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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-04
(45)【発行日】2023-08-15
(54)【発明の名称】開放式呼気微粒子の捕集濾過装置
(51)【国際特許分類】
   A62B 18/02 20060101AFI20230807BHJP
   A41D 13/11 20060101ALI20230807BHJP
   A62B 18/08 20060101ALI20230807BHJP
【FI】
A62B18/02 A
A41D13/11 Z
A62B18/08 D
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022101624
(22)【出願日】2022-06-24
(65)【公開番号】P2023031240
(43)【公開日】2023-03-08
【審査請求日】2022-06-24
(31)【優先権主張番号】110131351
(32)【優先日】2021-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】522254077
【氏名又は名称】クオ ユー-メイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クオ ユー-メイ
(72)【発明者】
【氏名】ファン シェン-シュ
(72)【発明者】
【氏名】リン チー-ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】チェン チー-チエ
【審査官】村山 禎恒
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第4965887(US,A)
【文献】特開平3-193903(JP,A)
【文献】特開昭62-97904(JP,A)
【文献】実開昭59-150450(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62B 7/00-33/00
A41D 13/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェイスマスクと、着用部品と、抽気部品と、濾過材と、パワーサプライとを備える開放式呼気微粒子の捕集濾過装置であって、
前記フェイスマスクに、利用者の口の下方に位置する仕切り部が設けられており、前記仕切り部が、前記利用者に近接する第1端と、前記利用者から離れる第2端とを有し、前記第1端に前記利用者の顎に接触する支持部が設けられており、前記第2端が上に延伸し遮蔽部が形成されて前記利用者の鼻の前方に遮ることで、前記遮蔽部の上側縁と前記利用者の顔との間に、開放した吸気切欠きが形成されており、前記仕切り部に前記第1端と前記第2端の間に位置する排気開口が設けられており、前記仕切り部がホッパーハウジングと、第1アーク状壁と、第2アーク状壁とを有し、前記ホッパーハウジングの上縁が前記第1アーク状壁と前記第2アーク状壁に接続されることで、前記第1アーク状壁と前記第2アーク状壁との間に収集チャネルが形成されており、前記ホッパーハウジングの下縁に前記排気開口が形成されており、かつ前記上縁と前記下縁との間にテーパーチャネルが成形され、
前記着用部品が前記フェイスマスクに接続されることで、前記フェイスマスクが前記利用者の頭に固定され、
前記抽気部品が前記仕切り部の排気開口に組み付けられる排気管路と、前記排気管路に組み付けられるファンとを有し、
前記濾過材が前記フェイスマスク及び前記抽気部品の一方に取り付けられ、
前記パワーサプライが前記抽気部品に電気的に接続されて前記ファンを回転させることで、前記フェイスマスクと前記排気管路との両方の内部に抽気気流が発生され、前記吸気切欠きを通過して入る外部空気、及び前記利用者の口・鼻から発生する呼出空気が全て前記濾過材を通過して前記抽気部品から排出されることを特徴とする、開放式呼気微粒子の捕集濾過装置。
【請求項2】
前記濾過材が前記収集チャネルに取り付けられ、前記第2アーク状壁に上に向けて開口するスロットが形成され、前記遮蔽部が前記スロットに挿入し位置決めする挿着セクションと、前記仕切り部に露出する遮断セクションとを有することを特徴とする、請求項1に記載の開放式呼気微粒子の捕集濾過装置。
【請求項3】
前記遮蔽部が前記仕切り部へ傾斜することで、前記吸気切欠きが構成する第1上面輪郭は、前記仕切り部が構成する第2上面輪郭よりも小さいことを特徴とする、請求項1に記載の開放式呼気微粒子の捕集濾過装置。
【請求項4】
前記遮蔽部の上側縁は中央位置から両側辺位置に向けて漸縮し、前記利用者に接触しない弧状ブロック壁を形成することを特徴とする、請求項1に記載の開放式呼気微粒子の捕集濾過装置。
【請求項5】
前記支持部は、前記顎の前側に接触する第1支持部品と、前記顎の下方に接触する第2支持部品と、を有することを特徴とする、請求項1に記載の開放式呼気微粒子の捕集濾過装置。
【請求項6】
前記仕切り部の第1端に、雌コネクタがさらに設けられており、前記第1支持部品に、前記雌コネクタに合わせて固定される雄コネクタが接続されていることで、前記支持部は選択的に前記仕切り部から分離し交換できることを特徴とする、請求項5に記載の開放式呼気微粒子の捕集濾過装置。
【請求項7】
前記排気管路は、第1アダプタと、第2アダプタと、前記第1アダプタと前記第2アダプタとの間にある取付ハウジングとを備え、前記濾過材が前記取付ハウジングの内部に設けられ、前記ファンが前記第2アダプタに取り付けられ、前記取付ハウジングが、前記第1アダプタに隣接する第1流通断面と、前記第2アダプタに隣接する第2流通断面とを有し、前記第2流通断面が前記第1流通断面よりも大きいことを特徴とする、請求項1に記載の開放式呼気微粒子の捕集濾過装置。
【請求項8】
前記捕集濾過装置は補助濾過材をさらに備え、前記フェイスマスク及び前記抽気部品の他方に取り付けられることで、前記呼出空気が前記濾過材及び前記補助濾過材を介して複数回濾過されることを特徴とする、請求項1に記載の開放式呼気微粒子の捕集濾過装置。
【請求項9】
前記捕集濾過装置は補助着用部品をさらに備え、前記補助着用部品が前記抽気部品に接続されることで、前記抽気部品が前記利用者の上半身の胴に位置決めされることを特徴とする、請求項1に記載の開放式呼気微粒子の捕集濾過装置。
【請求項10】
前記遮蔽部が屈曲変形可能な透明ブロックシートから構成され、前記透明ブロックシートの頂部中央にV溝を有し、前記V溝の2つの反対側辺が相互に接触できることで、前記遮蔽部が立体形状に折り曲げられることを特徴とする、請求項1に記載の開放式呼気微粒子の捕集濾過装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者の口・鼻の前方に着用して微粒子を収集する呼気濾過装置に関し、特に、口・鼻を完全に密閉せず、利用者が生じる飛沫を収集する捕集濾過装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年来、空気汚染が深刻になっており、それに、公共衛生が重要視されていることにより、季節が移り変わる場合、あるいはインフルエンザ又は新型コロナウイルス感染症のような伝染病等の飛沫伝染病が流行する場合、適時にマスクを着用して、有害物質が鼻と口に侵入することを低減、阻止すべきである。
【0003】
しかし、市場では異なる機能と異なる構造の多種類のマスクが提供されており、機能性及び所定の用途によって、外科手術用マスクと、活性炭マスクと、N95マスク等に分けられる。殆どのマスクは、密閉空間を有する形態で形成され、かつ鼻の位置に支持機能を有する鼻ストリップとして設計され、利用者の鼻の形に応じて鼻に貼り付けて、より安定して顔に貼り付けることができる。しかし、鼻ストリップは金属材質又はプラスチック材等の可塑的なものから構成されることが多いので、利用者は常に鼻ストリップの位置を調整しなければならず、使用時に不便になったり、鼻ストリップが貼り合わせないことにより痛み感を生じたりする。
【0004】
なお、利用者がマスクを着用する場合、微粒子が濾過材に担持され、空気抵抗が増加することにより、着用者は十分な空気を吸うように、さらに力を入れて呼吸しなければならない。そして、鼻ストリップに密着しないところがある場合、吐き出された熱い息が漏れて眼鏡のレンズに結露し、視線に影響する。
【発明の概要】
【0005】
本発明の主な目的は、開放式エアキャップの捕集濾過装置を提供して、伝染病にかかった患者が着用することで、利用者から吐き出された飛沫微粒子が全て前記捕集濾過装置に収集され、濾過材を通過して清潔な空気を排出し、利用者の飛沫が空気に飛散し伝播源を形成することを避けることである。
【0006】
本発明の副次的目的は、開放式フェイスマスクを顔の顎位置のみに接触させ、外部の空気が鼻の上方の切欠きから入るように保持し、フェイスマスクの着用快適性を改善するとともに、従来の密閉式フェイスマスクによる呼吸抵抗が高すぎるデメリットをなくすことである。
【0007】
本発明の別の目的は、開放式フェイスマスクの各部位が分離可能に互いに組立連結されることで、利用者が異なる要求に応じて自ら支持部位及び遮蔽部位の構造形態を変更できることである。
【0008】
本発明の更に別の目的は、捕集濾過装置が異なる部材の位置に濾過材をそれぞれ組み付けることが可能であり、複数の箇所における複数回の濾過を介して、空気を排出してもウイルスが残ることを避け、濾過材がいずれも利用者から容易に交換され、実際の使用利便性を大幅に向上することである。
【0009】
前記目的を実現するために、本発明は、フェイスマスクと、着用部品と、抽気部品と、濾過材と、パワーサプライとを備える開放式呼気微粒子の捕集濾過装置を提供する。前記フェイスマスクに、利用者の口の下方に位置する仕切り部が設けられており、前記仕切り部が、前記利用者に近接する第1端と、前記利用者から離れる第2端とを有し、前記第1端に前記利用者の顎に接触する支持部が設けられており、前記第2端が上に延伸し遮蔽部が形成されて前記利用者の鼻の前方に遮ることで、前記遮蔽部の上側縁と前記利用者の顔との間に、開放した吸気切欠きが形成されており、前記仕切り部に前記第1端と前記第2端の間に位置する排気開口が設けられている。
【0010】
前記着用部品が前記フェイスマスクに接続されることで、前記フェイスマスクが前記利用者の頭に固定される。前記抽気部品が前記仕切り部の排気開口に組み付けられる排気管路と、前記排気管路に組み付けられるファンとを有する。前記濾過材が前記フェイスマスク及び前記抽気部品の一方に取り付けられる。前記パワーサプライが前記抽気部品に電気的に接続されて前記ファンを回転させることで、前記フェイスマスクと前記排気管路との両方の内部に抽気気流が発生され、前記吸気切欠きを通過して入る外部空気、及び前記利用者の口・鼻から発生する呼出空気が全て前記濾過材を通過して前記抽気部品から排出される。
【0011】
一好ましい実施態様において、前記仕切り部がホッパーハウジングと、第1アーク状壁と、第2アーク状壁とを有し、前記ホッパーハウジングの上縁が前記第1アーク状壁と前記第2アーク状壁に接続されることで、前記第1アーク状壁と前記第2アーク状壁との間に収集チャネルが形成されており、前記ホッパーハウジングの下縁に前記排気開口が形成されており、かつ前記上縁と前記下縁との間にテーパーチャネルが成形される。前記濾過材が前記収集チャネルに取り付けられ、前記第2アーク状壁に上に向けて開口するスロットが形成され、前記遮蔽部が前記スロットに挿入し位置決めする挿着セクションと、前記仕切り部に露出する遮断セクションとを有する。
【0012】
なお、前記遮蔽部が前記仕切り部へ傾斜することで、前記吸気切欠きが構成する第1上面輪郭は、前記仕切り部が構成する第2上面輪郭よりも小さい。前記遮蔽部の上側縁は中央位置から両側辺位置に向けて漸縮し、前記利用者に接触しない弧状ブロック壁を形成する。
【0013】
一実行可能な実施態様において、前記遮蔽部が屈曲変形可能な透明ブロックシートから構成され、前記透明ブロックシートの頂部中央にV溝を有し、前記V溝の2つの反対側辺が相互に接触できることで、前記遮蔽部が立体形状に折り曲げられる。
【0014】
また、前記支持部は、前記顎の前側に接触する第1支持部品と、前記顎の下方に接触する第2支持部品と、を有する。前記仕切り部の第1端に、雌コネクタがさらに設けられており、前記第1支持部品に、前記雌コネクタに合わせて固定される雄コネクタが接続されていることで、前記支持部は選択的に前記仕切り部から分離し交換できる。
【0015】
前記排気管路は、第1アダプタと、第2アダプタと、前記第1アダプタと前記第2アダプタとの間にある取付ハウジングとを備え、前記濾過材が前記取付ハウジングの内部に設けられ、前記ファンが前記第2アダプタに取り付けられ、前記取付ハウジングが、前記第1アダプタに隣接する第1流通断面と、前記第2アダプタに隣接する第2流通断面とを有し、前記第2流通断面が前記第1流通断面よりも大きい。前記第1流通断面が前記排気開口の開口断面よりも大きく、前記第2流通断面が前記第2アダプタの出口断面よりも大きく、前記出口断面のサイズが前記開口断面よりも大きい。
【0016】
別の実行可能な実施態様において、前記捕集濾過装置は、補助濾過材と補助着用部品とをさらに備え、前記補助濾過材が前記フェイスマスク及び前記抽気部品の他方に取り付けられることで、前記呼出空気が前記濾過材及び前記補助濾過材を介して複数回濾過される。前記補助着用部品が前記抽気部品に接続されることで、前記抽気部品が前記利用者の上半身の胴に位置決めされ、前記利用者の頭が耐えなければならない装置の重量を減少することができる。
【0017】
なお、前記着用部品の設計について、前記着用部品には、前記利用者の耳24に当接される接触セクションと、前記フェイスマスクと前記接触セクションとの間にある延長セクションとを設けることができる。他にも、前記フェイスマスクと着用部品とが共同で着用空間を囲むことで、前記利用者の頭が前記着用空間に入ることが可能であり、前記着用空間の大きさを調整できるように、前記着用部品は伸縮可能な材料で構成される。
【0018】
本発明は、フェイスマスクと利用者の顔とが間隔をキープして、開放した吸気切欠きを形成することにより、フェイスマスクの着用快適性を改善するとともに、従来の密閉式フェイスマスクの呼吸抵抗が高すぎるデメリットを克服することを特徴とする。なお、抽気部品のファンによって形成される抽気気流で、フェイスマスク内部の空気は全て収集され、前記抽気部品に入り濾過材に接触する。このようにすれば、利用者の呼吸と咳による飛沫が全て濾過材により濾過され、利用者の飛沫が空気に飛散し伝播源を形成することを回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は本発明に係る開放式呼気微粒子の捕集濾過装置の斜視図である。
図2図2は捕集濾過装置が利用者に着用されることを示す模式図である。
図3図3は捕集濾過装置の分解図である。
図4図4は捕集濾過装置の概略的断面図である。
図5図5はフェイスマスクの分解図である。
図6図6はフェイスマスクの別の実施態様の模式図である。
図7図7A図6の収集部の輪郭の模式図であり、図7B図6の吸気切欠きの輪郭の模式図である。
図8図8A乃至図8Cは着用部品の異なる実施態様の斜視図である。
図9図9A乃至図9Cはフェイスマスクの遮蔽部が異なる形態を示すことができる模式図である。
図10図10は本発明に係る捕集濾過装置が稼働し抽気気流を形成することを示す模式図である。
図11図11Aは捕集濾過装置が単独で濾過材を使用する場合の気流模式図であり、図11Bは捕集濾過装置が濾過材及び補助濾過材を使用する場合の気流模式図である。
図12図12は本発明に係る捕集濾過装置の別の実施態様の模式図である。
図13図13は本発明に係る捕集濾過装置の更に別の実施態様の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の構造、使用及びその特徴をより一層明確で具体的に認識及び理解するために、好ましい実施態様を挙げて、図面に基づき以下のように詳しく説明する。
【0021】
図1及び図2を参照する。本発明に係る開放式呼気微粒子の捕集濾過装置1が、利用者2によって頭20の前の顔位置に着用されるので、捕集濾過装置1は、前記利用者2の鼻21及び口22から吐き出された空気を吸引収集し、濾過して清潔な空気を排出し、インフルエンザ、腸ウイルス又は新型コロナウイルス感染症等の飛沫伝染による疾患が他人に伝染することを避けることができる。
【0022】
図3乃至図5を参照する。前記捕集濾過装置1は、フェイスマスク3と、着用部品4と、抽気部品5と、濾過材6と、補助濾過材7と、パワーサプライ8とを備える。なかでも、前記フェイスマスク3は、前記利用者2の顔に接触でき、前記利用者2の口22及び鼻21の前方に隔離できる。前記着用部品4は、前記フェイスマスク3を前記利用者2の頭の前の顔に保持し位置決めするために使用される。前記抽気部品5は、抽気気流Fを発生するために使用されることで、前記フェイスマスク3が収集した空気は、前記抽気部品5の入口端531から入ってから、前記抽気部品5の出口端541から排出される。前記濾過材6及び前記補助濾過材7は、それぞれ、前記フェイスマスク3及び前記抽気部品5の内部に取り付けられ、両者とも前記抽気気流Fが発生する気流経路に分布することで、空気は前記濾過材6及び前記補助濾過材7を通過する際に複数回濾過される。前記パワーサプライ8が前記抽気部品5のファン51に接続されることで、前記ファン51は、回転を持続して前記抽気気流Fを発生することができる。
【0023】
図示するように、前記フェイスマスク3には、前記利用者2の口22の下方に位置する仕切り部30と、前記利用者2の顎23に接触する支持部31と、前記利用者2の鼻21の前方に遮る遮蔽部32とが設けられている。前記仕切り部30は、前記利用者2に近接する第1端301と、前記利用者2から離れる第2端302と、前記第1端301と前記第2端302との間に位置する排気開口303とを有する。前記支持部31が着脱可能に前記第1端301に組み付けられ、前記遮蔽部32が同様に着脱可能に前記第2端302に組み付けられることにより、前記利用者2は、必要に応じて、自ら前記支持部31及び前記遮蔽部32の型式を変更することができる。
【0024】
なかでも、前記仕切り部30の第1端301が曲度の小さな第1アーク状壁301aに構成され、前記仕切り部30の第2端302が曲度の大きな第2アーク状壁302aに構成されることで、前記第1アーク状壁301aと前記第2アーク状壁302aとの間に、新月状を呈する収集チャネル304が形成され、前記第1アーク状壁301aと前記第2アーク状壁302aの下方が共同でホッパー部305の上縁に接続され、かつ前記ホッパー部305の下縁が断面の小さな前記排気開口303に収束されることで、前記上縁と前記下縁との間にテーパーチャネル306が形成され、また、前記第1アーク状壁301aの前記第2アーク状壁302aに隣接する両側端位置にそれぞれ、位置決め部品307が設けられている。
【0025】
なお、前記遮蔽部32が前記第2アーク状壁302aから垂直に上に延伸することで、前記遮蔽部32の上側縁321と前記利用者2の顔との間に、開放した吸気切欠き33が形成されている。前記遮蔽部32の上側縁321は、中央位置から両側辺位置に向けて、前記利用者2に接触しない弧状ブロック壁が漸縮形成される。利用者が前記フェイスマスク3の着用角度を変える場合、前記弧状ブロック壁が前記利用者2の頬に接触する機会を減少し、着用時の快適性を増やすことができる。しかし、この実施態様は、例を挙げて説明するものに過ぎず、前記遮蔽部32は高さが同様に維持される矩形ブロック壁に成形されてもよいので、前記フェイスマスク3の密閉性が向上し、これにより捕集効率を向上する。
【0026】
図示される第1の好ましい実施態様において、前記支持部31は、前記顎23の前側に接触する第1支持部品311と、前記顎23の下方に接触する第2支持部品312とを有する。他には、前記仕切り部30の第1アーク状壁301aに雌コネクタ308が設けられており、前記第1支持部品311に、前記雌コネクタ308に合わせて固定される雄コネクタ313が接続されていることで、前記支持部31は前記仕切り部30に着脱可能である。また、前記第2アーク状壁302aには開口が上を向くスロット309が形成され、前記遮蔽部32は、前記スロット309に挿入し位置決めする挿着セクション321と、前記仕切り部30に露出する遮断セクション322とを有する。
【0027】
図6図7A及び図7Bを参照する。第2の実行可能な実施態様において、前記遮蔽部32は、前記第2アーク状壁302aが前記利用者2に向けて斜めに鼻21の上方まで延伸する。前記利用者2の頭の上方から観察すると、前記利用者2の顔と前記遮蔽部32から共同で構成された前記吸気切欠き33は、第1上面輪郭C1を有し、前記第1アーク状壁301aと前記第2アーク状壁302aから共同で構成された前記収集チャネル304は、第2上面輪郭C2を有する。なかでも、前記第1上面輪郭C1の面積は前記第2上面輪郭C2よりも小さい。
【0028】
図2及び図4を参照する。前記着用部品4は、前記仕切り部30の位置決め部品307に接続される。図示するように、前記着用部品4が、取り囲まれる空間を独立して形成できる2つの弾性ロープ41にされるので、前記弾性ロープ41は、前記利用者2の耳24の周りを取り囲むことができ、前記フェイスマスク3が弾力に作用されて前記利用者2の頭に位置決めされる。前記弾性ロープ41は、前記利用者2の耳24に当接できる接触セクション411と、前記位置決め部品307と前記接触セクション411との間にある延長セクション412とを有する。
【0029】
しかし、これは例を挙げて説明するためのものに過ぎず、前記着用部品4の構造形態を制限するものではない。即ち、図8Aに示すように、前記着用部品4は、前記位置決め部品307に対して枢動できるイヤーフック42にされてもよい。前記イヤーフック42は、前記利用者2の耳24に合わせて接触する接触セクション421と、前記位置決め部品307と前記接触セクション421との間にある延長セクション422とを有する。もしくは、図8Bに示すように、前記着用部品4は、前記フェイスマスク3に合わせて共同で着用空間431を形成するように、伸縮可能な材料で構成されるひも43にされてもよい。前記着用空間431のサイズが調整されることで、異なる利用者2の頭は全て前記着用空間431に入ることが可能である。もしくは、図8Cに示すように、前記遮蔽部32は、両側にそれぞれ穴323が形成され、前記弾性ロープ41が前記穴323及び前記位置決め部品307を貫通することで、前記利用者2の耳24が前記弾性ロープ41に二重に囲まれるとともに、前記遮蔽部32が前記弾性ロープ41に引っ張られて前記利用者の顔に向けて僅かに変形することも可能である。
【0030】
図9A乃至図9Cを参照する。前記遮蔽部32は屈曲変形可能な透明ブロックシートから構成されてもよい。前記透明ブロックシートの頂部中央にV溝324を有し、使用時に前記透明ブロックシートを折り曲げることにより、前記V溝324の2つの反対側辺が相互に接触し、前記V溝324をなくすことができる。図示するように、前記V溝324は尖点の深さ又は開口の幅により、前記遮蔽部32が異なる立体形状に折り曲げられる。
【0031】
なお、図3及び図4を参照する。前記抽気部品5は、前記仕切り部30の排気開口303に組み付けられる排気管路52を有し、前記ファン51が前記排気管路52の末端に組み付けられる。なかでも、前記排気管路52は、前記入口端531を構成する第1アダプタ53と、前記出口端541を構成する第2アダプタ54と、前記第1アダプタ53と前記第2アダプタ54との間にある取付ハウジング55とを備える。前記第1アダプタ53は、前記排気開口303に接続される第1パイプ532と、前記第1パイプ532に接続される拡大管533とを有する。
【0032】
前記取付ハウジング55の頂部及び底部に、それぞれ、円形壁551及び矩形壁552が構成されている。前記円形壁551は、第1アダプタ53の前記拡大管533に隣接し、第1流通断面を構成しており、前記矩形壁552は、前記第2アダプタ54に隣接し、第2流通断面を構成している。なかでも、前記第2流通断面が前記第1流通断面よりも大きく、前記第1流通断面が前記排気開口303の開口断面よりも大きい。
【0033】
前記第2アダプタ54は、前記矩形壁552に接続されるアダプタ端542と、前記ファン51に接続される前記出口端541とを有する。なかでも、前記アダプタ端542と前記出口端541との間にテーパー壁面が形成されていることで、前記第2流通断面が前記第2アダプタ54の出口断面よりも大きく、前記出口断面のサイズが前記開口断面よりも大きい。
【0034】
図4を再び参照する。前記濾過材6は前記取付ハウジング55の内部に取り付けられ、多くの折られた面を形成して濾過の接触面積を増加させる。前記補助濾過材7は、前記収集チャネル304に取り付けられるシートにされることにより、本発明に係る捕集濾過装置1は複数の濾過材を介して複数回濾過される。
【0035】
図10を参照する。前記パワーサプライ8が前記ファン51に電気的に接続されることで、前記ファン51は回転を持続して、前記捕集濾過装置1の内部に抽気気流Fを発生することができる。前記フェイスマスク3の内部にファン51により圧力差が形成されているので、外部空気F1は前記吸気切欠き33を通過してフェイスマスク3の内部に入り、前記利用者2が呼吸或いは話しをする時に発生した呼出空気F2は、全て前記フェイスマスク3に収集されて前記外部空気F1とともに前記抽気部品5に入り、最後に前記ファン51の他方側から排出される。この過程では、排出ガスにおけるウイルスが完全に濾別されることを確保するように、前記外部空気F1及び前記呼出空気F2は全て前記濾過材6及び補助濾過材7を通過する。
【0036】
図11Aを参照する。本発明に係る捕集濾過装置1は前記取付ハウジング55の内部のみに前記濾過材6(図示せず)を設ける場合、前記排気開口303が前記収集チャネル304の中央位置に位置するので、気流が外部から前記収集チャネル304に入る時に、中央領域の気流の強度が強く、両側位置の気流の強度が弱い。
【0037】
図11Bを参照する。本発明に係る捕集濾過装置1は、前記取付ハウジング55及び前記収集チャネル304の内部に、それぞれ、前記濾過材6(図示せず)及び前記補助濾過材7を設ける場合、前記補助濾過材7の内部が異なる抵抗を有するように設計されるので、気流が外部から前記ホッパー部305に入る時に整流されるので、中央領域及び両側領域の気流強度が同一に維持される。
【0038】
図12を参照する。別の実行可能な実施態様において、本発明に係る捕集濾過装置1は、補助着用部品9をさらに備える。前記補助着用部品9が主として抽気部品5に接続されることで、前記補助着用部品9と前記抽気部品5との間に着用空間が形成され、前記利用者2の首25が前記着用空間を貫通して捕集濾過装置1全体の重量を支持する。しかし、これは例を挙げて説明するためのものに過ぎず、即ち、前記補助着用部品9は前記捕集濾過装置1を前記利用者2の上半身の胴の腰部位置(図示せず)に位置決めすることもできる。
【0039】
図13を参照する。更に別の実行可能な実施態様において、前記フェイスマスク3はフレキシブル材料で構成され、かつ前記仕切り部30の両位置決め部品307間に第1間隔が形成されている。本発明のフェイスマスク3は、前記着用部品4の引っ張りにより前記仕切り部30を内に向けて弾性変形(図示する矢印方向のように)させることで、前記第1間隔が前記第1間隔より距離が小さい第2間隔に変更され、前記仕切り部30が頬に近接し、より密閉するエアキャップの型式に形成される。他には、前記フェイスマスク3は、直接仕切り部30を図13の形を呈する硬質材料に設計してもよく、弾性変形しなくても前記フェイスマスク3の両側を直接頬に接触させることができる。
【符号の説明】
【0040】
1 捕集濾過装置
2 利用者
21 鼻
22 口
23 顎
24 耳
25 首
3 フェイスマスク
30 仕切り部
301 第1端
301a 第1アーク状壁
302 第2端
302a 第2アーク状壁
303 排気開口
304 収集チャネル
305 ホッパー部
306 テーパーチャネル
307 位置決め部品
308 雌コネクタ
309 スロット
31 支持部
311 第1支持部品
312 第2支持部品
313 雄コネクタ
32 遮蔽部
321 挿着セクション
322 遮断セクション
323 穴
324 V溝
33 吸気切欠き
4 着用部品
41 弾性ロープ
411 接触セクション
412 延長セクション
42 イヤーフック
421 接触セクション
422 延長セクション
43 ひも
431 着用空間
5 抽気部品
51 ファン
52 排気管路
53 第1アダプタ
531 入口端
532 第1パイプ
533 拡大管
54 第2アダプタ
541 出口端
542 アダプタ端
55 取付ハウジング
551 円形壁
552 矩形壁
6 濾過材
7 補助濾過材
8 パワーサプライ
9 補助着用部品
C1 第1上面輪郭
C2 第2上面輪郭
F 抽気気流
F1 外部空気
F2 呼出空気
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図10
図11A
図11B
図12
図13