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特許7327456エレベータ情報提供装置、エレベータ情報提供方法、端末装置および端末制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-07
(45)【発行日】2023-08-16
(54)【発明の名称】エレベータ情報提供装置、エレベータ情報提供方法、端末装置および端末制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   B66B 3/00 20060101AFI20230808BHJP
   B66B 1/18 20060101ALI20230808BHJP
【FI】
B66B3/00 Q
B66B3/00 L
B66B3/00 M
B66B1/18 X
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021182752
(22)【出願日】2021-11-09
(65)【公開番号】P2023070524
(43)【公開日】2023-05-19
【審査請求日】2021-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】井上 祐紀
【審査官】吉川 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-034986(JP,A)
【文献】特開2012-158398(JP,A)
【文献】特開2021-014369(JP,A)
【文献】国際公開第2014/118424(WO,A1)
【文献】特開2007-001381(JP,A)
【文献】特開2015-030613(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 1/00-3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の乗りかごおよび該乗りかごへの乗車待機領域を含むエレベータエリアが複数設けられている建物において、前記エレベータエリアのそれぞれの混雑状況情報を取得する情報取得部と、
前記エレベータエリアのそれぞれの前記建物内における位置に関する位置情報と、前記エレベータエリアのそれぞれに対応する前記混雑状況情報とを利用者に通知する通知部と、を備え、
前記通知部は、前記利用者によって操作される端末装置によって情報の閲覧がされている前記乗りかごに対する閲覧情報と、前記エレベータエリアに含まれる前記乗りかごの混雑度および前記エレベータエリアにおける待機人数の少なくともいずれか一方と、に基づいて、前記混雑状況情報を算出する、エレベータ情報提供装置。
【請求項2】
前記通知部は、前記建物における所定の階の平面図に前記エレベータエリアのそれぞれの位置を示す情報を通知する、請求項1に記載のエレベータ情報提供装置。
【請求項3】
1以上の乗りかごおよび該乗りかごへの乗車待機領域を含むエレベータエリアが複数設けられている建物において、前記エレベータエリアのそれぞれの混雑状況情報を取得する情報取得ステップと、
前記エレベータエリアのそれぞれの前記建物内における位置に関する位置情報と、前記エレベータエリアのそれぞれに対応する前記混雑状況情報とを利用者に通知する通知ステップと、を含み、
前記通知ステップでは、前記利用者によって操作される端末装置によって情報の閲覧がされている前記乗りかごに対する閲覧情報と、前記エレベータエリアに含まれる前記乗りかごの混雑度および前記エレベータエリアにおける待機人数の少なくともいずれか一方と、に基づいて、前記混雑状況情報が算出される、
エレベータ情報提供方法。
【請求項4】
請求項1または2に記載のエレベータ情報提供装置と通信を行う端末装置であって、
前記位置情報および前記混雑状況情報を通信ネットワークを介して受信する通信制御部と、
前記位置情報および前記混雑状況情報を表示する制御を行う表示制御部とを備える、端末装置。
【請求項5】
前記通信制御部は、前記利用者が乗りかごに乗車する予定の階数を示す乗車階情報および前記利用者が乗りかごから降車する予定の階数を示す行先階情報を含む行先階乗車要求情報を前記エレベータ情報提供装置に送信する、請求項に記載の端末装置。
【請求項6】
請求項またはに記載の端末装置としてコンピュータを機能させるための端末制御プログラムであって、前記通信制御部および前記表示制御部としてコンピュータを機能させるための端末制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータ情報提供装置、エレベータ情報提供方法、エレベータ情報提供装置と通信を行う端末装置およびその端末制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、エレベータバンクの乗場に設置された案内装置に、エレベータバンクの利用を促すための案内データが表示される例が示されている。この例では、案内装置が配置されたエレベータバンクの利用を促すための案内データを案内装置が受信したときに、例えば「こちらのエレベータはただ今空いておりますのでご利用下さい。」という文字列が案内装置の表示部に表示される。一方、他のエレベータバンクの利用を促すための案内データを案内装置が受信したときに、例えば「こちらのエレベータはただ今混雑しています。別のエレベータをご利用下さい。」という文字列が案内装置の表示部に表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】WO2019/058455
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記のような案内表示において、他のエレベータバンクの利用を促すメッセージが表示された場合、利用者は、他のエレベータバンクがどこにあるのか、また、現在地からどの程度の距離にあるのかを把握することができない。
【0005】
本発明の一態様は、1以上の乗りかごおよび該乗りかごへの乗車待機領域を含むエレベータエリアが複数設けられている建物において、各エレベータエリアの位置および混雑状況を利用者に提示するエレベータ情報提供装置およびエレベータ情報提供方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るエレベータ情報提供装置は、1以上の乗りかごおよび該乗りかごへの乗車待機領域を含むエレベータエリアが複数設けられている建物において、前記エレベータエリアのそれぞれの混雑状況情報を取得する情報取得部と、前記エレベータエリアのそれぞれの前記建物内における位置に関する位置情報と、前記エレベータエリアのそれぞれに対応する前記混雑状況情報とを利用者に通知する通知部と、を備える。
【0007】
前記の構成によれば、利用者は、エレベータエリアが複数設けられている建物において、各エレベータエリアの位置および混雑状況を把握することができる。よって、利用者は、混雑度および場所を考慮して、どのエレベータエリアを利用すべきかを判断することが可能となり、利便性が向上する。
【0008】
本発明の他の態様に係るエレベータ情報提供装置では、前記通知部は、前記建物における所定の階の平面図に前記エレベータエリアのそれぞれの位置を示す情報を通知してもよい。
【0009】
前記の構成によれば、利用者は、所定の階の平面図に位置が示されたエレベータエリアの混雑状況を把握することができる。よって、利用者は、エレベータエリアの位置をより容易かつ的確に把握することができる。
【0010】
本発明の他の態様に係るエレベータ情報提供装置では、前記通知部は、前記エレベータエリアに含まれる前記乗りかごの混雑度および前記エレベータエリアにおける待機人数の少なくともいずれか一方に基づいて、前記混雑状況情報を算出してもよい。
【0011】
前記の構成によれば、各エレベータエリアの混雑状況を的確に反映した混雑状況情報を利用者に提示することができる。
【0012】
本発明の他の態様に係るエレベータ情報提供装置では、前記通知部は、前記利用者によって操作される端末装置によって要求される、前記乗りかごに対する乗車要求情報、および、前記端末装置によって情報の閲覧がされている前記乗りかごに対する閲覧情報、の少なくともいずれか一方に基づいて、前記混雑状況情報を算出してもよい。
【0013】
前記の構成によれば、乗りかごの乗車要求を行うことが可能な端末装置における利用状況も考慮して混雑状況情報が算出されるので、より精度の高い混雑状況予測が可能となる。
【0014】
本発明の他の態様に係るエレベータ情報提供装置では、前記通知部は、前記エレベータエリアにおける前記各乗りかごの混雑状況情報、前記各乗りかごの属性情報、前記各乗りかごの現在位置階情報、前記各乗りかごの現在運転方向情報、および、前記乗車待機領域の混雑情報、の少なくともいずれか1つを利用者に通知してもよい。
【0015】
前記の構成によれば、エレベータエリア内の乗りかごや乗車待機領域に関する詳細情報を利用者が認識することができる。よって、利用者は、エレベータエリアの選択においてより参考となる情報を取得することができる。
【0016】
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るエレベータ情報提供方法は、1以上の乗りかごおよび該乗りかごへの乗車待機領域を含むエレベータエリアが複数設けられている建物において、前記エレベータエリアのそれぞれの混雑状況情報を取得する情報取得ステップと、前記エレベータエリアのそれぞれの前記建物内における位置に関する位置情報と、前記エレベータエリアのそれぞれに対応する前記混雑状況情報とを利用者に通知する通知ステップと、を含む。
【0017】
前記の方法によれば、利用者は、エレベータエリアが複数設けられている建物において、各エレベータエリアの位置および混雑状況を把握することができる。よって、利用者は、混雑度および場所を考慮して、どのエレベータエリアを利用すべきかを判断することが可能となり、利便性が向上する。
【0018】
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る端末装置は、前記エレベータ情報提供装置と通信を行う端末装置であって、前記位置情報および前記混雑状況情報を通信ネットワークを介して受信する通信制御部と、前記位置情報および前記混雑状況情報を表示する制御を行う表示制御部とを備える。
【0019】
前記の構成によれば、利用者は、端末装置を利用して位置情報および混雑状況情報の確認を行うことができる。
【0020】
本発明の他の態様に係る端末装置において、前記通信制御部は、前記利用者が乗りかごに乗車する予定の階数を示す乗車階情報および前記利用者が乗りかごから降車する予定の階数を示す行先階情報を含む行先階乗車要求情報を前記エレベータ情報提供装置に送信してもよい。
【0021】
前記の構成によれば、利用者は、位置情報および混雑状況情報を端末装置で確認し、確認画面を通じて行先階乗車要求情報をエレベータ情報提供装置に送信することができる。これにより、確認画面を通じて呼び登録行うことが可能となる。
【0022】
本発明の各態様に係るエレベータ情報提供装置および端末装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを前記装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより前記装置をコンピュータにて実現させる装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0023】
本発明の一態様によれば、1以上の乗りかごおよび該乗りかごへの乗車待機領域を含むエレベータエリアが複数設けられている建物において、各エレベータエリアの位置および混雑状況を利用者に提示するエレベータ情報提供装置およびエレベータ情報提供方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施形態1に係るエレベータ情報提供システムの機能ブロック図である。
図2】前記エレベータ情報提供システムの端末装置の表示画面の一例を示す図である。
図3】前記端末装置の表示画面の他の例を示す図である。
図4】前記エレベータ情報提供システムのエレベータ情報提供装置の動作を示すフロー図である。
図5】本発明の実施形態2に係るエレベータ情報提供システムのエレベータ情報提供装置の動作を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
〔実施形態1〕
<エレベータ情報提供システムの概要>
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。エレベータ情報提供システム1は、エレベータエリアが複数設けられている建物Bにおいて、各エレベータエリアの位置および混雑状況を利用者に提示するシステムである。ここで、エレベータエリアとは、1以上の乗りかごおよび該乗りかごへの乗車待機領域を含む領域である。図2は、エレベータ情報提供システム1の端末装置30の表示画面の一例を示す図であり、建物Bにおける1階の平面図に各エレベータエリアのそれぞれの位置と、各エレベータエリアのそれぞれに対応する混雑状況情報を表示している。混雑状況情報について、詳しくは後述する。本実施形態では、図2に示すように、エレベータエリア60A・60B・60C・60D(以下エレベータエリア60A~60Dと記す)が建物Bに配置されているものとして説明する。エレベータエリア60Aには、エリアエレベータ群51Aおよび乗車待機領域55Aが含まれている。エレベータエリア60Aと同様に、エレベータエリア60B・60C・60Dには、エリアエレベータ群51B・51C・51Dおよび乗車待機領域55B・55C・55Dが含まれている。なお、本実施形態では、エレベータエリアが4つであるとして説明するが、エレベータエリアの数は前記に限らず適宜配置可能である。
【0026】
図1は、本発明の実施形態1に係るエレベータ情報提供システム1の機能ブロック図である。図1に示すように、エレベータ情報提供システム1は、エレベータ情報提供装置10と、複数の端末装置30と、混雑検出装置群40と、エレベータ群50と、を備えている。
【0027】
<エレベータ群>
エレベータ群50は、図1に示すように、エリアエレベータ群51A・51B・51C51D(以下エリアエレベータ群51A~51Dと記す)を備えている。図3は、端末装置30の表示画面の他の例を示す図であり、エレベータエリア60Aにおいて、エレベータエリア60Aに含まれるエリアエレベータ群51Aの各乗りかごの運行情報等を表示している状態を示す。運行情報について詳しくは後述する。図1および図3に示すように、エリアエレベータ群51Aは、エレベータ511A・521A・531A・541A(以降エレベータ511A~541Aと記す)と、エレベータ制御装置512A・522A・532A・542A(以降エレベータ制御装置512A~542Aと記す)と、を備えている。本実施形態では、エリアエレベータ群51Aは、4台のエレベータを備えるものとして説明するが、エレベータの台数は前記に限らず適宜配置可能である。また、本実施形態では、エレベータ511A~541Aは、乗降可能な階が同じであるとして説明するが、前記に限らず、各々乗降可能な階が異なっていてもよい。エレベータ511A~541Aは、それぞれ乗りかご516A・526A・536A・546A(以降乗りかご516A~546Aと記す)を有している。
【0028】
図1に示すように、エレベータ制御装置512A~542Aは、エレベータ511A~541Aのうち、対応するエレベータを制御する。以下、代表してエレベータ制御装置512Aについて説明するが、エレベータ制御装置522A~542Aも同様の構成を有する。
【0029】
エレベータ制御装置512Aは、制御部512A1を備えている。制御部512A1はエレベータ制御装置512Aの各部を統括的に制御する。制御部512A1の機能は、メモリ(図示無)に記憶されたプログラムを、CPU(Central Processing Unit)が実行することで実現されてよい。制御部512A1は、乗りかご情報取得部513Aと、通信制御部514Aと、運行制御部515Aと、を備えている。
【0030】
乗りかご情報取得部513Aは、乗りかご516Aの運行情報を取得する。乗りかご516Aの運行情報は、乗りかご516Aの属性情報、現在位置階情報および現在運転方向情報等を含む。乗りかごの属性には、例えば、性別専用(男性専用、女性専用)、荷物専用、自律移動ロボット専用、VIP専用、移動式ベッド専用、車椅子専用および施設関係者専用等がある。なお、属性は、状況によって変更できるようになっていてもよいし、予め設定された固定であってもよい。
【0031】
通信制御部514Aは、エレベータ情報提供装置10とエレベータ制御装置512Aとの通信を制御する。具体的には、通信制御部514Aは、乗りかご516Aの運行情報を、エレベータ情報提供装置10の情報取得部12に送信する。また、通信制御部514Aは、エレベータ情報提供装置10から送信される、利用者Uの登録結果情報(呼び登録結果情報)と、利用者U乗車階情報および行先階情報を含む乗車要求情報と、を受信する。登録結果情報について、詳しくは後述する。
【0032】
運行制御部515Aは、登録結果情報において乗りかご516Aが利用者Uに対して呼び登録されている場合、乗車要求情報における利用者Uの乗車階情報および行先階情報に基づき、乗りかご516Aを利用者Uの乗車階から行先階まで運行させる。
【0033】
なお、図示にはないが、エリアエレベータ群51Aには、エリアエレベータ群51A全体を統括するエリアエレベータ群管理装置が設置されていてもよい。エリアエレベータ群管理装置は、エリアエレベータ群51A内の配車制御や外部との通信を行う。具体的には、エリアエレベータ群管理装置は群管理通信制御部を備え、通信制御部514A~544Aの役割を一括して行う構成であってもよい。
【0034】
エリアエレベータ群51B~51Dについても、エリアエレベータ群51Aと同様の構成を有する。また、各エレベータエリア群が備えているエレベータの台数は適宜設定できる。
【0035】
<混雑検出装置>
混雑検出装置群40は、各乗りかごおよび各乗車待機領域の混雑状況を検出する。図1に示すように、混雑検出装置群40は、エリア対応検出装置群40A・40B・40C・40D(以下エリア対応検出装置群40A~40Dと記す)を備えている。代表してエリア対応検出装置群40Aについて説明する。エリア対応検出装置群40Aは、乗りかご用検出装置群41Aと、領域用検出装置45Aと、を備えている。
【0036】
乗りかご用検出装置群41Aは、乗りかご用検出装置411A・421A・431A・441A(以降乗りかご用検出装置411A~441Aと記す)を備えており、乗りかご用検出装置411A~441Aはそれぞれ、乗りかご516A~546Aの混雑状況を検出する。
【0037】
乗りかご用検出装置411Aは、制御部411A1を備えている。制御部411A1は乗りかご用検出装置411Aの各部を統括的に制御する。制御部411A1の機能は、メモリ(図示無)に記憶されたプログラムを、CPUが実行することで実現されてよい。制御部411A1は、混雑検出部412Aと送信部413Aとを備えている。混雑検出部412Aは、乗りかご516Aの混雑状況を検出する。送信部413Aは、混雑検出部412Aが検出した混雑状況を初期混雑状況情報としてエレベータ情報提供装置10の情報取得部12に送信する。
【0038】
なお、送信部413Aは、混雑検出部412Aが検出した混雑状況をエレベータ制御装置512Aの通信制御部514Aを介して情報取得部12に送信してもよい。
【0039】
乗りかご用検出装置421A~441Aは、乗りかご用検出装置411Aと同様の構成を備えている。
【0040】
領域用検出装置45Aは、乗車待機領域55Aの混雑状況を検出する。領域用検出装置45Aは、制御部45A1を備えている。制御部45A1は領域用検出装置45Aの各部を統括的に制御する。制御部45A1の機能は、メモリ(図示無)に記憶されたプログラムを、CPUが実行することで実現されてよい。制御部45A1は、混雑検出部451Aと送信部452Aとを備えている。混雑検出部451Aは、乗車待機領域55Aの混雑状況を検出する。送信部452Aは、検出した混雑状況を初期混雑状況情報としてエレベータ情報提供装置10の情報取得部12に送信する。
【0041】
また、エリア対応検出装置群40Aと同様に、エリア対応検出装置群40B・40C・40Dにおいても、それぞれ乗りかご用検出装置群41B・41C・41Dおよび領域用検出装置45B・45C・45Dを備えている。各乗りかご用検出装置群においては、対応する各エレベータエリアに備えられているエレベータの乗りかごそれぞれに対して、乗りかご用検出装置が備えられている。また、各領域用検出装置は、各階の各エレベータエリアのそれぞれに対して備えられている。
【0042】
乗りかご用検出装置および領域用検出装置は、例えば、乗りかご内や乗車待機領域付近に設けられ、カメラによる撮像画像を初期混雑状況情報として情報取得部12に送信する。また、乗りかご用検出装置は、例えば、乗りかごが有する荷重センサーが示す値を初期混雑状況情報として情報取得部12に送信してもよい。
【0043】
<エレベータ情報提供装置>
エレベータ情報提供装置10は、利用者Uからの情報提供の要求に基づき、各エレベータエリアの位置および混雑状況を利用者に提供する。エレベータ情報提供装置10は、端末装置30、混雑検出装置群40およびエレベータ群50と通信を行う。エレベータ情報提供装置10は、提供装置制御部11と、メモリ15と、を備えている。
【0044】
提供装置制御部11は、エレベータ情報提供装置10の各部を統括的に制御する。提供装置制御部11の機能は、メモリ15に記憶されたプログラムを、CPUが実行することで実現されてよい。提供装置制御部11の詳細については後述する。メモリ15は、提供装置制御部11が実行する各種のプログラム、およびプログラムによって使用されるデータを格納する。また、メモリ15は、建物Bの各階のマップ情報を格納する。
【0045】
(提供装置制御部の構成)
提供装置制御部11は、情報取得部12と、通知部13と、呼び登録部14と、を備えている。
【0046】
情報取得部12は、端末装置30から乗車要求情報および利用者の現在位置情報を取得する。乗車要求情報について、詳しくは後述する。また、情報取得部12は、混雑検出装置群40から、各エレベータエリアのそれぞれの混雑状況情報を取得する。具体的には、情報取得部12は各乗りかごの初期混雑状況情報および各乗車待機領域の初期混雑状況情報を、混雑検出装置群40から取得する。また、情報取得部12は、エレベータ群50から、各乗りかごの運行情報を取得する。
【0047】
通知部13は、各エレベータエリアに含まれる乗りかごの混雑度および各エレベータエリアにおける待機人数の少なくともいずれか一方に基づいて、混雑状況情報を算出する。また、通知部13は各エレベータエリアのそれぞれの建物B内における位置に関する位置情報と、各エレベータエリアのそれぞれに対応する混雑状況情報とを利用者に通知する。通知部13について、具体的に以下に説明する。通知部13は、図1に示すように、第1混雑状況算出部131と、第2混雑状況算出部132と、第3混雑状況算出部133と、エレベータ情報通知部134と、を備えている。なお、第3混雑状況算出部133については、実施形態2で説明する。
【0048】
第1混雑状況算出部131は、初期混雑状況情報に基づき、各エレベータエリアにおける、各乗りかごの混雑度および当該エレベータエリアの乗車待機領域の待機人数を含む第1混雑状況情報を算出する。まず、第1混雑状況算出部131は、エレベータエリア60Aにおいて、乗りかご用検出装置群41Aが検出した乗りかご516A~546Aの初期混雑状況情報に基づき、乗りかご516A~546Aの混雑度を算出する。乗りかご516A~546Aの混雑度の算出は、例えば、乗りかご用検出装置群41Aから初期混雑状況情報として取得した撮像画像に基づいて算出する。また、初期混雑状況情報として乗りかごが有する荷重センサーが示す値を取得し、当該値に基づいて乗りかごの乗車人数を予測することによって該混雑度を算出してもよい。
【0049】
さらに、第1混雑状況算出部131は、領域用検出装置45Aが検出した乗車待機領域55Aの初期混雑状況情報に基づき、乗車待機領域55Aの待機人数を算出する。待機人数の算出は、例えば、領域用検出装置45Aから初期混雑状況情報として取得した撮像画像に基づいて算出する。また、第1混雑状況算出部131は、領域用検出装置45Aが検出した乗車待機領域55Aの初期混雑状況情報に基づき、第1混雑状況情報として乗車待機領域55Aの混雑度を算出する。
【0050】
第1混雑状況算出部131は、エレベータエリア60Aと同様に、エレベータエリア60B~60Dについても第1混雑状況情報を算出する。
【0051】
第2混雑状況算出部132は、第1混雑状況情報に基づき各エレベータエリアの混雑度である第2混雑状況情報を算出する。具体的には、第2混雑状況算出部132は、各エレベータエリアに含まれる乗りかごの混雑度および各エレベータエリアにおける待機人数の少なくともいずれか一方に基づいて、第2混雑状況情報を算出する。本実施形態では、第2混雑状況算出部132は、各エレベータエリアにおける、各乗りかごの混雑度、当該エレベータエリアの待機領域の待機人数および当該エレベータエリアの乗りかごの総数等を総合的に判断し、第2混雑状況情報を算出する。
【0052】
エレベータ情報通知部134は、各エレベータエリアのそれぞれの建物B内における位置に関する位置情報と、各エレベータエリアのそれぞれに対応する第2混雑状況情報とを利用者に通知する。詳しくは、エレベータ情報通知部134は、メモリ15に格納されている建物Bにおける乗車要求情報で指定された階(所定の階)の平面図に各エレベータエリアのそれぞれの位置を示す情報と、各エレベータエリアのそれぞれに対応する第2混雑状況情報とを利用者に通知する。エレベータ情報通知部134は、端末装置30の通信制御部312を介して表示制御部313に前記情報を送信することより前記通知を行う。これにより、エレベータ情報提供装置10は、各エレベータエリアの混雑状況を的確に反映した混雑状況情報を利用者に提示することができる。
【0053】
また、エレベータ情報通知部134は、端末装置30により、エレベータエリアが選択された場合、当該エレベータエリアの各乗りかごの混雑状況情報および乗車待機領域の混雑情報(第1混雑状況情報)および当該エレベータエリアの乗りかごの運行情報(各乗りかごの現在位置階情報、現在運転方向情報、属性情報)の少なくともいずれか1つを利用者Uに通知する。本実施形態では、第1混雑状況情報および当該エレベータエリアの乗りかごの運行情報を共に利用者Uに通知する。エレベータ情報通知部134は、端末装置30の通信制御部312を介して表示制御部313に前記情報を送信することより前記通知を行う。
【0054】
呼び登録部14は、利用者Uから呼び登録の要求があった場合、利用者Uの乗車要求情報に応じて、呼び登録を行う。本実施形態において呼び登録とは、利用者Uが乗りかごに対して、乗車階から降車階までの運行を予約する行為を示す。図1に示すように、呼び登録部14は、登録設定部141と、登録結果通知部142と、を備えている。
【0055】
登録設定部141は、利用者Uから呼び登録の要求があった場合、利用者Uの乗車要求情報に基づき利用者Uが乗車する乗りかごを設定し、呼び登録を行う。登録設定部141は、利用者Uによりエレベータエリアの指定があった場合、当該エレベータエリアの乗りかご内で、利用者Uが乗車する乗りかごを設定し、呼び登録を行う。登録設定部141は、例えば、当該エレベータエリアの乗りかご内で、待ち時間が一番短い乗りかごを、利用者Uが乗車する乗りかごとして設定し、呼び登録を行う。
【0056】
なお、各エレベータエリア群が、各エリアエレベータ群全体を統括するエリアエレベータ群管理装置を備える場合、各エリアエレベータ群管理装置が呼び登録を行う構成であってもよい。具体的には、各エリアエレベータ群管理装置が登録設定部を備え、各登録設定部がエレベータ情報提供装置10を介して乗車要求情報を受信する。利用者Uにより指定されたエレベータエリアが担当するエリアエレベータ群のエレベータエリアであった場合、当該エリアエレベータ群管理装置の登録設定部が当該エレベータエリアの乗りかご内で利用者Uが乗車する乗りかごを設定し、呼び登録を行ってもよい。
【0057】
また、登録設定部141は、利用者Uによりエレベータエリアの指定がなかった場合、エレベータ群50全体内で、利用者Uが乗車する乗りかごを設定し、呼び登録を行う。登録設定部141は、例えば、移動距離を考慮してエレベータ群50全体内で待ち時間が一番短い乗りかごを、利用者Uが乗車する乗りかごとして設定し、呼び登録を行う。
【0058】
なお、登録設定部141は、利用者Uにより乗りかごの指定があった場合、利用者Uの乗車要求に基づき利用者Uが指定した乗りかごを、利用者Uが乗車する乗りかごとして設定し、呼び登録を行ってもよい。
【0059】
登録結果通知部142は、登録設定部141で呼び登録されたエレベータエリアと乗りかごを特定する登録結果情報を利用者Uに通知する。登録結果通知部142は、端末装置30の通信制御部312を介して表示制御部313に前記情報を送信することより前記通知を行う。また、登録結果通知部142は、登録結果情報と、乗車要求情報における当該利用者Uの乗車階情報および行先階情報と、をエレベータ群50に送信する。
【0060】
<端末装置>
端末装置30は、エレベータ情報提供装置10と通信を行い、利用者Uは、端末装置30により乗車要求情報の送信、位置情報および混雑状況情報の確認、および、登録結果情報の確認を行う。端末装置30は、エレベータ群50を利用する利用者Uが所持する携帯端末装置であり、例えばスマートフォンなどの情報処理端末である。端末装置30とエレベータ情報提供装置10との通信は、例えば携帯電話通信回線、無線LAN、およびBluetooth(登録商標)などによって行われる。図1に示すように、端末装置30は、端末装置制御部31と、タッチパネル32と、表示部33と、メモリ34と、を備えている。
【0061】
端末装置制御部31は、端末装置30の各部を統括的に制御する。端末装置制御部31の機能は、メモリ34に記憶されたプログラムを、CPUが実行することで実現されてよい。端末装置制御部31の詳細については後述する。
【0062】
タッチパネル32は、例えば、利用者Uの指によるタッチ操作およびスライド操作を検出する。タッチパネル32は、表示部33に重畳されている。タッチパネル32は、検出結果をタッチパネル制御部311に供給する。
【0063】
表示部33は、各種情報を表示する。表示部33は、表示制御部313から指示された画像を表示する。メモリ34は、端末装置制御部31が実行する各種のプログラムおよびプログラムによって使用されるデータを格納する。
【0064】
(端末装置制御部の構成)
端末装置制御部31は、タッチパネル制御部311と、通信制御部312と、表示制御部313と、を備えている。
【0065】
タッチパネル制御部311は、タッチパネル32により入力された情報を受け付ける。タッチパネル制御部311は、例えば、タッチパネル32により入力された乗車要求情報および呼び登録要求を受け付ける。ここで、乗車要求情報とは、利用者Uが要求している乗りかごに対する条件を含む情報であり、乗車階情報、行先階情報、およびエレベータ情報提供の要求を含む。エレベータ情報とは、各エレベータエリアの位置情報および混雑状況情報(第1混雑状況情報および第2混雑状況情報)と、乗りかごの運行情報とを含む情報である。
【0066】
乗車階情報は、利用者Uが乗りかごに乗車する予定の階数を示す情報であり、行先階情報は、利用者Uが乗りかごから降車する予定の階数を示す情報である。利用者Uが乗車する予定の階数および利用者Uが降車する予定の階数を、利用者Uはタッチパネル32により入力する。
【0067】
通信制御部312は、利用者Uから受け付けた乗車要求情報をエレベータ情報提供装置10の情報取得部12に送信する。また、通信制御部312は、位置情報および混雑状況情報を、通信ネットワークを介して受信する。具体的には、通信制御部312は、建物Bにおける乗車要求情報で指定された階の平面図に各エレベータエリアのそれぞれの位置を示す情報および各エレベータエリアのそれぞれに対応する混雑状況情報を含む、エレベータ情報を受信する。エレベータ情報は、エレベータ情報提供装置10のエレベータ情報通知部134から送信される。また、通信制御部312は、登録結果通知部142から送信される登録結果情報を受信する。通信制御部312は、エレベータ情報提供装置10から受信した情報を表示制御部313に出力する。
【0068】
表示制御部313は、表示部33の表示を制御する。表示制御部313は、例えば、位置情報および混雑状況情報を表示部33に表示する。具体的には、表示制御部313は、通信制御部312から、エレベータ情報が送信された場合、例えば、図2に示すような、表示画像を表示部33に表示する。図2では、利用者Uの乗車要求情報で指定された階(利用者Uの乗車階)である建物Bの1階の平面図にエレベータエリア60A~60Dのそれぞれが表示され、利用者Uの現在位置UI10および各エレベータエリアの混雑度101A~101D(第2混雑状況情報)が表示されている。階数表示および各エレベータエリアは、ユーザインターフェイスUI1、UI60A~60Dとなっており、操作可能である。例えば階数表示のユーザインターフェイスUI1を押下して他階を選択することで、選択した階のエレベータ情報を確認することができる。
【0069】
これにより、利用者Uは、乗車要求情報で指定された階の平面図に位置が示されたエレベータエリアの混雑状況を把握することができるので、利用者Uは、各エレベータエリアの位置および混雑状況をより容易かつ的確に把握することができる。なお、図2の表示画像において、各エレベータエリアの停止可能階、各エレベータエリアのエレベータ設置台数、各乗りかごの属性情報、または車いすエレベータの有無等が表示されていてもよい。
【0070】
また、図2において、各エレベータエリアのユーザインターフェイスUI60A~60Dのいずれかを選択することで、表示制御部313は、図3に示すような、選択したエレベータエリアの詳細情報を表示部33に表示する。
【0071】
例えば、図2の画面においてエレベータエリア60Aが選択された場合、表示制御部313は、図3に示すように、エレベータエリア60Aに含まれる複数の乗りかご516A~546Aおよび乗車待機領域55Aを表示部33に表示する。さらに、図3の表示画面では、表示された乗りかご516A~546Aおよび乗車待機領域55Aに対して、各乗りかごの混雑度102~105および乗車待機領域55Aの混雑度106(第1混雑状況情報)が表示される。また、図3では、各乗りかごにおいて、各乗りかごの現在位置階情報および現在運転方向情報(運行情報)が表示される。なお、各乗りかごにおいて、乗りかごの定員数、乗りかごの属性または各乗りかごの到着予測時が表示されてもよい。これにより、エレベータエリア60A内の各乗りかごや乗車待機領域55Aに関する詳細情報を利用者Uが認識することができる。よって、利用者Uは、エレベータエリアの選択においてより参考となる情報を取得することができる。
【0072】
さらに、図3の画面において、「1F」(階数)および「マップに戻る」の文言が、ユーザインターフェイスUI2、UI3となっており、操作可能である。例えば、階数のユーザインターフェイスUI2を押下して他階を選択することで、選択した階おいて、平面上エレベータエリア60Aと同じ位置に配置されているエレベータエリアの詳細情報を確認することができる。また、「マップに戻る」の文言のユーザインターフェイスUI3を押下することで、再度図2の表示画面に戻ることができる。なお、画像107については実施形態2で説明する。
【0073】
さらに、図2および図3の画面において、利用者Uが呼び登録の要求を行えるようになっていてもよい。例えば、図2の画面において、呼び登録要求のユーザインターフェイスを設け(図示無)、当該ユーザインターフェイスを押下することで、エレベータエリアを指定しない呼び登録の要求をエレベータ情報提供装置10に行えるものであってもよい。また、例えば、図3の画面において、呼び登録要求のユーザインターフェイスを設けて(図示無)、当該ユーザインターフェイスを押下することで、エレベータエリアを指定する呼び登録の要求をエレベータ情報提供装置10に行えるものであってもよい。
【0074】
また、表示制御部313は、登録結果通知部142から送信される登録結果情報を表示部33に表示する。
【0075】
以上により、利用者Uは、自身が所持する端末装置30により、乗車要求情報(行先階乗車要求情報)および呼び登録要求をエレベータ情報提供装置10に送信することができ、前記に示したエレベータ情報提供装置10から送信されてくる種々の情報を確認することができる。
【0076】
なお、本実施形態では、利用者Uが所持するスマートフォンを端末装置30として記載しているが前記に限定されない。端末装置30は、例えば、建物Bの休憩場所、乗車待機領域または入口付近などの任意の場所に設置される共用の端末装置でもよい。
【0077】
<エレベータ情報提供装置における処理の流れの一例>
図4は、エレベータ情報提供システム1のエレベータ情報提供装置10の動作を示すフロー図である。図4に基づき、エレベータ情報提供装置10における処理の流れの一例について説明する。
【0078】
エレベータ情報提供装置10が、端末装置30から乗車要求情報を受信すると(S11)、情報取得部12は、混雑検出装置群40から各エレベータエリアの初期混雑状況情報を取得する(S12:情報取得ステップ)。第1混雑状況算出部131は、初期混雑状況情報に基づき、第1混雑状況情報を算出し(S13)、第2混雑状況算出部132は、第1混雑状況情報に基づき、第2混雑状況情報を算出する(S14)。
【0079】
エレベータ情報通知部134は、各エレベータエリアのそれぞれの建物B内における位置に関する位置情報と、エレベータエリアのそれぞれに対応する第2混雑状況情報と、を利用者Uに通知する(S15:通知ステップ)。前記情報は、端末装置30に表示される(図2)。
【0080】
S15のステップにおいて通知された前記情報を確認した利用者Uによりエレベータエリアが選択された場合(S16でYES)、エレベータ情報通知部134は、選択されたエレベータエリアの第1混雑状況情報および乗りかごの運転情報を利用者に通知する(S17)。前記情報は端末装置30に表示される(図3)。S15のステップにおいて利用者Uによりエレベータエリアが選択されなかった場合(S16でNO)、S18の処理に移行する。
【0081】
次に、登録設定部141は、情報取得部12を介して、利用者Uから呼び登録の要求があったか否かを判定する(S18)。利用者Uから呼び登録の要求があった場合(S18でYES)、登録設定部141は、さらに、エレベータエリアが指定されたか否かを判定する(S19)。エレベータエリアが指定された場合(S19でYES)、登録設定部141は、当該エレベータエリア内で利用者Uが乗車する乗りかごを設定し、呼び登録を行う(S20)。エレベータエリアが指定されなかった場合(S19でNO)、登録設定部141は、エレベータ群50全体内で利用者Uが乗車する乗りかごを設定し、呼び登録を行う(S21)。その後、登録結果通知部142は、呼び登録結果情報を端末装置30およびエレベータ群50に送信する(S22)。なお、利用者Uから呼び登録の要求がなかった場合(S18でNO)、処理を終了する。
【0082】
前記処理により、利用者Uは、エレベータエリアが複数設けられている建物Bにおいて、各エレベータエリアの位置および混雑状況を把握することができる。よって、利用者は、混雑度および場所を考慮して、どのエレベータエリアを利用すべきかを判断することが可能となり、利便性が向上する。
【0083】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0084】
実施形態2では、エレベータ情報提供装置10が、利用者Uによって操作される端末装置30によって要求される、乗りかごに対する乗車要求情報、および、端末装置30によって情報の閲覧がされている乗りかごに対する閲覧情報、の少なくともいずれか一方に基づいて、第3混雑状況情報を算出する点が実施形態1と異なる。これにより、乗りかごの乗車要求を行うことが可能な端末装置30における利用状況も考慮して混雑状況情報が算出されるので、より精度の高い混雑状況予測が可能となる。なお、実施形態2のその他の構成および手順は実施形態1と同様である。
【0085】
エレベータ情報提供装置10は、図1に示すように、通知部13に第3混雑状況算出部133を備えている。第3混雑状況算出部133は、乗車要求情報および閲覧情報、の少なくともいずれか一方に基づいて、第3混雑状況情報を算出する。本実施形態では、第3混雑状況算出部133は、第1・第2混雑状況情報、乗車要求情報および閲覧情報に基づき、第3混雑状況情報を算出する。つまり、第3混雑状況情報は、第1混雑状況情報および第2混雑状況情報に、乗車要求情報および閲覧情報が考慮された情報である。ここで、乗車要求情報は、他の利用者の呼び登録情報も含む。
【0086】
より詳しくは、実施形態2において図2の表示画面で表示される混雑度101A~101Dは実施形態1とは異なり、例えば、各エレベータエリアでの乗車を希望している利用者、各エレベータエリア付近の情報閲覧者または呼び登録を考慮した数値が表示される。また、図3の表示画面で表示される混雑度102~106は、例えば、呼び登録を考慮された数値が表示される。さらに、図3においては、画像107として携帯端末の画像を表示し、画像107付近に、所定時間内に情報を閲覧した人数または乗車要求情報を要求した人数を表示する。画像107付近には数値の替わりに、混雑状況を図柄で表現したアイコン画像が表示されてもよい。例えば、所定時間内に情報を閲覧した人数に応じて、人間の顔の表情を変化させる画像を表示してもよい。
【0087】
<エレベータ情報提供装置における処理の流れの一例>
図5は、実施形態2に係るエレベータ情報提供システム1のエレベータ情報提供装置10の動作を示すフロー図である。図5に基づき、エレベータ情報提供装置10における処理の流れの一例について説明する。
【0088】
図5のS31~S34の処理は、図4のS11~S14の処理と同じである。S34において、第2混雑状況情報を算出した後、第3混雑状況算出部133は、情報取得部12を介して閲覧情報を取得する(S35)。第3混雑状況算出部133は、第1・第2混雑状況情報、乗車要求情報および閲覧情報に基づき、第3混雑状況情報を算出する(S36)。
【0089】
エレベータ情報通知部134は、各エレベータエリアのそれぞれの建物B内における位置に関する位置情報と、エレベータエリアのそれぞれに対応する第3混雑状況情報と、を利用者Uに通知する(S37)。前記情報は、端末装置30に表示される(図2)。
【0090】
S37のステップにおいて通知された前記情報を確認した利用者Uによりエレベータエリアが選択された場合(S38でYES)、エレベータ情報通知部134は、選択されたエレベータエリアの第3混雑状況情報、端末利用情報および乗りかごの運転情報を利用者に通知する(S39)。前記情報は、端末装置30に表示される(図3)。S37ステップにおいて通知された前記情報を確認した利用者Uによりエレベータエリアが選択されなかった場合(S38でNO)、S40の処理に移行する。
【0091】
次に、登録設定部141は、情報取得部12を介して、利用者Uから呼び登録の要求があったか否かを判定する(S40)。利用者Uから呼び登録の要求があった場合(S40でYES)、登録設定部141は、さらに、エレベータエリアが指定されたか否かを判定する(S41)。エレベータエリアが指定された場合(S41でYES)、登録設定部141は、当該エレベータエリア内で利用者Uが乗車する乗りかごを設定し、呼び登録を行う(S42)。エレベータエリアが指定されなかった場合(S41でNO)、登録設定部141は、エレベータ群50全体内で利用者Uが乗車する乗りかごを設定し、呼び登録を行う(S43)。その後、登録結果通知部142は、呼び登録結果情報を端末装置30およびエレベータ群50に送信する(S44)。なお、利用者Uから呼び登録の要求がなかった場合(S40でNO)、処理を終了する。
【0092】
以上のような構成によれば、各エレベータエリアの混雑状況を的確に反映した混雑状況情報を利用者Uが容易に把握することができ、利用者は、エレベータ以外の移動手段も含め、混雑状況応じて、移動手段を選択することができる。
【0093】
〔ソフトウェアによる実現例〕
エレベータ情報提供装置および端末装置(以下、「装置」と呼ぶ)の機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該装置の各制御ブロック(特に制御部に含まれる各部)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0094】
この場合、前記装置は、前記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により前記プログラムを実行することにより、前記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0095】
前記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、前記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、前記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して前記装置に供給されてもよい。
【0096】
また、前記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、前記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより前記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0097】
また、前記各実施形態で説明した各処理は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)に実行させてもよい。この場合、AIは前記制御装置で動作するものであってもよいし、他の装置(例えばエッジコンピュータまたはクラウドサーバ等)で動作するものであってもよい。
【0098】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0099】
1 エレベータ情報提供システム
10 エレベータ情報提供装置
30 端末装置
12 情報取得部
13 通知部
55A・55B・55C・55D 乗車待機領域
60A・60B・60C・60D エレベータエリア
131 第1混雑状況算出部(通知部)
132 第2混雑状況算出部(通知部)
133 第3混雑状況算出部(通知部)
134 エレベータ情報通知部(通知部)
312 通信制御部
313 表示制御部
516A・526A・536A・546A 乗りかご
図1
図2
図3
図4
図5