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  • 特許-駆動輪駆動装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-07
(45)【発行日】2023-08-16
(54)【発明の名称】駆動輪駆動装置
(51)【国際特許分類】
   F16H 48/34 20120101AFI20230808BHJP
【FI】
F16H48/34
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019206689
(22)【出願日】2019-11-15
(65)【公開番号】P2021080953
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-10-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】古澤 竜之介
【審査官】畔津 圭介
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-156344(JP,A)
【文献】特開平11-91524(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 48/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の一対の駆動輪を駆動させる駆動輪駆動装置であって、
前記一対の駆動輪を駆動させるための駆動力を与える第1駆動力源と、
前記第1駆動力源からの前記駆動力を前記一対の駆動輪のそれぞれに分配するデファレンシャルギアであって、デフケースと、該デフケース内に収容された一対のサイドギアと、前記デフケース内に収容され前記一対のサイドギアと噛み合うピニオンギアとを備えるデファレンシャルギアと、
前記一対の駆動輪間のトルク差を調整するための駆動力を与える第2駆動力源と、
前記第2駆動力源からの駆動力を前記デファレンシャルギアに伝達するための歯車機構と
を備え、
前記歯車機構は、
前記デファレンシャルギアの前記ピニオンギアに力を伝えるように設けられるとともに前記第2駆動力源からの前記駆動力によって回転可能に構成された回転部材と、
前記回転部材の回転を前記ピニオンギアに伝達する伝達部材と
を備える駆動輪駆動装置。
【請求項2】
前記第1駆動力源と前記デファレンシャルギアとは、前記第1駆動力源の第1出力軸につながる第1ドライブピニオンギアと、前記デフケースに固定された第1リングギアとが噛み合うことで接続され、
前記第2駆動力源と前記歯車機構とは、前記第2駆動力源の第2出力軸につながる第2ドライブピニオンギアと、前記回転部材に固定された第2リングギアとが噛み合うことで接続され、
前記第1ドライブピニオンギアと前記第1リングギアとの組み合わせ、及び、前記第2ドライブピニオンギアと前記第2リングギアとの組み合わせがいずれも傘歯車である、請求項1に記載の駆動輪駆動装置。
【請求項3】
前記第1駆動力源と前記デファレンシャルギアとは、前記第1駆動力源の第1出力軸につながる第1ドライブピニオンギアと、前記デフケースに固定された第1リングギアとが噛み合うことで接続され、
前記第2駆動力源と前記歯車機構とは、前記第2駆動力源の第2出力軸につながる第2ドライブピニオンギアと、前記回転部材に固定された第2リングギアとが噛み合うことで接続され、
前記第1ドライブピニオンギアと前記第1リングギアとの組み合わせ、及び、前記第2ドライブピニオンギアと前記第2リングギアとの組み合わせがいずれも平歯車である、請求項1に記載の駆動輪駆動装置。
【請求項4】
前記第1駆動力源と前記デファレンシャルギアとは、前記第1駆動力源の第1出力軸につながる第1ドライブピニオンギアと、前記デフケースに固定された第1リングギアとが噛み合うことで接続され、
前記第2駆動力源と前記歯車機構とは、前記第2駆動力源の第2出力軸につながる第2ドライブピニオンギアと、前記回転部材に固定された第2リングギアとが噛み合うことで接続され、
前記第1ドライブピニオンギアと前記第1リングギアとの組み合わせ、及び、前記第2ドライブピニオンギアと前記第2リングギアとの組み合わせのいずれか一方が平歯車で他方が傘歯車である、請求項1に記載の駆動輪駆動装置。
【請求項5】
前記第2駆動力源はモータである、請求項1~4のいずれか一項に記載の駆動輪駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両の一対の駆動輪を駆動させる駆動輪駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、左右の駆動輪の間にデファレンシャルギアと駆動力調整機構とを有し、左右の駆動輪への駆動力の配分を調整する車両用左右駆動力調整装置が記載されている。車両の旋回時には、左右の駆動輪間に適切なトルク差を与えることが必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-173527号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の車両用左右駆動力調整装置では、左右の駆動輪間に与えるトルク差を任意に調整して、車両の旋回性を調整することは困難であった。
【0005】
上述の事情に鑑みて、本開示の少なくとも1つの実施形態は、車両の旋回性を調整可能にする駆動輪駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の少なくとも1つの実施形態に係る駆動輪駆動装置は、車両の一対の駆動輪を駆動させる駆動輪駆動装置であって、一対の駆動輪を駆動させるための駆動力を与える第1駆動力源と、第1駆動力源からの駆動力を一対の駆動輪のそれぞれに分配するデファレンシャルギアであって、デフケースと、デフケース内に収容された一対のサイドギアと、デフケース内に収容され一対のサイドギアと噛み合うピニオンギアとを備えるデファレンシャルギアと、一対の駆動輪間のトルク差を調整するための駆動力を与える第2駆動力源と、第2駆動力源からの駆動力をデファレンシャルギアに伝達するための歯車機構とを備え、歯車機構は、デファレンシャルギアのピニオンギアに力を伝えるように設けられるとともに第2駆動力源からの駆動力によって回転可能に構成された回転部材と、回転部材の回転をピニオンギアに伝達する伝達部材とを備える。この構成によると、車両の旋回時に、第2駆動力源からの駆動力を調整することにより一対の駆動輪間のトルク差を調整できるので、車両の旋回性を調整することができる。
【0007】
いくつかの実施形態では、第1駆動力源とデファレンシャルギアとは、第1駆動力源の第1出力軸につながる第1ドライブピニオンギアと、デフケースに固定された第1リングギアとが噛み合うことで接続され、第2駆動力源と歯車機構とは、第2駆動力源の第2出力軸につながる第2ドライブピニオンギアと、回転部材に固定された第2リングギアとが噛み合うことで接続され、第1ドライブピニオンギアと第1リングギアとの組み合わせ、及び、第2ドライブピニオンギアと第2リングギアとの組み合わせがいずれも傘歯車であってもよい。この構成によると、第1駆動力源及び第2駆動力源がそれぞれモータである場合、モータの回転が車両の進行方向に対して垂直な方向になり、車両の加減速とは無関係になるので、車両のゆれを低減することができる。
【0008】
いくつかの実施形態では、第1駆動力源とデファレンシャルギアとは、第1駆動力源の第1出力軸につながる第1ドライブピニオンギアと、デフケースに固定された第1リングギアとが噛み合うことで接続され、第2駆動力源と歯車機構とは、第2駆動力源の第2出力軸につながる第2ドライブピニオンギアと、回転部材に固定された第2リングギアとが噛み合うことで接続され、第1ドライブピニオンギアと第1リングギアとの組み合わせ、及び、第2ドライブピニオンギアと第2リングギアとの組み合わせがいずれも平歯車であってもよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、第1駆動力源とデファレンシャルギアとは、第1駆動力源の第1出力軸につながる第1ドライブピニオンギアと、デフケースに固定された第1リングギアとが噛み合うことで接続され、第2駆動力源と歯車機構とは、第2駆動力源の第2出力軸につながる第2ドライブピニオンギアと、回転部材に固定された第2リングギアとが噛み合うことで接続され、第1ドライブピニオンギアと第1リングギアとの組み合わせ、及び、第2ドライブピニオンギアと第2リングギアとの組み合わせのいずれか一方が平歯車で他方が傘歯車であってもよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、第2駆動力源はモータであってもよい。第2駆動力源がエンジンである場合に比べて第2駆動力源からの駆動力の調整を迅速に行えるので、一対の駆動輪間のトルク差の調整、したがって、車両の旋回性の調整を迅速に行うことができる。
【発明の効果】
【0011】
本開示の少なくとも1つの実施形態によれば、車両の旋回時に、第2駆動力源からの駆動力を調整することにより一対の駆動輪間のトルク差を調整できるので、車両の旋回性を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の一実施形態に係る駆動輪駆動装置の構成を示す模式図である。
図2】本開示の一実施形態に係る駆動輪駆動装置の変形例の構成を示す模式図である。
図3】本開示の一実施形態に係る駆動輪駆動装置の別の変形例の構成を示す模式図である。
図4】本開示の一実施形態に係る駆動輪駆動装置のさらに別の変形例の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明のいくつかの実施形態の中から、サイドギアと噛み合うピニオンギアが2個の場合の例について説明する。ただし、本発明の範囲は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、本発明の範囲をそれにのみ限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。更には、第1駆動力源と第2駆動力源とは、それぞれ別体であっても、筐体を共有する一体であってもよい。
【0014】
図1には、車両の一対の駆動輪、すなわち左車輪101及び右車輪102を駆動させるための本開示の一実施形態に係る駆動輪駆動装置1の構成が模式的に示されている。駆動輪駆動装置1は、左車輪101及び右車輪102を駆動させるための駆動力を与える第1駆動力源である第1モータ2と、第1モータ2からの駆動力を左車輪101及び右車輪102のそれぞれに分配するデファレンシャルギア4と、左車輪101及び右車輪102間のトルク差を調整するための駆動力を与える第2駆動力源である第2モータ3と、第2モータ3からの駆動力をデファレンシャルギア4に伝達するための歯車機構5とを備えている。
【0015】
デファレンシャルギア4は、第1モータ2の第1出力軸21につながる第1ドライブピニオンギア22と噛み合う第1リングギア11と、第1リングギア11が固定されたデフケース12と、デフケース12内に収容された一対のサイドギア13,14と、デフケース12内に収容され一対のサイドギア13,14と噛み合うピニオンギア15,16とを備えている。
【0016】
歯車機構5は、第2モータ3の第2出力軸につながる第2ドライブピニオンギア32と噛み合う第2リングギア41と、第2リングギア41が固定された回転部材42と、回転部材42に固定された第3リングギア43と、回転部材42の回転をピニオンギア15,16に伝達する伝達部材44,45とを備えている。伝達部材44は、第3リングギア43と噛み合う第2ピニオンギア46と、第2ピニオンギア46とピニオンギア15とを接続する伝達シャフト48とを備えている。伝達部材45は、第3リングギア43と噛み合う第2ピニオンギア47と、第2ピニオンギア47とピニオンギア16とを接続する伝達シャフト49とを備えている。伝達シャフト48,49はそれぞれ、デフケース12を貫通している。
【0017】
デファレンシャルギア4の第1リングギア11、サイドギア13,14、及びピニオンギア15,16はそれぞれ傘歯車である。回転部材42の第2リングギア41及び第3リングギア43はそれぞれ傘歯車である。伝達部材44,45それぞれの第2ピニオンギア46,47はそれぞれ傘歯車である。第1モータ2の第1ドライブピニオンギア22及び第2モータ3の第2ドライブピニオンギア32はそれぞれ傘歯車である。また、回転部材42は、筒状形状、例えば円筒形状を有し、その軸方向にデフケース12の一部が回転部材42の内部に挿入するように構成してもよい。
【0018】
次に、本開示の一実施形態に係る駆動輪駆動装置1の動作について説明する。左車輪101及び右車輪102は、第1モータ2から与えられる駆動力によって駆動される。第1モータ2が稼働して、第1出力軸21及び第1ドライブピニオンギア22が図1における左方向(矢印Aの方向)に回転すると、第1ドライブピニオンギア22と噛み合う第1リングギア11が矢印Bの方向に回転し、第1リングギア11が固定されたデフケース12も矢印Bの方向に回転する。これにより、左車輪101及び右車輪102は矢印Cの方向に回転するため、左車輪101及び右車輪102を駆動輪とする車両は矢印Dの方向に直進する。
【0019】
駆動輪駆動装置1では、デファレンシャルギア4と歯車機構5とが連結されているので、デフケース12の回転と共に歯車機構5も回転する必要がある。デフケース12の回転によって歯車機構5が回転するようにすると、デフケース12が回転する際の抵抗となってしまう。そのため、左車輪101及び右車輪102を駆動輪とする車両が直進する際には、第2モータ3から与えられる駆動力によって、歯車機構5がデフケース12と供回りするように第2モータ3を駆動させる。
【0020】
具体的には、第2モータ3が稼働して、第2出力軸31及び第2ドライブピニオンギア32が図1における右方向(矢印Eの方向)に回転すると、第2ドライブピニオンギア32と噛み合う第2リングギア41が矢印Fの方向に回転し、第2リングギア41が固定された回転部材42も矢印Fの方向に回転する。第2モータ3から与えられる駆動力を調整することにより、歯車機構5がデフケース12と供回りさせることができる。
【0021】
次に、左車輪101及び右車輪102を駆動輪とする車両が左方向に旋回する際の駆動輪駆動装置1の動作について説明する。左方向に旋回する場合には、左車輪101の回転速度は減少し、右車輪102の回転速度は増加する。左車輪101及び右車輪102の回転速度の関係がこのようになるために、デファレンシャルギア4では、車両が左方向に旋回する際に、左車輪101は、路面から左車輪101を減速しようとする力を受け、その力を、左車輪101とつながるサイドギア13へ、サイドギア13が減速する回転方向(矢印Iの方向)の力として伝え、サイドギア13が減速することで、ピニオンギア15,16が互いに反対方向、すなわちピニオンギア15が図1における右方向(矢印Gの方向)に回転するとともにピニオンギア16が図1における左方向(矢印Hの方向)に回転する。そして、そのピニオンギア15とピニオンギア16とをそのように回転させる力が、サイドギア14へ、サイドギア14が加速する回転方向(矢印Jの方向)の力として伝わり、サイドギア14が加速することで、サイドギア14とつながる右車輪102の回転速度が増加する。このようにして、デファレンシャルギア4は、左車輪101の回転速度を減少させて、右車輪102の回転速度を増加させる関係を作り出すことができる。
【0022】
車両が左方向に旋回する際に、左車輪101及び右車輪102間に適切なトルク差を付与できれば、車両の旋回性を調整することができる。駆動輪駆動装置1では、第2モータ3からの駆動力を調整することにより左車輪101及び右車輪102間のトルク差を調整して、車両の旋回性を調整することができる。
【0023】
例えば、車両が左方向に旋回する場合に車両の旋回性をより向上させるためには、第2出力軸31及び第2ドライブピニオンギア32の矢印Eの方向の回転速度が増加するように第2モータ3の駆動力を調整する。そうすると、回転部材42の矢印F方向の回転速度がデフケース12の矢印B方向の回転速度よりも大きくなるので、第3リングギア43と噛み合う第2ピニオンギア46は、車両が左方向に旋回する際のピニオンギア15の回転方向Gと同じ方向に回転して、ピニオンギア15がより回転するようになるとともに、第3リングギア43と噛み合う第2ピニオンギア47も、車両が左方向に旋回する際のピニオンギア16の回転方向Hと同じ方向に回転して、ピニオンギア16がより回転するようになる。第2モータ3のこのような駆動力の調整により、伝達シャフト48,49を介して第2ピニオンギア46,47の回転がピニオンギア15,16に伝達されるので、第2モータ3の駆動力の調整に応じたトルク差が左車輪101及び右車輪102間に付与される。
【0024】
また、第2モータ3の駆動力を上記とは逆にして、第2出力軸31及び第2ドライブピニオンギア32の矢印Eの方向の回転速度が減少するようにすることで、左車輪101及び右車輪102間のトルク差を抑制し、車両の旋回性を抑制することもできる。
【0025】
尚、車両が右方向に旋回する際のデファレンシャルギア4の動作は、車両が左方向に旋回する際の動作に対してサイドギア13,14及びピニオンギア15,16それぞれへの作用の回転方向を逆にすればよく、車両が右方向に旋回する際の旋回性を向上するための動作は、車両が左方向に旋回する際の動作に対して第2モータ3の駆動力の調整を逆にすればよい。
【0026】
また更に、第2モータ3の駆動力の調整を上記とは逆にして、第2出力軸31及び第2ドライブピニオンギア32の矢印Eの方向の回転速度が増加するようにすることで、左車輪101及び右車輪102間のトルク差を抑制し、車両の旋回性を抑制することもできる。
【0027】
このように、車両の旋回時に、第2モータ3からの駆動力を調整することにより左車輪101及び右車輪102間のトルク差を調整できるので、車両の旋回性を調整することができる。
【0028】
図2に示されるように、駆動輪駆動装置1において、第1リングギア11と第1ドライブピニオンギア22との組み合わせ、及び、第2ドライブピニオンギア32と第2リングギア41との組み合わせをそれぞれ平歯車にしてもよいし、図3及び4に示されるように、いずれか一方の組み合わせを平歯車にし、他方の組み合わせを傘歯車にしてもよい。
【0029】
一方で、図1の構成では、第1モータ2及び第2モータ3のそれぞれの回転が車両の進行方向に対して垂直な方向になり、車両の加減速とは無関係になるので、車両のゆれを低減することができる。
【0030】
上記実施形態では、第1駆動力源及び第2駆動力源はともにモータであったが、いずれか一方がエンジン又は両方がエンジンであってもよい。ただし、第2モータ3はモータであることが好ましい。第2駆動力源がモータである場合はエンジンである場合に比べて、第2駆動力源からの駆動力の調整を迅速に行えるので、左車輪101及び右車輪102間のトルク差の調整、したがって、車両の旋回性の調整を迅速に行うことができる。また、第1出力軸21及び第2出力軸31それぞれの回転方向の変更は、第1駆動力源及び第2駆動力源がそれぞれモータであれば、各モータへ供給される電流の流れる方向を逆にするだけで実現可能であるが、第1駆動力源及び第2駆動力源がそれぞれエンジンである場合には、ギア等が必要になり構成が複雑になるため、第1駆動力源及び第2駆動力源は両方ともモータであることが好ましい。
【符号の説明】
【0031】
1 駆動輪駆動装置
2 第1モータ(第1駆動力源)
3 第2モータ(第2駆動力源)
4 デファレンシャルギア
5 歯車機構
11 第1リングギア
12 デフケース
13 サイドギア
14 サイドギア
15 ピニオンギア
16 ピニオンギア
21 第1出力軸
22 第1ドライブピニオンギア
31 第2出力軸
32 第2ドライブピニオンギア
41 第2リングギア
42 回転部材
43 第3リングギア
44 伝達部材
45 伝達部材
46 第2ピニオンギア
47 第2ピニオンギア
48 伝達シャフト
49 伝達シャフト
101 左車輪(駆動輪)
102 右車輪(駆動輪)
図1
図2
図3
図4