(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-04
(45)【発行日】2023-08-15
(54)【発明の名称】信号伝送の方法と通信機器
(51)【国際特許分類】
H04W 56/00 20090101AFI20230807BHJP
H04W 92/18 20090101ALI20230807BHJP
H04W 72/25 20230101ALI20230807BHJP
【FI】
H04W56/00 130
H04W92/18
H04W72/25
(21)【出願番号】P 2022522337
(86)(22)【出願日】2020-11-06
(86)【国際出願番号】 CN2020127076
(87)【国際公開番号】W WO2021088979
(87)【国際公開日】2021-05-14
【審査請求日】2022-04-19
(31)【優先権主張番号】201911083574.9
(32)【優先日】2019-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517372494
【氏名又は名称】維沃移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】VIVO MOBILE COMMUNICATION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1, vivo Road, Chang’an, Dongguan,Guangdong 523863, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】蒲文娟
(72)【発明者】
【氏名】楊曉東
(72)【発明者】
【氏名】鮑▲ウェイ▼
(72)【発明者】
【氏名】梁敬
【審査官】望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第110050453(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0112989(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0141647(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0139769(US,A1)
【文献】国際公開第2018/062850(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0098589(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00-H04W99/00
H04B7/24-H04B7/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号伝送の方法であって、
第一の信号の伝送と第二の信号の伝送が衝突する場合、伝送優先度を決定することと、
前記伝送優先度に基づき、前記第一の信号を優先して送信又は受信するか、又は、前記第二の信号を優先して送信又は受信することとを含み、
そのうち、前記第一の信号は、サイドリンク同期信号SLSS又は物理サイドリンクブロードキャストチャネルPSBCHに載せられる信号を含
み、
前述した、伝送優先度を決定することは、
前記第一の信号と第二の信号の信号タイプ、優先度パラメータ、優先度閾値、無線アクセス技術、信号伝送方向のうちの一つ又は複数に基づいて、前記伝送優先度を決定することを含み、
前述した、前記第一の信号と第二の信号の信号タイプ、優先度パラメータ、優先度閾値、無線アクセス技術、信号伝送方向のうちの一つ又は複数に基づいて、前記伝送優先度を決定することは、前記第二の信号がサイドリンクデータを含み、前記第一の信号と前記第二の信号の無線アクセス技術が異なるか又は同じであれば、前記第一の信号の優先度パラメータと前記第二の信号の優先度パラメータに基づいて前記伝送優先度を決定することを含み、前述した、前記第一の信号の優先度パラメータと前記第二の信号の優先度パラメータに基づいて前記伝送優先度を決定することは、前記第一の信号の優先度パラメータが前記第二の信号の優先度パラメータより小さければ、前記第一の信号の送信又は受信の優先度は前記第二の信号の送信又は受信の優先度より高いと決定すること、又は、前記第一の信号の優先度パラメータが前記第二の信号の優先度パラメータより大きければ、前記第一の信号の送信又は受信の優先度は前記第二の信号の送信又は受信の優先度より低いと決定することを含み、
又は、
前述した、前記第一の信号と第二の信号の信号タイプ、優先度パラメータ、優先度閾値、無線アクセス技術、信号伝送方向のうちの一つ又は複数に基づいて、前記伝送優先度を決定することは、前記第一の信号の優先度パラメータが第一の優先度閾値より小さければ、前記第一の信号の送信又は受信の優先度は前記第二の信号の送信又は受信の優先度より高いと決定することを含み、そのうち、前記第二の信号はUuインターフェースの非PRACHデータである、信号伝送の方法。
【請求項2】
前述した、前記第一の信号と第二の信号の信号タイプ、優先度パラメータ、優先度閾値、無線アクセス技術、信号伝送方向のうちの一つ又は複数に基づいて、前記伝送優先度を決定することは、
前記第二の信号がUuインターフェースの物理ランダムアクセスチャネルPRACHデータを含み、前記第一の信号と前記第二の信号の無線アクセス技術が異なるか又は同じであれば、前記第一の信号の送信又は受信の優先度は前記第二の信号の送信又は受信の優先度より低いと決定すること、
又は、前記第二の信号がUuインターフェースの非PRACHデータを含み、前記第一の信号と前記第二の信号の無線アクセス技術が異なるか又は同じであれば、前記第一の信号の送信又は受信の優先度は前記第二の信号の送信又は受信の優先度より高いと決定することを含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
前記第一の信号の優先度パラメータと前記第二の信号の優先度パラメータが等しければ、前記第一の信号と第二の信号の優先度閾値、無線アクセス技術、信号伝送方向のうちの一つ又は複数に基づいて、前記伝送優先度を決定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前述した、前記第一の信号の優先度パラメータと前記第二の信号の優先度パラメータが等しければ、前記第一の信号と第二の信号の優先度閾値、無線アクセス技術、信号伝送方向のうちの一つ又は複数に基づいて、前記伝送優先度を決定することは、
前記第一の信号の優先度パラメータが第一の優先度閾値より大きく、且つ前記第二の信号の優先度パラメータが第二の優先度閾値より小さければ、前記第二の信号の送信又は受信の優先度は前記第一の信号の送信又は受信の優先度より高いと決
定することを含む、請求項
3に記載の方法。
【請求項5】
前述した、前記第一の信号と第二の信号の信号タイプ、優先度パラメータ、優先度閾値、無線アクセス技術、信号伝送方向のうちの一つ又は複数に基づいて、前記伝送優先度を決定することは、
前記第一の信号の優先度パラメータが第一の優先度閾値より大きく、且つ前記第二の信号の優先度パラメータが第二の優先度閾値より小さければ、前記第二の信号の送信又は受信の優先度は前記第一の信号の送信又は受信の優先度より高いと決
定することを含み、
そのうち、前記第二の信号はUuインターフェースの非PRACHデータであり、前記第一の信号と前記第二の信号の無線アクセス技術は異なるか又は同じである、請求項
1に記載の方法。
【請求項6】
前述した、前記第一の信号と第二の信号の信号タイプ、優先度パラメータ、優先度閾値、無線アクセス技術、信号伝送方向のうちの一つ又は複数に基づいて、前記伝送優先度を決定することは、
前記第二の信号がSLSS又はPSBCHに載せられる信号であり、且つ前記第一の信号の無線アクセス技術がニューラジオNRで、前記第二の信号の無線アクセス技術が長期的進化LTEであり、
又は、前記第二の信号がサイドリンクデータであり、且つ前記第一の信号の無線アクセス技術がNRで、前記第二の信号の無線アクセス技術がLTEであり、
又は、前記第二の信号がUuインターフェースの非PRACHデータであり、且つ前記第一の信号の無線アクセス技術がNRで、前記第二の信号の無線アクセス技術がLTEであれば、
前記第一の信号の送信又は受信の優先度は前記第二の信号の送信又は受信の優先度より高いこと、又は、前記第一の信号の送信又は受信の優先度は前記第二の信号の送信又は受信の優先度より低いことを決定することを含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項7】
前述した、前記第一の信号と第二の信号の信号タイプ、優先度パラメータ、優先度閾値、無線アクセス技術、信号伝送方向のうちの一つ又は複数に基づいて、前記伝送優先度を決定することは、
前記第二の信号がSLSS又はPSBCHに載せられる信号であり、前記第一の信号と前記第二の信号の無線アクセス技術が異なれば、又は、前記第二の信号がサイドリンクデータであり、前記第一の信号と前記第二の信号の無線アクセス技術が異なるか又は同じであれば、又は、前記第二の信号がUuインターフェースの非PRACHデータであり、前記第一の信号と前記第二の信号の無線アクセス技術が異なるか又は同じであれば、
前記第一の信号又は前記第二の信号の送信の優先度は前記第一の信号又は前記第二の信号の受信の優先度より高いこと、
前記第一の信号又は前記第二の信号の送信の優先度は前記第一の信号又は前記第二の信号の受信の優先度より低いことのうちの一つを決定することを含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項8】
前述した、前記伝送優先度に基づき、前記第一の信号を優先して送信又は受信するか、又は、前記第二の信号を優先して送信又は受信することは、
前記第一の信号の送信の優先度が前記第二の信号の送信の優先度より高ければ、前記第一の信号を送信し、前記第二の信号の送信を停止するか、又は、前記第一の信号を送信し、パワー削減の方式で前記第二の信号を送信することと、
前記第二の信号の送信の優先度が前記第一の信号の送信の優先度より高ければ、前記第二の信号を送信し、前記第一の信号の送信を停止するか、又は、前記第二の信号を送信し、パワー削減の方式で前記第一の信号を送信することとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
通信機器であって、
第一の信号の伝送と第二の信号の伝送が衝突する場合、伝送優先度を決定するための第一の決定モジュールと、
前記伝送優先度に基づき、前記第一の信号を優先して送信又は受信するか、又は、前記第二の信号を優先して送信又は受信するための第一の送受信モジュールとを含み、
そのうち、前記第一の信号は、サイドリンク同期信号SLSS又は物理サイドリンクブロードキャストチャネルPSBCHに載せられる信号を含
み、
前記第一の決定モジュールは、さらに、前記第一の信号と第二の信号の信号タイプ、優先度パラメータ、優先度閾値、無線アクセス技術、信号伝送方向のうちの一つ又は複数に基づいて、前記伝送優先度を決定するために用いられ、
前記第一の決定モジュールは、さらに、前記第二の信号がSLSS又はPSBCHに載せられる信号を含み、前記第一の信号と前記第二の信号の無線アクセス技術が異なれば、又は、前記第二の信号がサイドリンクデータを含み、前記第一の信号と前記第二の信号の無線アクセス技術が異なるか又は同じであれば、前記第一の信号の優先度パラメータと前記第二の信号の優先度パラメータに基づいて前記伝送優先度を決定するために用いられ、前記第一の決定モジュールは、さらに、前記第一の信号の優先度パラメータが前記第二の信号の優先度パラメータより小さければ、前記第一の信号の送信又は受信の優先度は前記第二の信号の送信又は受信の優先度より高いと決定するために用いられ、又は、前記第一の信号の優先度パラメータが前記第二の信号の優先度パラメータより大きければ、前記第一の信号の送信又は受信の優先度は前記第二の信号の送信又は受信の優先度より低いと決定するために用いられ、
又は、前記第一の決定モジュールは、さらに、前記第一の信号の優先度パラメータが第一の優先度閾値より小さければ、前記第一の信号の送信又は受信の優先度は前記第二の信号の送信又は受信の優先度より高いと決定するために用いられ、そのうち、前記第二の信号はUuインターフェースの非PRACHデータである、通信機器。
【請求項10】
前記第二の信号がUuインターフェースの物理ランダムアクセスチャネルPRACHデータを含み、前記第一の信号と前記第二の信号の無線アクセス技術が異なるか又は同じであれば、前記第一の信号の送信又は受信の優先度は前記第二の信号の送信又は受信の優先度より低いと決定するために用いられ、
又は、前記第二の信号がUuインターフェースの非PRACHデータを含み、前記第一の信号と前記第二の信号の無線アクセス技術が異なるか又は同じであれば、前記第一の信号の送信又は受信の優先度は前記第二の信号の送信又は受信の優先度より高いと決定するために用いられる、請求項
9に記載の通信機器。
【請求項11】
通信機器であって、メモリと、プロセッサと、前記メモリに記憶されており、且つ前記プロセッサ上で運行できるプログラムとを含み、前記プログラムが前記プロセッサによって実行されると、請求項1~
8のいずれか一項に記載の信号伝送の方法のステップを実現させる、通信機器。
【請求項12】
コンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、請求項1~
8のいずれか一項に記載の信号伝送の方法を実現させる、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2019年11月7日に提出された中国特許出願番号No.201911083574.9の優先権を主張しており、同出願の内容の全ては、ここに参照として取り込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示の実施例は通信技術分野に関し、具体的には信号伝送の方法と通信機器に関する。
【背景技術】
【0003】
図1に示すように、長期的進化(Long Term Evolution、LTE)システムは、リリース12(Release 12、Rel-12)版から、端末(例えば、ユーザ機器(User Equipment、UE))間でネットワーク機器を介さずに直接的なデータ伝送を行うために、サイドリンク(Sidelink、SL)をサポートするようになっている。
【0004】
Sidelinkの伝送形式として、関連技術におけるSidelink伝送は、主にブロードキャスト(broadcast)、グループキャスト(groupcast)、ユニキャスト(unicast)の幾つかの伝送形式に分けられる。ユニキャストは、その名の示すとおり、1対1(one to one)の伝送である。グループキャストは、1対多(one to many)の伝送である。ブロードキャストもone to manyの伝送であるが、ブロードキャストには、UEが同一のグループに属する概念がない。関連技術におけるSidelinkのユニキャストとグループキャスト通信は、物理レイヤでのハイブリッド自動再送要求(Hybrid Automatic Repeat reQuest、HARQ)フィードバックメカニズムをサポートする。しかしながら、Sidelinkブロードキャストは、受信端がフィードバックを行うことを必要としない。
【0005】
LTE sidelinkの設計は、特定の公衆安全事務(例えば、火災現場や地震などの災害現場での緊急通信)、又は車のインターネット(vehicle to everything、V2X)通信などに適する。車のインターネット通信は、例えば基本的な安全類の通信、先進(自動)運転、編隊、センサ拡張など、様々なサービスを含む。LTE sidelinkがブロードキャスト通信のみをサポートするため、主に基本的な安全類の通信に用いられるが、遅延、信頼性などの面で、その他のサービス品質(Quality of Service、QoS)が厳しく求められる先進V2Xサービスは、ニューラジオ(New Radio、NR)sidelinkによってサポートされる。
【0006】
UEがPC5インターフェースにおいてサイドリンク同期信号(Sidelink Synchronization Signal、SLSS)を送信又は受信する時、他のチャネル/信号の送信又は受信とリソース衝突が発生すると、UEがどのような信号を処理するかを決定できないため、リンク通信の失敗を引き起こす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示の実施例は、UEが、PC5インターフェースにおいてサイドリンク同期信号を伝送する時、他のチャネル/信号の伝送とのリソース衝突が発生することにより、リンク通信の失敗を引き起こすという問題を解決するために、信号伝送の方法と通信機器を提供することを一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の実施例の第一の方面によれば、信号伝送の方法を提供する。この方法は、
第一の信号の伝送と第二の信号の伝送が衝突する場合、伝送優先度を決定することと、
前記伝送優先度に基づき、前記第一の信号を優先して送信又は受信するか、又は、前記第二の信号を優先して送信又は受信することとを含み、
そのうち、前記第一の信号は、サイドリンク同期信号SLSS又は物理サイドリンクブロードキャストチャネルPSBCHに載せられる信号を含む。
【0009】
本開示の実施例の第二の方面によれば、通信機器をさらに提供する。この機器は、
第一の信号の伝送と第二の信号の伝送が衝突する場合、伝送優先度を決定するための第一の決定モジュールと、
前記伝送優先度に基づき、前記第一の信号を優先して送信又は受信するか、又は、前記第二の信号を優先して送信又は受信するための第一の送受信モジュールとを含み、
そのうち、前記第一の信号は、サイドリンク同期信号SLSS又は物理サイドリンクブロードキャストチャネルPSBCHに載せられる信号を含む。
【0010】
本開示の実施例の第三の方面によれば、通信機器をさらに提供する。メモリと、プロセッサと、前記メモリに記憶されており、且つ前記プロセッサ上で運行できるプログラムとを含み、前記プログラムが前記プロセッサによって実行されると、第一の方面に記載の信号伝送の方法のステップを実現させる。
【0011】
本開示の実施例の第四の方面によれば、コンピュータ可読記憶媒体を提供する。前記コンピュータ可読記憶媒体にはコンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、第一の方面に記載の信号伝送の方法のステップを実現させる。
【発明の効果】
【0012】
本開示の実施例において、SLSS又はPSBCHに載せられる信号の伝送と第二の信号の伝送が衝突する場合、伝送優先度、即ち、SLSS又はPSBCHに載せられる信号を優先して送信又は受信するか、又は、第二の信号を優先して送信又は受信するかを決定することによって、端末は、より高い優先度を有する信号を伝送することができ、通信システムの信頼性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
以下の好ましい実施形態の詳細な記述を読むことによって、当業者にとって、様々な他の利点及び有益点が明らかになる。添付図面は、選択可能な実施形態を示すためにのみ用いられ、本開示を限定するものとはみなされない。そして、添付図面全体において、同じ部品は、同じ参照記号で表されている。添付図面において、
【
図1】LTEシステムにおける上りリンク(Uplink)、下りリンク(Downlink)、サイドリンク(Sidelink)の概略図である。
【
図2】チャネル/信号の伝送に衝突が発生する概略図である。
【
図3】本開示の実施例による信号伝送の方法のフローチャートである。
【
図4】本開示の実施例による通信機器の構造概略図のその一である。
【
図5】本開示の実施例による通信機器の構造概略図のその二である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示の実施例の形態をよりよく理解するために、まず以下の技術を紹介する。
【0015】
一、Sidelinkの優先度
1)Rel-12
近接ベースのサービス(Proximity-based services、ProSe)は、直接発見機能(Direct discovery、例えば端末は、周辺に直接アクセスできる端末を発見する)と直接通信(Direct communication、例えば周辺の端末とデータ交換を行う)などの機能を提供する。ProSeネットワークアーキテクチャにおいて、端末と端末との間の通信インターフェースは、PC5インターフェースと呼ばれ、端末と進化型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network、E-UTRAN)のアクセスネットワーク機器とを接続するインターフェースは、Uuインターフェースと呼ばれる。Rel-12において、Uuインターフェース(以下、Uuポートと略称する)のデータの送信と受信、PC5ポート発見(discovery)の送信と受信、及びPC5ポート通信(Communication)の送信と受信の優先度について、以下のように規定されている(優先度が高い順に並べる)。
【0016】
(1)Uuポートのデータの伝送と受信、
(2)SL PC5ポートのデータの伝送と受信、
(3)SL PC5Discoveryの信号通知とモニタリング。
【0017】
2)リリース13(Release 13、Rel-13)
Rel-13リリースにおいて、discovery伝送性能を高めるために、sidelink discoveryギャップ(gap)の配置が導入されている(discoveryの受信/送信に専用する)。また、Uuポートランダムアクセスチャネル(Random Access Channel、RACH)の特殊性をも考慮し、Uuポートのデータの送信と受信、PC5ポートdiscoveryの送信と受信、及びPC5ポートCommunicationの送信と受信の優先度について、以下のように改めて並べ替えを行った。
【0018】
(1)UuポートRACHランダムアクセスの伝送と受信、
(2)SL PC5ポート発見チャネルの通知メッセージ(SL discovery GAP周期内)、
(3)非ランダムアクセスチャネル(NON-RACH)のデータ送信、
(4)SL PC5ポートdiscoveryのモニタリング(SL discovery GAP周期内)、
(5)UuポートNON-RACHのデータの受信、
(6)SL PC5のデータの伝送と受信。
【0019】
Rel-13において、近距離通信データパケット優先度(ProSe Per-Packet Priority、PPPP)が導入されており、PPPPは、最大で8グループに分けられ、値は0~7である。PPPP値が小さいほど、データパケット伝送の優先度が高くなり、一つのデータパケットは、一つ又は複数のPPPPに対応してもよい。
【0020】
3)リリース14(Release 14、Rel-14)
Rel-14において、V2X SL通信技術が導入されており、V2Xは、主に車載通信に用いられ、安全性の問題に関するものであり、安全データ送信の優先度は、一般的なデータの送信より高い。また、3GPP Rel-14は、sidelinkリソーススケジューリングに関して、以下の表1に示すように、4種類の制御フォーマットを定義している。sidelink TM3&4における規定によると、データ送信の優先度は、sidelink制御情報(Sidelink Control Information、SCI)フォーマットformat 1における「priority」パラメータに関係し、このパラメータは、アプリケーション層が、データパケットに関連する複数のPPPP値のうち、優先度が最も高いPPPP値である。SCI format 1における「Priority」パラメータ値が、上位層に配置されたthresSL-TxPrioritizationパラメータ値より小さければ(即ち、優先度が高い)、端末はSLにおいてデータを伝送し、Uuポートの上りリンク伝送データを一時停止する。そうでなければ、SCI format 1における「Priority」パラメータ値がthresSL-TxPrioritizationパラメータ値より大きい場合、端末は、SLのデータ伝送を一時停止する。
【0021】
【0022】
二、Sidelink同期信号/ブロードキャストチャネル
LTE sidelink同期信号はSLSSであり、ブロードキャストチャネルは物理サイドリンクブロードキャストチャネル(Physical sidelink broadcast CHannel、PSBCH)であり、送信端UEによりブロードキャストにて送信し、受信端UEにより受信を行う。NR SLSSとPSBCHは、一律にサイドリンク同期信号ブロック(Sidelink Synchronization Signal Block、S-SSB)内に含まれている。
【0023】
図2に示すように、LTE SLSS/PSBCHとNR S-SSBの送信又は受信は、以下のチャネル/信号の伝送と衝突する可能性がある。
【0024】
(1)異なるRATのSL dataの送信又は受信、
(2)異なるRATのUuポートのデータの送信又は受信、
(3)異なるRATのSLSSの送信又は受信(即ちLTE SLSS/PSBCH又はNR S-SSB)、
(4)同じRATのSL dataの送信又は受信、
(5)同じRATのUuポートのデータの送信又は受信。
【0025】
しかしながら、上記リソース衝突について、現在のプロトコルには、LTE SLSS/PSBCHとNR S-SSBに対して、関連する解決法は規定されていない。
【0026】
以下は、本開示の実施例における添付図面を結び付けながら、本開示の実施例における技術案を明瞭且つ完全に記述する。明らかに、記述された実施例は、全部の実施例ではなく、本開示の一部の実施例である。本開示における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を払わない前提で得られたすべての他の実施例は、いずれも本開示の保護範囲に属する。
【0027】
本出願の明細書と特許請求の範囲における用語である「含む」及びそれらの任意の変形は、非排他的な「含む」を意図的にカバーするものであり、例えば、一連のステップ又はユニットを含むプロセス、方法、システム、製品又は機器は、必ずしも明瞭にリストアップされているそれらのステップ又はユニットに限らず、明瞭にリストアップされていない他のステップ又はユニット又はそれらのプロセス、方法、製品又は機器に固有の他のステップ又はユニットを含んでもよい。なお、明細書と特許請求の範囲において使用された「及び/又は」は、接続された対象の少なくともそのうちの一つを表し、例えばA及び/又はBは、単独のA、単独のB、及びAとBとの組み合わせの三つのケースを含むことを表す。
【0028】
本開示の実施例では、「例示的」又は「例えば」などの用語は、例、例証、又は説明として表すために用いられる。本開示の実施例では、「例示的」又は「例えば」と記述される任意の実施例又は設計方案は、他の実施例又は設計方案より好ましいか、又はより優位性があると解釈されるべきではない。正確に言うと、「例示的」又は「例えば」などの用語を使用することは、関連する概念を具体的な方式で表すことを意図する。
【0029】
本明細書に記述されている技術は、長期的進化型(Long Time Evolution、LTE)/LTEの進化型(LTE-Advanced、LTE-A)システムに限定されず、符号分割多重接続(Code Division Multiple Access、CDMA)、時分割多重接続(Time Division Multiple Access、TDMA)、周波数分割多址(Frequency Division Multiple Access、FDMA)、直交周波数分割多重接続(Orthogonal Frequency Division Multiple Access、OFDMA)、単一搬送波周波数分割多重接続(Single-carrier Frequency-Division Multiple Access、SC-FDMA)のような各種の無線通信システム及び他のシステムに用いられてもよい。
【0030】
「システム」と「ネットワーク」という用語は、常に交換可能に使用されている。CDMAシステムは、CDMA2000、ユニバーサル地上ラジオアクセス(Universal Terrestrial Radio Access、UTRA)などのようなラジオ技術を実現することができる。UTRAは、広帯域CDMA(Wideband Code Division Multiple Access、WCDMA)及び他のCDMAの変形を含む。TDMAシステムは、グローバルモバイル通信システム(Global System for Mobile Communication、GSM)のようなラジオ技術を実現することができる。OFDMAシステムは、ウルトラモバイルブロードバンド(Ultra Mobile Broadband、UMB)、進化型UTRA(Evolution-UTRA、E-UTRA)、IEEE 802.11(ワイヤレスフィデリティ(Wireless Fidelity、Wi-Fi))、IEEE 802.16(世界マイクロ波アクセス相互互換性(Worldwide Interoperability for Microwave Access、WiMAX))、IEEE 802.20、Flash-OFDMなどのようなラジオ技術を実現することができる。UTRA及びE-UTRAは、ユニバーサルモバイル通信システム(Universal Mobile Telecommunications System、UMTS)の一部である。LTE及びLTEアドバンスト(例えば、LTE-A)は、E-UTRAを使用するUMTSの新しいリリースである。UTRA、E-UTRA、UMTS、LTE、LTE-A、及びGSMは、「第3世代パートナーシッププロジェクト(3rd Generation Partnership Project、3GPP)」と呼ばれる組織からの文献に記述されている。CDMA2000及びUMBは、「第3世代パートナシッププロジェクト2」(3GPP2)と呼ばれる組織からの文献に記述されている。本明細書に記述された技術は、以上に言及されたシステム及びラジオ技術に用いられてもよく、他のシステム及びラジオ技術に用いられてもよい。
【0031】
本開示の実施例によるアクセスネットワーク機器は基地局であってもよく、この基地局は、一般的に使用される基地局であってもよいし、進化型基地局(evolved node base station、eNB)であってもよいし、さらに5Gシステムにおけるネットワーク機器(例えば、次世代基地局(next generation node base station、gNB)又は送信と受信ポイント(transmission and reception point、TRP))などの機器であってもよい。
【0032】
本開示の実施例による端末は、携帯電話、タブレットパソコン、ノートパソコン、ウルトラモバイルパーソナルコンピュータ(Ultra-Mobile Personal Computer、UMPC)、ネットブック又はパーソナルデジタルアシスタント(Personal Digital Assistant、PDA)、モバイルインターネットデバイス(Mobile Internet Device、MID)、ウェアラブルデバイス(Wearable Device)又は車載機器などであってもよい。
【0033】
図3を参照すると、本開示の実施例は信号伝送の方法を提供する。この方法の実行主体は、例えば端末のような通信機器であってもよく、ステップ301とステップ302を含む。
【0034】
ステップ301、第一の信号の伝送と第二の信号の伝送が衝突する場合、伝送優先度を決定し、
そのうち、第一の信号は、SLSS又はPSBCHに載せられる信号を含む。
【0035】
本実施例において、伝送優先度は、第一の信号の送信又は受信の優先度が第二の信号の送信又は受信の優先度より高いか、又は、第二の信号の送信又は受信の優先度が第一の信号の送信又は受信の優先度より高いことを含む。
【0036】
ステップ302、伝送優先度に基づき、第一の信号を優先して送信又は受信するか、又は、第二の信号を優先して送信又は受信する。
【0037】
本実施例において、伝送優先度に基づき、第一の信号を優先して送信又は受信するか、又は、第二の信号を優先して送信又は受信し、このようにすると、SLSS又はPSBCHに載せられる信号の伝送と第二の信号の伝送が衝突する場合、端末は、より高い優先度を有する信号を送信又は受信できる。
【0038】
理解できるように、端末の能力が、同じ時刻において単独送信のみをサポートすれば、端末は、優先度の高い信号を送信し、優先度の低い信号の送信を停止する。端末の能力が、同じ時刻においてダブル送信をサポートすれば、端末は、優先度の高い信号を送信し、パワー削減の方式で優先度の低い信号を送信する。
【0039】
例えば、第一の信号の送信の優先度が第二の信号の送信の優先度より高ければ、前記第一の信号を送信し、前記第二の信号の送信を停止するか、又は、前記第一の信号を送信し、パワー削減の方式で前記第二の信号を送信し、
また例えば、第二の信号の送信の優先度が第一の信号の送信の優先度より高ければ、前記第二の信号を送信し、前記第一の信号の送信を停止するか、又は、前記第二の信号を送信し、パワー削減の方式で前記第一の信号を送信する。
【0040】
例示的に、端末の能力が同じ時刻において単独送信のみをサポートし、SLSS又はPSBCHに載せられる信号の送信の優先度が第二の信号の送信の優先度より高ければ、端末は、SLSS又はPSBCHに載せられる信号を送信する。端末の能力が同じ時刻においてダブル送信をサポートし、SLSS又はPSBCHに載せられる信号の送信の優先度が第二の信号の送信の優先度より高ければ、端末は、第一のパワーでSLSS又はPSBCHに載せられる信号を送信し、第二のパワーで第二の信号を送信し、そのうち、第二のパワーは、第二の信号を正常に送信するパワーのN%であり、そのうち、Nの値は、関連技術におけるパワー削減の方式に基づいて決定されてもよい。
【0041】
そのうち、第二の信号は、SLSS又はPSBCHに載せられる信号、SLデータ(data)又はUuポートdata(PRACHに載せられる信号、又は非PRACHに載せられる信号を含む)などを含んでもい。
【0042】
本開示の実施例において、前記第一の信号と第二の信号の信号タイプ、優先度パラメータ、優先度閾値、無線アクセス技術、信号伝送方向のうちの一つ又は複数に基づいて、伝送優先度を決定してもよい。
【0043】
例えば、優先度パラメータは、「priority」と表されてもよく、この優先度パラメータの値は、0~7であってもよい。優先度パラメータの値の大きさを比較することによって第一の信号と第二の信号の伝送優先度の高低を判断し、例えば、優先度パラメータの値が小さいほど伝送優先度が高く、又は優先度パラメータの値が大きいほど伝送優先度が高い。
【0044】
(1)前記第一の信号と第二の信号の信号タイプに基づき、伝送優先度を決定する。
【0045】
例示的に、前記第二の信号がサイドリンクデータを含み、前記第一の信号と前記第二の信号の無線アクセス技術が異なるか又は同じであれば、前記第一の信号の送信又は受信の優先度は前記第二の信号の送信又は受信の優先度より高いと決定し、
例示的に、前記第二の信号がUuポートの物理ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access Channel、PRACH)データを含み、前記第一の信号と前記第二の信号の無線アクセス技術が異なるか又は同じであれば、前記第一の信号の送信又は受信の優先度は前記第二の信号の送信又は受信の優先度より低いと決定し、
例示的に、前記第二の信号がUuポートの非PRACHデータを含み、前記第一の信号と前記第二の信号の無線アクセス技術が異なるか又は同じであれば、前記第一の信号の送信又は受信の優先度は前記第二の信号の送信又は受信の優先度より高いと決定する。
【0046】
(2)前記第一の信号と第二の信号の優先度パラメータ及び優先度閾値に基づき、伝送優先度を決定する。
【0047】
例示的に、前記第二の信号がSLSS又はPSBCHに載せられる信号を含み、前記第一の信号と前記第二の信号の無線アクセス技術が異なれば、又は、前記第二の信号がサイドリンクデータを含み、前記第一の信号と前記第二の信号の無線アクセス技術が異なるか又は同じであれば、前記第一の信号の優先度パラメータと前記第二の信号の優先度パラメータに基づいて前記伝送優先度を決定する。
【0048】
例示的に、前記第一の信号の優先度パラメータが前記第二の信号の優先度パラメータより小さければ、前記第一の信号の送信又は受信の優先度は前記第二の信号の送信又は受信の優先度より高いと決定し、又は、前記第一の信号の優先度パラメータが前記第二の信号の優先度パラメータより大きければ、前記第一の信号の送信又は受信の優先度は前記第二の信号の送信又は受信の優先度より低いと決定する。
【0049】
さらに、前記第一の信号の優先度パラメータと前記第二の信号の優先度パラメータが等しければ、前記第一の信号と第二の信号の優先度閾値、無線アクセス技術、信号伝送方向のうちの一つ又は複数に基づいて、前記伝送優先度を決定する。
【0050】
さらに、前記第一の信号の優先度パラメータが前記第一の優先度閾値より大きく、且つ前記第二の信号の優先度パラメータが前記第二の優先度閾値より小さければ、前記第二の信号の送信又は受信の優先度は前記第一の信号の送信又は受信の優先度より高いと決定し、そうでなければ、前記第一の信号の送信又は受信の優先度は前記第二の信号の送信又は受信の優先度より高いと決定する。
【0051】
(3)前記第一の信号と第二の信号の優先度閾値に基づき、伝送優先度を決定する。
【0052】
例示的に、前記第二の信号はUuポートの非PRACHデータであり、前記第一の信号と前記第二の信号の無線アクセス技術は異なるか又は同じであり、前記伝送優先度を決定する。
【0053】
前記第一の信号の優先度パラメータが前記第一の優先度閾値より大きく、且つ前記第二の信号の優先度パラメータが前記第二の優先度閾値より小さければ、前記第二の信号の送信又は受信の優先度は前記第一の信号の送信又は受信の優先度より高いと決定し、そうでなければ、前記第一の信号の送信又は受信の優先度は前記第二の信号の送信又は受信の優先度より高いと決定する。
【0054】
(4)前記第一の信号と第二の信号の無線アクセス技術に基づき、伝送優先度を決定する。
【0055】
例示的に、前記第二の信号がSLSS又はPSBCHに載せられる信号であり、且つ前記第一の信号の無線アクセス技術がニューラジオ(NR)であり、前記第二の信号の無線アクセス技術が長期的進化(LTE)であれば、前記第一の信号の送信又は受信の優先度は前記第二の信号の送信又は受信の優先度より高いと決定するか、又は、前記第一の信号の送信又は受信の優先度は前記第二の信号の送信又は受信の優先度より低いと決定する。
【0056】
例示的に、前記第二の信号がサイドリンクデータであり、且つ前記第一の信号の無線アクセス技術がNRであり、前記第二の信号の無線アクセス技術がLTEであれば、前記第一の信号の送信又は受信の優先度は前記第二の信号の送信又は受信の優先度より高いと決定するか、又は、前記第一の信号の送信又は受信の優先度は前記第二の信号の送信又は受信の優先度より低いと決定する。
【0057】
例示的に、前記第二の信号がUuポートの非PRACHデータであり、且つ前記第一の信号の無線アクセス技術がNRであり、前記第二の信号の無線アクセス技術がLTEであれば、前記第一の信号の送信又は受信の優先度は前記第二の信号の送信又は受信の優先度より高いと決定するか、又は、前記第一の信号の送信又は受信の優先度は前記第二の信号の送信又は受信の優先度より低いと決定する。
【0058】
(5)前記第一の信号と第二の信号の信号伝送方向に基づき、伝送優先度を決定する。
【0059】
前記第二の信号がSLSS又はPSBCHに載せられる信号であり、前記第一の信号と前記第二の信号の無線アクセス技術が異なる場合、又は、前記第二の信号がサイドリンクデータであり、前記第一の信号と前記第二の信号の無線アクセス技術が異なるか又は同じである場合、又は、前記第二の信号がUuポートの非PRACHデータであり、前記第一の信号と前記第二の信号の無線アクセス技術が異なるか又は同じであれば、
前記第一の信号又は前記第二の信号の送信の優先度は前記第一の信号又は前記第二の信号の受信の優先度より高いこと、
前記第一の信号又は前記第二の信号の送信の優先度は前記第一の信号又は前記第二の信号の受信の優先度より低いことのうちの一つを決定する。
【0060】
本開示の実施例において、SLSS又はPSBCHに載せられる信号の伝送と第二の信号の伝送が衝突する場合、伝送優先度、即ち、SLSS又はPSBCHに載せられる信号を優先して送信又は受信するか、又は、第二の信号を優先して送信又は受信するかを決定することによって、端末は、より高い優先度を有する信号を伝送することができ、通信システムの信頼性を向上させる。
【0061】
本開示の実施例をよりよく理解するために、以下は、第一の信号と第二の信号がいずれもSLSSであることを例にし、以下の二つのシーンを通じて、SLSSが他の信号/チャネルと衝突する時の、SLSSの優先度処理方式を紹介し、そのうち、SLSSと他の信号/チャネルとの衝突は以下二つのシーンを含む。
【0062】
シーン1、異なる無線アクセス技術(Radio Access Technology、RAT)のPC5ポートSL伝送又はUuポート伝送と、リソース衝突が発生する。
【0063】
例えば、PC5ポートによるRAT1 SLSSの送信又は受信と、PC5ポートによるRAT2 SLSSの送信又は受信とは、リソース衝突が発生し、
PC5ポートによるRAT1 SLSSの送信又は受信と、PC5ポートによるRAT2 SL dataの送信又は受信とは、リソース衝突が発生し、
PC5ポートによるRAT1 SLSSの送信又は受信と、UuポートによるRAT2上りリンク(Uplink、UL)/下りリンク(downlink、DL)dataの送信又は受信とは、リソース衝突が発生する。
【0064】
理解できるように、RAT1はLTE又はNRなどであってもよく、RAT2はNR又はLTEなどであってもよい。
【0065】
シーン2、同一のRATのPC5ポートSL伝送又はUuポート伝送と、リソース衝突が発生する。
【0066】
例えば、PC5ポートによるRAT1 SLSSの送信又は受信と、PC5ポートによるRAT1 SL dataの送信又は受信とは、リソース衝突が発生する。
【0067】
例えば、PC5ポートによるRAT1 SLSSの送信又は受信と、UuポートによるRAT1 UL/DL dataの送信又は受信とは、リソース衝突が発生する。
【0068】
理解できるように、RAT1は、LTE又はNRなどであってもよい。
【0069】
SLSSの優先度処理方式において、第一の信号と第二の信号にそれぞれ一つの優先度パラメータを設定してもよく、優先度と呼ばれてもよいが、例えば、優先度パラメータは、「priority」と表され、この優先度パラメータの値は0~7であってもよい。優先度パラメータの値の大きさを比較することによって第一の信号と第二の信号の伝送優先度の高低を判断し、例えば、優先度パラメータの値が小さいほど伝送優先度が高く、又は優先度パラメータの値が大きいほど伝送優先度が高い。
【0070】
なお、一部の衝突について、第一の信号と第二の信号に対して、優先度閾値を導入してさらに判断を行ってもよく、例えば、SLSSの優先度閾値は、thres_slssとして設定してもよく、UuポートSL dataの優先度閾値は、関連技術におけるプロトコルを参照して設定し、例えば、thres_Uuを用いて表してもよい。
【0071】
説明の便宜上、以下のシーンの記述において、第一の信号と第二の信号がSLSSであるケースのみを検討し、理解できるように、第一の信号と第二の信号は、PSBCHに載せられる信号であってもよく、PSBCHに載せられる信号と他の信号/チャネルが衝突する時、PSBCHに載せられる信号の優先度処理方式としてSLSSの優先度処理方式を参照してもよく、ここでは説明を省略する。
【0072】
シーン1、異なるRATの場合、信号の優先度処理方式。
【0073】
UEがPC5ポートにおいてRAT1 SLSSを送信又は受信する時、以下の1、2又は3に記述されているフローを実行する。
【0074】
1)PC5ポートによるRAT2 SLSSの送信又は受信とリソース衝突する場合、UEは、以下のルールに従って、RAT1 SLSSを送信又は受信するか、又は、RAT2 SLSSを送信又は受信することを決定する。
【0075】
ルール1、UEが一受信対一送信を満たす場合、伝送方向に基づいて優先度を決定し、以下のa1又はa2を実行してもよい。
【0076】
a1)送信の優先度が受信の優先度より高いと規定すれば、UEは、RAT1 SLSSを送信することを決定する。
【0077】
例示的に、PC5ポートによるRAT1 SLSS送信の優先度が、PC5ポートによるRAT2 SLSS受信の優先度より高い場合、PC5ポートを介してRAT1 SLSSを送信する。
【0078】
a2)送信の優先度が受信の優先度より低いと規定すれば、UEは、RAT2 SLSSを受信することを決定する。
【0079】
例示的に、PC5ポートによるRAT1 SLSS送信の優先度が、PC5ポートによるRAT2 SLSS受信の優先度より低い場合、PC5ポートを介してRAT2 SLSSを受信する。
【0080】
ルール2、RAT1 SLSSとRAT2 SLSSのpriorityを比較することによって、伝送優先度を決定してもよく、優先度の値が小さいほど優先度が高いと仮定した場合、以下のb1、b2又はb3を実行する。
【0081】
b1)RAT1 SLSSのpriority<RAT2 SLSSのpriorityであれば、UEは、RAT1 SLSSを送信又は受信することを決定する。
【0082】
b2)RAT1 SLSSのpriority>RAT2 SLSSのpriorityであれば、UEは、RAT2 SLSSを送信又は受信することを決定する。
【0083】
b3)RAT1 SLSSのpriority=RAT2 SLSSのpriorityであれば、UEは、ある特定のRATのSLSSを送信又は受信することを自ら決定する。
【0084】
又は、UEはさらに優先度閾値を比較してもよく、例えば、RAT1 SLSSのpriority>RAT1 SLSSの優先度閾値であり、且つRAT2 SLSSのpriority<RAT2 SLSSの優先度閾値である場合、UEは、RAT2 SLSSを送信又は受信することを決定し、そうでなければ、UEは、RAT1 SLSSを送信又は受信することを決定する。
【0085】
理解できるように、優先度の値が大きいほど優先度が高くなってもよく、例えば、RAT1 SLSSのpriority<RAT2 SLSSのpriorityである場合、UE1は、RAT2 SLSSを送信又は受信することを決定する。他のケースはこれに類似するため、ここでは説明を省略する。
【0086】
ルール3、無線アクセス技術に基づいて伝送優先度を決定してもよい。
【0087】
例えば、NRの送信又は受信の優先度が、LTEの送信又は受信の優先度より高いことを規定するか、又は、LTEの送信又は受信の優先度が、NRの送信又は受信の優先度より高いことを規定する。
【0088】
2)PC5ポートによるRAT2 SL dataの送信又は受信とリソース衝突する場合、UEは、RAT1 SLSSを送信又は受信することを決定する。
【0089】
ルール1、UEが一送信対一受信を満たす場合、伝送方向に基づいて優先度を決定してもよく、以下のa1又はa2を実行する。
【0090】
a1)送信の優先度が受信の優先度より高いと規定すれば、UEは、信号を送信することを決定する。
【0091】
例示的に、PC5ポートによるRAT1 SLSS送信の優先度が、PC5ポートによるRAT2 SL data受信の優先度より高い場合、PC5ポートを介してRAT1 SLSSを送信する。
【0092】
a2)送信の優先度が受信の優先度より低いと規定すれば、UEは、信号を受信することを決定する。
【0093】
例示的に、PC5ポートによるRAT1 SLSS送信の優先度が、PC5ポートによるRAT2 SL data受信の優先度より低い場合、PC5ポートを介してRAT2 SL dataを受信する。
【0094】
ルール2、信号タイプに基づいて伝送優先度を決定してもよい。
【0095】
SLSSの送信又は受信の優先度が、SL dataの送信又は受信の優先度より高いと規定すれば、UEは、RAT1 SLSSを送信又は受信することを決定し、
SLSSの送信又は受信の優先度が、SL dataの送信又は受信の優先度より低いと規定すれば、UEは、対応するRAT2 SL dataを送信又は受信することを決定する。
【0096】
ルール3、優先度パラメータと優先度閾値に基づいて伝送優先度を決定してもよい。
【0097】
RAT1 SLSSとRAT2 SL dataのpriorityを比較して、伝送優先度を決定してもよく、優先度の値が小さいほど優先度が高いと仮定した場合、以下のb1、b2又はb3を実行する。
【0098】
b1)RAT1 SLSSのpriority<RAT2 SL dataのpriorityであれば、UEは、RAT1 SLSSを送信又は受信することを決定する。
【0099】
b2)RAT1 SLSSのpriority>RAT2 SL dataのpriorityであれば、UEは、RAT2 SL dataを送信又は受信することを決定する。
【0100】
b3)RAT1 SLSSのpriority=RAT2 SL dataのpriorityであれば、UEは、ある信号を送信又は受信することを自ら決定する。
【0101】
又は、UEはさらに優先度閾値を比較してもよく、例えば、RAT1 SLSSのpriority>RAT1 SLSSの優先度閾値であり、且つRAT2 SL dataのpriority<RAT2 SL dataの優先度閾値である場合、UEは、RAT2 SL dataを送信又は受信することを決定し、そうでなければ、UEは、RAT1 SLSSを送信又は受信することを決定する。
【0102】
理解できるように、優先度の値が大きいほど優先度が高くなってもよく、例えば、RAT1 SLSSのpriority<RAT2 SL dataのpriorityである場合、UE1は、RAT2 SL dataを送信又は受信することを決定する。他のケースはこれに類似するため、ここでは説明を省略する。
【0103】
ルール4、無線アクセス技術に基づいて伝送優先度を決定する。
【0104】
例えば、NRの送信又は受信の優先度が、LTEの送信又は受信の優先度より高いか、又は、LTEの送信又は受信の優先度が、NRの送信又は受信の優先度より高い。
【0105】
3)UuポートによるRAT2 UL/DL dataの送信又は受信とリソース衝突する場合、UEは、以下のルールに従って、どのような信号を送信又は受信するかを決定してもよい。
【0106】
ルール1、UuポートがRAT2 PRACHに載せられる信号を送信又は受信すれば、PRACHが比較的に特殊であるため、UuポートによるPRACHに載せられる信号の送信又は受信の優先度は、RAT1 SLSSの送信又は受信の優先度より高い場合、UEは、UuポートのRAT2 PRACHに載せられる信号を送信又は受信することを決定する。
【0107】
ルール2、UuポートがRAT2 UL/DL data(NON-PRACH)を送信又は受信すれば、以下のc1、c2、c3又はc4を実行する。
【0108】
c1、一送信対一受信を満たす場合、c11又はc12を実行する。
【0109】
c11、送信の優先度が受信の優先度より高ければ、UEは、RAT1 SLSSを送信することを決定する。
【0110】
例示的に、PC5ポートよるRAT1 SLSS送信の優先度が、UuポートによるRAT2 UL/DL data受信の優先度より高い場合、PC5ポートを介してRAT1 SLSSを送信する。
【0111】
c12、送信の優先度が受信の優先度より低い場合、UEは、UuポートのRAT2 UL/DL dataを受信することを決定する。
【0112】
例示的に、PC5ポートによるRAT1 SLSS送信の優先度が、UuポートによるRAT2 data受信の優先度より低い場合、UuポートはRAT2 dataを受信する。
【0113】
c2、RAT1 SLSSとUuポートのRAT2 dataのpriority及び閾値に基づいて両者の優先度を比較し、以下のc21、c22、c23又はc24を実行してもよい。
【0114】
c21、RAT1 SLSSのpriority>thres_slssであり、且つUuポートのRAT2 dataのpriority<thres_Uuであれば、即ちRAT1 SLSSの優先度が低く、UuポートのRAT2 dataの優先度が高ければ、UEは、UuポートのRAT2 dataを送信又は受信することを決定する。
【0115】
c22、RAT1 SLSSのpriority<thres_slssであり、且つUuポートのRAT2 dataのpriority>thres_Uuであれば、UEは、RAT1 SLSSを送信又は受信することを決定する。
【0116】
c23、RAT1 SLSSのpriority>thres_slssであり、且つUuポートのRAT2 dataのpriority>thres_Uuであれば、UEは、RAT1 SLSSを送信又は受信することを決定する。
【0117】
c24、RAT1 SLSSのpriority<thres_slssであれば、且つUuポートのRAT2 dataのpriority<thres_Uuであれば、UEは、RAT1 SLSSを送信又は受信することを決定する。
【0118】
c3、信号タイプに基づいて伝送優先度を決定してもよい。
【0119】
例えば、Uuポートの非PRACHに載せられる信号の送信又は受信の優先度は、RAT1 SLSSの送信又は受信の優先度より低い。
【0120】
c4、無線アクセス技術に基づいて伝送優先度を決定する。
【0121】
例えば、NRの送信又は受信の優先度が、LTEの送信又は受信の優先度より高いか、又は、LTEの送信又は受信の優先度が、NRの送信又は受信の優先度より高い。
【0122】
ダブル送信のケースに対して、UEが同じ時刻において単独送信のみをサポートする能力があれば、UEは、優先度の高い信号を送信し、優先度の低い信号の送信を停止する。UEが同じ時刻においてダブル送信をサポートする能力があれば、UEは、高い優先度の信号を送信し、パワー削減の方式で低い優先度を送信する。
【0123】
シーン2、同じRAT(例えば、RATはLTE又はNRなどであってもよい)の場合、信号の優先度処理方式。
【0124】
理解できるように、シーン2を実現する過程は、シーン1の記述を参照してもよく、シーン2とシーン1の相違点は、信号の優先度処理方式を決定することを考慮する時、信号の無線アクセス技術を使用して比較することを考慮しなくてもよく、且つ同じRATのSLSS衝突のケースが存在しないということである。
【0125】
図4を参照すると、本開示の実施例は、通信機器400を提供する。この通信機器400は、
第一の信号の伝送と第二の信号の伝送が衝突する場合、伝送優先度を決定するための第一の決定モジュール401と、
前記伝送優先度に基づき、前記第一の信号を優先して送信又は受信するか、又は、前記第二の信号を優先して送信又は受信するための第一の送受信モジュール402とを含み、
そのうち、前記第一の信号は、サイドリンク同期信号SLSS又は物理サイドリンクブロードキャストチャネルPSBCHに載せられる信号を含む。
【0126】
選択的に、前記第一の決定モジュール401は、さらに、前記第一の信号と第二の信号の信号タイプ、優先度パラメータ、優先度閾値、無線アクセス技術、信号伝送方向のうちの一つ又は複数に基づいて、前記伝送優先度を決定するために用いられる。
【0127】
選択的に、前記第一の決定モジュール401は、さらに、前記第二の信号がサイドリンクデータを含み、前記第一の信号と前記第二の信号の無線アクセス技術が異なるか又は同じであれば、前記第一の信号の送信又は受信の優先度は前記第二の信号の送信又は受信の優先度より高いと決定するために用いられ、
又は、前記第二の信号がUuインターフェースの物理ランダムアクセスチャネルPRACHデータを含み、前記第一の信号と前記第二の信号の無線アクセス技術が異なるか又は同じであれば、前記第一の信号の送信又は受信の優先度は前記第二の信号の送信又は受信の優先度より低いと決定するために用いられ、
又は、前記第二の信号がUuインターフェースの非PRACHデータを含み、前記第一の信号と前記第二の信号の無線アクセス技術が異なるか又は同じであれば、前記第一の信号の送信又は受信の優先度は前記第二の信号の送信又は受信の優先度より高いと決定するために用いられる。
【0128】
選択的に、前記第一の決定モジュール401は、さらに、前記第二の信号がSLSS又はPSBCHに載せられる信号を含み、前記第一の信号と前記第二の信号の無線アクセス技術が異なれば、又は、前記第二の信号がサイドリンクデータを含み、前記第一の信号と前記第二の信号の無線アクセス技術が異なるか又は同じであれば、前記第一の信号の優先度パラメータと前記第二の信号の優先度パラメータに基づいて前記伝送優先度を決定するために用いられる。
【0129】
選択的に、前記第一の決定モジュール401は、さらに、前記第一の信号の優先度パラメータが前記第二の信号の優先度パラメータより小さければ、前記第一の信号の送信又は受信の優先度は前記第二の信号の送信又は受信の優先度より高いと決定し、又は、前記第一の信号の優先度パラメータが前記第二の信号の優先度パラメータより大きければ、前記第一の信号の送信又は受信の優先度は前記第二の信号の送信又は受信の優先度より低いと決定するために用いられる。
【0130】
選択的に、前記第一の決定モジュール401は、さらに、前記第一の信号の優先度と前記第二の信号の優先度が等しければ、前記第一の信号と第二の信号の優先度閾値、無線アクセス技術、信号伝送方向のうちの一つ又は複数に基づいて、前記伝送優先度を決定するために用いられる。
【0131】
選択的に、前記第一の決定モジュール401は、さらに、前記第一の信号の優先度パラメータが前記第一の優先度閾値より大きく、且つ前記第二の信号の優先度パラメータが前記第二の優先度閾値より小さければ、前記第二の信号の送信又は受信の優先度は前記第一の信号の送信又は受信の優先度より高いと決定し、そうでなければ、前記第一の信号の送信又は受信の優先度は前記第二の信号の送信又は受信の優先度より高いと決定するために用いられ、
そのうち、前記第二の信号はUuインターフェースの非PRACHデータであり、前記第一の信号と前記第二の信号の無線アクセス技術は異なるか又は同じである。
【0132】
選択的に、前記第一の決定モジュール401は、さらに、前記第二の信号がSLSS又はPSBCHに載せられる信号であり、且つ前記第一の信号の無線アクセス技術がニューラジオNRで、前記第二の信号の無線アクセス技術が長期的進化LTEであり、
又は、前記第二の信号がサイドリンクデータであり、且つ前記第一の信号の無線アクセス技術がNRで、前記第二の信号の無線アクセス技術がLTEであり、
又は、前記第二の信号がUuインターフェースの非PRACHデータであり、且つ前記第一の信号の無線アクセス技術がNRで、前記第二の信号の無線アクセス技術がLTEであれば、
前記第一の信号の送信又は受信の優先度は前記第二の信号の送信又は受信の優先度より高いこと、又は、前記第一の信号の送信又は受信の優先度は前記第二の信号の送信又は受信の優先度より低いことを決定するために用いられる。
【0133】
選択的に、前記第一の決定モジュール401は、さらに、前記第二の信号がSLSS又はPSBCHに載せられる信号であり、前記第一の信号と前記第二の信号の無線アクセス技術が異なり、又は、前記第二の信号がサイドリンクデータであり、前記第一の信号と前記第二の信号の無線アクセス技術が異なるか又は同じであり、又は、前記第二の信号がUuインターフェースの非PRACHデータであり、前記第一の信号と前記第二の信号の無線アクセス技術が異なるか又は同じであれば、
前記第一の信号又は前記第二の信号の送信の優先度は前記第一の信号又は前記第二の信号の受信の優先度より高いこと、
前記第一の信号又は前記第二の信号の送信の優先度は前記第一の信号又は前記第二の信号の受信の優先度より低いことのうちの一つを決定するために用いられる。
【0134】
選択的に、第一の送受信モジュール402は、さらに、前記第一の信号の送信の優先度が前記第二の信号の送信の優先度より高ければ、前記第一の信号を送信し、前記第二の信号の送信を停止するか、又は、前記第一の信号を送信し、パワー削減の方式で前記第二の信号を送信し、
前記第二の信号の送信の優先度が前記第一の信号の送信の優先度より高ければ、前記第二の信号を送信し、前記第一の信号の送信を停止するか、又は、前記第二の信号を送信し、パワー削減の方式で前記第一の信号を送信するために用いられる。
【0135】
本開示の実施例による通信機器は、上記
図3に示された方法の実施例を実行することができ、その実現原理及び技術的効果は類似しているため、本実施例は、ここでは説明を省略する。
【0136】
図5を参照すると、
図5は、本開示の実施例に用いられる通信機器の構造図である。
図5に示すように、通信機器500は、プロセッサ501と、送受信機502と、メモリ503と、バスインターフェースとを含み、そのうち、プロセッサ501は、バスアーキテクチャと一般的な処理の管理を担当することができる。メモリ503は、プロセッサ501が操作を実行する時に使用されるデータを記憶することができる。
【0137】
本開示の一実施例において、通信機器500は、メモリ503に記憶されており、且つプロセッサ501上で運行できるプログラムをさらに含み、プログラムがプロセッサ501によって実行されると、上記
図3に示された方法のステップを実現させる。
【0138】
図5において、バスアーキテクチャは、任意の数の相互接続されるバスとブリッジを含んでもよく、具体的にはプロセッサ501によって代表される一つ又は複数のプロセッサとメモリ503によって代表されるメモリの各種の回路でリンクされてもよい。バスアーキテクチャは、周辺機器と、電圧レギュレータとパワー管理回路などのような各種の他の回路をリンクしてもよい。それらは、すべて当分野でよく知っているものであるため、本明細書では、これ以上説明しない。バスインターフェースは、インターフェースを提供する。送受信機502は、複数の素子であってもよく、即ち、送信機と受信機とを含み、伝送媒体で各種の他の装置と通信するためのユニットを提供する。
【0139】
本開示の実施例による通信機器は、上記
図3に示された方法の実施例を実行することができ、その実現原理及び技術的効果は類似しているため、本実施例は、ここでは説明を省略する。
【0140】
本開示の開示内容に説明された方法又はアルゴリズムを結び付けるステップは、ハードウェアの方式で実現されてもよく、プロセッサによってソフトウェア指令が実行される方式で実現されてもよい。ソフトウェア指令は、相応なソフトウェアモジュールで構成されてもよく、ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、フラッシュメモリ、リードオンリーメモリ(Read-Only Memory、ROM)、消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ(Erasable PROM、EPROM)、電気的に消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ(Electrically EPROM、EEPROM)、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルハードディスク、読み取り専用ディスク又は当技術分野でよく知っている他の任意の形式の記憶媒体に格納されてもよい。一つの例示的な記憶媒体は、プロセッサに結合されることにより、プロセッサは、この記憶媒体から情報を読み取り、且つこの記憶媒体に情報を書き込むことができる。無論、記憶媒体はプロセッサの構成部分であってもよい。プロセッサと記憶媒体は、専用集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)に位置してもよい。また、このASICは、コアネットワークインターフェイス機器に位置してもよい。無論、プロセッサと記憶媒体は、ディスクリート部品として、コアネットワークインターフェイス機器に存在してもよい。
【0141】
当業者が意識すべきことは、上記一つ又は複数の例では、本開示で記述された機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせで実現されてもよい。ソフトウェアを使用して実現される場合、これらの機能を、コンピュータ可読媒体に記憶するか、又はコンピュータ可読媒体の一つ又は複数の指令又はコードとして伝送してもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体と、通信媒体とを含み、そのうち、通信媒体は、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの伝送を容易にする任意の媒体を含む。記憶媒体は、汎用又は専用コンピュータがアクセス可能な任意の利用可能な媒体であってもよい。
【0142】
以上に記述されている発明を実施するための形態は、本開示の目的、技術的解決手段及び有益な効果についてさらに詳細に説明したが、理解すべきことは、以上に記述されているのは、本開示の発明を実施するための形態に過ぎず、本開示の保護範囲を制限するためのものではなく、本開示の技術的解決手段に基づいて行われた修正、等価代替、改良等は、いずれも、本開示の特許請求の範囲内に含まれるべきである。
【0143】
当業者であれば分かるように、本開示の実施例は、方法、システム、又はコンピュータプログラム製品として提供することができる。そのため、本開示の実施例は、完全なハードウェアの実施例、完全なソフトウェアの実施例、又はソフトウェアとハードウェアを組み合わせた実施例の形式を採用してもよい。そして、本開示の実施例は、コンピュータ利用可能なプログラムコードを含む一つ又は複数のコンピュータ利用可能な記憶媒体(磁気ディスクメモリ、読み取り専用ディスク(Compact Disc Read-Only Memory、CD-ROM)、光学メモリなどを含むが、それらに限らない)上で実施されるコンピュータプログラム製品の形式を採用してもよい。
【0144】
本開示の実施例は、本開示の実施例による方法、機器(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート及び/又はブロック図を参照して記述されるものである。理解すべきことは、フローチャート及び/又はブロック図における各フロー及び/又はブロック、ならびにフローチャート及び/又はブロック図におけるフロー及び/又はブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム指令によって実現されてもよい。これらのコンピュータプログラム指令を、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組込み型プロセッサ、又は他のプログラマブルデータプロセッシングデバイスのプロセッサに提供することによって、一つの機械を生成することができ、それによって、コンピュータ、又は他のプログラマブルデータプロセッシングデバイスのプロセッサによって実行される指令は、フローチャートの一つ又は複数のフロー、及び/又はブロック図の一つ又は複数のブロックにおいて指定された機能を実現するための装置を生成する。
【0145】
これらのコンピュータプログラム指令は、コンピュータ又はその他のプログラマブルデータプロセッシングデバイスに特定の方式で作動させることができるコンピュータ可読メモリに記憶されていてもよい。それによって、このコンピュータ可読メモリに記憶されている指令が、指令装置を含む製造品を生成する。この指令装置は、フローチャートの一つのフロー又は複数のフロー及び/又はブロック図の一つのブロック又は複数のブロックにおいて指定される機能を実現する。
【0146】
これらのコンピュータプログラム指令は、コンピュータ又はその他のプログラマブルデータプロセッシングデバイスにインストールしてもよい。それによって、コンピュータ又はその他のプログラマブルデバイス上で一連の操作ステップを実行することによって、コンピュータによって実現される処理を生成させる。これにより、コンピュータ又はその他のプログラマブルデバイス上で実行される指令は、フローチャートの一つのフロー又は複数のフロー及び/又はブロック図の一つのブロック又は複数のブロックにおいて指定される機能のステップを提供する。
【0147】
明らかに、当業者は、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、本開示の実施例に対して様々な変更及び変形を行うことができる。このように、本開示の実施例のこれらの変更と変形が、本開示の特許請求の範囲及びその均等技術の範囲内に属する場合に、本開示もこれらの変更及び変形を含むことを意図する。