(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-07
(45)【発行日】2023-08-16
(54)【発明の名称】フィルタディスクセグメント
(51)【国際特許分類】
B01D 29/39 20060101AFI20230808BHJP
B01D 63/08 20060101ALI20230808BHJP
B01D 69/06 20060101ALI20230808BHJP
B01D 71/02 20060101ALI20230808BHJP
【FI】
B01D29/34 501C
B01D29/34 520C
B01D63/08
B01D69/06
B01D71/02
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022065832
(22)【出願日】2022-04-12
【審査請求日】2022-04-12
(32)【優先日】2021-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596064112
【氏名又は名称】ポール・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】Pall Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ウィットロック, マイケル ビー.
(72)【発明者】
【氏名】へベール, ララ シー.
(72)【発明者】
【氏名】ブランド, サマンサ エム.
【審査官】瀧 恭子
(56)【参考文献】
【文献】特開昭63-315111(JP,A)
【文献】特表2005-511293(JP,A)
【文献】米国特許第05609761(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0257801(US,A1)
【文献】西独国特許出願公開第03239687(DE,A1)
【文献】国際公開第2022/004315(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 24/00-35/04;35/08-37/08
B01D 53/22;61/00-71/82
C02F 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)中央ハブ開口部を有する中央ハブを備えるフィルタエレメントディスク
を具備するフィルタディスクセグメントであって、前記フィルタエレメントディスクは、
(i)前記中央ハブ開口部の近傍にある第1の端部と、前記第1の端部に対して遠位にある第2の端部とを含む第1の多孔質部材であって、
該第1の多孔質部材は、上面と、ドレネージ部材に面する下面とを有し、前記上面は、隆起した流体流路を
少なくとも2つ含
み、前記少なくとも2つの隆起した流体流路の各々は、内径とアーチ形状の多孔質壁とを有し、前記少なくとも2つの隆起した流体流路の各々が前記第1の端部及び前記第2の端部に向かって延
びる、第1の多孔質部材と、
(ii)前記中央ハブ開口部の近傍にある第1の端部と、前記第1の端部に対して遠位にある第2の端部とを含む第2の多孔質部材であって、
該第2の多孔質部材は、前記ドレネージ部材に面する上面と、
下面とを有し、前記下面は、隆起した流体流路を
少なくとも2つ含
み、前記少なくとも2つの隆起した流体流路の各々は、内径とアーチ形状の多孔質壁とを有し、前記少なくとも2つの隆起した流体流路の各々が前記第1の端部及び前記第2の端部に向かって延びる、第2の多孔質部材と、
(iii)前記第1の多孔質部材と前記第2の多孔質部材との間に配置された、前記第1の多孔質部材及び前記第2の多孔質部材と流体連通する、流体の流れを通す前記ドレネージ部材であって、前記中央ハブ開口部を含む、前記ドレネージ部材
と、を備え、
前記第1の多孔質部材内及び前記第2の多孔質部材内の前記少なくとも2つの隆起した流体流路の各々は、前記第1の端部と前記第2の端部との間で湾曲した形状であり、
前記中央ハブが、前記第1の多孔質部材、前記第2の多孔質部材、及び前記ドレネージ部材を支持する、フィルタディスクセグメント。
【請求項2】
(a)中央ハブ開口部を有する中央ハブを備えるフィルタエレメントディスク
を具備するフィルタディスクセグメントであって、前記フィルタエレメントディスクは、
(i)前記中央ハブ開口部の近傍にある第1の端部と、前記第1の端部に対して遠位にある第2の端部とを含む第1の多孔質部材であって、
該第1の多孔質部材は、上面と、ドレネージ部材に面する下面とを有し、前記上面は、隆起した多孔質リブを
少なくとも2つ含
み、前記少なくとも2つの隆起した多孔質リブの各々が前記第1の端部及び前記第2の端部に向かって延び
、前記下面
は、少なくとも2つの流体流路を含み、
前記少なくとも2つの流体流路の各々は、内径とアーチ形状の多孔質壁とを有する前記下面に含まれ、前記少なくとも2つの流体流路の各々が前記第1の端部及び前記第2の端部に向かって延びる、第1の多孔質部材と、
(ii)前記中央ハブ開口部の近傍にある第1の端部と、前記第1の端部に対して遠位にある第2の端部とを含む第2の多孔質部材であって、
該第2の多孔質部材は、前記ドレネージ部材に面する上面
と、下面とを有し、前記上面が少なくとも2つの流体流路を含み、
前記少なくとも2つの流体流路の各々は、内径とアーチ形状の多孔質壁とを有する前記上面に含まれており、前記少なくとも2つの流体流路の各々が前記第1の端部及び前記第2の端部に向かって延び、
前記下面は
、隆起した多孔質リブを
少なくとも2つ含み、前記少なくとも2つの隆起した多孔質リブの各々が前記第1の端部及び前記第2の端部に向かって延びる、第2の多孔質部材と、
(iii)前記第1の多孔質部材と前記第2の多孔質部材との間に配置された、前記第1の多孔質部材及び前記第2の多孔質部材と流体連通する、流体の流れを通す前記ドレネージ部材であって、前記中央ハブ開口部を含む、前記ドレネージ部材と
、を備え、
前記第1の多孔質部材内及び前記第2の多孔質部材内の前記少なくとも2つの流体流路の各々と前記少なくとも2つの隆起した多孔質リブの各々とが、前記第1の端部と前記第2の端部との間で湾曲した形状であり、
前記中央ハブが、前記第1の多孔質部材、前記第2の多孔質部材、及び前記ドレネージ部材を支持する、フィルタディスクセグメント。
【請求項3】
前記第1の多孔質部材内の前記少なくとも2つの隆起した流体流路が、前記第2の多孔質部材内の前記少なくとも2つの隆起した流体流路からオフセットされている、請求項1に記載のフィルタディスクセグメント。
【請求項4】
前記第1の多孔質部材内及び前記第2の多孔質部材内の前記少なくとも2つの隆起した流体流路の各々が、前記第1の端部と前記第2の端部との間で変化する断面積を有する、請求項1又は3に記載のフィルタディスクセグメント。
【請求項5】
前記第1の多孔質部材内の前記少なくとも2つの隆起した多孔質リブが、前記第1の多孔質部材内の前記少なくとも2つの流体流路からオフセットされており、前記第2の多孔質部材内の前記少なくとも2つの隆起した多孔質リブが、前記第2の多孔質部材内の前記少なくとも2つの流体流路からオフセットされている、請求項2に記載のフィルタディスクセグメント。
【請求項6】
前記第1の多孔質部材内及び前記第2の多孔質部材内の前記少なくとも2つ
の流体流路の各々が、前記第1の端部と前記第2の端部との間で変化する断面積を有する、請求項2又は
5に記載のフィルタディスクセグメント。
【請求項7】
請求項1,2,3又は
5に記載の少なくとも2つのフィルタディスクセグメントを具備する多孔質フィルタ。
【請求項8】
入口及び出口を有し、前記入口と前記出口との間に流体流路を画定するハウジングと、
前記流体流路を横切って前記ハウジング内に配置された、記請求項1又は3に記載のフィルタディスクセグメントを少なくとも2つ備える多孔質フィルタと、
を具備するフィルタ装置であって、
前記フィルタ装置は、流体が、前記入口を通ると共に、前記第1及び第2の多孔質部材の前記少なくとも2つの隆起した流体流路の前記アーチ形状の多孔質壁を通り、前記少なくとも2つの隆起した流体流路の各々の前記内径及び前記ドレネージ部材に沿って前記中央ハブと前記出口とを通って、ろ液を形成する、フィルタ装置。
【請求項9】
流体をろ過する方法であって、前記流体を請求項
8に記載のフィルタ装置に
通すステップを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
[0001]市販のフィルタディスクセグメントは、複数の個別に製造された部材、例えば、スペーサ、フィルタメディア(ろ材)、及び溝付きサポートを含む。しかしながら、改善されたフィルタディスクセグメントが未だ必要とされている。
【0002】
[0002]本発明は、先行技術の欠点の少なくとも一部の改善を実現する。本発明の上記の利点、その他の利点は、以下に記載される説明から明らかになるであろう。
【発明の概要】
【0003】
[0003]本発明の一態様は、(a)中央ハブ開口部を有する中央ハブを備えるフィルタエレメントディスクと、(i)中央ハブ開口部の近傍にある第1の端部と、第1の端部に対して遠位にある第2の端部とを含む第1の多孔質部材であって、多孔質壁を有する少なくとも2つの隆起した流体流路を含む上面を有し、少なくとも2つの隆起した流体流路の各々が第1の端部及び第2の端部に向かって延び、下面がドレネージ部材に面する、第1の多孔質部材と、(ii)中央ハブ開口部の近傍にある第1の端部と、第1の端部に対して遠位にある第2の端部とを含む第2の多孔質部材であって、ドレネージ部材に面する上面と、多孔質壁を有する少なくとも2つの隆起した流体流路を含む下面とを有し、少なくとも2つの隆起した流体流路の各々が第1の端部及び第2の端部に向かって延びる、第2の多孔質部材と、(iii)第1の多孔質部材と第2の多孔質部材との間に配置された、第1の多孔質部材及び第2の多孔質部材と流体連通する、流体の流れを通すドレネージ部材であって、中央ハブ開口部を含む、ドレネージ部材と、を具備するフィルタディスクセグメントであって、中央ハブが、第1の多孔質部材、第2の多孔質部材、及びドレネージ部材を支持する、フィルタディスクセグメントを提供する。
【0004】
[0004]本発明の別の態様では、(a)中央ハブ開口部を有する中央ハブを備えるフィルタエレメントディスクと、(i)中央ハブ開口部の近傍にある第1の端部と、第1の端部に対して遠位にある第2の端部とを含む第1の多孔質部材であって、少なくとも2つの隆起した多孔質リブを含む上面を有し、少なくとも2つの隆起した多孔質リブの各々が第1の端部及び第2の端部に向かって延び、下面がドレネージ部材に面し、下面が少なくとも2つの流体流路を含み、少なくとも2つの流体流路の各々が第1の端部及び第2の端部に向かって延びる、第1の多孔質部材と、(ii)中央ハブ開口部の近傍にある第1の端部と、第1の端部に対して遠位にある第2の端部とを含む第2の多孔質部材であって、ドレネージ部材に面する上面を有し、上面が少なくとも2つの流体流路を含み、少なくとも2つの流体流路の各々が第1の端部及び第2の端部に向かって延び、下面が少なくとも2つの隆起した多孔質リブを含み、少なくとも2つの隆起した多孔質リブの各々が第1の端部及び第2の端部に向かって延びる、第2の多孔質部材と、(iii)第1の多孔質部材と第2の多孔質部材との間に配置された、第1の多孔質部材及び第2の多孔質部材と流体連通する、流体の流れを通すドレネージ部材であって、中央ハブ開口部を含む、ドレネージ部材と、を具備するフィルタディスクセグメントであって、中央ハブが、第1の多孔質部材、第2の多孔質部材、及びドレネージ部材を支持する、フィルタディスクセグメントが提供される。
【0005】
[0005]本発明の別の態様は、本発明の一態様による少なくとも2つのフィルタディスクセグメントを備えるフィルタ装置であって、入口及び出口を備え、入口と出口との間に流体流路を画定し、少なくとも2つのフィルタディスクセグメントが流体流路を横切ってハウジング内に配置された、フィルタ装置を備える。
【0006】
[0006]本発明の一態様による流体をろ過する方法も提供され、この方法は、流体を少なくとも1つのフィルタディスクセグメントに、好ましくは少なくとも2つのフィルタディスクセグメントに流通させるステップ、より好ましくは流体を、本発明の一態様による少なくとも2つのフィルタディスクセグメントを備えるフィルタ装置に流通させるステップを含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1A】各フィルタセグメントの縁部を互いに溶接する前の、多孔質部材間のドレネージ部材を示していない、本発明の一態様による2つの多孔質部材を各々有する2つのフィルタディスクセグメントの斜視図である。
【
図1B】各フィルタディスクセグメントの縁部が互いに溶接されている、
図1Aに示されるフィルタディスクセグメントを示す図である。
【
図1C】市販のフィルタディスクセグメントの分解図である。
【
図2A】湾曲した流体流路を通る流体がより多くの表面積にアクセスすることも示している、本発明の一態様によるフィルタディスクセグメントの一部分を通る流体の流れを示す拡大部分断面図である。
【
図2B】市販のフィルタディスクセグメントの一部分を通る流体の流れを示す拡大部分断面図である。
【
図3A】結果として間隙内の滞留時間が短くなる、隆起した流体流路に起因するより少ない流積も示している、本発明の一態様によるフィルタメディアを通る前の隣接するフィルタディスクセグメント間の間隙を通る流体の流れを示す図である。
【
図3B】市販のフィルタディスクセグメントにおける、フィルタメディアを通る前の、隣接するフィルタディスクセグメント間のスペーサに起因する間隙を通る流体の流れを示す概略図である。
【
図4A】本発明の一態様による多孔質部材を含むフィルタエレメントディスクの上面図である。
【
図4B】エレメントディスクの外側端部からエレメントディスクの中央ハブの近傍にある内側端部に向かって減少する流体流路の断面積も示している、
図4Aに示される多孔質部材を含むフィルタエレメントディスクの底面図である。
【
図4E】
図4Aに示されるフィルタエレメントディスクの多孔質部材の線B-Bに沿った断面図である。
【
図5A】(縁部をシールする前の)本発明の一態様によるフィルタディスクセグメントの等角上面図である。
【
図5B】多孔質部材間のドレネージ部材も示している、
図5Aに示されるフィルタディスクセグメントの部分切り欠き図である。
【
図5C】
図5Aに示されるフィルタディスクセグメントの側面図である。
【
図5E】一方の多孔質部材内の流体流路を他方の多孔質部材を通して破線で示す図である。
【
図6A】ハウジングと、エンドキャップ間の中空開口中央コア上に配置された複数のディスクセグメントを備える多孔質フィルタを備えるフィルタユニットとを含み、フィルタユニットが本発明の一態様に従ってハウジング内に配置されている、フィルタ装置の斜視図である。
【
図7】縁部でシールされたフィルタディスクセグメントを示す図である。
【
図8A】(縁部をシールする前の)一方の面に複数の隆起した多孔質リブを、他方の面に複数の流体流路を各々有する上側多孔質部材及び下側多孔質部材を含む、本発明の別の態様によるフィルタディスクセグメントの等角上面図である。
【
図9A】(縁部をシールする前の)
図8Aに示されるフィルタエレメントディスクを含む別の組み立てられたフィルタディスクセグメントの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[0016]本発明の一態様によれば、フィルタディスクセグメントは、(a)中央ハブ開口部を有する中央ハブを備えるフィルタエレメントディスクと、(i)中央ハブ開口部の近傍にある第1の端部と、第1の端部に対して遠位にある第2の端部とを含む第1の多孔質部材であって、多孔質壁を有する少なくとも2つの隆起した流体流路を含む上面を有し、少なくとも2つの隆起した流体流路の各々が第1の端部及び第2の端部に向かって延び、下面がドレネージ部材に面する、第1の多孔質部材と、(ii)中央ハブ開口部のそばの第1の端部と、第1の端部に対して遠位にある第2の端部とを含む第2の多孔質部材であって、ドレネージ部材に面する上面と、多孔質壁を有する少なくとも2つの隆起した流体流路を含む下面とを有し、少なくとも2つの隆起した流体流路の各々が第1の端部及び第2の端部に向かって延びる、第2の多孔質部材と、(iii)第1の多孔質部材と第2の多孔質部材との間に配置された、第1の多孔質部材及び第2の多孔質部材と流体連通する、流体の流れを通すドレネージ部材であって、中央ハブ開口部を含む、ドレネージ部材と、を具備し、中央ハブが、第1の多孔質部材、第2の多孔質部材、及びドレネージ部材を支持する。
【0009】
[0017]本発明の別の態様では、(a)中央ハブ開口部を有する中央ハブを備えるフィルタエレメントディスクと、(i)中央ハブ開口部の近傍にある第1の端部と、第1の端部に対して遠位にある第2の端部とを含む第1の多孔質部材であって、少なくとも2つの隆起した多孔質リブを含む上面を有し、少なくとも2つの隆起した多孔質リブの各々が第1の端部及び第2の端部に向かって延び、下面がドレネージ部材に面し、下面が少なくとも2つの流体流路を含み、少なくとも2つの流体流路の各々が第1の端部及び第2の端部に向かって延びる、第1の多孔質部材と、(ii)中央ハブ開口部の近傍にある第1の端部と、第1の端部に対して遠位にある第2の端部とを含む第2の多孔質部材であって、ドレネージ部材に面する上面を有し、上面が少なくとも2つの流体流路を含み、少なくとも2つの流体流路の各々が第1の端部及び第2の端部に向かって延び、下面が少なくとも2つの隆起した多孔質リブを含み、少なくとも2つの隆起した多孔質リブの各々が第1の端部及び第2の端部に向かって延びる、第2の多孔質部材と、(iii)第1の多孔質部材と第2の多孔質部材との間に配置された、第1の多孔質部材及び第2の多孔質部材と流体連通する、流体の流れを通すドレネージ部材であって、中央ハブ開口部を含む、ドレネージ部材と、を具備するフィルタディスクセグメントであって、中央ハブが、第1の多孔質部材、第2の多孔質部材、及びドレネージ部材を支持する、フィルタディスクセグメントが提供される。
【0010】
[0018]典型的な態様では、第1の多孔質部材内及び第2の多孔質部材内の少なくとも2つの隆起した流体流路の各々が、第1の端部から第2の端部まで連続的に延びる。
【0011】
[0019]いくつかの態様では、第1の多孔質部材内の少なくとも2つの隆起した流体流路は、第2の多孔質部材内の少なくとも2つの隆起した流体流路からオフセットされている。
【0012】
[0020]いくつかの態様では、第1の多孔質部材内及び第2の多孔質部材内の少なくとも2つの隆起した多孔質リブの各々及び少なくとも2つの流体流路の各々が、第1の端部から第2の端部まで連続的に延びる。
【0013】
[0021]いくつかの態様では、第1の多孔質部材内の少なくとも2つの隆起した多孔質リブは、第1の多孔質部材内の少なくとも2つの流体流路からオフセットされており、第2の多孔質部材内の少なくとも2つの隆起した多孔質リブは、第2の多孔質部材内の少なくとも2つの流体流路からオフセットされている。
【0014】
[0022]典型的な態様では、第1の多孔質部材内及び第2の多孔質部材内の少なくとも2つの隆起した流体流路の各々及び/又は少なくとも2つの隆起した多孔質リブの各々は、第1の端部と第2の端部との間で湾曲した形状である。流路の曲率は、一定のピッチのままとすることもでき、又は流路の長さに沿って連続的に変化させることもできる。
【0015】
[0023]典型的な態様では、第1の多孔質部材内及び第2の多孔質部材内の少なくとも2つの隆起した流体流路の各々は、第1の端部と第2の端部との間で変化する断面積を有し、好ましくは、第1の多孔質部材内及び第2の多孔質部材内の少なくとも2つの隆起した流体流路の各々は、第2の端部から第1の端部に向かって減少する断面積を有する。
【0016】
[0024]好ましい態様では、第1の端部における流路幅と第2の端部における流路幅との間の比は1よりも大きく、第1の端部から第2の端部へ外に向かって減少し、好適には、流路を通る流体の流量を望ましい高さの比に保つ。例えば、この比は、1を超える値から約8までの範囲であり得る。
【0017】
[0025]典型的な一態様では、第1の多孔質部材内及び第2の多孔質部材内の少なくとも2つの隆起した流体流路の各々は、ドレネージ部材に面するそれぞれの下面又は上面に開口エリアを有する。
【0018】
[0026]様々な流体流路の高さ又は深さが、本発明の態様での使用に適する。典型的には、高さ/深さは、少なくとも約0.04インチであり、いくつかの態様では、約0.04インチ~0.125インチの範囲である。
【0019】
[0027]様々な流体流路幅が、本発明の態様での使用に適する。例えば、第1の多孔質部材内及び第2の多孔質部材内の少なくとも2つの隆起した流体流路の各々が、第2の端部から第1の端部に向かって減少する断面積を有する態様では、第1の端部における流路幅対流路高さ/深さの比は、典型的には、約0.12~約8の範囲であり、いくつかの態様では、約1.5である。
【0020】
[0028]多孔質部材は、任意の数の流体流路及び/又は隆起した多孔質リブを有することができる。典型的には、流体流路の数は、4~約120の範囲である。
【0021】
[0029]効率的な流体の流れのために、典型的には隣接するフィルタディスクセグメントの間に空間があり、典型的には、単一のフィルタエレメントディスクの隆起した流路及び/又は隆起したリブの高さの少なくとも約2倍の高さの隣接するフィルタディスクセグメントの隣接するフィルタディスクエレメントの多孔質部材の外側平坦部分間の空間がある。
【0022】
[0030]本発明の別の態様は、本発明の一態様による少なくとも2つのフィルタディスクセグメントを備える多孔質フィルタを備える。
【0023】
[0031]本発明の別の態様は、本発明の一態様による少なくとも2つのフィルタディスクセグメントを備える多孔質フィルタを備えるフィルタ装置を備え、フィルタ装置は、入口及び出口を備え、入口と出口との間に流体流路を画定し、多孔質フィルタは、流体流路を横切ってハウジング内に配置される。
【0024】
[0032]本発明の一態様による流体をろ過する方法も提供され、この方法は、流体を少なくとも1つのフィルタディスクセグメントに、好ましくは少なくとも2つのフィルタディスクセグメントに流通させるステップ、より好ましくは流体を、本発明の一態様による少なくとも2つのフィルタディスクセグメントを備えるフィルタ装置に流通させるステップを含む。
【0025】
[0033]本発明による流体をろ過するための方法の1つの好ましい態様では、流体は、(1つ又は複数の)フィルタディスクセグメントの外側から内側を(例えば、中央ハブを)通される。例示的には、動作に際して、流体は、上部多孔質部材(フィルタメディア)及び下部多孔質部材(フィルタメディア)を経てフィルタディスクセグメントに通されて、ドレネージ部材を通されるろ液を形成し、ろ液は、流体流路に沿って中央ハブまで流れ、フィルタ装置の出口を通る。
【0026】
[0034]好適には、フィルタディスクセグメントを、製造ステップを排除しながら、より少ない部材で製造することができる。加えて、フィルタメディアを劣化させ得る過剰な滞留時間をもたらすことなく、所望の滞留時間を維持しながら、有効フィルタ面積の増加を実現することができる。別個の溝付き支持板などの部材を排除すると、ディスクセグメントの高さ(厚さ)が減少し、以前に使用されていたハウジングにより多くのディスクセグメントを収容することが可能になり、よってろ過効率が向上する。隆起した流体流路及び/又は隆起したリブの使用により、平坦なフィルタメディアディスクと比較してさらなる有効フィルタ面積を提供することができる。代替的又は追加的に、隆起した流体流路及び/又は隆起したリブにより、隣接するフィルタディスクセグメント間に間隔を設けることができ、効率的な流体の流れを助長することもできる。
【0027】
[0035]次に、本発明の各部材をより詳細に説明する。同様の部材は同様の参照番号を有する。
【0028】
[0036]
図1A及び
図1Bは、本発明の一態様による2つの組み立てられたフィルタディスクセグメント500の斜視図を示しており、各フィルタディスクセグメントは、中央ハブ開口部402を有する中央ハブ401(いくつかの実施形態では、中央ハブが多孔質部材に溶接されている)を備えるフィルタエレメントディスク400と、(i)中央ハブ開口部402の近傍にある第1の端部101と、第1の端部に対して遠位にある第2の端部102とを含む第1の多孔質部材100であって、多孔質壁112A及び内径112B(
図2A参照)を有する少なくとも2つの隆起した流体流路112を含む上面110を有し、少なくとも2つの隆起した流体流路の各々が第1の端部及び第2の端部に向かって延び、(湾曲し、一方の端部から他方の端部まで連続して示されている)、下面120が(
図5Bに示されるように)ドレネージ部材300の上面310に面する、第1の多孔質部材と、(ii)中央ハブ開口部402の近傍にある第1の端部201と、第1の端部に対して遠位にある第2の端部202とを含む第2の多孔質部材200であって、(
図5Bに示されるように、また、
図4Bも参照されたい)ドレネージ部材の下面320に面する上面220と、多孔質壁212Aを有する少なくとも2つの隆起した流体流路212を含む下面210とを有し、少なくとも2つの隆起した流体流路の各々が第1の端部及び第2の端部に向かって延びる(湾曲し、一方の端部から他方の端部まで連続して示されている)、第2の多孔質部材と、(iii)第1の多孔質部材と第2の多孔質部材との間に配置された、第1の多孔質部材及び第2の多孔質部材と流体連通する、流体の流れを通すドレネージ部材300(
図5B)であって、中央ハブ開口部402を含む、ドレネージ部材と、を具備し、中央ハブ401は、第1の多孔質部材100、第2の多孔質部材200、及びドレネージ部材300を支持する。
図1B及び
図7に示されるように、各フィルタディスクセグメントの縁部は、(例えば、溶接部800として示されているように)互いにシールされる。
【0029】
[0037]典型的には、多孔質部材は同一であり、一方の多孔質部材が反転され、第1の多孔質部材と第2の多孔質部材とが合わせて配置されて、それぞれの多孔質部材上の流体流路が反対方向に湾曲することになる。以下でより詳細に論じられるように、隣接するフィルタディスクセグメントは、第1のフィルタディスクセグメントのフィルタエレメントディスクが一方の方向に湾曲した流体流路を有し、(第1のフィルタディスクセグメントのフィルタエレメントディスクに面する)第2のフィルタディスクセグメントのフィルタエレメントディスクが他方の方向に湾曲した流体流路を有するように配置される(
図3Aを参照されたい。反対方向に湾曲するフィルタディスクセグメントの上側多孔質部材内及び下側多孔質部材内の流体流路を示す
図5Eも参照されたい)。
【0030】
[0038]
図1Cは、2つの市販のフィルタディスクセグメントの分解図である。各セグメントが2つの多孔質部材及び多孔質部材間の単一のドレネージ部材を有する
図1A及び
図1Bに示されるフィルタディスクセグメント500の態様とは対照的に、各市販のフィルタディスクセグメントは、2層の多孔質メディア、2層のメッシュ、溝付きサポートを有し、別個のセグメント間スペーサが隣接するセグメント間に存在する。
【0031】
[0039]
図2Aは、
図1Aに示されているフィルタディスクセグメントの態様による内径112Bを有する隆起した流路112の多孔質壁112A(同じ方法で配置された212A、212、212B)を通る流体の流れを示しており、
図2Bに示されるように、流体の流れがアクセスするフィルタ表面積がより少ない、市販のフィルタディスクセグメントの多孔質メディアを通る流体の流れとは対照的に、流体の流れがドレネージ部材300を通る前により多くのフィルタ表面積にアクセスすることを示している。
【0032】
[0040]
図3Aは、本発明の一態様による多孔質部材(フィルタメディア)100、200を通る前の隣接するフィルタディスクセグメント500間(1つのフィルタディスクセグメントの下側多孔質部材と、次のフィルタディスクセグメントの上側多孔質部材、すなわち、反対方向に湾曲した流路を有する多孔質部材との間)の間隙を通る流体の流れを示すとともに、結果として間隙内の滞留時間が短くなり、よってポリマー燃焼を最小限に抑える、隆起した流体流路112、212(隆起した流路は空間を占有し、フィルタディスクセグメント間の間隙内の流量を減少させる)に起因するより少ない流積も示す概略図であり、
図3Bは、滞留時間の増加がポリマー燃焼の増加をもたらし得る、市販のフィルタディスクセグメントにおける、フィルタメディアを通る前の、隣接するフィルタディスクセグメント間のスペーサに起因する隣接するフィルタディスクセグメント間の間隙を通る流体の流れを示す概略図である。
【0033】
[0041]
図4Aは、本発明の一態様によるフィルタエレメントディスク400の多孔質部材100、200の上面図である。
【0034】
[0042]典型的な態様では、第1の多孔質部材内及び第2の多孔質部材内の少なくとも2つの隆起した流体流路の各々は、第1の端部と第2の端部との間で変化する断面積を有し、好ましくは、第1の多孔質部材内及び第2の多孔質部材内の少なくとも2つの隆起した流体流路の各々は、第2の端部から第1の端部に向かって増加する断面積を有する。
図4Bは、
図4Aに示されるフィルタエレメントディスク400の多孔質部材100、200の態様の底面図であり、それぞれの表面120、220、及びエレメントディスクの第2の(外側)端部102、202から中央ハブ開口部402の近傍にある第1の(内側)端部101、201に向かって増加する流体流路112(112B)、212(212B)の断面積も示しており、
図4Cは、
図4Aに示されるフィルタエレメントディスクの多孔質部材の態様の側面図であり、
図4Dは、
図4Cに示される領域「A」の拡大図であり、
図4Eは、
図4Aに示されるフィルタエレメントディスクの多孔質部材の線B-Bに沿った断面図であり、中央ハブ401、中央ハブ開口部402、及び第1の(内側)端部101、201における流路112、212の端部も示している。
【0035】
[0043]
図5A及び
図5Bは、多孔質部材100、200及び中央ハブ401を含む本発明の一態様によるフィルタエレメントディスク400を含むフィルタディスクセグメント500の等角上面図であり、中央ハブは多孔質部材に溶接されており、ドレネージ部材300は(
図5Bに示されるように)上面310及び下面320を有し、フィルタディスクセグメントの溶接された縁部は図示されておらず、
図5Cは、
図5Aに示されるフィルタディスクセグメントの側面図であり、
図5Dは、
図5Cに示される領域「A」の拡大図であり、それぞれの流体流路112、212が互いからオフセットされていることを示している。好ましくは、第1の多孔質部材と第2の多孔質部材とは同一であり、そのため、フィルタディスクセグメントを形成する際にドレネージ部材の両側に配置されると、それぞれの多孔質部材100、200内の流体流路112、212は、
図5Eに示されるように、反対方向に湾曲する(流体流路212は多孔質部材100を通して破線で示されている)。
【0036】
[0044]
図6Aは、入口901及び出口902を有するハウジング900と、
図6Bの装置の断面図に示されるように、エンドキャップ701(出口側エンドキャップ)とエンドキャップ702(入口側エンドキャップ)との間の中空穿孔中央コア703(穿孔704)上に配置された複数のディスクセグメント500(又は後述される500’)を備える多孔質フィルタ600を備えるフィルタユニット700とを含むフィルタ装置1000の一態様の斜視図である。
【0037】
[0045]
図7は、(外側から内側への流体の流れのために、ディスクセグメントの中央ハブを通して配置された)多孔質フィルタ600を形成する複数のフィルタディスクセグメント500(又は後述される500’)を示すとともに、隣接するフィルタディスクセグメント間の空間も示しており、各フィルタディスクセグメントは縁部でシールされている。
【0038】
[0046]
図8Aは、第1の(内側)端部101’、201’及び第2の(外側)端部102’、202’を有し、一方の表面110’、210’に(それぞれの多孔質壁115A、215Aを有する)複数の隆起した多孔質リブ115、215を含み、他方の表面120’、220’に、多孔質壁116A、216Aを有し、内径116B、216Bを有する複数の流体流路116、216であって、第2の端部102’、202’において互いにオフセットされている、流体流路116、216を含む、本発明の別の態様によるフィルタディスクセグメント500’を提供するフィルタエレメントディスク400’の第1の多孔質部材100’及び第2の多孔質部材200’の等角上面図であり(多孔質部材100’と多孔質部材200’との間にドレネージ部材は示されていない)、
図8Bは、
図8Aに示される第1の端部101’、201’を含む(第1の多孔質部材及び第2の多孔質部材を表す単一の多孔質部材を示す)領域「A」の拡大図であり、
図8Cは、
図8Aに示される第2の端部102’、202’を含む(第1の多孔質部材及び第2の多孔質部材を表す単一の多孔質部材を示す)領域「B」の拡大図である。典型的には、第1の多孔質部材と第2の多孔質部材とは同一であり、そのため、ドレネージ部材の両側に配置されると、反対方向に湾曲したそれぞれの多孔質部材において、流路は第2の端部で互いからわずかに又は完全にオフセットされるが、必要に応じて第2の端部で整列させることもできる。
【0039】
[0047]好適には、隆起した多孔質リブは、隣接するフィルタエレメントディスク間に間隔を設けるのを助長することができる。
【0040】
[0048]
図9Aは、
図8Aに示されるような多孔質部材を含む組み立てられたフィルタディスクセグメント500’の斜視図であり、流体流路116、216は、第2の端部102’、202’で若干の重複を伴って互いからわずかにオフセットされており、
図9Bは、
図9Aに示される領域「A」の拡大図であり、
図9Cは、
図9Aに示される領域「B」の拡大図である。
【0041】
[0049]多孔質部材は、任意の適切な細孔構造、例えば、細孔サイズ(例えば、バブルポイントから、又は例えば米国特許第4,340,479号明細書に記載されているようなKLから、又は毛管凝縮流量ポロメトリーから明らかなように)、平均流量細孔サイズ(MFP)(ポロメータ、例えば、Porvair Porometer(Porvair plc,Norfolk,UK)や、POROLUX(Porometer.com;Belgium)の商標名で利用可能なポロメータを使用して特徴付けられる場合など)、細孔評価、細孔径(例えば、米国特許第4,925,572号明細書に記載されているような修正されたOSUF2試験を使用して特徴付けられる場合など)、又は除去評価を有することができる。使用される細孔構造は、利用される粒子のサイズ、処理される流体の組成、及び処理された流体の所望の流出レベルに依存する。
【0042】
[0050]典型的には、多孔質部材100、200、100’、200’は、約0.5ミクロン~約100ミクロンの範囲の細孔サイズを各々有する。
【0043】
[0051]支持も提供することができるドレネージ部材300は、典型的には、多孔質部材の細孔構造よりも大きい開口部を有するメッシュ又はスクリーンとして構成される。好ましくは、ドレネージ部材のドレネージ部材圧力降下は、多孔質部材圧力降下の約10%以下である。
【0044】
[0052]フィルタディスクセグメントは、任意の所望の臨界湿潤表面張力(例えば、米国特許第4,925,572号明細書に定義されているCWST)を有することができる。CWSTは、当技術分野で公知であるように、例えば、米国特許第5,152,905号明細書、米国特許第5,443,743号明細書、米国特許第5,472,621号明細書、及び米国特許第6,074,869号明細書などにさらに開示されているように選択することができる。
【0045】
[0053]フィルタディスクセグメント、好ましくは少なくとも2つのフィルタディスクセグメントは、典型的には、少なくとも1つの入口及び少なくとも1つの出口を備え、入口と出口との間に少なくとも1つの流体流路を画定する、(1つ又は複数の)フィルタディスクセグメントが流体流路を横切る、ハウジング内に配置されて、フィルタ装置を提供する。好ましくは、フィルタ装置は滅菌可能である。適切な形状の、少なくとも1つの入口及び少なくとも1つの出口を提供する任意のハウジングが使用されてもよい。
【0046】
[0054]いくつかの態様では、フィルタユニットは、少なくとも2つのフィルタディスクセグメントを備える多孔質フィルタを備える。任意選択で、フィルタユニットは、中空開口コアを備える。いくつかの態様では、フィルタユニットはエンドキャップをさらに備え、フィルタユニットは、流体流路を横切ってフィルタ装置のフィルタハウジング内に配置される。
【0047】
[0055]本発明の態様による多孔質部材は、好ましくは一体構造の、好ましくは付加製造法(「積層造形」又は「3D印刷」と呼ばれることもある)によって製造される。本発明の態様による多孔質部材は、典型的には、活性化可能な結合剤(例えば、「ドロップオンパウダー」と呼ばれることもある結合剤噴射)を用いて結合された金属粉末を繰り返し堆積させた後、典型的には、例えば焼結によって粉末を凝集させることによって形成される。
【0048】
[0056]任意の適切な積層造形装置を使用することができ、様々な製造3Dプリンタが適し、市販されている。
【0049】
[0057]以下の実施例は、本発明をさらに例示するが、当然ながら、いかなる点においても本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【実施例1】
【0050】
[0058]この実施例は、固定された上流圧力を使用して、フィルタメディア間に別個の溝付きディスクを有する市販のフィルタディスクセグメントと比較した本発明の一態様によるフィルタディスクセグメントのシミュレーション性能を実証する。
【0051】
[0059]約54個の流体流路、各フィルタエレメントディスク内のハブにおいて約0.08インチのメディア厚さ及び約0.10インチの流路幅を有する、
図5A及び
図5Bに一般的に示されるような公称12インチのフィルタディスクセグメントと、
図1Cに一般的に示されるような市販のフィルタディスクセグメント(LEAF DISK,Pall Corporation,East Hills,NY)とを、清浄なポリエチレンテレフタレート(PET)流体及び522psiの上流圧力を使用して試験する。
【0052】
【0053】
[0061]結果は、本発明の一態様によるフィルタディスクセグメントが、同様の圧力及び圧力降下の市販のディスクセグメントと比較して、より高い流量、より短い滞留時間を提供することができ、同じハウジングにより多くのディスクを収容することを可能にすることを示している。
【実施例2】
【0054】
[0062]この実施例は、200mL/分の固定された流量を使用して、フィルタメディア間に別個の溝付きディスクを有する市販のフィルタディスクセグメントと比較した本発明の一態様によるフィルタディスクセグメントのシミュレーション性能を実証する。
【0055】
[0063]試験したフィルタディスクセグメント及び試験流体は、実施例1に記載の通りである。
【0056】
【0057】
[0065]結果は、本発明の一態様によるフィルタディスクセグメントが、同様の流量での試験において市販のディスクセグメントと比較して、より低い下流圧力、より短い滞留時間、より低い圧力降下を提供することができ、同じハウジングにより多くのディスクを収容することを可能にすることを示している。
【0058】
[0066]本明細書で引用される、刊行物、特許出願、及び特許を含むすべての参考文献は、各参考文献が参照により組み込まれることが個別にかつ具体的に指示され、その全体が本明細書に記載されているのと同様に、参照により本明細書に組み込まれる。
【0059】
[0067]本発明を説明する文脈における(特に添付の特許請求の範囲の文脈における)「a」及び「an」及び「the」及び「少なくとも1つ(at least one)」という用語及び同様の指示対象の使用は、本明細書に別段の指示がない限り、又は文脈と明らかに矛盾しない限り、単数と複数の両方を包含すると解釈されるべきである。1つ又は複数の項目のリストが後に続く「少なくとも1つ(at least one)」という用語の使用(例えば、「A及びBのうちの少なくとも1つ」)は、本明細書に別段の指示がない限り、又は文脈と明らかに矛盾しない限り、列挙された項目から選択された1つの項目(AもしくB)又は列挙された項目のうちの少なくとも2つの任意の組み合わせ(A及びB)を意味すると解釈されるべきである。「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、及び「含有する(containing)」という用語は、特に明記しない限り、非限定的な用語(すなわち、「含むが、限定されない」を意味する)として解釈されるべきである。本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書に別段の指示がない限り、範囲内に含まれる各別個の値を個別に参照する簡略な方法としての役割を果たすことを意図されているにすぎず、各別個の値は、本明細書に個別に列挙されているのと同様に本明細書に組み込まれる。本明細書に記載のすべての方法は、本明細書に別段の指示がない限り、又は文脈と明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行することができる。本明細書で提供されるありとあらゆる例又は例示的な文言(例えば、「などの」)の使用は、本発明をより明らかにすることを意図されているにすぎず、特に請求されない限り、本発明の範囲を限定するものではない。本明細書におけるいかなる文言も、特許請求されていない要素を本発明の実施に必須であると示していると解釈されるべきではない。
【0060】
[0068]本明細書には、本発明を実施するための本発明者らに知られている最良の形態を含む、本発明の好ましい態様が記載されている。これらの好ましい態様の変形形態は、前述の説明を読めば当業者には明らかになり得る。本発明者らは、当業者がそのような変形形態を適宜使用することを期待しており、本発明者らは、本発明が本明細書に具体的に記載されている以外の方法で実施されることを意図している。したがって、本発明は、適用法によって許容されるように、添付の特許請求の範囲に列挙された主題のすべての修正形態及び均等物を含む。さらに、本明細書に別段の指示がない限り、又は文脈と明らかに矛盾しない限り、そのすべての可能な変形形態における上述の要素の任意の組み合わせが本発明に包含される。
【符号の説明】
【0061】
100…第1の多孔質部材、100’…第1の多孔質部材、101…第1の端部、101’…第1の(内側)端部、102…第2の端部、102’…第2の(外側)端部、110…上面、110’…一方の表面、112…流体流路、112A…多孔質壁、112B…内径、115…多孔質リブ、115A…多孔質壁、116…流体流路、116A…多孔質壁、116B…内径、120…下面、120’…他方の表面、200…第2の多孔質部材、200’…第2の多孔質部材、201…第1の端部、201’…第1の(内側)端部、202…第2の端部、202’…第2の(外側)端部、210…下面、210’…一方の表面、212…流体流路、212A…多孔質壁、212B…多孔質壁、215…多孔質リブ、215A…多孔質壁、216…流体流路、216A…多孔質壁、216B…内径、220…上面、220’…他方の表面、300…ドレネージ部材、310…上面、320…下面、400…フィルタエレメントディスク、400’…フィルタエレメントディスク、401…中央ハブ、402…中央ハブ開口部、500…フィルタディスクセグメント、500’…フィルタディスクセグメント、600…多孔質フィルタ、700…フィルタユニット、701…出口側エンドキャップ、702…入口側エンドキャップ、703…中空穿孔中央コア、704…穿孔、800…溶接部、900…ハウジング、901…入口、902…出口、1000…フィルタ装置