(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-04
(45)【発行日】2023-08-15
(54)【発明の名称】雑草防除車両
(51)【国際特許分類】
B61D 15/00 20060101AFI20230807BHJP
A01M 21/00 20060101ALI20230807BHJP
E01H 11/00 20060101ALI20230807BHJP
B61L 23/00 20060101ALI20230807BHJP
B61K 13/00 20060101ALI20230807BHJP
【FI】
B61D15/00 Z
A01M21/00 Z
E01H11/00 A
B61L23/00 Z
B61K13/00 Z
(21)【出願番号】P 2020554509
(86)(22)【出願日】2019-03-29
(86)【国際出願番号】 EP2019057977
(87)【国際公開番号】W WO2019197174
(87)【国際公開日】2019-10-17
【審査請求日】2022-03-11
(32)【優先日】2018-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516245885
【氏名又は名称】バイエル、アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】BAYER AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100126099
【氏名又は名称】反町 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【氏名又は名称】村田 卓久
(74)【代理人】
【識別番号】100124372
【氏名又は名称】山ノ井 傑
(72)【発明者】
【氏名】セルヒオ、ヒメネス、タロド
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル、キリアン
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ、ハドロー
(72)【発明者】
【氏名】ビルジニー、ジロー
(72)【発明者】
【氏名】トーマス、アリアンズ
【審査官】金田 直之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/002093(WO,A1)
【文献】独国特許出願公開第19921761(DE,A1)
【文献】米国特許第04177603(US,A)
【文献】米国特許第9655356(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61D 15/00
A01M 21/00
E01H 11/00
B61L 23/00
B61K 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのブーム(20)と、
少なくとも1つの雑草防除ユニット(30)と、
少なくとも1つのアクチュエータ(40)と、
少なくとも1つのセンサ(50)と、
処理ユニット(60)と、
を含む雑草防除車両(10)であって、
前記少なくとも1つのブームは、前記車両に移動可能に取り付けられ、
前記少なくとも1つの雑草防除ユニットは、前記少なくとも1つのブームに取り付けられ、
前記少なくとも1つのアクチュエータは、前記処理ユニットの制御下で前記少なくとも1つのブームを動かすよう構成され、
前記少なくとも1つのセンサは、環境の少なくとも1つの場所に関するセンサデータを取得するよう構成され、
前記少なくとも1つのセンサは、前記センサデータを前記処理ユニットへ提供するよう構成され、
前記処理ユニットは、前記少なくとも1つの場所のうちの各場所に対する
前記雑草防除ユニットの地面への距離検出結果を判定するよう構成され、
前記雑草防除ユニットは、電極ベース雑草防除ユニットまたは薬剤散布ユニットであり、
前記雑草防除車両(10)はさらに、前記雑草防除ユニットが地面のどの部分に位置しているかを知得して、雑草または雑草の領域がどこに位置しているかを判定し、かつ雑草のGPS座標を記録するよう構成されたGPSユニットを備え、
前記処理ユニット(60)は、雑草のGPS座標を取得し、かつ前記雑草防除ユニットの位置を使用して、雑草が前記雑草防除ユニットの位置に存在するかを判定するよう構成され、
前記処理ユニットは、前記少なくとも1つのアクチュエータを制御して、前記少なくとも1つの場所のうちの各場所に対する前記距離検出結果
およびGPS判定に基づいて前記少なくとも1つのブームを動かすよう構成される、
雑草防除車両(10)。
【請求項2】
請求項1に記載の雑草防除車両を用いた雑草防除方法(200)であって、
a)
車両の少なくとも1つのセンサを使っ
て環境の少なくとも1つの場所に関するセンサデータを取得
し、かつ、雑草のGPS座標を取得すること(210)と、
b)前記センサデータ
および前記雑草のGPS座標を前記車両の処理ユニットに提供すること(220)と、
c)前記処理ユニットにより、前記少なくとも1つの場所のうちの各場所に対する
前記雑草防除ユニットの地面への距離検出結果
と雑草が存在するかとを判定すること(230)と、
d)前記処理ユニットにより少なくとも1つのアクチュエータを制御して前記車両の少なくとも1つのブームを動かすことであって、少なくとも1つの雑草防除ユニットは、前記少なくとも1つのブームに取り付けられ、前記処理ユニットは、前記少なくとも1つのアクチュエータを制御して、前記少なくとも1つの場所のうちの各場所に対する距離検出結果
と雑草が存在するかの結果とに基づいて前記少なくとも1つのブームを動かすこと(240)と、
を含む雑草防除方法(200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雑草防除車両、車両を用いた雑草防除方法、ならびにコンピュータプログラムエレメントおよびコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の一般的背景は雑草防除である。特定の工業地域や鉄道線路周辺の地域は、植物を防除する必要がある。鉄道では、そのような防除によって運転手などの列車内の人々の視点からの視界が改善され、線路上で働く人々の視点からの視界が改善される。そのような防除によって安全性を改善することもできる。さらに、植物は線路ならびに関連する信号および通信回線を分断したり破損させることもある。植物の防除はこのようなことを軽減するのに必要である。植生管理は、雑草防除とも呼ばれるが、特に手作業で行われる場合には、多大な時間とリソースを要することがある。雑草が防除される環境は、変化する地表面、土手、盛り土を含む困難をもたらしうる。
【発明の概要】
【0003】
改善された雑草防除技術を有することは有益である。
【0004】
本発明の目的は独立請求項の主題により達成され、更なる実施形態が従属請求項に含まれる。以下で説明される本発明の態様および例は、雑草防除車両、車両を用いた雑草防除方法、ならびにコンピュータプログラムエレメントおよびコンピュータ可読媒体にも当てはまることに留意されたい。
【0005】
第1態様によれば、
- 少なくとも1つのブーム(boom)と、
- 少なくとも1つの雑草防除ユニットと、
- 少なくとも1つのアクチュエータと、
- 少なくとも1つのセンサと、
- 処理ユニットと、
を含む、雑草防除車両が提供される。
【0006】
少なくとも1つのブームは車両に移動可能に取り付けられる。少なくとも1つの雑草防除ユニットは、少なくとも1つのブームに取り付けられる。少なくとも1つのアクチュエータは、処理ユニットの制御下で少なくとも1つのブームを動かすよう構成される。少なくとも1つのセンサは、環境の少なくとも1つの場所に関するセンサデータを取得するよう構成される。少なくとも1つのセンサは、センサデータを処理ユニットへ提供するよう構成される。処理ユニットは、少なくとも1つの場所のうちの各場所に対する距離検出結果を判定するよう構成される。処理ユニットは、少なくとも1つのアクチュエータを制御して、少なくとも1つの場所のうちの各場所に対する距離検出結果に基づいて少なくとも1つのブームを動かすよう構成される。
【0007】
このようにして、雑草防除ユニットと地面の距離は、雑草を防除するのに最適な方法で雑草防除ユニットが動作できるように、必要な距離に(または、必要な距離範囲を超えて)保つことができる。
【0008】
一例では、処理ユニットは、少なくとも1つの場所のうちの各場所に対する距離検出結果に基づいて少なくとも1つのブームを垂直に動かすよう構成される。
【0009】
一例では、処理ユニットは、少なくとも1つのブームと地面の間の少なくとも1つの垂直距離を判定するよう構成される。
【0010】
一例では、処理ユニットは、あるブームに関連する少なくとも1つの距離のうちのある距離が垂直方向低閾値以下の大きさである場合に、そのブームを上向き垂直成分を含む方向へ動かすよう構成される。
【0011】
このようにして、雑草防除ユニットを搭載するブームが地面に近づきすぎた場合は、雑草防除ユニットは、雑草防除ユニットと地面の間の正しい距離または正しい距離範囲が保たれるように地面から遠ざけられる。
【0012】
一例では、処理ユニットは、あるブームに関連する少なくとも1つの距離のうちのある距離が垂直方向高閾値以上の大きさである場合に、そのブームを下向き垂直成分を含む方向へ動かすよう構成される。
【0013】
このようにして、雑草防除ユニットを搭載するブームが地面からあまりにも離れた場合、雑草防除ユニットは、雑草防除ユニットと地面の間の正しい距離または正しい距離範囲が保たれるように地面へ向けて動かされる。
【0014】
一例では、垂直方向高閾値は垂直方向低閾値の距離よりも大きい大きさの距離である。
【0015】
このように、ブームは絶えず動かされているわけではなく、かつ/あるいは、ハンチングは発生せず、ブームは単に必要な場合のみ動かされる。これにより、より少ないエネルギーが使用され、システムの部品はアクチュエータが必要な場合のみ作動されるため、すぐに摩耗することはない。
【0016】
一例では、処理ユニットは、少なくとも1つの場所のうちの各場所に対する距離検出結果に基づいて少なくとも1つのブームを水平に動かすよう構成される。
【0017】
このようにして、車両が狭い領域またはより広い領域を通行する際に、ブームは地面上の雑草を防除するために横方向に延びることができて、ブームが辺境部の地形特徴に引っ掛かることなく、雑草が防除されるべき領域が見逃されることがない。
【0018】
一例では、処理ユニットは、少なくとも1つのブームのうちの少なくとも1つの終端ブームと車両を囲む領域との間の少なくとも1つの水平距離を判定するよう構成される。
【0019】
一例では、処理ユニットは、ブームに関連する少なくとも1つの水平距離のうちのある距離が水平方向低閾値以下の大きさである場合に、少なくとも1つの終端ブームのうちのあるブームを内向き水平成分を含む方向へ動かすよう構成される。
【0020】
一例では、処理ユニットは、ブームに関連する少なくとも1つの水平距離のうちのある距離が水平方向高閾値以上の大きさである場合に、ブームがすでに完全に伸ばされた状態でない限りは、少なくとも1つの終端ブームのうちのあるブームを外向き水平成分を含む方向へ動かすよう構成される。
【0021】
一例では、水平方向高閾値は水平方向低閾値の距離よりも大きい大きさの距離である。
【0022】
このように、ブームは絶えず動かされているわけではなく、かつ/あるいは、ハンチングは発生せず、ブームは単に必要な場合のみ動かされる。これにより、より少ないエネルギーが使用され、システムの部品はアクチュエータが必要な場合のみ作動されるため、すぐに摩耗することはない。
【0023】
一例では、少なくとも1つのセンサには、LiDARセンサ、視差式レーザー測距センサ、立体視センサ、赤外線(IR)反射率センサ、飛行時間型(time of flight)センサ、超音波センサ、レーダーセンサ、のうちの1つまたは複数を含む。
【0024】
一例では、車両の前方への移動に対して、少なくとも1つのセンサが少なくとも1つのブームの前部に置かれる。
【0025】
このようにしてブームの前方の地形を調べることができて、システム内の遅れを考慮することで、ブーム高さは地形の特徴をよりうまく考慮しうる。
【0026】
第2態様によれば、
車両を用いた雑草防除方法であって、
a)車両の少なくとも1つのセンサを使って、環境の少なくとも1つの場所に関するセンサデータを取得することと、
b)センサデータを車両の処理ユニットに提供することと、
c)処理ユニットにより、少なくとも1つの場所のうちの各場所に対する距離検出結果を判定することと、
d) 処理ユニットにより少なくとも1つのアクチュエータを制御して車両の少なくとも1つのブームを動かすことであって、少なくとも1つの雑草防除ユニットは、少なくとも1つのブームに取り付けられ、処理ユニットは、少なくとも1つのアクチュエータを制御して、少なくとも1つの場所のうちの各場所に対する距離検出結果に基づいて少なくとも1つのブームを動かす、制御することと、
を含む雑草防除方法が提供される。
【0027】
別の態様によれば、第1態様の車両の部品を制御するコンピュータプログラムエレメントであって、プロセッサにより実行されると第2態様に係る方法を実行するよう構成されているコンピュータプログラムエレメントが提供される。
【0028】
有利なことに、上記態様のいずれかによって提供される利益は他の態様のすべてに同様に当てはまり、逆もまた同様である。
【0029】
上記の態様および例は以下で記載される実施形態から明確となり、また以下で記載される実施形態を参照して明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
以下では、例示の実施形態について以下の図面を参照して説明する。
【
図3】多数の雑草防除ユニットの一例の概略構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は雑草防除車両10の一例を示す。車両10は、少なくとも1つのブーム20、少なくとも1つの雑草防除ユニット30、少なくとも1つのアクチュエータ40、少なくとも1つのセンサ50、および処理ユニット60を含む。少なくとも1つのブーム20は車両10に移動可能に取り付けられる。少なくとも1つの雑草防除ユニット30は、少なくとも1つのブーム20に取り付けられる。少なくとも1つのアクチュエータ40は、処理ユニット60の制御下で少なくとも1つのブーム20を動かすよう構成される。少なくとも1つのセンサ50は、環境の少なくとも1つの場所に関するセンサデータを取得するよう構成される。少なくとも1つのセンサ50は、センサデータを処理ユニット60へ提供するよう構成される。処理ユニット60は、少なくとも1つの場所のうちの各場所に対する距離検出結果を判定するよう構成される。処理ユニット60は、少なくとも1つのアクチュエータ40を制御して、少なくとも1つの場所のうちの各場所に対する距離検出結果に基づいて少なくとも1つのブーム20を動かすよう構成される。
【0032】
一例では、少なくとも1つの雑草防除ユニットは少なくとも1つの電極ベース雑草防除ユニットを含む。一例では、少なくとも1つの雑草防除ユニットは少なくとも1つの薬剤散布ユニットを含む。
【0033】
一例によれば、処理ユニットは、少なくとも1つの場所のうちの各場所に対する距離検出結果に基づいて少なくとも1つのブームを垂直に動かすよう構成される。
【0034】
一例によれば、処理ユニットは、少なくとも1つのブームと地面の間の少なくとも1つの垂直距離を判定するよう構成される。
【0035】
一例によれば、処理ユニットは、ブームに関連する少なくとも1つの距離のうちのある距離が垂直方向低閾値以下の大きさである場合に、(少なくとも1つのブームのうちの)あるブームを上向き垂直成分を含む方向へ動かすよう構成される。
【0036】
一例によれば、処理ユニットは、ブームに関連する少なくとも1つの距離のうちのある距離が垂直方向高閾値以上の大きさである場合に、ブームを下向き垂直成分を含む方向へ動かすよう構成される。
【0037】
一例によれば、垂直方向高閾値は垂直方向低閾値の距離よりも大きい大きさの距離である。
【0038】
一例によれば、処理ユニットは、少なくとも1つの場所のうちの各場所に対する距離検出結果に基づいて少なくとも1つのブームを水平に動かすよう構成される。
【0039】
一例によれば、処理ユニットは、少なくとも1つのブームのうちの少なくとも1つの終端ブームと車両を囲む領域との間の少なくとも1つの水平距離を判定するよう構成される。
【0040】
一例によれば、処理ユニットは、ブームに関連する少なくとも1つの水平距離のうちのある距離が水平方向低閾値以下の大きさである場合に、少なくとも1つの終端ブームのうちのあるブームを内向き水平成分を含む方向へ動かすよう構成される。
【0041】
一例によれば、処理ユニットは、ブームに関連する少なくとも1つの水平距離のうちのある距離が水平方向高閾値以上の大きさである場合に、ブームがすでに完全に伸ばされた状態でない限りは、少なくとも1つの終端ブームのうちのあるブームを外向き水平成分を含む方向へ動かすよう構成される。
【0042】
一例によれば、水平方向高閾値は水平方向低閾値の距離よりも大きい大きさの距離である。
【0043】
一例では、処理ユニットは、少なくとも1つの場所のうちの各場所に対する距離検出結果に基づいて、少なくとも1つのブームの少なくとも1つの長軸と垂直な方向に少なくとも1つのブームを動かすよう構成される。
【0044】
一例では、処理ユニットは、少なくとも1つのブームと、少なくとも1つのブームの少なくとも1つの長軸と垂直である地面との間の少なくとも1つの距離を判定するよう構成される。
【0045】
一例では、処理ユニットは、ブームに関連する少なくとも1つの距離のうちのある距離が低閾値以下の大きさである場合に、ブームをブームの長軸と垂直な成分を含む方向へ動かすよう構成される。
【0046】
このようにして、雑草防除ユニットを搭載するブームが地面に近づきすぎた場合、雑草防除ユニットは、地面が水平になっていない場合であっても雑草防除ユニットと地面の間の正しい距離または正しい距離範囲が保たれるように、地面から遠ざけられる。
【0047】
一例では、処理ユニットは、ブームに関連する少なくとも1つの距離のうちのある距離が高閾値以上の大きさである場合に、ブームをブームの長軸と垂直な成分を含む方向へ動かすよう構成される。
【0048】
このようにして、雑草防除ユニットを搭載するブームが地面からあまりにも離れた場合、雑草防除ユニットは、地面が水平を向いていない場合であっても雑草防除ユニットと地面の間の正しい距離または正しい距離範囲が保たれるように、地面へ向けて動かされる。
【0049】
一例では、高閾値は低閾値の距離よりも大きい大きさの距離である。
【0050】
一例によれば、少なくとも1つのセンサには、LiDARセンサ、視差式レーザー測距センサ、立体視センサ、赤外線(IR)反射率センサ、飛行時間型(time of flight)センサ、超音波センサ、レーダーセンサ、のうちの1つまたは複数を含む。
【0051】
一例によれば、車両の前方への移動に対して、少なくとも1つのセンサが少なくとも1つのブームの前部に置かれる。
【0052】
図2は、車両を用いた雑草防除方法200を基本的ステップで示す。方法200は、
ステップa)とも呼ばれる取得するステップ210において、車両の少なくとも1つのセンサを使って環境の少なくとも1つの場所に関するセンサデータを取得することと、
ステップb)とも呼ばれる提供するステップ220において、センサデータを車両の処理ユニットに提供することと、
ステップc)とも呼ばれる判定するステップ230において、処理ユニットにより、少なくとも1つの場所のうちの各場所に対する距離検出結果を判定することと、
ステップd)とも呼ばれる制御するステップ240において、処理ユニットにより少なくとも1つのアクチュエータを制御して車両の少なくとも1つのブームを動かすことであって、少なくとも1つの雑草防除ユニットは少なくとも1つのブームに取り付けられ、処理ユニットは少なくとも1つのアクチュエータを制御して、少なくとも1つの場所のうちの各場所に対する距離検出結果に基づいて少なくとも1つのブームを動かす、制御することと、
を含む。
【0053】
一例では、少なくとも1つの雑草防除ユニットは少なくとも1つの電極ベース雑草防除ユニットを含む。一例では、少なくとも1つの雑草防除ユニットは少なくとも1つの薬剤散布ユニットを含む。
【0054】
一例では、ステップd)は、少なくとも1つの場所のうちの各場所に対する距離検出結果に基づいて少なくとも1つのブームを垂直に動かすことを含む。
【0055】
一例では、ステップc)は、少なくとも1つのブームと地面の間の少なくとも1つの垂直距離を判定することを含む。
【0056】
一例では、ステップd)は、ブームに関連する少なくとも1つの距離のうちのある距離が垂直方向低閾値以下の大きさである場合に、ブームを上向き垂直成分を含む方向へ動かすことを含む。
【0057】
一例では、ステップd)は、ブームに関連する少なくとも1つの距離のうちのある距離が垂直方向高閾値以上の大きさである場合に、ブームを下向き垂直成分を含む方向へ動かすことを含む。
【0058】
一例では、垂直方向高閾値は垂直方向低閾値の距離よりも大きい大きさの距離である。
【0059】
一例では、ステップd)は、少なくとも1つの場所のうちの各場所に対する距離検出結果に基づいて少なくとも1つのブームを水平に動かすことを含む。
【0060】
一例では、ステップc)は、少なくとも1つのブームのうちの少なくとも1つの終端ブームと車両を囲む領域との間の少なくとも1つの水平距離を判定することを含む。
【0061】
一例では、ステップd)は、ブームに関連する少なくとも1つの水平距離のうちのある距離が水平方向低閾値以下の大きさである場合に、少なくとも1つの終端ブームのうちのあるブームを内向き水平成分を含む方向へ動かすことを含む。
【0062】
一例では、ステップd)は、ブームに関連する少なくとも1つの水平距離のうちのある距離が水平方向高閾値以上の大きさである場合に、ブームがすでに完全に伸ばされた状態でない限りは、少なくとも1つの終端ブームのうちのあるブームを外向き水平成分を含む方向へ動かすことを含む。
【0063】
一例では、水平方向高閾値は水平方向低閾値の距離よりも大きい大きさの距離である。
【0064】
一例では、少なくとも1つのセンサには、LiDARセンサ、視差式レーザー測距センサ、立体視センサ、赤外線(IR)反射率センサ、飛行時間型(time of flight)センサ、超音波センサ、レーダーセンサ、のうちの1つまたは複数を含む。
【0065】
一例では、車両の前方への移動に対して、少なくとも1つのセンサが少なくとも1つのブームの前部に置かれる。
【0066】
これより、雑草防除車両および車両を用いた雑草防除方法について、
図3、4を参照してより詳しく説明する。
【0067】
図3は高電圧電極対の形態の多数の雑草防除ユニットの例を示し、雑草防除ユニットの他の例には雑草防除薬剤を散布できる散布ユニットが含まれる。引き続き
図3で、電極対が個々で電極ベース雑草防除ユニットを形成するように提供される。電極対が作動された場合、電流が一方の電極から他方の電極へ、雑草および雑草の根を含む地面を介して流れる。示されている1つのサブユニットは1つの電極対を持つことができる、または実際にはそのような高電圧ベースの雑草防除をより高い分解能でより小さな空間的範囲で適用するために多数の電極対を持つことができる。高電圧は、ある期間はDCモードで、ある期間はACモードで印加することができる。電極は、図示されていない、地表面近くで地面と柔軟に接触する金属テープまたは金属線の形態の可撓性の末端部を有する。
【0068】
図4は、雑草防除列車の形態の雑草防除車両の詳細な例を示す。列車の背面図が示されており、列車は鉄道線路を走行している。例えば、鉄道線路間の領域、鉄道線路の両脇の上、さらに隣接する土手の上、木々/低木などの周囲の植物、険しい土手、壁などの端までの領域の雑草は防除する必要がある。雑草を防除するために、
図3に示されるように、電極ベース雑草防除ユニットの形態の多数の雑草防除ユニットが使用される。しかし、代わりに、薬剤散布ユニットまたは散布銃の形態の、除草剤を散布する雑草防除ユニットを使用することもできる。しかし、
図4に戻ると、電極ベース雑草防除ユニットがブームに搭載されている。多数のアクチュエータによりブームを上下および横へ動かすことができて、地面形状に追従するためにブームを傾けることもできる。アクチュエータは処理ユニット(図示せず)の制御下にあり、伸縮自在に伸長および収縮可能であるが、他の種類の移動アクチュエータを利用することができる。電極ベース雑草防除ユニットは地表面の変化に対していくらかの許容範囲を有するが、地表面のより大きな変化に対しては、ユニットを動かして地面形状に追従させる必要があり、網羅可能で周囲の幾何学的制約の範囲内にある幅全体を網羅するため、ユニットを横に動かす必要がある。それゆえ、雑草を駆除するために雑草および地面、ひいては雑草の根に電流を印加できるように、可動式ブームは電極ベース雑草防除ユニットと地面の間の正しい位置を保つことができる。同様に、雑草防除ユニットが散布銃である場合、散布銃にはノズルと地面/植物の間に最適な作動距離があり、可動式ブームに搭載されるそのような散布銃は電極ベース雑草防除ユニットに関して説明したのと同じ方法で地面に対して動かすことができる。
【0069】
引き続き
図4で、雑草防除列車は列車の場所を特定するGPSユニットを有し、列車の場所は、画像処理で得られた情報および/もしくは列車の速度の知識からもたらされる移動に基づく情報により、ならびに/または慣性航行ベースのセンサを使って、増強することができる。したがって、どの時点においても、雑草防除列車の処理ユニットは、電極ベース雑草防除ユニットが地面のどの部分の上に位置しているかがわかる。それゆえ、必要であれば、鉄道線路を事前に走査することで雑草または雑草の領域がどこにあるかを特定して、GPS座標を記録することができる。そして、これらの座標を処理ユニットが使用して、1つまたは複数の雑草防除ユニットの電極を作動させて雑草を駆除することができて、その結果、電極は必要な場合のみ作動すればよい。
【0070】
上述したように、
図4は列車の背面図を示し、列車は雑草を防除しながら視聴者から遠ざかる。各ブームは、ブームとブームの下の地面との間の距離を特定するのに使用されるセンサを有する。センサは、実際にはセンサを雑草防除ユニットの前に配置するブームに取り付けられたアームに設置される。したがって、地面への距離は、列車が移動するため、雑草防除ユニットが到着する前に特定することができて、これにより、雑草防除ユニットが地面の各部分に遭遇した際に雑草防除ユニットが正しい高さとなるようにアクチュエータでブームを動かすことができる。また、終端ブームは、横向きの距離センサおよび前向きの距離センサも有する。このようにして、ブームを、必要に応じてすべての必要な地面を網羅するために、外側、または内側へ動かすことができる。距離検出データは処理ユニットへ渡され、処理ユニットはアクチュエータを制御し、必要に応じてブームおよび雑草防除ユニットを動かす。
【0071】
図4では、一組のブームが示されている。しかし、雑草防除列車は二組以上のブーム、例えば
図4に示されるブームの上流に位置する、雑草防除ユニットを備える別のブームの組を有することができる。これは、例えば列車の右側のブームが完全に伸ばされて鉄道の領域を広範囲に網羅していれば、別のブームの組がその側にある列車により近い地面の領域を網羅することができる、ということを意味する。
【0072】
上述したように、雑草のGPS座標を雑草防除列車へ提供することができて、雑草防除列車は自身のGPSユニットを使用して、必要な場合に雑草を作動させる。しかし、
図4の雑草防除列車はブームの前部に多数のカメラを有し、これらのカメラは地面を撮影している。画像は処理ユニットへ提供され、処理ユニットは画像を処理して雑草が存在するかを判定し、存在する場合は、その地面上の場所を特定することができる。少し後に、ブームがその位置に配置され、地表面の変化を考慮して処理ユニットの制御下で動かされて、さらに雑草をよりうまく駆除するようにブームが動かされるように列車が前方へ移動する際に、処理ユニットは、雑草を駆除するために必要であれば適切な複数の電極対、さらにただ一つの電極対を作動させる。画像分析により雑草種類を特定することができて、この雑草種類を使って、遭遇する異なる種類の雑草を駆除するために印加される電流および/または電圧を変化させることができる。これにより、駆除が簡単な雑草を、防除がより困難な雑草よりも低い電力設定で防除することができる。
【0073】
雑草が存在するかを判定するための画像処理に関し、処理ユニットは画像を分析して、画像内で植物を見つけられる領域を判定する。植物は取得された画像内の複数の特徴の形状に基づいて検出することができて、例えば、複数の物体の外周および物体自体の外周の中の複数の特徴の外周を描くのにエッジ検出ソフトウェアが使用される。植物画像のデータベースを使用して、例えば人工ニューラルネットワークや決定木分析などの訓練された機械学習アルゴリズムを使って画像内の特徴が植物に関連するかどうかを判定するのを助けることができる。カメラは画像内の色に関する情報を有する画像であるマルチスペクトル画像を取得することができて、この画像を単独で、または特徴検出と組み合わせて使って、画像内で植物が見つけられる場所を判定することができる。
【0074】
機械学習分析器に関しては、特定の雑草の画像が、使用されている雑草の大きさにも関連する情報とともに取得される。世界においてそのような雑草が見つけられる地理的位置に関連する情報、および、花が満開となっている時期などを含む、この雑草が見つけられる時季に関連する情報を、この画像にタグ付けすることができる。また、雑草の名前を雑草の画像にタグ付けすることもできる。そして、機械学習分析器は、人工ニューラルネットワークまたは決定木分析器をベースにすることもできるが、地上検証された取得画像で訓練される。このように、植物の新しい画像が分析器へ提示され、そのような画像には時季などの関連するタイムスタンプ、および、ドイツや南アフリカなどの地理的位置をタグ付けすることができるが、分析器は新しい画像内で見つかる雑草の画像と訓練で使われた異なる雑草の画像との比較から画像内にある特定の種類の雑草を特定し、その雑草の大きさ、およびその雑草がどこでいつ生長するかも考慮されうる。それゆえ、環境内でのその雑草種類の地面上の特定の場所およびその大きさを特定することができる。
【0075】
プロセッサは、様々な雑草種類、および、実験的に求めたデータからまとめられた、その雑草種類を防除するのに使用される電極ベース雑草防除技術の最適なモードを含むデータベースへアクセスすることができる。
【0076】
雑草防除列車は取得した画像から雑草の場所および種類を自身で特定しているため、雑草の正確な地理的位置は特定する必要はない。むしろ、雑草防除列車の前進運動(その速度)の知識とともに、カメラとブームに搭載される電極ベース雑草防除ユニットとの間の相対的間隔に基づいて雑草が見つけられて識別されると、後で電極ベース雑草防除ユニットをその場所で作動させることができる。これは、列車の下および両脇の地面の地形の変化を考慮してブームを動かすのにブームの地面からの距離の情報がどのように使われるかに類似している。したがって、例えば、25m/sで走行している列車ですべての処理時間および電極ベース雑草防除ユニットを動作させる準備に0.2s、0.4s、または0.8sかかる場合、カメラは電極ベース雑草防除技術ユニットの前方にこの列車の速度に対して5m、10m、または20mだけ離間している必要がある。列車の速度を減少させることで、距離間隔を小さくすることができる。さらに、画像を取得しているカメラは、露光時間中の列車の移動による画像スミアが最小化されるように、非常に短い露光時間を持つことができる。これは、短い露光時間を持つカメラの使用、または、例えばレーザーまたはLEDを用いた短パルスの照明を例えばフィルタと組み合わせて使用することを含む、様々な手段により実現できる。しかし、列車はGPSシステムおよび/もしくは慣性航行ナビゲーションシステム、ならびに/または画像分析を使用して雑草の正確な地理的位置を特定することができて、電極ベース雑草防除ユニットを備えるブームは、ユニットの正確な位置を提供するのに使用できる、GPSシステムおよび/もしくは慣性航行システムならびに/または画像ベースのシステムなどの関連する場所特定手段を有することができる。したがって、列車の先頭客車は、GPSデータと連動して雑草を識別して位置づけることができる画像を取得するカメラを有することができて、先頭客車の後方、数十メートルまたは数百メートルに存在しうる列車の後部客車は、雑草防除ユニットを搭載したブームを有することができる。そして、電極ベース雑草防除ユニットは、列車が坂を上り下りして短くなったり長くなったりしたとしても、やはりGPSデータを使って正しい位置で作動させることができる。
【0077】
上で詳述した例は鉄道に関して説明されたが、雑草防除列車、貨物車、または大型トラックもしくはUnimog(多目的作業車)は電極ベース雑草防除ユニットを搭載することができて、センサを使用して電極ベース雑草防除ユニットを地面に対して最適な位置に配置できるようになっており、必要な場合に画像処理に基づいて雑草防除ユニットを作動させるためにセンサを使用することができる。
【0078】
分析により雑草種類を特定できるようにする画像処理
【0079】
これより、雑草の種類を特定できるように画像がどのように処理され、どのようにして画像処理に適していると判定されるかについて、具体例を説明する。
1. 雑草のデジタル画像、特にカラー画像が撮影される。
2. デジタル画像内で予め規定された色およびテクスチャを持つ領域に境界輪郭内で輪郭が付けられる。典型的には1つの雑草植物に対して1つの輪郭が付けられた領域が期待される。しかし、2つの雑草植物の異なる、つながっていない可能性のある葉などに対して輪郭が付けられた領域が2つ以上ある可能性もある。そのような検出または判定プロセスによりデジタル画像の緑色の領域の境界が検出される。このプロセスの間に、境界輪郭内の雑草に関連する画素を含む、少なくとも1つの輪郭が付けられた領域、例えば1つまたは複数の葉および1つまたは複数の雑草植物、を作ることができる。しかし、デジタル画像が2つ以上の葉、および/または、茎を捉えている可能性もありうる。その結果、2つ以上の輪郭が付けられた領域が判定される可能性がある。
3. 境界輪郭が充分大きな領域を網羅しているかを判定し、境界輪郭内の画像データの鮮明さ(ピントの度合い)を判定する。これにより、まず雑草の種類を特定するのに充分な画像データがあることが保証され、次に、雑草の種類が作れるようにデジタル画像の最低限の品質が満たされるであろうと判断される。
4. 3)の両方の基準が満たされる場合、デジタル画像、具体的には境界輪郭内のデジタル画像が人工ニューラルネットワークによる画像分析のために処理ユニットへ送られて、前述したように雑草の種類が特定される。
【0080】
別の例示の実施形態では、前述の実施形態のうちの1つによる方法の方法ステップを適切なシステム上で実行するよう構成されていることを特徴とするコンピュータプログラムまたはコンピュータプログラムエレメントが提供される。
【0081】
それゆえ、コンピュータプログラムエレメントはコンピュータユニットに記憶されることがあり、このコンピュータユニットも一実施形態の一部でありうる。このコンピュータユニットは、上述した方法のステップを実行する、または実行させるよう構成されてもよい。さらに、このコンピュータユニットは上述した装置、および/または、システムの構成要素を動作させるよう構成されてもよい。コンピュータユニットは、自動で動作するように、および/または、ユーザの命令を実行するように構成することができる。コンピュータプログラムは、データ処理装置の作業メモリへロードされることがある。データ処理装置は、このように前述の実施形態のうちの1つによる方法を実行する能力を備えていることがある。
【0082】
本発明のこの例示の実施形態は、最初から本発明を使用するコンピュータプログラム、およびアップデートにより既存のプログラムを本発明を使用するプログラムへと変えるコンピュータプログラムの両方を対象とする。
【0083】
さらに、コンピュータプログラムエレメントが上述した方法の例示の実施形態の手順を実現するのに必要なすべてのステップを提供できることがある。
【0084】
本発明の更なる例示の実施形態によれば、CD-ROM、USBスティック、または同種のものなどの、前節で説明されたコンピュータプログラムエレメントが記憶されているコンピュータ可読媒体が提示される。
【0085】
コンピュータプログラムは他のハードウェアと共に、または他のハードウェアの一部として供給される、光学記憶媒体または半導体媒体などの適切な媒体に記憶される、および/または、係る媒体で配布されることがあるが、他の形態で、例えばインターネットまたは他の有線もしくは無線の電気通信システムなどを介して配布されることもある。
【0086】
しかし、コンピュータプログラムは、ワールドワイドウェブのようなネットワークを介して提示されることもあり、そのようなネットワークからデータ処理装置の作業メモリへダウンロードすることができる。本発明の更なる例示の実施形態によれば、本発明の前述の実施形態のうちの1つによる方法を実行するよう構成されているコンピュータプログラムエレメントをダウンロード可能とするための媒体が提供される。
【0087】
本発明の実施形態は異なる複数の主題に関して記述されていることに留意されたい。特に、一部の実施形態は方法クレームに関して説明されているが、他の実施形態は装置クレームに関して説明されている。しかし、当業者であれば、上記および以下の記述から、特に通知がない限り、1種類の主題に属する特徴の任意の組み合わせに加えて、異なる複数の主題に関連する特徴の任意の組み合わせも、本出願を以て開示されていると見做されると推測するであろう。しかし、すべての特徴を組み合わせて、それら特徴の単純な足し合わせを超える相乗効果を与えることができる。
【0088】
本発明は図面および上述の説明で例証され、詳細に説明されたが、そのような図および説明は例証または例示であると考えられるべきであり、制限的であると考えられるべきではない。本発明は、開示された実施形態に限定されない。当業者は、開示された実施形態に対する他の変形を、特許請求される発明を実践する際に、図面、本開示、および従属請求項を検討することで理解、達成することができる。
【0089】
請求項において、「含む(comprising)」という単語は、他の要素またはステップを排除せず、不定冠詞の「a」または「an」は複数を排除しない。単一のプロセッサまたは他のユニットが請求項に記載されるいくつかの項目の機能を実行してもよい。特定の手段が互いに異なる従属請求項に記載されているとしても、単にその事実をもって、これらの手段の組み合わせを有利に使用することができないことが示されるわけではない。請求項中のいずれの参照符号も、請求の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。