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特許7326380調整可能なヘッドホルダのための方法およびシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-04
(45)【発行日】2023-08-15
(54)【発明の名称】調整可能なヘッドホルダのための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/03 20060101AFI20230807BHJP
   A61B 6/04 20060101ALI20230807BHJP
【FI】
A61B6/03 323R
A61B6/03 323K
A61B6/04 331C
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021065013
(22)【出願日】2021-04-06
(65)【公開番号】P2021168912
(43)【公開日】2021-10-28
【審査請求日】2021-06-21
(31)【優先権主張番号】16/847,508
(32)【優先日】2020-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】319011672
【氏名又は名称】ジーイー・プレシジョン・ヘルスケア・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100151286
【弁理士】
【氏名又は名称】澤木 亮一
(72)【発明者】
【氏名】ミシェル・デロング・サマリク
(72)【発明者】
【氏名】ロナルド・クラス
(72)【発明者】
【氏名】シャロン・ゲルマン
(72)【発明者】
【氏名】ケリー・フォンデルハール・カイザー
(72)【発明者】
【氏名】ビシュワナート・ナヤク
(72)【発明者】
【氏名】ダーバル・プラビンバーイ・ダンガシヤ
【審査官】亀澤 智博
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0313985(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0083355(US,A1)
【文献】特開昭61-288838(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0374630(US,A1)
【文献】実開昭58-010711(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00 - 6/14
A61B 5/055
G01T 1/161 - 1/166
A61G 13/00 -13/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像システム(100、200)と共に使用するための調整可能なヘッドホルダ(300、800)であって、
ヘッドクレードル(302)と、
前記ヘッドクレードル(302)の第1の端部(392)の下に配置された複数のロック位置を有する傾斜調整機構(870)と、
前記ヘッドクレードル(302)の第2の端部から延びるテーブルマウント(310)と、
前記テーブルマウント(310)から前記傾斜調整機構(870)を通って延びる傾斜調整バー(360、810、860)と
を備える調整可能なヘッドホルダ(300、800)
を備え、
前記ヘッドクレードル(302)の前記第1の端部(392)および前記第2の端部は、前記ヘッドクレードル(302)の両端に位置し、
前記傾斜調整機構(870)は、ばね式歯と、ラチェットシステム(876)とを備え
前記傾斜調整バー(360、810、860)は、前記傾斜調整機構(870)の開口部(878)を通って延びるレバー(862)を含む、システム。
【請求項2】
前記調整可能なヘッドホルダ(300、800)は、前記ヘッドクレードル(302)の前記第2の端部と前記テーブルマウント(310)から延びる延長アーム(1130)との間に結合されたヒンジ(330、830)をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記撮像システム(100、200)は、その一端に前記テーブルマウント(310)を受け入れるように成形された開口部(922)を有するテーブル(900)を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記調整可能なヘッドホルダ(300、800)は、前記テーブルマウント(310)に結合されたテーブルマウントロックおよび解放機構(820)をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
撮像システム(100、200)と共に使用するための調整可能なヘッドホルダ(300、800)であって、
ヘッドクレードル(302)と、
前記ヘッドクレードル(302)の第1の端部(392)の下に位置決めされた傾斜調整機構(870)と、
前記ヘッドクレードル(302)の第2の端部から延びるテーブルマウント(310)と
を備え、
前記ヘッドクレードル(302)は、前記ヘッドクレードル(302)の前記第2の端部および前記テーブルマウント(310)の延長アーム(1130)に結合されたヒンジ(330、830)を介して旋回するように構成され、
前記ヘッドクレードル(302)の前記第1の端部(392)および前記第2の端部は、前記ヘッドクレードル(302)の両端に位置し、
前記傾斜調整機構(870)は、前記テーブルマウント(310)から延びる傾斜調整バー(360、810、860)を受け入れ、前記傾斜調整バー(360、810、860)は、前記傾斜調整機構(870)のラチェットシステム(876)と係合するように構成された第1のロッド(410)と、回転式ボールジョイント(480)として構成されたジョイント(484)に配置された第2のロッド(482)とを備え、
前記第1のロッド(410)は、前記傾斜調整バー(360、810、860)の第1の端部に隣接して配置され、前記第2のロッド(482)は、前記第1の端部の反対側の前記傾斜調整バー(360、810、860)の第2の端部に配置され、前記第1の端部は、前記傾斜調整機構(870)のラチェットシステム(876)に出入りするように前記第1のロッド(410)を作動させるように構成されたレバー(862)であり、
前記レバー(862)は、前記傾斜調整機構(870)の開口部(878)を通って、水平方向に前記ヘッドクレードル(302)のプロファイルを越えて延びる、調整可能なヘッドホルダ(300、800)。
【請求項6】
前記ヒンジ(330、830)は、可撓性材料を含む、請求項に記載の調整可能なヘッドホルダ(300、800)。
【請求項7】
前記可撓性材料は、炭素繊維、熱可塑性プラスチック、プラスチック、ゴム、およびポリマーの1つまたは複数を含む、請求項に記載の調整可能なヘッドホルダ(300、800)。
【請求項8】
前記テーブルマウント(310)は、前記撮像システム(100、200)のテーブル(900)の一端の開口部(922)に挿入される、請求項に記載の調整可能なヘッドホルダ(300、800)。
【請求項9】
前記テーブルマウント(310)は、テーブルマウントロックおよび解放機構(820)を備える、請求項に記載の調整可能なヘッドホルダ(300、800)。
【請求項10】
調整可能なヘッドホルダ(300、800)と、
第1の延長アーム(1130)を介してヒンジ(330、830)の第1の半体(340A、350A)に結合されたテーブルアタッチメント(310)であって、前記調整可能なヘッドホルダ(300、800)は、前記ヒンジ(330、830)の第2の半体(340B、350B)に結合され、前記テーブルアタッチメント(310)および前記調整可能なヘッドホルダ(300、800)の各々は、前記ヒンジ(330、830)の屈曲可能な中心から離間されているテーブルアタッチメント(310)と、
傾斜調整バー(360、810、860)であって、前記傾斜調整バー(360、810、860)の第1の端部上のレバー(862)に隣接する第1のロッド(410)を備え、前記第1のロッド(410)は、傾斜調整機構(870)のラチェットシステム(876)と係合するように構成され、前記傾斜調整バー(360、810、860)は、前記傾斜調整バー(360、810、860)の第2の端部に、前記テーブルアタッチメント(310)の第2の延長部(324)のジョイント(484)と係合する第2のロッド(482)をさらに備え、前記第2のロッド(482)は、前記ジョイント(484)内で旋回するように構成される傾斜調整バー(360、810、860)と
を備え、
前記レバー(862)は、前記調整可能なヘッドホルダ(300、800)のヘッドクレードル(302)よりも水平軸に沿って延び、前記傾斜調整機構(870)の開口部(878)を通って突出する、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される主題の実施形態は、ロック機構を有する調整可能な傾斜ヘッドホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
調整可能なヘッドホルダは、多様な環境で使用することができる。調整可能なヘッドホルダは、撮像スキャン中に使用して、様々な個別の角度で患者の頭をサポートおよび位置決めすることができる。患者の頭を傾け、撮像スキャン全体を通してその位置を保持する能力は、画質にとって非常に重要である。一例では、調整可能なヘッドホルダを医療環境で使用して患者の頭の位置を調整し、医療撮像手順中に画像アーチファクトを発生し得る歯科用インプラントおよび他のデバイスの撮像を回避することができる。加えて、患者の頭を傾け、眼などの敏感な解剖学的構造をX線放射ビームの外側に載置することによって、眼への放射線量を減少させることが可能である。調整可能なヘッドホルダを使用すると、撮像技術者またはオペレータは、デバイスがなくても、スキャン中に患者が特定の配向に頭を保持することができないように患者の頭を位置決めすることが可能である。調整可能なヘッドホルダの使用から恩恵を受けるであろう他の患者は、不随意運動があり得るか、または攻撃的な場合がある患者である。ポジティブロック機構を有しているため、上記の状態にある患者は、調整可能なヘッドホルダ自体の傾斜角度を変更することができない。調整可能なヘッドホルダのさらなる利点は、患者の頭がヘッドホルダを介して位置決めされる位置のいくつかが、ヘッドホルダからのサポートなしでは不快である可能性があることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第9913620号明細書
【発明の概要】
【0004】
一実施形態では、システムは、撮像システムと共に使用するための調整可能なヘッドホルダを備え、調整可能なヘッドホルダは、ヘッドクレードルと、ヘッドクレードルの第1の端部の下に配置された複数のロック位置を有する傾斜調整機構と、ヘッドクレードルの第2の端部から延びるテーブルマウントと、テーブルマウントから傾斜調整機構を通って延びる傾斜調整バーとを備え、ヘッドクレードルの第1の端部および第2の端部は、ヘッドクレードルの両端に位置する。
【0005】
上記の簡単な説明は、詳細な説明でさらに説明される概念の選択を簡略化した形で紹介するために提供されていることを理解されたい。特許請求される主題の重要なまたは本質的な特徴を特定することは意図されておらず、その主題の範囲は詳細な説明に続く特許請求の範囲によって一義的に定義される。さらに、特許請求される主題は、上記のまたは本開示の任意の部分に記載の欠点を解決する実施態様に限定されない。
【0006】
本開示は、添付の図面を参照しながら、以下の非限定的な実施形態の説明を読むことからよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態による、撮像システムの絵図である。
図2】一実施形態による、例示的な撮像システムのブロック概略図である。
図3A】調整可能なヘッドホルダの第1の実施形態の第1の図である。
図3B】調整可能なヘッドホルダの第1の実施形態の第2の図である。
図4A-4F】調整可能なヘッドホルダの第1の実施形態のボールジョイントを示す図である。
図5A】ロック機構の位置に基づく調整可能なヘッドホルダの第1の実施形態の様々な位置を示す図である。
図5B】ロック機構の位置に基づく調整可能なヘッドホルダの第1の実施形態の様々な位置を示す図である。
図5C】ロック機構の位置に基づく調整可能なヘッドホルダの第1の実施形態の様々な位置を示す図である。
図6A】調整可能なヘッドホルダの第1の実施形態の第1の位置から第2の位置へのロック機構の調整を示す図である。
図6B】調整可能なヘッドホルダの第1の実施形態の第1の位置から第2の位置へのロック機構の調整を示す図である。
図6C】調整可能なヘッドホルダの第1の実施形態の第1の位置から第2の位置へのロック機構の調整を示す図である。
図6D】調整可能なヘッドホルダの第1の実施形態のロック機構の側面図である。
図7A-7F】調整可能なヘッドホルダの第1の実施形態のロック機構のアセンブリを示す図である。
図8】調整可能なヘッドホルダの第2の実施形態を示す図である。
図9】調整可能なヘッドホルダの第1または第2の実施形態に結合するように構成されたマウントを示す図である。
図10】調整可能なヘッドホルダの第2の実施形態のロック機構を示す図である。
図11】調整可能なヘッドホルダの第1および第2の実施形態のヒンジの詳細図である。
図12】調整可能なヘッドホルダの第1および第2の実施形態の横方向図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図3A図12は、縮尺通りに示されているが、必要に応じて他の相対的な寸法が使用されてもよい。
【0009】
以下の説明は、調整可能なヘッドホルダの実施形態に関する。一例では、調整可能なヘッドホルダは、図1および図2に示されるCT撮像システムなどの撮像システムのための調整可能な傾斜ヘッドホルダである。調整可能なヘッドホルダの第1の例は、図3Aおよび図3Bに示すように、クレードル、タングインサート、アングルブロック、チルトバー、およびリビングヒンジを含む。調整可能なヘッドホルダの第1の実施形態のロック機構の第1の実施形態が、図4A図4Eに示されている。ヘッドが旋回することができるボールジョイントが、図4Fに示されている。図5A図5Cは、ロック機構の第1の実施形態の調整に基づくヘッドの様々な位置を示している。図6A図6Cは、第1の位置から第2の位置へのロック機構の第1の実施形態の遷移を示している。図6Dは、ロック機構の第1の実施形態の外側に配置された位置の図を示している。図7A図7Fは、ロック機構の第1の実施形態のアセンブリを示している。調整可能なヘッドホルダの第2の実施形態が、図8に示されている。その中で、調整可能なヘッドホルダの第2の実施形態は、第2の実施形態が調整可能なヘッドホルダの第1の実施形態のロック機構とは異なるロック機構を備えることを除いて、調整可能なヘッドホルダの第1の実施形態と実質的に同様であり得る。調整可能なヘッドホルダの第1または第2の実施形態のいずれかのテーブルを受け入れるように構成されたテーブルマウントが、図9に示されている。ロック機構の第1の実施形態とは異なるロック機構の第2の実施形態の詳細図が、図10に示されている。図11は、調整可能なヘッドホルダの第1および第2の実施形態の各々に含まれ得るリビングヒンジの詳細図を示している。図12は、調整可能なヘッドホルダの第1および第2の実施形態の各々に含まれ得るタブと共に、テーブルの横方向図を示している。
【0010】
一例では、ヘッドホルダは、コンピュータ断層撮影頭蓋X線検査中に放射線技師が患者の頭を位置決めするのを支援することができる。以前の例には、固定ヘッドホルダが、患者の眼に向けてX線放射を向けることを回避するために傾斜ガントリ機構を有するCT撮像システムでアキシャルヘッドスキャンに使用される場合が含まれる。本開示の傾斜可能なヘッドホルダは、CT撮像システムにおける神経撮像のための最適な位置決めを確実にし、ガントリが固定されて傾斜することができない場合により多くの利点を追加する。傾斜可能なヘッドホルダは、患者の頭を前方に傾け、脳の解剖学的構造をスキャナの視野に合わせることができる。これにより、眼への放射線量の曝露が最小限に抑えられ、歯科用インプラントからの画像アーチファクトを減少させることができる。ヘッドホルダには、撮像範囲内において金属または鋭い縁部構成要素がない。これは、ヘッドホルダの真下に配置され、患者の頭または首の撮像範囲外にあるロック機構を介して実現される。ロック機構の角度調整は、0~45度であり得るが、本開示の範囲から逸脱することなく、他の範囲が利用されてもよい。旋回は、オペレータの片手によるロック機構のスイッチの作動を介した回転式ボールタイプのジョイントを介して行われ得る。
【0011】
撮像スキャン中に使用される調整可能なヘッドホルダは、様々な個別の角度で患者の頭をサポートおよび調整する。調整可能なヘッドホルダはポジティブロック機構を有し、これは、患者の頭が適切に位置決めされると、角度が所定の位置にロックされ、患者は頭をヘッドホルダから持ち上げることによって角度を変更することができなくなることを意味する。
【0012】
図1および図3A図12は、様々な構成要素の相対的な位置決めの例示的な構成を示す。互いに直接接触して、または直接結合して示される場合、そのような要素は、少なくとも一例では、それぞれ直接接触しているまたは直接結合していると呼ぶことができる。同様に、互いに連続してまたは隣接して示される要素は、少なくとも一例では、それぞれ互いに連続しているまたは隣接していてもよい。一例として、互いに面を共有して接触している構成要素は、面共有接触と呼ぶことができる。別の例として、それらの間のスペースのみを有し、他の構成要素が存在しない互いに離れて位置決めされた要素は、少なくとも一例では、そのように呼ぶことができる。さらに別の例として、互いに上/下に、互いに反対側に、または互いに左/右に示す要素は、互いに対してそのように呼ぶことができる。さらに、図に示すように、少なくとも一例では、要素の最上部の要素または点は、構成要素の「上部」と呼ばれることがあり、要素の最下部の要素または点は、構成要素の「下部」と呼ぶことができる。本明細書で使用する場合、上部/下部、上側/下側、上/下は、図の垂直軸に相対的であり、図の要素の互いに対する位置決めを説明するために使用することができる。このように、他の要素の上に示す要素は、一例では、他の要素の上に垂直方向に位置決めされる。さらに別の例として、図内に示す要素の形状は、それらの形状(例えば、円形、直線状、平面状、湾曲状、球形、面取り、角度付きなど)を有すると呼ぶことができる。さらに、互いに交差して示される要素は、少なくとも一例では、交差している要素または互いに交差していると呼ぶことができる。またさらに、別の要素内に示す要素または別の要素の外側に示す要素は、一例では、そのように呼ぶことができる。
【0013】
図1は、CT撮像用に構成された例示的なCT撮像システム100を示している。特に、CT撮像システム100は、患者、無生物物体、1つまたは複数の製造部品、ならびに/または体内に存在する歯科用インプラント、ステント、および/もしくは造影剤などの異物などの対象112を撮像するように構成される。一実施形態では、CT撮像システム100は、ガントリ102を含み、ガントリ102は、テーブル114上に横たわる対象112の撮像に使用するためのX線放射のビーム106(図2参照)を投影するように構成された少なくとも1つのX線源104をさらに含むことができる。具体的には、X線源104は、X線放射ビーム106をガントリ102の反対側に位置決めされた検出器アレイ108に向けて投影するように構成される。図1は単一のX線源104のみを図示しているが、ある特定の実施形態では、患者に対応する異なるエネルギーレベルで投影データを取得するために、複数のX線源および検出器を用いて複数のX線放射ビーム106を投影することができる。いくつかの実施形態では、X線源104は、高速ピークキロボルト(kVp)スイッチングによってデュアルエネルギージェムストーンスペクトル撮像(gemstone spectral imaging:GSI)を可能にすることができる。いくつかの実施形態では、用いられるX線検出器は、異なるエネルギーのX線光子を区別することが可能な光子計数検出器である。他の実施形態では、二組のX線源および検出器がデュアルエネルギー投影を生成するために使用され、一方の組は低kVpにあり、他方の組は高kVpにある。したがって、本明細書で説明される方法は、単一のエネルギー取得技法ならびにデュアルエネルギー取得技法で実施され得ることを理解されたい。
【0014】
ある特定の実施形態では、CT撮像システム100は、逐次近似または分析的画像再構成方法を使用して、対象112のターゲットボリュームの画像を再構成するように構成された画像プロセッサユニット110をさらに含む。例えば、画像プロセッサユニット110は、フィルタ補正逆投影(FBP)などの分析的画像再構成手法を使用して、患者のターゲットボリュームの画像を再構成することができる。別の例として、画像プロセッサユニット110は、対象112のターゲットボリュームの画像を再構成するために、高度統計的逐次近似再構成(ASIR)、共役勾配(CG)、最尤期待値最大化(MLEM)、モデルベース逐次近似再構成(MBIR)などの逐次近似画像再構成手法を使用することができる。本明細書でさらに説明されるように、いくつかの例では、画像プロセッサユニット110は、逐次近似画像再構成手法に加えて、FBPなどの分析的画像再構成手法の両方を使用してもよい。
【0015】
いくつかのCT撮像システム構成では、X線源は、デカルト座標系のX-Y-Z平面内にあるようにコリメートされ、一般に「撮像面」と呼ばれる円錐形のX線放射ビームを投影する。X線放射ビームは、患者または対象などの撮像される物体を通過する。X線放射ビームは、物体によって減衰された後、検出器素子のアレイに衝突する。検出器アレイにおいて受光される減衰後のX線放射ビームの強度は、物体による放射ビームの減衰に依存する。アレイの各検出器素子は、検出器の場所におけるX線ビーム減衰の測定値である別個の電気信号を生成する。すべての検出器素子からの減衰測定値が、別個に取得され、透過プロファイルを生成する。
【0016】
いくつかのCT撮像システムでは、X線源および検出器アレイは、放射ビームが物体と交差する角度が絶えず変化するように、撮像面内および撮像される物体の周りでガントリと共に回転する。1つのガントリ角度での検出器アレイからのX線放射減衰測定値のグループ、例えば、投影データは、「ビュー」と呼ばれる。物体の「スキャン」は、X線源および検出器の1回転の間に異なるガントリ角度、またはビュー角度で行われた一組のビューを含む。本明細書で説明される方法の利点はCT以外の医療撮像モダリティにも生じると考えられるので、本明細書で使用される「ビュー」という用語は、1つのガントリ角度からの投影データに関して上述の使用に限定されない。「ビュー」という用語は、CT、陽電子放出断層撮影(PET)、もしくは単一光子放出CT(SPECT)取得、および/または開発中のモダリティ、ならびに融合された実施形態におけるそれらの組み合わせを含む任意の他のモダリティのいずれかからの、異なる角度からの複数のデータ取得がある場合は常に1つのデータを取得することを意味するために使用される。
【0017】
投影データは、物体を通って得られた二次元スライスに対応する画像を再構成するために処理され、または投影データが複数のビューまたはスキャンを含むいくつかの例では、物体の三次元レンダリングを再構成するために処理される。一組の投影データから画像を再構成するための1つの方法は、当技術分野において、フィルタ補正逆投影技法と呼ばれる。透過型および放出型断層撮影再構成技法はまた、最尤期待値最大化(MLEM)および順序付きサブセット期待値再構成技法、ならびに逐次近似再構成技法などの統計的逐次近似方法を含む。このプロセスは、スキャンからの減衰測定値を「CT数」または「ハウンズフィールド単位」と呼ばれる整数に変換し、これはディスプレイデバイス上の対応するピクセルの輝度を制御するために使用される。
【0018】
総スキャン時間を短縮するために、「ヘリカル」スキャンを実施することができる。「ヘリカル」スキャンを実施するには、所定の数のスライスについてのデータを取得しながら患者を移動させる。そのようなシステムは、コーンビームのヘリカルスキャンから単一の螺旋を生成する。コーンビームによってマッピングされた螺旋は投影データをもたらし、そこから各所定のスライスの画像を再構成することができる。
【0019】
本明細書で使用する場合、「画像を再構成する」という語句は、画像を表すデータが生成されるが可視画像は生成されない本発明の実施形態を除外することを意図しない。したがって、本明細書で使用する場合、「画像」という用語は、可視画像と可視画像を表すデータの両方を広く指す。しかし、多くの実施形態は、少なくとも1つの可視画像を生成する(または生成するように構成される)。
【0020】
一例では、テーブル114は、調整可能(例えば、傾斜可能)であり得るヘッドホルダ116を備え得る。傾斜可能なヘッドホルダの以前の例は、かさばる、複雑である、または自動調節特徴を欠いている可能性がある。さらに、以前の例では、より多くのオペレータの労力が必要であり、プロセスが面倒で時間がかかる場合がある。加えて、以前の例では、オペレータが両手を使用してヘッドホルダを調整する必要があり得る。以前の例のヘッドホルダに位置決めされたときに患者が頭を動かすと、調整機構が自由になり、ヘッドホルダの位置が変わることがある。これにより、患者がテーブルからCTガントリ内に滑り落ちる可能性がある。
【0021】
本開示の一例では、図3Aおよび後続の図に関して以下でより詳細に説明するように、ヘッドホルダは、ヘッドホルダの真下に配置されたスイッチおよび自動ロック機構を備え得る。この構成により、オペレータは、患者テーブルのいずれかの側から片手でヘッドホルダの角度を調整することが可能であり得る。ロック機構は、ヘッドホルダを所望の角度に維持するために重力に依存しなくてもよい。ロック機構は、ストラップで固定されている間に頭を動かすときに患者がヘッドホルダを調整するのをブロックするばねベースの構成を備える。
【0022】
図2は、図1のCT撮像システム100と同様の例示的な撮像システム200を示している。本開示の態様によれば、撮像システム200は、対象204(例えば、図1の対象112)を撮像するように構成される。一実施形態では、撮像システム200は、検出器アレイ108(図1参照)を含む。検出器アレイ108は、対応する投影データを取得するために対象204(患者など)を通過するX線放射ビーム106(図2参照)を共に検知する複数の検出器素子202をさらに含む。したがって、一実施形態では、検出器アレイ108は、セルまたは検出器素子202の複数の行を含むマルチスライス構成で製作される。そのような構成では、検出器素子202の1つまたは複数の追加の行が、投影データを取得するための並列構成に配置される。
【0023】
ある特定の実施形態では、撮像システム200は、所望の投影データを取得するために、対象204の周りの異なる角度位置を横切るように構成される。したがって、ガントリ102およびそれに取り付けられた構成要素は、例えば、異なるエネルギーレベルで投影データを取得するために、回転中心206を中心に回転するように構成することができる。あるいは、対象204に対する投影角度が時間の関数として変化する実施形態では、取り付けられた構成要素を、円弧に沿ってではなく、一般的な曲線に沿って移動するように構成することができる。
【0024】
X線源104および検出器アレイ108が回転すると、検出器アレイ108は、減衰されたX線ビームのデータを収集する。検出器アレイ108によって収集されたデータは、データを調整するための前処理および較正を受け、スキャンされた対象204の減衰係数の線積分を表す。処理されたデータは、投影と一般的に呼ばれる。
【0025】
いくつかの例では、検出器アレイ108の個々の検出器または検出器素子202は、個々の光子の相互作用を1つまたは複数のエネルギービンに記録する光子計数検出器を含むことができる。本明細書で説明される方法は、エネルギー積分検出器を用いて実施することもできることを理解されたい。
【0026】
取得された投影データの組を、基底物質分解(BMD)に使用することができる。BMD中、測定された投影は、一組の物質-密度投影に変換される。物質-密度投影を再構成し、骨、軟組織、および/または造影剤マップなどの各それぞれの基底物質の一対または一組の物質-密度マップまたは画像を形成することができる。次に、密度マップまたは画像を関連付け、基底物質、例えば、骨、軟組織、および/または造影剤のボリュームレンダリングを撮像されたボリューム内に形成することができる。
【0027】
再構成されると、撮像システム200によって作成された基底物質画像は、2つの基底物質の密度で表された、対象204の内部特徴を明らかにする。密度画像は、これらの特徴を示すために表示され得る。病状などの医学的状態、より一般的には医学的事象の診断のための従来の手法では、放射線技師または医師は、密度画像のハードコピーまたは表示を検討し、特徴的な関心特徴を識別する。そのような特徴は、特定の解剖学的構造または器官の病変、サイズ、および形状、ならびに個々の開業医のスキルおよび知識に基づいて画像において識別可能な他の特徴を含むことができる。
【0028】
一実施形態では、撮像システム200は、ガントリ102の回転およびX線源104の動作などの構成要素の移動を制御する制御機構208を含む。ある特定の実施形態では、制御機構208は、電力およびタイミング信号をX線源104に提供するように構成されたX線コントローラ210をさらに含む。加えて、制御機構208は、撮像要件に基づいてガントリ102の回転速度および/または位置を制御するように構成されたガントリモータコントローラ212を含む。
【0029】
ある特定の実施形態では、制御機構208は、検出器素子202から受信されたアナログデータをサンプリングし、その後の処理のためにアナログデータをデジタル信号に変換するように構成されたデータ取得システム(DAS)214をさらに含む。DAS214は、本明細書でさらに説明されるように、検出器素子202のサブセットからのアナログデータをいわゆるマクロ検出器に選択的に集約するようにさらに構成され得る。DAS214によってサンプリングされデジタル化されたデータは、コンピュータまたはコンピューティングデバイス216に送信される。一例では、コンピューティングデバイス216は、データをストレージデバイスまたは大容量記憶装置218に格納する。ストレージデバイス218は、例えば、ハードディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、コンパクトディスク読み出し/書き込み(CD-R/W)ドライブ、デジタル多用途ディスク(DVD)ドライブ、フラッシュドライブ、および/またはソリッドステートストレージドライブを含んでもよい。
【0030】
加えて、コンピューティングデバイス216は、データ取得および/または処理などのシステム動作を制御するために、コマンドおよびパラメータをDAS214、X線コントローラ210、およびガントリモータコントローラ212の1つまたは複数に提供する。ある特定の実施形態では、コンピューティングデバイス216は、オペレータ入力に基づいてシステム動作を制御する。コンピューティングデバイス216は、コンピューティングデバイス216に動作可能に結合されたオペレータコンソール220を介して、例えば、コマンドおよび/またはスキャンパラメータを含むオペレータ入力を受信する。オペレータコンソール220は、オペレータがコマンドおよび/またはスキャンパラメータを指定することを可能にするキーボード(図示せず)またはタッチスクリーンを含むことができる。
【0031】
図2は、1つのオペレータコンソール220のみを示しているが、2つ以上のオペレータコンソールを撮像システム200に結合し、例えば、システムパラメータを入力もしくは出力すること、検査を要求すること、データをプロットすること、および/または画像を閲覧することができる。さらに、ある特定の実施形態では、撮像システム200は、例えば、施設もしくは病院内で、あるいはインターネットおよび/または仮想プライベートネットワーク、無線電話ネットワーク、無線ローカルエリアネットワーク、有線ローカルエリアネットワーク、無線広域ネットワーク、有線広域ネットワークなどの1つまたは複数の構成可能な有線および/または無線ネットワークを介して完全に異なる場所において、局所的にもしくは遠隔に位置する複数のディスプレイ、プリンタ、ワークステーション、および/または同様のデバイスに結合されてもよい。
【0032】
一実施形態では、例えば、撮像システム200は、画像保管通信システム(PACS)224を含むか、またはそれに結合される。例示的な実施態様では、PACS224は、放射線科情報システム、病院情報システム、および/または内部もしくは外部ネットワーク(図示せず)などの遠隔システムにさらに結合され、異なる場所にいるオペレータがコマンドおよびパラメータを供給すること、および/または画像データへのアクセスを得ることを可能にする。
【0033】
コンピューティングデバイス216は、オペレータ供給のおよび/またはシステム定義のコマンドおよびパラメータを使用してテーブルモータコントローラ226を動作させ、テーブルモータコントローラ226は、電動テーブルであり得るテーブル114を制御することができる。具体的には、テーブルモータコントローラ226は、対象204のターゲットボリュームに対応する投影データを取得するために、ガントリ102内で対象204を適切に位置決めするためにテーブル114を移動させることができる。
【0034】
前述のように、DAS214は、検出器素子202によって取得された投影データをサンプリングしてデジタル化する。その後、画像再構成器230が、サンプリングされデジタル化されたX線データ使用して高速再構成を実施する。図2は別個のエンティティとして画像再構成器230を示しているが、ある特定の実施形態では、画像再構成器230は、コンピューティングデバイス216の一部を形成してもよい。あるいは、画像再構成器230は、撮像システム200に存在しなくてもよく、代わりに、コンピューティングデバイス216が、画像再構成器230の1つまたは複数の機能を実施してもよい。さらに、画像再構成器230は、局所的にまたは遠隔に位置してもよく、有線または無線ネットワークを使用して撮像システム200に動作可能に接続されてもよい。特に、1つの例示的な実施形態は、画像再構成器230のための「クラウド」ネットワーククラスタ内の計算資源を使用することができる。
【0035】
一実施形態では、画像再構成器230は、再構成された画像をストレージデバイス218に格納する。あるいは、画像再構成器230は、診断および評価のための有用な患者情報を生成するために、再構成された画像をコンピューティングデバイス216に送信することができる。ある特定の実施形態では、コンピューティングデバイス216は、再構成された画像および/または患者情報を、コンピューティングデバイス216および/または画像再構成器230に通信可能に接続されたディスプレイまたはディスプレイデバイス232に送信することができる。いくつかの実施形態では、再構成された画像は、短期または長期の格納のために、コンピューティングデバイス216または画像再構成器230からストレージデバイス218に送信することができる。
【0036】
CTシステムが例として説明されているが、本技術は、X線撮像システム、磁気共鳴撮像(MRI)システム、核医学撮像システム、陽電子放出断層撮影(PET)撮像システム、単一光子放出コンピュータ断層撮影(SPECT)撮像システム、超音波撮像システム、およびそれらの組み合わせ(例えば、PET/CTまたはPET/MR撮像システムなどのマルチモダリティ撮像システム)などの他の撮像モダリティにも使用することができることを理解されたい。CT撮像モダリティに関する本説明は、1つの適切な撮像モダリティの一例としてのみ提供される。
【0037】
調整可能なヘッドホルダは、傾斜ガントリを有さないCT撮像システムで使用される。目的は、所望の傾斜角度でヘッドをサポートすることである。
【0038】
テーブルを有する撮像システムと共に使用するための調整可能なヘッドホルダであって、調整可能なヘッドホルダは、複数の異なる角度でヘッドを確実に位置決めする傾斜調整機構を有する。新規性は、患者が頭をヘッドクレードルから持ち上げた場合、位置からずれることなくヘッドホルダを確実に位置決めするために、傾斜調整バーの一端にしっかりと係合する複数の異なるノッチを有するポジティブロック機構を有する傾斜調整機構である。
【0039】
ロック可能な調整(例えば、傾斜)機構は、ばね式歯(spring loaded tooth)と、ラチェット調整機構とを備える。新規性は、ポジティブロック機構であり、これは、患者が頭を持ち上げた場合、ヘッドホルダは撮像システムのオペレータまたは撮像技術者によって設定された所望の傾斜角度とは異なる傾斜角度に位置がずれて移動しないことを意味する。
【0040】
調整可能なヘッドホルダは、ヘッドクレードルと、テーブルの開口部に結合するテーブルアタッチメントと、その一端でヘッドクレードルの下部に取り付けられた傾斜調整機構と、テーブルアタッチメントを傾斜調整機構に接続する傾斜調整バーと、ヘッドクレードルをテーブルアタッチメントに接続するヒンジとを含む。
【0041】
ポジティブロック機構を形成する傾斜調整機構および傾斜調整バー。
【0042】
ヒンジは、炭素繊維製のヘッドクレードルをテーブルアタッチメントに接続する可撓性材料で構成される。可撓性材料は、炭素繊維、熱可塑性プラスチック、プラスチック、ゴム、または他の可撓性ポリマーなどであり得る。ヒンジは、材料の減衰を低くし、ねじり剛性を高め、調整可能なヘッドホルダの必要な可動範囲を提供する。
【0043】
傾斜調整バーは、テーブルアタッチメントを傾斜調整機構に接続する。傾斜調整バーはまた、炭素繊維で作製することができる。調整可能なヘッドホルダは、複合留め具で傾斜調整機構に取り付けられる。
【0044】
傾斜調整機構は、複数の個別の角度(水平から0、10、20、30度など)にわたって患者の頭を傾斜させることを可能にするばね式歯およびラチェットアセンブリなどの付勢アセンブリを含み得る。傾斜調整機構は、炭素繊維または射出成形プラスチックで作製されてもよい。傾斜調整機構は、ばね式アクチュエータを含む。ばね式アクチュエータを圧縮することにより、傾斜調整バーを所望の傾斜角度でラチェット開口部に延ばすことが可能である。ポジティブロック機構は、撮像技術者またはオペレータによって一度設定されると、傾斜角度が調整されるのを防止する。傾斜調整機構は、0度の傾斜角度を含み、したがって調整可能なヘッドホルダが0度の傾斜角度の静止ヘッドホルダと複数の傾斜角度の調整可能なヘッドホルダの両方として機能するため、追加の静止ヘッドホルダは必要ない。
【0045】
調整可能なヘッドホルダのすべての構成要素は、非金属の低減衰材料で作製され、視野内での画像アーチファクトの発生を最小限に抑える。
【0046】
ここで図3Aおよび図3Bに目を向けると、調整可能なヘッドホルダ300の第1の実施形態が示されている。上述のように、図1の対象112などのユーザは、調整可能なヘッドホルダ300上に頭を位置決めし、撮像のために頭の所望の傾斜角度を維持することができる。CT撮像システム100は、調整可能なヘッドホルダ300の1つの例示的な使用法を単に表している。したがって、調整可能なヘッドホルダ300は、図1のヘッドホルダ116の非限定的な例であり得る。
【0047】
3つの軸、すなわち、水平方向に平行なx軸、垂直方向に平行なy軸、ならびにx軸およびy軸の各々に直交するz軸を含む座標系390が示されている。調整可能なヘッドホルダ300は、x-z平面にある中心軸399を含む。
【0048】
調整可能なヘッドホルダ300は、患者の頭を受け入れることができるヘッドクレードル302を備える。ヘッドクレードル302は、第1の側面306および第2の側面308がそこから延びる本体304を備え得る。本体304は、患者の頭が載ることができる実質的に平面の表面を備える。第1の側面306および第2の側面308は、本体304の両方の縁部から延びることができ、側面は、縁部で湾曲し、それらが上方に延びるにつれて平坦になる。第1の側面306および第2の側面308は、患者が調整可能なヘッドホルダ300から頭を離すのをブロックする境界として機能することができる。
【0049】
テーブルアタッチメント310が、ヒンジ330を介してヘッドクレードル302の第1の端部392に結合され得る。一例では、テーブルアタッチメント310は、炭素繊維を含み、図9に示されるテーブルマウントに挿入することができる。ヘッドクレードル302はまた、炭素繊維を含み得る。一例では、ヘッドクレードル302およびテーブルアタッチメント310に物理的に結合されているヒンジ330は、ゴムなどの異なる材料を含む。より具体的には、テーブルアタッチメント310の第1の延長部322は、ヘッドクレードル302に向かって角度的に上方に延びることができ、ヒンジ330は、ヘッドクレードル302およびテーブルアタッチメント310の各々に物理的に結合される。クローズアップ380は、第1の延長部322およびヘッドクレードル302とインターフェースするヒンジ330の断面図を示している。ヒンジ330は、ヘッドクレードル302の部分と第1の延長部322との間に挟まれてもよい。より具体的には、ヒンジ330は、ヘッドクレードル302の部分および第1の延長部322によって部分的に囲まれ得る。ヒンジ330の一部は、ヘッドクレードル302と第1の延長部322との間に配置されたギャップ332を通して露出され得る。ギャップ332は、ヘッドクレードル302および第1の延長部322に物理的に結合されたままで、ヒンジ330が屈曲する(例えば、曲がる)ことを可能にし得る。図示のように、ヒンジ330は、ギャップ332を通して見ることができる。ヒンジ330の材料は、ヒンジ330が屈曲することを可能にし得、その材料はゴムまたは別の可撓性材料である。一例では、ヘッドクレードル302およびテーブルアタッチメント310は、炭素繊維のために可撓性ではなく(例えば、剛性)、ヒンジ330の屈曲がテーブルアタッチメント310に対するヘッドクレードル302の配向の調整を行う場所をさらに含む。一例では、患者(例えば、図1の対象112)が配置され得るテーブルにテーブルアタッチメント310が物理的に結合されているため、ヒンジ330が屈曲するときにヘッドクレードル302のみが移動する。一例では、テーブルアタッチメント310は、患者の首が載ることができるテーブルの部分(例えば、首部分382)に物理的に結合される。
【0050】
ヒンジ330の第1の実施形態340および第2の実施形態350は、図3Bの例に示されている。第1の実施形態340は、上面342および下面344を有する実質的に長方形の形状を備える。上面342の幅と長さは、下面344の幅と長さの両方よりも小さくてもよい。したがって、第1の実施形態340の側表面346は、下面から上面に延びるときに角度を付ける(例えば、先細になる)ことができる。第1の実施形態340は、第1の実施形態340が屈曲することができるくぼみ348をさらに備える。くぼみ348は、ギャップ332を通して露出されたヒンジ330の場所に対応し得る。くぼみ348は、第1の実施形態340の第1の半体340Aと第2の半体340Bとの間の中央(例えば、中心)に配置され得、その半体は、形状およびサイズが同一である。
【0051】
第2の実施形態350はまた、くぼみ358および/またはジョイント/屈曲部を中心に離間された第1の半体350Aおよび第2の半体350Bを備える。第2の実施形態350は、第2の実施形態をヘッドクレードル302に物理的に結合するために1つまたは複数の留め具を挿入することができる第1の複数の開口部352を備える。第2の半体350Bは、第2の実施形態をテーブルアタッチメント310に物理的に結合するために留め具を挿入することができる第2の複数の開口部354を備えることができる。
【0052】
第1の延長部322を備えるテーブルアタッチメント310は、第2の延長部324をさらに備え得、両方の延長部は、テーブルマウントを介して受け入れられたテーブルアタッチメント310の部分から離れて延びる。第2の延長部324は、傾斜調整バー360に結合することができる。第2の延長部324と傾斜調整バー360との間の結合部は動的であり得、結合部は、結合部を解くことなく傾斜調整バー360が第2の延長部324に対して移動することを可能にする。一例では、結合部は、以下でより詳細に望まれるように、回転式ボールタイプのジョイントである。
【0053】
本明細書では互換的にチルトバーと呼ばれ得る傾斜調整バー360は、第1の端部で回転式ボールタイプのジョイントに結合され、第2の端部でロック機構370に結合され、第2の端部は、第1の端部の反対側にある。バー360は、実質的に長方形の形状を備え、第1の端部は、回転式ボールタイプのジョイントと係合するように構成された輪郭のある表面を備え得る。第2の端部は、ロック機構370と係合することができるスロット362を備え得、これにより傾斜調整バー360は、以下でより詳細に説明するように、ロック機構370から取り外されることなくロック機構370内で作動することが可能である。
【0054】
したがって、図3Aおよび図3Bの例では、ロック機構370は、ヘッドホルダ302の真下に配置される。したがって、撮像が行われているとき、患者の頭はロック機構370の真上に位置決めされ得る。ロック機構370の位置決めは、オペレータがテーブルのいずれかの側からヘッドホルダ302を容易に調整することを可能にし得る。患者の首の領域の下に回転式ジョイントを位置決めすることによって撮像範囲に入る複雑な部分を回避することができ、これにより画質が向上し、存在する場合は画像アーチファクトを少なくし得る。
【0055】
ここで図4A図4B図4C図4D、および4図Eに目を向けると、ロック機構370の一実施形態400が示されている。したがって、以前に紹介された構成要素は、この図および後続の図で同様に番号が付けられ得る。傾斜調整バー360は、開口部402を通って、ロック機構370の内部スペース404に延びる。傾斜調整バー360は、スロット362を介して成形されたロッド410として成形された第1の先端を備える。ロッド410は、球形の形状を備え得、ロッド410は、ロック機構370の1つまたは複数の凹部420と係合するように構成される。1つまたは複数の凹部420の各凹部は、ヘッドホルダ(例えば、図3Aのヘッドホルダ302)の異なる位置に対応し得る。
【0056】
1つまたは複数の凹部の各々は、ロッド410が異なる凹部と係合するときにヘッドホルダの調整が一貫し得るように、等間隔に配置され得る。例えば、第1の凹部から第1の凹部に直接隣接する第2の凹部にロッド410を作動させると、第1の大きさに等しいヘッドホルダの位置調整が行われ得る。第2の凹部から第2の凹部に直接隣接する第3の凹部にロッド410を作動させると、同じく第2の大きさに等しいヘッドホルダの位置調整が行われ得る。したがって、ロッド410を調整して第1の凹部から第3の凹部と係合するようにすると、第1の大きさの2倍の位置調整が行われる。本開示のいくつかの例では、隣接する凹部間の位置調整が均一ではない(例えば、等しくない)場合があることが理解されよう。
【0057】
図4Aおよび図4Bの例では、正確には3つの凹部が存在する。しかし、本開示の範囲から逸脱することなく、3つより多いまたは少ない数の凹部があり得ることが理解されよう。さらに、追加的または代替的に、構成要素は、凹部の位置がより望ましい位置に微調節され得るように、凹部の各々の中に配置され得る。一例では、構成要素は、第1のロッドを別の凹部に移動するよりも小さい大きさで傾斜角度を調整するために、凹部内の第1のロッド410の位置を調整することができる突起などであり得る。例えば、凹部が15度のヘッドホルダ位置をもたらす場合、ヘッドホルダ位置の角度が調整されるように、構成要素を作動させて凹部内のロッド410の位置決めを作動させることができる。一例では、構成要素は、ヘッドホルダ位置の角度を±5度調整するように構成され得る。
【0058】
複数の凹部420の各凹部は、U字形の断面を備え得、断面は、x-y平面に沿って取られる。複数の凹部420の各凹部の幅は、ロッド410がそこから落下することなく凹部に挿入され得るように、ロッド410の直径よりも対応して大きくすることができる。すなわち、円筒形状を備えるロッド410は、ロッド410が凹部に挿入されたときにx方向に最小限にしか移動することができないように、各凹部の幅よりも対応して小さい直径を備え得る。
【0059】
ロック機構370は、スイッチ440をさらに備え得る。スイッチ440は、y方向に沿って作動させることができる。一例では、スイッチ440は、オペレータを介してばね460の力に逆らってy方向に沿って作動され、ロッド410が凹部から離され、別の凹部に移動することを可能にする。オペレータによって加えられた力がばね460の力を超えない場合、スイッチ450は作動され得ず、ロッド410は所定の位置にロックされたままであり、凹部と係合し得る。したがって、オペレータまたは患者を介したヘッドホルダの望ましくない(例えば、偶発的な)調整は、ブロックすることができる。ばねは、コイルばね、板ばね、または他の弾性付勢要素であり得る。
【0060】
複数の凹部420および第1のロッド410は、少なくとも1つのばね460とスイッチ440との間に配置される。このようにロック機構370を構成することによって、ロック機構370のパッケージサイズおよび複雑さを低減することができる。
【0061】
図4Fに目を向けると、回転式ボールジョイント480の一実施形態が示されている。上述のように、回転式ボールジョイント480は、傾斜調整バー360の第2の端部と第2の延長部324との間のインターフェースに配置される。第2の端部は、傾斜調整バー360の第1の端部の反対側にあり、第1の端部は、傾斜調整バー360のロッド410に対応する。
【0062】
一例では、ロッド410は、第1のロッド410であり、傾斜調整バー360は、第2のロッド482をさらに備える。第2のロッド482は、サイズが第1のロッド410と異なるか等しい場合がある。ただし、両方のロッドは、円筒形状を備え得る。第2のロッド482は、第2の延長部324のジョイント484と係合することができる。ジョイント484は、第2のロッド482の大部分(例えば、円周の60%を超える)を囲み、それによって第2のロッド482がx軸およびy軸に沿ってジョイント484から取り外されるのをブロックし得る。しかし、第2のロッド482は、z軸に沿ってスライドすることによってジョイント484から取り外されてもよい。z軸に沿った第2のロッド482の動きは、ロック機構370内の第1のロッド410の調整に対応しないことが理解されよう。さらに、第1のロッド410はロック機構370の内部スペース内に収容され、したがってz軸に沿ったその移動は、ゼロに小さくなり得る。このようにして、ジョイント484から第2のロッド482を取り外すことは、本開示のある程度の分解を必要とし得、ヘッドホルダの調整中には起こり得ない。
【0063】
第2のロッド482は、ジョイント484内で作動させることができる。一例では、第2のロッド482は、ロック機構370の内部スペース404内の第1のロッド410の移動に基づいて、方向486に沿ってジョイント484内で旋回することができる。第1のロッド410が複数の凹部420の凹部に挿入されると、第2のロッド482は、ジョイント484内で旋回することをブロックされ得る。第1のロッド410の移動、スイッチ450、およびヘッドホルダの位置は、以下でより詳細に説明される。
【0064】
ここで図5A図5B、および図5Cに目を向けると、それぞれヘッドホルダ302の第1の位置500、第2の位置525、および第3の位置550が示されている。図5A図5B、および図5Cは、ロック機構370内の第1のロッド410の位置をさらに示している。
【0065】
第1の位置500において、ヘッドホルダ302は、ゼロ度の角度を含み得る。したがって、ヘッドホルダ302は、テーブルアタッチメント310が物理的に結合されるテーブルと一列に並んでいてもよい。これを行うことによって、患者の頭は、脊椎と相対的に一致し得る。第1の位置では、第1のロッド410は、複数の凹部420の第1の凹部420Aと係合される。第1の凹部420Aは、テーブルアタッチメント310から最も離れた凹部であり得る。
【0066】
第2の位置525において、ヘッドホルダ302は、ゼロよりも大きい角度330を含み得る。一例では、角度330は、5度よりも大きく、50度未満である。いくつかの例では、追加的または代替的に、角度330は、10~30度である。いくつかの例では、角度330は、10~20度である。一例では、角度330は、正確に15度に等しい。
【0067】
ヘッドホルダ302は、スイッチ450を押し、第1の凹部420Aから第2の凹部420Bに第1のロッド410を作動させることによって、第1の位置500から第2の位置525に調整することができる。これを行うことによって、患者の頭の傾きは、第1の位置500に対して増加し得る。これは、歯科用ワークなどによって発生する可能性のある様々なアーチファクトを回避するために、撮像中に望ましい場合がある。
【0068】
第3の位置550において、ヘッドホルダ302は、ゼロよりも大きく、角度330よりも大きい角度352を含み得る。一例では、角度352は、15~50度である。いくつかの例では、追加的または代替的に、角度352は、20~40度である。いくつかの例では、追加的または代替的に、角度352は、25~35度である。一例では、角度352は、30度である。
【0069】
ヘッドホルダ302は、スイッチ450を押し、第1のロッド410を第3の凹部420Cに挿入することによって、第1の位置500または第2の位置525から第3の位置550に調整することができる。これを行うことによって、患者の頭の傾きは、第1および第2の位置500、525の各々に対して増加し得る。角度330および352の1つは、アーチファクトが最も少ない患者の頭の撮像に基づいて選択することができる。
【0070】
ここで図6A図6B、および図6Cに目を向けると、第1の位置500から第2の位置525への遷移600が示されている。より具体的には、図6Aは、第1の位置を示し、図6Bは、第1の位置500と第2の位置525との間の遷移位置625を示し、図6Cは、第2の位置525を示している。
【0071】
第1の位置500から第2の位置525にヘッドホルダを調整するために、スイッチ450が第1の方向602に押される。一例では、第1の方向602は、重力と反対の上方方向である。一例では、スイッチ450は、少なくとも1つのばね460の閾値力よりも大きい力で、押し力を介して移動される。押し力が閾値力以上である場合、次に少なくとも1つのばね460が圧縮され、ロック機構370が遷移位置625に移動する。
【0072】
遷移位置625は、スイッチ450のピン652を示している。ピン652は、少なくとも1つのばね460の圧縮によるスイッチ450の上側部分の変位のために露出している。少なくとも1つのばね460が圧縮されると、スイッチ450は、ロック機構370のより多くの量の内部スペースを占める。さらに、複数の凹部420は、少なくとも1つのばね460内に上方に押され、それによって第1のロッド410を解放する。
【0073】
第1のロッド410は、ロック機構370の内部スペース内で作動させることができる。図6Cの例では、第1のロッド410は、第2の凹部420Bに向かって作動され、第2の凹部420Bに挿入される。したがって、第2の位置525は、図6Cにおいて選択される。第1のロッド410が複数の凹部420の所望の凹部に挿入されると、スイッチ450は解放され得、スイッチ450は、第1の方向602とは反対の第2の方向604に押し出される。第1の方向602への力のために以前に圧縮された少なくとも1つのばね460は、今度は拡張し、スイッチ450をロック機構の内部スペースから部分的に押し出すことができる。これを行うことによって、少なくとも1つのばね460は、ここではより多くの量の内部スペースを占めることができ、第1のピン410は、凹部から移動するためのより少ない内部スペースを含むことができる。このようにして、第1のピン410は、所定の位置にロックされる。ピン652は、図6Cの実施形態において、スイッチ450の上側部分とピン652の下向きの係合を示すために依然として明らかにされている。
【0074】
ここで図6Dに目を向けると、ロック機構370の外面652の一実施形態650が示されている。外面652は、ロック機構370が完全に組み立てられているときのロック機構370の可視面である。外面652は、複数のシースルー穴654を備え、それを通して、オペレータは第1のロッド410がどの凹部420と係合しているかを目で見ることができる。いくつかの例では、追加的または代替的に、複数のシースルー穴654は、突起、凹部、隆起、インゴットなどの1つまたは複数のマーキングを備え得る。したがって、オペレータは、ヘッドホルダがどの位置に位置決めされているかを感触または視覚で確認することができる。
【0075】
ここで図7Aに目を向けると、図3Aおよび図3Bのロック機構370のためのハウジングの一例であり得る、ロック機構ハウジング700の断面が示されている。ロック機構ハウジング700は、上側面704と下面706との間に配置された棚702を備える。下面706は、構成要素(例えば、スイッチのアーム)を通して配置することができる複数の開口部708を備える。図示のように、棚702は、棚702がロック機構ハウジングの内部スペースの中央部分内に配置されるように、上面704および下面706の各々から離間され得る。
【0076】
図7Bに進むと、位置決めデバイス710がロック機構ハウジング700に挿入され、位置決めデバイス710のリム712は、棚702の真上に配置される。したがって、リム712は、棚702上に載ることができ、それによって位置決めデバイス710の最低位置を設定する。図示のように、位置決めデバイス710は、複数の凹部420を備え得、リム712の幅は、複数の凹部420を備える位置決めデバイス710の部分の幅よりも大きい。
【0077】
図7Cに進むと、第1のロッド410を備える傾斜調整バー360の第1の端部は、位置決めデバイス710の下のロック機構ハウジング700の一部に挿入される。したがって、第1のロッド410は、位置決めデバイス710と下面706との間に配置される。本明細書では、棚702と下面706との間のロック機構ハウジング700の内部部分は、下側内部部分792と呼ばれる。棚702と上側面704との間のロック機構ハウジング700の内部部分は、上側内部部分794と呼ばれる。
【0078】
図7Dに進むと、スイッチ450は、ロック機構ハウジング700の下面706に配置された複数の開口部708を介して下側内部部分792に挿入される。スイッチ450は、アーム750を備える。第1のアーム752がスロット362を通って延びることができ、第2のアーム754はそのように延びることができない。したがって、第1のロッド410は、第1のアーム752と第2のアーム754との間に位置決めされ得る。第1のアーム752および第2のアーム754は、位置決めデバイス710の両端に接触することができる。
【0079】
図7Eに進むと、少なくとも1つのばね460が、ロック機構ハウジング700の上側内部部分に挿入される。したがって、スイッチ450がロック機構ハウジング700に向かって押されると、ばね460が圧縮され得、上側内部部分494のサイズが減少し得、下側内部部分492のサイズが増加し得る。これにより、第1のピン410が第1の凹部から移動し、第2の凹部に挿入することが可能になり得る。一例では、少なくとも1つのばね460は、板ばねである。
【0080】
図7Fに進むと、固定ストッパ760がスロット362を通して配置され、上側面704に物理的に結合され得る。これを行うことによって、ロック機構ハウジング700の内部スペース内の構成要素をブロックすることができる。
【0081】
図示のように、示される構造は、複数の個別のロック位置を提供し、頭部保持装置と係合したときのユーザの頭の傾斜角度の可変調整を可能にする。
【0082】
ここで図8に目を向けると、調整可能なヘッドホルダ800の第2の実施形態が示されている。調整可能なヘッドホルダ300の第1の実施形態の構成要素と同一の調整可能なヘッドホルダ800の第2の実施形態の構成要素は、この図および後続の図で同様に番号が付けられ、簡潔さの理由で再度紹介されない。調整可能なヘッドホルダ800の第2の実施形態は、図1の調整可能なヘッドホルダ116の非限定的な例であることが理解されよう。
【0083】
調整可能なヘッドホルダ800の第2の実施形態は、傾斜調整バー810と、テーブルマウントロックおよび解放機構820と、チルトバー860と、ロック機構870とを備えるという点で、調整可能なヘッドホルダ300の第1の実施形態と区別することができる。
【0084】
一例では、調整可能なヘッドホルダ800の第2の実施形態は、テーブルを有する撮像システムと共に使用するように構成される。調整可能なヘッドホルダ800は、複数の異なる角度で頭を確実に位置決めする傾斜調整機構870を備える。傾斜調整機構870である1つの利点は、患者が頭をヘッドクレードルから持ち上げた場合、位置からずれることなくヘッドホルダ302を確実に位置決めするために、傾斜調整バー860の一端にしっかりと係合する複数の異なるノッチを有するポジティブロック機構を備える。
【0085】
調整可能なヘッドホルダ800は、ヘッドクレードル302と、テーブル(図9に示す)の開口部に結合するテーブルアタッチメント310と、テーブルアタッチメント310の反対側のその一端でヘッドクレードル302の下部に取り付けられた傾斜調整機構870と、テーブルアタッチメント310を傾斜調整機構870に接続する傾斜調整バー860と、ヘッドクレードル302をテーブルアタッチメント310に接続するヒンジ830とを含む。
【0086】
傾斜調整機構870は、例えば図10にさらに示すように、それらの間に歯開口部879を有する複数の歯877を含み得るばね式歯アセンブリ880を備える。ばね式歯アセンブリ880はまた、ラチェット調整機構を含み得る。ばね式歯のポジティブロック機構は、患者が頭を持ち上げた場合、ヘッドホルダが撮像システムのオペレータまたは撮像技術者によって設定された所望の傾斜角度とは異なる傾斜角度に位置がずれて移動しないように機能し得る。したがって、ばね式歯は、傾斜調整バー860をヘッドクレードル302に向かって上方方向に押し付けることができる。このポジティブロック機構のさらなる利点は、ヘッドクレードル302の重量がばね式歯の反対の力を介して減少するので、オペレータが片手だけでヘッドクレードルの位置を調整することを可能にし得る。
【0087】
傾斜調整機構870および傾斜調整バーは、ポジティブロック機構を形成する。例えば、歯877およびスペース879は、ロッドを所定の位置に保持する力で傾斜調整バーロッド864を保持するように成形される。例えば、スペースと歯の角度の付いた表面は、ユーザの頭を載せたときと下ろしたときにバーを所定の位置に保持するのを容易にする。例えば、角度の付いた表面892は、図10の想像線に示され、例示的な角度を示している。
【0088】
ヒンジ830は、炭素繊維製のヘッドクレードル302をテーブルアタッチメント310に接続する可撓性材料で構成される。可撓性材料は、炭素繊維、熱可塑性プラスチック、プラスチック、ゴム、または他の可撓性ポリマーなどであり得る。ヒンジ830は、材料の減衰を低くし、ねじり剛性を高め、調整可能なヘッドホルダの必要な可動範囲を提供する。
【0089】
傾斜調整バー860は、テーブルアタッチメント310を傾斜調整機構870に接続する。傾斜調整バーはまた、炭素繊維で作製することができる。調整可能なヘッドホルダ800は、一例では、複合留め具で傾斜調整機構870に取り付けられる。
【0090】
傾斜調整機構870は、複数の個別の角度(x軸に平行な水平から0、10、20、30度など)にわたって患者の頭を傾斜させることを可能にするばね式歯およびラチェットアセンブリ876を含む。傾斜調整機構870は、炭素繊維または射出成形プラスチックで作製されてもよい。傾斜調整機構は、ばね式アクチュエータを含む。ばね式アクチュエータを圧縮することにより、傾斜調整バーを所望の傾斜角度でラチェット開口部に延ばすことが可能である。ポジティブロック機構は、撮像技術者またはオペレータによって一度設定されると、傾斜角度が調整されるのを防止する。傾斜調整機構は、0度の傾斜角度を含み、したがって調整可能なヘッドホルダが0度の傾斜角度の静止ヘッドホルダと複数の傾斜角度の調整可能なヘッドホルダの両方として機能するため、追加の静止ヘッドホルダは必要ない。
【0091】
図10に示す例などの例では、ばね式歯アセンブリは、一体型板ばね882を有し得、第1の端部がバー860の上部に一体的に結合されて下向きに延び、開口部874の一部を形成する下壁884の上面と係合する。一例では、一体型板ばねは、バー860の内側領域に位置決めされ、下向きに延び、付勢により接触点886で下壁884の上面に滑り込むように係合する。
【0092】
傾斜調整機構870は、テーブルマウント310に面する第1の開口部872を備える。第1の開口部872は、傾斜調整バー860が傾斜調整機構870の内部スペースに入ることを可能にする。傾斜調整機構は、z軸に平行な方向に面する第2の開口部874をさらに備える。一例では、第2の開口部874は、ユーザが調整可能なヘッドホルダ800の正確な位置を目で見ることができるように、視界窓として機能することができる。
【0093】
傾斜調整バー860は、調整可能なヘッドホルダ800の位置をロックすることができるように、ラチェットシステム876と係合することができる特徴を備える。傾斜調整機構870は、図10に関してより詳細に示されている。
【0094】
ここで図9に目を向けると、テーブル900が示されている。テーブル900は、それぞれ図3Aまたは図8の調整可能なヘッドホルダ300または800の第1または第2の実施形態のテーブルマウント310を受け入れるように構成された開口部922を備える。テーブルは、下面914の反対側の上面912を備える。開口部922は、上面912と下面914との間に直接配置される。テーブル900は、第1の角度の付いた表面916と、第2の角度の付いた表面918とをさらに備える。このように、テーブル900は台形形状を備え得るが、テーブル900は、本開示の範囲から逸脱することなく、長方形、正方形などの他の形状を備えてもよいことが理解されよう。
【0095】
ここで図10に目を向けると、傾斜調整機構870の詳細図1000、および傾斜調整機構870と係合する傾斜調整バー860の先端が示されている。一例では、先端は、第1の先端であり、傾斜調整バー860の第2の先端は、図8のテーブルマウント310の近位にある。傾斜調整バー860は、レバー862と、ロッド864とを備える。傾斜調整バー860は、同じく第1のロッドおよび第2のロッドを備え、第1のロッドが傾斜調整機構と係合し、第2のロッドがボールジョイントと係合するという点で、図3Aの傾斜調整バー360と同様であり得る。より具体的には、第1のロッドは、ラチェットシステムの複数の歯の1つと係合することができ、各歯は、調整可能なヘッドホルダの水平軸に対して異なる傾斜角度に対応する。レバー862は、調整可能なヘッドホルダ300のプロファイルを越えて、傾斜調整機構870の第3の開口部878を通って突出する。別の言い方をすれば、ヘッドクレードル302の最も水平な部分から延びる垂直軸1099は、レバー862がヘッドクレードル302よりも水平方向にさらに延びるようにレバー862と交差する。このようにして、撮像技術者などのユーザは、レバー862を容易に目で見て接触させることができるままである一方で、患者が調整可能なヘッドホルダ300上に頭を載置するのを支援することができる。
【0096】
図示のように、レバー862は、一連のうねりを含むリブを備え、したがってレバー862の表面は滑らかではない。このようにして、ユーザは、ユーザが患者のニーズを満たしている間、または別のタスクを実施している間に手でレバー862との接触を確認することができる。追加的または代替的に、レバー862は、リブに加えて、またはリブの代わりに他のマーキングを備えてもよい。レバー862は、感覚的なフィードバックをユーザに提供するために、ドット、エッチング、および他のインゴットを備え得る。
【0097】
ここで図11に目を向けると、調整可能なヘッドホルダ800の第2の実施形態に組み込まれたヒンジ330の第1の実施形態340の詳細図1100が示されている。延長アーム1130が、テーブルマウント(例えば、図8のテーブルマウント310)からヘッドクレードル302に向かって延びる。ヒンジ330は、ヘッドクレードル302および延長アーム1130の下面と面共有接触している。一例では、延長アーム1130は、調整可能なヘッドホルダ800の俯瞰図においてヒンジ330の大部分を隠すように成形される。上述のように、ヒンジ330は、ヘッドクレードル302がユーザによって移動され、調整可能なチルトバー860がラチェットシステム876とのロック位置にないときに旋回するように構成され得る。
【0098】
ここで図12に目を向けると、図9のテーブル900などのテーブル上に取り付けられた調整可能なヘッドホルダ800の横方向図1200が示されている。より具体的には、テーブルマウントロックおよび解放機構820は、テーブルの下面914に対して押された突起1210を備える。突起1210の力は、テーブルからの調整可能なヘッドホルダ800の不注意な分離をブロックすることができる。すなわち、調整可能なヘッドホルダ800は、タブ1212が作動されるまでテーブルに固定的に取り付けられ得、その結果、矢印1214によって示されるように、下面914から離れる方向に突起1210が作動される。突起1210が下面914に対して押されていないとき、調整可能なヘッドホルダ800は、テーブルから分離させる(例えば、取り外す)ことができる。したがって、テーブルマウントロックおよび解放機構820は、テーブルから調整可能なヘッドホルダ800を迅速に解放することを可能にし得、それにより次の患者のために異なる調整可能なヘッドホルダを取り付けることができる。
【0099】
一態様では、ヘッドホルダは、スイッチを備えるロック機構を介して調整することができる。ロック機構とスイッチの組み合わせにより、患者の頭を迅速、正確、かつ最適に位置決めすることが可能になり得る。ロック機構およびスイッチを使用することの技術的効果は、ターゲット領域の繰り返しスキャンを可能にする一方、患者によるヘッドホルダの調整を可能にすることなく、オペレータによるヘッドホルダの容易な調整を可能にすることである。これを行うことによって、医療撮像が強化され、患者の転帰を改善することができる。
【0100】
システムの一例は、撮像システムと共に使用するための調整可能なヘッドホルダを備え、調整可能なヘッドホルダは、ヘッドクレードルと、ヘッドクレードルの第1の端部の下に配置された複数のロック位置を有する傾斜調整機構と、ヘッドクレードルの第2の端部から延びるテーブルマウントと、テーブルマウントから傾斜調整機構を通って延びる傾斜調整バーとを備え、ヘッドクレードルの第1の端部および第2の端部は、ヘッドクレードルの両端に位置する。
【0101】
システムの第1の例は、傾斜調整バーが、傾斜調整機構の開口部を通って延びるレバーを含む場合をさらに含む。
【0102】
システムの第2の例は、任意選択で第1の例を含み、傾斜調整機構が、ばね式歯と、ラチェットシステムとを備える場合をさらに含む。
【0103】
システムの第3の例は、任意選択で前の例の1つまたは複数を含み、調整可能なヘッドホルダが、ヘッドクレードルの第2の端部とテーブルマウントから延びる延長アームとの間に結合されたヒンジをさらに備える場合をさらに含む。
【0104】
システムの第4の例は、任意選択で前の例の1つまたは複数を含み、撮像システムが、その一端にテーブルマウントを受け入れるように成形された開口部を有するテーブルを含む場合をさらに含む。
【0105】
システムの第5の例は、任意選択で前の例の1つまたは複数を含み、調整可能なヘッドホルダが、テーブルマウントに結合されたテーブルマウントロックおよび解放機構をさらに備える場合をさらに含む。
【0106】
システムの第6の例は、任意選択で前の例の1つまたは複数を含み、撮像システムが、コンピュータ断層撮影(CT)撮像システム、陽電子放出断層撮影(PET)撮像システム、単一光子放出CT(SPECT)撮像システム、または磁気共鳴撮像(MRI)システムの1つである場合をさらに含む。
【0107】
撮像システムと共に使用するための調整可能なヘッドホルダの一例であって、調整可能なヘッドホルダは、ヘッドクレードルと、ヘッドクレードルの第1の端部の下に位置決めされた傾斜調整機構と、ヘッドクレードルの第2の端部から延びるテーブルマウントとを備え、ヘッドクレードルは、ヘッドクレードルの第2の端部およびテーブルマウントの延長アームに結合されたヒンジを介して旋回するように構成され、ヘッドクレードルの第1の端部および第2の端部は、ヘッドクレードルの両端に位置する。
【0108】
調整可能なヘッドホルダの第1の例は、ヒンジが、可撓性材料を含む場合をさらに含む。
【0109】
調整可能なヘッドホルダの第2の例は、任意選択で第1の例を含み、可撓性材料が、炭素繊維、熱可塑性プラスチック、プラスチック、ゴム、およびポリマーの1つまたは複数を含む場合をさらに含む。
【0110】
調整可能なヘッドホルダの第3の例は、任意選択で前の例の1つまたは複数を含み、テーブルマウントが、撮像システムのテーブルの一端の開口部に挿入される場合をさらに含む。
【0111】
調整可能なヘッドホルダの第4の例は、任意選択で前の例の1つまたは複数を含み、テーブルマウントが、テーブルマウントロックおよび解放機構を備える場合をさらに含む。
【0112】
調整可能なヘッドホルダの第5の例は、任意選択で前の例の1つまたは複数を含み、傾斜調整機構が、テーブルマウントから延びる傾斜調整バーを受け入れ、傾斜調整バーは、傾斜調整機構のラチェットシステムと係合するように構成された第1のロッドと、回転式ボールジョイントとして構成されたジョイントに配置された第2のロッドとを備える場合をさらに含む。
【0113】
調整可能なヘッドホルダの第6の例は、任意選択で前の例の1つまたは複数を含み、第1のロッドが、傾斜調整バーの第1の端部に隣接して配置され、第2のロッドが、第1の端部の反対側の傾斜調整バーの第2の端部に配置され、第1の端部は、傾斜調整機構のラチェットシステムに出入りするように第1のロッドを作動させるように構成されたレバーである場合をさらに含む。
【0114】
調整可能なヘッドホルダの第7の例は、任意選択で前の例の1つまたは複数を含み、レバーが、傾斜調整機構の開口部を通って、水平方向にヘッドクレードルのプロファイルを越えて延びる場合をさらに含む。
【0115】
調整可能なヘッドホルダの第8の例は、任意選択で前の例の1つまたは複数を含み、調整可能なヘッドホルダが、水平方向に対して調整可能である場合をさらに含む。
【0116】
システムの一例は、調整可能なヘッドホルダと、第1の延長アームを介してヒンジの第1の半体に結合されたテーブルアタッチメントであって、調整可能なヘッドホルダは、ヒンジの第2の半体に結合され、テーブルアタッチメントおよび調整可能なヘッドホルダの各々は、ヒンジの屈曲可能な中心から離間されているテーブルアタッチメントと、傾斜調整バーであって、傾斜調整バーの第1の端部上のレバーに隣接する第1のロッドを備え、第1のロッドは、傾斜調整機構のラチェットシステムと係合するように構成され、傾斜調整バーは、傾斜調整バーの第2の端部に、テーブルアタッチメントの第2の延長部のジョイントと係合する第2のロッドをさらに備え、第2のロッドは、ジョイント内で旋回するように構成される傾斜調整バーとを備え、レバーは、調整可能なヘッドホルダのヘッドクレードルよりも水平軸に沿って延び、傾斜調整機構の開口部を通って突出する。
【0117】
システムの第1の例は、ラチェットシステムが、複数の異なる傾斜角度で傾斜調整バーの第1のロッドと係合する複数のばね式歯を含む場合をさらに含む。
【0118】
システムの第2の例は、任意選択で第1の例を含み、ばね式歯が、レバーが作動されないときにラチェットシステム内の傾斜調整バーの第1のロッドを保持するように構成される場合をさらに含む。
【0119】
システムの第3の例は、任意選択で前の例の1つまたは複数を含み、複数のばね式歯の各歯が、水平軸に対する調整可能なヘッドホルダの異なる傾斜角度に対応する場合をさらに含む。
【0120】
本明細書で使用する場合、単数形で列挙され、「1つの(a)」または「1つの(an)」という単語に続けられる要素またはステップは、除外することが明示的に述べられない限り、複数の前記要素またはステップを除外しないと理解されたい。さらに、本発明の「一実施形態」への言及は、列挙された特徴も組み込む追加の実施形態の存在を排除するものではない。また、明示的に反対の記載がない限り、特定の性質を有する要素または複数の要素を「備える(comprising)」、「含む(including)」、または「有する(having)」実施形態は、その性質を有さない追加のそのような要素を含むことができる。「含む(including)」および「そこにある(in which)」という用語は、それぞれの用語「備える(comprising)」および「そこで(wherein)」の平易な言葉での同等物として使用される。さらに、「第1の」、「第2の」、および「第3の」などの用語は、単にラベルとして使用され、それらの対象物に数値的要件または特定の位置的順序を課すことを意図しない。
【0121】
本明細書は、最良の態様を含む本発明を開示するため、およびどのような当業者も、任意のデバイスまたはシステムの作製および使用ならびに任意の組み込まれた方法の実施を含む本発明の実践を可能にするために、実施例を使用している。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が想到する他の実施例を含むことができる。そのような他の実施例は、特許請求の範囲の文言と異ならない構造要素を有する場合、または特許請求の範囲の文言と実質的な差のない等価の構造要素を含む場合、特許請求の範囲内にあることが意図されている。
【0122】
[実施態様1]
撮像システム(100、200)と共に使用するための調整可能なヘッドホルダ(300、800)であって、
ヘッドクレードル(302)と、
前記ヘッドクレードル(302)の第1の端部(392)の下に配置された複数のロック位置を有する傾斜調整機構(870)と、
前記ヘッドクレードル(302)の第2の端部から延びるテーブルマウント(310)と、
前記テーブルマウント(310)から前記傾斜調整機構(870)を通って延びる傾斜調整バー(360、810、860)と
を備える調整可能なヘッドホルダ(300、800)
を備え、
前記ヘッドクレードル(302)の前記第1の端部(392)および前記第2の端部は、前記ヘッドクレードル(302)の両端に位置する、
システム。
[実施態様2]
前記傾斜調整バー(360、810、860)は、前記傾斜調整機構(870)の開口部(878)を通って延びるレバー(862)を含む、実施態様1に記載のシステム。
[実施態様3]
前記傾斜調整機構(870)は、ばね式歯と、ラチェットシステム(876)とを備える、実施態様1に記載のシステム。
[実施態様4]
前記調整可能なヘッドホルダ(300、800)は、前記ヘッドクレードル(302)の前記第2の端部と前記テーブルマウント(310)から延びる延長アーム(1130)との間に結合されたヒンジ(330、830)をさらに備える、実施態様1に記載のシステム。
[実施態様5]
前記撮像システム(100、200)は、その一端に前記テーブルマウント(310)を受け入れるように成形された開口部(922)を有するテーブル(900)を含む、実施態様1に記載のシステム。
[実施態様6]
前記調整可能なヘッドホルダ(300、800)は、前記テーブルマウント(310)に結合されたテーブルマウントロックおよび解放機構(820)をさらに備える、実施態様1に記載のシステム。
[実施態様7]
前記撮像システム(100、200)は、コンピュータ断層撮影(CT)撮像システム、陽電子放出断層撮影(PET)撮像システム、単一光子放出CT(SPECT)撮像システム、または磁気共鳴撮像(MRI)システムの1つである、実施態様1に記載のシステム。
[実施態様8]
撮像システム(100、200)と共に使用するための調整可能なヘッドホルダ(300、800)であって、
ヘッドクレードル(302)と、
前記ヘッドクレードル(302)の第1の端部(392)の下に位置決めされた傾斜調整機構(870)と、
前記ヘッドクレードル(302)の第2の端部から延びるテーブルマウント(310)と
を備え、
前記ヘッドクレードル(302)は、前記ヘッドクレードル(302)の前記第2の端部および前記テーブルマウント(310)の延長アーム(1130)に結合されたヒンジ(330、830)を介して旋回するように構成され、
前記ヘッドクレードル(302)の前記第1の端部(392)および前記第2の端部は、前記ヘッドクレードル(302)の両端に位置する、
調整可能なヘッドホルダ(300、800)。
[実施態様9]
前記ヒンジ(330、830)は、可撓性材料を含む、実施態様8に記載の調整可能なヘッドホルダ(300、800)。
[実施態様10]
前記可撓性材料は、炭素繊維、熱可塑性プラスチック、プラスチック、ゴム、およびポリマーの1つまたは複数を含む、実施態様9に記載の調整可能なヘッドホルダ(300、800)。
[実施態様11]
前記テーブルマウント(310)は、前記撮像システム(100、200)のテーブル(900)の一端の開口部(922)に挿入される、実施態様8に記載の調整可能なヘッドホルダ(300、800)。
[実施態様12]
前記テーブルマウント(310)は、テーブルマウントロックおよび解放機構(820)を備える、実施態様8に記載の調整可能なヘッドホルダ(300、800)。
[実施態様13]
前記傾斜調整機構(870)は、前記テーブルマウント(310)から延びる傾斜調整バー(360、810、860)を受け入れ、前記傾斜調整バー(360、810、860)は、前記傾斜調整機構(870)のラチェットシステム(876)と係合するように構成された第1のロッド(410)と、回転式ボールジョイント(480)として構成されたジョイント(484)に配置された第2のロッド(482)とを備える、実施態様8に記載の調整可能なヘッドホルダ(300、800)。
[実施態様14]
前記第1のロッド(410)は、前記傾斜調整バー(360、810、860)の第1の端部に隣接して配置され、前記第2のロッド(482)は、前記第1の端部の反対側の前記傾斜調整バー(360、810、860)の第2の端部に配置され、前記第1の端部は、前記傾斜調整機構(870)のラチェットシステム(876)に出入りするように前記第1のロッド(410)を作動させるように構成されたレバー(862)である、実施態様13に記載の調整可能なヘッドホルダ(300、800)。
[実施態様15]
前記レバー(862)は、前記傾斜調整機構(870)の開口部(878)を通って、水平方向に前記ヘッドクレードル(302)のプロファイルを越えて延びる、実施態様14に記載の調整可能なヘッドホルダ(300、800)。
[実施態様16]
前記調整可能なヘッドホルダ(300、800)は、前記水平方向に対して調整可能である、実施態様15に記載の調整可能なヘッドホルダ(300、800)。
[実施態様17]
調整可能なヘッドホルダ(300、800)と、
第1の延長アーム(1130)を介してヒンジ(330、830)の第1の半体(340A、350A)に結合されたテーブルアタッチメント(310)であって、前記調整可能なヘッドホルダ(300、800)は、前記ヒンジ(330、830)の第2の半体(340B、350B)に結合され、前記テーブルアタッチメント(310)および前記調整可能なヘッドホルダ(300、800)の各々は、前記ヒンジ(330、830)の屈曲可能な中心から離間されているテーブルアタッチメント(310)と、
傾斜調整バー(360、810、860)であって、前記傾斜調整バー(360、810、860)の第1の端部上のレバー(862)に隣接する第1のロッド(410)を備え、前記第1のロッド(410)は、傾斜調整機構(870)のラチェットシステム(876)と係合するように構成され、前記傾斜調整バー(360、810、860)は、前記傾斜調整バー(360、810、860)の第2の端部に、前記テーブルアタッチメント(310)の第2の延長部(324)のジョイント(484)と係合する第2のロッド(482)をさらに備え、前記第2のロッド(482)は、前記ジョイント(484)内で旋回するように構成される傾斜調整バー(360、810、860)と
を備え、
前記レバー(862)は、前記調整可能なヘッドホルダ(300、800)のヘッドクレードル(302)よりも水平軸に沿って延び、前記傾斜調整機構(870)の開口部(878)を通って突出する、
システム。
[実施態様18]
前記ラチェットシステム(876)は、複数の異なる傾斜角度で前記傾斜調整バー(360、810、860)の前記第1のロッド(410)と係合する複数のばね式歯を含む、実施態様17に記載のシステム。
[実施態様19]
前記ばね式歯は、前記レバー(862)が作動されないときに前記ラチェットシステム(876)内の前記傾斜調整バー(360、810、860)の前記第1のロッド(410)を保持するように構成される、実施態様18に記載のシステム。
[実施態様20]
前記複数のばね式歯の各歯は、前記水平軸に対する前記調整可能なヘッドホルダ(300、800)の異なる傾斜角度に対応する、実施態様17に記載のシステム。
【符号の説明】
【0123】
100 コンピュータ断層撮影(CT)撮像システム
102 ガントリ
104 X線源
106 X線放射ビーム
108 検出器アレイ
110 画像プロセッサユニット
112 対象
114 テーブル
116 ヘッドホルダ
200 撮像システム
202 検出器素子
204 対象
206 回転中心
208 制御機構
210 X線コントローラ
212 ガントリモータコントローラ
214 データ取得システム(DAS)
216 コンピューティングデバイス
218 ストレージデバイス、大容量記憶装置
220 オペレータコンソール
224 画像保管通信システム(PACS)
226 テーブルモータコントローラ
230 画像再構成器
232 ディスプレイ、ディスプレイデバイス
300 調整可能なヘッドホルダ
302 ヘッドクレードル、ヘッドホルダ
304 本体
306 第1の側面
308 第2の側面
310 テーブルアタッチメント、テーブルマウント
322 第1の延長部
324 第2の延長部
330 ヒンジ、角度
332 ギャップ
340 第1の実施形態
340A 第1の半体
340B 第2の半体
342 上面
344 下面
346 側表面
348 くぼみ
350 第2の実施形態
350A 第1の半体
350B 第2の半体
352 第1の複数の開口部、角度
354 第2の複数の開口部
358 くぼみ
360 傾斜調整バー
362 スロット
370 ロック機構
380 クローズアップ
382 首部分
390 座標系
392 第1の端部
399 中心軸
400 一実施形態
402 開口部
404 内部スペース
410 ロッド、第1のロッド、第1のピン
420 複数の凹部
420A 第1の凹部
420B 第2の凹部
420C 第3の凹部
440 スイッチ
450 スイッチ
460 ばね
480 回転式ボールジョイント
482 第2のロッド
484 ジョイント
486 方向
492 下側内部部分
494 上側内部部分
500 第1の位置
525 第2の位置
550 第3の位置
600 遷移
602 第1の方向
604 第2の方向
625 遷移位置
650 一実施形態
652 ピン、外面
654 シースルー穴
700 ロック機構ハウジング
702 棚
704 上側面、上面
706 下面
708 開口部
710 位置決めデバイス
712 リム
750 アーム
752 第1のアーム
754 第2のアーム
760 固定ストッパ
792 下側内部部分
794 上側内部部分
800 調整可能なヘッドホルダ
810 傾斜調整バー
820 テーブルマウントロックおよび解放機構
830 ヒンジ
860 チルトバー、傾斜調整バー
862 レバー
864 傾斜調整バーロッド
870 ロック機構、傾斜調整機構
872 第1の開口部
874 第2の開口部
876 ラチェットアセンブリ、ラチェットシステム
877 歯
878 第3の開口部
879 歯開口部、スペース
880 ばね式歯アセンブリ
882 一体型板ばね
884 下壁
886 接触点
892 角度の付いた表面
900 テーブル
912 上面
914 下面
916 第1の角度の付いた表面
918 第2の角度の付いた表面
922 開口部
1000 詳細図
1099 垂直軸
1100 詳細図
1130 延長アーム
1200 横方向図
1210 突起
1212 タブ
1214 矢印
図1
図2
図3A
図3B
図4A-4F】
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A-7F】
図8
図9
図10
図11
図12