(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-07
(45)【発行日】2023-08-16
(54)【発明の名称】装置、方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20230808BHJP
G06F 3/0346 20130101ALI20230808BHJP
G06F 3/038 20130101ALI20230808BHJP
A61B 5/11 20060101ALI20230808BHJP
G09B 9/00 20060101ALI20230808BHJP
G09B 19/00 20060101ALI20230808BHJP
【FI】
G06F3/01 510
G06F3/0346 423
G06F3/038 310A
A61B5/11 120
G09B9/00 A
G09B19/00 H
(21)【出願番号】P 2020200595
(22)【出願日】2020-12-02
【審査請求日】2022-03-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】秋定 征世
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 康樹
【審査官】円子 英紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-097266(JP,A)
【文献】特開2012-093599(JP,A)
【文献】特開2015-032274(JP,A)
【文献】特開2019-164515(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0082136(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/0346
G06F 3/038
A61B 5/11
G09B 9/00
G09B 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作マニュアルであるテキストを
表示画面に表示させる表示制御部と、
前記テキスト内でユーザの見ている対象領域を検出する第1検出部と、
前記対象領域の移動速度が低下する低下領域を検出する第2検出部と、
ユーザ毎に、前記テキスト内での各低下領域の位置情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部により記憶された複数の位置情報に対し
、ユーザ毎に統計処理を行う統計部と、
前記統計部による統計処理の結果に基づいて、前記テキストに対するユーザの理解度を決定する決定部と、
前記決定部により決定された理解度に基づいて、前記操作マニュアルの対象についての操作権限を設定する設定部と、
を備える、装置。
【請求項2】
前記決定部は、前記テキストの区分ごとにユーザの理解度を決定する、請求項
1に記載の装置。
【請求項3】
表示画面にテキストを表示させる表示制御部と、
前記テキスト内でユーザの見ている対象領域を検出する第1検出部と、
前記対象領域の移動速度が低下する低下領域を検出する第2検出部と、
前記テキスト内での各低下領域の位置情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部により記憶された複数の位置情報に対して統計処理を行う統計部と、
を備え
、
前記第2検出部は、前記対象領域の移動速度の移動平均に基づく値を基準速度として逐次算出し、前記対象領域の移動速度が当該基準速度未満となったことに応じて、前記対象領域を低下領域として検出する装置。
【請求項4】
前記第2検出部は、ユーザ毎に前記対象領域の移動速度の移動平均に基づく値を基準速度として逐次算出し、当該装置を使用しているユーザの前記基準速度を前記対象領域の移動速度が下回ったことに応じて、前記対象領域を低下領域として検出する、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記統計部は、前記テキストに含まれる区分毎に統計処理を行う、請求項1
から4の何れか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記統計部による統計処理の結果に基づいて、基準数より多く前記低下領域として検出された区分を抽出する抽出部をさらに備える、請求項
5に記載の装置。
【請求項7】
操作マニュアルであるテキストを
表示画面に表示させる表示制御段階と、
前記テキスト内でユーザの見ている対象領域を検出する第1検出段階と、
前記対象領域の移動速度が低下する低下領域を検出する第2検出段階と、
ユーザ毎に、前記テキスト内での各低下領域の位置情報を記憶する記憶段階と、
前記記憶段階により記憶された複数の位置情報に対し
、ユーザ毎に統計処理を行う統計段階と、
前記統計段階による統計処理の結果に基づいて、前記テキストに対するユーザの理解度を決定する決定段階と、
前記決定段階により決定された理解度に基づいて、前記操作マニュアルの対象についての操作権限を設定する設定段階と、
を備える方法。
【請求項8】
表示画面にテキストを表示させる表示制御段階と、
前記テキスト内でユーザの見ている対象領域を検出する第1検出段階と、
前記対象領域の移動速度が低下する低下領域を検出する第2検出段階と、
前記テキスト内での各低下領域の位置情報を記憶する記憶段階と、
前記記憶段階により記憶された複数の位置情報に対して統計処理を行う統計段階と、
を備え
、
前記第2検出段階では、前記対象領域の移動速度の移動平均に基づく値を基準速度として逐次算出し、前記対象領域の移動速度が当該基準速度未満となったことに応じて、前記対象領域を低下領域として検出する方法。
【請求項9】
コンピュータを、
操作マニュアルであるテキストを表示画面に表示させる表示制御部と、
前記テキスト内でユーザの見ている対象領域を検出する第1検出部と、
前記対象領域の移動速度が低下する低下領域を検出する第2検出部と、
ユーザ毎に、前記テキスト内での各低下領域の位置情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部により記憶された複数の位置情報に対し
、ユーザ毎に統計処理を行う統計部
と、
前記統計部による統計処理の結果に基づいて、前記テキストに対するユーザの理解度を決定する決定部と、
前記決定部により決定された理解度に基づいて、前記操作マニュアルの対象についての操作権限を設定する設定部
として機能させるプログラム。
【請求項10】
コンピュータを、
表示画面にテキストを表示させる表示制御部と、
前記テキスト内でユーザの見ている対象領域を検出する第1検出部と、
前記対象領域の移動速度が低下する低下領域を検出する第2検出部と、
前記テキスト内での各低下領域の位置情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部により記憶された複数の位置情報に対して統計処理を行う統計部
として機能させ
、
前記第2検出部は、前記対象領域の移動速度の移動平均に基づく値を基準速度として逐次算出し、前記対象領域の移動速度が当該基準速度未満となったことに応じて、前記対象領域を低下領域として検出するプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「視線検出部が前記表示されているメッセージに対してユーザーの読む速度の遅い領域を検出した場合、当該遅い領域を含む予め定められた第1構成単位分のメッセージを、前記予め定められた表示言語とは異なる2種類以上の表示言語で同時に前記表示部に表示させ」と記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特許第6579120号
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様においては、装置が提供される。装置は、表示画面にテキストを表示させる表示制御部を備えてよい。装置は、テキスト内でユーザの見ている対象領域を検出する第1検出部を備えてよい。装置は、対象領域の移動速度が低下する低下領域を検出する第2検出部を備えてよい。装置は、テキスト内での各低下領域の位置情報を記憶する記憶部を備えてよい。装置は、記憶部により記憶された複数の位置情報に対して統計処理を行う統計部を備えてよい。
【0004】
統計部は、テキストに含まれる区分毎に統計処理を行ってよい。
【0005】
装置は、統計部による統計処理の結果に基づいて、基準数より多く低下領域として検出された区分を抽出する抽出部をさらに備えてよい。
【0006】
記憶部は、ユーザ毎に、テキスト内での各低下領域の位置情報を記憶してよい。統計部は、ユーザ毎に統計処理を行ってよい。
【0007】
装置は、統計部による統計処理の結果に基づいて、テキストに対するユーザの理解度を決定する決定部をさらに備えてよい。
【0008】
決定部は、テキストの区分ごとにユーザの理解度を決定してよい。
【0009】
テキストは、操作マニュアルであってよい。装置は、決定部により決定された理解度に基づいて、操作マニュアルの対象についての操作権限を設定する設定部をさらに備えてよい。
【0010】
本発明の第2の態様においては、方法が提供される。方法は、表示画面にテキストを表示させる表示制御段階を備えてよい。方法は、テキスト内でユーザの見ている対象領域を検出する第1検出段階を備えてよい。方法は、対象領域の移動速度が低下する低下領域を検出する第2検出段階を備えてよい。方法は、テキスト内での各低下領域の位置情報を記憶する記憶段階を備えてよい。方法は、記憶段階により記憶された複数の位置情報に対して統計処理を行う統計段階を備えてよい。
【0011】
本発明の第3の態様においては、プログラムが提供される。プログラムは、コンピュータを、表示画面にテキストを表示させる表示制御部として機能させてよい。プログラムは、コンピュータを、テキスト内でユーザの見ている対象領域を検出する第1検出部として機能させてよい。プログラムは、コンピュータを、対象領域の移動速度が低下する低下領域を検出する第2検出部として機能させてよい。プログラムは、コンピュータを、テキスト内での各低下領域の位置情報を記憶する記憶部として機能させてよい。プログラムは、コンピュータを、記憶部により記憶された複数の位置情報に対して統計処理を行う統計部として機能させてよい。
【0012】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図3】第2記憶部408に記憶される統計用データを示す。
【
図5】本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0015】
[1.システム1の構成]
図1は、本実施形態に係るシステム1を示す。システム1は、設備2と、操作装置3と、訓練装置4とを備える。
【0016】
[1-1.設備2]
設備2は、1または複数の機器20を有する。例えば設備2は、プラントでもよいし、複数の機器20を複合させた複合装置でもよい。プラントとしては、化学やバイオ等の工業プラントの他、ガス田や油田等の井戸元やその周辺を管理制御するプラント、水力・火力・原子力等の発電を管理制御するプラント、太陽光や風力等の環境発電を管理制御するプラント、上下水やダム等を管理制御するプラント等が挙げられる。
【0017】
[1-1(1).機器20]
各機器20は、器具、機械または装置であり、例えば、プラントのプロセスにおける圧力、温度、pH、速度または流量などの少なくとも1つの物理量を制御するバルブ、ポンプ、ヒータ、ファン、モータ、スイッチ等のアクチュエータであってよい。本実施形態においては一例として、設備2には複数の機器20が具備される。各機器20は互いに異種でもよいし、少なくとも一部の2以上の機器20が同種でもよい。各機器20は図示しないネットワークを介して外部から有線または無線で制御されてもよいし、手動で制御されてもよい。
【0018】
複数の機器20のうち少なくとも1つの機器20は、操作装置3によって制御される制御対象機器20(T)であってよい。制御対象機器20(T)が複数ある場合には、各制御対象機器20(T)は互いに異種でもよいし、少なくとも2以上の制御対象機器20(T)が同種でもよい。
【0019】
[1-2.操作装置3]
操作装置3は、ユーザの操作に基づいて各制御対象機器20(T)を制御する。操作装置3は、記憶部301と、認証部302と、操作部303と、駆動制御部304とを有する。
【0020】
[1-2(1).記憶部301]
記憶部301は、認証情報および権限情報を記憶する。
【0021】
認証情報は、操作装置3を使用するユーザを認証するための情報である。認証情報は、アカウント名およびパスワードであってもよいし、ユーザの生体情報(一例として指紋や虹彩、静脈のパターンを示す情報)であってもよい。認証情報はユーザの識別情報(ユーザIDとも称する)と対応付けられて記憶部301に記憶されてよい。
【0022】
権限情報は、各制御対象機器20(T)に対する各ユーザの操作権限を示す。権限情報は、制御対象機器20(T)の識別情報(機器IDとも称する)と、ユーザIDと、当該ユーザの操作権限とのデータセットを複数有してよい。なお、本実施形態においては一例として、操作権限は、制御対象機器20(T)の全操作についての権限の有無を示す。
【0023】
[1-2(2).認証部302]
認証部302は、操作装置3のユーザの認証を行う。認証部302は、ユーザから入力される認証情報(一例としてアカウント名およびパスワード)を用いて認証を行ってもよいし、ユーザの生体情報を用いて認証を行ってもよい。認証部302は、記憶部301に記憶された認証情報を参照して認証を行ってよく、例えば、ユーザから入力される認証情報と、記憶部301に記憶された認証情報とを照合して認証を行ってよい。認証部302は、ユーザが正当な人であるという結果(正当な認証結果とも称する)と、正当な人ではないという結果との何れか一方を駆動制御部304に供給してよい。認証部302は、正当な認証結果が得られた場合には、ユーザのユーザIDを認証結果と共に駆動制御部304に供給してよい。
【0024】
[1-2(3).操作部303]
操作部303は、ユーザから制御対象機器20(T)に対する操作指示の入力を受ける。操作部303は、入力された操作指示を駆動制御部304に供給してよい。
【0025】
[1-2(4).駆動制御部304]
駆動制御部304は、正当な認証結果が認証部302から供給されている場合に、操作部303からの操作指示に応じて制御対象機器20(T)を制御する。駆動制御部304は、認証部302から供給されたユーザIDに対応する操作権限を記憶部301の権限情報から読み出し、その操作権限の範囲内で制御対象機器20(T)を制御してよい。本実施形態においては一例として駆動制御部304は、操作権限がある旨の権限情報を読み出したことに応じて、制御対象機器20(T)を制御してよい。
【0026】
[1-3.訓練装置4]
訓練装置4は、装置の一例であり、各ユーザの訓練を支援する。訓練装置4は、装置の一例であり、第1記憶部401と、表示部402と、表示制御部403と、撮像部404と、第1検出部405と、認証部406と、第2検出部407と、第2記憶部408と、統計部409と、抽出部410と、決定部411と、設定部412とを有する。
【0027】
[1-3(1).第1記憶部401]
第1記憶部401は、1または複数のテキストデータと、ユーザ毎の認証情報とを記憶する。
【0028】
各テキストデータは、1または複数の制御対象機器20(T)に関する操作マニュアルを示してよい。操作マニュアルは、全体として単一の制御対象機器20(T)の操作を説明してもよいし、章ごとに別々の制御対象機器20(T)の操作を説明してもよい。
【0029】
認証情報は、訓練装置4を使用するユーザを認証するための情報である。認証情報は、アカウント名およびパスワードであってもよいし、ユーザの生体情報(一例として指紋や虹彩、静脈のパターンを示す情報)であってもよい。認証情報はユーザIDと対応付けられて第1記憶部401に記憶されてよい。
【0030】
[1-3(2).表示部402]
表示部402は、表示画面を有する。表示画面の表示内容は表示制御部403によって制御されてよい。
【0031】
[1-3(3).表示制御部403]
表示制御部403は、表示画面にテキストを表示させる。表示制御部403は、第1記憶部401からいずれかのテキストデータを読み出して、そのテキストのうち、表示画面内に表示する部分のデータ(表示データとも称する)を表示部402と、第1検出部405とに供給してよい。
【0032】
[1-3(4).撮像部404]
撮像部404は、ユーザの眼球を撮像する。撮像部404は、撮像した眼球の画像を第1検出部405に供給してよい。なお、本実施形態においては一例として、撮像部404は、表示部402の表示画面の外周部に設けられるが、他の位置に設けられてもよい。
【0033】
[1-3(5).第1検出部405]
第1検出部405は、表示画面に表示されたテキスト内でユーザの見ている対象領域(視認対象領域とも称する)を検出する。
【0034】
第1検出部405は、ユーザの視線を検出してよい。本実施形態では一例として、第1検出部405は、撮像部404から供給される眼球の画像を解析することによって視線を検出してよい。第1検出部405は、眼球の画像から両目の注視位置を検出し、両目の中間点と、ユーザの注視位置とを結ぶ直線をユーザの視線として検出してよい。
【0035】
第1検出部405は、検出した視線が通過する表示画面上の位置を、表示画面上でユーザが見ている位置として検出してよい。また、第1検出部405は、表示制御部403から供給される表示データに基づいて、ユーザが見ている位置に表示されているテキストの部分を視認対象領域として検出してよい。第1検出部405は、検出した視認対象領域の位置情報を第2検出部407に供給してよい。
【0036】
なお、本実施形態では一例として、視認対象領域はテキスト内の何れかの行であるが、テキスト内の段落や文字列など、他の粒度を有する部分であってもよい。また、第2検出部407に供給されるテキスト内の視認対象領域の位置情報は、テキストの識別情報(テキストIDとも称する)、当該領域の章番号、ページ番号、および、行番号を示してよい。
【0037】
[1-3(6).認証部406]
認証部406は、訓練装置4を使用するユーザの認証を行う。認証部406は、ユーザから入力される認証情報(一例としてアカウント名およびパスワード)を用いて認証を行ってもよいし、ユーザの生体情報を用いて認証を行ってもよい。認証部406は、第1記憶部401に記憶された認証情報を参照して認証を行ってよく、例えば、ユーザから入力される認証情報と、第1記憶部401に記憶された認証情報とを照合して認証を行ってよい。認証部406は、正当な認証結果が得られたことに応じて、ユーザのユーザIDを第2検出部407に供給してよい。
【0038】
[1-3(7).第2検出部407]
第2検出部407は、視認対象領域の移動速度が低下する低下領域(速度低下領域とも称する)を検出する。速度低下領域は視認対象領域と同じ粒度を有するテキスト内の部分であってよく、本実施形態においては一例として、テキスト内の何れかの行であってよい。
【0039】
第2検出部407は、第1検出部405から供給される視認対象領域の位置情報に基づいて、視認対象領域がテキストの末尾側へ推移する速度を検出してよい。例えば、視認対象領域の移動速度は1分間あたりの文字数を示してよい。本実施形態では一例として、視認対象領域の位置情報は、視認対象領域の行番号を示すため、第2検出部407は、当該位置情報で示される行が1分間で移動した数に1行の文字数を乗じて、1分間あたりの文字数を算出してよい。
【0040】
第2検出部407は、移動速度が基準速度未満となったことに応じて、視認対象領域を速度低下領域として検出してよい。第2検出部407は、基準速度として固定値(一例として1分間あたり500文字)を用いてよい。これに代えて、第2検出部407は、基準速度として変動値を用いてもよい。この場合には、第2検出部407は、ユーザ毎の移動速度の平均速度(一例として直近の複数の移動速度から算出される移動平均の速度)を逐次算出し、算出された平均速度に基づく値を基準速度としてよい。平均速度に基づく値とは、平均速度から固定速度を減算した値であってもよいし、平均速度に1未満の正の値を乗じた値であってもよい。
【0041】
第2検出部407は、検出した速度低下領域の位置情報を第2記憶部408に供給してよい。本実施形態では一例として、テキスト内の速度低下領域の位置情報は、テキストID、当該領域の章番号、ページ番号、および、行番号を示してよい。
【0042】
また、第2検出部407は、認証部406により認証されたユーザのユーザIDを速度低下領域の位置情報と対応付けて第2記憶部408に供給してよい。また、第2検出部407は、速度低下領域を含むテキスト内の区分を検出し、当該区分の識別情報(区分IDとも称する)を速度低下領域の位置情報と対応付けて第2記憶部408に供給してよい。
【0043】
ここで、区分とは、テキストを分割した部分であってよく、内容に応じて分割された部分(例えばテキストの章や段落、文節など)であってもよいし、文字数に応じて分割された部分であってもよい。テキスト内の区分の粒度は、視認対象領域や速度低下領域の粒度より大きくてよい。本実施形態では一例として、区分はテキストの章であってよく、区分IDは章の番号を示してよい。
【0044】
[1-3(8).第2記憶部408]
第2記憶部408は、記憶部の一例であり、テキスト内での各速度低下領域の位置情報を記憶する。第2記憶部408は、ユーザ毎に各速度低下領域の位置情報を記憶してよい。本実施形態では一例として、第2記憶部408は、第2検出部407から供給される速度低下領域の位置情報と、ユーザIDと、区分ID等とを対応付けたデータセットを複数有する統計用データを記憶してよい。
【0045】
[1-3(9).統計部409]
統計部409は、第2記憶部408により記憶された複数の速度低下領域の位置情報に対して統計処理を行う。統計部409は、第2記憶部408に記憶された統計用データを用いて統計処理を行ってよい。
【0046】
統計処理の解析単位(分類、尺度とも称する)はテキストの種類であってもよいし、テキスト内の区分であってもよいし、ユーザであってもよい。例えば、解析単位がユーザである場合には、統計部409はユーザ毎に統計処理を行ってよく、解析単位がテキスト内の区分である場合には、統計部409は区分毎に統計処理を行ってよい。
【0047】
統計部409は、統計結果を抽出部410および決定部411に供給してよい。本実施形態では一例として、統計部409は、区分毎の統計結果を抽出部410に供給してよい。また、統計部409は、ユーザ毎の統計結果を決定部411に供給してよい。
【0048】
[1-3(10).抽出部410]
抽出部410は、統計部409による区分ごとの統計処理の結果に基づいて、基準数より多く速度低下領域として検出された、テキストの区分を抽出する。別言すれば、抽出部410は、基準数より多い速度低下領域を含む、テキストの区分を抽出する。基準数は任意に設定されてよい。抽出部410は、抽出した区分の区分IDを外部機器や表示部402などに出力してよい。
【0049】
[1-3(11).決定部411]
決定部411は、統計部409によるユーザ毎の統計処理の結果に基づいて、テキストに対するユーザの理解度を決定する。例えば、決定部411は、テキスト内で検出された速度低下領域の個数が少ないほど、テキストに対する理解度を高く算出してよい。
【0050】
また、決定部411は、テキストの区分ごとにユーザの理解度を決定してよい。例えば、決定部411は、区分内で検出された速度低下領域の個数が少ないほど、当該区分に対する理解度を高く算出してよい。決定部411は、少なくとも1人のユーザについて決定した理解度を、そのユーザのユーザIDと対応付けて設定部412に供給してよい。
【0051】
[1-3(12).設定部412]
設定部412は、決定部411により決定された理解度に基づいて、テキストの対象(本実施形態においては一例として操作マニュアルの対象の制御対象機器20(T))についての操作権限を設定する。設定部412は、ユーザ毎に操作権限を設定してよい。本実施形態では一例として、設定部412は、決定部411から供給されたユーザIDに対し操作装置3の記憶部301内で対応付けられた操作権限を、決定部411から供給された操作権限に応じて更新してよい。
【0052】
以上の訓練装置4によれば、テキスト内での各速度低下領域の位置情報が記憶され、記憶された複数の位置情報に対して統計処理が行われるので、テキストの学習や改訂を効率よく行うことができる。
【0053】
また、テキスト内での位置毎に統計処理が行われるので、テキスト内で理解の足りない部分や読みにくい部分など、学習や改訂の必要な部分を検出することができる。
【0054】
また、基準数より多く速度低下領域として検出された区分が抽出されるので、学習や改訂の必要な区分をより確実に検出することができる。
【0055】
また、ユーザ毎に統計処理が行われるので、ユーザ毎に理解の足りない部分や読みにくい部分を検出し、ユーザ間で比較することができる。
【0056】
また、統計処理の結果に基づいてテキストに対するユーザの理解度が決定されるので、理解度に応じて効率よくテキストごとの学習を行うことができる。
【0057】
また、テキストの区分ごとにユーザの理解度が決定されるので、理解度に応じて効率よく区分ごとの学習を行うことができる。
【0058】
また、決定された理解度に基づいて操作マニュアルの対象についての操作権限が設定されるので、理解度の低いユーザに対して操作権限が付与されるのを防止することができる。
【0059】
[2.権限情報]
図2は、記憶部301に記憶される権限情報を示す。記憶部301は、制御対象機器20(T)の機器IDと、ユーザIDと、そのユーザの操作権限とを対応付けた少なくとも1つのデータセットを権限情報として記憶してよい。なお、図中の権限情報では、機器ID「K1111」の制御対象機器20(T)に対し、ユーザID「aaa1」のユーザは操作権限を有しており、ユーザID「aaa2」のユーザは操作権限を有していないことが示されている。
【0060】
[3.統計用データ]
図3は、第2記憶部408に記憶される統計用データを示す。第2記憶部408は、テキストIDと、速度低下領域の位置情報と、速度低下領域を含む区分の区分IDと、ユーザIDとを対応付けた少なくとも1つのデータセットを統計用データとして記憶してよい。なお、図中の統計用データでは、テキストID「T1」のテキストにおいてユーザID「aaa1」のユーザは区分ID「C1」(第1章)の区分内の「C1,P3,L11」(第1章、第3ページ、第11行)の部分で視認対象領域の移動速度が低下し、ユーザID「aaa2」のユーザは区分ID「C3」(第3章)の区分内の「C3,P40,L3」(第3章、第40ページ、第3行)の部分で視認対象領域の移動速度が低下したことが示されている。
【0061】
[4.動作]
図4は、訓練装置4の動作を示す。訓練装置4は、ステップS11~S37の処理により制御対象機器20(T)の操作訓練を支援する。なお、この動作の実行時には、予め認証部406によるユーザ認証で正当な認証結果が得られていてよい。
【0062】
ステップS11において表示制御部403は、表示画面にテキストを表示させる。第1記憶部401に複数のテキストデータが記憶される場合には、表示制御部403は、図示しない入力部を介してユーザにより選択されたテキストデータのテキストを表示させてよい。表示制御部403は、予め設定された速度でテキストの表示部分をスクロールしてもよいし、図示しない入力部を介してユーザから入力されるスクロール指示に基づいて表示部分をスクロールしてもよい。
【0063】
ステップS13において第1検出部405は、表示されたテキスト内でユーザの見ている視認対象領域(本実施形態では一例としてテキスト内の何れかの行)を検出する。
【0064】
ステップS15において第2検出部407は、視認対象領域の移動速度が低下したかを判定する。例えば、第2検出部407は、移動速度が基準速度(一例として1分間あたり500文字)未満になったか否かを判定してよい。移動速度が低下しないと判定された場合(ステップS15;N)にはステップS21に処理が移行してよい。移動速度が低下したと判定された場合(ステップS15;Y)にはステップS17に処理が移行してよい。
【0065】
ステップS17において第2検出部407は、速度低下領域を検出する。第2検出部407は、移動速度が基準速度未満となったときの視認対象領域を速度低下領域として検出してよい。
【0066】
ステップS19において、第2記憶部408は、検出された速度低下領域の位置情報を記憶する。本実施形態では一例として、第2記憶部408は、第2検出部407から供給される速度低下領域の位置情報と、ユーザIDと、区分ID等とを対応付けたデータセットを記憶して統計用データを更新してよい。
【0067】
ステップS21において表示制御部403は、テキストの表示が終了したか否かを判定してよい。例えば、表示制御部403は、視認対象領域がテキストの末尾に達したことに応じて表示が終了したと判定してよい。また、表示制御部403は、図示しない入力部を介してユーザから入力される終了指示に基づいて表示が終了したと判定してよい。表示が終了しないと判定された場合(ステップS21;N)にはステップS11に処理が移行してよい。表示が終了したと判定された場合(ステップS21;Y)にはステップS31に処理が移行してよい。
【0068】
ステップS31において統計部409は、記憶された複数の速度低下領域の位置情報に対して統計処理を行う。本実施形態では一例として、統計部409は、ユーザ毎、および、テキストの区分毎のそれぞれで統計処理を行う。統計処理は、解析単位ごとの速度低下領域の検出数の集計であってもよいし、検出数の代表値(一例として平均値や最頻値、中央値)の算出であってもよい。
【0069】
ステップS33において抽出部410は、区分ごとの統計処理の結果に基づいて、基準数より多く速度低下領域として検出された、テキストの区分を抽出する。
【0070】
ステップS35において、決定部411は、ユーザ毎の統計処理の結果に基づいて、テキストに対するユーザの理解度を決定する。決定部411は、テキストの区分ごとにユーザの理解度を決定してもよい。
【0071】
ステップS37において設定部412は、決定された理解度に基づいて、テキストの対象(本実施形態においては一例として操作マニュアルの対象の制御対象機器20(T))についての操作権限を設定する。設定部412は、予め任意に設定される基準理解度よりもユーザの理解度が高いことに応じて、当該ユーザの操作権限を有りにしてよい。
【0072】
一例として、表示されたテキストの操作マニュアルが全体として単一の制御対象機器20(T)の操作を説明する場合には、設定部412は、当該テキストに対するユーザの理解度が基準理解度より高いことに応じて、当該単一の制御対象機器20(T)の操作権限を有りにしてよい。
【0073】
また、表示されたテキストの操作マニュアルが章ごとに別々の制御対象機器20(T)の操作を説明する場合には、設定部412は、当該テキストに対するユーザの理解度が基準理解度より高いことに応じて、操作マニュアルで説明される各制御対象機器20(T)の操作権限を有りにしてよい。これに代えて、設定部412は、テキスト内の章に対応する区分ごとに、当該区分に対するユーザの理解度が基準理解度より高いことに応じて、その区分の章で説明される制御対象機器20(T)の操作権限を有りにしてよい。
【0074】
[5.変形例]
なお、上記の実施形態においては、訓練装置4は第1記憶部401と、表示部402と、認証部406と、抽出部410と、決定部411と、設定部412とを有することとして説明したが、これらの何れかを有しないこととしてもよい。例えば、訓練装置4が第1記憶部401を有しない場合には、表示制御部403は、外部装置からテキストデータを取得して表示部402に表示させてよい。
【0075】
また、第1検出部405は眼球の撮像画像からユーザの視線を検出することとして説明したが、他の手法によって視線を検出してもよい。この場合には、第1検出部405は、ユーザの視線または両目の注視位置を検出するセンサ群(図示せず)を有してよい。センサ群は、ユーザの頭部(一例として目の周辺)に装着される6軸センサや、磁気センサ、眼電位センサなどを含んでよい。6軸センサは、3軸加速度センサおよび3軸ジャイロ(角速度)センサを有するモーションセンサ(慣性センサとも称する)であってよく、ユーザの頭部の向きを検出してよい。磁気センサは、例えば、3軸の地磁気センサであってよい。眼電位センサは、目の周りの電位差を検出することで、眼球の向きを検出してよい。第1検出部405は、これらのセンサを用い、従来より公知の手法によって視線を検出してよい。例えば、センサ群に6軸センサや磁気センサが含まれる場合には、第1検出部405は、両目の中間点の位置と、頭部の向きとを検出し、両目の中間点を通って頭部の正面に向かう直線を視線として検出してよい。センサ群に眼電位センサがさらに含まれる場合には、第1検出部405は、両目の中間点と両目の注視位置とを検出し、両目の中間点と両目の注視位置とを結ぶ直線を視線として検出してよい。
【0076】
また、設定部412により設定される操作権限が制御対象機器20(T)の全操作についての権限の有無を示すこととして説明したが、操作ごとの権限の有無を示してもよい。この場合には、テキストデータで示される操作マニュアルは章ごとに単一の制御対象機器20(T)の別々の操作を説明してよく、設定部412は、テキスト内の章に対応する区分ごとに、当該区分に対するユーザの理解度が基準理解度より高いことに応じて、その区分の章で説明される操作の権限を有りにしてよい。
【0077】
また、テキストデータが制御対象機器20(T)に関する操作マニュアルを示すこととして説明したが、制御対象機器20(T)に加えて、または、制御対象機器20(T)に代えて、システム1上で動作するソフトウェアに関する操作マニュアルを示してもよい。
【0078】
また、本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0079】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0080】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0081】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0082】
図5は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作または当該装置の1または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該1または複数のセクションを実行させることができ、および/またはコンピュータ2200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
【0083】
本実施形態によるコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216、およびディスプレイデバイス2218を含み、それらはホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200はまた、通信インタフェース2222、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226、およびICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータはまた、ROM2230およびキーボード2242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ2240を介して入/出力コントローラ2220に接続されている。
【0084】
CPU2212は、ROM2230およびRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等またはそれ自体の中にCPU2212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
【0085】
通信インタフェース2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD-ROMドライブ2226は、プログラムまたはデータをDVD-ROM2201から読み取り、ハードディスクドライブ2224にRAM2214を介してプログラムまたはデータを提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/またはプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0086】
ROM2230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、および/またはコンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ2240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ2220に接続してよい。
【0087】
プログラムが、DVD-ROM2201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、またはROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ2200の使用に従い情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
【0088】
例えば、通信がコンピュータ2200および外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROM2201、またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0089】
また、CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226(DVD-ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM2214に読み取られるようにし、RAM2214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
【0090】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM2214に対しライトバックする。また、CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0091】
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上またはコンピュータ2200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2200に提供する。
【0092】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0093】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0094】
1 システム
2 設備
3 操作装置
4 訓練装置
20 機器
301 記憶部
302 認証部
303 操作部
304 駆動制御部
401 第1記憶部
402 表示部
403 表示制御部
404 撮像部
405 第1検出部
406 認証部
407 第2検出部
408 第2記憶部
409 統計部
410 抽出部
411 決定部
412 設定部
2200 コンピュータ
2201 DVD-ROM
2210 ホストコントローラ
2212 CPU
2214 RAM
2216 グラフィックコントローラ
2218 ディスプレイデバイス
2220 入/出力コントローラ
2222 通信インタフェース
2224 ハードディスクドライブ
2226 DVD-ROMドライブ
2230 ROM
2240 入/出力チップ
2242 キーボード