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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-04
(45)【発行日】2023-08-15
(54)【発明の名称】ウェアラブル医療機器
(51)【国際特許分類】
   A61B 90/30 20160101AFI20230807BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20230807BHJP
   A61B 3/113 20060101ALI20230807BHJP
【FI】
A61B90/30
H04N7/18 U
A61B3/113
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021572581
(86)(22)【出願日】2020-06-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-08
(86)【国際出願番号】 US2020035520
(87)【国際公開番号】W WO2020251792
(87)【国際公開日】2020-12-17
【審査請求日】2021-12-07
(31)【優先権主張番号】62/860,008
(32)【優先日】2019-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500115826
【氏名又は名称】ジェンテックス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【弁理士】
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(72)【発明者】
【氏名】ハラック ジェイソン ディー
(72)【発明者】
【氏名】ライト トーマス エス
(72)【発明者】
【氏名】リンツ ジョシュア ディー
(72)【発明者】
【氏名】ギアーリングス カーティス エル
(72)【発明者】
【氏名】ハムリン ブラッドリー アール
【審査官】槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-521710(JP,A)
【文献】特開2005-304599(JP,A)
【文献】特表2018-504733(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0060026(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 90/30
H04N 7/18
A61B 3/113
F21L 4/00
F21W 131/20
G02C 11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェアラブル医療機器であって、
フレームと、
前記フレームに固定され、前記フレームをユーザの頭部の所定位置に保持するよう構成された支持機構と、
少なくとも1つのセンサと、
前記フレームによって支持される撮像装置と、
前記撮像装置及び前記少なくとも1つのセンサと通信するコントローラと、
光源を有する少なくとも1つのランプ装置と、
を含み、
前記少なくとも1つのランプ装置は、前記フレームに取り外し可能に固定可能であり、前記コントローラと通信するように構成されており、
前記少なくとも1つのランプ装置は、受信した入力に応答して前記光源からの光を方向転換することができる移動可能な光学系を含み、
前記撮像装置は、
画像の取り込み及び記録をするように構成されており、及び、
当該撮像装置を取り囲む環境内の照明の強度を検出して、前記照明強度に対応する信号を前記コントローラに送信するように構成されている
ことを特徴とするウェアラブル医療機器。
【請求項2】
前記撮像装置は、レンズを有しており、
前記撮像装置の前記レンズは、偏光されている
ことを特徴とする請求項1に記載のウェアラブル医療機器。
【請求項3】
前記コントローラは、前記画像及び前記画像中の前記照明のうちの1つに関連する安定化データのために、前記取り込み画像を処理するように構成されている
ことを特徴とする請求項1または2に記載のウェアラブル医療機器。
【請求項4】
前記コントローラは、前記撮像装置から前記照明強度に対応する前記信号を受信すると、当該信号に応答して前記ランプ装置から放射される光の強度を調整するように構成されている
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のウェアラブル医療機器。
【請求項5】
前記撮像装置は、顔認識機能を含み、
人物の顔を含む画像が取り込まれる時、前記撮像装置は、前記コントローラに信号を送信するように構成されており、
前記信号が受信される時、前記コントローラは、前記ランプ装置を停止するように構成されている
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のウェアラブル医療機器。
【請求項6】
前記撮像装置は、表示画面を検出するように構成されており、
表示画面が検出される時、前記撮像装置は、前記コントローラに信号を送信するように構成されており、
前記撮像装置から前記信号が受信される時、前記コントローラは、前記ランプ装置を停止するように構成されている
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のウェアラブル医療機器。
【請求項7】
前記フレームに結合され、当該ウェアラブル医療機器がユーザの頭部に着用される時にユーザの眼に近接して位置するように構成される、少なくとも1つのレンズ
を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のウェアラブル医療機器。
【請求項8】
前記レンズ上に配置された少なくとも1つの画像センサ
を更に備え、
前記少なくとも1つの画像センサは、前記ユーザの眼の画像データを取り込むように構成されている
ことを特徴とする請求項に記載のウェアラブル医療機器。
【請求項9】
前記少なくとも1つの画像センサは、入力を前記コントローラに送信するように構成されており、
前記コントローラは、前記少なくとも1つの画像センサから受信した入力に基づいて、前記ランプ装置から放射される光を、前記ユーザの焦点の方向と実質的に一致する方向に指し向けるように構成されている
ことを特徴とする請求項に記載のウェアラブル医療機器。
【請求項10】
前記コントローラは、
前記撮像装置によって取り込まれた画像からの画像データを処理する、
影及び光度を識別する、並びに、
前記影及び光度に基づいて、前記少なくとも1つのランプ装置の強度を調整する
ように構成されている
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のウェアラブル医療機器。
【請求項11】
前記フレーム上に配置され、当該ウェアラブル医療機器に近接した音を録音して前記コントローラ及びオーディオストレージのうちの1つにオーディオ情報を送信するように構成されたマイク
を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載のウェアラブル医療機
器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2019年6月11日に出願された米国仮特許出願第62/860,008号「ウェアラブル医療機器」の利益及び優先権を主張するものである。
【0002】
[技術分野]
本開示は、全体として医療機器に関し、より具体的には、外科手術室用のウェアラブル医療機器に関する。
【発明の概要】
【0003】
ある態様によれば、ウェアラブル医療機器は、フレームと、前記フレームに固定され、前記フレームをユーザの頭部の所定位置に保持するよう構成された支持機構と、少なくとも1つのセンサと、前記フレームによって支持される撮像装置と、前記少なくとも1つのセンサ及び前記撮像装置と通信するコントローラと、を備え得る。前記撮像装置は、画像を取り込んで記録し、当該撮像装置を取り囲む環境内の照明の強度を検出して、当該照明強度に対応する信号を前記コントローラに送信するように構成され得る。ウェアラブル医療機器は更に、フレームによって支持され、コントローラと通信し、撮像装置レンズを有する、少なくとも1つの撮像装置を含み得る。当該少なくとも1つの撮像装置は、画像を取り込んで記録するように構成され得る。前記撮像装置レンズは、偏光され得る。前記コントローラは、前記画像及び前記画像中の前記照明のうちの1つに関連する安定化データのために、前記取り込み画像を処理するように構成され得る。ウェアラブル医療機器は、光源を有する少なくとも1つのランプ装置を更に含み、当該少なくとも1つのランプ装置は、前記フレームに取り外し可能に固定可能であり、前記コントローラと通信するように構成され得る。前記撮像装置は、当該撮像装置を取り囲む環境内の照明の強度を検出して、対応する信号を前記コントローラに送信するように構成され得る。前記コントローラは、前記対応する信号を前記撮像装置から受信すると、当該信号に応答して、ランプ装置から放射される光の強度を調整するように構成され得る。
【0004】
前記撮像装置は、顔認識機能を含み得る。人物の顔を含む画像が取り込まれる時、前記撮像装置は、前記コントローラに信号を送信するように構成され得る。また、前記信号が受信される時、前記コントローラは、前記ランプ装置を停止するように構成され得る。前記撮像装置は、表示画面を検出するように構成され得る。表示画面が検出される時、前記撮像装置は、前記コントローラに信号を送信するように構成され得る。また、前記撮像装置から前記信号が受信される時、前記コントローラは、前記ランプ装置を停止するように構成され得る。ウェアラブル医療機器は、更に、前記フレームに結合され、当該ウェアラブル医療機器がユーザの頭部に着用される時にユーザの眼に近接して位置するように構成される、少なくとも1つのレンズを備え得る。ウェアラブル医療機器は、更に、前記レンズ上に配置された少なくとも1つの画像センサを備え得る。前記少なくとも1つの画像センサは、前記ユーザの眼の画像データを取り込むように構成され得る。前記少なくとも1つの画像センサは、入力を前記コントローラに送信するように構成され得る。前記コントローラは、前記少なくとも1つの画像センサから受信した入力に基づいて、前記ランプ装置から放射される光を、前記ユーザの焦点の方向と実質的に一致する方向に指し向けるように構成され得る。前記少なくとも1つのランプ装置は、受信した入力に応答して前記光源からの光を方向転換することができる移動可能な光学系を含み得る。前記コントローラは、前記撮像装置によって取り込まれた画像からの画像データを処理する、影及び光度を識別する、並びに、前記影及び光度に基づいて前記少なくとも1つのランプ装置の強度を調整する、ように構成され得る。ウェアラブル医療機器は、更に、前記フレーム上に配置され、当該ウェアラブル医療機器に近接した音を録音して前記コントローラ及びオーディオストレージのうちの1つにオーディオ情報を送信するように構成されたマイクを備え得る。
【0005】
別の態様によれば、外科手術室照明システムは、ライトアセンブリであって、調整可能な強度を有する1または複数の光源と、当該ライトアセンブリを複数の位置の間で移動させるように動作可能な1または複数の位置決め装置と、を有するライトアセンブリと、ウェアラブル医療機器であって、フレームと、前記フレームに固定され、前記フレームをユーザの頭部の所定位置に保持するよう構成された支持部材と、少なくとも1つのセンサと、前記少なくとも1つのセンサ及び前記ライトアセンブリと通信するコントローラと、を有するウェアラブル医療機器と、を備え得る。前記コントローラは、前記少なくとも1つのセンサから受信した入力に基づいて、前記ライトアセンブリを移動させるように構成され得る。前記コントローラは、前記ライトアセンブリの前記1または複数の光源をして、前記ライトアセンブリが放射する前記光の強度を変化させることが可能であり得る。前記ウェアラブル医療機器は、前記コントローラと通信して赤外線パターンを検出するように構成された赤外線センサを更に有し得る。前記ライトアセンブリは、赤外線パターンを放射するように構成され得て、前記コントローラは、前記ウェアラブル医療機器からの前記検出された赤外線パターンを使用して、前記ライトアセンブリの相対位置を決定するように構成され得る。前記少なくとも1つのセンサは、ユーザがどこを見ているかを決定するように構成され得て、前記コントローラは、前記ライトアセンブリを位置決めして、前記ユーザが見ている場所に光を提供するように構成され得る。外科手術室照明システムは、更に、前記コントローラと通信し、画像データを取り込むように構成された撮像装置を備え得て、前記コントローラは、前記撮像装置によって取り込まれた画像からの画像データを処理する、影及び光度を識別する、並びに、前記影及び光度に基づいて前記1または複数の位置決め装置をして前記ライトアセンブリを移動させる、ように構成され得る。
【0006】
本開示の別の態様によれば、ウェアラブル医療機器は、フレームと、フレームに連結されたレンズと、を含む。当該レンズは、ユーザの眼に近接して位置付けられるように構成される。少なくとも1つのランプ装置が、前記フレームに結合される。当該少なくとも1つのランプ装置は、前記フレームから外向きに光を放射する。コントローラが、少なくとも1つのランプ装置を起動及び制御する。
【0007】
本開示の別の態様によれば、外科手術室の照明アセンブリが、ライトアセンブリと、ライトアセンブリに結合された位置決め装置と、を含む。前記ライトアセンブリは、前記位置決め装置を介して複数の位置の間で動作可能である。ウェアラブル医療機器が、フレームと、当該フレームに結合されたレンズと、当該レンズに結合されユーザの眼球運動を感知するように構成された画像センサと、を含む。コントローラが、前記画像センサによって感知された眼球運動に応答して、位置決め装置及びライトアセンブリの少なくとも1つを制御する。
【0008】
本発明の、これら及び他の特徴、利点、及び目的は、以下の明細書、特許請求の範囲、及び添付図面を参照して、当業者によって更に理解及び認識されることになる。
【0009】
図面において、
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、一実施形態による、ウェアラブル医療機器を有する外科手術室の概略図である。
【0011】
図2図2は、一実施形態による、ウェアラブル医療機器の正面斜視図である。
【0012】
図3図3は、図2のウェアラブル医療機器の側面斜視図である。
【0013】
図4図4は、一実施形態による、光放射を有するウェアラブル医療機器の概略図である。
【0014】
図5図5は、一実施形態による、ウェアラブル医療機器を含む外科手術室の照明アセンブリのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1乃至図5を参照すると、参照符号10は、全体として、フレーム14を含むウェアラブル医療機器を示している。レンズ18が、フレーム14に結合され得る。レンズ18は、ユーザ26の眼22に近接して位置決めされるように構成され得る。ランプ装置30が、フレーム14に結合され得る。ランプ装置30は、フレーム14から外向きに光34を放射するように構成され得る。コントローラ38が、ランプ装置30を起動及び制御する。
【0016】
図1を参照すると、ユーザ26(例えば、外科医、医師、または他の医療提供者)が外科手術室54内でウェアラブル医療機器10を着用したところが図示されている。外科手術室54内の外科医と共に図示されているが、ウェアラブル医療機器10は、他の医療専門家や他のユーザ26によって、医療環境及び/または他の環境で、使用及び/または着用され得る。外科手術室54は、1または複数の光源62を含むライトアセンブリ58を含み得る。ライトアセンブリ58は、テーブル66の上方に配置され得る。テーブル66は、術野70を少なくとも部分的に画定し得る。本開示の目的では、術野70は、手術野であり得る。これは、外科手術が実行される隔離された領域であり得る。外科手術室54内には、様々な処置で使用され得る1または複数の器具または機器74が存在し得る。
【0017】
ライトアセンブリ58は、1または複数の位置決め装置78を含み得る。位置決め装置78は、ライトアセンブリ58を複数の位置の間で動かすように動作する。位置決め装置78は、ライトアセンブリ58を外科手術室54の異なる領域に並進移動させうる。更に、位置決め装置78は、光源62から放射される光34を、選択された方向に、または選択された領域に、方向付けるように、ライトアセンブリ58を回転及び/または角度付けし得る。位置決め装置78は、ライトアセンブリ58の再位置決めをするモーター82によって駆動され得る。モーター82は、例えば、サーボモーターまたはステッパーモーターであり得る。更に、ライトアセンブリ58は、位置決め装置78の異なる動きのために二つ以上のモーター82を含み得る。
【0018】
図1及び図2を参照すると、図示するように、ウェアラブル医療機器10は、当該ウェアラブル医療機器に固定され当該ウェアラブル医療機器10がユーザの頭部に一時的に固定されることを可能にするように構成された支持部材を更に備え得る。当該支持部材は、例えば、アーム86または可撓性の単一もしくは複数のストラップを含み得る。一部の実施形態では、ウェアラブル医療機器10のフレーム14及びレンズ18は、メガネまたはアイウェアと類似するように形成され得る。したがって、フレーム14は、ユーザ26がメガネと類似した様式で当該ウェアラブル医療機器10を着用することを可能にする、二つのアーム86を含み得る。追加的または代替的に、少なくとも1つの可撓性ストラップが、フレームの側面に固定され得て、ユーザの頭部の周りに延在し、それによってフレームをユーザの頭部の所定位置に保持するよう構成され得る。フレーム14の中心部分90は、当該フレーム14をユーザ26の鼻にあてるためのくぼみ94を画定し得る。図2に図示するように、ウェアラブル医療機器10は、フレーム14の中心部分90によって分離された二つのレンズ18を含む。別の方法として、ウェアラブル医療機器10は、フレーム14の対向する側方部分98の間に延在する単一のレンズ18を含み得る。また、ウェアラブル医療機器10は、本明細書の教示から逸脱することなく、ヘッドランプまたは他のウェアラブル機器として構成され得ることも意図されている。一部の実施形態では、ウェアラブル医療機器10は、1または複数のレンズに加えて、またはその代わりに、フレームに固定されたフェイスシールド(図示せず)を備え得る。
【0019】
ウェアラブル医療機器10は、フレーム14の中心部分90上に配置された撮像装置96を含み得る。撮像装置96は、カメラまたは他の視覚ベースの装置であり得る。撮像装置96は、電荷結合素子(CCD)撮像装置または相補形金属酸化膜半導体(CMOS)撮像装置などの、エリア型撮像装置であり得る。様々な実施例によれば、撮像装置96は、患者、テーブル66、または外科手術室54の他の特徴、によって反射される光をコリメート及び/または収束するための1または複数のレンズを含み得る。別の言い方をすれば、外科手術室54のライトアセンブリ58からの放射光34を利用するべく、撮像装置96のレンズは偏光され得る。撮像装置96は、フレーム14から外側に延在する視野46を有する。様々な実施例では、視野46は、ユーザ26がウェアラブル医療機器10を着用している時に、ユーザ26から前方に延びる。
【0020】
なおも図1及び図2を参照すると、撮像装置96は、視野46内の画像を取り込んで記録するように構成され得て、記録された画像は、画像ストレージ102に出力され得る(図5)。記録された画像は、静止画像及び/または映像であり得る。視野46内の画像を記録することは、他の医療専門家及び/または学生に教えるために、後で当該記録を閲覧するのに有利でありうる。様々な態様によれば、撮像装置96は、ユーザ26の眼22と実質的に整列して配置され、視野46が、ユーザ26の視界106と実質的に重複することを可能にする。したがって、取り込み画像は、ユーザ26の視界106内で発生する作業及び事象を反映し得る。これは、外科手術室54内の環境内での外科医の視点を反映する画像を取り込むのに有利でありうる。撮像装置96は、1または複数の無線プロトコル(例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(802.11a、b、g、nなど))、Zigbee(登録商標)、Z-Wave(登録商標)など)を介して、画像ストレージ102に動作可能に結合され得る。
【0021】
撮像装置96によって取り込まれる画像は、コントローラ38によって処理され得る。コントローラ38は、ウェアラブル医療機器10に直接連結され得て、及び/または、ウェアラブル医療機器10内に組み込まれ得て、あるいは、取り込み画像を処理するための別個のコントローラ38であり得る、ということが企図される。様々な実施例では、取り込み画像は、画像自体及び/または画像の照明に関連する安定化データのために処理される。安定化データは、ウェアラブル医療機器10を着用している間、ユーザ26の動きを反映するデータを指す。例えば、ウェアラブル医療機器10は、ユーザ26が頭部を動かす時に動き、撮像装置96の視野46の変化をもたらす。様々な態様では、ランプ装置30は、ユーザコマンドに基づき、選択された方向に光34を放射する。ユーザ26がウェアラブル医療機器10を着用している間にユーザ26の頭部が動く時、放射光34は、患者に対する新しい頭部位置に基づき、選択された方向や選択された領域に放射されない場合がある。放射光34の方向のこの変化は、撮像装置96によって取り込まれ、コントローラ38は、放射光34の方向がユーザ26の新しい頭部位置に基づいて調整され得るか否か、及び/または、どのように調整され得るか、を決定する。
【0022】
様々な態様によれば、撮像装置96はまた、視野46及び/または外科手術室54内の照明の強度(例えば、輝度)をマッピングし得る。言い換えれば、撮像装置96は、周囲の環境(例えば、外科手術室54)の照明の強度を検出して、対応する信号をコントローラ38に送信し得る。次に、コントローラ38は、撮像装置96からの信号に応答して、ランプ装置30及び/またはライトアセンブリ58からの放射光34の強度を調整し得る。例えば、外科手術室54の光34の強度がコントローラ38によって決定される所定の強度を下回ることが撮像装置96によって検出された場合、コントローラ38は、外科手術室54の輝度が所定の強度レベルに達するまで、ランプ装置30、ライトアセンブリ58、及び/またはそれらの組み合わせから放射される光の強度を増大させうる。あるいは、外科手術室54の光34の強度が所定の閾値を上回る場合、コントローラ38は、ランプ装置30、ライトアセンブリ58、及び/またはそれらの組み合わせから放射される光34の強度を低下させうる。照明の強度をマッピングすることは、外科手術室54内での様々な外科手術及び他の医療処置の実施に適した輝度レベルを提供するのに有利でありうる。このように、外科手術室54の照明が、適切な空洞照明(例えば、外科的処置によって形成される空洞内の照明)を提供するには明るすぎるかまたは暗すぎる場合、照明はそれに応じて調整され得る。
【0023】
なおも図1及び図2を参照すると、様々な態様によれば、撮像装置96は顔認識機能を含み得る。顔認識機能は、撮像装置96によって取り込まれた画像が人物の顔を含むか否かを判定するために、選択された顔面特徴を検出または識別するための1または複数のアルゴリズムを含み得る。別の言い方をすると、撮像装置96は、人物の顔が撮像装置96の視野46内にあるか否かを検出して、対応する信号をコントローラ38に送信し得る。あるいは、取り込み画像がコントローラ38によって処理されて、人物の顔が画像内、したがって視野46内、にあるか否かを決定し得る。コントローラ38は、視野46で検出された人物の顔に応答して、ランプ装置30を制御し得る。別の言い方をすると、撮像装置96が人物の顔を含む画像を取り込む場合、撮像装置96は、コントローラ38に信号を送信し、コントローラ38は、ランプ装置30を停止してランプ装置30が人物の顔に光34を放射しないようにし得る。
【0024】
同様に、撮像装置96はまた、表示画面110を検出するように構成され得る。このように、撮像装置96は、表示画面110から放射される光を検出し得る。コントローラ38は、撮像装置96が表示画面110の画像を取り込んだ時に、ランプ装置30を停止させ得る。これは、ウェアラブル医療機器10のユーザ26が、ランプ装置30から放射される光34による干渉なく、表示画面110上の情報を見ることができるために、有利でありうる。
【0025】
更に、撮像装置96は、機器74の位置及び使用を追跡するように構成され得る、ということも企図される。例えば、機器74は、撮像装置96によって検出することができる(例えば、赤外線反射性及び/または蛍光性)、塗料、インジケータ及び/またはマーカー114を含み得る。追加的または代替的に、機器74は、タイプ(例えば、消耗性ツールvs非消耗性ツールなど)に基づいて、及び/または、それらを操作しているユーザによって、コード化され得る。様々な態様によれば、機器74は、無線周波数識別追跡装置を含んでもよく、これは、存在検出、位置ベースの三角測量、または他の方法のために、コントローラ38によって識別され得る。したがって、機器74は、撮像装置96の視野46に入ると、追跡され得る。
【0026】
様々な態様では、ウェアラブル医療機器10は、撮像装置96に近接してフレーム14上に配置されたマイク118を含む。当該マイク118は、ユーザコマンド、視野46内で検出された特定の物体、または他の要因によって、選択的に起動及び停止され得る。マイク118は、ウェアラブル医療機器10に近接した音を録音し、オーディオ情報をコントローラ38及び/またはオーディオストレージに送信し得る。このように、外科手術または他の医療処置を取り囲む音データは、録音され、後で検討及び/または再生され得て、これは、医療専門家及び/または学生への教示に有利であり得る。
【0027】
なおも図1及び図2を参照すると、ウェアラブル医療機器10は、レンズ18上に配置された画像センサ120を含み得る。様々な態様によれば、画像センサ120は、カメラまたは他の視覚ベースの装置であり得る。画像センサ120は、電荷結合素子(CCD)または相補形金属酸化膜半導体(CMOS)センサなどの、エリア型画像センサ120であり得る。様々な実施例によれば、画像センサ120は、患者、テーブル66、または外科手術室54の他の特徴、によって反射される光をコリメート及び/または収束(集光)するための1または複数のレンズを含み得る。言い換えれば、画像センサ120のレンズは偏光され得て、外科手術室54のライトアセンブリ58からの放射光34を利用することができる。画像センサ120は、撮像装置96と同じエリア型センサであり得て、または、異なる機能の効率及び/または精度を最大化するために、異なるタイプのセンサであり得る。図示したように、ウェアラブル医療機器10は、ユーザ26がウェアラブル医療機器10を着用している時に、ユーザ26の左眼に近接する1つの画像センサ120と、ユーザ26の右眼に近接する1つの画像センサ120と、を含む。もっとも、ウェアラブル医療機器10は、本明細書の教示から逸脱することなく、任意の数の画像センサ120を含み得る。画像センサ120は、それぞれ、フレーム14から外側に延在する視野46を有する。画像センサ120は、例えば視野46内のユーザ26の眼球運動などの、眼の画像データを取り込むように構成される。様々な態様によれば、撮像装置96の視野46は、ユーザがウェアラブル医療機器10を着用している時に、ユーザ26から離れて前方に延在し、画像センサ120の視野46は、撮像装置96の視野46とは反対方向にユーザ26に向かって延在し、眼の画像データを取り込む。当該取り込み画像は、撮像装置96と同様に、コントローラ38及び/または画像ストレージ102(図5)に送信され得る。
【0028】
追加的または代替的に、ウェアラブル医療機器10は、画像センサ120に近接してレンズ18上に配置された赤外線(IR)センサ122を含み得る。図2に示すウェアラブル医療機器10は、ユーザ26の左右の眼22のそれぞれに近接する1つのIRセンサ122を含む。もっとも、IRセンサ122の数は、本明細書の教示から逸脱することなく、異なり得る。IRセンサ122は、画像センサ120と連動して、及び/または独立して、動作し得る。更に、IRセンサ122は、ユーザ26の眼球運動も検出し得る。様々な実施例では、ウェアラブル医療機器10は、虹彩認証機能を含み、これは、IRセンサ122及び/または画像センサ120が少なくとも部分的に担い得る。当該虹彩認証機能は、ユーザ26の識別のために眼22を照射するべく、ユーザ26の眼22の虹彩のIR照明を利用し得る。こうした照明は、近赤外(NIR)領域で高光透過率が可能な状況において最適化され得る。画像センサ120は、可視光スペクトルの少なくとも1つの光源62と通信し得て、または、NIR範囲(例えば、約700nm~約940nm)の光の放射34を出力するように構成された少なくとも1つの赤外線エミッタに対応し得る。画像センサ120は、光源62に対応する赤外線エミッタを選択的に起動して虹彩を照射するように構成され得て、その結果、ウェアラブル医療機器10のユーザ26のアイデンティティが決定され得る。別の言い方をすれば、画像センサ120が虹彩認証のために画像を取り込み得るように、ユーザ26の眼22が照射され得る。ユーザ26が決定されると、コントローラ38は、選択されたユーザ26に対する所定の及び/または保存された個人設定に基づいて、ウェアラブル医療機器10の様々な構成要素の使用を承認し得る。
【0029】
なおも図1及び図2を参照すると、画像センサ120は、ユーザ26の眼球運動を追跡するように構成され得る。このように、画像センサ120は、ユーザ26の頭部に対して、ユーザ26の焦点の方向(例えば、眼の方向)を感知または検出し得る。ユーザ26の焦点の方向は、コントローラ38に通信され得て、ユーザ26の焦点の方向と実質的に一致する方向にランプ装置30からの放射光34を向けるための情報がコントローラ38に提供される。ユーザ26の焦点の方向はまた、アイリプスを測定することによって決定され得る。アイリプスは、多次元正規密度分布としてユーザ26の眼位の分布の近似を表すグラフィック装置である。アイリプスは、楕円領域を分離する一連の線をもたらし、これは、眼位の約90%を占有し得る。したがって、ユーザ26の眼位を追跡するために、アイリプスを利用し得る。
【0030】
様々な実施例では、画像センサ120は、検出された眼球運動に基づいて、基本的なコマンドを識別する。様々な眼球運動は、対応する機能を実行し得るように、コントローラ38に送られる命令またはコマンド信号に対応し得る。追加的に、コントローラ38は、画像を処理してユーザコマンドを識別するための1または複数のアルゴリズムを含み得る。例えば、所定の時間についての特定の眼球運動(例えば、左を見る、右を見る、など)は、あるコマンドを指示し得る。命令信号は、ランプ装置30及び/またはライトアセンブリ58からの放射光34の位置決め及び/または強度に関連し得る。追加的または代替的に、眼球運動は、撮像装置96、画像センサ120、マイク118、またはウェアラブル医療機器10の他の特徴、の異なる機能の命令に対応し得る。
【0031】
更に図2を参照すると、画像センサ120はまた、ユーザ26の瞳孔サイズを感知し得る。瞳孔サイズに関する情報は、コントローラ38に通信され得る。コントローラ38は、瞳孔サイズが、ユーザ26の瞳孔サイズのベースラインパラメータよりも大きいか、または小さいか、を判定し得る。当該ベースラインは、ユーザ26が画像センサ120を初めて起動するときに決定され得る。あるいは、ベースラインの瞳孔サイズは、コントローラ38のメモリ126(図5)に格納され得て、ユーザ26の虹彩認証後に識別されて呼び出され得る。瞳孔サイズは、外科手術室54の照明が明るすぎるか暗すぎるかを示し得て、コントローラ38は、それに応答して、ランプ装置30及び/またはライトアセンブリ58の放射光34を調整し得る。
【0032】
更に、画像センサ120は、ユーザ26の眼22の画像を取り込むことができ、コントローラ38は、疲労指標用に画像を処理するための1または複数のアルゴリズムを含み得る。疲労指標は、取り込まれた眼の画像データをベースライン情報と比較することを含み得る。例えば、ベースライン情報は、ユーザ26の眼22が開いている平均率を含み得る。画像センサ120は、眼22が開いていることを定期的に感知し得て、コントローラ38は、感知された情報をベースライン情報と比較し得る。コントローラ38はまた、ある期間または時間範囲にわたり、眼の開きの減少率の傾向を決定し得る。追加的または代替的に、画像センサ120は、ユーザ26がまばたきをした時を感知し、対応する信号をコントローラ38に送信し得る。コントローラ38は、ユーザ26のまばたきの回数がある時間にわたって増加または減少したかを判定し得る。様々な態様によれば、画像センサ120によって感知される瞳孔位置はまた、疲労指標であり得る。コントローラ38は、ある期間にわたって感知された瞳孔位置に基づいて、ユーザ26が意識的に焦点を合わせている、及び/または考えているか、を判定し得る。
【0033】
撮像装置96、マイク118、画像センサ120、ランプ装置30の光源62、及び、IRセンサ122の各々は、コントローラ38と通信するプリント回路基板などの1または複数の回路130上に配置され得る。1または複数の回路130は、剛性または可撓性の回路であり得る。更に、撮像装置96、マイク118、画像センサ120、ランプ装置30の光源62、及び、IRセンサ122の各々は、別個の回路130上に配置され得て、または、これらの構成要素の幾つかが、単一の回路130上に配置され得る。さらに、ウェアラブル医療機器10は、電源134を含み得る。電源134は、ウェアラブル医療機器10に一体的に組み込まれ得て、または代替的に外部に存在し得る。電源134はまた、充電可能であり得て、使用中に充電されるように構成され得る。
【0034】
ここで図2及び図3を参照すると、ウェアラブル医療機器10は、本明細書の教示から逸脱することなく、1または複数のランプ装置30を含み得る。例えば、ウェアラブル医療機器10は、二つのランプ装置30を有する。二つのランプ装置30は、フレーム14の対向する側方部分98に連結され得る。追加的または代替的に、ウェアラブル医療機器10は、撮像装置96に近接してフレーム14の中心部分90上に配置されたランプ装置30を含み得る。フレーム14の対向する側方部分98の各々に連結された少なくとも1つのランプ装置30を有する実施例では、ランプ装置30から放射される光34は、術野70の影を減少させるために、対向するランプ装置30に向かって角度が付けられ得る。光34の単一の放射が、ある角度で指定された領域に向けられる場合、当該光34は影を生じさせ得る。複数のランプ装置30からの角度の付いた光34の放射は、術野70における影を低減及び/または最小化するのに有利でありうる。
【0035】
様々な態様によれば、ランプ装置30は、移動可能な光学系138を含む。当該移動可能な光学系138は、1または複数のモーター82または当該技術分野で公知の他の任意の類似装置を介して、移動可能であり得る。更に、移動可能な光学系138は、画像センサ120及び/またはコントローラ38によって検出される眼球運動を介してユーザ26によって与えられるコマンドに応答して、移動され得る。移動可能な光学系138は、放射光34を選択された領域に向けて方向転換し得る。追加的または代替的に、光34の方向転換は、本明細書で前述したように、コントローラ38によって処理された安定化データに応答して発生し得る。ユーザ26がユーザの頭部を動かす時、移動可能な光学系138は、ランプ装置30の少なくとも1つの放射光34を方向転換し得る。方向転換された光34は、ユーザ26の頭部の動き及び/または検出された眼球運動に基づいて、選択された領域に移動され得る。移動可能な光学系138はまた、放射光34によって生成される光スポット142(図4)のサイズを調整し得る。光スポット142のサイズは、外科手術室54内で検出された状態、空洞照明、及び/または、ユーザコマンド、に応答して、増減し得る。
【0036】
様々な態様によれば、ランプ装置30は、コントローラ38によって決定されるように、画像センサ120及び/または撮像装置96が不十分な空洞照明を検出する時に起動され得る。したがって、コントローラ38、撮像装置96、及び/または、画像センサ120は、空洞照明を検出して当該空洞照明を所定レベルの空洞照明と比較するための1または複数のアルゴリズムを含み得る。追加的または代替的に、所定レベルの空洞照明は、ユーザ26の瞳孔サイズ、空洞内での検出される影、及び/または、他の様相、に基づき得る。さらに、空洞内に適切な照明がある場合、ランプ装置30は、停止状態またはその時点での設定を維持し得る。追加的にまたは代替的に、空洞照明が明るすぎる場合、ランプ装置30は停止され得て、または、放射光34の強度が低減され得る。前述したように、撮像装置96は画像を取り込むことができ、コントローラ38は人物の顔及び/または表示画面110が取り込み画像内にあるか否かを検出し得る。また、この情報は、ランプ装置30の起動及び停止にも影響する。撮像装置96の取り込み画像内に人物の顔または表示画面110のうちの少なくとも1つが検出された場合、ランプ装置30は停止され得る。ランプ装置30の選択的な起動は、ウェアラブル医療機器10を着用したユーザ26の頭部に保持される重量、サイズ、及び/または熱、を低減し得る。
【0037】
なおも図2及び図3を参照すると、ランプ装置30は各々、1または複数の光源62を含み得る。少なくとも1つの光源62が、白色光を放射するように構成され得る。追加的または代替的に、少なくとも1つの光源62が、色光(例えば、約390nm~約700nm)を放射するように構成され得る。更に、少なくとも1つの光源62が、赤外線(例えば、約700nm~約1mm)及び/またはNIR光(例えば、約700nm~約940nm)を放射するように構成され得る。1または複数の光源62の各々は、ランプ装置30の他の光源62と連動して、及び/または独立して、利用され得る。ウェアラブル医療機器10は、同じ波長の光34を放射してもしなく得る、1または複数の光源62を含み得る。様々な態様によれば、ランプ装置30は、少なくとも1つのフィルタを含み得る。当該フィルタは、放射光34の色を変える色フィルタであり得る。当該フィルタはまた、偏光フィルタであり得る。当該フィルタは、ランプ装置30内に組み込まれ得て、または、取り外し可能かつ/または交換可能であり得る、ということが企図される。
【0038】
様々な実施例では、ランプ装置30は、ウェアラブル医療機器10が当該ランプ装置30と共にまたは当該ランプ装置30なしで使用され得るように、フレーム14から取り外し可能であり得て、または起動停止され得る。こうした実施例では、ランプ装置30及びフレーム14は、ランプ装置30をフレーム14に磁気的に結合するための磁石を含み得る。あるいは、ランプ装置30は、フレーム14に、クリップ留め、スナップ留め、ファスナー留め、またはそれ以外の方法で取り外し可能に結合、され得る。ランプ装置30はまた、ホットスワップ可能であり得る。ホットスワップとは、システム全体を停止または無効化することなく、コンポーネントを交換または追加することを指す。したがって、ウェアラブル医療機器10が使用されている間、ユーザ26は、ユーザの好みまたは実行される作業に基づいて、ランプ装置30の取り外し、取り付け、及び/または交換、をなし得る。これは、術野70の照明、ならびにウェアラブル医療機器10の重さ、に柔軟性を提供し得る。更に、これは、異なる光源62(例えば、異なる波長の光を放射するように構成される)及び/またはフィルタを有するランプ装置30を使用する柔軟性を提供し得る。
【0039】
ランプ装置30の光源62及びライトアセンブリ58は、任意の形態の光源62を含み得る。例えば、蛍光照明、発光ダイオード(LED)、有機LED(OLED)、高分子LED(PLED)、レーザーダイオード、量子ドットLED(QD-LED)、ソリッドステート照明、これらもしくは任意の他の類似の装置の混成、及び/または、任意の他の照明形態が、ウェアラブル医療機器10内で利用され得る。更に、限定されないが、上部発光LED、側部発光LED、及びその他を含めて、様々なタイプのLEDが、光源62としての使用に適している。さらに、様々な実施例によれば、赤色、緑色、青色のLEDパッケージを用いた赤色、緑色、青色(RGB)のLEDなど、多色の光源62が、既知の光色混合技術に従って、単一光源62から望ましい様々な光出力の色を生成するために使用され得る。
【0040】
図4を参照すると、ランプ装置30は、ユーザ26がウェアラブル医療機器10を着用している時に、ユーザ26の眼22と実質的に整列して配置される。ランプ装置30の位置決めは、ユーザ26の視界106と実質的に整列する光34の放射を提供し得る。例えば、ユーザ26のアイリプスは、約10°の角度を有する視界106を生成し得る。ランプ装置30は、約20°の角度を有する光34の放射を含み得る。光34の放射及び視界106は、ある程度の重複を有し得る。具体的な実施例では、光34の放射及び視界106は、約5°の重複を有し得る。もっとも、光34の放射及び視界106は、本明細書の教示から逸脱することなく、任意の程度の重複を有し得ることが企図される。
【0041】
図5を参照すると、コントローラ38は、ウェアラブル医療機器10の様々な構成要素と動作可能に連結され得る。コントローラ38は、ウェアラブル医療機器10に統合され得て、またはウェアラブル医療機器10から分離可能であり得る。図示した図5の構成では、コントローラ38は、プロセッサ154、メモリ126、及び他の制御回路、を含み得る。コマンドまたはルーチン158は、メモリ126内に格納され、プロセッサ154によって実行可能である。
【0042】
図1及び図5を参照すると、様々な態様によれば、メモリ126は、画像分析ルーチンを含む。コントローラ38は、撮像装置96及び/または画像センサ120から受信した画像データを処理するように構成された、1または複数のプロセッサまたは回路に対応し得る。この構成では、画像データは、撮像装置96及び/または画像センサ120からコントローラ38に通信され得る。コントローラ38は、ウェアラブル医療機器10のユーザ26のアイデンティティ、ユーザ26の眼球運動、疲労指標、及び視野46内の特定の物体、を決定するように構成された、1または複数のアルゴリズムを用いて画像データを処理し得る。更に、コントローラ38は、外科手術室54内の放射光34の強度及び/または方向を決定するように構成された、1または複数のアルゴリズムを用いて画像データを処理し得る。画像分析ルーチンはまた、術野70内の影及び光度を識別するように構成され得る。追加的または代替的に、メモリ126は、ランプ装置30及びライトアセンブリ58を制御するための光制御ルーチンを含み得る。光制御ルーチンは、ランプ装置30及び/またはライトアセンブリ58の1または複数の光源62の強度を自動調整し得る。画像分析ルーチンが撮像装置96からのデータを処理すると、光制御ルーチンは、ライトアセンブリ58及び/またはランプ装置30がどのように動作されるかを制御し得る。例えば、光制御ルーチンは、ライトアセンブリ58及びランプ装置30を移動し、操縦し、起動し、または他の方法で影響を及ぼし、ユーザ26が見ているかまたは作業している場所(例えば、撮像装置96及び画像センサ120から検出される場所)に光34を放射するように構成され得る。こうした実施例では、ライトアセンブリ58は、当該ライトアセンブリ58内の光源62の位置及び/または投射方向を調整するための、1または複数の位置決め装置78(例えば、モーター82、アクチュエータなど)を含み得る。ランプ装置30は、ランプ装置30の光源62の投射方向及び光スポット142のサイズを調節するための移動可能な光学系138を有し得る。光制御ルーチンは、光源62からの放射光34を選択的に起動及び/または操縦して、外科手術室54の照明の影または変動に基づいて、光の放射34の配向、位置、及び/または基点の位置、を調整し得る。このようにして、ウェアラブル医療機器10は、外科手術室54のさまざまな部分の検出及び選択的な照明を提供しうる。
【0043】
様々な実施例では、画像分析ルーチンはまた、画像内の複数のマーカー114の位置を識別するように構成され得る。マーカー114は、画像の関心点を指定する、記号、コンピュータ可読コード、及び/または、パターン、であり得る。例えば、複数のマーカー114は、画像分析ルーチンが術野70の周囲を決定し得るように、術野70の周りに位置決めされ得る。更に、1または複数のマーカー114が、機器74、ユーザ26、外科手術室54内の関心点、及び/または患者、上に位置決めさられ得る。
【0044】
様々な態様では、メモリ126はまた、アイトラッキングルーチンを含み得る。このような態様では、画像センサ120からの眼の画像データは、コントローラ38に通信され、コントローラ38はユーザ26の眼球運動を決定する。次に、コントローラ38は、当該眼球運動に関連付けられたそれぞれのコマンドに関連する対応する信号を送信し得る。メモリ126は、疲労指標に関連するルーチン158を更に含み得る。疲労指標ルーチンは、画像センサ120から検出された眼の画像データをベースラインデータと比較し得る。メモリ126はまた、虹彩識別ルーチンを含んでもよく、虹彩識別のための保存された設定及びベースラインデータを含み得る。このような態様では、画像センサ120及び/またはIRセンサ122は、眼の画像データをコントローラ38に通信し、コントローラ38は、ユーザ26の虹彩を識別し得る。次に、コントローラ38は、検出された眼の画像データを、選択されたユーザプロファイルの情報のデータベースに保存された画像データと比較し得る。
【0045】
なおも図1及び図5を参照すると、ウェアラブル医療機器10は、外科手術室54内のライトアセンブリ58に動作可能に連結され得る。様々な態様によれば、ウェアラブル医療機器10は、1または複数の無線プロトコル(例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(802.11a、b、g、nなど)、Zigbee(登録商標)、Z-Wave(登録商標)など)を介してライトアセンブリ58に連結され得る。ウェアラブル医療機器10は、ランプ装置30及び/または別個の光源62からインジケータライト150を放射し得る。インジケータライト150は、ヒトの眼に見えても見えなく得る。様々な態様では、インジケータライト150は、白色光、可視光、NIR放射、及び/またはIR放射、を含み得る。インジケータライト150は、光源62からパルス発生され得て、またはそれ以外の方法でライトアセンブリ58によって識別され得る。したがって、ライトアセンブリ58は、インジケータライト150を感知するためのセンサ162を含む。インジケータライト150は、ライトアセンブリ58が、ウェアラブル医療機器10及び従ってユーザ26が位置付けられる場所を感知すること、を可能にする。ウェアラブル医療機器10及び外科手術室54は、ライトアセンブリ58によって感知されるように構成されたマーカー114を含み得る。様々な実施例では、テーブル66及び機器74が、マーカー114を含み得る。マーカー114は、ヒトの眼に見え得て、または、IRマーカー114であり得る。マーカー114は、ライトアセンブリ58のセンサ162が、外科手術室54内の他のマーカー114との関連でユーザ26の存在を感知すること、を可能にし得る。
【0046】
追加的または代替的に、ライトアセンブリ58は、IRマーカー114を含んでもよく、及び/または、IRパルスまたはパターンを放射するように構成され得る。撮像装置96は、ライトアセンブリ58から、IRマーカー114、パルス、及び/または、パターン、を検出するように構成され得る。情報は、コントローラ38に通信され得て、これで更に、ライトアセンブリ58の相対位置及び放射光34の照準が決定され得る。これは、ライトアセンブリ58の再配置、及び/または、ライトアセンブリ58から放射される光34の強度の調整、に有利でありうる。
【0047】
画像センサ120は、ライトアセンブリ58の位置決めに関連するコマンドに対応する眼球運動を感知し得る。当該コマンドによって、ライトアセンブリ58が再配置される、及び/または、放射光34の強度が調整される、ことになりうる。コントローラ38は、ライトアセンブリ58の位置及び/または角度を調整するために、ライトアセンブリ58の位置決め装置78、及び/または、ライトアセンブリ制御166に、信号を送信し得る。更に、コントローラ38は、ライトアセンブリ制御166に信号を送信して、ライトアセンブリ58から放射される光34の強度を調整し得る。ウェアラブル医療機器10を介したライトアセンブリ58の制御によって、外科手術室54の光設定を調整する際のユーザ26の効率向上がもたらされる。したがって、光34の設定は、ユーザ26が医療上の治療または処置を停止または一時停止することなく、調整され得る。更に、ウェアラブル医療機器10は、より少ない光34で、より効果的に照明された空洞を術野70に提供することができ、これによって、ユーザ26の瞳孔収斂を減少させうる。
【0048】
更に図1及び図5を参照すると、ウェアラブル医療機器10は、紫外線-C(UVC)または他の消毒が必要となりうる汚染領域170の識別を提供する。画像センサ120は、ユーザ26の眼球運動を追跡し得て、これが、消毒されるべき位置及び/または経路を示し得る。こうした態様では、ウェアラブル医療機器10は、消毒モードを含み得る。コントローラ38は、当該消毒モードに関連する1または複数のアルゴリズムを含み得る。当該消毒モードでは、ユーザ26の眼球運動は、消毒を必要とする汚染領域170に相関し、その他のいかなるユーザコマンドにも対応しなく得る。汚染領域170は、ほこり、生物学的材料、及び/または体液(例えば、粘液、血液、唾液、尿など)が外科手術室54内に堆積され得る領域に相当し得る。こうした材料は、外科手術室54における1または複数の処置、または患者または人員によって放出された異物、の結果として堆積し得る。
【0049】
本開示の1つの態様によれば、ウェアラブル医療機器は、フレームと、当該フレームに連結されたレンズと、を含む。当該レンズは、ユーザの眼に近接して位置付けられるように構成される。少なくとも1つのランプ装置が、フレームに結合される。当該少なくとも1つのランプ装置は、フレームから外向きに光を放射する。コントローラが、当該少なくとも1つのランプ装置を起動及び制御する。
【0050】
別の態様によれば、画像センサが、レンズ上に配置され、眼の画像データを取り込む(捕捉する)ように構成される。
【0051】
更に別の態様によれば、画像センサは虹彩認証機能を含む。
【0052】
更に別の態様によれば、コントローラは、画像センサによって取り込まれた眼の画像データに応答して、少なくとも1つのランプ装置を制御する。
【0053】
別の態様によれば、少なくとも1つのランプ装置が、第1のランプ装置及び第2のランプ装置を含み、当該第1及び第2のランプ装置は、フレームの対向する側方部分に連結される。
【0054】
更に別の態様によれば、少なくとも1つのランプ装置が、フレームの中心部分に配置される。
【0055】
更に別の態様によれば、撮像装置が、フレーム上に配置され、視野内の画像データを取り込むように構成される。
【0056】
本開示の別の態様によれば、外科手術室の照明アセンブリは、ライトアセンブリと、当該ライトアセンブリに結合された位置決め装置と、を含む。当該ライトアセンブリは、当該位置決め装置を介して複数の位置の間で動作可能である。ウェアラブル医療機器が、フレームと、当該フレームに結合されたレンズと、当該レンズに結合されユーザの眼球運動を感知するように構成された画像センサと、を含む。コントローラが、画像センサによって感知される眼球運動に応答して、前記位置決め装置及び前記ライトアセンブリの少なくとも1つを制御する。
【0057】
本開示の使用により、様々な利点が提供され得る。例えば、ウェアラブル医療機器10は、ユーザ26が手動で調整を行うためにその動作を一時停止するということなく、外科手術室54及び空洞内に調整可能な光設定を提供し得る。ウェアラブル医療機器10はまた、外科手術室54内の画像及び音声を記録し得て、これは後で教育及び他の目的でレビューされ得る。更に、ウェアラブル医療機器10は、ユーザの疲労指標を検出し得て、これは外科手術設定において有利でありうる。この装置を使用することのさらなる利益または利点も、実現及び/または達成され得る。
【0058】
記載された開示及び他の構成要素の構成は、いかなる特定の材料にも限定されないことが、当業者によって理解されるであろう。本明細書に開示された発明の他の例示的実施形態は、本明細書に別段の記載がない限り、広範な材料から形成され得る。
【0059】
本発明の例証される実施形態は、主に、ウェアラブル医療機器に関連する方法の工程及び装置の構成要素の組み合わせに属する。したがって、本装置の構成要素及び方法の工程は、該当する場合、本明細書の説明の利益を得る当業者には容易に明らかとなろう詳細によって本開示を不明瞭にしないように、本開示の実施形態の理解に関係する特定の詳細のみを示す図面において、慣習的記号によって表されている。さらに、説明及び図面において、同様の数字は、同様の要素を表す。
【0060】
本開示用に、用語「coupled(結合された)」(couple,coupling,coupledなどその形式のすべてにおいて)は、直接的であれ間接的であれ、互いに2つの構成要素(電気的または機械的)が接合することを概して意味する。このような接合は、本質的に静止状態かまたは本質的に可動状態であり得る。このような接合は、2つの構成要素(電気的または機械的)、ならびに、互いとまたは2つの構成要素と1つの単体として一体成形される付加的中間部材で、達成され得る。このような接合は、本質的に永続的であってよいか、または、別段の記載がない限り、本質的に取外し可能つまり遊離可能であり得る。
【0061】
本明細書における記述の目的のために、用語「上部の」、「下部の」、「右の」、「左の」、「後方の」、「前方の」、「垂直の」、「水平の」、及びそれについての派生語は、図1において方向付けられた開示に関するものとする。別様に述べられない限り、用語「前方の」は、意図されるビューア(視認者)に最も近い装置の表面を指すものであり、用語「後方の」は、意図されるビューア(視認者)から最も離れた装置の表面を指すものである。しかしながら、それとは逆に明確に特定されたもの以外は、本開示は様々な代わりの配向をとり得る、と理解されるべきである。添付図面に図示され、かつ以下の明細書に記述された特定のデバイス及びプロセスは、添付された特許請求の範囲において定義された発明概念の単なる例示的な実施形態であることも理解されるべきである。したがって、本明細書に開示された実施形態に関する特定の寸法及び他の物理的特性は、特許請求の範囲が明示的に別段に述べない限り、限定するものと見なされるべきではない。
【0062】
用語「including(含む)」、「comprises(備える)」、「comprising(備える)」、または任意の他の変形は、要素のリストを備えるプロセス、方法、物品、または装置が、それらの要素のみを含むのではなく、このようなプロセス、方法、物品、または装置に明示的に列挙されもせず、固有でもない他の要素を含み得るように、非排他的包括にわたるように意図される。「comprises a...」によって始められる要素は、さらなる制約を受けずに、その要素を備えるプロセス、方法、物品、または装置において、追加の同一要素の存在を妨げない。
【0063】
例示的な実施形態において示されるような本開示の要素の構築及び配置は、単に説明的であることに注意することも重要である。本発明の少数の実施形態だけが、本開示において詳細に記述されているが、本開示を検討する当業者は、列挙された主題の新規の教示及び利点から逸脱することなく、多くの修正が可能(例えば、様々な要素のサイズ、寸法、構造、形及び比率、パラメータ値、取り付け方法、材料の使用、色、向きなど)であることを容易に認識するだろう。例えば、一体成形として示される要素は、複数の部品が一体成形され得るように示される複数の部品または要素から構成され得て、インタフェースの操作が逆にまたは他の態様に変化され得て、システムの構造及び/または部材またはコネクタまたは他の要素の長さまたは幅が変化され得て、要素間に提供された調整位置の性質または個数が変化され得る。システムの要素及び/またはアセンブリは、任意の広範な色、質感、及び組合せにおいて、十分な強度または耐久性を提供する、任意の広範な材料から構成され得る。その結果、すべてのこのような修正は、本発明の範囲内に含まれるように意図される。他の代用、修正、変化、及び省略は、本発明の精神から逸脱することなく、所望の他の例示的な実施形態のデザイン、操作条件及び配置において、なされ得る。
【0064】
いずれの説明されたプロセスまたは説明されたプロセス内のステップも、その他の開示
されたプロセスまたはステップと組み合わされ、本開示の範囲内で構造を形成し得ること
が理解されるであろう。本明細書に開示された例示的な構造及びプロセスは、説明のため
のものであり、制限として解釈してはならない。
なお、出願時の特許請求の範囲は、以下の通りである。
[請求項1]
ウェアラブル医療機器であって、
フレームと、
前記フレームに固定され、前記フレームをユーザの頭部の所定位置に保持するよう構成された支持機構と、
少なくとも1つのセンサと、
前記フレームによって支持される撮像装置と、
前記撮像装置及び前記少なくとも1つのセンサと通信するコントローラと、
を含み、
前記撮像装置は、
画像の取り込み及び記録をするように構成されており、及び、
当該撮像装置を取り囲む環境内の照明の強度を検出して、前記照明強度に対応する信号を前記コントローラに送信するように構成されている
ことを特徴とするウェアラブル医療機器。
[請求項2]
前記撮像装置レンズは、偏光されている
ことを特徴とする請求項1に記載のウェアラブル医療機器。
[請求項3]
前記コントローラは、前記画像及び前記画像中の前記照明のうちの1つに関連する安定化データのために、前記取り込み画像を処理するように構成されている
ことを特徴とする請求項1または2に記載のウェアラブル医療機器。
[請求項4]
光源を有する少なくとも1つのランプ装置
を更に含み、
前記少なくとも1つのランプ装置は、前記フレームに取り外し可能に固定可能であり、前記コントローラと通信するように構成されている
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のウェアラブル医療機器。
[請求項5]
前記コントローラは、前記撮像装置から前記照明強度に対応する前記信号を受信すると、当該信号に応答して前記ランプ装置から放射される光の強度を調整するように構成されている
ことを特徴とする請求項4に記載のウェアラブル医療機器。
[請求項6]
前記撮像装置は、顔認識機能を含み、
人物の顔を含む画像が取り込まれる時、前記撮像装置は、前記コントローラに信号を送信するように構成されており、
前記信号が受信される時、前記コントローラは、前記ランプ装置を停止するように構成されている
ことを特徴とする請求項4または5に記載のウェアラブル医療機器。
[請求項7]
前記撮像装置は、表示画面を検出するように構成されており、
表示画面が検出される時、前記撮像装置は、前記コントローラに信号を送信するように構成されており、
前記撮像装置から前記信号が受信される時、前記コントローラは、前記ランプ装置を停止するように構成されている
ことを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載のウェアラブル医療機器。
[請求項8]
前記フレームに結合され、当該ウェアラブル医療機器がユーザの頭部に着用される時にユーザの眼に近接して位置するように構成される、少なくとも1つのレンズ
を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のウェアラブル医療機器。
[請求項9]
前記レンズ上に配置された少なくとも1つの画像センサ
を更に備え、
前記少なくとも1つの画像センサは、前記ユーザの眼の画像データを取り込むように構成されている
ことを特徴とする請求項8に記載のウェアラブル医療機器。
[請求項10]
前記少なくとも1つの画像センサは、入力を前記コントローラに送信するように構成されており、
前記コントローラは、前記少なくとも1つの画像センサから受信した入力に基づいて、前記ランプ装置から放射される光を、前記ユーザの焦点の方向と実質的に一致する方向に指し向けるように構成されている
ことを特徴とする請求項9に記載のウェアラブル医療機器。
[請求項11]
前記少なくとも1つのランプ装置は、受信した入力に応答して前記光源からの光を方向転換することができる移動可能な光学系を含む
ことを特徴とする請求項4乃至10のいずれかに記載のウェアラブル医療機器。
[請求項12]
前記コントローラは、
前記撮像装置によって取り込まれた画像からの画像データを処理する、
影及び光度を識別する、並びに、
前記影及び光度に基づいて、前記少なくとも1つのランプ装置の強度を調整する
ように構成されている
ことを特徴とする請求項4乃至11のいずれかに記載のウェアラブル医療機器。
[請求項13]
前記フレーム上に配置され、当該ウェアラブル医療機器に近接した音を録音して前記コントローラ及びオーディオストレージのうちの1つにオーディオ情報を送信するように構成されたマイク
を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載のウェアラブル医療機
器。
[請求項14]
ライトアセンブリであって、
調整可能な強度を有する1または複数の光源と、
当該ライトアセンブリを複数の位置の間で移動させるように動作可能な、1または複数の位置決め装置と、
を有するライトアセンブリと、
ウェアラブル医療機器であって、
フレームと、
前記フレームに固定され、前記フレームをユーザの頭部の所定位置に保持するよう構成された支持部材と、
少なくとも1つのセンサと、
前記少なくとも1つのセンサ及び前記ライトアセンブリと通信するコントローラと、
を有するウェアラブル医療機器と、
を備えたことを特徴とする外科手術室照明システム。
[請求項15]
前記コントローラは、前記少なくとも1つのセンサから受信した入力に基づいて、前記ライトアセンブリを移動させるように構成されている
ことを特徴とする請求項14に記載の外科手術室照明システム。
[請求項16]
前記コントローラは、前記ライトアセンブリの前記1または複数の光源をして、前記ライトアセンブリが放射する前記光の強度を変化させることができる
ことを特徴とする請求項14または15に記載の外科手術室照明システム。
[請求項17]
前記ウェアラブル医療機器は、前記コントローラと通信して赤外線パターンを検出するように構成された赤外線センサを更に有し、
前記ライトアセンブリは、赤外線パターンを放射するように構成されており、
前記コントローラは、前記ウェアラブル医療機器からの前記検出された赤外線パターンを使用して、前記ライトアセンブリの相対位置を決定するように構成されている
ことを特徴とする請求項14乃至16のいずれかに記載の外科手術室照明システム。
[請求項18]
前記少なくとも1つのセンサは、ユーザがどこを見ているかを決定するように構成されており、
前記コントローラは、前記ライトアセンブリを位置決めして、前記ユーザが見ている場所に光を提供するように構成されている
ことを特徴とする請求項14乃至17のいずれかに記載の外科手術室照明システム。
[請求項19]
前記コントローラと通信し、画像データを取り込むように構成された撮像装置
を更に備え、
前記コントローラは、
前記撮像装置によって取り込まれた画像からの画像データを処理する、
影及び光度を識別する、並びに、
前記影及び光度に基づいて、前記1または複数の位置決め装置をして、前記ライトアセンブリを移動させる
ように構成されている
ことを特徴とする請求項14乃至18のいずれかに記載の外科手術室照明システム。
図1
図2
図3
図4
図5