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特許7327167物理的知的移動オブジェクトのデジタル表現
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-07
(45)【発行日】2023-08-16
(54)【発明の名称】物理的知的移動オブジェクトのデジタル表現
(51)【国際特許分類】
   H04W 36/32 20090101AFI20230808BHJP
   H04W 4/40 20180101ALI20230808BHJP
   H04W 76/10 20180101ALI20230808BHJP
   H04W 28/084 20230101ALI20230808BHJP
【FI】
H04W36/32
H04W4/40
H04W76/10
H04W28/084
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020000702
(22)【出願日】2020-01-07
(65)【公開番号】P2020150533
(43)【公開日】2020-09-17
【審査請求日】2022-09-08
(31)【優先権主張番号】16/298578
(32)【優先日】2019-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】ワン・シィ
(72)【発明者】
【氏名】コォン・ジエヌ
(72)【発明者】
【氏名】ワン・ナヌナヌ
(72)【発明者】
【氏名】パラチャーラ・パパラオ
(72)【発明者】
【氏名】池内 公
【審査官】松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0037474(US,A1)
【文献】国際公開第2017/201722(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータにより実施される方法であって、
物理的知的移動オブジェクト(IMO)を識別するステップであって、前記物理的IMOは現在位置及びサービス要求に関連付けられる、ステップと、
前記サービス要求に基づくデジタル表現テンプレートから、前記物理的IMOの前記現在位置に最も近い、分散型クラウドコンピューティング環境の特定のエッジクラウドの中の前記物理的IMOのデジタル表現インスタンスを生成するステップと、
前記物理的IMOの前記デジタル表現インスタンスを生成することに応答して、前記特定のエッジクラウドを用いて、前記物理的IMOの前記デジタル表現と前記物理的IMOとの間のネットワーク接続を確立し及び維持するステップと、
前記特定のエッジクラウドのカバレッジから、前記物理的IMOの動きを検出するステップと、
前記物理的IMOの前記動きを検出することに応答して、
前記物理的IMOのカバレッジについて、前記分散型クラウドコンピューティング環境の目標エッジクラウドを識別するステップと、
前記目標エッジクラウドを用いて、前記物理的IMOの前記デジタル表現と前記物理的IMOとの間のネットワーク接続を確立し及び維持するステップと、
前記物理的IMOの前記デジタル表現のコピーを生成するステップと、
前記目標エッジクラウドを用いて、前記物理的IMOの前記デジタル表現の前記コピーと前記物理的IMOとの間のネットワーク接続を確立し及び維持するステップと、
を含むコンピュータにより実施される方法。
【請求項2】
前記物理的IMOの前記デジタル表現を生成することに応答して、前記物理的IMOの前記デジタル表現と中央クラウドインフラストラクチャとの間のネットワーク接続を確立するステップ、を含む請求項1に記載のコンピュータにより実施される方法。
【請求項3】
前記物理的IMOの前記デジタル表現を生成することに応答して、前記特定のエッジクラウドを用いて、他の物理的IMOの1つ以上の他のデジタル表現との接続を確立するステップ、を含む請求項1に記載のコンピュータにより実施される方法。
【請求項4】
前記特定のエッジクラウドを用いる前記物理的IMOの前記デジタル表現と前記物理的IMOとの間の前記ネットワーク接続が維持される、請求項に記載のコンピュータにより実施される方法。
【請求項5】
前記サービス要求の変化を識別し、前記サービス要求の前記変化に基づき、前記物理的IMOの前記デジタル表現を前記物理的IMOの2つ以上のデジタル表現に分割するステップ、を含む請求項1に記載のコンピュータにより実施される方法。
【請求項6】
前記サービス要求の変化を識別し、前記サービス要求の前記変化に基づき、前記物理的IMOの前記デジタル表現を別の物理的IMOの別のデジタル表現と融合するステップ、を含む請求項1に記載のコンピュータにより実施される方法。
【請求項7】
システムであって、プロセッサにより実行可能な命令を格納した記憶媒体へのアクセスを有する該プロセッサを含み、前記命令は、前記プロセッサにより実行されると前記システムに動作を実行させ、前記動作は、
物理的知的移動オブジェクト(IMO)を識別するステップであって、前記物理的IMOは現在位置及びサービス要求に関連付けられる、ステップと、
前記サービス要求に基づくデジタル表現テンプレートから、前記物理的IMOの前記現在位置に最も近い、分散型クラウドコンピューティング環境の特定のエッジクラウドの中の前記物理的IMOのデジタル表現インスタンスを生成するステップと、
前記物理的IMOの前記デジタル表現インスタンスを生成することに応答して、前記特定のエッジクラウドを用いて、前記物理的IMOの前記デジタル表現と前記物理的IMOとの間のネットワーク接続を確立し及び維持するステップと、
前記特定のエッジクラウドのカバレッジから、前記物理的IMOの動きを検出するステップと、
前記物理的IMOの前記動きを検出することに応答して、
前記物理的IMOのカバレッジについて、前記分散型クラウドコンピューティング環境の目標エッジクラウドを識別するステップと、
前記目標エッジクラウドを用いて、前記物理的IMOの前記デジタル表現と前記物理的IMOとの間のネットワーク接続を確立し及び維持するステップと、
前記物理的IMOの前記デジタル表現のコピーを生成するステップと、
前記目標エッジクラウドを用いて、前記物理的IMOの前記デジタル表現の前記コピーと前記物理的IMOとの間のネットワーク接続を確立し及び維持するステップと、
を含む、システム。
【請求項8】
前記動作は、前記物理的IMOの前記デジタル表現を生成することに応答して、前記物理的IMOの前記デジタル表現と中央クラウドインフラストラクチャとの間のネットワーク接続を確立するステップ、を更に含む、請求項に記載のシステム。
【請求項9】
前記動作は、前記物理的IMOの前記デジタル表現を生成することに応答して、前記特定のエッジクラウドを用いて、他の物理的IMOの1つ以上の他のデジタル表現との接続を確立するステップ、を更に含む、請求項に記載のシステム。
【請求項10】
前記特定のエッジクラウドを用いる前記物理的IMOの前記デジタル表現と前記物理的IMOとの間の前記ネットワーク接続が維持される、請求項に記載のシステム。
【請求項11】
前記動作は、前記サービス要求の変化を識別し、前記サービス要求の前記変化に基づき、前記物理的IMOの前記デジタル表現を前記物理的IMOの2つ以上のデジタル表現に分割するステップ、を更に含む、請求項に記載のシステム。
【請求項12】
前記動作は、前記サービス要求の変化を識別し、前記サービス要求の前記変化に基づき、前記物理的IMOの前記デジタル表現を別の物理的IMOの別のデジタル表現に融合するステップ、を更に含む、請求項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、物理的知的移動オブジェクトのデジタル表現の生成及び実装に関する。
【背景技術】
【0002】
新興技術(例えば、自律走行車、産業用IoT、ロボット工学、等)は、ネットワーク及びクラウド基盤における強力な要求を駆動する。コネクテッド/自走車両、ドローン、及びロボットのような知的移動オブジェクト(Intelligent Moving Objects:IMOs)の新たな波は、それらの性能/機能を最大化するためにネットワーク及びクラウドに大きく依存する。IMOは、内蔵コンピューティング/ネットワーキング/検知/操縦能力を有する高機能モバイル端末である。異なる事例におけるIMOは、応答時間、処理負荷、アップ/ダウンリンク帯域幅、及びネットワーク/サービス可用性のような大きく異なるQoS(Quality of Service)要件を有し得る。このような異種サービスの必要を満たすために、マルチアクセスエッジコンピューティング(multi-access edge computing:MEC)と呼ばれる新しい分散型クラウド及びネットワークアーキテクチャが、近年提案されている。モバイル端末により近いアプリケーションを実行し及び関連する処理タスクを実行することにより、ネットワーク輻輳が軽減され、アプリケーションが良好に実行する。
【0003】
今日、コネクテッドカーのような物理的IMOは、中央クラウドの中のデータ/アプリケーションと(例えば、V2I(Vehicle-to-Infrastructure))、及び/又は他のIMOと(例えば、V2V(Vehicle-to-Vehicle))直接相互作用できる。しかしながら、このような環境は、V2Iに非常に多くのネットワークトラフィック及び非常に多くのサービス遅延を、並びにV2Vに限られた範囲の通信をもたらし得る。今日の幾つかのV2I展開では、コネクテッドカーは、複数の遠隔クラウド(そのうちの幾つかは数千マイル離れている)の順次アクセスを通じて近くの(数百フィート離れた)交通信号情報を取得する必要がある。現在の専用短距離通信(dedicated short-range communications:DSRC)は、標準的に、最大でも数百メートルの有効通信範囲及び数百個の近隣車両しかサポートしない。それを超えると、V2V通信は到達不可能であるか又は信頼できない。
【発明の概要】
【0004】
本願明細書に記載の主題の新規な態様は、方法であって、物理的知的移動オブジェクト(IMO)を識別するステップであって、前記物理的IMOは現在位置及びサービス要求に関連付けられる、ステップと、前記サービス要求に基づくデジタル表現テンプレートから、前記物理的IMOの前記現在位置に最も近い、分散型クラウドコンピューティング環境の特定のエッジクラウドの中の前記物理的IMOのデジタル表現インスタンスを生成するステップと、前記物理的IMOの前記デジタル表現インスタンスを生成することに応答して、前記特定のエッジクラウドを用いて、前記物理的IMOの前記デジタル表現と前記物理的IMOとの間のネットワーク接続を確立し及び維持するステップと、前記特定のエッジクラウドのカバレッジから、前記物理的IMOの動きを検出するステップと、前記物理的IMOの前記動きを検出することに応答して、前記物理的IMOのカバレッジについて、前記分散型クラウドコンピューティング環境の目標エッジクラウドを識別するステップと、前記目標エッジクラウドを用いて、前記物理的IMOの前記デジタル表現と前記物理的IMOとの間のネットワーク接続を確立し及び維持するステップと、を含む方法で実施されてよい。
【0005】
上述の態様の他の実施形態は、対応するシステム、装置及び上記方法の動作を実行するよう構成されコンピュータ記憶装置上にエンコードされたコンピュータプログラムを含む。
【0006】
これら及び他の実施形態は、それぞれ任意で、1つ以上の以下の特徴を含み得る。例えば、前記物理的IMOの前記デジタル表現を生成することに応答して、前記物理的IMOの前記デジタル表現と中央クラウドインフラストラクチャとの間のネットワーク接続を確立するステップ。前記物理的IMOの前記デジタル表現を生成することに応答して、前記特定のエッジクラウドを用いて、他の物理的IMOの1つ以上の他のデジタル表現との接続を確立するステップ。前記物理的IMOの前記動きを検出することに応答して、前記物理的IMOの前記デジタル表現のコピーを生成するステップと、前記目標エッジクラウドを用いて、前記物理的IMOの前記デジタル表現の前記コピーと前記物理的IMOとの間のネットワーク接続を確立し及び維持するステップと。物理的IMOのデジタル表現と物理的IMOとの間の、目標エッジクラウドを用いるネットワーク接続が維持される。前記サービス要求の変化を識別し、前記サービス要求の前記変化に基づき、前記物理的IMOの前記デジタル表現を前記物理的IMOの2つ以上のデジタル表現に分割するステップ。前記サービス要求の変化を識別し、前記サービス要求の前記変化に基づき、前記物理的IMOの前記デジタル表現を別の物理的IMOの別のデジタル表現に分割するステップ。
【0007】
本願明細書に記載する主題の特定の実装は、以下の利点のうちの1又は複数を実現するために実施され得る。例えば、ローカライズされたネットワーク上の分散型コンピューティングを通じて少ないネットワークトラフィック及びサービス遅延を有することにより、改良された車両-インフラストラクチャ(vehicle-to-infrastructure:V2I)が提供される。より効率的且つ高速なデータ取得及び意志決定のために、他のデジタル表現と直接相互作用する物理的IMOのデジタル表現を有することにより、改良された車両-車両(vehicle-to-vehicle:V2V)が提供される。物理的IMOの移動に続きデジタル表現が移行するにつれ、移動性が改善され、更にV2I及びV2V性能を向上する。
【0008】
本願明細書に記載する主題の1又は複数の実施形態の詳細は、添付の図面及び以下の説明で説明される。主題の他の可能な特徴、態様及び利点は、説明、図面及び請求の範囲から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明並びにその特徴及び利点のより完全な理解のため、添付の図と共に以下の説明を参照する。
【0010】
図1】中央クラウドコンピューティングネットワーク及びエッジクラウドコンピューティングネットワークを含むコンピューティング環境の選択された要素のブロック図である。
【0011】
図2】中央クラウドコンピューティングネットワーク及びエッジクラウドコンピューティングネットワークのコンポーネントを含むコンピューティング環境の選択された要素のブロック図である。
【0012】
図3】物理的知的移動オブジェクトのデジタル表現のコンポーネントを含むコンピューティング環境の選択された要素のブロック図である。
【0013】
図4】物理的知的移動オブジェクトのデジタル表現の生成及び実装のための方法の一実施形態の選択された要素を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本願明細書は、マルチアクセスエッジコンピューティングのための物理的知的移動オブジェクト(intelligent moving object:IMO)のデジタル表現(digital representation:DR)のための方法、システム、及びコンピュータ可読媒体を記載する。DRは、エッジクラウド内にあるサービス指向型仮想IMOであり、データ(例えば状態)、サービスロジック(例えば意志決定)、及び仮想的アジリティ(agility)(例えば移行(migration))を含む。DRは、クラウドコンピューティング環境及び他のDRと物理的IMOに代わって相互作用できる。
【0015】
具体的には、本願明細書は、物理的知的移動オブジェクト(IMO)を識別する動作を含む方法及びシステムを記載する。物理的IMOは、現在位置及びサービス要求に関連付けられ得る。物理的IMOのデジタル表現インスタンスは、サービス要求に基づくデジタル表現テンプレートから生成される。デジタル表現は、物理的IMOの現在位置に最も近い分散型クラウドコンピューティング環境の特定エッジクラウドの中で生成できる。物理的IMOのデジタル表現インスタンスを生成することに応答して、物理的IMOのデジタル表現と物理的IMOとの間で、特定エッジクラウドを用いて、ネットワーク接続が確立され維持される。特定エッジクラウドのカバレッジからの物理的IMOの移動が検出される。物理的IMOの移動を検出することに応答して、分散型クラウドコンピューティング環境の目標エッジクラウドは、物理的IMOのカバレッジについて識別される。ネットワーク接続は、目標エッジクラウドを用いて、物理的IMOのデジタル表現と物理的IMOとの間で確立され維持される。
【0016】
以下の説明では、開示の主題の議論を容易にするために例として詳細事項が説明される。しかしながら、当業者には、開示の実施形態が例示であること及び全ての可能な実施形態を網羅するものではないことが明らかである。
【0017】
図1は、コンピューティング環境100を示す。コンピューティング環境100は、中央(又はコア)クラウドコンピューティングネットワーク102(又は中央クラウド102)、第1エッジクラウドコンピューティングネットワーク104a及び第2エッジクラウドコンピューティングネットワーク104b(集合的に、エッジクラウドコンピューティングネットワーク104、又はエッジクラウド104と呼ばれる)、物理的知的移動オブジェクト(IMO)106a、106b、106c、106d、106e(集合的に、物理的IMO106と呼ばれる)を含み得る。中央クラウド102は、中央クラウド102とエッジクラウド104との間の相互作用のための、データ150及びアプリケーション152を含み得る。
【0018】
エッジクラウド104aは、中央クラウド102、エッジクラウド104b、及び物理的IMO106a、106bと通信できる。エッジクラウド104bは、中央クラウド102、エッジクラウド104a、及び物理的IMO106c、106d、106eと通信できる。物理的IMO106a、106bは互いに通信でき、物理的IMO106c、106d、106eは互いに通信できる。
【0019】
コンピューティング環境100は、仮想IMOであるデジタル表現(デジタルジニー(digital genies))を更に含み得る。仮想IMOは、対応する物理的IMOの特定機能/サービスセットを実装する(又はミラーリングする)。図示の例では、デジタル表現110aは物理的IMO106aに対応し(を表現し)、デジタル表現110bは物理的IMO106bに対応し(を表現し)、デジタル表現110cは物理的IMO106cに対応し(を表現し)、デジタル表現110dは物理的IMO106dに対応し(を表現し)、デジタル表現110eは物理的IMO106eに対応する(を表現する)。デジタル表現110a、110b、110c、110d、110eは、集合的にデジタル表現(DR)110と呼ばれ得る。
【0020】
要するに、デジタル表現110は、(i)物理的IMOとの直接ネットワーク接続を有するエッジクラウド104の中で生成され、(ii)低遅延反応性のために物理的IMO106に最も近いエッジクラウド104の中にあり(しかしながら、幾つかの例では、デジタル表現110はクラウドネットワーク102又は「フォグ(fog)」ネットワークの中に存在し得る)、(iii)仮想アジリティ(例えば、移行、複製、分割、後続の物理的IMO106の動きを融合する、及び/又は変化するサービスの必要)を含み、(iv)(物理的IMO106への、クラウドネットワーク102への、及び他のデジタル表現110への)全方向性通信インタフェースを有し、(v)他のデジタル表現110、物理的IMO106、及び/又はクラウドネットワーク102とのデータ/機能の直接交換/呼び出しができる。幾つかの例では、デジタル表現110は、3つの内部要素を含む。つまり、データ(例えば対応する物理的IMO106の、現在/最後に知った状態)、サービスロジック(例えば、データへのアクセスの制御)、及び仮想アジリティ、である。
【0021】
中央クラウド102及びエッジクラウド104は、コンピューティングプロセッサ(図示しない)と、記憶媒体(図示しない)とを含み得る。記憶媒体は、記憶媒体へのアクセスを有するプロセッサにより実行可能であってよい実行可能命令(つまり、実行可能コード)を格納して良い。プロセッサは、ネットワーク管理システムに本願明細書に記載の機能及び動作を実行させる命令を実行してよい。本開示の目的のために、記憶媒体は、少なくともある時間期間の間、データ及び命令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体を含んでよい。記憶媒体は、永続的及び揮発性媒体、固定及び取り外し可能媒体、磁気及び半導体媒体を含み得る。記憶媒体は、直接アクセス記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ又はフロッピーディスク)、順次アクセス記憶装置(例えば、テープディスクドライブ)、CD(compact disk)、RAM(random access memory)、ROM(read-only memory)、CD-ROM、DVD(digital versatile disc)、EEPROM(electrically erasable programmable read-only memory)、及びフラッシュメモリのような記憶媒体、非一時的媒体、又はこれらの種々の組合せを有してよいが、これらに限定されない。記憶媒体は、命令、データ、又はそれらの両方を格納するよう動作する。記憶媒体は、図示のように、実行可能コンピュータプログラム、つまりデジタル表現110を表してよい命令セット又はシーケンスを含む。つまり、プロセッサは、記憶媒体により格納されるデジタル表現110を実装できる。
【0022】
中央クラウド102及びエッジクラウド104の各々は、ネットワークインタフェース(図示しない)を含み得る。ネットワークインタフェースは、中央クラウド102、エッジクラウド104、及び物理的IMO106の間のインタフェースとしてサービスするために動作する適切なシステム、機器、又は装置であってよい。ネットワークインタフェースは、適切な送信プロトコル又は規格を用いて通信可能であってよい。特定の実施形態では、中央クラウド102及び/又はエッジクラウド104は、インターネットのような公衆ネットワークの少なくとも特定部分を含んでよく、ハードウェア、ソフトウェア、又はそれらの種々の組み合わせを用いて実装され得る。
【0023】
図2は、図1のコンピューティング環境100と同様のコンピューティング環境200を示す。コンピューティング環境200は、中央クラウドコンピューティングネットワーク201(中央クラウドコンピューティングネットワーク102と同様)、エッジクラウドコンピューティングネットワーク202(エッジクラウドコンピューティングネットワーク104と同様)、及び物理的IMO203a、203b、203c(集合的に物理的IMO203と呼ばれ、物理的IMO106と同様)を含み得る。幾つかの例では、環境は、任意の数のエッジクラウドコンピューティングネットワーク202を含み得る。
【0024】
中央クラウドコンピューティングネットワーク201(又は中央クラウド201)は、中央クラウドデジタル表現110(DR)テンプレートプール204、中央クラウドデジタル表現(DR)調停部206、データ208、及びアプリケーション210を含み得る。中央クラウドDRテンプレートプール204は、デジタル表現(DR)テンプレート212をホストできる。中央クラウドDR調停部206は、DRテンプレート212を管理できる。中央クラウド201の記憶媒体は、実行可能コンピュータプログラム、つまり中央クラウドDR調停部206を表してよい命令セット又はシーケンスを含み得る。つまり、中央クラウド201のプロセッサは、記憶媒体により格納された中央クラウドDR調停部206を実装できる。さらに、記憶媒体は、中央クラウドDRテンプレートプール204を格納し得る。
【0025】
エッジクラウドコンピューティングネットワーク202(又はエッジクラウド202)は、エッジクラウドデジタル表現(DR)インスタンスプール250、エッジクラウドデジタル表現(DR)調停部252、データ254、及びアプリケーション256を含み得る。エッジクラウドDRインスタンスプール250は、デジタル表現(DR)インスタンス260をホストできる。エッジクラウドDR調停部252は、DRインスタンス260を管理できる。エッジクラウド202の記憶媒体は、実行可能コンピュータプログラム、つまりエッジクラウドDR調停部252を表してよい命令セット又はシーケンスを含み得る。つまり、エッジクラウド202のプロセッサは、記憶媒体により格納されたエッジクラウドDR調停部252を実装できる。さらに、記憶媒体は、エッジクラウドDRインスタンスプール250を格納し得る。
【0026】
この目的のために、エッジクラウドコンピューティングネットワーク202(又はエッジクラウド202)は、動的であり、中央クラウド201はDRインスタンス260を生成するために使用されるDRテンプレート212を管理できる。具体的に、DR調停部206は、(DRテンプレートプール204に含まれる)DRテンプレート212を物理的IMO206のサービス要求に基づき生成するDRデポ(depot)220、DRインスタンス260を生成し同じものを宛先クラウド(例えば、エッジクラウド202)へディスパッチするDRディスパッチャ222、同じクラウド(例えば、エッジクラウド202)内のDR相互作用を調整するDR間調整部224、及び他のクラウド(例えば他のエッジクラウド202)内のDR調停部(例えばDR調停部206)との相互作用を調整する調停部間調整部226、を含む。例えば、DR間調整部224は、同じクラウド(例えば、エッジクラウド202)のDRインスタンス260が互いに発見することを可能にする、同じエッジクラウド202内のDR相互作用を促進し得る。調停部間調整部226は、近隣エッジクラウドへ移行された(例えば、エッジクラウド202からの)DRインスタンス260の位置を特定することを促進し得る。
【0027】
エッジクラウドDR調停部252は、同じクラウド(例えば、エッジクラウド202)内のDR相互作用を調整するDR間調整部280、及び他のクラウド(例えば他のエッジクラウド202)内のDR調停部(例えば、DR調停部206)との相互作用を調整する調停部間調整部282を含み得る。エッジクラウドDRインスタンスにより格納されるDRインスタンス260は、物理的IMO203にサービスを提供できる。
【0028】
幾つかの実装では、物理的IMO203は、現在位置及びサービス要求に関連付けられ得る。現在位置は、現実世界の、又は現実世界の中の他のオブジェクト(例えば、他の物理的IMO)に対する、又はクラウドコンピューティングネットワーク(例えば、エッジクラウド202)に対する、物理的IMO206の物理的位置を含み得る。サービス要求は、物理的IMO203に関連付けられた特定(又は単一)種類のサービスに関連付けられ得る。例えば、物理的IMO206が自走車両を含むとき、サービス要求は、ブレーキ、操舵、加速、等のような、自走車両に関連付けられた1つのサービスを含み得る。
【0029】
幾つかの実装では、DR調停部206、及び具体的にはDRデポ202は、物理的IMO203の特定機能/サービスセットに基づき、そのような機能/サービスを含むDRテンプレート212を生成する。DR調停部206、及び具体的にDRディスパッチャ222は、特定DRテンプレート212に基づき、特定物理的IMO203の特定DRインスタンス260を生成し得る。具体的に、特定IMO203及び特定IMO203のサービス要求について、DR調停部206は、このようなサービス要求に対応する特定DRテンプレート212から、特定DRインスタンス260を生成する。幾つかの例では、特定DRインスタンス260は、特定DRテンプレート212の「実施形態」であり、(コンピュータプログラムにおけるような)クラスからのオブジェクトの生成と同様である。
【0030】
追加で、特定DRインスタンス260は、特定IMO204の現在位置に物理的に最も近い特定エッジクラウド(例えばエッジクラウド202)について生成され得る。つまり、環境200は、複数のエッジクラウドを含むことができる。特定のDRインスタンス260は、特定物理的IMO203の最も近くに位置するエッジクラウド(例えばエッジクラウド202)内で生成される。つまり、各エッジクラウドは、特定地理的領域をカバーし又は含み得る。ここで、物理的IMO203は、一度に地理的領域のうちの1つの中に物理的に位置付けられる(しかしながら、物理的IMOは、地理的領域の間を移動できる)。この目的のために、特定DRインスタンス260は、対応するIMO203が物理的に位置する地理的領域をカバーし又は含むエッジクラウド内で生成される。
【0031】
幾つかの実装では、特定物理的IMO203の特定DRインスタンス260を生成することに応答して、DR調停部206は、特定DRインスタンス260と特定物理的IMO203との間のネットワーク接続を確立し及び維持する。具体的に、DR調停部206は、特定DRインスタンス260とのネットワーク接続を確立するために、情報(例えば、IPアドレス/URL、等)を特定物理的IMO203に提供する。特定DRインスタンス260は、エッジコンピューティングサービスを提供するために、特定物理的IMO203との一定のネットワーク接続を維持する。さらに、特定物理的IMO203及び特定DRインスタンス260は、ネットワーク接続を介して、データ(例えば、物理的IMO203の状態)及び意図(例えば、特定DRインスタンス260のコンピューティングロジックにより行われた決定)を交換できる。
【0032】
幾つかの例では、特定物理的IMO203の特定DRインスタンス260を生成することに応答して、DR調停部206は、特定DRインスタンス260と中央クラウド201との間のネットワーク接続を確立(及び維持)する。幾つかの例では、特定物理的IMO203の特定DRインスタンス260を生成することに応答して、DR調停部206は、エッジクラウド202を用いて(例えば、DRインスタンス260の公開APIを通じて)、他の物理的IMO203の他のDRインスタンス260と特定DRインスタンス260との間のネットワーク接続を確立(及び維持)する。言い換えると、特定DRインスタンス260は、全方向性通信インタフェースを有する。例えば、特定DRインスタンス260は、(i)中央クラウド201(ノース通信インタフェース)、(ii)特定物理的IMO203(サウス通信インタフェース)、及び(iii)エッジクラウド202内に位置する他のDRインスタンス260(イースト-ウェスト通信インタフェース)、との通信インタフェースを有することが可能である。
【0033】
幾つかの実装では、特定DRインスタンス260は、特定エッジクラウド202のカバレッジから、対応する特定物理的IMO203の移動を検出できる。具体的に、特定DRインスタンス260は、特定物理的IMO203からの位置情報により、特定物理的IMO203が特定エッジクラウド202により提供される現在カバレッジから移動していることを検出できる。つまり、物理的IMO203移動性領域のサービス領域に近い複数のエッジクラウド(例えば、エッジクラウド202)が存在し得る。また、物理的IMO203はモバイルであり、このような複数のエッジクラウドの間で移行可能である。
【0034】
幾つかの実装では、特定物理的IMO203の動きを検出することに応答して、特定DRインスタンス260は、特定物理的IMO203のカバレッジについて目標エッジクラウドを識別する。特定DRインスタンス260は、地理的領域内の特定物理的IMO203の予測方向及び軌跡に基づき、目標エッジクラウド(例えば、エッジクラウド202)を識別できる。特定DRインスタンス260は、さらに、目標エッジクラウドを用いて、特定物理的IMO203とのネットワーク接続を確立し及び維持する。
【0035】
図3は、DRインスタンス260のコンポーネントの一例を示す。DRインスタンス260は、サービスコンポーネント302、サービス調整部304、サービスゲートウェイ306、仮想アジリティコンポーネント308、及びデータベース310を含み得る。サービスコンポーネント302の各々は、DRインスタンス260の1つのサービス/機能を提供する。サービス調整部304は、サービスコンポーネント302を調整し、サービス登録、発見、及び構成を含む機能を提供する。サービスゲートウェイ306は、外部エンティティと相互作用するために、全方向性通信インタフェース(例えば、API)をDRインスタンス260に提供する。サービスゲートウェイ306は、(エンド中央クラウド201への)ノースバウンドAPI320、(特定物理的IMO203への)サウスバウンドAPI322、及び(他のDRインスタンス260への)イースト-ウェストバウンドAPI324を含み得る。仮想アジリティコンポーネント308は、本願明細書に更に記載される移行、複製、分割、融合を含む、DRインスタンスのアジリティを扱う。仮想アジリティコンポーネント308は、移行コンポーネント330、複製コンポーネント332、分割コンポーネント334、及び融合コンポーネント336を含み得る。データベース310は、DRインスタンス260の共通データストアを提供する。
【0036】
幾つかの例では、特定物理的IMO203の移動を検出することに応答して、特定DRインスタンス260の移行コンポーネント330は、(例えば、VM/コンテナライブ移行のような種々のクラウド技術を用いて)特定DRインスタンス260の目標エッジクラウドへの移行を促進する。特定の物理的IMO203は、移行された特定のDRインスタンス260に再接続し、目標エッジクラウドを通じてエッジコンピューティングサービスを受け続ける。特に、特定DRインスタンス260は、それ自体が現在エッジクラウドから異なるエッジクラウドへと移行し、対応する特定物理的IMO203にサービスし続ける。
【0037】
幾つかの例では、サービス中断を最小限に抑えるために、特定物理的IMO203が複数のエッジクラウドのカバレッジ領域内にある場合に、特定物理的IMO203は、異なるエッジクラウド(例えば、エッジクラウド202)内の複数のDRインスタンス260に接続できる。幾つかの例では、特定DRインスタンス260は、エッジクラウド202が利用可能でない場合、エッジクラウド202から中央クラウド201へ移行できる。DRインスタンス260は、中央クラウド201へ移行されるとき、たとえサービス品質がより長い遅延及び限られたネットワーク能力により劣化しても、サービス連続性を維持できる。幾つかの例では、DRインスタンス260は、エンドオブサービス・ライフサイクルにおいて、(エッジクラウド202又は中央クラウド201から)削除され得る。
【0038】
幾つかの例では、特定物理的IMO203の動きを検出することに応答して、又は物理的IMO203のサービス必要性の変化に応答して、特定DRインスタンス260の複製コンポーネント330は、特定DRインスタンス260のコピーの生成を促進する。つまり、特定DRインスタンス(ホストDRインスタンス)は、1つ以上の自己コピーを生成する(DRインスタンスを複製する)。DR調停部206は、特定DRインスタンス260のコピーと特定物理的IMO203との間のネットワーク接続を確立し及び維持できる。複製されたDRインスタンス260は、ホストDRインスタンス260と同じエッジクラウド内に存在でき、又は1つ以上の異なるエッジクラウドへディスパッチされる。複製されたDRインスタンス260及びホストDRインスタンス260は、協力して、特定の物理的IMO203にサービスを共同で提供する。幾つかの例では、エッジクラウドを用いるホストDRインスタンス260と特定の物理的IMO203との間のネットワーク接続が維持される。幾つかの例では、複製されたDRインスタンスは、物理的IMO203が目標エッジクラウドによりサービスされる前に、(目標エッジクラウドへ移行された)前処理作業を実行できる。
【0039】
幾つかの例では、サービス要求の変化を識別することに応答して、特定DRインスタンス260の分割コンポーネント334は、サービス要求の変化に基づき、特定DRインスタンス260の2つ以上のDRインスタンス260への分割を促進する。つまり、特定DRインスタンス260(「ホストDRインスタンス」)は、例えばセキュリティ又はプライバシ関心事項についての、ホストDRインスタンス260の機能/サービス/データのサブセットを含むサブDRインスタンス260を生成する。サブDRインスタンス260のうちの1つ以上は、同じ又は異なるエッジクラウド内に配置でき、ホストDRインスタンス260と協力して、サービスを共同で提供できる。
【0040】
幾つかの例では、サービス要求の変化を識別することに応答して、特定DRインスタンス260の融合コンポーネント336は、サービス要求の変化に基づき、特定DRインスタンス260の別のDRインスタンス260との融合を促進する。つまり、2つ以上の「ホスト」DRインスタンス260は、融合して、「ホスト」DRインスタンス260の各々の機能/サービス/データのスーパーセットを含む「スーパー」DRインスタンスを共同で生成できる。「スーパー」DRインスタンスのうちの1つ以上は、同じ又は異なるエッジクラウド内に配置でき、参加する「ホスト」DRインスタンス260と協力して、サービスを共同で提供できる。
【0041】
幾つかの例では、DRインスタンス260の融合、複製、分割、及び融合動作は、更に混合され、機能の豊富な変形(例えば、サブDRインスタンスの「スーパー」DRインスタンス)を生成できる。
【0042】
例示的な使用例では、物理的IMOは車両を含むことができ、このような車両-クラウド-車両(vehicle-to-cloud-to-vehicle:V2C2V)通信は、自動車用エッジコンピューティングにおける主要な使用例になり得る。ローカルネットワークは、このような車両のデジタル表現を用いて近隣車両から取得した情報を統合することにより、V2V通信の仲立ちをする。統合された/生成された情報は、関連車両及び近隣領域内の路側設備へ分配できる。これは、低遅延通信を必要とし、コンピューティング処理を向上してサービスタイミング基準(例えば、ミリ秒又はマイクロ秒)を満たすことができる。車両のDRは、種々の高度なV2C2Vサービスを提供できる。DRのグループが、同じエッジクラウド内に存在でき、コネクテッド/自律車両のグループ化のために共同ネットワークコンピューティングを実行する。したがって、データは、DR間で直接交換され、このようなデータを内蔵サービスロジックを用いて処理し、処理結果を対応する車両(IMO)に返して、迅速なデータ取得及び効率的な意志決定を可能にする。これは、衝突回避、集団走行制御、及び全方向からの車両の通過を最適化する信号制御のようなシナリオで実施できる。
【0043】
図4は、物理的知的移動オブジェクトのデジタル表現の生成及び実装のための方法400の一実施形態の選択された要素を示すフローチャートを示す。方法400は、図1~3を参照して本願明細書に記載されるコンピューティング環境100、200により実行されてよい。留意すべきことに、方法400で記載される特定の動作は、異なる実施形態では任意であってよく或いは再配置されてよい。
【0044】
物理的IMO203が識別される(402)。幾つかの実装では、物理的IMO203は、現在位置及びサービス要求に関連付けられ得る。DR調停部206、及び具体的にDRディスパッチャ222は、特定DRテンプレート212に基づき、特定物理的IMO203の特定DRインスタンス260を生成し得る(404)。幾つかの例では、特定DRインスタンス260は、特定IMO203の現在位置に物理的に最も近い特定エッジクラウド(例えばエッジクラウド202)について生成され得る。特定物理的IMO203の特定DRインスタンス260を生成することに応答して、DR調停部206は、特定DRインスタンス260と特定物理的IMO203との間のネットワーク接続を確立し及び維持する(406)。特定DRインスタンス260は、特定エッジクラウド202のカバレッジから、対応する特定物理的IMO203の移動を検出できる(408)。特定物理的IMO203の動きを検出することに応答して、特定DRインスタンス260は、特定物理的IMO203のカバレッジについて目標エッジクラウドを識別する(410)。特定DRインスタンス260は、さらに、目標エッジクラウドを用いて、特定DRインスタンス260と特定物理的IMO203との間のネットワーク接続を確立し及び維持する(412)。
【0045】
以上に開示した主題は、説明のためであり、限定ではないと考えられるべきである。また、添付の特許請求の範囲は、本開示の真の精神及び範囲に包含される全ての変更、拡張及び他の実施形態を包含することを意図している。したがって、法により認められる最大範囲まで、本開示の範囲は、特許請求の範囲及びその等価物の最も広い許容可能な解釈により決定されるべきであり、前述の詳細な説明により限定又は制限されるべきではない。
【0046】
本願明細書で、「又は」は、他に明示的に示されない限り又は文脈上特に示されない限り、包括的であり、排他的ではない。従って、本願明細書では、特に明示的に示されない限り又は文脈上別に示されない限り、「A又はB」は「A、B、又は両方」を意味する。更に、「及び」は、他に明示的に示されない限り又は文脈上特に示されない限り、結合及び幾つかの両方である。従って、本願明細書では、特に明示的に示されない限り又は文脈上別に示されない限り、「A及びB」は「A及びB、一緒に又は別々に」を意味する。
【0047】
本開示は、当業者が考え得る、本願明細書に記載された例である実施形態の全ての変更、代替、変形、選択肢、及び修正を包含する。本開示の波には、本願明細書に記載された又は図示された例示的な実施形態に限定されない。さらに、本開示はそれぞれの実施形態を特定のコンポーネント、要素、特徴、機能、動作、又はステップを含むとして本願明細書に記載し及び図示したが、これらの実施形態のうちのいずれも、本願明細書に記載した又は図示したコンポーネント、要素、特徴、機能、動作、又はステップの、当業者により考案され得る任意の組み合わせ又は置換を含んでよい。更に、特定の機能を実行するよう、適応され、配置され、可能にされ、構成され、実行可能なように、動作可能なように、又は機能するようにされた装置又はシステム又は採用されている装置若しくはシステムの構成要素への添付の特許請求の範囲中の参照は、それ又は該特定の機能が作動され、オンに切り替えられ、又は解除されているか否かに拘わらず、該装置、システム又は構成要素がそのように適応され、配置され、可能にされ、構成され、使用可能にされ、動作可能にされ又は機能するようにされている限り、該装置、システム、構成要素を包含する。
【0048】
以上の実施形態に加えて、更に以下の付記を開示する。
(付記1) コンピュータにより実施される方法であって、
物理的知的移動オブジェクト(IMO)を識別するステップであって、前記物理的IMOは現在位置及びサービス要求に関連付けられる、ステップと、
前記サービス要求に基づくデジタル表現テンプレートから、前記物理的IMOの前記現在位置に最も近い、分散型クラウドコンピューティング環境の特定のエッジクラウドの中の前記物理的IMOのデジタル表現インスタンスを生成するステップと、
前記物理的IMOの前記デジタル表現インスタンスを生成することに応答して、前記特定のエッジクラウドを用いて、前記物理的IMOの前記デジタル表現と前記物理的IMOとの間のネットワーク接続を確立し及び維持するステップと、
前記特定のエッジクラウドのカバレッジから、前記物理的IMOの動きを検出するステップと、
前記物理的IMOの前記動きを検出することに応答して、
前記物理的IMOのカバレッジについて、前記分散型クラウドコンピューティング環境の目標エッジクラウドを識別するステップと、
前記目標エッジクラウドを用いて、前記物理的IMOの前記デジタル表現と前記物理的IMOとの間のネットワーク接続を確立し及び維持するステップと、
を含むコンピュータにより実施される方法。
(付記2) 前記物理的IMOの前記デジタル表現を生成することに応答して、前記物理的IMOの前記デジタル表現と中央クラウドインフラストラクチャとの間のネットワーク接続を確立するステップ、を含む付記1に記載のコンピュータにより実施される方法。
(付記3) 前記物理的IMOの前記デジタル表現を生成することに応答して、前記特定のエッジクラウドを用いて、他の物理的IMOの1つ以上の他のデジタル表現との接続を確立するステップ、を含む付記1に記載のコンピュータにより実施される方法。
(付記4) 前記物理的IMOの前記動きを検出することに応答して、
前記物理的IMOの前記デジタル表現のコピーを生成するステップと、
前記目標エッジクラウドを用いて、前記物理的IMOの前記デジタル表現の前記コピーと前記物理的IMOとの間のネットワーク接続を確立し及び維持するステップと、
を含む付記1に記載のコンピュータにより実施される方法。
(付記5) 前記特定のエッジクラウドを用いる前記物理的IMOの前記デジタル表現と前記物理的IMOとの間の前記ネットワーク接続が維持される、付記4に記載のコンピュータにより実施される方法。
(付記6) 前記サービス要求の変化を識別し、前記サービス要求の前記変化に基づき、前記物理的IMOの前記デジタル表現を前記物理的IMOの2つ以上のデジタル表現に分割するステップ、を含む付記1に記載のコンピュータにより実施される方法。
(付記7) 前記サービス要求の変化を識別し、前記サービス要求の前記変化に基づき、前記物理的IMOの前記デジタル表現を別の物理的IMOの別のデジタル表現と融合するステップ、を含む付記1に記載のコンピュータにより実施される方法。
(付記8) システムであって、プロセッサにより実行可能な命令を格納した記憶媒体へのアクセスを有する該プロセッサを含み、前記命令は、前記プロセッサにより実行されると前記システムに動作を実行させ、前記動作は、
物理的知的移動オブジェクト(IMO)を識別するステップであって、前記物理的IMOは現在位置及びサービス要求に関連付けられる、ステップと、
前記サービス要求に基づくデジタル表現テンプレートから、前記物理的IMOの前記現在位置に最も近い、分散型クラウドコンピューティング環境の特定のエッジクラウドの中の前記物理的IMOのデジタル表現インスタンスを生成するステップと、
前記物理的IMOの前記デジタル表現インスタンスを生成することに応答して、前記特定のエッジクラウドを用いて、前記物理的IMOの前記デジタル表現と前記物理的IMOとの間のネットワーク接続を確立し及び維持するステップと、
前記特定のエッジクラウドのカバレッジから、前記物理的IMOの動きを検出するステップと、
前記物理的IMOの前記動きを検出することに応答して、
前記物理的IMOのカバレッジについて、前記分散型クラウドコンピューティング環境の目標エッジクラウドを識別するステップと、
前記目標エッジクラウドを用いて、前記物理的IMOの前記デジタル表現と前記物理的IMOとの間のネットワーク接続を確立し及び維持するステップと、
を含む、システム。
(付記9) 前記動作は、前記物理的IMOの前記デジタル表現を生成することに応答して、前記物理的IMOの前記デジタル表現と中央クラウドインフラストラクチャとの間のネットワーク接続を確立するステップ、を更に含む、付記8に記載のシステム。
(付記10) 前記動作は、前記物理的IMOの前記デジタル表現を生成することに応答して、前記特定のエッジクラウドを用いて、他の物理的IMOの1つ以上の他のデジタル表現との接続を確立するステップ、を更に含む、付記8に記載のシステム。
(付記11) 前記動作は、
前記物理的IMOの前記動きを検出することに応答して、
前記物理的IMOの前記デジタル表現のコピーを生成するステップと、
前記目標エッジクラウドを用いて、前記物理的IMOの前記デジタル表現の前記コピーと前記物理的IMOとの間のネットワーク接続を確立し及び維持するステップと、
を更に含む、付記8に記載のシステム。
(付記12) 前記特定のエッジクラウドを用いる前記物理的IMOの前記デジタル表現と前記物理的IMOとの間の前記ネットワーク接続が維持される、付記11に記載のシステム。
(付記13) 前記動作は、前記サービス要求の変化を識別し、前記サービス要求の前記変化に基づき、前記物理的IMOの前記デジタル表現を前記物理的IMOの2つ以上のデジタル表現に分割するステップ、を更に含む、付記8に記載のシステム。
(付記14) 前記動作は、前記サービス要求の変化を識別し、前記サービス要求の前記変化に基づき、前記物理的IMOの前記デジタル表現を別の物理的IMOの別のデジタル表現に融合するステップ、を更に含む、付記8に記載のシステム。
【符号の説明】
【0049】
100 コンピューティング環境
102 中央クラウド
104a-b エッジクラウド
106a-e 物理的IMO
110a-e デジタル表現
150 データ
152 アプリケーション
図1
図2
図3
図4