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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-04
(45)【発行日】2023-08-15
(54)【発明の名称】容器のための蓋
(51)【国際特許分類】
   B65D 41/34 20060101AFI20230807BHJP
【FI】
B65D41/34 100
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021147073
(22)【出願日】2021-09-09
(62)【分割の表示】P 2018503463の分割
【原出願日】2016-03-25
(65)【公開番号】P2021185102
(43)【公開日】2021-12-09
【審査請求日】2021-09-09
(31)【優先権主張番号】104110838
(32)【優先日】2015-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(31)【優先権主張番号】14/725,246
(32)【優先日】2015-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】521089258
【氏名又は名称】ディスキャップ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】THISCAP, INC.
【住所又は居所原語表記】2208 Madagascar Lane,Las Vegas,Nevada 89117,U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100181021
【弁理士】
【氏名又は名称】西尾 剛輝
(72)【発明者】
【氏名】マイケル マグワイア
【審査官】家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】特許第4906441(JP,B2)
【文献】特開2005-289488(JP,A)
【文献】米国特許第05246125(US,A)
【文献】特開2012-201380(JP,A)
【文献】米国特許第06474491(US,B1)
【文献】特表平11-500091(JP,A)
【文献】特開平06-255661(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0045578(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 39/00-55/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部プレート(11)と円形側壁(12)とを有する本体(1)であって、前記円形側壁の対向する2辺が円形に互いに連結し、前記円形側壁の一方の外縁が、閉鎖端を形成する前記上部プレートの1つの表面に連結し、および前記閉鎖端の対辺における前記円形側壁の他方の外縁が開放端を形成する、本体と、
リング部材(2)であって、前記本体の前記開放端に配置され、前記本体の前記開放端と前記リング部材との間の第1の切込線(3)によって前記本体から分離され、かつ複数の連結部(5)によって前記本体に連結され、前記第1の切込線(3)の2つの端部が前記複数の連結部(5)によって分離される、リング部材と
を備え、
複数の連結ピン(31)が前記第1の切込線(3)に沿って位置し、前記複数の連結ピン(31)が前記第1の切込線(3)の両側で前記本体と前記リング部材とを連結し、複数の第2の切込線(4)が前記本体または前記リング部材上に位置し、かつ前記複数の連結部(5)の片側に位置し、
前記複数の第2の切込線(4)のうちの第1のものは、他のいずれの切込線(3、4)とも連結せず、前記複数の連結部(5)のうちの第1の連結部(5)は、前記複数の第2の切込線(4)のうちの前記第1のものと、前記第1の切込線(3)との間に形成され、前記複数の連結部(5)のうちの第2の連結部(5)は、前記複数の第2の切込線(4)のうちの前記第1のものと、前記複数の第2の切込線(4)のうちの第2のものとの間に形成され、前記複数の第2の切込線(4)のうち前記第2のものは、前記第1の切込線(3)の2つの終端のうちの1つと連結し、
前記複数の第2の切込線(4)の一部は、前記第1の切込線(3)と平行である、
容器のための蓋(10)。
【請求項2】
前記複数の第2の切込線(4)のうちの前記第1のものは、前記複数の第2の切込線(4)のうちの前記第2のものと部分的に平行であることによって、前記第2の連結部(5)を形成する、請求項1に記載の蓋。
【請求項3】
前記複数の連結部のそれぞれが前記複数の第2の切込線の一部によって分離される、請求項1又は請求項2に記載の蓋。
【請求項4】
前記複数の第2の切込線が前記本体から前記リング部材まで、または前記リング部材から前記本体まで延在される、請求項1からのいずれか1項に記載の蓋。
【請求項5】
前記複数の第2の切込線が直線、曲線、折れ線、円弧線、またはそれらの組合せである、請求項1からのいずれか1項に記載の蓋。
【請求項6】
前記複数の第2の切込線(4)は、L字型の線、S字型の線、Z字型の線、又はこれらの組み合わせである、請求項1からのいずれか1項に記載の蓋。
【請求項7】
前記複数の第2の切込線が前記円形側壁または前記リング部材の一部を囲むが、前記円形側壁または前記リング部材を完全には囲まない、請求項1からのいずれか1項に記載の蓋。
【請求項8】
前記複数の第2の切込線が前記円形側壁または前記リング部材の3/4未満を囲む、請求項1からのいずれか1項に記載の蓋。
【請求項9】
前記複数の第2の切込線が前記円形側壁または前記リング部材の1/2未満を囲む、請求項に記載の蓋。
【請求項10】
前記本体の内側がネジ山を有する、請求項1からのいずれか1項に記載の蓋。
【請求項11】
前記第1の切込線が直線、曲線、折れ線、円弧線、またはそれらの組合せである、請求項1から10のいずれか1項に記載の蓋。
【請求項12】
前記容器が丸瓶または丸缶である、請求項1から11のいずれか1項に記載の蓋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2015年4月2日に出願された台湾特許出願第104110838号明細
書の利益を主張し、その主題は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、蓋に関し、より詳細には、容器のための蓋に関する。
【背景技術】
【0003】
一般に、任意の従来の容器の蓋は、常に、容器が開けられるとその容器から完全に分離
される。そのため、分離された蓋は、容易に落とされ、偶発的に廃棄され、および/また
は置き忘れられる/紛失される。さらに、分離された蓋は、落とすと、地面または他の管
理されていない表面と接触することによって容易に汚れる可能性があり、蓋は再使用不可
能になる。また、廃棄されるかまたは置き忘れられた/紛失された、分離された蓋は、環
境を汚染してさらなる環境問題を引き起こす可能性がある。したがって、これらの問題を
解決するために、業界は、容器が開状態にある間、容器に連結されたままであるいくつか
の蓋を開発してきた。それにより、これらのいくつかの蓋は、それらの容器から分離され
るか、落とされるか、偶発的に廃棄されるか、置き忘れられる/紛失されるか、地面もし
くは他の管理されていない表面との接触によって汚されるか、または環境を汚染するか、
もしくはさらなる環境問題を引き起こす可能性があることから守られる。
【0004】
それでもなお、上記機能を有する現在の既存の蓋は、通常、はるかにより複雑な設計を
必要とする。特に、これらの設計は、通常、2つ以上の構成要素または構造の必要性を含
む。たとえば、蓋のための本体構造の他に、設計は、容器が開けられるときにそれらの容
器に蓋を連結するための複雑な連結構造も必要とする。また、設計は、開状態である間、
蓋がそれらの容器の開口に干渉することを防ぐ障壁構造も必要とし、使用者によって所望
される場合、蓋が開状態のままであることも保証する。さらに、複雑な連結構造は、蓋を
閉じられた密閉状態に戻すために、使用者によるいくつかの難しい物理的操作を必要とす
る。これらの構造を有する蓋を製造するために、使用される構成要素の材料および数は業
界および市場の標準を超えて増加する。これらの蓋の製造プロセスは、複雑な連結構造を
作成する複数の製造装置(機械)を利用するいくつかの生産水準も必要とする。そのため
、材料のコストが増加するだけでなく、製造装置および関係する人時の製造間接費も同様
に増加する。これらの蓋の製造プロセスのコストおよび非効率性は非常に大きく、市場お
よび業界の要求を上回る。
【0005】
したがって、使用する材料がより少ないより簡単な設計および構造、より少ない製造装
置、ならびにより少ない人時を使用して、はるかにより環境にやさしく、簡単に製造され
、生産効率が高く、コストが非常に低い蓋を作成することにより、上記機能を有する蓋を
提供する必要性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、容器のための蓋を提供することである。より詳細には、従来の蓋と比
較して、本発明によって提供される蓋は、その非常に簡単な設計および構造により、開状
態の蓋がその容器に対して容器に連結された状態のまま維持されることを可能にする。さ
らに、本発明の蓋はまた、必要に応じて使用者からの任意の物理的操作なしに開状態のま
まである。蓋は、開状態の間、容器の開口に干渉せず、蓋の自由移動は制限され、開状態
の間、蓋が使用者に干渉することを防ぐ。本発明の蓋は、閉じられた密閉状態に非常に容
易に戻すことができ、蓋が落とされるか、紛失されるか、置き忘れられるか、偶発的に廃
棄されるか、管理されていない表面との接触によって汚されるか、または環境を汚染する
か、ダメージを与えるか、もしくは悪影響を与えることが可能になることを防ぐ。
【課題を解決するための手段】
【0007】
目的を達成するために、本発明は、上部プレートと円形側壁とを有する本体であって、
円形側壁の対向する2辺が円形に互いに連結し、円形側壁の一方の外縁が、閉鎖端を形成
する上部プレートの1つの表面に連結し、閉鎖端の対辺における円形側壁の他方の外縁が
開放端を形成する、本体と、リング部材であって、本体の開放端に配置され、本体の開放
端とリング部材との間の第1の切込線によって本体から分離され、かつ複数の連結部によ
って本体に連結され、第1の切込線の2つの端部が複数の連結部によって分離される、リ
ング部材とを含み、複数の連結ピンが第1の切込線に沿って位置し、複数の連結ピンが第
1の切込線の両側で本体とリング部材とを連結し、複数の第2の切込線が本体またはリン
グ部材上に位置し、かつ複数の連結部の片側に位置し、複数の第2の切込線が第1の切込
線と重ならず、および複数の第2の切込線の2つの端部とそれ自体とが連結されない、容
器のための蓋を提供する。
【0008】
本発明において、複数の連結部は、第1の切込線と複数の第2の切込線との間に形成す
ることができる。複数の連結部はまた、複数の第2の切込線間に形成することができる。
複数の連結部の形状は特に限定されない。複数の連結部の形状は、複数の連結部の側面に
配置される第1の切込線および複数の第2の切込線の形状に依存する。複数の連結部の数
量は特に限定されない。複数の連結部のそれぞれの間の間隔は、複数の連結部のそれぞれ
が複数の第2の切込線の一部で分離されることを除いて、同様に特に限定されない。
【0009】
本発明において、複数の第2の切込線の数量は特に限定されない。複数の第2の切込線
のそれぞれの間の間隔は同様に特に限定されない。本体またはリング部材への複数の第2
の切込線の配置に加えて、複数の第2の切込線は、本体からリング部材まで、またはリン
グ部材から本体まで延在することもできる。複数の第2の切込線は第1の切込線と重なら
ないが、しかしながら、複数の第2の切込線は第1の切込線の一部に連結することができ
る。また、複数の第2の切込線の一部は、第1の切込線と平行であり得る。
【0010】
本発明において、第1の切込線および複数の第2の切込線は特に限定されない。しかし
ながら、第1の切込線および複数の第2の切込線は、それぞれ直線、曲線、折れ線、円弧
線、またはそれらの組合せであることが好ましいことができる。複数の第2の切込線は、
より好ましくは、L字形線、S字形線、Z字形線、またはそれらの組合せであり得、複数
の第2の切込線の隅部は特に限定されない。複数の第2の切込線の隅部は、湾曲した隅部
、面取りされた隅部、鋭い隅部、またはそれらの組合せであることが好ましい。第1の切
込線および複数の第2の切込線は、個々に、同じ種類の線または異なる種類の線であり得
る。
【0011】
本発明において、第1の切込線および複数の第2の切込線は、円形側壁またはリング部
材の一部を囲むが、円形側壁またはリング部材を完全には囲まない。第1の切込線および
複数の第2の切込線の長さ、囲まれた円形側壁またはリング部材は特に限定されない。好
ましくは、第1の切込線の長さ、囲まれた円形側壁またはリング部材は、複数の第2の切
込線のそれぞれの長さ、囲まれた円形側壁またはリング部材より長い。特に、第1の切込
線が円形側壁またはリング部材の3/4超を囲むことが好ましい。第1の切込線が円形側
壁またはリング部材の4/5超を囲むことがより好ましい。他方で、複数の第2の切込線
が円形側壁またはリング部材の3/4未満、より好ましくは円形側壁またはリング部材の
1/2未満、最も好ましくは円形側壁またはリング部材の1/4未満を囲むことが好まし
い。
【0012】
本発明において、提供される蓋は、蓋および容器を一緒に組み立てることができる限り
、任意の特定の限定なしに任意の従来の容器と一緒に使用することができる。蓋の形状は
特に限定されない。しかしながら、蓋の内側は円形であることが好ましい。容器の形状も
同様に特に限定されない。しかしながら、容器の開口は円形開口であることが好ましい。
本発明において、容器は丸瓶または丸缶であることが好ましい。
【0013】
本発明において、提供される蓋の本体は、容器の開口の開および閉を制御するために容
器の開口と協働するように適合される。より詳細には、本体の内側はネジ山を有する。容
器の開口の外側の相補的なネジ山構造により、本体は、回転させることにより、容器の開
口上でねじり開けおよびねじり閉じることができる。
【0014】
本発明において、提供される蓋の本体が容器の開口上でねじり閉じられるとき、本体の
閉鎖端は容器の開口に当接する。一方、本体の開放端は、容器の開口に向き、容器の開口
を覆って嵌まる。結果的に、容器の開口は閉状態になり、容器は密閉されたままとなる。
【0015】
本発明において、提供される蓋の本体の外側は、刻み部を有することができる。容器が
開けられるとき、刻み部は、本体およびリング部材を回転させて、分離するために力を加
えることを容易にすることができる。
【0016】
本発明において、実際の必要性に応じて、提供される蓋の本体とリング部材との間に配
置される第1の切込線は、本体とリング部材とを連結するために複数の連結ピンを有する
ことができる。複数の連結ピンの形状、寸法、数量、および間隔は特に限定されない。第
1の切込線の複数の連結ピンの寸法および数量がより小さく、複数の連結ピンの間隔がよ
り大きいとき、複数の連結ピンを壊すために必要な力はより小さくなる。したがって、本
体およびリング部材の分離はより容易である。逆に、第1の切込線の複数の連結ピンの寸
法および数量がより大きく、複数の連結ピンの間隔がより小さいとき、複数の連結ピンを
壊すために必要な力はより大きくなる。したがって、本体およびリング部材の分離はより
難しい。本発明によって提供される蓋において、複数の第2の切込線は複数の連結ピンを
保有しない。
【0017】
本発明において、本発明によって提供される蓋の本体が容器の開口からねじり開けられ
たとき、複数の連結部は、本体とリング部材とを連結する。リング部材は容器の開口の膨
出部の下に嵌まっているため、したがってリング部材は容器の開口から外れない。結果と
して、容器の開口から分離された本体とリング部材との連結により、本体が依然として容
器と連結状態のままであることを可能にする。さらに、複数の連結部は、本体が開状態の
ままであることを可能にすることもできる。複数の連結部は、本体が容器の開口に干渉す
ることを防ぐ。複数の連結部はまた、本体の自由移動を減少させる。結果として、内容物
を容器から出すとき、複数の連結部は、本体がその自由移動のために他の物体に接触する
ことを防ぐことができる。本体の内側の残りの内容物も簡単にこぼれない。また、容器の
開口に嵌合されたリング部材は自由に回転させることができるため、したがって複数の連
結部は簡単に引き抜けない。
【0018】
本発明において、提供される蓋は、任意の特定の限定なしに、当該技術分野において知
られている任意の材料を用いて作ることができる。特に、蓋のための材料は、ポリエステ
ル、PET、PE、HDPE、PP、PS、PMMA、またはPCなどのプラスチックで
あることが好ましい。蓋は、任意の特定の限定なしに、当該技術分野において知られてい
る任意の工程によって製造することができる。蓋の製造工程は、好ましくは、射出成形に
よる工程である。第1の切込線および複数の第2の切込線は、任意の特定の限定なしに、
任意の知られている方法によって形成することができる。第1の切込線および複数の第2
の切込線は、好ましくは、回転切断によって形成される。切り込みは、好ましくは、従来
の切断ツールまたはレーザ切断によって行われる。
【0019】
全体として、本発明において、上記の簡単な設計および構造を使用することにより、そ
の容器に対して開状態に置かれる蓋は、その容器に連結され続ける。本発明の蓋はまた、
必要に応じて使用者からの任意の物理的操作なしに開状態のままである。蓋は、開状態で
ある間、容器の開口に干渉せず、蓋の自由移動は制限され、開状態において蓋が使用者に
干渉することを防ぐ。本発明の蓋は、閉状態に非常に容易に戻すことができ、蓋が落とさ
れるか、紛失されるか、置き忘れられるか、偶発的に廃棄されるか、管理されていない表
面との接触によって汚されるか、または環境を汚染するか、ダメージを与えるか、もしく
は悪影響を与えることが可能になることを防ぐ。
【0020】
本発明の他の目的、利点、および新しい特徴は、添付図面と組み合わせて考慮される場
合、以下の詳細な説明からより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の容器のための蓋の実施形態を示す三次元概略図である。
図2A-2G】本発明の容器のための蓋の異なる実施形態を示す概略図である。
図3】容器から分離されている本発明の容器のための蓋の実施形態を示す三次元概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
実施例1
図1は、本発明の容器のための蓋の実施形態を示す三次元概略図である。図1が示すよ
うに、本実施例の蓋10は、上部プレート11と円形側壁12とを有する本体1を含む。
円形側壁12の対向する2辺は、円形に互いに連結する。円形側壁12の一方の外縁は、
閉鎖端1’を形成する上部プレート11の1つの表面に連結する。閉鎖端1’の対辺にお
ける円形側壁12の他方の外縁は、開放端1’’(図3に示される)を形成する。本実施
例の蓋10は、本体1の開放端1’’に配置されるリング部材2も含む。リング部材2は
、本体1の開放端1’’とリング部材2との間に配置される第1の切込線3により本体1
から分離される。第1の切込線3は、複数の連結ピン31を保有する。第1の切込線3に
沿って配置される複数の連結ピン31は、第1の切込線3の両側で本体1とリング部材2
とを連結する。第1の切込線3の2つの端部は、複数の連結部5によって分離される。複
数の連結部5は、本体1とリング部材2とを連結する。複数の第2の切込線4は、複数の
連結部5の片側に配置される。複数の第2の切込線4は、本体1またはリング部材2のい
ずれかにも配置される。複数の第2の切込線4の2つの端部とそれ自体とは連結されない
。複数の第2の切込線4は、第1の切込線3と重ならない。
【0023】
図2Aが示すように、本実施例において、複数の連結部5は、第1の切込線3と複数の
第2の切込線4との間に形成される。本発明において、複数の連結部5の形状は特に限定
されない。複数の連結部5の形状は、複数の連結部5の側面に配置される第1の切込線3
および複数の第2の切込線4の形状に依存する。本実施例において、複数の連結部5の形
状は直方体(図3に示される)である。本発明において、複数の連結部5の数量は特に限
定されない。しかしながら、本実施例において、複数の連結部5の数量は2である。本発
明において、複数の連結部5のそれぞれの間の間隔は同様に特に限定されない。しかしな
がら、本実施例において、複数の連結部5のそれぞれは、複数の第2の切込線4の一部に
よって分離される。
【0024】
本発明において、複数の第2の切込線4の数量は特に限定されない。しかしながら、本
実施例において、複数の第2の切込線4の数量は2である。図2Aが示すように、本体1
のみが複数の第2の切込線4を保有する。2つの第2の切込線4のうちの1つは、第1の
切込線3の一部に連結される。また、複数の第2の切込線4の一部は、第1の切込線3と
平行である。
【0025】
本発明において、第1の切込線3および複数の第2の切込線4は特に限定されない。第
1の切込線3および複数の第2の切込線4は、それぞれ直線、曲線、折れ線、円弧線、ま
たはそれらの組合せであることが好ましいことができる。本実施例において、第1の切込
線3は直線である。複数の第2の切込線4は、より好ましくは、L字形線、S字形線、Z
字形線、またはそれらの組合せであり得る。本実施例において、複数の第2の切込線4は
Z字形線である。本発明において、複数の第2の切込線4の隅部41は特に限定されない
。複数の第2の切込線4の隅部41は、湾曲した隅部、面取りされた隅部、鋭い隅部、ま
たはそれらの組合せであることが好ましい。本実施例において、複数の第2の切込線4の
隅部41は湾曲した隅部である。
【0026】
本発明において、第1の切込線3および複数の第2の切込線4は、円形側壁12または
リング部材2の一部を囲むが、円形側壁12またはリング部材2を完全には囲まない。第
1の切込線3および複数の第2の切込線4の長さ、囲まれた円形側壁12またはリング部
材2は特に限定されない。本実施例において、第1の切込線3の長さは、囲まれた円形側
壁12またはリング部材2は、複数の第2の切込線4のそれぞれの長さ、囲まれた円形側
壁12またはリング部材2より長い。本発明において、第1の切込線3が円形側壁12ま
たはリング部材2の3/4超、より好ましくは円形側壁12またはリング部材1の4/5
超を囲むことが好ましい。本実施例において、第1の切込線3は、円形側壁12またはリ
ング部材2の4/5超を囲む。本発明において、複数の第2の切込線4が円形側壁12ま
たはリング部材2の3/4未満、より好ましくは円形側壁12またはリング部材2の1/
2未満、最も好ましくは円形側壁12またはリング部材2の1/4未満を囲むことが好ま
しい。本実施例において、複数の第2の切込線4は、円形側壁12の1/5未満を囲む。
【0027】
実施例2
図2Bは、本発明の容器のための蓋の別の実施形態を示す概略図である。本実施例の蓋
と実施例1の蓋とは、複数の第2の切込線4および図2Aに示される複数の第2の切込線
4が互いに対向することを除いて同じである。それにもかかわらず、蓋の開口方向および
図2Aに示される蓋の開口方法はなおも同じである(いずれも反時計回り方向であり、す
なわち、図2Aまたは図2Bにおいて右方向への回転である)。
【0028】
実施例3
図2Cは、本発明の容器のための蓋の別の実施形態を示す概略図である。本実施例の蓋
と実施例1の蓋とは、リング部材2のみが複数の第2の切込線4を保有し、複数の第2の
切込線4がリング部材2の1/5未満を囲むことを除いて同じである。
【0029】
実施例4
図2Dは、本発明の容器のための蓋の別の実施形態を示す概略図である。本実施例の蓋
と実施例1の蓋とは、複数の第2の切込線4の数量が1であり、第2の切込線4が本体1
からリング部材2までまたはリング部材2から本体1まで延在し、第2の切込線4と第1
の切込線3とが連結されず、第2の切込線4(Z字型線)の隅部41が鋭い隅部であり、
第2の切込線4が円形側壁12の1/5未満およびリング部材2の1/5未満を囲むこと
を除いて同じである。
【0030】
実施例5
図2Eは、本発明の容器のための蓋の別の実施形態を示す概略図である。本実施例の蓋
と実施例1の蓋とは、複数の第2の切込線4がL字形線であり、これらのL字形線の隅部
41が鋭い隅部であることを除いて同じである。
【0031】
実施例6
図2Fは、本発明の容器のための蓋の別の実施形態を示す概略図である。本実施例の蓋
と実施例1の蓋とは、複数の第2の切込線4と第1の切込線3とが互いに平行ではなく、
複数の第2の切込線4がS字形線であることを除いて同じである。
【0032】
実施例7
図2Gは、本発明の容器のための蓋の別の実施形態を示す概略図である。本実施例の蓋
と実施例4の蓋とは、複数の第2の切込線4(L字形線)の隅部41が湾曲した隅部であ
り、第2の切込線4のうちの1つが円形側壁12の1/2未満を囲むことを除いて同じで
ある。
【0033】
図3は、容器から分離されている本発明の容器のための蓋の実施形態を示す三次元概略
図であり、ここで、示される蓋は、上記実施例のうちの任意の1つにおける蓋の任意の1
つであり得る。以下で、本発明によって提供される蓋の実際の応用が実施例1の蓋を使用
してさらに詳細に説明される。
【0034】
本発明において、提供される蓋10は、蓋10および容器20を一緒に組み立てること
ができる限り、任意の特定の限定なしに、任意の従来の容器と一緒に使用することができ
る。本発明において、蓋10の形状は特に限定されない。図3に示されるように、蓋の内
側は円形である。本発明において、容器20の形状も同様に特に限定されない。図3に示
されるように、容器の開口210は円形開口である。本発明において、容器20は丸瓶ま
たは丸缶であることが好ましい。図3に示されるように、容器20は円形開口を有する瓶
である。
【0035】
本発明によって提供される蓋10の本体1は、容器の開口210の開および閉を制御す
ることができる。図3に示されるように、本体1の内側はネジ山110を有する。容器の
開口210の外側の相補的なネジ山構造2100により、本体1は、回転させることによ
り、容器の開口210上でねじり開け(反時計回り方向に)およびねじり閉じる(図示せ
ず)(時計回り方向に)ことができる。
【0036】
本発明において、提供される蓋10の本体1が容器の開口210上でねじり閉じられる
とき、本体1の閉鎖端1’は容器の開口210に当接する。一方、本体1の開放端1’’
は、容器の開口210に向き、容器の開口210を覆って嵌まる。結果的に、容器の開口
210は閉状態となり、容器20は密閉されたままとなる。
【0037】
本発明において、提供される蓋10の本体1の外側は、刻み部120を有することがで
きる。容器20が開けられるとき、刻み部120は、本体1およびリング部材2を回転さ
せて、分離するために力を加えることを容易にすることができる。
【0038】
本発明において、実際の必要性に応じて、提供される蓋10の本体1とリング部材2と
の間に配置される第1の切込線3は、本体1とリング部材2とを連結するために複数の連
結ピン31を有することができる。複数の連結ピン31の形状、寸法、数量、および間隔
は特に限定されない。第1の切込線3の複数の連結ピン31の寸法および数量がより小さ
く、複数の連結ピン31の間隔がより大きいとき、複数の連結ピン31を壊すために必要
な力はより小さくなる。逆に、第1の切込線3の複数の連結ピン31の寸法および数量が
より大きく、複数の連結ピン31の間隔がより小さいとき、複数の連結ピン31を壊すた
めに必要な力はより大きくなる。本実施例において、第1の切込線3の複数の連結ピン3
1の寸法および数量はより小さく、複数の連結ピン31の間隔はより大きい。さらに、複
数の第2の切込線4は、複数の連結ピン31を保有しない。そのため、複数の連結ピン3
1を壊すために必要な力はより小さくなる。したがって、使用者は、本体1とリング部材
2とをより容易に分離することができる。すなわち、蓋10は、容器の開口210からよ
り容易に開けることができる。
【0039】
本発明において、本発明によって提供される蓋10の本体1が容器の開口210からね
じり開けられたとき、複数の連結部5は、本体1とリング部材2とを連結する。リング部
材2は容器の開口210の膨出部2200の下に嵌まっているため、したがってリング部
材2は容器の開口210から外れない。結果として、容器の開口210から分離された本
体1とリング部材2との連結により、本体1が依然として容器20と連結状態のままであ
ることを可能にする。さらに、複数の連結部5は、本体1が開状態のままであることを可
能にすることもできる。複数の連結部5は、本体1が容器の開口210に干渉することを
防ぐ。複数の連結部5はまた、本体1の自由移動を減少させる。結果として、内容物を容
器20から出すとき、複数の連結部5は、本体1がその自由移動のために他の物体に接触
することを防ぐことができる。たとえば、容器20が水筒である場合、使用者が水筒から
飲んでいるとき、複数の連結部5は、本体1が使用者の顔および任意の体の部分に接触す
ることを防ぐ。さらに、複数の連結部5はまた、本体1の自由移動を減少させることによ
り、本体1の内側の残りの内容物が簡単にこぼれることを防ぐことができる。また、容器
の開口210に嵌合されたリング部材2は自由に回転させることができるため、したがっ
て複数の連結部5は簡単に引き抜けない。
【0040】
本発明において、提供される蓋は、当該技術分野において知られている任意の材料を用
いて作ることができ、ここで、蓋のための材料は、ポリエステル、PET、PE、HDP
E、PP、PS、PMMA、またはPCなどのプラスチックであることが好ましい。すべ
ての上記実施例において、蓋のための材料はPPである。蓋は、当該技術分野において知
られている任意の工程によって製造することができる。すべての上記実施例において、蓋
の製造工程は射出成形による工程である。第1の切込線および複数の第2の切込線は、任
意の知られている方法によって形成することができる。すべての上記実施例において、第
1の切込線および複数の第2の切込線は回転切断によって形成され、切り込みは切断ツー
ルまたはレーザ切断によって行われる。
【0041】
全体として、本発明によって提供される容器のための蓋の設計および構造は簡単である
。単に第1の切込線および複数の第2の切込線を使用することにより、複数の連結部が作
成される。作成される複数の連結部は、容器と容器から分離された蓋とを連結し、蓋の紛
失または廃棄を防ぐことができる。作成される複数の連結部は、蓋が容器の開口に干渉せ
ず、蓋の自由移動が減少する開状態に蓋を維持することもできる。最終的に、蓋の使い勝
手が高められる。従来の蓋と異なり、本発明の蓋は、上記の蓋の同じ機能を実現するため
に障壁構造をさらに配置することを必要としない。
【0042】
本発明がその好ましい実施形態に関して説明されたが、以下で特許請求される本発明の
趣旨および範囲から逸脱することなく多くの他の可能な修正形態および変更形態がなされ
得ることが理解されるべきである。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図3