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特許7326630移動ロボットの制御方法、装置、移動ロボット及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-04
(45)【発行日】2023-08-15
(54)【発明の名称】移動ロボットの制御方法、装置、移動ロボット及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/02 20200101AFI20230807BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20230807BHJP
   B60L 15/20 20060101ALI20230807BHJP
   G01S 17/931 20200101ALI20230807BHJP
【FI】
G05D1/02 J
G01C21/26 C
B60L15/20 J
G01S17/931
G05D1/02 X
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022542764
(86)(22)【出願日】2022-01-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-18
(86)【国際出願番号】 CN2022071028
(87)【国際公開番号】W WO2022188539
(87)【国際公開日】2022-09-15
【審査請求日】2022-07-12
(31)【優先権主張番号】202110263046.2
(32)【優先日】2021-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521347066
【氏名又は名称】上海▲けい▼朗智能科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Keenon Robotics Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】11/F, Bldg 56, No.1000, Jinghai Rd. China(Shanghai) Pilot Free Trade Zone(China)
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】徐 ▲うぇい▼
(72)【発明者】
【氏名】呂 登輝
(72)【発明者】
【氏名】金 超
(72)【発明者】
【氏名】唐 京揚
【審査官】山村 秀政
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-211758(JP,A)
【文献】特開2006-276023(JP,A)
【文献】特開2006-300588(JP,A)
【文献】特開2018-005437(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109387855(CN,A)
【文献】特開平07-113866(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/02
G01C 21/26
B60L 15/20
G01S 17/931
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動ロボットの制御方法であって、
前記移動ロボットにはレーザーレーダー及び慣性測量ユニットが装着されており、前記レーザーレーダーは前記レーザーレーダーから路面までの距離を測量するように構成され、前記慣性測量ユニットは前記移動ロボットの現在のピッチ角を測量するように構成され、
前記方法は、
前記レーザーレーダーにより取得される距離情報に有効距離変化が発生した場合、前記レーザーレーダーが第1の位置で検出した、前記移動ロボットが位置している現在の路面までの固定距離、及び、第2の位置で検出した、前方道路区間までの測量距離を取得するステップであって、前記第1の位置は前記有効距離変化が発生する前の位置であり、前記第2の位置は前記有効距離変化が発生した後の位置であるステップと、
前記固定距離、前記測量距離及び前記レーザーレーダーにより放射される光ビームの角度パラメータに基づいて、前記前方道路区間の、前記現在の路面に対する傾斜角度を予測するステップであって、前記角度パラメータは一定値であるステップと、
前記前方道路区間の、前記現在の路面に対する傾斜角度及び前記移動ロボットの、前記現在の路面におけるピッチ角に基づいて、前記前方道路区間の勾配を確定するステップと、
前記勾配、及び、前記勾配と前記移動ロボットの勾配しきい値の比較結果に基づいて、前記移動ロボットの運動を制御するステップと、
勾配マップにおいて前記前方道路区間を坂道領域としてラベリングするステップと、を含み、
前記勾配マップは、前記坂道領域に基づいて、前記移動ロボットが前記坂道領域を通るときに前記移動ロボットを制御して坂道警報情報を発信させるために用いられる
ことを特徴とする移動ロボットの制御方法。
【請求項2】
前記角度パラメータは前記レーザーレーダーにより放射される光ビームと路面の間の夾角を含み、
前記固定距離、前記測量距離及び前記レーザーレーダーにより放射される光ビームの角度パラメータに基づいて、前記前方道路区間の、前記現在の路面に対する傾斜角度を予測する前記ステップは、
前記移動ロボットが前記第1の位置から前記第2の位置まで移動するときの変位を確定するステップと、
前記変位、前記固定距離、前記測量距離及び前記レーザーレーダーにより放射される光ビームと路面の間の夾角に基づいて、前記前方道路区間の、前記現在の路面に対する傾斜角度を算出するステップと、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の制御方法。
【請求項3】
前記レーザーレーダーはマルチビームレーダーであり、前記角度パラメータは前記レーザーレーダーにより放射される第1の光ビームと第2の光ビームの間の夾角を含み、
前記レーザーレーダーが第1の位置で検出した、前記移動ロボットが位置している現在の路面までの固定距離、及び、第2の位置で検出した、前方道路区間までの測量距離を取得する前記ステップは、
前記1の光ビーム及び前記第2の光ビームが前記第1の位置で検出した、前記現在の路面までの第1の固定距離及び第2の固定距離を取得するステップと、
前記1の光ビーム及び前記第2の光ビームが前記第2の位置で検出した、前記前方道路区間までの第1の測量距離及び第2の測量距離を取得するステップと、を含み、
前記固定距離、前記測量距離及び前記レーザーレーダーにより放射される光ビームの角度パラメータに基づいて、前記前方道路区間の、前記現在の路面に対する傾斜角度を予測する前記ステップは、
前記第1の固定距離、前記第2の固定距離、前記第1の測量距離、前記第2の測量距離及び前記第1の光ビームと前記第2の光ビームの間の夾角に基づいて、前記前方道路区間の、前記現在の路面に対する傾斜角度を算出するステップを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の制御方法。
【請求項4】
前記勾配しきい値は最大上り角度及び最小下り角度を含み、
前記勾配、及び、前記勾配と前記移動ロボットの勾配しきい値の比較結果に基づいて、前記移動ロボットの運動を制御する前記ステップは、
前記勾配の正負によって前記前方道路区間の上り下り状況を確定するステップであって、前記上り下り状況は上り区間又は下り区間であるステップと、
前記前方道路区間が上り区間である場合、前記勾配が前記最大上り角度より小さいか否かを確定するステップと、
前記勾配が前記最大上り角度より小さい場合、前記移動ロボットを制御して坂を上らせるステップと、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の制御方法。
【請求項5】
前記移動ロボットを制御して坂を上らせる前記ステップは、
前記勾配と前記ピッチ角の間の大小関係を確定するステップであって、前記大小関係は大なり、小なり又はイコールであるステップと、
前記勾配が前記ピッチ角より大きい場合、前記移動ロボットのけん引力を増加するステップと、
前記勾配が前記ピッチ角より小さい場合、前記移動ロボットの速度を増加するステップと、
前記勾配が前記ピッチ角に等しい場合、前記移動ロボットのけん引力及び速度をそのまま維持するステップと、を含む
ことを特徴とする請求項4に記載の制御方法。
【請求項6】
前記方法は、
前記前方道路区間が下り区間である場合、前記勾配が前記最小下り角度より大きいか否かを確定するステップと、
前記勾配が前記最小下り角度より大きい場合、前記移動ロボットを制御して坂を下らせるステップと、を更に含む
ことを特徴とする請求項4に記載の制御方法。
【請求項7】
前記方法は、
前記レーザーレーダーにより検出された距離から距離しきい値より大きいデータを除去し、フィッティングを行って前記距離情報を取得するステップを更に含む
ことを特徴とする請求項1-6のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項8】
前記坂道警報情報は音声警報又は点灯警報を含む
ことを特徴とする請求項1-6のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項9】
前記方法は、
前記移動ロボットが前記坂道領域を通るとき、前記傾斜角度及び前記ピッチ角に基づいて前方道路区間には勾配がないと確定した場合、前記坂道領域を更新するステップを更に含む
ことを特徴とする請求項1-6のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項10】
移動ロボットの制御装置であって、勾配予測モジュール及び運動制御モジュールを備え、
前記勾配予測モジュールは、
レーザーレーダーにより取得される距離情報に有効距離変化が発生した場合、前記レーザーレーダーが第1の位置で検出した、前記移動ロボットが位置している現在の路面までの固定距離、及び、第2の位置で検出した、前方道路区間までの測量距離を取得するように構成され、ここで、前記第1の位置は前記有効距離変化が発生する前の位置であり、前記第2の位置は前記有効距離変化が発生した後の位置であり、
前記勾配予測モジュールはさらに、前記固定距離、前記測量距離及び前記レーザーレーダーにより放射される光ビームの角度パラメータに基づいて、前記前方道路区間の、前記現在の路面に対する傾斜角度を予測し、前記前方道路区間の、前記現在の路面に対する傾斜角度及び前記移動ロボットの、前記現在の路面におけるピッチ角に基づいて、前記前方道路区間の勾配を確定するように構成され、ここで、前記角度パラメータは一定値であり、
前記運動制御モジュールは、
前記勾配、及び、前記勾配と前記移動ロボットの勾配しきい値の比較結果に基づいて、前記移動ロボットの運動を制御し、勾配マップにおいて前記前方道路区間を坂道領域としてラベリングするように構成され、
前記勾配マップは、前記坂道領域に基づいて、前記移動ロボットが前記坂道領域を通るときに前記移動ロボットを制御して坂道警報情報を発信させるために用いられる
ことを特徴とする移動ロボットの制御装置。
【請求項11】
移動ロボットであって、
前記レーザーレーダーから路面までの距離を測量するように構成されるレーザーレーダーと、
前記移動ロボットの現在のピッチ角を測量するように構成される慣性測量ユニットと、
データ処理センターとを備え、
前記データ処理センターは、メモリ、プロセッサ、及び、前記メモリに記憶されており且つ前記プロセッサにおいて実行可能なコンピュータプログラムを備え、前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行するとき、請求項1に記載の移動ロボットの制御方法が実現される
ことを特徴とする移動ロボット。
【請求項12】
コンピュータ読取可能な記憶媒体であって、コンピュータプログラムが記憶されており、
前記コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されるとき、請求項1に記載の移動ロボットの制御方法が実現される
ことを特徴とするコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項13】
電子デバイスであって、
プロセッサと、前記プロセッサにより実行可能な命令を記憶するように構成されるメモリと、を備え、
前記プロセッサは請求項1に記載の移動ロボットの制御方法を実行するように構成される
ことを特徴とする電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例はロボット技術分野に関し、特に移動ロボットの制御方法、装置、移動ロボット及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
ロボット技術の高速成長につれて、移動ロボットの応用がますます普及してきた。未知の環境の中で移動ロボットに対する運動制御及びナビゲーションを実現することを目指して、視覚に基づいたロボット障害物認識技術は注目されており、近年では移動ロボットに関する重要な研究対象になっている。
【0003】
従来技術においては、移動ロボットの下部領域に設けられたレーザーレーダーによって360°回転しながらスキャンを行うことによって周囲の空間中の障害物を認識している。しかし、レーザーレーダーが地面からある程度の距離を離れているため、従来技術による移動ロボットは路面情報を取得できず、滑らかな地面でしか走行できない。
【0004】
そこで、移動ロボットが上り坂や下り坂が含まれている路線において走行させるための制御方法が従来技術の課題になっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、移動ロボットの制御方法、装置、移動ロボット及び記憶媒体を提供することによって、移動ロボットが上り坂や下り坂が含まれている路線において走行できるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様によると、本発明の実施例は移動ロボットの制御方法を開示する。前記移動ロボットにはレーザーレーダー及び慣性測量ユニットが装着されており、前記レーザーレーダーは前記レーザーレーダーから路面までの距離を測るように構成され、前記慣性測量ユニットは前記移動ロボットの現在のピッチ角を測るように構成される。前記方法は、前記レーザーレーダーにより取得される距離情報に有効距離変化が発生した場合、前記レーザーレーダーが第1の位置で検出した、前記移動ロボットが位置している現在の路面までの固定距離、及び、前記レーザーレーダーが第2の位置で検出した、前方道路区間までの測量距離を取得するステップと、前記固定距離、前記測量距離、及び、前記レーザーレーダーにより放射される光ビームの角度パラメータに基づいて、前方道路区間の、前記現在の路面に対する傾斜角度を予測するステップと、前記傾斜角度及び前記ピッチ角に基づいて前方道路区間の勾配を確定するステップと、前記勾配、及び、前記勾配と前記移動ロボットの勾配しきい値の比較結果に基づいて、前記移動ロボットの運動を制御するステップと、勾配マップにおいて前記前方道路区間を坂道領域としてラベリングするステップと、を含み、前記勾配マップは、前記坂道領域に基づいて、前記移動ロボットが前記坂道領域を通るときに前記移動ロボットを制御して坂道警報情報を発信させるために用いられる。
【0007】
選択的に、前記固定距離、前記測量距離、及び、前記レーザーレーダーにより放射される光ビームの角度パラメータに基づいて、前方道路区間の、前記現在の路面に対する傾斜角度を予測する前記ステップは、前記移動ロボットが前記第1の位置から前記第2の位置まで移動するときの変位を確定するステップと、前記変位、前記固定距離、前記測量距離、及び、前記レーザーレーダーにより放射される光ビームと路面の間の夾角に基づいて、前記前方道路区間の、現在の路面に対する傾斜角度を算出するステップと、を含む。
【0008】
選択的に、前記レーザーレーダーはマルチビームレーダーであり、前記レーザーレーダーが第1の位置で検出した前記移動ロボットが位置している現在の路面までの固定距離、及び、前記レーザーレーダーが第2の位置で検出した前方道路区間までの測量距離を取得する前記ステップは、前記レーザーレーダーにより放射された第1の光ビーム及び第2の光ビームが第1の位置で検出した、現在の路面までの第1の固定距離及び第2の固定距離を取得するステップと、前記レーザーレーダーにより放射された第1の光ビーム及び第2の光ビームが第2の位置で検出した、前方道路区間までの第1の測量距離及び第2の測量距離を取得するステップと、を含み、
前記固定距離、前記測量距離、及び、前記レーザーレーダーにより放射される光ビームの角度パラメータに基づいて、前方道路区間の、前記現在の路面に対する傾斜角度を予測する前記ステップは、前記第1の固定距離、前記第2の固定距離、前記第1の測量距離、前記第2の測量距離、及び、前記第1の光ビームと前記第2の光ビームの間の夾角に基づいて、前記前方道路区間の、現在の路面に対する傾斜角度を算出するステップを含む。
【0009】
選択的に、前記勾配しきい値は最大上り角度及び最小下り角度を含み、前記勾配、及び、前記勾配と前記移動ロボットの勾配しきい値の比較結果に基づいて、前記移動ロボットの運動を制御する前記ステップは、前記勾配の正負によって前記前方道路区間の上り下り状況を確定するステップであって、前記上り下り状況は上り区間又は下り区間であるステップと、前記前方道路区間が上り区間である場合、前記勾配が前記最大上り角度より小さいか否かを確定するステップと、前記勾配が前記最大上り角度より小さい場合、前記移動ロボットを制御して坂を上らせるステップと、を含む。
【0010】
選択的に、前記移動ロボットを制御して坂を上らせる前記ステップは、前記勾配と前記ピッチ角の間の大小関係を確定するステップであって、前記大小関係は大なり、小なり又はイコールであるステップと、前記勾配大なり前記ピッチ角である場合に前記移動ロボットのけん引力を増加するステップと、前記勾配小なり前記ピッチ角である場合に前記移動ロボットの速度を増加するステップと、前記勾配イコール前記ピッチ角である場合に前記移動ロボットのけん引力及び速度を維持するステップと、を含む。
【0011】
選択的に、前記方法は、前記前方道路区間が下り区間である場合、前記勾配が前記最小下り角度より大きいか否かを確定するステップと、前記勾配が前記最小下り角度より大きい場合、前記移動ロボットを制御して坂を下らせるステップと、を更に含む。
【0012】
選択的に、前記方法は、前記レーザーレーダーにより検出された距離から距離しきい値より大きいデータを除去し、フィッティングを行って前記距離情報を取得するステップを更に含む。
【0013】
選択的に、前記坂道警報情報は音声警報又は点灯警報を含む。
【0014】
選択的に、前記方法は、前記移動ロボットが前記坂道領域を通るとき、前記傾斜角度及び前記ピッチ角に基づいて前方道路区間には勾配がないと確定した場合、当該坂道領域を更新するステップを更に含む。
【0015】
第2の態様によると、本発明の実施例は移動ロボットの制御装置を開示する。当該移動ロボットの制御装置は、勾配予測モジュール及び運動制御モジュールを備える。勾配予測モジュールは、レーザーレーダーにより取得される距離情報に有効距離変化が発生するときに、前記レーザーレーダーが第1の位置で検出した前記移動ロボットが位置している現在の路面までの固定距離、及び、前記レーザーレーダーが第2の位置で検出した前方道路区間までの測量距離を取得し、前記固定距離、前記測量距、及び、前記レーザーレーダーにより放射される光ビームの角度パラメータに基づいて、前方道路区間の、前記現在の路面に対する傾斜角度を予測し、前記傾斜角度と、慣性測量ユニットにより検出されたピッチ角とに基づいて前方道路区間の勾配を確定するように構成される。運動制御モジュールは、前記勾配、及び、前記勾配と前記移動ロボットの勾配しきい値の比較結果に基づいて、前記移動ロボットの運動を制御し、勾配マップにおいて前記前方道路区間を坂道領域としてラベリングするように構成される。前記勾配マップは、前記坂道領域に基づいて、前記移動ロボットが前記坂道領域を通るときに前記移動ロボットを制御して坂道警報情報を発信させるために用いられる。
【0016】
第3の態様によると、本発明の実施例は移動ロボットを開示する。当該移動ロボットは、前記レーザーレーダーから路面までの距離を測量するように構成されるレーザーレーダーと、前記移動ロボットの現在のピッチ角を測量するように構成される慣性測量ユニットと、データ処理センターと、を備える。データ処理センターは、メモリ、プロセッサ、及び、メモリに記憶されており且つプロセッサにおいて運転可能なコンピュータプログラムを備える。前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行するとき、上述の第1の態様に記載の移動ロボットの制御方法が実現される。
【0017】
第4の態様によると、本発明の実施例は、コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読取可能な記憶媒体を開示する。当該コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されるとき、上述の第1の態様に記載の移動ロボットの制御方法が実現される。
【0018】
第5の態様によると、本発明の実施例は電子デバイスを開示する。当該電子デバイスは、プロセッサと、プロセッサ実行可能な命令を記憶するように構成されるメモリと、を備える。ここで、プロセッサは上述の第1の態様に記載の移動ロボットの制御方法を実行するように構成される。
【0019】
本発明の実施例に係る移動ロボットの制御方法、装置、移動ロボット及び記憶媒体は、レーザーレーダーにより取得される距離情報に有効距離変化が発生するときに、前方道路区間の、移動ロボットが現在位置している路面に対する傾斜角度を予測し、前記傾斜角度及び前記ピッチ角に基づいて前方道路区間の勾配を確定し、前記勾配、及び、前記勾配と前記移動ロボットのプリセットの勾配しきい値の比較結果に基づいて、前記移動ロボットの運動を制御することによって、移動ロボットが上り坂や下り坂を含む路線で走行できるようにし、移動ロボットの性能を向上させ、移動ロボットの適用場面を拡大させることができる。また、本発明の実施例は勾配マップにおいて前記前方道路区間を坂道領域としてラベリングすることができる。前記勾配マップは、前記移動ロボットが前記坂道領域を通るときに前記坂道領域に基づいて前記移動ロボットに坂道警報情報を発信させるために用いられる。それによって、歩行者に注意を促して道路通行安全を保障することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施例の1つの適用場面模式図である。
図2】本発明の実施例1に係る移動ロボットの制御方法のフローチャートである。
図3】本発明の実施例1に係る、シングルビームレーダーに基づいた移動ロボットが坂を上ることを示す模式図である。
図4】本発明の実施例1に係る、シングルビームレーダーに基づいた移動ロボットが坂を下ることを示す模式図である。
図5】本発明の実施例1に係る、マルチビームレーダーに基づいた移動ロボットが坂を上ることを示す模式図である。
図6】本発明の実施例1に係る、マルチビームレーダーに基づいた移動ロボットが坂を下ることを示す模式図である。
図7】本発明の実施例2に係る移動ロボットの制御装置の構造模式図である。
図8】本発明の実施例3に係る移動ロボットの構造模式図である。
図9】本発明の1つの実施例に係る、移動ロボットの制御方法を実行する電子デバイスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面及び実施例に基づいて本発明をより詳しく説明する。なお、ここに記載の具体的な実施例は本発明を解釈するためのものに過ぎず、本発明に対する制限にはならない。また、記述の便宜上、図面においては全部の構成ではなく、本発明と関わる部分のみを示している。
【0022】
本発明の技術案の基本的思想は以下の通りである。例示的に、図1は本発明の実施例の1つの適用場面模式図である。図1に示すように、移動ロボットにはレーザーレーダー及び慣性測量ユニット(inertial meaSurement unit,IMU)が装着されており、レーザーレーダーと慣性測量ユニットはいずれも移動ロボットの底板に平行に装着される。レーザーレーダーの出射光線と地面との夾角がθであり、レーザーレーダーはレーザーレーダーから路面までの距離を測量するために設けられる。慣性測量ユニットは移動ロボットの現在のピッチ角、すなわち現在の路面の傾斜角度を測量するために設けられる。本発明の実施例に係る、移動ロボットの運動を制御する技術案においては、ロボットが移動しているときに、レーザーレーダーを用いて前方道路区間までの距離を継続的に探測する。レーザーレーダーの装着位置及び地面に対する角度が一定であるため、地面が滑らかな場合、レーザーレーダーにより検出される距離値は略一定値である。前方道路区間に勾配が現れるとき、距離値は変化する。そこで、本実施例においては距離値をモニタリングして、距離値が変化したと検知したら、IMUにより検出された移動ロボットのピッチ角と、レーザーレーダーにより検出された距離値とを取得する。ピッチ角及び距離値に基づいて、前方道路区間の勾配を予測し、ひいては予測結果によって移動ロボットの運動を制御する。こうすることによって、移動ロボットが上り区間及び下り区間を安全に通過できるように保障して、従来の移動ロボットのハードウェアのもとに移動ロボットの性能を向上させることができる。
【0023】
<実施例1>
図2は本発明の実施例1に係る移動ロボットの制御方法のフローチャートである。本実施例による方法は本発明の実施例に係る移動ロボットの制御装置により実行されることができる。当該装置は、ソフトウェア及び/又はハードウェアの形態で実現されることができ、移動ロボットに集積されることができる。図2に示すように、本実施例に係る移動ロボットの制御方法は以下の内容を含む。
【0024】
S101において、レーザーレーダーにより取得される距離情報に有効距離変化が発生した場合、前方道路区間の、移動ロボットが現在位置している路面に対する傾斜角度を予測する。
【0025】
例示的に、移動ロボットが水平な路面(現在の路面)で移動するときにレーザーレーダーにより検出される距離をdで表すと、上り坂に出合う場合に検出される距離はd<dであり、下り坂に出合う場合に検出される距離はd>dである。逆に、移動ロボットがある程度の距離を継続的に移動している間に検出された距離dが常にd<d又はd>dを満足する場合、前方に坂道があると考えられてもよい。ロボットが坂道を順調に通過できるように保証するために、本ステップにおいては、前方道路区間の、現在の路面に対する傾斜角度を予測する必要がある。
【0026】
ここで、有効距離変化は、路面の勾配変化の有無確認のために用いられることができる距離変化である。一方では、ある程度の範囲又はレベル(例えばセンチメートルレベル)を超える変化を指しており、予め設定されたしきい値又はレベルより小さい軽微な変化は無視してもよい。他方では、継続的に行われる数回(例えば大なり3回)の測量で得られる距離値の、1つの相対的一定の距離値に対する変化を指す。例えば、レーザーレーダーのサンプリング周期が1sであり、ロボットが移動している0-5minの間に検出された距離がすべてdであると仮定すると、5min目から継続的に取得された10個の距離値がすべてdより小さい場合、レーザーレーダーにより取得された距離に有効距離変化が発生したと確定する。なお、継続的に取得された2つの距離値がdより小さいが、その後に継続的に取得された距離値が再びdに戻った場合、当該変化は無視してもよい。
【0027】
選択的に、本ステップにおいては、レーザーレーダーにより検出された距離における異常点(例えば測量された距離値がdの10倍以上となる)をアルゴリズムにより除去することができる。ロボットの場面は一般に決まっているため、平面路面までの距離より遥かに大きい距離が検出された場合には、レーザーが路面を照射していないか又は地面上の異物により光線が干渉されて測量結果が異常になった可能性が高い。測量距離に対してフィッティングを行うことによって距離情報を取得し、さらに処理結果に基づいて有効距離変化が発生したか否かを判断すると、勾配に対する判断の正確度を向上させることができる。
【0028】
選択的に、本ステップにおいては、レーザーレーダーにより取得された距離情報に有効距離変化が発生した場合、レーザーレーダーが第1の位置で検出した、現在の路面までの固定距離、及び、第2の位置で検出した、前方道路区間までの測量距離を取得し、さらに当該固定距離及び測量距離に基づいて、前方道路区間の、現在の路面に対する傾斜角度を算出する。
【0029】
具体的に、レーザーレーダーにより検出された距離に有効距離変化が発生したと確定した場合、有効距離変化が発生する前にレーザーレーダーが距離測量を行った位置のうちから1つの位置を第1の位置として選定し、レーザーレーダーが第1の位置で測量した距離値を取得して固定距離として決める。有効距離変化が発生した後にレーザーレーダーが距離測量を行った位置のうちから1つの位置を第2の位置として選定し、レーザーレーダーが第2の位置で測量した距離値を取得して測量距離として決める。さらに、予め設計されたアルゴリズムに固定距離及び測量距離の実際の数値を代入して解を求めて、前方道路区間の、現在の路面に対する傾斜角度を取得する。
【0030】
本発明の実施例におけるレーザーレーダーはシングルビームレーダーであってもよく、マルチビームレーダーであってもよいため、本発明の実施例においては、シングルビームレーダーとマルチビームレーダーのためにそれぞれ異なる傾斜角度予測アルゴリズムが設計されており、異なるレーザーレーダーが装着された移動ロボットへの制御ニーズを満たすことができる。
【0031】
(1)シングルビームレーダー
前記移動ロボットが第1の位置から第2の位置まで移動するときの変位を確定する。変位、固定距離、測量距離及び光線放射角度に基づいて、前方道路区間の、現在の路面に対する傾斜角度を算出する。ここで、光線放射角度は、レーザーレーダーにより放射される光ビームと路面の間の夾角(図1によるθ)である。なお、光線放射角度はレーザーレーダーにより放射される光ビームの角度パラメータであってもよい。
【0032】
a、上り坂の実施形態
例示的に、図3は本発明の実施例1に係る、シングルビームレーダーに基づいた移動ロボットが坂を上ることを示す模式図である。移動ロボットが現在の路面で走行するとき、レーザーレーダーが第1の位置(P点)で検出した、現在の路面までの距離(固定距離)をdで表し、第2の位置(Q点)で検出した、前方道路区間までの距離(測量距離)をdで表し、移動ロボットが第1の位置から第2の位置まで移動するときの変位をSで表し、光線放射角度をθで表すと、PQ=S、PB=d、QA=dとなる。
【0033】
平行四辺形PQCBにおいては、平行四辺形の法則によると、BC=PQ=S、AC=QC-QA=PB-QA=d-d、∠α=∠θとなる。
【0034】
三角形ABCにおいては、余弦定理及び正弦定理によると、
AB=BC+AC-2×|BC|×|AC|×cosα (1)
AB/sinα=AC/sinβ (2)となる。
【0035】
BC、AC、αの値を上述の公式(1)及び(2)に代入して解を求めると、βを得ることができる。ここで、βは前方道路区間の、現在の路面に対する傾斜角度の数値である。
【0036】
βの正負について、固定距離が測量距離より大きい場合、βは正であり、固定距離が測量距離より小さい場合、βは負である。例えば、図3において、辺PBが辺QAより大きい場合にβは正であり、辺PBが辺QAより小さい場合にβは負である。
【0037】
b、下り坂の実施形態
例示的に、図4は、本発明の実施例1に係る、シングルビームレーダーに基づいた移動ロボットが坂を下ることを示す模式図である。移動ロボットが現在の路面を走行するとき、レーザーレーダーが第1の位置(P点)で検出した、現在の路面までの距離(固定距離)をdで表し、第2の位置(Q点)で検出した、前方道路区間までの距離(測量距離)をdで表し、移動ロボットが第1の位置から第2の位置まで移動するときの変位をSで表し、光線放射角度をθで表すと、PQ=S、PB=d、QA=d、BC=PQ=S、QC=PB=d、AC=QC-QA=d-d、∠α=180°-∠θである。
【0038】
三角形ABCにおいては、余弦定理及び正弦定理によると、
AB=BC+AC-2|BC|×|AC|×cosα (3)
AB/sinα=AC/sinβ (4)となる。
【0039】
BC、AC、αの値を上述の公式(3)及び(4)に代入して解を求めると、βを得ることができる。ここで、βは前方道路区間の、現在の路面に対する傾斜角度の数値である。
【0040】
βの正負の定義は前に説明した通りであるため、ここでは説明を省略する。
【0041】
なお、1つの可能な実施形態において、上述のシングルビームレーダーの上り坂の実施形態及び下り坂の実施形態では、P点は坂道変化交点に対応する移動ロボットの位置である。
【0042】
移動ロボットが走行している間、レーザーレーダーは既定の頻度に従って地面までの距離情報をリアルタイムに収集して、たくさんの距離データとそれらに対応する移動ロボットの位置データとを取得する。それで、これらの距離データを分析して坂道変化交点(例えば図3-4におけるB点)を認識すると、坂道変化交点に対応する移動ロボットの位置を取得することができる。当該位置をP点とし、上述の対応する計算方法を採用すると、前方道路区間の、現在の路面に対する傾斜角度を算出することができる。
【0043】
(2)マルチビームレーダー
レーザーレーダーにより放射された第1の光ビーム及び第2の光ビームが第1の位置で検出した、現在の路面までの第1の固定距離及び第2の固定距離を取得する。レーザーレーダーにより放射された第1の光ビーム及び第2の光ビームが第2の位置で検出した、前方道路区間までの第1の測量距離及び第2の測量距離を取得する。第1の固定距離、第2の固定距離、第1の測量距離、第2の測量距離及び光ビーム夾角に基づいて、前方道路区間の、現在の路面に対する傾斜角度を算出する。ここで、光ビーム夾角は第1の光ビームと第2の光ビームの間の夾角である。なお、光ビーム夾角はレーザーレーダーにより放射される光ビームの角度パラメータであってもよい。
【0044】
a、上り坂の実施形態
例示的に、図5は本発明の実施例1に係る、マルチビームレーダーに基づいた移動ロボットが坂を上ることを示す模式図である。移動ロボットが現在の路面で走行するとき、レーザーレーダーにより放射された第1の光ビーム及び第2の光ビームが第1の位置(P点)で検出した、現在の路面までの距離(固定距離)がそれぞれlとlであり、第1の光ビームと第2の光ビームの間の夾角(光ビーム夾角)がθであり、レーザーレーダーにより放射された第1の光ビーム及び第2の光ビームが第2の位置(Q点)で検出した、前方道路区間までの距離(測量距離)がそれぞれsとsであり、光ビーム夾角が変わらないと仮定すると、QB=s、QA=s、QM=l、QN=l、∠AQB=∠NQM=∠θ、∠QMC=∠QBA=∠α、∠CMN=∠ADN=∠βである。
【0045】
三角形QABにおいては、余弦定理及び正弦定理によると、
AB=QA+QB-2×QA×QB×cosθ (5)
AB/sinθ=QA/sinα (6)となる。
【0046】
QA、QB、θの値を上述の公式(5)及び(6)に代入すると、αを算出することができる。
【0047】
三角形QMNにおいては、余弦定理及び正弦定理によると、
MN=QM+QN-2×QM×QN×cosθ (7)
MN/sinθ=QN/sinγ (8)
γ=α+β (9)となる。
【0048】
QM、QN及びαを上述の公式(7)-(9)に代入して解を求めると、βを得ることができる。ここで、βは前方道路区間の、現在の路面に対する傾斜角度の数値である。
【0049】
βの正負の定義は前に説明した通りであるため、ここでは説明を省略する。
【0050】
b、下り坂の実施形態
例示的に、図6は、本発明の実施例1に係る、マルチビームレーダーに基づいた移動ロボットが坂を下ることを示す模式図である。移動ロボットが現在の路面を走行するとき、レーザーレーダーにより放射された第1の光ビーム及び第2の光ビームが第1の位置(P点)で検出した、現在の路面までの距離(固定距離)がそれぞれlとlであり、第1の光ビームと第2の光ビームの間の夾角(光ビーム夾角)がθであり、レーザーレーダーにより放射された第1の光ビームと第2の光ビームが第2の位置(Q点)で検出した、前方道路区間までの距離(測量距離)がそれぞれsとsであり、光ビーム夾角が変わらないと仮定すると、QM=s、QN=s、QB=l、QA=l、∠AQB=∠NQM=∠θ、∠QMC=∠QBA=∠α、∠CMN=∠ADN=∠βである。
【0051】
三角形QABにおいては、余弦定理及び正弦定理によると、
AB=QA+QB-2×QA×QB×cosθ (10)
AB/sinθ=QA/sinα (11)となる。
【0052】
QA、QB、θの値を上述の公式(10)及び(11)に代入すると、αを得ることができる。
【0053】
三角形QMNにおいては、余弦定理及び正弦定理によると、
MN=QM+QN-2×QM×QN×cosθ (12)
MN/sinθ=QN/sinγ (13)
γ=α+β (14)となる。
【0054】
QM、QN及びαを上述の公式(12)-(14)に代入して解を求めると、βを得ることができる。ここで、βは前方道路区間の、現在の路面に対する傾斜角度の数値である。
【0055】
βの正負の定義は前に説明した通りであるため、ここでは説明を省略する。
【0056】
S102において、傾斜角度及びピッチ角に基づいて、前方道路区間の勾配を確定する。
【0057】
本ステップにおいては、S101で算出した傾斜角度と、IMUにより検出されたピッチ角とに基づいて、前方道路区間の勾配を確定する。ここで、前方道路区間の勾配とは、前方道路区間の、水平な路面に対する傾斜角度である。勾配にも正負があって、勾配が正であれば、前方道路区間は上り区間であり、勾配が負であれば、前方道路区間は下り区間である。
【0058】
選択的に、本実施例においては、以下の公式によって前方道路区間の勾配を確定する。
Σ=β+δ (15)
ここで、Σは勾配を表し、δはピッチ角を表し、βは傾斜角度を表す。
【0059】
なお、ピッチ角δにも正負があって、移動ロボットが位置している路面が上り区間であれば、δは正であり、移動ロボットが位置している路面が下り区間であれば、δは負である。
【0060】
S103において、勾配、及び、勾配と移動ロボットの勾配しきい値との比較結果に基づいて、移動ロボットの運動を制御する。
【0061】
本ステップにおいては、S102で確定した前方道路区間の勾配及び移動ロボットの坂登性能に基づいて、ロボットが続いて走行できるか否かを確定する。続いて走行できる場合、移動ロボットが坂を上るか又は下るように制御する。続いて走行できない場合、移動ロボットがブレーキをかけるか又は元のルートに従って戻るように制御する。
【0062】
ここで、坂登性能は、移動ロボットのハードウェア条件及び機械性能により決められた、移動ロボットが坂を上って下る能力を指しており、勾配しきい値又は最大出力パワーなどにより表されることができる。
【0063】
勾配しきい値を例とし、勾配しきい値は最大上り角度及び最小下り角度を含むと仮定する。本実施例においては、まず、勾配の正負によって前方道路区間の上り下り状況を確定する。勾配が正であれば、前方道路区間は上り区間であり、勾配が負であれば、前方道路区間は下り区間であり、勾配が0であれば、前方は水平な路面であるとわかる。さらに、前方道路区間の上り下り状況によって、移動ロボットが坂を上るか又は下るように、制御する。
【0064】
(1)前方道路区間が上り区間である場合、当該勾配が最大上り角度より小さいか否かを確定する。NOであれば、前方道路区間の勾配が移動ロボットの坂登性能を超えたと考えられる。このとき、続いて坂を上ると、転倒などの安全事故が発生するリスクがあるため、移動ロボットがブレーキをかけるか又は元のルートに従って戻るように制御するべきである。YESであれば、移動ロボットが坂を上るように制御する。
【0065】
本実施例においては、勾配の変化状況によって移動ロボットの速度又はけん引力などを制御することができ、それによって移動ロボットが安全且つ高効率に坂を上るようにコントロールすることができる。1つの可能な実施形態によると、本実施例においては、勾配とピッチ角の間の大小関係を確定する。ここで、大小関係は大なり、小なり又はイコールを含む。勾配がピッチ角より大きい場合、すなわち勾配が大きくなったため、移動ロボットが坂を順調に上ることができるように、移動ロボットのけん引力を増加する必要がある。勾配がピッチ角より小さい場合、すなわち勾配が小さくなったため、移動ロボットが速やかに通過できるように、移動ロボットの速度を適切に増加することができる。勾配がピッチ角に等しい場合、すなわち勾配が変化していないため、移動ロボットのけん引力及び速度をそのまま維持してもよい。
【0066】
(2)前方道路区間が下り区間である場合、当該勾配が最小下り角度より大きいか否かを確定する。NOであれば、前方道路区間の勾配は移動ロボットの坂登性能を超えたと考えられる。このとき、続いて坂を下ると、転倒などの安全事故が発生するリスクがあるため、移動ロボットがブレーキをかけるか又は元のルートに従って戻るように制御するべきである。YESであれば、移動ロボットが坂を下るように制御する。
【0067】
本実施例においては、勾配の変化状況によって移動ロボットの速度又はけん引力などを制御することができ、それによって移動ロボットが安全且つ高効率に坂を下るようにコントロールすることができる。1つの可能な実施形態によると、本実施例においては、勾配とピッチ角の間の大小関係を確定する。ここで、大小関係は大なり、小なり又はイコールを含む。勾配がピッチ角より大きい場合、すなわち勾配が小さくなったため、移動ロボットの移動に必要なパワーを確保するために、移動ロボットのけん引力を適切に増加してもよい。勾配がピッチ角より小さい場合、すなわち勾配が大きくなったため、移動ロボットの安全を確保するために、移動ロボットの速度を下げるべきである。勾配がピッチ角に等しい場合、すなわち勾配が変化していないため、移動ロボットのけん引力及び速度をそのまま維持してもよい。
【0068】
(3)前方道路区間が水平道路区間である場合、当該勾配とピッチ角の間の大小関係を確定する。ここで、大小関係は大なり、小なり又はイコールを含む。勾配がピッチ角より大きい場合、移動ロボットが水平な路面で走行できるためのパワーを提供するように、移動ロボットのけん引力を増加してもよい。勾配がピッチ角より小さい場合、移動ロボットが速やかに水平道路区間を通過できるように、移動ロボットの速度を適切に増加することができる。
【0069】
なお、以上の実施形態において、ピッチ角、傾斜角度及び勾配はいずれも正負がある。そこで、大きさの比較も、正負付きの前提で行われている。
【0070】
S104において、勾配マップにおいて前方道路区間を坂道領域としてラベリングする。
【0071】
本実施例において、移動ロボットは勾配情報を学習する能力を有する。移動ロボットが走行するとき、移動ロボットの中に配置されているデータ処理センターは、経過した道路区間の勾配状況に基づいて勾配マップを生成することができる。勾配マップは、坂道領域、水平道路区間領域又はラベル無し領域などを含み、移動ロボットが前記坂道領域を経過するときに、坂道領域に基づいて移動ロボットを制御して坂道警報情報を発信させて、歩行者の注意を促して道路通行安全を保障することができる。なお、坂道警報情報は音声警報又は点灯警報などであってもよく、例えば、「ロボットが坂を上っています。お気を付けください。」であってもよい。
【0072】
なお、施工などの事情により、地面の勾配は動的に変化するものである。よって、移動ロボットは、勾配マップでラベリングされた坂道領域を経過するときに検出した傾斜角度及びピッチ角に基づいて前方道路区間に実は勾配がないと判明した場合、勾配マップにおける坂道領域を更新することができる。それによって、勾配マップの正確性及び実用性を向上させて、移動ロボットの制御正確度を向上させることができる。
【0073】
選択的に、坂道領域に対しては、勾配マップにおいて勾配値、上り坂又は下り坂、坂の長さなどの勾配情報を記録することもできる。こうすると、勾配マップ及びポジショニング技術により、移動ロボットが坂道領域を経過していることを気付いたときに勾配情報に基づいて移動ロボットの運動を制御して、移動ロボットに走行速度を予め調整させて、移動ロボットの知能化レベルを向上させることができる。
【0074】
本実施例においては、レーザーレーダーにより取得された距離情報に有効距離変化が発生するときに前方道路区間の、移動ロボットが現在位置している路面に対する傾斜角度を予測し、前記傾斜角度及び前記ピッチ角に基づいて前方道路区間の勾配を確定し、前記勾配、及び、前記勾配と前記移動ロボットのプリセットの勾配しきい値との比較結果に基づいて前記移動ロボットの運動を制御することによって、移動ロボットが上り坂や下り坂を含む道路区間で走行できるようにして、移動ロボットの性能を向上させ、移動ロボットの適用場面を拡大することができる。さらに、本発明の実施例は、前記前方道路区間を勾配マップにおいて坂道領域としてラベリングすることができる。前記勾配マップは、前記移動ロボットが前記坂道領域を経過するときに、前記坂道領域に基づいて、前記移動ロボットが坂道警報情報を発信するように制御して、歩行者の注意を促すことを実現して、道路通行安全を保障することができる。
【0075】
<実施例2>
図7は、本発明の実施例2に係る移動ロボットの制御装置の構造模式図である。図7に示すように、本実施例による移動ロボットの制御装置10は、勾配予測モジュール11及び運動制御モジュール12を備える。
【0076】
勾配予測モジュール11は、前記レーザーレーダーにより取得される距離情報に有効距離変化が発生するときに、前方道路区間の、前記移動ロボットが現在位置している路面に対する傾斜角度を予測し、前記傾斜角度と、慣性測量ユニットにより検出されたピッチ角とに基づいて、前方道路区間の勾配を確定するように構成される。
【0077】
運動制御モジュール12は、前記勾配、及び、前記勾配と前記移動ロボットの勾配しきい値との比較結果に基づいて、前記移動ロボットの運動を制御し、勾配マップにおいて前記前方道路区間を坂道領域としてラベリングするように構成される。ここで、前記勾配マップは、前記坂道領域に基づいて、前記移動ロボットが前記坂道領域を通るときに前記移動ロボットを制御して坂道警報情報を発信させるために用いられる。
【0078】
選択的に、勾配予測モジュール11は具体的に、
前記レーザーレーダーが第1の位置で検出した、現在の路面までの固定距離と、第2の位置で検出した、前方道路区間までの測量距離とを取得することと、
前記固定距離及び前記測量距離に基づいて、前記前方道路区間の、現在の路面に対する傾斜角度を算出することと、を行う。
【0079】
選択的に、前記レーザーレーダーはシングルビームレーダーであり、勾配予測モジュール11は具体的に、
前記移動ロボットが前記第1の位置から前記第2の位置まで移動するときの変位を確定することと、
前記変位、前記固定距離、前記測量距離及び光線放射角度に基づいて、前記前方道路区間の、現在の路面に対する傾斜角度を算出することと、を行う。前記光線放射角度は前記レーザーレーダーにより放射される光ビームと路面の間の夾角である。ここで、光線放射角度はレーザーレーダーにより放射される光ビームの角度パラメータであってもよい。
【0080】
選択的に、前記レーザーレーダーはマルチビームレーダーであり、勾配予測モジュール11は具体的に、
前記レーザーレーダーにより放射された第1の光ビーム及び第2の光ビームが第1の位置で検出した、現在の路面までの第1の固定距離及び第2の固定距離を取得することと、
前記レーザーレーダーにより放射された第1の光ビーム及び第2の光ビームが第2の位置で検出した、前方道路区間までの第1の測量距離及び第2の測量距離を取得することと、
前記第1の固定距離、前記第2の固定距離、前記第1の測量距離、前記第2の測量距離及び光ビーム夾角に基づいて、前記前方道路区間の、現在の路面に対する傾斜角度を算出することと、を行う。前記光ビーム夾角は前記第1の光ビームと前記第2の光ビームの間の夾角である。ここで、光ビーム夾角はレーザーレーダーにより放射される光ビームの角度パラメータであってもよい。
【0081】
選択的に、前記勾配しきい値は最大上り角度及び最小下り角度を含み、運動制御モジュール12は具体的に、
前記勾配の正負によって前記前方道路区間の上り下り状況を確定し、ここで、前記上り下り状況は上り区間又は下り区間であり、
前記前方道路区間が上り区間である場合、前記勾配が前記最大上り角度より小さいか否かを確定し、
前記勾配が前記最大上り角度より小さければ、前記移動ロボットが坂を上るように制御する。
【0082】
選択的に、運動制御モジュール12は具体的に、
前記勾配と前記ピッチ角の間の大小関係を確定し、ここで、前記大小関係は大なり、小なり又はイコールであり、
前記勾配が前記ピッチ角より大きい場合、前記移動ロボットのけん引力を増加し、
前記勾配が前記ピッチ角より小さい場合、前記移動ロボットの速度を増加し、
前記勾配が前記ピッチ角に等しい場合、前記移動ロボットのけん引力及び速度をそのまま維持する。
【0083】
選択的に、運動制御モジュール12はさらに、
前記前方道路区間が下り区間である場合、前記勾配が前記最小下り角度より大きいか否かを確定し、
前記勾配が前記最小下り角度より大きい場合、前記移動ロボットが坂を下るように制御する。
【0084】
選択的に、運動制御モジュール12は具体的に、
前記勾配と前記ピッチ角の間の大小関係を確定し、前記大小関係は大なり、小なり又はイコールであり、
前記勾配が前記ピッチ角より大きい場合、前記移動ロボットのけん引力を増加し、
前記勾配が前記ピッチ角より小さい場合、前記移動ロボットの速度を下げ、
前記勾配が前記ピッチ角に等しい場合、前記移動ロボットのけん引力及び速度をそのまま維持する。
選択的に、運動制御モジュール12はさらに、
前記レーザーレーダーの測量距離から、距離しきい値より大きいデータを除去し、測量距離に対してフィッティングを行って前記距離情報を取得する。
【0085】
選択的に、前記坂道警報情報は音声警報又は点灯警報を含む。
【0086】
選択的に、運動制御モジュール12はさらに、
前記移動ロボットが前記坂道領域を経過するとき、前記傾斜角度及び前記ピッチ角に基づいて前方道路区間に勾配がないと確定した場合、当該坂道領域を更新する。
【0087】
本実施例に係る移動ロボットの制御装置は、上述の方法実施例に係る移動ロボットの制御方法を実行することができ、方法を実行するための機能モジュール及び有益な効果を備える。本実施例の実現原理及び技術的効果は上述の方法実施例に類似するため、ここでは再び説明しない。
【0088】
<実施例3>
図8は本発明の実施例3に係る移動ロボットの構造模式図である。図8に示すように、当該移動ロボット20は、レーザーレーダー21、慣性測量ユニット22及びデータ処理センター23を備える。レーザーレーダー21、慣性測量ユニット22はそれぞれデータ処理センター23に通信可能に接続して、収集したデータをデータ処理センター23に送信する。
【0089】
ここで、レーザーレーダー21はシングルビームレーザーレーダーであってもよく、マルチビームレーザーレーダーであってもよい。レーザーレーダーは、移動ロボットの底板に平行に装着される。レーザーレーダーにより放射される光ビームは、水平な地面と一定の角度を挟み、前記レーザーレーダーから路面までの距離を測量するために用いられる。
【0090】
慣性測量ユニット22は、加速度センサ及びジャイロスコープを用いて運動キャリアの方位及びポーズを測量する装置である。本実施例において、慣性測量ユニットは移動ロボットの現在のピッチ角、すなわち移動ロボットの、水平面に対する傾斜角度を測量するように構成される。
【0091】
データ処理センター23は、メモリ、プロセッサ、及び、メモリに記憶されており且つプロセッサにおいて運転可能なコンピュータプログラムを備える。前記プロセッサが前記プログラムを実行するとき、実施例1に記載の移動ロボットの制御方法が実現される。データ処理センター23におけるプロセッサの数は1つであってもよく、複数であってもよい。プロセッサとメモリはバス又は他の手段により接続されることができる。
【0092】
メモリは、コンピュータ読取可能な記憶媒体として、ソフトウェアプログラムやコンピュータ実行可能なプログラム及びモジュールなど、例えば、本発明の実施例による勾配予測モジュール11及び運動制御モジュール12に対応するプログラム命令/モジュールを記憶するように構成されることができる。プロセッサは、メモリに記憶されているソフトウェアプログラム、命令及びモジュールを実行することによって、移動ロボットの様々な機能アプリケーション及びデータ処理を実現し、すなわち上述の移動ロボットの制御方法を実現する。
【0093】
メモリは主にプログラム記憶エリア及びデータ記憶エリアを備える。その中、プログラム記憶エリアは操作システムと少なくとも1つの機能に必要なアプリケーションプログラムを記憶することができ、データ記憶エリアは端末の使用時に創出されたデータなどを記憶することができる。また、メモリは高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、不揮発性メモリを含んでもよく、例えば、少なくとも1つの磁気ディスクメモリ、フラッシュデバイス、又は他の不揮発性のソリッドメモリなどを含むことができる。一部の実用例において、メモリは、プロセッサに対してリモートに配置されるメモリを更に含んでもよい。これらのリモートメモリはネットワークを介して移動ロボットに接続されることができる。このようなネットワークの例としては、インターネット、イントラネット、ローカルエリアネットワーク、モバイル通信ネットワーク及びそれらの組み合わせを含むが、これらに限られない。
【0094】
<実施例4>
本発明の実施例4は、コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読取可能な記憶媒体を更に開示する。前記コンピュータプログラムはコンピュータプロセッサに実行されるときに移動ロボットの制御方法を実現する。当該方法は、
前記レーザーレーダーにより取得される距離情報に有効距離変化が発生した場合、前方道路区間の、前記移動ロボットが現在位置している路面に対する傾斜角度を予測するステップと、
前記傾斜角度及び慣性測量ユニットにより検出されたピッチ角に基づいて前方道路区間の勾配を確定するステップと、
前記勾配、及び、前記勾配と前記移動ロボットの勾配しきい値の比較結果に基づいて、前記移動ロボットの運動を制御するステップと、
勾配マップにおいて前記前方道路区間を坂道領域としてラベリングするステップと、を含む。前記勾配マップは、前記坂道領域に基づいて、前記移動ロボットが前記坂道領域を通るときに前記移動ロボットを制御して坂道警報情報を発信させるために用いられる。
【0095】
もちろん、本発明の実施例に係るコンピュータ読取可能な記憶媒体におけるコンピュータプログラムは、以上の方法を操作することに限られず、本発明のいずれの実施例に係る移動ロボットの制御方法による関連動作も実行することができる。
【0096】
図9は本発明の1つの実施例に係る、移動ロボットの制御方法を実行する電子デバイス900のブロック図である。
【0097】
図9に示すように、電子デバイス900は処理コンポーネント910を備え、さらに、1つ又は複数のプロセッサと、メモリ920により代表される、処理コンポーネント910により実行可能な命令(例えばアプリケーションプログラム)を記憶するように用いられるメモリリソースとを備える。メモリ920に記憶されるアプリケーションプログラムは1つ又は複数の、それぞれ1セットの命令に対応するモジュールを含むことができる。また、処理コンポーネント910は命令を実行して上述の移動ロボットの制御方法を実現するように構成される。
【0098】
電子デバイス900は、電子デバイス900の電源管理を実行するように構成される電源コンポーネントと、電子デバイス900をネットワークにつなげるように構成される1つの有線又は無線のネットワークポートと、1つの入力出力(I/O)ポートを更に備えることができ、メモリ920に記憶されている操作システム(例えば、Windows Server(登録商標)、Mac OS X(登録商標)、Unix(登録商標)、Linux(登録商標)、FreeBSD(登録商標)又は類似のもの)によって電子デバイス900を操作することができる。
【0099】
以上の実施形態に関する記述に基づいて、本発明はソフトウェア及び必須な汎用ハードウェアにより実現されてもよく、ハードウェアにより実現されてもよいが、多くの場合では前者がより好ましい実施形態であると、当業者であれば理解できる。このような理解に基づいて、本発明による技術案は本質的に、言い換えると従来技術に貢献する部分は、ソフトウェア製品の形で表されることができる。当該コンピュータソフトウェア製品は、コンピュータ読取可能な記憶媒体、例えばコンピュータのソフトディスク、リードオンリーメモリ(Read-Only Memory,ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory,RAM)、フラッシュ(FLASH(登録商標))、ハードディスク又はコンパクトディスクなどに記憶されることができ、1台のコンピュータデバイス(パーソナルコンピュータ、サーバー又はネットワークデバイスなど)が本発明の各実施例に記載の方法を実行できるように、複数の命令を備える。
【0100】
なお、上述の移動ロボットの制御装置の実施例において、備えられる各ユニット及びモジュールは機能によって定義されたものに過ぎず、それらの機能さえ実現できればよく、以上の定義に限られない。また、各機能ユニットの具体的な名称も区別するために使われるものに過ぎず、本発明の保護範囲を制限するものではない。
【0101】
また、以上の内容は本発明の好ましい実施例及び技術的思想に過ぎない。本発明はここで記載された特定の実施例に限られないことを当業者は理解できる。当業者であれば、本発明の保護範囲を逸脱せずに以上の内容に基づいて様々な変形、再構築又は代替手段を得ることができる。そこで、本発明は以上の実施例によって詳しく説明されたが、これらの実施例に限られない。本発明の思想を逸脱しない前提で、本発明はより多くの他の同等の実施例を有することができ、本発明の保護範囲は添付の特許請求の範囲により決められる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9