(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-04
(45)【発行日】2023-08-15
(54)【発明の名称】エアフィルタカートリッジ、空気清浄装置アセンブリ、筐体、特徴、コンポーネント、および方法
(51)【国際特許分類】
B01D 46/00 20220101AFI20230807BHJP
B01D 46/52 20060101ALI20230807BHJP
【FI】
B01D46/00 302
B01D46/52 B
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021209662
(22)【出願日】2021-12-23
(62)【分割の表示】P 2020168626の分割
【原出願日】2016-03-02
【審査請求日】2022-01-12
(32)【優先日】2015-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2015-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591163214
【氏名又は名称】ドナルドソン カンパニー,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アダメク, ダニエル, エリック
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン, スコット
(72)【発明者】
【氏名】ジョンストン, ロバート, ディーン
(72)【発明者】
【氏名】カリス, マシュー, アラン
(72)【発明者】
【氏名】マナハン, リチャード, パトリック
【審査官】瀧 恭子
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-523808(JP,A)
【文献】特表2009-541643(JP,A)
【文献】特開2001-341517(JP,A)
【文献】特開2001-289130(JP,A)
【文献】特開2009-095833(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02535550(EP,A1)
【文献】特開2011-088139(JP,A)
【文献】国際公開第2014/210541(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 39/00-41/04、46/00-46/545
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアフィルタカートリッジであって、
(a)入口側と、出口側と、その中に配置された濾材パックであって、外周を有する濾材パックと、
(b)前記濾材パックの前記外周を取り囲む筐体係合部材であって、シール部分と、シール支持部分と、を有するシール装置を含み、
(i)前記シール部分が、外周と、対向する面を備えるピンチシール部分と、を有し、前記シール部分の前記外周が、前記ピンチシール部分の前記対向する面の間に延びる、筐体係合部材と、
(c)前記シール部分の前記ピンチシール部分と、前記濾材パックと、の間に位置し、前記濾材パックの前記外周の周りに延びる、受容谷であって、
(i)前記受容谷が前記エアフィルタカートリッジの前記入口側から離れた方に向く開口部を有し、
(ii)前記受容谷は、前記エアフィルタカートリッジがエアクリーナの筐体内に設置されるとき、前記受容谷の開口部を通る前記エアクリーナの筐体上の突起を受容するよう構成されている、受容谷と、
(d)前記濾材パックと、前記シール部分の前記外周と、の間に位置付けられたエアクリーナの安全のための筐体閉鎖防止装置の部材であって、
(i)前記エアクリーナの安全のための筐体閉鎖防止装置の部材が、その中に受容装置を含み、
(A)前記受容装置が、前記シール部分の前記外周から半径方向内方に位置付けられ、
(B)前記受容装置が、前記受容谷より前記エアフィルタカートリッジの前記入口側の方にさらに延び、
(C)前記受容装置が、前記エアフィルタカートリッジの前記入口側から離れる方向に向く開口部を有する、エアクリーナの安全のための筐体閉鎖防止装置の部材と、
(e)前記エアフィルタカートリッジの前記入口側に隣接するハンドル装置と、を備えるエアフィルタカートリッジ。
【請求項2】
エアフィルタカートリッジであって、
(a)外周および相互に反対側の吸排気面を有する濾材パックと、
(b)前記濾材パックの前記外周を取り囲む筐体係合部材であって、シール部分と、シール支持部分と、を有するシール装置を含み、
(i)前記シール部分が、外周と
、対向する面
を備えるピンチシール部分と
、を有する、筐体係合部材と、
(c)前記濾材パックと、前記シール装置と、の間に位置付けられたエアクリーナの安全のための筐体閉鎖防止装置の部材であって、
(i)前記エアクリーナの安全のための筐体閉鎖防止装置の部材が、その中に受容装置を含み、
(A)前記受容装置が、前記シール部分の前記外周から半径方向内方に位置付けられ、
(B)前記受容装置が、前記シール部分の前記対向する面の各々の隣接部分より前記吸排気面の一方の方にさらに延びる、エアクリーナの安全のための筐体閉鎖防止装置の部材と、を備えるエアフィルタカートリッジ。
【請求項3】
エアフィルタカートリッジであって、
(a)外周および相互に反対側の吸排気面を有する濾材パックと、
(b)前記濾材パックを取り囲む筐体係合部材であって、シール部分と、シール支持部分と、前記シール部分の半径方向内方に位置付けられた受容谷と、を含
み、
(i)前記シール部分が、外周と、対向する面を備えるピンチシール部分と、を有する、筐体係合部材と、
(c)前記濾材パックと、シール装置と、の間に位置付けられたエアクリーナの安全のための筐体閉鎖防止装置の部材であって、
(i)前記エアクリーナの安全のための筐体閉鎖防止装置の部材が、受容装置を含み、前記受容装置が、受容谷の部分より深い凹部を画定する、エアクリーナの安全のための筐体閉鎖防止装置の部材と、を備えるエアフィルタカートリッジ。
【請求項4】
(a)前記筐体係合部材がその中に1つだけ受容装置を含む、
請求項1から3のいずれか一項に記載のエアフィルタカートリッジ。
【請求項5】
(a)前記筐体係合部材がその中に2つの受容装置を含み、前記受容装置が前記エアフィルタカートリッジの両側にある、
請求項1から3のいずれか一項に記載のエアフィルタカートリッジ。
【請求項6】
(a)前記受容装置が前記受容谷内にある、
請求項1から3のいずれか一項に記載のエアフィルタカートリッジ。
【請求項7】
(a)前記濾材パックが交互のライナ濾材とフルート付き濾材とを含む、
請求項1から3のいずれか一項に記載のエアフィルタカートリッジ。
【請求項8】
(a)前記濾材パックがライナ濾材とフルート付き濾材の条片の積層体を含む、
請求項1から3のいずれか一項に記載のエアフィルタカートリッジ。
【請求項9】
(a)前記濾材パックがライナ濾材とフルート付き濾材のロール型条片を含む、
請求項1から3のいずれか一項に記載のエアフィルタカートリッジ。
【請求項10】
(a)前記濾材パックがプリーツ付き濾材を含む、
請求項1から3のいずれか一項に記載のエアフィルタカートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2016年3月2日にPCT国際出願として出願される。
【0002】
関連出願の相互参照
本願は、2015年3月2日に出願された米国仮特許出願第62/127,166号明細書および2015年7月6日に出願された米国仮特許出願第62/188,861号明細書の開示を、編集を加えて含んでいる。米国仮特許出願第62/127,166号明細書および同第62/188,861号明細書の開示全体を参照によって本明細書に援用する。
【0003】
本開示は、典型的に例えば内燃機関用吸気等の空気を濾過するためのフィルタ装置に関する。本開示は特に、相互に反対側にある吸排気端を有するカートリッジを使用するフィルタ装置に関する。空気清浄装置と特徴および、組立および製造方法も記載されている。
【背景技術】
【0004】
空気の流れは、その中で粉塵や液体粒子等の汚染物質を運んでいる可能性がある。多くの例において、汚染物質の一部または全部を空気の流れからフィルタで除去することが望ましい。例えば、自動車用または発電装置用のエンジンへの空気の流れ(例えば、燃焼空気の流れ)、ガスタービンシステムへのガスの流れ、および各種の燃焼炉への空気の流れは、その中でフィルタにかけるべき粒子状汚染物質を運んでいる。そのようなシステムについては、選択された汚染物質を空気から除去する(または空気中のレベルを低下させる)ことが望ましい。汚染物質除去のために様々なエアフィルタ装置が開発されている。改良が求められている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示によれば、空気清浄装置アセンブリおよび、それに関する筐体、修理交換可能なフィルタカートリッジおよび特徴、コンポーネント、および方法が開示される。一般に、特徴は、修理交換中に、不適正なカートリッジが空気清浄装置の筐体の中に正しく収納されたと見えないように構成されるシステムに関する。本明細書には様々な方式が記載されており、これらは所望の結果を得るために個別にもまたは一緒にも使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本開示による装置で使用可能な第一の種類の例示的濾材の部分概略斜視図である。
【
図2】
図1に示される種類の濾材の一部の拡大概略断面図である。
【
図3】
図1および2の種類の濾材のための各種のフルート付き濾材の定義の例の概略図を含む。
【
図4】
図1~3の種類の濾材を製造するための例示的プロセスの概略図である。
【
図5】
図1~4の種類の濾材のフルートのための任意選択による端部折込部の概略断面図である。
【
図6】本開示による特徴を有するフィルタカートリッジで使用可能な、例えば
図1による濾材の条片で製作されるロール型フィルタ装置の概略斜視図である。
【
図7】本開示による特徴を有するフィルタ装置で使用可能な、例えば
図1による濾材の条片で製作される積層型濾材パック装置の概略斜視図である。
【
図8】
図1の濾材に代わる濾材を使用し、本開示による選択されたフィルタカートリッジで代替的に使用可能なフィルタ濾材パックの吸排気端の概略図である。
【
図8A】
図8の図と反対の吸排気端の概略図である。
【
図8B】
図8および8Aの濾材パックの概略断面図である。
【
図9】本開示による特徴を有するフィルタカートリッジの濾材パックで使用可能な、別の代替的種類の濾材の概略部分断面図である。
【
図10】
図9の種類の濾材の第一の変形型の概略部分断面図である。
【
図11A】本開示による他の使用可能なフルート付きシートとライナシートの組合せの概略図である。
【
図11C】濾材のさらに別の変形型の概略部分平面図である。
【
図12】本開示により使用可能な濾材の他の変形型の概略図である。
【
図13】本開示による特徴とコンポーネントを含む空気清浄装置アセンブリの概略上面斜視図である。
【
図14】
図13の空気清浄装置アセンブリの、筐体部分が取り外され、エバキュエータバルブが分解された図で示されている概略斜視図である。
【
図15】
図13および14の空気清浄装置アセンブリに取り付け可能なフィルタカートリッジコンポーネントの概略斜視図である。
【
図16】
図15に示されるフィルタカートリッジの一部の概略拡大部分斜視図である。
【
図17】
図15のフィルタカートリッジの第二の概略斜視図であり、
図17の図面は
図15の図面のカートリッジと反対の端に向かっている。
【
図18】
図17のフィルタカートリッジの一部の概略拡大部分図である。
【
図19】
図13の空気清浄装置アセンブリの筐体コンポーネントの概略斜視図である。
【
図20】
図19の筐体コンポーネントの第二の概略斜視図である。
【
図21】
図20の筐体コンポーネントの端部の概略拡大部分斜視図である。
【
図22】
図13のアセンブリの空気清浄装置の筐体の第二の筐体部分コンポーネントの概略上面斜視図である。
【
図23】
図22の筐体部分の、その内側に向かって見た概略的な第二の斜視図である。
【
図24】
図23の筐体部分の一部の、その内側部分に向かって見た概略拡大部分斜視図である。
【
図25】
図22のカバー部分の外側部分の概略拡大部分斜視図である。
【
図26】
図15のフィルタカートリッジコンポーネントの、概してその線26-26に沿って切断された概略断面斜視図である。
【
図28】
図13の空気清浄装置アセンブリの一部の概略部分断面図であり、
図28は概して
図13の線28-28に沿って切断されている。
【
図29】
図13の空気清浄装置アセンブリの一部の拡大概略部分断面図である。
【
図30】
図29の一部の、概して
図13の線30-30に沿って切断された拡大概略部分図である。
【
図31】
図15のフィルタカートリッジの一部の第二の概略断面図であり、
図31は概して
図13の線31-31に沿って切断されている。
【
図34】
図13の空気清浄装置アセンブリの、概して
図13の線34-34に沿っているが、
図33とは異なる視点から見た第二の部分拡大概略断面図である。
【
図35】
図34と似ているが、異なる視点から見た拡大部分概略斜視図であり、
図35は
図13の35-35に沿って切断されている。
【
図36】
図15のフィルタカートリッジの成形コンポーネントの概略拡大部分斜視図である。
【
図37】
図36の成形コンポーネントの第二の拡大概略部分斜視図である。
【
図38】
図13の空気清浄装置アセンブリの一部の拡大概略部分断面図であり、
図35は
図13の線38-38に沿って切断されている。
【
図39】
図38に示されるアセンブリの部分の拡大概略部分断面および端面斜視図である。
【
図40】
図13の空気清浄装置アセンブリの一部の概略拡大部分断面図であり、
図40は概して
図39に示される場所40-40に沿って切断されている。
【
図41】本開示による原理を具現化した代替的フィルタカートリッジの概略斜視図である。
【
図44】概して
図15によるが、別の具体的な特徴を含むフィルタカートリッジの拡大概略部分図である。
【
図45】
図44に向かうフィルタカートリッジの反対の端に向かう概略部分図である。
【
図46】
図13の空気清浄装置アセンブリの代替的空気清浄装置アセンブリの上面斜視図である。
【
図47】
図45の空気清浄装置アセンブリの、筐体コンポーネントを取り外した状態の概略斜視図である。
【
図48】
図46および47の空気清浄装置アセンブリのフィルタカートリッジコンポーネントの概略斜視図である。
【
図49】
図48のフィルタカートリッジの一部の概略拡大部分斜視図である。
【
図50】
図48および49のカートリッジの特定された部分の、カートリッジの反対の端に向かって見た概略拡大部分斜視図である。
【
図51】
図49に示されるフィルタカートリッジの部分の、異なる視点から見ているが、カートリッジの同じ端に向かう概略斜視図である。
【
図52】
図51に示されるフィルタカートリッジの部分の部分概略平面図である。
【
図53】
図48に示されるフィルタカートリッジの概略断面図である。
【
図54】
図53と同じ平面内であるが、異なる視点からカートリッジを描いた拡大概略部分断面図である。
【
図55】
図54と同様の視点から見ているが、切断面が異なる位置にある第二の部分断面図である。
【
図56】
図48のフィルタカートリッジの筐体シール係合部分の選択された部分の拡大部分斜視図である。
【
図57】
図56の筐体係合装置の部分の、異なる視点から描かれた概略斜視図である。
【
図58】
図57のコンポーネントの一部の拡大部分断面図である。
【
図59】
図46の空気清浄装置アセンブリの筐体部分の概略斜視図である。
【
図60】
図59の筐体コンポーネントの内側部分に向かって見た拡大部分斜視図である。
【
図61】
図60の筐体コンポーネントに向かって見た拡大部分平面図である。
【
図62】
図61の筐体コンポーネントの側面に向かって見た部分外側平面図である。
【
図63】
図62に示される筐体コンポーネントの一部に向かう部分斜視図である。
【
図64】本開示による他の使用可能なフルート付きシートとライナシートの組合せの概略図である。
【
図65】
図64に示される使用可能なフルート付きシートとライナシートの組合せの一部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
I.例示的濾材構成全般
本開示による原理は、後述のような特定の選択された所望の結果を実現するために有利な方法によるフィルタカートリッジと空気清浄装置システムとの間の相互作用に関する。フィルタカートリッジは一般に、その中に濾材を含み、そこを濾過動作中に空気およびその他の気体が通過する。濾材は、様々な種類と構成とすることができ、様々な材料を使って製作できる。例えば、本開示の原理によるカートリッジには、後述のように、プリーツ付き濾材装置を使用できる。
【0008】
この原理は、カートリッジの入口側および出口側端間の範囲で濾材がかなり深い状況での使用に特によく適応されているが、他の選択肢もありうる。また、この原理は断面寸法が比較的大きいカートリッジにおいてよく使用される。このような装置では、プリーツ付き濾材に代わる種類の濾材が望ましいことが多い。
【0009】
この項では、本明細書に記載されている技術に使用可能ないくつかの濾材装置の例を挙げる。しかしながら、様々な代替的種類の濾材が使用可能であることがわかるであろう。濾材の種類の選択は一般に、入手可能性、ある使用状況での機能、製造しやすさ等の選好のうちの1つであり、選択は必ずしも本明細書で特徴付けられるフィルタカートリッジと空気清浄装置との相互作用の様々な特徴の中から選択されたものの全体的機能に関しているとはかぎらない。
【0010】
A.ライナ濾材に固定された、濾材畝部(フルート)を有する濾材を使用した濾材パック装置
フルート付濾材(濾材畝部を有する濾材)は、各種の方法で流体フィルタ構造物を提供するために使用できる。1つのよく知られている方法は、本明細書において、Z型フィルタ構造物として特徴付けられる。「Z型フィルタ構造物」という用語は、本明細書で使用されるかぎり、積層された、折り畳まれた、またはその他の方法で形成されたフィルタのフルートのひとつひとつが、長さ方向の、典型的に平行な、濾材を通る流体流のための吸入および排出フィルタフルートの集合(典型的にはライナ濾材と組み合わされる)を定義するために使用される種類のフィルタ構造物を含むものとする(ただし、これに限定されない)。Z型濾材のいくつかの例が、米国特許第5,820,646号明細書、同第5,772,883号明細書、同第5,902,364号明細書、同第5,792,247号明細書、同第5,895,574号明細書、同第6,210,469号明細書、同第6,190,432号明細書、同第6,350,296号明細書、同第6,179,890号明細書、同第6,235,195号明細書、米国意匠特許第399,944号明細書、米国意匠特許第428,128号明細書、米国意匠特許第396,098号明細書、米国意匠特許第398,046号明細書、および米国意匠特許第437,401号明細書において提供されており、これらの引用文献の各々を参照によって本願に援用する。
【0011】
1つの種類のZ型濾材は、相互に結合されて濾材構造物を形成する2つの特定の濾材コンポーネントを利用する。2つのコンポーネントとは、(1)フルート付き(典型的に波形の)濾材シートまたはシート切片と、(2)ライナ濾材シートまたはシート切片である。ライン濾材シートは典型的には波形でないが、例えばフルートの方向に垂直な波形とすることもでき、これは2004年2月11日に出願され、2005年8月25日にPCT国際公開第05/077487号パンフレットとして公開されている米国仮特許出願第60/543,804号明細書に記載されており、これを参照によって本願に援用する。
【0012】
フルート付き濾材切片とライナ濾材切片は、相互間に別の材料を含むことができる。しかしながら、これらはまた、1枚の濾材シートを折り畳んで、ライナ濾材の材料が濾材のうちのフルート付き濾材部分と適切に隣り合わせとなるようにしたものの切片とすることができる。
【0013】
フルート付き(典型的に波形の)濾材シートとライナ濾材シートまたは合体シート切片は、平行なフルートを有する濾材を画定するために典型的に使用される。いくつかの例において、フルート付きシートとライナシートは別々であり、その後、相互に固定され、その後、濾材条片として巻き取られ、Z型濾材構造物が形成される。このような装置は、例えば米国特許第6,235,195号明細書および第6,179,890号明細書に記載されており、その各々を参照によって本願に援用する。特定のその他の装置では、ライナ濾材に固定されたフルート付き(典型的に波形の)濾材のうち、巻き取られていない切片または条片のいくつかを相互に積み重ねてフィルタ構造物が構築される。この例は米国特許第5,820,646号明細書の
図11に示されており、これを参照によって本願に援用する。
【0014】
ここで、波形シートに固定されたフルート付きシート(畝部を有する濾材シート)を含む材料の条片はその後、積層体として組み立てられて濾材パックを形成し、これは「シングルフェーサ条片」、「シングルフェース条片」、または「シングルフェーサ」もしくは「シングルフェース」濾材と呼ばれることがある。これらの用語とその変化形は、各条片において、フルート付き(典型的には波形の)シートの片面、すなわちシングルフェースにライナシートが張られていることを意味する。
【0015】
典型的に、フルート付きシートとライナシートの(すなわちシングルフェーサの)組合せの条片を巻き取ってロール型濾材パックを構築することは、ライナシートが外側になるようにして行われる。巻き上げのためのいくつかの方法が、2003年5月2日に出願された米国仮特許出願第60/467,521号明細書および2004年3月17日に出願され、現在は国際公開第04/082795号パンフレットとして公開されているPCT出願第04/07927号明細書に記載されており、その各々を参照によって本願に援用する。その結果として得られるロール型の装置は一般に、その結果、濾材パックの外面としてライナシートの一部を有する。
【0016】
「波形の」という用語は、本明細書において濾材内の構造を指すために使用されるかぎり、各々が最終的な濾材に波形を付けるのに適した表面特徴物を有する2つの波形ローラ間、すなわち2つのローラのニップまたは咥えの中に濾材を通すことから得られる波形構造を指す。しかしながら、「波形」という用語は、これらが波形ローラ間の咥えの中に媒体を通すことを含む方式によるフルートによるものと明記されていないかぎり、このようなフルートに限定されない。「波形の」という用語は、濾材が波形にされた後に、例えば参照によって本願に援用される2004年1月22日に公開されたPCT国際公開第04/007054号パンフレットに記載されている折畳み方式によってさらに変更または変形された場合にも当てはまるものとする。
【0017】
波形濾材は、フルート付き濾材の特定の形態である。フルート付き濾材は、それを横切る(例えば波形加工または折畳み加工によって形成された)個々のフルートまたは畝部を有する濾材である。
【0018】
Z型濾材を利用する修理交換可能なフィルタエレメントまたはフィルタカートリッジ構成は、「直線的流動構成」として、またはその変化形で呼ばれることがある。一般に、これに関しては、修理交換可能なフィルタエレメントまたはカートリッジが一般に、吸気端(または面)およびそれと反対の排気端(または面)を有し、フィルタカートリッジへの流入とそこからの流出が概して同じ直線的方向であることを意味する。これに関して、「修理交換可能」という用語は、対応する流体(例えば空気)清浄装置から定期的に取り外され、交換されるフィルタカートリッジを含む濾材を指すものとする。いくつかの例において、吸気端(または面)と排気端(または面)の各々は概して平らまたは平坦であり、両者は相互に平行である。しかしながら、その変形型、例えば平坦でない面も可能である。
【0019】
直線的流動構成(特に、ロール型または積層型濾材パックについて)は例えば、参照によって本願に援用される米国特許第6,039.778号明細書に示されている種類の円筒形プリーツ付きフィルタカートリッジ等、流れが一般に、濾材に入る時とそこから出る時に実質的に方向転換する修理点検可能フィルタカートリッジとは対照的である。すなわち、米国特許第6,039,778号明細書のフィルタの場合、流れは円筒形フィルタカートリッジの中に円筒側面から入り、その後、方向転換して、濾材の開放端から出る(順流システム)。典型的な逆流システムでは、流れは修理交換可能な円筒形カートリッジに濾材の開放端から入り、その後、方向転換して、円筒形濾材の側面から出る。このような逆流システムの一例が、米国特許第5,613,992号明細書に示されており、これを参照によって本願に援用する。
【0020】
「Z型濾材構成」という用語とその変化形は、本明細書中で使用されるかぎり、それ以上のものがなければ、波形またはその他の方法でフルートの付いた濾材(濾材畝部を有する濾材)が(ライナ)濾材に固定され、シートが別々であるか1枚のウェブの一部であるかを問わず、適当なシーリング(閉鎖部)を有して吸気および排気フルートを画定できるようなウェブ、および/またはこのような濾材から吸気および排気フルートの立体網状構造に構成または形成された濾材パック、および/またはこのような濾材パックを含むフィルタカートリッジまたは構造体の何れかまたは全部を含むものするが、必ずしもこれらに限定されない。
【0021】
図1において、Z型濾材構造体で使用可能な濾材1の例が示されている。濾材1は、フルート付きの、この場合は波形のシート3とライナシート4から形成される。濾材1のような構造体を本明細書においてはシングルフェーサまたはシングルフェース条片と呼ぶ。
【0022】
時々、
図1の波形フルート付きまたは畝付きシート3は、本明細書において、フルート、畝部、または波形7の規則的な湾曲波パターンを有すると概して特徴付けられる種類のものである。これに関する「波パターン」という用語は、交互に並ぶ谷7bと畝7aのフルート、畝、または波形パターンを指すものとする。これに関して、「規則的」という用語は谷と畝のペア(7b、7a)が交互に並び、概して同じ繰返しの波形(フルートまたは畝)の形状と大きさであることを指すものとする。(また、規則的構成においては典型的に、各谷7bは各畝7aについて実質的に反転した畝である。)「規則的」という用語はそれゆえ、波形(またはフルート)パターンが谷(反転された畝)と畝を含み、各ペア(隣接する谷と畝を含む)が、フルートの長さの少なくとも70%にわたり、波型の大きさと形状が実質的に変化せずに繰り返されることを示すものとする。これに関して「実質的に」という用語は、波型またはフルート付きシートを製作するために使用されるプロセスまたは形状の変更から生じる変化を指し、これは濾材シート3が柔軟であるということによるわずかな変化とは異なる。繰返しパターンの特徴に関して、何れのフィルタ構成においても、必ずしも畝と溝の数が等しいとはかぎらない。濾材1の終端は、例えば畝と谷を含むペアの間、または畝と谷を含むペアに部分的に沿っていてもよい。(例えば、
図1において、部分的に示されている濾材1には8つの完全な畝7aと7つの完全な谷7bがある。)また、フルートの反対の端部(谷と畝の端)は相互に異なっていてもよい。端部におけるこのようなばらつきは、特にことわりがないかぎり、これらの定義において無視される。すなわち、フルートの端の違いは、上記の定義によりカバーされるものとする。
【0023】
波型の「湾曲」波パターンの特徴に関して、特定の例では、波形パターンは濾材に付けられた折畳み、または折り目形状の結果ではなく、各畝の頂点7aと各谷の底部7bがアールの付いた曲線に沿って形成される。このようなZ型濾材の典型的な半径は、少なくとも0.25mmであり、典型的に3mm以下である。
【0024】
波型シート3に関して、
図1に示される特定の規則的な湾曲波パターンの別の特徴は、フルート7の長さの大部分に沿って、各谷と隣接する各畝との間の略中間点30に、曲率が逆転する移行領域があることである。例えば、
図1の裏側または面3aを見た場合、谷7bは凹んだ領域であり、畝aは突出した領域である。もちろん、表側または面3bを見ると、側3aの谷7bは畝を形成し、面3aの畝7aは谷を形成する。(いくつかの例において、領域30は、点ではなく直線的セグメントとすることができ、その曲率はセグメント30の端で逆転する。)
【0025】
図1に示されている特定の規則的な波パターンのフルート付き(この場合、波形の)シート3の特徴は、個々の波形、畝、またはフルートが概してまっすぐであることであるが、他の選択肢もありうる。これに関して「まっすぐの」とは、長さの少なくとも70%、典型的に少なくとも80%にわたり、畝7aと谷(または反転した畝)7bが実質的に断面形状において変化しないことを意味する。
図1に示される波形パターンに関する「まっすぐの」という用語は、一部に、そのパターンを、参照によって本願に援用される国際公開第97/40918号パンフレットの
図1と2003年6月12日に公開されたPCT出願国際公開第03/47722号パンフレットに示されている波形濾材のテーパ付フルートから区別する。例えば、国際公開第97/40918号パンフレットのテーパ付フルートは、湾曲波パターンであって、本明細書で使用される用語としての「規則的」パターン、またはまっすぐなフルートのパターンではない。
【0026】
本願の
図1を参照すると、前述のように、濾材1は第一および第二の相互に反対の縁8および9を有する。濾材1が濾材パックに形成されると、一般に、縁9はこの濾材パックのための入口端または面を形成し、縁8は出口端または面を形成するが、反対の向きも可能である。
【0027】
図の例において、各種のフルート7が相互に反対の縁8、9間の全体にわたって延びているが、他の選択肢もありうる。例えば、これらは縁の近辺または付近の位置まで延び、それらの間の全体にわたって延びていないようにすることができる。また、これらは例えば、参照によって本願に援用される米国特許出願公開第2014/0208705 A1号明細書の濾材のように、濾材を通じて途中で終わり、また始まるようにすることもできる。
【0028】
濾材が
図1に示されているようなものである場合、縁8の近辺にシーラントビード10を提供し、波形シート3とライナシート4を相互に密着させることができる。ビード10は、時として「シングルフェーサ」または「シングルフェース」ビード、またはその変化形で呼ばれるが、これは、そのビードが波形シート3とライナシート4の間にあり、シングルフェーサ(シングルフェース)濾材条片1を形成するからである。シーラントビード10は、縁8の近辺の個々のフルート11を、そこから出る(または反対方向の流れではそこに入る)空気の通過に対して閉鎖する。
【0029】
図1に示される濾材において、縁9の近辺にシールビード14が提供される。シールビード14は一般に、縁9の近辺で、濾過されていない流体がそこから通る(または反対の流れにおいてはその中に流れる)ことに対してフルート15を閉じる。ビード14は、典型的には、濾材1が濾材パックに構成される際に塗布されるであろう。濾材パックが条片1の積層体から製作される場合、ビード14はライナシート4の裏面17と隣接する次の波形シート3の側面18との間のシールを形成する。濾材1が切断されて条片にされ、巻き上げられるのではなく積層される場合、ビード14は「積層ビード」と呼ばれる。(ビード14が濾材1の長い条片から形成されるロール型の構成で使用される場合、これは「巻き上げビード」と呼ばれる。)
【0030】
別の種類の通過流濾材では、シール材料を他の位置にすることができ、それ以上のシーラントまたは接着剤は使用しないようにすることさえできる。例えば、いくつかの例において、濾材を折り畳んで端または縁シームを形成でき、または濾材を超音波照射等の別の技術によって密閉することもできる。さらに、シーラント材料が使用される場合でも、それは両端の付近である必要はない。
【0031】
図1を参照すると、例えば積層または巻き上げによって濾材1が濾材パックに組み込まれると、これは次のように動作できる。まず、矢印12の方向の空気が端9の付近の開放したフルート11の中に入る。端8はビード10によって閉じられているため、空気は矢印13で示されるように濾材1を通過する。すると、濾材パックの端8の付近のフルート15の開放端15aを通過することによって、濾材または濾材パックから出ることができる。もちろん、動作は、反対方向の空気の流れでも実行できる。
【0032】
ここで
図1に示される特定の構成について、平行な波形7a、7bは概して縁8から縁9まで、濾材全体を通じてまっすぐである。まっすぐなフルート、畝、または波形は、選択された位置、特に端において変形させ、または折り畳むことができる。閉じるためにフルートの端に加えられる変更は一般に、「規則的」、「湾曲した」、および「波パターン」の前述の定義においては考慮されない。
【0033】
まっすぐの規則的な湾曲した波パターンの波形形状を利用しないZ型フィルタも知られている。例えば、山田らの米国特許第5,562,825号明細書では、狭いV字形(湾曲した側面を有する)の出口フルートの付近の(断面が)略半円形の入口フルートを利用する波形パターンが示されている(第5,562,825号の
図1および3参照)。松本らの米国特許第5,049,326号明細書では、半管を有する1枚のシートが半管を有する別のシートに取り付けられたものによって画定され、その結果として得られる平行のまっすぐなフルート間に平らな領域がある(断面が)円形または管状のフルートが示されており、松本の‘326号特許の
図2を参照されたい。石井らの米国特許第4,925,561号明細書(
図1)においては、断面が長方形になるように折り畳まれたフルートが示されており、この中で、フルートにはその長さに沿ってテーパが付けられる。国際公開第97/40918号パンフレット(
図1)においては、湾曲した波パターン(離接する湾曲した凸状部と凹状部の谷による)を有するが、その長さに沿ってテーパが付けられた(それゆえ、まっすぐではない)フルートまたは平行な波形が示されている。また、国際公開第97/40918号パンフレットでは、湾曲波バターンを有するが、畝と谷の大きさが異なるフルートが示されている。また、様々な畝を含む形状の異なるフルートも知られている。
【0034】
一般に、濾材は比較的柔軟な材料、典型的には(セルロース繊維、合成繊維、またこれら両方の)不織布繊維材料であり、その中に樹脂を含んでいることが多く、追加の材料で処理されていることもある。それゆえ、これは、濾材に容認不能な損傷を与えずに、それを様々な波形パターンに合わせ、その中に組み込むことができる。また、使用するために巻き上げ、またはその他の方法で構成することも容易であり、その際もまた、容認不能な濾材の損傷は生じない。もちろん、これは、使用中には必要な波形状態が保たれるような性質のものでなければならない。
【0035】
典型的に、波形にするプロセスでは非弾性変形が媒体に加えられる。これによって、濾材はその当初の形に復元できない。しかしながら、張力が解除されると、フルートまたは波形は跳ね戻る傾向があり、それまでに生じていた延びと曲げの一部のみ復元する。波形シートのこのような跳ね戻りを防止するために、ライナ濾材シートがフルート付濾材シートに連結されることがある。このような連結は20に示されている。
【0036】
また、典型的に濾材は樹脂を含む。波形にするプロセス中に、濾材をその樹脂のガラス転移温度より高い温度まで加熱できる。その後、樹脂が冷却され、これはフルーと形状を保つのに役立つ。
【0037】
波形(フルート付き)シート3、ライナシート4、またはそれらの両方の濾材では、例えば参照によって本願に援用される米国特許第6,673,136号明細書により、その片面または両面に微細繊維材料を提供できる。いくつかの例において、このような微細繊維材料が使用される場合、微細繊維を材料の上流側とフルートの中に提供することが望ましいかもしれない。この場合、濾過中の空気流は典型的に、積層ビードを含む縁の中に入る。
【0038】
Z型フィルタ構造体に関する問題は、個々のフルートの端の閉鎖に関係する。他の選択肢もありうるが、典型的には、この閉鎖を実現するためにシーラントまたは接着剤が提供される。上述の開示から明らかであるように、典型的なZ型濾材、特にテーパ付フルートではなくまっすぐのフルートとフルートを密閉のためのシーラントを使用するものにおいて、上流端と下流端の両方に大きなシーラント表面積(および体積)が必要となる。これらの位置における高品質のシールは、結果として得られる濾材構造の適正な動作にとって重要である。大きいシーラント体積と面積は、これに関する問題の原因となる。
【0039】
次に、
図2に注目すると、規則的な湾曲した波パターンの波形シート43と波形加工されていない平坦シート44を利用する、すなわちシングルフェーサ条片であるZ型濾材、すなわちZ型濾材構造体40が概略的に示されている。点50および51間の距離D1は、ある波形フルート53の下の領域52の中の平坦濾材44の範囲を画定する。同じ距離D1にわたる波形フルート53のための弓型濾材の長さD2は当然のことながら、波形フルート53の形状によってD1より大きい。フルート付フィルタの用途に要される典型的な規則的形状の濾材に場合、点50および51間の濾材53の直線長さD2は、D1の少なくとも1.2倍であることが多い。典型的に、D2はD1の1.2~2.0倍(両端値を含む)であろう。エアフィルタのための1つの特に従来型の装置、D2がD1の約1.25~1.35倍である構成を有する。このような濾材は、例えば、Donaldson Powercore(商標)Z型フィルタ装置中で商業的に使用されている。他の好都合と思われる大きさは、D2がD1の約1.4~1.6倍のものである。ここで、D2/D1の比は時として、波形濾材のためのフルート部/平坦部の比、すなわち濾材の絞りとして特徴付けられる。
【0040】
段ボール業界では、様々なフルートが定義されている。例えば、規格フルートE、規格XフルートX、規格フルートB、規格フルートC、および規格フルートAである。添付の
図3は、以下の表Aと共に、これらのフルートの定義を提供する。
【0041】
本願の譲受人であるDonaldson Company,Inc.(以下、DCI)は、各種のZ型フィルタ装置の中で、様々な規格フルートAおよび規格フルートBを使用している。これらのフルートもまた、表Aと
図3において定義されている。
【0042】
【0043】
もちろん、段ボール箱業界からのその他の規格、フルート定義も知られている。
【0044】
一般に、段ボール箱業界からの規格フルート構成は、波形濾材のための波形径所または略波形形状の定義に使用できる。DCI AフルートおよびDCI Bフルートと、段ボール業界の規格フルートAおよび規格フルートBの上記の比較は、いくつかの好都合の変形型を示す。
【0045】
留意すべき点として、2008年6月26日に出願され、米国特許出願公開第2009/0127211号明細書として公開されている米国特許出願第12/215,718号明細書、2008年2月4日に出願され、米国特許出願公開第2008/0282890として公開されている米国特許出願第12/012,785号明細書、および/または米国特許出願公開第2010/0032365号明細書として公開されている米国特許出願第12/537,069号明細書において特徴付けられているもの等、代替的なフルート定義を、以下で特徴付けられる空気清浄装置の特徴と共に使用できる。米国特許出願第2009/0127211号明細書、米国特許出願第2008/0282890号明細書、および米国特許出願第2010/0032365号明細書の各々の開示全体を参照によって本願に援用する。
【0046】
フルート付き濾材とそこに固定されたライナ濾材を含む別の変形濾材を本開示による装置において、積層型またはロール型の何れでも使用でき、これはBaldwin Filters,Inc.が所有する2014年7月31日に公開された米国特許出願公開第2014/0208705 A1号明細書に記載されており、これを参照によって本願に援用する。
【0047】
B.
図1~3の濾材を含む濾材パック構成の製造
図4~7参照
図4において、
図1の条片1に対応する濾材条片(シングルフェーサ)を製作するための製造プロセスの一例が示されている。一般に、ライナシート64とフルート68を有するフルート付き(波形)シート66が、それらの間の70に位置付けられた接着剤ビードで一体化されて、濾材ウェブ69が形成される。接着剤ビード70は、
図1のシングルフェーサビード10を形成する。任意選択による折込プロセスがステーション71で実行されて、ウェブ中央にある中心折込部72が形成される。Z型濾材またはZ型濾材条片74は、ビード70に沿って75で切断され、または切り込まれて、Z型濾材74の2枚の小片または条片76、77が作られ、その各々の縁には線状のシーラント(シングルフェーサビード)が波形およびライナシート間に延びる。もちろん、任意選択の折込プロセスが使用される場合、洗浄のシーラント(シングルフェーサビード)を有する縁もまた、この位置で折込の付けられたフルートの集合を有する。
【0048】
図4に関して特徴付けられるプロセスを実行するための方法は、2004年1月22日に公開されたPCT国際公開第04/007054号パンフレットに記載されており、これを参照によって本願に援用する。
【0049】
さらに
図4を参照すると、Z型濾材74は、折込ステーション71を通過し、最終的に75で切り込まれる前に形成されなければならない。
図4に示される概略図において、これは、フィルタ濾材92のシートを波形加工ローラ94、95のペアの間に通すことによって行われる。
図4に示される略図において、濾材92のシートがロール96から巻き出され、テンションローラ98の周囲に巻き取られ、その後、波形加工ローラ94、95間のニップまたは咥え102を通過する。波形加工ローラ94、95は歯104を有し、これが、平坦シート92がニップ102を通過した後に概して所望の波形形状を付与する。ニップ102を通過した後、シート92は機械の方向にわたり波形が付けられ、66で波形シートと呼ばれる。波形シート66は次にライナシート64に固定される。(波形加工プロセスには、場合により、濾材を加熱するステップを含んでいてもよい。)
【0050】
さらに
図4を参照すると、プロセスはまた、ライナシート64が折込プロセスステーション71へと送られる。ライナシート64は、ロール106に保管され、その後、波形シート66に向かって案内されて、Z型濾材74を形成する。波形シート66とライナシート64は典型的に、接着剤またはその他の手段により(例えば音波溶接により)相互に固定されるであろう。
【0051】
図4を参照すると、波形シート66とライナシート64を相互に固定するためにシーラントビードとして使用される接着剤ライン70が示されている。あるいは、ライナビードを形成するためのシーラントビードを70aとして示されるように塗布することができる。シーランドが70aに塗布されると、波形加工ローラ95に、およびおそらくは波形加工ローラ94、95の両方に、ビード70aを受けるためのギャップを設けることが望ましいかもれない。
【0052】
もちろん、
図4の装置は、希望に応じて、
図1のタックビード20を使用するように改造できる。
【0053】
波形濾材に提供される波形の種類は選択可能であり、波形加工ローラ94、95の波形加工または波形加工用の歯によって決まる。有益な波形パターンの1つは、上で定義された、まっすぐなフルートまたは畝を有する規則的湾曲波パターンの波形であろう。使用される典型的な基礎側的湾曲波パターンは、波形パターン内の上で定義された距離D2が上で定義された距離D1の少なくとも1.2倍である。ある例示的用途において、典型的にはD2=1.25~1.35×D1であるが、他の選択肢もありうる。いくつかの例において、この技術は、例えばまっすぐなフルートを使用しないものを含めた「規則的」でない湾曲波パターンにも応用されてよい。また、図の湾曲波パターンを変形させることも可能である。
【0054】
前述のように、
図4に示されるプロセスは、中央折込部72を作るために使用できる。
図5は、折込加工と切込み加工の後のフルート68の1つの断面を示している。
【0055】
折畳み構成118は、4つの折り目121a、121b、121c、121dを有する折込付フルート120を形成することがわかる。折畳み構成118は、平坦な第一の層または部分122を含み、これがライナシート64に固定される。第二の層または部分124は、第一の層または部分122に押し付けられているように示されている。第二の層または部分124は好ましくは、第一の層または部分122の反対の外側端126、127を折り畳むことによって形成される。
【0056】
さらに
図5を参照すると、折山または折り目のうちの2つ121a、121bは、本明細書では概して「上側の内向の」折山または折り目と呼ばれる。これに関する「上側の」という用語は、折畳み体120を
図5の向きに見た時に、折り目が折畳み体120全体の上部にあることを意味する。「内向の」という用語は、各折り目121a、121bの折り線または折り目の線が相互に向かって方向付けられることを指す。
【0057】
図5において、折り目121c、121dは、本明細書では概して「下側の外向の」折り目と呼ばれる。これに関する「下側の」という用語は、折り目121c、121dが、
図5の向きにおいて、折り目121a、121bのように上に位置付けられていないことを指す。「外向の」という用語は、折り目121c、121dの折り線が相互に反対に向くことを指すものとする。
【0058】
「上側」および「下側」という用語は、これに関して使用されるかぎり、特に
図5の方向に見た時の折山120を指すものとする。すなわち、これらはそれ以外に、折山120が使用時の実際の製品において向けられている方向を示すものではない。
【0059】
これらの特徴付けと
図5の参照に基づき、本開示における
図5による規則的な折畳み構成118は、少なくとも2つの「上側の内向の折り目」を含むものである。これらの内向の折り目は固有であり、折り畳みによって隣接するフルートを大きく浸食することにならない。
【0060】
第三の層または部分128もまた、第二の層または部分124に押し付けられていることがわかる。第三の層または部分128は、第三の層128の両側の内端130、131から折り畳むことによって形成される。
【0061】
折畳み構成118の別の見方は、波形シート66の交互の畝と谷の形状に関するものである。第一の層または部分122は、反転された畝から形成される。第二の層または部分124は、反転された畝に向かって折り畳まれた、好ましい構成ではそれと接するように折り畳まれた2つの頂点(畝を反転させた後)に対応する。
【0062】
図5に関して説明した任意選択の折込を好ましい方法で提供する技術は、PCT国際公開第04/007054号パンフレットに記載されており、これを参照によって本願に援用する。巻き上げビードを塗布して濾材を巻き上げるための方法は、2004年3月17日に出願され、国際公開第04/082795号パンフレットとして公開されているPCT出願第04/07927号明細書に記載されており、これを参照によって本願に援用する。
【0063】
フルート付きの端を折込加工によって閉じるための別の方法も可能である。このような方法には、例えば、各フルートの中心以外での折込加工と、様々なフルートに対するロール、プレス、または折畳みの実行を含むことができる。一般に、折込加工には、フルート付きの端の付近の濾材を折り畳むか、それ以外の方法で操作して、圧縮して閉じた状態にすることが含まれる。
【0064】
本明細書に記載の技術は、波形シートとライナシートの組合せを含む1枚のシート、すなわち「シングルフェーサ」条片を巻き上げるステップから得られる濾材パックでの使用に特によく適している。しかしながら、これらは、積層構成にすることもできる。
【0065】
ロール型濾材または濾材パック構成には、様々な外周の定義を提供できる。これに関して、「外周の定義」という用語またはその変形は、濾材または濾材パックの入口端または出口端の何れかにおいて見たときの、定義された外周形状を指すものとする。典型的な形状は、PCT国際公開第04/007054号パンフレットに記載されているように円形である。その他の使用可能な形状は長丸であり、長丸のいくつかの例は楕円形である。一般に、楕円形は1対の対向する辺でつなげられた対向する湾曲端を有する。いくつかの楕円形において、対向する面もまた湾曲している。トラック形とも呼ばれる他の楕円形では、対向する辺は概してまっすぐである。トラック形は、例えばPCT国際公開第04/007054号パンフレットおよび、国際公開第04/082795号パンフレットとして公開されているPCT出願第04/07927号明細書に記載されており、その各々を参照によって本願に援用する。
【0066】
周辺または外周形状を説明する別の方法は、濾材パックをロールの巻き上げ口に垂直な方向に切断することから得られる外周を定義することによる。
【0067】
濾材または濾材パックの相互に反対の吸排気端または吸排気面には、様々な異なる定義を提供できる。多くの構成において、端または端面は概して平ら(平坦)であり、相互に垂直である。他の構成において、端面の一方または両方が、テーパの付いた、例えば階段状の部分を含み、これは濾材パックの側壁の軸方向の端から軸方向に外側に突出するか、または濾材パックの側壁の端から軸方向に内側に突出するかの何れかとして定義できる。
【0068】
フルートシール(例えば、シングルフェーサビード、巻き上げビード、または積層ビードから)は、様々な材料で形成できる。引用され、援用される各種の文献において、ホットメルトまたはポリウレタンシールが様々な用途に使用可能であると記載されている。
【0069】
図6では、シングルフェース濾材の1つの条片を巻き上げることにより構成されるロール型濾材パック(またはロール型濾材)130が概して描かれている。図のような特定のロール型濾材パックは、楕円濾材パック130a、特にトラック形濾材パック131である。濾材の後端は、濾材パック130の外側にあり、131xで示されている。便宜と密閉のために、終端を濾材パック130のまっすぐな部分に沿って終了させることが典型的である。典型的に、ホットメルトシールビートまたはシールビードは、シーリングを確実に行うために、この終端に沿って位置付けられる。濾材パック130において、相互に反対の吸排気(端)面は132、133に示されている。一方は入口側吸気面、他方は出口側排気面である。
【0070】
図7において、Z型フィルタ濾材の条片から積層Z型フィルタ濾材(または濾材パック)を形成するステップが(概略的に)示されており、各条片はライナシートに固定されたフルート付シートである。
図6を参照すると、シングルフェーサ条片200は、条片200と同様の条片202の積層体201に加えられているように示されている。条片200は、
図4の条片76、77の何れかから切断できる。
図6の205で、積層ビード206の塗布が、シングルフェーサビードまたはシールから反対の端において条片200、202に対応する各々の層間に示されている。(積層はまた、各層を積層体の上ではなく下に追加して行うこともできる。)
【0071】
図7を参照すると、各条片200、202は前縁と後縁207、208および対向する側縁209a、209bを有する。各条片200、202を含む波形シートとライナシートの組合せの入口および出口フルートは概して、前および後縁207、208との間に、側縁209a、209bに平行に延びる。
【0072】
さらに
図7を参照すると、形成されている濾材または濾材パック201において、相互に反対側の吸排気面が210、211で示されている。濾過中にどちらの面210、211を入口端面とし、どちらを出口端面とするかは、選択できる。いくつかの例において、積層ビード206は、上流、すなわち入口面211の付近に位置付けられ、他の例では、逆もまた真なりである。吸排気面210、211は、相互に反対側の面220、221間に延びる。
【0073】
図7において形成されているように示されている積層された濾材構成またはパック201は、「ブロック型」積層濾材パックと呼ばれることがある。これに関する「ブロック型」という用語は、構成が、すべての面がすべての隣接する壁面に関して90°である長方形のブロックとして形成されることを示す。例えば、いくつかの例において、積層体は、各条片200が隣接する条片との整列からわずかにずらされて、入口面と出口面は相互に平行であるが、上下の面に対しては垂直でない平行四辺形または傾斜ブロック形状を作ることによって形成できる。
【0074】
いくつかの例において、濾材または濾材パックは何れの断面においても平行四辺形を有すると述べられ、これは、何れの対向する2面も相互に概して平行に延びることを意味する。
【0075】
留意される点として、
図7に対応するブロック型の積層構成は、米国特許第5,820,646号明細書の先行文献に記載されており、これを参照によって本願に援用する。また、留意される点として、積層構成は米国特許第5,772,883号明細書、同第5,792,247号明細書、2003年3月25日に出願された米国仮特許出願第60/457,255号明細書、および2003年12月8日に出願され、米国特許出願公開第2004/0187689号明細書として公開された米国特許出願第10/731,564号明細書に記載されている。これらの後者の参考文献の各々を参照によって本願に援用する。留意される点として、米国特許出願公開第2005/0130508号明細書として公開された米国特許出願第10/731,504号明細書に記載されている積層構成は傾斜した積層構成である。
【0076】
同じく留意される点として、いくつかの例において、複数の積層体を1つの濾材パックに組み込むことができる。また、いくつかの例において、積層体はその中に凹部を有する1つまたは複数の吸排気面を有するように生成でき、これは例えば米国特許第7,625,419号明細書に示されており、これを参照によって本願に援用する。
【0077】
C.フルート付き濾材の複数の離間されたロールを含む、選択された濾材または濾材パック構成
図8~8B
両端間に延びるフルートを含む別の種類の濾材構成またはパックが、本開示による選択された原理と共に使用できる。このような代替的濾材構成またはパックの一例が
図8~8Bに示されている。
図8~8Bの媒体は、独国特許第20 2008 017 059 U1号明細書に描かれ、記載されているものと同様であり、Mann & Hummelから「IQORON」の商標で入手可能な構成の中に見られることがある。
【0078】
図8を参照すると、濾材または濾材パックが概して250で示されている。濾材または濾材パック250は、第一の外側プリーツ付(畝付)濾材ループ251と、第二の内側プリーツ付(畝付)濾材ループ252と、を含み、各々のプリーツ先端(または畝)は相互に反対側の吸排気端間に延びる。
図8の図は、濾材パックの(吸排気)端255に向かっている。図の端255は、選択された流れの方向に応じて、入口(吸気)端とも出口(排気)端ともなりうる。特徴付けられた原理を用いた多くの構成に関して、濾材パック250は、フィルタカートリッジの中で、端255が入口吸気端であるように構成されるであろう。
【0079】
さらに
図8を参照すると、外側プリーツ付(畝付)濾材ループ251は、楕円形に構成されているが、他の選択肢もありうる。260において、例えばモールド・イン・プレース加工によるプリーツ端閉鎖手段が、濾材パック端部255でプリーツまたは畝251の端を閉じているように示されている。
【0080】
プリーツまたは畝252(およびそれに関連するプリーツ先端)は、ループ251によって取り囲まれ、そこから離間されるように位置付けられ、それゆえ、プリーツ付濾材ループ252もまた略楕円形に示されている。この例において、ループ252内の個々のプリーツまたは畝252pの端252eが密閉されている。また、ループ252は、典型的にモールド・イン・プレース加工による材料の中央条片253によって閉鎖された中央252cを取り囲む。
【0081】
濾過中に、端255が入口吸気端である場合、空気は2つの濾材ループ251、252間のギャップ265に入る。次に空気は、濾材パック250の中を移動しながらループ251またはループ252の何れかを通って流れ、濾過される。
【0082】
図の例において、ループ251は、端255から離れた領域で、ループ252に向かって内側に傾斜するように構成される。また、構造健全性のために、ループ252の端を取り囲むセンタリングリング267を支持するスペーサ266も示されている。
【0083】
図8Aでは、カートリッジ250の、端255と反対の端256が見えている。ここで、ループ252の内部が開放したガス流領域270を取り囲んでいることがわかる。空気がカートリッジ250を通って端256に向かい、端255から離れる全体的方向に案内されると、空気のうち、ループ252を通過する部分が中央領域270に入り、そこから端256を通って出る。もちろん、濾過中に
図8のループ251に入った空気は概して、端256の外周256pの周囲を(それを覆うように)流れる。
【0084】
図8Bにおいて、カートリッジ250の概略断面図が提供される。特定され、説明された特徴のうち選択されたものは同様の参照番号で示されている。
【0085】
図8~8Bの上記の説明からわかるように、記載されているカートリッジ250は概して両方の吸排気端255、256間に長手方向に延びる濾材先端を有するカートリッジである。
【0086】
図8~8Bの構成において、濾材パック250は楕円形、特にトラック形外周を有するように描かれている。このようにして示されているのは、後述の多くの例におけるエアフィルタカートリッジも楕円形またはトラック形構成であるからである。しかしながら、この原理は様々な代替的な外周形状で具現化することができる。
【0087】
D.濾材の他の変形型
図9~12
ここで、
図9~12において、本明細書中で特徴付けられる原理の選択された応用の中で使用可能な種類の濾材のさらにまた別の代替的変形型の断面図が提供されている。特定の例は、2014年11月10に出願された、本開示の譲受人であるDonaldson Company,Inc.が所有する米国特許出願第62/077,749号明細書に記載されている。一般に、
図9~12の構成の各々は、相互に反対の入口および出口吸排気端(または面)を有し、まっすぐの通過流を有する構成に積層またはロール状に巻き上げることのできる濾材の種類を示している。
【0088】
図9において、米国特許出願第62/077,749号明細書からの例示的濾材構成301が示されており、その中ではエンボスシート302がエンボスのないシート303に固定され、その後、積層し、または巻き上げて濾材パックが形成され、本願の
図1に関してすでに説明した種類の対向する辺に沿ってシールされる。
【0089】
図10において、米国特許出願第62/077,749号明細書からの別の例示的濾材パック310が示されており、その中では第一のエンボスシート311が第二のエンボスシート312に固定され、その後、積層型またはロール型濾材パック構成に形成され、概して本願の
図1により縁部がシールされる。
【0090】
縁部シールは、上流端または下流端の何れかで、またはいくつかの例においてはその両方で実行できる。特に濾材がフィタリング中に化学物質と遭遇する可能性がある場合、典型的な接着剤またはシーラントを避けることが望ましいかもしれない。
【0091】
図11Aにおいて、フルート付きシートXがその上に、ライナシートYと係合するための各種のエンボス加工部を有する断面が示されている。再び、これらは別々とすることも、または同じ濾材シートの切片とすることもできる。
【0092】
図11Bにおいて、フルート付きシートXとライナシートYとの間のこのような構成の概略図も示されている。
【0093】
図11Cにおいて、このような原理のまた別の変形型がフルート付きシートXとライナシートYとの間に示されている。これらは、様々な方式がどのように可能であるかを理解しやすくするためのものである。
【0094】
図12において、フルート付きシートXとライナシートYにおけるさらに別の可能な変形型が示されている。
【0095】
図64および65において、例示的な濾材構成6401が示されており、その中で、フルート付きシート6402がライナシート6403に固定されている。ライナシート6403は平坦シートであってもよい。その後、濾材構成6401を積層され、または巻き上げることによって濾材パックとすることができ、本願の
図1に関して前述した種類の対向する縁に沿ったシールが設けられる。図の実施形態において、フルートシート6402のフルート6404は、一連の頂点6405と支持部6406を含む波状にうねる稜線を有する。隣接するフルート6404の頂点6405は、
図64および65に示されていように整列させることも、またはずらすこともできる。さらに、頂点の高さおよび/または密度をフルート6404の長さに沿って増大させることも、減少させることも、または一定とすることもできる。頂点におけるフルート高さと支持部におけるフルートの高さの比は、約1.5~1対1.1対約1の範囲とすることができる。
【0096】
留意される点として、フルート付きシート切片とライナシート切片に同じ濾材を使用するという要求事項は特にない。各々において、異なる効果を得るために、異なる濾材が望ましいい可能性もある。例えば、一方はセルロース濾材であってもよく、他方は何れかのセルロース以外の繊維を含む濾材である。これらには、所望の結果を得るために、異なる気孔率または異なる構造的特徴が付与されていてもよい。
【0097】
様々な材料を使用できる。例えば、フルート付きシート切片またはライナシート切片は、セルロース材料、合成材料、またはその混合物を含むことができる。いくつかの実施形態において、フルート付きシート切片とライナシート切片のうちの一方は、セルロース材料を含み、フルート付きシート切片とライナシート切片の他方は合成材料を含む。
【0098】
合成材料としては、ポリマ繊維、例えばポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、(加水分解度の異なる)ポリビニルアルコール、およびポリビニルアセテート繊維を含むことができる。適当な合成繊維としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、およびレーヨン繊維が含まれる。その他の適当な合成繊維としては、熱可塑性ポリマ、熱可塑性ポリマでコーティングされたセルロースおよびその他の繊維、および成分の少なくとも1つが熱可塑性ポリマを含む多成分繊維が含まれる。単成分および多成分繊維は、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびその他の従来の熱可塑性繊維材料から製造できる。
図9~12、64、および65の例は、概して、本願の原理により様々な代替的濾材パックを使用できることを示すものである。また、いくつかの代替的な濾材の種類の構成と応用の全体的原理に関して、米国特許出願第62/077,749号明細書にも注目し、これを参照によって本願に援用する。
【0099】
E.また別の種類の濾材
本願で特徴付けられている技術の多くは、好ましくは、カートリッジの相互に反対側の吸排気端間で濾過する向きの濾材が、これら両端間のある方向に延びるフルートまたはプリーツ先端を有する濾材である場合に適用される。しかしながら、他の選択肢もありうる。シール構成の定義に関して本願で特徴付けられる技術は、相互に反対の吸排気端を有し、濾材がこれらの端間の流体の流れを濾過するように位置付けられたフィルタカートリッジにおいて、濾材がこれらの端の間のある方向に延びるフルートまたはプリーツ先端を含まない場合であっても応用可能である。濾材は例えば、デプスタイプ濾材とすることができ、交互方向にプリーツを付けることができ、またはプリーツを持たない材料とすることもできる。
【0100】
しかしながら、実際に、本願で特徴付けられる技術は、吸排気端間の範囲が比較的深く、通常、少なくとも100mm、典型的に少なくとも150mm、多くの場合に少なくも200mm、時には少なくとも250mm、およびいくつかの例においては300mmまたはそれ以上であり、使用中に大きな負荷体積を処理するように構成されたカートリッジでの使用に特に有利である。これらのタイプのシステムは典型的に、プリーツ先端またはフルートが相互に反対側の吸排気端間である方向に延びるような濾材が構成されるものである。
【0101】
II.各種の空気清浄装置について特定され、選択された問題
A.一般
空気清浄装置の設計、特に、概して
図6~12のうちの1つまたは複数による濾材を使った比較的深い濾材パックを使用するアセンブリは多岐にわたる。市販されている実際の製品の例に関して、「Powercore」の商品名で販売されている本開示の譲受人であるDonaldson Company,Inc.の空気清浄装置と、「IQORON」の名称で提供されるMann & Hummel社の製品に注目する。
【0102】
これに加えて、このような濾材パックを使用する空気清浄装置アセンブリは、世界中で様々なオリジナルの機器(長距離トラック、バス、オフロード建設機器、農業用および鉱業用機器等)に組み込むことができる。修理用部品と修理交換は、様々なサプライヤやサービス会社により提供される。
【0103】
B.適切なフィルタカートリッジの特定
修理点検のために選択されるフィルタカートリッジが対象の空気清浄装置にとって適切なものであることが非常に重要である。空気清浄装置は、機器全体において重要なコンポーネントである。修理交換の実行が予定より頻繁に必要となった場合、これは出費、対象の機器のダウンタイム、生産損失を増大させる可能性がある。修理交換が適切な部品で行われなければ、機器の故障やその他の問題が発生するリスクがありうる。
【0104】
対象の空気清浄装置および対象の機器のための適正なカートリッジは一般に、空気清浄装置メーカによる製品設計/試験と、機器メーカおよび/またはエンジンメーカによる仕様書/説明書/試験の成果である。実地修理交換では、担当者が、前に取り付けられていたものと同じように見えるが、関係するシステムにとって適正で厳密に適格なコンポーネントではない部品を選択してしまうかもしれない。
【0105】
濾材自体の種類に関係なく、アセンブリの修理交換のための業務が適正な(または不適正な)フィルタカートリッジで行われていることをサービス業者に容易にわからせるのに役立つ特徴を有する空気清浄装置アセンブリを提供することが望ましい。この利益を得るために、本明細書に記載されている任意選択による特徴と技術を以下のように提供できる。
【0106】
これに加えて、製造および/またはフィルタコンポーネントの完全性に関して有利なアセンブリの特徴と技術を説明する。これらは、確実に適正なカートリッジがアセンブリの中に取り付けられるようにするのに役立てることに関する種類の特徴や技術で、または代替的な用途で実現できる。
【0107】
C.吸気量センサの問題
多くのシステムにおいて、吸気量センサがフィルタカートリッジの下流でエンジンの上流に提供されて、空気流の特性と汚染物質の特性が観察される。いくつかの例において、濾材パックの構成と向きの小さな変更が吸気量センサの動作に変動を来す可能性がある。したがって、フィルタカートリッジと空気清浄装置において、フィルタカートリッジからの空気流の変化が比較的最小値まで管理されるような特徴を有する空気清浄装置アセンブリを提供することが望ましい場合がある。これによって、吸気量センサの使用と動作が容易となりうる。本明細書に記載されている特徴と技術は、この利点を有利に取得するために提供できる。
【0108】
D.安定したフィルタカートリッジの取付
多くの例において、空気清浄装置が取り付けられる機器には、動作中に実質的な振動と衝撃が加わる。
図6~12に関して上述した濾材パックの種類は、比較的深い、すなわち空気の流れの方向における深さが少なくとも50mm、および多くの場合に少なくとも80mm以上、多くの例において100mmを超えるように構成されることが多い。このような深いフィルタカートリッジには、使用中に実質的な量の汚染物質の負荷がかかり、実質的に重量が大きくなる可能性がある。それゆえ、これらは動作中に大きな振動モーメントを受ける可能性がある。フィルタカートリッジに、カートリッジの安定した位置決め、動いた時の濾材(または濾材パック)への損傷の回避、およびこのような振動および衝撃中のシール不良の回避を確実にするのを助ける特徴を提供することが望ましい。
【0109】
同様に、機器は保管中および使用中に幅広い温度範囲に曝されるかもしれない。これらは、材料の相互に関する膨張/収縮の原因になりうる。フィルタカートリッジと空気清浄装置は、このような状況でも確実にシール完全性が損なわれないような方法で構成されることが望ましい。本明細書に記載されている特徴と技術はこれらの問題に対応するように適用でき、それについて以下に説明する。
【0110】
E.挿入不良の防止
上述のような種類の問題に対処するために様々な構成が開発されており、例えば、国際公開第2006/076479号パンフレット、国際公開第2006/076456号パンフレット、国際公開第2007/133635号パンフレット、国際公開第2014/210541号パンフレット、および米国特許出願第62/097,060号明細書を参照されたく、その各々を参照によって本願に援用する。しかしながら、フィルタカートリッジ構成に関して時々発生しうる別の問題は、確実なシーリングのための特徴を持たないカートリッジが依然として取り付けられてしまうことがありえ、いくつかの例において、取り付けられたカートリッジが対象の筐体について適正なものではなく、適正に密閉されていない場合であっても、筐体を依然として閉じることができてしまうことである。これらの問題に対応することが望ましい。
【0111】
より一般的に、上で特徴付けられた問題を解決するが、例えばその筐体に適しているように見えても、適正なシーリング特性を持たないカートリッジを使用したことによってこのような取付不良が発生した時に、空気清浄装置の筐体がきちんと閉まらないように構成されるフィルタカートリッジを提供することが望ましい。本明細書に記載されている技術は、この問題に対処する。これらは、国際公開第2006/076479号パンフレット、国際公開第2006/076456号パンフレット、国際公開第2007/133635号パンフレット、国際公開第2014/210541号パンフレット、および/または米国特許出願第62/097,060号明細書において特徴付けられているような構成の特徴に関連して使用できるが、これらは個別にも使用できる。これは、以下の説明から理解されるであろう。
【0112】
F.概要
本明細書で特徴付けられている特徴は、上述の問題の1つまたは複数に対処するのに有利になるように使用できる。特徴をすべての問題に最大限に対処できるように実現されるという要求事項は特にない。しかしながら、上述の問題のすべてにかなりの、望ましい程度まで対処できるような選択された実施形態について説明する。
【0113】
III.例示的アセンブリ
図13~40
A.一般的な空気清浄装置の特徴
図13~15、19、20、22、および23
図13の参照番号500は、本開示による特徴を含む空気清浄装置システムまたはアセンブリを概して示す。図の空気清浄装置アセンブリ500は、筐体501を含み、その中にフィルタエートリッジ502が取り外し可能に設置される。すなわち、フィルタカートリッジ502は、修理交換可能なコンポーネントであり、すなわち、これは筐体501の内部501iの中に取り外し可能に設置される。このような修理交換に対応できるようにするために、筐体501は一般に2つの筐体部分503、504で構成され、これらは例えば結合部501jにおいて選択的に分離され、または開かれて、カートリッジ502を取り外し、交換するためにアクセスできるように構成される。図の例示的空気清浄装置500において、部分503は筐体本体コンポーネントまたはアセンブリであり、部分504はアクセスカバーコンポーネントまたはアセンブリである。
【0114】
典型的な使用中に、筐体部分のうちの一方、通常、筐体本体503は、使用のために機器に取り付けられ、修理交換中にこの取付部から取り外されない。典型的に、筐体カバーコンポーネント504は、アクセスカバーとして操作されて、カートリッジ502を修理交換するために空気清浄装置筐体501へのアクセスを開くことができる。
【0115】
さらに
図13を参照すると、筐体501は空気流入口装置505と、濾過済み空気流出口または排出装置506と、を含む。典型的動作において、濾過するべき空気は、入口装置505を通じて空気清浄装置アセンブリ500の中に流入する。これはカートリッジ502を通過しながら濾過され、その後、出口装置506を介して筐体から排除され、下流の機器、例えばエンジン、燃焼空気、吸気へと案内される。図の501のアセンブリにおいて、入口505は概して、装置の中で上向きになるように向き付けられ、出口506は概して、入口の方向に幾分直交するように向き付けられる。しかしながら、他の選択肢もありうる。
【0116】
図の例示的な空気清浄装置アセンブリ500において、空気流入口装置505はアクセスカバー504の中にあり、空気流出口装置506は筐体本体503の中にある。他の選択肢もありうる。
【0117】
留意される点として、いくつかの空気清浄装置の構成において、プレクリーナ(図示せず)を空気清浄装置アセンブに関連して使用できる。プレクリーナは、本開示による原理で使用できる。
【0118】
さらに
図13を参照すると、部分504は図の例における部分503に、この例ではボルト507を含む固定具によって取り外し可能に取り付けられる。もちろん、ラッチを含め、他の固定装置も使用できる。
【0119】
図の例示的空気清浄装置アセンブリ500において、アクセスカバー筐体部分504は、修理交換中に筐体本体503から完全に取り外すことができる。他の選択肢もありうる。例えば、ヒンジマウントを本明細書に記載の原理で使用できる。
【0120】
さらに
図13を参照すると、510において、空気清浄層アセンブリ500を、それと共に使用される自動車等の機器に固定するための任意選択による取付パッド装置が示されている。この例において、取付パッド装置510は筐体部分503に設置されているが、これは、使用中に機器において所定の位置に固定されるのが部分503であるからである。他の選択肢もありうる。
【0121】
図14において、(
図13の)空気清浄装置500が、筐体部分504(すなわち、アクセスカバー)が完全に取り外された状態で示されている。それゆえ、カートリッジ502は、適正に取り付けられた時、または取り外すことのできる状態になった時のように筐体部分503に設置されていることがわかる。
図14において、任意選択によるエバキュエータバルブ部材511がアセンブリ500から「分解」されているように示されている。これは通常、アクセスカバー504に含められ、以下のように特徴付けられる。また、さらに
図14を参照すると、固定具またはボルト507はそれらが典型的に取り付けられる場所に示されている。
【0122】
図14からは、複数の任意選択による離間された外周受容部515が筐体部分503のその開放端の付近に設置されていることがわかる。図の受容部515は筐体上の開放した外側ループであり、これらは、筐体本体503にアクセスカバー504を取り付けている間に、各々がアクセスカバー504上の複数の突起のうちの1つを受けるような向きである。
【0123】
より一般的には、筐体501は、2つの部分503/504間に任意選択による突起/受容部装置を含み、これは、両者が接続されると、部分504が部分503に案内されるのを助ける。この突起/受容部装置は、部分503/504の一方の上の複数の第一の部材(
図22の突起536参照)と、部分503/504の他方の上の複数の第二の部材515(例えば受容部)を含む。この例において、受容部515は本体部分503の上にあるが、代替的方法も可能である。また、突起と受容部の両方が筐体コンポーネントまたは部分503、504の各々に適切に設置された折衷的装置も使用できる。
【0124】
図15において、カートリッジ502は筐体501から分離されているように示されている。カートリッジ502は一般に、濾材516と、濾材516の周囲に延びる筐体係合装置517と、を含む。筐体係合装置517は、筐体シール部材518を含む。一般に、筐体係合装置517は、取付中にカートリッジ502を筐体部分503の上で適正な向きにし、空気清浄装置アセンブリが正しく動作するためにカートリッジ502を筐体501に対して密閉状態とし、使用中にカートリッジ502が筐体501の中で支持され、緩衝されるように構成される。図の例において、筐体係合装置517はモールド・イン・プレース加工によるコンポーネントであり、これが好ましいが、他の選択肢もありうる。
【0125】
次に、
図19を参照すると、筐体部分503が示されており、アクセスカバー504とカートリッジ502が取り外されている。取付パッド装置510を見ることができ、受容部515も見える。また、
図19では、
図14のボルト507のための受容部525も見える。
【0126】
図19を参照すると、526において、補助ポート装置が提供され、これは筐体501内に、制限インディケータなどの観察機器を取り付けるために使用できる。
図19にはまた、濾過後空気用補助出口528も見える。濾過後空気用補助出口528により、濾過後の空気を出口506以外の場所に、例えば圧縮空気系統および/または制動系統等の機器の動作のために運ぶことができる。
【0127】
さらに
図19を参照すると、その他の一般的特徴も見ることができる。例えば、筐体本体503は、筐体501がプラスチックで成形された場合に、構造健全性のために補強用の畝、ガセット、および格子組530をその上に含む。また、531において、いくつかの内側底部リブが示され、取付時に、その上でカートリッジ502をスライドさせ、またはそこに載せることができる。さらに、532で、側面端当接部が示されている。これは、希望に応じて、カートリッジ取付時にカートリッジ502端と係合するために使用できる。これは、希望に応じて、カートリッジとの突起と受容部の相互作用のための形状に構成できる。このような当接/相互作用は、国際公開第2007/044677号パンフレットに示され、記載されており、これを参照によって本願に援用する。
【0128】
図19を参照すると、留意される点として、図の特定の空気清浄装置アセンブリ501は、第二の、または安全カートリッジを用いずに使用するように構成される。これは、希望に応じて、主要カートリッジ502から下流に安全カートリッジを受けるように構成できる。
【0129】
図19において、シール面568が、内側リム567と外側リム569間に示されている。使用中、後述のカートリッジ502のシール部材560は、シールのための内側リム567と外側リム569との間のシール面568に押し付けられるように位置付けられる。
図19において、リブ568rは、シール面568から突出していることがわかる。これは、シーリング中にシール材に押し込まれる。
【0130】
図20において、筐体部分503の第二の斜視図が提供される。上で示され、特徴付けられた特徴には、出口506、補助ポート526、濾過後空気用補助出口ポート528、受容部515、ボルト507のための固定具受容部525、当接部532、シール面568、リブ568r、外側リム569、および内側リム567が含まれる。
【0131】
図22において、この例ではアクセスカバーである第二の筐体部分504が示されている。使用時に部分503と係合する縁領域535において、部分504は複数のタブまたは外周突起536を含み、その少なくとも一部は、取付中に受容部515の中に押し込まれる向きである。それゆえ、受容部515と突起構成536は共に、係合のための突起と受容部の装置を含む。再び、突起と受容部の装置は、第一の部分503上の突起構成と第二の部分504の上の受容装置で、または各々の上の各々の部分で構成できる。
【0132】
さらに
図22を参照すると、部分504はまた、取付中のボルトまたはその他の固定具のための複数の外周受容部540を含む。さらに、部分504は、強度と材料健全性のために、各種の格子組、リブ、およびガセット541も含む。
【0133】
図22において、入口装置505を通じて、部分504の内部504iが見える。545において、部分504のうち、使用時にカートリッジ502の上流になる部分に底部排水窪みまたは凹部が見える。この底部排水、窪み、または凹部541は、使用中に水を回収し、その水を排水穴546から排出するために使用できる。上述した
図14のエバキュエータバルブ部材511は、排水穴546の外側にわたって設置して、このような物質の排出を制御しやすくすることができる。このような排出装置は空気清浄装置アセンブリにおいて知られており、例えば国際公開第2007/133635号パンフレットを参照されたく、これを参照によって本願に援用する。
【0134】
図23において、アクセスカバーまたは筐体部分504の第二の図面が示されている。ここで、前に特徴付けられたいくつかの特徴もまた見ることができ、例えば、空気流入口装置505の一部が見え、また内部504i、凹部545、排水出口546、突起536、およびボルト受容部540も見える。
【0135】
B.選択された一般的フィルタカートリッジの特徴
図15~18
再び、カートリッジ502が示されている
図15に注目する。カートリッジ502は、前述のように、濾材516と、筐体係合装置517と、を含む。
【0136】
一般的に、カートリッジ502は相互に反対側の吸排気端550、551を有する。濾過中、空気はフィルタカートリッジを吸排気端550、551間で「まっすぐの通過」流の方向に通り抜ける。典型的に、吸排気端のうちの一方は、入口吸気端または吸気面となり、他方は出口排気または排気面となる。他の選択肢もありうるが、例えば図のフィルタカートリッジ502の場合、
図13に示されている空気清浄装置500に使用すると、吸排気端または面550は濾過前の空気のための入口端であり、反対の吸排気端または面551は、濾過後の空気のための出口端である。
図17において、カートリッジ502は、排気出口端551に向かった図で示されている。
【0137】
一般に、カートリッジ502の種類のカートリッジは本明細書において、使用中に「直線的通過流」または「軸方向流」のために構成されると特徴付けられ、一般に、カートリッジ502と濾材516が、濾過中に空気が同じ方向に沿ってカートリッジ502に入り、そこから出るように構成されることを指す。これは、上述の濾材の種類の何れかおよびその変形型で対応できる。
【0138】
図15に示されている例示的カートリッジ502は一般に、流れの方向に対して垂直な平面内で「長方形の」の外周形状、およびその結果、長方形の入口端または面550と長方形の出口端または面551を有する。別の形状も可能であり、これには例えば楕円形およびその他の外周形状が含まれる。
【0139】
図の例示的カートリッジ502に関して、濾材516は、カートリッジ入口端550の付近に入口端516iを、また反対の出口端516oを有し、これは
図15では見えず、
図17を参照のこと。両側の面または端516i、516oは各々、概して平坦に描かれており、各々、カートリッジ502を通る流れの方向に概して垂直な平面内にある。上で特徴付けられた、フルート付き濾材切片がライナ濾材切片に固定されている種類の濾材では、これは典型的であるが、他の選択肢もありうる。例えば、面516i、516oは、流れの方向に関して傾斜させることができ、および/またはその中に変形した箇所、例えば凹部または突起を有するように構成することもできる。例えば、国際公開第2007/133635号パンフレット、国際公開第2005/123222号パンフレット、および国際公開第2007/044677号パンフレットに見られるような種類の変形型も、本開示による装置に使用できる。
【0140】
さらに
図15を参照すると、図の特定のカートリッジ502は、濾材516の両端に対向するサイドパネル554、555を含む。対向するパネル554、555は、濾材の両端516x、516yを閉じ、構造健全性を提供するために、本明細書において特徴付けられている様々な種類の濾材に使用できる。もちろん、楕円形ユニットが使用される場合、またはその他の濾材の場合、このようなパネル554、555は不要かもしれない。本明細書において上で特徴付けられている種類の濾材の様々なそれらを閉じるために対向するパネルを使用することは、例えば国際公開第2005/123222号パンフレット、国際公開第2006/017790号パンフレット、国際公開第2006/076479号パンフレット、国際公開第2006/076456号パンフレット、および国際公開第2007/133635号パンフレット等の参考文献の中で、同様の長方形の濾材パックと使用されて説明されており、これらを参照によって本願に援用する。パネル554、555は、モールド・イン・プレース加工でき(、および典型的に、また好ましくはそのようにされ)るが、これらは、濾材端516x、516yにシーラントで固定されたプリフォーム部品を含むことができる。
【0141】
図示されている特定のパネル554,555は、例えばポリウレタンなどの材料からモールド・イン・プレース加工され、両端516x、516yが閉じられてシールされる。パネル554、555は、その中に成形アーチファクト、例えばパネル554の中の
図15のアーチファクト554xがあるかもしれず、これはパネル554のモールド・イン・プレース加工中に使用される濾材支持棒に起因する。
【0142】
さらに
図15を参照すると、図示されている特定のカートリッジ502は、そこに任意選択の、対向するカバーピースまたパネル558、559を有するように示されており、これらは濾材パック550を、両端516x、516y間の範囲で、すなわち対向するパネル554、555間の範囲で横切り、閉じる。このようなパネルまたはカバーピース558、559は、例えば取扱い中にカートリッジ濾材516を保護するのに有益でありうる。これらは、モールド・イン・プレース加工でき、またはこれらは濾材に取り付けられる別の部品を含むこともできる。図の例において、これらは例えばモールド・イン・プレース加工されたパネル554、555の中に埋め込むことによって所定の位置に固定されたポリカーボネートプラスチックを含むプラスチックシートを含む。代替案、例えばプラスチックネットも可能である。図の方法で構成される場合、一般にシーラントがパネル558、559と濾材516との間に提供されて、カートリッジ502を通る漏出経路ができるのが防止される。
【0143】
本明細書に記載されている技術のいくつかの用途において、各面でのカバー558、559は各々、2つの部品で構成でき、それらの間でモールド・イン・プレース加工された装置517の下にジョイントが配置され、それによって装置517のモールド・イン・プレース加工を、部分的に、濾材に直接行ってシーリングの提供に役立てることができる。
【0144】
前述のように、カートリッジ502は筐体係合装置517を含む。筐体係合装置517は一般に外周装置であり、すなわち、それはカートリッジ502の残りの部分の外周に沿って延びる。筐体係合装置517の一部は一般に、筐体シール部材518、例えばピンチシールフランジ560を含む。筐体シールフランジ560は一般に、カートリッジ502が正しく取り付けられたときに、筐体501とのシール部分を形成するように位置付けられ、構成される。図の特定の筐体シール部材518は、ピンチシールフランジ560であり、これは、筐体501を閉じた時に、筐体部分503、504間に挟まれるように構成される。
【0145】
筐体シール装置518をシールするための重要な面は、典型的により下流の面、すなわち、使用中にシステム501の清浄空気側に向かう位置において筐体501と係合する表面である。この例において、これは本体503と密着するように押し付けられる表面である。この表面は、シール560の下流、すなわち清浄空気側にあるため、より重要なシーリング面である。ここで言及される、より重要なシール面は、
図17において、概して560dで示される。
【0146】
図17を参照すると、表面560dが、図の例においては概して平らで、平坦で、特徴物のない表面であることがわかる。これには特徴物で変化を付ける(高低差を持たせる)こと、例えば参照によって本願に援用される国際公開第201/210541号パンフレットおよび/または米国特許出願第62/097,060号明細書の開示にしたがって、および/または以下において図と説明で示される変形型で起伏をつけることができる。
【0147】
図15に戻ると、表面560dの反対側において、ピンチシール部材560は上流ピンチシール面560uを含み、これには一般に、取付中にアクセスカバーまたは筐体部分504上のフランジまたはその他の構造が係合する。これは、図の例において、挟んでいるときにピンチシール部材560に圧力がかかる位置であり、それによって面560dが確実に筐体部分503の中の適当な面568と密着する。表面560uでのシーリングは、図の例において、表面560dより重要性が低い。
【0148】
さらに
図15を参照すると、両方のピンチシール表面560u、560d間の範囲に位置付けられたシール部材560は外周面560pを含む。外周面560pは一般に、適正な取付のための必要に応じて、
図19のリム569等、選択された筐体特徴物の中に嵌るように構成される。
【0149】
面560d、560u間の領域560の厚さは様々とすることができる。それは典型的には、少なくとも5mm、通常は約20mm以下、多くの場合に5mm~15mmの間であるが、これら以外でも可能である。
【0150】
図15および16を参照すると、図の例示的シール面560dは、少なくとも一部がカートリッジ濾材516を通る流れの方向に対して(すなわち、端550、551間の方向に対して)概して垂直でない方向に延びるように構成され、位置付けられる。本明細書に記載されている原理はまた、垂直に延びる別の構成、例えば
図42の代替的実施形態にも使用できる。
【0151】
シール面560dの少なくとも一部が図のように垂直以外の方向に延びる場合、ピンチシール560は傾斜シールと呼ばれることがある。図の例において、特に面560dが概して平坦であると、例えば垂直線から少なくとも2°の傾斜シール傾斜角として定義できる。典型的に、傾斜角が使用されるとき、傾斜角は一般に少なくとも4°、通常、少なくとも5°、および多くの場合に5°~30°、例えば7°~20°の範囲内であろう。もちろん、他の選択肢もありうる。本明細書で特徴付けられている一般的な種類のフィルタカートリッジに使用可能な傾斜ピンチシールは、例えば国際公開第2006/076456号パンフレットおよび国際公開第2006/076479号パンフレットに記載されており、これらを参照によって本願に援用する。
【0152】
図13、14、および15を参照すると、シール装置517に、カートリッジを通る流れの方向に垂直でない方向に延びるピンチシール部材560が提供されている場合、カートリッジ502は、筐体501と共に、カートリッジ502が筐体501に関して1つの回転方向にしか取り付けられないように構成できる。これは、いくつかの例において有利である可能性があるが、必要ではない。
【0153】
また、
図15を参照すると、留意される点として、対向するパネル554または555を横切る範囲で、シール560が垂直以外の方向に延びているが、一般に、パネル554または555間の範囲で、すなわち
図15に示されるカートリッジの長い方の寸法に沿って、ピンチシール部材560が概して流れの方向に垂直な範囲の経路に沿って延びる。これは典型的であるが、他の選択肢もありうる。
【0154】
また、留意される点として、それが長方形の形状の辺554、555のうちの1つを横切って延びる場合、ピンチシール部材560は概して、まっすぐの経路に沿って延びる。これは典型的であるが、他の選択肢もありうる。
【0155】
面560dが、例えば国際公開第2014/210541号パンフレットの種類のようにいくらかの不規則性または平坦でない特徴を有していても、シールの残りの部分は依然として、特徴付けられている原理に従って平面たまは傾斜面を画定するように示されてもよい。すなわち、面560dが平坦でなく、起伏があっても、全体的なシール560は一般的傾斜角を有すると特徴付けてよい。しかしながら、再び、別の形状と可能性もありうる。
【0156】
さらに
図15を参照すると、筐体係合装置517はベース、支持部、またはウェブ部分もしくは部材565を含み、それがピンチシール部材560をカートリッジ502の残りの部分に支持する。図の特定の支持部またはウェブ部分565は、周辺ピンチシール部材560と一体成形されるが、他の選択肢もありうる。相互に一体成形することが望ましいが、それは、両者間のシールが不要となるからである。
【0157】
再び、筐体シール部材は、モールド・イン・プレース加工による支持部の上に成形することもでき、その後、カートリッジに取り付けられる。これは、いくつかの用途においては好都合であるかもしれないが、再び、典型的には単独のモールド・イン・プレース加工の部品が好ましい。
【0158】
また、特定の筐体係合装置517は、周辺コンポーネントとしてカートリッジの残りの部分にモールド・イン・プレース加工される。これは、両者間の良好な確実なシーリングを良好な構造健全性と共に確保するのに役立つため、典型的であり、好ましい。筐体係合装置517のうち、カートリッジ502の残りの部分と係合する部分は一般に、ウェブまたは支持部565である。
【0159】
次に、フィルタカートリッジ502を出口端551、すなわち
図15で見えるものと反対の端に向かって見た図である
図17に注目する。特に、凹部または溝566に注目する。凹部または溝566は、ピンチシール部材560の一部とカートリッジ502の残りの部分との間に位置付けられる。溝566は、取付中にその中に突起、すなわち筐体501の内側リム部分567(
図20参照)を受けるように位置付けられた凹部、受容部、または溝である。図の例示的凹部、溝、谷560は、シール部材560と濾材516との間のある位置において、カートリッジ502の周辺全体にわたって延びる。他の選択肢、すなわち不連続の凹部も、特に不連続のリム567について使用できる。例えば、谷が本来であれば概して長方形の形状を画定するときに、「コーナ」の凹部にギャップを設けることが有利であるかもしれない。その一例は、直線部分が4つの辺の各々に沿って延びるが、谷部分が4つのコーナのうちの少なくとも1つ、典型的にはその各々に向かって(すなわち、その中またはその周囲に)延びた時に終了する「谷」を提供することである。すなわち、いくつかの例において、谷はコーナ部を持たない。実際に、凹部566はいくつかの用途において任意選択である。
【0160】
図の特定の例に関して、また
図19を参照すると、筐体部分503は任意のリム部分567を含み、これは取り付けられた時に凹部502の中に突出するような大きさと構成である。このリム567は連続していても不連続でもよく、多くの機能を提供する。第一に、これはカートリッジ502がぴったりと納まるのを助ける。第二に、これはピンチ部分560とカートリッジ本体との間の分離可能を提供し、これはカートリッジ本体を、それに粉塵が溜まり、重くなり始めた時に、それゆえ振動モーメントに対して安定させる傾向がある。このような谷または凹部は一般に、例えば国際公開第2006/076479号パンフレット、国際公開第2006/076456号パンフレット、国際公開第2006/017790号パンフレット、国際公開第2007/133635号パンフレット、米国特許出願第62/097,060号明細書、および国際公開第2014/210541号パンフレット等の参照文献に記載されており、これらを参照によって本願に援用する。
【0161】
また、
図19を参照すると、留意される点として、筐体部分503の中の、シーリング中にシール面560uが押し付けられる面であるシール面568が、その中に中央リブ568rを含み、それがカートリッジ(または筐体内部)の周辺に延びる。このリブ568rは、取付中にピンチシール部材560の中の面560uに入り込み、シーリングを容易にする。また、シール面568は、2つの壁、すなわちリム567と外側リムまたは壁569との間に引っ込めて位置付けられる。これは典型的である。
【0162】
リブ568r等の特徴は、国際公開第2014/210541号パンフレットに記載されている。リブ568rは典型的に連続しており、筐体501の直に接する部分から少なくとも0.5mm、例えば0.5~3mmだけ突出している。
【0163】
C.フィルタカートリッジと筐体との間の取付安全装置
I.一般
ここで、フィルタカートリッジと筐体の間の安全のための取付防止装置が説明され、提供されるが、これはカートリッジが適正で純正の、正しいシール特徴物を持つものでないかぎり、取付中に筐体を閉じることができるように空気清浄装置筐体に位置付けることができなくなるのを確実にするのに役立つ。これはサービス業者が、適合するように見えるがそのシステムにとって適正で純正のカートリッジではないカートリッジを誤って取り付けるのを防止する。
【0164】
特に、前述のように、修理交換は実地で行われることが多く、様々なカートリッジを扱うサービス業者によって行われるかもしれない。取り付けられるカートリッジが、適合するように見えるが、そのシステムにとって適正なカートリッジではないカートリッジでないことを確実にすることが重要である。これを制御できる方法は、カートリッジと筐体との間に、カートリッジが、適正なカートリッジでないかぎり、シーリング位置に完全に、正しく収容されたように見えないようにする係合を含む装置を使用することによる。
【0165】
これに対処する様々な方法を本明細書で特徴付ける。これらの特徴は、例えば、カートリッジ502と筐体本体503との間の係合のために位置付けることができ、および/またはこれらは、カートリッジ502とアクセスカバー504との間の係合のために構成できる。各々の例が特徴付けられ、これらは個別にも、一緒にも使用できる。
【0166】
本明細書において、カートリッジが適正な、適正にシールされた純正のカートリッジが適切に挿入されていないかぎり、アクセスカバーが完全に閉じないようにする特徴(複数の場合もある)は「安全のための筐体閉鎖防止装置」またはこれに類する用語で呼ばれることがある。
【0167】
本明細書において、この効果を実現するために使用可能な各種の特徴を説明し、提示する。
【0168】
2.カートリッジ502と筐体本体部分503との間の相互作用に関する第一の例示的な第二の筐体閉鎖防止装置
まず
図19を参照すると、この例においては下流の筐体部分である筐体部分503に、突起構成570を有する開口(入口)端513oが提供され、これは安全のための筐体閉鎖防止装置570xの第一の部材を含む。図の例において、突起構成570は1つの突起570pを含んでいるが、他の選択肢も可能である。また、図の例において、突起570pは筐体501(または部分503)の短い方の辺の一方と整列して配置されているが、他の位置も可能である。
【0169】
一般に、不適正なカートリッジ(それ以外は筐体部分503に適合するように見えるが、対象のシステム500にとって適正なカートリッジではない)を取り付けようとすると、突起構成570がその不適正なカートリッジと係合して、それを筐体部分503の中に完全に位置付け、または収めることができないようにし、それゆえ、アクセスカバー504を取り付けることができないようにする。しかしながら、カートリッジ502が正しい、または適正なものであれば、カートリッジ502は突起構成570を受けるように適正に位置付けられた突起受容装置の第二の部材を有し、それによってカートリッジ502を適正で完全な収容位置に押し込むことができ、するとアクセスカバー504を取り付けることができる。
【0170】
さらに
図19を参照すると、留意される点として、特定の突起構成570が、取付中にカートリッジ凹部566(
図17)の中まで延びる半径方向の内側リム突起567に配置されている。他の選択肢もありうる。主な問題は、突起構成570を、適正なカートリッジ502を適正に位置付け、使用しないかぎり、それが筐体係合装置517の一部と係合して、筐体部分503にカートリッジを完全に取り付けることができないような大きさと構成にすることである。
【0171】
図20において、突起構成570、すなわち突起570pを内側から見ることができる。強化リブ571も見える。
図21において、
図20と似ているが、より大きい角度にした拡大部分斜視図が提供されている。
【0172】
ここで、例示的な安全のための筐体閉鎖防装置570xのうちの、カートリッジ502上に位置付けられる部分を理解するために、
図17に注目する。特に、再び
図17を参照すると、カートリッジ502は出口端516oに向かって、すなわちカートリッジ502のうち、取付中に筐体部分503に、またはそれに接して受けられる部分に向かって描かれている。下流側シール面560dを有するピンチシール部材560を含むシール装置518が見える。566において、上で特徴付けられた、筐体501のリム567を受ける凹部が示されている。留意される点として、この凹部566は十分に浅く、本発明の結果として、完全に取り付けることができるようにその中に十分な追加の逃げ部がないかぎり、突起構成570が(取付を)阻止する方法で係合する。この逃げ部は
図17において、受容ポケット装置575として見ることができる。図の特定の受容ポケット装置575は、1つの突起570pしかないため、1つのポケット525rを含み、カートリッジ502にとって適正な取付向きは1つしかない。受容ポケットまたは受容部580rは、カートリッジ502が筐体503の中に取り付けられると、突起構成570が筐体係合装置521を完全に取り付ける障害となるように構成される。しかしながら、カートリッジ502と比較的類似しているものの、適正に位置付けられた受容ポケット575rを含まないカートリッジを取り付けようとした場合、突起570が筐体係合装置517の邪魔になり、カートリッジを完全に取り付けることができないようにし、最終的にアクセスカバーを完全に閉じることができないようにする。
【0173】
図18において、装置575、すなわち受容部575rを示す拡大部分図が示されている。
【0174】
上述のように、図の特定の例示的装置は、突起構成570の中の1つの突起570pを含む。図の例において、カートリッジ502は1つの嵌合可能受容部材575、すなわちポケット575rを含む。
【0175】
受容部材575は、希望に応じて複数のポケット575rを含んでいてもよく、突起構成570は、希望に応じて複数の突起570pを含むこともできる。
【0176】
再び、上述のように、シール部材560が図のように構成され、筐体501がそれと係合するように同様に構成されている場合、その結果として得られるカートリッジ502は、傾斜シール560dのために、1つの回転方向でしか取り付けることができない。しかしながら、同様の装置が使用されても、シール560dに傾斜がなければ、カートリッジは理論的に、2つの回転方向の何れにも取り付けることができる。このような場合、カートリッジの両側に1つずつ、2つのポケット525rを有し、各々が、1つの突起570pが使用された場合でも、再び、2つの可能な回転取付方向に対応するために、それが突起570pと完全に係合できるように構成されることが望ましいかもしない。
【0177】
回転方向の数を1つに制御することが望ましい場合、シール560が傾斜していなくても、受容ポケット575rは1つしかないことが望ましいかもしれない。
【0178】
図15において、575xに、筐体係合コンポーネント517の、その下に内部受容部またはポケット575rが位置付けられる外側部分の外面の図が示されている。
【0179】
本明細書において、ポケット575rは、図の状態にあるときに「内部ポケット」と特徴付けられており、それは、これが筐体係合装置517の内側575xの内側に位置付けられている、すなわちカートリッジの外面にはなく、内側装置であるからである。これは、使用時に外側に向かってどのようにも開放しておらず、使用時に図のような方法で突起部材570pを含むという点で、「閉じた」内部装置でもある。
【0180】
図23を参照すると、アクセスカバー504は、その中に内側凹部または受容装置590を有し、この部材575xを受けるための空隙を提供していることがわかる。
【0181】
この例において、1つの部材570p、1つのポケット575rしかなく、アクセスカバー504は1方向にしか取り付けることができないため、装置590には1つの受容部590rしかない。もちろん、他の選択肢もありうる。
【0182】
図24において、受容装置590と凹部590rの拡大部分図が提供されている。
【0183】
図25において、アクセスカバー504の一部の外面部分図が提供されている。ここで、受容装置590のための外側部分590xが示されている。この外側部分590xにより、組み立てられた空気清浄装置500(
図13参照)の中で、それが本開示の選択された特徴による安全のための筐体閉鎖防止装置を有する空気清浄装置であることが容易にわかる。
【0184】
この項で示される例において、説明されている安全のための筐体閉鎖防止装置は、1つの部材が下流、すなわち清浄空気側を含む筐体部分503にあり、第二の部材がカートリッジ502にある突起/受容装置を含む。この種類の装置は、ここで、「下流」の特徴または装置として特徴付けられることがあり、それは、筐体のうち、カートリッジのその部分と係合する部分が、シール装置560の下流側に向かって挿入されるように位置付けられるからである。他の選択肢もありえ、これは以下の説明から明らかとなるであろう。
【0185】
また、留意される点として、筐体503の上の安全のための筐体閉鎖防止装置のその部分(すなわち、突起構成570または突起570pが筐体ピンチシール部材560の外周560pから半径方向に内側に、特に面560dから半径方向に内側に位置付けられている。換言すれば、突起構成570(突起570p)は、関連する筐体コンポーネント503とカートリッジ502上のシール部材または装置560との間でシールされる場所から半径方向に内側に位置付けられる。これに関して「半径方向に」内側にとは、シールサービス560dおよび/または外周560pにより画定されるパターンの内側に、すなわちカートリッジ502の中央の流れ方向軸に向かって位置付けられることを意味する。このような構成は、「半径方向に内側で係合する装置」またはその変化形として特徴付けられることがある。半径方向に内側に係合する装置以外の選択肢もありうる。
【0186】
また、留意される点として、図の特定の突起構成570(すなわち、突起570p)は、上で特徴付けられた畝567に位置付けられる。これは典型的であり、組立と使用が容易であるが、他の選択肢もありうる。
【0187】
3.アクセスカバーまたは筐体部分504に関わる例示的な安全のための筐体閉鎖防止装置
以上、カートリッジが受容凹部575r等の適正な嵌合のための特徴を含まないかぎり、アクセスカバー504が取り付けられるようにカートリッジを筐体部分503に十分に収容できないようにする、安全のための筐体閉鎖防止装置を特徴付けた。特徴付けられた特定の好ましい方式は、筐体本体とカートリッジ502との間のものであり、その結果、取付担当者がアクセスカバーを所定の位置に取り付ける前であっても、取付担当者には、そのカートリッジが使用のために正しく取り付けることができる適正な純正のそれではないことがわかる。
【0188】
不適正なカートリッジが使用されたときに、カートリッジとアクセスカバーとの間に十分な相互作用があり、アクセスカバーを(適正なカートリッジが関与しないかぎり)完全に取り付けることが難しくなるような代替的または追加の方式を使用できる。これは、上で特徴付けられた装置に、またはあるいはいくつかの装置において使用できる。一例が以下から理解できる。
【0189】
再び
図15に注目する。
図15において、600に他の安全のための筐体閉鎖障害装置600xの第一の部材600が示されており、この例においては、筐体本体503に取り付けられたカートリッジ502が適正に取り付けられた正しいものでないかぎり、アクセスカバー504が邪魔になり、閉じないようにするために使用されるように構成されている。この装置は、装置570xと共に使用でき、または個別にも使用できる。図の特定の装置600xは「上流」の装置に対応し、それは、これが筐体シール部材518の上流側で係合するように位置付けられているからである。これはまた、その部品が面560uの半径方向に内側にあったとしても、少なくとも1つの装置は、それがシール560に含まれないため、「外側」にあることから、装置517に関して「開放した」、「外側の」装置でもある。
【0190】
図15において、図の部材600は少なくとも1つの受容部または凹部構成601であり、筐体係合装置517の一部、この例ではウェブ565において半径方向に内側に延びる。図の例において、複数の凹部601が示されているが、いくつかの用途においては1つのそれを使用できる。
図16において、
図15の拡大部分図が示されており、凹部601が見える。
【0191】
図23を参照すると、内側504iに沿って、アクセスカバー504は605に示される突起構成を含み、これは凹部構成600中に突出するように位置付けられる。2つの離間された突起605が示されているが、それ以外の数も可能である。この方式は、係合装置600xの大きさと位置を、係合のために適当な受容装置601がカートリッジ502に位置付けられていないかぎり、突起605の結果として障害が発生するようにすることである。
【0192】
もちろん、カートリッジ502が、2つの回転方向のうちの何れにも係合できるように構成されている場合、突起605と同様の第二の突起群をアクセスカバー502の反対側に沿って位置付けることができる。
【0193】
4.
図13~40の例示的実施形態の残りの図面
以上、例示的空気清浄装置500に関する
図13~40のうちの選択されたものを説明した。特徴と原理をさらによく理解するために、追加の図面が提供される。ここで、上で詳細に説明しなかった選択された追加の図面を参照する。
図26において、カートリッジ502の断面図が提供されている。この断面図は、筐体係合装置517を、受容部575rを通る位置で切断されている。
図27において、カートリッジ516のこの部分の拡大部分図が示されている。
【0194】
図28において、空気清浄装置アセンブリの断面図が示されており、シール面560uが内側リム567と外側リム569との間で筐体面568とリブ568rに押し付けられていることを示している。
【0195】
図29において、部分断面図が描かれており、リム587上の、受容部575rの中へと延びる突起570pを示している。また、シール部材560は、アクセスカバー504と筐体本体503との間に位置付けられていることがわかる。部材560と、筐体部分503、504の各種のそれらとの間の重複は、どこで圧縮が起こるか、および、希望に応じて使用可能な圧縮の概の量を示している。他の選択肢もありうる。
【0196】
図30において、
図29と同様の、第二の拡大部分図が示されている。すでに特徴付けた特定の特徴に加えて、リブ568rがシール装置の面560dへと突出していることがわかる。
【0197】
図31において、カートリッジ502の第二の断面図が示されている。ここで、断面は筐体係合装置517のうち、その中に受容部575rを持たないが、凹部601を含む部分を通る。
【0198】
図32において、
図31のカートリッジ502の一部の拡大部分図が示されている。再び、断面は外側受容凹部601を通ることがわかる。
【0199】
図33において、空気清浄装置アセンブリのこの部分の拡大断面図が示されている。シール部材560は再び、部分503、504間で圧縮されていることがわかる。また、アクセスカバー504の、受容凹部601に中に突出する部分605がわかる。さらに、リム567は、突起570pを含まない位置において、谷566の中に延びていることがわかる。
【0200】
図34において、
図33のそれの代替的な斜視図が示されており、同様の特徴を示している。
【0201】
図35において、また別の代替的斜視図が示されている。ここで、リブ568rは、シール部材560の中へと突出していることがわかる。
【0202】
図36において、係合装置517の一部の拡大部分斜視図が、カートリッジ502から離して示されている。もちろん、示されているものはモールド・イン・プレース加工されるため、典型的にはこのように構成されないであろう。しかしながら、この図面によって、前述の選択された特徴をよく見ることができる。
【0203】
図37において、同様であるが、内部の図面が示されている。ここで、凹部575rが見える。
【0204】
図38において、幕田別の断面図が提供されている。突起570pは、凹部575rの中へと突出していることがわかる。
【0205】
図39において、この領域における空気清浄装置アセンブリのまた別の断面図が、斜視図で示されている。
【0206】
図40において、
図39の断面図と全体的平面が見える。成形材料517の中へと突出し、それによって取り囲まれている突起570pが見える。
【0207】
前述のように、この技術の変形型および応用が可能である。それに加えて、係合の大きさ、形状、位置、および量を変化させることも可能である。次のいくつかの項では、これらの可能な変形型のいくつかを特徴付ける。
【0208】
IV.アセンブリのいくつかの例示的変形型
図41~44
A.楕円形の濾材パックに関して説明される例示的変形型
前述のように、様々な種類の濾材を使用できる。1つの可能性は、
図6に示されているようなロール型構成を含む。また、前述のように、長方形の構成の他の選択肢もありうる。
図41~43の例示的構成において、濾材パックが概して楕円形であり、1つの長い断面軸と1つの短い断面軸を有し、濾材パックを、例えば
図6に関連して特徴付けたロール型構成から構成できる装置が示されている。
【0209】
さらに、前述のように、本明細書で特徴付けた技術を、平らで平坦な下流のシール面を持たず、例えば概して国際公開第2014/210541号パンフレットによる特徴によって起伏を有するシール装置に関して使用できる。
図41~43では、この一例が、図示されたものに関して描かれている。
【0210】
上ではまた、傾斜していないが、濾材パックの周囲において、濾材パックを通る空気流の方向に対して概して垂直なシール装置にもこの技術を応用できると述べた。この一例が
図41~43の実施形態の中に示されている。
【0211】
もちろん、
図41~43の実施例に関して説明した各種の技術は、他の構成において個別に、または一緒に応用できる。
【0212】
図41を参照すると、第一およびそれと反対の端または面702、703間に延びる濾材701を含むカーリッジ700が示されている。筐体係合装置710がカートリッジ700の、濾材701の周囲に沿って延びる位置に位置付けられているように示されている。筐体係合装置は、シール部分711と、支持またはウェブ部分712と、を含む。これらの部分は前述の実施形態における同様の部分と概して同じように形成できる。それゆえ、シール部分711は、対向するピンチ面716、717を有するピンチシール715を含む。典型的に、面716は下流の、すなわち重要なシール面となる。シール装置715はまた、外周面720も含む。
【0213】
724において、筐体相互作用機能部が筐体係合部分710の中、および特にシール部材711の中に示されている。この装置724は、国際公開第2014/210541号パンフレットおよび/または米国特許出願第62/097,060号明細書に記載されているものと概して同様であり、これらを参照によって本願に援用する。この例は、面716の中の平坦部から歪曲された、または起伏のある領域724、特に段差または突起(または突出部分)728、729、および730を含む階段状領域725を示している。これらの大きさ、位置、および位置決めは、使用中に筐体の対応するシール面の中の、それと嵌合する変形型と係合するようにする。前記係合は、例えば国際公開第2014/210541号パンフレットおよび/または米国特許出願第62/097,060号明細書に記載されており、これらを参照によって本願に援用する。典型的に、突出部728、729、および730は、それらの間、またはそれらの様々なものとシール面716の他の部分との間に移行部を有し、これは概して731に示されている。様々なこのような階段状の構成が可能であり、それには複数の突起と複数の離間された突起が含まれる。典型的に、領域725に関する突出の全体的な最大範囲は少なくとも約5mm、時として少なくとも10mm、多くの場合に5~20mmの範囲内であるが、他の選択肢もありうる。
【0214】
また、領域724において、外周リム720は、この例では周辺凹部740によって変更されている。外周凹部740は一般に、国際公開第2014/210541号パンフレットおよび/または米国特許出願第62/097,060号明細書によるものとすることができ、またそこから変更することもできる。これは、1カ所に提供することも、複数の離間された部分として提供することもできる。特定の例において、これはシール装置711の、その中に階段状領域725を有する同じ部分724と整列するような向きとされる。他の選択肢もありうる。陥凹領域740は、適当なシステムの中の取付のための筐体特徴物と係合するように構成できる。
【0215】
典型的に、筐体係合部分710とシール部材711を含む筐体シール装置は、
図17の溝566と概して同様の受容凹部または溝で構成される。これは同様に、その中に突出する筐体部分の畝またはリムを受けるために使用できる。
【0216】
図41を参照すると、このようなカートリッジのために、安全のための筐体閉鎖用相互作用装置をどのように提供できるかの例が提供されている。これに関して、内側に、突起370pと同様の突起のための受容ポケット750rが位置付けられる特徴750と、前述の凹部601と同様に使用可能な凹部751に注目する。
【0217】
もちろん、階段状領域725は、希望に応じて領域750、751の一方または両方と重複するように配置できる。
【0218】
図42において、カートリッジ700の側面図が示されている。
図43において、
図42の一部の拡大部分図が示されている。移行領域731が見える。このような移行領域731は典型的にカートリッジを通る流れの方向に垂直な平面に関して、約35°~85°の角度Aにわたって延びる。また、
図43では、内側陥凹領域740を見ることができ、これは通常、最大で少なくとも2mm、多くの場合に少なくとも4mm、および典型的には20mm以下の内側凹部に対応する。
【0219】
カートリッジ700の種類のカートリッジにおいて、参照によって本願に援用する国際公開第2014/210541号パンフレットおよび/または米国特許出願第62/097,060号明細書に記載されているように、濾材を保護シールドまたはシースで取り囲むことが望ましい場合があることがわかる。このようなシースを希望に応じて使用できる。また、筐体シール部材711の成形材料内に埋め込まれた支持部またはプリフォーム支持領域を提供することが望ましい場合があり、このような部材をここで、国際公開第2014/210541号パンフレットおよび/または米国特許出願第62/097,060号明細書における使用と同様に使用できる。もちろん、これらが使用される場合、それに本明細書で特徴付けられる特徴を収容するためのポケット凹部を含めることが望ましいかもしれない。
【0220】
また、国際公開第2014/210541号パンフレットおよび/または米国特許出願第62/097,060号明細書のような装置において、
図41の装置710と同様の筐体係合装置は、一部が濾材と直接接触する状態でモールド・イン・プレース加工されることがある。どちらの実践方法も、希望に応じて本開示による技術に応用できる。
【0221】
図41~43の実施形態において、領域724は周辺凹部740を有するように示されているが、周辺の起伏は、希望に応じて突起構成または突起と凹部構成の両方とすることができる。また、シール面716は、突起構成725を有するように示されているが、希望に応じて凹部または凹部と突起の組合せとすることができる。
【0222】
B.安全のための筐体閉鎖防止層の特徴が周辺で筐体シール部材の中に延びるその他の可能な変形型
以上、
図13~40の実施形態に関して、およびカートリッジ上の安全のための筐体閉鎖防止装置の
図41~43の特徴の実施形態に関して説明し、図示した装置は、筐体係合装置のウェブまたは支持部の中にあり、ピッチシール部材の中にはない、例えばピンチシール部材560および711の中にはないように示されている。他の選択肢もありうる。より詳しくは、各種の特徴がウェブ部分、ピンチシール部分、またはこれら2つの何れかの組合せの中にあってもよい。また、両方にかかる特徴があってもよい。例示的な代替案が
図44および45において提供されている。
【0223】
特に、
図44を参照すると、カートリッジ800が部分図で示されている。カートリッジ800は、相互に反対側の端または吸排気面802、803を有する濾材801を含む。カートリッジ800は、図の例ではカートリッジの残りの部分の周囲にわたりモールド・イン・プレース加工される筐体係合装置805を含む。例示的なカートリッジは、エンドパネル810(
図15のパネル554と同様)と、
図15のカバー559、558と同様の保護カバーまたはパネル811、812を含む。実際に、図の例示的カートリッジ800は、後述の点を除き、カートリッジ502と同様とする。
【0224】
筐体係合装置805は確かに、ピンチシール820と支持ウェブ821を含む。別のピンチシール820は、対向するピンチシール面820dおよび820uを含む。これはまた、外周820xも有する。
【0225】
ここで、任意選択の凹部830が、適切に構成されるアクセスカバーと係合して、
図16の任意選択の凹部601と同様に動作するように示される。しかしながら、その違いからわかるように、凹部830はシール部材820の中に、または部分的にその中に、または部分的にシール部材820とウェブ805の両方の中に位置付けることができる。
【0226】
図45を参照すると、
図17のポケット575rと同様に動作するポケット840が示されている。しかしながら、
図45の実施形態に関して、ポケット840は確かに、
図17のポケット575rと異なり、シール部材820の中に少なくとも部分的に延びる半径方向の延長部を有する。
【0227】
図44および45の実施形態において見ることのできるその他の特徴は概して、
図13~40の実施形態において上で特徴付けられたものと同様である。
【0228】
V.その他の例示的装置
図46~63
以上、
図41~43の領域725と幾分類似した起伏のある、例えば「階段状の」または変更されたシール領域を
図13~40の種類のアセンブリに関連して利用できると記した。さらに、変更されたシール領域725を希望に応じて、安全のための筐体閉鎖防止装置と整列させることができることも記した。これらの可能性の各々を表す例が
図46~63において提供される。
【0229】
図46~63の例示的装置は、
図13~40の実施形態とそれ以外は同様の実施形態の中に示されている。この項では、相違点を実証する特徴に焦点に重点を置く。一般に、同様の特徴を示す同様の用語または名称は、同様の機能を有する特徴を指すものとする。
【0230】
図46を参照すると、空気清浄装置アセンブリ900が示されており、これは筐体901を含み、その中に取り外し可能、修理交換可能なフィルタカートリッジ902が収容されている。筐体900は分離可能な筐体部分903、904を含み、これらは図示されていないボルト固定具または同様の固定具などの適当な手段により固定可能である。筐体901は空気流入口装置905と、濾過後空気排出装置906を含む。筐体部分903、904は、領域907に沿って分離される。
【0231】
図47において、空気清浄装置アセンブリ900は、アクセスカバー904を取り外した状態で示されており、それゆえ、筐体部分903の中に完全に収容されたカートリッジ902を見ることができる。部分903は、受容部515と同様の受容部915をその上に有するように示されている。
【0232】
図48において、カートリッジ902が斜視図で示されている。カートリッジ902は濾材916を含み、入口濾材端または面916iと反対の出口側濾材端または面916o(見えない)を有する。それゆえ、カートリッジ902は、上流の吸気端または面950と反対の下流端または面951を有する。
【0233】
特定のカートリッジ902は、対向する、この例ではモールド・イン・プレース加工されたパネル944、945(パネル544、545と同様)と、また保護カバーまたは延長部958、959(カバー558、559と同様)を含む。これらのカバー(958、959)は、パネル944、945間に延び、その中に埋め込まれているように示されている。
【0234】
筐体係合装置917は、カートリッジ902の残りの部分の外周に沿ってモールド・イン・プレース加工されているように示されている。筐体係合装置は、シール部材960と支持またはウェブ部分965を含む。
【0235】
図48において、内側凹部または受容ポケットが975rに示され、997には外側凹部構成が示されている。
【0236】
図48を参照すると、1005において、
図41、42の領域724と概して同様の起伏領域が示されている。この領域は、シール部材960の外周960pの起伏構成1006と下流のシール面906d(すなわち、反対の面960u)の階段状起伏部分1007の両方を含む。この例示的装置において、起伏構成1006は凹部であるが、代替的に、突起とすることも、両方の態様を持つこともできる。また、起伏部分1007は、突起部分として示されているが、別の用途では、陥凹部分とすることも、両方態様を持つこともできる。
【0237】
図49において、領域1005を示す拡大部分図が示されている。
【0238】
図50において、概して同じ領域1005を示すが、下流のシール面960dに向かって見た第二の部分斜視図。
【0239】
図51において、
図50と同様の図が示されているが、異なる視点から見ており、内側の受容ポケット975rおよび谷または受容溝966を見ることができる。
【0240】
図52において、カートリッジ502の同様の部分の別の図が示されているが、ここでは平面図であり、受容部975rおよび谷966がさらによく見える。
【0241】
図53において、概して
図48の線53-53に沿って切断したカートリッジの第一の断面図が示されている。ここで、断面は外側受容部997を通る。
【0242】
図54において、同じ断面に対応するが、シール装置960の面960dに向かって見た斜視図が部分的に示されている。
【0243】
図55において、概して
図48の線55-55に沿って切断した第二の断面図が部分的に示されている。ここで、断面は受容ポケット975rを通過し、この特徴を見ることができる。図はさらに、概して下流の面960dとシール部材960に向かっている。また、階段状領域1007の最大の段差1010も通る。
【0244】
図56において、筐体係合装置917のモールド・イン・プレース加工部分の拡大部分図が示されている。
【0245】
図57において、装置917の同じ部分の内側の図が示されている。
【0246】
図58において、
図57の面58-58に沿って切断した断面図が示されている。
【0247】
図59において、筐体部分903の斜視図が示されている。格子組930、出口906、補助出口928、取付パッド910、ガイド/スライドリブ931、受容部915、突起970pを含む突起構成970が見える。外観と位置において、すでに説明した変形型において上述したものと概して同様の特徴を使用することができる。
【0248】
図60において、筐体部分903の部分的に示された第二の斜視図を見ることができる。
【0249】
図61において、筐体部分903の平面図が示されている。ここで、階段状領域1007と係合するための、嵌合相手の階段状凹部968sが示されている。また、使用時にシール部材に押し込まれるリブ968rも、内側および外側リム967および969間のシール面968に示されている。
【0250】
図62において、段差領域968sに向かって見た筐体部分903の外面の図が示されている。
【0251】
【0252】
留意される点として、アクセスカバー904の内部は示されていない。図示されている特定の実施形態に関して、アクセスカバー904は概してアクセスカバー504と同じである。
【0253】
上述の説明と
図46~63の参照から、例えば参照によって本願に援用される国際公開第2014/210541号パンフレットおよび/または米国特許出願第62/097,060号明細書による起伏のあるシール領域を、それ以外は
図13~40と同様の装置の中で応用できるという本願の原理を応用できることが理解できる。さらに、それは、カートリッジの、受容ポケット575rも含んでいる部分、すなわち安全のための筐体閉鎖防止装置の一部と整列し、または重複するように示されている。もちろん、これは希望に応じてそのように整列しないように配置することもできる。
【0254】
さらに、この原理は、
図46~63において傾斜シールに関連して示されているが、これらは、起伏のある領域1007を除き、傾斜せず、カートリッジを通る流れの方向に概して垂直な平面内に延びるものを含めた代替的シールでも実装できる。
【0255】
VI.いくつかの選択された具体的特徴とその他の変形型
A.内部の閉鎖した、安全のための筐体閉鎖防止装置の部品としての、突起570、570p、970、970pと同様の突起構成の形状、大きさ、および位置の変形型
以上、例において、突起構成570、970は、筐体本体(それぞれ503、903)の上に位置付けられ、アクセスカバー(それぞれ504、904)に向かって突出する部分または突起構成として、各種の実施形態の中で説明され、図示されている。説明したように、これらの装置の変形型も可能である。図の具体的な例示的装置は、各々が1つの突起(それぞれ570p、970p)を含んでいた。このような突起の数と位置はそれと異なっていてもよい。
【0256】
典型的に、各突起(例えば、570、570、970、970p)は他の筐体部分504、904に向かって、少なくとも20mm、通常、少なくとも30mm、および多くの場合に少なくとも40mmの突出長さを有する。これは、所期の動作のために、不適正なカートリッジの十分な邪魔になるのに役立つ。突起(570p、970p)の最大長さは、不適正なカートリッジにとって所望の障害になるのに十分な長さであれば、対象のシステムについて選択可能である。典型的に、最大長さは100mm以下、様々なシステムにおいて80mm以下である。
【0257】
典型的に、好ましくは、突起構成570、970(すなわち、突起570p、970p)の突出範囲は、関係するカートリッジの受容溝566、966の深さより少なくとも15mm長い(受容ポケット575r、975rを除く)。通常、これは少なくとも25mmだけより深く、多くの場合、少なくとも35mmだけより深い。
【0258】
典型的に、突起構成570、970(570p、970p)の存在する範囲は、上流、すなわち反対のシール面(560u、960u)を軸方向に十分に超える範囲であり、適正なカートリッジが取り付けられると、突起構成が他方の筐体部品またはアクセスカバー504、904に向かう範囲内でシール装置560、960を超えて延びるようにする。好ましくは、この範囲は少なくとも15mm、通常、少なくとも25mm、および多くの場合に少なくとも35mmである。(同様に、少なくとも1つの受容ポケット575r、975rは好ましくは、何れのシール面より、濾材パックのカートリッジの端または吸排気面に向かって少なくとも15mm、通常、少なくとも25mm、多くの場合に少なくとも35mmだけさらに延びることが好ましい。受容ポケットがピンチシールからそこに向かって延びる端または流れの面は、「関連する」端または流れの面と呼ばれることがある。
【0259】
個々の突起570p、590pには様々な形状を使用できる。筐体の残りの部分に取り付けられる周辺部分において比較的広く、自由端または先端に向かって同じ寸法の狭いテーパ部のあるベース領域を有する形状が好ましく、これは、サービス業者がカートリッジを支え、位置付けている間に挿入できるのに役立つ。典型的に、幅が少なくとも15mm、通常、少なくとも25mm、多くの場合に少なくとも35mmで、幅がベースの約90%以下、典型的にベースの約80%以下の自由端または先端を有するベースが好ましい。図の例において、突起570p、590pは尖っていない先端または自由端を有するが、他の選択肢もありうる。
【0260】
典型的に、好ましくは、個々の突起570p、590pは、
図20のリブ571の領域においても、厚さ(半径方向の外側から半径方向の内側までの寸法)が比較的薄い。10mm以下、典型的には5mm以下の厚さが使用可能である。他の選択肢もありうる。
【0261】
図の例示的装置において、
図20の側端は各々、ベースから自由端に向かって鈍角(同じまたは異なる)で延びる。これは典型的であるが、他の選択肢もありうる。
【0262】
典型的に好ましくは、個々の突起570p、590pは、アクセスカバーに向かってまっすぐ(流れの方向に)突出する向きである。これによって、カートリッジを取り付けやすくなるが、他の選択肢もありうる。
【0263】
留意される点として、図の例において、突起570p、590pはそれぞれリム566および966の上に配置され、それと一体である。これは典型的であるが、他の選択肢もありうる。
【0264】
図の例において、突起570p、590pは、長方形のカートリッジの短い方の寸法または、楕円形のカートリッジの湾曲端と短い方の寸法と重複した位置にある。これは典型的であるが、他の選択肢もありうる。例えば、突起構成は側面ではなく長い方の寸法と整列した向きとすることができる。しかしながら、これらを側面に沿って、使用時にサービス業者に近い位置に配置することにより、サービス業者が、不適正なカートリッジが使用されているときに、障害となる相互作用によって閉じることができないことを検出するのに役立てることが望ましい。
【0265】
B.安全のための筐体閉鎖防止装置の、フィルタカートリッジにある部分の選択的特徴と変形型
以上、
図13~40および46~63の例において、安全のための筐体閉鎖防止装置のうち、フィルタカートリッジにある部材は、それぞれ受容ポケットまたは凹部構成575r、975rである。この例において、このポケットは幾分浅く、それ以外はカートリッジの周囲全体に延びる。これは典型的であるが、他の選択肢もありうる。
【0266】
典型的に、受容ポケット575r、975rは、関連する谷または凹部566,966より少なくとも10mm深く、通常、少なくとも20mm深い。さらに、これらは少なくとも200%深く(3倍深い)、通常、少なくとも400%深い(5倍深い)、またはそれ以上である。
【0267】
典型的に、各々(575r、975r)はシール部材560、960から(すなわち、何れかのピンチシール面から)関連するカートリッジ端面に向かって少なくとも10mm、典型的には少なくとも20mm、通常、少なくとも30mm以上、例えば少なくとも35mmまたは少なくとも40mm以上にわたって延びる。典型的に、各々は少なくとも20mmの深さ、通常、少なくとも25mmの深さである。
【0268】
典型的に、受容ポケット575r、975rのその入口における最も長い寸法は少なくとも15mm、通常、少なくとも20mm、および多くの場合、25mmより大きい。典型的に、それは、ピンチシール部分の反対の面(例えば、面560d、560u)の各々より少なくとも10mm先まで、通常、少なくとも20mm先まで、多くの場合、少なくとも25mm先まで延びる。
【0269】
図の例において、筐体係合部分519、917はモールド・イン・プレース加工された材料を含む。これは典型的であるが、いくつかの例において、これらの一部は成形され、プリフォームされた部分とすることができる。
【0270】
筐体係合部分がモールド・イン・プレース成形による装置として製作されている場合、典型的にこれらは、筐体シール装置に使用されたものと同じ材料で成形され、それと一体である。このような材料は例えば、ポリウレタンまたはその他の発泡材を、0.48g/cc以下、典型的には0.35g/cc以下の成形時密度、および30以下、典型的には20以下、多くの場合に10~20(両端値を含む)の範囲内のショアA硬さとなるように成形したものを含む。もちろん、他の選択肢もありうる。
【0271】
図面を参照すると、外側凹部601、901は典型的に、筐体係合装置の隣接部分からの最大起伏部で少なくとも3mmの深さ、典型的には少なくともいくつかの隣接する部分からの最大起伏部で少なくとも7mmの深さ、時として10mmの深さまたはそれ以上である。
【0272】
筐体シール装置が
図42の724および
図50の1007における図のような段差特徴部を含む場合、通常、各段差は個々に、シール面のうち直に隣接する部分に関して、最大突出量が少なくとも2mm、多く場合に少なくとも5mm、通常は5~20mmの範囲であり、全体的な階段状領域の、同じシール面の段差のない領域に関する最大突出量は、少なくとも5mm、通常は少なくとも8mm、および多くの場合に10~30mmの範囲内である。周辺に沿った複数の突出領域および空間的突出領域を使用できる。これらは、希望に応じて長い面、湾曲面、対向面その他に沿って配置できる。
【0273】
外周部分の起伏は、例えば
図42の740において、および
図50と1006において説明した。これらは、階段状領域と重複するように示されているが、他の選択肢もありうる。1つまたは複数の起伏領域を使用できる。これらが使用される場合、これらが位置付けられているシール部材の外周の起伏を含まない部分に関する最大起伏部は少なくとも2mm、通常は少なくとも5mmである。
【0274】
C.濾材パックの形状と大きさ、カートリッジ内の対称/非対称、その他のカートリッジ部分
図の装置は概して、濾材パック用の非円形の形状である。長方形の外周と楕円形の外周の両方が示されている。本明細書中で特徴付けられている特徴は特に、1つの幅(断面)寸法が、それに対して垂直の短い方の寸法と比べて比較的長いカートリッジに使用されるときに望ましい。典型的に、濾材パックの最も長い幅の断面寸法対それに垂直な最大断面寸法は、少なくとも1.5、通常は少なくとも2、および多くの場合に2~5の範囲内である。
【0275】
濾材パックは多くの場合比較的大きく、全体の幅は少なくとも150mm、例えば少なくとも300mm、時として400~800mmのオーダである。それに垂直な寸法は200mm以下であることが多い。このように大きく、幅広く、浅い(幅に垂直)濾材パックは、様々な機器に適合させるために使用できる。本明細書で特徴付けられる特徴は他の大きさおよび形状の濾材パックに使用できるが、これらは、このように大きい濾材パックに伴う多くの現場での問題に対応するために開発された。
【0276】
特徴付けられている特徴は特に、上流および下流端間の範囲において比較的深い濾材パックに使用するように開発された。この技術は、その他の種類の濾材パックにも使用できるが、両方の流れ端間の長さが少なくとも50mm、典型的に少なくとも80mm、および多くの場合に90~450mmのオーダである濾材パックに使用される。
【0277】
カートリッジの特徴は、希望に応じて、非対称構成または対称構成で提供できる。対称または非対称は、流端間の範囲で濾材パックを通る軸に関する回転と、濾材パックを、長い方の断面寸法に沿って、およびそれに垂直に途中まで、または短い方の寸法に沿って、およびそれに垂直に途中までのいずれかまでの面の両方についてのものとすることができる。筐体係合装置の各種の特徴は、希望に応じて、これらの概念の何れに関して対称または非対称とすることもできる。非対称の装置は、希望に応じて、カートリッジが1つの方向にしか取り付けることができないようにするために使用できる。対象の装置は、カートリッジを複数の方向に取り付けることができるようにするために使用できる。もちろん、筐体は、概してこれらの原理にしたがって変更することもできる。
【0278】
カートリッジには、その入口側の付近にハンドル装置を提供できる。また、カートリッジとアクセスカバーは、シーリング圧力を提供するための異なる係合が行われるように構成できる。
【0279】
筐体は、安全のための筐体閉鎖防止装置の部材と係合するのに適した特徴(部材)を持たないカートリッジに使用できないが、カートリッジは典型的に、安全のための筐体閉鎖防止装置の部材を持たないが、それ以外は同様の筐体である筐体には適正に取り付けることができることがわかる。
【0280】
D.筐体構成の変形型
筐体は、図示されたものに様々な変形を加えて構成できる。例えば、入口および出口は、別の位置に配置し、別の構成とすることができる。
【0281】
さらに、筐体は、カートリッジが筐体部分の凹部の、その外端に隣接し、それと重複するようにではなく、その中に入るように構成できる。これが行われた場合、嵌合する筐体部分は典型的に、筐体の中に、シール装置を所望のシール係合状態となるように押し込めるまで延びる突起を有することになる。このような特徴は、例えば、参照によって本願に援用される国際公開第2014/210541号パンフレットおよび/または米国特許出願第62/097,060号明細書に示され、記載されている特徴は、本開示による安全のための筐体閉鎖装置に関連して使用できる。
【0282】
筐体は、例えば参照によって本願に援用される米国特許出願第62/097,060号明細書に記載されているように、筐体の一部としてプレクリーナを有するように構成できる。
【0283】
筐体の大きさは、各種の用途において様々であってもよい。しかしながら、特徴は、比較的大型カートリッジがその中に入る筐体と使用するために特によく構成されている。
【0284】
VII.最後の所見と考察
以下の項で、特許請求の範囲の形態で文章を提供する。特許請求の範囲は、本開示の教示に従って使用可能な様々な選択肢、特徴、および特徴の組合せを示す特徴を含む。明記されているものに代わる、本明細書にける上述の説明と矛盾しない特徴も可能である。