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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-07
(45)【発行日】2023-08-16
(54)【発明の名称】内燃機関の制御装置
(51)【国際特許分類】
   F02D 41/14 20060101AFI20230808BHJP
   F02D 41/34 20060101ALI20230808BHJP
   F02D 45/00 20060101ALI20230808BHJP
【FI】
F02D41/14
F02D41/34
F02D45/00 362
F02D45/00 364A
F02D45/00 364G
F02D45/00 366
F02D45/00 372
F02D45/00 376
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019200940
(22)【出願日】2019-11-05
(65)【公開番号】P2021076027
(43)【公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-02-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】境野 誠
(72)【発明者】
【氏名】上田 松栄
(72)【発明者】
【氏名】池田 太郎
(72)【発明者】
【氏名】森安 竜大
【審査官】戸田 耕太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-042661(JP,A)
【文献】特開2018-204549(JP,A)
【文献】特開2004-183568(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02D 41/14
F02D 41/34
F02D 45/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インジェクタから噴射する燃料量を制御してディーゼルエンジンを制御する内燃機関の制御装置であって、
前記ディーゼルエンジンの吸気経路には、前記ディーゼルエンジンの吸気量を計測する吸気量検出手段と、前記ディーゼルエンジンの前記吸気量を調整可能な吸気量調整手段であるスロットルバルブと、が設けられており、
エンジン回転数とアクセルペダル踏込量とに応じた要求トルクが設定された要求トルク特性と、
前記要求トルクに応じた要求ベース噴射量が設定された要求ベース噴射量特性、または、前記要求トルクから前記要求ベース噴射量を算出する演算式と、
燃料噴射量と前記エンジン回転数とに基づいて求めたエンジン負荷と、前記エンジン回転数とに応じた、より高出力を所望する領域である燃焼切替領域が設定された燃焼領域特性と、
が記憶された記憶手段を有し、
前記制御装置は、
前記ディーゼルエンジンの空燃比であるA/Fと、前記吸気量と、前記スロットルバルブの開度であるスロットルバルブ開度と、前記エンジン回転数と、前記アクセルペダル踏込量と、を含む運転状態を検出する運転状態検出部と、
前記エンジン回転数と前記アクセルペダル踏込量と前記要求トルク特性とに基づいて前記要求トルクを求め、求めた前記要求トルクと、前記要求ベース噴射量特性または前記演算式と、に基づいて前記要求ベース噴射量を算出する要求ベース噴射量算出部と、
を有し、
前記エンジン負荷と前記エンジン回転数の双方が、前記燃焼領域特性に設定された前記燃焼切替領域内である場合は、
前記エンジン負荷または前記燃料噴射量と、前記エンジン回転数と、に応じて設定された目標A/F、あるいは、ほぼ理論空燃比に設定された目標A/Fを求め
検出した実際のA/Fである実A/Fが前記目標A/Fに近づくように前記吸気量調整手段である前記スロットルバルブの開度を制御して前記吸気量を徐々に絞り、
前記エンジン負荷あるいは前記エンジン回転数が、前記燃焼領域特性に設定された前記燃焼切替領域内でない、あるいは、前記吸気量が予め設定した吸気量閾値以下でない場合は、
前記要求ベース噴射量を、前記インジェクタから噴射する最終噴射量に設定し、
前記エンジン負荷と前記エンジン回転数の双方が、前記燃焼領域特性に設定された前記燃焼切替領域内であり、かつ、前記吸気量が前記吸気量閾値以下である場合は、
空燃比に関連する量である空燃比関連量に応じた、トルク発生率に関連する量であるトルク発生率関連量が、曲線で表現される空燃比関連量・トルク発生率関連量特性と前記吸気量/総噴射量とに基づいた前記トルク発生率関連量と、前記総噴射量と、の積が前記要求ベース噴射量であることから、前記要求ベース噴射量から増量した前記総噴射量を算出し、算出した前記総噴射量を、前記インジェクタから噴射する前記最終噴射量に設定することで、前記吸気量を徐々に絞ったことで発生するトルクダウンを未然に防止する、
内燃機関の制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の内燃機関の制御装置であって、
前記曲線で表現される前記空燃比関連量・トルク発生率関連量特性は、2次曲線で表現されている、
内燃機関の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関の一つであるディーゼルエンジンでは、例えば排気ガスの浄化率をより向上させるために、運転状態に応じたEGR量の調整等、種々の制御を同時に行っており、これらの制御に応じて、要求トルクに対して実トルクが不足する種々の場合が存在する。特に、内燃機関を搭載した車両では、要求トルクに対して実トルクが不足した場合、運転者はトルク不足を体感して違和感を抱くので、好ましくない。
【0003】
ディーゼルエンジンでは、一般的に、燃料量に対して空気量が過剰なリーン状態の空燃比で燃料の噴射量が制御されているが、理論空燃比に近づけて制御することで、低い過給圧でより高出力を得ることができる。特定の運転領域内で、リーン状態の空燃比を理論空燃比に近づけるように空燃比(Air/Fuel:A/F)を調整するとき、要求トルクに応じた燃料量を変えずに吸入空気量を低減して空燃比をリーン状態から理論空燃比に近づけていくと、空気量の低減に伴うトルクダウン量が徐々に大きくなり、要求トルクと実トルクとの差が徐々に大きくなっていく。
【0004】
例えば特許文献1には、軽油または軽油と他の燃料との混合燃料を圧縮着火させる内燃機関の制御装置において、各気筒内に筒圧センサ(筒内圧センサ)を設け、アクセル開度とエンジン回転数に基づいて算出した要求トルクと、筒圧センサ(筒内圧センサ)を用いて検出した実際のトルクである実トルク(実瞬時トルク)と、の差に基づいて、筒内に供給する燃料量とその供給時期、及びEGR量を制御する、内燃機関の制御装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2010-38012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、各気筒内の燃焼室上面やグロープラグに筒内圧センサを配置して気筒毎の筒内圧から実トルクを検出している。しかし、各気筒に筒内圧センサを配置することは、困難であるとともに、燃焼室内で高温高圧にさらされる筒内圧センサの劣化に伴う補正や、筒内圧センサの個体差の補正などが必要であり、制御が非常に複雑となるので、あまり好ましくない。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、各気筒内に筒内圧センサを配置する必要がなく、よりシンプルかつ容易な構成にて、要求トルクと実トルクとの差を適切に低減させることができる、内燃機関の制御装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、第1の発明は、インジェクタから噴射する燃料量を制御してディーゼルエンジンを制御する内燃機関の制御装置であって、前記ディーゼルエンジンの吸気経路には、前記ディーゼルエンジンの吸気量を計測する吸気量検出手段と、前記ディーゼルエンジンの前記吸気量を調整可能な吸気量調整手段であるスロットルバルブと、が設けられている。また、エンジン回転数とアクセルペダル踏込量とに応じた要求トルクが設定された要求トルク特性と、前記要求トルクに応じた要求ベース噴射量が設定された要求ベース噴射量特性、または、前記要求トルクから前記要求ベース噴射量を算出する演算式と、燃料噴射量と前記エンジン回転数とに基づいて求めたエンジン負荷と、前記エンジン回転数とに応じた、より高出力を所望する領域である燃焼切替領域が設定された燃焼領域特性と、が記憶された記憶手段を有している。そして、前記制御装置は、前記ディーゼルエンジンの空燃比であるA/Fと、前記吸気量と、前記スロットルバルブの開度であるスロットルバルブ開度と、前記エンジン回転数と、前記アクセルペダル踏込量と、を含む運転状態を検出する運転状態検出部と、前記エンジン回転数と前記アクセルペダル踏込量と前記要求トルク特性とに基づいて前記要求トルクを求め、求めた前記要求トルクと、前記要求ベース噴射量特性または前記演算式と、に基づいて前記要求ベース噴射量を算出する要求ベース噴射量算出部と、を有する。そして、前記エンジン負荷と前記エンジン回転数の双方が、前記燃焼領域特性に設定された前記燃焼切替領域内である場合は、前記エンジン負荷または前記燃料噴射量と、前記エンジン回転数と、に応じて設定された目標A/F、あるいは、ほぼ理論空燃比に設定された目標A/F、を求め、検出した実際のA/Fである実A/Fが前記目標A/Fに近づくように前記吸気量調整手段である前記スロットルバルブの開度を制御して前記吸気量を徐々に絞り、前記エンジン負荷あるいは前記エンジン回転数が、前記燃焼領域特性に設定された前記燃焼切替領域内でない、あるいは、前記吸気量が予め設定した吸気量閾値以下でない場合は、前記要求ベース噴射量を、前記インジェクタから噴射する最終噴射量に設定し、前記エンジン負荷と前記エンジン回転数の双方が、前記燃焼領域特性に設定された前記燃焼切替領域内であり、かつ、前記吸気量が前記吸気量閾値以下である場合は、空燃比に関連する量である空燃比関連量に応じた、トルク発生率に関連する量であるトルク発生率関連量が、曲線で表現される空燃比関連量・トルク発生率関連量特性と前記吸気量/総噴射量とに基づいた前記トルク発生率関連量と、前記総噴射量と、の積が前記要求ベース噴射量であることから、前記要求ベース噴射量から増量した前記総噴射量を算出し、算出した前記総噴射量を、前記インジェクタから噴射する前記最終噴射量に設定することで、前記吸気量を徐々に絞ったことで発生するトルクダウンを未然に防止する、内燃機関の制御装置である。
【0009】
次に、第2の発明は、上記第1の発明に係る内燃機関の制御装置であって、前記曲線で表現される前記空燃比関連量・トルク発生率関連量特性は、2次曲線で表現されている、内燃機関の制御装置である。
【発明の効果】
【0010】
第1の発明によれば、一般的にリーン状態で制御されているA/F(空燃比)を、空燃比制御条件を満足する場合では、リーン状態から目標A/F(例えば理論空燃比)に近づける。その際、吸気量調整手段を用いて吸気量を徐々に絞ってリーン状態から目標A/Fに近づけるが、燃料量を調整することなく要求ベース噴射量を維持した場合、吸気量の低減に伴うトルクダウンが発生する。このトルクダウンの発生を予測し、予測したトルクダウンを未然に防止する最終噴射量を、要求ベース噴射量と吸気量に基づいて算出する。従って、各気筒内に筒内圧センサを配置する必要がなく、よりシンプルかつ容易な構成にて、要求トルクと実トルクとの差を適切に低減させることができる。
【0011】
第1の発明によれば、空燃比関連量・トルク発生率関連量特性に基づいたパラメータと、要求ベース噴射量と、吸気量と、に基づいて適切な最終噴射量を比較的容易に求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の内燃機関の制御装置を適用したディーゼルエンジンシステムの構成の例を説明する図である。
図2】内燃機関の制御装置の処理手順[全体処理]の例を説明するフローチャートである。
図3図2に示すフローチャートの[燃焼切替フラグの設定処理]の詳細を説明するフローチャートである。
図4図3に示すフローチャートにおける「燃焼切替領域」の例を説明する図である。
図5図2に示すフローチャートの[最終噴射量の算出処理]の詳細を説明するフローチャートである。
図6】空燃比関連量・トルク発生率関連量特性の例である空燃比・トルク発生率特性の図である。
図7図2に示すフローチャートの「吸気量調整処理」の詳細を説明するフローチャートである。
図8】制御装置が図2に示すフローチャートの処理を実行した場合の動作波形の例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に本発明を実施するための形態を図面を用いて説明する。まず図1を用いて、本発明である内燃機関の制御装置(以降、制御装置50と記載する)を有するディーゼルエンジンシステム1の全体構成について説明する。本実施の形態の説明では、内燃機関としてのディーゼルエンジンが搭載された車両の例を用いて説明する。
【0014】
●[ディーゼルエンジンシステム1の全体構成の例(図1)]
図1を用いて、制御装置50(内燃機関の制御装置)を有するディーゼルエンジンシステム1の全体構成について、吸気側から排気側に向かって順に説明する。なお、吸気管11A、11B、吸気マニホルド11Cにて吸気経路が形成され、排気マニホルド12A、排気管12Bにて排気経路が形成されている。
【0015】
吸気管11Aの流入側には、吸気量検出手段21(例えば、吸気量センサ)が設けられている。吸気量検出手段21は、内燃機関10(ディーゼルエンジン)が吸入した吸気の流量に応じた検出信号を制御装置50に出力する。また吸気量検出手段21には、吸気温度検出手段28A(例えば、温度センサ)が設けられている。吸気温度検出手段28Aは、吸気量検出手段21を通過する吸気の温度(外気温度)に応じた検出信号を制御装置50に出力する。
【0016】
吸気管11Aの流出側は、スロットル装置47の流入側に接続されている。そしてスロットル装置47の流出側は、吸気管11Bの流入側に接続されている。
【0017】
スロットル装置47は、制御装置50からの制御信号に基づいて吸気管11B(吸気管11A)の開度を調整するスロットルバルブ47Vを駆動し、吸気量を調整可能である。制御装置50は、スロットル開度検出手段47S(例えば、スロットル開度センサ)からの検出信号と目標スロットル開度に基づいて、スロットル装置47に制御信号を出力して吸気管11B(吸気管11A)に設けられたスロットルバルブ47Vの開度を調整可能である。ディーゼルエンジンシステム1では、制御装置50は、通常時ではスロットルバルブ47Vを全開となるように制御する。
【0018】
アクセルペダル踏込量検出手段25は、例えばアクセルペダル踏込角度センサであり、アクセルペダルに設けられている。制御装置50は、アクセルペダル踏込量検出手段25からの検出信号に基づいて、運転者によるアクセルペダルの踏込量を検出することが可能である。
【0019】
吸気管11Bの下流側は、吸気マニホルド11Cの流入側に接続されている。吸気マニホルド11Cの流出側は内燃機関10の流入側に接続されている。
【0020】
内燃機関10は複数のシリンダ45Aを有しており、インジェクタ43Aが、それぞれのシリンダに設けられている。インジェクタ43Aには、コモンレール(図示省略)を介して燃料が供給されており、インジェクタ43Aは、制御装置50からの制御信号によって駆動され、それぞれのシリンダ45A内に燃料を噴射する。
【0021】
内燃機関10には、回転検出手段22、クーラント温度検出手段28C等が設けられている。回転検出手段22は、例えば回転センサであり、内燃機関10のクランクシャフトの回転数(すなわち、エンジン回転数)に応じた検出信号を制御装置50に出力する。クーラント温度検出手段28Cは、例えば温度センサであり、内燃機関10内に循環されている冷却用クーラントの温度を検出し、検出した温度に応じた検出信号を制御装置50に出力する。
【0022】
内燃機関10の排気側には排気マニホルド12Aの流入側が接続され、排気マニホルド12Aの流出側には排気管12Bの流入側が接続されている。排気管12Bの流出側は排気浄化装置60の流入側に接続されている。図示省略するが、内燃機関10はディーゼルエンジンであるので、排気浄化装置60には、酸化触媒、微粒子捕集フィルタ(Diesel Particulate Filter)、選択式還元触媒等が含まれている。
【0023】
排気管12Bには、A/F検出手段26、排気温度検出手段29Aが設けられている。A/F検出手段26は、例えば空燃比センサであり、排気ガスから検出した空燃比に応じた検出信号を制御装置50に出力する。また排気温度検出手段29Aは、例えば排気温度センサであり、排気温度に応じた検出信号を制御装置50に出力する。なお、後述するようにA/Fを吸気量と最終噴射量に基づいて算出する場合では、A/F検出手段26を省略してもよい。
【0024】
制御装置50は、CPU51、RAM52、記憶手段53、EEPROM54、タイマ55等を有している。RAM52、記憶手段53、EEPROM54、タイマ55等は、各種のバスにてCPU51と接続されている。記憶手段53は、例えばFlashROM等の記憶装置であり、後述する処理を実行するためのプログラムやデータ等が記憶されている。またCPU51は、後述する運転状態検出部51A、要求ベース噴射量算出部51B、目標A/F算出部51C、吸気量調整部51D、最終噴射量算出部51E等を有している。
【0025】
制御装置50は、上記のインジェクタ43A、スロットル装置47を含めた各種のアクチュエータを制御する。そして制御装置50は、図1に示す各検出手段や各アクチュエータに限定されず、上記の検出手段を含めた各種の検出手段からの検出信号や、各アクチュエータの制御状態に基づいて、内燃機関10の運転状態を検出可能である。
【0026】
●[制御装置50の処理手順(図2図8)]
以下、制御装置50(CPU51)の処理手順について説明する。本実施の形態では、内燃機関の運転状態が、燃焼切替領域(図4参照)を含む空燃比制御条件を満足する場合に、リーン状態の空燃比を目標A/F(例えば理論空燃比)となるように吸気量を絞りながら燃料噴射量を補正して、トルクダウンを未然に防止する。そして本実施の形態では、A/F(空燃比)を、A/F検出手段26を用いて検出、あるいは吸気量と最終噴射量に基づいて算出する。制御装置50は、所定時間間隔(例えば数[ms]~数10[ms]間隔)、または所定クランク角度回転する毎(例えばクランクシャフトが180[°]回転する毎)にて、図2に示す処理を起動し、ステップS010に処理を進める。
【0027】
ステップS010にて制御装置50は、内燃機関10の運転状態を検出してステップS015に処理を進める。具体的には、制御装置50は、吸気量検出手段21からの検出信号に基づいて吸気量を検出し、吸気温度検出手段28Aからの検出信号に基づいて吸気温度を検出し、スロットル開度検出手段47Sからの検出信号に基づいてスロットルバルブ47Vの開度を検出する。また制御装置50は、回転検出手段22からの検出信号に基づいて内燃機関10の回転数を検出し、クーラント温度検出手段28Cからの検出信号に基づいてクーラント温度を検出する。また制御装置50は、排気温度検出手段29Aからの検出信号に基づいて排気温度を検出する。また制御装置50は、アクセルペダル踏込量検出手段25からの検出信号に基づいてアクセルペダルの踏込量を検出する。また制御装置50は、自身がインジェクタ43Aから噴射している燃料量(最終噴射量)を検出する。またA/F検出手段26を有している場合、制御装置50は、A/F検出手段26からの検出信号に基づいて実際の空燃比である実A/Fを検出し、A/F検出手段26を有していない場合、制御装置50は、検出した吸気量と自身が算出した最終噴射量とに基づいて実A/Fを算出する。そして制御装置50は、検出したそれぞれの運転状態を記憶する。
【0028】
ステップS010の処理を実行している制御装置50(CPU51)は、内燃機関10(ディーゼルエンジン)の空燃比であるA/Fを含む運転状態を検出する運転状態検出部51A(図1参照)に相当している。
【0029】
ステップS015にて制御装置50は、検出した運転状態に基づいて要求トルクを求め、求めた要求トルクに応じた燃料噴射量(要求噴射量)である要求ベース噴射量を求め、ステップS020に処理を進める。例えば制御装置50の記憶手段には、エンジン回転数とアクセルペダル踏込量に応じた要求トルクが設定された要求トルク特性が記憶されており、制御装置50は、検出したエンジン回転数とアクセルペダル踏込量と、記憶している要求トルク特性と、に基づいて要求トルクを求める。また例えば制御装置50の記憶手段には、要求トルクに応じた要求ベース噴射量が設定された要求ベース噴射量特性、または要求トルクから要求ベース噴射量を算出する演算式等が記憶されており、制御装置50は、要求トルクと要求ベース噴射量特性(または演算式)に基づいて要求ベース噴射量を求めて記憶する。なお、エンジン回転数とアクセルペダル踏込量に基づいて要求ベース噴射量を求めるようにしてもよい。
【0030】
ステップS015の処理を実行している制御装置50(CPU51)は、運転状態に基づいて求めた要求トルクを満足する燃料噴射量(要求噴射量)である要求ベース噴射量を算出する要求ベース噴射量算出部51B(図1参照)に相当している。
【0031】
ステップS020にて制御装置50は、処理S100[燃焼切替フラグの設定処理]を実行してステップS030に処理を進める。なお処理S100[燃焼切替フラグの設定処理]の詳細については後述する。
【0032】
ステップS030にて制御装置50は、処理S200[最終噴射量の算出処理]を実行してステップS050に処理を進める。なお処理S200[最終噴射量の算出処理]の詳細については後述する。
【0033】
ステップS050にて制御装置50は、処理S400[吸気量調整処理]を実行して。図2に示す処理を終了する。なお処理S400[吸気量調整処理]の詳細については後述する。
【0034】
●[処理S100:燃焼切替フラグの設定処理(図3図4)]
次に図3図4を用いて処理S100[燃焼切替フラグの設定処理]の詳細について説明する。図2に示すステップS020にて処理S100を実行する際、制御装置50は、図3に示すステップS110へ処理を進める。
【0035】
ステップS110にて制御装置50は、検出した運転状態が、予め記憶手段に記憶されている燃焼領域特性に設定されている燃焼切替領域内であるか否かを判定し、運転状態が燃焼切替領域内である場合(Yes)はステップS120に処理を進め、運転状態が燃焼切替領域内でない場合(No)はステップS130Bに処理を進める。例えば、制御装置50の記憶手段には、図4に示すように、エンジン回転数と、負荷(例えば、燃料噴射量とエンジン回転数からマップ等を用いて求めた負荷)と、に応じた燃焼切替領域が設定された燃焼領域特性が記憶されている。制御装置50は、検出したエンジン回転数及び負荷と、記憶手段に記憶されている燃焼領域特性と、に基づいて、現在のエンジン回転数及び負荷が燃焼切替領域内であるか否かを判定する。例えば、燃焼切替領域は、ディーゼルエンジンの燃焼制御状態を、燃料量に対して空気量が過剰であるリーン状態から理論空燃比に近い燃焼制御状態へと切り替える領域であり、より高出力を所望する領域である。燃焼切替領域は、例えば、実験やシミュレーション等にて、適切な領域が設定されている。また、燃焼切替領域内であるか否かの判定には、ハンチングを防止するために、ヒステリシス等が用いられる。
【0036】
ステップS120に処理を進めた場合、制御装置50は、他の条件を満足するか否かを判定し、他の条件を満足する場合(Yes)にはステップS130Aに処理を進め、他の条件を満足しない場合(No)にはステップS130Bに処理を進める。例えば、他の条件としては、クーラント温度>80[℃]や、第1排気温度≦排気温度≦第2排気温度など、種々の条件が有るが、「他の条件」は、これらの条件に限定されるものではない。
【0037】
ステップS130Aに処理を進めた場合は空燃比制御条件を満足した場合であり、制御装置50は、燃焼切替フラグをONに設定して、ステップS140に処理を進める。
【0038】
ステップS140にて制御装置50は、目標A/Fを算出して記憶し、図3に示す処理を終了(リターン)して、図2に示すステップS030に処理を進める。例えば、目標A/Fは、ほぼ理論空燃比(例えば14.6)に固定とされていてもよいし、エンジン回転数と負荷(または燃料噴射量等)に応じて設定されたマップ等から求めるようにしてもよい。例えば目標A/Fが理論空燃比に固定とされている場合、制御装置50は、ステップS140にて、目標A/Fの値を、理論空燃比の値(約14.6)に設定して記憶する。
【0039】
ステップS140の処理を実行している制御装置50(CPU51)は、運転状態が、予め設定された空燃比制御条件を満足する場合(この場合、ステップS110を満足かつステップS120を満足した場合)に、目標A/Fを求める目標A/F算出部51C(図1参照)に相当している。
【0040】
ステップS130Bに処理を進めた場合は空燃比制御条件を満足しなかった場合であり、制御装置50は、燃焼切替フラグをOFFに設定して、図3に示す処理を終了(リターン)して、図2に示すステップS030に処理を進める。
【0041】
●[処理S200:最終噴射量の算出処理(図5図6)]
次に図5図6を用いて処理S200[最終噴射量の算出処理]の詳細について説明する。図2に示すステップS030にて処理S200を実行する際、制御装置50は、図5に示すステップS210へ処理を進める。
【0042】
ステップS210にて制御装置50は、検出した吸気量が吸気量閾値以下であるか否かを判定し、吸気量が吸気量閾値以下である場合(Yes)はステップS215に処理を進め、吸気量が吸気量閾値よりも大きい場合(No)はステップS280に処理を進める。例えば吸気量閾値は、予め固定された値に設定されていてもよいし、要求ベース噴射量に応じた吸気量閾値が設定されたマップ等から求めるようにしてもよい。吸気量が、ある閾値以下になるとトルクダウンが顕著に現れるため、以下の処理にてトルクダウンを未然に防止する。
【0043】
ステップS280に処理を進めた場合、制御装置50は、燃焼切替履歴フラグをOFFに設定してステップS285に処理を進める。
【0044】
ステップS285に処理を進めた場合、制御装置50は、要求ベース噴射量を最終噴射量として記憶し、図5に示す処理を終了(リターン)して、図2に示すステップS050に処理を進める。
【0045】
ステップS215に処理を進めた場合、制御装置50は、燃焼切替フラグがONであるか否かを判定し、燃焼切替フラグがONである場合(Yes)はステップS220に処理を進め、燃焼切替フラグがONでない場合(No)はステップS225に処理を進める。
【0046】
ステップS220に処理を進めた場合、制御装置50は、燃焼切替履歴フラグをONに設定してステップS245に処理を進める。
【0047】
ステップS225に処理を進めた場合、制御装置50は、燃焼切替履歴フラグがONであるか否かを判定し、燃焼切替履歴フラグがONである場合(Yes)はステップS245に処理を進め、燃焼切替履歴フラグがONでない場合(No)はステップS285に処理を進める。
【0048】
発明者は、実験等によって、実際のトルクを検出しなくても吸気量が吸気量閾値以下の場合(吸気量調整手段によって吸気量を絞ってA/Fを調整している場合)にはトルクダウンの発生を予測できることを突きとめ、トルクダウンを発生させないためには必要量の燃料を増加させればよいことを突きとめた。従って、「吸気量≦吸気量閾値」の場合では、トルクダウンが発生すると予測し、このトルクダウンを未然に防止する最終噴射量を、後述するステップS245にて算出する。
【0049】
ステップS245に処理を進めた場合、制御装置50は、下記の(式1)に示す総噴射量演算式にて総噴射量qtを算出して総噴射量qtを最終噴射量として記憶し、図5に示す処理を終了(リターン)して、図2に示すステップS050に処理を進める。なお、qtは総噴射量、qは要求ベース噴射量、mは吸気量、a及びb及びcは空燃比関連量・トルク発生率関連量特性に基づいたパラメータである。
qt={(q-bm)±√[(q-bm)2-4cam2]}/2c (式1)
【0050】
なお、パラメータa、b、cは、内燃機関10(ディーゼルエンジン)の空燃比関連量(空燃比に関連する量)に応じたトルク発生率関連量(トルク発生率に関連する量)を示す空燃比関連量・トルク発生率関連量特性に基づいたパラメータである。例えば、図6に示す空燃比・トルク発生率特性を、空燃比関連量・トルク発生率関連量特性の例として説明する。図6に示す空燃比・トルク発生率特性は、横軸(x軸)が空燃比(A/F)、縦軸(y軸)がトルク発生率とされた内燃機関10の特性である。この特性は、横軸の空燃比をx、縦軸のトルク発生率をyとした場合、(式2)にて表現することができる。また、以下の(式3)が成立する。
y(x)=ax2+bx+c (式2)
q=qt*y(x) (式3)
【0051】
上記の(式2)と(式3)より、以下の(式4)が得られ、これをqtについて解くことで、上記の(式1)を得ることができる。
q=qt*y(x)=qt*y(A/F)=qt*y(m/qt)
=qt*[a(m/qt)2+b(m/qt)+c] (式4)
【0052】
補正後の総噴射量qtの下でのA/Fはm/qtであり、その時のトルク発生率y(x)[=y(m/qt)]と総噴射量qtとの積が、制御装置で決定される補正前の要求ベース噴射量qと一致するような総噴射量qtが、上記(式1)にて決定される。これにより、トルク低下を考慮せずに決定された要求ベース噴射量qに対して、トルク低下を防止できる総噴射量qtを得ることができる。なお、上記の(式1)の複号(±)のうち、「-(マイナス)」の側の、「qt={(q-bm)-√[(q-bm)2-4cam2]}/2c」にて求めた総噴射量qtを最終噴射量として記憶する。
【0053】
ステップS245の処理を実行している制御装置50(CPU51)は、算出した要求ベース噴射量(q)と、計測(検出)した吸気量(m)と、空燃比関連量・トルク発生率関連量特性に基づいたパラメータ(a、b、c)とに基づいて最終噴射量となる総噴射量(qt)を算出する、最終噴射量算出部51E(図1参照)に相当している。また、ステップS245の処理を実行している制御装置50(CPU51)は、(ステップS210にて)吸気量の推移に応じたトルクダウンを予測し、予測したトルクダウンを未然に防止する最終噴射量を算出する、最終噴射量算出部51E(図1参照)に相当している。
【0054】
また図8に示すように、燃焼切替履歴フラグは、燃焼切替フラグがON、かつ、吸気量≦吸気量閾値、の場合に「ON」に設定され、吸気量>吸気量閾値の場合に「OFF」に設定される。従って、図8に示すように、燃焼切替フラグがON――>OFFとされた後、しばらくの期間は「ON」状態が維持される。維持される期間は、図8に示すように、実A/Fが目標A/Fから徐々に大きくなる期間において吸気量が吸気量閾値を超えるまでの期間(時間T3~時間T4)である。
【0055】
●[処理S400:吸気量調整処理(図7図8)]
次に図7図8を用いて処理S400[吸気量調整処理]の詳細について説明する。図2に示すステップS050にて処理S400を実行する際、制御装置50は、図7に示すステップS410へ処理を進める。
【0056】
ステップS410にて制御装置50は、燃焼切替フラグがONであるか否かを判定し、燃焼切替フラグがONである場合(Yes)はステップS420Aに処理を進め、燃焼切替フラグがONでない場合(No)はステップS420Bに処理を進める。
【0057】
ステップS420Aに処理を進めた場合、制御装置50は、検出した実A/Fが、目標A/Fとなるように(近づくように)、スロットルバルブ47V(吸気量調整手段)の開度をフィードバック制御してスロットルバルブ47Vの開度を徐々に絞り(図8における時間T1~時間T2)、図7に示す処理を終了(リターン)して、図2の処理を終了する。
【0058】
ステップS420Bに処理を進めた場合、制御装置50は、スロットルバルブ47V(吸気量調整手段)の開度が全開となるように、スロットルバルブ47Vの開度をフィードバック制御(目標開度=全開としたフィードバック制御)してスロットルバルブ47Vの開度を全開へと徐々に近づけて(図8における時間T3以降)、図7に示す処理を終了する。
【0059】
ステップS410、S420A、S420Bの処理を実行している制御装置50(CPU51)は、運転状態が空燃比制御条件を満足する場合(この場合、燃焼切替フラグ=ONの場合)に、検出した実際のA/Fである実A/Fが目標A/Fに近づくようにスロットルバルブ47V(吸気量調整手段)を制御して吸気量を徐々に絞る吸気量調整部51D(図1参照)に相当している。
【0060】
●[動作波形(図8)の説明]
図8は、図2図7にて説明した制御装置50の処理による動作波形の例を示している。例えば運転者によるアクセルペダル踏込量がほぼ一定でエンジン回転数がほぼ一定であり、かつ、運転状態が図4に示す燃焼切替領域内に有り、かつ、図3のステップS120の他の条件が成立して、図8に示す時間T1にて、燃焼切替フラグがOFF――>ONとなったものとする。
【0061】
図8において、時間T1にて燃焼切替フラグがOFF――>ONになった後、吸気量≦吸気量閾値になると、燃焼切替履歴フラグもOFF――>ONに設定される。また時間T1にて目標A/Fが算出される。そして時間T1~時間T2にて、スロットルバルブの開度が徐々に絞られて、リーン状態であった実A/Fの値が、目標A/Fの値へと近づいていく。時間T1~時間T2では、吸気量の推移に応じて最終噴射量が徐々に増加し、トルクダウンを未然に防止している。
【0062】
また、図8において、時間T3にて燃焼切替フラグがON――>OFFになった場合、燃焼切替履歴フラグを用いて、時間T3~時間T4の間は、スロットルバルブを全開位置へと徐々に戻していきながら、最終噴射量を徐々に要求ベース噴射量へと戻していく。つまり、制御装置50は、空燃比制御条件を満足している状態から満足しない状態に遷移した場合(燃焼切替フラグがON――>OFFになった場合)には、吸気量調整部にて吸気量調整手段(スロットルバルブ)を制御して吸気量の絞りを解除して徐々に吸気量を戻しながら(時間T3以降)、最終噴射量算出部の実行を維持し、吸気量が吸気量閾値まで戻った場合(時間T4)に、最終噴射量算出部の実行の維持を終了させる。
【0063】
このように、実A/Fを、リーン状態の空燃比から目標空燃比(例えば理論空燃比)へと近づけていった場合に発生するトルクダウン、及び、目標空燃比(例えば理論空燃比)からリーン状態へと戻す際のトルクダウン、の発生を予測して、総噴射量演算式である(式1)にて、要求ベース噴射量と吸気量に基づいて最終噴射量を増減させることで、トルクダウンを未然に防止している。従って、各気筒内に筒内圧センサを配置する必要がなく、よりシンプルかつ容易な構成にて、要求トルクと実トルクとの差を適切に低減させる(トルクダウンを未然に防止する)ことができる。また、ディーゼルエンジンの実A/Fに応じて出力を補正するので、安定した出力を得ることができる。
【0064】
本発明の内燃機関の制御装置は、本実施の形態で説明した構成、処理手順、動作等に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。
【0065】
また、本発明の内燃機関の制御装置50は、図1の例に示すディーゼルエンジンシステム1への適用に限定されず、種々のディーゼルエンジンシステムに適用することが可能である。
【0066】
本実施の形態の説明では、燃焼切替領域の設定を、エンジン回転数と負荷に応じた燃焼領域特性(図4参照)内に設定したが、これに限定されるものではない。例えば、エンジン回転数と燃料噴射量に応じた領域特性内に燃焼切替領域を設定するようにしてもよい。
【0067】
本実施の形態の説明では、ディーゼルエンジンの吸気量を調整する吸気量調整手段の例として吸気経路にスロットルバルブを設けた例を説明したが、吸気量調整手段は、スロットルバルブに限定されるものではない。
【0068】
また、本実施の形態の説明に用いた数値は一例であり、この数値に限定されるものではない。また、以上(≧)、以下(≦)、より大きい(>)、未満(<)等は、等号を含んでも含まなくてもよい。
【符号の説明】
【0069】
1 ディーゼルエンジンシステム
10 内燃機関(ディーゼルエンジン)
11A、11B 吸気管
11C 吸気マニホルド
12A 排気マニホルド
12B 排気管
21 吸気量検出手段
22 回転検出手段
25 アクセルペダル踏込量検出手段
26 A/F検出手段
28A 吸気温度検出手段
28C クーラント温度検出手段
29A 排気温度検出手段
43A インジェクタ
45A シリンダ
47 スロットル装置
47S スロットル開度検出手段
47V スロットルバルブ(吸気量調整手段)
50 制御装置
51A 運転状態検出部
51B 要求ベース噴射量算出部
51C 目標A/F算出部
51D 吸気量調整部
51E 最終噴射量算出部
53 記憶手段
60 排気浄化装置
a、b、c パラメータ

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8