(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-04
(45)【発行日】2023-08-15
(54)【発明の名称】エアロゾル送達装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20230807BHJP
【FI】
A24F40/40
(21)【出願番号】P 2022063289
(22)【出願日】2022-04-06
(62)【分割の表示】P 2019563410の分割
【原出願日】2018-05-11
【審査請求日】2022-04-07
(32)【優先日】2017-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516097871
【氏名又は名称】アール・エイ・アイ・ストラテジック・ホールディングス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ポール・アンドルー・ブリンクリー
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ・ジェイコブ・ノバック・ザ・サード
(72)【発明者】
【氏名】アルフレッド・チャールズ・ブレス
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-504852(JP,A)
【文献】国際公開第2016/194075(WO,A1)
【文献】特表2016-512033(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0181928(US,A1)
【文献】国際公開第2015/013329(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/189623(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/107767(WO,A1)
【文献】特表2016-518119(JP,A)
【文献】特開2013-82198(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル送達装置であって、
エアロゾル前駆体組成物をエアロゾル化し、エアロゾルを生成するように構成された噴霧器と、
噴霧器を収容する本体と、
本体
と結合可能であり、出口を画定するマウスピースと、
本体またはマウスピースのうちの少なくとも一方の内面に配置されている構造であって、エアロゾル前駆体の液滴が出口から流出するのを防ぐように配置されている構造と、を備え、
構造が、
三次元パターン表面を備える、エアロゾル送達装置。
【請求項2】
三次元パターン表面は、液体をマウスピースの出口から遠ざけるように構成されている、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項3】
三次元パターン表面が
、吸収性構成要素を備える、請求項2に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項4】
吸収性構成要素が
、木材パルプおよびポリビニルアルコール(PVA)結合剤と組み合わされた酢酸セルロース
を備える、請求項3に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項5】
吸収性構成要素が、
液滴を吸収可能な多孔質材料を備える、請求項3に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項6】
三次元パターン表面は、疎水性表面を有する、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項7】
三次元パターン表面が、液体を出口から遠ざけるように寸法決めされ且つ配置された複数の毛細管チャネルを含む微細パターンを有し、場合により、微細パターンが、エッチングによって形成される、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項8】
三次元パターン表面が、エアロゾル前駆体組成物の液滴を捕捉するように配置された少なくとも1つのマクロ構造部を含み、場合により、
少なくとも1つのマクロ構造部のうちの第1のマクロ構造部が、吸収性構成要素を含み、場合により、
第1のマクロ構造部がマウスピース内に配置され、少なくとも1つのマクロ構造部のうちの第2のマクロ構造部が本体内に配置される、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項9】
三次元パターン表面が、歯状構造部が露出している場所で菱形または平行四辺形状のパターンを画定する硬い歯状構造部の基質を備える、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項10】
三次元パターン表面は、三次元パターン表面へのエピクチクラワックスの適用によって部分的に与えられる超疎水性特性を有する、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項11】
マウスピースが、
マクロ構造
部を作り出すように、その内面から延び、それらの間に溝を形成する複数のフィンを備え、
マウスピースが、
マクロ構造
部を作り出すように、マウスピースの内面と同心のリングを形成するように成形および配置された複数の縦溝を備える、請求項8に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項12】
エアロゾル送達装置を形成する方法であって、方法が、
エアロゾル前駆体組成物を提供することと、
エアロゾル前駆体組成物と流体連通する噴霧器を
本体内に位置付けることと、
マウスピースを
本体に結合させることであって、
マウスピースが、少なくとも1つの出口を画定する、結合させることと、
本体またはマウスピースのうちの少なくとも一方の内面に、三次元パターン表面を有する構造を形成することであって、三次元パターン表面が、マウスピースの出口から液体を遠ざけるように構成される、形成することと、
噴霧器を本体とおよび本体をマウスピースと組み立てることと、を備える、方法。
【請求項13】
マウスピースを本体と結合させることが、マウスピースの内面を画定する管腔を本体と結合することを含み、吸収性構成要素が出口の上流の管腔に配置されている、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
三次元パターン表面を有する構造を形成するステップが、液体を出口から遠ざけるように寸法決めされ且つ配置された複数の毛細管チャネルを有する微細パターン、エアロゾル前駆体組成物の液滴を捕捉するように配置された少なくとも1つのマクロ構造部、またはマウスピース内に形成された第1のマクロ構造部と本体内に形成された第2のマクロ構造部を有する少なくとも1つのマクロ構造部、のうちの少なくとも1つを形成することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
超疎水性を有する構造を提供するために、三次元パターン表面上にエピクチクラワックスを適用することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子タバコなどのエアロゾル送達装置に関し、より具体的には、噴霧器を含むエアロゾル送達装置に関する。噴霧器は、タバコから作製され得るか、タバコに由来し得るか、そうでなければタバコを組み込み得るエアロゾル前駆体組成物を加熱して、人間が摂取するための吸入可能な物質を形成するように構成されてもよい。
【背景技術】
【0002】
使用のためにタバコを燃焼することを必要とする喫煙製品の改良品または代替品として、多くの喫煙装置が長年に亘って提案されてきた。これらの装置の多くは、紙巻タバコ、葉巻またはパイプの喫煙に関連する感覚を提供するように設計されているが、タバコの燃焼に起因する相当量の不完全燃焼および熱分解生成物を送達することは無いと言われている。この目的のために、電気エネルギーを利用して揮発性材料を気化または加熱するか、タバコを著しく燃焼することなく紙巻タバコ、葉巻またはパイプの喫煙感覚を提供しようとする多くの喫煙製品、香味発生器および薬用吸入器が提案されている。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるCollettらの米国特許第8,881,737号明細書、Griffith Jr.らの米国特許出願公開第2013/0255702号明細書、Sebastianらの米国特許出願公開第2014/0000638号明細書、Searsらの米国特許出願公開第2014/0096781号明細書、Ampoliniらの米国特許出願公開第2014/0096782号明細書およびDavisらの米国特許出願公開第2015/0059780号明細書に記載の背景技術に記載されている様々な代替喫煙品、エアロゾル送達装置および発熱源を参照されたい。また、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるCountsらの米国特許第5,388,594号明細書およびRobinsonらの米国特許第8,079,371号明細書の背景技術の項に記載されている製品および加熱構成の様々な実施形態も参照されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第8,881,737号明細書
【文献】米国特許出願公開第2013/0255702号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/0000638号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/0096781号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/0096782号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/0059780号明細書
【文献】米国特許第5,388,594号明細書
【文献】米国特許第8,079,371号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エアロゾル送達装置の使用は、エアロゾル送達装置によって生成されたエアロゾルの吸入を伴う。ユーザは典型的には、エアロゾル送達装置を自分の唇に当てて配置して、エアロゾル送達装置を吸引してエアロゾルを受け取る。しかし、かかる使用は、エアロゾル送達装置から、凝縮しているか、完全に揮発または気化しなかったエアロゾル前駆体の液滴を吸引することにつながる可能性がある。したがって、液体エアロゾル前駆体がエアロゾル送達装置のマウスエンドから出るのを防ぐように構成された特徴をエアロゾル送達装置に提供することが望ましい場合があり、この課題は液体キャリーオーバーと呼ばれることがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施形態は、噴霧器と本体とを備えるエアロゾル送達装置に関する。本体は出口を有し、噴霧器を収容する。エアロゾル送達装置は、エアロゾル前駆体の液滴が出口から流出するのを防ぐように構成された構造部をさらに備える。
【0006】
本開示の実施形態はまた、噴霧器と、出口を有し、噴霧器を収容する本体と、エアロゾル前駆体の液滴が出口から流出するのを防ぐように構成されている構造部と、を備えるエアロゾル送達装置に関し、構造部は、本体の表面に適用された微細パターンであって、該微細パターンは、液体を出口から遠ざけるように導くために寸法決めされ且つ配置された複数の毛細管チャネルを備える。
【0007】
いくつかの実施形態では、液滴の流出を防ぐように構成された構造部は、マウスピースの内面など、本体の表面に形成される微細パターンを含む。場合によっては、微細パターンは表面を疎水性にするように構成される。場合によっては、微細パターンは表面に沿って液滴を捕捉するように構成される。一実施形態では、微細パターンは複数の毛細管チャネルを備える。一実施形態では、微細パターンはエッチングにより形成される。
【0008】
いくつかの実施形態では、液滴の流出を防ぐように構成された構造部は、マウスピース内に配置された、木材パルプおよびポリビニルアルコール(PVA)結合剤と組み合わされた酢酸セルロースから形成される吸収性構成要素を含む。
【0009】
他の実施形態では、液滴の流出を防ぐように構成された構造部は、液滴捕捉チャンバを形成するように構成された特徴を含む。一実施形態では、マウスピースは、その内面から延び、それらの間に溝を形成する複数のフィンを備える。一実施形態では、マウスピースは、マウスピースの内面と同心のリングを形成するように成形および配置された複数の縦溝を備える。さらなる実施形態では、マウスピースは、出口から内向きに延びて、該マウスピースの内面から離間された反転部を備える。
【0010】
本開示はまた、エアロゾル送達装置を形成する方法を含む。本方法の実施形態は、エアロゾル前駆体組成物を提供することと、エアロゾル前駆体組成物と流体連通する噴霧器を配置することと、噴霧器を本体と組み立てることと、を備える。本体は出口を有する。本体は、エアロゾル前駆体の液滴が出口から流出する能力を最小限に抑えるように構成される。
【0011】
本開示の実施形態はまた、エアロゾル送達装置を形成する方法を含み、方法は、エアロゾル前駆体組成物を提供することと、エアロゾル前駆体組成物と流体連通する噴霧器を配置することと、出口を有し、液体を出口から遠ざけるように導くために寸法決めされ配置された複数の毛細管チャネルを含む微細パターンを含む本体を形成することと、噴霧器を本体と組み立てることと、を備え、本体は、エアロゾル前駆体の液滴が出口から流出する能力を最小限に抑えるように構成される。
【0012】
特定の実施形態では、本体を形成することは、微細パターンを提供することを含む。一実施形態では、微細パターンは毛細管チャネルを備える。いくつかの実施形態では、本体を形成することは、本体を成形することを備え、金型をエッチングすることをさらに備えてもよい。
【0013】
本開示はまた、エアロゾル送達装置の使用中に、エアロゾル前駆体組成物の浪費を最小限に抑える方法を含む。一実施形態による方法は、噴霧器がエアロゾル前駆体と流体接続している際に、噴霧器を通過してマウスピースの出口を通してエアロゾル送達装置から出た空気を吸引することを含む。本方法は、エアロゾル前駆体組成物の液滴がマウスピースの出口から流出するのを防ぐことをさらに備える。
【0014】
本開示の実施形態はまた、エアロゾル送達装置の使用中にエアロゾル前駆体組成物の浪費を最小限に抑える方法を含み、本方法は、エアロゾル前駆体と流体接続している噴霧器を通過して、マウスピースの出口を通してエアロゾル送達装置から出た空気を吸引することと、液体をエアロゾル送達装置の出口から遠ざけるように導くために寸法決めされ且つ配置された複数の毛細管チャネルを備える微細パターン表面を使用して、エアロゾル前駆体組成物の液滴がマウスピースの出口から流出するのを防ぐことと、を備える。
【0015】
一実施形態では、液滴が流出するのを防ぐことは、疎水性となるように構成された微細パターン表面を用いて液滴の蓄積を制限することを備える。別の実施形態では、液滴が流出するのを防ぐことは、微細パターン表面上に液滴を捕捉することを備える。
【0016】
したがって、本開示は、限定するものではないが、以下の実施形態を含む。
【0017】
実施形態1:噴霧器と、出口を有し、噴霧器を収容する本体と、エアロゾル前駆体の液滴が出口から流出するのを防ぐように構成された構造部と、を備えるエアロゾル送達装置。
【0018】
実施形態2:構造部が本体の表面に形成されている微細パターンである、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組合せの装置。
【0019】
実施形態3:微細パターンが表面を疎水性にするように構成されている、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組合せの装置。
【0020】
実施形態4:微細パターンが表面に沿って液滴を捕捉するように構成されている、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組合せの装置。
【0021】
実施形態5:微細パターンが複数の毛細管チャネルを備える、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組合せの装置。
【0022】
実施形態6:微細パターンがエッチングによって形成される、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組合せの装置。
【0023】
実施形態7:表面が本体の内面である、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組合せの装置。
【0024】
実施形態8:出口がマウスピースによって提供される、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組合せの装置。
【0025】
実施形態9:マウスピースがその表面に形成された微細パターンを備え、エアロゾル前駆体の液滴が出口から流出するのを防ぐための構造部を形成する、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組合せの装置。
【0026】
実施形態10:マウスピースが、木材パルプおよびポリビニルアルコール(PVA)結合剤と組み合わされた酢酸セルロースから形成された吸収性構成要素を含み、エアロゾル前駆体の液滴が出口から流出するのを防ぐための構造部を形成する、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組合せの装置。
【0027】
実施形態11:マウスピースが、その内面から延びてそれらの間に溝を形成する複数のフィンを備え、エアロゾル前駆体の液滴が出口から流出するのを防ぐための構造部を形成する、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組合せの装置。
【0028】
実施形態12:マウスピースが、マウスピースの内面と同心のリングを形成するように成形および配置された複数の縦溝を備え、エアロゾル前駆体の液滴が出口から流出するのを防ぐための構造部を形成する、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組合せの装置。
【0029】
実施形態13:マウスピースが、出口から内向きに延びて該マウスピースの内面から離間された反転部を備え、エアロゾル前駆体の液滴が出口から流出するのを防ぐための構造部を形成する、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組合せの装置。
【0030】
実施形態14:エアロゾル送達装置を形成する方法であって、本方法が、エアロゾル送達装置を提供することと、エアロゾル前駆体組成物と流体連通する噴霧器を配置することと、噴霧器を本体と組み立てることと、を備え、本体が出口を有し、該本体が、エアロゾル前駆体の液滴が出口から流出する能力を最小限に抑えるように構成されている方法。
【0031】
実施形態15:微細パターンを含む本体を形成することをさらに備える、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組合せの方法。
【0032】
実施形態16:微細パターンが毛細管チャネルを備える、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組合せの方法。
【0033】
実施形態17:本体を形成することが、エッチングされた金型を用いて本体を成形することを備える、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組合せの方法。
【0034】
実施形態18:エアロゾル送達装置の使用中にエアロゾル前駆体組成物の浪費を最小限に抑える方法であって、本方法が、エアロゾル前駆体と流体接続している噴霧器を通過してマウスピースの出口を通してエアロゾル送達装置から出た空気を吸引することと、エアロゾル前駆体組成物の液滴がマウスピースの出口から流出するのを防ぐことと、を備える方法。
【0035】
実施形態19:液滴が流出するのを防ぐことが、疎水性となるように構成された微細パターン表面を用いて液滴の蓄積を制限することを備える、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組合せの方法。
【0036】
実施形態20:液滴が流出するのを防ぐことが、微細パターン表面上に液滴を捕捉することを備える、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組合せの方法。
【0037】
本開示のこれらおよび他の特徴、態様および利点は、以下に簡単に説明する添付の図面と共に、以下の詳細な説明を読むことにより明らかになるであろう。本開示は、そのような特徴または要素が本明細書の特定の実施形態の説明または特許請求の範囲において明示的に組み合わされているか、そうでなければ列挙されているかどうかにかかわらず、本開示に記載されているか、請求項のうちいずれか1つ以上に列挙されている2つ、3つ、4つまたはそれ以上の特徴または要素の任意の組合せを含む。本開示は、本開示の文脈が明らかに他のことを指示しない限り、その態様および実施形態のいずれかにおいて、本開示の任意の分離可能な特徴または要素が、組合せ可能であるように意図された通りに見えるように全体的に読み取られることを意図している。
【0038】
本開示は上述の一般的な用語で記載しており、添付の図面をこれから参照するが、これらの図面は必ずしも縮尺通りに描かれていない。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】本開示の例示的な実施形態による、カートリッジおよび制御本体を含むエアロゾル送達装置の側面図を組み立てられた構成で示す。
【
図2】本開示の例示的な実施形態による、
図1の制御本体を分解された構成で示す。
【
図3】本開示の例示的な実施形態による、
図1のカートリッジを分解された構成で示す。
【
図4】本開示の例示的な実施形態による、
図1のカートリッジの部分断面図を示す。
【
図6】本開示の例示的な実施形態による、鮫肌微細パターンを含む表面の顕微鏡画像を示す。
【
図8】本開示の例示的な実施形態による、ハスの葉微細パターンを含む表面の走査型電子顕微鏡画像を示す。
【
図9】本開示の別の例示的な実施形態による微細パターン表面の顕微鏡画像を示す。
【
図10】本開示の別の例示的な実施形態による微細パターン表面の顕微鏡画像を示す。
【
図11】微細パターン表面を有する、例示的な実施形態によるマウスピースの断面を示す。
【
図12】吸収性構成要素を有する、例示的な実施形態による別のマウスピースの断面を示す。
【
図13】微細パターンを含むのに適した、例示的な実施形態による別のマウスピースの断面を示す。
【
図14】本開示の別の例示的な実施形態による、凝縮されたエアロゾル前駆体の流れを制御するように構成された複数のフィンおよび介在溝を有するマウスピースを示す。
【
図15】本開示の別の例示的な実施形態による、凝縮されたエアロゾル前駆体の流れを制御するように構成された複数のフィンおよび介在溝を有するマウスピースを示す。
【
図16】本開示の別の例示的な実施形態による、実質的にリングの形状の複数の縦溝と、複数の縦溝とマウスピースの壁との間の隙間とを有するマウスピースを示す。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本開示は、以下、その例示的な実施形態を参照して、さらに詳細に記載される。これらの例示的な実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、本開示の範囲を当業者に完全に伝えるように記載される。実際、本開示は、多くの異なる形態で具体化されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が、適用される法的要件を満たすように提供される。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される単数形「a」、「an」、「the」は、文脈上他に明確に指示されない限り、複数の変形例を含む。
【0041】
本開示は、エアロゾル送達装置の説明を提供する。エアロゾル送達装置は、(好ましくは、材料を著しく燃焼させること無く)材料を加熱して吸入可能な物質を形成するために、電気エネルギーを使用してもよい。かかる物品は、「手持ち式」装置と見なすのに十分に小型であることが最も好ましい。エアロゾル送達装置は、その物品または装置のいかなる構成要素も実質的に燃焼させることなく、紙巻タバコ、葉巻またはパイプを喫煙するという感覚の一部または全部(例えば、吸入および呼気の形式、味または香味の種類、感覚刺激効果、物理的感触、使用形式、目に見えるエアロゾルによってもたらされるような視覚的刺激など)を提供してもよい。エアロゾル送達装置は、タバコの燃焼または熱分解の副産物から生じるエアロゾルの意味での煙を生成し得ず、むしろ、その物品または装置は、最も好ましくは、物品または装置の特定の構成要素の揮発または気化に起因する(煙状であると説明されると見なされ得る目に見えるエアロゾルと見なされ得るエアロゾル内の蒸気を含む)蒸気を生成するが、他の実施形態では、エアロゾルは目に見えない場合がある。非常に好ましい実施形態では、エアロゾル送達装置は、タバコおよび/またはタバコ由来成分を組み込んでもよい。このように、エアロゾル送達装置は、電子タバコ(「e-cigarette」)などの電子喫煙品として特徴付けることができる。
【0042】
本開示は、一般に、いわゆる「電子タバコ」などのエアロゾル送達装置に関するが、機構、構成要素、特徴および方法は、多くの異なる形態で具体化され、様々な物品に関連付けられ得ることを理解されたい。例えば、本明細書で提供される説明は、従来の喫煙品(例えば、紙巻タバコ、葉巻、パイプなど)および加熱式タバコ(heat-not-burn cigarette)の実施形態と組み合わせて使用され得る。したがって、本明細書に開示された機構、構成要素、特徴および方法の説明は、エアロゾル送達機構に関する実施形態に関して単なる例として論じられ、様々な他の製品および方法で具体化および使用され得ることを理解されたい。
【0043】
本開示のエアロゾル送達装置はまた、蒸気生成物品または医薬品送達物品として特徴付けることができる。したがって、かかる物品または装置は、吸入可能な形態または状態で、1つ以上の物質(例えば、香味および/または薬学的有効成分)を提供するように構成することができる。例えば、吸入可能な物質は、実質的に蒸気の形態(すなわち、その臨界点よりも低い温度で気相にある物質)であり得る。あるいは、吸入可能な物質は、エアロゾルの形態(すなわち、気体中の微細固体粒子または液滴の懸濁液)であり得る。分かりやすくするために、本明細書で使用される用語「エアロゾル」は、目に見えるかどうか、また煙状であると見なされ得る形態であるかどうかに関わりなく、人間の吸入に適した形態または種類の蒸気、気体およびエアロゾルを含むことを意味する。
【0044】
本開示のエアロゾル送達装置は、使用時に、従来の種類の喫煙品(例えば、タバコを点火し、吸入することによって使用される紙巻タバコ、葉巻またはパイプ)を使用する際に個人によって使用される多くの物理的作用を受け得る。例えば、本開示のエアロゾル送達装置のユーザは、従来の形式の喫煙品のようにその物品を保持し、その物品によって生成されたエアロゾルを吸入するためにその物品の一端を吸い、選択された時間間隔で吸煙する等々を行うことができる。
【0045】
本開示のエアロゾル送達装置は、一般に、外側シェルまたは本体内に設けられた多数の構成要素を含む。外側シェルまたは本体の全体的な設計は変更可能であり、エアロゾル送達装置の全体的な寸法および形状を画定することができる外側本体の形式または構成は変更可能である。典型的には、紙巻タバコまたは葉巻の形状に類似する細長い本体が、単一の一体型のシェルから形成されてもよく、あるいは、細長い本体が2つ以上の分離可能な部品から形成されてもよい。例えば、エアロゾル送達装置は、形状が実質的に管状とすることができ、従来の紙巻タバコまたは葉巻の形状に類似し得る細長いシェルまたは本体を備えることができる。しかし、他の実施形態では、様々な他の形状および構成(例えば、角型またはフォブ形状(fob-shaped))が使用されてもよい。
【0046】
一実施形態では、エアロゾル送達装置のあらゆる構成要素が、1つの外側本体またはシェル内に収容される。あるいは、エアロゾル送達装置は、接合され分離可能な2つ以上のシェルを備えることができる。例えば、エアロゾル送達装置は、1つ以上の再使用可能な構成要素(例えば、再充電可能なバッテリおよびその物品の動作を制御するための様々な電子機器)を収容するシェルを備える制御本体を一端に有し、使い捨て部分(例えば、使い捨て可能な香味含有カートリッジ)を収容する取り外し可能に取り付けられたシェルを他端に有することができる。単一シェルタイプのユニット内または複数部品の分離可能シェルタイプのユニット内の構成要素のさらに具体的な形式、構成および配置は、本明細書で提供されるさらなる開示に照らして明らかになるであろう。さらに、市販の電子喫煙品を考慮して、様々なエアロゾル送達装置の設計と構成要素の配置とを理解することができる。
【0047】
本開示のエアロゾル送達装置は、最も好ましくは、駆動源(すなわち、電源)、少なくとも1つの制御構成要素(例えば、電源からエアロゾル送達装置の他の構成要素への電流の流れを制御することなどによって、発熱のための電力を作動、制御、調整および/または停止するための手段)、ヒータまたは発熱部品(例えば、一般に「噴霧器」の一部と呼ばれる電気抵抗加熱要素または構成要素)、およびエアロゾル前駆体組成物(例えば、「スモークジュース(smoke juice)」、「e-リキッド(e-liquid)」および「e-ジュース(e-juice)」と一般に呼ばれる成分など、一般に、十分な熱を加えるとエアロゾルを生じることができる液体)、およびエアロゾル吸入のためにエアロゾル送達装置を吸引することを可能にするマウスエンド領域または先端(例えば、生成されたエアロゾルが吸引によりそこから引き出され得るように、物品を通る画定された空気流路)の何らかの組合せを備える。
【0048】
本開示のエアロゾル送達装置内の構成要素の位置合わせは変更可能である。特定の実施形態では、エアロゾル前駆体組成物は、エアロゾル送達装置の端部の近くに配置されることができ、これにより、ユーザの口に近接して配置されてユーザへのエアロゾル送達を最大にするように構成されてもよい。ただし、他の構成は除外されない。一般に、加熱要素からの熱がエアロゾル前駆体(ならびに、同様に、ユーザへの送達のために提供され得る1つ以上の香味料、医薬品など)を揮発させ、ユーザに送達するためのエアロゾルを形成することができるように、エアロゾル前駆体組成物の十分近くに加熱要素が配置され得る。加熱要素がエアロゾル前駆体組成物を加熱すると、消費者による吸入に適した物理的形態でエアロゾルが形成、放出または生成される。前述の用語は、放出する(release)、放出している(releasing)、放出する(releases)または放出された(released)への言及が、形成するまたは生成する(form or generate)、形成しているまたは生成している(forming or generating)、形成するまたは生成する(forms or generates)および形成されたまたは生成された(formed or generated)を含むように言い換え可能であることを意味することに留意すべきである。具体的には、吸入可能な物質は、蒸気もしくはエアロゾルまたはそれらの混合物の形態で放出され、このような用語も、別段の定めがない限り、本明細書では言い換え可能に使用される。
【0049】
上述したように、エアロゾル送達装置は、ヒータへの電力供給、制御システムへの電力供給、インジケータへの電力供給などのように、エアロゾル送達装置に様々な機能を提供するのに十分な電流を提供するバッテリまたは他の電源(例えば、コンデンサ)を組み込んでもよい。電源は様々な実施形態をとることができる。好ましくは、電源は、加熱要素を急速に加熱するのに十分な電力を供給してエアロゾルを形成し、所望の持続時間に亘る使用を通してエアロゾル送達装置に電力を供給することができる。電源は、好ましくは、エアロゾル送達装置を容易に取り扱うことができるように、エアロゾル送達装置内に都合よく適合するような大きさである。さらに、好ましい電源は、望ましい喫煙経験を損なわないように十分軽量である。
【0050】
本開示のエアロゾル送達装置内の構成要素のさらに具体的な形式、構成および配置は、以下に提供されるさらなる開示に照らして明らかになるであろう。さらに、市販の電子エアロゾル送達装置を考慮して、様々なエアロゾル送達装置構成要素の選択を理解することができる。さらに、市販の電子エアロゾル送達装置を考慮して、エアロゾル送達装置内の構成要素の配置を理解することもできる。
【0051】
エアロゾル送達装置100の1つの例示的な実施形態を
図1に示す。特に、
図1は、制御本体200およびカートリッジ300を含むエアロゾル送達装置100を示す。制御本体200およびカートリッジ300は、機能的な関係で恒久的にまたは取り外し可能に位置合わせされてもよい。様々な機構がカートリッジ300を制御本体200に接続して、ねじ係合、圧入係合、締まり嵌め、磁気係合などをもたらしてもよい。いくつかの実施形態では、エアロゾル送達装置100は、カートリッジ300および制御本体200が組み立てられた構成にある場合、実質的に棒状、実質的に管状または実質的に円筒形状であってよい。しかしながら、他の実施形態では、角型またはフォブ形状などの様々な他の構成が使用されてもよい。
【0052】
特定の実施形態では、カートリッジ300および制御本体200の一方または両方は、使い捨て可能であるか、再使用可能であると称され得る。例えば、制御本体200は、交換可能なバッテリまたは再充電可能なバッテリおよび/またはコンデンサを有してもよく、したがって、典型的な交流電気コンセントへの接続、自動車の充電器(すなわち、シガーソケット)への接続、およびユニバーサルシリアルバス(USB)ケーブルなどを介したコンピュータへの接続を含む任意の種類の再充電技術と組み合わされてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、カートリッジ300は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるChangらの米国特許第8,910,639号明細書に開示されているような使い捨てカートリッジを含んでもよい。
【0053】
図2は、本開示の例示的な実施形態によるエアロゾル送達装置100(
図1を参照)の制御本体200の分解図を示す。図示されるように、制御本体200は、カプラ202、外側本体204、密封部材206、接着部材208(例えば、KAPTON(R)テープ)、流量センサ210(例えば、パフセンサまたは圧力スイッチ)、制御構成要素212、スペーサ214、電源216(例えば、再充電可能であってよいバッテリ)、インジケータ218(例えば、発光ダイオード(LED))を有する回路基板、コネクタ回路220および端部キャップ222を備えてもよい。電源の例は、Peckerarらの米国特許出願公開第2010/0028766号明細書に記載されており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0054】
流量センサ210に関して、エアロゾル送達装置用の様々なマイクロコントローラ、センサおよびスイッチを含む代表的な電流調整構成要素および他の電流制御構成要素が、いずれも参照によりその全体が本明細書に組み込まれるGerthらの米国特許第4,735,217号明細書、いずれもBrooksらの米国特許第4,922,901号明細書、米国特許第4,947,874号明細書および米国特許第4,947,875号明細書、McCaffertyらの米国特許第5,372,148号明細書、Fleischhauerらの米国特許第6,040,560号明細書、Nguyenらの米国特許第7,040,314号明細書ならびにPanの米国特許第8,205,622号明細書に記載されている。参照によりその全体が本明細書に組み込まれるAmpoliniらの米国特許出願公開第2014/0270727号明細書に記載された制御方式も参照される。
【0055】
一実施形態では、インジケータ218は、1つ以上の発光ダイオードを含んでもよい。インジケータ218は、コネクタ回路220を介して制御構成要素212と通信することができ、例えば、カプラ202に結合されたカートリッジをユーザが吸引している間に、流量センサ210によって検出されるのに従って点灯され得る。端部キャップ222は、インジケータ218によって、その下に設けられた照明を可視化するように構成されてもよい。したがって、インジケータ218は、エアロゾル送達装置100の使用中に点灯されて、喫煙品の点灯端を模倣してもよい。しかしながら、他の実施形態では、インジケータ218は、様々な数で提供されてもよく、異なる形状をとることができ、(例えば、このようなインジケータが存在する場合に音を発するように)外側本体の開口であってもよい。
【0056】
本開示のエアロゾル送達装置には、さらに別の構成要素が利用され得る。例えば、Sprinkelらの米国特許第5,154,192号明細書は、喫煙品用のインジケータを開示しており、Sprinkel,Jr.の米国特許第5,261,424号明細書は、吸引に関連したユーザの唇の動作を検出し、次いで加熱装置の加熱を引き起こす装置のマウスエンドに関連し得る圧電センサを開示しており、McCaffertyらの米国特許第5,372,148号明細書は、マウスピースを通る圧力の降下に応答して加熱負荷アレイへのエネルギー流を制御するためのパフセンサを開示しており、Harrisらの米国特許第5,967,148号明細書は、挿入された構成要素の赤外線透過性の不均一性を検出する識別機と、構成要素がレセプタクルに挿入された際に検出ルーチンを実行するコントローラとを含む喫煙装置内のレセプタクルを開示しており、Fleischhauerらの米国特許第6,040,560号明細書は、複数の差動位相を有する規定済みの実行可能な電力サイクルを記載しており、Watkinsらの米国特許第5,934,289号明細書は、フォトニックオプトロニック(photonic-optronic)構成要素を開示しており、Countsらの米国特許第5,954,979号明細書は、喫煙装置を通る引込み抵抗を変化させるための手段を開示しており、Blakeらの米国特許第6,803,545号明細書は、喫煙装置に使用するための特定のバッテリ構成を開示しており、Griffenらの米国特許第7,293,565号明細書は、喫煙装置とともに使用するための様々な充電システムを開示しており、Fernandoらの米国特許第8,402,976号明細書は、充電を容易にし、装置のコンピュータ制御を可能にするための喫煙装置用のコンピュータインタフェース手段を開示しており、Fernandoらの米国特許第8,689,804号明細書は、喫煙装置用の識別システムを開示しており、Flickによる国際公開第2010/003480号は、エアロゾル生成システムを用いた吸引を示す流体流感知システムを開示しており、前述の開示はいずれも、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本明細書で使用され得る電子エアロゾル送達物品および開示材料または構成要素に関連する構成要素の追加の例には、Gerthらの米国特許第4,735,217号明細書、Morganらの米国特許第5,249,586号明細書、Higginsらの米国特許第5,666,977号明細書、Adamsらの米国特許第6,053,176号明細書、Whiteの米国第6,164,287号明細書、Vogesの米国特許第6,196,218号明細書、Felterらの米国特許第6,810,883号明細書、Nicholsの米国特許第6,854,461号明細書、Honの米国特許第7,832,410号明細書、Kobayashiの米国特許第7,513,253号明細書、Hamanoの米国特許第7,896,006号明細書、Shayanの米国特許第6,772,756号明細書、Honの米国特許第8,156,944号明細書および第8,375,957号明細書、Thorensらの米国特許第8,794,231号明細書、Oglesbyらの米国特許第8,851,083号明細書、Monseesらの米国特許第8,915,254号明細書および第8,925,555号明細書、およびDePianoらの米国特許第9,220,302号明細書、Honの米国特許出願公開第2006/0196518号明細書および米国特許出願公開第2009/0188490号明細書、Oglesbyらの米国特許出願公開第2010/0024834号明細書、Wangの米国特許出願公開第2010/0307518号明細書、Honの国際公開第2010/091593号、およびFooの国際公開第2013/089551号が挙げられ、これらの各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。様々な実施形態では、前述の文献によって開示された様々な材料が本装置に組み込まれてもよく、前述の開示はいずれも、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0057】
図3は、カートリッジ300を分解された構成で示す。図示されるように、カートリッジ300は、本開示の例示的な実施形態による、基部302、制御構成要素端子304、電子制御構成要素306、フローディレクタ308、噴霧器310、容器および/またはリザーバ基材312などのリザーバ、外側本体314、マウスピース316、ラベル318ならびに第1および第2の加熱端子320a、320bを備えてもよい。
【0058】
いくつかの実施形態では、第1および第2の加熱端子320a、320bは、フローディレクタ308に埋め込まれるか、そうでなければ結合されてもよい。例えば、第1および第2の加熱端子320a、320bは、フローディレクタ308にインサート成形されてもよい。したがって、フローディレクタ308ならびに第1および第2の加熱端子は、フローディレクタ組立体322とまとめて呼ばれ得る。第1および第2の加熱端子320a、320bならびにフローディレクタ308に関する追加の説明は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるBrinkleyらの米国特許出願公開第2015/0335071号明細書に記載されている。
【0059】
噴霧器310は、液体輸送要素324および加熱要素326を備えてもよい。カートリッジは、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるDepianoらの米国特許第9,220,302号明細書に開示されているように、基部およびマウスピースを保護し、使用前に内部に汚染物質が侵入するのを防止するために、基部に係合された基部輸送用プラグおよび/またはマウスピースに係合されたマウスピース輸送用プラグをさらに含んでもよい。
【0060】
基部302は、外側本体314の第1の端部に結合されてもよく、マウスピース316は、カートリッジ300の内部の他の構成要素を実質的にまたは完全に囲むように、外側本体の対向する第2の端部に結合されてもよい。例えば、制御構成要素端子304、電子制御構成要素306、フローディレクタ308、噴霧器310およびリザーバ基材312は、外側本体314内に実質的にまたは完全に保持されてもよい。マウスピース316は、一体構造として外側本体314と一体化されてもよい。ラベル318は、外側本体314および場合により基部302を少なくとも部分的に取り囲み、その上に製品識別子などの情報を含んでもよい。基部302は、制御本体200のカプラ202と係合するように構成されてもよい(例えば、
図2を参照)。いくつかの実施形態では、基部302は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるNovakらの米国特許出願公開第2014/0261495号明細書に開示されているように、カートリッジと制御本体との間の相対的な回転を実質的に防止する回転防止機構を備えてもよい。
【0061】
リザーバ基材312は、エアロゾル前駆体組成物を保持するように構成されてもよい。蒸気前駆体組成物とも呼ばれるエアロゾル前駆体組成物は、例えば、多価アルコール(例えば、グリセリン、プロピレングリコールまたはそれらの混合物)、水および/または香味料を含む様々な成分を含んでもよい。いくつかの実施形態では、エアロゾル前駆体組成物は、特定の効果を提供する化合物を備えてもよい。そのような化合物には、医薬品または他の同様の薬剤が挙げられ得る。
【0062】
電子タバコとして特徴付けられるエアロゾル送達システムでは、エアロゾル前駆体組成物は、タバコまたはタバコ由来成分を組み込むことが最も好ましい。ある点では、タバコは、微粉砕されたか、粉砕されたか、粉末状のタバコ薄片などのタバコの部分または片として提供されてもよい。別の点では、タバコは、タバコの水溶性成分の多くを組み込んだ噴霧乾燥抽出物などの抽出物の形態で提供されてもよい。あるいは、タバコ抽出物は、タバコ由来の少量の他の抽出成分も組み込んだ比較的高濃度のニコチン含有抽出物の形態を有してもよい。別の点では、タバコに由来する特定の香味剤(本質的に純粋な形態のニコチンを含む)などの比較的純粋な形態で、タバコ由来成分が提供されてもよい。
【0063】
上記に加えて、エアロゾル前駆体組成物は、限定するものではないが、遊離塩基形態の、塩形態の、複合体としての、または溶媒和物としてのニコチンを含む1つ以上のニコチン性化合物を含んでもよい。例えば、参照により本明細書に組み込まれるHanssonの米国特許出願公開第2004/0191322号明細書に記載の遊離塩基形態のニコチンの考察を参照されたい。ニコチン性化合物の少なくとも一部は、ニコチンポラクリレックスなどのニコチンがイオン交換樹脂中に結合しているニコチンの樹脂複合体の形態で使用され得る。例えば、参照により本明細書に組み込まれるLichtneckertらの米国特許第3,901,248号明細書を参照されたい。ニコチンの少なくとも一部は塩の形態で使用され得る。ニコチンの塩は、参照により本明細書に組み込まれるCoxらの米国特許第2,033,909号明細書およびLawsonらの米国特許第4,830,028号明細書ならびにPerfettiのBeitrage Tabakforschung Int., 12:43-54(1983)に記載されている種類の成分および技術を使用して提供され得る。また、参照により本明細書に組み込まれる2010年4月28日に出願されたBrinkleyらの米国特許出願第12/769,335号明細書を参照されたい。さらに、ニコチンの塩は、Pfaltz and Bauer,Inc.およびK&K Laboratories、Division of ICN Biochemicals,Inc.などの供給元から入手可能である。有用であり得るニコチン性化合物の特定の非限定的な例は、参照により本明細書に組み込まれるBorschkeらの米国特許出願公開第2013/0098377号明細書およびBorschkeの米国特許出願公開第2017/0007594号明細書に開示されている。有用であり得るニコチン塩の例は、参照により本明細書に組み込まれるDullらの米国特許出願公開第2016/0185750号明細書に開示されている。
【0064】
いくつかの実施形態では、β-ニコチリン(β-nicotyrine)および/または他の少量のニコチン性アルカロイド(nicotinic alkaloid)(例えば、限定するものではないが、ノルニコチン、ミオスミン、アナバシン、アナタビン、イソニコチンおよびそれらの組合せを含む)が、ニコチンを含有するe-リキッド内に組み込まれる。β-ニコチリンはニコチンの酸化生成物であるため、ニコチンを含有するe-リキッドは、本質的にある程度の量のβ-ニコチリンを含有し得る。特定の実施形態では、典型的なニコチン酸化の結果として自然に生じる濃度を超える濃度を達成するために、e-リキッドに追加のβ-ニコチリンおよび/または他の少量のニコチン性アルカロイドを添加することが有利であり得る。使用中、電子タバコはニコチンおよびβ-ニコチリンの両方をエアロゾル化し、これらの化合物の組合せをユーザに送達する。理論に制限されることを意図するものではないが、これらの化合物の送達後、β-ニコチリンはニコチン代謝を阻害し、血漿中ニコチン濃度を比較的長期間に亘って維持すると考えられている。このように、比較的少ないニコチン用量であっても、満足感を与えるニコチン濃度を維持するのに効果的であり得、いくつかの実施形態では、リキッド中にβ-ニコチリンおよび/または他の少量のニコチン性アルカロイドを含めることにより、その中のニコチン濃度を低下させることが可能になり得る。例えば、参照により本明細書に組み込まれるAbramovitzらのMed. Hypothesis 85(2015)305-310を参照されたい。
【0065】
他の活性薬剤(例えばカフェイン)も、エアロゾル前駆体組成物に含めるのに適している場合がある。加熱された表面から気化されて高純度エアロゾルを形成することができる薬物の例は、参照により本明細書に組み込まれるHaleらの米国特許第7,581,540号明細書に記載されている。
【0066】
代表的な種類のエアロゾル前駆体成分および製剤もまた、Robinsonらの米国特許第7,726,320号明細書、Collettらの米国特許第8,881,737号明細書およびChongらの米国特許第9,254,002号明細書、およびZhengらの米国特許出願公開第2013/0008457号明細書、Lipowiczらの米国特許出願公開第2015/0020823号明細書およびKollerの米国特許出願公開第2015/0020830号明細書、ならびにBowenらの国際公開第2014/182736号に記載され、特徴付けられており、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。使用されてもよい他のエアロゾル前駆体には、R.J.Reynolds Vapor Company製のVUSE(R)製品、Lorillard Technologies製のBLU製品、Mistic Ecigs製のMISTIC MENTHOL製品およびCN Creative Ltd.製のVYPE製品に組み込まれているエアロゾル前駆体が挙げられる。Johnson Creek Enterprises LLCから入手可能な電子タバコ用のいわゆる「スモークジュース」も望ましい。発泡性材料の実施形態が、エアロゾル前駆体とともに使用されてもよく、例えば、参照により本明細書に組み込まれるHuntらの米国特許出願公開第2012/0055494号明細書に記載されている。さらに、発泡性材料の使用は、例えば、いずれも参照により本明細書に組み込まれるNiaziらの米国特許第4,639,368号明細書、Wehlingらの米国特許第5,178,878号明細書、Wehlingらの米国特許第5,223,264号明細書、Patherらの米国特許第6,974,590号明細書、Bergquistらの米国特許第7,381,667号明細書、Crawfordらの米国特許第8,424,541号明細書およびStricklandらの米国特許第8,627,828号明細書ならびにBrinkleyらの米国特許出願公開第2010/0018539号明細書およびSunらの米国特許出願公開第2010/0170522号明細書およびJohnsonらの国際公開第97/06786号に記載されている。
【0067】
リザーバ基材312は、カートリッジ300の外側本体314の内部を取り囲むチューブの形状に形成された不織繊維の複数の層を含んでもよい。したがって、例えば、リザーバ基材312によって、液体成分が吸着されて保持され得る。リザーバ基材312は、液体輸送要素324と流体接続している。したがって、液体輸送要素324は、毛細管作用または他の液体輸送機構を介して、リザーバ基材312から加熱要素326に液体を輸送するように構成されてもよい。
【0068】
図示されるように、液体輸送要素324は、加熱要素326と直接接触していてもよい。
図3にさらに示すように、加熱要素326は、液体輸送要素324の周りに巻かれた複数のコイルを画定するワイヤを備えてもよい。いくつかの実施形態では、加熱要素326は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるWardらの米国特許第9,210,738号明細書に記載されているように、液体輸送要素324の周りにワイヤを巻くことによって形成されてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、ワイヤは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるDePianoらの米国特許出願公開第2014/0270730号明細書に記載されているように、可変のコイル間隔を画定してもよい。電流が印加されると熱を生成するように構成された材料の様々な実施形態を使用して、加熱要素326を形成してもよい。ワイヤコイルを形成してもよい材料の例には、カンタル(FeCrAl)、ニクロム、二珪化モリブデン(MoSi
2)、珪化モリブデン(MoSi)、アルミニウムをドープした二珪化モリブデン(Mo(Si,Al)
2)、チタン、白金、銀、パラジウム、黒鉛および黒鉛系材料ならびにセラミック(例えば、正温度係数セラミックまたは負温度係数セラミック)が挙げられる。
【0069】
しかし、加熱要素326を形成するために、方法の様々な他の実施形態が使用されてもよく、加熱要素の様々な他の実施形態が噴霧器310に使用されてもよい。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるDePianoらの米国特許出願公開第2014/0270729号明細書に記載されているように、打ち抜きされた加熱要素が噴霧器に使用されてもよい。上記に加えて、追加の代表的な加熱要素およびその中で使用するための材料が、Countsらの米国特許第5,060,671号明細書、Deeviらの米国特許第5,093,894号明細書、Deeviらの米国特許第5,224,498号明細書、Sprinkel Jr.らの米国特許第5,228,460号明細書、Deeviらの米国特許第5,322,075号明細書、Deeviらの米国特許第5,353,813号明細書、Deeviらの米国特許第5,468,936号明細書、Dasの米国特許第5,498,850号明細書、Dasの米国特許第5,659,656号明細書、Deeviらの米国特許第5,498,855号明細書、Hajaligolの米国特許第5,530,225号明細書、Hajaligolの米国特許第5,665,262号明細書、Dasらの米国特許第5,573,692号明細書およびFleischhauerらの米国特許第5,591,368号明細書に記載されており、これらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。さらに、他の実施形態では、化学的加熱が使用されてもよい。上述したように、ヒータおよびヒータを形成するために使用される材料の様々な追加の例が、参照により本明細書に組み込まれるCollettらの米国特許第8,881,737号明細書に記載されている。
【0070】
本発明のエアロゾル送達装置では、様々なヒータ構成要素が使用されてもよい。様々な実施形態では、1つ以上のマイクロヒータまたは類似の半導体ヒータが使用されてもよい。本開示の装置に使用するのに適したマイクロヒータおよびマイクロヒータを組み込んだ噴霧器が、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるCollettらの米国特許第8,881,737号明細書に記載されている。
【0071】
第1の加熱端子320aおよび第2の加熱端子320b(例えば、負および正の加熱端子)は、加熱要素326の対向する端部に係合し、カートリッジ300がそこに接続された際に、制御本体200(例えば、
図2を参照)との電気的接続を形成するように構成される。さらに、制御本体200がカートリッジ300に結合された際に、電子制御構成要素306は、制御構成要素端子304を介して制御本体との電気的接続を形成してもよい。したがって、制御本体200は、電子制御構成要素212(
図2を参照)を使用して、カートリッジ300が純正品であるかどうかを決定し、および/または他の機能を実行してもよい。さらに、電子制御構成要素およびそれによって実行される機能の様々な例が、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるSearsらの米国特許出願公開第2014/0096781号明細書に記載されている。
【0072】
カートリッジ300に含められてもよい構成要素に関する様々な他の詳細は、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるDePianoらの米国特許出願公開第2014/0261495号明細書に記載されている。この点に関して、
図7は、基部および制御構成要素端子の拡大分解図を示す。
図8は、組み立てられた構成の基部および制御構成要素端子の拡大斜視図を示す。
図9は、組み立てられた構成の基部、制御構成要素端子、電子制御構成要素および加熱端子の拡大斜視図を示す。
図10は、組み立てられた構成の基部、噴霧器および制御構成要素の拡大斜視図を示す。
図11は、
図10の組立体の対向斜視図を示す。
図12は、組み立てられた構成の基部、噴霧器、フローディレクタおよびリザーバ基材の拡大斜視図を示す。
図13は、組み立てられた構成の基部および外側本体の斜視図を示す。
図14は、組み立てられた構成のカートリッジの斜視図を示す。
図15は、
図14のカートリッジ、および制御本体用のカプラの第1の部分斜視図を示す。
図16は、
図14のカートリッジおよび
図15のカプラの対向する第2の部分斜視図を示す。
図17は、回転防止機構を有する基部を含むカートリッジの斜視図を示す。
図18は、回転防止機構を有するカプラを含む制御本体の斜視図を示す。
図19は、
図17のカートリッジと
図18の制御本体との位置合わせを示す。
図20は、
図17のカートリッジと
図18の制御本体とを含むエアロゾル送達装置を示しており、エアロゾル送達装置の変形図は、カートリッジの回転防止機構とコネクタ本体の回転防止機構との係合を示す。
図21は、回転防止機構を有する基部の斜視図を示す。
図22は、回転防止機構を有するカプラの斜視図を示す。
図23は、係合構成の
図21の基部および
図22のカプラの断面図を示す。カートリッジ300に含められてもよい構成要素に関する様々な他の詳細は、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる2014年5月23日に出願されたBrinkleyらの米国特許出願公開第2015/0335071号明細書に記載されている。
【0073】
本開示によるエアロゾル送達装置の様々な構成要素は、当該技術分野に記載され市販されている構成要素から選択され得る。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるSebastianらの米国特許出願公開第2014/0000638号明細書に開示された電子喫煙品内の複数のエアロゾル化可能な材料の制御可能な送達のためのリザーバおよびヒータシステムが参照される。
【0074】
別の実施形態では、カートリッジの実質的に全体が1つ以上の炭素材料から形成されてもよく、これにより、生分解性とワイヤの欠如との点で利点を提供し得る。この点に関して、加熱要素は炭素発泡体を含んでもよく、リザーバ基材は炭素化布帛を備えてもよく、電源および制御構成要素との電気的接続を形成するために黒鉛が使用されてもよい。炭素系カートリッジの例示的な実施形態が、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるGriffithらの米国特許出願公開第2013/0255702号明細書に記載されている。
【0075】
使用中、ユーザは、エアロゾル送達装置100(
図1を参照)のカートリッジ300のマウスピース316を吸引してもよい。これにより、制御本体200(例えば、
図2を参照)またはカートリッジ300の開口を通って空気を引き出してもよい。例えば、一実施形態では、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるDePianoらの米国特許第9,220,302号明細書に記載されているように、カプラ202と制御本体200(例えば、
図2を参照)の外側本体204との間に開口が画定されてもよい。しかし、他の実施形態では、空気の流れは、エアロゾル送達装置100の他の部分を通って受け入れられてもよい。上述したように、いくつかの実施形態では、カートリッジ300は、フローディレクタ308を含んでもよい。フローディレクタ308は、制御本体200から受け入れた空気の流れを噴霧器310の加熱要素326に導くように構成されてもよい。
【0076】
エアロゾル送達装置100内のセンサ(例えば、制御本体200内の流量センサ210)は、吸引を感知してもよい。吸引が感知されると、制御本体200は、第1の加熱端子320aおよび第2の加熱端子320bを含む回路を通じて、加熱要素326に電流を導いてもよい。したがって、加熱要素326は、液体輸送要素324によってリザーバ基材312からエアロゾル化区域に導かれたエアロゾル前駆体組成物を気化させてもよい。この点に関して、エアロゾル前駆体組成物を収容するように構成されたリザーバ(例えばリザーバ基材312)と噴霧器(例えば噴霧器310)とを少なくとも含むエアロゾル送達装置100(
図1を参照)の構成要素が、エアロゾル生成組立体と呼ばれ得る。マウスピース316は、それを吸引した消費者に向かって、カートリッジ300から出口328(
図4を参照)を通して、空気および同伴蒸気(すなわち、吸入可能な形態のエアロゾル前駆体組成物の成分)を通過させてもよい。
【0077】
したがって、ユーザがエアロゾル送達装置100(
図1を参照)を吸引すると、ユーザの唇が、マウスピース316、ラベル318または外側本体314などのその一部に接触し得る。さらに、ユーザがエアロゾル送達装置100を吸引すると、エアロゾルがエアロゾル送達装置内で生成され、ユーザに導かれ得る。ただし、この方法で操作すると、特定の問題が発生する場合がある。
【0078】
例えば、マウスピース316の各吸引によりリザーバ基材312からエアロゾル化区域に到達する液体エアロゾル前駆体組成物は、完全に気化されない場合がある。マウスピース316を通して引き込まれた空気は、エアロゾル前駆体を液滴の形態のままエアロゾル送達装置100から引き出し、満足度の低いユーザ体験をもたらすことがある。
【0079】
別の例では、マウスピース316の出口328を通ってエアロゾル送達装置100から流出する前に、エアロゾルが時に凝縮して液滴の形態に戻ることがある。一般に液滴の形態であるこの凝縮液は、ユーザがマウスピース316を吸引する間に出口328から引き出され得るか、エアロゾル送達装置100を吸引する間にその他の方法で出口328または他の開口部から流出する場合がある。そのような液滴は、ユーザのポケットなど、その中に収容された際に周囲の構造に望ましくなく接触する場合がある。さらに、液滴はエアロゾルとしてユーザに送達されるのではなく、浪費される。これにより、ユーザへのエアロゾルの送達効率が低下し得、および/または凝縮エアロゾルが液体の形態でユーザによって受け取られることとなり得、エアロゾル送達装置の使用に関連する味または他の感覚特性に影響が及ぼされる可能性がある。
【0080】
したがって、本開示の実施形態は、上記の問題に対処するように構成された特徴を含み得る。この点に関して、
図4は、カートリッジ300の部分断面図を示している。図示されるように、一実施形態では、空気402は、噴霧器310を通過してフローディレクタ308を通って流れ得る。空気402の少なくとも一部は、噴霧器310で生成された蒸気と組み合わさってエアロゾル404を形成し得、それがマウスピース316の出口328を通って流出する。出口328は、マウスピース316に形成された管腔330の下流端に形成されてもよい。管腔330は、
図4に示されるようにテーパ状であってもよく、あるいは実質的に円筒状であってもよい。マウスピース316の形状および構成は特に限定されない。マウスピースは、外側本体314のマウスエンドと一体であってよい。マウスピースは、マウスエンドで外側本体314に少なくとも部分的に挿入され得るキャップであってよい。他の実施形態では、マウスピース316は、外側本体314のマウスエンドで外側本体314の外側に嵌合されてもよい。
【0081】
エアロゾルからの凝縮形成を最も受ける可能性が高いエアロゾル送達装置100(
図1を参照)の部分には、噴霧器を通過して出口328を通ってエアロゾル送達装置を出る、エアロゾル送達装置100を通る流路に関して、噴霧器310の周囲および下流の表面が挙げられる。例えば、エアロゾルは、
図4に示すように、管腔330に沿うようにマウスピース316の1つ以上の内面316A、および/または外側本体314の1つ以上の内面314Aで凝縮し得る。
図4は、テーパ状の漏斗形状の管腔を有するマウスピース316の一構成を示している。管腔330の形状は特に限定されない。円筒形の管腔を有するマウスピースについては、以下でさらに考察する。
【0082】
したがって、実施形態では、エアロゾル送達装置100(
図1を参照)は、マウスピース316の内面316Aおよび/または外側本体314の内面314Aに、液滴がマウスピース316から流出する能力を制限するように構成された特徴を含み得る。
【0083】
本開示のいくつかの実施形態は、設計された疎水特性を有する表面を含むエアロゾル送達装置を対象とする。言い換えれば、表面は、表面に疎水特性を付与する三次元構造部を含むことができる。
【0084】
特に、エアロゾル送達装置の表面は、微細パターンを備えてもよい。この点に関して、微細パターンとは、マイクロメートルスケールでの規則的な三次元的特徴を含む設計された表面形状を指すことができる。そのような表面は、マイクロメートルスケールで規則的なパターンを画定するために特別に意図的に形成される三次元パターンに少なくとも基づいて、物体の本来有する表面特徴と区別され得る。以下に説明するように、いくつかの実施形態では、微細パターンは、疎水特性を提供する、天然生物の特定の表面の表面形状を模倣するように構成された生物模倣微細パターンを備えてもよく、これにより、物体の本来有する表面形状からこの微細パターンがさらに区別される。
【0085】
微細パターンは、様々な形状(例えば、柱、チャネル、小板、円錐体、ディボットなど)を表すことができ、特定の流体応答を提供することができる規定された粗さを以って特別に設計され得る。微細パターンは、実質的に一定であってよく(例えば、実質的に変化しない寸法の単一の繰り返し特徴を表す)、および/または実質的に反復するパターン(例えば、規則的な繰り返しパターンを画定する、大きさ、形状および間隔のうち1つ以上が異なる複数の特徴)を表してもよい。微細パターンは、微細パターンを形成する形状要素の大きさおよび/または間隔に少なくとも部分的に関連して画定されてもよい。例えば、形状要素は、約1μm~約500μm、約1.5μm~約250μm、約2μm~約100μm、約2.5μm~約50μmまたは約3μm~約25μmの平均高さを有することができる。形状要素は、約0.1μm~約20μm、約0.25μm~約15μm、約0.5μm~約10μmまたは約1μm~約5μmの平均間隔を有することができる。疎水性の微細パターンを有する表面を用いることにより、その表面で凝縮が生じるのを防ぎ、液体キャリーオーバーに関する上記課題に対処することができる。
【0086】
上記のように、表面に疎水特性を付与するための微細パターンが設けられてもよい。微細パターンを含む表面は、エアロゾル送達装置の内面に配置されてもよい。例えば、微細パターンを含む表面は、管腔330の少なくとも一部に沿うようにマウスピース316の内面316Aに、および/または外側本体314の内面314Aに設けられてもよい。このように、微細パターンを含む表面は、エアロゾルの凝縮が発生する可能性がある上記の表面に配置されてもよい。
【0087】
微細パターンを含む表面の様々な実施形態が使用されてもよい。ただし、1つ以上の実施形態では、微細パターンが自然界に見られる微細パターンを実質的に模倣することが望ましい場合がある。言い換えれば、微細パターンは、自然のマイクロスケールの形状パターンまたは生物模倣微細パターンを再現するように実質的に設計されてもよい。例として、鮫肌は疎水性であり得る。かかる耐水性は、粗い表面を画定する、皮膚上の形状パターンによって少なくとも部分的にもたらされ得る。
【0088】
鮫肌500の顕微鏡画像を
図5に示す。図示されるように、鮫肌は、小歯上皮または盾状うろこと呼ばれる硬い歯状構造部502の基質を備える。歯状構造部502は、歯状構造部が露出している場所で菱形または平行四辺形形状504のパターンを画定してもよい。各歯状構造部502は、凹部508によって分離された複数の隆起した平行リブ506を含んでもよい。
【0089】
微細パターン600を含む表面の一実施形態が
図6に示されている。微細パターン600を含む表面は、凝縮形成を受け得る特に上記した表面など、エアロゾル送達装置100の表面のいずれかに使用されてもよい。図示されるように、微細パターン600は、実質的に鮫肌微細パターンである生物模倣微細パターンである。この点に関して、微細パターン600を含む表面は、菱形または平行四辺形形状604のパターンを含んでもよい。平行四辺形604は、約20マイクロメートルから約30マイクロメートルの幅を画定してもよい。各平行四辺形604は、凹部608によって分離された複数の隆起した平行リブ606を含んでもよい。リブ606は、凹部608から外向きに約2マイクロメートルから約4マイクロメートルまで延びてもよい。このように、鮫肌微細パターンを画定する微細パターン600を含む表面は、天然の鮫肌の特性に似た特性を具体化し得る。したがって、例えば、鮫肌微細パターンを画定する微細パターン600を含む表面は、疎水性特性をもたらし得る。鮫肌微細パターンを含む製品の例示的な実施形態は、コロラド州オーロラのSharklet Technologies, Inc.から入手可能である。本開示の実施形態による微細パターンとして使用するのに適した表面形状は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるBrennanらの米国特許第8,997,672号明細書に記載されている。
【0090】
微細パターンを含む表面の様々な他の実施形態が使用されてもよい。この点に関して、ハスの葉は超疎水特性を規定し、これにより、水およびその上の物質が蓄積するのを防ぎ得る。超疎水特性は、エピクチクラワックスによって部分的にもたらされる。ただし、超疎水特性は、その表面の構造部によってさらにもたらされ得る。この点に関して、
図7は、5マイクロメートルおよび50マイクロメートルのスケールのハスの葉700の走査型電子顕微鏡(SEM)画像である。図示されるように、ハスの葉700は、複数の乳頭702を含んでもよい。乳頭702は、約10~約20マイクロメートルの高さおよび約10~約15マイクロメートルの幅を画定し得る。
【0091】
図8は、5マイクロメートルおよび50マイクロメートルのスケールの微細パターン800を含む表面の追加の実施形態の走査型電子顕微鏡画像である。図示されるように、微細パターン800は、実質的にハスの葉微細パターンである生物模倣微細パターンである。この点に関して、微細パターンを含む表面は、ハスの葉700の乳頭702(
図7を参照)の大きさおよび形状を模倣する複数の突起802を含んでもよい。例えば、突起802は、約10~約20マイクロメートルの高さおよび約10~約15マイクロメートルの幅を画定し得る。ハスの葉微細パターンを含む表面に関する追加の説明は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるLattheらによるSuperhydrophobic Surfaces Developed by Mimicking Hierarchical Surface Morphology of Lotus Leafに記載されている。
【0092】
このように、ハスの葉微細パターンを画定する微細パターン800を含む表面は、天然のハスの葉の特性に似た特性を具体化し得る。したがって、例えば、ハスの葉微細パターンを画定する微細パターン800を含む表面は、疎水特性をもたらし得る。
【0093】
図9は、50マイクロメートルスケールの微細パターン900の追加の実施形態の走査型電子顕微鏡画像である。図示されるように、微細パターン900は、縦溝904を有する積み重ねられた円柱902を備える。各柱902は、直径が約35ミクロンである。柱902は、約35ミクロンのピッチで離間され得る。柱は、約45ミクロンの深さを有し得る。図示された微細パターン900は、超疎水性に設計されて液滴の蓄積を防ぐため、液滴がエアロゾル送達装置の出口を通して吸入されるのに十分な大きさになるのを防ぐ。
【0094】
図10は、50マイクロメートルスケールの微細パターン1000の追加の実施形態の走査型電子顕微鏡画像である。図示されるように、微細パターン1000は、円柱1002を備える。各柱1002は、直径が約100ミクロンである。柱1002は、約200ミクロンのピッチで離間される。柱1002は、約200ミクロンの深さを有する。図示された微細パターン1000は、吸入時にエアロゾル送達装置の出口に向かって液滴が引き出されるのを防ぐために、表面上で凝縮し得るエアロゾル前駆体のあらゆる液滴を捕捉するように設計され、これは液滴ピンニング(droplet pinning)と呼ばれることもある。
【0095】
図11は、管腔1130に沿って複数の毛細管チャネル1134の形態の微細パターン1132を有するマウスピース1116の断面を示している。毛細管チャネル1134は、液体を出口1128から遠ざけるように導くために寸法決めされ且つ配置される。毛細管チャネルに沿ってヘミウィッキングが生じて、あらゆる凝縮された流体液滴を出口1128から遠ざけるように導いてもよい。
【0096】
上記から繰り返すと、実施形態では、エアロゾル送達装置100(
図1を参照)は、マウスピース316の内面316Aおよび外側本体314の内面314Aに、液滴が出口328を通ってマウスピース316から流出する能力を制限するように構成された特徴を含み得る。
【0097】
したがって、本開示のいくつかの実施形態は、液滴が出口から流出する能力を制限するために噴霧器と出口との間の領域に存在する吸収性構成要素を含むエアロゾル送達装置を対象とする。
図12は、本実施形態の例によるエアロゾル送達装置のマウスピース1216の断面を示す。吸収性構成要素1236は、出口1228の上流で、マウスピース1216の管腔1230の中に、またはそれに沿って配置され得る。他の実施形態では、吸収性構成要素1236の部分が、追加的または代替的に、マウスピース1216または外側シェル(
図4を参照)の他の内面に配置されてもよい。
【0098】
吸収性構成要素1236は、ポリエステルコアを有するポリエチレン(PE)シースを備える二成分繊維、またはポリエステルコアを有するポリエステルシースを備える二成分繊維から形成されてもよい。繊維は、連続気泡を有するウェブ、マットまたは屑麻材料に形成されて、表面積を増加させ、毛細管現象による吸収を促進してもよい。繊維は、吸収性構成要素の形状を維持するために、互いに熱的に結合されてもよい。あるいは、吸収性構成要素1236は、ポリエチレンから作られた連続気泡発泡体であってよい。他の実施形態では、吸収性構成要素1236は、濾過を目的として喫煙品に使用することが一般に知られている酢酸セルロースまたは他のフィルタ材料のマットから巻かれるか、そうでなければ形成されてもよい。一実施形態では、吸収性構成要素1236は、木材パルプおよびポリビニルアルコール(PVA)結合剤と組み合わされた酢酸セルロースから形成されてもよい。
【0099】
吸収性構成要素1236は、エアロゾル送達装置100内の噴霧器の下流の所望の位置に配置された挿入物の形態で設けられてもよい。吸収性構成要素1236は、接着剤、熱接着、摩擦嵌合、または当技術分野で既知の他の方法によって適所に保持されてもよい。
【0100】
吸収性構成要素1236は、
図12に示されるように管状の形状を有することができ、空気およびエアロゾルの通過のための内側チャネル1238を提供する。別の例示的な実施形態では、十分な空気およびエアロゾルが各吸引により出口1228から流出することができるほど吸収性材料が十分に多孔質であれば、吸収性構成要素1236は、円筒形の固体の形状を有し得るか、その他の方法でマウスピース1216の管腔1230を実質的に満たしてもよい。別の例示的な実施形態では、吸収性構成要素1236は、出口とは反対のマウスピース1216の端部1240に配置されたディスク形状をとってもよい。当業者であれば、エアロゾル送達装置内の吸収性構成要素の追加の形状および位置、またはエアロゾル送達装置、および噴霧器の下流への取り付けは明らかであろう。さらに、当業者であれば、吸収性構成要素が、エアロゾル送達装置上に様々な形状および位置の複数の吸収性構成要素を備え得ることを理解するであろう。
【0101】
図12のマウスピース1216と実質的に同様であるが、吸収性構成要素が取り除かれたマウスピース1316が
図13に示されている。吸収性構成要素は、マウスピース1316の内面1316Aに沿って形成された上述の微細パターンのいずれかと置き換えられてもよい。特に、図示された実施形態では、内面1316Aは円筒壁として示されている。マウスピース1316の出口1328には、出口から内向きに延び、内面1316Aから離間された反転部1344が形成される。反転部1344は、該反転部1344と内面1316Aとの間にチャンバを形成し、これは、凝縮エアロゾルを捕捉し、凝縮エアロゾルが出口1328から流出するのを防ぐのに役立つ。図示されるように、反転部1344によって形成されたチャンバは、本質的に、マウスピース1316の出口1328の少なくとも一部を取り囲むウェルの形態である。ウェル(または窪み)は、出口1328への内部開口よりもマウスピース1316の端部近くに位置する底壁を有するため、液体がマウスピースの出口への内部開口に入ることを実質的に防止することができる。
【0102】
図14~
図16は、それぞれの出口からの凝縮エアロゾルの意図しない放出を低減または防止することを目的として、それぞれの管腔内に構造部を有するように成形された、あるいはその他の方法で製造されたマウスピースの追加の実施形態を示す。上述の微細パターン化と比較して、以下の実施形態は、凝縮捕捉チャンバを形成し得るマクロ構造部を有するものとして説明され得る。
【0103】
図14および
図15は、内壁1416A、1516Aから管腔1430、1530の中心に向かって延びる連続フィン1452、1552によって形成された複数の溝1450、1550が形成されたマウスピース1416、1516を示す。
図14および
図15は、それぞれ12本および16本の溝1450、1550を有する実施形態を示している。溝1450、1550は、マクロスケールで作成されているが、あらゆる凝縮エアロゾルに対する毛細管現象を促進するのに十分な長さおよび幅であることが依然として予測される。加えて、溝1450、1550は、凝縮エアロゾルを捕捉することを意図したチャンバを提供する。
【0104】
図16は、さらに別のマウスピース1616を示している。マウスピース1616は、管腔1630の縦軸に沿って延びる複数の縦溝1654を含む。複数の縦溝1654は、管腔1630を形成する内壁1616Aと同心のリングを実質的に形成するように成形および配置されてもよい。内壁1616Aと縦溝1654のリングとの間に形成された隙間1656は、毛細管作用を促進し得るか、凝縮エアロゾルを捕捉するためのチャンバを提供し得る。同様に、個々の縦溝1654間の空間は、同様に凝縮エアロゾルを捕捉し得る。図示された例は4本の縦溝1654を含むが、いくつかの実施形態ではただ1本のリング形状の縦溝が使用されてもよい。他の実施形態では、4本を超える縦溝が存在してもよい。
【0105】
本明細書に記載のエアロゾル送達装置を作成および使用するために、方法の様々な実施形態が使用されてもよい。1つの例示的な方法では、エアロゾル送達装置100(
図1を参照)の1つ以上の構成要素が、微細パターンを含む表面を画定するように構成された金型内で形成されてもよい。微細パターンを含む表面を形成するように構成された表面を画定するために、金型がエッチング(例えば、化学エッチング、電気化学エッチングまたはレーザーエッチング)されてもよい。あるいは、微細パターンを作成するために、成形部品がエッチングされてもよい。また、微細パターンを含む表面を形成するための方法の様々な他の実施形態が使用されてもよい。例えば、微細パターンを含む表面は、単層の自己組織化、フォトリソグラフィ、プラズマ重合、紫外線照射、エレクトロスピニング、照射、テンプレート法、化学的堆積、ブラスティング(例えば、炭酸水素ナトリウムによる)に続くブラスト表面の陽極酸化、およびアブレーションなどの1つ以上の方法によって製造されてもよい。微細パターンを含む表面を製造するためのそのような方法の様々な例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるLeeらによるArtificial Lotus Leaf Structures Made by Blasting with Sodium Bicarbonateに記載されている。
【0106】
微細パターン化された構成要素は、様々なポリマー、ガラス、セラミックまたは他の好適な材料から形成されてもよい。
【0107】
したがって、本明細書で説明されるような微細パターンを形成するために、様々な方法が使用されてもよい。例えば、パターン化は、積層的手法または縮小的手法によるものであり得る。積層的手法では、パターンを形成するために表面に材料が堆積され得る。パターン化材料は、薄膜と組成が同一であっても、異なる組成であってもよい。縮小的手法では、微細パターンを画定する一連の溝を形成するために、表面の一部が除去されてもよい。本開示に包含されるパターン化技術の非限定的な例には、ナノインプリント、フォトリソグラフィ、電子ビーム、イオンビーム、X線、自己組織化、リフトオフおよび同様のパターン化方法が挙げられる。
【0108】
エアロゾル送達装置を形成する方法の例は、エアロゾル前駆体組成物を提供することを含み得る。方法は、エアロゾル前駆体組成物と流体連通する噴霧器を配置することをさらに含み得る。さらに、方法は、噴霧器を本体と組み立てることを含み得、本体は出口を有し、本体は、エアロゾル前駆体の液滴が出口から流出する能力を最小限に抑えるように構成される。噴霧器を本体と組み立てることは、噴霧器と流体連通する本体を配置することを含み得る。
【0109】
方法は、微細パターンを含む本体を形成することをさらに含み得る。加えて、本体を形成することは、金型内で微細パターンを形成することを含み得る。方法は、金型をエッチングすることをさらに含み得る。あるいは、本体を形成することは、吸収性構成要素を付加することを含み得る。
【0110】
本開示の追加の方法は、エアロゾル送達装置の使用中にエアロゾル前駆体の浪費を最小限に抑える方法を含み得る。浪費を最小限に抑える方法は、噴霧器を通過してマウスピースの出口を通してエアロゾル送達装置から出た空気を吸引することを含み得る。方法は、エアロゾル前駆体の液滴がマウスピースの出口から流出するのを防ぐことをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、液滴がマウスピースの出口から流出するのを防ぐことは、吸収性構成要素内に液滴を吸収させることを備える。他の実施形態では、液滴が出口から流出するのを防ぐことは、疎水性であるように構成された微細パターン表面を用いて液滴の蓄積を制限することを備える。さらなる実施形態では、液滴が出口から流出するのを防ぐことは、微細パターン表面上に液滴を捕捉することを備える。
【0111】
上記の説明および関連する図面に示された教示の利益を有し、本開示が関連する当業者には、本開示の多くの変更および他の実施形態が思い浮かぶであろう。したがって、本開示は、本明細書に開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、変更および他の実施形態が添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されることを理解されたい。本明細書では特定の用語を使用しているが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用され、限定のために使用されない。