(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-07
(45)【発行日】2023-08-16
(54)【発明の名称】セラミックの型を製造する方法、鋳造部品を製造する方法、及びセラミック鋳型
(51)【国際特許分類】
B22C 9/02 20060101AFI20230808BHJP
B22C 1/00 20060101ALI20230808BHJP
B22C 9/10 20060101ALI20230808BHJP
B22C 9/24 20060101ALI20230808BHJP
B22C 13/08 20060101ALI20230808BHJP
B22D 29/00 20060101ALI20230808BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20230808BHJP
B33Y 80/00 20150101ALI20230808BHJP
F01D 5/18 20060101ALI20230808BHJP
F01D 9/02 20060101ALI20230808BHJP
F02C 7/00 20060101ALI20230808BHJP
【FI】
B22C9/02 101Z
B22C9/02 103B
B22C1/00 B
B22C9/10 E
B22C9/10 T
B22C9/24 C
B22C13/08 A
B22D29/00 F
B33Y10/00
B33Y80/00
F01D5/18
F01D9/02 102
F02C7/00 D
(21)【出願番号】P 2019531675
(86)(22)【出願日】2017-10-26
(86)【国際出願番号】 US2017058549
(87)【国際公開番号】W WO2018111415
(87)【国際公開日】2018-06-21
【審査請求日】2019-07-31
【審判番号】
【審判請求日】2021-04-08
(32)【優先日】2016-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】ダイネス、ジェームズ、ハーバート
(72)【発明者】
【氏名】プルゼスロースキ、ブライアン、デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】マッカラン、マイケル、ジョン
(72)【発明者】
【氏名】コニッツァー、ダグラス、ジェラルド
(72)【発明者】
【氏名】マルスコ、マーク、ウィラード
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、シ
【合議体】
【審判長】見目 省二
【審判官】田々井 正吾
【審判官】刈間 宏信
(56)【参考文献】
【文献】特表2003-520134(JP,A)
【文献】特開2012-206513(JP,A)
【文献】特開2014-208373(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22C 9/00 - 9/30
B22C 1/00 - 1/26
B22C 13/00 - 13/16
B22D 29/00 - 29/08
B33Y 10/00
B33Y 80/00
F01D 5/00 - 5/34
F01D 9/00 - 9/06
F02C 7/00 - 7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミックの型を製造する方法であって、
(a)加工物の硬化部分を液状セラミックフォトポリマーと接触させること、
(b)前記加工物の前記硬化部分に隣接する前記液状セラミックフォトポリマーの一部に光を照射し、前記液状セラミックフォトポリマーの一部は前記液状セラミックフォトポリマーに接触する窓を通して光で照射されること、
(c)前記液状セラミックフォトポリマーの未硬化の一部から前記加工物を取り出すこと、
(d)セラミックの型が形成されるまで(a)~(c)を繰り返すこと、
を含み、
前記セラミックの型が、
コア部
(1200)とシェル部と
(1201)であって、前記コア部
(1200)と前記シェル部
(1201)との間に少なくとも1つのキャビティを有し、前記キャビティが、前記セラミックの型の鋳造及び取り外しの際に鋳造部品の形状を画定するように適合される、コア部
(1200)とシェル部
(1201)と、
前記コア部
(1200)とシェル部
(1201)とを結合する複数のフィラメント
(1202)であって、フィラメント
(1202)の各々は前記コア部
(1200)とシェル部
(1201)との間にまたがり、前記コア部
(1200)、シェル部
(1201)の各々及び複数のフィラメント
(1202)は、前記液状セラミックフォトポリマーの部分から形成されることで、一体型コアシェル型を形成し、前記複数のフィラメント
(1202)は前記セラミックの型の鋳造及び取り外しの際に、前記鋳造部品の外面と前記コア部
(1200)によって画定される前記鋳造部品内のキャビティとの間に流体連通を提供する前記鋳造部品の複数の穴を画定するように適合されている、複数のフィラメント
(1202)と、
前記コア部
(1200)と切り離され
、かつ、隣り合う先端プレナムコア
(1203)と、
を含み、
前記複数のフィラメント
(1202)の少なくとも1つは0.01~2mm
2の範囲の断面積を有し、
少なくとも1つのコア印刷フィラメント
(1204)は前記先端プレナムコア
(1203)を定位置に保持するように前記先端プレナムコア
(1203)と前記シェル部
(1201)とを接続する、
方法。
【請求項2】
前記方法が、(d)の後に、液状金属を鋳造用の型に注ぎ込み、前記液状金属を凝固させて前記鋳造部品を形成することを含む(e)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法が、(e)の後に、前記鋳造部品から前記型を取り外すことを含む(f)を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記セラミックの型が、前記コア部
(1200)と前記シェル部
(1201)とを接合する複数のフィラメント
(1202)を含み、前記フィラメント
(1202)が、前記型の取り外し時に前記鋳造部品に複数の穴を画定するように適合され、各フィラメント
(1202)が前記コア部
(1200)と前記シェル部
(1201)との間の全長にまたがる、請求項1~請求項3の何れか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記鋳造部品がタービンブレード又はステータベーンである、請求項1~請求項4の何れか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記鋳造部品がタービンブレード又はステータベーンであり、前記セラミックの型が、前記コア部
(1200)とシェル部
(1201)とを接合する複数のフィラメント
(1202)を含み、各フィラメント
(1202)が前記コア部
(1200)と前記シェル部
(1201)との間にまたがり、前記フィラメント
(1202)は、前記型を取り出すと、前記タービンブレード又は前記ステータベーンに複数の冷却穴を画定するよう適合される、請求項1~請求項5の何れか1項に記載の方法。
【請求項7】
鋳造部品を製造する方法であって、
セラミックの型に液状金属(1004)を注入し、前記液状金属を凝固させて前記鋳造部品を形成することであって、前記セラミックの型は、コア部
(1200)とシェル部(1001)とであって、前記コア部
(1200)と前記シェル部
(1201)との間に少なくとも1つのキャビティを含み、前記キャビティが、セラミックの型の鋳造及び取り外しの際に前記鋳造部品の形状を画定するように適合される、コア部
(1200)とシェル部
(1201)とを含み、前記コア部
(1200)と前記シェル部
(1201)とを接合する複数のフィラメント
(1202)であって、各フィラメント
(1202)が前記コア部
(1200)と前記シェル部
(1201)との間にまたがり、前記コア部
(1200)、シェル部
(1201)及び複数のフィラメント
(1202)は、同一のセラミック材料から形成されることで、一体型コアシェル型を形成し、前記セラミックの型の取り外し時に前記鋳造部品の外面と前記コア部
(1200)によって画定される前記鋳造部品内のキャビティとの間に流体連通を提供する前記鋳造部品における複数の穴を画定するよう適合される、フィラメント
(1202)をセラミックの型がさらに含む、形成すること、
前記フィラメント
(1202)によって設けられた前記鋳造部品の前記穴を通してセラミックコアの少なくとも一部を浸出させることによって前記鋳造部品から前記セラミックの型を取り外すこと、
を含み、
前記複数のフィラメント
(1202)の少なくとも1つは0.01~2mm
2の範囲の断面積を有し、
先端プレナムコア
(1203)は前記コア部
(1200)と切り離され
、かつ、隣り合っており、少なくとも1つのコア印刷フィラメント
(1204)は前記先端プレナムコア
(1203)を定位置に保持するように前記先端プレナムコア
(1203)と前記シェル部
(1201)とを接続する、
方法。
【請求項8】
前記鋳造部品がタービンブレード又はステータベーンであり、前記フィラメント
(1202)は、前記セラミックの型を取り出すと、前記タービンブレード又は前記ステータベーンに複数の冷却穴を画定するよう適合される、請求項7に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般にインベストメント鋳造コア-シェル型部品及びこれらの部品を利用するプロセスに関する。本発明に従って製造されたコア-シェル型は、これらの型から製造された鋳造部品に穴、すなわち噴散冷却穴を形成するために利用できる型のコアとシェルとの間の一体式セラミックフィラメントを含む。コアとシェルとの間に十分なセラミックフィラメントを使用して、コアの蛇行のための浸出経路を探し出しかつ提供することはまた、ボールろう付けシュートを排除することを可能にする。先端プレナムコアとシェルとの間にセラミックフィラメントを設けて、浮動する先端プレナムを支持し、従来式の先端ピンの必要性、及びその後のろう付けによる閉鎖をなくし得る。一体式コア-シェル型は、ジェット航空機のエンジン又は発電用タービンの部品用のタービンブレード及びステータベーンを製造するために使用される超合金の鋳造などの鋳造作業において有用な特性を提供する。
【背景技術】
【0002】
現代の多くのエンジン及び次世代のタービンエンジンは、入り組んだ複雑な形状を有する部品及び部分を必要とし、それらは新しいタイプの材料及び製造技術を必要とする。エンジンの部分及び部品を製造するための従来の技術は、面倒なインベストメントプロセス又はロストワックス鋳造を含む。インベストメント鋳造の一例は、ガスタービンエンジンに使用される典型的なロータブレードの製造を含む。タービンブレードは通常、エンジン内での作動中に加圧冷却空気を受けるための少なくとも1つ又は複数の入口を有するブレードのスパンに沿って延びる、半径方向のチャネルを有する中空のエーロフォイルを含む。ブレード内の様々な冷却通路は通常、前縁と後縁との間のエーロフォイルの中央に配置された蛇行チャネルを含む。エーロフォイルは通常、加圧冷却空気を受けるためにブレードを通って延びる入口を含み、これはエーロフォイルの加熱された側壁と内部冷却空気との間の熱伝達を増大させるための短いタービュレータリブ又はピンなどの局所的特徴を含む。
【0003】
典型的には高強度超合金金属材料からのこれらのタービンブレードの製造は、
図1に示される多数の工程を含む。第1に、タービンブレードの内側に望まれる複雑な冷却通路に適合するように精密なセラミックコアが製造される。そのエーロフォイル、プラットフォーム、及び一体式ダブテールを含むタービンブレードの正確な3次元外面を画定する精密なダイ又は型も作成される。このような型の構造の概略図を
図2に示す。セラミックコア200は、ブレードの生じる金属部分を画定する間に空間又は空隙を形成する2つのダイの半分の内側に組み立てられる。ワックスが、組み立てられたダイに注入されて空隙を充填し、その中に封入されたセラミックコアを取り囲む。2つのダイの半分は分割され、成形されたワックスから除去される。成形ワックスは、所望のブレードの正確な構成を有し、次いでセラミック材料で被覆されて周囲のセラミックシェル202を形成する。その後、ワックスが溶融されてシェル202から除去され、セラミックシェル202と内部セラミックコア200及び先端プレナム204との間に対応する空隙又は空間201が残る。次いで、溶融した超合金金属をシェル内に注ぎ込み、その中の空隙を充填し、再びシェル202内に収容されているセラミックコア200及び先端プレナム204を封入する。溶融した金属を冷却して凝固させ、次いで外部シェル202並びに内部コア200及び先端プレナム204を適切に取り外して、内部冷却通路が見られる所望の金属タービンブレードを残す。浸出プロセスを介してセラミックコアの材料を除去するための経路を提供するために、ボールシュート203及び先端ピン205が設けられ、これらは浸出するとタービンブレード内にボールシュート及び先端穴を形成し、これは後にろう付けして閉鎖しなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第8,851,151号明細書
【文献】米国特許第5,387,380号明細書
【文献】米国特許第5,256,340号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
次いで、鋳造タービンブレードは、次いでガスタービンエンジンでの運転中にエーロフォイルの外面に保護用冷却空気膜又はブランケットを形成する、内部に導かれた冷却空気のための出口を設けるため、所望するような、エーロフォイルの側壁を通るフィルム冷却穴の適切な列の穿孔など、ただしそれらに限定されない追加の鋳造後の修正を受け得る。タービンブレードがセラミックの型から取り外された後、セラミックコア200のボールシュート203は、鋳造タービンブレードの内部空隙を通る所望の空気の通路を設けるために後でろう付け閉鎖される通路を形成する。しかし、これらの鋳造後の修正は制限され、タービンエンジンの複雑さが増すこと、及びタービンブレード内の特定の冷却回路の認識される効率性を考慮すると、より入り組んだ複雑な内部形状が必要とされる。インベストメント鋳造ではこれらの部品を製造することができるが、これらの従来の製造プロセスを使用して製造するには、位置の精度及び入り組んだ内部形状はより複雑なものになる。したがって、入り組んだ内部空隙を有する三次元部品のための改良された鋳造方法を提供することが望まれる。
【0006】
セラミックコア-シェル型を製造するために3D印刷を使用する方法は、Rolls-Royce Corporationに譲渡された特許文献1に記載されている。型を製造する方法は、マサチューセッツ工科大学に譲渡された特許文献2に開示されているものなどの粉体層セラミック法、及び3D Systems,Incに譲渡された特許文献3に開示されているものなどの選択的レーザ活性化(SLA)を含む。特許文献1によるセラミックコア-シェル型は、これらのプロセスの印刷分解能によって制限されている。
図3に示すように、一体式コア-シェル型のコア部301とシェル部302とは、型の下縁に設けられた一連の結合構造体303を介して一緒に保持されている。特許文献1では、短いシリンダによって接合された千鳥状の垂直キャビティを含む冷却通路が提案されている。その長さはその直径とほぼ同じである。次いで、超合金タービンブレードが、特許文献1に開示されている既知の技術を使用してコア-シェル型内に形成される。また、それは参照により本明細書に組み込まれる。タービンブレードがこれらのコア-シェル型のうちの1つの中に鋳造された後、型は取り去られて、鋳造超合金タービンブレードが現れる。
【0007】
鋳造プロセスの最終的な製造物において細部のキャスティング特徴を提供することができる、より高分解能の方法を利用して製造されたセラミックコア-シェル型を製造する必要性が依然としてある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態では、本発明は、コアとシェルとを有するセラミックの型の製造方法に関する。セラミックの型を製造する方法であって、(a)加工物の硬化部分を液状セラミックフォトポリマーと接触させる工程、(b)液状セラミックフォトポリマーに接触する窓を通して硬化部分に隣接する液状セラミックフォトポリマーの一部を照射する工程、(c)未硬化の液状セラミックフォトポリマーから加工物を取り出す工程、及び(d)セラミックの型が形成されるまで工程(a)~(c)を繰り返す工程を有し、セラミックの型が、コア部とシェル部とであって、コア部とシェル部との間に少なくとも1つのキャビティを有し、キャビティが、セラミックの型の鋳造及び取り外しの際に鋳造部品の形状を画定するように適合される、コア部とシェル部とを含む方法。工程(d)の後、本プロセスは、液状金属を鋳造用の型に注ぎ込み、液状金属を凝固させて鋳造部品を形成することを含む工程(e)をさらに含み得る。工程(e)の後、本プロセスは、鋳造部品から型を取り外すことを含む工程(f)をさらに含むことができ、この工程は、好ましくは、機械的な力と化学的な浸出との組み合わせを含む。
【0009】
別の態様では、本発明は鋳造部品の製造方法に関する。この方法は、セラミック鋳型に液状金属を注入し、液状金属を凝固させて鋳造部品を形成する工程を含み、セラミック鋳型が、コア部とシェル部とであって、コア部とシェル部との間に少なくとも1つのキャビティを有し、キャビティが、セラミックの型の鋳造及び取り外しの際に鋳造部品の形状を画定するように適合される、コア部とシェル部と、コア部とシェル部とを接合する複数のフィラメントであって、各フィラメントがコアとシェルとの間にまたがり、型を取り外すと、鋳造部品における複数の穴を画定するよう適合され、0.01~2mm2の範囲の断面積を有し、フィラメントにより設けられた鋳造部品の穴を通してセラミックの型の少なくとも一部を浸出させることにより鋳造部品からセラミックの型を取り外すフィラメントをさらに含むセラミック鋳型を含む。間にまたがり、鋳造部品における穴を画定し、フィラメントの少なくとも一部及び/又はコア部は、中空管の形状をしている複数のフィラメントと、を含む、形成する工程、及びフィラメントにより設けられる鋳造部品の穴を通してセラミックコアの少なくとも一部を浸出させることによって、鋳造部品からセラミック鋳型を取り外す工程を含む。
【0010】
一態様では、鋳造部品はタービンブレード又はステータベーンである。好ましくは、タービンブレード又はステータベーンは、例えば航空機エンジン又は発電におけるガスタービンエンジンに使用される。タービンブレード又はステータベーンは、好ましくは、上述のセラミックフィラメントによって画定された冷却穴のパターンを有する単結晶鋳造タービンブレード又はステータベーンである。好ましくは、フィラメントは、各フィラメントがコアとシェルとの間にまたがるコア部とシェル部とを接合し、フィラメントは0.01~2mm2の範囲の断面積を有する。
【0011】
冷却穴のパターンを形成するために使用される多数のフィラメントは、先端コアを支持するのに十分な強度を付与し得る。先端フィラメントが先端プレナムコアを支持するように作られている場合、それらはより大きく、すなわち>2mmの断面積で作られてもよく、はるかに少ない数のフィラメント、又は単一のフィラメントが使用されてもよい。ただし、2~4本のこれらよりも大きなフィラメントが、望ましい数である。鋳造後、フィラメントの結果として先端プレナム側壁に残っているいずれかの穴又はノッチをろう付けして閉じるか、タービンブレード又はベーン設計に組み込むか、フィラメントを部品の仕上げ加工された形状の外側に配置して、このことに対する必要性を防止することができる。
【0012】
別の態様において、本発明は、コア部とシェル部であって、コア部とシェル部との間に少なくとも1つのキャビティを有し、キャビティが、セラミックの型の鋳造及び取り外しの際に鋳造部品の形状を画定するように適合される、コア部とシェル部と、及びコア部とシェル部とを接合する複数のフィラメントであって、各フィラメントがコアとシェルとの間にまたがり、型の取り出し外し時にコア部により画定される鋳造部品内のキャビティと鋳造部品の外面との間に流体連通をもたらす複数の穴を画定するよう適合されるフィラメントを有する、セラミック鋳型に関する。好ましくは、鋳造部品はタービンブレード又はステータベーンであり、コア部とシェル部とを結合する複数のフィラメントは、鋳型の取り外し時にタービンブレード又はステータベーン内に複数の冷却穴を画定する。コア部とシェル部を接合する複数のフィラメントは、0.01~2mm2の範囲の断面積を有する。セラミックは、光重合セラミック又は硬化光重合セラミックであり得る。
【発明の効果】
【0013】
添付の図面に関連して以下に記載される詳細な説明は、様々な構成の説明として意図されており、本明細書で説明される概念が実施され得る唯一の構成を表すことは、意図されていない。詳細な説明は、様々な概念の完全な理解をもたらす目的のための特定の詳細を含む。しかし、これらの概念がこれらの具体的な詳細なしに実施されてもよいことは当業者に明らかである。例えば、本発明は鋳造金属部品、好ましくはジェット航空機エンジンの製造に使用される鋳造金属部品を製造するための好ましい方法を提供する。具体的には、タービンブレード、ベーン、及びシュラウド部品などの単結晶ニッケルベースの超合金鋳造部品の製造は、本発明に従って有利に製造することができる。しかし、他の鋳造金属部品は本発明の技術及び一体式セラミックの型を用いて製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】従来のインベストメント鋳造の工程を示す流れ図である。
【
図2】従来のプロセスで製造されたボールシュート付きコア-シェル型の従来の方式の例を示す概略図である。
【
図3】コア部とシェル部とを結ぶ結合部を伴う、先行技術の一体式コア-シェル型の斜視図を示す。
【
図4】直接光処理(DLP)のための方法のシーケンスの連続した段階を実行するための装置の概略的な横断面図を示す。
【
図5】直接光処理(DLP)のための方法のシーケンスの連続した段階を実行するための装置の概略的な横断面図を示す。
【
図6】直接光処理(DLP)のための方法のシーケンスの連続した段階を実行するための装置の概略的な横断面図を示す。
【
図7】直接光処理(DLP)のための方法のシーケンスの連続した段階を実行するための装置の概略的な横断面図を示す。
【
図9】コア部とシェル部とを接続する中空フィラメントを有する一体式コア-シェル型の側面図を示す。
【
図10】本発明の一実施形態による一体式コア-シェル型の側面図を示す。
【
図11】本発明の実施形態による、超合金充填一体式コア-シェル型の側面図を示す。
【
図12】本発明の実施形態による、ブレード先端の上方に出るコア印刷フィラメントを有する一体式コア-シェル型の概略図である。
【
図13】本発明の実施形態による、ブレード先端の側に出るコア印刷フィラメントを有する一体式コア-シェル型の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
一体式コア-シェル型を製造するための公知の従来のプロセスは、完成したタービンブレード又はステータベーンに噴散冷却穴を生じるのに十分小さいサイズ及び量の型のコア部とシェル部との間に延びるフィラメントを印刷するのに必要な微細な分解能を欠いているということを、本発明者らは認識した。マサチューセッツ工科大学に譲渡された特許文献2に開示されているものなどの初期の粉体層法の場合、粉体層リコータアームの作用が、鋳造部分の噴散冷却穴のパターンをもたらすコアとシェルとの間に延びる十分に細かいフィラメントの形成を妨げる。トップダウン照射技術を使用する3D Systems,Inc.に譲渡された特許文献3に開示されているものなどの選択的レーザ活性化(SLA)などの他の既知の技術は、本発明による一体式コア-シェル型の製造に利用することができる。
しかし、これらのシステムの利用可能な印刷の分解能は、鋳造の最終的な製造物において有効な冷却穴として役立てるのに十分に小さいサイズのフィラメントを製造する能力を著しく制限する。
【0016】
本発明者らは、本発明の一体式コア-シェル型を、直接光処理(DLP)を用いて製造できることを見出した。DLPは、ポリマーの光硬化が樹脂のタンクの底部の窓を通して行われるという点で上記の粉体層法及びSLA法と異なり、それはプロセスが行われるにつれて持ち上げられる構築プラットフォーム上に光を投影する。DLPで、硬化したポリマーの全層が同時に製造され、レーザを用いてパターンを走査する必要性が排除される。さらに、下にある窓と造られる物体の最後の硬化層との間で、重合が起こる。下にある窓は、別個の支持構造を必要とせずに材料の細いフィラメントを製造することを可能にする支持を提供する。言い換えれば、造形物の2つの部分を橋渡しする材料の細いフィラメントを製造することは困難であり、従来技術において典型的に回避されていた。例えば、本願の背景技術の項で上述した特許文献1は、短いシリンダと接続された垂直プレート構造を使用し、その長さはそれらの直径のオーダーであった。例えば、本出願の背景技術の項で上述した特許文献1は、短いシリンダと接続された垂直プレート構造を使用し、その長さはそれらの直径のオーダーであった。特許文献1に開示された粉体層及びSLAの技術は、垂直に支持されたセラミック構造を必要とし、この技術はフィラメントを確実に製造することが不可能であるという事実により、互い違いの垂直キャビティが必要とされる。さらに、粉体層内にある利用可能な分解能は1/8インチ(3.2mm)程度であり、従来式の冷却穴の製造は実用的ではない。例えば、円形の冷却穴は一般に、3.2mm2未満の冷却穴の面積に対応する2mm未満の直径を有する。いくつかのボクセルから穴を製造する必要性を考えると、そのような寸法の穴の製造により、実際の穴のサイズをはるかに下回る分解能が必要となる。この分解能は、粉体層法では単純に利用できない。同様に、ステレオリソグラフィーは、支持の欠如及びレーザの散乱に伴う分解能の問題のために、そのようなフィラメントを製造するその能力において、制限されている。しかし、DLPがフィラメントの全長を露出させ、それを窓と構築板の間にて支持するという事実により、コアとシェルとの間の全長に亘って十分に細いフィラメントを製造して、所望の冷却穴のパターンを有するセラミックの物体を形成することが可能になる。粉体層及びSLAを使用してフィラメントを製造することができるが、上述のように十分に細いフィラメントを製造するそれらの能力は限られている。
【0017】
1つの適切なDLPプロセスは、Ivoclar Vivadent AG及びTechnishe Universitat Wienに譲渡された米国特許第9,079,357号明細書、並びに国際公開第2010/045950号パンフレット及び米国特許出願公開第2011/310370号明細書に開示されている。その各々は参照により本明細書に組み込まれ、
図4~
図8を参照しながら後述される。装置は、露光ユニット410の少なくとも一部を覆う少なくとも1つの半透明底部406を有するタンク404を含む。露光ユニット410は光源及び変調器を含み、それによって制御ユニットの制御下で強度を位置選択的に調整することができ、現在底部に形成されている層にとって望ましい幾何学的形状の露光フィールドをタンク底部406に生成する。代替として、レーザを露光ユニットに使用することができ、その光ビームは、制御ユニットによって制御される可動ミラーによって、所望の明度のパターンで露光フィールドを連続的に走査する。
【0018】
露光ユニット410の反対側には、製造プラットフォーム412がタンク404の上方に設けられている。露光ユニット410の上方の領域でタンク底部406の上に高さ調整可能な方法で保持されるように、それは持ち上げ機構(図示せず)によって支持される。製造プラットフォーム412は、同様に透明又は半透明にして、光を製造プラットフォームの上方でさらなる露光ユニットで照らすことができ、その結果少なくとも製造プラットフォーム412の下側に第1の層を形成するときに、製造プラットフォームにおいて最初に硬化させた層が、はるかに高い信頼性でそれに接着するように、それを上方から露出することもできるようにする。
【0019】
タンク404は、高粘性光重合性材料420の充填物を収容する。充填物の材料の高さは、位置選択的な露光のために規定することを意図している層の厚み部よりはるかに高い。光重合性材料の層を画定するために、以下の手順が採用される。製造プラットフォーム412は、制御下で持ち上げ機構により下げて、(第1の露光工程の前に)その下側が光重合性材料420の充填物に浸漬され、正確に所望の層の厚み部Δ(
図5参照)が製造プラットフォーム412の下側とタンク底部406との間に残ることができる程度に、タンク底部406に近づくようにする。この浸漬プロセスの間、光重合性材料は製造プラットフォーム412の下側とタンク底部406との間の間隙から排除される。層の厚み部Δが設定された後、それを所望の形状に硬化させるために、所望の位置選択層の露光がこの層に対して行われる。特に第1の層を形成するとき、上からの露光も透明又は半透明の製造プラットフォーム412を介して行われ得るので、特に製造プラットフォーム412の下側と光重合性材料との間の接触領域において確実で完全な硬化が起こる。それ故、第1の層が製造プラットフォーム412に良好に接着することが確実になる。層が形成された後、製造プラットフォームは持ち上げ機構によって再び持ち上げられる。
【0020】
続いてこれらの工程が数回繰り返され、最後に形成された層422の下側からタンク底部406までの距離が、それぞれ所望の層の厚み部Δに設定され、次の層が所望の方法で位置選択的に硬化される。
【0021】
露光工程に続いて製造プラットフォーム412が持ち上げられた後、
図6に示されるように、露光領域は材料が不足している。これは、厚み部Δで定めた層を硬化させた後、この層の材料が、製造プラットフォーム及びその上に既に形成されている成形体の一部と共に、硬化されて持ち上がるからである。したがって、既に形成されている成形体部の下側とタンク底部406との間に欠けている光重合性材料を、露光領域を囲む領域由来の光重合性材料420の充填物から、充填しなければならない。しかし、材料の粘度が高いために、それ自体が、成形体部の下側とタンク底部との間の露出領域に逆流することはなく、材料の窪み又は「穴」がその場所に残る可能性がある。
【0022】
露光領域に光重合性材料を補充するために、細長い混合要素432を、タンク内の光重合性材料420の充填物を通して移動させる。
図4~
図8に示す例示的実施形態では、混合要素432は、タンク404の側壁に移動可能に取り付けられた2つの支持アーム430の間に引っ張られる細長いワイヤを含む。支持アーム430は、タンク404の側壁のガイドスロット434に移動可能に取り付けることができ、その結果、支持アーム430間に引っ張られたワイヤ432は、支持アーム430をガイドスロット434にて動かすことによって、タンク底部406と平行に、タンク404に対して移動できる。細長い混合要素432には寸法があり、細長い混合要素432の上端が露光領域外側にあるタンク内の光重合性材料420の充填物の材料の高さより下に留まるように、その動きはタンク底部に対して誘導される。
図8の断面図に見られるように、混合要素432はワイヤの全長に亘ってタンク内の材料の高さより下にあり、支持アーム430のみがタンクの材料の高さを超えて突き出ている。細長い混合要素をタンク404の材料の高さより下に配置する効果は、細長い混合要素432が、露出領域を経てタンクに対して移動している間にその前の材料を実質的に移動させることではなく、むしろわずかな上方への移動を実行しながらこの材料が混合要素432を流れることである。
図6に示される位置から、例えば矢印Aで示される方向での新しい位置への混合要素432の移動が、
図7に示される。タンクの光重合性材料に対するこの種の作用によって、材料が製造プラットフォーム412と露光ユニット410との間の材料が枯渇した露光領域に逆流するように効果的に刺激されることが分かった。
【0023】
タンクに対する細長い混合要素432の移動は、最初に、固定タンク404を用いて、製造プラットフォーム412と露光ユニット410との間の露光領域を通る細長い混合要素432の所望の動きを達成するために、支持アーム430をガイドスロット434に沿って移動させる線形駆動装置によって実行することができる。
図8に示すように、タンク底部406は両側に凹部406’を有する。支持アーム430はそれらの下端でこれらの凹部406’内に突出する。これにより、タンク底部406を通る支持アーム430の下端部の動きを妨げることなく、細長い混合要素432をタンク底部406の高さに保持することが可能になる。
【0024】
本発明の一体式コア-シェル型を製造するために、DLPの他の代替的な方法を使用してもよい。例えば、タンクは回転可能なプラットフォームに配置してもよい。ワークピースが連続する構築工程の間に粘性ポリマーから引き出されると、タンクはプラットフォーム及び光源に対して回転されて、粘性ポリマーの新しい層を提供し、その中に構築プラットフォームを浸して連続層を構築する。
【0025】
図9は、コア部900とシェル部901とを接続するフィラメント902を有する一体式コア-シェル型の概略側面図を示す。上記のDLP印刷プロセスを使用してセラミックの型を印刷することによって、コアとシェルとの間の接続点が、フィラメント902を通して設けられることを可能にするように、型を作製することができる。コア-シェル型が印刷されると、印刷されたセラミックポリマー材料を硬化させるために後熱処理工程に供することが可能である。次いで、超硬タービンブレード又はベーンの製造に使用される従来式の鋳造工程と同様に、硬化セラミック鋳型を使用することができる。特に、中空フィラメント902は、タービンブレード又はベーンの表面に噴散冷却穴のパターンを形成することと一致して大量に設けられるので、
図2に示すようなボールシュート構造の必要性を、排除することができる。この実施形態では、先端プレナムコア904をコア900に接続する先端ピン905が保持され、シェル部901と先端プレナムコア904との間に空隙903が存在する。セラミックの型を取り外した後、コア900と先端プレナムコア904との間に先端の穴が存在し、これは続いてろう付けで閉じることができる。しかし、先端ピン905を省いて、コアキャビティと先端プレナムとを接続する先端穴をろう付けして閉じる必要性を回避することができる。
【0026】
フィラメント902は、好ましくは円筒形又は楕円形であるが、同様に湾曲していても非線形でもよい。それらの正確な寸法は、特定の鋳造金属部品のための所望のフィルム冷却方式に従って変えてもよい。例えば、冷却穴は、0.01~2mm2の範囲の断面積を有し得る。タービンブレードでは、断面積は、0.01~0.15mm2、より好ましくは0.05~0.1mm2、最も好ましくは約0.07mm2の範囲であり得る。ベーンの場合、冷却穴は、0.05~0.2mm2、より好ましくは0.1~0.18mm2、最も好ましくは約0.16mm2の範囲の断面積を有することができる。冷却穴の間隔は、典型的には、冷却穴の直径の2倍~10倍の範囲、最も好ましくは穴の直径の約4~7倍の範囲の冷却穴の直径の倍数である。
【0027】
フィラメント902の長さは、鋳造部品の厚さ、例えばタービンブレード又はステータベーンの壁の厚さ、及び冷却穴が鋳造部品の表面に対して配置される角度によって決まる。典型的な長さは、0.5~5mm、より好ましくは0.7~1mm、最も好ましくは約0.9mmの範囲である。冷却穴が配置される角度は、表面に対して約5~35°、より好ましくは10~20°、最も好ましくは約12°である。本発明による鋳造方法は、鋳造部品の表面に対して、従来の機械加工技術を用いて現在利用可能なものよりも小さい角度を有する冷却穴の形成を可能にすることを理解されたい。
【0028】
図10は、本発明の一実施形態による一体式コア-シェル型の側面図を示す。
図9に示す概略図と同様に、コア1000は、いくつかのフィラメント1002を介してシェル1001に接続されている。コア-シェル型1000/1001は、タービンブレードをインベストメント鋳造するためのキャビティ1003を画定する。
図11は、ニッケルベースの金、すなわちインコネルなどの金属1004で充填されたキャビティ1003を示す。セラミックコア-シェルが浸出すると、得られる鋳造物は、ブレードの表面に冷却穴のパターンを有するタービンブレードである。
図10~
図11は、タービンブレードの前縁及び後縁における冷却穴を示す断面図を提供するが、タービンブレードの側面又は他の任意の所望の位置を含め、所望の場所に追加の冷却穴を設けることができることを理解されたい。特に、本発明を使用して、任意の特定の設計で鋳造プロセス内に冷却穴を形成することができる。言い換えれば、冷却穴を形成するために以前に穿孔が使用されていた任意のパターンに、従来の冷却穴は生成することができる。しかし、本発明は、鋳造部品内に冷却穴を形成する、すなわち穿穴のための従来技術の限界に起因してこれまで達成できなかった冷却穴のパターンを可能にする。
【0029】
図12は、浮動する先端プレナムコア1203を有する一体式コア-シェル型の概略図である。先端プレナムコア1203は、コア印刷フィラメント1204でシェルに対して定位置に保持され、
図9に示すような先端ピン又は従来のインベストメント鋳造で使用されるような先端プレナムコアをシェルに取り付けるためのシェルロックの必要性を排除する。この実施形態では、コア印刷フィラメント1204は、先端プレナムコア1203の最上部又は最上部付近で出る。コア印刷フィラメント1204は、先端プレナムコア1203を定位置に保持する追加の支持体を提供し、キャスティングプロセス中に先端プレナムコアの重量を支えるのに十分大きい断面積を有する。例えば、コア印刷フィラメントの断面積は一般に冷却穴フィラメントの断面積よりも大きい。ある場合には、コア印刷フィラメントの断面積は2mm
2より大きく、平方センチメートルのオーダーの面積を有してもよい。
【0030】
先端プレナムコアとシェルとの間に冷却穴フィラメントがない場合、又はフィラメントの量又はサイズが金属鋳造工程中に先端プレナムコアを所定の位置に保持するのに不十分である場合、コア印刷フィラメント1204が必要となり得る。コア印刷フィラメント1204を設けることにより、先端プレナムコア1203を上方に浮かせてメインコアから切り離すことができる。これは、先端プレナムを通して露出されたタービンブレードの表面をタービンブレードのメインコアキャビティに接続する先端穴をもたらす先端ピンの必要性を排除する。先端穴を排除することは、先端穴をろう付けして閉じる鋳造後の工程を排除するので有利である。この設計は、新規なコア-シェル構造を提供し、シェルに対して先端コアを穿孔するための先端ピン及び/又はシェルロックなどの従来の構造を排除する。
【0031】
浸出後、コア印刷フィラメントからタービンブレードにおいて生じる穴は、必要ならばろう付けして閉じることができる。そうでなければ、コア印刷フィラメントによって残された穴は、内部冷却通路の設計に組み込まれ得る。或いは、金属鋳造工程中にチッププレナムコアを定位置に保持するのに十分な量でチッププレナムコアをシェルに接続するために、冷却穴フィラメントを設けてもよい。
図13は、コアフィラメントがブレード先端プレナム1203の側面に出る代替の設計を提供する。
【0032】
本発明に従ってコア-シェル型構造を印刷した後、セラミックコアフォトポリマー材料の要件に応じて、コア-シェル型を硬化及び/又は焼成することができる。溶融金属を鋳型に流し込んで、一体のコア-シェル型によって実現される形状であり特徴を有する鋳造物を形成することができる。タービンブレード又はステータベーンの場合、溶融金属は、従来のインベストメント鋳造の型で使用されることが知られている技術を使用して単結晶超合金タービンブレード又はステータベーンに形成される超合金金属であることが好ましい。
【0033】
態様では、本発明は、同様の方法で製造された他のコア-シェル型の特徴を組み込んだ、又は組み合わせた本発明のコア-シェル型構造に関する。以下の特許出願は、これらの様々な態様及びそれらの使用の開示を含む。
【0034】
2016年12月13日に出願された、代理人整理番号037216.00037/284997号の「INTEGRATED CASTING CORE-SHELL STRUCTURE WITH FLOATING TIP PLENUM」という名称の米国特許出願公開第[]号明細書。
【0035】
2016年12月13日に出願された、代理人整理番号037216.00033/284909号の「MULTI-PIECE INTEGRATED CORE-SHELL STRUCTURE FOR MAKING CAST COMPONENT」という名称の米国特許出願公開第[]号明細書。
【0036】
2016年12月13日に出願された、代理人整理番号037216.00042/284909A号の「MULTI-PIECE INTEGRATED CORE-SHELL STRUCTURE WITH STANDOFF AND/OR BUMPER FOR MAKING CAST COMPONENT」という名称の米国特許出願公開第[]号明細書。
【0037】
2016年12月13日に出願された、代理人整理番号037216.00032/284917号の「INTEGRATED CASTING CORE SHELL STRUCTURE WITH PRINTED TUBES FOR MAKING CAST COMPONENT」という名称の米国特許出願公開第[]号明細書。
【0038】
2016年12月13日に出願された、代理人整理番号037216.00039/285021号の「INTEGRATED CASTING CORE-SHELL STRUCTURE AND FILTER FOR MAKING CAST COMPONENT」という名称の米国特許出願公開第[]号明細書。
【0039】
2016年12月13日に出願された、代理人整理番号037216.00041/285064号の「INTEGRATED CASTING CORE SHELL STRUCTURE FOR MAKING CAST COMPONENT WITH NON-LINEAR HOLES」という名称の米国特許出願公開第[]号明細書。
【0040】
2016年12月13日に出願された、代理人整理番号037216.00055/285064号の「INTEGRATED CASTING CORE SHELL STRUCTURE FOR MAKING CAST COMPONENT WITH COOLING HOLES IN INACCESSIBLE LOCATIONS」という名称の米国特許出願公開第[]号明細書。
【0041】
2016年12月13日に出願された、代理人整理番号037216.00053/285064号の「INTEGRATED CASTING CORE SHELL STRUCTURE FOR MAKING CAST COMPONENT HAVING THIN ROOT COMPONENTS」という名称の米国特許出願公開第[]号明細書。
【0042】
これらの出願の各々の開示は、それらが本明細書に開示されているコア-シェル型と併せて使用することができるコア-シェル型及びその製造方法のさらなる態様を開示する限りにおいて、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0043】
本明細書は、いかなる当業者も、好ましい実施形態を含む本発明を開示するために、また任意の装置又はシステムを製造及び使用すること、並びに任意の組み込まれた方法を実行することを含めて、本発明を実施できるようにすべく、例を利用している。本発明の特許性のある範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が思い付く他の例を含み得る。そのような他の例は、それらが請求項の文字通りの文言と異ならない構造要素を有する場合、又はそれらが請求項の文字通りの文言と実質的に異なる同等の構造要素を含む場合、請求項の範囲内にあることが意図される。記載された様々な実施形態から得る態様、並びにそのような各態様に対する他の既知の均等物は、本願の原理に従って追加の実施形態及び技術を構築するために、当業者によって混合及び適合され得る。
【0044】
本発明のさらなる態様は以下の各項の通り提供される。
【0045】
1.セラミックの型を製造する方法であって、(a)加工物の硬化部分を液状セラミックフォトポリマーと接触させること、(b)前記液状セラミックフォトポリマーに接触する窓を通して前記硬化部分に隣接する前記液状セラミックフォトポリマーの一部を照射すること、(c)未硬化の液状セラミックフォトポリマーから前記加工物を取り出すこと、(d)セラミックの型が形成されるまで(a)~(c)を繰り返すこと、を含み、前記セラミックの型が、コア部とシェル部とであって、前記コア部と前記シェル部との間に少なくとも1つのキャビティを有し、前記キャビティが、前記セラミックの型の鋳造及び取り外しの際に鋳造部品の形状を画定するように適合される、コア部とシェル部と、を含む、方法。
【0046】
2.前記方法が、(d)の後に、液状金属を鋳造用の型に注ぎ込み、前記液状金属を凝固させて前記鋳造部品を形成することを含む(e)を含む、項1に記載の方法。
【0047】
3.前記方法が、(e)の後に、前記鋳造部品から前記型を取り外すことを含む(f)を含む、項2に記載の方法。
【0048】
4.前記鋳造部品から前記型を取り外すことが、機械的な力と化学的な浸出との組み合わせを含む、項3に記載の方法。
【0049】
5.前記鋳造部品から前記型をアルカリに浸して化学的な浸出によって除去する、項4に記載の方法。
【0050】
6.前記セラミックの型が、前記コア部と前記シェル部とを接合する複数のフィラメントを含み、前記フィラメントが、前記型の取り外し時に前記鋳造部品に複数の穴を画定するように適合され、各フィラメントがコアとシェルとの間の全長にまたがる、項1に記載の方法。
【0051】
7.前記鋳造部品がタービンブレード又はステータベーンである、項1に記載の方法。
【0052】
8.前記鋳造部品がタービンブレード又はステータベーンであり、前記セラミックの型が、前記コア部とシェル部とを接合する複数のフィラメントを含み、各フィラメントがコアとシェルとの間にまたがり、前記フィラメントは、前記型を取り出すと、前記タービンブレード又は前記ステータベーンに複数の冷却穴を画定するよう適合される、項1に記載の方法。
【0053】
9.前記セラミックの型が、前記コア部と前記シェル部とを接合する複数のフィラメントを含み、各フィラメントがコアとシェルとの間にまたがり、前記フィラメントは0.01~2mm
2
の範囲の断面積を有する、項1に記載の方法。
【0054】
10.鋳造部品を製造する方法であって、セラミック鋳型に液状金属を注入し、前記液状金属を凝固させて前記鋳造部品を形成することであって、前記セラミック鋳型は、コア部とシェル部とであって、前記コア部と前記シェル部との間に少なくとも1つのキャビティを含み、前記キャビティが、セラミックの型の鋳造及び取り外しの際に前記鋳造部品の形状を画定するように適合される、コア部とシェル部とを含み、前記コア部と前記シェル部とを接合する複数のフィラメントであって、各フィラメントがコアとシェルとの間にまたがり、前記型の取り出し外し時に前記鋳造部品における複数の穴を画定するよう適合され、前記セラミックの型が、前記コア部と前記シェル部とを接合する複数のフィラメントを含み、各フィラメントが前記コアとシェルとの間にまたがり、前記フィラメントは0.01~2mm
2
の範囲の断面積を有する、フィラメントを鋳型がさらに含む、形成すること、前記フィラメントによって設けられた前記鋳造部品の前記穴を通してセラミックコアの少なくとも一部を浸出させることによって前記鋳造部品から前記セラミック鋳型を取り外すこと、を含む方法。
【0055】
11.前記鋳造部品から前記セラミック鋳型を取り外すことが、機械的な力と化学的な浸出との組み合わせを含む、項10に記載の方法。
【0056】
12.前記鋳造部品から前記型をアルカリに浸して化学的な浸出によって除去する、項11に記載の方法。
【0057】
13.前記鋳造部品がタービンブレード又はステータベーンである、項10に記載の方法。
【0058】
14.前記鋳造部品がタービンブレード又はステータベーンであり、前記セラミックの型が、前記コア部とシェル部とを接合する複数のフィラメントを含み、各フィラメントが前記コアとシェルとの間にまたがり、前記フィラメントは、前記型を取り出すと、前記タービンブレード又は前記ステータベーンに複数の冷却穴を画定するよう適合される、項10に記載の方法。
【0059】
15.前記セラミックの型が、前記コア部と前記シェル部とを接合する複数のフィラメントを含み、各フィラメントが前記コアと前記シェルとの間にまたがり、前記フィラメントは0.01~2mm
2
の範囲の断面積を有する、項10に記載の方法。
【0060】
16.セラミック鋳型であって、コア部とシェル部とであって、前記コア部と前記シェル部との間に少なくとも1つのキャビティを含み、前記キャビティが、セラミックの型の鋳造及び取り外しの際に鋳造部品の形状を画定するように適合される、コア部とシェル部と、前記コア部と前記シェル部とを接合する複数のフィラメントであって、各フィラメントがコアとシェルとの間にまたがり、前記型の取り出し外し時に前記コア部により画定される前記鋳造部品内のキャビティと前記鋳造部品の外面との間に流体連通をもたらす複数の穴を画定するよう適合され、前記セラミックの型が、前記コア部と前記シェル部とを接合する複数のフィラメントを含み、各フィラメントが前記コアとシェルとの間にまたがり、前記フィラメントは0.01~2mm
2
の範囲の断面積を有する、フィラメントと、を含む、セラミック鋳型。
【0061】
17.前記鋳造部品がタービンブレード又はステータベーンであり、前記コア部とシェル部とを接合する前記複数のフィラメントは、前記型の取り外し時に前記タービンブレード又は前記ステータベーンに複数の冷却穴を画定する、項16に記載のセラミック鋳型。
【0062】
18.前記コア部とシェル部を接合する前記複数のフィラメントは、0.01~2mm
2
の範囲の断面積を有する、項16に記載のセラミック鋳型。
【0063】
19.前記セラミックが光重合セラミックである、項16に記載のセラミック鋳型。
【0064】
20.前記セラミックが硬化した光重合セラミックである、項16に記載のセラミック鋳型。