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特許7326768管理装置、管理プログラム及び情報処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-07
(45)【発行日】2023-08-16
(54)【発明の名称】管理装置、管理プログラム及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/04 20120101AFI20230808BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20230808BHJP
【FI】
G06Q30/04
G06F3/12 303
G06F3/12 373
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019033851
(22)【出願日】2019-02-27
(65)【公開番号】P2020140318
(43)【公開日】2020-09-03
【審査請求日】2022-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115129
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100102716
【弁理士】
【氏名又は名称】在原 元司
(74)【代理人】
【識別番号】100122275
【弁理士】
【氏名又は名称】竹居 信利
(72)【発明者】
【氏名】大石 忠広
【審査官】佐藤 敬介
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-010944(JP,A)
【文献】特開2016-066192(JP,A)
【文献】特開2004-042530(JP,A)
【文献】特開2016-175248(JP,A)
【文献】特開2005-110126(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予約装置から送信された文書と通知先を受信する第1受信手段と、
前記第1受信手段によって受信された文書に対して予約識別情報を付与する付与手段と、
前記文書と前記予約識別情報と前記通知先を記憶する記憶手段と、
画像処理装置から前記予約識別情報に対応する文書を印刷した際の課金に関する課金情報を受信する第2受信手段と、
前記課金情報と前記記憶手段に記憶されている通知先を第2課金管理装置に送信する第1送信手段
を有し、
前記通知先は、予約識別情報の送信先であり、予約装置の操作者を特定できる情報であり、
前記第2課金管理装置は、受信した前記通知先に対応した課金管理装置に、前記課金情報を送信し、
ドメインと請求先である課金管理装置を示す情報とを関連付けて予め登録しておき、通知先としてのメールアドレスのドメインが、予め登録されたドメインである場合に、対応する請求先の課金管理装置に課金情報を送信する、
管理装置。
【請求項2】
予約装置から送信された文書と通知先を受信する第1受信手段と、
前記第1受信手段によって受信された文書に対して予約識別情報を付与する付与手段と、
前記文書と前記予約識別情報と前記通知先を記憶する記憶手段と、
画像処理装置から前記予約識別情報に対応する文書を印刷した際の課金に関する課金情報を受信する第2受信手段と、
前記通知先に対応した課金管理装置に、前記課金情報を送信する第2送信手段
を有し、
前記通知先は、予約識別情報の送信先であり、予約装置の操作者を特定できる情報であり、
ドメインと請求先である課金管理装置を示す情報とを関連付けて予め登録しておき、通知先としてのメールアドレスのドメインが、予め登録されたドメインである場合に、対応する請求先の課金管理装置に課金情報を送信する、
管理装置。
【請求項3】
前記第2送信手段は、前記通知先を構成する組織を示す情報である組織情報が予め定められた組織情報である場合は、該組織情報に対応した課金管理装置に、前記課金情報を送信する、
請求項2に記載の管理装置。
【請求項4】
前記第2送信手段は、前記通知先を構成している組織情報が予め定められた組織情報でない場合は、個別の通知先に対応した課金管理装置に、前記課金情報を送信する、
請求項2又は3に記載の管理装置。
【請求項5】
前記付与手段は、
前記第1受信手段によって受信された通知先を構成している組織情報が予め定められた組織情報でない場合、かつ、個別の通知先に対応する課金管理装置が設定されていない場合は、予約情報を付与しない、
請求項1又は2に記載の管理装置。
【請求項6】
コンピュータを、
予約装置から送信された文書と通知先を受信する第1受信手段と、
前記第1受信手段によって受信された文書に対して予約識別情報を付与する付与手段と、
前記文書と前記予約識別情報と前記通知先を記憶する記憶手段と、
画像処理装置から前記予約識別情報に対応する文書を印刷した際の課金に関する課金情報を受信する第2受信手段と、
前記課金情報と前記記憶手段に記憶されている通知先を第2課金管理装置に送信する第1送信手段
として機能させ
前記通知先は、予約識別情報の送信先であり、予約装置の操作者を特定できる情報であり、
前記第2課金管理装置は、受信した前記通知先に対応した課金管理装置に、前記課金情報を送信し、
ドメインと請求先である課金管理装置を示す情報とを関連付けて予め登録しておき、通知先としてのメールアドレスのドメインが、予め登録されたドメインである場合に、対応する請求先の課金管理装置に課金情報を送信する、
管理プログラム。
【請求項7】
コンピュータを、
予約装置から送信された文書と通知先を受信する第1受信手段と、
前記第1受信手段によって受信された文書に対して予約識別情報を付与する付与手段と、
前記文書と前記予約識別情報と前記通知先を記憶する記憶手段と、
画像処理装置から前記予約識別情報に対応する文書を印刷した際の課金に関する課金情報を受信する第1受信手段と、
前記通知先に対応した課金管理装置に、前記課金情報を送信する第2送信手段
として機能させ
前記通知先は、予約識別情報の送信先であり、予約装置の操作者を特定できる情報であり、
ドメインと請求先である課金管理装置を示す情報とを関連付けて予め登録しておき、通知先としてのメールアドレスのドメインが、予め登録されたドメインである場合に、対応する請求先の課金管理装置に課金情報を送信する、
管理プログラム。
【請求項8】
印刷対象である文書と、該文書の予約識別情報を受け取るための通知先を、画像処理装置を管理する管理装置に送信する第3送信手段と、
前記管理装置から前記通知先に送信された予約識別情報を受信する第3受信手段
を有する予約装置と、
前記予約装置から送信された文書と通知先を受信する第1受信手段と、
前記第1受信手段によって受信された文書に対して予約識別情報を付与する付与手段と、
前記文書と前記予約識別情報と前記通知先を記憶する記憶手段
を有する管理装置と、
操作者の操作に応じて、前記予約識別情報を受け付ける受付手段と、
前記予約識別情報を前記管理装置に送信する第4送信手段と、
前記管理装置から前記予約識別情報に対応する文書を受信する第5受信手段と、
前記第5受信手段によって受信された文書を印刷する印刷手段と、
前記印刷手段による印刷の課金に関する課金情報を前記管理装置に送信する第5送信手段
を有する画像処理装置と、
前記管理装置は、
前記画像処理装置から前記課金情報を受信する第2受信手段と、
前記課金情報と前記記憶手段に記憶されている通知先を第2課金管理装置に送信する第1送信手段
をさらに有し、
前記管理装置から前記課金情報と前記通知先を受信する第6受信手段と、
前記第6受信手段によって受信された通知先に対応した課金管理装置に、前記課金情報を送信する第6送信手段
を有する第2課金管理装置
を有し、
前記通知先は、予約識別情報の送信先であり、予約装置の操作者を特定できる情報であり、
ドメインと請求先である課金管理装置を示す情報とを関連付けて予め登録しておき、通知先としてのメールアドレスのドメインが、予め登録されたドメインである場合に、対応する請求先の課金管理装置に課金情報を送信する、
情報処理システム。
【請求項9】
予約装置から送信された文書と通知先を受信する第1受信手段と、
前記第1受信手段によって受信された文書に対して予約識別情報を付与する付与手段と、
前記文書と前記予約識別情報と前記通知先を記憶する記憶手段と、
画像処理装置から前記予約識別情報に対応する文書を印刷した際の課金に関する課金情報を受信する第2受信手段と、
前記課金情報と前記記憶手段に記憶されている通知先を第2課金管理装置に送信する第1送信手段
を有する管理装置と、
前記管理装置から前記課金情報と前記通知先を受信する第6受信手段と、
前記第6受信手段によって受信された通知先に対応した課金管理装置に、前記課金情報を送信する第6送信手段
を有する第2課金管理装置
を有し、
前記通知先は、予約識別情報の送信先であり、予約装置の操作者を特定できる情報であり、
ドメインと請求先である課金管理装置を示す情報とを関連付けて予め登録しておき、通知先としてのメールアドレスのドメインが、予め登録されたドメインである場合に、対応する請求先の課金管理装置に課金情報を送信する、
情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理装置、管理プログラム及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、組織内のユーザーによる組織外の画像処理装置の利用についての料金を、組織内の課金管理装置に反映できるようにすることを課題とし、ユーザーは、組織の文書を公共印刷サーバの管理下にある公共プリンタで印刷したい場合、その組織の内部印刷サーバに印刷の予約を要求し、内部印刷サーバは、そのユーザーに対応する課金先の候補をユーザーに提示し、その中から課金先の選択を受け、選択された課金先の情報を含む利用予約要求を公共印刷サーバに送り、公共印刷サーバは、これに応じて予約IDを発行し、課金先の情報と対応づけて保持し、予約IDを提示して公共プリンタで印刷が行われると、公共印刷サーバは、その予約IDに対応する課金先の情報と料金の情報とを内部印刷サーバに送り、内部印刷サーバは、その料金をその課金先に対して課金するよう課金管理システムに指示することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-146137号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ある立場の操作者が予約をした文書を印刷するにあたって、その印刷の課金に関する情報を請求先に振り分けるためには、その操作者によって請求先の明示的な指定が必要であった。
本発明は、操作者が予約した文書を印刷する場合にあって、操作者の明示的な請求先の指定をする必要がなく、課金に関する情報を請求先に振り分けることができる管理装置、管理プログラム及び情報処理システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。なお、以下の「請求項」とあるのは、出願当初の請求項である。
請求項1の発明は、予約装置から送信された文書と通知先を受信する第1受信手段と、前記第1受信手段によって受信された文書に対して予約識別情報を付与する付与手段と、前記文書と前記予約識別情報と前記通知先を記憶する記憶手段と、画像処理装置から前記予約識別情報に対応する文書を印刷した際の課金に関する課金情報を受信する第2受信手段と、前記課金情報と前記記憶手段に記憶されている通知先を課金管理基盤に送信する第1送信手段を有する管理装置である。
【0006】
請求項2の発明は、予約装置から送信された文書と通知先を受信する第1受信手段と、前記第1受信手段によって受信された文書に対して予約識別情報を付与する付与手段と、前記文書と前記予約識別情報と前記通知先を記憶する記憶手段と、画像処理装置から前記予約識別情報に対応する文書を印刷した際の課金に関する課金情報を受信する第2受信手段と、前記通知先に対応した課金管理装置に、前記課金情報を送信する第2送信手段を有する管理装置である。
【0007】
請求項3の発明は、前記第2送信手段は、前記通知先を構成する組織を示す情報である組織情報が予め定められた組織情報である場合は、該組織情報に対応した課金管理装置に、前記課金情報を送信する、請求項2に記載の管理装置である。
【0008】
請求項4の発明は、前記第2送信手段は、前記通知先を構成している組織情報が予め定められた組織情報でない場合は、個別の通知先に対応した課金管理装置に、前記課金情報を送信する、請求項2又は3に記載の管理装置である。
【0009】
請求項5の発明は、前記付与手段は、前記第1受信手段によって受信された通知先を構成している組織情報が予め定められた組織情報でない場合、かつ、個別の通知先に対応する課金管理装置が設定されていない場合は、予約情報を付与しない、請求項1又は2に記載の管理装置である。
【0010】
請求項6の発明は、コンピュータを、予約装置から送信された文書と通知先を受信する第1受信手段と、前記第1受信手段によって受信された文書に対して予約識別情報を付与する付与手段と、前記文書と前記予約識別情報と前記通知先を記憶する記憶手段と、画像処理装置から前記予約識別情報に対応する文書を印刷した際の課金に関する課金情報を受信する第2受信手段と、前記課金情報と前記記憶手段に記憶されている通知先を課金管理基盤に送信する第1送信手段として機能させるための管理プログラムである。
【0011】
請求項7の発明は、コンピュータを、予約装置から送信された文書と通知先を受信する第1受信手段と、前記第1受信手段によって受信された文書に対して予約識別情報を付与する付与手段と、前記文書と前記予約識別情報と前記通知先を記憶する記憶手段と、画像処理装置から前記予約識別情報に対応する文書を印刷した際の課金に関する課金情報を受信する第1受信手段と、前記通知先に対応した課金管理装置に、前記課金情報を送信する第2送信手段として機能させるための管理プログラムである。
【0012】
請求項8の発明は、印刷対象である文書と、該文書の予約識別情報を受け取るための通知先を、画像処理装置を管理する管理装置に送信する第3送信手段と、前記管理装置から前記通知先に送信された予約識別情報を受信する第3受信手段を有する予約装置と、前記予約装置から送信された文書と通知先を受信する第1受信手段と、前記第1受信手段によって受信された文書に対して予約識別情報を付与する付与手段と、前記文書と前記予約識別情報と前記通知先を記憶する記憶手段を有する管理装置と、操作者の操作に応じて、前記予約識別情報を受け付ける受付手段と、前記予約識別情報を前記管理装置に送信する第4送信手段と、前記管理装置から前記予約識別情報に対応する文書を受信する第5受信手段と、前記第5受信手段によって受信された文書を印刷する印刷手段と、前記印刷手段による印刷の課金に関する課金情報を前記管理装置に送信する第5送信手段を有する画像処理装置と、前記管理装置は、前記画像処理装置から前記課金情報を受信する第2受信手段と、前記課金情報と前記記憶手段に記憶されている通知先を課金管理基盤に送信する第1送信手段をさらに有し、前記管理装置から前記課金情報と前記通知先を受信する第6受信手段と、前記第6受信手段によって受信された通知先に対応した課金管理装置に、前記課金情報を送信する第6送信手段を有する課金管理基盤を有する情報処理システムである。
【0013】
請求項9の発明は、予約装置から送信された文書と通知先を受信する第1受信手段と、前記第1受信手段によって受信された文書に対して予約識別情報を付与する付与手段と、前記文書と前記予約識別情報と前記通知先を記憶する記憶手段と、画像処理装置から前記予約識別情報に対応する文書を印刷した際の課金に関する課金情報を受信する第2受信手段と、前記課金情報と前記記憶手段に記憶されている通知先を課金管理基盤に送信する第1送信手段を有する管理装置と、前記管理装置から前記課金情報と前記通知先を受信する第6受信手段と、前記第6受信手段によって受信された通知先に対応した課金管理装置に、前記課金情報を送信する第6送信手段を有する課金管理基盤を有する情報処理システムである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の管理装置によれば、操作者が予約した文書を印刷する場合にあって、操作者の明示的な請求先の指定をする必要がなく、課金に関する情報を請求先に振り分けることができる。
【0015】
請求項2の管理装置によれば、操作者が予約した文書を印刷する場合にあって、操作者の明示的な請求先の指定をする必要がなく、課金に関する情報を請求先に振り分けることができる。
【0016】
請求項3の管理装置によれば、通知先内の組織情報に対応した課金管理装置に、課金情報を送信することができる。
【0017】
請求項4の管理装置によれば、組織情報が予め定められた組織情報でない場合は、個別の通知先に対応した課金管理装置に、課金情報を送信することができる。
【0018】
請求項5の管理装置によれば、組織情報と個別の通知先の両方とも登録されていない場合は、そもそも予約情報を発行しないようにすることができる。
【0019】
請求項6の管理プログラムによれば、操作者が予約した文書を印刷する場合にあって、操作者の明示的な請求先の指定をする必要がなく、課金に関する情報を請求先に振り分けることができる。
【0020】
請求項7の管理プログラムによれば、操作者が予約した文書を印刷する場合にあって、操作者の明示的な請求先の指定をする必要がなく、課金に関する情報を請求先に振り分けることができる。
【0021】
請求項8の情報処理システムによれば、操作者が予約した文書を印刷する場合にあって、操作者の明示的な請求先の指定をする必要がなく、課金に関する情報を請求先に振り分けることができる。
【0022】
請求項9の情報処理システムによれば、操作者が予約した文書を印刷する場合にあって、操作者の明示的な請求先の指定をする必要がなく、課金に関する情報を請求先に振り分けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図である。
図2】本実施の形態を利用したシステム構成例を示す説明図である。
図3】本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図4】利用予約情報テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
図5】登録管理テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
図6】利用予約応答情報テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
図7】印刷要求情報テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
図8】印刷指示情報テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
図9】印刷完了報告情報テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
図10】印刷完了情報テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
図11】課金ドメイン管理テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
図12】課金情報テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
図13】本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
図14】本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
図15】本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
図16】本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
図17】本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図18】本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
図19】本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図20】本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
図21】本実施の形態を実現するコンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図である。
図22】本実施の形態を実現するコンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面に基づき本発明を実現するにあたっての好適な一実施の形態の例を説明する。
図1は、本実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図を示している。
なお、モジュールとは、一般的に論理的に分離可能なソフトウェア(「ソフトウェア」の解釈として、コンピュータ・プログラムを含む)、ハードウェア等の部品を指す。したがって、本実施の形態におけるモジュールはコンピュータ・プログラムにおけるモジュールのことだけでなく、ハードウェア構成におけるモジュールも指す。それゆえ、本実施の形態は、それらのモジュールとして機能させるためのコンピュータ・プログラム(例えば、コンピュータにそれぞれの手順を実行させるためのプログラム、コンピュータをそれぞれの手段として機能させるためのプログラム、コンピュータにそれぞれの機能を実現させるためのプログラム)、システム及び方法の説明をも兼ねている。ただし、説明の都合上、「記憶する」、「記憶させる」、これらと同等の文言を用いるが、これらの文言は、実施の形態がコンピュータ・プログラムの場合は、記憶装置に記憶させる、又は記憶装置に記憶させるように制御するという意味である。また、モジュールは機能に一対一に対応していてもよいが、実装においては、1モジュールを1プログラムで構成してもよいし、複数モジュールを1プログラムで構成してもよく、逆に1モジュールを複数プログラムで構成してもよい。また、複数モジュールは1コンピュータによって実行されてもよいし、分散又は並列環境におけるコンピュータによって1モジュールが複数コンピュータで実行されてもよい。なお、1つのモジュールに他のモジュールが含まれていてもよい。また、以下、「接続」とは物理的な接続の他、論理的な接続(例えば、データの授受、指示、データ間の参照関係、ログイン等)の場合にも用いる。「予め定められた」とは、対象としている処理の前に定まっていることをいい、本実施の形態による処理が始まる前はもちろんのこと、本実施の形態による処理が始まった後であっても、対象としている処理の前であれば、そのときの状況・状態にしたがって、又はそれまでの状況・状態にしたがって定まることの意を含めて用いる。「予め定められた値」が複数ある場合は、それぞれ異なった値であってもよいし、2以上の値(「2以上の値」には、もちろんのことながら、全ての値も含む)が同じであってもよい。また、「Aである場合、Bをする」という記載は、「Aであるか否かを判断し、Aであると判断した場合はBをする」の意味で用いる。ただし、Aであるか否かの判断が不要である場合を除く。また、「A、B、C」等のように事物を列挙した場合は、断りがない限り例示列挙であり、その1つのみを選んでいる場合(例えば、Aのみ)を含む。
また、システム又は装置とは、複数のコンピュータ、ハードウェア、装置等がネットワーク(「ネットワーク」には、一対一対応の通信接続を含む)等の通信手段で接続されて構成されるほか、1つのコンピュータ、ハードウェア、装置等によって実現される場合も含まれる。「装置」と「システム」とは、互いに同義の用語として用いる。もちろんのことながら、「システム」には、人為的な取り決めである社会的な「仕組み」(つまり、社会システム)にすぎないものは含まない。
また、各モジュールによる処理毎に又はモジュール内で複数の処理を行う場合はその処理毎に、対象となる情報を記憶装置から読み込み、その処理を行った後に、処理結果を記憶装置に書き出すものである。したがって、処理前の記憶装置からの読み込み、処理後の記憶装置への書き出しについては、説明を省略する場合がある。なお、ここでの記憶装置としては、ハードディスクドライブ、RAM(Random Access Memoryの略)、外部記憶媒体、通信回線を介した記憶装置、CPU(Central Processing Unitの略)内のレジスタ等を含んでいてもよい。
【0025】
本実施の形態である情報処理システムは、予め文書を登録し、その登録された文書を印刷し、その印刷における課金に関する情報を本来担当すべき課金管理装置280に送信する機能を有しており、図1の例に示すように、予約装置100、管理装置120、画像処理装置150、課金管理基盤170によって構成されている。なお、予約装置100、管理装置120、画像処理装置150、課金管理基盤170は、複数あってもよい。例えば、予約装置100は操作者毎にあってもよいし、画像処理装置150は店舗毎に設置されていてもよい。
【0026】
操作者が予約した文書を印刷するにあたって、その印刷の課金に関する情報を請求先に振り分けるために、予約識別情報に請求先の情報を関連付けることを行った場合、予約識別情報毎に課金先の情報を設定することは煩雑であり、間違いも発生し得る。また、画像処理装置を使用するために、操作者が所属している組織毎の認証情報を用いた場合、そもそもフリーランスのように組織に属していない操作者である場合、認証情報を登録することから行う必要があり、その登録の手続きも煩雑である。
本実施の形態である情報処理システムは、操作者が予約した文書を印刷する場合に、予約識別情報又は認証情報を請求先に関連付けることなく、課金に関する情報を請求先に振り分けるようにしたものである。
【0027】
本実施の形態においては、操作者は、請求先毎に通知先を使い分けている。例えば、兼業又は副業のように、操作者が複数の会社に属している場合、請求先を会社甲とする場合は会社甲で用いている通知先甲を用い、請求先を会社乙とする場合は会社乙で用いている通知先乙を用いる。例えば、通知先甲は、会社甲から割り当てられてたメールアドレスであり、通知先乙は、会社乙から割り当てられてたメールアドレスである場合が該当する。
【0028】
予約装置100は、制御モジュール105、通信モジュール110を有している。予約装置100は、操作者によって操作され、その操作にしたがって、将来、画像処理装置150で印刷する文書を管理装置120に登録する。もちろんのことながら、文書には電子ファイル又はファイルといわれるものを含む。
制御モジュール105は、予約装置100内のモジュールを制御する。
【0029】
通信モジュール110は、送信モジュール112、受信モジュール114を有しており、管理装置120の通信モジュール140と通信回線を介して接続されている。通信モジュール110は、管理装置120と通信を行う。
送信モジュール112は、印刷対象である文書と、その文書の予約識別情報を受け取るための通知先を、画像処理装置150を管理する管理装置120に送信する。
ここで「印刷対象である文書」は、将来、画像処理装置150によって印刷される文書である。なお、画像処理装置150は、文書を管理装置120に送信した時点で決定されている必要はなく、管理装置120と通信可能になっている画像処理装置150であれば、操作者が自由に選択することができる。
また、「予約識別情報」とは、管理装置120に登録した文書を本実施の形態において一意に識別できる情報であればよく、文書を印刷する場合に、画像処理装置150で入力する情報である。
また、「通知先」とは、予約識別情報の送信先であり、予約装置100の操作者を特定できる情報である。例えば、その操作者のメールアドレス、SNSのメッセージ機能におけるアドレス等であってもよい。
【0030】
受信モジュール114は、管理装置120から通知先に送信された予約識別情報を受信する。その予約識別情報を、画像処理装置150で入力することにより、管理装置120に登録した文書を印刷することができる。なお、予約識別情報については、操作者が記憶するようにしてもよいし、予約装置100が記憶しておき、予約装置100と画像処理装置150が近距離無線通信を用いて、予約装置100から画像処理装置150に送信するようにしてもよい。近距離無線通信として、例えば、NFC(Near Field Communicationの略)技術等を用いればよい。
また、受信モジュール114は、管理装置120から通知先に送信された予約識別情報と通知先に対応した課金管理装置280を受信するようにしてもよい。
【0031】
また、制御モジュール105は、受信モジュール114によって受信された課金管理装置280に、文書を印刷した場合の課金に関する課金情報を送信することを操作者に確認させるようにしてもよい。
通知先のみで、課金先を決定してしまうと、操作者の意図しない課金先となってしまう可能性もあるため、それを防止するために、「通知先に対応した課金管理装置280に課金情報を送信することを確認させる」というユーザーインタフェースを提供するものである。この詳細については、図18~20の例を用いて後述する。
【0032】
また、予約装置100において、過去に指定したことのある「予約識別情報の通知先」を記憶し、2回目以降の予約時は記憶した通知先の中から選択できるようにしてもよい。通知先はメールアドレスやSNSのアドレス等、覚えにくく入力が煩雑なものになる。Webアプリやモバイルアプリのように、ユーザーが一度入力した情報を保持できる仕組みがある予約装置100では、2度目以降は選択肢の中から選ぶようにしてもよい。
【0033】
また、予約装置100において、指定した「予約識別情報の通知先」それぞれに別名を割り当てて表示するように管理できてもよい。ここで、別名として、ラベルと呼ばれるものを含めてもよい。通知先はメールアドレスやSNSのアドレス等を想定しているが、それぞれの通知先に対して、例えば、「仕事用」、「個人事業主用」といったラベルを付けることで、「画像処理装置150を利用する際の立場に応じて予約識別情報の通知先を指定する」ことの精度がより高まる。
【0034】
管理装置120は、制御モジュール125、付与モジュール130、記憶モジュール135、通信モジュール140を有している。管理装置120は、予約装置100によって予約された文書を記憶し、その文書を画像処理装置150に送信し、画像処理装置150から受信した課金情報を課金管理基盤170に送信する。
制御モジュール125は、管理装置120内のモジュールを制御する。
【0035】
付与モジュール130は、受信モジュール144によって受信された文書に対して予約識別情報を付与する。予約識別情報の生成方法として、登録した文書を本実施の形態において一意に識別できる情報を生成する方法であればよく、例えば、シーケンシャルに予約識別情報を生成してもよいし、ハッシュ関数を用いて文書から算出したハッシュ値を生成するようにしてもよい。
記憶モジュール135は、文書と予約識別情報と通知先を記憶する。ここでの記憶対象である文書と通知先は、受信モジュール144によって受信された情報である。そして、予約識別情報は、付与モジュール130によって、その文書に対して付与された情報である。また、記憶モジュール135の記憶方法として、文書と予約識別情報と通知先とを互いに対応付けるように記憶すればよい。
【0036】
通信モジュール140は、送信モジュール142、受信モジュール144を有しており、予約装置100の通信モジュール110、画像処理装置150の通信モジュール165、課金管理基盤170の通信モジュール180と通信回線を介して接続されている。通信モジュール140は、予約装置100、画像処理装置150、課金管理基盤170と通信を行う。
受信モジュール144は、予約装置100から送信された文書と通知先を受信する。
また、受信モジュール144は、画像処理装置150から予約識別情報に対応する文書を印刷した際の課金に関する課金情報を受信する。
【0037】
送信モジュール142は、課金情報と記憶モジュール135に記憶されている通知先を課金管理基盤170に送信する。ここでの課金情報は、受信モジュール144が画像処理装置150から受信した情報である。そして、通知先は、記憶モジュール135に記憶されており、画像処理装置150が印刷した文書に対応する情報である。
【0038】
また、送信モジュール142は、通知先に対応した課金管理装置280に、課金情報を送信するようにしてもよい。
そして、送信モジュール142は、通知先を構成する組織を示す情報である組織情報が予め定められた組織情報である場合は、その組織情報に対応した課金管理装置280に、課金情報を送信するようにしてもよい。
ここで「組織情報」とは、通知先内の組織を示す情報であって、例えば、通知先をメールアドレスとした場合、ドメインといわれている部分、つまり、メールアカウント以外の部分をいい、より具体的には「@」マークの後に続く文字列である。また、通知先をSNSのメッセージ機能におけるアドレスとした場合、SNSのアカウント以外の部分である。
【0039】
また、送信モジュール142は、通知先を構成している組織情報が予め定められた組織情報でない場合は、個別の通知先に対応した課金管理装置280に、課金情報を送信するようにしてもよい。
ここで「個別の通知先」とは、操作者個人の通知先を示す情報であって、例えば、通知先をメールアドレスとした場合、フルメールアドレスが該当する。また、通知先をSNSのメッセージ機能におけるアドレスとした場合、そのアドレスそのものが該当する。
【0040】
また、管理装置120において、利用者が画像処理装置150を利用し、課金管理基盤170から所定の課金管理装置280に発せられる課金指示は、画像処理装置150の利用の都度に発行してもよいし、ある程度まとめてから一括で発行してもよい。一般に、画像処理装置150と各法人の課金管理装置280は地理的に離れており、インターネット経由で接続されているケースが多い。法人によっては海外に課金管理装置280が設置されているケースもあるため、利用する都度に課金の指示を発行するとそれだけネットワークコストがかかる。具体的な例として、海外へのネットワーク通信遅延により課金指示がタイムアウトし、再送処理が必要になる等が発生する。法人側の課金管理上において問題がなければ、1週間分や1か月分など、ある程度の課金情報を貯めてから課金管理基盤170に指示したほうが効率がよい。
【0041】
また、付与モジュール130は、送信モジュール142によって受信された通知先を構成している組織情報が予め定められた組織情報でない場合、かつ、個別の通知先に対応する課金管理装置280が設定されていない場合は、予約情報を付与しないようにしてもよい。
【0042】
画像処理装置150は、受付モジュール155、印刷モジュール160、通信モジュール165を有している。操作者の操作にしたがって、管理装置120に登録されている文書を印刷し、その印刷にかかる課金情報を管理装置120に送信する。画像処理装置150は、文書の印刷機能を有しており、例えば、プリンタ、少なくともプリンタの機能を有している複合機(ここでの複合機とは、プリンタの機能の他に、さらに、スキャナ、複写機、ファックス等のいずれか1つ以上の機能を有している画像処理装置)等が該当する。
【0043】
受付モジュール155は、操作者の操作に応じて、予約識別情報を受け付ける。ここでの操作者は、画像処理装置150を用いて、管理装置120に登録した文書を印刷しようとしているユーザーであり、過去に予約装置100を操作して、その文書の予約識別情報を受信したユーザーである。
例えば、受付モジュール155は、タッチパネルを兼ねる液晶ディスプレイ等を制御して、操作者の操作を受け付ける。この他、マウス、キーボード、カメラ、マイク等を用いたユーザーの操作(視線、ジェスチャ、音声等も含む)を受け付けるようにしてもよい。また、操作者に対してメッセージ等を提示するようにしてもよい。スピーカーによって音声を出力するようにしてもよいし、触覚デバイスを用いた触感によって、ユーザーへのメッセージを提示するようにしてもよい。また、前述したように、受付モジュール155は、近距離無線通信を行って、予約装置100から予約識別情報を受信するようにしてもよい。この場合の「操作者の操作」としては、予約識別情報を記憶している予約装置100を、通信可能とするために画像処理装置150に近づけること、又は、その際に、予約識別情報を送信することを許可するための操作等が該当する。
印刷モジュール160は、受信モジュール168によって受信された文書を印刷する。
【0044】
通信モジュール165は、送信モジュール166、受信モジュール168を有しており、管理装置120の通信モジュール140と通信回線を介して接続されている。通信モジュール165は、管理装置120と通信を行う。
送信モジュール166は、受付モジュール155が受け付けた予約識別情報を管理装置120に送信する。
また、送信モジュール166は、印刷モジュール160による印刷の課金に関する課金情報を管理装置120に送信する。
ここでの「課金情報」は、予約識別情報を用いた印刷によって発生した課金を示す情報であり、少なくとも金額を含む。また、印刷日時(年、月、日、時、分、秒、秒以下、又はこれらの組み合わせであってもよい)、文書名、印刷ページ数等を含んでいてもよい。
受信モジュール168は、管理装置120から予約識別情報に対応する文書を受信する。ここでの文書は、印刷対象の文書であり、送信モジュール166が送信した予約識別情報に対しての返信として受信するものである。
【0045】
課金管理基盤170は、制御モジュール175、通信モジュール180を有している。課金管理基盤170は、管理装置120から受信した課金情報を、通知先に対応した課金管理装置280に送信する。課金管理基盤170は、複数の課金管理装置280と通信可能であり、管理装置120から受信した課金情報を、通知先に対応した課金管理装置280に送信する。
制御モジュール175は、課金管理基盤170内のモジュールを制御する。
【0046】
通信モジュール180は、送信モジュール182、受信モジュール184を有しており、管理装置120の通信モジュール140と通信回線を介して接続されている。通信モジュール180は、管理装置120と通信を行う。
受信モジュール184は、管理装置120から課金情報と通知先を受信する。
送信モジュール182は、受信モジュール184によって受信された通知先に対応した課金管理装置280に、課金情報を送信する。
【0047】
図2は、本実施の形態を利用したシステム構成例を示す説明図である。
予約装置100、管理装置120、課金管理基盤170、ユーザー端末210A、ユーザー端末210B、店舗260内に設置されている画像処理装置150、課金管理装置280A、課金管理装置280Bは、通信回線290を介してそれぞれ接続されている。通信回線290は、無線、有線、これらの組み合わせであってもよく、例えば、通信インフラとしてのインターネット、イントラネット等であってもよい。
また、管理装置120、課金管理基盤170、課金管理装置280による機能は、クラウドサービスとして実現してもよい。
【0048】
ユーザー端末210Aは、利用者250Aによって操作される。ユーザー端末210Bは、利用者250Bによって操作される。ユーザー端末210は、通信機能を有しているノートパソコン等のパーソナルコンピュータ、携帯情報通信機器(携帯情報通信機器として、携帯電話、スマートフォン、モバイル機器、ウェアラブルコンピュータ等を含む)等である。
店舗260内には画像処理装置150が設置されており、予約識別情報を取得した利用者250が画像処理装置150を利用するために入店している。
【0049】
近年の社会変化の一つである「働き方改革」により、副業や兼業といった勤務形態が増えつつある。例えば「日中は企業に所属する会社員として働き、夕方以降は個人事業主(個人事業主として、例えば、フリーランス等を含めてもよい)として働く」といったケースである。この場合、組織内の課金管理装置280(課金管理装置280として、例えば、会社の経理データベース等がある)には、社員がフリーランスの立場で働くときの経費の課金先(例えば、電子メールアカウントとインターネットを利用した決済サービス(具体的には、PayPal(登録商標)等)におけるアカウント情報)を登録することはできない。そのため、立場を切り替えながら課金が発生する装置を利用する働き方をする利用者がいる場合、課金管理装置280だけで課金先を切り替えるという対応はできない。
そもそも所属する法人が別である場合、たとえそれが同一人物による利用であっても課金先が異なるのは自明である。このような場合、通常は「今からどちらの立場でこの画像処理装置150を利用するのか」を明らかにするため、画像処理装置150の利用時に法人毎に用意したIDカード等でユーザーを認証した上で、予めユーザーごとに紐づけられた課金先に課金するのが一般的である。しかし、画像処理装置150の利用時に毎回「今、自分はどちらの立場で画像処理装置150を利用すべきか」を考えなければならないのは煩雑であり、うっかり立場を取り違えて画像処理装置150を利用してしまうと、料金の請求先が違ってしまい、所属する両方の法人で精算を修正しなければならないことになってしまう。このように、間違いやすい割にリカバリーに大変な労力を要する。
【0050】
前述の例で、利用者250Aが会社甲と会社乙に属しているが、会社甲を請求先とする文書を印刷しようとしている場合について説明する。具体例として、会社甲から依頼を受けた文書を作成し、その文書を印刷しようとしている。
まず、利用者250Aは、ユーザー端末210Aを用いて、文書を管理装置120に登録する。その際に、通知先甲、文書を管理装置120に送信する。そして、管理装置120は、通知先甲に対して、予約識別情報を送信する。なお、通知先甲は、一般的には登録時のユーザー端末210Aであるが、これに限らず、利用者250Aが用いる端末であれば、他のユーザー端末210であってもよい。
利用者250Aは、会社甲に到着前に、管理装置120に登録した文書を印刷しようと、店舗260に入店する。利用者250Aは、画像処理装置150に予約識別情報を入力して、画像処理装置150で文書を印刷する。その際に、画像処理装置150は、その印刷に要した金額を含む課金情報を管理装置120に送信する。管理装置120は、その課金情報を通知先甲に対応する課金管理装置280Aに送信する。課金管理装置280Aでは、その課金情報を用いて、会計処理を行う。例えば、経費の算出処理を行うこと、利用者250Aが経費を立て替えた場合は、その印刷の料金を利用者250Aに返金すること等の処理を行う。
【0051】
なお、利用者250Aが予約装置100を用いて画像処理装置150の利用を予約する際、「予約識別情報の通知先」を指定することは、実際に画像処理装置150から管理装置120に登録した文書を取り出すときの利便性を考えると自然であり、また、会社員、個人事業主といった立場に応じて「予約識別情報の通知先」を使い分けることも通例的である。例えば、会社の業務として画像処理装置150を利用する際は、会社から付与されたメールアドレス(例えば、taro.fuji@ffffxxxxx.co.jp)を通知先として指定し、個人事業主として画像処理装置150を利用する際は、個人用の無料メールのメールアドレス(例えば、hoge@gmmmm.com)やプロバイダのメールアドレスを指定するといった具合である。このように「画像処理装置150を利用する“立場”に応じて予約識別情報の通知先を使い分けて指定する」という、利用者250Aにとって違和感がない自然な利用が、結果的に適切な課金先である課金管理装置280の指定につながる。これはIDカード認証のように「画像処理装置150を利用する度に“立場”を明確にする方法」に比べれば、課金管理装置280を間違えるリスクが低くなる。また、利用者は予約識別情報さえ持っていれば認証なしで文書を取り出せる。万が一「予約識別情報の通知先」を指定し間違えたとしても、印刷さえしなければ課金の指示は発行されないので、課金請求誤りを防ぐセーフティネットとしても機能する。
【0052】
また、課金先となる法人等にとっては、自社に所属する利用者が画像処理装置150を利用した費用については、自社で保有する既存の課金管理装置280で課金管理されることが望ましい。そのため、本実施の形態を法人が利用する場合には、予め自社のドメイン情報(例えば、@ffffxxxxx.co.jp等)と請求先である課金管理装置280を示す情報を課金管理基盤170に登録しておく必要はあるが、1度登録しておけば、利用者250が画像処理装置150を利用予約する際に指定する「予約識別情報の通知先」に自社のドメイン情報が含まれている場合、画像処理装置150の利用時の課金指示は登録した請求先の課金管理装置280に転送される。そこから先は自社内における従来の課金管理システム又は課金プロセスがそのまま適用できる。
【0053】
図3は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。
ユーザー端末210、管理装置120、画像処理装置150、課金管理基盤170、課金管理装置280間における情報の受け渡しについて説明する。
【0054】
利用予約要求310では、ユーザー端末210は、利用者250の操作に応じて、印刷したい文書、予約識別情報の通知先を、管理装置120に送信する。
利用予約要求310として、例えば利用予約情報テーブル400を送信する。図4は、利用予約情報テーブル400のデータ構造例を示す説明図である。利用予約情報テーブル400は、予約要求ID欄410、文書欄420、通知先欄430を有している。予約要求ID欄410は、本実施の形態において、予約の要求を一意に識別するための情報(具体的には、予約要求ID:IDentification)を記憶している。文書欄420は、文書を記憶している。通知先欄430は、通知先を記憶している。図4では、例えば、予約要求ID:YY0001は、文書が「20181119.pdf」、通知先が「xxx@ffffxxxxx.co.jp」であることを示している。この場合、利用者250は、印刷によって発生した課金情報を、「ffffxxxxx」の課金管理装置280Aに送信することを意図していると言える。
【0055】
管理装置120は、利用予約要求310を受け取ると、少なくとも文書を識別できる予約識別情報を生成する。例えば、登録管理テーブル500を生成する。図5は、登録管理テーブル500のデータ構造例を示す説明図である。登録管理テーブル500は、予約ID欄510、予約識別情報欄520、文書欄530、通知先欄540を有している。予約ID欄510は、本実施の形態において、予約を一意に識別するための情報(具体的には、予約ID)を記憶している。予約識別情報欄520は、予約識別情報を記憶している。文書欄530は、印刷対象である文書を記憶している。通知先欄540は、予約識別情報を返信する通知先を記憶している。例えば、図5では、登録管理500の1行目は、予約ID:Y0001について、予約識別情報が「2PXZM40K」であり、文書が「20181119.pdf」であり、通知先が「xxx@ffffxxxxx.co.jp」であることを示しており、2行目は、予約ID:Y0002について、予約識別情報が「N51BS7D2」であり、文書が「photo.jpg」であり、通知先が「hoge@gmmmm.com」であることを示している。なお、1行目は、図4の例に示す利用予約情報テーブル400を受信した場合に生成されたものである。
【0056】
利用予約応答312では、管理装置120は、利用予約要求310に対応して、通知先である利用者250に対して、予約識別情報を送信する。利用予約応答312として、例えば利用予約応答情報テーブル600を送信する。図6は、利用予約応答情報テーブル600のデータ構造例を示す説明図である。利用予約応答情報テーブル600は、要求返信ID欄610、予約要求ID欄620、予約識別情報欄630を有している。要求返信ID欄610は、本実施の形態において、要求に対する返信を一意に識別するための情報(具体的には、要求返信ID)を記憶している。予約要求ID欄620は、予約要求IDを記憶している。予約識別情報欄630は、予約識別情報を記憶している。図6では、例えば、要求返信ID:YH0001は、予約要求IDが「YY0001」、予約識別情報が「2PXZM40K」であることを示している。
【0057】
文書印刷要求314では、画像処理装置150は、利用者250の操作に応じて、予約識別情報を、管理装置120に送信する。文書印刷要求314として、例えば印刷要求情報テーブル700を送信する。図7は、印刷要求情報テーブル700のデータ構造例を示す説明図である。印刷要求情報テーブル700は、文書印刷要求ID欄710、予約識別情報欄720を有している。文書印刷要求ID欄710は、本実施の形態において、文書の印刷の要求を一意に識別するための情報(具体的には、文書印刷要求ID)を記憶している。予約識別情報欄720は、予約識別情報を記憶している。図7では、例えば、文書印刷要求ID:BY0001は、予約識別情報が「2PXZM40K」であることを示している。
【0058】
文書印刷指示316では、管理装置120は、文書印刷要求314に対応して、画像処理装置150に文書を送信する。文書印刷指示316として、例えば印刷指示情報テーブル800を送信する。図8は、印刷指示情報テーブル800のデータ構造例を示す説明図である。印刷指示情報テーブル800は、文書印刷指示ID欄810、文書印刷要求ID欄820、文書欄830を有している。文書印刷指示ID欄810は、本実施の形態において、文書の印刷の指示を一意に識別するための情報(具体的には、文書印刷指示ID)を記憶している。文書印刷要求ID欄820は、文書印刷要求IDを記憶している。文書欄830は、文書を記憶している。図8では、例えば、文書印刷指示ID:BS0001は、文書印刷要求IDが「BY0001」、文書が「20181119.pdf」であることを示している。
【0059】
印刷完了報告318では、画像処理装置150は、文書の印刷が完了した後に、文書印刷指示316による印刷によって発生した料金の情報を、管理装置120に送信する。印刷完了報告318として、例えば印刷完了報告情報テーブル900を送信する。図9は、印刷完了報告情報テーブル900のデータ構造例を示す説明図である。印刷完了報告情報テーブル900は、印刷報告ID欄910、文書印刷指示ID欄920、印刷日時欄930、印刷文書名欄940、印刷料金欄950を有している。印刷報告ID欄910は、本実施の形態において、印刷の報告を一意に識別するための情報(具体的には、印刷報告ID)を記憶している。文書印刷指示ID欄920は、文書印刷指示IDを記憶している。印刷日時欄930は、印刷した日時を記憶している。印刷文書名欄940は、印刷した文書の文書名を記憶している。印刷料金欄950は、印刷に要した料金を記憶している。図9では、例えば、印刷報告ID:IF0001は、文書印刷指示IDが「BS0001」、印刷日時が「20181201」、印刷文書名が「20181119」、印刷料金が「500円」であることを示している。
【0060】
印刷完了通知320では、管理装置120は、印刷完了報告318を受信した後に、印刷によって発生した料金の情報を、課金管理基盤170に送信する。印刷完了通知320として、例えば印刷完了情報テーブル1000を送信する。図10は、印刷完了情報テーブル1000のデータ構造例を示す説明図である。印刷完了情報テーブル1000は、印刷完了ID欄1010、印刷料金欄1020、通知先欄1030を有している。印刷完了ID欄1010は、本実施の形態において、印刷が完了したことを一意に識別するための情報(具体的には、印刷完了ID)を記憶している。印刷料金欄1020は、印刷に要した料金を記憶している。通知先欄1030は、通知先を記憶している。図10では、例えば、印刷完了ID:IK0001は、印刷料金が「500円」、通知先が「xxx@ffffxxxxx.co.jp」であることを示している。
【0061】
課金管理基盤170は、例えば、課金ドメイン管理テーブル1100を管理している。図11は、課金ドメイン管理テーブル1100のデータ構造例を示す説明図である。課金ドメイン管理テーブル1100は、課金ID欄1110、通知先のドメイン欄1120、課金管理装置アドレス欄1130を有している。課金ID欄1110は、本実施の形態において、課金の管理先を一意に識別するための情報(具体的には、課金ID)を記憶している。通知先のドメイン欄1120は、通知先のドメインを記憶している。課金管理装置アドレス欄1130は、その通知先のドメインに対応する課金管理装置のアドレスを記憶している。つまり、課金ドメイン管理テーブル1100は、通知先に対応した課金管理装置280を管理している。なお、通知先のドメイン欄1120でのドメインは、前述したように、メールアドレスを通知先とした場合は、メールアドレス内の「@」マークの後に続く文字列がドメインに該当する。図11では、例えば、課金ドメイン管理テーブル1100の1行目は、課金ID:KK0001について、通知先のドメインが「ffffxxxxx.co.jp」、課金管理装置アドレスが「211.152.98.xxx」であることを示しており、2行目は、課金ID:KK0002について、通知先のドメインが「上記以外」、課金管理装置アドレスが「158.211.36.xxx」であることを示している。
【0062】
課金指示322では、課金管理基盤170は、印刷完了通知320を受けた後に、印刷によって発生した料金の情報を、通知先に対応した課金管理装置280に送信する。ここで送信先である課金管理装置280は、課金ドメイン管理テーブル1100を用いて決定すればよい。例えば、印刷完了通知320内の通知先からドメインを抽出し、そのドメインに対応する課金管理装置280のアドレスを課金ドメイン管理テーブル1100から抽出すればよい。例えば、通知先のドメインが「@ffffxxxxx.co.jp」である場合は、課金ドメイン管理テーブル1100の1行目に該当するので、課金管理装置アドレス欄1130の1行目から、課金管理装置280のアドレスである「211.152.98.xxx」を抽出する。
【0063】
課金指示322Aでは、課金管理基盤170は、印刷に関する料金、通知先情報を、通知先に対応する課金管理装置280に送信する。又は、課金指示322Bでは、印刷料金、通知先情報を送信する。課金指示322Aとして、例えば課金情報テーブル1200を送信する。図12は、課金情報テーブル1200のデータ構造例を示す説明図である。課金情報テーブル1200は、課金指示ID欄1210、印刷料金欄1220、通知先欄1230を有している。課金指示ID欄1210は、本実施の形態において、課金の指示を一意に識別するための情報(具体的には、課金指示ID)を記憶している。印刷料金欄1220は、印刷に要した料金を記憶している。通知先欄1230は、通知先を記憶している。図12では、例えば、課金指示ID:KS0001は、印刷料金が「500円」、通知先が「xxx@ffffxxxxx.co.jp」であることを示している。
【0064】
図13は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。このフローチャートは、主に、利用者250が関連する処理例を示すものである。
利用者250は、本業以外の組織に兼業先として所属しており、本業と兼業先どちらの業務でも管理装置120を利用して、画像処理装置150で文書を印刷する機会がある。管理装置120を利用する際には、予め自分が予約識別情報の通知先として利用するドメイン情報を課金管理基盤170に登録しておく必要がある。登録されていないと、通知先を指定した際にエラーとなり、文書の登録に失敗し、予約識別情報も発行されない。
【0065】
ステップS1302では、ユーザー端末210は、利用者250の操作によって入力される、文書の登録と、予約識別情報の通知先を受け付ける。
ステップS1304では、管理装置120は、エラーであるか否かを判断し、エラーの場合は処理を終了し(ステップS1399)、それ以外の場合はステップS1306へ進む。ここでのエラーか否かの判断は、通知先が、課金ドメイン管理テーブル1100によって管理されているか否かを判断すればよい。具体的には、通知先が課金ドメイン管理テーブル1100内の通知先のドメイン欄1120にある場合はエラーではないと判断し、通知先が課金ドメイン管理テーブル1100内の通知先のドメイン欄1120に無い場合はエラーであると判断すればよい。
【0066】
ステップS1306では、管理装置120は、通知先に予約識別情報を通知する。
ステップS1308では、任意の画像処理装置150で、予約識別情報が利用者250によって入力される。
【0067】
ステップS1310では、画像処理装置150は、文書を印刷する。
ステップS1312では、経費請求先となる課金管理装置280に、課金管理基盤170から課金請求が届く。
ステップS1314では、利用者250は、画像処理装置150で請求金額を支払う。
【0068】
図14は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。このフローチャートは、主に、管理装置120による処理例を示すものである。
管理装置120は、利用者250が画像処理装置150を利用する際に接続先となる装置である。管理装置120と画像処理装置150は、1対多の関係になっており、一度管理装置120に登録された文書は、どの画像処理装置150からでも印刷できる。印刷を完了した旨の通知を課金管理基盤170へ送信する処理は、画像処理装置150から印刷が完了したという報告を受けない限り実行されない。これは、利用者250が画像処理装置150の操作途中でキャンセルするケースがあるためである。
【0069】
ステップS1402では、利用者250からユーザー端末210を使った文書の登録依頼を受信する。
ステップS1404では、課金管理基盤170に、指定された通知先が課金ドメイン管理テーブル1100に登録されているか問い合わせる。
【0070】
ステップS1406では、課金ドメイン管理テーブル1100に登録済みであるか否かを判断し、登録済みの場合はステップS1408へ進み、それ以外の場合はステップS1412へ進む。図13の例に示したフローチャートのステップS1304に対応する処理である。
ステップS1408では、登録された文書に対応する予約識別情報を生成し、予約識別情報の通知先とあわせて登録管理テーブル500に登録する。
【0071】
ステップS1410では、指定された通知先に予約識別情報を通知する。
ステップS1412では、エラー処理を行う。例えば、通知先に対応する課金管理装置280がないことを利用者250に知らせ、利用者250に通知先を問い合わせる等の処理を行うようにしてもよい。
【0072】
図15は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。このフローチャートは、主に、管理装置120による処理例を示すものである。
【0073】
ステップS1502では、画像処理装置150から予約識別情報を指定した印刷要求を受信する。
ステップS1504では、予約識別情報をキーに登録管理テーブル500を参照し、文書を特定し、印刷要求を行った画像処理装置150に該当文書を送信する。
【0074】
ステップS1506では、画像処理装置150から印刷完了報告を受信する。
ステップS1508では、予約識別情報をキーに登録管理テーブル500を参照し、印刷料金と予約識別情報通知先を課金管理基盤170に送信する。
【0075】
図16は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。このフローチャートは、主に、課金管理基盤170による処理例を示すものである。課金管理基盤170は、画像処理装置150による印刷が完了したら、その印刷にかかった料金に関する情報を、指定された通知先のドメインに関連付けられた課金管理装置280に渡す。
【0076】
ステップS1602では、管理装置120から、印刷料金と通知先情報を受信する。
ステップS1604では、通知先情報をキーに課金ドメイン管理テーブル1100を参照し、課金管理装置280を特定する。
【0077】
ステップS1606では、特定した課金管理装置280に、印刷料金の課金指示を送信する。
【0078】
図17は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。
課金管理基盤170の機能を管理装置120の機能として取り込んだ場合の処理例を示すものである。具体的には、管理装置120内に、課金管理基盤170内のモジュールを組み込んだものである。ただし、管理装置120と課金管理基盤170との間の通信は、管理装置120内の情報の受け渡しで済む。図3に示した処理例と同等の部分は、図3に示した処理例を示して、重複した説明を省略する。
【0079】
利用予約要求1710は、図3の例に示した利用予約要求310と同等である。
利用予約応答1712は、図3の例に示した利用予約応答312と同等である。
文書印刷要求1714は、図3の例に示した文書印刷要求314と同等である。
文書印刷指示1716は、図3の例に示した文書印刷指示316と同等である。
印刷完了報告1718は、図3の例に示した印刷完了報告318と同等である。
課金指示1720Aは、図3の例に示した課金指示322Aと同等である。
課金指示1720Bは、図3の例に示した課金指示322Bと同等である。
そして、管理装置120は、図3の例に示した印刷完了通知320を内部の処理として行う。
【0080】
図18~20の例によって、「通知先に対応した課金管理装置280に課金情報を送信することを確認させる」というユーザーインタフェース処理例を示す。
図18は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。このフローチャートは、主に、利用者250が関連する処理例を示すものである。
【0081】
ステップS1802では、利用者250の操作によって入力される文書の登録と、予約識別情報の通知先を受け付ける。
ステップS1804では、エラーであるか否かを判断し、エラーの場合は処理を終了し(ステップS1899)、それ以外の場合はステップS1806へ進む。
【0082】
ステップS1806では、通知先に対応する課金管理基盤170でよいかの確認を行い、よい場合はステップS1808へ進み、それ以外の場合は処理を終了する(ステップS1899)。
例えば、図19に示す画面を表示して、利用者250による確認が行われる。図19は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。画面1900には、通知先表示領域1910、課金管理装置表示領域1920、Yesボタン1930、Noボタン1940を表示する。通知先表示領域1910には、ステップS1802で受け付けた通知先を表示する。課金管理装置表示領域1920には、その通知先に対応する課金管理装置280を表示する。これによって、利用者250は、課金情報が送信される課金管理装置280を確認することができる。その際に、課金管理装置280を決定している通知先も確認することができるようになっている。
例えば、通知先表示領域1910に「xxx@ffffxxxxx.co.jp」、課金管理装置表示領域1920に「ffffxxxxx」と表示し、画面1900全体として、「あなたの通知先『xxx@ffffxxxxx.co.jp』に対応する課金管理装置は『ffffxxxxx』です。これでよろしいですか?」と表示し、Yesボタン1930、Noボタン1940を表示する。ここで、利用者250によってYesボタン1930が選択された場合はステップS1808へ進み、Noボタン1940が選択された場合は処理を終了する。また、ステップS1802に戻るようにしてもよい。
【0083】
ステップS1808では、通知先に予約識別情報を通知する。
ステップS1810では、任意の画像処理装置150で、予約識別情報が利用者250によって入力される。
ステップS1812では、文書を印刷する。
【0084】
ステップS1814では、経費請求先となる課金管理装置280に、課金管理基盤170から課金請求が届く。
ステップS1816では、請求金額を支払う。
【0085】
図20は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。このフローチャートは、主に、管理装置120による処理例を示すものである。
【0086】
ステップS2002では、利用者250からユーザー端末210を使った文書の登録依頼を受信する。
ステップS2004では、課金管理基盤170に、指定された通知先が課金ドメイン管理テーブル1100に登録されているか問い合わせる。
【0087】
ステップS2006では、課金ドメイン管理テーブル1100に登録済みであるか否かを判断し、登録済みの場合はステップS2008へ進み、それ以外の場合はステップS2016へ進む。
ステップS2008では、予約装置100に対して、通知先に対応する課金管理装置280でよいかの問い合わせを行う。具体的には、管理装置120は、図19の例を用いて説明した画面1900を生成して、予約装置100に送信する。
【0088】
ステップS2010では、問い合わせの結果はOKであるか否かを判断し、OKの場合はステップS2012へ進み、それ以外の場合はステップS2016へ進む。図19を用いた例では、利用者250によってYesボタン1930が選択された場合はステップS2012へ進み、Noボタン1940が選択された場合はステップS2016へ進む。
ステップS2012では、登録された文書に対応する予約識別情報を生成し、予約識別情報の通知先とあわせて登録管理テーブル500に登録する。
【0089】
ステップS2014では、指定された通知先に予約識別情報を通知する。
ステップS2016では、エラー処理を行う。
【0090】
また、本実施の形態としてのプログラムが実行される予約装置100、管理装置120、課金管理基盤170のハードウェア構成は、図21に例示するように、一般的なコンピュータであり、具体的にはパーソナルコンピュータ、サーバとなり得るコンピュータ等である。つまり、具体例として、処理部(演算部)としてCPU(Central Processing Unitの略)2101を用い、記憶装置としてRAM(Random Access Memoryの略)2102、ROM(Read Only Memoryの略)2103、HDD(Hard Disk Driveの略)2104を用いている。制御モジュール105、通信モジュール110、送信モジュール112、受信モジュール114、制御モジュール125、付与モジュール130、通信モジュール140、送信モジュール142、受信モジュール144、制御モジュール175、通信モジュール180、送信モジュール182、受信モジュール184等のプログラムを実行するCPU2101と、そのプログラムやデータを記憶するRAM2102と、本コンピュータを起動するためのプログラム等が格納されているROM2103と、ハードディスク(ハードディスク以外に、フラッシュ・メモリであるSSD(Solid State Driveの略)等であってもよい)を内蔵し、そのハードディスクを駆動し、記憶モジュール135としての機能を発揮する補助記憶装置であるHDD2104と、キーボード、マウス、タッチスクリーン、マイク、カメラ(視線検知カメラ等を含む)等に対する利用者の操作(動作、音声、視線等を含む)に基づいてデータを受け付ける受付装置2106と、CRT、液晶表示装置、スピーカー等の出力装置2105と、ネットワークインタフェースカード等の通信ネットワークと接続するための通信回線インタフェース2107、そして、それらをつないでデータのやりとりをするためのバス2108により構成されている。これらのコンピュータが複数台互いにネットワークによって接続されていてもよい。
【0091】
図22を参照して、本実施の形態の画像処理装置150のハードウェア構成例について説明する。図22に示す構成は、例えばパーソナルコンピュータ等によって構成されるものであり、スキャナ等のデータ読み取り部2217と、プリンタ等のデータ出力部2218を備えたハードウェア構成例を示している。
【0092】
CPU2201は、前述の実施の形態において説明した各種のモジュール、すなわち、受付モジュール155、印刷モジュール160、通信モジュール165、送信モジュール166、受信モジュール168等の各モジュールの実行シーケンスを記述したコンピュータ・プログラムにしたがった処理を実行する制御部である。
【0093】
ROM2202は、CPU2201が使用するプログラムや演算パラメータ等を格納する。RAM2203は、CPU2201の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を格納する。これらはCPUバス等から構成されるホストバス2204により相互に接続されている。
【0094】
ホストバス2204は、ブリッジ2205を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interfaceの略)バス等の外部バス2206に接続されている。
【0095】
キーボード2208、マウス等のポインティングデバイス2209は、操作者により操作されるデバイスである。ディスプレイ2210は、液晶表示装置又はCRT(Cathode Ray Tubeの略)等があり、各種情報をテキストやイメージ情報として表示する。また、ポインティングデバイス2209とディスプレイ2210の両方の機能を備えているタッチスクリーン等であってもよい。その場合、キーボードの機能の実現について、キーボード2208のように物理的に接続しなくても、画面(例えば、タッチスクリーン)上にソフトウェアでキーボード(いわゆるソフトウェアキーボード、スクリーンキーボード等ともいわれる)を描画して、キーボードの機能を実現するようにしてもよい。
【0096】
HDD2211は、CPU2201によって実行するプログラムや情報を記録又は再生させる。HDD2211は、受付モジュール155が受け付けた操作データ、受信モジュール168が受信したデータ、印刷モジュール160が印刷する画像等を記憶する。さらに、その他の各種データ、各種コンピュータ・プログラム等が格納される。
【0097】
ドライブ2212は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体2213に記録されているデータ又はプログラムを読み出して、そのデータ又はプログラムを、インタフェース2207、外部バス2206、ブリッジ2205、及びホストバス2204を介して接続されているRAM2203に供給する。なお、リムーバブル記録媒体2213も、データ記録領域として利用可能である。
【0098】
接続ポート2214は、外部接続機器2215を接続するポートであり、USB、IEEE1394等の接続部を持つ。接続ポート2214は、インタフェース2207、及び外部バス2206、ブリッジ2205、ホストバス2204等を介してCPU2201等に接続されている。通信部2216は、通信回線に接続され、外部とのデータ通信処理を実行する。データ読み取り部2217は、例えばスキャナであり、ドキュメントの読み取り処理を実行する。データ出力部2218は、例えばプリンタであり、ドキュメントデータの出力処理を実行する。
【0099】
前述の実施の形態のうち、コンピュータ・プログラムによるものについては、本ハードウェア構成のシステムにソフトウェアであるコンピュータ・プログラムを読み込ませ、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働して、前述の実施の形態が実現される。
なお、図21図22に示すハードウェア構成は、1つの構成例を示すものであり、本実施の形態は、図21図22に示す構成に限らず、本実施の形態において説明したモジュールを実行可能な構成であればよい。例えば、一部のモジュールを専用のハードウェア(例えば特定用途向け集積回路(具体例として、ASIC(Application Specific Integrated Circuitの略)等がある)や再構成可能な集積回路(具体例として、FPGA(field-programmable gate arrayの略)等がある)で構成してもよく、一部のモジュールは外部のシステム内にあり通信回線で接続している形態でもよく、さらに図21図22に示すシステムが複数互いに通信回線によって接続されていて互いに協調動作するようにしてもよい。また、特に、パーソナルコンピュータの他、携帯情報通信機器、情報家電、ロボット、複写機、ファックス、スキャナ、プリンタ、複合機などに組み込まれていてもよい。
【0100】
なお、説明したプログラムについては、記録媒体に格納して提供してもよく、また、そのプログラムを通信手段によって提供してもよい。その場合、例えば、前記説明したプログラムについて、「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」の発明として捉えてもよい。
「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、プログラムのインストール、実行、プログラムの流通等のために用いられる、プログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体をいう。
なお、記録媒体としては、例えば、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)であって、DVDフォーラムで策定された規格である「DVD-R、DVD-RW、DVD-RAM等」、DVD+RWで策定された規格である「DVD+R、DVD+RW等」、コンパクトディスク(CD)であって、読出し専用メモリ(CD-ROM)、CDレコーダブル(CD-R)、CDリライタブル(CD-RW)等、ブルーレイ・ディスク(Blu-ray(登録商標) Disc)、光磁気ディスク(MO)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去及び書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM(登録商標))、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、SD(Secure Digitalの略)メモリーカード等が含まれる。
そして、前記のプログラムの全体又はその一部は、前記記録媒体に記録して保存や流通等させてもよい。また、通信によって、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット等に用いられる有線ネットワーク、又は無線通信ネットワーク、さらにこれらの組み合わせ等の伝送媒体を用いて伝送させてもよく、また、搬送波に乗せて搬送させてもよい。
さらに、前記のプログラムは、他のプログラムの一部分若しくは全部であってもよく、又は別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。また、複数の記録媒体に分割して記録されていてもよい。また、圧縮や暗号化等、復元可能であればどのような態様で記録されていてもよい。
【符号の説明】
【0101】
100…予約装置
105…制御モジュール
110…通信モジュール
112…送信モジュール
114…受信モジュール
120…管理装置
125…制御モジュール
130…付与モジュール
135…記憶モジュール
140…通信モジュール
142…送信モジュール
144…受信モジュール
150…画像処理装置
155…受付モジュール
160…印刷モジュール
165…通信モジュール
166…送信モジュール
168…受信モジュール
170…課金管理基盤
175…制御モジュール
180…通信モジュール
182…送信モジュール
184…受信モジュール
210…ユーザー端末
250…利用者
260…店舗
280…課金管理装置
290…通信回線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22