの平坦部23e5が軸棒7の楔形の突起7aに誘われ、複数の連結コア23による環状のコアの真円度が高まる。その上で、樹脂成型等により3個の連結コア23は一体に固定される。
【0057】
(第10の実施形態)
第10の実施形態では、上記の実施形態とは別の手法により、複数の連結コア23を環状に組み立てる際に真円度を良好に保つ手法を提示する。
【0058】
図21Aおよび
図21Bは、第10の実施形態に係るステータ2の仮組の例を示す図である。
図21Aは上側インシュレータ24を示しており、回転軸方向において、上側インシュレータ24の上部の左右には、連結部材としての連結金具45が挿入される孔部(以下、連結金具挿入穴と呼称する)24bが設けられている。なお、端子27用の穴は図示が省略されている。また、下側インシュレータ25についての図示は省略するが、下側インシュレータ25の下部にも連結金具45が挿入される連結金具挿入穴が設けられている。また、連結金具挿入穴24bは連結コア23の端部としてのピース23aについてだけあればよいが、生産性の観点から上側インシュレータ24および下側インシュレータ25を統一し、同じ構成としている。ただし、上側インシュレータ24および下側インシュレータ25としてそれぞれ2種類用意することが許容されるのであれば、連結コア23の端部のピースについてだけ連結金具挿入穴24bが設けられた上側インシュレータ24および下側インシュレータ25としてもよい。
【0059】
ステータ2の仮組に際しては、
図21Bに示されるように、端部が接する2個の連結コア23の上側インシュレータ24および下側インシュレータ25を跨って連結金具45が挿入され、複数の連結コア23が連結される。連結金具45は、ハウジングに圧入等によりステータ2が配置された後に外される。
【0060】
このように、複数の連結コア23について環状に仮組が行われる際に、連結金具45で固定されることにより、真円度を確保することができる。
【0061】
(第11の実施形態)
第11の実施形態では、上記の実施形態とは別の手法により、複数の連結コア23を環状に組み立てる際に真円度を良好に保つ手法を提示する。
【0062】
図22Aおよび
図22Bは、第11の実施形態に係るステータ2の仮組の例を示す図である。
図22Aは上側インシュレータ24を示しており、上側インシュレータ24の上部には、回転軸方向において一端が開口した溝部(以下、接着剤充填溝と呼称する)24cが設けられている。この溝部は周方向に延在している。なお、端子用の孔部は図示が省略されている。また、下側インシュレータ25は
図5に示されたものと同様である。
【0063】
図22Bに示されるように、ステータ2が仮組された後に、複数の接着剤充填溝24cによって形成された環状の溝部に熱硬化性接着剤または2液性接着剤が流し込まれ、複数の連結コア23が環状の形状を保ったまま固化される。
【0064】
このように、複数の連結コア23について環状に仮組が行われる際に、真円度を保ったまま、接着剤を固化することで、環状に折り曲げられた複数の連結コア23を固定でき、真円度を確保することができる。
【0065】
(第12の実施形態)
図5において上側インシュレータ24に装着される端子27の一例について既に説明したが、用途に応じ、端子に求められるニーズは異なる。たとえば、端子において、ピース毎のコイルの巻き始めまたは巻き終わりを結線する結線用のフックが一つ、また、各ピースのコイルをつなぐ渡り線を引き回すための配線用のフックがさらに一つ必要になる場合がある。フックが二つ必要になると、端子が使用するスペースが広く必要になり、ハウジング内の狭い空間では収めきれないという不都合がある。
【0066】
図23は、第12の実施形態に係る端子27の例を示す斜視図であり、回転軸方向に延びる端子の一端部27aの片側に上下2段にフック27b、27cが設けられている。
図24は、比較例に係る一般的な端子27’の例を示す斜視図であり、回転軸方向に延びる端子の一端部27dの上部には、周方向に延在する両端部にフック27e、27fが設けられている。
図23の本実施形態では、端子27において、フック27b、27cが上下に2段かつ同じ一方のサイドに設けられているため、ハウジング内の少ないスペースで、巻線の絡げが完遂し、ハウジング内のスペースを有効に利用することができる。
【0067】
(第13の実施形態)
フックで導線の端部を絡げる種類の端子は、巻き始め・巻き終わりで、導線を引っ掛ける係合部(以下、アズケピンと呼称する)が必要になる場合がある。一般的には、巻線を施すコア(連結コア23を含む)の外、たとえば、外枠治具にアズケピンを設けたり、特殊な例では、コアを覆うインシュレータの一部にアズケピンを設けたりしている場合もある。しかし、コアの外にアズケピンを設ける場合、結線のための溶接等の工程まで、外枠治具のハンドリングが必要になり、コアひとつひとつに専用の巻線外枠治具が必要になってしまう。また、インシュレータにアズケピンを施す場合は、アズケピンの周囲にほとんどスペースが無い場合が多く、巻線そのものに制約ができ、巻線を困難にさせてしまう。本実施形態は、その解決策を提示する。
【0068】
図25は、第13の実施形態に係る端子27の例を示す斜視図であり、縦方向(インシュレータから蓋部に向かう方向)に延びる端子の一方の端部27gの上部の中央部にアズケピン27hが設けられ、上部の両翼にフック27i、27jが設けられている。本実施形態では、端子27にアズケピン27hが存在するため、端子27上の小さいスペースで、巻線のあずけおよび絡げが完遂する。すなわち、巻線の際、巻き始め・巻き終わりのアズケピン27hが端子27にあることにより、巻線治具が必要なくなる。また、インシュレータにアズケピンを設ける必要もなくなるので、ハウジング内におけるインシュレータが占める空間の利用性が高まる。
【0069】
(第14の実施形態)
第14の実施形態は、アズケピンを備えた端子27の他の例を示している。
図26は、第14の実施形態に係る端子27の例を示す斜視図であり、縦方向(インシュレータから蓋部に向かう方向)に延びる端部27kの一方の側にアズケピン27lが設けられ、他方の側にフック27mが設けられている。本実施形態では、端子27にアズケピン27lが存在するため、端子27上の小さいスペースで、巻線のあずけおよび絡げが完遂する。すなわち、巻線の際、巻き始め・巻き終わりのアズケピン27lが端子27にあることにより、巻線治具が必要なくなる。また、インシュレータにアズケピンを設ける必要もなくなるので、ハウジング内におけるインシュレータが占める空間の利用性が高まる。
【0070】
(第15の実施形態)
図3Aで説明されたような構成の連結コア23は、各ピースにコイルが巻回され、環状に仮組された後、各ピースのコイルは所望の回路に結線される必要がある。その結線は、プリント基板やバスバー等で行われる等、コスト的にも大掛かりな手法が必要であった。本実施形態は、その解決策を提示する。
【0071】
図27は、第15の実施形態に係る上側インシュレータ24の例を示す斜視図である。
図27において、上側インシュレータ24の上部には、ステータのティース側に渡り線を補助するためのフック24d、24eが、縦方向(インシュレータから蓋部に向かう方向)に延びる形で設けられている。また、上側インシュレータ24の上部の両側には、渡り線を引き回すための複数の溝部24f、24gが設けられている。
【0072】
使用にあって、各ピースのコイルの巻回の後の結線において、たとえば周方向において対向する同相のピースからの渡り線は、外周部の溝部24fを通ってフック24dまたはフック24eにあずけられ(からげられ)、上側インシュレータ24の上部に配置される端子27(図示省略)に接続される。このような手法により、プリント基板やバスバー等の部品を必要とせずに、よりスムースに渡り線が収められ、連結コアの優位性を存分に発揮させることができる。
【0073】
(第16の実施形態)
図3Aで説明されたような構成の連結コア23は、ピース23aが開いた状態でコイルの巻回が可能であるため、出来るだけコイルの巻回が要求されることもある。そのことが可能であることも連結コア23の長所であるが、コイルの巻回後、複数の連結コア23が折り曲げられて環状に組み立てられると、限界まで巻回されたコイル同士が押し合うことになり、コイルの被覆が破れて短絡することも懸念される。本実施形態は、その解決策を提示する。
【0074】
図28Aおよび
図28Bは、第16の実施形態に係るプレート(以下、仕切り板と呼称する)292の挿入の例を示す図である。
図28Aはゴム等の弾性部材により形成される仕切り板292を示しており、縦方向に延びる棒状部292aと、矩形状の平板部292bとが一体に形成されている。
【0075】
使用にあっては、コイル26が巻回された連結コア23の連結部23bの曲面状の凹部(23b-b)に仕切り板292の棒状部292aが挿入され、隣り合うコイル26の側面の間に平板部292bが配置される。
図28Bは、ステータ2において仕切り板292が配置された状態を示している。これにより、複数の連結コア23が折り曲げられて環状に組み立てられても、コイル26同士が直接に接触することがなくなり、短絡が防止され、連結コアの優位性を存分に発揮させることができる。
【0076】
(第17の実施形態)
ステータのコイルの電流による温度上昇への対策として、ステータへのワニスの含浸(例えば、特開2018-74827号公報等を参照)や樹脂モールド(例えば、特開2009-50048号公報等を参照)等が存在するが、設備や工数がかかるという問題がある。第17の実施形態では、設備や工数をかけずに温度上昇への対策の手法を提示する。
【0077】
図29は、第17の実施形態に係る温度上昇への対策の例を示す図である。
図29では、折り曲げ前の直線状の連結コア23のそれぞれのピース23aに上側インシュレータ24、下側インシュレータ25および端子27が装着され、コイル26の巻回が行われた状態で、各コイル26の間にシート状の樹脂部材が挟み込まれている状態を示している。このシート状(板状)の樹脂部材は、高い熱伝導率を有するゲルで形成された部材(シート)8である。ゲルは例えば粘性を有するもの、コロイド状のもの、流動性が低いもので、シリコーンなどの樹脂材料で形成されたが挙げられる。
図30は、隣接するコイル26間にシート状の樹脂部材8が挿入された状態を示す上面図である。
【0078】
図31は、シート状の樹脂部材8が挿入された状態で連結コア23の折り曲げが行われた状態を示す図であり、連結コア23が円弧状に折り曲げられる際に、コイル26間に挟まれたシート状の樹脂部材8が押し潰され、コイル26とシート状の樹脂部材8とが密着する。このようにすることで、熱伝導率の低いコイル26間の空気領域がシート状の樹脂部材8で埋められるため、放熱性を向上することができる。なお、環状に組み合わせられる、隣接する他の連結コア23の端部のコイル26との間にもシート状の樹脂部材8が設けられ、環状に形成される際にシート状の樹脂部材8が押し潰されるようにしてもよい。
【0079】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0080】
例えば、
図1に示される接続板28により複数のコイル26の並列接続を行っても構わない。接続板28を用いることで並列接続が容易に行えるため、大電流で運転できるようにするために太い巻線を使用しなくても巻線の並列接続によって等価的に太い電線を実現することができ、太い巻線を使用することによる、巻線の占積率の低下、巻線抵抗の増加、熱抵抗の増加、コイルエンド寸法の増加を抑制することができる。
【0081】
実施形態に係るモータは、ステータを備え、ステータは複数の連結コアを備え、連結コアは、連結部を介して連結された複数のピースを備える。そして、複数のピースは円弧状に配置され、複数の連結コアは環状に配置される。これにより、ステータの振動を低下させるとともに生産性を向上させることができる。
【0082】
また、ステータは、3個の連結コアを備え、連結コアは、4個のピースを備える。これにより、より具体的な構成を提供することができる。
【0083】
また、ピースに巻回されるコイルが電気接続された接続板を備える。これにより、結線が容易に行え、渡り線をガイドするガイド部が不要となることでモータのデッドスペースを縮小することができる。また、巻線の並列接続によって等価的に太い電線を実現することができ、大電流での運転に対応できる。
【0084】
また、周方向において、複数のピースのうち、2つのピースに巻回されるコイルの巻回の方向は、同じ方向である。これにより、複数の連結コアについてのコイルの巻回が並行して行えるため、生産性の大幅な向上に寄与する。
【0085】
また、連結コアが4個のピースを備え、周方向において、複数のピースのうち、両端に位置する2つのピースに巻回されたコイルの巻回の方向は一の方向であり、両端の間に位置する2つのピースに巻回されたコイルの巻回の方向は一の方向と反対の方向である。これにより、より具体的な構成を提供することができる。
【0086】
また、連結コアは、方向性電磁鋼板で形成されており、方向性電磁鋼板の磁化困難軸方向は、連結コアが有する複数の連結部のうち、一方の連結部から他方の連結部に向かう方向である。これにより、連結部の磁気飽和を防止し、磁気損失による不要な発熱が抑制される。
【0087】
また、複数の連結コアのうち、互いに接触する2つの連結コアはそれぞれ接触部を備え、2つの連結コアが有する接触部には、径方向に延在してシャフトの中心を通過する面に交差する面が設けられている。これにより、接触部どうしが噛み合い、径方向にずれるのを防いで、ステータの真円度を高めることができる。
【0088】
また、複数の連結コアが有するピースの数が偶数であり、複数の連結コアの数が奇数または素数である。これにより、実装を容易にすることができる。
【0089】
実施形態に係るモータの製造方法は、連結部を介して連結された複数のピースを備えた連結コアを円弧状に配置し、連結コアを含む複数の連結コアを環状に配置する。これにより、ステータの振動や騒音を低下させるとともに生産性を向上させることができる。
【0090】
また、環状に配置された複数の連結コアの端部を治具の接触部により保持し、保持された複数の連結コアをハウジングに圧入する。より具体的には、接触部の先端をハウジングの筒部に差し込みつつ、複数の連結コアを筒部に圧入する。これにより、短時間に高精度のステータを製作することができる。
【0091】
また、連結コアの両側にある2つのピースの接触部それぞれが有する面を、複数のピースが並んだ方向に対して垂直な方向に配置し、連結コアにコイルを巻き回す。これにより、巻線機により所定のテンションで連結コアの各ピースにコイルを巻き回すことができ、コイルの占有率を高めることができる。
【0092】
また、モータはステータを備え、ステータは複数の連結コアを備え、連結コアは連結部を介して連結された複数のピースを備え、連結部の側部は凹部を備える。そして、複数の連結コアは環状に配置され、凹部には弾性部材が配置される。これにより、ステータの振動や騒音を低下させるとともに生産性を向上させることができる。すなわち、弾性部材によりピースを広げようとする力が作用し、複数の連結コアはハウジングの内周面に押し付けられる。これにより、ステータはハウジングの内周の真円度と同等の真円度を有することになる。
【0093】
また、弾性部材は、複数の連結コアの凹部に配置されている。これにより、弾性部材の配置が一律に行え、真円度を実現することができる。
【0094】
また、弾性部材は、複数の連結コアの凹部のうち一部に配置される。これにより、使用する弾性部材を必要最小限として、真円度を実現することができる。
【0095】
また、ハウジングを備え、複数のピースの外周部はハウジングの内面に接触する。これにより、ハウジングの内周の真円度と同等の真円度を有するステータが実現される。
【0096】
また、複数のピースのうち、連結コアの両端にある2つのピースの外周部には、突出部が設けられている。これにより、組立に際して連結コアがバラバラになるのを防止することができ、真円度の維持が行える。
【0097】
また、連結部の凹部の内側に弾性部材を配置し、連結部により連結された複数のピースを備えた複数の連結コアを円弧状に配置する。これにより、ステータの振動や騒音を低下させるとともに生産性を向上させることができる。
【0098】
また、環状に配置された複数の連結コアをハウジングに圧入する。これにより、ステータの取り付けが簡易に実施される。
【0099】
また、ステータを備え、ステータは、複数の連結コアを備え、連結コアは、連結部を介して連結された複数のピースを備え、複数のピースのうち、連結コアの両端にある2つのピースの外周部には、突出部が設けられている。そして、複数の連結コアは環状に配置される。突起部23gとせり出し部23hはそれぞれ突出部の一例である。これにより、ステータの振動や騒音を低下させるとともに生産性を向上させることができる。すなわち、突出部により連結コアどうしの接触がより強固に行われることで連結コアがバラバラになることがなくなり、真円度を向上させることができる。
【0100】
また、突出部は、ピースの外周部からせり出したせり出し部である。これにより、突出部を容易に構成することができる。
【0101】
また、ハウジングを備え、突出部はハウジングの内面に接触する。これにより、連結コアどうしの強固な接触が実現される。
【0102】
また、連結部の側部は、凹部を備え、凹部の内側には弾性部材が配置される。これにより、ステータの真円度の向上が図られる。
【0103】
また、連結部を介して連結された複数のピースを備えた連結コアであって、連結コアの両端の連結部を介して連結された複数のピースを備えた連結コアであって、複数のピースのうち、連結コアの両端にある2つのピースの外周部には突出部が設けられており、連結コアを含む複数の連結コアを環状に配置する。これにより、ステータの振動や騒音を低下させるとともに生産性を向上させることができる。
【0104】
また、上記実施の形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【0105】
本願は、2018年8月24日に日本国に提出された特願2018-157659、2018年8月24日に日本国に提出された特願2018-157660、2018年8月24日に日本国に提出された特願2018-157661の利益を享受する。
【符号の説明】
【0106】
1 モータ,11 筒部,2、21 ステータ,23 連結コア,23a ピース,23b 連結部,23b-b 凹部,23e5 平坦部,23g 突起部,23h せり出し部,23i 溝,26 コイル,28 接続板,291 弾性部材,3 ロータ,32 シャフト,42 ステータ用保持治具,43 接触部,8 シート状の樹脂部材,9 方向性電磁鋼板,W 導線,θ 磁極端角度