(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-04
(45)【発行日】2023-08-15
(54)【発明の名称】スキンケア組成物およびこれの使用方法
(51)【国際特許分類】
A61K 8/9789 20170101AFI20230807BHJP
A61K 8/49 20060101ALI20230807BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20230807BHJP
A61Q 19/06 20060101ALI20230807BHJP
A61Q 19/08 20060101ALI20230807BHJP
【FI】
A61K8/9789
A61K8/49
A61Q19/00
A61Q19/06
A61Q19/08
(21)【出願番号】P 2021160577
(22)【出願日】2021-09-30
(62)【分割の表示】P 2019147102の分割
【原出願日】2014-10-30
【審査請求日】2021-10-27
(32)【優先日】2013-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504000568
【氏名又は名称】ユニゲン・インコーポレーテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】516128692
【氏名又は名称】ユニジェン・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リディア・アルファーロ・ブローネル
(72)【発明者】
【氏名】ミン・チュウ
(72)【発明者】
【氏名】ブランドン・コーネリウセン
(72)【発明者】
【氏名】メイ-フェン・ホン
(72)【発明者】
【氏名】ジ-ヘ・ファン
(72)【発明者】
【氏名】ウ-ジン・ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】チイ・ジア
(72)【発明者】
【氏名】ピン・ジャオ
(72)【発明者】
【氏名】ミ-ラン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ボ-ス・リー
(72)【発明者】
【氏名】ヨン-チュル・リー
(72)【発明者】
【氏名】ジョン-ボム・ナム
(72)【発明者】
【氏名】ミ-ソン・オー
(72)【発明者】
【氏名】メスフィン・イマム
【審査官】伊藤 真明
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-508352(JP,A)
【文献】特開2001-181129(JP,A)
【文献】特開2010-150176(JP,A)
【文献】特開2011-068570(JP,A)
【文献】特開2009-249306(JP,A)
【文献】特許第6654571(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚のたるみまたはゆるみを引き締めハリを付与する、皮膚老化の影響を管理または制御または低減または防止する、皮膚色むらを改善する、皮膚弾性を改善する、皮膚を滑らかにするもしくは皮膚色むらを調整する、皮膚の回復を促進する、より滑らかで引き締まった皮膚のために保水量を低減するための、もしくはこれらのいずれかの組み合わせのための、以下の式(A)による構造を有する1種類以上のアセトゲニンが高濃度化されたアンノナ(Annona)抽出物を含むスキンケア組成物であって、:
(A) R
1-L-R
2-R
3
(式中、R
1は、0から10個の-OH、-C(=O)R
g、-C(=O)OR
gによって場合により置換され、および0から2個の二重結合を含有する直鎖C
5-20アルキルであり;
R
gは同じであるかまたは異なり、および独立して水素またはC
1-5アルキルであり;
Lは、構造(B)のテトラヒドロフラン基、構造(C)のエポキシ基、構造(D)の複素環基、
【化1】
C
1-5アルキル、
【化2】
または式L
1-(X-L
2)の基から選択される基であり、L
1およびL
2は、構造(B)のテトラヒドロフラン基、構造(C)のエポキシ基、構造(D)の複素環基、C
1-5アルキルおよび
【化3】
から独立して選択され;
Rは、Hまたは-OHであり、およびXは、-OHによって場合により置換されたC
0-5アルキルであり;
R
2は、場合によりヒドロキシル化またはカルボキシル化され、および0から2個の二重結合を含有する直鎖C
5-20アルキルであり;
R
3は、
【化4】
シスまたはトランス
【化5】
から選択されるラクトン部分であり、R
9およびR
10は、独立してHまたは-OHである。)、
1種類以上のイソキノリンアルカロイドが高濃度化されたザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物をさらに含むスキンケア組成物。
【請求項2】
スキンケア組成物が外用である、請求項
1に記載のスキンケア組成物。
【請求項3】
アンノナ(Annona)抽出物がアンノナ(Annona)果実抽出物であり、およびザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物がザントキシラム(Zanthoxylum)樹皮抽出物である、請求項1
又は2に記載のスキンケア組成物。
【請求項4】
アンノナ(Annona)抽出物がスクアモシン、モトリリンまたは両方について高濃度化され、およびザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物がマグノフロリン、ラウリフロリン(lauriflorine)または両方について高濃度化されている、請求項
3に記載のスキンケア組成物。
【請求項5】
組成物が、カルノシン酸、カルノソール、ウルソール酸またはこれらのいずれかの組み合わせを含むテルペンが高濃度化されているローズマリー抽出物をさらに含む、請求項
1から
4のいずれか一項に記載のスキンケア組成物。
【請求項6】
一方または両方の抽出物が脱色されている、請求項1から
5のいずれか一項に記載のスキンケア組成物。
【請求項7】
スキンケア組成物が、薬学的に、皮膚科学的にまたは化粧品的に許容される担体、希釈剤または賦形剤をさらに含む、請求項1から
6のいずれか一項に記載のスキンケア組成物。
【請求項8】
スキンケア組成物がコントアリング剤(contouring agent)、スキントナー、脂肪分解促進剤、循環改善剤またはこれらのいずれかの組み合わせから選択されるアジュバントをさらに含む、請求項1から
7のいずれか一項に記載のスキンケア組成物。
【請求項9】
スキンケア組成物が溶媒、増粘剤、消泡剤、皮膚軟化剤、保存剤またはこれらのいずれかの組み合わせをさらに含む、請求項1から
8のいずれか一項に記載のスキンケア組成物。
【請求項10】
スキンケア組成物が粉末、液体、ゲル、エマルジョン、クリームまたはローションとして処方される、請求項1から
9のいずれか一項に記載のスキンケア組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(背景技術)
脂肪組織は、脂肪をトリグリセリドの形態で貯蔵するための主要な部位として機能する、特殊な結合組織である。脂質生成は、脂肪合成の結果としての最終的な沈着であり、沈着は脂肪組織と肝臓で起こる過程である。食事で消費される炭水化物とタンパク質を脂肪に変換することができる。
【0002】
炭水化物は肝臓および筋肉にグリコーゲンとして貯蔵することができ、肝臓にてトリグリセリドに変換されて、貯蔵のために脂肪組織に移送することができる。タンパク質由来のアミノ酸は、新たなタンパク質合成に使用されるか、またはアミノ酸は炭水化物および脂肪に変換することができる。脂肪酸は、トリグリセリドの形態であり、食事に由来するか、または肝臓によって合成される。脂肪組織の細胞(脂肪細胞)では、遊離脂肪酸の合成がごくわずかに起こる。トリグリセリドは、食事脂質が消化系および肝臓によって合成され、脂肪組織に貯蔵される形態であるため、トリグリセリドは最も豊富な脂肪酸源である。トリグリセリドは脂肪酸の長鎖より成り、脂肪酸の長鎖は、リポタンパク質リパーゼ(LPL)と呼ばれる酵素によってグリセロールおよび遊離脂肪酸に加水分解される。遊離脂肪酸は、脂肪細胞によって取り込まれ、複雑な過程を通じてトリグリセリドとして再度貯蔵される。
【0003】
脂肪細胞は、過剰な脂肪を貯蔵し、セルライトの形成を引き起こすことがある。セルライトは、皮膚を筋肉に結合するコラーゲン線維間の真皮中へ隆起する脱出皮下脂肪のポケットによって生じる、くぼんだ、でこぼこした、またはしわの寄った皮膚である。セルライトは、思春期後の女性の80から90%に影響を及ぼす一般的な問題であり、一般に大腿部、腰部および腹部に発生するのは、これらの部位での脂肪分布が皮膚に近接しているためである。医療分野では、セルライトは、脂肪過多による浮腫(adiposis edematosa)、皮下脂肪組織炎による変形(dermopanniculosis deformans)、皮膚が突出した状態(status protrusus cutis)およびガイノイド型リポジストロフィーと呼ばれることがある。セルライトは非公式には、オレンジピール症候群、カッテージ・チーズ・スキン、ひょう害およびマットレス現象と呼ばれる。セルライトの原因は十分にわかっていないが、ホルモン要因、遺伝的性質およびライフスタイル要因(例えば運動不足、不健康な食事)を含む、複数の要因がこの障害と関連していると考えられる。セルライトは臨床的には病的状態とは見なされないが、微小循環系およびリンパ系、細胞外基質、結合組織の変化ならびに微細な炎症性変化に関わる複雑な問題である。
【0004】
現在、セルライトと関連する皮膚障害に対処する有効なスキンケア製品はないが、抗セルライト剤を開発するための多大な努力が過去20から30年間行われてきた。例えば、ボディスリミングのためにセルライト除去を提案する複数の物理的および機械的療法、例えば空気マッサージ、リンパ流を刺激するマッサージ、温熱療法、超音波療法、高周波療法、磁気療法、ラジアル波療法、電気刺激およびレーザー処置がある。しかし、これらの手法のいずれもあまり有効ではなく、いずれも長期または恒久的な解決策を与えていない。さらに重要なことには、これらの方法はすべて高額な費用を伴う(処置に対して平均で数千ドル)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
つまり本開示は、スキンケア、ボディスリミングおよびセルライト低減に有用な化合物および組成物(開示した化合物の立体異性体、薬学的にまたは皮膚科学的に許容される塩、互変異性体およびプロドラッグを含む。)に、ならびにたるんだ皮膚のハリを引き締めて改善する方法、皮膚色むらを改善する方法、皮膚の弾性を改善する方法、より滑らかで引き締まった皮膚のために保水量を低減する方法および皮膚組織の脂肪沈着を低減する方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ある実施形態において、本開示は、アンノナ(Annona)(アノナ(Anona)としても公知)抽出物を含む組成物を提供し、アンノナ(Annona)抽出物は、場合により、1種類以上のアセトゲニン(例えばスクアモシン、モトリリン)、カウレン酸または両方が高濃度化されている。さらなる実施形態において、本開示は、アンノナ(Annona)抽出物およびザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物の混合物を含む組成物を提供し、アンノナ(Annona)抽出物は場合により、1種類以上のアセトゲニン(例えばスクアモシン、モトリリン)、カウレン酸または両方が高濃度化され、ザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物は場合により、1種類以上のイソキノリンアルカロイド(例えばマグノフロリン、ラウリフロリン(lauriflorine))が高濃度化されている。なおさらなる実施形態において、本開示は、アンノナ(Annona)抽出物およびロスマリヌス(Rosmarinus)抽出物またはスラビア(Slavia)抽出物の混合物を含む組成物を提供し、アンノナ(Annona)抽出物は場合により、1種類以上のアセトゲニン(例えばスクアモシン、モトリリン)、カウレン酸または両方が高濃度化され、ロスマリヌス(Rosmarinus)またはスラビア抽出物は場合により、1種類以上のテルペノイド(例えばカルノシン酸、カルノソール)が高濃度化されている。他の実施形態において、本開示は、アンノナ(Annona)抽出物、ザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物およびロスマリヌス(Rosmarinus)またはスラビア(Slavia)抽出物の混合物を含む組成物を提供し、それぞれ場合により、上記の化合物が高濃度化されている。なお他の実施形態において、組成物は、1種類以上のアジュバント、例えばコントアリング剤(contouring agent)、スキントナー、脂肪分解促進剤、循環改善剤またはこれらのいずれかの組み合わせをさらに含有する。ある実施形態において、1種類以上のアセトゲニンが高濃度化されたアンノナ(Annona)抽出物のバイオマーカーは、テルペノイド、例えばカウレン酸である(例えば少なくとも1%のカウレン酸が抽出物中に存在する場合)。
【0007】
別の態様において、本開示は、皮膚外観およびボディスリミングを改善する方法を提供する。ある実施形態において、本開示の組成物は、皮膚のたるみまたはゆるみを引き締めハリを付与する方法、皮膚老化(アンチエイジング)の影響を管理または制御または低減または防止する方法、しみを管理または制御または低減または防止する方法、皮膚色むらを改善する方法、皮膚の弾性を改善する方法、皮膚を滑らかにするまたは皮膚色むらを調整する方法、皮膚の回復を促進する方法、より滑らかで引き締まった皮膚のための保水量を低減する方法、皮膚を保湿する方法、打撲傷または打撲を制御または低減する方法、フリーラジカルのダメージから保護する方法、皮膚組織の脂肪沈着を低減する方法、セルライトを管理または制御または低減または防止する方法、セルライト形成を抑制する方法、ストレッチマークを管理または制御または低減または防止する方法、脂肪合成を低減する方法、細胞(例えば脂肪細胞)における脂肪含有率を低減する方法、脂肪細胞のサイズを低減する方法、脂肪細胞への細胞分化を低減または抑制する方法、脂肪細胞のアポトーシスを促進する方法、脂肪分解を促進する方法、脂肪除去を改善する方法、健全な脂質プロフィールを維持または促進または補助する方法、健全なコレステロールレベルを維持または促進または補助する方法、減量を促進する方法、ボディマス指数(BMI)を低減する方法、大腿囲または腕囲を管理または低減する方法、二重あごを低減または管理または制御する方法、眼窩周囲腫れまたは眼輪筋下脂肪または涙袋を低減または管理または制御する方法、体重制御を促進する方法、体重管理を補助する方法、コラーゲン合成を促進する方法、ヒアルロン酸合成を促進する方法、微小循環(例えば皮膚)を改善または活性化する方法、心臓血管機能を維持または補助する方法、免疫機能を維持する方法、健全な血糖レベルを維持または促進または補助する方法もしくはこれらの組み合わせにおいて使用できる。これらの実施形態それぞれにおいて、本開示の組成物は外用投与される。
【0008】
本発明のこれらのおよび他の態様は、以下の詳細な説明を参照すると明らかになる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示は、ボディスリミング、セルライト処置、スキンケアまたは皮膚色むら調整のための、場合により1種類以上のイソキノリンアルカロイド(例えばアポルフィンアルカロイド)、1種類以上のテルペノイド(例えばフェノール系ジテルピノイド(diterpinoids))またはこれらのいずれかの組み合わせと併用された1種類以上のアセトゲニンの使用のための組成物および方法を提供する。例えばアセトゲニン(例えばスクアモシン、モトリリン)は、アンノナ(Annona)抽出物に含有され得るか、またはアンノナ(Annona)抽出物から単離され得て、イソキノリンアルカロイド((例えばマグノフロリン、ラウリフロリン(lauriflorine))は、ザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物に含有され得るか、またはザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物から単離され得て、テルペノイド(例えばカルノシン酸)は、ロスマリヌス(Rosmarinus)抽出物またはサルビア(Salvia)抽出物に含有され得るか、またはロスマリヌス抽出物またはサルビア(Salvia)抽出物から単離され得る。1種類以上のアセトゲニンを1種類以上のイソキノリンアルカロイド、テルペノイドまたは両方と組み合わせる組成物の予想外の結果は、これらが相乗的に機能して、例えば脂質蓄積および細胞間トリグリセリド蓄積の抑制を向上させ、心臓血管機能(血管弛緩効果および血小板凝集の抑制)を改善し、抗酸化機能を示すということである。関連態様において、本開示は、皮膚外観に関連する病状または障害、例えばセルライト、過体重、年齢などを有する個人の皮膚のコンディショニング、ハリ付与、引き締めまたは皮膚色むら調整の方法を提供する。
【0010】
ある実施形態において、本開示は抗セルライト組成物およびこれを使用する方法を提供する。さらなる実施形態において、本開示の組成物は、1種類以上の公知のボディスリミング剤、抗セルライト剤またはスキンコンディショニング剤と共に処方することができる。
【0011】
以下の説明では、本開示の各種の実施形態の完全な知識を提供するために、ある具体的な詳細事項について述べる。しかし、当業者は、これらの詳細事項なしで本発明が実施され得ることを理解する。
【0012】
本説明において、別段の指示がない限り、いずれの濃度範囲、パーセンテージ範囲、比範囲または整数範囲も、引用した範囲内のいずれの整数値も、適切な場合には、これの分数(例えば整数の10分の1および100分の1)も含むものと理解されるものとする。また何らかの物理的機構、例えばポリマーサブユニット、サイズまたは厚さに関連して本明細書で引用するいずれの数の範囲も、別段の指示がない限り、引用した範囲内のいずれの整数も含むものと理解されるものとする。本明細書で使用する場合、「約」および「本質的に成る」という用語は、別段の指示がない限り、指摘した範囲、値または構造の±20%を意味する。「1つの(a、an)」という用語は、本明細書で使用する場合、列挙した構成要素の「1つ以上」を示すことが理解されるべきである。代案の使用(例えば「または」)は、代案のどちらか1つ、両方またはいずれかの組み合わせを意味すると理解されるべきである。本明細書および特許請求の範囲を通じて、文脈に矛盾しない限り、「含む(comprise)」という語およびこれの変形、例えば「含む(comprises)」および「含んでいる(comprising)」ならびに「含む(include)および「有する(have)」などの類義用語ならびにこれの変形は、オープンで包括的な意味で、即ち「これに限定されるわけではないが、含んでいる」として解釈されるものである。
【0013】
本明細書を通じて、「一実施形態」または「実施形態」という呼称は、該実施形態に関連して説明された特定の機構、構造または特徴が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。このため、本明細書全体の様々な箇所における「一実施形態において」または「実施形態において」という表現の出現は、必ずしもすべて同一の実施形態を示すわけではない。さらに特定の機構、構造または特徴は、1つ以上の実施形態においていずれかの好適な方法で併用されてよい。
【0014】
「アミノ」は、-NH2基を示す。
【0015】
「シアノ」は、-CN基を示す。
【0016】
「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」は、-OH基を示す。
【0017】
「イミノ」は、=NH置換基を示す。
【0018】
「ニトロ」は、-NO2基を示す。
【0019】
「オキソ」は、=O置換基を示す。
【0020】
「チオキソ」は、=S置換基を示す。
【0021】
「アルキル」は、飽和または不飽和であり(即ち1個以上の二重結合または三重結合を含有し)、1から12個の炭素原子(C1-C12アルキル)または1から8個の炭素原子(C1-C8アルキル)または1から6個の炭素原子(C1-C6アルキル)を有し、単結合によって分子の残部に結合されている、炭素原子および水素原子のみから成る直鎖または分枝炭化水素鎖基、例えばメチル、エチル、n-プロピル、1-メチルエチル(イソプロピル)、n-ブチル、n-ペンチル、1,1-ジメチルエチル(t-ブチル)、3-メチルヘキシル、2-メチルヘキシル、エテニル、プロパ-1-エニル、ブタ-1-エニル、ペンタ-1-エニル、ペンタ-1,4-ジエニル、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニルなどを示す。本明細書に別途特に示さない限り、アルキル基は場合により置換されてよい。
【0022】
「アルキレン」または「アルキレン鎖」は、飽和または不飽和であり(即ち1個以上の二重結合または三重結合を含有し)、1から12個の炭素原子を有する、分子の残部をラジカル基に結合し、炭素および水素のみから成る直鎖または分枝2価炭化水素鎖、例えばメチレン、エチレン、プロピレン、n-ブチレン、エテニレン、プロペニレン、n-ブテニレン、プロピニレン、n-ブチニレンなどを示す。アルキレン鎖は、単結合または二重結合を介して分子の残部に、単結合または二重結合を介してラジカル基に結合される。アルキレン鎖の分子の残部へのおよびラジカル基への結合点は、鎖内の1個の炭素またはいずれか2個の炭素を介することができる。
【0023】
本明細書に別途特に示さない限り、アルキレン鎖は場合により置換されてよい。
【0024】
「アルコキシ」は、式-ORaの基を示し、Raは、1から12個の炭素原子を含有する上で定義したようなアルキル基である。本明細書に別途特に示さない限り、アルコキシ基は場合により置換されてよい。
【0025】
「アルキルアミノ」は、式-NHRaまたは-NRaRaのラジカルを示し、各Raは独立して、1から12個の炭素原子を含有する上で定義したようなアルキル基である。本明細書に別途特に示さない限り、アルキルアミノ基は場合により置換されてよい。
【0026】
「チオアルキル」は、式-SRaの基を示し、Raは、1から12個の炭素原子を含有する上で定義したようなアルキル基である。本明細書に別途特に示さない限り、チオアルキル基は場合により置換されてよい。
【0027】
「アリール」は、水素、6から18個の炭素原子および少なくとも1個の芳香環を含む炭化水素環系基を示す。本開示の目的のために、アリール基は、縮合環系または架橋環系を含んでいてよい単環系、二環系、三環系または四環系であってよい。アリール基としては、アセアントリレン、アセナフチレン、アセフェナントリレン、アントラセン、アズレン、ベンゼン、クリセン、フルオランテン、フルオレン、as-インダセン、s-インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、フェナレン、フェナントレン、プレイアデン、ピレンおよびトリフェニレンから誘導されたアリール基が挙げられる。本明細書に別途特に示さない限り、「アリール」という用語または「アル(ar-)」という接頭辞(例えば「アラルキル」において)は、場合により置換されているアリール基を含むことを意味する。
【0028】
「アラルキル」は、式-Rb-Rcの基を示し、Rbは上で定義したようなアルキレン鎖であり、Rcは上で定義したような1個以上のアリール基、例えばベンジル、ジフェニルメチルなどである。本明細書に別途特に示さない限り、アラルキル基は、場合により置換されてよい。
【0029】
「シクロアルキル」または「炭素環」は、3から15個の炭素原子を有し、または3から10個の炭素原子を有する縮合環系または架橋環系を含んでよく、飽和または不飽和であり、単結合によって分子の残部に結合されている、炭素原子および水素原子のみから成る、安定な非芳香族単環または多環炭化水素基を示す。単環式基としては、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロへプチルおよびシクロオクチルが挙げられる。多環式基としては、例えばアダマンチル、ノルボルニル、デカリニル、7,7-ジメチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタニルなどが挙げられる。本明細書に別途特に示さない限り、シクロアルキル基は、場合により置換されてよい。
【0030】
「シクロアルキルアルキル」は、式-RbRdの基を示し、Rbは上で定義したようなアルキレン鎖であり、Rdは上で定義したようなシクロアルキル基である。本明細書に別途特に示さない限り、シクロアルキルアルキル基は場合により置換されてよい。
【0031】
「縮合」は、本開示の化合物中に存在する環構造に縮合している本明細書に記載するいずれの環構造も示す。縮合環がヘテロシクリル環またはヘテロアリール環である場合、縮合ヘテロシクリル環または縮合ヘテロアリール環の一部となる既存の環構造上のいずれの炭素原子も、窒素原子によって置換されていてよい。
【0032】
「ハロ」または「ハロゲン」は、ブロモ、クロロ、フルオロまたはヨードを示す。
【0033】
「ハロアルキル」は、上で定義したような1種類以上のハロ基によって置換された、上で定義したようなアルキル基、例えばトリフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリクロロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、1,2-ジフルオロエチル、3-ブロモ-2-フルオロプロピル、1,2-ジブロモエチルなどを示す。本明細書に別途特に示さない限り、ハロアルキル基は場合により置換されてよい。
【0034】
「ヘテロシクリル」または「複素環」は、2から12個の炭素原子ならびに窒素、酸素および硫黄から成る群より選択される1から6個のヘテロ原子より成る、安定な3員から18員の非芳香族環基を示す。本明細書に別途特に示さない限り、ヘテロシクリル基は、縮合環系または架橋環系を含んでよい単環系、二環系、三環系または四環系であってよく、ヘテロシクリル基中の窒素原子、炭素原子または硫黄原子は、場合により酸化されていてよく、窒素原子は場合により四級化されていてよく、ヘテロシクリル基は部分または完全飽和されていてよい。このようなヘテロシクリル基の例としては、ジオキソラニル、チエニル[1,3]ジチアニル、デカヒドロイソキノリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、2-オキソピペラジニル、2-オキソピペリジニル、2-オキソピロリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4-ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、キヌクリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロフリル、トリチアニル、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、チアモルホリニル、1-オキソ-チオモルホリニルおよび1,1-ジオキソ-チオモルホリニルが挙げられる。本明細書に別途特に示さない限り、ヘテロシクリル基は場合により置換されてよい。
【0035】
「N-ヘテロシクリル」は、少なくとも1個の窒素を含有する上で定義したようなヘテロシクリル基を示し、ヘテロシクリル基の分子の残部への結合点が、ヘテロシクリル基中の窒素原子を介している。本明細書に別途特に示さない限り、N-ヘテロシクリル基は場合により置換されてよい。
「ヘテロシクリルアルキル」は、式-RbReの基を示し、Rbは上で定義したようなアルキレン鎖であり、Reは上で定義したようなヘテロシクリル基であり、ヘテロシクリルが窒素含有ヘテロシクリルである場合、ヘテロシクリルは、窒素原子にてアルキル基に結合されてよい。本明細書に別途特に示さない限り、ヘテロシクリルアルキル基は場合により置換されてよい。
【0036】
「ヘテロアリール」は、水素原子、1から13個の炭素原子、窒素、酸素および硫黄から成る群より選択される1から6個のヘテロ原子および少なくとも1個の芳香環を含む、5員から14員環系基を示す。本開示の目的のために、ヘテロアリール基は、縮合環系または架橋環系を含んでよい、単環系、二環系、三環系または四環系であってよく、ヘテロアリール基中の窒素原子、炭素原子または硫黄原子は場合により酸化されていてよく、窒素原子は場合により四級化されていてよい。例としては、アゼピニル、アクリジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾインドリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾ[b][1,4]ジオキセピニル、1,4-ベンゾジオキサニル、ベンゾナフトフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキシニル、ベンゾピラニル、ベンゾピラノニル、ベンゾフラニル、ベンゾフラノニル、ベンゾチエニル(ベンゾチオフェニル)、ベンゾトリアゾリル、ベンゾ[4,6]イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、カルバゾリル、シンノリニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、フラニル、フラノニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリル、インダゾリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、イソキノリル、インドリジニル、イソオキサゾリル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、2-オキソアゼピニル、オキサゾリル、オキシラニル、1-オキシドピリジニル、1-オキシドピリミジニル、1-オキシドピラジニル、1-オキシドピリダジニル、1-フェニル-1H-ピロリル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピロリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピラダジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、キヌクリジニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニルおよびチオフェニル(即ちチエニル)が挙げられる。本明細書に別途特に示さない限り、ヘテロアリール基は場合により置換されてよい。
【0037】
「N-ヘテロアリール」は、少なくとも1個の窒素を含有する上で定義したようなヘテロアリール基を示し、ヘテロアリール基の分子の残部への結合点が、ヘテロアリール基中の窒素原子を介している。本明細書に別途特に示さない限り、N-ヘテロアリール基は場合により置換されてよい。
【0038】
「ヘテロアリールアルキル」は、式-RbRfの基を示し、Rbは上で定義したようなアルキレン鎖であり、Rfは上で定義したようなヘテロアリール基である。本明細書に別途特に示さない限り、ヘテロアリールアルキル基は場合により置換されてよい。
【0039】
「置換された」という用語は、本明細書で使用する場合、少なくとも1個の水素原子が非水素原子、例えばハロゲン原子、例えばF、Cl、BrおよびI;ヒドロキシル基、アルコキシ基およびエステル基などの基中の酸素原子;チオール基、チオアルキル基、スルホン基、スルホニル基およびスルホキシド基などの基中の硫黄原子;アミン、アミド、アルキルアミン、ジアルキルアミン、アリールアミン、アルキルアリールアミン、ジアリールアミン、N-オキシド、イミドおよびエナミンなどの基中の窒素原子;トリアルキルシリル基、ジアルキルアリールシリル基、アルキルジアリールシリル基およびトリアリールシリル基などの基中のケイ素原子;ならびに他の様々な基中の他のヘテロ原子への結合によって置き換えられている、上の基のいずれ(即ちアルキル、アルキレン、アルコキシ、アルキルアミノ、チオアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ヘテロシクリル、N-ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、N-ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキル)も意味する。「置換された」はまた、1個以上の水素原子がヘテロ原子、例えばオキソ基、カルボニル基、カルボキシル基およびエステル基中の酸素;ならびにイミン、オキシム、ヒドラゾンおよびニトリルなどの基中の窒素への高次結合(例えば二重結合または三重結合)によって置き換えられている、上の基のいずれも意味する。例えば「置換された」は、1個以上の水素原子が-NRgRh、-NRgC(=O)Rh、-NRgC(=O)NRgRh、-NRgC(=O)ORh、-NRgSO2Rh、-OC(=O)NRgRh、-ORg、-SRg、-SORg、-SO2Rg、-OSO2Rg、-SO2ORg、=NSO2Rgおよび-SO2NRgRhによって置き換えられている、上のいずれの基も含む。「置換された」はまた、1個以上の水素原子が-C(=O)Rg、-C(=O)ORg、-C(=O)NRgRh、-CH2SO2Rg、-CH2SO2NRgRhによって置き換えられている、上のいずれの基も意味する。上記において、RgおよびRhは同じであるか、または異なり、独立して水素、アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、チオアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ヘテロシクリル、N-ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、N-ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである。「置換されている」はさらに、1個以上の水素原子がアミノ基、シアノ基、ヒドロキシル基、イミノ基、ニトロ基、オキソ基、チオキソ基、ハロ基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、チオアルキル基、アリール基、アラルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、ハロアルキル基、ヘテロシクリル基、N-ヘテロシクリル基、ヘテロシクリルアルキル基、ヘテロアリール基、N-ヘテロアリール基またはヘテロアリールアルキル基への結合によって置き換えられている、上のいずれの基も意味する。さらに、上記の置換基はそれぞれ場合により、上の置換基の1個以上によって置換されていてもよい。
【0040】
「グリコシド」は、糖基がこれのアノマー炭素を通じて別の基にグリコシド結合によって結合されている分子を示す。糖の例としては、グルコース、ラムノース、マンノース、ガラクトース、アラビノース、グルクロニドおよび他が挙げられる。グリコシドは、O-(O-グリコシド)、N-(グリコシルアミン)、S-(チオグリコシド)またはC-(C-グリコシド)グリコシド結合によって結合することができる。本開示の化合物は、いずれの好適な結合点においてもグリコシドを形成することができる。
【0041】
「プロドラッグ」は、生理学的条件下で、または加溶媒分解によって、本開示の生理活性化合物に変換され得る化合物を示すものである。このため、「プロドラッグ」という用語は、薬学的にまたは皮膚科学的にまたは化粧品的に許容される、本開示の化合物の代謝前駆体を示す。プロドラッグは、これを必要とする対象に投与するときには不活性であってよいが、生体内で本開示の活性化合物に変換される。プロドラッグは通例、生体内で例えば血中での加水分解によって、本開示の親化合物に迅速に変換される。プロドラッグ化合物は、哺乳生物において、溶解性、組織適合性または遅延放出の利点をもたらすことが多い(Bundgard,H.,Design of Prodrugs(1985)、pp.7-9,21-24(Elsevier,Amsterdam)を参照のこと)。プロドラッグの考察は、Higuchi et al.,A.C.S.Symposium Series,Vol.14およびBioreversible Carriers in Drug Design,Ed.Edward B.Roche,American Pharmaceutical and Nutraceutical Association and Pergamon Press,1987に与えられている。
【0042】
「プロドラッグ」という用語はまた、このようなプロドラッグを哺乳動物対象に投与すると、本開示の活性化合物を生体内に放出する、いずれの共有結合担体も含むものである。本開示の化合物のプロドラッグは、通常の操作でまたは生体内で修飾が切断されて本開示の親化合物になるように、本開示の化合物中に存在する官能基を修飾することによって調製してよい。プロドラッグは、本開示の化合物のプロドラッグが哺乳動物対象に投与されたときに、ヒドロキシ基、アミノ基またはメルカプト基が切断されて、それぞれ遊離ヒドロキシ基、遊離アミノ基または遊離メルカプト基を形成するいずれかの基に結合されている、本開示の化合物を含む。プロドラッグの例としては、本開示の化合物などにおけるアミン官能基のアルコール誘導体またはアミド誘導体の酢酸誘導体、ギ酸誘導体および安息香酸誘導体が挙げられる。
【0043】
本開示はまた、異なる原子質量または質量数を有する原子によって置き換えられた1個以上の原子を有することによって同位体標識された、本開示の薬学的にまたは皮膚科学的に許容される化合物すべてを含むものである。開示した化合物中に包含することができる同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、塩素およびヨウ素の同位体、例えばそれぞれ2H、3H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、31P、32P、35S、18F、36Cl、123Iおよび125Iが挙げられる。これらの放射性標識化合物は、例えば部位もしくは作用機序、または薬理学的に重要な作用部位への結合親和性をキャラクタリゼーションすることによる、化合物の有効性の判定または測定の補助に有用なことがある。本開示のある同位体標識化合物、例えば放射性同位体を包含する化合物は、薬剤または基質組織分布の研究に有用である。放射性同位体トリチウム、即ち3Hおよび炭素-14、即ち14Cは、包含が容易であり、ただちに検出されるという観点から、この目的で特に有用である。
【0044】
より重い同位体、例えば重水素、即ち2Hによる置換によって、より高い代謝安定性から生じるある治療上の利点、例えば生体内半減期の延長および投薬要件の低減がもたらされることがあり、ゆえに一部の状況では好ましいことがある。
【0045】
陽電子放射同位体、例えば11C、18F、15Oおよび13Nによる置換は、基質受容体占拠率を調査するための陽電子放射トポグラフィ(PET)研究で有用であることができる。本開示の同位体標識化合物は一般に、当業者に公知の従来技法によって、または後述する調製および実施例に記載したものに類似した方法によって、先に用いた非標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を使用して調製することができる。
【0046】
本開示はまた、開示した化合物の生体内代謝産物を含むものである。このような産物は、主に酵素法による投与した化合物の、例えば酸化、還元、加水分解、アミド化、エステル化などから生じ得る。従って本開示は、本発明の化合物を、これの代謝産物を生じるのに十分な期間にわたって哺乳動物に投与することを含む方法によって製造される化合物を含む。このような産物は、通例、本開示の放射性標識化合物を検出可能な用量で動物、例えばラット、マウス、モルモット、サルにまたはヒトに投与して、代謝が発生するのに十分な時間を与え、尿、血液または他の生体サンプルからこれの変換産物を単離することによって同定される。
【0047】
「安定化合物」および「安定構造」は、反応混合物からの有用な純度までの単離および有効な治療剤への製剤に耐えられるほど十分に堅牢である化合物を示すものである。
【0048】
「哺乳動物」は、ヒトならびに実験動物または家庭のペットなどの家畜(例えばネコ、イヌ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ウサギ)および野生動物などの非家畜の両方を含む。
【0049】
「場合による」または「場合により」は、続いて説明される要素、構成成分、事象または状況が起こってもまたは起こらなくてもよく、該説明が該要素、構成成分、事象または状況が起こる例と起こらない例の両方を含むことを意味する。例えば「場合により置換されたアリール」は、アリール基が置換されていても、されていなくてもよく、説明が置換されたアリール基と置換のないアリール基の両方を含むことを意味する。
【0050】
「薬学的にまたは皮膚科学的にまたは化粧品的に許容される担体、希釈剤または賦形剤」は、米国食品医薬品局によって、ヒトまたは家畜への使用が許容されるとして承認されている、いずれのアジュバント、担体(例えばセテアリルアルコール)、賦形剤、アストリンゼント、流動促進剤、エッセンシャルオイル(例えばモロッコ産ローズマリーオイル、エジプト産ゼラニウムローズ、ブルガリア産ラベンダー)、希釈剤、保存剤(例えばフェノキシエタノール、カプリリルアルコール、エチルヘキシルグリセリンおよびヘキシレングリコールのブレンド)、染料/着色剤、消泡剤(例えばポリジメチルシロキサン)、界面活性剤、皮膚軟化剤(例えばC12-15アルキルベンゾエート)、保湿剤(例えばエチルヘキシルステアレート)、湿潤剤、分散剤、懸濁化剤、安定剤、等張剤、溶媒または乳化剤も含む。
【0051】
「薬学的にまたは皮膚科学的にまたは化粧品的に許容される塩」は、酸付加塩および塩基付加塩の両方を含む。
【0052】
「薬学的にまたは皮膚科学的にまたは化粧品的に許容される酸付加塩」は、遊離塩基の生物学的有効性および特性を保持し、生物学的にまたは他の点で望ましくなくないわけでなく、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などおよび有機酸、例えば酢酸、2,2-ジクロロ酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4-アセトアミド安息香酸、カンファー酸、カンファー-10-スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、炭酸、桂皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシルスルホン酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、グルタル酸、2-オキソ-グルタル酸、グリセロリン酸、グリコール酸、馬尿酸、イソ酪酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、ニコチン酸、オレイン酸、オロチン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、プロピオン酸、ピログルタミン酸、ピルビン酸、サリチル酸、4-アミノサリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、酒石酸、チオシアン酸、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、ウンデシレン酸などによって形成される塩を意味する。
【0053】
「薬学的にまたは皮膚科学的にまたは化粧品的に許容される塩基付加塩」は、遊離酸の生物学的有効性および特性を保持して、生物学的にまたは他の点で望ましくなくないわけでない塩を意味する。これらの塩は、無機塩基または有機塩基の遊離酸への付加から調製される。無機塩基から誘導される塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、マンガン塩、アルミニウム塩などが挙げられる。ある実施形態において、無機塩はアンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩またはマグネシウム塩である。有機塩基から誘導される塩としては、第1級、第2級および第3級アミン、天然置換アミンを含む置換アミン、環状アミンおよび塩基性イオン交換樹脂、例えばアンモニア、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、デアノール、2-ジメチルアミノエタノール、2-ジエチルアミノエタノール、ジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、ベネタミン、ベンザチン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N-エチルピペリジン、ポリアミン樹脂などの塩が挙げられる。特に有用な有機塩基としては、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、コリンまたはカフェインが挙げられる。
【0054】
結晶化によって、本開示の化合物の溶媒和物が製造されることが多い。本明細書で使用する場合、「溶媒和物」という用語は、本開示の化合物の1個以上の分子を溶媒の1個以上の分子と共に含む凝集体を意味する。溶媒は水でよく、この場合、溶媒和物は水和物であり得る。または、溶媒は有機溶媒であってよい。このため本発明の化合物は、一水和物、二水和物、半水和物、セスキ水和物、三水和物、四水和物などを含む水和物ならびに対応する溶媒和形態として存在してよい。
【0055】
本開示の化合物は真の溶媒和物であってよいが、他の場合では、本開示の化合物は、外来の水を保持するのみであるか、または水と多少の外来性の溶媒との混合物であってよい。
【0056】
本開示の化合物を生成する方法において、中間化合物の官能基を好適な保護基によって保護する必要があり得ることも当業者に認識される。このような官能基としては、ヒドロキシ、アミノ、メルカプトおよびカルボン酸が挙げられる。ヒドロキシの好適な保護基としては、トリアルキルシリルまたはジアリールアルキルシリル(例えばt-ブチルジメチルシリル、t-ブチルジフェニルシリルまたはトリメチルシリル)、テトラヒドロピラニル、ベンジルなどが挙げられる。アミノ、アミジノおよびグアニジノの好適な保護基としては、t-ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルなどが挙げられる。メルカプトの好適な保護基としては、-C(O)-R’’(式中、R’’はアルキル、アリールまたはアリールアルキルである。)、p-メトキシベンジル、トリチルなどが挙げられる。カルボン酸の好適な保護基としては、アルキルエステル、アリールエステルまたはアリールアルキルエステルが挙げられる。保護基は、当業者に公知であり、本明細書に記載するような標準技法に従って、付加または除去してよい。保護基の使用は、Green,T.W.and P.G.M.Wutz,Protective Groups in Organic Synthesis(1999)、3rd Ed.,Wileyに詳細に記載されている。当業者が認識するように、保護基は、ワング(Wang)樹脂、リンク(Rink)樹脂または2-クロロトリチル-クロリド樹脂などのポリマー樹脂であってもよい。
【0057】
「医薬組成物」または「皮膚科学的組成物」または「化粧品組成物」は、本開示の化合物および哺乳動物、例えばヒトへ生理活性化合物を送達するために当分野で一般に許容される媒体の製剤を意味する。例えば本開示の医薬組成物は、単独の組成物として、または処方薬、市販薬(OTC)、植物性薬、ハーブ薬、ホメオパシー剤または政府当局によって審査および承認された他の任意の形態のヘルスケア製品中の構成成分、もしくはこれらと併せて使用される構成成分として処方または使用してよい。本開示の例示的な皮膚科学的組成物は、単独の組成物として、またはクリーム、ゲル、ローションもしくはハーブ製品中の化粧品構成成分もしくは生理活性構成成分として処方または使用してよい。当分野で一般に許容される媒体は、媒体のための薬学的に、皮膚科学的にまたは化粧品的に許容される担体、希釈剤または賦形剤をすべて含む。
【0058】
本明細書で使用する場合、「高濃度化された」は、抽出または他の調製前に植物材料または他の源の重量で見出される1種類以上の活性化合物の量または活性と比較して、1種類以上の活性化合物の量または活性が少なくとも2倍から約1000倍まで上昇した、植物抽出物または他の調製物を示す。ある実施形態において、抽出または他の調製前の植物材料または他の源の重量は、乾燥重量、湿潤重量またはこれらの組み合わせであってよい。
【0059】
本明細書で使用する場合、「主活性成分」または「主活性構成成分」は、少なくとも1つの生理活性が可能である、植物抽出物もしくは他の調製物中に見出される、または植物抽出物もしくは他の調製物中で高濃度化された1種類以上の活性化合物を示す。ある実施形態において、高濃度化抽出物の主活性成分は、この抽出物中で高濃度化された1種類以上の活性化合物となる。一般に、1種類以上の主活性構成成分は、他の抽出物構成成分と比較して、1つ以上の測定可能な生理活性または効果の大半(即ち50%を超える。)を直接または間接的に付与する。ある実施形態において、主活性成分は、抽出物の重量パーセンテージでは少量の構成成分(例えば抽出物中に含有された構成成分の50%、25%、20%、15%、10%、5%、1%、0.5%または0.1%未満)であるが、所望の生理活性の大半を提供している。主活性成分を含有する本開示のいずれの組成物も、高濃度化された組成物の薬学的にまたは皮膚科学的または化粧品的活性に寄与しても寄与しなくてもよい少量の活性成分を、主活性構成成分のレベルほどではないが含有してもよく、主活性成分の非存在下では、少量の活性構成成分は単独で有効でないことがある。
【0060】
「有効量」または「治療的有効量」は、哺乳動物、例えばヒトに投与する場合、(1)セルライトの処置、管理、制御または防止;(2)脂肪分解の促進;(3)脂肪細胞への細胞分化の抑制;(4)脂肪合成または蓄積の低減;(5)皮膚のたるみまたはゆるみ、皮膚への老化の影響、しみ、ストレッチマークの処置、低減または防止;(6)皮膚の弾性、皮膚色むら、皮膚の滑らかさ、皮膚のハリ、皮膚の回復の改善、補助または促進;および(7)微小循環の増大、改善または活性化のいずれか1つ以上の処置を及ぼすのに十分である、本開示の化合物または組成物の量を示す。「治療的有効量」を構成する本開示の化合物または組成物の量は、化合物、処置される病状およびこれの重症度、投与方式、処置の期間または処置される対象の年齢に応じて変化するが、当業者が当業者自身の知識および本開示を考慮して、日常的に決定することができる。
【0061】
「サプリメント」は、本明細書で使用する場合、自然の状態または生物学的過程に関連する特定の病状を改善、促進、増大、回復、管理、制御、維持、最適化、調節、低減、抑制または防止する(即ち疾患の診断、処置、緩和、治癒または防止には使用されない)製品を意味する。ある実施形態において、サプリメントは、栄養サプリメントである。ある他の実施形態において、栄養サプリメントは、特殊な種類の食物であり、薬剤ではない。さらなる実施形態において、サプリメントは、外用適用に有用であり、経口投与または摂取には有用でない。例えばスキンケア組成物、ボディスリミング組成物または抗セルライト組成物に関して、外用サプリメントを使用して、フレッシュセント(エッセンシャルオイル)、保湿剤、コントアリング剤(contouring agent)、スキントナー、脂肪分解促進剤、循環改善剤などを提供してよい。
【0062】
「処置すること」または「処置」または「改良すること」は、対象の疾患もしくは病状を有するまたは有することが疑われる哺乳動物、例えばヒトにおける対象の疾患または病状の治療的処置または予防/防止処置のどちらかを示し、(i)哺乳動物において、特にこのような哺乳動物が病状に罹患しやすいが、まだ該病状を有すると診断されていない場合の、疾患または病状の防止;(ii)疾患もしくは病状の抑制、即ち疾患もしくは病状の発症の停止;(iii)疾患または病状の軽減、即ち疾患または病状の後退の発生;または(iv)基礎をなす疾患または病状への対処を伴わない、疾患もしくは病状から生じる症状の軽減(例えば脂肪蓄積、セルライト、皮膚老化)を含む。本明細書で使用する場合、「疾患」および「病状」という用語は互換的に使用してよく、または特定の疾病もしくは病状が公知の原因因子を有さないことがあり(このため病因はまだ除去されていない。)、従って疾患としてまだ認識されていないが、多かれ少なかれ具体的な一連の症状が臨床医によって同定された、望ましくない病状または症候群としてのみ認識されているという点で異なることがある。
【0063】
本明細書で使用する場合、「統計的有意」は、Studentのt検定を使用して計算した0.050以下のp値を示し、測定される特定の事象または結果が偶然発生したと思われにくいことを示す。
【0064】
本明細書で使用する化学命名プロトコルおよび構造ダイアグラムは、ACD/Name Version 9.07ソフトウェアプログラムまたはChemDraw Ultra Version 11.0ソフトウェア命名プログラム(CambridgeSoft)を使用する、I.U.P.A.C.命名システムの変更形態であり、本開示の化合物は、本明細書で中央コア構造、例えばイミダゾピリジン構造の誘導体として命名される。本明細書で用いる複雑な化学名について、置換基は、該置換基が結合する基の前に命名されている。例えばシクロプロピルエチルは、シクロプロピル置換基と共にエチル骨格を含む。下記の場合を除いて、本明細書の化学構造図において、原子価を完成するのに十分な水素原子が結合していると仮定される幾つかの炭素原子を除いて、すべての結合が同定されている。
【0065】
本明細書において、描かれた式の置換基または変数の組み合わせは、このような寄与が安定な化合物を生じる場合にのみ許容されることが理解されるべきである。
【0066】
本明細書で記載する場合、ある実施形態において、本開示は、アセトゲニンを含むスキンケア組成物を提供する。アセトゲニンは構造的には、2-プロパノール単位と組合されたC32/C34脂肪酸から誘導されたC35/C37天然生成物のクラスである。これらは通常、1、2または3個のテトラヒドロフラン(THF)環もしくはエポキシドおよび/または炭化水素鎖に沿って位置する1、2個以上の二重結合ならびにヒドロキシル、アセトキシル、ケトンおよびエポキシドの幾つかの酸素添加部分を有する、末端メチル置換α,β-不飽和γ-ラクトン環を有する脂肪族長鎖(場合により、ケロラクトンに再配置される。)を特徴とする(Alali et al.,J.Nat.Prod.62:504,1999)。生理活性二次植物代謝産物のクラスであるアセトゲニンは、アンノナチェアエ(Annonaceae)科の大半の属、例えばアッコペラルム(Accopetalum)、アンノナ(Annona)(アノナ(Anona)としても公知)、アプリシア(Aplysia)、アシミナ(Asimina)、アスパラゴプシス(Asparagopsis)、アスペルギルス(Aspergillus)、コンドリア(Chondria)、ダシマスクハロン(Dasymaschalon)、ダシフィラ(Dasyphila)、ゴニオタラムス(Goniothalamus)、ハリクロナ(Haliclona)種、ラウレンチア(Laurencia)、ミリウサ(Miliusa)、ミカレ(Mycale)、オフリペタルム(Ophrypetalum)、ファケロカルプス(Phacelocarpus)、ポリアルチア(Polyalthia)、ポルケリア(Porcelia)、プチロニア(Ptilonia)、ロッリニア(Rollinia)、サッコペタルム(Saccopetalum)、スポンジア(Spongia)、ウバリア(Uvaria)およびクシロピア(Xylopia)などに見出すことができる。
【0067】
ある実施形態において、アセトゲニンは、テルペノイドバイオマーカー(例えばカウレン酸)も含むことがある、アンノナ(Annona)(アノナ(Anona)とも呼ばれる。)植物から抽出、高濃度化、単離または精製される。アンノナ(Annona)植物は、熱帯常緑樹であり、大型のハート形状の食用果実を産し、この果実は南米で人気があり、ポーポー/シュガーアップル科、アンノナケアエ(Annonaceae)に含まれる。熟したシュガーアップル(アンノナ・スクアモサ(Annona squamosa))は通常、割れて開き、果肉部分は食用である。マレーシアでは、果肉をふるいに押し通して種子を除き、次にアイスクリームに加えるか、または冷たい牛乳と混ぜて冷たい飲料とし、加熱することはない(Alali et al.,J.Nat.Prod.62:504,1999;Morton,J.1987.Sugar Apple,p.69-72.In:Fruits of warm climates.Julia F.Morton,Miami,FLを参照のこと)。アンノナ(Annona)種の例としては、A.アテモヤ(atemoya)、A.ケリモラ(cherimola)、A.ケリモリア(cherimolia)、A.コリアケア(coriacea)、A.クラッシフロラ(crassiflora)、A.グラブラ(glabra)、A.グラウカ(glauca)、A.ヤニイ(jahnii)、A.ロンジフォリア(longifolia)、A.モンタナ(montana)、A.ムリカタ(muricata)、A.ヌタンス(nutans)、A.ププレア(pupurea)、A.レチクラタ(reticulata)、A.センガレンシス(sengalensis)、A.スピネセンス(spinescens)、A.スプラグエイ(spraguei)、A.スクアモサ(squamosa)、A,レクチクラタ(recticulata)およびA.トリロバ(triloba)が挙げられる。
【0068】
ある実施形態において、本開示のアセトゲニン化合物は、以下の式(A)による構造:
(A)R1-L-R2-R3
式中、R1は、0から10個の-OH、-C(=O)Rg、-C(=O)ORgによって場合により置換され、0から2個の二重結合を含有する直鎖C5-20であり;
Rgは同じであるか、または異なり、独立して水素またはC1-5アルキルであり;
Lは、構造(B)のテトラヒドロフラン基、構造(C)のエポキシ基、構造(D)の複素環基、
【0069】
【0070】
【化2】
または式L
1-(X-L
2)
Pの基から選択される基であり、L
1およびL
2は、構造(B)のテトラヒドロフラン基、構造(C)のエポキシ基、構造(D)の複素環基、C
1-5アルキルおよび
【0071】
【化3】
から独立して選択され;
Rは、Hまたは-OHであり、Xは、-OHによって場合により置換されたC
0-5アルキルであり;
R
2は、場合によりヒドロキシル化またはカルボキシル化され、0から2個の二重結合を含有する直鎖C
5-20であり;
R
3は、
【0072】
【0073】
【化5】
から選択されるラクトン部分であり、R
9およびR
10は、独立してHまたは-OHである。
【0074】
ある他の実施形態において、本開示のアセトゲニン化合物は、以下の式(I)、(II)または(III)による構造を有する:
【0075】
【化6】
式中、R
1-R
6は、それぞれ独立して、C
0-50および/または0-5個のテトラヒドロフラン環ならびに/もしくは二重結合および/または三重結合を有し、ならびに/もしくは炭化水素鎖または環に沿って位置するヒドロキシル、アセトキシル、ケトンおよび/またはエポキシドの部分を有する、置換または非置換C
0-50アルキルまたは環である。
【0076】
アセトゲニンの例としては、ブラデシン、ブラタシン、スクアモシン(アンノニンI)、アンノナシン、アンノニシン、アルチキュリン(articulin)、アシミナシン、アテモテトロリン、カロリンA、カロリンB、カロリンC、モトリリン(スクアモシンC)、アンノグラウシン、ブラシン、ブラタシン、ブラテトロシン、コヒビンA、コヒビンB、ジエポムリカニンB、ジエポキシロリン、ドンナイエニンD、エポムセニンA、エポムセニンB、エスペリシン、ギガンテシノン、グラブラシンA、グラブラシンB、グラウカネチン(glaucanetin)、ゴニオトリオシン、ゴニオトリオニン、ゴニオテトラシン、グアナコンネ(guanaconne)、9-ヒドロキシアシミシノン(9-hydroxyasimicinone)、ジメネジン、メンブラロリン(membrarollin)、ミクロカルパシン、モルビザリン、モンテクリスチン、モシノンA、ムコニン、ムコキシン、ムリジエニン-1、ムリジエニン-2、パルビフロリン、ピラニシン、ピラゴニシン、ロリデシンC、ロリデシンD、ロリメンブリン、トリタシン、ロリナシン、スピネンシン、スクアモシンD、トリロバシノン、トリロバリシン、ウバリシン、ウバリジン、ウバリグランジンA、ウバリアソリンI、ウバリアソリンII、キシロマテニン、アンノナシンA、プルプレジオリンおよびプルプレニンが挙げられる。
【0077】
他の実施形態において、本開示は、イソキノリンアルカロイドを含むスキンケア組成物またはボディスリミング組成物を提供する。アルカロイドは、植物起源の塩基性窒素含有有機化合物である。イソキノリンアルカロイドは、イソキノリンから誘導されたアルカロイドのクラスであり、アポルフィンアルカロイドおよびベンゾフェナントリジンアルカロイドを含む。イソキノリンは、以下の構造:
【0078】
【0079】
アポルフィンアルカロイドおよびベンゾフェナントリジンアルカロイドは、アラケアエ(Araceae)、アリストロキアケアエ(Aristolochiaceae)、ベルベリダケアエ、エウフォルビアケアエ(Euphorbiaceae)、ヘレボラケアエ(Helleboraceae)、ラウラケアエ(Lauraceae)、マグノリアケアエ(Magnoliaceae)、メニスペルマケアエ(Menispermaceae)、パパベラケアエ(Papaveraceae)、ラヌンクラケアエ(Ranunculaceae)、ラムナケアエ(Rhamnaceae)およびルタケアエ(Rutaceae)を含む、20を超える植物科の属から単離されている。これらの植物科の中で、これらのアルカロイドは、アコニタム(Aconitum)、アリストロキア(Aristolochia)、ベルベリス(Berberis)、ケリドニウム(Chelidonium)、クレムナチス(Clemnatis)、コックルス(Cocculus)、コプリス(Coplis)、ジオスコレオフィルム(Dioscoreophyllum)、エピメジウム(Epimedium)、フマリア(Fumaria)、グラウシウム(Glaucium)、マグノリア(Magnolia)、マホニア(Mahonia)、マノドラ(Manodora)、ナンジナ(Nandina)、パキゴネ(Pachygone)、フェロデンドロン(Phellodendron)、ラヌンクルス(Ranunculus)、シノメニウム(Sinomenium)、タリクトラム(Thalictrum)、チノスポラ(Tinospora)およびザントキシラム(Zanthoxylum)を含む多くの属の種から単離されている。
【0080】
ある実施形態において、イソキノリンアルカロイドは、ザントキシラム(Zanthoxylum)植物から抽出、単離または精製される。ザントキシラム(Zanthoxylum)(文献ではキサントキシラム(Xanthoxylum)とも呼ばれる。)は、イエローウッド(Yellow Wood)科(ルタケアエ(Rutaceae))の1つであり、30を超える種を含む植物の広く分布した属である。ザントキシラム(Zanthoxylum)の2つの種は、米国本土原産であり、Z.アメリカヌム(americanum)Mill.(ノザン・プリックリー・アッシュ)およびZ.クラバ-ヘリクリス(clava-herculis)L.(サザン・プリックリー・アッシュ)である。これらの2種はプリックリー・アッシュと呼ぶことができる。ノザン・プリックリー・アッシュはカナダ南部ならびに米国の北部、中部および西部に自生しているが、サザン・プリックリー・アッシュは、米国の中部および南部に自生している。プリックリー・アッシュは、低木または高さ5から10フィートまで成長する小型の樹木であり、北アメリカ原住民の伝統的な歯痛治療薬として使用されるため、歯痛の木(toothache tree)としてよく知られている。ザントキシラム(Zanthoxylum)種の例としては、Z.アルブケルケイ(albuqurquei)、Z.アラツム(alatum)、Z.アメリカヌム(americanum)、Z.ブンゲアヌム(bungeanum)、Z.ベリゼンセ(belizense)、Z.クラバ-ヘリクリス(clava-herculis)、Z.ココ(coco)、Z.コリアケウム(coriaceum)、Z.ジペタルム(dipetalum)、Z.フラブム(flavum)、Z.ゲントレイ(gentlei)、Z.カウエンセ(kauaense)、Z.ニチヅム(nitidum)、Z.ピアセズキイ(piasezkii)、Z.ピペリツム(piperitum)、Z.キンヅエンセ(quinduense)、Z.トマシアヌム(thomasianum)およびZ.ザントキシロイデス(zanthoxyloides)が挙げられる。
【0081】
ある実施形態において、本開示のアポルフィンアルカロイド化合物は、以下の式(IV)による構造を有する:
【0082】
【化8】
式中、R
1およびR
2は、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニルまたは置換アルケニル、メチレンから成る群より独立して選択され;R
3-R
8はそれぞれ独立して、H、ヒドロキシル、チオール、メトキシ、メチルスルフィド、メチレンジオキシ、アルコキシ、アルキルスルフィドまたはクロリド、ヨージド、フルオリド、サルフェート、ホスフェート、アセテートまたはカーボネートから選択される薬学的に許容される酸付加塩である。ある他の実施形態において、アポルフィンアルカロイドは、マグノフロリンであり、式中、R
1およびR
2は-CH3であり;R
3およびR
8はHであり;R
4およびR
7は-OCH
3;ならびにR
5およびR
6は-OHである。なお他の実施形態において、アポルフィンアルカロイドはラウリホリンであり、式中、R
1およびR
2は-CH3であり;R
3およびR
6は-OHであり;R
4およびR
7は-OCH
3であり;ならびにR
5およびR
8はHである。
【0083】
ある他の実施形態において、本開示のベンゾフェナントリジンアルカロイド化合物は、以下の式(V)による構造を有する:
【0084】
【化9】
式中、R
1-R
4はそれぞれ独立してH、ヒドロキシ、アルコキシ、メトキシ、メチレンジオキシ、チオール、メチルスルフィドまたはアルキルスルフィドであり;ならびにR
5は、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニルまたは置換アルケニルである。
【0085】
他の実施形態において、本開示は、テルペノイドを含むスキンケア組成物またはボディスリミング組成物を提供する。ローズマリーとしてよく知られるロスマリヌス(Rosmarinus)は、木質の多年生草本であり、芳香があり常緑の針状の葉と、白、ピンク、紫色または青色の花を有する。ローズマリーは、多くの他の草本を含むミント科ラミアケアエ(Lamiaceae)の1つであり、地中海地域に自生している。ローズマリー抽出物は、テルペノイド(例えばモノテルペノイド、ジテルペノイド、トリテルペノイド)を含む、複数の生理活性成分を含有している。一般的なクラスの化合物は、フェノール系ジテルペンであり、最も豊富なのはカルノシン酸である。フェノール系ジテルペンは、ロスマリヌス(Rosmarinus)抽出物だけではなく、サルビア(Salvia)抽出物にも見出される。ロスマリヌス(Rosmarinus)種の例としては、R.オフィシナリス(officinalis)、R.トメントスス(tomentosus)、R.エリオカルクス(eriocalyx)およびR.パラウイ(palaui)が挙げられる。サルビア(Salvia)種の例としては、S.アピアナ(apiana)、S.カナリエンシス(canariensis)、S.カンデラブラム(candelabrum)、S.カルディオフィラ(cardiophylla)、S.コルンカリアエ(columcariae)、S.クリプタンサ(cryptantha)、S.ヒパルゲイア(hypargeia)、S.オフィシナリス(officinalis)、S.ラニゲラ(lanigera)、S.ミルティオリザ(miltiorrhiza)、S.ムンジル(munzil)、S.フィロモイデス(phlomoides)、S.プベセンス(pubescens)、S.プリオニティス(prionitis)およびS.テキサナ(texana)が挙げられる。
【0086】
これらの植物に見出されるフェノール系ジテルペンの例としては、カルノシン酸(サルビンとしても公知)、16-ヒドロキシカルノシン酸、11-アセトキシカルノシン酸、メチルカルノソエート、7-オキソカルノシン酸、6-オキソ-7-β-ヒドロキシカルノシン酸、カルノソール、イソロスマノール、12-ヒドロキシイソカルノソール、11,12-メチオキシ(methyoxy)-イソロスマノール、ロスマノール、エピロスマノール、7-モノメチルエピロスマノール、ロスマリジフェノール、ガルドソール、カルノシン酸12-メチルエーテル-δ-ラクトン、アルカトリオール、デオキソカルノソール12-メチルエーテル、6-α-ヒドロキシデメチルクリプトジャポノール、サルビカノール、11,12-ジメトキシ-6,8,11,13-テトラエン-20-オイック酸メチルエステル、ロスマノール-カルノソエート、カンデサルボン(candesalvone)A、2-α-ヒドロキシスギオール、7-エトキシロスマノール、20-デオキソカルノソール、3-β-ヒドロキシ-デメチルクリプトジャパン(demethylcryptojapan)、サルビノロン、6,7-デヒドロキシサルビオールなどが挙げられる。
【0087】
本開示の構造(I)から(V)の化合物のいずれの実施形態も、本開示の構造(I)から(V)の化合物について本明細書で説明するいずれの特定の置換基も、本開示の構造(I)から(V)の化合物のいずれか1つの他の実施形態または置換基と独立して組み合わせて、本明細書で具体的に説明されていない本開示の実施形態を形成してよいことが理解される。さらに、置換基のリストが特定の実施形態または特許請求の範囲におけるいずれか特定のR基について記載されている場合、各個別の置換基を前記特定の実施形態または特許請求の範囲から削除してよく、置換基の残りのリストが本開示の範囲内にあると見なされることが理解される。
【0088】
本開示の化合物は、植物源から、例えば本明細書中の実施例および他の箇所に含まれる、植物属もしくは植物種またはある植物の部分(例えば樹皮、葉、果実)から抽出、単離または精製することができる。またはもしくは加えて、本開示の化合物は、合成的にまたは半合成的に調製することができる。ある実施形態において、本開示の1種類以上の化合物は、指示された植物属または植物種からの生圧搾物または抽出物中の主活性成分が高濃度化されているか、または主活性成分であり、生圧搾物または高濃度化抽出物は、植物全体または植物のある部分、例えば葉、樹皮、幹、幹皮、茎、茎皮、細枝、塊茎、根、根皮、樹皮表面(例えば、コルク組織、コルク形成層、コルク皮層またはこれらのいずれかの組み合わせを含み得る、周皮またはポリダーム(polyderm))、新梢、根茎、種子、果実、雄蕊群、雌蕊群、萼、雄蕊、花弁、萼片、心皮(雌蕊)、花またはこれらのいずれかの組み合わせから得られる。幾つかの関連実施形態において、化合物は、植物源から単離されて、多様な置換基のいずれかを含有するように合成的に修飾される(例えばVieira et al.,J.Braz.Chem.Soc.13:151,2002を参照のこと)。この点で、植物から単離された化合物の合成的修飾は、当分野で公知であり、当業者の十分に範囲内である幾つもの技法を使用して実施することができる。
【0089】
本開示の生理活性アセトゲニンは、合成法によって得ても、または1種類以上の植物、例えばアンノナ(Annona)から抽出してもよい。ある実施形態において、アンノナ(Annona)抽出物はアンノナ・スクアモサ(Annona squamosa)に由来し、またはアンノナ(Annona)抽出物は、1、2、3、4種以上のアンノナ(Annona)種からの抽出物の混合物である。
【0090】
さらなる実施形態において、アンノナ・スクアモサ(Annona squamosa)抽出物は、1種類以上のアセトゲニン、例えばスクアモシン、モトリリンまたは両方が高濃度化されている。なおさらなる実施形態において、スクアモシン、モトリリンまたは両方が高濃度化されたアンノナ(Annona)抽出物は、1、2、3、4種以上のアンノナ(Annona)種からの抽出物の組み合わせである。またさらなる実施形態において、アンノナ(Annona)抽出物から単離された、部分的に精製されたまたは実質的に精製されたスクアモシン、モトリリンまたは両方が提供される。ある実施形態において、アセトゲニンが高濃度化されたアンノナ(Annona)抽出物は、少なくとも約0.005%、少なくとも約0.01%、少なくとも約0.05%、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.5%、少なくとも約1%、少なくとも約2%、少なくとも約3%、少なくとも約4%、少なくとも約5%、少なくとも約6%、少なくとも約7%、少なくとも約8%、少なくとも約9%、少なくとも約10%、少なくとも約12%、少なくとも約15%、少なくとも約16%、少なくとも約17%、少なくとも約18%、少なくとも約19%、少なくとも約20%、少なくとも約21%、少なくとも約22%、少なくとも約23%、少なくとも約24%、少なくとも約25%または少なくとも約30%のアセトゲニンを含有する。他の実施形態において、アセトゲニンが高濃度化されたアンノナ(Annona)抽出物は、約0.5%から約30%または約1%から約18%または約3%から約23%または約2%から約9%のアセトゲニンを含有する。ある他の実施形態において、1種類以上のアセトゲニンが高濃度化されたアンノナ(Annona)抽出物のバイオマーカーはテルペノイド、例えばカウレン酸である。なおある他の実施形態において、1種類以上のアセトゲニンが高濃度化されたアンノナ(Annona)抽出物のバイオマーカーはカウレン酸であり、抽出物は少なくとも1%のカウレン酸を含む。
【0091】
本開示の生理活性イソキノリンアルカロイドは、合成法によって得ても、または1種類以上の植物、例えばザントキシラム(Zanthoxylum)から抽出してよい。ある実施形態において、ザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物は、ザントキシラム・アメリカヌム(Zanthoxylum americanum)、ザントキシラム・クラバ-ヘリクリス(Zanthoxylum clava-herculis)もしくは両方に由来し、またはザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物は、1、2、3、4種以上のザントキシラム(Zanthoxylum)種からの抽出物の混合物である。
【0092】
さらなる実施形態において、ザントキシラム・アメリカヌム(Zanthoxylum americanum)抽出物またはザントキシラム・クラバ-ヘリクリス(Zanthoxylum clava-herculis)抽出物は、1種類以上のイソキノリンアルカロイド、例えばマグノフロリン、ラウリホリンまたは両方が高濃度化されている。なおさらなる実施形態において、マグノフロリン、ラウリホリンまたは両方が高濃度化されたザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物は、1、2、3、4種以上のザントキシラム(Zanthoxylum)種からの抽出物の組み合わせである。またさらなる実施形態において、ザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物から単離された、部分的に精製されたまたは実質的に精製されたマグノフロリン、ラウリホリンまたは両方が提供される。ある実施形態において、イソキノリンアルカロイドが高濃度化されたザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物は、少なくとも約0.5%、少なくとも約1%、少なくとも約2%、少なくとも約3%、少なくとも約4%、少なくとも約5%、少なくとも約6%、少なくとも約7%、少なくとも約8%、少なくとも約9%、少なくとも約10%、少なくとも約11%、少なくとも約12%、少なくとも約13%、少なくとも約14%または少なくとも約15%のイソキノリンアルカロイドを含有する。他の実施形態において、アセトゲニンが高濃度化されたザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物は、約0.5%から約15%、または約1%から約10%、または約2%から約8%、または約3%から約5%のイソキノリンアルカロイドを含有する。
【0093】
本開示の生理活性フェノール系ジテルペンは、合成法によって得ても、または1種類以上の植物、例えばロスマリヌス(Rosmarinus)、サルビア(Salvia)または両方から抽出してよい。ある実施形態において、ローズマリー抽出物はロスマリヌス・オフィシナリス(Rosmarinus officinalis)に由来するか、またはローズマリー抽出物は1、2、3もしくは4種類のロスマリヌス(Rosmarinus)種からの抽出物の混合物である。ある他の実施形態において、サルビア(Salvia)抽出物はサルビア・オフィシナリス(Salvia officinalis)から得られるか、またはサルビア(Salvia)抽出物は1、2、3もしくは4種類のサルビア(Salvia)種からの抽出物の混合物である。
【0094】
さらなる実施形態において、ロスマリヌス・オフィシナリス(Rosmarinus officinalis)抽出物またはサルビア・オフィシナリス(Salvia officinalis)抽出物はテルペノイド、例えばカルノシン酸、カルノソール、ウルソール酸またはこれらのいずれかの組み合わせが高濃度化されている。なおさらなる実施形態において、カルノシン酸、カルノソール、ウルソール酸またはこれらのいずれかの組み合わせが高濃度化された抽出物は、ロスマリヌス(Rosmarinus)抽出物およびサルビア(Salvia)抽出物の組み合わせ、ロスマリヌス・オフィシナリス(Rosmarinus officinalis)抽出物およびサルビア・オフィシナリス(Salvia officinalis)抽出物の組み合わせまたは1、2、3もしくは4種類のロスマリヌス(Rosmarinus)種および1、2、3もしくは4種類のサルビア(Salvia)種からの抽出物の組み合わせである。またさらなる実施形態において、ロスマリヌス(Rosmarinus)抽出物、サルビア(Salvia)抽出物または両方から単離された、部分的に精製されたまたは実質的に精製されたカルノシン酸が提供される。ある実施形態において、カルノシン酸が高濃度化されたロスマリヌス(Rosmarinus)抽出物またはサルビア(Salvia)抽出物は、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約71%、少なくとも約72%、少なくとも約73%、少なくとも約74%、少なくとも約75%、少なくとも約76%、少なくとも約77%、少なくとも約78%、少なくとも約79%または少なくとも約80%のカルノシン酸を含有する。他の実施形態において、カルノシン酸が高濃度化されたロスマリヌス(Rosmarinus)抽出物またはサルビア(Salvia)抽出物は、約25%から約80%、または約30%から約75%、または約30%から約60%、または約71%から約77%カルノシン酸を含有する。
【0095】
ある実施形態において、本開示は、アンノナ(Annona)抽出物、例えばアンノナ(Annona)果実抽出物を含む組成物を提供する。さらなる実施形態において、アンノナ(Annona)抽出物は、1種類以上のアセトゲニンが高濃度化されている。
【0096】
ある実施形態において、本開示は、アンノナ(Annona)抽出物およびザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物の、例えば1種類以上のアセトゲニンが高濃度化されたアンノナ(Annona)抽出物、1種類以上のイソキノリンアルカロイドが高濃度化されたザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物または1種類以上のアセトゲニンが高濃度化されたアンノナ(Annona)抽出物および1種類以上のイソキノリンアルカロイドが高濃度化されたザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物の混合物を含む組成物を提供する。さらなる実施形態において、アンノナ(Annona)抽出物はアンノナ・スクアモサ(Annona squamosa)抽出物であり、ザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物は、ザントキシラム・アメリカヌム(Zanthoxylum americanum)抽出物、ザントキシラム・クラバ-ヘリクリス(Zanthoxylum clava-herculis)抽出物もしくはこれらの組み合わせであり、またはアンノナ(Annona)抽出物はアンノナ・スクアモサ(Annona squamosa)抽出物であり、ザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物は、ザントキシラム・アメリカヌム(Zanthoxylum americanum)抽出物、ザントキシラム・クラバ-ヘリクリス(Zanthoxylum clava-herculis)抽出物もしくはこれらの組み合わせである。幾つかの実施形態において、アンノナ(Annona)抽出物はアンノナ(Annona)果実抽出物であり、ザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物はザントキシラム(Zanthoxylum)樹皮抽出物であり、またはアンノナ(Annona)抽出物はアンノナ(Annona)果実抽出物であり、およびザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物はザントキシラム(Zanthoxylum)樹皮抽出物である。ある実施形態において、アンノナ(Annona)抽出物は、スクアモシン、モトリリンまたは両方が高濃度化されている。他の実施形態において、ザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物は、1種類以上のアポルフィンアルカロイド、例えばマグノフロリン、ラウリフロリン(lauriflorine)または両方が高濃度化されている。
【0097】
さらなる実施形態において、上述の組成物のいずれもローズマリー抽出物、例えばテルペンが高濃度化されたローズマリー抽出物をさらに含む。またさらなる実施形態において、添加されたローズマリー抽出物は、ロスマリヌス・オフィシナリス(Rosmarinus officinalis)、ロスマリヌス・トメントスス(Rosmarinus tomentosus)、ロスマリヌス・エリオカルクス(Rosmarinus eriocalyx)、ロスマリヌス・パラウイ(Rosmarinus palaui)またはこれらのいずれかの組み合わせに由来する。なおさらなる実施形態において、テルペンが高濃度化されたローズマリー抽出物は、カルノシン酸、カルノソール、ウルソール酸またはこれらのいずれかの組み合わせを含む。上述の実施形態のいずれにおいても、1、2または全種の抽出物が脱色されている。
【0098】
ある実施形態において、本開示によってアンノナ(Annona)抽出物およびローズマリー抽出物の混合物を含む組成物が提供され、例えばアンノナ(Annona)抽出物は1種類以上のアセトゲニンが高濃度化され、ローズマリー抽出物は1種類以上のテルペン(例えばフェノール系ジテルペン)が高濃度化され、またはアンノナ(Annona)抽出物は1種類以上のアセトゲニンが高濃度化され、およびローズマリー抽出物は1種類以上のテルペン(例えばフェノール系ジテルペン)が高濃度化されている。さらなる実施形態において、アンノナ(Annona)抽出物はアンノナ・スクアモサ(Annona squamosa)抽出物であり、ローズマリー抽出物は、ロスマリヌス・オフィシナリス(Rosmarinus officinalis)、ロスマリヌス・トメントスス(Rosmarinus tomentosus)、ロスマリヌス・エリオカルクス(Rosmarinus eriocalyx)、ロスマリヌス・パラウイ(Rosmarinus palaui)またはこれらのいずれかの組み合わせに由来し、またはアンノナ(Annona)抽出物はアンノナ・スクアモサ(Annona squamosa)抽出物であり、およびローズマリー抽出物はロスマリヌス・オフィシナリス(Rosmarinus officinalis)に由来している。幾つかの実施形態において、アンノナ(Annona)抽出物はアンノナ(Annona)果実抽出物であり、ローズマリー抽出物はロスマリヌス(Rosmarinus)葉抽出物であり、またはアンノナ(Annona)抽出物はアンノナ・スクアモサ(Annona squamosa)果実抽出物であり、およびローズマリー抽出物はロスマリヌス・オフィシナリス(Rosmarinus officinalis)葉抽出物である。ある実施形態において、アンノナ(Annona)抽出物は、スクアモシン、モトリリンまたは両方が高濃度化されている。他の実施形態において、ローズマリーは1種類以上のフェノール系ジテルペン、例えばカルノソン酸(carnosoic acid)、カルノソールまたは両方が高濃度化されている。上述の実施形態のいずれにおいても、1種または両方の抽出物が脱色されている。
【0099】
投与目的のために、本開示の化合物は、原料化学物質(例えば植物抽出物)として投与してよく、または医薬組成物または皮膚科用組成物または化粧品組成物として処方してよい。ある実施形態において、本開示の医薬組成物または皮膚科用組成物または化粧品組成物は、いずれか1種類以上の構造(I)から(V)を有する化合物および薬学的にまたは皮膚科学的にもしくは化粧品的に許容される担体、希釈剤または賦形剤を含む。構造(I)から(V)の化合物は、組成物中に個別にまたは組合されて、対象の特定の疾患または病状を処置するのに有効な量で、即ちスキンケアに、セルライトの管理もしくは制御もしくは低減もしくは防止、セルライト形成の抑制、皮膚組織における目視できる脂肪沈着の低減、皮膚のたるみまたはゆるみの引き締めおよびハリ付与、皮膚老化の影響の管理もしくは制御もしくは低減もしくは防止(アンチエイジング)、しみの管理もしくは制御もしくは低減もしくは防止、皮膚色むらの改善、皮膚の弾性の改善、より滑らかで引き締まった皮膚のための保水量の低減、皮膚を滑らかにすることもしくは皮膚色むら調整、皮膚の回復の促進、打撲傷もしくは打撲の制御もしくは低減、フリーラジカルのダメージからの保護、ストレッチマークの管理もしくは制御もしくは低減、脂肪合成の低減、細胞(例えば脂肪細胞)における脂肪含有量の低減、脂肪細胞の低減、脂肪細胞への細胞分化の低減、脂肪分解の促進、脂肪除去の改善、健全な脂質プロフィールの維持もしくは促進もしくは補助、健全なコレステロールレベルの維持もしくは促進もしくは補助、減量の促進、ボディマス指数(BMI)の低減、大腿囲もしくは腕囲の管理もしくは低減、二重あごの低減、眼窩周囲腫れもしくは眼輪筋下脂肪もしくは涙袋の低減もしくは管理もしくは制御、体重制御の促進、体重管理の補助、コラーゲン合成の促進、ヒアルロン酸合成の促進、微小循環(皮膚)の改善もしくは活性化、心臓血管機能の維持もしくは補助、皮膚組織における(目視できる)脂肪沈着形成を抑制もしくは低減する免疫系の補助、皮膚組織における(目視できる)脂肪沈着形成を抑制または低減する健全な血糖レベルの維持もしくは促進もしくは補助またはこれらのいずれかの組み合わせまたは本明細書に記載するいずれかの他の関連する表示に十分な量で存在し、一般に処置される対象に対して許容される安全性プロフィール(profiel)を備えている。構造(I)から(V)のいずれか1つで示す化合物による、皮膚の健康または上述の状態のいずれかの促進、管理または改善は、当業者によって、例えば以下の実施例に記載するように判断することができる。適切な濃度および投薬量は、当業者がただちに判断することができる。
【0100】
単離形態もしくは純粋形態での、または適切な医薬組成物もしくは皮膚科用組成物もしくは化粧品組成物中での本開示の化合物またはこれの薬学的にもしくは皮膚科学的にもしくは化粧品的に許容される塩は、同様の有用性を供する薬剤のいずれの許容される投与様式を使用しても投与することができる。本開示の医薬組成物または皮膚科用組成物または化粧品組成物は、患者への組成物の投与時にこれに含有される活性成分が生物学的に利用可能となるように処方される。
【0101】
組成物は単回投薬単位(例えば粉末、溶液もしくはゲル)として対象に投与してよく、または組成物は複数回の投薬単位として(例えばエアゾール形態で)投与してよい。例えば本開示の抗セルライト製剤、ボディスリミング製剤またはスキンケア製剤は、滅菌して、日常の計量された分配量を供給するよう選択された寸法の、単回使用のプラスチック積層パウチまたはプラスチックチューブ内に包装してよい。幾つかの例において、容器は、皮膚外観に影響する障害(例えばセルライト、加齢、天候への暴露、過体重など)を処置または防止するために、対象の標的表面の限定された部位に抗セルライト製剤、ボディスリミング製剤またはスキンケア製剤(例えばクリーム形態、ローション形態、ゲル形態)0.5mlの分配量が予想される寸法を有してよい。標的の例、例えば顔(例えば眼窩周囲腫れ、眼輪筋下脂肪、涙袋)、顎/頸部部位(例えば二重あご)、大腿部、腰部および腹部は、皮膚障害のごく近傍にある。大腿部、腰部および腹部は、例えばセルライトが目視できる、またはセルライト形成のリスクがある部位である。
【0102】
本開示の医薬組成物または皮膚科用組成物または化粧品組成物は、本開示の化合物または抽出物を薬学的にまたは皮膚科学的にまたは化粧品的に許容される担体、希釈剤または賦形剤と組み合わせることによって調製可能であり、粉末、顆粒、ミクロスフェアまたはエアゾールを含む、固体形態、半固体形態、液体形態、半液体形態、懸濁物形態、エマルジョン形態、ゲル形態またはガス形態の調製物として処方してよい(see Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Edition,Philadelphia College of Pharmacy and Science,2000を参照のこと)。一態様において、担体が微粒子であるため、組成物は例えば粉末形態である。担体は液体であってよく、組成物は例えば軟膏、クリームまたはエアゾールである。ある実施形態において、本開示の化合物および組成物は、外用的におよび経口的でなく、即ち非経口的に(parentarelly)投与される。外用投与は、クリーム、ローション、軟膏、ゲル、エマルジョン、パッチ、スプレーなどを含む、皮膚を通じたいずれの投与経路も示す。
【0103】
組成物は、結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、シクロデキストリン、微結晶性セルロース、トラガカントガムまたはゼラチン;賦形剤、例えばデンプン、ラクトースもしくはデキストリン、崩壊剤、例えばアルギン酸、ナトリウムアルギネート、ナトリウムデンプングリコレート、コーンスターチなど;潤滑剤、例えばマグネシウムステアレートまたは水素添加大豆油;流動促進剤、例えばコロイド状二酸化ケイ素;芳香向上剤;着色剤;またはこれらのいずれかの組み合わせを含む、1種類以上の不活性希釈剤、担体または賦形剤を含有してよい。このような組成物は、界面活性剤、保存剤、湿潤剤、分散剤、懸濁化剤、緩衝剤、安定剤または等張剤の1種類以上をさらに含んでよい。加えて、このような組成物は、上の種類の物質以外に、ポリエチレングリコールまたは油などの担体も含有してよい。
【0104】
本開示の液体の医薬組成物または皮膚科用組成物または化粧品組成物は、これらが溶液、懸濁物または他の同様の形状であるかにかかわらず、以下の添加剤:滅菌希釈剤、例えば水、食塩溶液、例えば生理食塩水、リンゲル液、等張性ナトリウムクロリド、固定油、例えば溶媒または懸濁媒体として作用し得る合成モノグリセリドまたはジグリセリド、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールまたは他の溶媒;抗菌剤、例えばエタノール、ベンジルアルコール、メチルパラベンまたは天然(ntural)保存剤;抗酸化剤、例えばアスコルビン酸またはナトリウムバイサルファイト;キレート剤、例えばエチレンジアミンテトラ酢酸;緩衝剤、例えばアセテート、シトレートまたはホスフェートおよび張度調整剤、例えばナトリウムクロリドまたはデキストロースの1種類以上を含んでよい。
【0105】
本開示の医薬組成物または皮膚科用組成物または化粧品組成物は、外用投与用であり、担体は溶液、エマルジョン、クリーム、ローション、軟膏またはゲルベースを好適に含んでよい。ベースは、例えば以下の:ワセリン、ラノリン、ココアバター、ポリエチレングリコール、ミツロウ、鉱油、希釈剤、例えば水もしくはアルコールまたは乳化剤もしくは安定剤の1種類以上を含んでいてよい。増粘剤は、外用投与用の医薬組成物または皮膚科用組成物または化粧品組成物中に存在してよい。経皮投与用である場合、組成物は、経皮パッチまたはイオン導入デバイスを含んでよい。
【0106】
固体形態または液体形態の本開示の医薬組成物または皮膚科用組成物または化粧品組成物は、本開示の化合物と結合して、または本開示の化合物と会合して、これにより化合物の送達を補助する薬剤を含んでよい。この能力で作用し得る好適な薬剤としては、モノクローナル抗体もしくはポリクローナル抗体、タンパク質またはリポソームを挙げられる。
【0107】
固体形態または液体形態の、本開示の医薬組成物または皮膚科用組成物または化粧品組成物は、例えば生物学的利用能を改善するために、粒径の縮小を含んでよい。賦形剤を含めたまたは含めない、組成物中の粉末、顆粒、粒子、ミクロスフェアなどの径は、径およびバルク密度を改善するために、マクロ(例えば目視できる、即ち少なくとも径が100μm)、ミクロ(例えば径が約100μmから約100nmの範囲に及んでよい。)、ナノ(例えば径が100nm以下でよい。)であるか、またはこれのいずれかの間の径またはこれらのいずれかの組み合わせでもあることができる。
【0108】
本開示の医薬組成物または皮膚科用組成物または化粧品組成物は、エアゾールまたはスプレーとして投与または適用できる投薬単位より成ってよい。エアゾールという用語は、コロイド状の性質のものから加圧パッケージより成るシステムにまで及ぶ多様なシステムを示すのに使用される。液化ガスもしくは加圧ガスによって、または活性成分を分配する好適なポンプシステムによって送達してよい。本開示の化合物のエアゾールは、活性成分を送達するために、単相システム、2相システムまたは3相システムで送達してよい。エアゾールの送達には、必要な容器、アクチベータ、バルブ、サブ容器などが含まれ、これらは共にキットとなっていてもよい。当業者は、過度の実験を伴わずに、最も適切なエアゾールまたは他の送達デバイスを決定してよい。
【0109】
本開示の医薬組成物または皮膚科用組成物または化粧品組成物は、医薬分野または皮膚科学分野または化粧品分野で周知の方法によって調製してよい。例えば、外用投与される医薬組成物または皮膚科用組成物または化粧品組成物は、溶液を形成するために本開示の化合物を水(例えば滅菌、蒸留)と組み合わせることによって調製できる。均質な溶液または懸濁物の形成を促進するために、界面活性剤を添加してよい。界面活性剤は、水系送達システムにおいて化合物の溶解または均質な懸濁を促進するために、本開示の化合物と非共有結合的に相互作用する薬剤である。
【0110】
本開示の化合物またはこれの薬学的にもしくは皮膚科学的に許容される塩は治療的有効量で投与され、治療的有効量は、用いた具体的な化合物の活性;化合物の安定性および作用期間;対象の年齢、体重、全身健康状態、性別または食事;投与様式または投与時間;薬剤の組み合わせ;特定の障害または病状の重症度;ならびに治療を受ける対象を含む多様な要因に応じて変化する。
【0111】
本開示の化合物またはこれの薬学的にもしくは皮膚科学的にもしくは化粧品的に許容される誘導体も、1種類以上の他の治療剤または生理活性剤の投与と同時に、投与前にまたは投与後に投与してよい。ある実施形態において、このような併用療法は、本開示の化合物または組成物を1種類以上の追加の活性剤と共に含有する単一の医薬製剤または皮膚科製剤または化粧品製剤の外用投与を含んでよい。他の実施形態において、併用療法は、本開示の化合物または組成物の外用投与と、追加の各活性剤の、これ自体の別個の医薬製剤または皮膚科製剤または化粧品製剤中でのいずれかの経路による投与とを含んでよい。例えば本開示の化合物または組成物および別の活性剤を、共に単一の液体製剤、ゲル製剤、クリーム製剤、ローション製剤または軟膏製剤において患者に投与することができる。または、本開示の化合物または組成物を外用投与して、同時に追加の生理活性剤を、別個の例えば経口投薬製剤として投与する。別個の投薬製剤を使用する場合、本開示の化合物または組成物および1種類以上の追加の活性剤を本質的に同じ時間に、即ち同時に、または個別に交互の時間に、即ち逐次的に投与することができる。併用療法は、これらすべてのレジメンを含むと理解される。
【0112】
ある実施形態において、本開示は、1種類以上の主活性成分(例えばアセトゲニン、例えばスクアモシン、モトリリン)を高濃度化したアンノナ(Annona)抽出物および1種類以上の主活性成分(例えばイソキノリンアルカロイド、例えばマグノフロリン、ラウリホリン)を高濃度化したザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物の混合物を含む組成物を提供する。ある実施形態において、アンノナ(Annona)抽出物はスクアモシン、モトリリンまたは両方が高濃度化され、ザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物はマグノフロリン、ラウリホリンまたは両方が高濃度化されている。さらなる実施形態において、本明細書に記載するような抽出物混合物を含む医薬製剤または皮膚科製剤または化粧品製剤は、アンノナ(Annona)抽出物中に約0.01重量パーセント(重量%)から約5.0重量%または約0.1重量パーセント(重量%)から約1.0重量%の主活性成分、例えばスクアモシン、モトリリンまたは両方を含む。またさらなる実施形態において、本明細書に記載するような抽出物混合物を含む医薬製剤または皮膚科製剤または化粧品製剤は、ザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物中に約0.5重量%から約10重量%の主活性成分、例えばマグノフロリン、ラウリホリンまたは両方を含む。他の実施形態において、上述の抽出物混合物のいずれかより成る医薬製剤または皮膚科製剤または化粧品製剤は、それぞれ約1:2から約1:150の重量比でブレンドしたアンノナ(Annona)抽出物およびザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物を含む。上述の組成物のいずれにおいても、アンノナ(Annona)抽出物およびザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物の一方または両方が脱色されている。
【0113】
抽出物混合物を含む上述の組成物例のいずれにおいても、組成物中に含まれる1種類の抽出物は、場合により脱色されていてよい、1種類以上の主活性成分が濃縮されたローズマリー抽出物である。ある実施形態において、ローズマリー抽出物は、カルノソン酸(carnosoic acid)、カルノソール、ウルソール酸またはこれらのいずれかの組み合わせが濃縮されている。さらなる実施形態において、本明細書に記載するような抽出物混合物を含む医薬製剤または皮膚科製剤または化粧品製剤は、ロスマリヌス(Rosmarinus)抽出物またはサルビア(Salvia)抽出物中に約0.05重量パーセント(重量%)から約10重量%の主活性成分、例えばカルノソン酸(carnosoic acid)、カルノソール、ウルソール酸またはこれらのいずれかの組み合わせを含む。他の実施形態において、本明細書に記載するような抽出物混合物より成る医薬製剤または皮膚科製剤または化粧品製剤は、約0.1重量%から約2重量%の、ローズマリー抽出物由来のカルノソン酸(carnosoic acid)を含む。上述の組成物のいずれにも、脱色ローズマリー抽出物が含まれる。
【0114】
上述の医薬抽出物混合物製剤、皮膚科抽出物混合物製剤または化粧品抽出物混合物製剤のいずれも、約0.5重量パーセント(重量%)から約90重量%の全活性成分を含む。ある実施形態において、医薬製剤、皮膚科製剤または化粧品製剤は、約0.05重量%から約1.0重量%のアンノナ(Annona)抽出物、約0.8重量%から約8重量%のザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物および約0.05重量%から約5重量%ローズマリー抽出物を含み、場合により1種類以上の抽出物が脱色されている。ある他の実施形態において、医薬製剤、皮膚科製剤または化粧品製剤は、約1.0重量%のアセトゲニンを含む約0.05重量%から約0.5重量%アンノナ(Annona)抽出物、約3.0重量%のアポルフィンアルカロイドを含む約1.0重量%から約6.0重量%ザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物、および約30重量%から約60重量%のカルノシン酸を含む約0.1重量%から約2重量%ローズマリー抽出物を含む。さらなる実施形態において、アンノナ(Annona)抽出物、ザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物およびローズマリー抽出物は、それぞれ約5:10:1から約1:120:2の重量比でブレンドされる。なおさらなる実施形態において、アンノナ(Annona)抽出物、ザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物およびローズマリー抽出物は、それぞれ約1:20:2の重量比でブレンドされる。
【0115】
ある実施形態において、本開示の上述の組成物および製剤のいずれも、アジュバント、例えばコントアリング剤(contouring agent)、スキントナー、脂肪分解促進剤、循環改善剤またはこれらのいずれかの組み合わせをさらに含んでよい。例えばコントアリング剤(contouring agent)は、コラーゲン、エラスチンまたは両方であってよい。他の実施形態において、アジュバントはスキントナー、例えばハス抽出物、ケロシア・クリスタタ(celosia cristata)、バッカリス(baccharis)、アクアティックミント、中国紅茶、リコピン、ヒアルロン酸、レモン、レモン精油、カフェインと組み合わせたレモン精油、サリチル酸、ジュニパーベリーの精油、ゼラニウムの精油、ローズマリーの精油、コーラアット(kola aut)、カフェイン、ビバマタ類海藻、プニカ・グラナトゥム(punica granatum)、DMAE(ジメチルアミノエタノール)、レバン分子、アボカド種子抽出物、エンドウ抽出物、ビタミンEまたはこれらのいずれかの組み合わせである。なお他の実施形態において、アジュバントは脂肪分解促進剤、例えばアミノフィリン、ハス抽出物、ブルー・ボタン・フラワー(スカビオウス(Scabious))、ゼラニウム、ソウジュツ、カフェイン、紅茶、バーバナ(verbana)抽出物、共役リノール酸、ラウロイルプロリン、キノア抽出物、コエンザイムA、カルニチン、マイクロパッチカフェイン、TEA-ヒドロヨージド、レモンおよびレモングラスの精油、ショウガ抽出物、ユズ種子抽出物、小麦タンパク質、メチルキサンチン、シクロヘキシルカルバメート化合物、ブチレングリコール、グロブラリア・コルディフォリア(globularia cordifolia)カルス培養抽出物、ジンギベル・ゼルムベット(Zingiber zerumbet)抽出物、生シアバター抽出物、活性グラウシンコンプレックス、エルダー抽出物小麦タンパク質アルコール不含有、セイヨウシロヤナギ、天然アカトウガラシ油、海藻エッセンス、カルボポール、茶、ガラナまたはこれらのいずれかの組み合わせである。なお他の実施形態において、アジュバントは循環改善剤、例えばセージ抽出物、紅藻類抽出物、カイガンショウ抽出物、エスシン(escine)、ツタ、ツタ抽出物、センテッラ(centella)、ルスクス(ruscus)、カイエンペッパー、スクアレン、アーモンドタンパク質、ケイ素、イモーテルの精油、ペパーミントの精油、パルマローザの精油、カプサイシン、サイプレスの精油、中鎖トリグリセリド(MCT)、アーティチョーク抽出物、ピタヤ抽出物またはこれらのいずれかの組み合わせである。
【0116】
さらなる実施形態において、本開示の上述の組成物および製剤のいずれも、溶媒、粘度上昇剤もしくは増粘剤、消泡剤、皮膚軟化剤、保存剤、緩衝剤、溶媒、湿潤剤、保存剤、キレート剤、油性化合物、抗酸化剤またはこれらのいずれかの組み合わせをさらに含んでよい。これらの希釈剤、担体または賦形剤のそれぞれの機能は、本開示の状況では相互に排他的ではない。例えばグリセリンは、溶媒もしくは湿潤剤として、または粘度上昇剤として使用してよい。ある実施形態において、製剤は、本明細書に記載するように、例えば標的部位にてセルライト形成の処置、制御、管理もしくは防止または脂肪分解の促進に有用である、本開示の化合物または抽出物、粘度上昇剤および溶媒を含む組成物である。
【0117】
本組成物で有用な溶媒は当分野で周知であり、水、グリセリン、プロピレングリコール、イソプロパノール、エタノールおよびメタノールが挙げられる。幾つかの実施形態において、溶媒は水、グリセリン、プロピレングリコールまたはこれらのいずれかの組み合わせである。他の実施形態において、溶媒は水またはエタノールである。また他の実施形態において、溶媒は、水、グリセリン、プロピレングリコール、イソプロパノール、エタノールおよびメタノールの少なくとも1種である。
【0118】
本開示の別の有用な医薬賦形剤は、粘度上昇剤または増粘剤である。粘度上昇剤の例としては、デキストラン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースまたはこれらのいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0119】
ある用途において、本開示によって検討される組成物のpHを生理学的に許容される範囲内および含まれる主活性成分の活性を最適化する範囲内に維持することが所望であり得る。
【0120】
従って、組成物は緩衝剤をさらに含んでよい。ある実施形態において、緩衝剤はモノカルボキシレートおよびジカルボキシレートを含み、より詳細にはアセテート、フマレート、ラクテート、マロネート、スクシネートまたはタートレートであってよい。
【0121】
他の場合による薬学的に許容される賦形剤は、例えば製剤の投与を補助し得るもの(例えば抗刺激性のポリマー担体、アジュバント)または製剤の構成成分の完全性の保護を補助し得るもの(例えば抗酸化剤および保存剤)である。湿潤剤の例はソルビトールなどであり、保存剤は、安息香酸、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、メチルパラベン、プロピルパラベンなどであってよい。
【0122】
軟膏を形成するために、油性化合物を使用してよい。例えば油性化合物はワセリンであってよい。ある他の実施形態において、組成物または製剤は、少なくとも1種類の皮膚軟化剤をさらに含んでよい。皮膚軟化剤の例としては、鉱油、セトステアリルアルコール、グリセリルステアレートまたはこれらのいずれかの組み合わせが挙げられる。別の態様において、組成物は、(好ましくは皮膚の病状を処置または防止するのに十分な量の)本開示の化合物または抽出物、溶媒、緩衝剤、少なくとも1種類の皮膚軟化剤および少なくとも1種類の乳化剤を含む半固体エマルジョン(例えばクリーム)の形態であってよい。他の実施形態において、半固体エマルジョンまたはクリームは、湿潤剤(例えばソルビトールおよび/またはグリセリン)、油性化合物(例えばワセリン)、粘度上昇剤(例えばデキストラン、C12-15アルキルベンゾエート、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリアクリルアミドおよびC13-14イソパラフィンおよびラウレス-7の逆エマルジョン)、抗酸化剤(例えばブチル化ヒドロキシトルエンおよび好ましくは約0.01%から約0.1%に及ぶ濃度における。)、保存剤(天然もしくは合成または両方、例えば安息香酸、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、カリウムソルベート、ベンゾイン粉末、シナモン、クエン酸粉末、グレープフルーツ種子抽出物、ヒドラスチス根抽出物、緑茶抽出物、ローズマリー抽出物、ローズマリー油抽出物、ゼラニウム精油、ティーツリー精油、ニーム精油、タイム精油、ビタミンE、ビタミンCまたはこれらのいずれかの組み合わせ)、保存剤(例えば、またはこれらのいずれかの組み合わせ)もしくは天然保存剤および合成保存剤;またはこれらのいずれかの組み合わせの少なくとも1種類をさらに含んでよい。ある実施形態において、皮膚軟化剤(非毒性、非炎症性、非感作性、面ぽう非形成性)は、C12-15アルキルベンゾエート、ステアリルアルコール、セチルアルコールまたは鉱油の1種類以上であってよい。ある他の実施形態において、乳化剤は、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ポリオキシエチレン40ステアレートおよびグリセリルモノステアレートの1種類以上であってよい。
【0123】
本開示の抗セルライト製剤、ボディスリミング製剤またはスキンケア製剤は、存在する各種の薬学的に許容される賦形剤の量および数に応じて、様々な形態で提供されてよい。例えば抗セルライト組成物は、固体、半固体、液体、ローション、クリーム、軟膏、セメント、ペースト、ゲルまたはエアゾールの形態であってよい。ある好ましい実施形態において、本明細書に記載するような上述の抗セルライト組成物および製剤のいずれも、これを必要とする対象、例えば動物またはヒトの標的部位への外用適用のために処方される。幾つかの実施形態において、抗セルライト組成物は粉末、液体、ゲル、エマルジョン、クリームまたはローションとして処方される。他の例において、スキンケア組成物は、固体、半固体、液体、ローション、クリーム、軟膏、セメント、ペースト、ゲルまたはエアゾールの形態であってよい。ある好ましい実施形態において、本明細書に記載するような上述のスキンケア組成物および製剤のいずれも、これを必要とする対象、例えば動物またはヒトの標的部位への外用適用のために処方される。幾つかの実施形態において、スキンケア組成物は粉末、液体、ゲル、エマルジョン、クリームまたはローションとして処方される。なお他の例において、ボディスリミング組成物は、固体、半固体、液体、ローション、クリーム、軟膏、セメント、ペースト、ゲルまたはエアゾールの形態であってよい。ある好ましい実施形態において、本明細書に記載するような上述のボディスリミング組成物および製剤のいずれも、これを必要とする対象、例えば動物またはヒトの標的部位への外用適用のために処方される。幾つかの実施形態において、ボディスリミング組成物は粉末、液体、ゲル、エマルジョン、クリームまたはローションとして処方される。
【0124】
上述の化合物、混合物、組成物および製剤のいずれも、スキンケアに、セルライトの管理もしくは制御もしくは低減もしくは防止、セルライト形成の抑制、皮膚組織における(目視できる)脂肪沈着の低減、皮膚のたるみまたはゆるみの引き締めおよびハリ付与、皮膚老化の影響の管理もしくは制御もしくは低減もしくは防止(アンチエイジング)、しみの管理もしくは制御もしくは低減もしくは防止、皮膚色むらの改善、皮膚の弾性の改善、より滑らかで引き締まった皮膚のための保水量の低減、皮膚を滑らかにすることもしくは皮膚色むら調整、皮膚の回復の促進、打撲傷もしくは打撲の制御もしくは低減、フリーラジカルのダメージからの保護、ストレッチマークの管理もしくは制御もしくは低減、脂肪合成の低減、細胞(例えば脂肪細胞)における脂肪含有量の低減、脂肪細胞の低減、脂肪細胞への細胞分化の低減、脂肪分解の促進、脂肪除去の改善、健全な脂質プロフィールの維持もしくは促進もしくは補助、健全なコレステロールレベルの維持もしくは促進もしくは補助、減量の促進、ボディマス指数(BMI)の低減、大腿囲もしくは腕囲の管理もしくは低減、二重あごの低減、眼窩周囲腫れもしくは眼輪筋下脂肪もしくは涙袋の低減もしくは管理もしくは制御、体重制御の促進、体重管理の補助、コラーゲン合成の促進、ヒアルロン酸合成の促進、微小循環(皮膚)の改善もしくは活性化、心臓血管機能の維持もしくは補助、皮膚組織における(目視できる)脂肪沈着形成を抑制もしくは低減する免疫系の補助、皮膚組織における(目視できる)脂肪沈着形成を抑制または低減する健全な血糖レベルの維持もしくは促進もしくは補助またはこれらのいずれかの組み合わせに使用してよい。
【実施例】
【0125】
[実施例1]
アンノナ・スクアモサ(Annona squamosa)のエチルアセテート抽出物の調製
アンノナ・スクアモサ(Annona squamosa)の全果実を乾燥させ、粒径2ミリメートル(mm)以下に粉砕した。乾燥粉砕植物材料(100グラム(g)を次に三角フラスコに移し、エチルアセテート(700ミリリットル(mL))を添加した。混合物を4時間振とうし、ろ過して、バイオマスを再度、エチルアセテート(700mL)で4時間抽出した。これらの抽出溶液を合せ、真空下で蒸発させて、アンノナ・スクアモサ(Annona squamosa)エチルアセテート抽出物AS-EA1 6.59gを得た。抽出収率は約6.5%(重量/重量)であった。
【0126】
[実施例2]
アンノナ・スクアモサ(Annona squamosa)のヘキサン抽出物の調製
アンノナ・スクアモサ(Annona squamosa)の乾燥全果実を粒径2ミリメートル以下に粉砕した。乾燥粉砕植物材料(100g)を次に三角フラスコに移し、ヘキサン(700mL)を添加した。混合物を4時間振とうし、ろ過して、バイオマスを再度、ヘキサン(700mL)で4時間抽出した。これらの抽出溶液を合せ、真空下で蒸発させて、アンノナ・スクアモサ(Annona squamosa)ヘキサン抽出物AS-HX2 5.73gを得た。抽出収率は約5.7%(重量/重量)であった。
【0127】
[実施例3]
アンノナ・スクアモサ(Annona squamosa)のエタノール抽出物の調製
アンノナ・スクアモサ(Annona squamosa)の乾燥全果実を粒径2ミリメートル以下に粉砕した。乾燥粉砕植物材料(100g)を次に三角フラスコに移し、エタノール(700mL)を添加した。混合物を4時間振とうし、ろ過して、バイオマスを再度、エタノール(700mL)で4時間抽出した。これらの抽出溶液を合せ、真空下で蒸発させて、アンノナ・スクアモサ(Annona squamosa)エタノール抽出物AS-EE3 26.2gを得た。抽出収率は約26.2%(重量/重量)であった。
【0128】
[実施例4]
アンノナ・スクアモサ(Annona squamosa)の70%EtOH抽出物の調製
アンノナ・スクアモサ(Annona squamosa)の全果実を乾燥させ、粒径2ミリメートル以下に粉砕した。乾燥粉砕植物材料(100g)を次に三角フラスコに移し、70%エタノール(700mL)を添加した。混合物を4時間振とうし、ろ過して、バイオマスを再度、70%エタノール(700mL)で4時間抽出した。これらの抽出溶液を合せ、真空下で蒸発させて、アンノナ・スクアモサ(Annona squamosa)70%エタノール抽出物AS-EE4 35.2gを得た。抽出収率は約35.1%(重量/重量)であった。
【0129】
[実施例5]
アンノナ・スクアモサ(Annona squamosa)抽出物からのスクアモシンの単離
アンノナ・スクアモサ(Annona squamosa)(シュガーアップル)AS-EA1抽出沈殿物の合計1gをメタノールに溶解させて、次に20分間音波破砕した。懸濁物を13,000rpmにて1分間遠心分離して、油画分を除去した。メタノール可溶性画分を0.45μm PTFEシリンジフィルタでろ過して、ろ液を分取HPLCシステム(JAI、LC-9104、日本)への注入によりRP-HPLCカラム(YMC-ODS)5μm、C18(250×30mm)に供し、H2O中80%アセトニトリルで20.9分間、UV波長210nmで溶離させて、化合物SA1(スクアモシン)19mgを得た。
【0130】
化合物SA1(スクアモシン、C37H66O7):APCI-MS(m/z)[M+H]+ 623.57;UV λmax(MeOH):262.0nm,301.2nm;13C NMR(125MHz、メタノール-d4)δ ppm 173.94(C-1)、134.33(C-2)、25.18(C-3)、27.40(C-4)、29.18(C-5)、29.39(C-6)、29.61(C-7,8,9)、29.52(C-10)、29.31(C-11)、29.18(C-12)、26.66(C-13)、33.24(C-14)、74.19(C-15)、84.35(C-16)、28.95(C-17)、28.48(C-18)、82.83(C-19)、82.56(C-20)、24.80(C-21)、28.95(C-22)、82.21(C-23)、71.40(C-24)、32.46(C-25)、22.05(C-26)、37.49(C-27)、71.77(C-28)、37.27(C-29)、25.66(C-30)、29.76(C-31)、31.86(C-32)、22.63(C-33)、14.10(C-34)、148.89(C-35)、77.43(C-36)、19.22(C-37)
【0131】
【0132】
[実施例6]
アンノナ・スクアモサ(Annona squamosa)抽出物からのカウレン酸の単離
脱色アンノナ・スクアモサ(Annona squamosa)(シュガーアップル)抽出物の合計2gをメタノールに溶解させ、次に20分間音波破砕した。懸濁物を13,000rpmにて1分間遠心分離して、油を除去し、次に0.45μm PTFEシリンジフィルタを使用してメタノール可溶性部分をろ過して、ろ液を分取HPLCシステム(JAI、LC-9104、日本)への注入によりRP-HPLC カラム(YMC-ODS)5μm、C18(250×30mm)に供し、H2O中85%アセトニトリルで10分間、UV波長200nmで溶離させて、化合物SA2(カウレン酸)260mgを得た。
【0133】
化合物SA2(カウレン酸、C20H30O2):APCI-MS(m/z)[M-H]+ 301.57;13C NMR(125MHz、メタノール-d4)δ ppm 16.5(C-20)、19.6(C-11)、20.5(C-2)、23.3(C-6)、29.7(C-18)、34.4(C-12)、39.4(C-3)、40.9(C-14)、41.0(C-10)、42.2(C-1)、42.7(C-7)、44.8(C-4)、45.4(C-13)、45.6(C-8)、50.3(C-15)、56.7(C-9)、58.4(C-5)、103.8(C-17)、157.0(C-16)、181.8(C-19,C=0)
【0134】
【0135】
[実施例7]
SA1およびSA2アンノナ・スクアモサ(Annona squamosa)画分のHPLC定量
アンノナ・スクアモサ(Annona squamosa)抽出物中の同定構成成分のスクアモシン(SA1)およびカウレン酸(SA2)を、Luna C-18逆相カラム(Phenomenex、10μm、250mm×4.6mm)を使用してAgilent HPLCシステムで210nmにて定量した。水(移動相A)およびアセトニトリル(移動相B)のバイナリグラジエントを用いて、流速1ml/分およびカラム温度35℃にてカラムを溶離した。
【0136】
【0137】
標準物質カウレン酸(純度100%、KFDA)および精製SA1(スクアモシン)を定量標準として利用した。すべての抽出物サンプルをMeOH中約2mg/mlの濃度で調製した。およそ20分間音波処理を行ったのち、サンプル溶液をフラスコ内で室温まで冷却し、0.22μmナイロンシリンジフィルタでろ過して、次にサンプル10μlをカラムに注入した。
【0138】
[実施例8]
アンノナ(Annona)のEtOAc抽出物の調製
アンノナ・スクアモサ(Annona squamosa)の乾燥全果実を粒径2ミリメートル以下に粉砕した。乾燥粉砕植物材料(2kg)を三角フラスコに移し、次にエチルアセテート(EtOAc)14Lを添加した。混合物を4時間振とうし、ろ過して、バイオマスを再度、7L EtOAcでさらに2時間抽出した。これらの抽出溶液を合せ、真空下で蒸発させて、初期エチルアセテート抽出物を得た。これらの初期EtOAc抽出物は黄色粘性液体であり、室温での貯蔵後に沈殿層を形成した。EtOAc抽出物の上清および沈殿物を遠心分離によって分離した。表2に4バッチのEtOAc抽出結果をまとめる。
【0139】
【0140】
エチルアセテート抽出物からの上清は、6.2%(AS-EA8S)、5.5%(AS-EA8.1S)、5.8%(AS-EA8.2S)および5.9%(AS-EA8.3S)の収率を有した。沈殿物の収率がより低いと(0.4-0.7%)、これらの沈殿物は、はるかにより大量のスクアモシンを含有していた。
【0141】
[実施例9]
アンノナ(Annona)からの超臨界流体CO2抽出物の調製
アンノナ・スクアモサ(Annona squamosa)の乾燥全果実を粒径2ミリメートル以下に粉砕した。乾燥粉砕植物材料(100kg)を次に超臨界流体抽出装置(圧力25MPa、温度50℃、CO2流70mL/分、2時間)に移し、エチルアルコール(95%食品グレードエタノール、量は原材料の30%である。)を添加した。超臨界流体CO2抽出物を真空下で蒸発させた。表3に5つの異なるバッチ実験による抽出結果を示す。
【0142】
【0143】
[実施例10]
脱色アンノナ(Annona)CO2抽出物の調製
アンノナ・スクアモサ(Annona squamosa)超臨界流体CO2抽出物(AS-SC2)の合計250gを、エチルアセテート(3,750mL)で15倍に希釈した。懸濁物を180rpm、室温にて30分間撹拌し、活性炭(250g;Merck、食品グレード)を添加して、混合物をさらに1時間撹拌して、ろ紙(Hyundai、285mm)を通過させ、次にろ液をメンブレンフィルタ(Whatman GF/C)に通過させた。残渣をエチルアセテート(3,750mL)で再度、1時間抽出し、ろ紙、次にメンブレンフィルタを通過させた。これらの溶液を合せ、真空下で蒸発させて、脱色アンノナ・スクアモサ(Annona squamosa)抽出物(AS-SCd2-EA)188.9gを得た。脱色収率は75.56%であった。
【0144】
[実施例11]
アンノナ・スクアモサ(Annona squamosa)EtOAc抽出物中の活性化合物の定量
アンノナ・スクアモサ(Annona squamosa)全果実を、中国(CN)およびインド(IN)の異なる場所(表4に場所A、BまたはCと記載)から収集した。乾燥果実を粒径2ミリメートル以下に粉砕した。乾燥粉砕植物材料(100g)を三角フラスコに入れ、エチルアセテート700mLを添加し、混合物を4時間振とうして、ろ過し、次にバイオマスをエチルアセテート350mLで再度、さらに2時間抽出した。これらの抽出溶液を合せ、真空下で蒸発させて、エチルアセテート抽出物を得た。
【0145】
【0146】
[実施例12]
ロスマリヌス(Rosmarinus)(ローズマリー)EtOH抽出物の調製
ロスマリヌス・オフィシナリス(Rosmarinus officinalis)(ローズマリー)乾燥葉粉末をエタノールまたはエタノール-水で抽出した。得られた溶液をろ過して上清を得て、続いて蒸発器で濃縮した。濃縮した上清を真空下で乾燥させて、約30%から約60%のカルノシン酸を含有するローズマリー抽出物を得た。
【0147】
[実施例13]
ローズマリー抽出物中のカルノシン酸のHPLC定量
ローズマリー葉抽出物中のカルノシン酸を、Agilent HPLC システムのLuna C18逆相カラム(Phenomenex、5μm、250mm×4.6mm)および206nm UV検出装置を使用して定量した。水中0.1%リン酸(移動相A)およびアセトニトリル(移動相B)のバイナリグラジエントを用いて、流速1ml/分およびカラム温度40℃にてカラムを溶離した。
【0148】
【0149】
市販のカルノシン酸(純度99.00%、SIGMA)を定量標準として利用した。すべてのローズマリー抽出物サンプルをMeOH中約2mg/mlの濃度で調製した。およそ20分間音波処理を行ったのち、サンプル溶液をフラスコ内で室温まで冷却し、0.22μmナイロンシリンジフィルタでろ過して、次にサンプル10μlをカラムに注入した。カルノシン酸をピーク保持時間によって同定し、市販のカルノシン酸から生成した標準曲線に対するピーク面積に基づいて定量した。
【0150】
[実施例14]
脱色ローズマリー抽出物の調製
60%カルノシン酸を含有するローズマリー抽出物の合計0.5kgを15倍量のメタノール(7.5L)に溶解させた。溶液を180rpm、室温にて1時間撹拌した。次に活性炭(Merck、食品グレード)1kgを溶液中に添加した。混合物を1時間撹拌し、ろ紙(Hyundai、285mm)でろ過して、次にメンブレンフィルタ(Whatman GF/C、カタログ番号1822 047)でろ過した。残渣をメタノール(7.5L)で再度、1時間抽出した。溶液をろ紙でろ過し、次にメンブレンフィルタでろ過した。これらの溶液を合せ、真空下で蒸発させて、脱色ローズマリー抽出物(RO-EEdl2)384.9gを得た。脱色収率は約74%から76%であった。同じ脱色法を3回反復した。
【0151】
【0152】
さらなる脱色ローズマリー抽出物からの活性成分含有率の収率を表6に示す。明らかであるように、脱色ローズマリー抽出物は、カルノシン酸がなおより高濃度化されている。
【0153】
[実施例15]
ザントキシラム(Zanthoxylum)EtOH抽出物および水抽出物の調製
乾燥ザントキシラム・アメリカヌム(Zanthoxylum americanum)M.またはザントキシラム・クラバ-ヘリクリス(Zanthoxylum clava-herculis)L.(シュガーアップル)樹皮の合計800kgを乾燥、切断、粉砕し、次におよそ3倍(2,400L)の水中90%エチルアルコール(体積/体積)で抽出した。抽出を90℃にて8時間行った。エタノール溶液をろ過して上清を得て、上清を次に真空下、40℃にて蒸発器で濃縮した。これらの抽出および濃縮手順を3回反復した。最終抽出溶液を次に合せて、共に濃縮した。濃縮した溶液を冷蔵庫で24時間貯蔵して、上清を得た。上清を真空乾燥させて、ザントキシラム(Zanthoxylum)EtOH抽出物粉末ZA-EE15 87.5kgを得た。抽出収率は約10.9%(重量/重量)であった。
【0154】
さらなる抽出物において、乾燥ザントキシラム・アメリカヌム(Zanthoxylum americanum)M.樹皮を粉砕して粉末とし、粉末20グラムを十分な珪藻土と混合して100mL抽出セルを満たし、90%、70%、50%、30%エタノール/水または水単独により、高速溶媒抽出装置(Accelerated Solvent Extractor、ASE)350(Dionex Corp.,米国)を使用して抽出した(例えば抽出条件は、5分間の加熱、5分間の静置、80倍量での洗い流し、900秒間のパージ、圧力1500psiおよび温度80℃にて実施した、方法の間のサイクル3回を含んでいた。)。抽出後、溶液を50℃にて蒸発器で濃縮し、固体抽出物を生成した。抽出収率は以下の通りであった:それぞれ、90%EtOH抽出物、15.5%;70%EtOH抽出物、14.7%;50%EtOH抽出物、16.8%;30%EtOH抽出物、15.7%;および水抽出物、13.9%。マグノフロリンおよびラウリホリンを含有する総アルカロイド含有率は、以下の通りであった:それぞれ90%EtOH抽出物、7.1%;70%EtOH抽出物、8.6%;50%EtOH抽出物、9.6%;30%EtOH抽出物、11.2%;および水抽出物、8.0%。
【0155】
[実施例16]
ザントキシラム(Zanthoxylum)EtOH抽出物のシリカカラム画分
Z.アメリカヌム(americanum)抽出物ZA-EE15(実施例15に記載)の合計100.8グラムをシリカゲルカラムに装填して、MeOH:水の線形グラジエントを含有する溶媒混合物(5:1から1:4および100%水)を段階的に添加して溶離させ、9つの画分を生成した。重量分布を表7に示す。
【0156】
【0157】
[実施例17]
ザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物からのマグノフロリンおよびラウリホリンのHPLC定量
ザントキシラム(Zanthoxylum)EtOH抽出物中の活性構成成分マグノフロリンおよびラウリホリンをAgilent 1200HPLCシステムのLuna C18逆相カラム(Phenomenex、5μm、250mm×4.6mm)で275nmにて定量した。水(移動相A)およびアセトニトリル(移動相B)のバイナリグラジエントを用いて、流速1ml/分およびカラム温度35℃にてカラムを溶離した。
【0158】
【0159】
市販の(comnercial)マグノフロリン(magnoflorin)調製物(純度99.5%、TAIJI)を定量標準として使用した。すべての抽出物サンプルを0.1%AcOH:MeOH(85:15)中約2mg/mlの濃度で調製した。約20分間音波処理を行ったのち、サンプル溶液をフラスコ内で室温まで冷却し、0.22μmナイロンシリンジフィルタでろ過して、次にサンプル10μlをカラムに注入した。マグノフロリンおよびラウリホリンを、HPLCクロマトグラムの各ピークの保持時間によって同定した。マグノフロリンおよびラウリホリンの定量は、純粋な化合物の標準曲線から計算したピーク面積に基づいていた。
【0160】
[実施例18]
脱色ザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物の調製
実施例15により生成したザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物の合計1kgを15倍量のメタノール(15L)に溶解させ、180rpm、室温にて1時間撹拌し、次に活性炭(Merck、食品グレード)1kgを懸濁物中に添加した。混合物をさらに1時間撹拌し、ろ紙(Hyundai、285mm)でろ過して、次にメンブレンフィルタ(Whatman GF/C、カタログ番号1822 047)でろ過した。回収した残渣を再度、15Lメタノールで1時間抽出し、ろ紙で、次にメンブレンフィルタでろ過した。これらの溶液を合せ、真空下で蒸発させて、脱色ザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物ZA-EEdl8 0.7kgを得た。脱色収率は70重量%であった、脱色ザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物ZA-EEdl8の合計0.7kgをマルトデキストリン1.4kgと共に1:2の比で、ほぼ6Lの水に溶解させた。スプレー乾燥機を使用して懸濁物を乾燥させ、ザントキシラム(Zanthoxylum)組成物ZA-EEdml8.1の収量は1,948gであった。スプレー乾燥法の収率は92.8%であった。この方法を3回反復して、処理したザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物の3つのバッチの活性成分の含有率を表9に示す。
【0161】
【0162】
[実施例19]
ローズマリー抽出物の脱色効率の測定
脱色ローズマリー抽出物の吸光度を測定するために、1%メタノール溶液を調製し、次に0.45μmナイロンシリンジフィルタでろ過した。1mlの量の溶液を1cm石英容器(Bioteck biocell)に入れ、分光光度計(PowerWave XS Microplate分光光度計)を使用して、660nmのUV波長における吸光度を測定した。ローズマリー抽出物の効率的な脱色を、0.3より低いUV 660nm値と見なした。ローズマリー抽出物粉末の目視による色外観を薄黄色または薄緑がかった色と定義した。実施例14による3種類の異なる脱色ローズマリー抽出物を分析した。
【0163】
【0164】
[実施例20]
ザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物の脱色効率の測定
脱色ザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物の吸光度を測定するために、50%メタノール水溶液中の1%溶液(50%MeOH:50%H20)を調製し、次に0.45μmナイロンシリンジフィルタでろ過した。1mlの量の溶液を1cm石英容器(Bioteck biocell)に入れ、分光光度計(PowerWave XS Microplate分光光度計)を使用して、450から900nmに及ぶUV波長における吸光度を測定して、未脱色ザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物の吸光度と比較した。ザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物の効率的な脱色は、0.7より低いUV450nm、550nmおよび650nm値であると見なした。ザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物粉末の目視による色外観を薄ベージュ色と定義した。実施例18による3種類の異なる脱色ザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物を分析した。
【0165】
【0166】
[実施例21]
アンノナ(Annona):ローズマリー:ザントキシラム(Zanthoxylum)ブレンド(ARZ-21)の調製
脱色アンノナ(Annona)抽出物、ローズマリー抽出物および脱色ザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物のブレンドを1:2:20(重量/重量/重量)の比で調製した。脱色ザントキシラム(Zanthoxylum)組成物ZA-EEdml8.1の合計800gを5Lスケールのリボンブレンダ(Han-Seong F&C、韓国)に入れ、次に脱色アンノナ(Annona)抽出物40gを滴下により添加した。2つの抽出物を20rpmの速度で撹拌して1時間ブレンドした。続いて、ローズマリー抽出物80gをザントキシラム(Zanthoxylum)/アンノナ(Annona)ミックスに添加して、さらに2時間ブレンドして、最終生成物ARZ-21 899.4g(回収収率97.8%)を得た。方法を3回反復した。ARZ-21中の活性成分含有率を表12に示す。
【0167】
【0168】
[実施例22]
脂肪細胞中の脂質蓄積アッセイ
マウス胎児線維芽細胞3T3-L1細胞(American Type Culture Collectionより購入)を、10%仔ウシ血清を含有するダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)(GIBCO)中でコンフルエントまで培養した。コンフルエント2日後(D0)に、10%ウシ胎児血清(FBS)、5μg/mlインスリン、0.5mM 3-イソブチル-1-メチルキサンチン(IBMX)および1μMデキサメタゾンを含有するDMEMを添加することによって、2日間(D2)にわたって細胞を刺激し脂肪細胞様表現型に分化させた。次に細胞を、5μg/mlインスリンを含む10%FBS/DMEM培地中でさらに2日間維持し(D4)、続いて10%FBS/DMEM培地で4日間培養した(D8)。様々な濃度の試験サンプルを脂肪生成の第0日から第8日まで細胞に添加し、この間、培地を、試験サンプルを含有する新しい培地と2日ごとに交換した。第8日に、細胞中の脂質滴をオイルレッドO(ORO)で染色し、シグナルを510nmにて測定した。
【0169】
[実施例23]
アンノナ(Annona)抽出物、画分および活性化合物の脂質蓄積に対する効果
実施例19の脂質蓄積アッセイを、(それぞれ実施例3および4で生成したような)アンノナ・スクアモサ(Annona squamosa)エタノール抽出物AS-EE3およびAS-EE4を用いて行った。簡潔には、アンノナ(Annona)AS-EE3(100%EtOH)抽出物およびAS-EE4(70%EtOH)抽出物の3種類の濃度(0.1、0.5および1μg/ml)および正の対照TNF-α(10ng/mL)を使用して、分化期間(脂肪生成の第0日から第8日)の間に3T3-L1細胞を処置した。抽出物を含有する細胞培養培地を2日ごとに交換して、ORO染色を使用して細胞中の脂質滴蓄積を検出した。
【0170】
【0171】
ORO染色は、アンノナ(Annona)抽出物が3T3-L1脂肪細胞様細胞中の脂質蓄積を著しく抑制することを示した(表13)。どちらのアンノナ(Annona)抽出物も用量依存的に脂質蓄積を低減した。実際に、AS-EE3(100%EtOH)抽出物は最高用量(1μg/ml)にて、脂質蓄積をほぼ完全に抑制した。
【0172】
(実施例2で製造したような)アンノナ・スクアモサ(Annona squamosa)果実ヘキサン抽出物の上清部および沈殿部も、脂質蓄積に対する効果について試験を行った。3種類の濃度のアンノナ(Annona)ヘキサン抽出物(0.05、0.1および0.5μg/ml)を使用して、分化期間(脂肪生成の第0日から第8日)の間に3T3-L1細胞を処置して、次に第8日に脂質蓄積を染色した。
【0173】
【0174】
表14に示すように、ヘキサン抽出物およびこれの上清部は、0.5μg/mlの用量にて高い抑制(60%超)を示したのに対し、同じ濃度のヘキサン抽出物沈殿部は、脂質蓄積に対して(正の対照TNF-αによる抑制レベルと似た)46.2%の抑制を示した。
【0175】
アンノナ・スクアモサ(Annona squamosa)果実エチルアセテート抽出物ならびにこれの上清部および沈殿部(実施例8で製造したような)も、脂質蓄積に対する効果について試験を行った。前の抽出物と同様に、各EtOAc抽出物を0.05μg/ml、0.1μg/mlおよび0.5μg/mlの3つの用量で試験した。
【0176】
【0177】
表15に示すように、EtOAc抽出物およびこれの上清部は、0.5μg/mlにてそれぞれ78.3%および51.3%の抑制を示した。EtOAc抽出物沈殿部は、脂質蓄積を用量依存的に抑制し、0.1μg/mlのより低い用量にて70%を超える抑制を示した。
【0178】
アンノナ・スクアモサ(Annona squamosa)果実の超臨界流体CO2抽出物(実施例9で製造したような)を、脂質蓄積について試験した。前の抽出物と同様に、CO2抽出物それぞれを以下の6つの用量、0.0625μg/ml、0.125μg/ml、0.25μg/ml、0.35μg/ml、0.5μg/mlおよび1μg/mlにて試験した。
【0179】
【0180】
表16に示すように、アンノナ・スクアモサ(Annona squamosa)のCO2抽出物は脂質蓄積を用量依存的に低減し、0.5μg/ml以上の用量にて60%を超える低減を示した。
【0181】
(例えば実施例10で製造したような)アンノナ・スクアモサ(Annona squamosa)果実CO2抽出物および脱色CO2抽出物を、脂質蓄積に対するこれの効果について、以下の6つの用量:0.0625μg/ml、0.125μg/ml、0.25μg/ml、0.35μg/ml、0.5μg/mlおよび1μg/mlにて試験した。表14に示すように、CO2抽出物は用量依存的になお良好な効果を示したが、脱色CO2抽出物は、脱色法で使用した溶媒に応じて異なるパターンを示した。EtOAcを使用した脱色CO2抽出物は何ら効果を示さなかったが、ヘキサンを使用した脱色CO2抽出物は、用量依存的に良好な効力を示した。これの効力は、CO2抽出物の効力と似ている。
【0182】
【0183】
実施例5および6に記載したようにアンノナ(Annona)抽出物から単離した、2種類の化合物SA1およびSA2を、脂質蓄積に対するこれの効果について試験した。アンノナ・スクアモサ(Annona squamosa)抽出物による活性構成成分を、各化合物について以下の5つの濃度:0.005μg/ml、0.01μg/ml、0.05μg/ml、0.1μg/mlおよび0.5μg/mlで試験した。
【0184】
【0185】
表18に示すように、アセトゲニンのピークSA1は用量依存的に高い効力を示し、ピークSA2は同じ用量でより弱い効果を示した。
【0186】
実施例2で製造したアンノナ(Annona)ヘキサン抽出物を試験して、脂質蓄積に対するこれの効果を評価した。ヘキサン抽出物の3つの濃度(0.1μg/ml、0.5μg/mlおよび1μg/ml)を試験した。
【0187】
【0188】
表19に示すように、アンノナ(Annona)ヘキサン抽出物は、用量依存的に脂質蓄積を低減した。
【0189】
[実施例24]
ローズマリー抽出物の脂質蓄積に対する効果
ローズマリーのEtOH抽出物およびH2O/EtOH抽出物を実施例12に記載したように製造した。各抽出物を2つの用量(0.05μg/mlおよび0.1μg/ml)で試験して、脂質蓄積に対する抽出物の効果を評価した。
【0190】
【0191】
表20に示すように、EtOHローズマリー抽出物は0.1μg/mlの用量にて、70%を超える脂質蓄積の抑制を示したのに対して、H2O/EtOHローズマリー抽出物も同じ用量で脂質蓄積を示したが、程度はより低かった(33.1%)。
【0192】
カルノシン酸を高濃度化して、30%および60%にて標準化したローズマリー抽出物ならびに脱色ローズマリー抽出物(実施例12および14で製造したような)を、以下の5つの用量:0.005μg/ml、0.01μg/ml、0.05μg/ml、0.1μg/mlおよび0.5μg/mlで試験した。
【0193】
【0194】
表21に示すように、すべての抽出物が脂質蓄積に対して用量依存的に抑制効果を示し、60%カルノシン酸は30%カルノシン酸よりも有効であった。加えて、脱色ローズマリー抽出物(60%カルノシン酸)は、未処置抽出物とまさに同程度有効であった。
【0195】
[実施例25]
アンノナ(Annona):ローズマリー抽出物の組み合わせの脂質蓄積に対する効果
実施例10、12および14で調製したような抽出物を使用して、アンノナ・スクアモサ(Annona squamosa)およびカルノシン酸高濃度化ローズマリーからの抽出物の組み合わせを製造した。より詳細には、30%カルノシン酸または60%カルノシン酸(脱色)のどちらかを含有するローズマリー抽出物を、2%、1%または0.5%スクアモシンを含有するアンノナ・スクアモサ(Annona squamosa)抽出物(SA1)と組み合わせた。各組み合わせの以下のような4つの濃度2.5μg/ml、5μg/ml、10μg/mlおよび15μg/mlを、脂質蓄積(accumulaton)に対する組み合わせの効果について試験した。
【0196】
【0197】
すべての組み合わせが脂質蓄積を用量依存的に抑制した。
【0198】
10μg/mlの用量にてほぼすべてのサンプル(6個のうち5個)が90%を超える脂肪蓄積の抑制を示し、15μg/mlではすべてのサンプルが90%を超える抑制を示した。効力の上昇は、組み合わせ中のアンノナ・スクアモサ(Annona squamosa)抽出物の量と直接相関していた(即ちアンノナ(Annona)抽出物が多いと、効力がより高い。)。
【0199】
このアンノナ(Annona):ローズマリー組み合わせが相乗的に作用して脂質蓄積を抑制したか否かを判定するために、相乗効果測定のためのColby式(formular)(Colby,Weeds 15:20-22,1967)を使用して、各組み合わせの効果を計算した。計算(理論)結果および実測(実験)結果を表20に示す。
【0200】
【0201】
表23から明らかであるように、すべての組み合わせが5μg/ml、10μg/mlおよび15μg/mlの用量にて予想外の相乗効果を有していた。2.5μg/mlにて60%カルノシン酸(CA)を有するローズマリー抽出物を含有するすべての3つの組み合わせが、2.5μg/mlの30%カルノシン酸とアンノナ・スクアモサ(Annona squamosa)抽出物の2%スクアモシンとの組み合わせと同様に、相乗効果を示した。
【0202】
[実施例26]
ザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物および画分の脂質蓄積に対する効果
実施例15に記載するように製造したザントキシラム(Zanthoxylum)90%EtOH抽出物を、実施例16に記載するようにMeOH可溶性画分とMeOH不溶部に分けた。各抽出物を3つの濃度(20μg/ml、40μg/ml、80μg/mlおよび160μg/ml)で試験して、ザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物の脂質蓄積に対する効果を調べた。
【0203】
【0204】
ザントキシラム(Zanthoxylum)90%EtOH抽出物(ZA-EE15)およびMeOH可溶性画分は、脂質蓄積を用量依存的に抑制したが、MeOH不溶性画分には検出可能な効果はなかった。これらのデータは、ザントキシラム(Zanthoxylum)エタノール抽出物中の活性化合物がMeOH可溶性であることを示している。
【0205】
ザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物ZA-EE15からのMeOH可溶性画分をAOC分画法によってさらに分画した。これらの画分を3つの濃度(20μg/ml、40μg/ml、80μg/mlおよび160μg/ml)で試験して、ザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物画分の脂質蓄積に対する効果を調べた。
【0206】
【0207】
AOC画分1および2は、脂質蓄積に対して最も強力な抑制効果を用量依存的に示した。AOC画分3は最も弱い効果を示したが、AOC画分4は約30%の抑制を示した。
【0208】
ザントキシラム(Zanthoxylum)からの90%EtOH抽出物を、実施例16に記載したようにシリカカラムによって分配した。脂質蓄積アッセイでは、7つの画分をそれぞれ3つの用量(10μg/ml、20μg/mlおよび40μg/ml)にて試験した。
【0209】
【0210】
シリカカラム画分2および3は、脂質蓄積の抑制で最も効果的であり、画分5および7は、最高用量(40μg/ml)にて約20%の抑制を示した。
【0211】
ザントキシラム(Zanthoxylum)EtOH抽出物(90%、70%および30%)ならびに水抽出物を実施例15に記載するように製造した。4種類の抽出物をそれぞれ4つの濃度(20μg/ml、40μg/ml、80μg/mlおよび160μg/ml)にて、脂質蓄積に対するこれらの効果について試験した。
【0212】
【0213】
表27に示すように、30%EtOHおよび水抽出物は脂質蓄積を用量依存的に低減させ、他よりも強力な抑制効果を示した。90%EtOH抽出物および70%EtOH抽出物も、80μg/mlの用量にて脂質蓄積を約50%抑制した。
【0214】
ザントキシラム(Zanthoxylum)の70%EtOH抽出物および30%EtOH抽出物を実施例18に記載したように、炭でろ過した。各抽出物を4つの濃度(20μg/ml、40μg/ml、80μg/mlおよび160μg/ml)にて、脂質蓄積に対するこれらの効果について試験した。
【0215】
【0216】
炭ろ過ザントキシラム(Zanthoxylum)70%EtOH抽出物は160μg/mlにて、脂質蓄積を低減させ、強い効果を有し、この効果は未処置ザントキシラム(Zanthoxylum)70%EtOH抽出物よりも大きかった。炭ろ過ザントキシラム(Zanthoxylum)30%EtOH抽出物は、160μg/mlにて19.3%の脂質蓄積の抑制を示した。
【0217】
[実施例27]
アンノナ(ANNONA):ローズマリー抽出物-ザントキシラム(Zanthoxylum)組み合わせの脂質蓄積に対する効果
アンノナ・スクアモサ(Annona squamosa)抽出物AS-SCd2-EA(実施例10に記載したように調製)、カルノシン酸高濃度化ローズマリー抽出物RO-EEd2(実施例14に記載したように調製)およびザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物ZA-EEdl8(実施例18に記載したように調製)の組み合わせを作り、個々の抽出物および組み合わせそれぞれについて、以下の4つの濃度:0.9μg/ml、1.875μg/ml、3.75μg/mlおよび7.5μg/mlにて実施例19の脂質蓄積アッセイで試験した。
【0218】
【0219】
表26は、3種の組み合わせが脂質蓄積を用量依存的に抑制して、組み合わせの効力が個々の構成成分単独それぞれよりも強力であることを示している。
【0220】
このアンノナ(Annona):カルノシン酸高濃度化ローズマリー:ザントキシラム(Zanthoxylum)の組み合わせが相乗的に作用して脂質蓄積を抑制したか否かを判定するために、相乗効果測定のためのColby式(formular)(Colby,Weeds 15:20,1967)を使用して、各組み合わせの効果を計算した。計算(理論)結果および実測(実験)結果を表27に示す。
【0221】
【0222】
表30は、3種類の組み合わせが、1.875μg/ml、3.75μg/mlおよび7.5μg/mlの用量にて投与した場合に、計算した組み合わせの相加効果と比較して、脂質蓄積の抑制に予想外の相乗効果を示したことを示している。
【0223】
[実施例28]
ヒト皮下脂肪細胞における分化アッセイ
脂質蓄積抑制アッセイおよび分化アッセイによって、化合物がヒト皮下前駆脂肪細胞の脂肪細胞への分化を抑制する能力について調べた。すべての細胞が同期して次に分化するように、細胞をコンフルエントまで増殖させた。前駆脂肪細胞培地(PM-1)を用いて、低温保存した前駆脂肪細胞を継代した。細胞にコンフルエントまで1日おきにPM-1を供給した。分化を誘導するために、第2日に、PM-1培地を、インスリン、デキサメタゾン、イソブチルメチルキサンチン、PPAR-γアゴニスト、TNF-αおよび試験化合物を含む分化培地(DM-2)と交換した。7日後、培地を、試験化合物を含まない脂肪細胞培地に変更した。アッセイの第16日に、細胞毒性および脂質蓄積を測定した。培地を除去して、各ウェルに50μlを残した。Cell Titer Blue試薬10μlを各ウェルに添加した。細胞を37℃にて2時間インキュベートした。条件培地の50μlサンプルを新たなソリッド・ブラック・プレートに取り除いた。蛍光を励起560nm/発光590nmにて測定した。次に細胞をPBSで洗浄して、溶解緩衝剤によって溶解させた。試薬Bを各ウェルに添加して、細胞を37℃にて2時間インキュベートした。溶解液の一定分量をPBSで希釈し、次に試薬Aを各ウェルに添加した。15分後に、540nmにて光学密度を読み取った。試薬は、トリグリセリドから遊離したグリセロールの量を測定する。
【0224】
[実施例29]
アンノナ(Annona)抽出物のヒト前駆脂肪細胞分化に対する効果
実施例28の脂質蓄積アッセイを、アンノナ・スクアモサ(Annona squamosa)抽出物を用いて行った。簡潔には、6つの濃度のアンノナ(Annona)抽出物(0.1、0.5、1、5、10および15μg/ml)ならびにDMSO 0.10%、対照としてのTNF-α(0.01μg/mL)およびPPAR-γアゴニスト(10μMΜ)を使用して、分化期間のヒト皮下脂肪細胞を処置した。処置の2週間後、細胞をPBSで洗浄し、溶解させ、トリグリセリドを総TGアッセイキット(Zen-bio)によって測定した。試薬は微生物リパーゼを含有し、トリグリセリドから遊離したグリセロールの量を測定した。
【0225】
【0226】
表31に示すように、アンノナ(Annona)抽出物は、約0.1μg/mlから約15μg/mlに及ぶ濃度にて、64.71%から89.04%の前駆脂肪細胞の脂肪細胞への分化を用量依存的に抑制した。
【0227】
[実施例30]
アンノナ(Annona):ローズマリー:ザントキシラム(Zanthoxylum)組み合わせ(ARZ-21)のヒト前駆脂肪細胞分化に対する効果
実施例28の脂質蓄積アッセイを、アンノナ(Annona)、ローズマリーおよびザントキシラム(Zanthoxylum)の組み合わせ(ARZ-21)を用いて行った。簡潔には、6つの濃度の組み合わせ(1、5、10、15、20および25μg/ml)ならびに対照としてのDMSO(0.10%)、TNF-α(0.01μg/mL)およびPPAR-γアゴニスト(10μM)を使用して分化期間のヒト皮下脂肪細胞を処置した。処置の2週間後、細胞をPBSで洗浄し、溶解させ、トリグリセリドを総TGアッセイキット(Zen-bio)によって測定した。試薬は微生物リパーゼを含有し、トリグリセリドから遊離したグリセロールの量を測定した。
【0228】
【0229】
表32に示すように、ARZ-21組み合わせは、約1μg/mlから約25μg/mlに及ぶ濃度にて、ヒト前駆脂肪細胞の脂肪細胞への分化を用量依存的に、26.55%から90.97%抑制する。
【0230】
[実施例31]
アンノナ(ANNONA):ローズマリー抽出物組み合わせの細胞間トリグリセリド含有率に対する効果
トリグリセリド(TG)含有率アッセイのために、6ウェルプレート内で3T3-L1前駆脂肪細胞を脂肪細胞分化中に、2.5、5および10μg/mlの濃度の組み合わせによって8日間処置した。細胞をPBSで洗浄して、ホモジナイズ溶液を用いて擦り取った。残留細胞溶解液を3000gにて5分間遠心分離して、脂肪層を除去した。上清をアッセイした。市販のキット(#10010303、Cayman Chem.、米国)を製造者の説明書に従って使用して、トリグリセリドレベルを測定した。脂肪細胞が分化すると、これらの細胞間のトリグリセリドレベルが連続的に上昇する。
【0231】
【0232】
表33に示すように、すべての組み合わせが3T3-L1前駆脂肪細胞の分化におけるトリグリセリド蓄積を効果的に防止し、10μg/mlの用量にて60%を超える抑制効果を示した。データは、組み合わせ組成物中のアンノナ・スクアモサ(Annona squamosa)の量に関連して効力が上昇したことを示している。
【0233】
[実施例32]
カルノシン酸高濃度化ローズマリー抽出物の抗酸化(ANT-OXIDANT)効果
安定なフリーラジカル1,1-ジフェニル-2-ピクリル-ヒドラジル(DPPH)を使用して、ローズマリー抽出物サンプルのフリーラジカル捕捉活性を調べた。簡潔には、DPPHの0.2mM溶液をDMSO中で調製し、該溶液を1、5、10、20および40μg/mlの濃度の各サンプルと混合した。暗所での30分間のインキュベーションの後、517nmにて吸光度を分光光度計によって測定した。溶液吸光度の低下は、DPPHの低下および抗酸化効果を示す。抗酸化活性を抑制パーセントとして表す。
【0234】
【0235】
表34に示すように、すべてのローズマリー抽出物が抗酸化剤効果を用量依存的に示し、60%カルノシン酸が30%カルノシン酸よりも高い抗酸化効果を示した。効力は脱色法の後でも維持された。
【0236】
[実施例33]
ラット大動脈環を使用した血管弛緩アッセイ
オスのスプラーグ・ドーリー・ラットから単離した大動脈環を、クレブス緩衝溶液(37℃、pH7.4)中に配置して、95%O2/5%CO2を通気させた。付着した脂肪および癒着性外膜周囲組織を慎重に除去して、血管を長さ2-3mmの環4個に切り分けた。大動脈環を三角形ステンレス鋼線試料ホルダー2個に取り付け、クレブス緩衝溶液を満たした7.5mLオーガンバスに移し、95%O2/5%CO2(37℃、pH7.4)を通気させた。等尺性力を測定するために、各環を組織バス内の固定ガラスフックに、および無重量ワイヤフックを介して、4チャネルミオグラフ(DMT DK/610M、デンマーク)に連結された力変換器に取り付けた。システムインテグレータのソフトウェアプログラム(アナログ-デジタルコンバータ、Powerlab 8/30,Adinstruments Co.)およびデータ取込ソフトウェア(Chart 6.0、Adinstruments Co.)を使用して、パーソナルコンピュータで記録した。環を受動張力下に置いて2.0gの前負荷を生じさせ、この張力で1時間平衡にさせた。この期間中に、組織を新たな通気緩衝液で2回洗浄し、設定した2.0gの前負荷が維持されるまで、環に対する静止力を調整した。300nMフェニレフリンの蓄積適用により、各環を収縮させた。フェニレフリンの存在下でアセチルコリン(ACh、1nMから約10μM)が80%を超える環の緩和を誘発する能力を判定することによって、すべての調製物における生存内皮の存在を判定した。
【0237】
[実施例34]
ザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物のラット大動脈環の収縮に対する効果
ザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物(実施例18に記載したように製造)の、以下のような4つの異なる用量:30μg/ml、100μg/ml、300μg/mlおよび1,000μg/mlで、大動脈環を処置した。ザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物の各用量による処置の後、大動脈環を30分間の期間にわたってクレブス緩衝剤(37℃、pH7.4)で3回洗浄して、大動脈圧を元の前負荷レベルとするか、または元の前負荷レベルよりやや低くした。ザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物の血管弛緩効果を、単離ラット大動脈調製物におけるフェニレフリン(300nM)による前処置によって誘発された収縮の抑制パーセントとして測定した。
【0238】
【0239】
表35は、ザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物がラット大動脈のフェニレフリン誘発収縮における最大75%の血管弛緩活性を用量依存的に示したことを示す。
【0240】
[実施例35]
アンノナ(Annona)抽出物のラット大動脈環収縮に対する効果
大動脈環を以下のような4つの異なる量のアンノナ・スクアモサ(Annona squamosa)(シュガーアップル)抽出物上清AS-EA8S組成物:0.0030%、0.01%、0.03%および0.1%(すべて体積/体積)で処置した。アンノナ(Annona)抽出物の各用量による処置の後、大動脈環を30分間の期間にわたってクレブス緩衝剤(37℃、pH7.4)で3回洗浄して、大動脈圧を元の前負荷レベルとするか、または元の前負荷レベルよりやや低くした。アンノナ(Annona)抽出物処置の血管弛緩効果を、単離ラット大動脈調製物のフェニレフリン(300nM)による前処置によって誘発された収縮の抑制パーセントとして測定した。
【0241】
【0242】
アンノナ(Annona)抽出物上清は、ラット大動脈のフェニレフリン誘発収縮において、80%を超える血管弛緩活性を濃度依存的に示した。
【0243】
[実施例36]
抗血小板凝集アッセイ
オスのスプラーグ・ドーリー・ラットの全血を、抗凝固性クエン酸/デキストロース溶液(ACD、85mMトリナトリウムシトレート、83mMデキストロースおよび21mMクエン酸)1mLを含有する15mL試験管に収集した。血液を170×gにて7分間遠心分離して多血小板血漿を得て、さらに120×gにて7分間遠心分離して残留赤血球を除去した。この多血小板血漿を洗浄緩衝液と共に350×gにて10分間、さらに2回遠心分離してACD溶液を除去し、次に血小板沈殿を凝集アッセイのために、タイロード緩衝剤(NaCl 137mM、NaHCO3 12mM、グルコース5.5mM、KCl 2mM、MgCl2 1mM、NaHPO4 0.3mMおよびpH7.4)で(3×108/mL)に調整した。血小板凝集計(Chronolog、ヘイバータウン、ペンシルベニア州、米国)で発光を測定することによって、凝集を監視した。洗浄した血小板を試験サンプルまたはビヒクル(<0.1%)のどちらかで37℃にて2分間プレインキュベートし、次にアゴニストで刺激した。反応混合物を170×gにて撹拌しながら、さらに5分間インキュベートした。
【0244】
[実施例37]
ザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物の血小板凝集に対する効果
実施例33に記載したように調製した洗浄血小板を、ザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物ZA-EEdl8またはビヒクル(<0.1%)のどちらかで37℃にて2分間プレインキュベートし、次にアデノシンジホスフェート(ADP)によって刺激した。ADPは、血小板凝集および血栓形成の周知の可溶性アゴニストである。反応混合物を170×gにて撹拌しながら、さらに5分間インキュベートした。
【0245】
【0246】
ザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物は、ADP誘発血小板凝集を抑制する能力を示した。
【0247】
[実施例38]
アンノナ(Annona)抽出物の血小板凝集に対する効果
実施例36に記載したように調製した洗浄血小板を、アンノナ(Annona)抽出物上清AS-EA8Sまたはビヒクル(<0.1%)のどちらかで37℃にて2分間プレインキュベートし、ADPで刺激して、次に170×gにて撹拌しながらさらに5分間インキュベートした。
【0248】
【0249】
アンノナ(Annona)抽出物は、ADP誘導血小板凝集を抑制する能力を示した。
【0250】
[実施例39]
ローズマリー抽出物の血小板凝集に対する効果
洗浄血小板をカルノシン酸高濃度化ローズマリー抽出物(30%もしくは60%)(実施例14に記載したように調製)またはビヒクル(<0.1%)のどちらかで37℃にて2分間プレインキュベートして、ADPで刺激して、次に170×gにて撹拌しながらさらに5分間インキュベートした。
【0251】
【0252】
30%カルノシン酸および60%カルノシン酸のどちらも、ラット血小板におけるADP誘導血小板凝集の用量依存的な抑制を示した。
【0253】
[実施例40]
酸化窒素アッセイ
RAW264.7(Korean Cell Line Bank、韓国)を5%CO2の湿潤雰囲気中37℃にて、10%熱不活性化ウシ胎児血清(WelGene Co.、韓国)、100μg/mlストレプトマイシンおよび100U/mlペニシリン(Lonza、メリーランド州、米国)によって強化したダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)(Dalseogu、韓国)中で培養および維持した。培養したRAW264.7細胞(4×105)を96ウェルプレートにて、試験サンプル(1、3、10μg/ml)を用いてまたは用いずに30分間前処置して、次にリポ多糖(LPS、0.1μg/ml)によって18時間刺激した。細胞培養上清(100μl)を等量のグリース試薬(5%リン酸(H3PO4)中1%スルファニルアミドおよび脱イオン蒸留水中0.1%N-1-ナフチレンジアミンジヒドロクロリド(NEDHC) と混合し、次にプレートをELISAリーダーで540nmにて読み取った。NaNO2の標準(1mM)を使用して、培養培地中の蓄積亜硝酸塩を定量した。
【0254】
[実施例41]
アンノナ(Annona)抽出物の酸化窒素産生に対する効果
マクロファージにおけるNOの過剰産生は、炎症の特徴である。
【0255】
従って、アンノナ(Annona)抽出物(実施例10に従って調製した25μg/ml、50μg/mlおよび100μg/ml)の、LPS(0.1μg/ml)による処置によってNOを産生するよう刺激された酸化窒素産生RAW264.7細胞を抑制する効果。
【0256】
【0257】
アンノナ(Annona)(シュガーアップル)抽出物は、NO放出を強力に用量依存的に抑制し、細胞毒性効果は一切検出されなかった。
【0258】
[実施例42]
ローズマリー抽出物の酸化窒素産生に対する効果
マクロファージにおけるNOの過剰産生は、炎症の特徴である。
【0259】
従って、カルノシン酸高濃度化(30%および60%)ローズマリー抽出物(実施例14に従って調製した6.25μg/ml、12.50μg/mlおよび25μg/ml)のLPS(0.1μg/ml)による処置によってNOを産生するよう刺激された酸化窒素産生RAW264.7細胞を抑制する効果。
【0260】
【0261】
カルノシン酸高濃度化ローズマリー抽出物は、NO放出を強力に用量依存的に抑制し、検出可能な細胞毒性効果は存在しなかった。
【0262】
[実施例43]
アンノナ(Annona)、ローズマリーおよびザントキシラム(Zanthoxylum)抽出物のクリーム製剤およびローション製剤
抽出物
アンノナ(Annona)(実施例10に従って調製)、ザントキシラム(Zanthoxylum)(実施例18に従って調製)、ローズマリー(実施例14に従って調製)またはこれらのいずれかの組み合わせからの活性植物抽出物を、以下の表に示すような液体製剤、クリーム製剤およびローション製剤に処方した。
【0263】
【0264】
【0265】
【0266】
【0267】
【0268】
【0269】
【0270】
[実施例44]
抗セルライト外用クリームの効果を評価するランダム化比較ヒト臨床研究
ランダム化比較研究を含む8週間の臨床試験において、抗セルライト外用クリーム(アンノナ(Annona)、ローズマリーおよびザントキシラム(Zanthoxylum)からの抽出物を含む。)の効果を評価する。使用4週間および8週間後、以下の:(a)セルライト外観の低減、(b)胴部、腕、腰部および大腿部の皮膚の輪郭および色むらの外観の改善、(c)よりスリムな胴部、腰部および大腿部の外観の補助、(d)ボディマス指数(BMI)の改善、(e)胴部、腰部および大腿部における体脂肪含有率の改善(キャリパー法)、(f)皮膚の弾性およびハリの改善ならびに(g)皮膚保湿性の増加(水分計)があるか否かを評価する。外観のセルライトおよび関連パラメータの改善は、視覚的診断基準、機器測定およびアンケートによって測定する。試験は一般に、20名の2群(一つの群に試験製品を投与、他方の群にはプラセボを投与)より構成された、任意の人種または皮膚タイプの健康な女性(n=40)に対して行う。ベースラインセルライトは、第0日(視覚的アナログ尺度(VAS)≧2を有する必要がある。)、第1週、第2週、第4週および第8週に測定する。
【0271】
【0272】
結果
8週間の単純盲検ランダム化比較研究において、実施例21に記載したARZ-21ローション組成物をコホートの対象40名で評価した。試験製品または実対照薬をランダム化コードに従って各対象に割り付けた。各対象は、8週間の期間にわたって、提供された説明書に従って製品を使用した。対象の大腿部の皮膚の病状を、標準順序尺度および視覚的アナログ尺度(VAS)を使用して専門臨床診断基準によって評価した。キャリパー測定、インボディ(INBODY)、キュートメーター、コルネオメーターならびにシリコーン複製キャスティングおよび解析を含む機器判定を行った。全対象の大腿部の皮膚の写真も撮影した。対象のアンケートを利用して、製品効力の消費者意識を収集した。来院は、ベースラインと、製品使用の2週間後、4週間後および8週間後に行った。
【0273】
研究の目的は、専門視覚的診断基準および主観的アンケートによって判定したように、使用2週間後、4週間後および8週間後の製品効力を評価することであった。以下の提案された製品の特徴に特に関して、データを収集および解析した。
1.セルライトの外観低減
2.大腿上部の皮膚の輪郭および色むらの外観の改善(ハリ)
3.よりスリムな大腿上部の外観の補助;
4.ボディマス指数(BMI)の改善(インボディBMI測定によって判定)
5.大腿上部の体脂肪含有率の改善(体脂肪判定;各領域でのキャリパー法によって判定)
6.皮膚の弾性およびハリ(視覚的診断基準、キュートメーターによって判定)の改善
7.皮膚保湿性の上昇(コルネオメーターによって判定)
【0274】
試験対象患者基準
1.登録時を含めて18歳から59歳であり、全身健康状態が良好の、任意の人種および皮膚タイプの女性。
2.インフォームドコンセントを読み取り、理解し、署名すること、研究指示を理解して従うことに特に依存はない、簡単な個人/病歴を記入することが可能。
3.ベースライン判定における標準順序尺度でスコアが2以上の、軽度から重度の大腿部のセルライト。
4.研究期間にわたって、両大腿部の皮膚の長期間の日光暴露および人工タンニング剤のあらゆる使用を控えることに特に依存はない。
5.研究期間にわたって、割り付けられた試験物質以外の、保湿剤、クリームおよび洗浄剤を含むいずれの皮膚処置製品の大腿部に対する使用開始を控えることに特に依存はない。
6.黒色の(研究来院ごとに同じ)肌着を着用して来院することに特に依存はなく、ゆったりしたショーツ(対象が準備)に着替えることに特に依存はない、判定および撮影のためにショーツを取ることに特に依存はない。
【0275】
試験対象患者除外基準
1.研究期間中に妊娠中、授乳中または妊娠の可能性がある。
2.他の何らかの臨床研究に参加している。
3.皮膚処置製品に対する過敏症またはパーソナルケア製品に対する既知のアレルギーの何らかの病歴(自己報告)。
4.疾患、負傷、アルコール依存、薬物乱用、精神病、アンタゴニスト(antagonistic)パーソナリティ、モチベーションの不足、虚弱障害、感情的、知的、心理的または社会的であり得る他の問題などの、対象の本試験への参加同意を無効にするおよび/または対象が研究診療すべてを定期的に受けるもしくは他のすべてのプロトコル要件に従う能力を制限するおそれのある、登録時に明らかであるまたは登録後に認識された何らかの病状。
5.試験担当医師が、研究への登録が不適格である妥当な理由と見なす、他の何らかの病状。
【0276】
8週間の臨床研究には、4回の来院:ベースラインスクリーニング、適格性および評価のために1回、第2週、第4週および第8週の評価のために3回を含んでいた。
【0277】
【0278】
製品評価(試験製品対実対照薬)
機器評価および視覚的評価:
すべての来院による機器スコアおよび視覚的スコアの平均および標準偏差を得て、対応のないt検定を利用して群間で比較した。有意性はp<0.05に設定した。
【0279】
各来院のベースラインと機器スコアおよび視覚的スコアとの差の平均パーセントを得て、対応のないt検定を利用して群間で比較する。有意性はp<0.005に設定する。
【0280】
ベースライン結果からの個々のスコアの平均改善パーセントを来院ごとに示す。
【0281】
ベースライン結果から改善している対象のスコアのパーセントを来院ごとに示す。
【0282】
自己判定アンケート:
応答度数パーセントを各来院時の質問ごとに作表して、製品群データを、アンケートの構造に応じてウィルコクソンの順位和検定またはカイ二乗検定を利用して比較した。
【0283】
【0284】
【0285】
【0286】
研究成果
機器判定-キュートメーター
皮膚のハリの平均ベースラインスコアからの統計的に有意な改善は、両方の製品群で第2週、第4週および第8週の来院時に認められた。皮膚弾性の平均ベースラインスコアからの統計的に有意な改善は、両方の群で第8週の来院時のみに認められた。実対照薬ローションの皮膚弾性の平均ベースラインスコアからの統計的に有意な低減(悪化)は、第2週の来院で認められた。
【0287】
両方の群の結果の比較解析によって、ハリまたは弾性のどちらかで、ベースラインスコアからのこれらの平均変化の間には統計的に有意な差は示されなかった。
【0288】
シリコーン複製
平均粗さ(Ra)の平均ベースラインスコアからの統計的に有意な改善は、実対照薬ローション群で第4週のみに認められた。ベースラインと比較して、他の有意な変化は認められなかった。両方の群の結果の比較解析によって、統計的に有意な差は示されなかった。
【0289】
主観的アンケート
ARZ-21ローションおよび実対照薬ローションの両方で、時間および製品使用の関数として、肯定的な回答が増加した。第2週、第4週および第8週に、ARZ-21ローション群の対象の大部分(>50%)が、試験製品によって皮膚の水和度/保湿性が改善したことと、皮膚のキメ/滑らかさが改善されたことを認めた。第4週および第8週に、ARZ-21ローション群の対象の大半(>50%)が、試験製品によって皮膚のキメ/滑らかさが改善し、大腿上部の皮膚の輪郭および色むらの外観が改善したことを認めた。B群では第4週および第8週において、大半が、ARZ-21製品によって、セルライトの外観が低減され、大腿上部の皮膚の輪郭および色むらの外観が改善され、皮膚のハリ/弾性が改善されたことも示した。第8週に、ARZ-21ローション群の対象の大半(>50%)が、試験製品によって皮膚のハリ/弾性が改善したことを認めた。
【0290】
比較薬ローション群では第8週に、大半が、試験製品によって、よりスリムな大腿上部の外観全体が改善されたことも示した。
【0291】
両方の群からの結果の比較解析によって、全来院時のセルライトおよびよりスリムな大腿上部の外観全体の改善、第2週および第4週の来院時の皮膚のハリ/弾性の改善、ならびに第2週の来院時のみの大腿上部の皮膚の輪郭および色むらの改善に関する質問に対する両群の平均回答スコアの間には、統計的に有意な差が示された。
【0292】
結論として、本研究の条件下では、ARZ-21ローションの使用により、ハリおよび弾性が著しく改善された。製品効果の対象による認識は、時間および製品使用の関数として、次第に肯定的になった。
【0293】
上記の様々な実施形態を組み合わせて、さらなる実施形態を提供することができる。本明細書で引用したまたは出願データシートに記載した、すべての米国特許、米国特許出願公報、米国特許出願、外国特許、外国特許出願および非特許公報は、これの全体が参照により本明細書に組み入れられている。実施形態の態様は、またさらなる実施形態を提供するために様々な特許、出願および公報の概念を用いることが必要である場合、改変することができる。上で詳説した説明に照らして、これらおよび他の変更を、該実施形態に行うことができる。
【0294】
一般に、以下の特許請求の範囲において、使用した用語は、特許請求の範囲を本明細書および特許請求の範囲で開示した特定の実施形態に限定すると解釈すべきではなく、考えられるすべての実施形態を、特許請求の範囲に権利が与えられる均等物の全範囲とともに含むと解釈すべきである。従って、特許請求の範囲は、本開示によって限定されない。