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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-07
(45)【発行日】2023-08-16
(54)【発明の名称】ピッキングシステム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20230808BHJP
   B65G 1/04 20060101ALI20230808BHJP
   B65G 1/06 20060101ALI20230808BHJP
【FI】
B65G1/137 E
B65G1/04 561
B65G1/04 555A
B65G1/06 L
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019229059
(22)【出願日】2019-12-19
(65)【公開番号】P2021095269
(43)【公開日】2021-06-24
【審査請求日】2021-11-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】立見 文明
(72)【発明者】
【氏名】宮本 雅哉
(72)【発明者】
【氏名】清川 渉
(72)【発明者】
【氏名】木村 和誠
(72)【発明者】
【氏名】岩田 昌重
(72)【発明者】
【氏名】上田 雄一
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特許第4610287(JP,B2)
【文献】国際公開第2019/225234(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/137
B65G 1/04
B65G 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保管されている複数の物品の中から必要な物品を収集して出庫するピッキングシステムであって、
上下方向の高さが異なる複数段の間口を有し、前記物品を前記複数段の前記間口のいずれかに仕分けして排出する複数段仕分け装置と、
前記複数段の前記間口のそれぞれに対応して設けられた複数の第1搬送装置と、
前記第1搬送装置から前記物品を受け取って搬送する第2搬送装置と、を備え、
複数の前記第1搬送装置のそれぞれは、第1搬送面を有し、前記間口から排出される前記物品を前記第1搬送面により受け取ると共に、前記物品を前記第1搬送面に載せた状態で前記間口から離間させる離間方向に搬送し、
前記第2搬送装置は、昇降可能に構成された第2搬送面を有し、複数の前記第1搬送装置のいずれかの前記第1搬送面の終端部に対応する高さに前記第2搬送面を位置させた状態で、前記第1搬送面の終端部から排出される前記物品を前記第2搬送面により受け取って搬送し、
平面視で、前記離間方向に交差する方向を幅方向として、
前記複数段仕分け装置は、前記幅方向の位置が異なる複数列の前記間口を有し、
複数の前記第1搬送装置は、前記複数段のそれぞれにおいて、前記複数列の前記間口のそれぞれに対応するように前記幅方向に並んで配置され、
前記第2搬送面が、前記複数段のそれぞれにおいて、前記幅方向に並んで配置される複数の前記第1搬送面の終端部に沿うように、前記幅方向に沿って配置され、
前記第2搬送装置は、前記幅方向に沿って前記物品を搬送する、ピッキングシステム。
【請求項2】
前記複数段仕分け装置は、オーダー情報に基づいて、前記物品を複数の前記間口のいずれかに仕分けし、
前記第1搬送装置は、前記オーダー毎の複数の前記物品の集合である物品群単位で、前記物品を前記第2搬送装置へ排出する、請求項1に記載のピッキングシステム。
【請求項3】
前記第2搬送面は、前記複数段のそれぞれにおいて、前記幅方向に並んで配置される複数の前記第1搬送面の終端部の配置領域の全域にわたって配置されている、請求項1又は2に記載のピッキングシステム。
【請求項4】
前記第2搬送装置は、前記物品を前記第2搬送面に載せた状態で搬送し、
前記幅方向における前記第2搬送面の端部に対して下方に、前記第2搬送装置から排出される前記物品を受け取って収容する収容容器が配置される、請求項1から3のいずれか一項に記載のピッキングシステム。
【請求項5】
前記第2搬送装置は、当該第2搬送装置による前記物品の搬送方向に直交する断面における前記第2搬送面の中央部が、両側部に対して窪んだ形状とされたトラフ式のコンベアである、請求項1からのいずれか一項に記載のピッキングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保管されている複数の物品の中から必要な物品を収集して出庫するピッキングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば通信販売を行う事業者の物流拠点では、物流倉庫に多種の物品を保管しておき、注文を受けた場合に、購入された物品を配送先毎に箱詰めして物流倉庫から発送する場合がある。このような場合には、保管されている複数の物品の中から必要な物品を収集して出庫するピッキングシステムが用いられる。かかるピッキングシステムの一例が、特開2004-189417号公報(特許文献1)に開示されている。以下、背景技術の説明において括弧内に付す符号は、特許文献1のものである。
【0003】
特許文献1に開示されたピッキングシステムは、走行方向に対して直交する方向に傾動自在な仕分けトレイ(121)を備えた多数のキャリッジ(122)を仕分け装置として備えている。このピッキングシステムでは、目的の仕分け位置までキャリッジ(122)を走行させた後、回収ボックス(B)に向けて仕分けトレイ(121)を傾斜させて物品を排出し、物品の仕分けを行っている。仕分けられた物品は、回収ボックス(B)に投入され、作業者等によってパッキングされたり次の場所に搬送されたりする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-189417号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に開示されたピッキングシステムでは、仕分けられた物品が投入される回収ボックス(B)が、キャリッジ(122)の走行方向に沿って複数箇所に設置されている。この場合、回収ボックス(B)に仕分けられた物品に対して、例えばパッキングや搬送などの次の作業を行うための作業箇所が、回収ボックス(B)の設置箇所毎に必要となり、仕分け後の物品に対する作業箇所の分散化を招いていた。
【0006】
上記実状に鑑みて、仕分け後の物品に対する作業箇所の集約を図ることが可能なピッキングシステムの実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
開示に係るシステムは、
保管されている複数の物品の中から必要な物品を収集して出庫するピッキングシステムであって、
上下方向の高さが異なる複数段の間口を有し、前記物品を前記複数段の前記間口のいずれかに仕分けして排出する複数段仕分け装置と、
前記複数段の前記間口のそれぞれに対応して設けられた複数の第1搬送装置と、
前記第1搬送装置から前記物品を受け取って搬送する第2搬送装置と、を備え、
複数の前記第1搬送装置のそれぞれは、第1搬送面を有し、前記間口から排出される前記物品を前記第1搬送面により受け取ると共に、前記物品を前記第1搬送面に載せた状態で前記間口から離間させる離間方向に搬送し、
前記第2搬送装置は、昇降可能に構成された第2搬送面を有し、複数の前記第1搬送装置のいずれかの前記第1搬送面の終端部に対応する高さに前記第2搬送面を位置させた状態で、前記第1搬送面の終端部から排出される前記物品を前記第2搬送面により受け取って搬送し、
平面視で、前記離間方向に交差する方向を幅方向として、
前記複数段仕分け装置は、前記幅方向の位置が異なる複数列の前記間口を有し、
複数の前記第1搬送装置は、前記複数段のそれぞれにおいて、前記複数列の前記間口のそれぞれに対応するように前記幅方向に並んで配置され、
前記第2搬送面が、前記複数段のそれぞれにおいて、前記幅方向に並んで配置される複数の前記第1搬送面の終端部に沿うように、前記幅方向に沿って配置され、
前記第2搬送装置は、前記幅方向に沿って前記物品を搬送する。
【0008】
本構成によれば、複数段仕分け装置によって仕分けられ、複数の間口のそれぞれから排出される物品を、複数の間口のそれぞれに対応して設けられた第1搬送装置によって受け取って搬送できる。そして、複数の第1搬送装置のそれぞれによって搬送される複数の物品を、第2搬送装置によって受け取って搬送することができる。これにより、複数段仕分け装置によって仕分けられた物品を、仕分け後の物品群毎に順番に第2搬送装置によって搬送することが可能となる。さらに、本構成によれば、複数段仕分け装置によって複数段及び複数列の間口毎に仕分けられた物品を、複数の間口のそれぞれに対応して設けられた第1搬送装置によって受け取って離間方向に沿って搬送できると共に、複数の第1搬送装置のそれぞれによって搬送される複数の物品を、第2搬送装置によって受け取って幅方向に沿って搬送することができる。この際、第2搬送面が、幅方向に並んで配置される複数の第1搬送面の終端部に沿うように幅方向に沿って配置されているため、複数の第1搬送装置によって搬送された物品を、第2搬送装置の第2搬送面によって効率的に受けることができる。また、第2搬送装置の設置スペースを小さく抑えることも可能となる。従って、本構成によれば、仕分けられた物品に対して次の作業を行うための作業箇所を間口の数より少ない数の特定箇所に集約でき、ひいては、作業効率の向上を図ることが可能となる。
【0009】
本開示に係る技術のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】ピッキングシステムの概略平面図
図2】複数段仕分け装置の一部を示す斜視図
図3】ピッキングシステムの一部を示す斜視図
図4】ピッキングシステムの幅方向視図
図5】ピッキングシステムの動作の一部を示す平面図
図6】ピッキングシステムの制御ブロック図
図7】ピッキングシステムの制御手順を示すフローチャート
図8】その他の実施形態に係るピッキングシステムを示す平面図
図9】その他の実施形態に係るピッキングシステムを示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔ピッキングシステムの概略構成〕
図1に示すように、ピッキングシステム100は、例えば通信販売を行う事業者が保有する物流設備に備えられ、保管されている複数の物品Wの中から必要な物品Wを収集して出庫する。ピッキングシステム100は、例えば、不図示の自動倉庫に保管された複数の物品Wから必要な物品Wを収集して出庫する。この場合、自動倉庫には、複数の物品Wが種別毎に容器に収容された状態で保管されている。そして、種別毎に容器に収容された複数の物品Wは、自動倉庫から自動で搬出され、不図示の物品ばらし部において個別の物品Wに分離される。その後、複数の物品Wのそれぞれが個別に搬送される。なお、物品Wには、例えば、食料品や生活用品などの各種商品が含まれる。但し、これに限定されることなく、物品Wは、工場の生産ライン等において用いられる仕掛品などであっても良い。
【0012】
ピッキングシステム100は、複数段仕分け装置3と、複数段仕分け装置3から物品Wを受け取って当該複数段仕分け装置3から離間する方向に沿って当該物品Wを搬送する第1搬送装置1と、第1搬送装置1から物品Wを受け取って当該物品Wを搬送する第2搬送装置2と、を備えている。本実施形態では、ピッキングシステム100は、複数段仕分け装置3に物品Wを搬入する搬入装置4と、第2搬送装置2から物品Wを受け取って搬出する搬出装置5と、を更に備えている。
【0013】
本実施形態では、種別毎に容器に収容された状態で上記自動倉庫に保管された複数の物品Wが、上記物品ばらし部によって個別に分離され、搬入装置4によって搬送されると共に、複数段仕分け装置3に引き渡されて仕分けられる。そして、複数段仕分け装置3によって仕分けられた物品Wは、第1搬送装置1によって搬送され、その後、第2搬送装置2に引き渡されると共に、当該第2搬送装置2によって搬送される。更に、第2搬送装置2によって搬送された物品Wは、搬出装置5に引き渡されると共に、当該搬出装置5によって外部へ搬出される。
【0014】
以下、ピッキングシステム100の各部の構成について詳細に説明する。なお、以下では、複数段仕分け装置3(詳細には後述する間口31)から離間する方向を離間方向Xとし、平面視で離間方向Xに交差する方向を幅方向Yとする。離間方向Xは、第1搬送装置1による物品Wの搬送方向に等しい。幅方向Yは、後述する複数列の間口31の配列方向に沿う方向である。本実施形態では、幅方向Yは、平面視で離間方向Xに直交する方向とされている。すなわち、本実施形態では、離間方向Xおよび幅方向Yは、水平方向に沿う方向であり、平面視で互いに直交している。また、本実施形態では、第2搬送装置2による物品Wの搬送方向は幅方向Yに平行な方向とされている。
【0015】
〔搬入装置〕
搬入装置4は、物品Wを複数段仕分け装置3に搬入するための装置である。本実施形態では、搬入装置4は、種別毎に容器に収容された状態で上記自動倉庫から搬出されると共に上記物品ばらし部において個別に分離された物品Wを、順次、複数段仕分け装置3に搬入する。図示の例では、搬入装置4は、コンベヤとして構成されている。但し、このような構成に限定されることなく、搬入装置4は、例えば、搬送台車や天井搬送車等の各種搬送装置として構成されていても良い。
【0016】
〔複数段仕分け装置〕
複数段仕分け装置3は、搬入装置4から搬入された物品Wを仕分けるための装置である。図2に示すように、複数段仕分け装置3は、上下方向の高さが異なる複数段の間口31を有し、物品Wを複数段の間口31のいずれかに仕分けして排出する。図示の例では、複数段仕分け装置3は、8段の間口31を有している。更に本実施形態では、複数段仕分け装置3は、幅方向Yの位置が異なる複数列の間口31を有している。すなわち本例では、複数段仕分け装置3は、複数段及び複数列からなる直交格子状配列の複数の間口31を有している。ここで、間口31は、例えば複数段仕分け装置3がその外周を取り囲む筐体を備える場合には、当該筐体に形成された複数の開口であって良い。そのような筐体が複数段仕分け装置3に特に具備されていない場合には、間口31は、複数段仕分け装置3と第1搬送装置1との接続箇所に対応して設定される仮想的なものであっても良い。
【0017】
本実施形態では、複数段仕分け装置3は、オーダー情報に基づいて、物品Wを複数の間口31のいずれかに仕分ける。本例では、複数段仕分け装置3は、オーダー情報に基づいて決定された特定の間口31から物品Wを排出して第1搬送装置1に引き渡すことで、物品Wの仕分けを行う。なお、ここでのオーダー情報とは、例えば、出荷すべき物品W(単一種であっても良いし、複数種の組み合わせであっても良い)の種別及び数量を指定したオーダー(ピッキングオーダー)を示す情報である。そして、複数段仕分け装置3は、各オーダーによって指定された1つ以上の物品Wを、オーダー毎に異なる間口31に排出することで、物品Wの仕分けを行う。
【0018】
図1に示すように、本実施形態では、複数段仕分け装置3は、物品Wを判別するための物品判別部30を備えている。複数段仕分け装置3は、物品判別部30による判別結果に基づいて、物品Wを仕分ける。本例では、物品判別部30は、物品Wを撮像するカメラ30aを備えており、このカメラ30aで取得された画像データに対する画像認識処理を行うことにより物品Wを判別するように構成されている。図示の例では、複数のカメラ30aが、搬入装置4によって搬入される物品Wを複数方向から撮像可能な位置に配置されている。これにより、搬入される際の物品Wの姿勢が物品W毎に異なっている場合であっても、各物品Wの判別を適切に行うことができる。なお、上記のような構成に限定されることなく、例えば、物品情報を記憶するICタグやバーコード等(記憶部)が物品Wに付されていると共に、物品判別部30が、当該物品情報を読み取るリーダー(読取部)を備え、このリーダーにより読み取った物品情報に基づいて物品Wを判別するように構成されていても良い。
【0019】
本実施形態では、図1及び図3に示すように、複数段仕分け装置3は、レール32と、当該レール32に沿って移動する複数の搬送台車33と、を備えている。レール32は、間口31が設けられる複数段毎に、水平方向(本例では幅方向Y)に沿って設けられる水平部分を備えている。本例では、搬送台車33は、レール32の水平部分に沿って走行するように構成され、これにより、物品Wを幅方向Yに搬送する。また、レール32は、上下方向に延在すると共に、複数段毎に配置される水平部分を接続する上下部分を備えていても良い。この場合、搬送台車33は、レール32の上下部分に沿って昇降するように構成され、これにより、複数段毎に配置される水平部分のそれぞれに移動可能となっている。この場合には、搬送台車33の数は、間口31が設けられる段数に制限されない。そのため、例えば、間口31が設けられる段数よりも少ない台数や多い台数、例えば、8段に対して5台の搬送台車33を配置したり、8段に対して12台の搬送台車33を配置したりすることも可能である。なお、図2に示す例では、8段に対して8台の搬送台車33が配置されている。
【0020】
本実施形態では、搬送台車33のそれぞれは、物品Wを下方から支持すると共に当該物品Wを間口31から排出する排出コンベヤ34を備えている。排出コンベヤ34は、搬送台車33の走行方向(本例では幅方向Y)を基準とする左右方向(本例では離間方向X)に物品Wを移動させる。図1に示す例では、間口31は、搬送台車33の走行経路に対して、当該搬送台車33の走行方向を基準とする左右両側に配置されている。そして、排出コンベヤ34は、左右両側に配置された間口31のそれぞれに対して物品Wを排出可能となっている。
【0021】
〔第1搬送装置〕
第1搬送装置1は、複数段仕分け装置3によって仕分けられた物品Wを搬送するための装置である。第1搬送装置1は、複数段の間口31のそれぞれに対応して設けられている。本実施形態では、複数の第1搬送装置1は、複数段のそれぞれにおいて、複数列の間口31のそれぞれに対応するように幅方向Yに並んで配置されている。図1に示す例では、第1搬送装置1は、搬送台車33の走行経路に対して、当該搬送台車33の走行方向を基準とする左右両側の領域にそれぞれ複数設けられている。
【0022】
図3に示すように、複数の第1搬送装置1のそれぞれは、第1搬送面F1を有し、間口31から排出される物品Wを第1搬送面F1により受け取ると共に、物品Wを第1搬送面F1に載せた状態で間口31から離間させる離間方向Xに搬送する。
【0023】
図1及び図4に示すように、本実施形態では、第1搬送装置1は、オーダー毎の複数の物品Wの集合である物品群Gw単位で、物品Wを第2搬送装置2へ排出する。1つの物品群Gwを構成する物品Wの数は、オーダー毎に異なる。例えば、オーダーによっては、1つの物品Wによって1つの物品群Gwが構成される場合もある。
【0024】
本実施形態では、第1搬送装置1は、上流側搬送部11と下流側搬送部12とを備えている。上流側搬送部11と下流側搬送部12とは、離間方向Xに沿って並んで配置されると共に、それぞれが離間方向Xに沿って物品Wを搬送するように構成されている。上流側搬送部11と下流側搬送部12とは、互いに独立して動作するコンベヤとして構成されている。
【0025】
上流側搬送部11は、第2搬送装置2に排出するための物品Wを貯留する物品貯留部として機能する。上流側搬送部11は、オーダー毎に指定された全ての物品の集合である物品群Gwが集まるまで、順次、複数段仕分け装置3から物品Wを受け取って貯留する。上流側搬送部11は、オーダー毎の物品群Gwが集まると、当該物品群Gwを下流側搬送部12に搬送する。本実施形態では、上流側搬送部11は、その搬送方向の下流端に配置されたストッパ111を備えている。ストッパ111は、上流側搬送部11から下流側搬送部12への搬送経路を閉鎖する閉状態と、当該搬送経路を開放する開状態とに、状態変化するように構成されている。上流側搬送部11は、ストッパ111を閉状態としつつ物品Wを離間方向Xに沿って搬送する。これにより、上流側搬送部11は、下流端において、物品Wの移動を規制しつつこれを貯留する。その後、オーダー毎の物品群Gwが集まった場合には、ストッパ111を開状態として、当該物品群Gwを下流側搬送部12に搬送する。
【0026】
下流側搬送部12は、第2搬送装置2に物品Wを排出するための物品排出部として機能する。下流側搬送部12は、上流側搬送部11から搬送された物品群Gw単位で、第2搬送装置2に物品Wを排出する。本実施形態では、下流側搬送部12は、第2搬送装置2の第2搬送面F2が第1搬送面F1の終端部E1に対応する高さに位置した状態で、当該第2搬送装置2に物品Wを排出する。また本例では、図5に示すように、下流側搬送部12は、第2搬送装置2の第2搬送面F2に仮想的に設定された複数のエリアAのうち、未だ物品Wが載置されていないエリアAのいずれかに物品Wを排出するように構成されている(図5の下図参照)。これにより、第2搬送装置2によって複数のオーダーに係る物品群Gwを並行して搬送することが可能となっている。
【0027】
〔第2搬送装置〕
第2搬送装置2は、第1搬送装置1から受け取った物品Wを搬送するための装置である。図1に示す例では、第2搬送装置2は、搬送台車33の走行経路に対して、当該搬送台車33の走行方向を基準とする左右両側に配置されている。第2搬送装置2と搬送台車33の搬送経路との離間方向Xの間には、複数の第1搬送装置1が幅方向Yに並んで配置されている。
【0028】
図3に示すように、第2搬送装置2は、昇降可能に構成された第2搬送面F2を有し、複数の第1搬送装置1のいずれかの第1搬送面F1の終端部E1に対応する高さに第2搬送面F2を位置させた状態で、第1搬送面F1の終端部E1から排出される物品Wを第2搬送面F2により受け取って搬送する。本実施形態では、第2搬送装置2は、物品Wを第2搬送面F2に載せた状態で搬送し、幅方向Yに沿って物品Wを搬送する。本例では、第2搬送装置2は、オーダー毎の物品群Gw単位で、物品Wを搬送する。
【0029】
本実施形態では、第2搬送面F2は、複数段のそれぞれにおいて、幅方向Yに並んで配置される複数の第1搬送面F1の終端部E1に沿うように、幅方向Yに沿って配置される。本例では、第2搬送面F2は、複数段のそれぞれにおいて、幅方向Yに並んで配置される複数の第1搬送面F1の終端部E1の配置領域の全域にわたって配置される。そのため、第2搬送装置2は、複数段のそれぞれにおいて、幅方向Yに並ぶ複数の第1搬送装置1の全てから物品Wを受け取ることが可能となっている。そして、第2搬送装置2は、第2搬送面F2を昇降させることにより、複数段の全ての段における全ての列の第1搬送装置1から物品Wを受け取り、受け取った物品Wを幅方向Yに搬送することが可能となっている。
【0030】
図5に示すように、本実施形態では、第2搬送装置2の第2搬送面F2には、複数のエリアAが仮想的に設定される。このエリアAの設定及び当該エリアAに基づく第1搬送装置1及び第2搬送装置2の制御は、後述する統括制御装置Ct、第1搬送制御部C1、及び、第2搬送制御部C2により行われる。各エリアAは、物品群Gwを構成する単数又は複数の物品Wを載せることができる広さに設定される。図示の例では、各エリアAの幅方向Yの長さは、第1搬送装置1の幅方向Yの大きさと等しくなるように設定されている。第2搬送装置2は、エリアAの幅方向Yの長さ分ずつ間欠的に第2搬送面F2(エリアA)を移動させ、或いは、第2搬送面F2を停止させることなく連続的に移動させる。そして、第1搬送装置1の下流側搬送部12は、第2搬送面F2に設定された複数のエリアAのうち、未だ物品群Gwが載置されていないエリアAのいずれかに物品群Gwを排出する。この際、異なるオーダーに係る複数の物品群Gw同士が、第2搬送面F2上で混ざり合う可能性を低減するため、既に物品群Gwが載置されたエリアAに隣接するエリアAに対しては、物品群Gwを排出しないように下流側搬送部12が制御されると好適である。例えば、物品群Gwが載置されたエリアAに隣接するエリアAのみに物品群Gwの排出を行わないように制御しても良い。すなわち、エリアAの間隔1つ置きに、物品群Gwの排出を行っても良い。また、物品群Gwが載置されたエリアAに隣接するエリアAに加えて、当該隣接するエリアAに隣接するエリアAに対しても、物品群Gwの排出を行わないように制御しても良い。すなわち、エリアAの間隔2つ置きに、物品群Gwの排出を行っても良い。図5では、エリアAの間隔1つ置きに物品群Gwの排出を行った場合と、エリアAの間隔2つ置きに物品群Gwの排出を行った場合とが混在している例を示している。なお、エリアAの間隔1つ置きに物品群Gwの排出を行う制御と、エリアAの間隔2つ置きに物品群Gwの排出を行う制御とのいずれか一方のみを行うようにしても良い。また、エリアAの間隔3つ以上置きに物品群Gwを排出する制御を行っても良い。
【0031】
図4に示すように、本実施形態では、第2搬送装置2は、搬送台車33の走行経路に対して、当該搬送台車33の走行方向を基準とする左右両側のそれぞれに1台ずつ設けられている。第2搬送装置2は、上述のように昇降可能に構成された第2搬送面F2を有しているため、第1搬送装置1が設けられる段数より少ない台数設けられている場合であっても、複数段のそれぞれにおいて第1搬送装置1から物品Wを受け取ることが可能となっている。但し、このような構成に限定されることなく、第2搬送装置2は、第1搬送装置1が設けられる複数段のそれぞれに設けられていても良く、例えば、各段に1つの第2搬送装置2が設けられることで、全体として、第1搬送装置1が設けられる段数と同数の第2搬送装置2が設けられていても良い。
【0032】
本実施形態では、第2搬送装置2は、当該第2搬送装置2による物品Wの搬送方向に直交する断面における第2搬送面F2の中央部20が、両側部21,21に対して窪んだ形状とされたトラフ式のコンベアとして構成されている(図4参照)。これにより、第2搬送装置2による物品Wの搬送中に、当該物品Wを第2搬送面F2の中央部20側に寄せることができる。そのため、搬送中の物品Wが第2搬送面F2から搬送方向に対する左右方向にはみ出すことを抑制できる。また上述のように、本実施形態では、第2搬送装置2は、オーダーに基づく物品群Gw単位で物品Wを搬送する。そのため、物品群Gwが複数の物品Wから構成されている場合に、当該物品群Gwを構成する複数の物品Wを、第2搬送面F2の中央部20に集約させた状態で搬送することができる。
【0033】
図1に示すように、本実施形態では、第2搬送装置2は、第1搬送装置1から受け取った物品群Gwを幅方向Yに搬送して搬出装置5に排出する。本例では、幅方向Yにおける第2搬送面F2の端部E2に対して下方に、第2搬送装置2から排出される物品Wを受け取って収容する収容容器Bが配置されている。図示の例では、複数の収容容器Bが、搬出装置5の搬送面F5に載置された状態で順次搬送されている。例えば図4に示すように、第2搬送装置2は、第2搬送面F2を昇降させて、搬出装置5の搬送面F5の高さに合せた状態、より具体的には、搬送面F5に載置された収容容器Bの高さに合わせた状態で、搬送面F5に載置された収容容器Bに物品群Gwを投入する。このとき、搬出装置5は、物品群Gwが投入される対象となる収容容器Bの搬送を停止、或いは、搬送速度を低速とするように制御すると好適である。これにより、収容容器Bへの物品群Gwの投入を適切に行うことができる。
【0034】
図1及び図3に示すように、本実施形態では、第2搬送装置2は、第2搬送面F2における搬送方向下流側の端部E2に隣接する位置に、第2搬送面F2上の物品群Gwの配置範囲を搬送方向に直交する方向(ここでは離間方向X)に狭める絞り部22を備えている。
【0035】
絞り部22は、第2搬送装置2の搬送方向に直交する方向(離間方向X)に離間して配置される一対のガイド部材221を備えている。一対のガイド部材221は、第2搬送面F2上に移動不能に固定されている。これにより、第2搬送面F2上で搬送されている物品Wが、搬送方向の上流側から一対のガイド部材221に接触するようになっている。一対のガイド部材221は、離間方向Xにおける互いの間隔が、第2搬送装置2の搬送方向の下流側に向かうに従って狭まるように配置されている。これにより、一対のガイド部材221は、物品群Gwを構成する物品Wに接触しつつ当該物品Wを下流側に流すことができる。そして、一対のガイド部材221は、第2搬送面F2上を搬送されている複数の物品Wから構成される物品群Gwの配置範囲を、搬送方向に直交する方向の中央側に寄せるように狭めることができる。このような一対のガイド部材221を備えた絞り部22によって、例えば、物品群Gwを構成する複数の物品Wを、絞り部22の通過後に第2搬送装置2の搬送方向に沿って一列に並ぶようにすることが可能となる。このようにすることにより、物品群Gwを構成する複数の物品Wを、1つずつ収容容器Bに投入することができる。
【0036】
〔搬出装置〕
搬出装置5は、物品Wを外部へ搬出するための装置である。本実施形態では、搬出装置5は、搬送面F5を有し、当該搬送面F5によって複数の収容容器Bを下方から支持した状態で順次搬送する。図示の例では、搬出装置5は、コンベヤとして構成されている。但し、このような構成に限定されることなく、搬出装置5は、搬送台車等の各種搬送装置として構成されていても良い。
【0037】
〔ピッキングシステムの制御構成〕
次に、ピッキングシステム100の制御構成について説明する。図6は、ピッキングシステム100の制御構成を示すブロック図である。
【0038】
図6に示すように、ピッキングシステム100は、システム内における物品Wの保管や搬送等を統括的に管理する統括制御装置Ctを備えている。統括制御装置Ctは、搬入装置4の動作を制御する搬入制御部C4、複数段仕分け装置3の動作を制御する仕分け制御部C3、第1搬送装置1の動作を制御する第1搬送制御部C1、第2搬送装置2の動作を制御する第2搬送制御部C2、及び、搬出装置5の動作を制御する搬出制御部C5との間で、有線又は無線により通信可能に構成されている。統括制御装置Ct、搬入制御部C4、第1搬送制御部C1、第2搬送制御部C2、及び、搬出制御部C5は、例えば、マイクロコンピュータ等のプロセッサ、メモリ等の周辺回路等を備えている。そして、これらのハードウェアとコンピュータ等のプロセッサ上で実行されるプログラムとの協働により、各機能が実現される。
【0039】
本実施形態では、仕分け制御部C3は、物品判別部30による判別結果を取得可能に構成されており、当該判別結果に基づいて物品Wを仕分けるように複数段仕分け装置3の動作を制御する。
【0040】
また本実施形態では、第1搬送制御部C1は、上流側搬送部11の動作を制御する上流側制御部C11と、下流側搬送部12の動作を制御する下流側制御部C12と、を含んでいる(図4も参照)。本例では、上流側制御部C11は、上流側搬送部11のコンベヤ部の駆動及び停止を制御すると共に、ストッパ111の開閉状態を制御する。また、下流側制御部C12は、下流側搬送部12のコンベヤ部の駆動及び停止を制御する。
【0041】
次に、ピッキングシステム100の制御手順について、主に図7を参照して説明する。図7は、ピッキングシステム100の制御手順の一部を示すフローチャートである。
【0042】
ピッキングシステム100では、まず、物品Wの判別を行う(ステップ#1)。本実施形態では、物品判別部30が、搬入装置4によって搬入された物品Wの判別を行う。上述のように、本例では、カメラ30aによる画像認識によって物品Wの種別等の判別が行われる(図1参照)。
【0043】
次に、物品判別部30による判別結果に基づいて物品Wの仕分けを行う(ステップ#2)。物品Wの仕分けは、図5の上図に示すように、複数段仕分け装置3によって、複数の間口31のいずれかを介して、当該間口31に対応する第1搬送装置1に物品Wを排出することにより行われる。本例では、物品Wの仕分けの処理には、オーダー情報と物品判別部30による物品Wの判別結果とに基づいて、仕分け先となる特定の間口31を複数の間口31の中から選択することも含まれる。
【0044】
次に、第1搬送装置1における上流側搬送部11に、オーダー情報に示された物品群Gwが貯留されているか否かを判断する(ステップ#3)。物品群Gwが未だ貯留されていない場合には(ステップ#3;No)、物品群Gwが貯留されるまで待機する(ステップ#4)。オーダー情報に示された物品群Gwが上流側搬送部11に貯留されていると判断した場合には(ステップ#3;Yes)、第2搬送装置2への物品群Gwの排出準備を行う(ステップ#5)。具体的には、図5の中央図に示すように、上流側搬送部11から下流側搬送部12への搬送経路を閉鎖する閉状態であるストッパ111を開状態として当該搬送経路を開放すると共に、上流側搬送部11から下流側搬送部12へ物品群Gwを搬送する。下流側搬送部12は、第2搬送装置2に対して物品群Gwを排出可能な状態となっていない場合には(ステップ#6;No)、排出準備をしたまま駆動を停止して待機する(ステップ#5)。
【0045】
次に、第2搬送装置2に対して物品群Gwを排出可能な状態となった場合に(ステップ#6;Yes)、下流側搬送部12から第2搬送装置2に物品群Gwを排出する(ステップ#7)。ここで、第2搬送装置2に対して物品群Gwを排出可能な状態とは、物品群Gwの排出元となる下流側搬送部12(第1搬送面F1の終端部E1)を対象下流側搬送部12Aとして、第2搬送装置2の第2搬送面F2が、対象下流側搬送部12Aに対応する高さに位置していると共に、物品群Gwを載置可能な第2搬送面F2のエリアAが、対象下流側搬送部12Aに対応する位置にある状態である。より具体的には、第2搬送装置2の第2搬送面F2が対象下流側搬送部12Aに対応する高さに位置している状態とは、図4に示すように、第2搬送装置2の第2搬送面F2が、対象下流側搬送部12Aの第1搬送面F1に対して規定高さ下方に位置した状態である。このときの第2搬送面F2と第1搬送面F1との差は、例えば、物品Wの高さよりも小さいものとされる。また、物品群Gwを載置可能な第2搬送面F2のエリアAが対象下流側搬送部12Aに対応する位置にある状態とは、未だ物品群Gwが載置されていないエリアAが、対象下流側搬送部12Aの第1搬送面F1の終端部E1に隣接する位置にある状態である。
【0046】
次に、第2搬送装置2によって物品群Gwを幅方向Yに搬送すると共に、搬出装置5の搬送面F5に載置された収容容器Bに物品群Gwを投入する(ステップ#7)。具体的には、第2搬送装置2は、第2搬送面F2を昇降させて搬出装置5の搬送面F5の高さに合せた状態で、搬送面F5に載置された収容容器Bに物品群Gwを投入する。そして、収容容器Bに投入された物品群Gwは、搬出装置5によって外部へ搬出される。
【0047】
〔その他の実施形態〕
次に、ピッキングシステムのその他の実施形態について説明する。
【0048】
(1)上記の実施形態では、第2搬送装置2の第2搬送面F2が、幅方向Yに並んで配置される複数の第1搬送面F1の終端部E1の配置領域の全域にわたって配置されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、第2搬送装置2の第2搬送面F2は、上記複数の第1搬送面F1の終端部E1の配置領域の一部の領域に配置されていても良い。この場合において、例えば、複数の第2搬送装置2が幅方向Yに並んで配置され、当該複数の第2搬送装置2の第2搬送面F2を合わせた場合に、全体として、上記複数の第1搬送面F1の終端部E1の配置領域の全域にわたって第2搬送面F2が配置されるように構成されていても良い。
【0049】
(2)上記の実施形態では、搬出装置5の搬送面F5に、第2搬送装置2から排出される物品Wを受け取って収容する収容容器Bが配置されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、搬出装置5の搬送面F5には収容容器Bは配置されていなくても良い。この場合において、例えば、搬出装置5は、搬送面F5によって物品Wを下方から直接支持した状態で、当該物品Wを搬送するように構成されていても良い。
【0050】
(3)上記の実施形態では、第2搬送装置2が、第2搬送面F2の中央部20が両側部21,21に対して窪んだ形状とされたトラフ式のコンベアにより構成されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、第2搬送装置2は、平坦な第2搬送面F2を有するコンベアとして構成されていても良い。また、第2搬送装置2は、図示されたようなベルト式コンベヤに限らず、ローラ式コンベヤ等であっても良い。
【0051】
(4)上記の実施形態では、上流側搬送部11がストッパ111を備えて、当該ストッパ111により物品Wの移動を規制することで、オーダーによって指定された物品群Gwが集まるまで物品Wを貯留する例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、上流側搬送部11は、ストッパ111を備えていなくても良い。この場合、上流側搬送部11は、例えば、駆動と停止とを制御することにより、オーダーによって指定された物品群Gwが集まるまで物品Wを貯留するように構成されていても良い。
【0052】
(5)上記の実施形態では、第1搬送装置1が、オーダー毎の物品群Gwを単位として物品Wを第2搬送装置2へ排出する構成を例として説明したが、これには限定されない。例えば、第1搬送装置1が、複数段仕分け装置3により仕分けられて間口31から排出された物品Wを、排出される毎に単体の物品Wのまま搬送するように構成されていても良い。この場合、第2搬送装置2又は搬出装置5に、オーダー毎の物品群Gwを集約するための機構が設けると好適であり、或いは、オーダー毎の物品群Gwを集約するための制御が行われるようにすると好適である。
【0053】
(6)上記の実施形態では、1の第1搬送装置1が、オーダー毎の物品群Gwをまとめて第2搬送装置2へ排出する構成を例として説明したが、これには限定されない。1つのオーダーに係る物品群Gwの一部ずつを複数の第1搬送装置1により分担して収集し、第2搬送装置2へ排出する構成としても良い。例えば、1つのオーダーが、10個の物品Wから成る1つの物品群Gwである場合、10個の物品Wの一部ずつを複数の第1搬送装置1で分担して(例えば幅方向Yに連続する2つの第1搬送装置1で5個ずつ分担して)収集し、第2搬送装置2へ排出する構成としても良い。この場合において、第2搬送装置2又は搬出装置5において1オーダーに係る物品群Gwを構成する複数の物品Wを集約するようにしても良い。例えば、複数の第1搬送装置1から排出された物品群Gwの一部ずつが第2搬送装置2において連続して搬送されるように、複数の第1搬送装置1からの排出タイミングが制御されると好適である。前述の例であれば、例えば、2つの第1搬送装置1の一方から排出された5個の物品Wと他方から排出された5個の物品Wとの合わせて10個の物品Wが第2搬送面F2の隣接するエリアAに排出されると良い。
【0054】
(7)上記の実施形態では、第2搬送装置2の第2搬送面F2が、複数の第1搬送面F1の終端部E1に沿うように幅方向Yに沿って配置されている構成を例として説明したが、これには限定されず、第2搬送面F2が幅方向Yに対して交差する方向に沿うように配置されていても良い。例えば、第2搬送面F2が離間方向Xに沿って配置されていても良い。これらの場合において、第2搬送面F2の搬送方向上流側の端部が、第1搬送面F1の終端部E1に接続されるように構成されていても良い。そして、第2搬送装置2が、上下方向に加えて、幅方向Yにも移動可能に構成され、複数の第1搬送装置1のいずれかの第1搬送面F1の終端部E1に対応する位置に第2搬送面の搬送方向上流側の端部を位置させた状態で、第1搬送面F1から排出される物品Wを第2搬送面F2により受け取って搬送するように構成されていても良い。或いは、各段において幅方向Yに並んで配置された第1搬送装置1と同数の第2搬送装置2が、幅方向Yに並べて設けられていても良い。
【0055】
(8)上記の実施形態では、下流側搬送部12(第1搬送装置1)が第2搬送装置2へ物品Wを排出するための仮想的なエリアAが、第2搬送面F2上に複数設定されている例について説明した。図3に示す例では、隣り合うエリアAの間を仕切る部材等は設けられておらず、各エリアAは仮想的な区間として設定されている。しかしこれには限定されず、このエリアAは、例えば図8に示すように、第2搬送面F2上において搬送方向(幅方向Y)に一定間隔置きに横桟23を設け、隣り合うエリアAの間が当該横桟23により仕切られた構成とされていても良い。この場合、横桟23は、第2搬送面F2から上方に突出すると共に、第2搬送装置2による搬送方向に対して平面視で直交する方向に沿って設けられていると良い。これによれば、第2搬送面F2上に載置された物品Wが、転がるなどして指定のエリアAの外部に移動することを抑制でき、異なるオーダーに係る複数の物品群Gw同士が第2搬送面F2上で混ざり合う可能性を低減できる。
【0056】
(9)上記の実施形態では、第1搬送装置1が、互いに独立して動作するコンベヤとして構成されると共に離間方向Xに沿って並んで配置された上流側搬送部11と下流側搬送部12とを備えている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、第1搬送装置1は、例えば図9に示すように、1つのコンベヤ(搬送部)により構成されていても良い。この場合、第1搬送装置1は、第1搬送面F1上における第1設定位置P1の物品Wを検知する第1検知センサS1と、第1搬送面F1における第2設定位置P2の物品Wを検知する第2検知センサS2と、第1搬送面F1上における第3設定位置P3の物品Wを検知する第3検知センサS3と、の少なくとも1つを備えていると好適である。図9に示す例では、第1搬送面F1における搬送方向(離間方向X)の上流側から下流側に向けて順番に、第1設定位置P1、第2設定位置P2、第3設定位置P3が設定されている。第1設定位置P1は、第1搬送面F1における搬送方向上流側の端部領域に設定されており、第1検知センサS1は、複数段仕分け装置3から第1搬送装置1への物品Wの投入の有無を検知する。第3設定位置P3は、第1搬送面F1における搬送方向下流側の端部領域に設定されており、第3検知センサS3は、第1搬送装置1から第2搬送装置2へ投入される直前の物品Wを検知する。例えば、第2搬送装置2への物品Wの投入が意図されていないタイミングで行われようとする場合には、第3検知センサS3による物品Wの検知に基づいて、第1搬送装置1による物品Wの搬送を停止させることができる。また、第2設定位置P2は、第1搬送面F1における第1設定位置P1と第3設定位置P3との搬送方向の間で、且つ第3設定位置P3に近い位置に設定されており、第2検知センサS2は、第1搬送装置1によって搬送されている物品Wが第3設定位置P3に到達する直前の状態を検知する。例えば、第2搬送装置2への物品Wの投入を適切なタイミングで行うために、第2搬送装置2への物品Wの投入前に第1搬送装置1を一時停止する場合において、第2検知センサS2により物品Wが検知された場合には、停止位置を超えて物品Wがはみ出しているとして警告等(警報音の報知など)を行うことができる。なお、上記のような例に限定されることなく、第1搬送装置1は、互いに独立した3つ以上のコンベヤ(搬送部)を備えていても良い。
【0057】
(10)なお、上述した実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0058】
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明したピッキングシステムについて説明する。
【0059】
保管されている複数の物品の中から必要な物品を収集して出庫するピッキングシステムであって、
上下方向の高さが異なる複数段の間口を有し、前記物品を前記複数段の前記間口のいずれかに仕分けして排出する複数段仕分け装置と、
前記複数段の前記間口のそれぞれに対応して設けられた複数の第1搬送装置と、
前記第1搬送装置から前記物品を受け取って搬送する第2搬送装置と、を備え、
複数の前記第1搬送装置のそれぞれは、第1搬送面を有し、前記間口から排出される前記物品を前記第1搬送面により受け取ると共に、前記物品を前記第1搬送面に載せた状態で前記間口から離間させる離間方向に搬送し、
前記第2搬送装置は、昇降可能に構成された第2搬送面を有し、複数の前記第1搬送装置のいずれかの前記第1搬送面の終端部に対応する高さに前記第2搬送面を位置させた状態で、前記第1搬送面の終端部から排出される前記物品を前記第2搬送面により受け取って搬送する。
【0060】
本構成によれば、複数段仕分け装置によって仕分けられ、複数の間口のそれぞれから排出される物品を、複数の間口のそれぞれに対応して設けられた第1搬送装置によって受け取って搬送できる。そして、複数の第1搬送装置のそれぞれによって搬送される複数の物品を、第2搬送装置によって受け取って搬送することができる。これにより、複数段仕分け装置によって仕分けられた物品を、仕分け後の物品群毎に順番に第2搬送装置によって搬送することが可能となる。従って、本構成によれば、仕分けられた物品に対して次の作業を行うための作業箇所を間口の数より少ない数の特定箇所に集約でき、ひいては、作業効率の向上を図ることが可能となる。
【0061】
ここで、
前記複数段仕分け装置は、オーダー情報に基づいて、前記物品を複数の前記間口のいずれかに仕分けし、
前記第1搬送装置は、前記オーダー毎の複数の前記物品の集合である物品群単位で、前記物品を前記第2搬送装置へ排出すると好適である。
【0062】
本構成によれば、複数の物品を、オーダー情報に基づいて複数の間口のそれぞれに仕分けることができると共に、仕分け後の複数の物品を、オーダー毎の物品の集合である物品群単位で第2搬送装置によって搬送できる。このため、本構成によれば、オーダー毎に仕分けられた後の物品群を単位として、第2搬送装置によって搬送することができる。従って、物品群毎に次の作業を行うことができると共に、当該作業の効率の向上を図ることができる。
【0063】
また、
平面視で、前記離間方向に交差する方向を幅方向として、
前記複数段仕分け装置は、前記幅方向の位置が異なる複数列の前記間口を有し、
複数の前記第1搬送装置は、前記複数段のそれぞれにおいて、前記複数列の前記間口のそれぞれに対応するように前記幅方向に並んで配置され、
前記第2搬送面が、前記複数段のそれぞれにおいて、前記幅方向に並んで配置される複数の前記第1搬送面の終端部に沿うように、前記幅方向に沿って配置され、
前記第2搬送装置は、前記幅方向に沿って前記物品を搬送すると好適である。
【0064】
本構成によれば、複数段仕分け装置によって複数段及び複数列の間口毎に仕分けられた物品を、複数の間口のそれぞれに対応して設けられた第1搬送装置によって受け取って離間方向に沿って搬送できると共に、複数の第1搬送装置のそれぞれによって搬送される複数の物品を、第2搬送装置によって受け取って幅方向に沿って搬送することができる。この際、第2搬送面が、幅方向に並んで配置される複数の第1搬送面の終端部に沿うように幅方向に沿って配置されているため、複数の第1搬送装置によって搬送された物品を、第2搬送装置の第2搬送面によって効率的に受けることができる。また、第2搬送装置の設置スペースを小さく抑えることも可能となる。
【0065】
また、
前記第2搬送面は、前記複数段のそれぞれにおいて、前記幅方向に並んで配置される複数の前記第1搬送面の終端部の配置領域の全域にわたって配置されていると好適である。
【0066】
本構成によれば、幅方向に並んで配置される複数の第1搬送装置の全てを対象として、それら全ての第1搬送装置から排出される物品を、第2搬送装置の第2搬送面によって受け取って搬送することができる。
【0067】
また、
前記第2搬送装置は、前記物品を前記第2搬送面に載せた状態で搬送し、
前記幅方向における前記第2搬送面の端部に対して下方に、前記第2搬送装置から排出される前記物品を受け取って収容する収容容器が配置されると好適である。
【0068】
本構成によれば、第2搬送装置によって搬送された物品を、第2搬送面の端部において収容容器に投入することができる。従って、仕分けられた物品に対して次の作業が行われる作業箇所を、第2搬送面の端部付近に集約することができる。これにより、作業効率の向上を図ることも可能となる。
【0069】
また、
前記第2搬送装置は、当該第2搬送装置による前記物品の搬送方向に直交する断面における前記第2搬送面の中央部が、両側部に対して窪んだ形状とされたトラフ式のコンベアであると好適である。
【0070】
本構成によれば、第2搬送装置による物品の搬送中に、当該物品を第2搬送面の中央部側に寄せることができる。これにより、第2搬送装置による物品の搬送中に当該物品が第2搬送面からはみ出すことを抑制できる。また、仕分け後の物品を物品群毎に第2搬送装置によって搬送する場合において、当該物品群を第2搬送面の中央部に集約させた状態で搬送することができる。従って、物品群毎に次の作業を行う場合における作業効率の向上を図り易い。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本開示に係る技術は、保管されている複数の物品の中から必要な物品を収集して出庫するピッキングシステムに利用することができる。
【符号の説明】
【0072】
100 :ピッキングシステム
1 :第1搬送装置
F1 :第1搬送面
E1 :終端部
2 :第2搬送装置
F2 :第2搬送面
E2 :端部
20 :中央部
21 :側部
3 :複数段仕分け装置
31 :間口
B :収容容器
W :物品
Gw :物品群
X :離間方向
Y :幅方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9