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  • 特許-蓄電装置、及び、蓄電モジュール 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-07
(45)【発行日】2023-08-16
(54)【発明の名称】蓄電装置、及び、蓄電モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/586 20210101AFI20230808BHJP
   H01M 50/184 20210101ALI20230808BHJP
   H01M 50/186 20210101ALI20230808BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20230808BHJP
   H01M 50/284 20210101ALI20230808BHJP
   H01M 50/533 20210101ALI20230808BHJP
   H01M 50/536 20210101ALI20230808BHJP
   H01M 50/548 20210101ALI20230808BHJP
   H01M 50/593 20210101ALI20230808BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20230808BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20230808BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20230808BHJP
   H01M 10/647 20140101ALI20230808BHJP
   H01M 10/651 20140101ALI20230808BHJP
   H01M 10/6555 20140101ALI20230808BHJP
   H01M 10/6557 20140101ALI20230808BHJP
   H01M 10/6563 20140101ALI20230808BHJP
【FI】
H01M50/586
H01M50/184 A
H01M50/186
H01M50/204 401H
H01M50/284
H01M50/533
H01M50/536
H01M50/548
H01M50/593
H01M10/04 Z
H01M10/613
H01M10/625
H01M10/647
H01M10/651
H01M10/6555
H01M10/6557
H01M10/6563
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019238482
(22)【出願日】2019-12-27
(65)【公開番号】P2021108243
(43)【公開日】2021-07-29
【審査請求日】2022-03-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(74)【代理人】
【識別番号】100148013
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 浩光
(72)【発明者】
【氏名】長谷 隆介
(72)【発明者】
【氏名】山本 悟士
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 智之
【審査官】小森 重樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-253988(JP,A)
【文献】特開2004-253155(JP,A)
【文献】特開2019-185927(JP,A)
【文献】特開2006-156000(JP,A)
【文献】特開2008-160060(JP,A)
【文献】特開2008-117626(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/50
H01M 50/10
H01M 50/20
H01M 10/04
H01M 10/613
H01M 10/625
H01M 10/647
H01M 10/651
H01M 10/6555
H01M 10/6557
H01M 10/6563
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に沿って積層された複数のバイポーラ電極を含む積層体と、
前記積層体の前記第1方向に沿った側面を封止するように前記複数のバイポーラ電極のそれぞれに設けられた複数のシール部材と、
前記複数のバイポーラ電極のそれぞれに電気的に接続された複数のリード線と、
を備え、
前記バイポーラ電極は、電極板と前記電極板の前記第1方向に交差する一対の主面に形成された電極層とを含み、
前記複数のシール部材のそれぞれは、前記第1方向からみたときの前記電極板の外縁部において隣り合う前記電極板の間に介在されており、
前記複数のリード線のそれぞれは、前記積層体の内部に位置し、一の前記電極板に接触して電気的に接続された第1部分と、前記第1部分から延在して前記シール部材から前記積層体の外部に引き出された第2部分と、を含み、
少なくとも2つの前記第2部分の前記積層体からの引出部分が前記第1方向に重複し、
前記引出部分は、導電部と、前記導電部を被覆する絶縁部と、を含み、
前記積層体は、前記第1方向の一端及び他端に互いに異なる極性の終端電極を含み、
前記終端電極のそれぞれの電極板の外側に臨む主面には、前記シール部材が設けられており、
前記複数のシール部材のそれぞれは、前記第1方向からみて、前記電極板に重複する部分と、前記電極板の外縁よりも外側に位置する部分とを含み、
前記第1方向に隣接するシール部材同士は、前記電極板の外縁よりも外側に位置する部分において互いに溶着されており、
前記リード線の前記第1部分は、前記電極板の前記主面に溶接され、且つ、前記シール部材に覆われており、
前記リード線の前記第2部分は、前記シール部材同士が溶着された部分より引き出されている、
蓄電モジュール。
【請求項2】
前記複数のリード線は、少なくとも前記第2部分において前記導電部と前記絶縁部とが層状に配置されて一体化された可撓性の基板として構成されている、
請求項1に記載の蓄電モジュール。
【請求項3】
前記複数のリード線は、前記第1部分において互いに分離されると共に、前記第2部分の少なくとも一部において互いに一体化されている、
請求項2に記載の蓄電モジュール。
【請求項4】
前記複数のリード線の前記第2部分の先端に取り付けられ、前記複数のリード線を一括して保持するコネクタを備え、
前記リード線の前記コネクタ側の端部における前記リード線の間隔は、前記第1部分の間隔よりも広い、
請求項1~3のいずれか一項に記載の蓄電モジュール。
【請求項5】
全ての前記引出部分が、前記第1方向に重複している、
請求項1又は2に記載の蓄電モジュール。
【請求項6】
集電板を介して第1方向に積層された一対の蓄電モジュールを備え
それぞれの前記蓄電モジュールは、
第1方向に沿って積層された複数のバイポーラ電極を含む積層体と、
前記積層体の前記第1方向に沿った側面を封止するように前記複数のバイポーラ電極のそれぞれに設けられた複数のシール部材と、
前記複数のバイポーラ電極のそれぞれに電気的に接続された複数のリード線と、
を備え、
前記バイポーラ電極は、電極板と前記電極板の両面に形成された電極層とを含み、
前記複数のシール部材のそれぞれは、前記第1方向からみたときの前記電極板の外縁部において隣り合う前記電極板の間に介在されており、
前記複数のリード線のそれぞれは、前記積層体の内部に位置し、一の前記電極板に接触して電気的に接続された第1部分と、前記第1部分から延在して前記シール部材から前記積層体の外部に引き出された第2部分と、を含み、
少なくとも2つの前記第2部分の前記積層体からの引出部分が前記第1方向に重複し、
前記第2部分は、導電部と、前記導電部を被覆する絶縁部と、を含み、
前記引出部分は、前記積層体の前記側面のうちの第1側面に配置されており、
前記一対の蓄電モジュールは、前記第1側面が同じ向きになるように、且つ、前記第1側面における前記引出部分の位置が、前記第1側面に交差する第2方向からみたときに点対称となるように互に積層されており、
前記積層体は、前記第1方向の一端及び他端に互いに異なる極性の終端電極を含み、
一対の前記蓄電モジュールは、同一極性の前記終端電極が前記集電板を介して互いに対向するように配置されており、
互いに対向する前記同一極性の終端電極は、前記集電板に接触しており、
前記第1方向における前記一対の蓄電モジュールの両端には、同一極性の別の集電板がそれぞれ配置されている、
蓄電装置。
【請求項7】
前記蓄電モジュールの間に介在され、冷却媒体の流路が形成された冷却部材と、
前記第1側面に設けられた制御装置と、を備え、
前記第1側面は、前記積層体の前記側面のうちの相対的に狭い側面であり、
前記流路の開口は、前記積層体の前記側面のうちの相対的に広い側面である第2側面側に形成されている、
請求項6に記載の蓄電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電装置、及び、蓄電モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、双極型二次電池が記載されている。この双極型二次電池は、長方形のSUS箔からなる集電体の一方の面に正極層が形成され、他方の面に負極層が形成された双極型電極を、セパレータに電解質を保持させてなる電解質層を挟んで積層し、複数枚直列に配設した構成を有している。この双極型二次電池においては、正極層と負極層との間に電解質層を挟んだ積層構造により単電池層が構成されている。集電体には、SUSが露出した露出部が形成されている。露出部には、導電性接着剤を用いてリード線が電気的に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-117626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような二次電池にあっては、リード線間の絶縁を確保することが重要である。そのためには、例えば、二次電池におけるリード線の引出部分が設けられた側面内において、リード線の引出部分を積層方向に交差する方向に互いにオフセットさせることにより、リード線間の絶縁距離を確保することが考えられる。しかしながら、この場合には、二次電池の当該側面内において、リード線の引出部分が広いエリアに渡って分散されることとなる。この結果、リード線に取り付けられるハーネスといった電装部品の取り付け面積が増大する。電装部品の取り付け面積の増大は、体格や原価に対してデメリットとなる。
【0005】
そこで、本発明は、リード線間の絶縁を確保しつつ電装部品の取り付け面積の増大を抑制可能な蓄電モジュール、及び、蓄電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る蓄電モジュールは、第1方向に沿って積層された複数のバイポーラ電極を含む積層体と、積層体の第1方向に沿った側面を封止するように複数のバイポーラ電極のそれぞれに設けられた複数のシール部材と、複数のバイポーラ電極のそれぞれに電気的に接続された複数のリード線と、を備え、バイポーラ電極は、電極板と電極板の両面に形成された電極層とを含み、複数のシール部材のそれぞれは、第1方向からみたときの電極板の外縁部において隣り合う電極板の間に介在されており、複数のリード線のそれぞれは、積層体の内部に位置し、一の電極板に接触して電気的に接続された第1部分と、第1部分から延在してシール部材から積層体の外部に引き出された第2部分と、を含み、少なくとも2つの第2部分の積層体からの引出部分が第1方向に重複し、第2部分は、導電部と、導電部を被覆する絶縁部と、を含む。
【0007】
この蓄電モジュールでは、積層体を構成する複数のバイポーラ電極のそれぞれに対して、リード線が電気的に接続されている。より具体的には、リード線は、バイポーラ電極の電極板に接触して電気的に接続された第1部分と、第1部分から延在し、積層体の側面を封止するシール部材を介して積層体の外部に引き出された第2部分と、を含む。そして、第2部分は、導電部と導電部を被覆する絶縁部とを含む。したがって、リード線の引出部分がオフセットされていなくても、リード線の間の絶縁が確保される。この結果、少なくとも2つのリード線の引出部分(第2部分)を積層方向(第1方向)に重複させて配置できる。よって、積層方向に重複する分だけ、リード線の引出部分が分散されるエリアの拡大が抑制される。すなわち、電装部品の取り付け面積の増大が抑制される。
【0008】
本発明に係る蓄電モジュールでは、複数のリード線は、少なくとも第2部分において導電部と絶縁部とが層状に配置されて一体化された可撓性の基板として構成されていてもよい。このように、リード線として可撓性の基板を用いることにより、容易且つ確実に上記の構成を実現できる。
【0009】
本発明に係る蓄電モジュールでは、複数のリード線は、第1部分において互いに分離されると共に、第2部分の少なくとも一部において互いに一体化されていてもよい。この場合、リード線のハンドリング性が向上される。
【0010】
本発明に係る蓄電モジュールは、複数のリード線の第2部分の先端に取り付けられ、複数のリード線を一括して保持するコネクタを備え、リード線のコネクタ側の端部におけるリード線同士の間隔は、第1部分同士の間隔よりも広くてもよい。この場合、相対的に広い間隔でもってリード線がコネクタに保持されることにより、コネクタにおける絶縁が確実に確保される。
【0011】
本発明に係る蓄電モジュールでは、全ての引出部分が、第1方向に重複していてもよい。この場合、電装部品の取り付け面積の増大が確実に抑制される。
【0012】
ここで、本発明に係る蓄電装置は、上記の蓄電モジュールを備え、引出部分は、積層体の側面のうちの第1側面に配置されており、一対の蓄電モジュールは、第1側面が同じ向きになるように、且つ、第1側面における引出部分の位置が、第1側面に交差する第2方向からみたときに点対称となるように互に積層されている。
【0013】
この蓄電装置は、上記の蓄電モジュールを備えている。したがって、リード線間の絶縁を確保しつつ電装部品の取り付け面積の増大が抑制される。特に、この蓄電装置では、一対の蓄電モジュールが、積層体の側面におけるリード線の引出部分の位置が点対称となるようにされている。このため、リード線の接続先となる機器(例えば制御装置)を点対称の基準位置に配置すれば、各蓄電モジュールのリード線を短縮できる。
【0014】
本発明に係る蓄電装置は、蓄電モジュールの間に介在され、冷却媒体の流路が形成された冷却部材と、第1側面に設けられた制御装置と、を備え、第1側面は、積層体の側面のうちの相対的に狭い側面であり、流路の開口は、積層体の側面のうちの相対的に広い側面である第2側面側に形成されていてもよい。このように、相対的に狭い第1側面において制御装置を実装することにより、上述したようにリード線の短縮及び大型化の抑制ができる。さらに、相対的に広い第2側面に冷却媒体の流路の開口を配置することにより、冷却効率が向上される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、リード線間の絶縁を確保しつつ電装部品の取り付け面積の増大を抑制可能な蓄電モジュール、及び、蓄電装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、一実施形態に係る蓄電装置を示す模式的な側面図である。
図2図2は、図1に示された蓄電装置の別の側面における模式図である。
図3図3は、図1,2に示された蓄電モジュールの模式的な断面図である。
図4図4は、図3に示された蓄電モジュールの一部を拡大して示す模式的な断面図である。
図5図1に示された配線部の模式的な図である。
図6図6は、互に積層された状態の蓄電モジュールの模式的な側面図である。
図7図7は、変形例に係る蓄電モジュールを示す模式的な側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。図面の説明においては、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する場合がある。また、各図には、X軸、Y軸、及び、Z軸によって規定される直交座標系を図示する。Z軸方向は、一例として鉛直方向であり、X軸方向及びY軸方向は、一例として水平方向である。
【0018】
図1は、一実施形態に係る蓄電装置を示す模式的な側面図である。図2は、図1に示された蓄電装置の別の側面における模式図である。図1,2に示される蓄電装置1は、例えば、フォークリフト、ハイブリッド自動車、電気自動車等の各種車両のバッテリとして用いられ得る。蓄電装置1は、積層体2と、積層体2を拘束する一対の拘束部材5と、積層体2と拘束部材5のそれぞれとの間に配置された一対の絶縁部材7と、を備える。
【0019】
積層体2は、Z軸方向に沿って積層された複数(ここでは一対)の蓄電モジュール11と、蓄電モジュール11に接触するように設けられた正極集電板12及び負極集電板13と、を有している。以下では、Z軸方向を単に「積層方向」という場合がある。正極集電板12は、互に隣り合う蓄電モジュール11の間に配置されている。正極集電板12には、空気等の冷却媒体の流路12aが形成されている。したがって、正極集電板12は、蓄電モジュール11の間に介在された冷却部材としても機能する。負極集電板13は、積層方向における積層体2の両端に配置されている。絶縁部材7は、負極集電板13のそれぞれと拘束部材5との間に介在されている。
【0020】
拘束部材5のそれぞれは、積層体2に対して積層方向に沿った拘束力(荷重)を付加する部材である。拘束部材5のそれぞれは、例えば導電性の金属(例えば、銅、アルミニウム、チタン、ニッケル、又はステンレス鋼等の合金)から構成され得る。拘束部材5は、例えば、ボルト6A及びナット6Bといった締結部材を含む連結部材6を介して互に連結されている。したがって、拘束部材5のそれぞれには、ボルト6Aが挿通される貫通孔が形成されている。
【0021】
絶縁部材7のそれぞれは、例えば、絶縁性を有するシート状の部材であって、略直方体形状を呈している。絶縁部材7のそれぞれは、ここでは負極集電板13に接触している。すなわち、ここでは、積層方向における積層体2の両端に、後述する負極層23となる活物質層が塗工された負極終端電極19が配置されるように、蓄電モジュール11が配列されている。絶縁部材7のそれぞれの材料の例には、一例として、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、及び、ナイロン66(PA66)が含まれる。絶縁部材7の少なくとも1つは、弾性を示してもよい。
【0022】
引き続いて、図3を参照して蓄電モジュール11の詳細について説明する。図3は、図1,2に示された蓄電モジュールの模式的な断面図である。図2に示されるように、蓄電モジュール11は、略直方体形状を呈する単電池である。蓄電モジュール11は、例えば、ニッケル水素二次電池やリチウムイオン二次電池等の二次電池である。蓄電モジュール11は、電気二重層キャパシタであってもよい。蓄電モジュール11は、全固体電池であってもよい。
【0023】
ここでは、蓄電モジュール11は、バイポーラ型のリチウムイオン二次電池である。蓄電モジュール11は、積層方向において正極集電板12と負極集電板13とによって挟まれており、正極集電板12及び負極集電板13を介して外部に電気的に接続され得る。
【0024】
蓄電モジュール11は、積層体14と、複数のシール部材15と、を備えている。積層体14は、複数のバイポーラ電極(電極)16、複数のセパレータ17、正極終端電極18、及び、負極終端電極19を有している。複数のバイポーラ電極16は、ここでは、Z軸方向(第1方向)に沿って積層されている。このように、ここでは、バイポーラ電極16の積層方向と蓄電モジュール11の積層方向とが一致しているため、以下では、バイポーラ電極16の積層方向も単に「積層方向」という場合がある。積層体14は、積層方向に沿った側面14sを有している。
【0025】
正極終端電極18は、積層方向における積層体14の一端において、バイポーラ電極16に積層されている。負極終端電極19は、積層方向における積層体14の他端において、バイポーラ電極16に積層されている。セパレータ17は、隣り合うバイポーラ電極16の間、バイポーラ電極16と正極終端電極18との間、及び、バイポーラ電極16と負極終端電極19との間に介在されている。
【0026】
バイポーラ電極16は、電極板21、正極層(電極層)22、及び、負極層(電極層)23を有している。電極板21は、積層方向に交差する主面21a,21bを含む。主面21aには正極層22が設けられ、主面21bには負極層23が設けられている。すなわち、バイポーラ電極16は、電極板21の両面に形成された電極層を含む。電極板21は、積層方向に沿って正極層22と負極層23とによって挟まれている。なお、バイポーラ電極16は、一方の面に正極層22が形成された導電板と、一方の面に負極層23が形成された別の導電板とを、電極層が形成されていない面同士が接触するように重ね合されて形成されていてもよい。
【0027】
電極板21は、箔状の導電部材であり、略矩形状を呈している。電極板21は、例えば、金属箔又は合金箔である。金属箔は、例えば、銅箔、アルミニウム箔、チタン箔、又は、ニッケル箔等である。合金箔は、例えば、ステンレス鋼箔(例えば、JIS G 4305:2015にて規定されるSUS304、SUS316、SUS301、SUS304等)、メッキ処理が施された鋼板(例えばJIS G 3141:2005にて規定される冷間圧延鋼板(SPCC等))メッキ処理が施されたステンレス鋼板、又は、上記金属の合金箔である。電極板21が合金箔である場合、或いは、電極板21がアルミニウム箔以外の金属箔である場合、電極板21の表面はアルミニウムで被覆されていてもよい。
【0028】
正極層22は、正極活物質と導電助剤と結着剤とを含む層状部材であり、略矩形状を呈している。本実施形態の正極活物質は、例えば、複合酸化物、金属リチウム、及び硫黄等である。複合酸化物の組成には、例えば、鉄、マンガン、チタン、ニッケル、コバルト、及びアルミニウムの少なくとも1つと、リチウムとが含まれる。複合酸化物の例には、オリビン型リン酸鉄リチウム(LiFePO4)が挙げられる。結着剤は、活物質又は導電助剤を集電体の表面に繋ぎ止め、電極中の導電ネットワークを維持する役割を果たすものである。
【0029】
結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド等のイミド系樹脂、アルコキシシリル基含有樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸等のアクリル系樹脂、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸アンモニウム等のアルギン酸塩、水溶性セルロースエステル架橋体、デンプン-アクリル酸グラフト重合体を例示することができる。これらの結着剤を単独で又は複数で採用すれば良い。導電助剤は、例えば、アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト等である。粘度調整溶媒は、例えば、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)等である。
【0030】
負極層23は、負極活物質と導電助剤と結着剤とを含む層状部材であり、略矩形状を呈している。本実施形態の負極活物質は、例えば、黒鉛、人造黒鉛、高配向性グラファイト、メソカーボンマイクロビーズ、ハードカーボン、ソフトカーボン等のカーボン、金属化合物、リチウムと合金化可能な元素もしくはその化合物、ホウ素添加炭素等である。リチウムと合金化可能な元素の例としては、シリコン(ケイ素)及びスズが挙げられる。導電助剤及び結着剤は正極層22と同様のものを用いることができる。
【0031】
正極終端電極18は、電極板21と、電極板21の一方の主面21aに形成された正極層22と、含む。正極終端電極18においては、電極板21の他方の主面21bには負極層23等の電極層が形成されていない。正極終端電極18は、電極板21の一方の主面21a及び正極層22がバイポーラ電極16側(積層体14の内側)に向くようにバイポーラ電極16に積層されている。
【0032】
負極終端電極19は、電極板21と、電極板21の他方の主面21bに形成された負極層23と、を含む。負極終端電極19においては、電極板21の一方の主面21aには、正極層22等の電極層が形成されていない。負極終端電極19は、電極板21の他方の主面21b及び負極層23がバイポーラ電極16側(積層体14の内側)に向くようにバイポーラ電極16に積層されている。
【0033】
セパレータ17は、隣り合うバイポーラ電極16の間、バイポーラ電極16と正極終端電極18との間、及びバイポーラ電極16と負極終端電極19との間のそれぞれを隔てる層状部材であり、略矩形状を呈している。セパレータ17は、隣り合うバイポーラ電極16の間、バイポーラ電極16と正極終端電極18との間、及びバイポーラ電極16と負極終端電極19との間の短絡を防止する部材である。セパレータ17は、正極層22及び負極層23に含まれる電解質によって構成されている。セパレータ17が固体電解質によって構成される場合、セパレータ17は、略矩形板形状を呈してもよい。
【0034】
セパレータ17は、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂からなる多孔質フィルムである。セパレータ17は、ポリプロピレン、メチルセルロース等からなる織布又は不織布等でもよい。セパレータ17は、フッ化ビニリデン樹脂化合物で補強されてもよい。
【0035】
シール部材15は、積層体14に含まれる複数のバイポーラ電極16、複数のセパレータ17、正極終端電極18、及び負極終端電極19を保持する部材であり、絶縁性を有している。より詳細には、シール部材15は、バイポーラ電極16、正極終端電極18、及び負極終端電極19を構成する電極板21を保持している。シール部材15は、積層体14の側面14sを封止すると共に、バイポーラ電極16同士の短絡を防止する短絡防止部材としても機能し得る。
【0036】
シール部材15は、積層方向からみたとき、電極板21の外形に倣う外形の枠状(ここでは矩形枠状)を呈しており、電極板21の外縁部21cにおいて、積層方向に隣り合う電極板21の間に介在されている。電極板の間に介在するシール部材15は、電極板21の外縁部21cにおいて主面21aに接合(例えば溶着)されている。なお、シール部材15は、電極板21の主面21bにさらに接合(例えば溶着)されていてもよいし、シール部材15同士が互いに接合(例えば溶着)されていてもよい。
【0037】
一方、シール部材15は、積層方向における積層体14の一端では、正極終端電極18の電極板21の積層体14の外側に臨む主面21b上にも配置され、当該主面21bにも接合(例えば溶着)されている。さらに、シール部材15は、負極終端電極19の電極板21の積層体14の外側に臨む主面21a上に配置され、当該主面21aに接合(例えば溶着)されている。
【0038】
積層方向からみて、正極終端電極18の電極板21の主面21bにおけるシール部材15に囲われる領域には、正極集電板12が配置されている。すなわち、積層方向における積層体14の一端には、積層方向からみて正極集電板12を囲うようにシール部材15が配置されることとなる。また、積層方向からみて、負極終端電極19の電極板21の主面21aにおけるシール部材15に囲われる領域には、負極集電板13が配置されている。
【0039】
すなわち、積層方向における積層体14の他端には、積層方向からみて負極集電板13を囲うようにシール部材15が配置されることとなる。シール部材15を形成する材料は、耐熱性を示す樹脂部材等である。耐熱性を示す樹脂部材の例としては、ポリイミド、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)及びPA66等が挙げられる。
【0040】
正極集電板12は、積層体14に接触する導電部材であり、板形状を呈している。正極集電板12は、積層方向において蓄電モジュール11に隣接している。すなわち、正極集電板12は、正極終端電極18の電極板21に接触している。負極集電板13は、積層体14に接触する導電部材であり、板形状を呈している。負極集電板13は、正極集電板12と同様に積層方向において蓄電モジュール11に隣接している。すなわち、負極集電板13は、負極終端電極19の電極板21に接触している。
【0041】
二つの蓄電モジュール11は、正極終端電極18が互いに対向するように配置されている。正極集電板12は、これら互いに対向する二つの正極終端電極18に接触するように配置されている。すなわち、本実施形態では、一つの正極集電板12が、二つの蓄電モジュール11の正極集電板として機能している。
【0042】
蓄電装置1は、積層体2を構成する複数の蓄電モジュール11を1つの蓄電セル群としてみたとき、積層方向において蓄電セル群の両端に配置される電極は、共に負極終端電極19であるか、又は、共に正極終端電極18である。ここでは、積層方向において蓄電セル群の両端に配置される電極は、共に負極終端電極19である。言い換えれば、二つの蓄電モジュール11は、負極終端電極19が互いに背向するように(正極終端電極18が互いに対向するように)配置されている。二つの負極集電板13のそれぞれは、これら互いに背向する二つの負極終端電極19のそれぞれに接触するように配置されている。
【0043】
ここで、図1及び図2に示されるように、蓄電装置1は、制御装置50と制御装置50が実装されるベース51とを備えている。ベース51は、積層体14の側面14s上において一対の拘束部材5に掛け渡されるように配置され、拘束部材5に固定されている。制御装置50は、ベース51に取り付けられている。蓄電装置1においては、一対の蓄電モジュール11が、互いの積層体14の側面(第1側面)14sが同一の向きになるように積層され、当該側面14sを覆う位置にベース51を介して制御装置50が取り付けられている。制御装置50は、配線部30を介して、蓄電モジュール11のそれぞれと電気的に接続されている。制御装置50には、配線部30の一端に設けられたコネクタ31が接続されると共に、外部接続用の別のコネクタ52が設けられている。
【0044】
図4は、図3に示された蓄電モジュールの一部を拡大して示す模式的な断面図である。図5は、図1に示された配線部の模式的な図である。図3~5に示されるように、配線部30は、複数のリード線24を含む。複数のリード線24のそれぞれは、少なくとも、複数のバイポーラ電極16のそれぞれに電気的に接続されている。換言すれば、蓄電モジュール11は、バイポーラ電極16のそれぞれに電気的に接続された複数のリード線24を有している。リード線24は、第1部分24Aと第2部分24Bとを含む。第1部分24Aは、積層体14の内部に位置する。第1部分24Aは、電極板21に接触して電気的に接続されている。
【0045】
ここでは、第1部分24Aは、電極板21の主面21aに接合されている。第1部分24Aと電極板21との接合は、例えば、導電性接着剤を用いた接着であってもよいし、溶接による溶着であってもよい。或いは、第1部分24Aは、電極板21との接触が維持された状態において、シール部材15の溶着によって電極板21に接合されていてもよい。第2部分24Bは、第1部分24Aと連続しており、第1部分24Aから延在してシール部材15から積層体14の外部に引き出されている。
【0046】
一方、リード線24は、導電部25と、導電部25を被覆する絶縁部26と、を含む。一例として、リード線24は、導電部25と絶縁部26とが層状に配置されて一体化された可撓性の基板(FPC)である。この場合、リード線24のそれぞれは、長尺のシート状となる。また、この場合、導電部25は、絶縁部26に印刷により形成されることにより一体化され得る。第1部分24Aでは、絶縁部26が除かれて導電部25が露出しており、この導電部25が電極板21と接している。第2部分24Bでは、絶縁部26が残存されている。つまり、第2部分2Bは外部に対して電気的に絶縁されている。
【0047】
複数のリード線24のそれぞれは、互いに分離されていてもよいし、互いに一体化されていてもよい。コネクタ31は、第2部分24Bの第1部分24Aと反対側の端部において、複数のリード線24を一括して保持している。図5の(a)の例では、複数のリード線24は、第1部分24A及び第2部分24Bの第1部分24A側の部分において互いに分離されると共に、第2部分24Bのコネクタ31側の端部において互いに一体化されている。このように、リード線24の少なくとも一部が一体化されている場合には、配線部30の当該一体化部分が幅広のシート状となる。このため、配線部30は、当該シート状の部分においてリード線24ごとに、例えば蛇腹状に折り重ねられていてもよい。
【0048】
一方、図5の(b)の例では、複数のリード線24は、第1部分24A及び第2部分24Bの全体において互いに分離されている。特に、図5の(b)の例では、リード線24のコネクタ31側の端部(第2部分24Bの第1部分24Aと反対側の端部)におけるリード線24同士の間隔が、第1部分24A同士の間隔よりも広くされている。
【0049】
図6は、互に積層された状態の蓄電モジュールを示す模式的な側面図である。図6では、蓄電装置1における蓄電モジュール11以外の構成が省略されている。図6に示されるように、リード線24の第2部分24Bの積層体14からの引出部分24Cは、積層体14の側面14sに集約されて設けられている。ここでは、全ての引出部分24Cが、積層方向に一列に配列されて互いに重複している。引出部分24Cは、側面14sに交差する方向(第2方向であり、ここではY軸方向)からみて、側面14sの一方側の領域Rに偏在している。
【0050】
なお、ここでは、蓄電装置1及び蓄電モジュール11は、X軸方向に対してY軸方向について長尺状である(図1,2参照)。このため、以下では、第2方向であるY軸方向を便宜的に「長手方向」と称し、第1方向及び第2方向に交差する第3方向であるX軸方向を便宜的に「短手方向」と称する場合がある。
【0051】
一対の蓄電モジュール11は、上述したように積層体14の側面14sが同一の向きになるように、且つ、側面14sにおける引出部分24Cの位置が長手方向からみたときに点対称となるように、互に積層されている。これにより、一対の蓄電モジュール11において、引出部分24Cが偏在する領域RがX軸方向に離間して配置されることとなる。そして、蓄電装置1では、側面14sにおける長手方向からみて一対の領域Rの間となる領域に制御装置50が配置されている。このため、一方の蓄電モジュール11における引出部分24Cから制御装置50までの距離と、他方の蓄電モジュール11における引出部分24Cから制御装置50までの距離と、が同程度となる(最短となる)。
【0052】
なお、図1,2に示されるように、積層体14の側面14sは、積層体14の複数の側面のうちの相対的に狭い面である。積層体14は、側面14s同士を接続する別の側面(第2側面)14rを有している。側面14rは、積層体14の複数の側面のうちの相対的に広い面である。つまり、引出部分24C及び制御装置50は、積層体14の相対的に狭い側面14s側に設けられており、正極集電板12に設けられた流路12aの開口12bは、相対的に広い側面14r側に形成されている。
【0053】
以上の配線部30は、リード線24の第1部分24Aをバイポーラ電極16等に挟み込みながらバイポーラ電極16等を積層することにより、蓄電モジュール11に設けられ得る。
【0054】
以上説明したように、蓄電モジュール11では、積層体14を構成する複数のバイポーラ電極16のそれぞれに対して、リード線24が電気的に接続されている。より具体的には、リード線24は、バイポーラ電極16の電極板21に接触して電気的に接続された第1部分24Aと、第1部分24Aから延在し、積層体14の側面14sを封止するシール部材15を介して積層体14の外部に引き出された第2部分24Bと、を含む。そして、第2部分24Bは、導電部25と導電部25を被覆する絶縁部26とを含む。したがって、リード線24の引出部分24Cがオフセットされていなくても、リード線24の間の絶縁が確保される。この結果、少なくとも2つのリード線24の引出部分24C(第2部分24B)を積層方向に重複させて配置できる。よって、積層方向に重複する分だけ、リード線24の引出部分24Cが分散されるエリアの拡大が抑制される。すなわち、電装部品の取り付け面積の増大が抑制される。
【0055】
また、蓄電モジュール11では、複数のリード線24は、少なくとも第2部分24Bにおいて導電部25と絶縁部26とが層状に配置されて一体化された可撓性の基板として構成されていてもよい。このように、リード線24として可撓性の基板を用いることにより、容易且つ確実に上記の構成を実現できる。
【0056】
また、蓄電モジュール11では、複数のリード線24は、第1部分24Aにおいて互いに分離されると共に、第2部分24Bの少なくとも一部において互いに一体化されていてもよい。この場合、リード線24のハンドリング性が向上される。
【0057】
また、蓄電モジュール11は、複数のリード線24の第2部分24Bの先端に取り付けられ、複数のリード線24を一括して保持するコネクタ31を備えている。そして、リード線24のコネクタ31側の端部におけるリード線24同士の間隔は、第1部分24A同士の間隔よりも広くてもよい。この場合、相対的に広い間隔でもってリード線24がコネクタ31に保持されることにより、コネクタにおける絶縁が確実に確保される。
【0058】
さらに、蓄電モジュール11では、全ての引出部分24Cが、積層方向に重複している。このため、電装部品の取り付け面積の増大が確実に抑制される。
【0059】
ここで、蓄電装置1は、上記の蓄電モジュール11を備えている。また、引出部分24Cは、積層体14の側面14sに配置されている。そして、一対の蓄電モジュール11は、側面14sが同じ向きになるように、且つ、側面14sにおける引出部分24Cの位置が、側面14sに交差する長手方向からみたときに点対称となるように互に積層されている。
【0060】
蓄電装置1は、上記の蓄電モジュール11を備えている。したがって、リード線24間の絶縁を確保しつつ電装部品の取り付け面積の増大が抑制される。特に、蓄電装置1では、一対の蓄電モジュール11が、積層体14の側面14sにおけるリード線24の引出部分24Cの位置が点対称となるようにされている。このため、リード線24の接続先となる機器(例えば制御装置50)を点対称の基準位置に配置すれば、蓄電モジュール11のリード線24を短縮できる。さらに、一対の蓄電モジュール11を同一設計とすることが可能となる。
【0061】
さらに、蓄電装置1は、蓄電モジュール11の間に介在され、冷却媒体の流路12aが形成された冷却部材(正極集電板12)と、側面14sに設けられた制御装置50と、を備えている。側面14sは、積層体14の側面のうちの相対的に狭い側面であり、流路12aの開口12bは、積層体14の側面のうちの相対的に広い側面である側面14r側に形成されている。このように、相対的に狭い側面14sにおいて制御装置50を実装することにより、上述したようにリード線24の短縮及び大型化の抑制ができる。さらに、相対的に広い側面14rに冷却媒体の流路12aの開口12bを配置することにより、冷却効率が向上される。
【0062】
以上の実施形態は、本発明の一形態を説明したものである。したがって、本発明は、上述した蓄電装置1及び蓄電モジュール11に限定されず、任意に変形され得る。
【0063】
例えば、上記実施形態においては、全てのリード線24の引出部分24Cが積層方向に重複する例について説明した。しかしながら、蓄電モジュール11では、少なくとも一対のリード線24の引出部分24Cが積層方向に重複していればよい。図7の例では、複数のリード線24が所定数ごとに複数のグループに分割されており、各グループ内においては引出部分24Cが順に幅方向にオフセットされている。一方、グループ間においては、引出部分24Cが積層方向に重複している。したがって、この例では、リード線24の分割数の引出部分24Cが積層方向に重複することとなる。
【0064】
また、上記実施形態においては、正極集電板12に冷却媒体の流路12aが形成された例について説明したが、負極集電板13にも冷却媒体を流通させる流路が形成されていてもよい。
【0065】
また、上記実施形態においては、リード線24(及び配線部30)がFPCである例を挙げたが、リード線24は、少なくとも第2部分24Bにおいて導電部25と導電部25を被覆する絶縁部26を有する構成とされていればよく、フラットケーブルやワイヤハーネスであってもよい。
【0066】
さらに、第1部分24Aは、複数の部材で構成されていてもよい。例えば、リード線24と電極板21とが、別の導電部材を介して接続されてもよい。この場合、リード線24の導電部25と別の導電部材とによって、第1部分24Aが構成され得る。
【符号の説明】
【0067】
1…蓄電装置、11…蓄電モジュール、12…正極集電板(冷却部材)、14…積層体、14s…側面(第1側面)、14r…側面(第2側面)、15…シール部材、16…バイポーラ電極、21…電極板、22…正極層(電極層)、23…負極層(電極層)、24…リード線、24A…第1部分、24B…第2部分、24C…引出部分、25…導電部、26…絶縁部、31…コネクタ、50…制御装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7