IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 沖電気工業株式会社の特許一覧

特許7326767情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-07
(45)【発行日】2023-08-16
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/20 20230101AFI20230808BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20230808BHJP
【FI】
G06Q10/20
G05B19/418 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019033825
(22)【出願日】2019-02-27
(65)【公開番号】P2020140314
(43)【公開日】2020-09-03
【審査請求日】2021-11-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100190942
【弁理士】
【氏名又は名称】風間 竜司
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 剛
【審査官】樋口 龍弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-008331(JP,A)
【文献】特開2006-282320(JP,A)
【文献】特開2007-034437(JP,A)
【文献】特開2011-187014(JP,A)
【文献】特開2018-173792(JP,A)
【文献】特開2011-104825(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の部品それぞれに関連する部品情報と前記複数の部品に対してあらかじめ割り当てられた1つの識別情報とを取得する取得部と、
前記部品情報の表示を制御する出力制御部と、
前記複数の部品に対して使用を示す情報が入力された場合、前記識別情報に対して使用済みフラグを関連付ける処理部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記出力制御部は、前記複数の部品が選択された場合、かつ、前記使用を示す情報が入力された場合、前記識別情報に対して前記使用済みフラグを関連付ける、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記取得部は、前記部品情報と前記識別情報とをサーバ装置から取得し、
前記出力制御部は、前記複数の部品に対して使用を示す情報が入力された場合、前記識別情報と前記使用済みフラグとが関連付けられた情報が前記サーバ装置に送信されるように制御する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記部品情報は、前記複数の部品それぞれの部品名および部品コードの少なくともいずれか一方を含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
複数の部品それぞれに関連する部品情報と前記複数の部品に対してあらかじめ割り当てられた1つの識別情報とを取得することと、
前記部品情報の表示を制御することと、
前記複数の部品に対して使用を示す情報が入力された場合、前記識別情報に対して使用済みフラグを関連付けることと、
を含む、コンピュータのプログラムによる情報処理方法。
【請求項6】
コンピュータを、
複数の部品それぞれに関連する部品情報と前記複数の部品に対してあらかじめ割り当てられた1つの識別情報とを取得する取得部と、
前記部品情報の表示を制御する出力制御部と、
前記複数の部品に対して使用を示す情報が入力された場合、前記識別情報に対して使用済みフラグを関連付ける処理部と、
を備える情報処理装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
機器の保守業務(例えば、機器の修理または機器の点検など)においては、機器の部品交換が行われる場合がある。かかる部品交換に関連する技術としては様々な技術が知られている。例えば、新たに装着された部品の名称、製造メーカ、部品に固有のシリアル番号などを含む部品識別情報を検出し、検出した部品識別情報に基づいて部品管理テーブルを更新する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、作業内容を入力する端末を利用して倉庫からの持出部品の部品番号を登録してリストを作成し、作業時にリストから部品番号を選択することによって新たに取り付けられた部品情報を入力する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。さらに、現象の解消に必要な保守対象機器の交換部品を推定し、交換部品のシリアルナンバーを抽出する技術が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-98827号公報
【文献】特開2004-302874号公報
【文献】特開2014-174838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年はトレーサビリティ管理の強化が求められている。かかる状況において、どの施設(設置場所)のどの機器からどの部品を取り外したのか、および、どの施設(設置場所)のどの機器にどの部品を取り付けたのかを、部品のシリアル番号またはロット番号によって管理することが求められている。しかし、作業現場において複数の部品それぞれのシリアル番号またはロット番号を1つずつ作業員が入力しなくてはならない状況では作業員に大きな作業負荷が掛かってしまう。
【0006】
そこで、作業現場において部品交換を行う作業員に掛かる作業負荷を軽減することが可能な技術が提供されることが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題を解決するために、本発明のある観点によれば、複数の部品それぞれに関連する部品情報と前記複数の部品に対してあらかじめ割り当てられた1つの識別情報とを取得する取得部と、前記部品情報の表示を制御する出力制御部と、前記複数の部品に対して使用を示す情報が入力された場合、前記識別情報に対して使用済みフラグを関連付ける処理部と、を備える、情報処理装置が提供される。
【0008】
前記出力制御部は、前記複数の部品が選択された場合、かつ、前記使用を示す情報が入力された場合、前記識別情報に対して前記使用済みフラグを関連付けてもよい。
【0009】
前記取得部は、前記部品情報と前記識別情報とをサーバ装置から取得し、前記出力制御部は、前記複数の部品に対して使用を示す情報が入力された場合、前記識別情報と前記使用済みフラグとが関連付けられた情報が前記サーバ装置に送信されるように制御してもよい。
【0010】
前記部品情報は、前記複数の部品それぞれの部品名および部品コードの少なくともいずれか一方を含んでもよい。
【0011】
また、本発明の他の観点によれば、複数の部品それぞれに関連する部品情報と前記複数の部品に対してあらかじめ割り当てられた1つの識別情報とを取得することと、前記部品情報の表示を制御することと、前記複数の部品に対して使用を示す情報が入力された場合、前記識別情報に対して使用済みフラグを関連付けることと、を含む、コンピュータのプログラムによる情報処理方法が提供される。

【0012】
また、本発明の他の観点によれば、コンピュータを、複数の部品それぞれに関連する部品情報と前記複数の部品に対してあらかじめ割り当てられた1つの識別情報とを取得する取得部と、前記部品情報の表示を制御する出力制御部と、前記複数の部品に対して使用を示す情報が入力された場合、前記識別情報に対して使用済みフラグを関連付ける処理部と、を備える情報処理装置として機能させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように本発明によれば、作業現場において部品交換を行う作業員に掛かる作業負荷を軽減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に係る情報処理システムの構成例を示した説明図である。
図2】同実施形態に係る保守業務の流れを示す図である。
図3】同実施形態に係る保守支援サーバの機能構成例を示すブロック図である。
図4】同実施形態に係るクライアント端末の機能構成例を示すブロック図である。
図5】同実施形態に係るクライアント端末の機能構成例を示すブロック図である。
図6】同実施形態に係るクライアント端末の機能構成例を示すブロック図である。
図7】機種BOMテーブルの構成例を示す図である。
図8】機器BOMテーブルの構成例を示す図である。
図9】施設マスタテーブルの構成例を示す図である。
図10】受付トランザクションテーブルの構成例を示す図である。
図11】持出トランザクションテーブルの構成例を示す図である。
図12】梱包トランザクションテーブルの構成例を示す図である。
図13】部品選択画面の例を示す図である。
図14】部品選択画面の他の一例を示す図である。
図15】部品持出画面の例を示す図である。
図16】部品持出画面の他の例を示す図である。
図17】部品持出画面の他の例を示す図である。
図18】梱包番号選択画面の例を示す図である。
図19】部品持出画面の他の例を示す図である。
図20】部品持出画面の他の例を示す図である。
図21】部品持出画面の他の例を示す図である。
図22】部品持出画面の他の例を示す図である。
図23】部品持出画面の他の例を示す図である。
図24】作業対象機器リスト画面の例を示す図である。
図25】作業報告画面の例を示す図である。
図26】作業報告画面の他の例を示す図である。
図27】作業報告画面の他の例を示す図である。
図28】同実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0016】
また、本明細書および図面において、実質的に同一または類似の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なる数字を付して区別する。また、異なる実施形態の類似する構成要素については、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素等の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。
【0017】
(1.実施形態の詳細)
まず、本発明の実施形態の詳細について説明する。
【0018】
(1-1.情報処理システムの構成)
図1を参照しながら、本発明の実施形態に係る情報処理システムの構成例について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る情報処理システムの構成例を示した説明図である。図1に示したように、本発明の実施形態に係る情報処理システム1は、保守支援サーバ10と、クライアント端末20と、クライアント端末30と、クライアント端末40と、ネットワーク50とを備える。
【0019】
保守支援サーバ10は、コンピュータによって構成され、各種の情報処理を行う情報処理装置として機能し得る。保守支援サーバ10は、ネットワーク50に接続されている。典型的には、保守支援サーバ10は、保守業務を請け負う事務所(以下、「保守業務事務所」とも言う。)内に設置されている。しかし、保守支援サーバ10が設置される位置は限定されない。例えば、保守支援サーバ10の機能の一部または全部は、保守業務事務所内に設置されたサーバの代わりに、保守業務事務所の外部のコンピュータ(例えば、サーバ)が有していてもよい。
【0020】
クライアント端末20は、コンピュータによって構成され、各種の情報処理を行う情報処理装置として機能し得る。クライアント端末20は、ネットワーク50に接続されている。例えば、クライアント端末20は、受付者および保守業務管理者によって利用される。受付者は、主に保守業務事務所に存在し、顧客から機器の障害報告を受け付け、当該機器の修理または点検を行う作業員のアサインを行う。保守業務管理者は、主に保守業務事務所に存在し、保守業務の管理商務を行う。また、保守業務管理者は、点検の計画を行う。受付者によって利用されるクライアント端末20と、保守業務管理者によって利用されるクライアント端末20とは、別個に用意されていてもよい。
【0021】
クライアント端末30は、コンピュータによって構成され、各種の情報処理を行う情報処理装置として機能し得る。クライアント端末30は、ネットワーク50に接続されている。例えば、クライアント端末30は、部品倉庫担当者によって利用される。部品倉庫担当者は、主に倉庫(パーツセンタ)に存在し、保守部品(リペアパーツ)の入庫、持出、戻入などの在庫管理を行う。本実施形態においては、部品倉庫担当者は、作業員からの持出依頼を受けると、依頼内容に従って倉庫の棚から部品を取り出す(ピッキングを行う)。
【0022】
クライアント端末40は、コンピュータによって構成され、各種の情報処理を行う情報処理装置として機能し得る。クライアント端末40は、(モバイル回線を介して)ネットワーク50に接続されている。例えば、クライアント端末40は、作業員によって利用される。作業員は、主に作業現場(顧客の機器が設置されている施設)に存在し、作業(機器の修理または点検)と作業報告(作業報告書の作成)とを行う。本実施形態においては、作業員は、部品倉庫担当者に持出依頼を行い、依頼内容に沿った部品を部品倉庫担当者から受け取ると、その部品を用いて作業現場で作業を行う。
【0023】
なお、クライアント端末20、クライアント端末30およびクライアント端末40それぞれの種類は限定されない。例えば、クライアント端末20、クライアント端末30およびクライアント端末40それぞれは、PC(Personal Computer)であってもよいし、スマートフォンであってもよいし、タブレット端末であってもよいし、他の端末であってもよい。
【0024】
また、クライアント端末20、クライアント端末30およびクライアント端末40それぞれは、UI(User Interface)を提供する。このとき、UIは、専用のGUI(Graphical User Interface)アプリケーションによって提供されてもよいし、スマートフォン(またはタブレット端末)のアプリケーションによって提供されてもよいし、ブラウザアプリケーション(Webアプリケーション)によって提供されてもよい。特に、作業現場においては高い操作性が求められるため、スマートフォン(またはタブレット端末)のアプリケーションによってUIが提供されるのが望ましい。
【0025】
ここで、上記したように、近年はトレーサビリティ管理の強化が求められている。かかる状況において、どの施設(設置場所)のどの機器からどの部品を取り外したのか、および、どの施設(設置場所)のどの機器にどの部品を取り付けたのかを、部品のシリアル番号またはロット番号によって管理することが求められている。
【0026】
例えば、ある部品に障害があることが発覚しリコールが発生した場合、トレーサビリティ情報(各部品がどの機器に取り付けられているかを追跡した情報)がなければ、障害可能性のある機器を全探索する(実際に作業員が機器の設置場所に赴き、機器を1つずつ調査する)必要が生じてしまう。具体的に、障害のある部品(部品コード)が発覚した場合には、障害のある部品のシリアル番号またはロット番号の番号帯が部品製造元からアナウンスされるのが通例である。このとき、機器に取り付けられた部品のシリアル番号またはロット番号(以下、「シリアル/ロット番号」とも言う。)が管理されていなければ、障害のある部品の探索に莫大なコストが必要となってしまう。
【0027】
機器に取り付けられた部品のシリアル番号またはロット番号は、部品製造時には製造ラインにおいて記録されるため、容易に管理され得る。一方、機器の修理または点検において部品交換(古い部品の取り外し、および、新たな部品の取り付け)が行われる場合には、作業現場での限られた作業時間内に複数の部品それぞれのシリアル/ロット番号を1つずつ入力しなければならない状況では作業者に大きな作業負荷が掛かってしまい、ミスも発生しやすい。
【0028】
既存の技術としては、部品にバーコードまたはRFID(Radio Frequency IDentifier)タグを付しておき、機器の修理または点検においてバーコードまたはRFIDタグからIDを読み取ることによって部品を管理する技術が存在する。しかし、バーコードまたはRFIDタグが取り付けられない部品もあり得る。また、部品製造会社がバーコードまたはRFIDタグの部品への取り付けを拒否する可能性もある。さらに、バーコードまたはRFIDタグの部品への取り付けにはコストが必要である。
【0029】
そこで、本実施形態では、作業現場において部品交換を行う作業員に掛かる作業負荷を軽減することが可能な技術について主に説明する。より具体的に、本実施形態では、倉庫から部品を修理または点検のために持出するときに(または持出する前に)、持ち出される部品のシリアル/ロット番号を記録しておき、作業現場では使用した部品のシリアル/ロット番号を迅速に入力する技術を提案する。
【0030】
以上、本発明の実施形態に係る情報処理システム1の構成例について説明した。
【0031】
(1-2.保守業務の流れ)
続いて、本発明の実施形態に係る保守業務(例えば、機器の修理または機器の点検など)の流れについて説明する。図2は、本発明の実施形態に係る保守業務の流れを示す図である。図2に示したように、顧客は、自身の機器に障害が発生した場合、機器に障害が発生したことを示す報告(障害コール)を(例えば、電話機またはFAXを使用して)受付者に報告する。受付者は、障害コールを受け付けると(S1)、当該機器の修理または点検を行う作業員のアサインを行う(S2)。受付者は、アサインした作業員に作業指示を行う。
【0032】
作業員は、受付者からの作業指示に基づいて、当該機器の修理に必要と推測される交換用の部品を(例えば、部品倉庫担当者の支援を受けながら)持ち出す(S3)。作業員は、交換用の部品を持って作業現場での作業を開始する。作業員は、作業の進捗報告を適宜に行いながら(S4)、機器の修理または点検を行う。作業員は、作業を終了すると、作業報告書の作成を行う(S5)。交換用の部品として持ち出した部品には、機器の修理または点検に使用しなかった部品も存在し得る。作業員は、機器の修理または点検に使用しなかった部品を倉庫に戻し入れる作業を(例えば、部品倉庫担当者の支援を受けながら)行う(S6)。
【0033】
以上、本発明の実施形態に係る保守業務の流れについて説明した。
【0034】
(1-3.保守支援サーバの機能構成)
続いて、本発明の実施形態に係る保守支援サーバ10の機能構成例について説明する。図3は、本発明の実施形態に係る保守支援サーバ10の機能構成例を示すブロック図である。図3に示したように、本発明の実施形態に係る保守支援サーバ10は、制御部110、記憶部120および通信部130を備える。
【0035】
制御部110は、保守支援サーバ10の動作全体を制御する機能を有する。制御部110は、専用のハードウェアによって構成されてもよいし、保守支援サーバ10に内蔵されたCPU(Central Processing Unit)がROM(Read Only Memory)に記憶されたプログラムをRAM(Random Access Memory)に展開して実行することにより実現されてもよい。かかるプログラムが提供され得る他、かかるプログラムを記憶させた記憶媒体も提供され得る。
【0036】
記憶部120は、制御部110を動作させるためのプログラムやデータを記憶することができる。また、記憶部120は、制御部110の動作の過程で必要となる各種データを一時的に記憶することもできる。
【0037】
通信部130は、ネットワーク50に接続された各種装置との間で各種情報を送受信するための通信インタフェースである。例えば、通信部130は、ネットワーク50に接続された各種装置に情報を送信する送信部として機能し得る。また、通信部130は、ネットワークに接続された各種装置から送信された情報を受信する受信部として機能し得る。
【0038】
以上、本発明の実施形態に係る保守支援サーバ10の機能構成例について説明した。
【0039】
(1-4.各種クライアント端末の機能構成)
続いて、本発明の実施形態に係る各種クライアント端末の機能構成例について説明する。図4は、本発明の実施形態に係るクライアント端末20の機能構成例を示すブロック図である。図4に示したように、本発明の実施形態に係るクライアント端末20は、制御部210、操作部230、記憶部240、通信部250および表示部260を備える。
【0040】
制御部210は、クライアント端末20の動作全体を制御する機能を有する。制御部210は、専用のハードウェアによって構成されてもよいし、クライアント端末20に内蔵されたCPU(Central Processing Unit)がROM(Read Only Memory)に記憶されたプログラムをRAM(Random Access Memory)に展開して実行することにより実現されてもよい。かかるプログラムが提供され得る他、かかるプログラムを記憶させた記憶媒体も提供され得る。
【0041】
操作部230は、受付者および保守業務管理者から入力される操作を受け付ける。また、操作部230は、受付者および保守業務管理者から受け付けた操作を制御部210に提供することが可能である。本実施形態においては、操作部230がキーボードおよびマウスを含む場合を主に想定する。しかし、操作部230はキーボードおよびマウス以外の入力装置を含んでもよい。例えば、操作部230は、タッチパネルを含んでもよい。
【0042】
記憶部240は、制御部210を動作させるためのプログラムやデータを記憶することができる。また、記憶部240は、制御部210の動作の過程で必要となる各種データを一時的に記憶することもできる。
【0043】
通信部250は、保守支援サーバ10との間で各種情報を送受信するための通信インタフェースである。例えば、通信部250は、保守支援サーバ10に情報を送信する送信部として機能し得る。また、通信部250は、保守支援サーバ10から送信された情報を受信する受信部として機能し得る。
【0044】
表示部260は、制御部210による制御に従って受付者および保守業務管理者に各種情報を提示する機能を有する。本実施形態では、表示部260は、ディスプレイを含んでおり、ディスプレイは、制御部210による制御に従って、画面を表示することが可能である。しかし、受付者および保守業務管理者に提示される情報の種類は限定されない。例えば、クライアント端末20がスピーカを有する場合、表示部260による画面表示の代わりに、スピーカによって音が提示されてもよい。
【0045】
図5は、本発明の実施形態に係るクライアント端末30の機能構成例を示すブロック図である。図5に示したように、本発明の実施形態に係るクライアント端末30は、制御部310、操作部330、記憶部340、通信部350および表示部360を備える。
【0046】
制御部310は、クライアント端末30の動作全体を制御する機能を有する。制御部310は、専用のハードウェアによって構成されてもよいし、クライアント端末30に内蔵されたCPU(Central Processing Unit)がROM(Read Only Memory)に記憶されたプログラムをRAM(Random Access Memory)に展開して実行することにより実現されてもよい。かかるプログラムが提供され得る他、かかるプログラムを記憶させた記憶媒体も提供され得る。
【0047】
操作部330は、部品倉庫担当者から入力される操作を受け付ける。また、操作部330は、部品倉庫担当者から受け付けた操作を制御部310に提供することが可能である。本実施形態においては、操作部330がタッチパネルを含む場合を主に想定する。しかし、操作部330はタッチパネル以外の入力装置を含んでもよい。例えば、操作部330は、キーボードおよびマウスを含んでもよい。
【0048】
記憶部340は、制御部310を動作させるためのプログラムやデータを記憶することができる。また、記憶部340は、制御部310の動作の過程で必要となる各種データを一時的に記憶することもできる。
【0049】
通信部350は、保守支援サーバ10との間で各種情報を送受信するための通信インタフェースである。例えば、通信部350は、保守支援サーバ10に情報を送信する送信部として機能し得る。また、通信部350は、保守支援サーバ10から送信された情報を受信する受信部として機能し得る。
【0050】
表示部360は、制御部310による制御に従って部品倉庫担当者に各種情報を提示する機能を有する。本実施形態では、表示部360は、ディスプレイを含んでおり、ディスプレイは、制御部310による制御に従って、画面を表示することが可能である。しかし、部品倉庫担当者に提示される情報の種類は限定されない。例えば、クライアント端末30がスピーカを有する場合、表示部360による画面表示の代わりに、スピーカによって音が提示されてもよい。
【0051】
図6は、本発明の実施形態に係るクライアント端末40の機能構成例を示すブロック図である。図6に示したように、本発明の実施形態に係るクライアント端末40は、制御部410、操作部430、記憶部440、通信部450および表示部460を備える。
【0052】
制御部410は、クライアント端末40の動作全体を制御する機能を有する。制御部410は、専用のハードウェアによって構成されてもよいし、クライアント端末40に内蔵されたCPU(Central Processing Unit)がROM(Read Only Memory)に記憶されたプログラムをRAM(Random Access Memory)に展開して実行することにより実現されてもよい。かかるプログラムが提供され得る他、かかるプログラムを記憶させた記憶媒体も提供され得る。制御部410は、取得部411、処理部412および出力制御部413を有する。これらのブロックの機能については、後に詳細に説明する。
【0053】
操作部430は、作業員から入力される操作を受け付ける。また、操作部430は、作業員から受け付けた操作を制御部410に提供することが可能である。本実施形態においては、操作部430がタッチパネルを含む場合を主に想定する。しかし、操作部430はタッチパネル以外の入力装置を含んでもよい。例えば、操作部430は、キーボードおよびマウスを含んでもよい。
【0054】
記憶部440は、制御部410を動作させるためのプログラムやデータを記憶することができる。また、記憶部440は、制御部410の動作の過程で必要となる各種データを一時的に記憶することもできる。
【0055】
通信部450は、保守支援サーバ10との間で各種情報を送受信するための通信インタフェースである。例えば、通信部450は、保守支援サーバ10に情報を送信する送信部として機能し得る。また、通信部450は、保守支援サーバ10から送信された情報を受信する受信部として機能し得る。
【0056】
表示部460は、制御部410による制御に従って作業員に各種情報を提示する機能を有する。本実施形態では、表示部460は、ディスプレイを含んでおり、ディスプレイは、制御部410による制御に従って、画面を表示することが可能である。しかし、作業員に提示される情報の種類は限定されない。例えば、クライアント端末40がスピーカを有する場合、表示部460による画面表示の代わりに、スピーカによって音が提示されてもよい。
【0057】
以上、本発明の実施形態に係る各種クライアント端末の機能構成例について説明した。
【0058】
(1-5.情報処理システムの動作例)
続いて、図7図20を参照しながら(適宜図1図6も参照しながら)、本発明の実施形態に係る情報処理システム1の動作例について説明する。なお、本実施形態では、図7図12に示した各種テーブルは、保守支援サーバ10によって記憶されている場合を主に想定する。しかし、これらの各種テーブルの一部または全部は、保守支援サーバ10とは異なる装置(例えば、サーバなど)によって記憶されていてもよい。
【0059】
図7は、機種BOMテーブルの構成例を示す図である。図7に示したように、機種BOMテーブルT11は、機種コード(型番)と部品コードとが関連付けられて構成されている。すなわち、機種BOMテーブルT11は、機種に含まれる部品コードのリストに該当し得る。ここで、機種は、実体としての機器の型に相当し、部品コードは、実体としての部品の型に割り当てられたコードに相当する。なお、部品コード「B-00001」の部品は、複数の機種に共通の部品である。また、部品コード「B-00001」の部品は、同一の機種に複数使用される。図7に示した例からも把握されるように、1つの機種が大量の部品から構成される場合があり得る。
【0060】
図8は、機器BOMテーブルの構成例を示す図である。図8に示したように、機器BOMテーブルT12は、機種コード(型番)と製造番号と部品コードとシリアル/ロット番号とが関連付けられて構成されている。すなわち、機器BOMテーブルT12は、実体としての機器(製造番号が付された機器)に含まれる部品コードのリストに該当し得る。機器BOMテーブルT12は、顧客の施設に機器が設置されるときに作成される。なお、部品コード「Z-00001」の部品は、製造番号「SN-12345」の機器に取り付けられたオプション品である。部品コード「E-00001」の部品は、製造番号「SN-77555」の機器に取り付けられたオプション品である。
【0061】
図9は、施設マスタテーブルの構成例を示す図である。図9に示したように、施設マスタテーブルT13は、施設と機種コード(型番)と製造番号とが関連付けられて構成されている。すなわち、施設マスタテーブルT13は、顧客の施設にどのような機器が設置されているかを管理するテーブルに該当し得る。
【0062】
図10は、受付トランザクションテーブルの構成例を示す図である。図10に示したように、受付トランザクションテーブルT14は、受付番号と受付日と施設と受付機種コード(型番)と製造番号と受付内容とが関連付けられて構成されている。すなわち、受付トランザクションテーブルT14は、受付者が顧客から受け付けた障害コールに関連する内容に該当し得る。なお、障害コール受け付け時に製造番号が不明な場合などには、製造番号に「NULL」が設定され得る。
【0063】
図11は、持出トランザクションテーブルの構成例を示す図である。図11に示したように、持出トランザクションテーブルT15は、受付番号と受付機種コード(型番)と製造番号と部品コードと今回シリアル/ロット番号と梱包番号と倉庫と受付機種コード(型番)と製造番号と現在シリアル/ロット番号とが関連付けられて構成されている。なお、図11に示した例では、使用状態が初期値(持出前の状態)(=空欄)となっている。その他、持出トランザクションテーブルT15のレコード数が多くなるとDB容量が足りなくなる可能性があるため、持出トランザクションテーブルT15には、ロット管理のために数量列も必要になる。その場合、取り付けられた部品情報は、別のテーブル(取付部品トランザクションテーブル)において、持出部品トランザクションテーブルT15の行番号(システムID)と紐づけられて管理される。現在シリアル/ロット番号は、部品交換時に取り外された部品のシリアル/ロット番号に該当する。したがって、現在シリアル/ロット番号に値が設定されているか否かによって、部品が取り外されたかたか否かが把握され得る。受付機種コードは、部品選択の検索のために使われたコードであり、実際には別の機器に取り付けられることもあるため、取付機種コード(型番)と製造番号が必要となる。
【0064】
本実施形態では、複数の部品が1つの集合体として倉庫から持ち出され、作業現場において使用される。また、1つの集合体に対して1つの識別情報が割り当てられる。作業現場において、作業者は1つの集合体に対して割り当てられた識別情報を指定することによって複数の部品を一括で指定することができる。これによって、作業現場での作業負荷が軽減される。
【0065】
具体的に本実施形態では、梱包部材(例えば、袋または箱など)に収容された複数の部品が1つの集合体として倉庫から持ち出され、作業現場において使用される場合を想定する。そして、梱包部材に対して識別情報(以下、「梱包番号」とも言う。)が割り当てられる場合を想定する。しかし、1つの集合体として扱われる複数の部品は、梱包部材に収容されなくてもよい。例えば、1つの集合体として扱われる複数の部品は、紐などで1つに纏められてもよい。
【0066】
図12は、梱包トランザクションテーブルの構成例を示す図である。図12に示したように、梱包トランザクションテーブルT16は、受付番号と梱包番号と梱包備考とが関連付けられて構成されている。ここでは、梱包備考が、複数の部品が含まれる1つの集合体がどのような単位で作成されたかを示す場合を想定する。具体的に、梱包備考には、機種別、機器別、部品別およびフリーのいずれかが設定され得る。また、「オプション有」の指定によって自由なコメントも設定され得る。
【0067】
図13は、部品選択画面の例を示す図である。作業者のクライアント端末40において、通信部450は、受付者のクライアント端末20から作業アサイン通知を受信すると、表示部460は、作業アサイン通知に従って部品選択画面G30を表示する。図13を参照すると、部品選択画面G30には、倉庫選択欄H300、機種選択欄H301、検索ボタンH302、選択ボタンH303が含まれている。作業者は、機種別に必要な部品が何個ずつかを決定する。
【0068】
具体的に、作業者は、倉庫選択欄H300において「倉庫名」を選択する操作を行う。選択可能な倉庫名は、倉庫マスタから取得される。また、作業者は、機種選択欄H301において「機種名(機種コード)」を選択する操作を行う。選択可能な機種名(機種コード)は、受付トランザクションテーブルT14の受付機種コード(型番)から取得される。
【0069】
作業者によって検索ボタンH302を選択する操作が行われた場合、機種選択欄H301において選択された「機種名(機種コード)」が施設マスタテーブルT13の該当する施設に存在する場合、かつ、その「機種名(機種コード)」に対応する部品コードが機器BOMテーブルT12に存在する場合、取得部411は、その部品コードに対応する在庫数を在庫マスタから取得する。出力制御部413は、部品コード、部品名および在庫数が部品選択画面G30に表示されるように表示部460を制御する。
【0070】
機種BOMテーブルT11ではなく機器BOMテーブルT12から検索を行うことによって、オプション品も検索対象にされ得る。また、「備考」の「標準外」は、機種BOMテーブルT11には含まれず、機器BOMテーブルT12に存在する部品(例えば、オプション品など)を示している。
【0071】
作業者が、持ち出したい部品の個数を「選択数」に入力し、選択ボタンH303を選択する操作を行うと、出力制御部413は、部品持出画面G40(図15)が表示されるように表示部460を制御する。具体的に、部品持出画面G40における「機種」「部品コード」「シリアル/ロット番号」には、機種選択欄H301において選択された「機種名(機種コード)」、部品選択画面G30に表示された「部品コード」、NULLが設定される。
【0072】
図14は、部品選択画面の他の一例を示す図である。ここでは、図14に示されたように、作業者によって、機種選択欄H301において「機種名(機種コード)」を選択する操作が行われずに、検索ボタンH302を選択する操作が行われた場合を想定する。かかる場合には、受付トランザクションテーブルT14の該当する受付番号に対応する「機種名(機種コード)」が存在する場合、かつ、その「機種名(機種コード)」に対応する部品コードが機器BOMテーブルT12に存在する場合、取得部411は、その部品コードに対応する在庫数を在庫マスタから取得する。出力制御部413は、部品コード、部品名および在庫数が部品選択画面G30に表示されるように表示部460を制御する。
【0073】
なお、持出部品トランザクションテーブルT15の「受付機種コード(型番)」には「機種名(機種コード)」が保存される必要があるため、図14に示された例では(すなわち、「機種名(機種コード)」が選択されていない場合には)、「選択数」に対する入力を行うことができない。したがって、図14に示された部品選択画面G30は、どの部品を何個持ち出したのかを把握したいときに利用される。
【0074】
図15図17は、部品持出画面の例を示す図である。上記したように、作業者が、部品選択画面G30(図13)において選択ボタンH303を選択する操作を行うと、出力制御部413は、部品持出画面G40が表示されるように表示部460を制御する。図15を参照すると、部品持出画面G11には、「施設名」と「出庫元倉庫」と「受付番号」とが表示されている。例えば、「受付番号」には、作業アサイン通知に含まれる受付番号が表示され得る。「施設名」には、取得部411によって受付トランザクションテーブルT14から当該受付番号に関連付けられた施設が取得され、出力制御部413によって表示制御される。「出庫元倉庫」には、取得部411によって持出トランザクションテーブルT15から当該受付番号に関連付けられた倉庫が取得され、出力制御部413によって表示制御される。なお、部品持出画面G11には、1行あたりに1個の部品が表示されているため、数量列が存在しない。
【0075】
また、部品持出画面G11には、探索基準選択欄H401、持出確定ボタンH402、梱包ボタンH405、部品選択ボタンH404が含まれている。作業者は、受付番号に対応する受付内容を参照しながら交換が必要になりそうな部品を推測する。そして、作業者は、部品単体を単位として梱包を行いたい場合には、図15に示すように、探索基準選択欄H111において「部品単体」を選択する操作を行う。なお、探索基準選択欄H111における「部品単体」は、初期値として既に設定されていてよい。その他、探索基準選択欄H111において選択可能な基準としては、機種、機器、部品コードなどが挙げられる。
【0076】
図15には、受付番号「U-20171204-01」および機種コード「AN-0001」に関連付けられた情報と、受付番号「U-20171204-01」および機種コード「QC-0002」に関連付けられた情報とが持出トランザクションテーブルT15から取得されて表示されている。部品持出画面G40の「シリアル/ロット番号」には、在庫DBから倉庫IDと部品コードとをキーにシリアル/ロット番号の候補がプルダウンにより表示される。作業者は、シリアル/ロット番号の候補から1つのシリアル/ロット番号を選択することができる。
【0077】
なお、部品持出画面G40の「シリアル/ロット番号」には、作業者が倉庫の棚からピッキングした実物の部品のシリアル/ロット番号を入力する場合を想定し、シリアル/ロット番号の候補がプルダウンによって表示される例が示されている。しかし、システムによってシリアル/ロット番号が自動選択され、ピッキング指示票が作成される場合も想定される。かかる場合は、在庫DBの在庫部品レコード(個々の部品の情報を持つデータ)が上から順に検索されてシリアル/ロット番号が自動選択されればよい。このとき、在庫部品レコードに、購入日および購入価格が含まれていれば、(古いほうが壊れやすいという理由から)購入日が一番古いものが自動選択されてもよいし、(固定資産税上、高いものから使ったほうが、会計上利益があるという観点から)購入価格が一番高いものが自動選択されてもよい。
【0078】
図16によって示された部品持出画面G40は、作業者によって「シリアル/ロット番号」がプルダウンにより選択された状態を示している。
【0079】
作業者が、梱包単位に「レ」を入れて梱包ボタンH405を選択する操作を行うと、表示部460は、梱包番号選択画面を表示する。図18は、梱包番号選択画面の例を示す図である。図18を参照すると、梱包番号選択画面G12は、梱包番号入力欄H121、梱包備考入力欄H122および確定ボタンH123を含んでいる。梱包番号入力欄H121には、選択された機種コード「QC-0002」に対応する梱包番号「234」が入力される。梱包番号は、マスタから自動的に取得されてもよいし、受付時にあらかじめ決定されていてもよい。
【0080】
また、作業者は、梱包備考入力欄H122に梱包種別を入力する。例えば、図17に示したように、機種を単位として梱包を行いたい場合には、作業者は、梱包備考入力欄H122に機種別を入力する操作を行う。作業者が確定ボタンH123を選択する操作を行うと、持出画面G11(図17)における機種コード「QC-0002」に対応する梱包番号に、梱包番号選択画面G12において入力された梱包番号「234」が反映され、梱包単位から「レ」が消える。そして、通信部450は、受付番号「U-20171204-01」、機種コード「QC-0002」および梱包番号「234」を保守支援サーバ10に送信する。
【0081】
保守支援サーバ10において、通信部130は、受付番号「U-20171204-01」、機種コード「QC-0002」および梱包番号「234」を受信する。そして、制御部110は、持出トランザクションテーブルT15のうち、受付番号「U-20171204-01」および機種コード「QC-0002」に対応する梱包番号を「234」で更新する。持出トランザクションテーブルT15の梱包番号が更新されたことは、持出依頼として部品倉庫担当者のクライアント端末30に通知される。
【0082】
部品倉庫担当者のクライアント端末30において、通信部350が持出依頼を受信すると、表示部260は、部品持出画面G40(図17)と同様の画面を表示し得る。部品倉庫担当者は、梱包番号「234」に対応する部品(部品コード)を参照しながら、倉庫の棚から部品を取り出し(ピッキングを行い)、これらの部品のシリアル/ロット番号を入力する操作を行う。例えば、部品倉庫担当者は、在庫DB(データベース)に登録されている在庫部品のシリアル/ロット番号からピッキングを行う部品のシリアル/ロット番号を選択してもよい。
【0083】
部品倉庫担当者は、梱包番号「234」が付された梱包部材に部品を収容すると、部品が収容された梱包部材を持ち出し、持出確定ボタンH402を選択する操作を行う。部品が収容された梱包部材は、作業員に渡される。持出確定ボタンH402を選択する操作が行われると、通信部350は、梱包番号「234」とシリアル/ロット番号とを保守支援サーバ10に送信する。
【0084】
保守支援サーバ10においては、通信部130は、梱包番号「234」とシリアル/ロット番号とを受信し、制御部110は、持出トランザクションテーブルT15のうち、梱包番号「234」に対応するシリアル/ロット番号を、受信したシリアル/ロット番号で更新する。また、制御部110は、持出トランザクションテーブルT15のうち、梱包番号「234」に対応する使用状態に持出を示すフラグを設定する。
【0085】
図17によって示された部品持出画面G40は、上記のように機種コード「QC-00002」に対する梱包単位の作成が終わった後に、機種コード「AN-00001」に対する梱包単位の作成を行おうとしているところを示している。梱包番号「234」の設定と同様にして、図17によって示された部品持出画面G40において、梱包番号「123」が設定される。
【0086】
図19図23は、部品持出画面の例を示す図である。図19によって示された部品持出画面G40は、探索基準選択欄H401が「機種」から「機器」に変更された直後の状態を示す。機器には、受付時に製造番号が判明している機器と、製造番号が判明していない機器とが存在する。
【0087】
受付時に製造番号が判明している機器では、受付トランザクションテーブルT14に機器の製造番号がある場合、機器BOMテーブルT12の部品コードと持出部品トランザクションテーブルT15の部品コードとの間でJOINすることによってテーブルが作成される。在庫部品が足りない場合には(機器BOMテーブルT12の部品コード行が多い場合には)、シリアル/ロット番号が未設定の行となる。また、現場において交換部品が初期不良である場合もあるため、絶対に一度に修理を完了しなければならない場合には、リスクヘッジのために部品を余計に持っていくこともあり得る。そこで、機器BOMテーブルT12の部品コードよりも持出部品のほうが多くてもよい。
【0088】
受付時に製造番号が判明していない機器では、機種別および部品コード別に持出部品数を、「製造番号がある機器」によって使用された持出部品の残りの持出部品を均等に割り振ることによって、行が作られる。このとき、機器BOMテーブルT12において、持出部品数より足りない部品コードがあっても(例えば、図19に示された例において、機種「AN-00001」に部品コード「B-00001」が1つしか含まれない場合など)、部品の割り振りが行われる。逆に、機器BOMテーブルT12において、均等に割った持出部品数のほうが少ない部品コードがある場合には(例えば、図19によって示された部品持出画面G40において、機種「QC-00002」の2番目の部品コード「B-00001」など)、シリアル/ロット番号が未設定の行が作られる。
【0089】
なお、部品持出画面G40(図19)において、機器BOMテーブルT12に部品コードが含まれる製造番号がプルダウンリストとして表示される。このとき、設定上ありえない製造番号はプルダウンリストに入らない。
【0090】
図20によって示された部品持出画面G40を参照すると、製造番号「SN-55555」が表示されている。この製造番号「SN-55555」は、作業者の手動によって選択された製造番号である。この製造番号「@00001」「@00002」も、作業者の手動によって入力された製造番号である。すなわち、製造番号は、プルダウンリストからの選択によっても手動によっても入力可能である。図20によって示された部品持出画面G40は、製造番号「@00001」が選択されて、梱包番号「999」が設定されたところである。
【0091】
シリアル/ロット番号の選択時において、シリアル/ロット番号を選択し直したいときには、バックスペースキーの選択によってシリアル/ロット番号の一部または全部を消すことができる。持出部品表は作成されているため、持出確定すると、持出部品の数量チェックが行われ、過不足があればエラーとされる(部品コード別に集計して比較される)。新しい部品コードの部品を持ち出したいときは部品選択に移行される。つまり、部品持出画面G40と部品選択画面G30との間で行ったり来たりする。作業者は、部品の持ち出しをやめたい場合は「取消」を押下してレコード削除する。
【0092】
図21によって示された部品持出画面G40は、探索基準選択欄H401が「部品コード」に変更された直後の状態を示す。部品コード単位での部品の持ち出しは、部品コード別に流れ作業を行うことがあるために必要である。図22によって示された部品持出画面G40は、部品持出画面G40(図20)において、梱包単位が「部品単体」にされ、部品「ZZZ-23456」に別の梱包番号を付けようと、梱包単位に「レ」がつけられたところを示す。図23によって示された部品持出画面G40は、次の作業報告において使用される、部品持出画面の最終型に該当する。製造番号「SN-12345」に対しては、作業者が機器単位で梱包しようと思ったが、オプション部品が大きいので別の梱包番号「750」が割り当てられている。
【0093】
図24は、作業対象機器リスト画面の例を示す図である。作業者は、作業現場での作業中または作業後に、作業対象機器リスト画面の表示操作を行う。クライアント端末40において、表示部460は、作業対象機器リスト画面G21を表示する。図24を参照すると、作業対象機器リスト画面G21には、「お客様名」と「受付番号」と「受付日」と「受付機種コード(型番)」と「製造番号」と「受付内容」とが表示されている。例えば、「受付番号」には、作業アサイン通知に含まれる受付番号が表示され得る。「お客様名」には、取得部411によって受付トランザクションテーブルT14から当該受付番号に関連付けられた施設が取得され、出力制御部413によって表示制御される。「受付日」には、取得部411によって受付トランザクションテーブルT14から当該受付番号に関連付けられた受付日が取得され、出力制御部413によって表示制御される。
【0094】
「受付機種コード(型番)」には、取得部411によって受付トランザクションテーブルT14から当該受付番号に関連付けられた受付機種コード(型番)が取得され、出力制御部413によって表示制御される。「製造番号」には、取得部411によって受付トランザクションテーブルT14から当該受付番号に関連付けられた製造番号が取得され、出力制御部413によって表示制御される。「受付内容」には、取得部411によって受付トランザクションテーブルT14から当該受付番号に関連付けられた受付内容が取得され、出力制御部413によって表示制御される。
【0095】
また、作業対象機器リスト画面G21には、作業報告ボタンH211、報告完了ボタンH212が含まれている。作業者は、作業報告を行いたい場合には、図24に示すように、報告完了ボタンH212を選択する操作を行う。そうすると、持出部品トランザクションテーブルT15における「取付機種コード(型番)」「製造番号」「現在シリアル/ロット番号」を元に機器BOMテーブルT12のシリアル/ロット番号が、「今回シリアル/ロット番号」に書き換えられる。これによって、どの部品がどの機器に含まれているのか管理(検索)でき、リコール対応も可能となる。
【0096】
製造番号「@00001」「@00002」は仮の製造番号であるため、作業者は、現場で機器に記載された製造番号を見て製造番号を選択する。プルダウンリストは、装置マスタと施設マスタとの間のJOINによって作成される。作業報告ボタンH211が選択されると、作業報告画面G51(図25)に遷移する。
【0097】
図25は、作業報告画面の例を示す図である。図25に示したように、作業報告画面G51は、梱包番号入力欄H221、BOM全体選択欄H225、戻るボタンH226、保存ボタンH227、除外チェック欄230を含んでいる。作業報告画面G51の部品コード列(左2列)は、機器BOMテーブルT12と持出部品トランザクションテーブルT15との間で部品コードによってJOINすることによって得られる。必ずしも梱包番号つきで部品持ち出しするとは限らない。そのため、梱包番号なしを選択するための除外チェック欄H230が設けられている。
【0098】
ここで、梱包番号が付されている梱包箱は、作業者の目の前にあるのですぐに指定可能である。一方、梱包番号なしの部品は、別の(大きな)ケースなどに入っている。したがって、梱包番号が付与されていない部品だけを行表示したほうが、作業が楽になるケースがある。例えば、部品持ち出しは機種別で普通に行って大きなケースに入れておき、ある特定の部品コードの部品だけは流れ作業で部品交換したいので、梱包番号付きの箱に入れるという場合である。
【0099】
作業者は、持ち出した部品を全部交換するとは限らない。さらに、作業者が持ち出した部品に初期不良などが発生すると梱包箱間のやりとりも発生する、さらに、営業車に常備積まれている部品は、梱包番号を持たない。これらの理由により、プルダウンリストから、機種無関係に部品コードのマッチングだけが行われる。つまり、部品持ち出し時の機種は無関係に、持出部品トランザクションテーブルT15から部品コードのマッチングだけが行われる。
【0100】
次に、(例えば、作業者が機器BOMテーブルT12の全体感を見たいと考え)作業者によってBOM全体選択欄H225が選択された場合を想定する。かかる場合、クライアント端末40において、通信部450は、受付番号「U20171204-01」および梱包番号を保守支援サーバ10に送信する。保守支援サーバ10において、通信部130は、受付番号「U20171204-01」および梱包番号を受信すると、制御部110は、受付番号「U20171204-01」および梱包番号に関連付けられた部品コードおよびシリアル/ロット番号(新たなシリアル/ロット番号)を持出トランザクションテーブルT15から取得する。
【0101】
制御部110は、シリアル/ロット番号(古いシリアル/ロット番号)の全体を機種BOMテーブルT11から取得する。また、制御部110は、通信部130は、古いシリアル/ロット番号の全体と新たなシリアル/ロット番号とを、クライアント端末40に送信する。このとき、クライアント端末40においては、古いシリアル/ロット番号の全体が表示される。図26によって示された作業報告画面G51は、BOM全体選択欄H225が選択された場合の表示例を示している。図27によって示された作業報告画面G51は、梱包番号H221に梱包番号が入力された場合における表示例を示している。梱包番号「333」に対応する「シリアル/ロット番号」のみがプルダウンリストに表示されているため、絞り込みがしやすくなっている。
【0102】
作業者によって、戻るボタンH226が選択されると、作業報告画面から作業対象機器リスト画面G51に画面遷移される。作業報告が完了すると、部品倉庫担当者は、持出トランザクションテーブルT15を参照しながら、「現在シリアル/ロット番号」に値が入っていない部品を倉庫の棚に戻し入れる作業が行われる。
【0103】
以上、本発明の実施形態に係る情報処理システム1の動作例について説明した。
【0104】
(2.ハードウェア構成例)
続いて、本発明の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成について説明する。図28は、本発明の実施形態に係る情報処理装置900のハードウェア構成を示す図である。情報処理装置900は、CPU(Central Processing Unit)901と、ROM(Read Only Memory)902と、RAM(Random Access Memory)903と、ホストバス904と、ブリッジ905と、外部バス906と、インタフェース907と、入力装置908と、出力装置909と、ストレージ装置910と、通信装置911と、を備える。
【0105】
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従って情報処理装置900内の動作全般を制御する。また、CPU901は、マイクロプロセッサであってもよい。ROM902は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM903は、CPU901の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する。これらはCPUバス等から構成されるホストバス904により相互に接続されている。
【0106】
ホストバス904は、ブリッジ905を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バス等の外部バス906に接続されている。なお、必ずしもホストバス904、ブリッジ905および外部バス906を分離構成する必要はなく、1つのバスにこれらの機能を実装してもよい。
【0107】
入力装置908は、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン、スイッチおよびレバー等ユーザが情報を入力するための入力手段と、ユーザによる入力に基づいて入力信号を生成し、CPU901に出力する入力制御回路等から構成されている。情報処理装置900を操作するユーザは、この入力装置908を操作することにより、情報処理装置900に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
【0108】
出力装置909は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置、ランプ等の表示装置およびスピーカ等の音声出力装置を含む。
【0109】
ストレージ装置910は、データ格納用の装置である。ストレージ装置910は、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置および記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置等を含んでもよい。ストレージ装置910は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)で構成される。このストレージ装置910は、ハードディスクを駆動し、CPU901が実行するプログラムや各種データを格納する。
【0110】
通信装置911は、例えば、ネットワークに接続するための通信デバイス等で構成された通信インタフェースである。また、通信装置911は、無線通信または有線通信のどちらに対応してもよい。
【0111】
以上において、本発明の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成について説明した。
【0112】
(3.まとめ)
本発明の実施形態によれば、複数の部品それぞれに関連する部品情報と前記複数の部品に対してあらかじめ割り当てられた1つの識別情報とを取得する取得部と、前記部品情報の表示を制御する出力制御部と、前記複数の部品に対して使用を示す情報が入力された場合、前記識別情報に対して使用済みフラグを関連付ける処理部と、を備える、情報処理装置が提供される。かかる構成によれば、作業現場において部品交換を行う作業員に掛かる作業負荷を軽減することが可能となる。
【0113】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0114】
1 情報処理システム
10 保守支援サーバ
110 制御部
120 記憶部
130 通信部
20 クライアント端末
210 制御部
230 操作部
240 記憶部
250 通信部
260 表示部
30 クライアント端末
310 制御部
330 操作部
340 記憶部
350 通信部
360 表示部
40 クライアント端末
410 制御部
411 取得部
412 処理部
413 出力制御部
430 操作部
440 記憶部
450 通信部
460 表示部
50 ネットワーク

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28