(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-07
(45)【発行日】2023-08-16
(54)【発明の名称】光センサ
(51)【国際特許分類】
G01J 1/02 20060101AFI20230808BHJP
H10N 15/00 20230101ALI20230808BHJP
H10N 10/17 20230101ALI20230808BHJP
H10N 10/851 20230101ALI20230808BHJP
【FI】
G01J1/02 C
H10N15/00
H10N10/17
H10N10/851
(21)【出願番号】P 2021514150
(86)(22)【出願日】2020-04-13
(86)【国際出願番号】 JP2020016303
(87)【国際公開番号】W WO2020213569
(87)【国際公開日】2020-10-22
【審査請求日】2022-09-21
(31)【優先権主張番号】P 2019077558
(32)【優先日】2019-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136098
【氏名又は名称】北野 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100137246
【氏名又は名称】田中 勝也
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 光太郎
(72)【発明者】
【氏名】足立 真寛
(72)【発明者】
【氏名】山本 喜之
【審査官】小澤 瞬
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-276772(JP,A)
【文献】特開2000-340848(JP,A)
【文献】国際公開第2017/086271(WO,A1)
【文献】米国特許第06305840(US,B1)
【文献】米国特許第09929333(US,B1)
【文献】国際公開第2017/002514(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01J 1/00 - G01J 1/60
G01J 5/00 - G01J 5/90
G01J 11/00
H10N 10/00 - H10N 15/20
H10N 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光センサであって、
支持層と、
熱エネルギーを電気エネルギーに変換する帯状の第1材料層および導電性を有する帯状の第2材料層を含み、前記支持層上に配置される熱電変換材料部と、
前記熱電変換材料部上であって前記第1材料層の長手方向に温度差を形成するよう配置され、受けた光を熱エネルギーに変換する光吸収膜と、を備え、
前記第1材料層は、
長手方向において一方側に位置する第1の端部を含む第1領域と、
長手方向において他方側に位置する第2の端部を含む第2領域と、を含み、
前記第2材料層は、
長手方向において一方側に位置する第3の端部を含む第3領域と、
長手方向において他方側に位置する第4の端部を含み、前記第2領域と接続される第4領域と、を含み、
前記光センサは、
前記第1領域と電気的に接続される第1電極と、
前記第1電極と離隔して配置され、前記第3領域と電気的に接続される第2電極と、をさらに備え、
前記第1材料層の前記長手方向に垂直な幅は、0.1μm以上であり、
前記第1材料層は、
前記長手方向に垂直な断面の幅方向の中央を含むように位置する厚肉部と、
前記厚肉部の両側に配置され、前記厚肉部よりも厚さの小さい薄肉部と、を含み、
前記厚肉部の厚さは、10nm以上であり、
前記薄肉部の
合計の幅は、
前記第1材料層の幅の15%以上である、光センサ。
【請求項2】
前記薄肉部の厚さは、前記厚肉部から離れるにしたがって小さくなる、請求項1に記載の光センサ。
【請求項3】
前記第1材料層の前記長手方向に垂直な断面は、
前記支持層に対向する第1の辺と、
前記第1の辺と前記厚肉部の厚さ方向に間隔をあけて位置する第2の辺と、
前記第1の辺と前記第2の辺とを接続する一対の第3の辺とを含み、
前記第1の辺の長さが前記第2の辺の長さよりも大きい台形状の形状を有する、請求項1または請求項2に記載の光センサ。
【請求項4】
前記第1材料層の前記長手方向に垂直な断面において、前記第1の辺の長さをwとし、前記厚肉部の厚さをdとし、前記第1の辺と前記第3の辺とのなす角度をθとすると、2≦tanθ×(w/d)≦10.7の関係を有する、請求項3に記載の光センサ。
【請求項5】
前記第1材料層の表面粗さRaは、1nm以上200nm以下である、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の光センサ。
【請求項6】
前記第1材料層の表面粗さRaは、13nm以上50nm以下である、請求項5に記載の光センサ。
【請求項7】
前記第1材料層は、p型またはn型の導電型を有する半導体からなる、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の光センサ。
【請求項8】
前記第2材料層は、金属または、熱エネルギーを電気エネルギーに変換し、前記第1材料層と異なる導電型である半導体からなる、請求項7に記載の光センサ。
【請求項9】
前記第1材料層は、SiおよびGeを母材元素とし、Auを添加元素として含み、
前記支持層は、前記第1材料層と接触して配置され、Siからなるバッファ層を含む、請求項8に記載の光センサ。
【請求項10】
さらに複数の前記第1材料層と複数の前記第2材料層とを備え、
前記複数の前記第1材料層および前記複数の前記第2材料層はそれぞれ、前記第1電極に接続される前記第1領域および前記第2電極に接続される前記第3領域を除いて、前記第1領域と前記第3領域とが電気的に接続され、前記第2領域と前記第4領域とが電気的に接続されるよう交互に配置される、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の光センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光センサに関するものである。
【0002】
本出願は、2019年4月16日出願の日本出願第2019-77558号に基づく優先権を主張し、前記日本出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。
【背景技術】
【0003】
温度差(熱エネルギー)を電気エネルギーに変換する熱電変換材料を用いたサーモパイル型の赤外線センサに関する技術が知られている(たとえば特許文献1参照)。赤外線センサは、光エネルギーを熱エネルギーに変換する受光部と、温度差(熱エネルギー)を電気エネルギーに変換する熱電変換部(サーモパイル)とを備える。熱電変換部においては、複数のp型熱電変換材料と複数のn型熱電変換材料とを交互に直列で接続することにより、出力を増加させている。
【0004】
サーモパイル型赤外線センサの感度Rvは、以下の式(1)で与えられる。サーモパイル型赤外線センサの比検出能D*は、以下の式(2)で与えられる。
【0005】
Rv=η・N・(α1+α2)/(Gth・(1+(ωτ)2)1/2・・・(1)
D*=η・N・(α1+α2)・(A・Gel/(4・k・T))1/2/Gth・・・(2)
【0006】
Rvは感度、D*は比検出能、Nはサーモパイルの対数(ペア数)、ηは受光部の光-熱変換効率、α1はp型熱電変換材料のゼーベック係数、α2はn型熱電変換材料のゼーベック係数、ωは角周波数、τは応答時定数、Aは光の受光面積、kはボルツマン定数、Tは絶対温度、Gthは熱コンダクタンス、Gelは電気コンダクタンスである。熱コンダクタンスGthは、以下の式(3)で与えられる。電気コンダクタンスGelは、以下の式(4)で与えられる。
【0007】
【0008】
κは熱伝導率、σは導電率、Sは熱電変換材料の断面積、lは熱電変換材料の長さである。
【0009】
感度Rvおよび比検出能D*は、ともに熱コンダクタンスGthによって表される関数である。熱コンダクタンスGthを減少させることが感度Rvおよび比検出能D*の向上を図る上で重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示に従った光センサは、支持層と、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する帯状の第1材料層および導電性を有する帯状の第2材料層を含み、支持層上に配置される熱電変換材料部と、熱電変換材料部上であって第1材料層の長手方向に温度差を形成するよう配置され、受けた光を熱エネルギーに変換する光吸収膜と、を備える。第1材料層は、長手方向において一方側に位置する第1の端部を含む第1領域と、長手方向において他方側に位置する第2の端部を含む第2領域と、を含む。第2材料層は、長手方向において一方側に位置する第3の端部を含む第3領域と、長手方向において他方側に位置する第4の端部を含み、第2領域と接続される第4領域と、を含む。光センサは、第1領域と電気的に接続される第1電極と、第1電極と離隔して配置され、第3領域と電気的に接続される第2電極と、をさらに備える。第1材料層の長手方向に垂直な幅は、0.1μm以上である。第1材料層は、長手方向に垂直な断面の幅方向の中央を含むように位置する厚肉部と、厚肉部の両側に配置され、厚肉部よりも厚さの小さい薄肉部と、を含む。厚肉部の厚さは、10nm以上である。薄肉部の合計の幅は、第1材料層の幅の15%以上である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、実施の形態1における光センサの外観の概略平面図である。
【
図2】
図2は、
図1の線分II-IIに沿う断面の一部を示す概略断面図である。
【
図4】
図4は、
図3中の線分IV-IVに沿う断面を示す概略断面図である。
【
図5】
図5は、実施の形態1における光センサの一部を示す概略断面図である。
【
図6】
図6は、
図3中の線分VI-VIに沿う断面における第1材料層および支持層を示す概略断面図である。
【
図7】
図7は、ベース部上にレジスト層を形成した状態を示す概略断面図である。
【
図8】
図8は、tanθ×(w/d)と感度Rvおよび比検出能D
*との関係を示すグラフである。
【
図9】
図9は、実施の形態2における光センサに備えられる第1材料層および支持層を示す概略断面図である。
【
図10】
図10は、表面粗さRaと感度Rvおよび比検出能D
*との関係を示すグラフである。
【
図11】
図11は、実施の形態3における光センサに備えられる第1材料層および支持層を示す概略断面図である。
【
図12】
図12は、バッファ層の有無と感度Rvとの関係を示すグラフである。
【
図13】
図13は、バッファ層の有無と比検出能D
*との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[本開示が解決しようとする課題]
特許文献1に開示の赤外線センサでは、感度および比検出能が不十分な場合がある。さらなる感度および比検出能の向上が求められる。
【0014】
そこで、感度および比検出能の向上を図ることができる光センサを提供することを目的の1つとする。
【0015】
[本開示の効果]
上記光センサによれば、感度および比検出能の向上を図ることができる。
【0016】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。本開示に係る光センサは、支持層と、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する帯状の第1材料層および導電性を有する帯状の第2材料層を含み、支持層上に配置される熱電変換材料部と、熱電変換材料部上であって第1材料層の長手方向に温度差を形成するよう配置され、受けた光を熱エネルギーに変換する光吸収膜と、を備える。第1材料層は、長手方向において一方側に位置する第1の端部を含む第1領域と、長手方向において他方側に位置する第2の端部を含む第2領域と、を含む。第2材料層は、長手方向において一方側に位置する第3の端部を含む第3領域と、長手方向において他方側に位置する第4の端部を含み、第2領域と接続される第4領域と、を含む。光センサは、第1領域と電気的に接続される第1電極と、第1電極と離隔して配置され、第3領域と電気的に接続される第2電極と、をさらに備える。第1材料層の長手方向に垂直な幅は、0.1μm以上である。第1材料層は、長手方向に垂直な断面の幅方向の中央を含むように位置する厚肉部と、厚肉部の両側に配置され、厚肉部よりも厚さの小さい薄肉部と、を含む。厚肉部の厚さは、10nm以上である。薄肉部の合計の幅は、第1材料層の幅の15%以上である。
【0017】
本開示の光センサは、支持層上に配置される熱電変換材料部と、熱電変換材料部上に配置される光吸収膜と、第1電極と、第2電極と、を備える。熱電変換材料部は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する帯状の第1材料層および導電性を有する帯状の第2材料層を含む。第1材料層は、長手方向において一方側に位置する第1の端部を含む第1領域と、長手方向において他方側に位置する第2の端部を含む第2領域と、を含む。第2材料層は、長手方向において一方側に位置する第3の端部を含む第3領域と、長手方向において他方側に位置する第4の端部を含み、第2領域と接続される第4領域と、を含む。光吸収膜は、第1材料層の長手方向に温度差を形成するよう熱電変換材料部上に配置され、受けた光を熱エネルギーに変換する。第1電極は、第1領域と電気的に接続される。第2電極は、第1電極と離隔して配置され、第2領域と電気的に接続される。光吸収膜により第1材料層の長手方向に温度差が形成されると、第1材料層において長手方向に電位差が生ずる。第1電極および第2電極間の電位差が検知され、たとえば赤外線といった光を検知する。
【0018】
支持層上に配置される熱電変換材料部に含まれる第1材料層については、断線および第1材料層が直接支持層上に配置される場合には支持層からの剥離を避ける必要がある。したがって、第1材料層について、最低限の幅および厚さを確保する必要がある。本開示の光センサによれば、第1材料層の長手方向に垂直な幅は、0.1μm以上である。また、厚肉部の厚さは10nm以上である。よって、第1材料層の最低限の幅および厚さをそれぞれ確保して、断線のおそれおよび剥離のおそれを低減することができる。
【0019】
本開示の光センサによれば、第1材料層は、厚肉部の両側に配置され、厚肉部よりも厚さの小さい薄肉部を含む。薄肉部の合計の幅は、第1材料層の幅の15%以上である。よって、全体が一定の厚さである場合に比べて、第1材料層の断面積を小さくすることができる。したがって、第1材料層の熱コンダクタンスを低減させることができ、光センサの感度および比検出能の向上を図ることができる。
【0020】
以上より、本開示の光センサによれば、第1材料層の断線および剥離を抑制しつつ、光センサの感度および比検出能の向上を図ることができる。
【0021】
上記光センサにおいて、薄肉部の厚さは、厚肉部から離れるにしたがって小さくなってもよい。このようにすることにより、薄肉部を容易に製造することができる。
【0022】
上記光センサにおいて、第1材料層の長手方向に垂直な断面は、支持層に対向する第1の辺と、第1の辺と厚肉部の厚さ方向に間隔をあけて位置する第2の辺と、第1の辺と第2の辺とを接続する一対の第3の辺とを含んでもよい。第1の辺の長さが第2の辺の長さよりも大きい台形状の形状を有してもよい。このような形状を有する厚肉部および薄肉部を含む第1材料層は、容易に製造することができる。なお、台形状の形状については、幾何学的に厳密な台形を有するのではなく、たとえば第1の辺に対して第2の辺が厳密に平行でなくともよく、辺と辺とが曲線で接続されていてもよい。
【0023】
上記光センサにおいて、第1材料層の長手方向に垂直な断面において、第1の辺の長さをwとし、厚肉部の厚さをdとし、第1の辺と第3の辺とのなす角度をθとすると、2≦tanθ×(w/d)≦10.7の関係を有してもよい。第1の辺と第3の辺とのなす角度θ、第1の辺の長さおよび厚肉部の厚さの関係について、2≦tanθ×(w/d)≦10.7として第1材料層の最低限の幅および厚さをそれぞれ確保しながら、断面積を小さくして熱コンダクタンスGthを低減することができる。よって、より効率的に感度および比検出能の向上を図ることができる。なお、2≦tanθ×(w/d)≦7.0の関係を有することが、感度Rvおよび比検出能D*のさらなる向上のためには好適である。
【0024】
上記光センサにおいて、第1材料層の表面粗さRa(算術平均粗さ)は、1nm以上200nm以下であってもよい。表面粗さRaを1nm以上とすることにより、第1材料層の表面における熱伝導を抑制することができ、熱コンダクタンスGthを低減することができる。また、表面粗さRaが200nmよりも大きくなると、第1材料層の表面の凹凸によるフォノン散乱が促進され、その結果、熱コンダクタンスGthが減少し始める。したがって、第1材料層の表面粗さRaを上記範囲内とすることにより、光センサの感度および比検出能のさらなる向上を図ることができる。なお、表面粗さRaについて、フォノンの平均自由工程の長さと表面粗さRaとを同等として熱コンダクタンスGthをより低減することができる。感度Rvおよび比検出能D*のさらなる向上を図る観点から、8nm以上100nm以下とすることが好適である。
【0025】
上記光センサにおいて、第1材料層の表面粗さRaは、13nm以上50nm以下であってもよい。このようにすることにより、感度Rvおよび比検出能D*のさらなる向上を図ることができる。
【0026】
上記光センサにおいて、第1材料層は、p型またはn型の導電型を有する半導体からなっていてもよい。半導体は、熱伝導率が比較的低いため、第1材料層の熱コンダクタンスの低減を効率的に図ることができる。
【0027】
上記光センサにおいて、第2材料層は、金属または、熱エネルギーを電気エネルギーに変換し、第1材料層と異なる導電型である半導体からなってもよい。第2材料層として第1材料層と異なる導電型である半導体を採用することにより、熱伝導率が比較的低い材料を用いて光センサの熱コンダクタンスを低減することで、温度差に基づく出力を増加させて、光センサの感度および比検出能のさらなる向上を図ることができる。また、第2材料層として金属を採用することにより、第2材料層の導電率を向上させて光センサの電気コンダクタンスを増加させることで、光センサの比検出能のさらなる向上を図ることができる。
【0028】
上記光センサにおいて、第1材料層は、SiおよびGeを母材元素とし、Auを添加元素として含んでもよい。支持層は、第1材料層と接触して配置され、Siからなるバッファ層を含んでもよい。第1材料層を構成する元素としてSi、GeおよびAuを選択した場合、結晶化工程においてAuを核としたSiGeの微結晶を第1材料層内において部分的に形成し、第1材料層の導電率を増加させることができる。しかし、第1材料層と支持層とが接触すると、Auが支持層側に析出してしまい、上記した微結晶を形成することによる効果を十分に得られないおそれがある。よって、支持層が第1材料層と接触して配置され、Siからなるバッファ層を含むことにより、支持層側へのAuの析出を抑制することができる。よって、第1材料層内におけるAuを核とした微結晶の形成を促進して、第1材料層の導電率の低下を抑制することができる。したがって、光センサの感度および比検出能のさらなる向上を図ることができる。
【0029】
上記光センサは、さらに複数の第1材料層と複数の第2材料層とを備えてもよい。複数の第1材料層および複数の第2材料層はそれぞれ、第1電極に接続される第1領域および第2電極に接続される第3領域を除いて、第1領域と第3領域とが電気的に接続され、第2領域と第4領域とが電気的に接続されるよう交互に配置されてもよい。このようにすることにより、第1電極および第2電極によって出力される電位差を、複数の第1材料層のそれぞれに生ずる電位差を足し合わせたものとすることができ、電位差を大きくすることができる。したがって、光センサの感度および比検出能の向上を図ることができる。
【0030】
[本開示の実施の形態の詳細]
次に、本開示の光センサの一実施形態を、図面を参照しつつ説明する。以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照符号を付しその説明は繰り返さない。
【0031】
(実施の形態1)
本開示の実施の形態1に係る光センサについて説明する。
図1は、実施の形態1における光センサの外観の概略平面図である。
図2は、
図1の線分II-IIに沿う断面を示す概略断面図である。線分II-IIは、後述する長方形の形状のベース部12の重心と、X方向において向かい合う辺のそれぞれの中点を通る。
図3は、
図1中のIIIで示す領域の拡大図である。
図4は、
図3中の線分IV-IVに沿う断面を示す概略断面図である。
図5は、実施の形態1における光センサの一部を示す概略断面図である。
図5は、後述する第2領域および第4領域を含む部分の概略断面図である。なお、
図1において、後述する赤外線吸収膜23を簡略化して一点鎖線で図示している。また、
図2において、後述するベース部12上に配置される熱電変換材料部20の断面を簡略化して図示している。
【0032】
図1、
図2、
図3、
図4および
図5を参照して、光センサ11は、たとえば赤外線センサである。光センサ11は、ベース部12と、ベース部12上に配置される熱電変換材料部20と、熱電変換材料部20上に配置される光吸収膜としての赤外線吸収膜23と、を備える。赤外線吸収膜23は、
図1中の一点鎖線で示す領域16bに配置され、赤外線を熱に変換する。熱電変換材料部20は、温度差(熱エネルギー)を電気エネルギーに変換する。熱電変換材料部20は、帯状の形状を有し、第1導電型であるp型の半導体からなる複数の第1材料層21と、帯状の形状を有し、第1導電型とは異なる第2導電型であるn型の半導体からなる複数の第2材料層22と、を含む。本実施形態においては、熱電変換材料部20は、複数の第1材料層21と、複数の第2材料層22と、絶縁膜26と、絶縁膜27とからなる。光センサ11は、第1電極24と、第2電極25と、を備える。赤外線吸収膜23と第2材料層22との間には、絶縁膜27が配置される(特に
図4参照)。光センサ11は、第1電極24と第2電極25との間に生ずる電位差を検出することにより、光センサ11に照射される赤外線を検出する。
【0033】
光センサ11全体を板状とすると、その厚さ方向は、
図2中の矢印Zで示す方向によって表される。ベース部12は、厚さ方向に見て長方形の形状を有する。ベース部12は、支持層13と、本体部14と、を含む。本体部14は、
図2に示す断面において、2つの台形状の形状を有する。支持層13は、本体部14の面14a上に配置される。面14aは、
図2に示す断面において平行に配置される台形状の一対の辺のうち、長い方の辺に相当する面である。支持層13は、第1材料層21、第2材料層22、絶縁膜26および絶縁膜27からなる熱電変換材料部20、赤外線吸収膜23、第1電極24、第2電極25を支持する。支持層13は、たとえばSiO
2/SiN/SiO
2膜から形成されている。すなわち、支持層13は、SiO
2とSiNとSiO
2とを積層させた構成である。本体部14は、たとえばSiからなる。本体部14は、支持層13と比較して十分に厚く、たとえば支持層13の10倍以上の厚さで構成される。
【0034】
光センサ11には、厚さ方向に凹む凹部16が形成される。板状の支持層13は、面14a上に形成される。面14b側から見て凹部16に対応する領域において、支持層13が露出する。凹部16を取り囲む本体部14の内周面14cは、面14b側に位置する開口側が広いいわゆるテーパ状である。凹部16は、たとえば本体部14を異方性ウェットエッチングすることにより形成される。
図1において、本体部14と支持層13との境界16aは、破線で示される。凹部16により、赤外線吸収膜23から本体部14への熱の逃げを抑制できるため、第1材料層21および第2材料層22の長手方向の温度差をより大きくすることができる。
【0035】
第1材料層21と第2材料層22と絶縁膜26,27とを含む熱電変換材料部20、第1電極24および第2電極25は、支持層13上、具体的には、支持層13の一方側の面13a上に配置される。第1材料層21および第2材料層22は、それぞれ複数備えられている。複数の第1材料層21および複数の第2材料層22は、それぞれ帯状の形状を有する。複数の第1材料層21および複数の第2材料層22は、光センサ11の厚さ方向に見て、
図1中の二点鎖線の長方形の形状で示す領域16c内に収まるように配置される。各第1材料層21は、長手方向において一方側に位置する第1の端部21cを含む第1領域21aと、長手方向において他方側に位置する第2の端部21dを含む第2領域21bと、を含む。第1領域21aと第2領域21bを結ぶ線の延びる方向が、帯状の形状を有する第1材料層21の長手方向となる。なお、
図3においては、X方向が第1材料層21の長手方向になる。各第2材料層22は、長手方向において一方側に位置する第3の端部22cを含む第3領域22aと、長手方向において他方側に位置する第4の端部22dを含み、第2領域21bと接続される第4領域22bと、を含む。第3領域22aと第4領域22bを結ぶ線の延びる方向が、帯状の形状を有する第2材料層22の長手方向となる。第1領域21aおよび第3領域22aは、領域16cの周縁に近い側に位置し、第2領域21bおよび第4領域22bは、領域16cの中心に近い側に位置する。
【0036】
複数の第1材料層21は、それぞれ間隔をあけて配置される。複数の第2材料層22は、それぞれ間隔をあけて配置される。第1電極24に接続される第1領域21aおよび第2電極25に接続される第3領域22aを除き、第1材料層21と第2材料層22とは交互に接続される。具体的には、第1材料層21の第1領域21aと第1材料層21の一方側で隣り合う第2材料層22の第3領域22aとが電気的に接続される。第1材料層21の第2領域21bと第1材料層21の他方側、すなわち、第3領域22aが接続されている第2材料層22と反対側で隣り合う第2材料層22の第4領域22bとが電気的に接続される。複数の第1材料層21および複数の第2材料層22は、第1電極24に接続される第1領域21aおよび第2電極25に接続される第3領域22aを除き、領域16cの中心に近い側の端部を含む第2領域21b、第4領域22b同士および領域16cの周縁に近い端部を含む第1領域21a、第3領域22a同士が電気的に接続される。すなわち、第1材料層21と第2材料層22とは対となって、隣り合う第1材料層21および第2材料層22とが端部を含む領域で交互に電気的に接続されている。なお、p型の熱電変換材料から構成される第1材料層21の材質としては、たとえばSiおよびGeを母材元素とし、Auを添加元素とした化合物半導体が選択される。n型の熱電変換材料から構成される第2材料層22の材質としては、たとえばBiが選択される。赤外線吸収膜23の材質としては、たとえばカーボン(C)が選択される。なお、絶縁膜26,27の材質としては、たとえばSiO2が選択される。
【0037】
第1材料層21および第2材料層22は、長方形の形状の領域16cの四つの角部に近づくほど長手方向の長さが短くなるよう構成される。また、第1材料層21および第2材料層22は、領域16cにおける四つの角部を含む領域を避けた位置に形成される。これについては、以下の理由による。四つの角部に近い領域においては、第1材料層21および第2材料層22を配線することにより抵抗が増加するにも関わらず、第1材料層21および第2材料層22の長手方向の長さが短くなってしまう。よって、それぞれの両端部間における温度差を形成するための十分な長さが確保できないためである。なお、本実施形態においては、最も長手方向に短い第1材料層21および第2材料層22の長さは、最も長手方向に長い第1材料層21および第2材料層22の長さの2/5程度である。複数の第1材料層21および複数の第2材料層22は、長方形の形状の領域16cに形成される各辺側から向かい合う辺側に向けて延びるように(当該方向に長手方向が沿うように)交互に配置される。本実施形態においては、複数の第1材料層21および複数の第2材料層22の各接続点は、領域16cの長方形の対角線および各辺に沿う二等辺三角形の辺上に位置する。
【0038】
第1材料層21は、支持層13の面13a上に配置される。すなわち、本実施形態においては、第1材料層21は、支持層13上に直接配置される。絶縁膜26は、第1領域21aおよび第2領域21bが位置する部分を除き、第1材料層21を覆うように配置される。絶縁膜26は、光センサ11の厚さ方向に見て、第1材料層21が配置されている部分においては第1材料層21上、第1材料層21が配置されていない部分においては支持層13の面13a上に配置される。絶縁膜26は、第1材料層21の第1領域21aおよび第2領域21bを露出するように形成される。第2材料層22は、第3領域22aおよび第4領域22bが位置する部分を除き、絶縁膜26上に配置される。第2材料層22のうちの第3領域22aは、第1材料層21の第1領域21aおよび支持層13の面13a上に配置される。第2材料層22のうちの第4領域22bは、第1材料層21の第2領域21b上に配置される。絶縁膜27は、第3領域22aが位置する部分を除き、第2材料層22上に配置される。絶縁膜27上に、赤外線吸収膜23が配置される。絶縁膜27および赤外線吸収膜23は、第1材料層21の第1領域21aおよび第2材料層22の第3領域22aを露出するように形成される。すなわち、赤外線吸収膜23は、第1材料層21の一部および第2材料層22の一部の上に配置される。第1材料層21の第1の端部21cを含む第1領域21aおよび第2材料層22の第3の端部22cを含む第3領域22aは、赤外線吸収膜23によって覆われていない。したがって、第1材料層21および第2材料層22の長手方向に温度差が形成される。第1材料層21および第2材料層22はそれぞれ、第1材料層21および第2材料層22のそれぞれの長手方向に温度差を形成するよう赤外線吸収膜23と熱的に接続される。赤外線吸収膜23の熱が第1材料層21のうちの領域16cの中心に近い第2領域21bおよび第2材料層22のうちの領域16cの中心に近い第4領域22bに伝達されるように配置される。
【0039】
光センサ11に光があたった時に発生する温度勾配の向きに対して、第1材料層21の一方側の端部に発生する電圧の極性と第2材料層22の一方側の端部に発生する電圧の極性とが逆となる。本実施形態においては、光があたった場合、第1材料層21の外周側に位置する端部が正の電圧となり、第2材料層22の外周側に位置する端部が負の電圧となる。ここで、常に交互に複数の第1材料層21および複数の第2材料層22が電気的に接続されている。交互に接続された第1材料層21および複数の第2材料層22のうち、最も端に配置される第1材料層21は、第1領域21aで第1電極24と電気的に接続される。交互に直列に接続された第1材料層21および第2材料層22のうち、最も端に配置される第2材料層22は、第3領域22aで第2電極25と電気的に接続される。第1電極24および第2電極25は、支持層13の面13a上において、領域16c外に配置される。第1電極24と第2電極25とは、離隔して形成される。第1電極24および第2電極25はそれぞれ、たとえばパッド電極である。第1電極24および第2電極25の材質としては、たとえば金(Au)、チタン(Ti)、白金(Pt)等が採用される。
【0040】
次に、第1材料層21の構成について説明する。なお、第2材料層22の構成については、導電型が異なるものの外形形状については第1材料層21と同様であるため、その説明を省略する。
【0041】
第1材料層21は、上記したように長さは異なるもののそれぞれ帯状の形状を有する。
図6は、
図3中の線分VI-VIに沿う断面における第1材料層21および支持層13を示す概略断面図である。
図6は、第1材料層21の長手方向に垂直な断面に相当する。
【0042】
図6を参照して、第1材料層21は、
図6に示す長手方向に垂直な断面において、
図6中のLで示す長手方向に垂直な断面の幅方向の中央を含むように位置する厚肉部31と、厚肉部31の両側に配置され、厚肉部31よりも厚さの小さい薄肉部32a、32bとを含む。薄肉部32a、32bは幅方向において厚肉部31を挟むように一対設けられている。厚肉部31の厚さをdとすると、第1材料層21の長手方向に垂直な幅は、0.1μm以上である。より好ましくは、第1材料層21の長手方向に垂直な幅は、1μm以上である。さらに好ましくは、第1材料層21の長手方向に垂直な幅は、5μm以上である。本実施形態においては、第1材料層21の長手方向に垂直な幅は、8μm(8000nm)である。第1材料層21の長手方向に垂直な幅は、後述する第1の辺33aの長さwに対応する。第1材料層21の厚さである厚肉部31の厚さdは、10nm以上である。より好ましくは、厚肉部31の厚さdは、50nm以上である。さらに好ましくは、厚肉部31の厚さdは、100nm以上である。本実施形態においては、厚肉部31の厚さdは、200nmである。
【0043】
第1材料層21の長手方向に垂直な断面は、支持層13に対向する第1の辺33aと、第1の辺33aと厚肉部31の厚さ方向に間隔をあけて位置する第2の辺33bと、第1の辺33aと第2の辺33bとを接続する第3の辺33c,33dとを含む。第3の辺33cは、第1の辺33aの幅方向の縁34aと第2の辺33bの幅方向の縁35aとを接続する。第3の辺33dは、第1の辺33aの幅方向の縁34bと第2の辺33bの幅方向の縁35bとを接続する。第1材料層21の長手方向に垂直な断面において、第1材料層21は、第1の辺33aに対応する面と支持層13の一方の面13aとが接触するようにして配置される。第2の辺33bに対応する面は、絶縁膜26および第2材料層22の一部と接触するように配置される。第3の辺33cに対応する面および第3の辺33dに対応する面は、絶縁膜26および第2材料層22の一部と接触するように配置される。なお、厚さdは、第1の辺33aと第2の辺33bとのZ方向の長さに相当する。
【0044】
第1材料層21の幅は、第1の辺33aの長さwに対応する。第1材料層21の長手方向に垂直な断面は、第1の辺33aの長さwが第2の辺33bの長さw
1よりも大きい台形状の形状を有する。第1の辺33aと第2の辺33bとは平行である。第1の辺33a、第2の辺33bおよび第3の辺33c,33dに対応する面は、それぞれ平面である。薄肉部32aの幅w
2と薄肉部32bの幅w
3は等しい。本実施形態においては、第1材料層21は、
図6に示す断面において、左右対称である。
【0045】
薄肉部32a、32bの厚さは、厚肉部31から離れるにしたがって小さくなっている。本実施形態においては、縁35aから縁34aに向かって薄肉部32aの厚さが徐々に小さくなっている。また、縁35bから縁34bに向かって薄肉部32bの厚さが徐々に小さくなっている。本実施形態において、第1の辺33aと第3の辺33cとのなす角度θについては、2≦tanθ×(w/d)≦10.7の関係を有する。この場合、角度θが鋭角となるよう角度θが選択される。具体的には、たとえば幅に対応する第1の辺33aの長さw=8000nm、厚さd=200nm、θ=4°が選択される。第1の辺33aと第3の辺33dとのなす角度θについても同様に、2≦tanθ×(w/d)≦10.7の関係の関係を有する。本実施形態においては、第1の辺33aと第3の辺33cとのなす角度θと、第1の辺33aと第3の辺33dとのなす角度θとは、同じである。
【0046】
幅全体に占める一対の薄肉部32a,32bの幅w2,w3は、合わせて15%以上である。この場合、厚肉部31の幅に対応する第2の辺33bの長さw1は、85%未満となる。なお、好ましくは幅w2+w3は、幅全体の40%以上である。この場合、厚肉部31の幅に対応する第2の辺33bの長さw1は、60%未満となる。
【0047】
次に、実施の形態1における光センサ11の製造方法について、簡単に説明する。まず、平板状の本体部14を準備し、厚さ方向の一方の面14a上に支持層13を形成する。次に、厚さ方向において支持層13とは反対側に位置する他方の面14bから本体部14の中央の領域に凹部16を形成する。この場合、他方の面14bから支持層13の面13bに至るまで凹む凹部16を形成する。その後、支持層13の面13a上に積層するようにして第1材料層21、絶縁膜26、第2材料層22、絶縁膜27および赤外線吸収膜23を形成する。
【0048】
ここで、第1材料層21の形成に際しては、以下のように行う。
図7は、支持層13上にレジスト層を形成した状態を示す概略断面図である。
図7を参照して、まず支持層13の面13a上にリフトオフ用レジストを層状に塗布する。次に、リフトオフ用レジストの上にポジ型レジストを層状に塗布する。その後、ポジ型レジストにフォトリソグラフィを施して露光し、現像液により溶解させる。ここで、ポジ型レジストについては、マスクした領域以外の部分が除去される。リフトオフ用レジストについては、サイドエッチングによりポジ型レジストよりも幅方向に大きく除去される。したがって、
図7中の
矢印で示す幅方向において、リフトオフ用レジスト41a,41bの幅が、ポジ型レジスト42a,42bの幅よりも短い断面がT字状のレジスト層40a,40bとなる。すなわち、
図7に示すように断面がそれぞれT字状となるレジスト層40a,40bが支持層13上に形成される。レジスト層40a,40bは、本体部14の支持層13に接続されている部分(リフトオフ用レジスト41a,41bが配置される部分)の幅が狭く、支持層13に接続されていない端部(ポジ型レジスト42a,42bが配置される部分)の幅が広くなるように形成される。
【0049】
このレジスト層40a,40bを形成した本体部14を、支持層13を含む平面内で回転させて、第1材料層21を構成する半導体材料、具体的には、Si、Ge、Auを
図7中の矢印Tで示す斜め方向から蒸着させる。矢印Tは、
図7に示す断面において、面13aに対して傾斜する蒸着源の流束(フラックス)を示す。その結果、レジスト層40aとレジスト層40bとの間の領域において面13a上に第1材料層21が形成される。形成される第1材料層21の形状については、レジスト層40a,40bの断面がT字状であるため、リフトオフ用レジスト41a,41bが配置されている領域の幅が長く、第1材料層21の厚さが厚くなるにしたがい、幅が短くなる台形状となる。その後、レジスト層40a,40bを支持層13上から除去する(リフトオフ)。このようにして、上記した
図6に示す断面形状を有する第1材料層21を形成する。上記したレジスト層40a,40bを用いると、2≦tanθ×(w/d)≦10.7の関係を満たす比較的角度θが小さい第1材料層21をより効率的に製造することができる。次に500℃程度の加熱による活性化処理を行い、アモルファス状態のSi、Ge等を部分的に結晶化させて第1材料層21を形成する。その後、第1領域21aおよび第2領域21bを露出するようにして支持層13の面13aおよび第1材料層21上に絶縁膜26を形成する。そして、第1領域21aと第3領域22aとを接触させ、第2領域21bと第4領域22bとを接触させるようにして、第2材料層22を形成する。第2材料層22についても、第1材料層21と同様の方法で形成する。その後、第2材料層22および絶縁膜26上に絶縁膜27、さらには赤外線吸収膜23等を形成し、光センサ11を得る。
【0050】
次に、光センサ11の動作について説明する。光、たとえば赤外線が光センサ11に照射されると、赤外線吸収膜23によって光エネルギーが熱エネルギーに変換される。この場合、赤外線吸収膜23は、領域16b内に形成されているため、領域16bの中心側が特に高温となる。すなわち、赤外線吸収膜23が配置されている部分が高温側となる。一方、境界16aの外側においては、十分に厚い本体部14の厚さがヒートシンクの機能を発揮し、温度は上昇しない。すなわち、赤外線吸収膜23が形成された外側の領域が低温側となる。ここで、一つの第1材料層21に着目すると、帯状の形状を有する第1材料層21の領域16bの中心側に位置する端部を含む第2領域21bが高温となり、境界16aの外側に位置する端部を含む第1領域21aが低温となる。すなわち、一つの第1材料層21の長手方向において、両端部を含む領域間に温度差が形成され、電位差が形成される。第2材料層22の長手方向についても同様に帯状の形状を有するため、両端部を含む領域間において温度差が形成され、電位差が形成される。複数の第1材料層21および複数の第2材料層22は交互に極性が逆になるよう直列で接続されているため、第1電極24および第2電極25によって出力される電位差が、複数の第1材料層21および複数の第2材料層22の温度差によって生じた電位差の合計となる。この第1電極24と第2電極25との間の電位差によって流れる電流を検知することにより、光センサ11は光、この場合、赤外線を検知する。
【0051】
ここで、本実施形態における光センサ11によれば、第1材料層21および第2材料層22の長手方向に垂直な幅は、それぞれ0.1μm以上である。また、厚肉部31の厚さは10nm以上である。よって、第1材料層および第2材料層22の最低限の幅および厚さをそれぞれ確保して、断線のおそれおよび剥離のおそれを低減することができる。
【0052】
本実施形態における光センサによれば、第1材料層21および第2材料層22はそれぞれ、厚肉部31よりも厚さの小さい一対の薄肉部32a,32bを含む。幅全体に占める一対の薄肉部32a,32bの幅は、合わせて15%以上である。よって、全体が一定の厚さである場合に比べて、第1材料層21および第2材料層22の断面積を小さくすることができる。したがって、第1材料層21および第2材料層22の熱コンダクタンスGthを低減させることができ、光センサ11の感度および比検出能の向上を図ることができる。
【0053】
以上より、本開示の光センサ11によれば、第1材料層21および第2材料層22の断線および剥離を抑制しつつ、光センサ11の感度および比検出能の向上を図ることができる。
【0054】
本実施形態によれば、一対の薄肉部32a,32bの厚さdはそれぞれ、厚肉部31から離れるにしたがって小さくなっている。このようにすることにより、一対の薄肉部32a,32bを容易に製造することができる。
【0055】
本実施形態によれば、第1材料層21および第2材料層22の長手方向に垂直な断面は、それぞれ支持層13に対向する第1の辺33aと、第1の辺33aと厚肉部31の厚さ方向に間隔をあけて位置する第2の辺33b、第1の辺33aと第2の辺33bとを接続する一対の第3の辺33c,33dとを含む。第1の辺33aの長さwが第2の辺33bの長さw
1よりも大きい台形状の形状を有する。このような形状を有する厚肉部31および一対の薄肉部32a,32bをそれぞれ含む第1材料層21および第2材料層22は、第1材料層21および第2材料層22の間に
図7に示す断面がT字状であるレジスト層40a,40bを形成し、本体部14を回転させながら斜め方向から蒸着源を供給することにより、容易に製造することができる。
【0056】
本実施形態において、第1材料層21は、p型の導電型を有する半導体からなっている。半導体は、熱伝導率が比較的低いため、第1材料層21の熱コンダクタンスの低減を効率的に図ることができる。
【0057】
本実施形態において、熱電変換材料部20は、第2材料層22として、熱エネルギーを電気エネルギーに変換し、第1材料層21と異なる導電型である第2導電型であるBiからなる第2材料層22を備える。したがって、熱伝導率が比較的低い材料を用いて光センサ11の熱コンダクタンスを低減することで、温度差に基づく出力を増加させて、光センサ11の感度および比検出能のさらなる向上を図ることができる。
【0058】
本実施形態によれば、光センサ11は、複数の第1材料層21と複数の第2材料層22を備える。複数の第1材料層21および複数の第2材料層22はそれぞれ、第1電極24に接続される領域および第2電極25に接続される領域を除いて、第1領域21aと第3領域22aとが電気的に接続され、第2領域21bと第4領域22bとが電気的に接続されるよう交互に配置されている。したがって、第1電極24および第2電極25によって出力される電位差を、複数の第1材料層21のそれぞれに生ずる電位差を足し合わせたものとすることができ、電位差を大きくすることができる。この場合、複数の第2材料層22のそれぞれに生ずる電位差をさらに足し合わせたものとすることができ、さらに電位差を大きくすることができる。したがって、光センサ11の感度および比検出能の向上を図ることができる。
【0059】
本実施形態では、第1の辺33aと第3の辺33c,33dとのなす角度θについて、2≦tanθ×(w/d)≦10.7の関係を有する。したがって、光センサ11の感度および比検出能の向上を確実に図ることができる。
図8は、tanθ×(w/d)と感度Rvおよび比検出能D
*との関係を示すグラフである。
図8において、横軸は、tanθ×(w/d)を示し、縦軸は、光センサ11の感度Rvおよび比検出能D
*を示す。横軸は、対数メモリを用いている。なお、三角印は、感度Rvの値を示し、丸印は、比検出能の値を示す。感度Rvの測定は、光源を500Kの黒体炉、光センサ11と光源の距離を30cmとし、メカニカルチョッパを用いてチョッピング周波数5Hzにて光源をチョッピングし、素子出力のチョッピング周波数成分をロックインアンプにて同期検波することで行った。光源の出力、赤外線吸収膜23の光学特性と光センサ11の出力電圧から、感度Rvを算出した。また、光センサ11の出力をスペクトラムアナライザにて観測し、ノイズレベルを測定することで、比検出能D
*を算出した。角度θについては、電子顕微鏡による断面観察により行った。なお、AFM(Atomic Force Microscope(原子間力顕微鏡))による上面、すなわち、赤外線吸収膜23が配置される面から、第1材料層21の上面が露出した部分の測定や、触針式の表面形状装置により、上面から第1材料層21の長手方向と垂直な方向に表面形状を測定することにより角度θを算出してもよい。
【0060】
図8を参照して、tanθ×(w/d)の値が大きくなると、感度Rvは小さくなる。tanθ×(w/d)の値が1に近づくほど、感度Rvの上昇が顕著となる。比検出能D
*についても同様の傾向である。すなわち、tanθ×(w/d)の値が大きくなると、比検出能D
*は小さくなり、tanθ×(w/d)の値が1に近づくほど、比検出能の上昇が顕著となる。よって、tanθ×(w/d)の値を10.7以下とすることにより、より確実に感度および比検出能の値を大きくすることができる。また、製造上の観点から、tanθ×(w/d)の値を2以上とすることが好ましい。したがって、tanθ×(w/d)について2≦tanθ×(w/d)≦10.7とすることにより、感度および比検出能の向上を図ることができる。なお、tanθ×(w/d)については、2≦tanθ×(w/d)≦7.0の関係を有することがより好適である。
【0061】
(実施の形態2)
次に、他の実施の形態である実施の形態2について説明する。
図9は、実施の形態2における光センサに備えられる第1材料層および支持層を示す概略断面図である。
図9は、実施の形態1における
図6に示す断面に相当する。
図9を参照して、実施の形態2における光センサ11は、第2の辺33bおよび第3の辺33c,33dに対応する面の表面粗さRaを1nm以上200nm以上の範囲内としている点において実施の形態1の場合とは異なっている。なお、
図9中において、第2の辺33bおよび第3の辺33c,33dに対応する面に形成される凹凸形状については、理解の容易の観点から誇張して図示している。
【0062】
図9を参照して、第2の辺33bおよび第3の辺33cに対応する面の表面には、微小な凹凸が形成されている。第2の辺33bおよび第3の辺33c,33dに対応する面の表面粗さRa(算術平均粗さ)については、1nm以上200nm以下である。なお、表面粗さRaについては、以下のようにして測定した。すなわち、露出した第1材料層21を含む、1辺の長さが厚肉部の幅以上の長方形状の領域を、曲率半径25nmのカンチレバーを用いてAFMにより測定した。第1材料層21の厚肉部31の領域の傾きを補正した後、厚肉部31の幅の5割の長さの直線表面形状プロファイルから表面粗さRaを算出した。なお、直線表面形状プロファイルからの表面粗さRaの算出は、第1材料層21の厚肉部31の領域の任意の直線で行ってもよい。
【0063】
このような第2の辺33bおよび第3の辺33c,33dに対応する面を上記した表面粗さRaとするためには、たとえば以下の製造方法が選択される。第1材料層21について、Si、GeおよびAuを面13a上にアモルファス状態で蒸着し、熱処理により結晶化させる。この熱処理、すなわち、活性化処理時における結晶化に際し、熱処理の温度を300~1000℃の範囲内で調整して結晶化の進行度合いを制御し、表面粗さRaを上記した範囲内とする。
【0064】
図10は、表面粗さRaと感度Rvおよび比検出能D
*との関係を示すグラフである。
図10において、横軸は表面粗さRa(nm)を示し、縦軸は光センサ11の感度Rvおよび比検出能D
*を示す。なお、横軸については、対数で表している。
図10中において、中空丸印は、感度Rvの値を示し、中実丸印は、比検出能の値を示す。なお、
図10に示す測定結果は、
図8に示す場合と同様の計測を行った場合の測定結果である。すなわち、感度Rvの測定は、光源を500Kの黒体炉、光センサ11と光源の距離を30cmとし、メカニカルチョッパを用いてチョッピング周波数5Hzにて光源をチョッピングし、素子出力のチョッピング周波数成分をロックインアンプにて同期検波することで行った。光源の出力、赤外線吸収膜23の光学特性と光センサ11の出力電圧から、感度Rvを算出した。また、光センサ11の出力をスペクトラムアナライザにて観測し、ノイズレベルを測定することで、比検出能D
*を算出した。
【0065】
図10を参照して、表面粗さRaが1nm以上200nm以下の場合、感度Rvおよび比検出能D
*の値が比較的高い値となっている。表面が滑らかになると熱伝導が抑制され、熱コンダクタンスG
thが低減する。また、表面の凹凸度合いが多くなると、フォノンの散乱が促進され、熱コンダクタンスG
thが減少する。したがって、表面粗さRaについては、1nm以上200nm以下とすることにより、感度Rvおよび比検出能D
*の向上を図ることができる。より好ましくは、表面粗さRaについて、8nm以上100nm以下とすることが好適である。さらに、第1材料層21の表面粗さRaは、13nm以上50nm以下であってもよい。このようにすることにより、感度Rvおよび比検出能D
*のさらなる向上を図ることができる。
【0066】
ここで、表面粗さRaを上記範囲内とすることについて、薄肉部32a,32bを規定する第3の辺33c,33dに対応する面の表面粗さRaを上記範囲内にすると、表面における第3の辺33c,33dに対応する面の熱伝導の低減の効果をより顕著に図ることができる。したがって、より感度および比検出能の向上を図ることができる。
【0067】
(実施の形態3)
次に、さらに他の実施の形態である実施の形態3について説明する。
図11は、実施の形態3における光センサに備えられる第1材料層および支持層を示す概略断面図である。
図11は、実施の形態1における
図6に示す断面に相当する。
図11を参照して、実施の形態3における光センサに備えられる支持層52は、バッファ層51をさらに備える点において実施の形態1の場合とは異なっている。
【0068】
第1材料層21を構成する元素としてSi、GeおよびAuを選択した場合、第1材料層21の活性化処理工程においてAuを核としたSiGeの微結晶を第1材料層21内において部分的に形成し、第1材料層21の導電率を増加させることができる。しかし、第1材料層21と層53とが接触すると、Auが層53側に析出してしまい、上記した微結晶を形成することによる効果を十分に得られないおそれがある。よって、支持層52が第1材料層21と接触して配置され、Siからなるバッファ層51を含むことにより、
図2に示す層53側へのAuの析出を抑制して、第1材料層21内におけるAuを核とした微結晶の形成を促進して、第1材料層21の導電率の低下を抑制することができる。したがって、光センサ11の感度および比検出能のさらなる向上を図ることができる。本実施形態においては、バッファ層51の一方の面51aは、層53の面53aと接触し、バッファ層51の他方の面51bは、第1の辺33aに対応する面と接触する。
【0069】
図12は、バッファ層の有無と感度Rvとの関係を示すグラフである。
図13は、バッファ層の有無と比検出能D
*との関係を示すグラフである。
図12および
図13において、左側の棒グラフA
1、A
2は、バッファ層が無い場合を示し、右側の棒グラフB
1、B
2は、バッファ層が有る場合を示す。
図12において、縦軸は、感度Rv(V/W)を示す。
図13において、縦軸は、比検出能(1×10
9)(cmHz
1/2/W)を示す。
【0070】
まず
図12を参照して、バッファ層が有る場合の感度Rvは、バッファ層が無い場合の感度Rvと比較して大幅に向上していることが把握できる。
【0071】
次に
図13を参照して、バッファ層が有る場合の比検出能D
*は、バッファ層が無い場合の比検出能D
*と比較して大幅に向上していることが把握できる。
【0072】
(他の実施の形態)
上記の実施の形態において、第3の辺33c,33dに対応する面は平面であることとしたが、これに限らず、第3の辺33c,33dに対応する面は曲面であってもよい。この場合、たとえば、厚さ方向において、第2の辺33bに対応する面側に突出する円弧面であってもよいし、第1の辺33aに対応する面側に凹む円弧面であってもよい。さらに第3の辺33c、33dに対応する面は、複数の曲面と平面とを含んでもよい。
【0073】
上記の実施の形態においては、第1材料層21は、幅方向に対称となる台形状の形状としたが、これに限らず、幅w2と幅w3とが異なる長さであってもよい。また、第1材料層21は、角度θが第1の辺33aと第3の辺33c,33dでそれぞれ異なる場合、小さい方の角度が上記関係式を有するようにしてもよい。さらに、双方の角度θについて、上記関係式を有するようにしてもよい。また、台形状の形状でなくともよく、薄肉部32a、32bについて、厚肉部31との間において、段差を生ずる形状であってもよい。すなわち、薄肉部32aを構成する第3の辺33cに対応する面は、縁34aから第1の辺33aに対応する面に対して垂直に延びる第1の垂直面と、この第1の垂直面に連なり、第1の辺33aに対応する面に平行に延びる平行面と、この平行面に連なり、縁35aから第1の辺33aに対応する面に対して垂直に延びる第2の垂直面とからなる構成であってもよい。また、左右の角度θが異なっていてもよい。すなわち、第1の辺33aと第3の辺33cとのなす角度と第1の辺33aと第3の辺33dとのなす角度が異なっていてもよい。さらに、第1材料層21は、台形状の形状ではなく、三角形の形状であってもよい。すなわち、第2の辺33bがない構成としてもよい。また、熱電変換材料部20に含まれる第1材料層21は、直接支持層13上に配置されることとしたが、これに限らず、第1材料層21は直接支持層13上に配置されておらず、第1材料層21と支持層13との間に他の部材、例えば、熱電変換材料部20に含まれる絶縁膜が介在する構成であってもよい。また、第1材料層21と第2材料層22との配置を入れ替えて構成してもよい。この場合、製造方法としては、例えば、支持層13上に第2材料層22を形成した後に絶縁膜26を形成し、その後第1材料層21を形成するようにしてもよい。
【0074】
上記の実施の形態において、赤外線吸収膜23としてカーボンを用いることにしてもよいし、樹脂からなる赤外線吸収膜を形成してもよい。絶縁性を有する樹脂からなる赤外線吸収膜を形成した場合、上記した絶縁膜27は不要となる。また、第1材料層21の導電型と第2材料層22の導電型とを逆にした構成にしてもよい。すなわち、第1材料層21の導電型をn型とし、第2材料層22の導電型をp型としてもよい。
【0075】
上記の実施の形態において、第1材料層21は、Si、Ge、Auを元素として含む化合物半導体としたが、これに限らず、Auを含まない化合物半導体であってもよいし、Mn、Siを元素として含む化合物半導体としてもよいし、Sn、Seを元素として含む化合物半導体、Cu、Seを元素として含む化合物半導体としてもよい。また、第1材料層21として、たとえば半導体としてのSi単体を用いることにしてもよい。
【0076】
上記の実施の形態においては、第2材料層22は、Biからなることとしたが、これに限らず、第2材料層22は、金属または、熱エネルギーを電気エネルギーに変換し、第1材料層21と異なる導電型である半導体からなってもよい。具体的には、たとえば、第2材料層22について、Bi以外のn型の導電型を有する化合物半導体を用いることにしてもよい。第2材料層22として第1材料層21と異なる導電型であるn型の導電型を有する半導体を採用することにより、熱伝導率が比較的低い材料を用いて光センサ11の熱コンダクタンスを低減することで、温度差に基づく出力を増加させて、光センサ11の感度および比検出能のさらなる向上を図ることができる。また、第2材料層22として金属を採用してもよい。すなわち、熱電変換材料部20が、上記第1材料層21と、帯状の形状を有し、上記した第2材料層22と同様に配置される金属層とを備える構成であってもよい。具体的には、たとえば第1材料層21を構成する材料としてSiを用い、金属層としてAlを用いる。特に、光センサ11の特性が、第1材料層21の材料の特性に主に起因する場合、このような構成とすることにしてもよい。このようにすることにより、第2材料層22の導電率を向上させて光センサ11の電気コンダクタンスを増加させることで、光センサ11の比検出能のさらなる向上を図ることができる。第2材料層22の材質としては、他に、たとえばSb(アンチモン)を採用することもできる。また、第2材料層22として、BiとTe(テルル)との合金やBiとTeとSbとの合金を採用することにしてもよい。また、上記の実施の形態においては、光センサ11は、複数の第1材料層21と複数の第2材料層22とを備えることとしたが、光センサ11は、少なくとも一対の第1材料層21と第2材料層22とを備える構成であればよい。
【0077】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、どのような面からも制限的なものではないと理解されるべきである。本開示の範囲は上記した説明ではなく、請求の範囲によって規定され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0078】
11 光センサ、12 ベース部、13,52 支持層、13a,13b,14a,14b,51a,51b,53a 面、14 本体部、14c 内周面、16 凹部、16a 境界、16b,16c,21a,21b,22a,22b 領域、20 熱電材料変換部、21 第1材料層、21c,21d,22c,22d 端部、22 第2材料層、23 赤外線吸収膜、24 第1電極、25 第2電極、26,27 絶縁膜、31 厚肉部、32a,32b 薄肉部、33a,33b,33c,33d 辺、34a,34b,35a,35b 縁、40a,40b レジスト層、41a,41b,42a,42b レジスト、51 バッファ層、53 層、A1,A2,B1,B2 グラフ、d 厚さ、L 方向、T 矢印、w,w1 長さ、w2,w3 幅、θ 角度