(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-07
(45)【発行日】2023-08-16
(54)【発明の名称】車両のバッテリ運用モード表示装置
(51)【国際特許分類】
B60W 20/00 20160101AFI20230808BHJP
B60K 6/485 20071001ALI20230808BHJP
B60W 10/26 20060101ALI20230808BHJP
B60W 20/13 20160101ALI20230808BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20230808BHJP
B60K 35/00 20060101ALI20230808BHJP
B60L 50/16 20190101ALI20230808BHJP
B60L 50/60 20190101ALI20230808BHJP
B60L 58/12 20190101ALI20230808BHJP
【FI】
B60W20/00
B60K6/485 ZHV
B60W10/26 900
B60W20/13
B60R16/02 640K
B60K35/00 Z
B60L50/16
B60L50/60
B60L58/12
(21)【出願番号】P 2021571246
(86)(22)【出願日】2021-01-15
(86)【国際出願番号】 JP2021001193
(87)【国際公開番号】W WO2021145408
(87)【国際公開日】2021-07-22
【審査請求日】2022-03-29
(31)【優先権主張番号】P 2020004535
(32)【優先日】2020-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100177460
【氏名又は名称】山崎 智子
(72)【発明者】
【氏名】水井 俊文
(72)【発明者】
【氏名】豊田 健
(72)【発明者】
【氏名】亀井 雄一
(72)【発明者】
【氏名】橘 宙之
【審査官】清水 康
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-030401(JP,A)
【文献】特開2014-240258(JP,A)
【文献】特開2013-119349(JP,A)
【文献】特開2010-083394(JP,A)
【文献】特開昭62-004658(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 6/20 - 6/547
B60W 10/00 - 20/50
B60L 1/00 - 3/12
B60L 7/00 - 13/00
B60L 15/00 - 58/40
B60R 16/02
B60K 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリと、
前記バッテリの電力で車両駆動力を発生可能な電動モータと、
エンジンと、
前記エンジンの駆動力で回転駆動し発電可能な発電機と、
を備えた車両のバッテリ運用モード表示装置であって、
前記バッテリから前記電動モータへの放電と前記発電機から前記バッテリへの充電を制御する複数のバッテリ運用モードを表示するモード表示部を備え、
前記モード表示部は、
前記エンジンの駆動許可範囲毎に識別された前記複数のバッテリ運用モードのうち、第1のエンジン駆動許可範囲で識別された第1のバッテリ運用モードに対応する第1のモード標識と、
前記第1のエンジン駆動許可範囲より広い第2のエンジン駆動許可範囲で識別された第2のバッテリ運用モードに対応する第2のモード標識と、
前記第2のエンジン駆動許可範囲より広い第3のエンジン駆動許可範囲で識別された第3のバッテリ運用モードに対応する第3のモード標識と、を前記エンジンの駆動許可範囲に従って順番に並べて表示する
ことを特徴とするバッテリ運用モード表示装置。
【請求項2】
前記モード表示部は、前記エンジンの駆動許可範囲の狭い順に、前記複数のバッテリ運用モードの各々に対応する前記モード標識を並べて表示する
ことを特徴とする請求項1に記載のバッテリ運用モード表示装置。
【請求項3】
前記エンジンの駆動許可範囲は、前記バッテリの充電率に基づいて定められる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のバッテリ運用モード表示装置。
【請求項4】
前記車両の乗員の操作によって、前記複数のバッテリ運用モードのうちの一つを選択して入力する入力部と、
を更に備え、
前記モード表示部は、前記入力部によって選択された前記バッテリ運用モードに対応する前記モード標識を、他のモード標識と識別可能な表示態様で表示する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のバッテリ運用モード表示装置。
【請求項5】
前記入力部は、前記モード表示部に表示される前記モード標識の並び順に従って順番に前記複数のバッテリ運用モードを選択する
ことを特徴とする請求項4に記載のバッテリ運用モード表示装置。
【請求項6】
前記車両の状況に応じて、前記複数のバッテリ運用モードのそれぞれの選択可否を判定する選択可否判定部と、
を更に備え、
前記モード表示部は、前記選択可否判定部によって選択不可と判定されたバッテリ運用モードに対応するモード標識を他のモード標識と識別可能な表示態様で表示する
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のバッテリ運用モード表示装置。
【請求項7】
前記モード表示部は、前記選択可否判定部によって選択不可と判定された前記バッテリ運用モードの不可理由を表示する
ことを特徴とする請求項6に記載のバッテリ運用モード表示装置。
【請求項8】
前記モード表示部は、前記不可理由を、前記モード標識の一部を隠すよう重ねて表示する
ことを特徴とする請求項7に記載のバッテリ運用モード表示装置。
【請求項9】
前記モード表示部は、前記入力部よって選択された後に確定された前記バッテリ運用モードに対応する前記モード標識を、バッテリ運用期間中に、常時表示する
ことを特徴とする請求項4
または5に記載のバッテリ運用モード表示装置。
【請求項10】
前記モード表示部は、前記確定されたバッテリ運用モードに対応するモード標識を、前記複数のバッテリ運用モードの各々に対応するモード標識の並びとは異なる位置に表示する
ことを特徴とする請求項9に記載のバッテリ運用モード表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリと、電動モータと、エンジンと、発電機と、を具備する車両のバッテリ運用モード表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、車載されたバッテリの電力、回生電力、又はエンジンの駆動により発電機で発電された電力が供給される電動モータと、内燃機関として機能するエンジンと、を併用する様々な走行モードを有するハイブリッド(HEV:Hybrid Vehicle)車両が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ハイブリッド車両の乗員(運転手又は同乗者)が、エンジンを駆動させずにバッテリの電力又は回生電力が供給される電動モータのみを用いて車両を走行させるEV(Electric Vehicle)走行に関するバッテリの運用モードと、エンジンを駆動して発電機で発電しながらその電力をバッテリへ充電をしつつ、当該バッテリの電力、回生電力、又は発電された電力が供給される電動モータのみで走行させるシリーズ走行や、バッテリ等から電力が供給される電動モータの駆動力とエンジンの駆動力を併用して車両を走行させるパラレル走行を含むHEV(Hybrid Vehicle)走行に関するバッテリの運用モードとの選択状況を容易に理解できることが望ましい。
【0005】
本発明の目的は、乗員によるバッテリ運用モードの選択状況の理解を容易にすることができる、バッテリと、電動モータと、エンジンと、発電機と、を具備する車両のバッテリ運用モード表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
車両のバッテリ運用モード表示装置は、バッテリと、バッテリの電力で車両駆動力を発生可能な電動モータと、エンジンと、エンジンの駆動力で回転駆動し発電可能な発電機と、を備えた車両のバッテリ運用モード表示装置であって、バッテリから電動モータへの放電と発電機からバッテリへの充電を制御する複数のバッテリ運用モードを表示するモード表示部を備える。モード表示部は、エンジンの駆動許可範囲毎に識別された複数のバッテリ運用モードのうち、第1のエンジン駆動許可範囲で識別された第1のバッテリ運用モードに対応する第1のモード標識と、第1のエンジン駆動許可範囲より広い第2のエンジン駆動許可範囲で識別された第2のバッテリ運用モードに対応する第2のモード標識と、第2のエンジン駆動許可範囲より広い第3のエンジン駆動許可範囲で識別された第3のバッテリ運用モードに対応する第3のモード標識と、をエンジンの駆動許可範囲に従って順番に表示する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、乗員によるバッテリ運用モードの選択状況の理解を容易にすることができる、バッテリと、電動モータと、エンジンと、発電機と、を具備する車両のバッテリ運用モード表示装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】バッテリ運用モード表示装置1が設けられた車両10を示す模式図。
【
図2】バッテリ11の複数の運用モードの制御及び表示に係るブロック図。
【
図3】車両10のマルチディスプレイ21に設けられたモード表示部100及びバッテリモードスイッチ200を示す模式図である。
【
図4】
図3のモード表示部100の表示が変更された状態を示す模式図である。
【
図5】常時表示部110における常時表示の表示例1を示す模式図。
【
図9】選択状況表示部120の切替表示121におけるアクティブ表示(選択状態)/選択可能表示(選択可能状態)の表示例1を示す模式図。
【
図13】選択状況表示部120の切替表示121におけるアクティブ表示(選択状態)/選択可能表示(選択可能状態)/非アクティブ表示(選択不可状態)の表示例1を示す模式図。
【
図19】選択状況表示部120の切替表示121におけるアクティブ表示(選択状態)/選択可能表示(選択可能状態)/非アクティブ表示(選択不可状態)の少なくとも1つの表示と、その1つの表示に対する不可理由報知の表示例1を示す模式図。
【
図25】選択状況表示部120の確定表示122における確定された運用モードの表示例1を示す模式図。
【
図29】選択状況表示部120の決定表示123におけるキャンセルされた運用モードの表示例1を示す模式図。
【
図34】バッテリの運用モードの切り替え及び確定・決定に関する制御を示すフローチャート。
【
図35】バッテリ運用モード表示装置1の制御及び表示に係る第1例を示すタイムチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1を参照して、バッテリ運用モード表示装置1が設けられた車両10の構成を説明する。
図1は、バッテリ運用モード表示装置1が設けられた車両10を示す模式図である。
【0010】
図1に示すように、車両10は、バッテリ11と、電動モータ12と、エンジン13と、発電機14と、を具備している。バッテリ11は、充放電可能に構成され、例えば、リチウムイオン二次電池を含んでいる。バッテリ11は、車両10を走行させる電動モータ12に電力を供給(給電、放電)する。電動モータ12は、バッテリ11の電力で車両駆動力を発生可能に構成されている。エンジン13は、燃料タンクから燃料が供給され、車両駆動力を発生させる内燃機関である。発電機14は、エンジン13の駆動力で回転駆動し発電可能に構成されている。
【0011】
ここで、車両10に設けられたバッテリ運用モード表示装置1は、バッテリ11の運用モードが表示されるモード表示部100と、バッテリ11の運用モードが乗員によって選択可能に構成されたバッテリモードスイッチ200(入力部)と、モード表示部100及びバッテリモードスイッチ200を制御する制御部300と、を備えている。バッテリ運用モード表示装置1のモード表示部100、バッテリモードスイッチ200、制御部300の具体的な構成は、
図2を参照して後述する。
【0012】
図2を参照して、バッテリ11の運用モードの制御及び表示の構成を説明する。
図2は、バッテリ11の複数の運用モードの制御及び表示に係るブロック図である。
【0013】
バッテリ11のある一つの運用モードであるNormalモードでは、乗員が特別なバッテリ11の運用モードを選択することなく、制御部300が車両10の走行状態に応じて最適なバッテリ11の運用モード、例えば車両10の出荷時のデフォルト状態を自動的に選択する。Normalモードでは、バッテリ11の充電率(SOC:State Of Charge)が最低所定値まで低下したら、エンジン13を駆動させて発電機14で発電し、バッテリ11を充電する。充電率の最低所定値は、ハイブリッド車両が通常の走行を維持するために最低限必要な電力を考慮して設定される。具体的には、最低所定値は、例えば、エンジン13を始動させるために必要な最小限の充電率である。エンジン13を始動させるためには、一般的にはスタータを作動させるが、バッテリ11の電力でエンジン13に連結される発電機14を作動させてエンジン13を始動する場合がある。
【0014】
バッテリ11の第1の運用モードであるEV priorityモードは、Normalモードよりもエンジン駆動を制限している。EV priorityモードは、原則として車両10のエンジン駆動は行わず、バッテリ11に蓄えられた電力又は回生電力のみを使用することを想定している。EV priorityモードでは、例えば、乗員がアクセルを踏み込んで車両10の急加速を図った場合でも、エンジン13を始動させることがないため、車両10の急加速を抑制することになる。
【0015】
バッテリ11の第2の運用モードであるSaveモードは、現状のバッテリ11のSOCを下限値として設定し、その下限値を維持するようにエンジン13を駆動させて発電機14で発電し、バッテリ11を充電する。したがって、下限値は、最低所定値と後述する最高所定値との間の値に設定される。Saveモードでは、例えば、乗員が車両10の走行目的地においてバッテリ11の電力をある程度使用する予定があるときや、次回の走行である程度電力での電動モータ12を用いた走行が必要なとき等、つまり車両10の走行目的地においてある程度の電力をバッテリ11に確保しておく必要があるときに選択されることを想定している。尚、Saveモードでは、下限値の設定を現状のバッテリ11のSOCではなく、予め最低所定値と最高所定値との間であって、最低所定値より相対的に高く(例えば、SOC=50%)設定して、その下限値を維持するようにしてもよい。又、Saveモードでは、下限値は、現状のバッテリ11のSOCに基づいて設定してもよいし、最低所定値と最高所定値との間の任意の値を乗員が設定してもよい。
【0016】
バッテリ11の第3の運用モードであるChargeモードは、バッテリ11の充電率を常に最高所定値(例えば、上限値としてSOC=100%近く)に維持する。最高所定値とは、バッテリ11が蓄電可能なSOC領域の最高値であって、例えばフル充電の状態のときのSOCを示す。Chargeモードでは、SOCが最高所定値未満になると、原則として、エンジン13を駆動させて発電機14で発電し、バッテリ11を充電する。
【0017】
モード表示部100には、常時表示部110と選択状況表示部120とが含まれている。常時表示部110は、乗員によって操作されることなく、車両10の現在のバッテリ11の運用モードを表す標識に対応する表示態様が常に表示される。一方、選択状況表示部120は、バッテリ11の運用モードの選択状態、選択可能状態及び選択不可状態が、例えば、上下に並べられて表示される。選択状況表示部120は、複数のバッテリ運用モードにそれぞれ対応したモード標識を表示すると共に、バッテリモードスイッチ200での選択状況を表示する。モード表示部100は、後述するように、例えば、
図3に示すマルチディスプレイ21に設けられている。
【0018】
常時表示部110において、アクティブ表示(選択状態)された表示態様のEV 110b1は、現在のバッテリ11の運用モードがEV priorityモードであることを表している。一方、非アクティブ表示(選択不可状態)された表示態様のEV 110b3は、現在のバッテリ11の運用モードとしてEV priorityモードが選択できないことを表している。常時表示部110では、EV 110b1とEV 110b3とが互いに置き換わるように表示される。すなわち、常時表示部110において、EV 110b1とEV 110b3とが同時に表示されることはない。ここで、EV 110b3は、乗員がEV priorityモードを運用モードとして選択している場合に、バッテリ11の充電率が所定値未満になったり、例えば高速道路の合流地点や追い越しなどで加速するために乗員によりアクセルが踏み込まれたりしたことによって、EV priorityモードが解除されてエンジン13が始動した状態を表している。常時表示部110における常時表示の具体例は、
図5から
図8を参照して後述する。
【0019】
選択状況表示部120の切替表示121には、バッテリ11の複数の運用モードに対応する表示態様が表示される。切替表示121は、一つのスイッチに対して、複数の運用モードの表示形態を切り替えて表示する。切替表示121には、例えば、Normalモード、EV priorityモード、Saveモード及びChargeモードの各々の運用モードが、その順番で上から下に向かって並んでいる。
【0020】
ここで、切替表示121において、デフォルト設定である1番目のNormalモードを例外として、2番目のEV priorityモード、3番目のSaveモード及び4番目のChargeモードにおいて、最上部に配置された2番目のEV priorityモードが最もエンジン13が作動し難いモードであり、最下部に配置された4番目のChargeモードが最もエンジン13が作動し易いモードである。選択状況表示部120において、乗員は上から下に向かってモードを選択する程、エンジン13が作動し難い状態からエンジン13が作動し易いモードになるように、EV priorityモード、Saveモード及びChargeモードの順で配置している。すなわち、2番目から4番目のモードは、エンジン13が相対的に作動しない順番で上下に並べられている。切替表示121では、乗員がバッテリモードスイッチ200を操作することによって各々の運用モードに対応したカーソルが上から下に1つずつ移動し、カーソルが最下部に到達した後に最上部に移動することによって、乗員がバッテリ11の任意の運用モードを選択可能に構成されている。
【0021】
切替表示121では、車両10を起動(Ready On)した場合、
図2に示す構成とは異なり、デフォルト状態として例えばNormal 121a1のカーソルが選択される。その状態において、乗員が、バッテリモードスイッチ200を操作する度に、切替表示121においてEV priority 121b1、Save 121c1及びCharge 121d1の順で選択されるバッテリ11の運用モードのカーソルが繰り下がる。切替表示121の具体例は、
図9から
図24を参照して後述する。
【0022】
選択状況表示部120の確定表示(確定報知部)122は、乗員が選択したバッテリ11の運用モードが確定したときに、切替表示121と置き換わって表示され、乗員が選択し確定したバッテリ11の運用モードの表示態様を表示する。すなわち、切替表示121において、ある一つのバッテリ11の運用モードが選択された後、バッテリモードスイッチ200が操作されずに切替表示121が数秒間維持されると、確定表示122に切り替わる。確定表示122として、例えば
図2では、EV(EV priority)モードを確定し、確定表示されている。確定表示122の具体例は、
図25から
図28を参照して後述する。
【0023】
バッテリモードスイッチ(入力部)200は、切替表示121に対する車両10の乗員の選択を受け付ける。バッテリモードスイッチ200は、バッテリ11から電動モータ12への放電と発電機14からバッテリ11への充電を制御する複数のバッテリ運用モードのうちの1つである第1のバッテリ運用モードを車両10の乗員が選択して入力する。バッテリモードスイッチ200は、例えば選択ボタンであって、操作される(例えば押圧される)度に、バッテリ11のNormalモード、EV priorityモード、Saveモード及びChargeモードが順次選択される。バッテリモードスイッチ200は、例えば、機械式のボタンを用いて構成している。又、バッテリモードスイッチ200を操作レバーとして構成して、レバーを引く操作を各モードの選択動作としてもよい。更に、バッテリモードスイッチ200をパドルシフトとして構成して、パドルの引き付け操作や引き離し操作を各モードの選択動作としてもよい。尚、バッテリモードスイッチ200を切替表示121の表面に重ねて設ける透明なタッチパネルとして構成して、例えばタッチ操作を各モードの選択動作としてもよい。又、バッテリモードスイッチ200は、運用モードが順番に現れる回転体を用いた入力装置や、スワイプ送りを用いた入力装置によって構成してもよい。バッテリモードスイッチ200は、制御部300に接続されている。
【0024】
制御部(バッテリ運用制御部)300は、バッテリモード判定確定部330で確定された第1のバッテリ運用モードに基づいて、車両10のバッテリの運用を制御する。制御部300は、バッテリモード表示判定部310、車両状態判定部320、バッテリモード判定確定部(確定部)330、選択可否判定部340を含んでいる。制御部300は、ROM(Read Only Memory)と、ECU(Engine Control Unit)と、RAM(Random Access Memory)等によって作動する。
【0025】
バッテリモード表示判定部310は、乗員がバッテリモードスイッチ200を操作(例えば押圧)すると、選択されたNormal 121a、EV priority 121b、Save 121c及びCharge 121dの4種類のカーソル表示を判定する。
【0026】
車両状態判定部320は、SOC判定部321、ADAS判定部322、バッテリ温度判定部323、エンジン温度判定部324、燃料判定部325及びエンジン始動判定部326を含んでいる。SOC判定部321は、車両10に搭載されたバッテリ11のSOCを判定する。ADAS判定部322は、車両10の先進運転支援システム(ADAS:Advanced driver assistance systems)の状態を判定する。バッテリ温度判定部323は、バッテリ11に備えられた例えばバッテリ温度センサ(図示せず)からの情報に基づいてバッテリ11の温度を判定する。エンジン温度判定部324は、エンジン13を循環する冷却水の水温を測定する例えばエンジン冷却水温度センサ(図示せず)からの情報に基づいてエンジン13の冷却水温を判定する。燃料判定部325は、燃料タンクに設けられた燃料残量検出センサ(図示せず)からの情報に基づいてエンジン13に供給する燃料の残量を判定する。エンジン始動判定部326は、エンジン13の始動を判定する。
【0027】
バッテリモード判定確定部(確定部)330は、バッテリモードスイッチ200で第1のバッテリ運用モードが選択された後、第1のバッテリ運用モードの選択状態が所定時間において維持されたときに、第1のバッテリ運用モードを確定する。バッテリモード判定確定部330は、乗員によって選択されたバッテリ11の運用モードが、Normal 331、EV priority 332、Save 333及びCharge 334のいずれかであるかを判定し、その結果を、バッテリモードカウンタ335によって規定された所定時間に応じてモード表示部100に送信する。
【0028】
選択可否判定部340は、第1選択可否決定部(決定部)341及び第2選択可否決定部(決定部)342を含んでいる。第1選択可否決定部341は、車両状態判定部320のSOC判定部321、ADAS判定部322及びバッテリ温度判定部323からの情報に基づき、EV priorityモードが選択不可か否かを常時判定し、EV priorityモードの選択状態が所定時間において維持されたときにモード表示部100に送信する。第2選択可否決定部342は、車両状態判定部320のエンジン温度判定部324及び燃料判定部325からの情報に基づき、Saveモード又はChargeモードが選択不可か否かを常時判定し、Saveモード又はChargeモードの選択状態が所定時間において維持されたときにモード表示部100に送信する。選択可否判定部340は、乗員によって選択されたバッテリ11の運用モードが、Normal 331、EV priority 332、Save 333及びCharge 334のいずれかであるかを判定し、その結果を、バッテリモードカウンタ335によって規定された所定時間に応じて選択不可か否かを決定し、モード表示部100に送信する。
【0029】
図3及び
図4を参照して、車両10のマルチディスプレイ21に設けられたモード表示部100の構成を説明する。
図3は、車両10のマルチディスプレイ21に設けられたモード表示部100及びバッテリモードスイッチ200を示す模式図である。
図4は、
図3のモード表示部100の表示が変更された状態を示す模式図である。
【0030】
図3に示すマルチディスプレイ21は、例えば、車両10のインストルメントパネルに設けられている。マルチディスプレイ21には、車両10の速度を示すスピードメータ401や、車両10の駆動力を示すパワーメータ402のようなインジケータ等が設けられている。ここで、モード表示部100は、乗員の視界に入り易い位置、例えば、スピードメータ401とパワーメータ402の間に設けられている。モード表示部100において、常時表示部110と選択状況表示部120とは、例えば上下に並んで設けられている。モード表示部100は、マルチディスプレイ21に替えて、車両10のインストルメントパネルのインジケータ、計器インジケータ、又はセンターパネル等に設けてもよい。バッテリモードスイッチ200は、例えば、モード表示部100とスピードメータ401の下方に設けられている。バッテリモードスイッチ200は、操作スイッチ、押圧ボタン又は操作レバーとし、設置場所もマルチディスプレイ21ではなく、センターコンソールや、ステアリング(ハンドル)近傍のインストルメントパネル、ハンドルに設けてもよい。
【0031】
図3のモード表示部100において、常時表示部110には、車両10の現在の運用モードとして、例えば、Normalモードが表示されている。又、
図3のモード表示部100において、選択状況表示部120には、車両10の現在の運用モードを切り替える(変更する)ための切替表示121が表示されている。切替表示121では、例えば、EV priorityモードがアクティブ表示(選択状態)され、NormalモードとChargeモードが選択可能表示(選択可能状態)され、且つSaveモードが非アクティブ表示(選択不可状態)されている。すなわち、この状態において、車両10の現在の運用モードが、NormalモードからEV priorityモードに変更されようとしているが、未だ確定されていない。
【0032】
図4のモード表示部100において、常時表示部110には、車両10の現在の運用モードとして、EV(EV priority)モードが表示されている。すなわち、
図4の状態における運用モードは、
図3に示す切替表示121でアクティブ表示(選択状態)されているEV priorityモードが確定された結果、NormalモードからEV priorityモードに置き換わっている。又、選択状況表示部120において、切替表示121が確定表示122に置き換わっている。確定表示122には、EV(EV priority)モードが表示されている。
【0033】
図5から
図8を参照して、常時表示部110における常時表示を説明する。
図5から
図8は、常時表示部110における常時表示の表示例1から4を示す模式図である。
【0034】
図5に示す常時表示部110には、バッテリ11の現在の運用モードがNormalであることが常に表示されている。すなわち、現在の運用モードがNormalであることを乗員に報知するために、常時表示部110に、例えば、黒色のNormalの文字と、白色の背景からなる表示形態が常に表示されている。
【0035】
図6に示す常時表示部110には、バッテリ11の現在の運用モードがEV priority、又はバッテリ11の現在の選択不可の運用モードがEV priorityであることが常に表示されている。すなわち、
図6の図中左側に示すように、例えば、現在の運用モードがEV priorityであることを乗員に報知するために、常時表示部110に、例えば、黒色のEVの文字と、白色の背景からなる表示形態が常に表示されている。又は、
図6の図中右側に示すように、例えば、現在の選択不可の運用モードがEV priorityであることを乗員に報知するために、常時表示部110に、例えば、黒色のEVの文字と、ドット表示の背景からなる表示形態が常に表示されている。
図6の図中左側の表示形態と、
図6の図中右側の表示形態とは、置き換わるように一方のみが表示され、両方が同時に表示されることはない。
【0036】
図7に示す常時表示部110には、バッテリ11の現在の運用モードがSaveであることが常に表示されている。すなわち、現在の運用モードがSaveであることを乗員に報知するために、常時表示部110に、例えば、複数の電池を搭載した自動車のイラストとSaveの文字とが左右に並べられ白色の背景からなる表示態様が常に表示されている。
【0037】
図8に示す常時表示部110には、バッテリ11の現在の運用モードがChargeであることが常に表示されている。すなわち、現在の運用モードがChargeであることを乗員に報知するために、常時表示部110に、例えば、複数の電池を搭載した自動車のイラストとChargeの文字とが左右に並べられ白色の背景からなる表示態様が常に表示されている。
【0038】
図9から
図12を参照して、選択状況表示部120の切替表示121におけるアクティブ表示(選択状態)/選択可能表示(選択可能状態)の表示を説明する。
図9から
図12は、選択状況表示部120の切替表示121におけるアクティブ表示(選択状態)/選択可能表示(選択可能状態)の表示例1から4を示す模式図である。
【0039】
図9に示す選択状況表示部120の切替表示121には、バッテリ11のある一つの運用モードとしてNormalがアクティブ表示されている。すなわち、ある一つの標識としてNormalが選択状態であることを示す第1の表示態様(例えば、黒色のNormalの文字と、白色の背景)が、Normal 121a1で表示されている。又、選択可能状態であるとして、各標識(例えば、EV priority、Save、Charge)は、第2の表示態様(例えば、黒色のEV priority、Save、Chargeの文字と、ハッチング表示の背景)が、EV priority 121b2、Save 121c2、Charge 121d2で表示されている。
【0040】
図10に示す選択状況表示部120の切替表示121には、バッテリ11の第1の運用モードとしてEV priorityがアクティブ表示されている。すなわち、第1の標識としてEV priorityが選択状態であることを示す第1の表示態様(例えば、黒色のEV priorityの文字と、白色の背景)が、EV priority 121b1で表示されている。又、選択可能状態であるとして、各標識(例えば、Normal、Save、Charge)は、第2の表示態様(例えば、黒色のNormal、Save、Chargeの文字と、ハッチング表示の背景)が、Normal 121a2、Save 121c2、Charge 121d2で表示されている。
【0041】
図11に示す選択状況表示部120の切替表示121には、バッテリ11の第2の運用モードとしてSaveがアクティブ表示されている。すなわち、第2の標識としてSaveが選択状態であることを示す第1の表示態様(例えば、黒色のSaveの文字と、白色の背景)が、Save 121c1で表示されている。又、選択可能状態であるとして、各標識(例えば、Normal、EV priority、Charge)は、第2の表示態様(例えば、黒色のNormal、EV priority、Chargeの文字と、ハッチング表示の背景)が、Normal 121a2、EV priority 121b2、Charge 121d2で表示されている。
【0042】
図12に示す選択状況表示部120の切替表示121には、バッテリ11の第3の運用モードとしてChargeがアクティブ表示されている。すなわち、第3の標識としてChargeが選択状態であることを示す第1の表示態様(例えば、黒色のChargeの文字と、白色の背景)が、Charge 121d1で表示されている。又、選択可能状態であるとして、各標識(例えば、Normal、EV priority、Save)は、第2の表示態様(例えば、黒色のNormal、EV priority、Saveの文字と、ハッチング表示の背景)が、Normal 121a2、EV priority 121b2、Save 121c2で表示されている。
【0043】
図13から
図18を参照して、
図9等の選択状況表示部120の切替表示121におけるアクティブ表示(選択状態)/選択可能表示(選択可能状態)に、非アクティブ表示(選択不可状態)が加わった構成を説明する。
図13から
図18は、選択状況表示部120の切替表示121におけるアクティブ表示(選択状態)/選択可能表示(選択可能状態)/非アクティブ表示(選択不可状態)の表示例1から6を示す模式図である。
【0044】
図13に示す選択状況表示部120の切替表示121には、アクティブ表示(選択状態)としてNormal 121a1が表示されている。又、選択可能表示(選択可能状態)としてSave 121c2、Charge 121d2が表示されている。ここで、選択不可状態を表すように、EV priorityが非アクティブ表示されている。すなわち、第1の標識であるEV priorityが選択不可状態であることを示す第3の表示態様(例えば、黒色のEV priorityの文字と、ドット表示の背景)が、EV priority 121b3で表示されている。
【0045】
図14に示す選択状況表示部120の切替表示121には、アクティブ表示(選択状態)としてNormal 121a1が表示されている。又、選択可能表示(選択可能状態)としてEV priority 121b2が表示されている。ここで、選択不可状態を表すように、Save、Chargeが非アクティブ表示されている。すなわち、第2、第3の標識であるSave、Chargeが選択不可状態であることを示す第3の表示態様(例えば、黒色のSave及びChargeの文字と、それぞれドット表示の背景)が、Save 121c3、Charge 121d3で表示されている。
【0046】
図15に示す選択状況表示部120の切替表示121には、アクティブ表示(選択状態)としてNormal 121a1が表示されている。又、選択可能表示(選択可能状態)はされていない。ここで、バッテリ11の第1、第2、第3の運用モードが選択不可状態を表すように、EV priority、Save、Chargeが非アクティブ表示されている。すなわち、第1、第2、第3の標識であるEV priority、Save、Chargeが選択不可状態であることを示す第3の表示態様(例えば、黒色のEV priority、Save及びChargeの文字と、それぞれドット表示の背景)が、EV priority 121b3、Save 121c3、Charge 121d3で表示されている。
【0047】
図16に示す選択状況表示部120の切替表示121には、アクティブ表示(選択状態)としてEV priority 121b1が表示されている。又、選択可能表示(選択可能状態)としてNormal 121a2が表示されている。ここで、選択不可状態を表すように、Save、Chargeが非アクティブ表示されている。すなわち、第2、第3の標識であるSave、Chargeが選択不可状態であることを示す第3の表示態様(例えば、黒色のSave及びChargeの文字と、それぞれドット表示の背景)が、Save 121c3、Charge 121d3で表示されている。
【0048】
図17に示す選択状況表示部120の切替表示121には、アクティブ表示(選択状態)としてSave 121c1が表示されている。又、選択可能表示(選択可能状態)としてNormal 121a2、Charge 121d2が表示されている。ここで、選択不可状態を表すように、EV priorityが非アクティブ表示されている。すなわち、第1の標識であるEV priorityが選択不可状態であることを示す第3の表示態様(例えば、黒色のEV priorityの文字と、ドット表示の背景)が、EV priority 121b3で表示されている。
【0049】
図18に示す選択状況表示部120の切替表示121には、アクティブ表示(選択状態)としてCharge 121d1が表示されている。又、選択可能表示(選択可能状態)としてNormal 121a2、Save 121c2が表示されている。ここで、選択不可状態を表すように、EV priorityが非アクティブ表示されている。すなわち、第1の標識であるEV priorityが選択不可状態であることを示す第3の表示態様(例えば、黒色のEV priorityの文字と、ドット表示の背景)が、EV priority 121b3で表示されている。
【0050】
上述した
図9から
図18に示す選択状況表示部120の切替表示121において、Normal、EV priority、Save、Chargeの4つの運用モードは、アクティブ表示(選択状態)、選択可能表示(選択可能状態)、非アクティブ表示(選択不可状態)毎に、文字を除いて同様の表示態様で表示している。例えば、アクティブ表示(選択状態)は、黒色のNormal、EV priority、Save、Chargeの文字と、それぞれ白色の背景によって表示態様を構成している。しなしながら、Normal、EV priority、Save、Chargeの4つの運用モードは、互いに文字や背景の色、濃淡を変更させたり、点灯/点滅を切り替えたりすることによって異なる表示態様で表示してもよい。
【0051】
図19から
図24を参照して、
図13等の選択状況表示部120の切替表示121におけるアクティブ表示(選択状態)/選択可能表示(選択可能状態)/非アクティブ表示(選択不可状態)の少なくとも1つの表示に、その1つの表示に対する不可理由報知が加わった構成を説明する。
図19から
図24は、選択状況表示部120の切替表示121におけるアクティブ表示(選択状態)/選択可能表示(選択可能状態)/非アクティブ表示(選択不可状態)の少なくとも1つの表示と、その1つの表示に対する不可理由報知の表示例1から6を示す模式図である。
【0052】
図19に示す選択状況表示部120の切替表示121には、アクティブ表示(選択状態)としてEV priority 121b1が表示されている。ここで、EV priority 121b1を指し示すように、第1吹出表示部121e1(不可理由報知部)が表示されている。第1吹出表示部121e1は、いわゆる吹き出しによって構成され、EV priorityモードは、充電率が低いため実行できないと表示されている。第1吹出表示部121e1は、EV priority 121b1が選択されたときに表示される。表示される第1吹出表示部121e1は、例えば、選択されていない他の標識(例えば、Save、Charge)を隠すように、他の標識(例えば、Save、Charge)に重なる。尚、選択可能表示(選択可能状態)として、Normal 121a2が表示されている。第1吹出表示部121e1は、選択状況表示部120の領域範囲外に表示しても良い。
【0053】
図20に示す選択状況表示部120の切替表示121には、
図19の第1吹出表示部121e1に替えて、第2吹出表示部121e2が表示されている。第2吹出表示部121e2には、EV priorityモードは、車両10がクルーズコントロール制御されているため実行できないと表示されている。クルーズコントロール制御では、一定車速制御、又は他車追従制御によって車両10の速度、ひいては車両10の加減速を制御することから、比較的加速性を抑制されるEV priorityモードを実行不可に設定している。
【0054】
図21に示す選択状況表示部120の切替表示121には、
図19の第1吹出表示部121e1に替えて、第3吹出表示部121e3が表示されている。第3吹出表示部121e3には、EV priorityモードは、EVシステムが低温のため実行できないと表示されている。
【0055】
図22に示す選択状況表示部120の切替表示121には、
図19の第1吹出表示部121e1に替えて、第4吹出表示部121e4が表示されている。第4吹出表示部121e4には、単に、EV priorityモードは、実行できないと表示されている。
【0056】
図23に示す選択状況表示部120の切替表示121には、アクティブ表示(選択状態)としてSave 121c1が表示されている。ここで、Save 121c1を指し示すように、第5吹出表示部121e5が表示されている。第5吹出表示部121e5には、単に、Saveモードは、実行できないと表示されている。第5吹出表示部121e5は、Save 121c1が選択されたときに表示される。第5吹出表示部121e5は、例えば、選択されていない他の標識(Normal、EV priority)を隠すように表示されている。又、非アクティブ表示(選択不可状態)として、Charge 121d3が表示されている。第5吹出表示部121e5は、選択状況表示部120の領域範囲外に表示しても良い。
【0057】
図24に示す選択状況表示部120の切替表示121には、アクティブ表示(選択状態)としてCharge 121d1が表示されている。ここで、Charge 121d1を指し示すように、第6吹出表示部121e6が表示されている。第6吹出表示部121e6には、単に、Chargeモードは、実行できないと表示されている。第6吹出表示部121e6は、Charge 121d1が選択されたときに表示される。表示される第6吹出表示部121e6は、例えば、選択されていない他の標識(EV priority、Save)を隠すように表示されている。尚、選択可能表示(選択可能状態)としてNormal 121a2が表示されている。第6吹出表示部121e6は、選択状況表示部120の領域範囲外に表示しても良い。
【0058】
図25から
図28を参照して、選択状況表示部120の確定表示122における確定された運用モードの表示を説明する。
図25から
図28は、選択状況表示部120の確定表示122における確定された運用モードの表示例1から4を示す模式図である。
【0059】
図25に示す選択状況表示部120の確定表示122には、運用モードがNormalに確定された状態として、Normalの文字と、白色の背景で表された表示態様が表示されている。
図25に示す確定表示122は、例えば、
図9、
図13、
図14、
図15の切替表示121において選択されているNormalモードが確定した後に、その切替表示121から置き換わるようにして表示される。
【0060】
図26に示す選択状況表示部120の確定表示122には、運用モードがEV priorityに確定された状態として、EVの文字と、白色の背景で表された表示態様が表示されている。
図26に示す確定表示122は、例えば、
図10、
図16の切替表示121において選択されているEV priorityモードが確定した後に、その切替表示121から置き換わるようにして表示される。
【0061】
図27に示す選択状況表示部120の確定表示122には、運用モードがSaveに確定された状態として、複数の電池を搭載した自動車のイラストとSaveの文字とが上下に並んで表された表示態様が表示されている。
図27に示す確定表示122は、例えば、
図11、
図17の切替表示121において選択されているSaveモードが確定した後に、その切替表示121から置き換わるようにして表示される。
【0062】
図28に示す選択状況表示部120の確定表示122には、運用モードがChargeに確定された状態として、複数の電池を搭載した自動車のイラストとChargeの文字とが上下に並んで表された表示態様が表示されている。
図28に示す確定表示122は、例えば、
図12、
図18の切替表示121において選択されているChargeモードが確定した後に、その切替表示121から置き換わるようにして表示される。
【0063】
図29から
図33を参照して、選択状況表示部120の決定表示123におけるキャンセルされた運用モードの表示を説明する。
図29から
図33は、選択状況表示部120の決定表示123におけるキャンセルされた運用モードの表示例1から5を示す模式図である。
【0064】
図29に示す選択状況表示部120の決定表示123には、キャンセルが決定した運用モードが、EV priorityモードであることが表示されている。
図29の決定表示123では、斜め線が引かれたEVの文字と、キャンセルされた理由がSOCが低いことを説明した短文とが上下に並べられて構成された表示態様が表示されている。決定表示123において、斜め線が引かれたEVの文字は、キャンセルされた理由を説明した短文と比較して、例えば、大きく且つ上方に表示されている。
図29に示す決定表示123は、例えば、
図19の切替表示121において選択されているEV priorityモードのキャンセルが決定した後に、その切替表示121から置き換わるようにして表示される。
【0065】
図30に示す選択状況表示部120の決定表示123は、
図29に示す決定表示123と比較して、運用モードがキャンセルされた理由を説明した短文のみが異なる。
図30の決定表示123には、キャンセルされた理由として、車両10がクルーズコントロール制御されていることを説明した短文が表示されている。
図30に示す決定表示123は、例えば、
図20の切替表示121において選択されているEV priorityモードのキャンセルが決定した後に、その切替表示121から置き換わるようにして表示される。
【0066】
図31に示す選択状況表示部120の決定表示123は、
図29に示す決定表示123と比較して、運用モードがキャンセルされた理由を説明した短文のみが異なる。
図31の決定表示123には、キャンセルされた理由として、EVシステムが低温であることを説明した短文が表示されている。
図31に示す決定表示123は、例えば、
図21の切替表示121において選択されているEV priorityモードのキャンセルが決定した後に、表示される。
【0067】
図32に示す選択状況表示部120の決定表示123は、
図29に示す決定表示123と比較して、運用モードがキャンセルされた理由を説明した短文のみが異なる。
図32の決定表示123には、単に、EV priorityモードがキャンセルされたことを説明した短文が表示されている。
図32に示す決定表示123は、例えば、
図22の切替表示121において選択されているEV priorityモードのキャンセルが決定した後に、その切替表示121から置き換わるようにして表示される。
【0068】
図33に示す選択状況表示部120の決定表示123には、キャンセルが決定した運用モードが、Saveモード又はChargeモードであることが表示されている。
図33の決定表示123には、Saveモード又はChargeモードのキャンセルが決定した状態として、斜め線が引かれた複数の電池を搭載した自動車のイラストと、Saveモード又はChargeモードがキャンセルされたことを説明する短文とが上下に並べられて構成された表示態様が表示されている。
図33に示す決定表示123は、例えば、
図23の切替表示121において選択されているSaveモード、又は
図24の切替表示121において選択されているChargeモードのキャンセルが決定した後に、その切替表示121から置き換わるようにして表示される。
【0069】
図34を参照して、バッテリ11の運用モードの切り替え及び確定・決定に関する制御を説明する。
図34は、バッテリ11の運用モードの切り替え及び確定・決定に関する制御を示すフローチャートである。
【0070】
先ず、ステップ1(S01)において、選択状況表示部120の切替表示121に、例えばNormalモード、EV priorityモード、Saveモード、又はChargeモードの各々の運用モードに対応した表示態様が表示される。次に、ステップ2(S02)において、乗員が、バッテリモードスイッチ200を操作することによって、切替表示121に表示されている複数の運用モードのなかから、任意の運用モードが選択される。次に、ステップ3(S03)において、ステップ2(S02)と同期して、乗員が選択した任意の運用モードが、その表示態様を異ならせて切替表示121に表示される。次に、ステップ4(S04)において、乗員がバッテリモードスイッチ200を操作した後に所定時間経過すると(Yes)、ステップ5(S05)に進み、乗員が直前に選択した運用モードが確定又は決定されて、その確定・決定された運用モードに対応する表示態様が確定表示122又は決定表示123に表示される。一方、ステップ4(S04)において、乗員がバッテリモードスイッチ200を操作する時間の間隔が所定時間よりも短い、つまり乗員が操作してから所定時間経過する前に乗員が再びバッテリモードスイッチ200を操作すると(No)、ステップ2(S02)に戻る。
【0071】
図35を参照して、バッテリ運用モード表示装置1の制御及び表示に係る第1例を説明する。
図35は、バッテリ運用モード表示装置1の制御及び表示に係る第1例を示すタイムチャートである。
【0072】
図35に示す第1例では、乗員が、バッテリモードスイッチ200の操作を繰り返すことによって、任意の運用モードを選択した後、その運用モードが確定する例を示している。特に、第1例では、乗員は、バッテリモードスイッチ200を操作することによって表示されたEV priorityモードを一度パスした後、再びバッテリモードスイッチ200を複数回操作することによって表示されたEV priorityモードを選択する例を示している。
【0073】
バッテリモードスイッチ200を乗員が操作することによって、バッテリモードカーソル状態が、EV(EV priority)、Save、Charge、Normal、EVと遷移する。すなわち、選択状況表示部120においてカーソル選択されるバッテリ11の運用モードが、デフォルト表示であるNormalモードから、切替表示121Fに示すEV priorityモード、切替表示121Gに示すSaveモード、切替表示121Hに示すChargeモード、切替表示121Jに示すNormalモード、及び切替表示121Kに示すEV priorityモードの順で切り替わる。これは、乗員がバッテリモードスイッチ200を操作する間隔が、バッテリモードカウンタ335で設定された所定時間2000[msec]である2秒よりも短いからである。所定時間は、例えば2秒に設定しているが、2秒よりも短くてもよいし長くてもよい。切替表示121が切り替わるごとに、バッテリモードカウンタ335がリセットされる。
【0074】
切替表示121Kに示すEV priorityモードの状態で、乗員がバッテリモードスイッチ200の操作を止めて2秒経過すると、切替表示121Kが確定表示122Kに切り替わる。確定表示122Kには、EV(EV priority)と表示されている。確定表示122Kは、所定時間が経過した後、無表示の確定表示122Lに切り替わる。常時表示部110では、確定表示122Kが表示されてからIG電源がOFFされるまでの間、EV(EV priority)の表示態様が表示されている。IG電源がOFFされると、切替表示121及び確定表示領域に表示されるバッテリ11の運用モードに関する表示態様はリセットされる。
【0075】
図36を参照して、バッテリ運用モード表示装置1の制御及び表示に係る第2例を説明する。
図36は、バッテリ運用モード表示装置1の制御及び表示に係る第2例を示すタイムチャートである。
【0076】
図36に示す第2例では、EV priorityモードの運用モード中に、EV priorityモードの運用モードのキャンセル条件が成立した後、決定表示123Mにその旨を表示しつつ、Normalモードの運用モードに自動的に遷移する例を示している。
【0077】
EV priorityモードは、例えば、バッテリ11の充電率が所定値未満となった場合に、エンジン13を始動させてバッテリ11を充電するためキャンセルされ、Normalモードに遷移する。又、EV priorityモードは、乗員がアクセルを踏み込んで急加速を図った場合に、エンジン13を始動させて駆動力を確保するためにキャンセルされ、Normalモードに遷移する。特定のモード制御中に、キャンセル条件が成立した場合は、そのモードのキャンセル表示要求をモード表示部100が受信する。モード表示部100のモード表示状態は、NO DISP(非表示)になる。すなわち、決定表示123Mにおいてバッテリ11の充電率が低い旨が表示されたあと、確定表示122Lにおいて無表示の状態となる。
【0078】
図37を参照して、バッテリ運用モード表示装置1の制御及び表示に係る第3例を説明する。
図37は、バッテリ運用モード表示装置1の制御及び表示に係る第3例を示すタイムチャートである。
【0079】
図37に示す第3例では、切替表示121において、選択不可のバッテリ11の運用モードの表示をグレーアウト(図中においてはドット表示の背景で表示)して乗員に報知する例を示している。
【0080】
選択状況表示部120において、EV priorityモードがグレーアウトされChargeモードが選択されている切替表示121Lは、バッテリモードスイッチ200を乗員が一度操作することによって、Normalモードが選択された切替表示121Mに切り替わる。切替表示121Mの状態から、バッテリモードスイッチ200を乗員が一度操作することによって、EV priorityモードが選択された切替表示121Nに切り替わる。切替表示121Nには、EV priorityモードを指し示す吹き出しにバッテリ11の充電率が低いため実行不可と表示される。その後、切替表示121Nは、無表示の確定表示122Lに切り替わる。ここで、実施形態の第3例では、車両10において、最初に選択されているバッテリモードは、Saveモードである。この状態で、乗員がバッテリモードスイッチ200を複数回押下して、EV priorityモードの選択が拒否された場合、最初に選択されていたSaveバッテリが維持され、無表示の確定表示122Lの後、乗員がバッテリモードスイッチ200を乗員が1回押下すると、Chargeモードの切替表示121Pが表示される。勿論、乗員がバッテリモードスイッチ200を複数回押下して、EV priorityモードの選択が拒否された場合、Normalモードに戻すように構成してもよい。その後、バッテリ11の運用モードが、乗員の選択によって、Chargeモードが選択された切替表示121Pに切り替わる。切替表示121Pは、チャージモード遷移禁止条件が成立すると「CHG(Charge)及びSaveモードがキャンセルされているため実行できないと表示された決定表示123Pに切り替わる。ここで、Saveモードがキャンセルされると、自動的にNormalモードに遷移する構成としている。実施形態の第3例では、ユーザビリティの観点から、Saveモードのキャンセル表示とNormalモードの確定表示122を同時に表示することなく、より優先して乗員に報知したいキャンセルの理由を表示している。但し、実施形態の第3例では、SaveモードがキャンセルされてNormalモードに自動的に遷移されたのか、乗員の意思でNormalモードに遷移されたのかを判断せずに、NO DISPに遷移させる構成としている。勿論、乗員は、NO DISPであってもNormalモードが選択されていると認識しているため、この状態でバッテリモードスイッチ200を押下すると、Normalをスキップして、EV Priorityに遷移される。その後、選択されたEV priorityモードがバッテリ11の充電率が低いため実行不可と表示された切替表示121Q、選択されたSaveモードが実行できないと表示され且つChargeモードがグレーアウト表示された切替表示121R、選択されたChargeモードが実行できないと表示された切替表示121Sの順で表示が切り替わる。
【0081】
第3例では、上記のようにグレーアウト表示されるバッテリ11の運用モードは、車両10の走行中の状態の変化に伴い、選択不可の運用モードが随時変わることを示している。更に、選択可能のバッテリ11の運用モードを選択した後に、その運用モードが実行不可となる場合もある。このように、第3例では、選択が確定する前に実行不可となったバッテリ11の運用モード、及び選択が確定した後に実行不可となったバッテリ11の運用モードを、モード表示部100に随時表示して、乗員に報知する。
【0082】
図38を参照して、バッテリ運用モード表示装置1の制御及び表示に係る第4例を説明する。
図38は、バッテリ運用モード表示装置1の制御及び表示に係る第4例を示すタイムチャートである。
【0083】
制御の第4例では、EV priorityモード中に、エンジンが始動した場合に、常時表示部110の表示態様を常にグレーアウトする例を示している。
【0084】
バッテリの温度が所定値以上である場合、バッテリの充電率が所定値未満である場合、ドライバがアクセルを踏み込んで急加速を図った場合等に、ドライバの選択したバッテリの運用モードによらず、エンジンが強制的に始動する。この場合、常時表示部110において、グレーアウト表示の「EV」が表示される。ここで、バッテリモード表示状態及び常時表示がChargeモードを示している場合、車両10の制御状態はChargeモードである。一方、バッテリモードカーソル状態は、乗員がこれから選択しようとしているEV priorityモードを示している。
【0085】
バッテリ運用モード表示装置1の構成に基づく作用効果を説明する。
【0086】
バッテリ運用モード表示装置1は、バッテリ11から電動モータ12への放電と発電機14からバッテリ11への充電を制御する複数のバッテリ運用モードを表示するモード表示部100を備えている。モード表示部100は、エンジン13の駆動許可範囲毎に識別された複数のバッテリ運用モードのうち、第1のエンジン駆動許可範囲で識別された第1のバッテリ運用モード(EV priority)に対応する第1のモード標識(EV priority)と、第1のエンジン駆動許可範囲より広い第2のエンジン駆動許可範囲で識別された第2のバッテリ運用モード(Saveモード)に対応する第2のモード標識(Save)と、第2のエンジン駆動許可範囲より広い第3のエンジン駆動許可範囲で識別された第3のバッテリ運用モード(Charge)に対応する第3のモード標識(Charge)と、をエンジン13の駆動許可範囲に従って順番に表示する。このような構成によれば、乗員は、モード表示部100を視認するだけで、バッテリ運用モードの選択状況をエンジン13の駆動許可範囲を基準にして把握することができる。このため、バッテリ運用モード表示装置1は、バッテリ11と、電動モータ12と、エンジン13と、発電機14と、を具備する車両10において、乗員によるバッテリ運用モードの選択状況の理解を容易にすることができる。
【0087】
実施形態のバッテリ運用モード表示装置1によれば、
図2に示すように、選択状況表示部120は、複数のバッテリ運用モード(例えば、Normal、EV priority、Save、Charge)にそれぞれ対応したモード標識を並べて表示する。バッテリモードスイッチ200は、選択状況表示部120のモード標識の並び順に従って順番に複数のバッテリ運用モードを選択する。このような構成によれば、乗員は、並べられた複数のバッテリ運用モードを同時に視認しながら、1つのスイッチであるバッテリモードスイッチ200を用いて、エンジン13の駆動許可範囲に従って順番にバッテリ運用モードを選択することができ複数のバッテリ運用モードにそれぞれ対応した複数のスイッチを設けるような他の機械式の操作形態に対しよりシンプルなスイッチレイアウトが実現可能となる。また、並び順をバッテリ運用モードのエンジン作動のし難さ、またはし易さ、或いはエンジン作動で制御するバッテリ充電率の目標値の順に並べた場合は、バッテリ運用モードを感覚的に識別でき選択の判断をより容易にすることができる。
【0088】
実施形態のバッテリ運用モード表示装置1によれば、
図2に示すように、車両10の状況に応じて、複数のバッテリ運用モードのそれぞれの選択可否を判定する選択可否判定部340を備えている。選択状況表示部120は、複数のバッテリ運用モードにそれぞれ対応したモード標識を並べて表示すると共に、選択可否判定部340によって選択可と判定され選択可能表示(選択可能状態)になっているバッテリ運用モードを、アクティブ表示(選択状態)になっているバッテリ運用モードとは異なる表示態様で表示する。モード表示部100は、バッテリモードスイッチ200よって選択された一のモード標識を、他のモード標識と識別可能な表示態様で表示する。このような構成によれば、乗員は、バッテリ運用モードが、アクティブ表示(選択状態)又は選択可能表示(選択可能状態)のいずれであるかを容易に視認することができる。
【0089】
実施形態のバッテリ運用モード表示装置1によれば、例えば
図13に示すように、選択状況表示部120は、選択可否判定部340によって選択不可と判定されEV priority 121b3を、第1のバッテリ運用モード及び第2のバッテリ運用モードとは異なる表示態様、すなわち非アクティブ表示(選択不可状態)で表示する。モード表示部100は、選択可否判定部340によって選択不可と判定されたバッテリ運用モードを他のモード標識と識別可能な異なる表示態様で表示する。このような構成によれば、乗員が、選択不可のバッテリ運用モードを容易に視認することができる。
【0090】
実施形態のバッテリ運用モード表示装置1によれば、例えば
図19に示すように、選択可否判定部340によって選択不可と判定されたEV priorityモードの不可理由を報知する第1吹出表示部(不可理由報知部)121e1を備えている。モード表示部100は、選択可否判定部340によって選択不可と判定されたバッテリ運用モードの不可理由を表示する。このような構成によれば、乗員が、バッテリ運用モードの選択不可の理由を容易に知ることができる。不可理由報知部は、切替表示121以外の領域に表示させてもよい。不可理由報知部の構成は、吹出表示部121eを用いた視覚に基づく表示に限定されず、例えば、音声による報知であってもよい。
【0091】
実施形態のバッテリ運用モード表示装置1によれば、例えば
図19に示すように、第1吹出表示部121e1は、選択状況表示部120に重ねて表示され、選択状況表示部120に並べて表示されたモード標識の一部を隠す。モード表示部100は、不可理由の表示を、モード標識の一部を隠すよう重ねて表示する。すなわち、第1吹出表示部121e1は、指し示していないバッテリ11の運用モードの標識を隠すように上から重ねて表示している。このような構成によれば、例えば、選択状況表示部120の表示スペースを小さく構成することができる。一方、吹出表示部は、例えば選択状況表示部120の表示スペースに余裕が有れば、指し示していないバッテリ11の運用モードの標識を、全く覆わないようにして表示したり、部分的に隠すようにして表示したりしてもよい。又、吹出表示部は、実行不可のバッテリ運用モードを指し示していることから、単に、実行できないとだけ表示して、どのバッテリ運用モードが実行できないかに関する表示を省略することによって、選択状況表示部120の表示スペースを小さく構成することもできる。
【0092】
実施形態のバッテリ運用モード表示装置1は、例えば
図26に示すように、確定された第1のバッテリ運用モードに相当するEV priorityモードを車両10の乗員に報知する確定表示(確定報知部)122を備えている。このような構成によれば、乗員が確定されたバッテリ運用モードを容易に知ることができる。確定報知部の構成は、確定表示122を用いた視覚に基づく表示に限定されず、例えば、音声による報知であってもよい。
【0093】
実施形態のバッテリ運用モード表示装置1によれば、
図2に示すように、バッテリモードスイッチ200でのバッテリ運用モードの選択後、第3のバッテリ運用モードを決定するバッテリモード選択可否決定部(決定部)341、342と、決定された第3のバッテリ運用モードを車両10の乗員に報知する決定報知部とを備えている。このような構成によれば、乗員が、自らが選択したバッテリ運用モードが選択不可であることを十分に認識することができる。決定報知部の構成は、確定表示122同様視覚に基づく表示に限定されず、例えば、音声による報知であってもよい。
【0094】
実施形態のバッテリ運用モード表示装置1によれば、
図2に示すように、確定された第1のバッテリ運用モードに対応するモード標識を、第1のバッテリ運用モードの期間中は常時表示する常時表示部110を備えている。モード表示部100は、バッテリモードスイッチ200よって選択された後に確定されたバッテリ運用モードに対応するモード標識を、バッテリ運用期間中に、常時表示する。このような構成によれば、乗員が、現在のバッテリ運用モードをいつでも確認することができる。常時表示部110に換えて、選択状況表示部120の確定表示122を、乗員がバッテリモードスイッチ200を次に操作するまで常時表示する構成としてもよい。
【0095】
実施形態のバッテリ運用モード表示装置1によれば、
図3に示すように、常時表示部110は、選択状況表示部120とは異なる位置に備えられている。モード表示部100は、常時表示部110の確定されたモード標識を、選択状況表示部120の複数のモード標識の並びとは異なる位置に表示する。このような構成によれば、多くの情報が報知された選択状況表示部120に依存することなく、乗員は、確定された現在のバッテリ運用モードを容易に知ることができる。
【0096】
実施形態のバッテリ運用モード表示装置1によれば、モード表示部100は、エンジン13の駆動許可範囲の狭い順に各々のモード標識を並べて表示する。例えば、EV priority、Save、Chargeの順に並べる。このような構成によれば、エンジン13駆動を制限すると共に、バッテリ11に蓄えられた電力又は回生電力を使用して、車両10を走行させることができる。各々のモード標識を駆動許可範囲が狭い順になるように並べて表示することで、例えば、乗員に第3のバッテリ運用モードを選択する意思が有ったが、乗員がバッテリ運用モードを順次選択する途中に意図することなく第1のバッテリ運用モードに相当するEV priorityモードを選択してしまった場合でも、エンジン13の意図しない始動を生じ難くさせることができる。
【0097】
実施形態のバッテリ運用モード表示装置1によれば、エンジン13の駆動許可範囲は、バッテリ11の充電率に基づいて定められる。このような構成によれば、バッテリ運用モードによらず、バッテリ11の電力を用いてエンジン13を安定的に始動させることができる。
【0098】
本発明を実施するに当たり、上記の実施形態は、一例であり、具体的な態様を種々に変更して実施できる。
【0099】
本出願は、2020年1月15日出願の日本特許出願(特願2020-004535)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明のバッテリ運用モード表示装置は、バッテリと、電動モータと、エンジンと、発電機と、を具備する車両の乗員によるバッテリ運用モードの選択状況の理解の向上に有用である。
【符号の説明】
【0101】
1…バッテリ運用モード表示装置
10…車両
11…バッテリ
12…電動モータ
13…エンジン
14…発電機
21…マルチディスプレイ
100…表示部
110…常時表示部
120…選択状況表示部
121…切替表示
121a、121a1、121a2…Normal
121b、121b1、121b2、121b3…EV priority
121c、121c1、121c2、121c3…Save
121d、121d1、121d2、121d3…Charge
122…確定表示
123…決定表示
200…バッテリモードスイッチ(入力部)
300…制御部
310…バッテリモード表示判定部
320…車両状態判定部
330…バッテリモード判定確定部
335…バッテリモードカウンタ
340…選択可否判定部
341…第1選択可否決定部
342…第2選択可否決定部