(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-04
(45)【発行日】2023-08-15
(54)【発明の名称】超臨界二酸化炭素(SCO2)冷却電気機械のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
H02K 9/12 20060101AFI20230807BHJP
H02K 9/19 20060101ALI20230807BHJP
【FI】
H02K9/12
H02K9/19 Z
(21)【出願番号】P 2021500467
(86)(22)【出願日】2019-07-05
(86)【国際出願番号】 US2019040694
(87)【国際公開番号】W WO2020014084
(87)【国際公開日】2020-01-16
【審査請求日】2021-03-01
(32)【優先日】2018-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】599078705
【氏名又は名称】シーメンス エナジー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003317
【氏名又は名称】弁理士法人山口・竹本知的財産事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100075166
【氏名又は名称】山口 巖
(74)【代理人】
【識別番号】100133167
【氏名又は名称】山本 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100169627
【氏名又は名称】竹本 美奈
(72)【発明者】
【氏名】リコ,ラウル リカルド
(72)【発明者】
【氏名】ローリー,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】メイ,パトリック キング ワー
【審査官】稲葉 礼子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0266075(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0239650(US,A1)
【文献】特表2018-503337(JP,A)
【文献】特表2013-520597(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0098037(US,A1)
【文献】特表2015-525841(JP,A)
【文献】特開2013-124666(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104791204(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 9/10
H02K 9/19
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータ、前記ステータに対して回転可能なロータ、ならびに前記ステータおよび前記ロータの少なくとも1つを冷却する流体を冷却するための熱交換器、を備える回転電気機械と、
前記熱交換器と、前記ステータおよび前記ロータの少なくとも1つと、に超臨界二酸化炭素(SCO
2)を導く進入導管と、
を備え、
前記SCO
2
は、前記熱交換器の作動媒体であり、
前記ステータおよび前記ロータは発熱部品であって、
前記進入導管は、前記SCO
2が、前記ステータおよび前記ロータの少なくとも1つに接触できように構成されており、
前記SCO
2は、前記流体、前記ステータ、および前記ロータの少なくとも1つを熱交換により冷却する間に加熱されて、加熱されたSCO
2を形成する、
システム。
【請求項2】
前記流体が空気、水又は水素である、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記加熱されたSCO
2が大気に放出されるように構成されている、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記加熱されたSCO
2が、容器内に隔離されるように構成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記進入導管は、前記熱交換器と、前記ステータおよび前記ロータの少なくとも1つとに対し、並列に前記SCO
2を導入できるように構成されている、
請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記進入導管の前記熱交換器とは反対側の端部は、作動媒体としてSCO
2を含むSCO
2パワーサイクルタービンに接続されており、
前記回転電気機械は、前記SCO
2パワーサイクルタービンに接続されて、回転エネルギーを受け取るように構成されている、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記ステータおよび前記ロータの一方は、前記SCO
2によって直接冷却され、他方は、前記流体によって冷却されるように構成されている、請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
ステータと、前記ステータに対して回転可能なロータと、前記ステータ及び/又は前記ロータの冷却によって加熱される流体を冷却するための熱交換器と、を含む回転電気機械
であって、超臨界二酸化炭素(SCO
2
)が前記熱交換器の作動媒体であり、前記ステータおよび前記ロータは発熱部品である回転電気機械によって
前記超臨界二酸化炭素(SCO
2)を受け取ることと、
受け取った前記SCO
2によって、前記ステータおよび前記ロータの少なくとも一方を直接冷却することと、
受け取った前記SCO
2を前記熱交換器の作動媒体として、前記ステータおよび前記ロータの少なくとも一方を前記流体を介して前記熱交換器により冷却することと、
を含む方法。
【請求項9】
ステータ、前記ステータに対して回転可能なロータ、ならびに前記ステータおよび前記ロータの少なくとも1つを冷却する流体を冷却する熱交換器、を備える回転電気機械と、
超臨界二酸化炭素(SCO
2)を作動媒体とし、前記回転電気機械に接続されて回転エネルギーを提供する、SCO
2パワーサイクルタービンと、
前記SCO
2パワーサイクルタービンから、前記熱交換器と、前記ステータおよび前記ロータの少なくとも1つと、に前記SCO
2を導く進入導管と、
を備え、
前記SCO
2
は、前記熱交換器の作動媒体であり、
前記ステータおよび前記ロータは発熱部品であって、
前記SCO
2は、熱交換により前記流体、前記ステータ、および前記ロータの少なくとも1つを冷却する間に加熱されて、加熱された前記SCO
2を形成する、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、電気機械の冷却に関し、より詳細には、超臨界二酸化炭素(SCO2)冷却電気機械のためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気機械の運転中、構成要素が発熱することがある。発生した熱は、機械の効率及び/又は寿命を低下させる。機械を許容可能な温度範囲内に保つために、電気機械に冷却システムを使用することができる。
【0003】
電気機械の例として、
図1に発電機10を示す。発電機10は、ステータ12と、ステータ12に対して回転するロータ14とを備える。ステータ12は、その上に巻線24が配置されたコア22を含む。発電機の少なくとも一部はケーシング内に収容されてもよい。発電機における典型的な冷却システムは、i)空気、ii)水素、及びiii)水の少なくとも1つの冷却媒体を含む。主要な冷却構成は、i)ロータ及びステータの両方のための空気冷却、ii)ロータ及びステータの両方のための水素冷却、及びiii)ステータコイルのための水冷と、ロータ及びステータコアのため水素冷却を含む。
【0004】
空気冷却は、発熱構成要素の間接的及び/又は直接的な冷却を含み得る。熱を低減するために、周囲空気又は冷却された空気を構成要素の周囲又は構成要素上で循環させることができる。空気冷却はそれほど効果的ではないため、装置の出力密度(kW/kg)を低下させる。所与の出力に対して、空気冷却装置はより大きくなる。空気冷却は、水や水素冷却よりも効果が低い一方で、それほど複雑ではない。
【0005】
水素は効果的な冷却媒体であるが、水素冷却システムには特別な注意が必要である。水素は可燃性であり、酸素と混合すると爆発する。水素を収容状態に維持し、適切なガス圧を維持するために、発電機のケーシングは、閉ループ冷却環境において強化されている。このケーシング構造は、発電機の重量とコストを増加させる可能性がある。複雑な補助装置が必要とされる。例えば、1)発電機内に水素を維持し、2)空気と水分がシステム内に入るのを防ぎ、及び/又は3)水素グランドシールの潤滑ために、ロータとケーシングとの間に密封油システムが提供される。他の補助装置には、ガスを循環させるブロワー、ガスの流れを調整するバルブ、ガスの圧力を制御する圧力調整器、機械に入る可能性のある水蒸気を除去するガス乾燥機、温度監視、ガス純度監視、及び発電機に水素を安全に入れ、発電機から水素を安全に除去するための捕捉媒体が含まれる。水素は効果的な冷却媒体であるが、補助装置の点ではコストがかかる。さらに、これらの構成要素によって重量が増大し、設置面積が増加する可能性がある。
【0006】
水は、発電機の構成要素を直接冷却するために使用できる。発電機の短絡を引き起こす水中に電圧が誘導されないように、水の純度を維持する必要がある。また、水が機械の他の部分に入らないように、発電機の部品を密閉する必要がある。水冷システムでは、通常、水の純度を維持するための脱塩装置、乾燥機、フィルター、ポンプ、熱交換器などの補助装置が使用される。
【発明の概要】
【0007】
前述は、当業者が以下の詳細な説明をより良好に理解できるように、本開示の技術的特徴をかなり広範囲に概説したものである。本発明の特許請求の範囲の主題を形成する本開示の更なる特徴及び利点を以下に説明する。当業者は、本開示と同じ目的を実行するために他の構造を修正又は設計するための基礎として開示された概念及び特定の実施形態を容易に使用できることを理解するであろう。また、当業者は、そのような同等の構成が、その最も広い形態で開示の趣旨及び範囲から逸脱しないことを実現するであろう。
【0008】
電気機械及び超臨界二酸化炭素(SCO2)を含むシステムが提供される。電気機械は、少なくとも1つの発熱構成要素を含む。
【0009】
電気機械は、少なくとも1つの発熱構成要素を冷却する流体を冷却するための熱交換器を含むことができ、SCO2は熱交換器の作動媒体であり、作動媒体は熱交換中に加熱されて加熱された作動媒体を形成し;流体は空気、水又は水素であってよい。加熱された作動媒体は、大気中に放出され、容器に入れられ、更なる構成要素の冷却剤として使用されるか、又は更なる構成要素の作動媒体として使用され得る。
【0010】
SCO2は、少なくとも1つの発熱構成要素を直接冷却することができる。少なくとも1つの発熱構成要素を冷却した後、SCO2から加熱された排気ガスが形成される。放出導管を経由して、加熱された排気ガスは大気に放出され、容器に入れられ、更なる構成要素の冷却剤として使用されるか、又は更なる構成要素の作動媒体として使用され得る。
【0011】
放出導管は、電気機械と更なる構成要素との間に配置されて、加熱された作動媒体及び/又は加熱された排気ガスを更なる構成要素に導くことができる。
【0012】
電気機械と更なる構成要素との間に進入導管を配置して、排出された作動流体(SCO2)を更なる構成要素から熱交換器に導く、及び/又は少なくとも1つの発熱構成要素を直接冷却することができる。
【0013】
電気機械と更なる構成要素との間に閉ループを形成するために、進入導管及び放出導管を設けることができる。
【0014】
電気機械は、ステータ、及び該ステータに対して回転可能なロータを含む回転電気機械(dynamoelectric machine)であることができ、ステータ及びロータは、発熱構成要素である。ステータ及びロータののうちの少なくとも1つは、熱交換器によって、又はSCO2によって直接冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図2】
図2は、回転電気システムの発熱構成要素を冷却するためのSCO
2を含むシステムの概略図である。
【
図3】
図3は、回転電気システムの発熱構成要素を冷却するためのSCO
2を含むシステムの方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、システム及び方法に関連する様々な技術を、図面を参照して説明する。ここで、同様の符号は、全体を通して同様の要素を表す。以下に論じる図面、及びこの特許文書の本開示の原理を説明するために使用される様々な実施形態は、例示のみであり、開示の範囲を制限するために何らかの方法で解釈されるべきではない。当業者は、本開示の原理が任意の適切に配置された装置で実施され得ることを理解するであろう。あるシステム要素によって実行されると説明されている機能は、複数の要素によって実行され得ることを理解されたい。同様に、例えば、要素は、複数の要素によって実行されると説明される機能を実行するように構成され得る。本出願の多数の革新的な教示を、例示的な非限定的な実施形態を参照して説明する。
【0017】
また、本明細書で使用される単語又は句は、いくつかの例で明示的に制限されない限り、広く解釈されるべきであることを理解されたい。例えば、「含む(include)」及び「備える(comprise)」という語、並びにそれらの派生語は、限定されない包含を意味する。単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈で明確に示されていない限り、複数形も含むことを意図している。さらに、本明細書で使用される「及び/又は」という語は、1つ又は複数の関連するリストされたアイテムのありとあらゆる可能な組み合わせを指し、それらを包含する。「又は」という語は、文脈が明らかに他のことを示さない限り、及び/又は、を意味する包括的な語である。「関連する」及び「それに関連する」という句、並びにそれらの派生語は、含む、含まれる、相互接続する、含む、含まれる、接続する、又は一緒に、結合する、又は、通信可能である、協動する、インターリーブする、並置する、近接する、束縛される、又は束縛する、有する、所有する等の意味を含み得る。
【0018】
また、本明細書では、「第1」、「第2」、「第3」などの語を使用して、様々な要素、情報、機能、又は行為を指すことができるが、これらの要素、情報、機能、又は作用(act)は、これらの用語によって制限されるべきではない。むしろ、これらの数字の形容詞は、様々な要素、情報、機能、又は作用を互いに区別するために使用される。例えば、第1の要素、情報、機能、又は作用は、第2の要素、情報、機能、又は作用と呼ぶことができ、同様に、第2の要素、情報、機能、又は作用は、本開示の範囲から逸脱することなく、第1の要素、情報、機能する、又は作用と呼ぶことができる。
【0019】
さらに、「隣接する」という語は、要素が他の要素に比較的近いが接触していないことを意味するか、あるいは、文脈で明確に示されていない限り、要素が別の部分と接触していることを意味し得る。さらに、「に基づく」という句は、特に明記しない限り、「少なくとも部分的に、に基づく」ことを意味することを意図している。「約」又は「実質的に」又は同様の語は、その寸法の通常の産業製造における公差内にある値の変動をカバーすることを意図する。産業における基準が利用できない場合、特に明記されていない限り、20%の変動はこれらの語の意味に含まれる。範囲は、特に明記されていない限り、開始値と終了値を含むと理解される。
【0020】
電気機械は、動作中に熱を発生し、発熱構成要素の熱を低減することから利益を得ることができる装置である。本明細書に記載の態様は、熱を低減するために任意の電気機械に適用することができる。本発明の様々な態様を説明するために、回転電気機械が示されている。回転電気機械を使用して概説された原理が他の電気機械に適用され得ること、及び例示が開示の範囲を限定するものではないことは理解されよう。
【0021】
図2は、回転電気機械及び超臨界二酸化炭素(SCO
2)を含むシステム200の概略図を示している。回転電気機械210は、複数の発熱構成要素212、214を含む。発熱構成要素は、ステータ212及びロータ214を含む。ロータ214は、ステータ212に対して回転可能である。ステータ及びロータの少なくとも1つは、熱交換器によって、又は直接SCO
2によって冷却される。
【0022】
回転電気機械210は、熱交換器240の作動媒体としてSCO2 216を使用する熱交換器240を含み得る。流体246、例えば、空気、水素、又は水は、閉ループ環境で循環される。流体246は、発熱構成要素212、214のうちの少なくとも1つを冷却するために使用される。発熱構成要素212、214はそれぞれ、異なる流体によって冷却され得ることは理解されよう。1つ超の熱交換器240を使用できることも理解されよう。例えば、各発熱部品は、異なる熱交換器240を使用することができる。熱交換器240は、少なくとも1つの発熱構成要素212、214の冷却中に加熱された流体246を冷却するように構成されている。この熱交換の間、作動媒体216は加熱される。放出導管250を経由して、加熱された作動媒体217は、放出導管250によって排出され、封じ込められ、又は更なる構成要素で使用され得る。例えば、加熱された作動媒体217は、大気277に放出され得る、容器242に格納することができる、更なる構成要素254において冷却剤として使用され得る、あるいは、更なる構成要素254において作動媒体として使用され得る。放出導管250は、回転電気機械210と更なる構成要素254との間に配置されて、加熱された作動媒体217を熱交換器240から更なる構成要素254に導くことができる。進入導管270は、回転電気機械210と更なる構成要素254との間に配置することができ、進入導管270は、排出された作動流体、SCO2を更なる構成要素254から熱交換器240に導くように構成される。図によれば、進入導管270及び放出導管250は、同じ更なる構成要素254に接続されている。進入導管270は、第1の更なる構成要素に接続され得、放出導管250は、第2の更なる構成要素に接続され得ることが理解されよう。さらに、SCO2 216は、容器によって回転電気機械210の熱交換器240に供給され得ることが理解されるであろう。
【0023】
一実施形態では、作動媒体としてSCO2を使用するSCO2パワーサイクルタービンが、回転電気機械210に接続280されている。例えば、SCO2パワーサイクルタービンは、アラムサイクルタービンSCO2(Allam Cycle turbine. SCO2)であり得る。タービンは、回転電気機械に回転エネルギーを提供する。進入導管270は、SCO2パワーサイクルタービン254を回転電気機械210に接続して、タービン254から熱交換器240にSCO2を供給する。上記のように、加熱された作動媒体217は、放出導管250によって、排出、隔離、又は更なる構成要素で使用され得る。放出導管250は、タービン254を回転電気機械210に接続して、熱交換器240の加熱された作動媒体217をタービン254に導くことができる。加熱によって増加したSCO2の内部エネルギーは、タービン254の効率を増加させることができる。加熱された作動媒体217は、タービン254に追加される前に、更に加熱され、内部エネルギーを更に増加させることができる。一実施形態では、進入導管270及び放出導管250は、SCO2パワーサイクルタービン254に接続されて、SCO2のための閉ループを形成する。進入導管270が接続されているタービンの段は、放出導管250が接続されている段とは異なっていてもよい。
【0024】
熱交換器240の作動流体としてSCO2 216を使用することは、設置面積を増加させることなく、及び/又は追加の補助装置を追加することなく、発電機の電力密度を増加させることができる。
【0025】
回転電気機械210は、SCO2 216を冷却剤として使用して、発熱構成要素212、214のうちの少なくとも1つを直接冷却することができる。SCO2によって発熱構成要素212、214を直接冷却することによって形成された、加熱された排気ガス219は、放出導管250を経由して排出できるか、又は更なる構成要素で使用できる。例えば、加熱された排気ガス219は、大気277に放出させ得る、容器242に格納し得る、更なる構成要素254において冷却剤として使用し得る、又は、更なる構成要素254において作動媒体として使用し得る。放出導管360は、回転電気機械210と更なる構成要素254との間に配置されて、加熱された排気ガス219を更なる構成要素に導くことができる。進入導管270は、回転電気機械と更なる構成要素254との間に配置して、進入導管は、排出された作動流体を更なる構成要素から回転電気機械に導くように構成できる。図によれば、進入導管270及び放出導管250は、同じ更なる構成要素254に接続されている。進入導管270は、第1の更なる構成要素に接続でき、進入導管250は、第2の更なる構成要素に接続できることは理解されよう。さらに、SCO2 216は、容器によって回転電気機械210に供給され得ることが理解されるであろう。
【0026】
一実施形態では、作動媒体としてSCO2を使用するSCO2パワーサイクルタービンが、回転電気機械210に接続され、タービンは、回転電気機械に回転エネルギーを提供する。例えば、SCO2パワーサイクルタービンは、アラムサイクルタービンSCO2であり得る。進入導管270は、SCO2パワーサイクルタービン254を回転電気機械210に接続して、タービン254からSCO2を供給して、発熱構成要素の少なくとも1つを直接冷却する。加熱された排気ガス219は、排出、隔離、又は更なる構成要素で使用することができる。放出導管250は、タービン254を回転電気機械210に接続して、加熱された排気ガス219をタービン254に導くことができる。加熱によって増加したSCO2の内部エネルギーは、タービン254の効率を増加させることができる。加熱された排気ガス219は、タービン254に追加される前に、さらに加熱され、内部エネルギーを更に増加させることができる。進入導管270及び放出導管250は、SCO2パワーサイクルタービン254に接続されて、SCO2のための閉ループを形成できる。進入導管270が接続されるタービンの段は、放出導管250が接続される段とは異なっていてもよい。
【0027】
水や水素とは異なり、SCO2はステータ巻線に使用されている銅に直接接触する可能性がある。これにより、冷却チャネルを形成する際のステータ巻線の原因を低減できる。さらに、発熱構成要素212、214の少なくとも1つを直接冷却することにより、補助装置の削減を実現できる。例えば、SCO2は水のように導電性がないため、脱塩補助装置を必要としない。水素冷却に必要な密封油装置をなくすことができる。SCO2は発電機210内で閉ループにないので、他の補助装置を排除することが可能であり得る。
【0028】
熱交換器の作動媒体としてのSCO2 216と、発熱構成要素の少なくとも1つを直接冷却するための冷却剤としてのSCO2 216との組み合わせを使用できる。例えば、ロータをSCO2 216によって直接冷却することができ、ステータを熱交換器によって冷却される流体によって冷却することができる。ステータをSCO2 216によって直接冷却することができ、ロータを熱交換器によって冷却される流体によって冷却することができるという逆の構成を使用できることも理解されよう。さらに、熱交換器240のみを使用して、発熱構成要素212、214のうちの少なくとも1つを冷却する構成を採用することができるか、又はその逆であること、SCO2 216のみを使用する構成は、発熱構成要素の少なくとも1つを直接冷却するための冷却剤として使用することができることは理解されよう。
【0029】
方法を、
図3に示す。方法300によれば、超臨界二酸化炭素(SCO
2)は、複数の発熱構成要素(310)を含む電気機械によって受容される。SCO2は、容器又は更なる構成要素から受容できる。更なる構成要素は、SCO2パワーサイクルタービンであって良い。
【0030】
発熱構成要素の少なくとも1つは、作動媒体としてSCO2を使用して熱交換器から冷却する(312)か、又はSCO2を使用して、発熱構成要素の少なくとも1つを直接冷却する。
【0031】
SCO2が熱交換器の作動媒体である場合、ステータ及び/又はロータを冷却するのに使用される流体は、空気、水、又は水素であってよい。
【0032】
熱交換器の加熱された作動媒体及び/又は加熱された排気ガスは、大気に放出できるか、隔離できるか、更なる構成要素の冷却剤として使用できるか、あるいは更なる構成要素の作動媒体として使用できる。更なる構成要素は、SCO2パワーサイクルタービンであってよい。
【0033】
閉ループを、更なる構成要素と電気機械との間に設けることによって、SCO2は電気機械によって受容され、発熱構成要素の少なくとも1つの冷却後、加熱された作動媒体及び/又は加熱された排気は、作動媒体として更なる構成要素に戻される。
【0034】
加熱された作動媒体及び/又は加熱された排気ガスは、加熱された作動媒体を作動媒体として更なる構成要素に加える前に、更に加熱できる。
【0035】
電気機械は、発熱構成要素としてロータ及びステータを備えた発電機であってもよい。
【0036】
更なる実施形態では、ロータ及びステータの周りの密閉されたケーシング内にSCO2を含む回転電気機械を提供できる。このようにして、SCO2はステータとロータを取り囲む。ステータ及びロータによって加熱されるときにSCO2から熱を抽出するために、熱交換器が提供され得る。
【0037】
本開示の例示的な実施形態を詳細に説明してきたが、当業者であれば、本明細書に開示される様々な変更、置換、変形、及び改善が、その最も広い形態で、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく行われ得ることは理解するであろう。
【0038】
本出願の説明はいずれも、要素、ステップ、作用、又は機能が必須の要素であり、特許請求の範囲に含まれている必要があることを意味するものとして解釈されるべきではない。特許取得済みの主題の範囲は、許可された特許請求の範囲によってのみ定義される。さらに、これらの特許請求の範囲のいずれも、正確な単語「のための手段」の後に分詞が続く場合を除いて、手段プラス機能の請求項の解釈を想起させることを意図するものではない。
【0039】
次に、配置及び方法に関係する様々な技術を、図面を参照して説明する。ここで、同様の参照番号は、全体を通して同様の要素を表す。以下に論じる図面、及び本特許文書において本開示の原理を説明するために使用される様々な実施形態は、例示のみであり、開示の範囲を制限するように解釈されるべきではない。以下に論じる図面、及び本特許文書において本開示の原理を説明するために使用される様々な実施形態は、例示のみであり、開示の範囲を制限するように解釈されるべきではない。当業者は、本開示の原理が任意の適切に配置された装置で実施され得ることを理解するであろう。特定のシステム要素によって実行されると説明されている機能は、複数の要素によって実行され得ることが理解されるべきである。同様に、例えば、要素は、複数の要素によって実行されると説明される機能を実行するように構成され得る。本出願の多数の革新的な教示は、例示的な非限定的な実施形態を参照して説明される。