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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-07
(45)【発行日】2023-08-16
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0481 20220101AFI20230808BHJP
   G06F 3/14 20060101ALI20230808BHJP
   G06F 3/0485 20220101ALI20230808BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20230808BHJP
   G09G 5/14 20060101ALI20230808BHJP
   G09G 5/37 20060101ALI20230808BHJP
   G09G 5/38 20060101ALI20230808BHJP
   G09G 5/34 20060101ALI20230808BHJP
【FI】
G06F3/0481
G06F3/14 350A
G06F3/0485
G09G5/00 510H
G09G5/14 A
G09G5/37 300
G09G5/38 100
G09G5/37 110
G09G5/34 A
G09G5/38
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019090152
(22)【出願日】2019-05-10
(65)【公開番号】P2020187439
(43)【公開日】2020-11-19
【審査請求日】2022-05-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉本 祐介
【審査官】塩屋 雅弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-194474(JP,A)
【文献】特表2016-519383(JP,A)
【文献】特開2000-039947(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K35/00-37/06
B60R16/00-17/02
G01C21/00-21/36
23/00-25/00
G06F 3/01
3/048-3/04895
3/14-3/153
G08G 1/00-99/00
G09B23/00-29/14
G09G 5/00-5/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイと、
操作を受け付ける入力デバイスと、
前記ディスプレイの表示を制御する制御部と、を含み、
前記制御部は、
前記ディスプレイの表示領域を主作業領域と副作業領域に分割し、
新たに表示するウィンドウを前記主作業領域と前記副作業領域の何れに配置するかを定め、
前記主作業領域に配置すると定めた前記ウィンドウを、他のウィンドウと重ならないように主作業ウィンドウとして前記主作業領域内に表示させ、
前記副作業領域に配置すると定めた前記ウィンドウを、他のウィンドウと重ならないように、副作業ウィンドウとして前記副作業領域内に表示させ
前記主作業ウィンドウの配置数が予め定められた上限値に到達しているとき、
前記制御部は、新たに表示するウィンドウを前記副作業領域に配置すると定めることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記入力デバイスは、前記上限値の設定を受け付けることを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項3】
ディスプレイと、
操作を受け付ける入力デバイスと、
前記ディスプレイの表示を制御する制御部と、を含み、
前記制御部は、
前記ディスプレイの表示領域を主作業領域と副作業領域に分割し、
新たに表示するウィンドウを前記主作業領域と前記副作業領域の何れに配置するかを定め、
前記主作業領域に配置すると定めた前記ウィンドウを、他のウィンドウと重ならないように主作業ウィンドウとして前記主作業領域内に表示させ、
前記副作業領域に配置すると定めた前記ウィンドウを、他のウィンドウと重ならないように、副作業ウィンドウとして前記副作業領域内に表示させ
前記入力デバイスは、前記ウィンドウを閉じる操作を受け付け、
前記主作業ウィンドウが閉じられた場合、
前記制御部は、前記副作業ウィンドウがあるとき、前記副作業ウィンドウの何れか1つを前記主作業領域に移動し、前記主作業領域に移動させた前記副作業ウィンドウを前記副作業領域から消すことを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
ディスプレイと、
操作を受け付ける入力デバイスと、
前記ディスプレイの表示を制御する制御部と、を含み、
前記制御部は、
前記ディスプレイの表示領域を主作業領域と副作業領域に分割し、
新たに表示するウィンドウを前記主作業領域と前記副作業領域の何れに配置するかを定め、
前記主作業領域に配置すると定めた前記ウィンドウを、他のウィンドウと重ならないように主作業ウィンドウとして前記主作業領域内に表示させ、
前記副作業領域に配置すると定めた前記ウィンドウを、他のウィンドウと重ならないように、副作業ウィンドウとして前記副作業領域内に表示させ
前記入力デバイスは、前記主作業ウィンドウと前記副作業ウィンドウの入れ替え操作を受け付け、
前記制御部は、
前記入れ替え操作がなされた前記主作業ウィンドウを前記副作業領域に新たにに表示させるとともに、前記主作業領域から消し、
前記入れ替え操作がなされた前記副作業ウィンドウを前記副作業領域に新たに表示させるとともに、前記副作業領域から消すことを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
前記副作業領域に複数の前記副作業ウィンドウを表示するとき、
前記制御部は、
前記副作業ウィンドウのそれぞれについて優先順位を定め、
前記優先順位が最も高い前記副作業ウィンドウのサイズを、前記副作業領域の他の前記ウィンドウのサイズよりも大きくすることを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
ディスプレイと、
操作を受け付ける入力デバイスと、
前記ディスプレイの表示を制御する制御部と、を含み、
前記制御部は、
前記ディスプレイの表示領域を主作業領域と副作業領域に分割し、
新たに表示するウィンドウを前記主作業領域と前記副作業領域の何れに配置するかを定め、
前記主作業領域に配置すると定めた前記ウィンドウを、他のウィンドウと重ならないように主作業ウィンドウとして前記主作業領域内に表示させ、
前記副作業領域に配置すると定めた前記ウィンドウを、他のウィンドウと重ならないように、副作業ウィンドウとして前記副作業領域内に表示させ
前記副作業領域に複数の前記副作業ウィンドウを表示するとき、
前記制御部は、
前記副作業ウィンドウのそれぞれについて優先順位を定め、
前記優先順位が最も高い前記副作業ウィンドウのサイズを、前記副作業領域の他の前記ウィンドウのサイズよりも大きくし、
前記入力デバイスは、前記ウィンドウを閉じる操作を受け付け、
前記副作業ウィンドウを表示している状態で前記主作業ウィンドウが閉じられたとき、
前記制御部は、
前記優先順位が最も高い前記副作業ウィンドウを前記主作業領域に表示させ、
移動した前記副作業ウィンドウを前記副作業領域から消すことを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
前記入力デバイスは、前記主作業ウィンドウが閉じられたときに前記副作業ウィンドウを移動するか否かの選択を受け付け、
前記制御部は、
移動する選択がなされているとき、前記優先順位が最も高い前記副作業ウィンドウを前記主作業領域に移動し、
移動しない選択がなされているとき、前記主作業ウィンドウが閉じられても、前記副作業ウィンドウを前記主作業領域に移動しないことを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
予め定められた前記優先順位の決定基準に基づき、前記制御部は、それぞれの前記副作業ウィンドウの前記優先順位を定め、
前記入力デバイスは、前記決定基準の設定を受け付けることを特徴とする請求項乃至の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記入力デバイスは、前記表示領域内での前記主作業領域と前記副作業領域の位置とサイズの設定を受け付け、
前記制御部は、前記入力デバイスで設定された位置とサイズの前記主作業領域と前記副作業領域を前記ディスプレイに表示させることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記制御部は、
新たに表示する前記ウィンドウに対応するアプリケーションを認識し、
認識した前記アプリケーションの種類に基づき、新たに表示する前記ウィンドウを前記主作業領域と前記副作業領域の何れに配置するかを定めることを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記主作業ウィンドウの配置数を変更した場合、変更後の前記主作業ウィンドウの配置数が1つ以上のとき、前記制御部は、前記主作業領域で空き領域が生じないように、前記主作業ウィンドウのサイズと位置を自動的に調整することを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記主作業ウィンドウのサイズと位置を自動的に調整するとき、
前記制御部は、
配置する前記主作業ウィンドウの数で前記主作業領域を均等に分割し、
分割したそれぞれの領域に、前記主作業ウィンドウを1つ配置することを特徴とする請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記副作業ウィンドウの配置数を変更した場合、変更後の前記副作業ウィンドウの配置数が1つ以上のとき、
前記制御部は、前記副作業ウィンドウが重ならないように、前記副作業ウィンドウのサイズと位置を自動的に調整することを特徴とする請求項1乃至12の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記入力デバイスは、同期スクロールを有効とする複数の前記ウィンドウの選択を受け付け、
前記同期スクロールが有効な何れか1つの前記ウィンドウで画面のスクロールがなされたとき、
前記制御部は、前記同期スクロールが有効の他の前記ウィンドウも同じ方向にスクロールさせることを特徴とする請求項1乃至13の何れか1項に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のウィンドウを表示する情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイ内に複数の画像を表示することがある。複数の画像を表示する場合、表示画面を複数の領域に分割することがある。特許文献1には、分割した領域のそれぞれに、1ページの内容を表示する画像情報処理装置の一例が記載されている。
【0003】
具体的に、特許文献1には、入力画像データを頁ごとに画像メモリーに格納し、表示画面を所定数の領域に分割(4分割)し、各領域に1頁の画像を順次表示し、全ての領域に画像が表示されると表示領域順に次の頁の画像に更新する頁めくり表示を行い、表示固定用メモリーを有し、表示したい頁を固定表示する固定領域を指定し、表示したい頁を固定領域に表示し、表示したい頁を表示固定用メモリーに格納して固定表示を行い、固定領域の頁めくりを停止し、固定領域を除いた残りの領域で頁めくりを再開する画像情報処理装置が記載されている。この構成により、所望の頁を固定表示しつつ、頁めくりできるようにする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平04-088477号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ウィンドウを表示するコンピューターがある。ウィンドウは、タスクの固有の表示領域として割り当てられる。例えば、起動したアプリケーションのウィンドウがディスプレイに表示される。また、開いたファイルを閲覧、編集するためのウィンドウがディスプレイに表示される。また、ウィンドウを閉じることもできる。例えば、ウィンドウに含まれる×マークをクリックすると、ウィンドウを閉じることができる。ウィンドウを閉じることは、ファイルやアプリケーションの終了を意味する。
【0006】
例えば、PCのようなコンピューターでは、ディスプレイのサイズが昔よりも大きくなり、解像度も向上している。複数のアプリケーションの並行利用(マルチタスク)が可能なコンピューターがある。また、複数のファイルを同時に開くことができるコンピューターもある。このようなコンピューターでは、複数のウィンドウがディスプレイに表示される。
【0007】
複数のウィンドウを表示できるコンピューターでは、新しく表示されたウィンドウが前から表示されているウィンドウと重なることがある。重なった部分では、下側のウィンドウは上側のウィンドウに隠される。そして、コンピューターでは、ウィンドウのサイズや位置を調整できる場合がある。例えば、使用者はマウスを操作し、ウィンドウのサイズや位置を調整する。使用者は、重なりが解消されるように、各ウィンドウのサイズ、位置を調整する。
【0008】
ウィンドウが重なるたびに、使用者はウィンドウのサイズと位置の調整をしなくてはならず、煩わしいという問題がある。例えば、使用者は、各ウィンドウのサイズをできるだけ大きくしつつ、重ならないようにウィンドウのサイズと位置を調整する。ウィンドウのサイズと位置を調整しても、新たにウィンドウを追加すると、一度調整したウィンドウを含め、全ウィンドウのサイズと位置を再調整しなくてはならない。例えば、ファイルを新たに開くたびに、全てのウィンドウのサイズと位置の調整をしなくてはならない。
【0009】
なお、特許文献1記載の画像情報処理装置は、ウィンドウを表示するものではない。また、特許文献1記載の装置は、画像を頁単位で表示し、各頁のサイズは重ならないように固定されている。従って、特許文献1記載の画像情報処理装置では、上記の問題を解決することはできない。
【0010】
本発明は、上記問題点を鑑み、重なりを解消するための煩わしい調整作業(ウィンドウのサイズと位置の調整作業)を減らし、使い勝手をよくする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る情報処理装置は、ディスプレイ、入力デバイス、制御部を含む。前記入力デバイスは操作を受け付ける。前記制御部は、前記ディスプレイの表示を制御する。前記制御部は、前記ディスプレイの表示領域を主作業領域と副作業領域に分割する。前記制御部は、新たに表示するウィンドウを前記主作業領域と前記副作業領域の何れに配置するかを定める。前記制御部は、前記主作業領域に配置すると定めた前記ウィンドウを、他の前記ウィンドウと重ならないように主作業ウィンドウとして前記主作業領域内に表示させる。前記制御部は、前記副作業領域に配置すると定めた前記ウィンドウを、他の前記ウィンドウと重ならないように、副作業ウィンドウとして前記副作業領域内に表示させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ウィンドウの重なりを解消するための煩わしい調整作業を減らすことができる。各ウィンドウのサイズと位置の調整作業を減らすことができる。煩わしい作業が減るので、情報処理装置の使い勝手をよくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態に係る情報処理装置の一例を示す図である。
図2】実施形態に係る情報処理装置の判定基準データの一例を示す図である。
図3】実施形態に係る情報処理装置の順位決定基準データの一例を示す図である。
図4】実施形態に係る情報処理装置でのウィンドウの表示の一例を示す図である。
図5】実施形態に係る情報処理装置でのウィンドウの表示の一例を示す図である。
図6】実施形態に係る情報処理装置でのウィンドウの表示の一例を示す図である。
図7】実施形態に係る情報処理装置でのウィンドウの表示の一例を示す図である。
図8】実施形態に係る主作業ウィンドウを閉じたときの処理の一例を示す図である。
図9】実施形態に係るウィンドウ入れ替えの一例を示す図である。
図10】実施形態に係る同期スクロールの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図1図10を用いて、本発明の実施形態に係る情報処理装置100の一例を説明する。本実施形態の説明に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定せず単なる説明例にすぎない。
【0015】
(情報処理装置100)
次に、図1を用いて、実施形態に係る情報処理装置100の一例を説明する。図1は、実施形態に係る情報処理装置100の一例を示す図である。
【0016】
情報処理装置100はコンピューターである。情報処理装置100は、例えば、PCである。情報処理装置100は、制御部1、記憶部2、ディスプレイ3、入力デバイス4、通信部5を含む。情報処理装置100は、画像形成装置200と通信可能に接続される。画像形成装置200は、例えば、プリンターである。
【0017】
制御部1は制御回路10、表示制御回路11を含む。制御部1は、複数の回路、素子を含む制御基板である。制御回路10は、例えば、CPUである。表示制御回路11は、ディスプレイ3で表示するための表示用画像データを生成する。例えば、表示制御回路11は画像関連の処理を行うチップである。
【0018】
記憶部2は、ROM、ストレージ、RAMを含む。ストレージは、例えば、HDDである(SSDでもよい)。記憶部2は、OS、データ、各種アプリケーション(アプリケーションソフトウェア)を不揮発的に記憶する。アプリケーションは、例えば、ストレージにインストールされる。制御部1は、OS、データ、各種アプリケーションに基づき、情報処理装置100の動作を制御する。制御部1は、記憶部2の記憶内容に従って、情報処理装置100の各部を制御する。
【0019】
制御部1は、画面、情報をディスプレイ3に表示させる。例えば、ディスプレイ3は液晶表示パネル又は有機EL表示パネルを含む。入力デバイス4は使用者の操作を受け付ける。入力デバイス4は、例えば、キーボード41、マウス42である。タッチパネルのようなキーボード41、マウス42以外のデバイスを入力デバイス4として用いてもよい。入力デバイス4の出力に基づき、制御部1は操作内容を認識する。入力デバイス4は、使用者による情報処理装置100の設定操作を受け付ける。
【0020】
具体的に、入力デバイス4は、ウィンドウを開く操作を受け付ける。ウィンドウを開く操作は、例えば、ファイルを開く操作である。例えば、ファイルを示すアイコンをダブルクリックする操作がファイルを開く操作である。また、ウィンドウを開く操作は、例えば、用いるアプリケーションを選択し、アプリケーションを起動する操作である。例えば、アプリケーションを示すアイコンをダブルクリックする操作がアプリケーションを起動する操作である。
【0021】
通信部5は通信回路、通信用メモリーを含む。通信用メモリーは通信用ソフトウェアを記憶する。通信部5はネットワーク上のコンピューターや画像形成装置200と通信する。通信部5はインターネット上のサーバーからデータをダウンロードすることができる。
【0022】
(アプリケーション)
次に、図1を用いて、実施形態に係る情報処理装置100が記憶するアプリケーションの一例を説明する。以下、情報処理装置100の記憶部2(ストレージ)にインストールされるアプリケーションの一例を列挙する。なお、記憶部2にインストールされるアプリケーションは、下記のものに限られない。
【0023】
・エディター21
文字、記号を入力し、編集するためのアプリケーション。
・ブラウザー22
ウェブページを閲覧するためのアプリケーション。
・図式閲覧アプリケーション23
図式資料を閲覧するためのアプリケーション。
・文書閲覧アプリケーション24
文書資料を閲覧するためのアプリケーション。
・ファイル管理アプリケーション25
ファイルやフォルダーの選択、移動、検索、削除に用いられるアプリケーション。
【0024】
例えば、ソフトウェア(アプリケーション)のコーディングをする場合、エディター21が起動される。制御部1は、エディター21のウィンドウをディスプレイ3に表示させる。使用者は、入力デバイス4(キーボード41)とエディター21を用いて、ソースコードを書き込む。制御部1は、書き込まれたコードをエディター21のウィンドウ内に表示する。
【0025】
また、ネットワーク上の情報を参照したい場合、ブラウザー22が起動される。入力デバイス4は参照するウェブページの検索ワードの入力を受け付ける。制御部1は、ブラウザー22のウィンドウをディスプレイ3に表示させる。制御部1は、入力デバイス4で選択されたウェブページからページの内容を通信部5に取得させる。制御部1は、取得したデータに基づき、ページの内容をブラウザー22のウィンドウ内に表示する。
【0026】
また、図式を閲覧、参照しながら作業をしたい場合、図式閲覧アプリケーション23が起動される。入力デバイス4は図式を閲覧するファイルの指定を受け付ける。制御部1は指定ファイルの内容を表示する図式閲覧アプリケーション23のウィンドウをディスプレイ3に表示させる。
【0027】
また、仕様書のような文書を閲覧、参照しながら作業をしたい場合、文書閲覧アプリケーション24が起動される。入力デバイス4は閲覧する文書ファイルの指定を受け付ける。制御部1は、指定された文書ファイルの内容を表示する文書閲覧アプリケーション24のウィンドウをディスプレイ3に表示させる。
【0028】
(新たにウィンドウの表示するときの処理)
次に、図2図7を用いて、実施形態に係る情報処理装置100でのウィンドウの表示の一例を説明する。図2は実施形態に係る情報処理装置100の判定基準データ26の一例を示す図である。図3は実施形態に係る情報処理装置100の順位決定基準データ27の一例を示す図である。図4図7は、実施形態に係る情報処理装置100でのウィンドウの表示の一例を示す図である。
【0029】
情報処理装置100の記憶部2(ストレージ)には、ウィンドウ表示制御ソフトウェア20がインストールされる。ウィンドウ表示制御ソフトウェア20は、ディスプレイ3でのウィンドウ表示を制御するためのソフトウェアである。ウィンドウ表示制御ソフトウェア20に基づき、制御部1は、ディスプレイ3でのウィンドウの表示を制御する。ウィンドウ表示制御ソフトウェア20に基づき、制御部1は、1又は複数のウィンドウをディスプレイ3の画面内に表示させる。
【0030】
アプリケーションを起動したとき、又は、ファイルを開いたとき、ウィンドウ表示制御ソフトウェア20に基づき、制御部1は、ウィンドウをディスプレイ3に新たに表示させる。制御部1は、新たに表示するウィンドウを主作業領域F1と副作業領域F2の何れに配置するかを定める。以下の説明では、制御部1が主作業領域F1に配置する(表示する)ウィンドウを主作業ウィンドウ6と称する。また、制御部1が副作業領域F2に配置する(表示する)ウィンドウを副作業ウィンドウ7と称する。
【0031】
記憶部2は、判定基準データ26を不揮発的に記憶する(図1参照)。判定基準データ26は、新たに表示するウィンドウのうち、副作業領域F2に配置するアプリケーションを定めたデータである。言い換えると、判定基準データ26は、ウィンドウを副作業領域F2に強制的に配置するアプリケーションを定めたデータである。図2は判定基準データ26の一例を示す。判定基準データ26は、記憶部2にインストールされているアプリケーションごとに、副作業領域F2に配置するか否かを定めたテーブルデータである。
【0032】
新たに表示するウィンドウのアプリケーションに基づき、制御部1は、判定基準データ26を参照し、主作業領域F1と副作業領域F2の何れに配置するかを定める。例えば、新たに表示しようとするウィンドウが副作業領域F2に配置すると定義されているアプリケーションのウィンドウのとき、制御部1は、新たなウィンドウを副作業領域F2に配置すると定める。例えば、アプリケーションのコーディング作業では、ファイル操作は、一時的(副次的)な作業である。そこで、図2に示すように、ファイル管理アプリケーション25のウィンドウを副作業領域F2に自動的に配置する設定がなされてもよい。
【0033】
また、副作業領域F2に配置すると定義されていなくても、強制配置操作がなされて表示するウィンドウについては、制御部1は、必ず副作業領域F2に配置してもよい。どのような操作を強制配置操作とするかは予め定められる。例えば、キーボード41のCtrlキーを押しながらアプリケーションを起動する操作、又は、Ctrlキーを押しながらファイルを開く操作を強制配置操作とすることができる。
【0034】
制御部1は、ディスプレイ3の表示領域を主作業領域F1と副作業領域F2に分割する。例えば、主作業領域F1は、使用者が作業で主に用いるアプリケーションのウィンドウを配置する領域である。例えば、コーディング作業の場合、エディター21のウィンドウを主作業領域F1に配置することが考えられる。また、文書作成を行う場合、文書閲覧アプリケーション24のウィンドウを主作業領域F1に配置することが考えられる。
【0035】
例えば、副作業領域F2は作業中に参照する情報を表示するウィンドウを配置する領域である。例えば、コーディング作業の場合、ブラウザー22のウィンドウや、図式閲覧アプリケーション23のウィンドウを副作業領域F2に配置することが考えられる。
【0036】
図4以降の図では、ディスプレイ3の表示領域のうち、左の1/2の範囲を主作業領域F1に設定し、右の1/2の範囲を副作業領域F2に設定する例を示している。す。なお、右半分を主作業領域F1とし、左半分を副作業領域F2としてもよい。図4以降の図では、縦方向の2重線(太線)が主作業領域F1と副作業領域F2の境界線L1である。境界線L1には、特定の色が用いられてもよい(例えば、赤色)。
【0037】
ここで、入力デバイス4は、表示領域内での主作業領域F1と副作業領域F2の位置とサイズの設定を受け付ける。例えば、主作業領域F1と副作業領域F2の境界線L1をマウス42でドラッグすることにより、主作業領域F1と副作業領域F2のサイズと位置(場所)を変更することができる。図4以降の図では、の例では、境界線L1を左側に移動させると、主作業領域F1が狭くなり、副作業領域F2が広くなる。反対に、境界線L1を右側に移動させると、主作業領域F1が広くなり、副作業領域F2が狭くなる。また、別画面にて、主作業領域F1と副作業領域F2のそれぞれのサイズと位置を数値で設定できるようにしてもよい。制御部1は、入力デバイス4で設定された位置とサイズの主作業領域F1と副作業領域F2をディスプレイ3に表示させる。
【0038】
図4図7は、アプリケーションのコードを編集するエディター21のウィンドウを主作業領域F1に配置する例を示す。図4に示すように、主作業ウィンドウ6(主作業ウィンドウ6)の数を1つに限定してもよい。また、図5に示すように、複数の主作業ウィンドウ6を主作業領域F1に配置してもよい。
【0039】
主作業ウィンドウ6の配置数の上限値28は予め定められる。上限値28は1以上の整数である。記憶部2は上限値28を不揮発的に記憶する(図1参照)。入力デバイス4は、上限値28の設定を受け付ける。例えば、使用者は、ウィンドウ表示制御ソフトウェア20の設定画面にて、上限値28を設定する。制御部1は設定された上限値28を記憶部2に記憶させる。新たに表示するウィンドウのアプリケーションが強制的に副作業領域F2に配置するアプリケーションではないとき、制御部1は、主作業領域F1に空きがあるか否かを確認する。言い換えると、制御部1は、主作業ウィンドウ6の配置数が上限値28に到達しているか否かを確認する。
【0040】
主作業ウィンドウ6の配置数が上限値28に到達しているとき、制御部1は、新たに表示するウィンドウを副作業領域F2に配置すると定める。この場合、制御部1は、新たに表示するウィンドウを副作業ウィンドウ7とする。上限値28に到達していないとき、制御部1は、新たに表示するウィンドウを主作業領域F1に配置すると定める。この場合、制御部1は、新たに表示するウィンドウを主作業ウィンドウ6とする。
【0041】
主作業ウィンドウ6を増やすとき、又は、減らすとき、制御部1は、各主作業ウィンドウ6のサイズと位置を自動的に調整する。具体的に、主作業ウィンドウ6の配置数が複数の場合、制御部1は、主作業ウィンドウ6の配置数で主作業領域F1を均等に分割する。図5の例は、主作業ウィンドウ6の配置数が2つであり、制御部1は、主作業領域F1を上下に分割している。そして、制御部1は、分割したそれぞれの領域に、主作業ウィンドウ6を1つ配置する。制御部1は、各主作業ウィンドウ6のサイズを分割した領域と同じサイズとする。これにより、制御部1は、重ならないように、かつ、空き領域が出ないように主作業ウィンドウ6を配置する。
【0042】
なお、主作業ウィンドウ6の配置数が1つの場合、制御部1は、主作業ウィンドウ6のサイズを主作業領域F1のサイズと同じにすればよい。主作業ウィンドウ6の配置数の増減にあわせて、制御部1は、主作業ウィンドウ6のサイズと位置を自動調整する。
【0043】
例えば、主作業ウィンドウ6の配置数が1つから2つに増えたとき、ディスプレイ3の画面は、図4から図5のように変化する。なお、ディスプレイ3上のウィンドウは、閉じるボタンB1を操作することにより閉じることができる。閉じるボタンB1は、ウィンドウの右上隅の×マークを含むボタンである。主作業ウィンドウ6の配置数が2つから1つに減ったとき、ディスプレイ3の画面は図5から図4のように変化する。
【0044】
新たなウィンドウを副作業領域F2に配置すると判断したとき、制御部1は、新たなウィンドウを副作業領域F2に配置する。制御部1は、新たなウィンドウを副作業ウィンドウ7として表示する。ここで、副作業領域F2に複数のウィンドウを配置する場合、制御部1は、副作業ウィンドウ7ごとに、優先順位を定める。順位決定基準データ27に基づき、制御部1は、各副作業ウィンドウ7の優先順位を定める。
【0045】
なお、副作業ウィンドウ7の数が1つのみのとき、優先順位は定めなくてもよい。この場合、制御部1は、副作業領域F2に1つの副作業ウィンドウ7を表示させる。制御部1は、副作業ウィンドウ7のサイズを、副作業領域F2と同じサイズとしてもよい。言い換えると、副作業ウィンドウ7の数が1つのみのとき、制御部1は、最大サイズで副作業ウィンドウ7を表示させてもよい。
【0046】
図3は、順位決定基準データ27の一例を示す。順位決定基準データ27は、記憶部2にインストールされているアプリケーションごとに、副作業領域F2での優先順位を定めたテーブルデータである。このように、制御部1は、副作業ウィンドウ7に対応するアプリケーションに基づき、優先順位を定めてもよい。
【0047】
なお、複数の副作業ウィンドウ7が同じアプリケーションに対応している場合がある。言い換えると、同じアプリケーションに基づき、複数の副作業ウィンドウ7が表示される場合がある。この場合、制御部1は、同じアプリケーションの副作業ウィンドウ7のうち、表示開始からの経過時間が長いものほど優先順位を高くしてもよい。反対に、制御部1は、同じアプリケーションの副作業ウィンドウ7のうち、表示開始からの経過時間が短いものほど優先順位を高くしてもよい。入力デバイス4は、表示開始からの経過時間が長いほど優先順位を高くするか、又は、表示開始からの経過時間が短いほど優先順位を高くするかの選択を受け付けてもよい。選択に応じて、制御部1は、同じアプリケーションの副作業ウィンドウ7の優先順位を定める。
【0048】
副作業ウィンドウ7の配置数が2つ以上のとき、制御部1は、副作業領域F2を分割する。制御部1は、分割した1つの領域に1つの副作業ウィンドウ7を配置する。制御部1は、副作業ウィンドウ7のサイズを分割した領域と同じサイズとする。
【0049】
ここで、図6に示すように、制御部1は、副作業領域F2において、分割する領域のサイズに差を持たせてもよい。言い換えると、制御部1は、副作業ウィンドウ7のサイズに差を持たせてもよい。図6は、優先順位が1位の副作業ウィンドウ7に副作業領域F2の50%を割り当てる例を示す。図6の場合、副作業領域F2のうち、左側の領域が優先順位1位に割り当てられる第1位領域81である。副作業ウィンドウ7の配置数が2つ以上の間、制御部1は、第1位領域81のサイズと位置を固定する。制御部1は、第1位領域81と優先順位1位の副作業ウィンドウ7を同じサイズとする。
【0050】
また、図6は、優先順位が2位以下の副作業ウィンドウ7については、割り当てる領域のサイズを均等にする例を示す。なお、制御部1は、優先順位が低いほど、割り当てる領域のサイズを次第に小さくしてもよい。副作業ウィンドウ7の配置数が2つ以上のとき、制御部1は、副作業領域F2の第1位領域81以外の領域(下位用領域82)を分割する。制御部1は、副作業ウィンドウ7の配置数から1を減じた値で下位用領域82を均等に分割する。そして、制御部1は、下位用領域82を分割した1つの領域に、優先順位が2位以下のウィンドウを1つ配置する。例えば、制御部1は、優先順位が2位以下の副作業ウィンドウ7のうち、優先順位が高いものほど上に配置する。制御部1は、分割した下位用領域82の領域と、優先順位2位以下の副作業ウィンドウ7を同じサイズとする。
【0051】
図6の上側の図は、副作業ウィンドウ7の配置数が3の場合の表示画面の一例を示す。図6の下側の図は、副作業ウィンドウ7の配置数が4に変わった場合の表示画面の一例を示す。図6に示すように、制御部1は、第1位領域81のサイズ、位置を変えない。一方、副作業ウィンドウ7の数が変わったとき、制御部1は、下位用領域82の分割数、ウィンドウの位置、ウィンドウのサイズを変える。
【0052】
新たにウィンドウを副作業領域F2に配置するとき、又は、副作業ウィンドウ7を閉じたとき、表示済の各副作業ウィンドウ7の優先順位が変わる場合がある。制御部1は、変更後の優先順位にあわせて、副作業ウィンドウ7の位置とサイズを自動的に調整する。例えば、新たに表示する副作業ウィンドウ7の優先順位が1位の場合、制御部1は、新たに表示するウィンドウを第1位領域81に配置する。また、制御部1は、第1位領域81にあったウィンドウを下位用領域82に移動させる。
【0053】
一方、図7は、優先順位で副作業ウィンドウ7のサイズに差を設けない例を示す。制御部1は、副作業ウィンドウ7のサイズを均等にしてもよい。この場合、副作業領域F2の分割候補値が予め定められる。例えば、分割候補値は、正の2の倍数としてもよい。例えば、分割候補値は、2、4、6、8である。副作業領域F2の分割候補値の最大値が予め定められてもよい。例えば、副作業領域F2の分割候補値の最大値を8と定めてもよい。
【0054】
この場合、副作業ウィンドウ7の配置数に応じて、制御部1は、分割候補値の中から、副作業領域F2の分割数を選択する。制御部1は、副作業ウィンドウ7の配置数以上の分割候補値のうち、最小の分割候補値を選択する。例えば、副作業ウィンドウ7の配置数が3のとき、制御部1は、分割候補値の中から4を選択する(図7参照)。
【0055】
制御部1は、副作業ウィンドウ7の数が増減するごとに、分割候補値を選択する。制御部1は、新たに選択した分割候補値で副作業領域F2を均等に分割する。制御部1は、分割した1つの領域に1つの副作業ウィンドウ7を割り当てる。制御部1は、副作業ウィンドウ7のサイズを割り当てた領域と同じサイズとする。これにより、制御部1は、重ならないように、副作業領域F2にウィンドウを配置する。
【0056】
副作業領域F2を均等に分割する場合、副作業ウィンドウ7の優先順位に応じて、副作業ウィンドウ7の配置のルールが決まっていてもよい。例えば、制御部1は、Z字順で副作業ウィンドウ7を配置してもよい。また、入力デバイス4は、配置順の設定を受け付けてもよい。制御部1は、設定に基づき、均等分割された副作業領域F2のそれぞれに、1つの副作業ウィンドウ7を配置する。
【0057】
なお、入力デバイス4は、第1手法と、第2手法の選択を受け付ける。第1手法は、副作業ウィンドウ7のサイズに差を持たせる手法である。第2手法は、全ての副作業ウィンドウ7のサイズを均等に分割する手法である。制御部1は、選択された手法に基づき、副作業ウィンドウ7を表示させる。
【0058】
このように、制御部1は、重ならないように、副作業領域F2に副作業ウィンドウ7を配置する。副作業ウィンドウ7の配置数が変わるごとに(増減するごとに)、制御部1は、分割をやり直し、ウィンドウのサイズを調整する。
【0059】
具体的に、新たに表示するウィンドウを副作業領域F2に配置すると判定したとき、制御部1は、副作業ウィンドウ7の配置数を増やす。制御部1は、副作業領域F2の分割数を変更し、副作業ウィンドウ7のサイズ、位置を自動的に調整する。制御部1は、重ならないように、全ての副作業ウィンドウ7を副作業領域F2に配置する。
【0060】
副作業ウィンドウ7が閉じられたとき、副作業ウィンドウ7の配置数が減る。この場合も、制御部1は副作業領域F2の分割数を変更し、副作業ウィンドウ7のサイズ、位置を自動的に調整する。制御部1は、重ならないように各副作業ウィンドウ7を再配置する。
【0061】
(主作業ウィンドウ6を閉じたときの処理)
次に、図8を用いて、主作業ウィンドウ6を閉じたときの処理の一例を説明する。図8は、実施形態に係る主作業ウィンドウ6を閉じたときの処理の一例を示す図である。
【0062】
使用者は、ウィンドウの閉じるボタンB1を操作できる。例えば、使用者は、マウス42を用いて、閉じるボタンB1をクリックできる。このとき、制御部1は、閉じるボタンB1が操作されたウィンドウを閉じる(表示を消す)。主作業ウィンドウ6が閉じられた場合、副作業ウィンドウ7があるとき、制御部1は、副作業ウィンドウ7の何れか1つを主作業領域F1に移動させてもよい。このとき、制御部1は、移動させた副作業ウィンドウ7を副作業領域F2から消す。制御部1は、同じ内容のウィンドウを主作業領域F1と副作業領域F2で重複表示しない。
【0063】
制御部1は、副作業ウィンドウ7のうち、最も直近に操作されたウィンドウを主作業領域F1に移動させてもよい。または、制御部1は、副作業ウィンドウ7のうち、最も優先順位が高いウィンドウを主作業領域F1に移動させてもよい。
【0064】
入力デバイス4は、複数の副作業ウィンドウ7のなかから移動する副作業ウィンドウ7の選択基準の設定を受け付けてもよい。例えば、入力デバイス4は、最も直近に操作された副作業ウィンドウ7を移動するウィンドウとする設定を受け付けてもよい。また、入力デバイス4は、優先順位が1位の副作業ウィンドウ7を移動するウィンドウとする設定を受け付けてもよい。副作業ウィンドウ7が複数ある場合、入力デバイス4での設定に基づき、制御部1は、副作業ウィンドウ7の中から移動する副作業ウィンドウ7を1つ選択する。なお、副作業ウィンドウ7が1つのみの場合、制御部1は、その1つの副作業ウィンドウ7を主作業領域F1に移動させる。
【0065】
図8の上方の図は、主作業領域F1に1つの主作業ウィンドウ6を配置し、副作業領域F2に4つの副作業ウィンドウ7を配置している例を示す。図8の上の図は、主作業ウィンドウ6の閉じるボタンB1が操作されたことを示す。
【0066】
図8の下方の図は、主作業ウィンドウ6が閉じられたことに応じて、1つの副作業ウィンドウ7が主作業領域F1に自動的に移動した例を示す。なお、図8の下方の図に示すように、副作業ウィンドウ7の移動によって副作業ウィンドウ7の配置数が減ったとき、制御部1は、副作業ウィンドウ7のサイズ、位置を自動的に調整する。
【0067】
なお、主作業ウィンドウ6が閉じられた場合、制御部1は、副作業ウィンドウ7の何れか1つを主作業領域F1に移動しないようにしてもよい。そこで、入力デバイス4は、主作業ウィンドウ6が閉じられた場合、副作業ウィンドウ7の何れか1つを主作業領域F1に移動するか否かの選択を受け付けてもよい。この場合、移動する選択の場合には、主作業ウィンドウ6が閉じられたとき、制御部1は、副作業ウィンドウ7の何れか1つを主作業領域F1に移動する。移動しない選択の場合には、主作業ウィンドウ6が閉じられても、制御部1は、副作業ウィンドウ7を主作業領域F1に移動しない。
【0068】
(主作業ウィンドウ6と副作業ウィンドウ7の入れ替え)
図9を用いて、実施形態に係る主作業ウィンドウ6と副作業ウィンドウ7の入れ替えの一例を説明する。図9は実施形態に係るウィンドウ入れ替えの一例を示す図である。
【0069】
入力デバイス4は、主作業ウィンドウ6と副作業ウィンドウ7の入れ替え操作を受け付ける。どのような操作を入れ替え操作とするかは、適宜定めることができる。例えば、キーボード41のCtrlキーを押しつつ主作業ウィンドウ6をクリックして指定した後、Ctrlキーを押したまま副作業ウィンドウ7をクリックして指定する操作を入れ替え操作とすることができる。入れ替え操作でのクリックはダブルクリックでもよい。制御部1は、操作された(指定された)主作業ウィンドウ6と副作業ウィンドウ7を認識する。
【0070】
入れ替え操作がなされたとき、制御部1は、操作された主作業ウィンドウ6と操作された副作業ウィンドウ7を入れ替える。図9は、主作業ウィンドウ6と副作業ウィンドウ7の入れ替えの一例を示す。図9の上の図は、1つの主作業ウィンドウ6を入れ替え対象として指定する例を示す。また、図9の上の図は、3つの副作業ウィンドウ7のうち、右上の副作業ウィンドウ7を入れ替え対象として指定する例を示す。
【0071】
図9の下の図は、主作業ウィンドウ6と副作業ウィンドウ7の入れ替え後の状態の一例を示す。制御部1は、入れ替え指定された主作業ウィンドウ6を主作業領域F1から消し、副作業領域F2に移動させる。制御部1は、入れ替え指定された主作業ウィンドウ6のサイズを入れ替え指定された副作業ウィンドウ7と同じサイズとする。また、制御部1は、入れ替え指定された主作業ウィンドウ6を、入れ替え指定された副作業ウィンドウ7と同じ位置に新たに配置する。
【0072】
また、制御部1は、入れ替え指定された副作業ウィンドウ7を副作業領域F2から消し、主作業領域F1に移動させる。制御部1は、入れ替え指定された副作業ウィンドウ7のサイズを入れ替え指定された主作業ウィンドウ6と同じサイズとする。また、制御部1は、入れ替え指定された副作業ウィンドウ7を、入れ替え指定された主作業ウィンドウ6と同じ位置に新たに配置する。
【0073】
(ウィンドウのスクロールの同期)
次に、図10を用いて、実施形態に係るウィンドウのスクロールの同期の一例を説明する。図10は、実施形態に係る同期スクロールの一例を示す図である。
【0074】
各ウィンドウでは、内容(ページ)をスクロールすることができる。例えば、ウィンドウ内に、ウィンドウの内容の全てが表示されていないとき、スクロールが行うことができる。入力デバイス4はスクロール操作を受け付ける。例えば、使用者はマウス42を用いて、ウィンドウに設けられたスクロールバーを操作する。使用者はキーボード41の矢印キーを操作してもよい。これらの操作により、ウィンドウの表示内容をスクロールすることができる。
【0075】
同じアプリケーションのウィンドウが複数表示される場合がある。例えば、主作業ウィンドウ6のアプリケーションと同じアプリケーションのウィンドウが副作業領域F2に配置される場合がある。制御部1は、各ウィンドウの上辺のバーに、同期スクロールボタンB2を含める。図10の例では、同期スクロールボタンB2は、下向き矢印を含む四角形の画像である。
【0076】
同期スクロールボタンB2を操作して、同期スクロールの有効無効を設定することができる。例えば、使用者は、マウス42で同期スクロールボタンB2をクリックし、有効無効を設定する。図10の例では、白抜矢印状態は同期スクロールが無効である状態を示す。塗りつぶし矢印は、同期スクロールが有効である状態を示す。
【0077】
同期スクロールが有効な1つのウィンドウでスクロールがなされたとき、制御部1は、同期スクロールが有効な他のウィンドウであってアプリケーションが同じウィンドウを、同じ方向にスクロールさせる。同期するウィンドウでのスクロール量は、ウィンドウのサイズの比率に基づく。
【0078】
具体的に、縦方向のスクロールの場合、制御部1は、同期スクロールが有効な各ウィンドウの縦方向のサイズを認識する。スクロールの操作がなされたウィンドウの縦方向のスクロール量をA1とする。スクロールの操作がなされたウィンドウの縦方向のサイズをW1とする。同期させるウィンドウでのスクロール量をA2とする。同期させるウィンドウの縦方向のサイズをW2とする。この場合、A2は以下の式で表される。
A2=A1×W2/W1
【0079】
図10は、同期スクロールの一例を示す。図10の上方の図は、主作業領域F1の上側の主作業ウィンドウ6と、副作業領域F2の上側の副作業ウィンドウ7の同期スクロールを有効にする操作がなされた状態を示す。
【0080】
図10の下側の図は、主作業領域F1の上側の主作業ウィンドウ6のスクロールに同期して、制御部1が副作業領域F2の上側の副作業ウィンドウ7をスクロールさせた状態の一例を示す。同期スクロールが有効な何れか1つのウィンドウで画面のスクロールがなされたとき、制御部1は、同期スクロールが有効の他のウィンドウも同じ方向にスクロールさせる。
【0081】
制御部1は、主作業ウィンドウ6と、主作業ウィンドウ6と同じアプリケーションの副作業ウィンドウ7の間でのみ、同期スクロールを行うようにしてもよい。スクロール操作がなされたウィンドウが主作業ウィンドウ6か副作業ウィンドウ7かを問わず、制御部1は同期スクロールを行うようにしてもよい。例えば、制御部1は、副作業ウィンドウ7でのスクロールに同期させて、他の副作業ウィンドウ7を自動的にスクロールさせてもよい。また、制御部1は、1つの主作業ウィンドウ6でのスクロールに同期させて、他の主作業ウィンドウ6を自動的にスクロールさせてもよい。
【0082】
このようにして、実施形態に係る情報処理装置100は、ディスプレイ3、入力デバイス4、制御部1を含む。入力デバイス4は操作を受け付ける。制御部1はディスプレイ3の表示を制御する。制御部1は、ディスプレイ3の表示領域を主作業領域F1と副作業領域F2に分割する。制御部1は、新たに表示するウィンドウを主作業領域F1と副作業領域F2の何れに配置するかを定める。制御部1は主作業領域F1に配置すると定めたウィンドウを、他のウィンドウと重ならないように主作業ウィンドウ6として主作業領域F1内に表示させる。制御部1は副作業領域F2に配置すると定めたウィンドウを、他のウィンドウと重ならないように、副作業ウィンドウ7として副作業領域F2内に表示させる。
【0083】
ウィンドウ同士が重ならないように、各ウィンドウを自動的に配置することができる。ウィンドウの重なりを解消するためのウィンドウの位置、サイズの調整作業を行わなくてすむ。煩わしい調整作業をしなくてすむようになる。使い勝手のよい情報処理装置100を提供することができる。また、新たに表示するウィンドウを主作業領域F1と副作業領域F2の何れかに自動的に振り分けることができる。主作業領域F1と副作業領域F2のいずれに配置するかが自動的に判定される。新たなウィンドウを適切な位置に自動的に表示させることができる。新たに表示されたウィンドウの位置を変えなくて済む。
【0084】
入力デバイス4は、表示領域内での主作業領域F1と副作業領域F2の位置とサイズの設定を受け付ける。制御部1は、入力デバイス4で設定された位置とサイズの主作業領域F1と副作業領域F2をディスプレイ3に表示させる。主作業領域F1と副作業領域F2のサイズを所望の大きさに設定することができる。また、主作業領域F1と副作業領域F2を所望の位置に設定することができる。
【0085】
制御部1は、新たに表示するウィンドウに対応するアプリケーションを認識する。認識したアプリケーションの種類に基づき、制御部1は、新たに表示するウィンドウを主作業領域F1と副作業領域F2の何れに配置するかを定める。アプリケーションの種類に応じて、新たに表示するウィンドウを主作業領域F1と副作業領域F2の何れに配置するかを判定することができる。例えば、業務上、メインで使用しないアプリケーションに対応するウィンドウを必ず副作業領域F2に配置することができる。
【0086】
主作業ウィンドウ6の配置数が予め定められた上限値28に到達しているとき、制御部1は、新たに表示するウィンドウを副作業領域F2に配置すると定める。主作業ウィンドウ6の配置数を制限することができる。主作業ウィンドウ6の数が多くなり、1つあたりの主作業ウィンドウ6のサイズが小さくなりすぎることを防ぐことができる。
【0087】
入力デバイス4は、上限値28の設定を受け付ける。主作業ウィンドウ6の配置数の上限値28を設定することができる。主作業ウィンドウ6の数の上限を所望の値に設定することができる。
【0088】
主作業ウィンドウ6の配置数を変更した場合、変更後の主作業ウィンドウ6の配置数が1つ以上のとき、制御部1は、主作業領域F1で空き領域が生じないように、主作業ウィンドウ6のサイズと位置を自動的に調整する。できるだけ大きくなるように、主作業ウィンドウ6のサイズを自動的に調整することができる。重ならないように主作業ウィンドウ6のサイズを最大化することができる。使用者が満足するように、主作業ウィンドウ6のサイズと位置を調整することができる。使用者は煩わしい調整作業をしなくてすむ。
【0089】
主作業ウィンドウ6のサイズと位置を自動的に調整するとき、制御部1は、配置する主作業ウィンドウ6の数で主作業領域F1を均等に分割する。制御部1は、分割したそれぞれの領域に、主作業ウィンドウ6を1つ配置する。各主作業ウィンドウ6のサイズを自動的に均等にすることができる。
【0090】
入力デバイス4はウィンドウを閉じる操作を受け付ける。主作業ウィンドウ6が閉じられた場合、副作業ウィンドウ7があるとき、制御部1は、副作業ウィンドウ7の何れか1つを主作業領域F1に移動し、主作業領域F1に移動させた副作業ウィンドウ7を副作業領域F2から消す。主作業ウィンドウ6の1つが閉じられたとき、副作業ウィンドウ7の1つを自動的に主作業領域F1に移動することができる。移動のための操作を行わなくても、副作業領域F2のウィンドウを主作業領域F1に自動的に再配置することができる。
【0091】
副作業ウィンドウ7の配置数を変更した場合、変更後の副作業ウィンドウ7の配置数が1つ以上のとき、制御部1は、副作業領域F2が重ならないように、副作業ウィンドウ7のサイズと位置を自動的に調整する。副作業ウィンドウ7の数が変わっても、重ならないように、副作業ウィンドウ7の位置を自動的に調整することができる。また、無駄な空き領域ができないように、副作業ウィンドウ7のサイズを自動的に調整することができる。使用者が満足するように、副作業ウィンドウ7のサイズと位置を調整することができる。使用者は、煩わしい調整作業をしなくてすむ。
【0092】
副作業領域F2に複数の副作業ウィンドウ7を表示するとき、制御部1は、副作業ウィンドウ7のそれぞれについて優先順位を定める。制御部1は、優先順位が最も高い副作業ウィンドウ7のサイズを、副作業領域F2の他のウィンドウのサイズよりも大きくする。優先順位(重要度)が高い副作業ウィンドウ7のサイズを、他の副作業ウィンドウ7よりも自動的に大きくすることができる。優先順位の高い副作業ウィンドウ7を見やすいサイズに自動的にすることができる。
【0093】
入力デバイス4は、ウィンドウを閉じる操作を受け付ける。副作業ウィンドウ7を表示している状態で主作業ウィンドウ6が閉じられたとき、制御部1は、優先順位が最も高い副作業ウィンドウ7を主作業領域F1に表示させる。制御部1は、移動した副作業ウィンドウ7を副作業領域F2から消す。主作業領域F1が空いたとき、最も優先順位が高い副作業ウィンドウ7を主作業領域F1に自動的に移動することができる。
【0094】
入力デバイス4は、主作業ウィンドウ6が閉じられたときに副作業ウィンドウ7を移動するか否かの選択を受け付ける。移動する選択がなされているとき、制御部1は、優先順位が最も高い副作業ウィンドウ7を主作業領域F1に移動する。移動しない選択がなされているとき、主作業ウィンドウ6が閉じられても、制御部1は、副作業ウィンドウ7を主作業領域F1に移動しない。副作業ウィンドウ7を主作業領域F1に移動するか否かを選択することができる。希望する場合にのみ、副作業ウィンドウ7を主作業領域F1に自動的に移動することができる。希望しない場合には、副作業ウィンドウ7を主作業領域F1に自動的に移動しないようにすることができる。
【0095】
予め定められた優先順位の決定基準に基づき、制御部1は、それぞれの副作業ウィンドウ7の優先順位を定める。入力デバイス4は、決定基準の設定を受け付ける。使用者が副作業ウィンドウ7の優先順位の決定基準を定めることができる。例えば、特定のソフトウェア(アプリケーション)のウィンドウの優先順位を高くすることができる。例えば、使用者がよく用いるアプリケーションのウィンドウの優先順位を高くすることができる。
【0096】
入力デバイス4は、主作業ウィンドウ6と副作業ウィンドウ7の入れ替え操作を受け付ける。制御部1は、入れ替え操作がなされた主作業ウィンドウ6を副作業領域F2に新たにに表示させるとともに、主作業領域F1から消す。制御部1は、入れ替え操作がなされた副作業ウィンドウ7を副作業領域F2に新たに表示させるとともに、副作業領域F2から消す。所望の主作業ウィンドウ6と、所望の副作業ウィンドウ7を容易に入れ替えることができる。作業状況にあわせ、主作業ウィンドウ6と副作業ウィンドウ7を、自由に、かつ、簡単にスイッチすることができる。
【0097】
入力デバイス4は、同期スクロールを有効とする複数のウィンドウの選択を受け付ける。同期スクロールが有効な何れか1つのウィンドウで画面のスクロールがなされたとき、制御部1は、同期スクロールが有効の他のウィンドウも同じ方向にスクロールさせる。選択したウィンドウを同期スクロールさせることができる。ファイルの訂正やチェックの時にそれぞれのウィンドウを個別にスクロールしなくて済む。ファイルの内容を見比べるときに便利である。
【0098】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明は、複数のウィンドウを表示する情報処理装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0100】
100 情報処理装置 1 制御部
28 上限値 3 ディスプレイ
4 入力デバイス 6 主作業ウィンドウ
7 副作業ウィンドウ F1 主作業領域
F2 副作業領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10