(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-07
(45)【発行日】2023-08-16
(54)【発明の名称】パラメータ最適化方法、装置、基地局、サーバ、及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H04W 24/02 20090101AFI20230808BHJP
H04W 28/04 20090101ALI20230808BHJP
【FI】
H04W24/02
H04W28/04 110
(21)【出願番号】P 2021576802
(86)(22)【出願日】2020-06-09
(86)【国際出願番号】 CN2020095116
(87)【国際公開番号】W WO2020259277
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2021-12-28
(31)【優先権主張番号】201910563855.8
(32)【優先日】2019-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100199819
【氏名又は名称】大行 尚哉
(74)【代理人】
【識別番号】100087859
【氏名又は名称】渡辺 秀治
(72)【発明者】
【氏名】シュァン シォゥ パァン
(72)【発明者】
【氏名】郭鋒
(72)【発明者】
【氏名】陳飛
【審査官】伊東 和重
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0115392(US,A1)
【文献】特開2012-209613(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局のシステム稼働ログを収集することと、
前記システム稼働ログに応じて前記基地局の目標無線パラメータを最適化することと、
を含み、
前記目標無線パラメータは、リオーダリングタイマの持続時間、ポーリング再送タイマの持続時間のうちの少なくとも一つを含み、
前記リオーダリングタイマの持続時間に関する指標データは、順番の狂いメッセージの到着する持続時間、メッセージ繰り返し受信回数のうちの少なくとも一つを含み、
前記ポーリング再送タイマの持続時間に関する指標データは、ポーリング送信とステータスレポート返信に用いる時間、ステータスレポート繰り返し受信回数のうちの少なくとも一つを含み、
前記システム稼働ログに応じて前記基地局の目標無線パラメータを最適化することは、
前記システム稼働ログから各カバレッジレベルのトラフィックフロー情報を抽出することと、
前記各カバレッジレベルのトラフィックフロー情報に基づいて、前記基地局の各カバレッジレベルに対応する目標無線パラメータを最適化することと、を含む、
ことを特徴とするパラメータ最適化方法。
【請求項2】
前記パラメータ最適化方法は、モノのインターネットIoT、ロングタームエボリューションLTEベースの無線ネットワーク、GSMベースの無線ネットワーク、符号分割多元接続CDMAベースの無線ネットワーク、第5世代移動体通信技術による無線ネットワークのうちの少なくとも一種の無線ネットワークに適用され、前記モノのインターネットIoTは、狭帯域モノのインターネットNB-IoTが含まれる、
ことを特徴とする請求項1に記載のパラメータ最適化方法。
【請求項3】
前記システム稼働ログに応じて前記基地局の目標無線パラメータを最適化することは、
さらに、
前記
各カバレッジレベルのトラフィックフロー情報から、前記目標無線パラメータに関する指標データを抽出すること
を含み、
前記各カバレッジレベルのトラフィックフロー情報に基づいて、前記基地局の各カバレッジレベルに対応する目標無線パラメータを最適化することは、
各カバレッジレベルの前記目標無線パラメータに関する指標データに基づいて、前記基地局の
各カバレッジレベルに対応する目標無線パラメータを最適化することと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のパラメータ最適化方法。
【請求項4】
各カバレッジレベルの前記目標無線パラメータに関する指標データに基づいて、前記基地局の
各カバレッジレベルに対応する目標無線パラメータを最適化することは、
前記各カバレッジレベルの前記目標無線パラメータに関する指標データと、予め設定された当該指標データの限定値とに基づいて、前記基地局の
各カバレッジレベルに対応する目標無線パラメータを最適化することを含む、
ことを特徴とする請求項3に記載のパラメータ最適化方法。
【請求項5】
前記目標無線パラメータは、エアインターフェースの繰り返し回数をさらに含み、
前記エアインターフェースの繰り返し回数に関する指標データは、誤り率を含む、
ことを特徴とする請求項3に記載のパラメータ最適化方法。
【請求項6】
各カバレッジレベルの前記目標無線パラメータに関する指標データに基づいて、前記基地局の
各カバレッジレベルに対応する目標無線パラメータを最適化することは、
前記各カバレッジレベルの前記目標無線パラメータに関する指標データが当該指標データのプリセット範囲にあるときには、前記
各カバレッジレベルに対応する目標無線パラメータを保持することと、
前記各カバレッジレベルの前記目標無線パラメータに関する指標データが当該指標データのプリセット範囲を超える場合に、前記
各カバレッジレベルに対応する目標無線パラメータを最適化することと、を含む、
ことを特徴とする請求項3に記載のパラメータ最適化方法。
【請求項7】
各カバレッジレベルの前記目標無線パラメータに関する指標データに基づいて、前記基地局の
各カバレッジレベルに対応する目標無線パラメータを最適化することは、
今回取得した
各カバレッジレベルの前記目標無線パラメータに関する指標データと、以前に取得した
各カバレッジレベルの前記目標無線パラメータに関する指標データとに基づいて、
各カバレッジレベルの指標データの変化傾向を決定し、前記
各カバレッジレベルの指標データの変化傾向に応じて前記基地局の
各カバレッジレベルに対応する目標無線パラメータを最適化することを含む、
ことを特徴とする請求項3に記載のパラメータ最適化方法。
【請求項8】
前記システム稼働ログに応じて前記基地局の目標無線パラメータを最適化した後に、さらに、
予め設定された時間帯が経過した後、前記基地局のシステム稼働ログを再収集することと、
再収集したシステム稼働ログに応じて前記基地局の目標無線パラメータを最適化し、それをループすることと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のパラメータ最適化方法。
【請求項9】
基地局のシステム稼働ログを収集するための収集モジュールと、
前記システム稼働ログ
から各カバレッジレベルのトラフィックフロー情報を抽出し、前記各カバレッジレベルのトラフィックフロー情報に基づいて、前記基地局の目標無線パラメータを最適化するための最適化モジュールと、を備
え、
前記目標無線パラメータは、リオーダリングタイマの持続時間、ポーリング再送タイマの持続時間のうちの少なくとも一つを含み、
前記リオーダリングタイマの持続時間に関する指標データは、順番の狂いメッセージの到着する持続時間、メッセージ繰り返し受信回数のうちの少なくとも一つを含み、
前記ポーリング再送タイマの持続時間に関する指標データは、ポーリング送信とステータスレポート返信に用いる時間、ステータスレポート繰り返し受信回数のうちの少なくとも一つを含む、
ことを特徴とするパラメータ最適化装置。
【請求項10】
前記パラメータ最適化装置は、基地局またはサーバである、
ことを特徴とする請求項
9に記載のパラメータ最適化装置。
【請求項11】
第1プロセッサ、第1メモリ、及び第1通信バスを備え、
前記第1通信バスは、第1プロセッサと第1メモリとの間の接続及び通信を実現するためのものであり、
前記第1プロセッサは、請求項1~
8のいずれかに記載のパラメータ最適化方法のステップを実現するように、前記第1メモリに記憶された一つ又は複数のコンピュータプログラムを実行する、
ことを特徴とする基地局。
【請求項12】
第2プロセッサ、第2メモリ、及び第2通信バスを備え、
前記第2通信バスは、第2プロセッサと第2メモリとの間の接続及び通信を実現するためのものであり、
前記第2プロセッサは、請求項1~
8のいずれかに記載のパラメータ最適化方法のステップを実現するように、前記第2メモリに記憶された一つ又は複数のコンピュータプログラムを実行する、
ことを特徴とするサーバ。
【請求項13】
請求項1~
8のいずれかに記載のパラメータ最適化方法のステップを実現するように、一つ又は複数のプロセッサにより実行可能な一つ又は複数のコンピュータプログラムを記憶した、
ことを特徴とする記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、出願番号が201910563855.8であり、出願日が2019年6月26日である中国特許出願に基づいて提出され、この中国特許出願についての優先権を主張するものであり、この中国特許出願の開示全体は、援用により本願に組み込まれるものとする。
【技術分野】
【0002】
本願は、無線通信の分野に関するが、これに限らず、具体的には、パラメータ最適化方法、装置、基地局、サーバ、及び記憶媒体に関するが、これらに限らない。
【背景技術】
【0003】
通信技術の絶えず発展に伴い、情報伝送速度がますます速くなり、データスループットレートがますます大きくなり、ユーザーに利便性を提供している。
【0004】
異なるネットワーク環境に対応するためには、現在のネットワーク状態に応じて無線通信中の無線パラメータをタイムリーに最適化して通信品質を確保する必要がある。しかしながら、関連技術では、KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)データに基づいて無線パラメータを最適化する過程においては、一般的に大きなレイテンシ(時間遅延)があり、ネットワーク状態に応じて無線パラメータを早期に最適化することができず、ネットワークの輻輳、ビット誤り率の増加、データスループットレートの低下などの一連の問題を招き、通信品質が低下してしまう。
【発明の概要】
【0005】
本願の実施例は、パラメータ最適化方法、装置、基地局、サーバ及び記憶媒体を提供する。
【0006】
上記課題を解決するために、本願の実施例は、基地局のシステム稼働ログを収集することと、前記システム稼働ログに応じて前記基地局の目標無線パラメータを最適化することと、を含むパラメータ最適化方法を提供する。
【0007】
本願の実施例は、さらに、基地局のシステム稼働ログを収集するための収集モジュールと、前記システム稼働ログに応じて前記基地局の目標無線パラメータを最適化するための最適化モジュールと、を備えるパラメータ最適化装置を提供する。
【0008】
本願の実施例は、さらに基地局を提供し、当該基地局は、第1プロセッサ、第1メモリ、及び第1通信バスを備え、前記第1通信バスは、第1プロセッサと第1メモリとの間の接続及び通信を実現するためのものであり、前記第1プロセッサは、前記パラメータ最適化方法のステップを実現するように、前記第1メモリに記憶された一つ又は複数のコンピュータプログラムを実行する。
【0009】
本願の実施例は、さらにサーバを提供し、当該サーバは、第2プロセッサ、第2メモリ、および第2通信バスを備え、前記第2通信バスは、第2プロセッサと第2メモリとの間の接続及び通信を実現するためのものであり、前記第2プロセッサは、前記パラメータ最適化方法のステップを実現するように、前記第2メモリに記憶された一つ又は複数のコンピュータプログラムを実行する。
【0010】
本願の実施例は、前記パラメータ最適化方法のステップを実現するように、一つ又は複数のプロセッサにより実行可能な一つ又は複数のコンピュータプログラムを記憶した記憶媒体をさらに提供する。
【0011】
本願の他の特徴及び対応する有益な効果は、明細書の後ろの部分において説明されており、少なくとも一部の有益な効果が本願明細書における記載から明らかになることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本願の実施例1におけるパラメータ最適化方法のフローチャートである。
【
図2】
図2は、本願の実施例1における指標データに基づくパラメータ最適化フローチヤ一卜である。
【
図3】
図3は、本願の実施例2におけるパラメータ最適化方法のフローチャートである。
【
図4】
図4は、本願の実施例2におけるリオーダリングタイマの持続時間を最適化するフローチヤ一卜である。
【
図5】
図5は、本願の実施例3におけるパラメータ最適化方法のフローチャートである。
【
図6】
図6は、本願の実施例3におけるポーリング再送タイマーの持続時間を最適化するフローチャートである。
【
図7】
図7は、本願の実施例4におけるパラメータ最適化装置の構成を示す図である。
【
図8】
図8は、本願の実施例5における基地局の構成を示す図である。
【
図9】
図9は、本願の実施例5におけるサーバの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本願の目的、技術案および利点をより明らかにするために、以下、添付図面と併せて具体的な実施形態を通じて本願実施例をさらに詳細に説明する。なお、ここで説明される具体的な実施例は、あくまでも本願を解釈するためのものであり、本願を限定するものではないと理解される。
【0014】
<実施例1>
関連技術では、現在のネットワーク状態に応じて無線パラメータを最適化する際に、セルKPIデータを収集し、セルKPIデータに基づいて無線パラメータを最適化することが一般的である。しかしながら、KPIデータの収集は、大きな遅延性を有する上に、運用及び保守担当者の介入が必要であるため、無線パラメータの最適化に大きなレイテンシ(時間遅延)があり、無線パラメータを迅速に調整できず、ビジネスシナリオの変化や無線環境の変化などの状況下では、ビット誤り率の増加、データスループットの低下、消費電力の増加、ネットワークの輻輳などの問題が発生しやすく、通信品質が低下する。この問題を解決するために、本願の実施例は一種のパラメータ最適化方法を提供し、
図1に示すように、以下のステップを含む。
【0015】
S101:基地局のシステム稼働ログを収集する。
【0016】
本願の実施例において、システム稼働ログは、基地局の動作中に生成される稼働ログであり、システム稼働ログには、トラフィックフロー情報などが含まれる。
【0017】
S102:システム稼働ログに応じて基地局の目標無線パラメータを最適化する。
【0018】
本願の実施例では、収集したシステム稼働ログに応じて、基地局の目標無線パラメータを最適化し、そのうち、目標無線パラメータは、基地局のいかなる無線パラメータであってもよく、例えば、基地局が端末に送信する関連制御パラメータであってもよい。例えば、目標無線パラメータは、エアインターフェースの繰り返し回数、リオーダリングタイマ(Reordering Timer)の持続時間(時間長さ)、ポーリング再送タイマ(Polling retransmission timer)の持続時間などの無線通信パラメータのうちの少なくとも一種であってもよい。エアインターフェースの繰り返し回数については、データが繰り返し送信される回数であり、エアインターフェースの繰り返し回数が多いほど、カバリングパワーが強いと理解される。リオーダリングタイマの持続時間については、2HARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest:ハイブリッド自動再送要求)では、二つのパスのエアインターフェイス環境の不一致により、RLC(Radio Link Control:無線リンク層制御プロトコル)レイヤへ到着したメッセージが順番の狂いものである、又はメッセージロスがある可能性があるため、リオーダリングタイマを導入し、順番の狂いメッセージ(Out of sequence message)が到着するのを待って、不必要な再送のトリガとなるステータスレポートを削減する。ポーリング再送タイマの持続時間については、送信側がポーリング要求を送信した後、一つの再送タイマをセットし、ポーリング再送タイマーの持続時間を超えても受信側のステータスレポートを受信しなければ、ポーリング要求の再送が必要になり、タイマがタイムアウトしないうちに、送信側が受信側からの該当ステータスレポートを受信すると、Ack(Acknowledgement:肯定応答)またはNack(Negative Acknowledgement:否定応答)を問わず、受信側がそのポーリング要求を受信したことを示しており、このとき、再送タイマをオフする。
【0019】
本願の実施例において、いくつかの無線ネットワークがカバレッジレベルの異なる端末をサポートし、カバレッジレベルの異なる端末については、対応する通信要求が異なる。したがって、システム稼働ログに応じて基地局の目標無線パラメータを最適化する際に、システム稼働ログから各カバレッジレベルのトラフィックフロー情報を抽出し、各カバレッジレベルのトラフィックフロー情報に基づいて、基地局の各カバレッジレベルに対応する目標無線パラメータを最適化することができる。すなわち、本願の実施例において、異なるカバレッジレベルは、対応する無線パラメータが異なっていてもよく、各カバレッジレベルの目標無線パラメータを最適化する際に、システム稼働ログにおける各カバレッジレベルのトラフィックフロー情報のそれぞれに基づいて、各カバレッジレベルの目標無線パラメータを最適化してもよい。例えば、NB-IoT(Narrow Band Internet of Things:狭帯域モノのインターネット)は、カバレッジレベル0、カバレッジレベル1、カバレッジレベル2の三つのカバレッジレベルの端末をサポートしており、カバレッジレベル0のエアインターフェースの繰り返し回数は、カバレッジレベル0のトラフィックフロー情報に基づいて最適化され、カバレッジレベル1のエアインターフェースの繰り返し回数は、カバレッジレベル1のトラフィックフロー情報に基づいて最適化され、カバレッジレベル2のエアインターフェースの繰り返し回数は、カバレッジレベル2のトラフィックフロー情報に基づいて最適化される。
【0020】
本願の実施例において、システム稼働ログに応じて基地局の目標無線パラメータを最適化する場合には、
図2に示すように、以下のステップを含み得る。
【0021】
S201:システム稼働ログにおけるトラフィックフロー情報から、目標無線パラメータに関する指標データを抽出する。
【0022】
本願の実施例において、システム稼働ログにはトラフィックフロー情報が含まれ、トラフィックフロー情報には、目標送信に関する指標データが含まれる。そのうち、目標送信に関する指標データは、目標無線パラメータの影響を受けるデータであってもよい。例えば、エアインターフェースの繰り返し回数に関する指標データは、エアインターフェースの繰り返し回数の影響を受ける誤り率などを含む。リオーダリングタイマの持続時間に関する指標データは、順番の狂いメッセージの到着する持続時間(時間長さ)、メッセージ繰り返し受信回数などのパラメータのうちの少なくとも一つを含む。ポーリング再送タイマの持続時間に関する指標データは、ポーリング送信とステータスレポート返信に用いる時間、ステータスレポート繰り返し受信回数などのパラメータのうちの少なくとも一つを含む。
【0023】
S202:目標無線パラメータに関する指標データに基づいて、基地局の目標無線パラメータを最適化する。
【0024】
本願の実施例において、各指標データの限定値を予め設定しておき、目標無線パラメータに関する指標データに基づいて基地局の目標無線パラメータを最適化する際に、システム稼働ログにおける目標無線パラメータに関する指標データおよび当該指標データに対応する限定値に基づいて、基地局の無線目標パラメータを最適化してもよい。そのうち、システム稼働ログにおける目標無線パラメータに関する指標データ及び当該指標データに対応する限定値に基づいて目標無線パラメータ値が少し高くなってしまうと判定された場合には、目標無線パラメータの値を下げ、システム稼働ログにおける目標無線パラメータに関する指標データ及び当該指標データに対応する限定値に基づいて、目標無線パラメータ値が少し低くなってしまうと判定された場合には、目標無線パラメータの値を上げる。例えば、目標無線パラメータがエアインターフェースの繰り返し回数であるとし、エアインターフェースの繰り返し回数に関する指標データが誤り率であり、誤り率最大限定値が予め設定されており、システム稼働ログにおける誤り率が誤り率最大限定値よりも低いと、現在の誤り率が低く、通信ニーズを満たしていることを示すので、エアインターフェースの繰り返し回数が少し高くなってしまうと判定し、エアインターフェースの繰り返し回数を減少する。システム稼働ログにおける誤り率が誤り率最大限定値よりも高いと、現在の誤り率が高く、通信ニーズに応えることができないことを示すので、エアインターフェースの繰り返し回数が少し低くなってしまうと判定し、エアインターフェースの繰り返し回数を増加して、誤り率を低下させる。ここで、限定値の具体的な値は、実際のニーズに応じて柔軟に設定できる。
【0025】
本願の実施例において、各指標データの範囲を予め設定しておき、目標無線パラメータに関する指標データに基づいて基地局の目標無線パラメータを最適化する際に、システム稼働ログにおける目標無線パラメータに関する指標データおよび当該指標データに対応する範囲に基づいて、基地局の無線目標パラメータを最適化してもよい。システム稼働ログにおける目標送信に関する指標データが当該指標データのプリセット範囲にあるときには、目標無線パラメータを保持し、システム稼働ログ中における目標送信に関する指標データが当該指標データのプリセット範囲外であるときには、目標無線パラメータを最適化し、最適化の具体的な過程は、当該指標データ及び目標無線パラメータから決定することができる。例えば、目標無線パラメータをポーリング再送タイマの持続時間とし、目標無線パラメータに関する指標データをステータスレポート繰り返し受信回数とし、予め設定されたステータスレポート繰り返し受信回数の範囲が[A、B](B>A)であると想定する場合、システム稼働ログにおけるステータスレポート繰り返し受信回数が[A、B]にあると、ポーリング再送タイマの持続時間を保持する。システム稼働ログにおけるステータスレポート繰返し受信回数がAより小さいとすると、ポーリング再送タイマの持続時間が少し長くなってしまうことを意味するので、ポーリング再送タイマの持続時間を低減する。システム稼働ログにおけるステータスレポート繰返し受信回数がBより大きいとすると、ポーリング再送タイマの持続時間が少し短くなってしまうことを意味するので、ポーリング再送タイマの持続時間を増やすことになる。
【0026】
本願の実施例において、目標無線パラメータに関する指標データに基づいて基地局の目標無線パラメータを最適化する際に、目標無線パラメータに関する指標データの変化傾向に基づいて基地局の目標無線パラメータを最適化してもよい。ここで、指標データの変化傾向は、今回取得したシステム稼働ログにおける目標無線パラメータに関する指標データと、以前に取得した目標無線パラメータに関する指標データとに基づいて決定することができ、指標データの変化傾向に応じて基地局の目標無線パラメータを最適化する。例えば、目標無線パラメータがリオーダリングタイマの持続時間であり、目標無線パラメータに関する指標データが、順番の狂いメッセージの到着する最大持続時間であると想定する場合、今回取得したシステム稼働ログにおける順番の狂いメッセージの到着する最大持続時間が以前に取得した順番の狂いメッセージの到着する最大持続時間よりも大きければ、順番の狂いメッセージの到着する最大持続時間が増加傾向にあることを示すので、リオーダリングタイマの持続時間を増加する。今回取得したシステム稼働ログにおける順番の狂いメッセージの到着する最大持続時間が、以前に取得した順番の狂いメッセージの到着する最大持続時間よりも小さければ、順番の狂いメッセージの到着する最大持続時間が減少傾向にあることを示すので、リオーダリングタイマの持続時間を低減する。
【0027】
本実施例では、システム稼働ログに基づいて基地局の目標無線パラメータを最適化した後、予め設定された時間帯の後に基地局のシステム稼働ログを再収集し、再収集したシステム稼働ログに応じて基地局の目標無線パラメータを最適化し、それをループしてもよい。つまり、予め設定された時間帯ごとに目標無線パラメータを最適化することで、無線パラメータのタイムリーな最適化を保証しつつ、頻繁な最適化によるリソースの無駄を避けることができる。ここで、予め設定された時間帯は、実際のニーズに応じて柔軟に設定し得る。
【0028】
本願の実施例では、システム稼働ログに基づいて基地局の目標無線パラメータを最適化した後に、最適化された無線パラメータが端末側で同様に設定される必要があれば、最適化された無線パラメータに従って端末が通信するように、最適化された無線パラメータを端末に送信することができる。例えば、端末側でも同様にポーリング再送タイマの持続時間を設ける必要があるため、基地局のポーリング再送タイマの持続時間を最適化した後に、最適化されたポーリング再送タイマの持続時間に基づいて端末が通信するように、最適化されたポーリング再送タイマの持続時間を端末に送信することができる。
【0029】
なお、本願実施例によって提供されるパラメータ最適化方法は、IoT(モノのインターネット、Internet of things)、ロングタームエボリューションLTE(Long Term Evolution)ベースの無線ネットワーク、GSMベースの無線ネットワーク、符号分割多元接続CDMA(Code Division Multiple Access)ベースの無線ネットワーク、第5世代移動体通信技術の無線ネットワークなどの少なくとも一種に適用可能である。ただし、IoTは、NB-IoTを含むが、それに限らない。
【0030】
本願の実施例において、上記パラメータ最適化方法の全てのステップを、基地局により実行することができ、即ち、基地局により基地局のシステム稼働ログを収集し、システム稼働ログに基づいて基地局の目標無線パラメータを最適化する等により、迅速に稼働ログを収集し、システムの稼働状況を自己診断し、迅速なパラメータ調整をすることができる。
【0031】
本願の実施例において、上記パラメータ最適化方法の全てのステップを、サーバにより実行することができ、即ち、サーバにより基地局のシステム稼働ログを収集し、システム稼働ログに基づいて基地局の目標無線パラメータの最適化などを実行してもよい。これにより、基地局の負荷を低減することができ、集中管理を実現することができる。そのうち、サーバは、システム稼働ログに基づいて基地局の目標無線パラメータを最適化する際に、基地局が最適化後の目標無線パラメータの値に基づいて通信を行うように、システム稼働ログに基づいて目標無線パラメータの値を最適化し、最適化後の目標無線パラメータの値を基地局に送信する。ここで、サーバは、OMC(Operation Maintenance Center)サーバであってもよい。
【0032】
本願実施例によって提供されるパラメータ最適化方法は、基地局のシステム稼働ログを収集し、システム稼働ログに基づいて基地局の目標無線パラメータを最適化するパラメータ最適化方法であって、ある実施過程では、システム稼働ログがリアルタイムトラフィックシーンの情報であるため、システム稼働ログに基づいて現在のネットワーク状態をリアルタイムに感知し、無線パラメータを最適化することで、無線パラメータ最適化の時間遅延を短縮し、通信品質を向上する。
【0033】
<実施例2>
実施例1におけるパラメータ最適化方法をより良く理解するために、本実施例は、より具体的な例をあわせて説明する。
【0034】
図3に示すように、パラメータ最適化方法は以下のステップを含む。
【0035】
S301:基地局は、そのシステム稼働ログを取得する。
【0036】
本実施例では、基地局の通信中に、トラフィックユニットがシステム稼働ログを生成し、システム稼働ログがリアルタイムトラフィックシーンの情報であり、基地局は、生成したシステム稼働ログを取得する。
【0037】
S302:基地局は、システム稼働ログから各カバレッジレベルのトラフィックフロー情報を抽出する。
【0038】
無線通信システムでは、異なるカバレッジレベルをサポートし、異なるカバレッジレベルについては通信性能への要求が異なるため、本実施例において、基地局は、異なるカバレッジレベルのトラフィックフロー情報に基づいて当該カバレッジレベルの目標無線パラメータを後で最適化するために、システム稼働ログから各カバレッジレベルのトラフィックフロー情報を抽出する。
【0039】
S303:基地局は、各カバレッジレベルのトラフィックフロー情報から、目標無線パラメータに関する指標データを抽出する。
【0040】
各カバレッジレベルのトラフィックフロー情報を抽出した後、各カバレッジレベルのトラフィックフロー情報から目標無線パラメータに関する指標データを抽出する。目標無線パラメータは、実際のニーズに応じて柔軟に設定され得る。
【0041】
S304:基地局は、各カバレッジレベルの目標無線パラメータに関する指標データに基づいて、各カバレッジレベルの目標無線パラメータを最適化する。
【0042】
各カバレッジレベルの目標無線パラメータに関する指標データを抽出した後、各カバレッジレベルの指標データに基づいて、その対応するカバレッジレベルの目標無線パラメータを最適化する。例えば、無線通信システムは、カバレッジレベル0、カバレッジレベル1、カバレッジレベル2である三つのカバレッジレベルをサポートすると想定し、システム稼働ログからカバレッジレベル0、カバレッジレベル1、カバレッジレベル2のトラフィックフロー情報をそれぞれ抽出し、カバレッジレベル0、カバレッジレベル1、カバレッジレベル2のトラフィックフロー情報のそれぞれから目標無線パラメータに関する指標データを抽出し、カバレッジレベル0に対応する目標無線パラメータに関する指標データに基づいて、カバレッジレベル0の目標無線パラメータを最適化し、カバレッジレベル1に対応する目標無線パラメータに関する指標データに基づいて、カバレッジレベル1の目標無線パラメータを最適化し、カバレッジレベル2に対応する目標無線パラメータに関する指標データに基づいて、カバレッジレベル2の目標無線パラメータを最適化する。
【0043】
目標無線パラメータに関する指標データに基づいて目標無線パラメータを最適化する場合には、目標無線パラメータに関する指標データと、予め設定された当該指標データの限定値とに基づいて、目標無線パラメータを最適化し、及び/又は、目標無線パラメータに関する指標データの変化傾向に基づいて、目標無線パラメータを最適化することができる。ここで、目標無線パラメータに関する指標データの変化傾向を決定する際には、本実施例のパラメータ最適化方法はループ的であるため、今回のパラメータ最適化処理過程で得られた当該指標データと、前回のパラメータ最適化処理過程で得られた当該指標データとに基づいて、指標データの変化傾向を決定することができる。
【0044】
本実施例では、最適化した目標無線パラメータが端末側で同様に設定される必要があれば、基地局は、端末が目標無線パラメータを最適化するように、最適化した目標無線パラメータを端末に送信してもよい。
【0045】
S305:基地局は、最適化した目標無線パラメータに基づいて、予め設定された時間帯で稼動する。
【0046】
基地局は、最適化した目標無線パラメータに基づいて、予め設定された時間帯で稼動した後、S301に移行して、次の目標無線パラメータの最適化を行う。ここで、予め設定された時間帯は、実際のニーズに応じて柔軟に設定可能である。予め設定された時間帯は、ネットワークの状態の変化状況に応じて調整されてもよい。例えば、現在のネットワーク状態が比較的安定であれば、リソースを節約するために、予め設定された時間帯を長くしてもよく、現在のネットワーク状態が頻繁に変化していれば、予め設定された時間帯を短くして無線通信パラメータをタイムリに最適化し、様々なネットワーク環境に適応させてもよい。
【0047】
本実施例におけるパラメータ最適化方法をより良く理解するために、ここで一例を説明する。
【0048】
NB-IoTについて、NB-IoTR14プロトコルは2HARQ機能を導入しており、二つのパスのエアインターフェイス環境の不一致により、RLCレイヤへ到着したメッセージが順番の狂いものである、又はメッセージロスがある可能性がある。プロトコルが導入したリオーダリングタイマは、不必要な再送のトリガとなるステータスレポートを削減するために、順番の狂いメッセージの到着を待つために用いられる。このタイマは持続時間が長すぎると、失われたメッセージがタイムリに再送されることができず、データ応答速度の低下を招き、短すぎると、リオーダリング待ちのメッセージが失われたと誤解され、受信側が送信側にステータスレポートを送信し、メッセージの再送を要求してしまい、メッセージの繰り返し送信、エアインターフェイスのデータスループットレートの低下を招いてしまう。よって、リオーダリングタイマの持続時間を現在のネットワーク状態に合わせるために、リオーダリングタイマの持続時間を目標無線パラメータとして設定し、目標無線パラメータに関する指標データは、メッセージ繰り返し受信回数と、順番の狂いメッセージが到着する最大持続時間となる。
図4に示すように、リオーダリングタイマの持続時間の最適化フローは、以下の通りである。
【0049】
S401:基地局は、システム稼働ログを収集する。
【0050】
S402:基地局は、システム稼働ログから各カバレッジレベルのトラフィックフロー情報を抽出する。
【0051】
NB-IoTシステムは、カバレッジレベル0、カバレッジレベル1、カバレッジレベル2である三つの異なるカバレッジレベルをサポートするため、システム稼働ログから、カバレッジレベル0に対応するトラフィックフロー情報、カバレッジレベル1に対応するトラフィックフロー情報、カバレッジレベル2に対応するトラフィックフロー情報をそれぞれ抽出する。
【0052】
S403:基地局は、各カバレッジレベルのトラフィックフロー情報のそれぞれから、各カバレッジレベルのメッセージ繰り返し受信回数と、順番の狂いメッセージが到着する最大持続時間を抽出する。
【0053】
カバレッジレベル0に対応するトラフィックフロー情報からメッセージ繰り返し受信回数及び順番の狂いメッセージが到着する最大持続時間を抽出し、カバレッジレベル1に対応するトラフィックフロー情報からメッセージ繰り返し受信回数及び順番の狂いメッセージが到着する最大持続時間を抽出し、カバレッジレベル2に対応するトラフィックフロー情報からメッセージ繰り返し受信回数及び順番の狂いメッセージが到着する最大持続時間を抽出する。
【0054】
S404:基地局は、抽出した各カバレッジレベルに対応するメッセージ繰り返し受信回数と、予め設定された当該カバレッジレベルに対応するメッセージ繰り返し受信回数の限定値とを照合し、順番の狂いメッセージが到着する最大持続時間の変化傾向に合わせて、各カバレッジレベルのリオーダリングタイマの持続時間を修正する。
【0055】
各カバレッジレベルのメッセージ繰り返し受信回数の限定値は、それぞれ基地局で予め設定されている。
【0056】
基地局は、カバレッジレベル0のリオーダリングタイマの持続時間を修正する際に、システム稼働ログから抽出したカバレッジレベル0のメッセージ繰り返し受信回数と、予め設定されたカバレッジレベル0に対応するメッセージ繰り返し受信回数の限定値とを照合し、今回取得したカバレッジレベル0の順番の狂いメッセージが到達する最大持続時間と、前回のリオーダリングタイマの持続時間の最適化処理過程で取得したカバレッジレベル0の順番の狂いメッセージが到達する最大持続時間とに基づいて、カバレッジレベル0の順番の狂いメッセージが到達する最大持続時間の変化傾向を特定する。カバレッジレベル0のメッセージ繰り返し受信回数が予め設定されたカバレッジレベル0に対応するメッセージ繰り返し受信回数の限定値を下回るか、又はカバレッジレベル0の順番の狂いメッセージが到達する最大持続時間が減少すると、カバレッジレベル0のリオーダリングタイマの持続時間を短縮する。カバレッジレベル0のメッセージ繰り返し受信回数が予め設定されたカバレッジレベル0に対応するメッセージ繰り返し受信回数の限定値よりも高くなったり、カバレッジレベル0の順番の狂いメッセージが到着する最大持続時間が増加したりすると、カバレッジレベル0のリオーダリングタイマの持続時間を増加する。
【0057】
カバレッジレベル1のリオーダリングタイマの持続時間の修正、及びカバレッジレベル2のリオーダリングタイマの持続時間の修正については、カバレッジレベル0のリオーダリングタイマの持続時間のの修正態様を参照してください。ここでは再び贅言しない。
【0058】
S405:基地局は、修正された各カバレッジレベルのリオーダリングタイマの持続時間に基づいて、予め設定された時間帯で稼動する。
【0059】
予め設定された時間帯で稼動した後、S401に移行する。
【0060】
本願実施例によって提供されるパラメータ最適化方法は、基地局のシステム稼働ログを収集し、システム稼働ログに基づいて基地局の目標無線パラメータを最適化するパラメータ最適化方法であって、ある実施過程では、システム稼働ログがリアルタイムトラフィックシーンの情報であるため、システム稼働ログに基づいて現在のネットワーク状態をリアルタイムに感知し、無線パラメータを最適化することで、無線パラメータ最適化の時間遅延を短縮し、通信品質を向上する。
【0061】
<実施例3>
実施例1におけるパラメータ最適化方法をより良く理解するために、本実施例は、より具体的な例をあわせて説明する。
【0062】
図5に示すように、パラメータ最適化方法は以下のステップを含む。
【0063】
S501:OMCは、基地局のシステム稼働ログを収集する。
【0064】
本実施例では、基地局の通信中に、トラフィックユニットがシステム稼働ログを生成し、システム稼働ログがリアルタイムトラフィックシーンの情報である。基地局は、システム稼働ログを生成した後、それをOMCに送信する。
【0065】
S502:OMCは、システム稼働ログから各カバレッジレベルのトラフィックフロー情報を抽出する。
【0066】
無線通信システムでは、異なるカバレッジレベルをサポートし、異なるカバレッジレベルについては通信性能への要求が異なるため、本実施例において、OMCは、異なるカバレッジレベルのトラフィックフロー情報に基づいて当該カバレッジレベルの目標無線パラメータを後で最適化するために、基地局のシステム稼働ログから各カバレッジレベルのトラフィックフロー情報を抽出する。
【0067】
S503:OMCは、各カバレッジレベルのトラフィックフロー情報から、目標無線パラメータに関する指標データを抽出する。
【0068】
各カバレッジレベルのトラフィックフロー情報を抽出した後、OMCは、各カバレッジレベルのトラフィックフロー情報から、目標無線パラメータに関する指標データを抽出する。目標無線パラメータについては、実際のニーズに応じて柔軟に設定され得る。
【0069】
S504:OMCは、各カバレッジレベルの目標無線パラメータに関する指標データに基づいて、各カバレッジレベルの目標無線パラメータを最適化する。
【0070】
OMCは、各カバレッジレベルの目標無線パラメータに関する指標データを抽出した後、最適化後の目標無線パラメータに基づいて基地局が通信を行うように、各カバレッジレベルの指標データに基づいて対応するカバレッジレベルの目標無線パラメータを最適化し、最適化後の各カバレッジレベルの目標無線パラメータを基地局に送信する。
【0071】
目標無線パラメータに関する指標データに基づいて目標無線パラメータを最適化する場合には、目標無線パラメータに関する指標データと、予め設定された当該指標データの限定値とに基づいて、目標無線パラメータを最適化し、及び/又は、目標無線パラメータに関する指標データの変化傾向に基づいて、目標無線パラメータを最適化することができる。ここで、目標無線パラメータに関する指標データの変化傾向を決定する際には、本実施例のパラメータ最適化方法はループ的であるため、今回のパラメータ最適化処理過程で得られた当該指標データと、前回のパラメータ最適化処理過程で得られた当該指標データとに基づいて、指標データの変化傾向を決定することができる。
【0072】
本実施例では、最適化した目標無線パラメータが端末側で同様に設定される必要があれば、OMCは、端末が目標無線パラメータを最適化するように、最適化後の各カバレッジレベルの目標無線パラメータを対応する端末に送信し、又は、基地局は、最適化後の各カバレッジレベルの目標無線パラメータを受信した後に、端末が目標無線パラメータを最適化するように、最適化後の各カバレッジレベルの目標無線パラメータを対応する端末に送信してもよい。
【0073】
S505:OMCは、予め設定された時間帯で稼動する。
【0074】
OMCは、最適化した目標無線パラメータを基地局に送信した後、予め設定された時間帯で稼動してから、S501に移行して、次の目標無線パラメータの最適化を行う。ここで、予め設定された時間帯は、実際のニーズに応じて柔軟に設定可能である。予め設定された時間帯は、ネットワークの状態の変化状況に応じて調整されてもよい。例えば、現在のネットワーク状態が比較的安定であれば、リソースを節約するために、予め設定された時間帯を長くしてもよく、現在のネットワーク状態が頻繁に変化していれば、予め設定された時間帯を短くして無線通信パラメータをタイムリに最適化し、様々なネットワーク環境に適応させてもよい。
【0075】
本実施例におけるパラメータ最適化方法をより良く理解するために、ここで一例を説明する。
【0076】
NB-IoTについては、送信側が受信側にポーリング要求を送信した後、一つの再送タイマをセットし、タイムアウト後も受信側のステータスレポートを受信しなければ、ポーリング要求の再送が必要になり、タイマがタイムアウトしないうちに、送信側が受信側からの該当ステータスレポートを受信すると、Ack(Acknowledgement:肯定応答)またはNack(Negative Acknowledgement:否定応答)を問わず、受信側がそのポーリング要求を受信したことを示しており、このとき、再送タイマをオフする。異なるカバレッジレベルのポーリング再送タイマの持続時間は、本カバレッジレベルのポーリング送信とステータスレポートの返信に用いる最大時間よりもわずかに大きく保証される必要があり、それよりも小さいと、ステータスレポートがまだ送信されているのに、送信側がポーリング要求の送信に失敗したと誤解し、ポーリング要求が再送されて、送信側がステータスレポートの返信を繰り返して、エアインターフェイスのデータスループットレートが低下してしまい、過大になると、送信に失敗したポーリング要求がタイムリに再送されることができず、データの応答速度が低下してしまう。よって、ポーリング再送タイマの持続時間を現在のネットワークの状態に合わせるために、ポーリング再送タイマの持続時間を目標無線パラメータとして設定し、目標無線パラメータに関する指標データは、ステータスレポート繰り返し受信回数と、ポーリング送信とステータスレポート受信時間となる。
図6に示すように、ポーリング再送タイマの持続時間の最適化フローは、以下のの通りである。
【0077】
S601:OMCは、基地局のシステム稼働ログを収集する。
【0078】
S602:OMCは、システム稼働ログから各カバレッジレベルのトラフィックフロー情報を抽出する。
【0079】
NB-IoTシステムは、カバレッジレベル0、カバレッジレベル1、カバレッジレベル2である三つの異なるカバレッジレベルをサポートするため、OMCはシステム稼働ログから、カバレッジレベル0に対応するトラフィックフロー情報、カバレッジレベル1に対応するトラフィックフロー情報、カバレッジレベル2に対応するトラフィックフロー情報をそれぞれ抽出する。
【0080】
S603:OMCは、各カバレッジレベルのトラフィックフロー情報のそれぞれから、各カバレッジレベルのステータスレポート繰り返し受信回数と、ポーリング送信とステータスレポート受信時間とを抽出する。
【0081】
カバレッジレベル0に対応するトラフィックフロー情報から、ステータスレポート繰り返し受信回数(仮にn0とする)と、ポーリング送信とステータスレポート受信時間(仮にt1-0とする)とを抽出する。カバレッジレベル1に対応するトラフィックフロー情報から、ステータスレポート繰り返し受信回数(仮にn1とする)と、ポーリング送信とステータスレポート受信時間(仮にt1-1とする)とを抽出する。カバレッジレベル2に対応するトラフィックフロー情報から、ステータスレポート繰り返し受信回数(仮にn2とする)と、ポーリング送信とステータスレポート受信時間(仮にt1-2とする)を抽出する。
【0082】
S604:OMCは、抽出した各カバレッジレベルに対応するステータスレポート繰り返し受信回数と、予め設定された当該カバレッジレベルに対応するステータスレポート繰り返し受信回数の限定値とを照合し、ポーリング送信とステータスレポート受信時間の変化傾向に合わせて、各カバレッジレベルのポーリング再送タイマの持続時間を修正する。
【0083】
各カバレッジレベルのステータスレポート繰り返し受信回数の限定値は、それぞれOMCで予め設定されている。カバレッジレベル0のステータスレポート繰り返し受信回数の限定値はN0、カバレッジレベル1のステータスレポート繰り返し受信回数の限定値はN1、カバレッジレベル2のステータスレポート繰り返し受信回数の限定値はN2とする。ポーリング送信とステータスレポート受信時間の変化傾向は、今回取得したポーリング送信とステータスレポート受信時間、および前回のポーリング再送タイマの持続時間最適化処理過程で取得したポーリング送信とステータスレポート受信時間に基づいて決定される。
【0084】
OMCは、カバレッジレベル0のポーリング再送タイマの持続時間を修正する場合、n0とN0とを照合し、t1-0及びt0-0(t0-0は、前回のポーリング再送タイマの持続時間最適化処理過程で取得したカバレッジレベル0のポーリング送信とステータスレポート受信時間である)に基づいて、カバレッジレベル0のポーリング送信とステータスレポート受信時間の変化傾向を決定する。n0<N0、または、t1-0<t0-0であれば(すなわち、ポーリング送信とステータスレポート受信時間が下がると)、カバレッジレベル0のポーリング再送タイマの持続時間を下げる。n0>N0、又は、t1-0>t0-0であれば(すなわち、ポーリング送信とステータスレポート受信時間が増えると)、カバレッジレベル0のポーリング再送タイマの持続時間を増やす。
【0085】
カバレッジレベル1のポーリング再送タイマの持続時間の修正については、カバレッジレベル0のポーリング再送タイマの持続時間の修正方法を参照し、n1、N1、t1-1、t0-1(t0-1は、前回のポーリング再送タイマの持続時間最適化処理過程で取得したカバレッジレベル1のポーリング送信とステータスレポート受信時間である)に基づいて、カバレッジレベル1のポーリング再送タイマの持続時間を修正する。
【0086】
カバレッジレベル2のポーリング再送タイマの持続時間の修正については、カバレッジレベル0のポーリング再送タイマの持続時間の修正方法を参照し、n2、N2、t1-2、t0-2(t0-2は、前回のポーリング再送タイマの持続時間最適化処理過程で取得したカバレッジレベル2のポーリング送信とステータスレポート受信時間である)に基づいて、カバレッジレベル2のポーリング再送タイマの持続時間を修正する。
【0087】
S605:OMCは、最適化後の各カバレッジレベルのポーリング再送タイマの持続時間を基地局に送信し、予め設定された時間帯で稼動する。
【0088】
予め設定された時間帯が経過した後、S601へ移行する。
【0089】
本願実施例によって提供されるパラメータ最適化方法は、基地局のシステム稼働ログを収集し、システム稼働ログに基づいて基地局の目標無線パラメータを最適化するパラメータ最適化方法であって、ある実施過程では、システム稼働ログがリアルタイムトラフィックシーンの情報であるため、システム稼働ログに基づいて現在のネットワーク状態をリアルタイムに感知し、無線パラメータを最適化することで、無線パラメータ最適化の時間遅延を短縮し、通信品質を向上する。
【0090】
<実施例4>
本願実施例は実施例1、2、3に加え、パラメータ最適化装置を提供し、当該装置は、基地局であってもよく、OMCサーバであってもよい。当該装置は、実施例1、2、3の少なくとも一つの実施例に記載のパラメータ最適化方法を実現するためのものであり、
図7に示すように、パラメータ最適化装置は、基地局のシステム稼動ログを収集するための収集モジュール701と、システム稼動ログに応じて基地局の目標無線パラメータを最適化するための最適化モジュール702と、を備える。
【0091】
最適化モジュール702は、さらに、システム稼動ログから各カバレッジレベルのトラフィックフロー情報を抽出することと、各カバレッジレベルのトラフィックフロー情報に基づいて、基地局の各カバレッジレベルに関する目標無線パラメータを最適化することとに用いられる。
【0092】
最適化モジュール702は、さらに、システム稼動ログにおけるトラフィックフロー情報から、目標無線パラメータに関する指標データを抽出することと、目標無線パラメータに関する指標データに基づいて、基地局の目標無線パラメータを最適化することとに用いられる。ここで、目標無線パラメータは、エアインターフェースの繰り返し回数、リオーダリングタイマの持続時間、ポーリング再送タイマの持続時間などの少なくとも一つを含むが、これらに限定されるものではなく、エアインターフェースの繰り返し回数に関する指標データは、誤り率などを含み、リオーダリングタイマの持続時間に関する指標データは、順番の狂いメッセージの到着する持続時間(時間長さ)、メッセージ繰り返し受信回数などの少なくとも一つを含み、ポーリング再送タイマの持続時間に関する指標データは、ポーリング送信とステータスレポート返信に用いる時間、ステータスレポート繰り返し受信回数などの少なくとも一つを含む。本実施例では、目標無線パラメータに関する指標データと、予め設定された当該指標データの設定値とに基づいて、基地局の目標無線パラメータを最適化してもよく、目標無線パラメータに関する指標データ及び当該指標データのプリセット範囲に基づいて、基地局の目標無線パラメータを最適化してもよく、目標無線パラメータに関する指標データが当該指標データのプリセット範囲にあるときに、目標無線パラメータを保持し、目標無線パラメータに関する指標データが当該指標データのプリセット範囲を超える場合、目標無線パラメータを最適化する。今回取得した目標無線パラメータに関する指標データと、以前に取得した目標無線パラメータに関する指標データとに基づいて指標データの変化傾向を決定し、指標データの変化傾向に応じて基地局の目標無線パラメータを最適化してもよい。
【0093】
パラメータ最適化装置の最適化モジュール702は、目標無線パラメータを最適化した後、予め設定された時間帯で稼動し、収集モジュール701により再度基地局のシステム稼動ログを収集し、パラメータ最適化プロセスの新しいラウンドを開始し、それを循環する。
【0094】
本願実施例によって提供されるパラメータ最適化装置は、モノのインターネットIoT、ロングタームエボリューションLTEベースの無線ネットワーク、GSMベースの無線ネットワーク、符号分割多元接続CDMAベースの無線ネットワーク、第5世代移動体通信技術による無線ネットワークのうちの少なくとも一種の無線ネットワークに適用されることができ、モノのインターネットIoTは、狭帯域モノのインターネットNB-IoTを含む。
【0095】
本願の実施例において、収集はプロセッサによって実施されてもよいし、他のハードウェアユニットによって実施されてもよく、最適化モジュール702はプロセッサによって実施されてもよいし、他のハードウェアユニットによって実施されてもよい。
【0096】
本願実施例によって提供されるパラメータ最適化装置は、基地局のシステム稼働ログを収集し、システム稼働ログに基づいて基地局の目標無線パラメータを最適化するものであって、ある実施過程では、システム稼働ログがリアルタイムトラフィックシーンの情報であるため、システム稼働ログに基づいて現在のネットワーク状態をリアルタイムに感知し、無線パラメータを最適化することで、無線パラメータ最適化の時間遅延を短縮し、通信品質を向上する。
【0097】
<実施例5>
本実施例は、さらに基地局を提供し、
図8に示すように、第1プロセッサ801、第1メモリ802、及び第1通信バス803を備え、そのうち、第1通信バス803は第1プロセッサ801と第1メモリ802との間の接続及び通信を実現するためのものであり、第1プロセッサ801は、上記実施例1、実施例2及び実施例3におけるパラメータ最適化方法の少なくとも一つのステップを実現するように、第1メモリ802に記憶された一つ又は複数のコンピュータプログラムを実行する。
【0098】
本実施例は、さらにサーバを提供し、
図9に示すように、第2プロセッサ901、第2メモリ902、及び第2通信バス903を備え、そのうち、第2通信バス903は、第2プロセッサ901と第2メモリ902との間の接続及び通信を実現するためのものであり、第2プロセッサ901は、上記実施例1、実施例2及び実施例3におけるパラメータ最適化方法の少なくとも一つのステップを実現するように、第2メモリ902に記憶された一つ又は複数のコンピュータプログラムを実行する。ここで、サーバは、OMCサーバであってもよい。
【0099】
本実施例は、さらに記憶媒体を提供し、当該記憶媒体は、情報(例えばコンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、コンピュータプログラムモジュール、又はその他のデータ)を記憶するための任意の方法または技術において実施される、揮発性または不揮発性、リムーバブルまたは非リムーバブルメディアを含む。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、RAM(Random Access Memory:ランダムアクセスメモリ)、ROM(Read-Only Memory:読み取り専用メモリ)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable read only memory)、フラッシュメモリやその他のメモリ技術、CD-ROM(Compact Disc Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、その他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージやその他の磁気記憶装置、あるいは所望の情報を記憶することができかつコンピュータからアクセス可能な任意のその他の媒体を含むが、これらに限らない。
【0100】
本実施例における記憶媒体は、一つ又は複数のコンピュータプログラムを記憶するために使用でき、記憶された一つ又は複数のコンピュータプログラムは、上記実施例1、実施例2及び実施例3におけるパラメータ最適化方法の少なくとも一つのステップを実現するように、プロセッサによって実行され得る。
【0101】
本願実施例によって提供される基地局、サーバ、記憶媒体は、基地局のシステム稼働ログを収集し、システム稼働ログに基づいて基地局の目標無線パラメータを最適化するように構成され、ある実施過程では、システム稼働ログがリアルタイムトラフィックシーンの情報であるため、システム稼働ログに基づいて現在のネットワーク状態をリアルタイムに感知し、無線パラメータを最適化することで、無線パラメータ最適化の時間遅延を短縮し、通信品質を向上する。
【0102】
このように、上記に開示された方法の全部又は一部のステップ、システム、装置における機能モジュール/ユニットは、ソフトウェア(計算装置が実行可能なコンピュータプログラムコードによって実現可能)、ファームウェア、ハードウェア及びその適切な組み合わせとして実装されてもよいことは、当業者にとって明らかである。ハードウェアの実施形態において、上述の説明で挙げた機能モジュール/ユニット間の区分けは、必ずしも物理コンポーネントの区分けに対応するものではなく、例えば、一つの物理コンポーネントが複数の機能を有してもよいし、一つの機能やステップが若干の物理コンポーネントによって協動して実行されてもよい。幾つかの物理コンポーネント又は全ての物理コンポーネントは、中央処理装置、デジタルシグナルプロセッサ、又はマイクロプロセッサなどのプロセッサにより実行されるソフトウェアとして実装されてもよいし、ハードウェアとして実装されてもよいし、専用集積回路などの集積回路として実装されてもよい。
【0103】
また、当業者によく知られているように、通信媒体は通常、コンピュータ読取可能な命令、データ構造、コンピュータプログラムモジュール、または搬送波や他の伝送機構などの変調データ信号内のその他のデータを含み、任意の情報配信媒体を含めることができる。従って、本願は、ハードウェアとソフトウェアのいかなる特定の組み合わせに制限されない。
【0104】
以上は、本願実施例に対して具体的な実施形態をあわせて更に詳細に説明したものであり、本願の具体的な実施形態は、これらの説明に限ったものであると認定できない。当業者にとっては、本願の構想を逸脱することなく、いくつかの簡単な推論や置換をすることが可能であり、いずれも本願の保護範囲に属するものと見なすべきである。