(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-04
(45)【発行日】2023-08-15
(54)【発明の名称】振動機能を有する電子機器
(51)【国際特許分類】
B06B 1/04 20060101AFI20230807BHJP
【FI】
B06B1/04 S
(21)【出願番号】P 2022097893
(22)【出願日】2022-06-17
【審査請求日】2022-06-17
(31)【優先権主張番号】202123383438.7
(32)【優先日】2021-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522235216
【氏名又は名称】エーエーシー アコースティック テクノロジーズ (シャンハイ) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100166420
【氏名又は名称】福川 晋矢
(72)【発明者】
【氏名】リジン・チャン
(72)【発明者】
【氏名】ビン・シエ
【審査官】津久井 道夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-045790(JP,A)
【文献】国際公開第2019/026905(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0187780(US,A1)
【文献】特開2020-073279(JP,A)
【文献】国際公開第2007/072610(WO,A1)
【文献】実開昭59-171477(JP,U)
【文献】実開昭62-073692(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B06B 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動機能を有する電子機器であって、
キャリアと、振動感を提供するための振動モジュールとを含み、前記振動モジュールは、収容空間を有し、且つ少なくとも一端が開口するハウジングと、前記収容空間内に収容され、且つユーザに振動感を提供するための振動ユニットと、弾性部材とを含み、前記弾性部材は、前記振動ユニットと前記ハウジングとを弾性的に接続することにより、前記振動ユニットを前記収容空間内に弾性的に懸架し、前記ハウジングは、前記振動モジュールを前記キャリアの表面から露出させるように前記キャリアに取り付けられ、前記振動モジュールの作動時においては前記収容空間内に弾性的に懸架された前記振動ユニットにより発生される振動が前記キャリアを介さずに前記ユーザに直接提供可能であ
り、
前記振動ユニットは、振動モータと、前記振動モータの外周を取り囲むように設けられた振動ブロックとを含み、前記弾性部材は、前記振動ブロックに接続されることにより、前記振動ユニットを前記ハウジングに弾性的に接続し、
前記弾性部材は2つあり、2つの前記弾性部材は、前記振動ユニットの振動方向に垂直な方向に沿って前記振動ユニットの対向する両側に設けられ、
前記弾性部材は、一端が前記振動ブロックに接続された第1接続部と、前記第1接続部の前記振動ブロックから離れた一端の対向する両側からそれぞれ外向きに延伸して形成された2つの延伸部と、2つの前記延伸部の前記第1接続部から離れた一端が前記ハウジングに近づく方向に折り曲げて延伸して形成された第2接続部とを含み、前記第2接続部は、前記ハウジングに取り外し可能に接続され、
前記ハウジングにおける前記延伸部の前記第1接続部から離れた一端に対応する位置には溝体が設けられ、前記延伸部の前記第1接続部から離れた一端は、当該溝体内に係止されて固定されており、前記ハウジングの前記第2接続部に対応する位置には、その内部に凹んで形成された凹み溝が設けられ、前記第2接続部は、前記凹み溝内に延伸し、且つ前記凹み溝の溝底に取り外し可能に接続されている、ことを特徴とする振動機能を有する電子機器。
【請求項2】
前記弾性部材は、弾性片又は弾性シリカゲルである、ことを特徴とする請求項1に記載の振動機能を有する電子機器。
【請求項3】
前記ハウジングの外周側には、間隔を隔てて設けられた少なくとも2つの取付孔が突出して形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の振動機能を有する電子機器。
【請求項4】
前記キャリアには、その一側から内向きに凹んで形成された取付溝が設けられ、前記ハウジングは、前記取付溝内に取り付けられ、前記振動モジュールの前記取付溝から離れた側と前記キャリアの前記取付溝が設けられた側とは、同一の水平面にある、ことを特徴とする請求項1~
3のいずれか1項に記載の振動機能を有する電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、触覚フィードバックの技術分野に関し、特に振動機能を有する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、触覚フィードバック技術は、様々なハイエンド携帯電話に広く応用され、且つ良好なユーザ体験効果を取得した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、VR装置、自動車シートなどのキャリアの表面が可撓性材料であり、又はキャリアが重い応用シーンにおいて、よく応用されていない。一方では、モータを可撓性材料のキャリア表面に直接的に貼り付けるため、モータ振動のエネルギーが可撓性材料に吸収されやすく振動量が弱い現象を引き起こし、他方では、応用される最終のキャリアが重いため、キャリアとともに振動するようにキャリアを動かすことができないという現象を引き起こす。いずれの態様であっても、その装置は、いずれも振動モジュールが実際に生じる振動をユーザに直接的にフィードバックすることができず、これはユーザ体験が極めて悪いことをもたらす。
【0004】
従って、上記問題を解決するための振動機能を有する電子機器を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る実施例は、振動モジュールが実際に生じる振動をユーザに直接的にフィードバックしてユーザ体験を向上させる局所的な振動機能を有する電子機器を提供することを目的とする。
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る実施例は、振動機能を有する電子機器を提供し、当該振動機能を有する電子機器は、キャリアと、振動感を提供するための振動モジュールとを含み、前記振動モジュールは、収容空間を有し、且つ少なくとも一端が開口するハウジングと、前記収容空間内に収容され、且ユーザに振動感を直接的に提供する振動ユニットと、弾性部材とを含み、前記ハウジングは、前記キャリアに取り付けられ、前記弾性部材は、前記振動ユニットと前記ハウジングを弾性的に接続することにより、前記振動ユニットを前記収容空間内に弾性的に懸架する。
【0007】
さらに、前記振動ユニットは、振動モータと、前記振動モータの外周に包まれて設けられた振動ブロックとを含み、前記弾性部材は、前記振動ブロックに接続されることにより、前記振動ユニットを前記ハウジングに弾性的に接続する。
【0008】
さらに、前記弾性部材は、弾性片又は弾性シリカゲルである。
【0009】
さらに、前記ハウジングの外周側には、間隔を隔てて設けられた少なくとも2つの取付孔が突出して形成されている。
【0010】
さらに、前記弾性部材は、少なくとも2つあり、2つの前記弾性部材は、前記振動ユニットの振動方向に垂直な方向に沿って前記振動ユニットの対向する両側に設けられている。
【0011】
さらに、前記弾性部材は、一端が前記振動ブロックに接続された第1接続部と、前記第1接続部の前記振動ブロックから離れた一端の対向する両側からそれぞれ外向きに延伸して形成された2つ延伸部と、2つの前記延伸部の前記第1接続部から離れた一端が前記ハウジングに近づく方向に折り曲げて延伸して形成された第2接続部とを含み、前記第2接続部は、前記ハウジングに取り外し可能に接続されている。
【0012】
さらに、前記ハウジングの前記第2接続部に対応する位置には、その内部に凹んで形成された凹み溝が設けられ、前記第2接続部は、前記凹み溝内に延伸し、且つ前記凹み溝の溝底に取り外し可能に接続されている。
【0013】
さらに、前記ハウジングは、懸架溝を有するベースと、前記ベースの周縁に取り外し可能に接続された円筒とを含み、前記円筒は、両端が開口した中空構造を呈し、前記懸架溝は、前記円筒の中空部分とともに前記収容空間を形成し、前記振動ユニットは、前記収容空間内に収容され、前記弾性部材は、前記振動ユニットの前記ベースに近い側に設けられ、前記弾性部材は、前記振動ユニットに接続された支持部と、前記支持部を取り囲み、前記支持部と間隔を隔てて設けられた環状部と、前記支持部と前記環状部を接続する弾性アームとを含み、前記環状部は、前記ベースに取り外し可能に接続されている。
【0014】
さらに、前記円筒両端の周壁には、前記振動ユニットの振動方向に沿って複数のガイド溝が互いに間隔を隔てて設けられ、前記振動ユニットの前記ガイド溝に対応する位置には、前記ガイド溝内に延伸するストッパ部が設けられている。
【0015】
さらに、前記キャリアには、その一側から内向きに凹んで形成された取付溝が設けられ、前記ハウジングは、前記取付溝内に取り付けられ、前記振動モジュールの前記取付溝から離れた側と前記キャリアの前記取付溝が設けられた側は、同一の水平面にある。
【発明の効果】
【0016】
関連技術に比べて、本発明に係る振動機能を有する電子機器は、弾性部材により振動ユニットをハウジングの収容空間内に弾性的に懸架することで、振動ユニットがキャリアから独立した振動構造を形成し、このように電子機器は、キャリアの表面が可撓性材料であるか又はキャリアが重い場合に関わらず、いずれも独立した振動ユニットにより局所的な振動を提供することができ、振動ユニットが実際に生じる振動をユーザに直接的にフィードバックし、即ち、ユーザに振動感を直接的に提供し、さらにユーザの体験感を向上させ、同時に、弾性部材の組立により、さらに電子機器が弾性部材の弾力によりシステムの固有周波数を調整することができ、それによって振動信号の生成及び適応を容易にする。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明に係る実施例における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下に実施例の説明に必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下に記載の図面は本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的労働を要しない前提で、これらの図面に基づいて他の図面を取得することができる。
【
図1】本発明に係る実施例が提供する振動機能を有する電子機器の立体構造概略図である。
【
図2】本発明に係る実施例が提供する振動機能を有する電子機器の構造分解概略図である。
【
図3】本発明に係る実施例が提供する第1種の振動モジュールの立体構造概略図である。
【
図4】本発明に係る実施例が提供する第1種の振動モジュールの構造分解概略図である。
【
図5】本発明に係る実施例が提供する第2種の振動モジュールの立体構造概略図である。
【
図6】本発明に係る実施例が提供する第2種の振動モジュールの構造分解概略図である。
【
図8】本発明に係る実施例が提供する第3種の振動モジュールの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明に係る実施例における技術的解決手段を明確で、完全に説明し、明らかに、説明された実施例は本発明の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。本発明における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を要さずに取得した他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0019】
本発明は、振動機能を有する電子機器を提供し、
図1~
図8に示すように、当該電子機器は、キャリア200と、振動感を提供するための振動モジュール100とを含み、振動モジュール100は、収容空間10を有し且つ少なくとも一端が開口するハウジング1と、収容空間10内に収容され且つユーザに振動感を直接的に提供する振動ユニット2と、弾性部材3とを含み、ハウジング1は、キャリア200に取り付けられ、弾性部材3は、振動ユニット2とハウジング1を弾性的に接続することにより、振動ユニット2を収容空間10内に弾性的に懸架する。
【0020】
ここで、以下、振動機能を有する電子機器は、単に電子機器と呼ばれ、それは、携帯電話、VRヘッドバンド、自動車シート、VRヘルメット、VRベストなどの電子機器であってもよい。キャリア200は、電子機器の振動モジュール100を除いた本体であり、振動モジュール100は、キャリア200における振動を生じる必要がある部位に取り付けられている。
【0021】
ハウジング1は、一端が開口してもよく、両端が開口してもよいが、ハウジング1がキャリア200に取り付けられる場合、キャリア200から離れた少なくとも1つの開口を有することで、振動ユニット2を露出させて、ユーザに振動感を直接的に提供するとともに、振動ユニット2のキャリア200から離れた側は、少なくとも一部がハウジング1の開口に露出し、又はハウジング1の開口と同一の水平面に位置し、それにより、ユーザに振動感を提供する。
【0022】
ハウジング1は、貼り付けや溶接などによりキャリア200に取り付けられてもよい。
【0023】
具体的には、ハウジング1の外周側には、間隔を隔てて設けられた少なくとも2つの取付孔11が突出して形成され、ハウジング1をキャリアに取り付ける必要がある場合、取付孔11にネジを通すことによってキャリアに取り付けることができ、迅速な着脱を実現する。
【0024】
弾性部材3は、弾性片又は弾性シリカゲルなどの弾力を有する部材であってもよい。
【0025】
具体的には、振動ユニット2は、振動モータ21であり、電子機器に振動作用を提供する。
【0026】
さらに、振動ユニット2は、さらに、振動モータ21の外周に包まれて設けられた振動ブロック22を含み、弾性部材3は、振動ブロック22に接続されることにより、振動ユニット2をハウジング1に弾性的に接続する。このように振動モジュールの使用時に装置の振動部位に直接的に接触することを回避することができ、この時、振動ユニット2は、振動ブロック22によりユーザに振動感を直接的に提供する。
【0027】
さらに、キャリア200に、その一側が内向きに凹んで形成された取付溝210が設けられ、ハウジング1は、取付溝210内に取り付けられ、振動モジュール100の取付溝210から離れた側とキャリア200の取付溝210が設けられた側は、同一の水平面にある。このように、振動モジュール100がハウジング1によりキャリア200に取り付けられる場合、キャリア200側面の平坦性を保つことにより、ユーザが使用しやすく、体験感を向上させることができる。
【0028】
具体的には、振動モジュール100のハウジング1と、振動ユニット2の取付溝210から離れた側と、キャリア200の取付溝210が設けられた側とは、同一の水平面にある。
【0029】
関連技術に比べて、本発明に係る振動機能を有する電子機器は、弾性部材3により、振動ユニット2をハウジング1の収容空間10内に弾性的に懸架することで、振動ユニット2は、キャリア200から独立した振動構造を形成し、このように電子機器は、キャリア200の表面が可撓性材料であるか、又はキャリア200が重い場合に関わらず、それは、いずれも独立した振動ユニット2により局所的な振動を提供するができ、それにより、振動ユニット2が実際に生じる振動をユーザに直接的にフィードバックし、即ち、ユーザに振動感を直接的に提供し、さらにユーザの体験感を向上させ、また、弾性部材3の組立により、さらに電子機器が弾性部材3の弾力によりシステムの固有周波数を調整することができ、それによって振動信号の生成及び適応を容易にする。
【0030】
本発明の異なる態様をよりよく反映するために、以下に2つの具体的な実施例により説明する。
【0031】
実施例1
本実施例における振動機能を有する電子機器は、
図1~
図4に示すように、キャリア200と、振動感を提供するための振動モジュール100とを含み、振動モジュール100は、収容空間10を有しかつ少なくとも一端が開口するハウジング1と、収容空間10に収容された振動ユニット2と、弾性部材3とを含み、ハウジング1は、キャリア200に取り付けられ、弾性部材3は、振動ユニット2とハウジング1を弾性的に接続することにより、振動ユニット2を収容空間10内に弾性的に懸架する。
【0032】
本実施例では、電子機器はVRヘッドバンドであり、それに応じて、キャリア200はVRヘッドバンドの本体である。
【0033】
本実施例では、振動ユニット2は、振動モータ21と、振動モータ21の外周に包まれて設けられた振動ブロック22とを含む。
【0034】
本実施例では、ハウジング1と振動ブロック22は、いずれも矩形構造である。ハウジング1の収容空間10は、ハウジング1の一面から他面まで貫通して形成され、即ち、両端は、開口する。
【0035】
本実施例では、ハウジング1の対向する両側の中部領域にいずれも外向きに突出して形成された突出ブロックが設けられ、各突出ブロックに1つの取付孔11が設けられ、ハウジング1は、ネジが取付孔を通することにより、キャリア200の所定位置に取り付けられている。
【0036】
本実施例では、弾性部材3は、2つあり、且つそれぞれ振動ユニット2の振動方向に垂直な方向に沿って振動ブロック22の対向する両側に設けられている。本実施例では、振動ユニット2の振動方向とは、
図3において振動モータ21の上面に垂直な方向である。
【0037】
ここで、弾性部材3は、一端が振動ブロック22に接続された第1接続部311と、第1接続部311の振動ブロック22から離れた一端の対向する両側からそれぞれ外向きに延伸して形成された2つの延伸部312と、2つの延伸部312の第1接続部311から離れた一端がハウジング1に近づく方向に折り曲げて延伸して形成された第2接続部313とを含み、即ち、弾性部材3は、弾性片である。
【0038】
ここで、振動ブロック22の第1接続部311に対応する位置に溝体が設けられ、第1接続部311は、当該溝体内に係止されて固定されている。ハウジング1の延伸部312の第1接続部311から離れた一端に対応する位置にも溝体が設けられ、延伸部312の第1接続部311から離れた一端は、当該溝体内に係止されて固定されている。
【0039】
本実施例では、第2接続部313は、ハウジング1に取り外し可能に接続されている。このように弾性部材3とハウジング1の着脱を容易にすることができる。
【0040】
本実施例では、ハウジング1の第2接続部313に対応する位置にはその内部に凹んで形成された凹み溝12が設けられ、第2接続部313は、凹み溝12内に延伸し、且つ凹み溝12の溝底に取り外し可能に接続されている。このように第2接続部313とハウジング1との接続を実現する前提で、弾性部材3の占用する必要のある高さをできるだけ小さくすることができる。
【0041】
本実施例では、第2接続部313と凹み溝12の溝底には、マッチングする接続孔121が設けられ、第2接続部313と凹み溝12の溝底は、接続具122が対応する接続孔121を通すことにより、取り外し可能な接続が図られ、即ち、1つの接続具122は、マッチングする1つの第2接続部313における接続孔121及び1つの凹み溝12の溝底における接続孔121を通すことによって、取り外し可能な接続が図られる。
【0042】
ここで、接続孔121は、ネジ孔であってもよく、それに応じて、接続具122は、ネジ又はボルトである。
【0043】
本実施例における振動機能を有する電子機器は、使用前において、ハウジング1の対向する両側の取付孔11により、キャリアに取り付けられ、使用時において、振動モータ21は、振動ブロック22を動かして振動ブロック22とともに振動し、弾性部材3により変位及び回復を実現することによって、振動ブロック22の振動がキャリアによる影響を受けず、局所的な振動の作用を実現し、振動ユニット2が実際に生じる振動をユーザに直接的にフィードバックし、即ち、ユーザに振動感を直接的に提供することができる。
【0044】
実施例2
本実施例における振動機能を有する電子機器は、キャリア200と、振動感を提供するための振動モジュール100とを含み、
図5~
図7に示すように、振動モジュール100は、収容空間10を有し且つ少なくとも一端が開口するハウジング1と、収容空間10に収容された振動ユニット2と、弾性部材3とを含み、ハウジング1は、キャリア200に取り付けられ、弾性部材3は、振動ユニット2とハウジング1を弾性的に接続することにより、振動ユニット2を収容空間10内に弾性的に懸架する。
【0045】
本実施例では、電子機器は、自動車シートであり、それに応じて、キャリア200は、自動車シートの本体である。
【0046】
本実施例では、振動ユニット2は、振動モータ21と、振動モータ21の外周に包まれて設けられた振動ブロック22とを含む。
【0047】
本実施例では、ハウジング1は、懸架溝131を有するベース13と、ベース13の周縁に取り外し可能に接続された円筒14とを含み、円筒14は、両端が開口した中空構造を呈し、懸架溝131と円筒14の中空部分は、共に収容空間10を形成する。
【0048】
ここで、懸架溝131は、ベース13の円筒14に近い側が内向きに凹んで形成されている。
【0049】
本実施例では、ベース13の周縁に外向きに突出して形成された4つの突出ブロックが均一に設けられ、各突出ブロックに1つの取付孔11が設けられ、ハウジング1は、ネジがそのベース13における取付孔11を通すことにより、キャリア200の所定位置に取り付けることができる。
【0050】
本実施例では、円筒14の両端の周壁に、振動ユニット2の振動方向に平行なガイド溝141が互いに間隔を隔てて複数設けられ、振動ブロック22のガイド溝141に対応する位置に、ガイド溝141内に延伸するストッパ部221が設けられている。このようにガイド溝141とストッパ部221の係合制限により、振動モータ21の振動方向を限定することができる。本実施例では、振動ユニット2の振動方向とは、
図6においてガイド溝141に平行な方向である。
【0051】
本実施例では、振動ブロック22のベース13に近い側は、開口状態であり、それにより、振動モータ21を露出させる。
【0052】
本実施例では、弾性部材3は、振動ユニット2のベース13に近い側に設けられ、弾性部材3は、振動モータ21に接続された支持部321、支持部321を取り囲み、且つ支持部321と間隔を隔てて設けられた環状部322と、支持部321と環状部322を弾性的に接続する弾性アーム323とを含み、環状部322は、ベース13に取り外し可能に接続され、即ち、弾性部材3は、弾性片である。
【0053】
ここで、支持部321及び弾性アームの一部は、懸架溝131内に懸架され、環状部322は、貼り付け方式でベース13に接続されてもよい。
【0054】
本実施例では、弾性アーム323は、4つであり、且つ支持部321と環状部322との対応位置を均一に接続する。
【0055】
本実施例では、ベース13の周縁に外向きに突出して形成された第1突出部132が間隔を隔てて設けられ、円筒14の第1突出部132に対応する位置には外向きに突出して形成された第2突出部142が設けられ、環状部322の第1突出部132に対応する位置には外向きに突出して形成された第3突出部3221が設けられ、対応する第1突出部132、第2突出部142及び第3突出部3221において、マッチングする固定孔133が設けられ、対応する第1突出部132、第2突出部142及び第3突出部3221は、固定具134が対応する固定孔133を通すことにより、取り外し可能な接続を図ることができる。
【0056】
ここで、第1突出部は、4つであり、且つベース13の周縁に均一に設けられ、対応的に、第2突出部142も、4つが設けられ、第3突出部も、4つが設けられている。
【0057】
1つの固定具134は、対応する1つの第1突出部132、1つの第2突出部142及び1つの第3突出部3221における固定孔133を通すことにより、ベース13、円筒14及び環状部322が取り外し可能に接続される。固定具134はネジであれば、固定孔133はネジ孔である。
【0058】
本実施例における振動機能を有する電子機器は、使用前において、ハウジング1の周縁の取付孔11によりキャリアに取り付けられ、使用時において、振動モータ21は、振動ブロック22を動かして振動ブロック22と共に振動し、弾性部材3により変位及び回復を実現し、ガイド溝141とストッパ部221の係合制限により、振動ブロック22の振動方向を限定することによって、振動ブロック22の振動がキャリアによる影響を受けず、局所的な振動の作用を実現し、振動ユニット2が実際に生じる振動をユーザに直接的にフィードバックし、即ち、ユーザに振動感を直接的に提供することができる。
【0059】
上述したのは、本発明の実施形態に過ぎず、ここで明確にすべきことは、当業者にとって、本発明の創造的構想から逸脱しない前提で、さらに改良することができるが、これらはいずれも本発明の保護範囲に属する。
【符号の説明】
【0060】
100…振動モジュール、1…ハウジング、10…収容空間、11…取付孔、12…凹み溝、121…接続孔、122…接続具、13…ベース、131…懸架溝、132…第1突出部、133…固定孔、134…固定具、14…円筒、141…ガイド溝、142…第2突出部、2…振動ユニット、21…振動モータ、22…振動ブロック、221…ストッパ部、3…弾性部材、311…第1接続部、312…延伸部、313…第2接続部、321…支持部、322…環状部、3221…第3突出部、323…弾性アーム、200…キャリア、210…取付溝